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特表2024-523019無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法及び金型
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法及び金型
(51)【国際特許分類】
   A24F 23/00 20060101AFI20240618BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20240618BHJP
   B65D 8/04 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A24F23/00
B29C45/00
B65D8/04 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577127
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022059255
(87)【国際公開番号】W WO2022263038
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】2150763-7
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523437787
【氏名又は名称】セーブヨ プラスティック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トミ アスターヘド
【テーマコード(参考)】
3E061
4F206
【Fターム(参考)】
3E061AA16
3E061AB09
3E061BB03
4F206AH55
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
本開示は、無煙たばこ容器(1)に関し、第1の仕切り室(110)を規定する本体(11)と、第1の仕切り室(110)を閉じるように本体(11)に解放可能に取り付けられるように構成された第1の蓋(12)であって、第1の仕切り室(110)から分離された第2の仕切り室(120)を規定する第1の蓋(12)と、第2の蓋(13)の操作領域(131)を押圧すると、第2の蓋(13)が第2の仕切り室(120)を閉じる閉鎖位置から半開位置に枢動軸(P)の周りを枢動することができるように第1の蓋(12)に枢動可能に結合された第2の蓋(13)と、を備え、第2の蓋(13)は、第2の蓋(13)が半開位置にあるときに、第2の蓋(13)が第1の蓋(12)から着脱自在に取り外し可能となるスナップインカップリング(122、132)によって、第1の蓋(12)に枢動可能に結合される。無煙たばこ容器(1)の製造方法(S0)及びこの方法(S0)で使用される金型(100)も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無煙たばこ容器(1)であって、
第1の仕切り室(110)を規定する本体(11)と、
前記第1の仕切り室(110)を閉じるように、前記本体(11)に解放可能に取り付けられるように構成された第1の蓋(12)であって、該第1の蓋(12)は前記第1の仕切り室(110)から分離された第2の仕切り室(120)を規定し、前記第1の仕切り室(110)及び前記第2の仕切り室(120)の一方は未使用の無煙たばこポーションを保つように構成され、一方、前記第1の仕切り室(110)及び前記第2の仕切り室(120)の他方は使用済みの無煙たばこポーションを保つように構成された、第1の蓋(12)と、
前記第1の蓋(12)に枢動可能に結合された第2の蓋(13)であって、該第2の蓋(13)の操作領域(131)を押すと、前記第2の蓋(13)が前記第2の仕切り室(120)を閉じる閉鎖位置から前記第2の仕切り室(120)へのアクセスを依然として妨げる半開位置まで、枢動軸(P)の周りを枢動可能な第2の蓋(13)と、を備え、
前記第2の蓋(13)は、スナップインカップリング(122,132)によって前記第1の蓋(12)に枢動可能に結合され、前記第2の蓋(13)が前記半開位置にあるときに、前記第2の蓋(13)を前記第1の蓋(12)から着脱自在に取り外すことを可能にし、
前記第2の蓋(13)は、
前記第2の蓋(13)が前記半開位置まで枢動したとき、前記第2の蓋(13)の把持領域(134)を露出し、前記第2の仕切り室(120)の底から離れるように構成された第1の部分(13a)と、
前記第1の部分(13a)に接続され、前記操作領域(131)を提供するため第2の部分(13b)であって、前記第2の仕切り室(120)の底に向かって押されたときに、前記第2の蓋(13)を前記閉鎖位置から前記半開位置に枢動するように操作される、第2の部分(13b)と、を備え、
前記第2の仕切り室(110)へのアクセスは、前記第2の蓋(13)を前記第1の蓋(12)から取り外すことによって可能になる、
無煙たばこ容器(1)。
【請求項2】
前記第2の蓋(13)は、所定の力が前記操作領域(131)に作用して前記第2の蓋(13)が前記閉鎖位置から前記半開位置の方に枢動するまで、係止凹所(123)と係合するように構成された少なくとも1つの係止突出部(133)によって前記閉鎖位置に保持されるように構成されている、請求項1に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項3】
前記第2の蓋(13)は、少なくとも2つの係止突出部(133)、好ましくは4つの係止突出部(133)を備え、前記第2の蓋(13)の前記第1の部分(13a)及び前記第2の部分(13b)の各々は、前記少なくとも2つの係止突出部(133)の少なくとも1つの係止突出部(133)を備える、請求項2に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項4】
前記スナップインカップリング(122、132)は、前記枢動軸(P)を規定するように相互に配置され、それぞれの枢動凹所(122)に解放可能に結合して、前記第2の蓋(13)が前記枢動軸(P)の周りを枢動することを可能にするように構成された、2つの枢動突出部(132)によって提供される、請求項1-3の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項5】
前記第2の蓋(13)は、該第2の蓋(13)が前記半開位置にあるときに、前記第2の仕切り室(120)の底と係合する大きさ及び形状に構成された係合部(135a)を備える、請求項1-4の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項6】
前記係合部(135a)は、前記第2の蓋(13)の周方向に少なくとも部分的に延び、前記周方向に沿って前記枢動軸(P)から垂直な位置で最小高さを有し、前記係合部(135a)の高さは、該係合部(135a)の前記最小高さの前記位置から前記枢動軸(P)に近接する点に向かって2つの周方向のそれぞれに沿って増加する、請求項5に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項7】
前記第1の蓋(12)は、前記操作領域(131)に近接する位置で前記第2の仕切り室(120)の前記底から上方に延びる境界要素(121)を備える、請求項1-6の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項8】
前記無煙たばこ容器(1)は、前記閉鎖位置と前記半開位置との間で枢動するときの前記第2の蓋(13)の枢動角度(α)が5-20°、好ましくは5-15°、最も好ましくは6-10°であるように、形状及び大きさが構成される、請求項1-7の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項9】
前記2つの枢動突出部(132)は実質的に半球状を有し、前記2つの枢動凹所(122)は対応する半球状の開口である、請求項1-8の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項10】
請求項1-9の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)の製造方法(S0)であって、
無煙たばこ容器(1)の本体(11)と、第1の蓋(12)と、第2の蓋(13)の形状に対応する複数の金型キャビティ(1021,1022,1023)を規定する金型(100)を提供するステップ(S1)と、
前記複数の金型キャビティ(1021,1022,1023)に材料を注入するステップ(S2)と、
固化した後、前記金型(100)から前記無煙たばこ容器(1)を排出するステップ(S3)と、
を備える無煙たばこ容器(1)の製造方法。
【請求項11】
金型(100)は、請求項1-9の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)の本体(11)と、第1の蓋(12)と、第2の蓋(13)との形状に対応する複数のキャビティ(1021,1022,1023)を規定する形状及び大きさに構成される、金型(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の概念は、無煙たばこポーション包を収納するための複数の仕切り室を含む無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無煙たばこは、再封止可能な蓋を有する容器に収納された無煙たばこポーション包として消費者に販売される。これらの容器は従来、形状が円筒形であり、プラスチック材料又はポリマー材料から作製されている。
【0003】
無煙たばこポーションが使用された後、無煙たばこポーションは、例えば公共のゴミ箱内に廃棄される。しかしながら、近くにゴミ箱がない場合、使用された無煙たばこポーションを保つ必要がある。この問題に対する解決策は、2つの独立した仕切り室を備える無煙たばこ容器を提供することである。これにより、未使用の無煙たばこポーションを1つの仕切り室に収納することができ、使用済みの無煙たばこポーションを別の仕切り室に収納することができる。これにより、使用済み無煙たばこポーションは、廃棄物容器内で廃棄されるまで、一時的に保つことができる。そのような2つの仕切り室を有する無煙たばこ容器は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
2つの仕切り室を有する無煙たばこ容器の課題は、費用を増大させ、製造及び/又は組み立てを複雑にすることである。より複雑な無煙たばこ容器はより脆弱であり、したがって、より破損しやすくなり得る。そのような無煙たばこ容器はまた、直感的に使用しにくい場合がある。これらの態様の各々は、いらいらさせる体験をもたらし得る。更に、使用済み無煙たばこポーションを収納するための第2の仕切り室が十分に大きく、第1の仕切り室の空間を著しく制限しない、2つの仕切り室を有する無煙たばこ容器を提供することは困難である。したがって、製造するのに安価な、より単純な設計の2つの仕切り室を有する無煙たばこ容器を提供することは興味深いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3503748(A1)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2308769(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、本発明の解決策で言及した欠点を軽減する改善された解決策を提供することである。特に、第1の目的は、2つの仕切り室について簡易かつ空間効率の良いデザインを提供する無煙たばこ容器を提供することである。この目的は、請求項1に規定される発明によって解決される。第2の目的は、製造が安価で組み立てが容易な無煙たばこ容器を提供することである。この目的は、請求項1に規定される発明によって解決される。第3の目的は、簡易かつ空間効率の良いデザインの無煙たばこ容器の製造方法を提供することである。この目的は、請求項9に規定される発明によって解決される。第4の目的は、製造方法で使用するための金型を提供することである。この目的は、請求項10に規定される発明によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、無煙たばこ容器が提供される。無煙たばこ容器は、第1の仕切り室を規定する本体と、本体に解放可能に取り付けられ、第1の仕切り室を閉鎖するように構成された第1の蓋であって、第1の仕切り室から分離された第2の仕切り室を規定する第1の蓋と、第1の蓋に枢動可能に結合された第2の蓋であって、第2の蓋の操作領域を押すと、第2の蓋が第2の仕切り室を閉鎖する閉鎖位置から半開位置まで枢動軸の周りを枢動可能な第2の蓋と、備え、第2の蓋は、この第2の蓋が半開位置にあるときに第1の蓋から第2の蓋を着脱自在に取り外すことができるスナップインカップリングによって第1の蓋に枢動可能に結合されている。
【0008】
この無煙たばこ容器により、未使用無煙たばこポーションを収容する第1の仕切り室と、使用済み無煙たばこポーションを収容する第2の仕切り室とを有する無煙たばこ容器が提供される。更に、無煙たばこ容器によって、第2の蓋は、第1の蓋から意図的に引き離されるまで、第2の仕切り室の開口を依然として覆うことができる。これは、無煙たばこ器の第2の仕切り室がポケット又はバッグに入れて運ばれるときに偶発的に開かれることを防止することができるので、有利なデザインである。これは、空間がより効率的に使用されることを可能にするので、有利なデザインである。これは、第2の蓋が第1の蓋から取り外し可能になる前に、第2の仕切り室内に最初に押し込まれて、第2の仕切り室にアクセスできるようにするためである。したがって、第2の仕切り室は、より広い底を有する一方で、より薄い深さを有し得、その結果、より大きい第1の仕切り室も同様に可能にする。いくつかの従来の解決策では例えば、特許文献2を参照すると、第1の蓋は開いたときに蓋の一部が移動するための空間を規定し、この空間は未使用又は使用済み無煙たばこポーションを収納するために使用することができない。これにより、本発明の無煙たばこ容器は、上記第1の目的を解決する。
【0009】
更に、本体、第1の蓋、及び第2の蓋を備える無煙たばこ容器は、他の2つの仕切り室を有する無煙たばこ容器と比較して、デザインが比較的簡易である。耐久性のある無煙たばこ容器を保証する複雑な部品は必要ない。この無煙たばこ容器は例えば射出成形によって低費用で製造することができ、それによって本発明の第2の目的を解決する。
【0010】
「解放可能に取り付けられる」とは、構成要素Aが構成要素Bに取り付けられ、着脱自在に取り外されるように構成されることを意味し得る。
【0011】
「着脱自在に取り外される」とは、構成要素Aが構成要素Bから取り外され、構成要素Bに何度も再取り付けされるように構成されることを意味し得る。
【0012】
「操作領域」とは、第2の蓋の動きを操作するために促進される相互作用のための大きさ及び形状に構成された領域及び/又は表面を意味し得る。
【0013】
「開放位置」とは、仕切り室へのアクセスが可能な位置を意味し得る。
【0014】
「閉鎖位置」とは、仕切り室へのアクセスが妨げられる位置を意味し得る。
【0015】
「半開位置」とは仕切り室へのアクセスが依然として妨げられるが、第2の蓋が取り外し可能である位置を意味し得る。これは第1の蓋と第2の蓋との間に隙間が設けられ、無煙たばこポーションを第2の仕切り室に挿入することを可能にするが、無煙たばこ容器が特定の向きに向けられていない限り、無煙たばこポーションへのアクセスを可能にしない位置を意味し得る。
【0016】
「スナップインカップリング」とは、第1の構成要素Aが何らかの所定の枢動運動を可能になるように、第2の構成要素Bに枢動可能かつ解放可能に取り付けられることを可能にする形状や大きさに構成されたカップリングを意味し得る。第1の構成要素Aは、所定の力を受けたときに撓むことができる第1及び/又は第2の構成要素Bの何れかによって提供される可撓部によって、第2の構成要素Bに対して前記位置に保持され、それによって、第1の構成要素Aが解放されることを更に意味することができる。
【0017】
無煙たばこ容器は従来の無煙たばこ容器と同様のフォームファクタを有するように、大きさ及び形状が構成され得る。無煙たばこ容器は、実質的に円筒状を有する可能性がある。第1の仕切り室はまた、実質的に円筒状を有する可能性がある。第2の仕切り室は、実質的な円筒状を有する可能性がある。第1の仕切り室及び第2の仕切り室の一方は、他方よりも大きくてもよい。大きい方の仕切り室は未使用の無煙たばこポーションを保つように意図されてもよく、一方、小さい方の仕切り室は使用された無煙たばこポーションを一時的に保つように意図されてもよい。第1の仕切り室は、第2の仕切り室より大きくてもよい。第2の仕切り室は、第1の仕切り室より大きくてもよい。あるいは、第1の仕切り室及び第2の仕切り室が実質的に同じ大きさを有する。円筒状の場合、第1の仕切り室は、第2の仕切り室よりも大きい直径を有してもよく、又はその逆であってもよい。第1の仕切り室は、垂直方向における各仕切り室の底部の中心から仕切り室を覆うそれぞれの蓋まで、又はその逆で測定して、第2の仕切り室よりも大きい高さを有してもよい。第1の仕切り室の高さと第2の仕切り室の高さとの比は約1.0-1.5、1.5-2.0、2.0-2.5、2.5-3.0、3.0-3.5、3.5-4.0であり、又は第1の仕切り室が第2の仕切り室よりも短い場合には約0.2-0.4、0.4-0.6、0.6-0.8、0.8-1であり得る。
【0018】
更に、第1の蓋は、第1の仕切り室に少なくとも部分的に挿入されるように構成された円筒形の本体を有してもよい。第1の蓋の円筒形の本体は第2の仕切り室を規定してもよい。無煙たばこ容器はポリマー材料から作製されてもよい。
【0019】
無煙たばこ容器はプラスチック材料から作製されてもよい。代わりに、無煙たばこ容器がアルミニウム、チタンなどの金属を含む材料から作製されてもよい。好ましい実施形態では本体、第1の蓋、及び第2の蓋はすべて同じ材料から作製される。
【0020】
操作領域は、第2の蓋の外側の所定の操作面によって提供されてもよい。所定の操作面は、円形形状を有することができる。所定の操作面は、1-2cmの直径を有することができる。所定の操作面は、第2の蓋の外周面に対して凹んでいてもよい。所定の操作面は、滑らかに凹んでいてもよく、すなわち僅かな湾曲を有していてもよい。所定の操作面は、第2の蓋を押圧してそれを半開位置に枢動させる場所の同定を容易にするように、テクスチャを用いて構成されてもよい。これにより、より満足のいく使用体験を実現することができる。
【0021】
本発明の更なる利点は、第1の蓋が、第2の仕切り室を開くために、第2の蓋へのアクセスを可能にするためのいかなる凹所も規定する必要がないことである。代わりに、第2の仕切り室は、第2の蓋が第2の仕切り室へのアクセスを可能にするために、把持され、第1の蓋から取り外されることが可能である位置で、半開位置に枢動されるように、操作領域を単に押すことによって開くことができる。これは、より耐久性があり、費用効果の高いデザインを可能にする。
【0022】
一実施形態によれば、第2の蓋は、第2の蓋が半開位置に枢動するとき、第2の仕切り室の底から離れ、それによって、第2の蓋の把持領域を露出させるように構成された第1の部分と、第1の部分に接続され、第2の仕切り室の底に向かって押されるとき、第2の蓋が閉鎖位置から半開位置に枢動するように、操作領域を提供する第2の部分とを備える。把持領域は第2の蓋の把持を容易にすることができ、それによって、第2の仕切り室にアクセスするために第2の蓋を第1の蓋から取り外すことをより容易にする。把持領域は、把持縁部によって提供されてもよい。第2の蓋は、把持縁部に隣接する凹所を規定するように形状及び大きさが構成されてもよい。第2の蓋が半開位置にあるとき、把持縁部は、把持され得るように位置決めされ得る。
【0023】
一実施形態によれば、第2の蓋は、操作領域に所定の力が作用して第2の蓋を閉鎖位置から半開位置に向かって枢動させるまで、それぞれの係止凹所に係止するように構成された少なくとも1つの係止突出部によって閉鎖位置に保持されるように構成される。これにより、第2の蓋を閉鎖位置に保持することができる。少なくとも1つの係止突出部は第2の蓋によって提供されてもよく、一方、それぞれの係止凹所は第1の蓋によって提供されてもよく、又はその逆であってもよい。少なくとも1つの係止突出部及びそれぞれの係止凹所は第2の蓋が閉鎖位置にあるときに係止突出部がそれぞれの係止凹所と係合するように、相応に配置されてもよい。
【0024】
係止突出部が第2の蓋によって提供されるとき、係止突出部は、第1の蓋によって規定される第2の仕切り室の内側壁に面するように構成された第2の蓋の側面から外に延在し得る。そのような場合、それぞれの係止凹所は、第1の蓋によって規定される第2の仕切り室の内側壁に沿って提供されてもよい。
【0025】
係止突出部が第1の蓋によって提供されるとき、係止突出部は、第2の蓋の側面に面するように構成された第1の蓋によって規定された第2の仕切り室の内側壁から外に延びることができる。そのような場合、それぞれの係止凹所は、第2の蓋の側面に沿って設けられてもよい。
【0026】
無煙たばこ容器は、複数の係止突出部と、第2の蓋を閉鎖位置に維持するために共に働くように構成されたそれぞれの係止凹所とを備えてもよい。無煙たばこ容器は、第1の蓋によって提供されるそれぞれの係止凹所と係合するように構成される、第2の蓋によって提供される1つ又は複数の係止突出部を備えてもよい。無煙たばこ容器は追加的に又は代替的に、第2の蓋によって提供されるそれぞれの係止凹所と係合するように構成される、第1の蓋によって提供される1つ以上の係止突出部を備えてもよい。
【0027】
少なくとも1つの係止突出部は、湾曲した外面を画定するように大きさ及び形状に構成されてもよい。これは、係止突出部がそれぞれの係止凹所と係合し、それから係止を解除することを容易にし得る。同様に、それぞれの係止凹所は、湾曲した凹所を規定するように大きさ及び形状が構成されてもよい。これは、それぞれの係止凹所が少なくとも1つの係止突出部を許容して、それぞれの係止凹所の内外に移動することを可能にする。
【0028】
無煙たばこ容器は、それぞれの係止凹所と係合するように構成された1-2、2-3、3-4、4-5、5-6、6-7、7-8、8-9、10個又はそれ以上の係止突出部を備えてもよい。
【0029】
一実施形態によれば、第2の蓋は少なくとも2つの係止突出部、好ましくは4つの係止突出部を備え、第2の蓋の第1の部分及び第2の部分のそれぞれは少なくとも2つの係止突出部の少なくとも1つのそれぞれの係止突出部を備える。これにより、第2の蓋は、閉鎖位置においてより確実に保持される。少なくとも2つの係止突出部、又は好ましくは4つの係止突出部、及びそれぞれの係止凹所は、第2の蓋と第1の蓋との間に対称的に配置されてもよい。これによって、第2の蓋は、閉鎖位置において更により確実に保持され得る。
【0030】
一実施形態によれば、スナップインカップリングは、枢動軸を規定するように相互に配置され、それぞれの枢動凹所に解放可能に結合して第2の蓋が枢動軸を中心に枢動することを可能にするように構成された2つの枢動突出部によって提供される。これにより、必要に応じて、第2の蓋を第1の蓋に枢動可能に取り付けた位置から、第2の蓋を第1の蓋に容易に着脱することができる。2つの枢動突出部は第2の蓋に配置されてもよく、それぞれの枢動凹所は結果的に第1の蓋に配置されてもよく、又はその逆であってもよい。
【0031】
第2の蓋に配置されるとき、2つの枢動突出部は、第1の蓋によって規定される第2の仕切り室の内側壁に面するように構成された第2の蓋の側面から外に延びることができる。そのような場合、それぞれの枢動凹所は、第1の蓋によって規定される第2の仕切り室の内側壁に配置され得る。
【0032】
第1の蓋に配置されるとき、2つの枢動突出部は、第2の蓋の側面に面するように構成された第1の蓋によって規定された第2の仕切り室の内側壁から外に延びることができる。そのような場合、それぞれの枢動凹所は、第2の蓋の側面に配置され得る。
【0033】
2つの枢動突出部及びそれぞれの枢動凹所は、枢動軸が第2の蓋の2つの対向する点から延びる中心線に平行であるように配置され得る。
【0034】
一実施形態によれば、第2の蓋は、第2の蓋が半開位置にあるときに第2の仕切り室の底と係合するように大きさ及び形状が構成された係合部を備える。これにより、第2の蓋が第2の仕切り室に押し込まれ過ぎることを防止することができ、すなわち、第2の仕切り室の最小高さが保証される。更に、これにより、半開位置にあるときに第2の蓋を第1の蓋から取り外すことを容易にする支持体が提供される。
【0035】
係合部は、第2の蓋の底から外に延びることができる。係合部は、第2の蓋の周方向に部分的に延びていてもよい。第2の蓋の底から出る延長部の「高さ」は、係合部と第2の仕切り室の底との間に大きな接触面積が確立されるように、操作領域に近接する位置で変化してもよい。高さとは、第2の蓋の底から係合部の最も遠い部分に対して垂直方向に測定された距離を意味することができる。係合部は、周方向に沿って枢動軸から垂直な位置で最小高さを有してもよい。係合部の高さは、2つの円周方向のそれぞれにおいて、枢動軸に近接する点に向かって増加してもよい。係合部は、第2の仕切り室に受容されるように構成された、円筒形の内側壁の一部であってもよい。係合部は円筒形の内側壁の第1の半体を規定することができ、一方、円筒形の内側壁の他の半体は操作領域を提供しない第2の蓋の半体が第2の仕切り室に押し込まれるように、第2の蓋が押し込まれることを防止するように、形状及び大きさが構成された一定の高さを有する。
【0036】
一実施形態によれば、第1の蓋は、操作領域に近接する位置で第2の仕切り室の底から上方に延びる境界要素を備える。これにより、無煙たばこポーションは枢動軸の周りを枢動する第2の蓋の能力を制限するように、第2の仕切り室内に配置されることを防ぐことができる。境界要素は操作領域に近接した位置で第2の仕切り室の底から、半開位置にあるときに第2の蓋に最も当接する点まで、上方に延在してもよい。境界要素は、第2の仕切り室の底から上方に延びる円筒形の内側壁の一部であってもよい。したがって、内側壁は、無煙たばこポーションが存在し得る領域を規定し得る。更に、境界要素は第2の蓋を第1の蓋から取り外すとき、枢動要素として作用することができる。
【0037】
一実施形態によれば、無煙たばこ容器は、閉鎖位置と半開位置との間で枢動したときの第2の蓋の枢動角度αが5-20°、好ましくは5-15°、最も好ましくは6-10°であるように、形状及び大きさが構成される。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様又はその任意の実施形態による無煙たばこ容器の製造方法が提供される。本方法は、無煙たばこ容器の本体、第1の蓋、及び第2の蓋の形状に対応する複数の金型キャビティを規定する金型を提供するステップと、複数の金型キャビティ内に材料を射出するステップと、固化した後、無煙たばこ容器を金型から排出するステップと、を含む。これにより、簡易かつ空間効率の良いデザインの無煙たばこ容器を提供することができ、本発明の第3の目的を解決することができる。
【0039】
材料は、金型キャビティ内に材料を案内するように構成された1つ以上のノズルによって、複数の金型キャビティ内に射出されてもよい。材料は、射出装置によって射出することができる。材料は流体になるように溶融温度まで加熱されてもよい。冷却されると、材料は、次いで金型キャビティ内で固化する。無煙たばこ容器は、好ましくはプラスチック材料又はポリマー材料から作製される。代わりに、無煙たばこ容器がアルミニウム、チタンなどの金属を含む材料から作製されてもよい。無煙たばこ容器は、単一の連続部品として形成することができ、組み立て後に異なる部品、すなわち本体、第1の蓋及び第2の蓋に分離される。本体、第1の蓋、及び第2の蓋はすべて同じ材料から作製される。
【0040】
本発明の第3の態様によれば、金型が提供される。金型は、何れかの実施形態の態様に従って、無煙たばこ容器の本体、第1の蓋及び第2の蓋の形状に対応する複数のキャビティを規定する形状及び大きさに構成される。これにより、本発明の第4の目的が解決される。金型は第2の態様の方法において使用されるように構成されてもよい。
【0041】
金型は、第1の金型部品と第2の金型部品とを備えることができる。第1の金型部品は上側部品であってもよく、第2の金型部品は下側部品であってもよく、又はその逆であってもよい。第1及び第2の金型部品は無煙たばこ容器の形状に対応する金型キャビティを形成するために、一緒に押圧されるように構成されてもよい。第1の金型部品は、第1及び第2の金型部品が一緒に押圧されるときに、第2の金型部品のそれぞれの突出部を受容するように構成された複数の凹所を規定するように形状及び大きさが構成され得る。凹所及び突出部は共に、無煙たばこ容器の本体、第1の蓋、及び第2の蓋に対応する金型キャビティを規定してもよい。第1及び/又は第2の金型部品は、それぞれの金型キャビティの間を材料が流れることを許容する凹所に接続する通路を更に規定してもよい。金型は、材料を金型キャビティ内に案内するためのノズルと接続するように構成されてもよい。金型は、固化した後に、無煙たばこ容器を排出するための1つ以上の排出ピンを更に備えてもよい。
【0042】
本発明は添付の独立請求項によって規定され、実施形態は添付の従属請求項、以下の説明、及び図面に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。
図1図1は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の斜視図を示す。
図2図2は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の側面図を示す。
図3図3は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の平面図を示す。
図4図4は、第2の蓋が半開位置にあるときの、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の斜視図を示す。
図5図5は、第2の蓋が半開位置にあるときの、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の側面図を示す。
図6A図6Aは、第2の蓋が閉鎖位置にあるときの、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の断面図を示す。
図6B図6Bは、第2の蓋が半開位置にあるときの、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の断面図を示す。
図7図7は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の断面斜視図を示す。
図8図8は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の製造方法のフローチャートを示す。
図9図9は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の製造で使用される金型の断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、同様の番号は同様の構成要素を指す。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の斜視図を示す。無煙たばこ容器1は、第1の仕切り室110を規定する本体11を備える。無煙たばこ容器1は、第1の蓋12を更に備える。第1の蓋12は本体11に解放可能に取り付けられ、第1の仕切り室110を閉じるように構成されている。図1において、第1の蓋12は閉鎖位置にあり、第1の蓋12は第1の仕切り室110を閉じる。第1の蓋12はまた、第1の仕切り室110から分離された第2の仕切り室120を規定する。無煙たばこ容器1は、更に第1の蓋12に枢動可能に結合され、第2の蓋12の操作領域131を押すと、第2の蓋13が第2の仕切り室120を閉鎖する閉鎖位置から半開位置まで枢動軸の周りを枢動可能である。枢動軸Pは例えば図3に示されている。無煙たばこ容器1は、例えば図4において半開位置にある第2の蓋13と共に示されている。図1において第2の蓋13は閉鎖位置にあり、第2の仕切り室120を閉じている。更に、第2の蓋13は、第2の蓋13が半開位置にあるときに第2の蓋を第1の蓋12から着脱自在に取り外すことを可能にするスナップインカップリング122,132によって第1の蓋12に枢動可能に結合される。したがって、スナップインカップリング122,132によって、第2の蓋13は、第2の仕切り室120を完全に開くために第1の蓋12から取り外されることが可能となる。
【0046】
図1に更に示すように、無煙たばこ容器1は、現行の無煙たばこ容器の従来のデザインと同様に、実質的に円筒形である。第1の蓋12及び第2の蓋13の両方は、円形状に構成される。更に、無煙たばこ容器の上縁部及び下縁部は僅かに湾曲している。鋭い縁部のないこのようなデザインは衣類のポケット内で保持し、持ち運びすることをより快適にする。しかしながら、無煙たばこ容器1は、このようなデザインに限定されるものではなく、必要に応じて代替的な形状で提供されてもよい。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の側面図を示し、第1の蓋12と第2の蓋13の両方は閉鎖位置にある。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の平面図を示す。この実施形態において、第2の蓋13は、第2の蓋13が閉鎖位置から半開位置に枢動するときに、第2の仕切り室120の底から離れるように構成された第1の部分13aを備える。第2の蓋13はまた、第2の仕切り室120の底に向かって押されると、第2の蓋13が閉鎖位置から半開位置に枢動するように操作するように、操作領域131を提供する第1の部分13aに接続された第2の部分13bを備える。図3に見られるように、第2の蓋13の第1の部分13a及び第2の部分13bは、枢動軸Pに沿って分割された第2の蓋13の2つのそれぞれの半体を表す。
【0049】
操作領域131は、第2の蓋13の外面に対して凹んだ操作面131である。操作面131は更に、僅かな湾曲を伴って滑らかに凹んでいる。更に、操作面131は、第2の蓋13の外面に対して異なる質感を提供する。操作面131はリブ付きテクスチャを提供する。第2の蓋の外面の残りの部分に関して特定の構造的な差を有する操作面131を設けることによって、使用者は第2の蓋13が押されることが意図される場所を迅速に識別することができ、第2の蓋13を半開位置に枢動させることができる。加えて、又は代替的に、操作領域131は、第2の蓋13を半開位置に枢動させるように、第2の蓋13がどこを押されることが意図されるかを使用者が識別することを可能にするステッカー又はマーキングを備えてもよいし、ステッカー又はマーキングであってもよい。
【0050】
更に、第2の蓋13の第1の部分13aは、第2の蓋13が半開位置にあるときにアクセスのために露出され得る把持領域134を提供するように形状及び大きさが構成され得る。把持領域134は第2の仕切り室120を完全に開くために、第2の蓋13が第1の蓋12から取り外されることを容易にすることができる。把持領域134は、把持縁部134と、第2の蓋13の把持を共に容易にする隣接する凹所とを備えてもよい。
【0051】
一実施形態では、第2の蓋13が操作領域131に所定の力が作用して第2の蓋13を閉鎖位置から半開位置に向かって枢動させるまで、それぞれの係止凹所123に係合するように構成された少なくとも1つの係止突出部133によって閉鎖位置に保持されるように構成される。図3において、無煙たばこ容器1は、第2の蓋13の側面に沿って対称に配置された4つの係止突出部133を備える。4つの係止突出部133は、それぞれ、第1の蓋12によって規定される第2の仕切り室120の内側壁に沿って提供されるそれぞれの係止凹所123と係合することができるように配置される。係止突出部133は好ましくは所定の力が操作領域131に作用するとき、係止突出部133がそれぞれの係止凹所123の内外に移動することを容易にする湾曲形状を有する形状及び大きさに構成される。
【0052】
図4及び図5は、第2の蓋13が半開位置にあるときの無煙たばこ容器1を示す。2つの係止突出部133は、ここでは把持縁部として示されている把持領域134とこの把持縁部の下にある隣接する凹所と同様にして視認可能である。
【0053】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の断面側面図を示す。具体的には、図6Bが第2の蓋13が閉鎖位置にあるときの無煙たばこ容器1を示す。一方、図6Bは、第2の蓋13が半開位置にあるときの無煙たばこ容器1を示している。無煙たばこ容器は、第2の蓋13が閉鎖位置と半開位置との間で枢動するとき、第2の蓋13の枢動角度αが5-20°、好ましくは5-15°、最も好ましくは6-10°であるように、形状及び大きさが構成される。具体的には、図6Bに示す第2の蓋13の枢動角度αは約7°である。
【0054】
更に、無煙たばこ容器1は、第2の蓋13が半開位置にあるときに第2の仕切り室120の底と係合するように形状及び大きさが構成された係合部135aを備えてもよい。係合部135aは周方向に沿って高さが変化するように、第2の蓋13の底から延出している。高さは、枢動軸に対して直角、すなわち、操作領域131の近傍の位置で最小であり、その位置から枢動軸Pに近接する2つの位置に向かって、いずれかの円周方向に連続的に増加する。係合部135は、第2の仕切り室120に受容されるように構成された円筒形の内側側壁の一部である。係合部135は円筒形の内側壁の第1の半体を規定することができ、一方、内側壁の他の半体は操作領域131を提供しない第2の蓋13の半体が第2の仕切り室120内に押し込まれるように、第2の蓋13が押されることを防止するように、形状及び大きさに構成された一定の高さを有する。
【0055】
無煙たばこ容器1はまた、第2の蓋13の操作領域131に近接する位置で第2の仕切り室120の底から上方に延びる境界要素121を備えてもよい。これにより、無煙たばこポーションは枢動軸Pを中心に枢動する第2の蓋13の能力を制限するように、第2の仕切り室120内に位置決めされることが妨げられる。境界要素121は操作領域131に近接する位置で第2の仕切り室120の底から、半開位置にあるときに第2の蓋に最大でも当接する点まで、上方に延在する。境界要素121はまた、無煙たばこポーションが存在し得る領域を規定する、第2の仕切り室120の底から上方に延在する円筒状内側壁の一部を形成する。図6Aに示すように、第2の蓋13が閉鎖位置にあるとき、第2の蓋13の内側壁と、第2の仕切り室120の底から上方に延びる内側壁とは、少なくとも部分的に互いに隣接するように相互に配置される。境界要素121の更なる効果は第2の蓋13を第1の蓋12から取り外すときに、それが枢動要素として作用し得ることである。
【0056】
図7は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の断面斜視図を示す。スナップインカップリング122,132は、枢動軸を規定するように相互に配置され、それぞれの枢動凹所122に解放可能に結合するように構成された2つの枢動突出部132によって提供される。2つの枢動突出部132は実質的に半球形状を有し、第1の蓋12によって規定される第2の仕切り室120の内側壁に面する第2の蓋13の側面から外に延びる。それぞれの枢動凹所122は、それに応じて、第1の蓋12によって規定される第2の仕切り室120の内側壁に沿って配置された半球状の開口である。第1の蓋12は、スナップインカップリング122,132によって第2の蓋13を柔軟に受け入れることができるように構成されている。これにより、第2の蓋13を、第1の蓋12に対して、管理可能な方法で、複数回、便利に着脱することができる。
【0057】
図8は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の製造方法S0のフローチャートを示す。製造方法S0は、無煙たばこ容器1の本体11、第1の蓋12、及び第2の蓋13の形状に対応する複数の金型キャビティ1021,1022,1023を規定する金型100を提供するステップS1と、複数の金型キャビティ1021,1022,1023に材料を射出するステップS2と、固化した後、無煙たばこ容器1を金型100から排出するステップS3と、を含む。無煙たばこ容器1は、単一体として形成されてもよく、後に本体11と、第1の蓋12と、第2の蓋13とに分離される。使用される材料は、プラスチック材料又はポリマー材料であってもよい。
【0058】
図9は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の製造方法S0で使用される金型100の断面図を示す。金型100は、上側金型部品101及び下側金型部品102を備える。下側金型部品102は、上側金型部品101及び下側金型部品102が一緒に押圧されるとき、上側金型部品101のそれぞれの突出部1011,1012,1013を受容するように構成された複数のキャビティ1021,1022,1923を規定する形状及び大きさに構成される。凹所及び突出部は共に、無煙たばこ容器の本体11、第1の蓋12、及び第2の蓋13に対応する金型キャビティを規定する。ノズル1014は、材料を金型キャビティ内に案内する。無煙たばこ容器1が固化すると、無煙たばこ容器1は排出ピン1024によって排出される。好ましくは、使用される材料はプラスチック材料又はポリマー材料である。
【0059】
図面及び明細書において、本発明の好ましい実施形態及び実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、制限を目的とするものではなく、本発明の範囲が以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図1は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の斜視図を示す。無煙たばこ容器1は、第1の仕切り室110を規定する本体11を備える。無煙たばこ容器1は、第1の蓋12を更に備える。第1の蓋12は本体11に解放可能に取り付けられ、第1の仕切り室110を閉じるように構成されている。図1において、第1の蓋12は閉鎖位置にあり、第1の蓋12は第1の仕切り室110を閉じる。第1の蓋12はまた、第1の仕切り室110から分離された第2の仕切り室120を規定する。無煙たばこ容器1は、更に第1の蓋12に枢動可能に結合され、第2の蓋13の操作領域131を押すと、第2の蓋13が第2の仕切り室120を閉鎖する閉鎖位置から半開位置まで枢動軸の周りを枢動可能である。枢動軸Pは例えば図3に示されている。無煙たばこ容器1は、例えば図4において半開位置にある第2の蓋13と共に示されている。図1において第2の蓋13は閉鎖位置にあり、第2の仕切り室120を閉じている。更に、第2の蓋13は、第2の蓋13が半開位置にあるときに第2の蓋を第1の蓋12から着脱自在に取り外すことを可能にするスナップインカップリング122,132によって第1の蓋12に枢動可能に結合される。したがって、スナップインカップリング122,132によって、第2の蓋13は、第2の仕切り室120を完全に開くために第1の蓋12から取り外されることが可能となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の断面側面図を示す。具体的には、図6が第2の蓋13が閉鎖位置にあるときの無煙たばこ容器1を示す。一方、図6Bは、第2の蓋13が半開位置にあるときの無煙たばこ容器1を示している。無煙たばこ容器は、第2の蓋13が閉鎖位置と半開位置との間で枢動するとき、第2の蓋13の枢動角度αが5-20°、好ましくは5-15°、最も好ましくは6-10°であるように、形状及び大きさが構成される。具体的には、図6Bに示す第2の蓋13の枢動角度αは約7°である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図9は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の製造方法S0で使用される金型100の断面図を示す。金型100は、上側金型部品101及び下側金型部品102を備える。下側金型部品102は、上側金型部品101及び下側金型部品102が一緒に押圧されるとき、上側金型部品101のそれぞれの突出部1011,1012,1013を受容するように構成された複数のキャビティ1021,1022,1023を規定する形状及び大きさに構成される。凹所及び突出部は共に、無煙たばこ容器の本体11、第1の蓋12、及び第2の蓋13に対応する金型キャビティを規定する。ノズル1014は、材料を金型キャビティ内に案内する。無煙たばこ容器1が固化すると、無煙たばこ容器1は排出ピン1024によって排出される。好ましくは、使用される材料はプラスチック材料又はポリマー材料である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無煙たばこ容器(1)であって、
第1の仕切り室(110)を規定する本体(11)と、
前記第1の仕切り室(110)を閉じるように、前記本体(11)に解放可能に取り付けられるように構成された第1の蓋(12)であって、該第1の蓋(12)は前記第1の仕切り室(110)から分離された第2の仕切り室(120)を規定し、前記第1の仕切り室(110)及び前記第2の仕切り室(120)の一方は未使用の無煙たばこポーションを保つように構成され、一方、前記第1の仕切り室(110)及び前記第2の仕切り室(120)の他方は使用済みの無煙たばこポーションを保つように構成された、第1の蓋(12)と、
前記第1の蓋(12)に枢動可能に結合された第2の蓋(13)であって、該第2の蓋(13)の操作領域(131)を押すと、前記第2の蓋(13)が前記第2の仕切り室(120)を閉じる閉鎖位置から前記第2の仕切り室(120)へのアクセスを依然として妨げる半開位置まで、枢動軸(P)の周りを枢動可能な第2の蓋(13)と、を備え、
前記第2の蓋(13)は、スナップインカップリング(122,132)によって前記第1の蓋(12)に枢動可能に結合され、前記第2の蓋(13)が前記半開位置にあるときに、前記第2の蓋(13)を前記第1の蓋(12)から着脱自在に取り外すことを可能にし、
前記第2の蓋(13)は、
前記第2の蓋(13)が前記半開位置まで枢動したとき、前記第2の蓋(13)の把持領域(134)を露出し、前記第2の仕切り室(120)の底から離れるように構成された第1の部分(13a)と、
前記第1の部分(13a)に接続され、前記操作領域(131)を提供するため第2の部分(13b)であって、前記第2の仕切り室(120)の底に向かって押されたときに、前記第2の蓋(13)を前記閉鎖位置から前記半開位置に枢動するように操作される、第2の部分(13b)と、を備え、
前記第2の仕切り室(110)へのアクセスは、前記第2の蓋(13)を前記第1の蓋(12)から取り外すことによって可能になる、
無煙たばこ容器(1)。
【請求項2】
前記第2の蓋(13)は、所定の力が前記操作領域(131)に作用して前記第2の蓋(13)が前記閉鎖位置から前記半開位置の方に枢動するまで、係止凹所(123)と係合するように構成された少なくとも1つの係止突出部(133)によって前記閉鎖位置に保持されるように構成されている、請求項1に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項3】
前記第2の蓋(13)は、少なくとも2つの係止突出部(133)、好ましくは4つの係止突出部(133)を備え、前記第2の蓋(13)の前記第1の部分(13a)及び前記第2の部分(13b)の各々は、前記少なくとも2つの係止突出部(133)の少なくとも1つの係止突出部(133)を備える、請求項2に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項4】
前記スナップインカップリング(122、132)は、前記枢動軸(P)を規定するように相互に配置され、それぞれの枢動凹所(122)に解放可能に結合して、前記第2の蓋(13)が前記枢動軸(P)の周りを枢動することを可能にするように構成された、2つの枢動突出部(132)によって提供される、請求項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項5】
前記第2の蓋(13)は、該第2の蓋(13)が前記半開位置にあるときに、前記第2の仕切り室(120)の底と係合する大きさ及び形状に構成された係合部(135a)を備える、請求項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項6】
前記係合部(135a)は、前記第2の蓋(13)の周方向に少なくとも部分的に延び、前記周方向に沿って前記枢動軸(P)から垂直な位置で最小高さを有し、前記係合部(135a)の高さは、該係合部(135a)の前記最小高さの前記位置から前記枢動軸(P)に近接する点に向かって2つの周方向のそれぞれに沿って増加する、請求項5に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項7】
前記第1の蓋(12)は、前記操作領域(131)に近接する位置で前記第2の仕切り室(120)の前記底から上方に延びる境界要素(121)を備える、請求項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項8】
前記無煙たばこ容器(1)は、前記閉鎖位置と前記半開位置との間で枢動するときの前記第2の蓋(13)の枢動角度(α)が5-20°、好ましくは5-15°、最も好ましくは6-10°であるように、形状及び大きさが構成される、請求項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項9】
前記2つの枢動突出部(132)は実質的に半球状を有し、2つの前記枢動凹所(122)は対応する半球状の開口である、請求項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項10】
請求項1-9の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)の製造方法(S0)であって、
無煙たばこ容器(1)の本体(11)と、第1の蓋(12)と、第2の蓋(13)の形状に対応する複数の金型キャビティ(1021,1022,1023)を規定する金型(100)を提供するステップ(S1)と、
前記複数の金型キャビティ(1021,1022,1023)に材料を注入するステップ(S2)と、
固化した後、前記金型(100)から前記無煙たばこ容器(1)を排出するステップ(S3)と、
を備える無煙たばこ容器(1)の製造方法。
【請求項11】
金型(100)は、請求項1-9の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)の本体(11)と、第1の蓋(12)と、第2の蓋(13)との形状に対応する複数のキャビティ(1021,1022,1023)を規定する形状及び大きさに構成される、金型(100)。
【国際調査報告】