(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】感知アセンブリ、力/トルクセンサアセンブリ及びロボット関節
(51)【国際特許分類】
G01L 3/14 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
G01L3/14 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577828
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2021100549
(87)【国際公開番号】W WO2022261887
(87)【国際公開日】2022-12-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522453131
【氏名又は名称】シャンハイ・フレクシブ・ロボティクス・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522453142
【氏名又は名称】フレクシブ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】ヂィァン ハァォ
(72)【発明者】
【氏名】リィ シゥハァン
(57)【要約】
本願は、感知アセンブリを提供する。当該感知アセンブリは、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、第1部品に接続されるように構成される磁石アセンブリと、第2部品に接続されるように構成される一対のホール効果センサとを含み、一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での前記第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、第1方向は、第2方向に垂直する方向である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、
第1部品に接続されるように構成される磁石アセンブリと、
第2部品に接続されるように構成される一対のホール効果センサと、を含み、
前記一対のホール効果センサは、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での前記第1方向に垂直する第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、感知アセンブリ。
【請求項2】
前記一対のホール効果センサは、それぞれ前記磁石アセンブリの対向する両側に位置する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項3】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する方向である1つの磁石を含む、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項4】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である1つの磁石を含む、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項5】
前記磁石アセンブリは、並列に配列されかつ磁化方向が交互に正反対になる少なくとも2つ磁石を含み、前記磁石の磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項6】
前記磁石アセンブリは、第1磁石群と第2磁石群とを含み、前記一対のホール効果センサは、前記第1磁石群と前記第2磁石群との間に位置する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項7】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ1つの磁石を含み、前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項8】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ1つの磁石を含み、前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項9】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ並列に配列される且つ前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する磁化方向が交互に正反対になる少なくとも2つの磁石を含み、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ直線上に位置する前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項10】
前記一対のホール効果センサは、それぞれ前記磁石アセンブリに向ける検出方向を有し、或いは前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する同じ検出方向を有する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項11】
磁気伝導アセンブリをさらに含み、前記磁気伝導アセンブリは、前記磁石アセンブリの磁界を整えるように構成される、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項12】
加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリであって、
第1部品、第2部品、及び前記第1部品と前記第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、
前記本体に取り付けられ、前記第1部品と前記第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、前記第1部品に接続された磁石アセンブリ及び前記第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む少なくとも1つの感知アセンブリとを含み、
前記一対のホール効果センサは、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での前記第1方向に垂直する第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに加えられた同じ力またはトルクに応じて、各前記一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成し、あるいは基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、力/トルクセンサアセンブリに加えられた同じ力またはトルクに応じて、一方の感知アセンブリの前記一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成し、他方の感知アセンブリの前記一対のホール効果センサが基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、それぞれ前記第1部品と前記第2部品との間の異なる位置での相対運動を検出するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか一項に記載の力/トルクセンサアセンブリを含む、ことを特徴とするロボット関節。
【請求項17】
請求項16に記載のロボット関節を含む、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、感知技術分野に関し、特に感知アセンブリ、力/トルクセンサアセンブリ及びロボット関節に関する。
【背景技術】
【0002】
ホール効果センサは、様々な用途において運動や位置を検出するために用いられる。ホール効果センサは、力またはトルクの負荷に起因する構造の偏向による磁界変化を検出し、前記力またはトルクの負荷を反映できる電気信号を生成する。現在のセンサアセンブリは、1組の磁石と、磁石と同じ側に位置する1組のホール効果センサとを用い、このような構成は、一般的に、位置エンコーダに応用される。しかしながら、ホール効果センサと磁石との間での運動に対する磁界強度の変化は、非線形になる場合があるため、当該構成は、センシング信号全体の線形性に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本願は、改良した感知アセンブリ、力/トルクセンサアセンブリ、ロボット関節及びロボットを提供する。
【0004】
本願の一態様は、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、第1部品に接続されるように構成される磁石アセンブリと、第2部品に接続されるように構成される一対のホール効果センサとを含む、感知アセンブリを提供する。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0005】
本願の別の態様は、加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリであって、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、本体に取り付けられ、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリ及び第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0006】
本願の別の態様は、加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリを含むロボット関節を提供する。力/トルクセンサアセンブリは、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、本体に取り付けられ、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリ及び第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0007】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の図面及び説明で述べられる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本願の様々な実施形態を説明するための図面を参照して、本願の様々な態様を以下に詳細に説明することにより、本願の他の特徴は、より容易に理解される。
【
図1】本願の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1に示す力/トルクセンサアセンブリの側面図である。
【
図3】本願の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリの感知アセンブリの配置の一例を示す図である。
【
図4】本願の一実施形態に係る感知アセンブリが本体に取り付けられた力/トルクセンサアセンブリの概略図である。
【
図5】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリが本体に取り付けられた力/トルクセンサアセンブリの概略図である。
【
図6】本願の一実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図7】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図8】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図9】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図10】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図11】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図12】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図13】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図14】本願の一実施形態に係るロボットの概略図である。
【0009】
なお、本願の図面は、必ずしも縮尺通りに描かれてはいないことに留意されたい。図面は、本願の典型的な態様を示すことのみを意図しており、従って、本発明の範囲を限定すると考えるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明白に理解しやすくするために、以下、本発明の具体的な実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、当業者は、本発明の趣旨を逸脱することない改良を得ることができることは明らかである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得た全ての実施例が本願の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0011】
本開示は、加えられた力またはトルクを検出する力/トルクセンサアセンブリを提供する。力/トルクセンサアセンブリは、本体と、少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。本体は、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するために、本体に取り付けられる。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリと、第2部品に接続された一対のホール効果センサとを含む。当該一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。第1方向は、当該第2方向に垂直する方向である。
【0012】
以下、各実施形態を参照して、本願に係る力/トルクセンサアセンブリを詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリ10の斜視図である。
図2は、
図1に示す力/トルクセンサアセンブリ10の側面図である。本実施形態において、力/トルクセンサアセンブリ10は、本体20と、本体20に取り付けられた複数の感知アセンブリ30とを含む。本体20は、第1部品21、第2部品22、及び第1部品21と第2部品22との間に設けられ、第1部品21と第2部品22とを接続する複数の変形可能な部品23を有する。第1部品21及び第2部品22は、例えば、それぞれ円板状であってもよい。第1部品21または第2部品22のいずれか一方が力またはトルクを受けると、変形可能な部品23が弾性変形し、第1部品21と第2部品22との間に相対運動(以下、「運動」または「相対運動」と略称する)が発生される。感知アセンブリ30は、第1部品21と第2部品22との間での相対運動を検出するように構成される。検出された相対運動及び変形可能な部品23の特性に基づいて、第1部品21または第2部品22に加えられた力またはトルクを決定することができる。力/トルクセンサアセンブリの例示的な基本構造は、出願人の先の特許出願(米国特許出願第16/456562号)を参照することができ、その内容は、参照により本願に援用する。
【0013】
図3に示すように、一実施形態において、複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10の周方向に沿って配置される。各感知アセンブリ30は、第1部品21に接続された磁石アセンブリ31と、第2部品22に接続された一対のホール効果センサ32とを含む。
図4に示す例示的な構造を参照すると、磁石アセンブリ31は、第1部品21から延出される2つの第1取付脚210に取り付けられ、一対のホール効果センサ32は、第2部品22から延出される第2取付脚220に取り付けられる。第2取付脚220は、2つの第1取付脚210の間に位置される。このように、感知アセンブリ30は、
図6~9に示すように配置されてもよい。
図5に示す別の例示的な構造を参照すると、磁石アセンブリ31は、第1部品21から延出される第1取付脚210に取り付けられ、一対のホール効果センサ32のそれぞれは、第2部品22から延出される2つの第2取付脚220に取り付けられる。第1取付脚210は、2つの第2取付脚220の間に位置されるので、感知アセンブリ30は、
図10~13に示すように配置されてもよい。
図4~
図5に示す実施形態によれば、感知アセンブリ30の2つのホール効果センサ32は、同一の部品(即ち、第2部品22)に固定されることによる互いに接続され、よって同期に移動することができる。同様に、
図4に示す実施形態によれば、磁石アセンブリ31の2組の磁石は、同一の部品(即ち、第1部品21)に固定して互いに接続され、よって同期に移動することができる。
【0014】
図1~
図5に示す実施形態は、例示的なものに過ぎず、本願に係る力/トルクセンサアセンブリの構造は、異なる態様で構成され得ることが理解されるべきである。例えば、一実施形態において、
図1~
図3に示す上下構造とは異なり、力/トルクセンサアセンブリの第1部品及び第2部品は、それぞれ内輪及び外輪であって、内外の構成で配置されてもよい。一実施形態において、力/トルクセンサアセンブリは、一方向の力またはトルクを検出する1組の感知アセンブリのみを備えてもよい。他の実施形態において、力/トルクセンサアセンブリには、冗長測定を実現するように異なる数例えば6つ以上の感知アセンブリを含んでもよい。
【0015】
図6~
図13は、それぞれに異なる実施形態に係る感知アセンブリ30の構成を示す。説明の便宜上、各例示された感知アセンブリ30は、それぞれ対応する互いに垂直なX軸、Y軸及びZ軸を有する直交座標系で説明される。
【0016】
当業者であれば、例えば力/トルクセンサアセンブリ10が力またはトルクを一切受けされない場合にホール効果センサの出力をゼロにするために、ホール効果センサ32が事前に校正されることは、理解できる。
【0017】
図6~
図9に示す実施形態において、一対のホール効果センサは、磁石アセンブリの対向する両側に位置する。
図6に示す感知アセンブリ30aを参照すると、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32aの検出方向は、いずれも磁石アセンブリ31aに向いており、即ち、2つのホール効果センサ32aの検出方向が正反対になる。本実施形態において、磁石アセンブリ31aは、磁化方向が一対のホール効果センサ32aを結ぶ線に垂直する1つの磁石を含む。このような構成によれば、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動は、一対のホール効果センサ32aに同じ磁界変化を与えるため、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動に応じて、一対のホール効果センサ32aは、同じ信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動は、一対のホール効果センサ32aに異なる磁界変化を与え、例えば、一方のホール効果センサ32aがその検出方向においてより多い磁束を検出し、他方のホール効果センサ32aがその検出方向においてより少ない磁束を検出する可能性がある。従って、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32aは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。
【0018】
したがって、感知アセンブリ30aがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、平均化方法を用いてもよい。具体的には、2つのホール効果センサ32aの信号を加算することにより、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され(即ち、1つのホール効果センサによる信号の2倍である)、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける相対的に鮮明な線形信号を得ることができる。もちろん、感知アセンブリ30aによって検出された主要な相対運動がZ方向にある場合、上記平均化方法に代えて差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。なお、Z方向上の運動を検出するためのセンサ信号は、X方向上の運動を検出するための信号のように線形ではない可能性があるが、感知アセンブリ30aは、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動を検出することができる。
【0019】
図7に示す感知アセンブリ30bを参照すると、2つのホール効果センサ32bは、X方向上の磁束成分の変化を検出するために、同じく2つのホール効果センサ32bを結ぶ線に垂直する検出方向(即ち、X方向)を有する。磁石アセンブリ31bは、磁化方向が一対のホール効果センサ32bを結ぶ線に平行する1つの磁石(例えば、磁石の2つの磁極がそれぞれ対応するホール効果センサ32bに対向する)を含む。このような構成によれば、ホール効果センサ32bと磁石アセンブリ31bとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32bは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知することができる。これにより、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32bは、基本的に等しいが互いに逆のセンサ信号を生成する。逆に、ホール効果センサ32bと磁石アセンブリ31bとの間でのZ方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32bは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。したがって、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32bは、基本的に同じであるセンサ信号を生成する。
【0020】
したがって、感知アセンブリ30bがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、X方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。検出する主要な相対運動がZ方向にあれば、代わりに平均化方法を用いてもよい。2つのホール効果センサ32bの信号を併合することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。
【0021】
図8及び
図9に示す実施形態において、磁石アセンブリは、並列に配列されかつ磁化方向が交互に正反対になる複数の磁石を含む。磁石の磁化方向は、いずれもホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である。
図8における感知アセンブリ30cを参照すると、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32cの検出方向は、いずれも磁石アセンブリ31cに向いている。磁石アセンブリ31cは、正反対になる磁化方向がいずれも一対のホール効果センサ32cを結ぶ線に平行する2つの磁石を含みむ(例えば、各磁石の2つの磁極は、それぞれ対応するホール効果センサ32cに対向する)。このような構成によれば、ホール効果センサ32cと磁石アセンブリ31cとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32cは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知するすることができる。これにより、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32cは、基本的に等しいが互いに逆のセンサ信号を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32cは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。したがって、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32cは、基本的に同じであるセンサ信号を生成する。
【0022】
したがって、感知アセンブリ30cがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、X方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。検出する主要な相対運動がZ方向にあれば、代わりに平均化方法を用いてもよい。2つのホール効果センサ32cの信号を併合することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。
【0023】
図9に示すように、感知アセンブリ30dが感知アセンブリ30cとの異なる点は、磁石アセンブリ31dが交互に磁化方向が正反対になる3つの磁石を含み、X方向上の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32dの検出方向が一対のホール効果センサ32dを結ぶ線に垂直する方向(即ち、X方向)である。感知アセンブリ32dの動作は、
図8における感知アセンブリ32cの動作と同様である。即ち、ホール効果センサ32dと磁石アセンブリ31dとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32dは、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成し、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32dは、基本的に同じである信号を生成する。これにより、適切なアルゴリズムでX方向またはZ方向上の主要な相対運動を同様に検出できる。
【0024】
以上で、より多くの交互に磁化方向を有する磁石を使用すれば、同様に主要な相対運動を検出できるとともに他の方向上の相対運動からの干渉を除去できることが理解されるべきである。但し、区別する点としては、より多くの磁石によれば、より強い磁界を提供することができるとともに、相対運動とセンサ信号との間に異なる線形性をもたらす可能性がある。
【0025】
また、上記に示された全ての実施形態において、2つのホール効果センサは、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に応じて、基本的に同じである信号を生成し、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に垂直する第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成すれば、ホールセンサの検出方向および磁石配置方向は異なってもよいことにも留意されたい。例えば、他の実施形態において、
図6のホール効果センサ32aの検出方向は、X方向の正または負方向に向いているように変更されてもよい。このような構成において、2つのホール効果センサ32aは、同様に、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動に応じて基本的に同じである信号を生成するとともに、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動に応じて基本的に等しいが互いに逆の信号を生成できる。このような構成は、センサの非線形性をある程度増大させる可能性があるが、実現可能である。
【0026】
他のいくつかの実施形態において、磁石とホール効果センサ32との相対位置は、取り換えてもよい。
図10~
図13に示す実施形態を参照すると、磁石アセンブリは、第1磁石群と第2磁石群を含み、一対のホール効果センサは、第1磁石群と第2磁石群の間に位置する。第1磁石群と第2磁石群は、2つの磁石群が一体に移動することを実現するために互いに接続される(例えば、同じ支持構造に固定される)。
【0027】
図10に示す感知アセンブリ30eを参照すると、一対のホール効果センサ32eの検出方向は、Z方向上の磁束成分を検出するために、それぞれ2組の磁石310e、311eに向いている。第1磁石群310eと第2磁石群311eは、それぞれ磁化方向が同じである1つの磁石を含み、当該磁化方向は、一対のホール効果センサ32eを結ぶ線に垂直する方向である。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32eは、同じ磁束変化を検出し、同じ信号変化を生成する。Z方向上の相対運動により、一方のホール効果センサ32eは、その検出方向においてより多い磁束を検出し、他方のホール効果センサ32eは、その検出方向においてより少ない磁束を検出したので、当該一対のホール効果センサ32eは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成させる。したがって、感知アセンブリ30eがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、平均化方法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。Z方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、代わりに差分法を用いてもよい。
【0028】
図11に示す感知アセンブリ30fを参照すると、一対のホール効果センサ32fは、X方向上の磁束成分を検出するために、2つのホール効果センサ32fを結ぶ線(即ち、X方向)に垂直する検出方向を有する。第1磁石群310fと第2磁石群311fは、それぞれ一対のホール効果センサ32gを結ぶ線に平行する磁化方向を有する1つの磁石を含む。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知する。このため、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32fは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。このため、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、基本的に同じ信号変化を生成する。これにより、感知アセンブリ30gがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。また、Z方向上の相対運動を検出する場合、代わりに平均化方法を用いてもよい。
【0029】
図12及び
図13の実施形態において、第1磁石群及び第2磁石群は、それぞれ並列に配列され、かつ一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する磁化方向が交互に正反対になる複数の磁石を含む。また、2つのホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ直線上(即ち、Z方向にある)に位置する任意の2つの磁石は、同じ磁化方向を有する。
【0030】
図12における感知アセンブリ30gを参照すると、第1磁石群310g及び第2磁石群311gは、それぞれに並列して磁化方向が交互に正反対になる2つの磁石を含む。一対のホール効果センサ32gの検出方向は、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、それぞれ第1磁石群310gと第2磁石群311gに向いている。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32gは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知するため、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32gは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32gは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になるため、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32gは、基本的に同じ信号変化を生成する。これにより、感知アセンブリ30gがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。また、Z方向上の相対運動を検出する場合、代わりに平均化方法を用いてもよい。
【0031】
図13における感知アセンブリ30hを参照すると、第1磁石群310hと第2磁石群311hは、それぞれ並列して磁化方向が交互に正反対になる3つの磁石を有する。一対のホール効果センサ32hは、X方向上の磁束成分を検出するために、2つのホール効果センサ32hを結ぶ線に垂直する(即ち、X方向にある)検出方向を有する。感知アセンブリ30hの動作は、
図12における実施形態と類似しており、即ち、X方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32hは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成し、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32hは、基本的に同じ信号変化を生成する。したがって、適切なアルゴリズムにより、X方向またはZ方向上の主要な運動を検出することができる。
【0032】
図12~
図13の構成において、より多くの交互に磁化方向を有する磁石を使用すれば、同様に主要な相対運動を検出できるとともに他の方向上の相対運動からの干渉を除去できることが理解されるべきである。但し、区別する点としては、より多くの磁石によれば、より強い磁界を提供することができるとともに、相対運動とセンサ信号との間に異なる線形性をもたらす可能性がある。
【0033】
図6~
図9に示す実施形態と同様に、
図10~
図13に示す全ての実施形態において、2つのホール効果センサは、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に応じて、基本的に同じである信号を生成し、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に垂直する第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成すれば、ホールセンサの検出方向および磁石配置方向は異なってもよい。例えば、
図10に示される感知アセンブリの他の実施形態において、一対のホール効果センサの検出方向は、X方向の正または負方向に向いているように変更されてもよい。このような構成において、2つのホール効果センサは、同様に、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間でのX方向上の相対運動に応じて基本的に同じである信号を生成するとともに、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間でのZ方向上の相対運動に応じて基本的に等しいが互いに逆の信号を生成できる。このような構成は、センサの非線形性をある程度増大させる可能性があるが、実現可能である。
【0034】
図6~
図13に示す実施形態において、2つのセンサは、対称に配置され、それらを結ぶ線は、センサの検出方向または磁石の磁化方向に対して垂直または平行する方向である。しかしながら、実用の際に、2つのセンサの位置は、若干ずれる可能性があり、即ち、2つのセンサを結ぶ線は、検出方向または磁化方向に対してほぼ垂直またはほぼ平行であることが理解されるべきである。
【0035】
上記の各感知アセンブリ30a~30hの構成において、ホール効果センサ32a~32hが磁石のエッジに近接していない場合、磁石のY方向上のエッジ効果が無視できるため、Y方向上の磁石-センサ信号特性が一定であると考えられる。
【0036】
上記各実施形態によれば、感知アセンブリ30は、磁石アセンブリ31の磁界を整える磁気伝導アセンブリ33をさらに含む。磁気伝導アセンブリ33は、例えば、鋳鉄、ケイ素鋼板、ニッケル亜鉛フェライト、ニッケル鉄合金、マンガン亜鉛フェライトなどの高透磁率を有する金属または合金を含む磁気伝導材料を含んでもよい。具体的な実施形態の一つにおいて、磁気伝導アセンブリ33の材料は、炭素鋼である。磁気伝導材料は、例えば、磁石の両側及び一対のホール効果センサ32の両側に配置してもよい。
【0037】
上記各実施形態によれば、感知アセンブリ30a~30hは、一対のホール効果センサ32a~32hを用いて複数方向の運動を検出する。他の実施形態において、力/トルクセンサアセンブリ10に加えられる負荷をより正確に測定するように、より多くのセンサの対を用いてもよい。
【0038】
複数のホール効果センサにより、特に、非線形方向の運動が主要な運動ではない場合に、複数のセンサ信号間のクロスチェックとクロス監視を実現することができる。クロスチェックとクロス監視により、1つまたは複数のセンサまたは磁石の損傷または故障したことを早目に決定することができるため、操作の更なる安全性を提供できる。複数のセンサは、コモンモードノイズ、特にガウス電気ノイズを抑制するために用いられてもよい。
【0039】
図3に示す実施形態によれば、複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10の周方向に沿って配列される。他の実施形態において、感知アセンブリ30は、他の方式で配列されてもよく、例えば、感知アセンブリ30は、第1部品21と第2部品22との間にランダムに配置してもよい。
【0040】
複数の感知アセンブリ30は、例えば、
図6~
図13に示す感知アセンブリ30a~30hのいずれか一つのように同じ構成をしてもよい。複数の感知アセンブリ30は、例えば、夫々に感知アセンブリ30a~30hから選択した異なる構成を有してもよい。複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10に加えられた力またはトルクを同時に測定することができ、これにより、これらの感知アセンブリ30の出力を統合して、より正確な結果を得ることができる。具体的な実施形態の一つにおいて、例えば、2つの感知アセンブリ30は、同じ力とトルクに応じて、一対のホール効果センサごとがいずれも基本的に同じ信号変化を生成し、または基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。別の具体的な実施形態において、同じ力とトルクに応じて、一方の感知アセンブリ30は、一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成するように構成され、他方の感知アセンブリ30は、一対のホール効果センサが基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。2つの感知アセンブリ30をどのように配置しても、同じ力またはトルクを同時に測定することができる。
【0041】
さらに、力/トルクセンサアセンブリ10上の異なる位置に感知アセンブリ30を配置することにより、第1部品21と第2部品22との間の異なる位置においての相対変位を検出することができる。また、複数の感知アセンブリ30が異なる位置に取り付けられることにより、力/トルクセンサアセンブリ10全体のたわみを取りえるため、力/トルクセンサアセンブリ10の剛性に基づいて、全体的な外力またはトルクを決定することができる。例えば、せん断力によって異なる位置で異なる変位を生成させるため、当該せん断力を検出する場合、異なる位置の変位を検出することが特に有用である。
【0042】
一実施形態において、複数の感知アセンブリ30は、その構成が同じであるか否かにかかわらず、異なる空間の向きを有してもよい。例えば、
図6~
図13に示すいずれかの構成を用いる複数の感知アセンブリ30は、その主要な検出方向(例えば、X方向)がそれぞれセンサアセンブリ10の軸方向、径方向及びせん断方向に沿うように、本体20に配置されてもよい。このような構成によれば、力/トルクセンサアセンブリ10は、複数の方向の力またはトルクを検出することができる。例えば、力/トルクセンサアセンブリ10に垂直に加えられた力により、一部の感知アセンブリ30がX方向に相対運動する可能性があるため、この部分の感知アセンブリ30は、線形のセンサ信号を生成することができるため、上記垂直の力を測定するのに適している。しかしながら、力/トルクセンサアセンブリ10の軸線の周りにトルクが加えられると、そのトルクから当該部分の感知アセンブリ30が実質的にY方向に相対運動させることになる可能性があるため、当該部分の感知アセンブリ30で当該トルクの検出に適用できないかもしれない。この場合、トルクをX方向上の運動に変更する感知アセンブリ30が必要であり、当該感知アセンブリ30の向きは、例えば上記の当該部分の感知アセンブリ30に対し90度になってもよい。
【0043】
なお、ホール効果センサ32の検出方向は、各構成において変更可能であることが理解されるべきである。例えば、
図6に示す実施形態において、ホール効果センサ32の検出方向は、磁石アセンブリ31の磁化方向と平行するように変更されてもよい。ホール効果センサ32の検出方向が変更された場合、線形性に影響を及ぼす可能性もある。
【0044】
本願に係る感知アセンブリは、上記のような力またはトルクへの検出に限定されず、運動または変位を検出する必要がある他の様々な応用に用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0045】
なお、本願においてセンサ信号の変化または磁束の変化を説明する「同じ」または「等しい」という用語は、信号の変化または磁束の変化が完全に同じまたは完全に等しいことを意味するものではなく、磁束の分布などによって多少偏差が存在する可能性がある。さらに、センサ信号と運動との関係を説明する「線形」、「線形性」という用語も、運動に対する信号変化が完全に線形であることを意味するものではないことに留意されたい。
【0046】
本発明は、ロボット及び当該ロボットに用いられるロボット関節をさらに提供する。当該ロボット関節は、上記いずれかの実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリ10を含む。
【0047】
図14において、アーム101と、隣接するアーム101を接続するロボット関節102とを含むロボット100が例示的に示されている。ロボット関節102は、力/トルクセンサアセンブリを有し、力/トルクセンサアセンブリの第1部品及び第2部品は、例えば、隣接する2つのアーム101にそれぞれ接続されてもよい。
【0048】
本明細書で用いられる用語の目的は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本明細書で用いられるように、単数形の「一」、「1つ」及び「当該」は、文脈が特に明記しない限り、複数形を含むことも意図する。「含む」という用語は、本明細書において用いられる場合、前記特徴、ステップ、操作、素子及び/または部品が存在することを意味するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、素子、部品及び/またはそれらの組み合わせの存在を除外するものではないことが理解されるべきである。「任意」または「任意に」は、その後に説明するイベントまたは状況は可能であるが、必須ではなく、かつ当該説明は前記イベントまたは状況が発生する場合及び前記事件または状況が発生しない場合を含むということを意味する。
【0049】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて使用されているように、近似用語は、関連する基本機能の変更をもたらさずに許容できる程度に変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約」、「大体」、及び「実質的に」などの1つ以上の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されない。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、ならびに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせ及び/または置き換えが可能であり、文脈及び文言が特に指示しない限り、このような範囲は特定され、それに包含される全ての部分範囲を含む。
【0050】
添付の特許請求の範囲内の全ての装置またはステップ及び機能要素の対応する構造、材料、運動、及び等価物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、または運動を含むことが意図される。本発明の説明は例示及び説明の目的で提示されたものであるが、網羅的であるかまたは開示された形の本発明に限定されることは意図されていない。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく多くの修正及び変形が明らかとなろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用例を最も良く説明するため、ならびに他の当業者が企図された特定の用途に合うような様々な修正を伴う様々な実施形態に関して本発明を理解できるようにするために、選択及び説明されたものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月17日に出願され、出願番号がPCT/CN2021/100549であるPCT国際出願の優先権を主張し、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
[技術分野]
本願は、感知技術分野に関し、特に感知アセンブリ、力/トルクセンサアセンブリ及びロボット関節に関する。
【背景技術】
【0003】
ホール効果センサは、様々な用途において運動や位置を検出するために用いられる。ホール効果センサは、力またはトルクの負荷に起因する構造の偏向による磁界変化を検出し、前記力またはトルクの負荷を反映できる電気信号を生成する。現在のセンサアセンブリは、1組の磁石と、磁石と同じ側に位置する1組のホール効果センサとを用い、このような構成は、一般的に、位置エンコーダに応用される。しかしながら、ホール効果センサと磁石との間での運動に対する磁界強度の変化は、非線形になる場合があるため、当該構成は、センシング信号全体の線形性に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本願の一態様は、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、第1部品に接続されるように構成される磁石アセンブリと、第2部品に接続されるように構成される一対のホール効果センサとを含む、感知アセンブリを提供する。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0005】
本願の別の態様は、加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリであって、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、本体に取り付けられ、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリ及び第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0006】
本願の別の態様は、加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリを含むロボット関節を提供する。力/トルクセンサアセンブリは、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、本体に取り付けられ、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリ及び第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む。一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成され、前記第1方向は、前記第2方向に垂直する方向である。
【0007】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の図面及び説明で述べられる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本願の様々な実施形態を説明するための図面を参照して、本願の様々な態様を以下に詳細に説明することにより、本願の他の特徴は、より容易に理解される。
【
図1】本願の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1に示す力/トルクセンサアセンブリの側面図である。
【
図3】本願の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリの感知アセンブリの配置の一例を示す図である。
【
図4】本願の一実施形態に係る感知アセンブリが本体に取り付けられた力/トルクセンサアセンブリの概略図である。
【
図5】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリが本体に取り付けられた力/トルクセンサアセンブリの概略図である。
【
図6】本願の一実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図7】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図8】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図9】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図10】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図11】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図12】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図13】本願の他の実施形態に係る感知アセンブリの概略構成図である。
【
図14】本願の一実施形態に係るロボットの概略図である。
【0009】
なお、本願の図面は、必ずしも縮尺通りに描かれてはいないことに留意されたい。図面は、本願の典型的な態様を示すことのみを意図しており、従って、本発明の範囲を限定すると考えるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明白に理解しやすくするために、以下、本発明の具体的な実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、当業者は、本発明の趣旨を逸脱することない改良を得ることができることは明らかである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得た全ての実施例が本願の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0011】
本開示は、加えられた力またはトルクを検出する力/トルクセンサアセンブリを提供する。力/トルクセンサアセンブリは、本体と、少なくとも1つの感知アセンブリとを含む。本体は、第1部品、第2部品、及び第1部品と第2部品とを接続する変形可能な部品を含む。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するために、本体に取り付けられる。少なくとも1つの感知アセンブリは、第1部品に接続された磁石アセンブリと、第2部品に接続された一対のホール効果センサとを含む。当該一対のホール効果センサは、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、磁石アセンブリと一対のホール効果センサとの間での第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。第1方向は、当該第2方向に垂直する方向である。
【0012】
以下、各実施形態を参照して、本願に係る力/トルクセンサアセンブリを詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリ10の斜視図である。
図2は、
図1に示す力/トルクセンサアセンブリ10の側面図である。本実施形態において、力/トルクセンサアセンブリ10は、本体20と、本体20に取り付けられた複数の感知アセンブリ30とを含む。本体20は、第1部品21、第2部品22、及び第1部品21と第2部品22との間に設けられ、第1部品21と第2部品22とを接続する複数の変形可能な部品23を有する。第1部品21及び第2部品22は、例えば、それぞれ円板状であってもよい。第1部品21または第2部品22のいずれか一方が力またはトルクを受けると、変形可能な部品23が弾性変形し、第1部品21と第2部品22との間に相対運動(以下、「運動」または「相対運動」と略称する)が発生される。感知アセンブリ30は、第1部品21と第2部品22との間での相対運動を検出するように構成される。検出された相対運動及び変形可能な部品23の特性に基づいて、第1部品21または第2部品22に加えられた力またはトルクを決定することができる。力/トルクセンサアセンブリの例示的な基本構造は、出願人の先の特許出願(米国特許出願第16/456562号)を参照することができ、その内容は、参照により本願に援用する。
【0013】
図3に示すように、一実施形態において、複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10の周方向に沿って配置される。各感知アセンブリ30は、第1部品21に接続された磁石アセンブリ31と、第2部品22に接続された一対のホール効果センサ32とを含む。
図4に示す例示的な構造を参照すると、磁石アセンブリ31は、第1部品21から延出される2つの第1取付脚210に取り付けられ、一対のホール効果センサ32は、第2部品22から延出される第2取付脚220に取り付けられる。第2取付脚220は、2つの第1取付脚210の間に位置される。このように、感知アセンブリ30は、
図6~9に示すように配置されてもよい。
図5に示す別の例示的な構造を参照すると、磁石アセンブリ31は、第1部品21から延出される第1取付脚210に取り付けられ、一対のホール効果センサ32のそれぞれは、第2部品22から延出される2つの第2取付脚220に取り付けられる。第1取付脚210は、2つの第2取付脚220の間に位置されるので、感知アセンブリ30は、
図10~13に示すように配置されてもよい。
図4~
図5に示す実施形態によれば、感知アセンブリ30の2つのホール効果センサ32は、同一の部品(即ち、第2部品22)に固定されることによる互いに接続され、よって同期に移動することができる。同様に、
図4に示す実施形態によれば、磁石アセンブリ31の2組の磁石は、同一の部品(即ち、第1部品21)に固定して互いに接続され、よって同期に移動することができる。
【0014】
図1~
図5に示す実施形態は、例示的なものに過ぎず、本願に係る力/トルクセンサアセンブリの構造は、異なる態様で構成され得ることが理解されるべきである。例えば、一実施形態において、
図1~
図3に示す上下構造とは異なり、力/トルクセンサアセンブリの第1部品及び第2部品は、それぞれ内輪及び外輪であって、内外の構成で配置されてもよい。一実施形態において、力/トルクセンサアセンブリは、一方向の力またはトルクを検出する1組の感知アセンブリのみを備えてもよい。他の実施形態において、力/トルクセンサアセンブリには、冗長測定を実現するように異なる数例えば6つ以上の感知アセンブリを含んでもよい。
【0015】
図6~
図13は、それぞれに異なる実施形態に係る感知アセンブリ30の構成を示す。説明の便宜上、各例示された感知アセンブリ30は、それぞれ対応する互いに垂直なX軸、Y軸及びZ軸を有する直交座標系で説明される。
【0016】
当業者であれば、例えば力/トルクセンサアセンブリ10が力またはトルクを一切受けされない場合にホール効果センサの出力をゼロにするために、ホール効果センサ32が事前に校正されることは、理解できる。
【0017】
図6~
図9に示す実施形態において、一対のホール効果センサは、磁石アセンブリの対向する両側に位置する。
図6に示す感知アセンブリ30aを参照すると、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32aの検出方向は、いずれも磁石アセンブリ31aに向いており、即ち、2つのホール効果センサ32aの検出方向が正反対になる。本実施形態において、磁石アセンブリ31aは、磁化方向が一対のホール効果センサ32aを結ぶ線に垂直する1つの磁石を含む。このような構成によれば、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動は、一対のホール効果センサ32aに同じ磁界変化を与えるため、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動に応じて、一対のホール効果センサ32aは、同じ信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動は、一対のホール効果センサ32aに異なる磁界変化を与え、例えば、一方のホール効果センサ32aがその検出方向においてより多い磁束を検出し、他方のホール効果センサ32aがその検出方向においてより少ない磁束を検出する可能性がある。従って、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32aは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。
【0018】
したがって、感知アセンブリ30aがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、平均化方法を用いてもよい。具体的には、2つのホール効果センサ32aの信号を加算することにより、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され(即ち、1つのホール効果センサによる信号の2倍である)、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける相対的に鮮明な線形信号を得ることができる。もちろん、感知アセンブリ30aによって検出された主要な相対運動がZ方向にある場合、上記平均化方法に代えて差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。なお、Z方向上の運動を検出するためのセンサ信号は、X方向上の運動を検出するための信号のように線形ではない可能性があるが、感知アセンブリ30aは、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動を検出することができる。
【0019】
図7に示す感知アセンブリ30bを参照すると、2つのホール効果センサ32bは、X方向上の磁束成分の変化を検出するために、同じく2つのホール効果センサ32bを結ぶ線に垂直する検出方向(即ち、X方向)を有する。磁石アセンブリ31bは、磁化方向が一対のホール効果センサ32bを結ぶ線に平行する1つの磁石(例えば、磁石の2つの磁極がそれぞれ対応するホール効果センサ32bに対向する)を含む。このような構成によれば、ホール効果センサ32bと磁石アセンブリ31bとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32bは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知することができる。これにより、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32bは、基本的に等しいが互いに逆のセンサ信号を生成する。逆に、ホール効果センサ32bと磁石アセンブリ31bとの間でのZ方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32bは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。したがって、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32bは、基本的に同じであるセンサ信号を生成する。
【0020】
したがって、感知アセンブリ30bがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、X方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。検出する主要な相対運動がZ方向にあれば、代わりに平均化方法を用いてもよい。2つのホール効果センサ32bの信号を併合することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。
【0021】
図8及び
図9に示す実施形態において、磁石アセンブリは、並列に配列されかつ磁化方向が交互に正反対になる複数の磁石を含む。磁石の磁化方向は、いずれもホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である。
図8における感知アセンブリ30cを参照すると、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32cの検出方向は、いずれも磁石アセンブリ31cに向いている。磁石アセンブリ31cは、正反対になる磁化方向がいずれも一対のホール効果センサ32cを結ぶ線に平行する2つの磁石を含みむ(例えば、各磁石の2つの磁極は、それぞれ対応するホール効果センサ32cに対向する)。このような構成によれば、ホール効果センサ32cと磁石アセンブリ31cとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32cは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知するすることができる。これにより、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32cは、基本的に等しいが互いに逆のセンサ信号を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32cは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。したがって、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32cは、基本的に同じであるセンサ信号を生成する。
【0022】
したがって、感知アセンブリ30cがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いてもよい。具体的には、センサ信号を減算することにより、X方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。これにより、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。検出する主要な相対運動がZ方向にあれば、代わりに平均化方法を用いてもよい。2つのホール効果センサ32cの信号を併合することにより、Z方向上の相対運動によるセンサ信号が併合され、X方向上の相対運動によるセンサ信号が互いに相殺させるか低減させる。
【0023】
図9に示すように、感知アセンブリ30dが感知アセンブリ30cとの異なる点は、磁石アセンブリ31dが交互に磁化方向が正反対になる3つの磁石を含み、X方向上の磁束成分の変化を検出するために、一対のホール効果センサ32dの検出方向が一対のホール効果センサ32dを結ぶ線に垂直する方向(即ち、X方向)である。感知アセンブリ32dの動作は、
図8における感知アセンブリ32cの動作と同様である。即ち、ホール効果センサ32dと磁石アセンブリ31dとの間でのX方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32dは、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成し、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32dは、基本的に同じである信号を生成する。これにより、適切なアルゴリズムでX方向またはZ方向上の主要な相対運動を同様に検出できる。
【0024】
以上で、より多くの交互に磁化方向を有する磁石を使用すれば、同様に主要な相対運動を検出できるとともに他の方向上の相対運動からの干渉を除去できることが理解されるべきである。但し、区別する点としては、より多くの磁石によれば、より強い磁界を提供することができるとともに、相対運動とセンサ信号との間に異なる線形性をもたらす可能性がある。
【0025】
また、上記に示された全ての実施形態において、2つのホール効果センサは、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に応じて、基本的に同じである信号を生成し、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に垂直する第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成すれば、ホールセンサの検出方向および磁石配置方向は異なってもよいことにも留意されたい。例えば、他の実施形態において、
図6のホール効果センサ32aの検出方向は、X方向の正または負方向に向いているように変更されてもよい。このような構成において、2つのホール効果センサ32aは、同様に、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのX方向上の相対運動に応じて基本的に同じである信号を生成するとともに、ホール効果センサ32aと磁石アセンブリ31aとの間でのZ方向上の相対運動に応じて基本的に等しいが互いに逆の信号を生成できる。このような構成は、センサの非線形性をある程度増大させる可能性があるが、実現可能である。
【0026】
他のいくつかの実施形態において、磁石とホール効果センサ32との相対位置は、取り換えてもよい。
図10~
図13に示す実施形態を参照すると、磁石アセンブリは、第1磁石群と第2磁石群を含み、一対のホール効果センサは、第1磁石群と第2磁石群の間に位置する。第1磁石群と第2磁石群は、2つの磁石群が一体に移動することを実現するために互いに接続される(例えば、同じ支持構造に固定される)。
【0027】
図10に示す感知アセンブリ30eを参照すると、一対のホール効果センサ32eの検出方向は、Z方向上の磁束成分を検出するために、それぞれ2組の磁石310e、311eに向いている。第1磁石群310eと第2磁石群311eは、それぞれ磁化方向が同じである1つの磁石を含み、当該磁化方向は、一対のホール効果センサ32eを結ぶ線に垂直する方向である。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32eは、同じ磁束変化を検出し、同じ信号変化を生成する。Z方向上の相対運動により、一方のホール効果センサ32eは、その検出方向においてより多い磁束を検出し、他方のホール効果センサ32eは、その検出方向においてより少ない磁束を検出したので、当該一対のホール効果センサ32eは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成させる。したがって、感知アセンブリ30eがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、平均化方法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。Z方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、代わりに差分法を用いてもよい。
【0028】
図11に示す感知アセンブリ30fを参照すると、一対のホール効果センサ32fは、X方向上の磁束成分を検出するために、2つのホール効果センサ32fを結ぶ線(即ち、X方向)に垂直する検出方向を有する。第1磁石群310fと第2磁石群311fは、それぞれ一対のホール効果センサ32gを結ぶ線に平行する磁化方向を有する1つの磁石を含む。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知する。このため、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32fは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になる。このため、Z方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32fは、基本的に同じ信号変化を生成する。これにより、感知アセンブリ30gがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。また、Z方向上の相対運動を検出する場合、代わりに平均化方法を用いてもよい。
【0029】
図12及び
図13の実施形態において、第1磁石群及び第2磁石群は、それぞれ並列に配列され、かつ一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する磁化方向が交互に正反対になる複数の磁石を含む。また、2つのホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ直線上(即ち、Z方向にある)に位置する任意の2つの磁石は、同じ磁化方向を有する。
【0030】
図12における感知アセンブリ30gを参照すると、第1磁石群310g及び第2磁石群311gは、それぞれに並列して磁化方向が交互に正反対になる2つの磁石を含む。一対のホール効果センサ32gの検出方向は、Z方向の磁束成分の変化を検出するために、それぞれ第1磁石群310gと第2磁石群311gに向いている。このような構成によれば、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32gは、磁束方向が互いに正反対であるが同じく磁束密度の変化を感知するため、X方向上の相対運動により、一対のホール効果センサ32gは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成する。逆に、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32gは、互いに逆である磁束密度の変化を感知し、感知した磁束方向が正反対になるため、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32gは、基本的に同じ信号変化を生成する。これにより、感知アセンブリ30gがX方向上の主要な相対運動を検出するように構成される場合、差分法を用いて、X方向上の相対運動のみの影響を受ける鮮明な線形信号を得ることができる。また、Z方向上の相対運動を検出する場合、代わりに平均化方法を用いてもよい。
【0031】
図13における感知アセンブリ30hを参照すると、第1磁石群310hと第2磁石群311hは、それぞれ並列して磁化方向が交互に正反対になる3つの磁石を有する。一対のホール効果センサ32hは、X方向上の磁束成分を検出するために、2つのホール効果センサ32hを結ぶ線に垂直する(即ち、X方向にある)検出方向を有する。感知アセンブリ30hの動作は、
図12における実施形態と類似しており、即ち、X方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32hは、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成し、Z方向上の相対運動により、2つのホール効果センサ32hは、基本的に同じ信号変化を生成する。したがって、適切なアルゴリズムにより、X方向またはZ方向上の主要な運動を検出することができる。
【0032】
図12~
図13の構成において、より多くの交互に磁化方向を有する磁石を使用すれば、同様に主要な相対運動を検出できるとともに他の方向上の相対運動からの干渉を除去できることが理解されるべきである。但し、区別する点としては、より多くの磁石によれば、より強い磁界を提供することができるとともに、相対運動とセンサ信号との間に異なる線形性をもたらす可能性がある。
【0033】
図6~
図9に示す実施形態と同様に、
図10~
図13に示す全ての実施形態において、2つのホール効果センサは、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に応じて、基本的に同じである信号を生成し、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間での第1相対運動に垂直する第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号を生成すれば、ホールセンサの検出方向および磁石配置方向は異なってもよい。例えば、
図10に示される感知アセンブリの他の実施形態において、一対のホール効果センサの検出方向は、X方向の正または負方向に向いているように変更されてもよい。このような構成において、2つのホール効果センサは、同様に、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間でのX方向上の相対運動に応じて基本的に同じである信号を生成するとともに、ホール効果センサと磁石アセンブリとの間でのZ方向上の相対運動に応じて基本的に等しいが互いに逆の信号を生成できる。このような構成は、センサの非線形性をある程度増大させる可能性があるが、実現可能である。
【0034】
図6~
図13に示す実施形態において、2つのセンサは、対称に配置され、それらを結ぶ線は、センサの検出方向または磁石の磁化方向に対して垂直または平行する方向である。しかしながら、実用の際に、2つのセンサの位置は、若干ずれる可能性があり、即ち、2つのセンサを結ぶ線は、検出方向または磁化方向に対してほぼ垂直またはほぼ平行であることが理解されるべきである。
【0035】
上記の各感知アセンブリ30a~30hの構成において、ホール効果センサ32a~32hが磁石のエッジに近接していない場合、磁石のY方向上のエッジ効果が無視できるため、Y方向上の磁石-センサ信号特性が一定であると考えられる。
【0036】
上記各実施形態によれば、感知アセンブリ30は、磁石アセンブリ31の磁界を整える磁気伝導アセンブリ33をさらに含む。磁気伝導アセンブリ33は、例えば、鋳鉄、ケイ素鋼板、ニッケル亜鉛フェライト、ニッケル鉄合金、マンガン亜鉛フェライトなどの高透磁率を有する金属または合金を含む磁気伝導材料を含んでもよい。具体的な実施形態の一つにおいて、磁気伝導アセンブリ33の材料は、炭素鋼である。磁気伝導材料は、例えば、磁石の両側及び一対のホール効果センサ32の両側に配置してもよい。
【0037】
上記各実施形態によれば、感知アセンブリ30a~30hは、一対のホール効果センサ32a~32hを用いて複数方向の運動を検出する。他の実施形態において、力/トルクセンサアセンブリ10に加えられる負荷をより正確に測定するように、より多くのセンサの対を用いてもよい。
【0038】
複数のホール効果センサにより、特に、非線形方向の運動が主要な運動ではない場合に、複数のセンサ信号間のクロスチェックとクロス監視を実現することができる。クロスチェックとクロス監視により、1つまたは複数のセンサまたは磁石の損傷または故障したことを早目に決定することができるため、操作の更なる安全性を提供できる。複数のセンサは、コモンモードノイズ、特にガウス電気ノイズを抑制するために用いられてもよい。
【0039】
図3に示す実施形態によれば、複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10の周方向に沿って配列される。他の実施形態において、感知アセンブリ30は、他の方式で配列されてもよく、例えば、感知アセンブリ30は、第1部品21と第2部品22との間にランダムに配置してもよい。
【0040】
複数の感知アセンブリ30は、例えば、
図6~
図13に示す感知アセンブリ30a~30hのいずれか一つのように同じ構成をしてもよい。複数の感知アセンブリ30は、例えば、夫々に感知アセンブリ30a~30hから選択した異なる構成を有してもよい。複数の感知アセンブリ30は、力/トルクセンサアセンブリ10に加えられた力またはトルクを同時に測定することができ、これにより、これらの感知アセンブリ30の出力を統合して、より正確な結果を得ることができる。具体的な実施形態の一つにおいて、例えば、2つの感知アセンブリ30は、同じ力とトルクに応じて、一対のホール効果センサごとがいずれも基本的に同じ信号変化を生成し、または基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。別の具体的な実施形態において、同じ力とトルクに応じて、一方の感知アセンブリ30は、一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成するように構成され、他方の感知アセンブリ30は、一対のホール効果センサが基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される。2つの感知アセンブリ30をどのように配置しても、同じ力またはトルクを同時に測定することができる。
【0041】
さらに、力/トルクセンサアセンブリ10上の異なる位置に感知アセンブリ30を配置することにより、第1部品21と第2部品22との間の異なる位置においての相対変位を検出することができる。また、複数の感知アセンブリ30が異なる位置に取り付けられることにより、力/トルクセンサアセンブリ10全体のたわみを取りえるため、力/トルクセンサアセンブリ10の剛性に基づいて、全体的な外力またはトルクを決定することができる。例えば、せん断力によって異なる位置で異なる変位を生成させるため、当該せん断力を検出する場合、異なる位置の変位を検出することが特に有用である。
【0042】
一実施形態において、複数の感知アセンブリ30は、その構成が同じであるか否かにかかわらず、異なる空間の向きを有してもよい。例えば、
図6~
図13に示すいずれかの構成を用いる複数の感知アセンブリ30は、その主要な検出方向(例えば、X方向)がそれぞれセンサアセンブリ10の軸方向、径方向及びせん断方向に沿うように、本体20に配置されてもよい。このような構成によれば、力/トルクセンサアセンブリ10は、複数の方向の力またはトルクを検出することができる。例えば、力/トルクセンサアセンブリ10に垂直に加えられた力により、一部の感知アセンブリ30がX方向に相対運動する可能性があるため、この部分の感知アセンブリ30は、線形のセンサ信号を生成することができるため、上記垂直の力を測定するのに適している。しかしながら、力/トルクセンサアセンブリ10の軸線の周りにトルクが加えられると、そのトルクから当該部分の感知アセンブリ30が実質的にY方向に相対運動させることになる可能性があるため、当該部分の感知アセンブリ30で当該トルクの検出に適用できないかもしれない。この場合、トルクをX方向上の運動に変更する感知アセンブリ30が必要であり、当該感知アセンブリ30の向きは、例えば上記の当該部分の感知アセンブリ30に対し90度になってもよい。
【0043】
なお、ホール効果センサ32の検出方向は、各構成において変更可能であることが理解されるべきである。例えば、
図6に示す実施形態において、ホール効果センサ32の検出方向は、磁石アセンブリ31の磁化方向と平行するように変更されてもよい。ホール効果センサ32の検出方向が変更された場合、線形性に影響を及ぼす可能性もある。
【0044】
本願に係る感知アセンブリは、上記のような力またはトルクへの検出に限定されず、運動または変位を検出する必要がある他の様々な応用に用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0045】
なお、本願においてセンサ信号の変化または磁束の変化を説明する「同じ」または「等しい」という用語は、信号の変化または磁束の変化が完全に同じまたは完全に等しいことを意味するものではなく、磁束の分布などによって多少偏差が存在する可能性がある。さらに、センサ信号と運動との関係を説明する「線形」、「線形性」という用語も、運動に対する信号変化が完全に線形であることを意味するものではないことに留意されたい。
【0046】
本発明は、ロボット及び当該ロボットに用いられるロボット関節をさらに提供する。当該ロボット関節は、上記いずれかの実施形態に係る力/トルクセンサアセンブリ10を含む。
【0047】
図14において、アーム101と、隣接するアーム101を接続するロボット関節102とを含むロボット100が例示的に示されている。ロボット関節102は、力/トルクセンサアセンブリを有し、力/トルクセンサアセンブリの第1部品及び第2部品は、例えば、隣接する2つのアーム101にそれぞれ接続されてもよい。
【0048】
本明細書で用いられる用語の目的は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本明細書で用いられるように、単数形の「一」、「1つ」及び「当該」は、文脈が特に明記しない限り、複数形を含むことも意図する。「含む」という用語は、本明細書において用いられる場合、前記特徴、ステップ、操作、素子及び/または部品が存在することを意味するが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、素子、部品及び/またはそれらの組み合わせの存在を除外するものではないことが理解されるべきである。「任意」または「任意に」は、その後に説明するイベントまたは状況は可能であるが、必須ではなく、かつ当該説明は前記イベントまたは状況が発生する場合及び前記事件または状況が発生しない場合を含むということを意味する。
【0049】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて使用されているように、近似用語は、関連する基本機能の変更をもたらさずに許容できる程度に変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約」、「大体」、及び「実質的に」などの1つ以上の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されない。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、ならびに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせ及び/または置き換えが可能であり、文脈及び文言が特に指示しない限り、このような範囲は特定され、それに包含される全ての部分範囲を含む。
【0050】
添付の特許請求の範囲内の全ての装置またはステップ及び機能要素の対応する構造、材料、運動、及び等価物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、または運動を含むことが意図される。本発明の説明は例示及び説明の目的で提示されたものであるが、網羅的であるかまたは開示された形の本発明に限定されることは意図されていない。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく多くの修正及び変形が明らかとなろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用例を最も良く説明するため、ならびに他の当業者が企図された特定の用途に合うような様々な修正を伴う様々な実施形態に関して本発明を理解できるようにするために、選択及び説明されたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品と第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、
第1部品に接続されるように構成される磁石アセンブリと、
第2部品に接続されるように構成される一対のホール効果センサと、を含み、
前記一対のホール効果センサは、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での前記第1方向に垂直する第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、感知アセンブリ。
【請求項2】
前記一対のホール効果センサは、それぞれ前記磁石アセンブリの対向する両側に位置する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項3】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する方向である1つの磁石を含む、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項4】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である1つの磁石を含む、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項5】
前記磁石アセンブリは、並列に配列されかつ磁化方向が交互に正反対になる少なくとも2つ磁石を含み、前記磁石の磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する方向である、請求項2に記載の感知アセンブリ。
【請求項6】
前記磁石アセンブリは、第1磁石群と第2磁石群とを含み、前記一対のホール効果センサは、前記第1磁石群と前記第2磁石群との間に位置する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項7】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ1つの磁石を含み、前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項8】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ1つの磁石を含み、前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項9】
前記第1磁石群及び前記第2磁石群は、それぞれ並列に配列される且つ前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する磁化方向が交互に正反対になる少なくとも2つの磁石を含み、前記一対のホール効果センサを結ぶ線に平行する同じ直線上に位置する前記第1磁石群の磁石及び前記第2磁石群の磁石は、同じ磁化方向を有する、請求項6に記載の感知アセンブリ。
【請求項10】
前記一対のホール効果センサは、それぞれ前記磁石アセンブリに向ける検出方向を有し、或いは前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する同じ検出方向を有する、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項11】
磁気伝導アセンブリをさらに含み、前記磁気伝導アセンブリは、前記磁石アセンブリの磁界を整えるように構成される、請求項1に記載の感知アセンブリ。
【請求項12】
加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリであって、
第1部品、第2部品、及び前記第1部品と前記第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、
前記本体に取り付けられ、前記第1部品と前記第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、前記第1部品に接続された磁石アセンブリ及び前記第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む少なくとも1つの感知アセンブリとを含み、
前記一対のホール効果センサは、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での前記第1方向に垂直する第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに加えられた同じ力またはトルクに応じて、各前記一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成し、あるいは基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、力/トルクセンサアセンブリに加えられた同じ力またはトルクに応じて、一方の感知アセンブリの前記一対のホール効果センサが基本的に同じ信号変化を生成し、他方の感知アセンブリの前記一対のホール効果センサが基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも1つの感知アセンブリは、前記力/トルクセンサアセンブリに配置された2つの感知アセンブリを含み、前記2つの感知アセンブリは、それぞれ前記第1部品と前記第2部品との間の異なる位置での相対運動を検出するように構成される、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項16】
前記一対のホール効果センサは、それぞれ前記磁石アセンブリの対向する両側に位置する、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項17】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する方向である1つの磁石を含む、請求項16に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項18】
前記磁石アセンブリは、磁化方向が前記一対のホール効果センサを結ぶ線に垂直する方向である1つの磁石を含む、請求項16に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項19】
前記磁石アセンブリは、第1磁石群と第2磁石群とを含み、前記一対のホール効果センサは、前記第1磁石群と前記第2磁石群との間に位置する、請求項12に記載の力/トルクセンサアセンブリ。
【請求項20】
加えられた力またはトルクを検出するように構成される力/トルクセンサアセンブリを含むロボット関節であって、
前記力/トルクセンサアセンブリは、
第1部品、第2部品、及び前記第1部品と前記第2部品とを接続する変形可能な部品を含む本体と、
前記本体に取り付けられ、前記第1部品と前記第2部品との間での相対運動を検出するように構成される感知アセンブリであって、前記第1部品に接続された磁石アセンブリ及び前記第2部品に接続された一対のホール効果センサを含む少なくとも1つの感知アセンブリとを含み、
前記一対のホール効果センサは、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での第1方向に沿った第1相対運動に応じて、基本的に同じ信号変化を生成し、前記磁石アセンブリと前記一対のホール効果センサとの間での前記第1方向に垂直する第2方向に沿った第2相対運動に応じて、基本的に等しいが互いに逆の信号変化を生成するように構成される、ロボット関節。
【国際調査報告】