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特表2024-523049断熱保温壁及びその製造方法、取付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-26
(54)【発明の名称】断熱保温壁及びその製造方法、取付け方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/80 20060101AFI20240619BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20240619BHJP
   E04B 1/90 20060101ALI20240619BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20240619BHJP
   E04C 2/284 20060101ALI20240619BHJP
   E04C 2/30 20060101ALI20240619BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240619BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20240619BHJP
【FI】
E04B1/80 100P
E04B1/76 500F
E04B1/80 100Q
E04B1/90 G
B32B7/027
E04C2/284
E04C2/30 T
B23K26/21 N
B23K26/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512328
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2021140927
(87)【国際公開番号】W WO2023070923
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111281479.7
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522430464
【氏名又は名称】包 城吉
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】包 城吉
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
4E168
4F100
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DF04
2E001FA03
2E001GA42
2E001HA01
2E001HA03
2E001HB01
2E001HB03
2E001HB04
2E001HF15
2E001JA22
2E162CA01
2E162CA10
2E162CA16
2E162CA21
2E162CA33
2E162CA37
2E162CB01
2E162CB02
2E162CB07
2E162CB08
2E162CC06
2E162CD04
2E162FA14
2E162FA18
2E162FA20
2E162FD07
4E168BA86
4E168BA87
4F100AA03A
4F100AA03E
4F100AB01A
4F100AB01B
4F100AB01E
4F100AC06A
4F100AC06E
4F100AD00A
4F100AD00E
4F100AE01A
4F100AE01E
4F100AE06A
4F100AE06E
4F100AK18D
4F100AT00A
4F100AT00E
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CB00B
4F100CB00D
4F100DB07
4F100DC12
4F100EC08B
4F100EC08D
4F100EC10B
4F100EC10D
4F100EC12B
4F100EC12D
4F100EC17B
4F100EC17D
4F100JD01B
4F100JD01D
4F100JH01A
4F100JH01E
4F100JJ01
4F100JJ02C
4F100JJ07
(57)【要約】
本発明は、断熱保温壁及びその製造方法、取付け方法を提供する。断熱保温壁であって、少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含み、前記パネルと前記底板は少なくとも一つの遮断体で接続され、前記断熱保温パネルが前記パネルと前記底板の間に設置され、前記遮断体で保持される。前記遮断体は、前記パネルと接続するための遮断体頭部と、遮断方式で前記遮断体頭部と前記底板をそれぞれ接続する遮断体尾部と、を含む。本発明の断熱保温壁は、構造が独特であり、断熱保温、防火を効果的に実現し、建物と同等の寿命を実現することができ、建物の外壁に設置した場合、風雨や酸性雨を効果的に防止することができる。また、そのパネルは、内装壁、外壁のいずれに取り付けても、同時に装飾的な美観を確保することができる外面として使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含み、
前記パネル及び前記底板は、少なくとも一つの遮断体により接続され、前記断熱保温パネルが前記パネル及び前記底板の間に設置され、前記遮断体で保持され、
前記遮断体は、
前記パネルと接続するための遮断体頭部と、
遮断方式で前記遮断体頭部及び前記底板とそれぞれ接続する遮断体尾部と、を含む、
ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項2】
請求項1に記載の断熱保温壁において、
前記パネルの面積は前記底板の面積より大きく、
前記パネル及び/又は底板の材質としては、金属板、セラミック板、石板、粘着モルタル、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、吸音材、消音材の少なくともいずれか一種を含む、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項3】
請求項2に記載の断熱保温壁において、
前記パネル及び前記底板はアルミニウム合金の材質で形成され、前記遮断体頭部が金属材質で形成され、前記遮断体尾部がポリテトラフルオロエチレン材質で形成され、
前記パネルの縁部は、折り曲げられた前記パネルの正面の投影面積が前記底板の面積と一致するように前記底板へ折り曲げられ、
前記パネルの縁部の箇所には、折り曲げるための溝部が予め設けられた、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の断熱保温壁において、
前記パネル及び前記底板の遮断体による接続方式は、物理的方式と化学的方式を含み、縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付け、接着、溶接の少なくともいずれか一種を含む、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項5】
請求項4に記載の断熱保温壁において、
前記遮断体頭部がナット構造であり、前記遮断体尾部が中空ボルト構造であり、
前記遮断体頭部と前記パネルが固定接続され、前記遮断体尾部が接合ボルトにより前記底板と接続され、
前記接合ボルトが前記底板に貫通して前記遮断体尾部の中空部にねじ込まれる、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項6】
請求項5に記載の断熱保温壁において、
前記遮断体尾部の前記遮断体頭部にねじ込まれるスクリュ長さが前記遮断体頭部の長さ以下であり、前記接合ボルトの前記遮断体尾部にねじ込まれるスクリュ長さが前記遮断体尾部の長さ以下である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項7】
請求項5に記載の断熱保温壁において、
前記接合ボルトが拡張ボルトであり、
前記遮断体尾部の中空部の内径が前記底板側から前記パネル側へ徐々に減小する、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の断熱保温壁において、
前記断熱保温パネルは、前記遮断体の数、位置、外郭に対応する孔を有し、
前記孔の正面投影面積が前記遮断体の正面投影面積より小さく、
前記孔のピッチが10~80cmであり、前記断熱保温パネルの厚さが30~80mmであり、耐火等級がA1であり、熱伝導率が0.010~0.050である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項9】
請求項1に記載の断熱保温壁において、
前記少なくとも1つの遮断体の前記パネル上の総投影面積が前記パネルの総面積に占める割合は1%以下である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項10】
請求項1に記載の断熱保温壁において、
前記底板には、外部との吊り下げ係合用フックが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項11】
請求項5に記載の断熱保温壁において、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に壁体接続構造が設けられる、ことを特徴とする断熱保温壁。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の断熱保温壁の製造方法であって、
前記遮断体を前記パネルに接合し、
前記少なくとも一層の断熱保温パネルを前記遮断体と接合して、前記遮断体で保持し、
前記少なくとも一層の底板を前記遮断体と接合する、ことを含む、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の断熱保温壁の製造方法において、
前記遮断体頭部を前記少なくとも一層のパネルに溶接し、
前記遮断体尾部を前記遮断体頭部と螺合し、
前記接合ボルトが前記底板を貫通して前記遮断体尾部と螺合する、ことをさらに含む、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の断熱保温壁の製造方法において、
前記遮断体頭部と前記パネルの溶接はレーザ溶接を使用し、瞬時に高温になった後、溶接電力を200W以上に低下させ、
前記遮断体頭部が対角溶接という方式で前記パネルに溶接される、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の断熱保温壁の取付け方法であって、
前記底板に設けたフックを外部ハンガーに吊り下げ係合させて複数の断熱保温壁を繋ぎ合わせ、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁の取付け方法。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか一項に記載の断熱保温壁の取付け方法であって、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に接合する壁体接続構造は前記壁体に打設され、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁の取付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、出願番号が202111281479.7で、出願日が2021年11月1日である中国特許出願の優先権を主張し、その内容はここに参照として取り込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、断熱保温という技術分野に関するものであり、具体的に断熱保温壁及びその製造方法、取付け方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、市場には多種の断熱保温壁が存在する。従来の保温材は密度が大きく、断熱保温性能が悪く、敷設が厚く、材料の損耗量が大きく、吸湿性が高く、耐震性能と環境保護性能が悪く、省エネ基準に達することができない。さらに、保温材の中には人体に損害を与えるものもある。
【0004】
従来技術における断熱保温壁は、壁面断熱層として敷設した後に剥離、落下しやすく、断熱保温防火性能が好ましくないので、安全性が損なわれる恐れがある。以上の問題は断熱保温壁の応用と発展を大きく制限している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は上記課題を解決してなされたものであり、断熱保温防火を効果的に実現し、装飾的な美観を確保しつつ、建築物と同等の寿命を実現することができる断熱保温壁及びその製造方法、取付け方法の提供を目的とする。
【0006】
本開示において、本発明の思想を簡単な形式で紹介するために発明の内容を提供する。本発明の思想を以下の具体的な実施形態で詳細に説明する。本発明の内容は、特許請求する技術案の重要な特徴又は必要な特徴を識別することを意図しておらず、また、特許請求する技術案の範囲を制限することを意図していない。
【0007】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含み、
前記パネル及び前記底板は、少なくとも一つの遮断体により接続され、前記断熱保温パネルが前記パネル及び前記底板の間に設置され、前記遮断体で保持され、
前記遮断体は、
前記パネルと接続するための遮断体頭部と、
遮断方式で前記遮断体頭部及び前記底板とそれぞれ接続する遮断体尾部と、を含む。
【0008】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は断熱保温壁の製造方法をさらに提供し、その特徴としては、
前記遮断体を前記パネルに接合することと、
前記少なくとも一層の断熱保温パネルを前記遮断体と接合して、前記遮断体で保持することと、
前記少なくとも一層の底板を前記遮断体と接合することと、を含む。
【0009】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は前記のような断熱保温壁の取付け方法をさらに提供し、その特徴としては、
前記底板に設けたフックを外部ハンガーに吊り下げ係合させて複数の断熱保温壁を繋ぎ合わせ、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている。
【0010】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は前記のような断熱保温壁の取付け方法をさらに提供し、その特徴としては、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に接合する壁体接続構造は前記壁体に打設され、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている。
【0011】
本開示の技術案によれば、従来技術と比較すると、構造が独特であり、断熱保温、防火を効果的に実現し、建築物と同等の寿命を実現することができ、建築物の外壁に設置した場合、風雨や酸性雨を効果的に防止することができる。また、そのパネルは、内装壁、外壁のいずれに取り付けても、同時に装飾的な美観を確保することができる外面として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の断熱保温壁における遮断体の一実施例の断面模式図である。
図2】本開示の断熱保温壁における断熱保温パネルの一実施例の斜視図である。
図3】本開示の製造方法の一実施例のフローチャートである。
【0013】
添付の図面と併せて以下の特定の実施形態を参照して、本発明の各実施形態の上記および他の特徴、利点、態様がより明らかになる。添付の図面全体を通して、同一または類似の参照番号は、同一または類似の要素を示す。添付の図面は概略図であり、原本および要素は必ずしも縮尺で描かれていないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本出願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の明細書および特許請求の範囲ならびに上記図面の説明における「含む」および「有する」という用語およびそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。本発明の明細書および特許請求の範囲または上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象物を区別するために使用され、特定の順序を説明するために使用されるものではない。
【0015】
本明細書における「実施例」への言及は、実施例と併せて記載された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な位置に現れる句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、また、他の実施例と相互に排他的な独立した実施例または代替的な実施例を指すものでもない。本明細書に記載された実施例は、他の実施例と組み合わせてもよいことが、当業者によって明示的かつ暗黙的に理解される。
【0016】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解できるようにするために、添付の図面を組み合わせて本発明の実施例における技術的解決手段をさらに説明する。
【0017】
また、説明が必要なこととして、各図面における上、下、左、右の各方向は、特定の実施形態による例示に過ぎない。当業者は、実際の必要に応じて、図面に示された各部材の一部又は全部の方向を変更して適用することができ、各部材又はシステムがその機能を全体的に実現することに影響を与えることがなく、このような方向を変更した技術案はなお本明細書の保護範囲に該当する。
【0018】
[断熱保温壁]
本開示の一つ以上の実施例に係る断熱保温壁によれば、少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含む。一つ以上の実施例では、パネルと底板はともに例えば一層設置され、両者は例えば複数の遮断体で接続され、断熱保温パネルがパネルと底板の間に設けられて遮断体で保持される。
【0019】
一つ以上の実施例では、パネルの面積が底板の面積より大きい。底板が例えば矩形であり、面積が例えば60cm*90cmであり、又は20cm*30cmである。パネルの面積が底板の面積よりやや大きい。例えばパネルの面積は例えば60.5cm*90.5cmであり、又は20.5cm*30.5cmである。もちろん、パネルの一辺の長さは、必要に応じて底板の一辺の長さよりもそれぞれ0.1~1cm長くすることができ、これに限定されるものではない。
【0020】
一つ以上の実施例では、パネル及び/又は底板の材質としては、例えば金属板、セラミック板、石板、粘着モルタル、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、吸音材、消音材の少なくともいずれか一種を含む。一つ以上の実施例では、塗装、伸線等の各種装飾処理を可能にするために、パネルは、例えば、金属板、セラミック板、石積み面など、表面が平滑で平らなめ外面の材質であることが好ましく、パネル及び/又は底板の材質は、金属板製であることが好ましい。
【0021】
一つ以上の実施例では、パネル及び/又は底板の厚さは例えば3mm~20mmであり、10mmであることが好ましく、耐食性の要請、遮断体溶接の要請、断熱保温壁の全体としての重さ、使用する材料、コスト要請などに基づいて調整することができ、限定されるものではない。
【0022】
一つ以上の実施例では、底板は、例えば一方の面を光沢複合芯材とし、他方の面を、例えば接着性セメント等を塗布した後、壁等に貼り付けやすくするために、立毛、伸線加工を施すことができる。もちろん、底板は、高強度石膏ボード、軽量ケイ酸カルシウム板などの材質であってもよいし、例えば壁に貼り付けた際の接着強度や平坦性を高めるために、立毛や伸線加工を施すことが好ましい。
【0023】
一つ以上の実施例では、パネルと底板がアルミニウム合金又はステンレスで形成され、パネルの縁部は、折り曲げられたパネルの正面の投影面積が底板の面積と一致するように底板へ折り曲げられる、即ち、パネルと底板の間に断熱保温パネルを位置決めるように、パネルの各辺の長さが底板の辺長を超えるところでパネルを折り曲げる。パネルの縁部の箇所には、折り曲げ時に変形が生じないように、例えば折り曲げ用の溝部が予め設けられている。一つ以上の実施例では、底板には、装着時に外部のハンガーと吊り係合するフックを設け、壁体に密着する鋼製ハンガー施工等の手法を用いて使用する。
【0024】
一つ以上の実施例では、パネル及び底板の遮断体による接続方式は、物理的方式と化学的方式を含み、縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付け、接着、溶接の少なくともいずれか一種を含むが、溶接が好ましく、例えばアーク溶接、アルゴンアーク溶接、CO保護溶接、酸素アセチレン溶接、レーザー溶接、エレクトロスラグ圧接などの各種の溶融溶接、圧接、ろう付け方式であってもよい。
【0025】
図1に示すのは、本開示の断熱保温壁の遮断体の一実施例の断面模式図である。遮断体は、
パネルと接続する遮断体頭部101と、
遮断方式で遮断体頭部101と底板をそれぞれ接続して、パネルと底板の間に接続されないようにする遮断体尾部102、を含む。
【0026】
一つ以上の実施例では、遮断体頭部101とパネルの接触面積が例えばパネルの総面積に占める割合は1%以下である。
【0027】
一つ以上の実施例では、遮断体は全体として例えば直径が1~10cmの円柱で、例えば10cm~80cmのピッチで設置してもよいし、好ましくは25cm~60cmのピッチで設置する。例えば縦横ピッチ15cmで直径が3cmの遮断体を設置してもよい。遮断体の直径、高さ、密度等を具体的な状況に応じて異なるように設定することにより、支持間隔の役割を果たすだけでなく、パネルの平坦性を確保することができ、また断熱保温壁の総重さを低下させることができ、材料の使用量を削減してコストを低減することができる。
【0028】
一つ以上の実施例では、遮断体頭部101は金属材質、例えばアルミニウム合金又はステンレス材質であり、遮断体尾部102は耐酸・アルカリ性、耐食性、耐高温のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材質である。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は独特の分子構造(PTFE分子はF原子でカーボンチェインを包み込み、C-F結合は長短結合エネルギーが大きい)であるため、酸アルカリでPTFEの分子構造を破壊することができない。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は耐酸・アルカリ性が非常に高いので、ほとんどのヒューム状况で使用することができる。230℃~320℃の温度条件の下で使用する場合、高温によるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の解配向作用が原因で、強度と破断伸びは熱処理温度の増加に伴ってそれぞれ降下、上昇する。230℃の温度範囲内で長期間使用でき、ごみ焼却炉と石炭焚きボイラーの排煙除去にも適し、断熱保温壁の断熱保温、防火を効果的に実現し、建築物と同等の寿命を実現することができ、建築物の外壁に設置した場合、風雨や酸性雨を効果的に防止することができる。
【0029】
一つ以上の実施例では、遮断体頭部101が例えばナット構造であり、遮断体尾部102が例えば中空ボルト構造であり、遮断体頭部101とパネルが固定接続される。
【0030】
一つ以上の実施例では、遮断体頭部101は、例えばレーザー溶接などの溶接方式でパネルに接合されている。瞬時に高温になった後、溶接電力を200W以上に調整する。もちろん、必要に応じて1000W~2000Wに、好ましくは1500Wに調整することができる。実験により、瞬時に高温になった後で溶接電力を1500Wに調整した時、パネルの外側(即ち底板と反対側の他方の側)が遮断体を溶接する時に黒化、歪みなどの現象が現れず、溶接強度と美観を保証することができる。パネルの歪みを防止するために、遮断体頭部101とパネルとを、必要なレイアウトに応じて、まず対角位置の2つの遮断体を溶接した後、さらに残りの対角位置の遮断体を溶接するという対角溶接の方法で溶接する。パネルの形状への影響を大幅に低減することができることを実証実験により明らかにした。
【0031】
一つ以上の実施例では、遮断体尾部102が接合ボルトにより底板と接続され、接合ボルトが底板に貫通して遮断体尾部102の中空部にねじ込まれる。一つ以上の実施例では、底板には、遮断体の位置に応じて接合ボルトが貫通するための孔が予め開けられる。
【0032】
一つ以上の実施例では、遮断体尾部102が遮断体頭部101にねじ込まれるスクリュ長さが遮断体頭部101の長さ(つまり、遮断体頭部101の鉛直方向の高さ)以下であり、パネルと底板の間が接続されないように接合ボルトが遮断体尾部102にねじ込まれるスクリュ長さが遮断体尾部102の長さ以下(つまり、遮断体頭部102の鉛直方向の高さ)である。
【0033】
一つ以上の実施例では、接合ボルトは拡張ボルト、開放ボルトなど、仕様の異なるボルトであり、遮断体尾部102の中空部内は底板側からパネル側へ徐々に減小し、拡張ボルト、開放ボルト等がねじ込まれることにより、遮断体尾部102に接合ボルトを密着させることができるので、底板とパネルとを密着させることができる。
【0034】
一つ以上の実施例では、接合ボルトにおける遮断体尾部102と接続されない側に建物壁体接続構造が接合される。接続構造が例えば金属パネル又は他の部材である。建物の壁体との力受面積が大きくなるので、断熱保温壁と建物壁体を強固に接合させることができる。
【0035】
一つ以上の実施例では、遮断体の断面積の大きさ、高さ(長さ)、数量、サイズ、レイアウトは特に限定されず、必要な保持効果などによって選択できる。図1に示す遮断体が円柱状であるが、これに限定されず、遮断体の形状がその他の形状、例えば長方体、正方体、楕円体、その他の多辺体であってもよい。
【0036】
なお、複数の遮断体をマトリクス状に等間隔に配置したが、これに限らず、同心円状の環状パターンや不規則な分布パターンなど、他のピッチやレイアウト、パターンで複数の遮断体を配置してもよく、また、複数の遮断体を等間隔に配置することに限定されるものではない。
【0037】
また、必要な保持効果、コスト、重さなどの要因に応じて、遮断体の断面積の大きさ、高さ(長さ)、数量、サイズ、レイアウトパターンを選択することができる。具体的には、より良い保持効果が必要な場合は、遮断体の断面積を大きく設定したり、遮断体の数を多く設定したりすることができ、逆に、遮断体の断面積を小さく設定したり、遮断体の数を少なく設定したりすることもできる。
【0038】
図2は本開示の断熱保温壁の断熱保温パネルの一実施例の斜視図である。
【0039】
断熱保温パネルは、上から下に内側外面層201、介在層202、断熱保温層203、介在層202、外側外面層204、孔205を有する。もちろん、本開示の断熱保温パネルは内側外面層201又は外側外面層204のみを有してもよいし、介在層202を1層だけ有していてもよいし、各層の数は限定されず、例えば断熱保温層203が実情に応じて2層以上に設けられてもよい。断熱保温パネルの各層の厚さは限定されず、例えば各層とも1cmの厚さであってもよいし、2cm以上の厚さであってもよく、実情に応じて異なる厚さを設定することができ、限定されるものではない。ただし、壁面保温層としての用途を考慮すると、エアロゲルフェルトの厚さは2層でそれぞれ1cmであることが好ましい。
【0040】
一つ以上の実施例では、断熱保温パネルは、遮断体の断面積の大きさ、数量、位置、外郭、形状、レイアウトパターンなどに対応する孔205を含み、断熱保温パネルと遮断体を密着させるように、孔205の正面投影面積が遮断体の正面投影面積よりやや小さく、正面投影面積はパネルにおける正投影面積を指し、孔のピッチが、例えば10~80cmで遮断体の設置とほぼ一致する。断熱保温パネルの厚さは例えば30~80mmであり、耐火等級が例えばA1であり、熱伝導率が例えば0.010~0.050である。
【0041】
一つ以上の実施例では、断熱保温層203は、例えばエアロゲルフェルトを含み、例えばエアロゲル布、エアロゲル紙、エアロゲル板、繊維強化エアロゲルフェルト及び他のエアロゲル異形状部材などのエアロゲル製品を含んでもよく、限定されるものではない。
【0042】
一つ以上の実施例では、エアロゲルは、例えばシリカエアロゲル、炭素エアロゲル、アルミナエアロゲル、酸化ジルコニウムエアロゲル、酸化チタンエアロゲル、酸化鉄エアロゲル、酸化コバルトエアロゲル、酸化ニッケルエアロゲル、酸化銅エアロゲル、酸化イットリウムエアロゲル、酸化セリウムエアロゲル、酸化バナジウムエアロゲル、酸化ビスマスエアロゲル、酸化スズエアロゲル、ハイドロキノンホルムアルデヒドエアロゲル、グラフェンエアロゲルのいずれか一種であってもよい。
【0043】
一つ以上の実施例では、繊維強化エアロゲルフェルトにおける繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、石英繊維、高シリカ繊維、ケイ酸アルミニウム、ムル石繊維、炭化ケイ素繊維、窒化硅素繊維、アルミナ繊維、窒化ホウ素繊維、玄武岩繊維、ブルーサイト繊維、アタパルガイド繊維、ボロン繊維、カーボンナノチューブ、アラミド繊維、ポリイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維のいずれか一種であってもよい。
【0044】
一つ以上の実施例では、介在層202は、例えばポリエステル繊維金属コート布、不織布、ガラス繊維フェルト、ガラス繊維メッシュ(Fiberglass mesh)のいずれか一種を含んでもよい。
【0045】
もちろん、断熱保温パネルの介在層202の材質は、硬質紙、軟質紙、不織布、オフセット紙、コート紙、ガラスカード紙、レーザー紙、クラフト紙、蛍光紙、金メッキ紙、アルミ箔紙、壊れやすい(偽造防止)紙、銀メッキ紙、クレープ紙、布ラベル(タイベック/ナイロン)紙、パール紙、サンドイッチコート紙、可変情報紙、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレン、流延ポリプロピレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、アルミ箔、コンタクト用ゴム、透明ポリエステル(PET)、半透明ポリエステル(PET)、透明定向延伸ポリプロピレン(OPP)、半透明定向延伸ポリプロピレン(OPP)、透明塩化ビニル(PVC)、光輝性白色塩化ビニル(PVC)、ホワイトマットポリ塩化ビニル(PVC)、合成紙、光輝性金(銀)ポリエステル、金(銀)マットポリエステル等の材料等の、外面層と化学的方式で接合しやすい材料である。
【0046】
一つ以上の実施例では、内側外面層201及び/又は外側外面層204は、例えば金属板、セラミック板、石板、粘着モルタル、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、吸音材、消音材のいずれか一種を含んでもよい。
【0047】
なお、図2では、孔205を形成するために内側外面層201及び/又は外側外面層204の材料を完全に除去して貫通孔を形成した。
【0048】
一つ以上の実施例では、内側外面層201及び/又は外側外面層204には例えばパンチ及び/又はスロットを設置してもよく、該パンチ及び/又はスロットを通じて、縫合又はステープル止め方式などの物理的方式でその他の層と一体的に接合する。これにより、縫合及び/又はステープル止めの際の糸の位置を容易に制御することができ、製品形態が綺麗で美しく、縫合及び/又はステープル止め用の糸及び/又はステープルが表面に突出することがなく、使用時に糸及び/又はステープルを損傷から保護することができる。
【0049】
一つ以上の実施例では、スロットの行ピッチ及び/又は列ピッチは例えば30mm~60mmであり、パンチの距離は例えば10mm~15mmであり、好ましくは、スロットの行ピッチ及び/又は列ピッチは50mmであり、パンチの距離は15mmである。
【0050】
一つ以上の実施例では、断熱保温層203は介在層202と物理的方式で一体的に接合される。もちろん、他の各層の間、例えば断熱保温層203と内側外面層201及び/又は外側外面層204も物理的方式で接合できるが、これに限定されるものではない。
【0051】
一つ以上の実施例では、物理的方式は、例えば縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付け(例えば面ファスナーの類)の少なくともいずれか方式を含んでもよい。
【0052】
一つ以上の実施例では、縫合を行う物理的方式を利用する場合、例えば耐酸・アルカリ性、耐食性、耐高温のPTFE縫製糸(ポリテトラフルオロエチレン縫製糸)で縫合する。ステープル止めを行う物理的方式を利用する場合、例えば棒状係止式の金属アルミニウム合金、又は高強度炭素鋼金具を利用してステープル止めを行う。
【0053】
PTFE縫製糸は酸アルカリ処理後の強力なエネルギー保持率が80%前後であり、もちろん、縫合又はステープル止めの物理的方式を利用する場合、例えば耐酸・アルカリ性、耐食性、耐高温の高分子ナイロン糸又はその他の材料線などを縫合線又はステープル止め線として縫合又はステープル止めを行ってもよく、特に限定されない。
【0054】
一つ以上の実施例では、縫合線又はステープル止め線の行ピッチ及び/又は列ピッチは例えば30mm~60mmであり、ステッチの距離は例えば10mm~15mmであり、行ピッチ及び/又は列ピッチが50mmであり、ステッチの距離が15mmであることが好ましい。
【0055】
一つ以上の実施例では、介在層202は、例えば、断熱保温層203の材料がキルティング縫合装置などの製造設備に入って縫合する際に、機械設備の振動による粉落ちやガラス繊維の発塵による作業場環境汚染や、人体の肺傷害を防止するために、断熱保温層203を覆ったり、全体を包んだりすることができる。
【0056】
一つ以上の実施例では、内側外面層201及び/又は外側外面層204が介在層202と化学的方式で一体的に接合される。化学的方式は、例えば接着剤、両面テープ、植物性接着剤、ポリウレタン複合接着剤、エポキシ樹脂、硬化剤、促進剤、水性弾性塗料、水系樹脂、水性環境保護複合接着剤、難燃剤、分散剤の少なくともいずれか一種を含んで接合を行う方式を含んでもよい。
【0057】
一つ以上の実施例では、断熱保温壁の各層間は、例えば接着剤を用いて接着を行うことができ、接着剤の材料としては、汎用超接着型、汎用強接着型、冷蔵食品強接着型、汎用再剥離型、繊維再剥離型などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、熱伝導率の低い材料を用いることが好ましい。
【0058】
本発明の断熱保温パネルは、総厚さが25~80mmであることが好ましく、壁面の保温層としての用途を考慮すると、エアロゲルフェルトの厚さが10mmずつ2層であり、全体の厚さが30mm程度であることがより好ましい。これにより、断熱保温効果を確保することができ、余分なスペースを占有することがなく、前記の物理的な接合により、優れた硬直性と引張強度を達成することができる。本発明の断熱保温パネルは、耐火等級の高い材料を用いることが好ましく、全体の耐火等級がA1等級であり、熱伝導率が0.01~0.05であり、全体の熱伝導率が0.020程度であることが好ましい。断熱保温壁は、全体として、例えば、長方形板状、正方形板状、円形板状、六角形板状等、様々な形状であってもよい。
【0059】
なお、図2では、内側外面層201、介在層202、断熱保温層203、介在層202、外側外面層204による合わせ構造体を示しているが、これに限らず、断熱保温パネルそれぞれ多層の合わせ構造体であってもよく、例えば各層が2層以上の構造であってもよい。
【0060】
各層の間は、物理的方式、例えば、縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付けを含む少なくとも1つの方法を採用することができる。もちろん、化学的方式、例えば、接着剤、両面テープ、植物性接着剤、ポリウレタン複合接着剤、エポキシ樹脂、硬化剤、促進剤、水性弾性塗料、水系樹脂、水性環境保護複合接着剤、難燃剤、分散剤の少なくともいずれか一種を含んで接合を行うこともできる。
【0061】
[製造方法]
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁の製造方法を提供し、図3に示すように、本実施例の製造方法は、以下の内容を含む:
【0062】
S31:遮断体をパネルに接合する
一つ以上の実施例では、遮断体頭部101は、例えばレーザー溶接などの溶接方式でパネルに接合されている。瞬時に高温になった後、溶接電力を200W以上に調整する。もちろん、必要に応じて1000W~2000W、好ましくは1500Wに調整することができる。実験により、瞬間に高温にした後で溶接電力を1500Wに調整した時、パネルの外側(即ち底板と反対側の他方の側)が遮断体を溶接する時に黒化、歪みなどの現象が現れず、溶接強度と美観を保証することができる。パネルの歪みを防止するために、遮断体頭部101とパネルとを、必要なレイアウトに応じて、まず対角位置の2つの遮断体を溶接した後、さらに対角位置の遮断体を溶接するという対角溶接の方法で溶接する。パネルの形状への影響を大幅に低減することができることを実証実験により明らかにした。
【0063】
一つ以上の実施例では、必要に応じてパネルにおける単位面積の遮断体の数、位置とレイアウトを決定することができる。
【0064】
一つ以上の実施例では、遮断体は全体として例えば直径が1~10cmの円柱であり、例えば10cm~80cmのピッチをおいて設置してもよいし、25cm~60cmのピッチがより好ましく、例えば縦横ピッチ15cmをおいて直径が3cmの遮断体を設置してもよい。実情に応じて、遮断体の直径、高さ、密度などを個別に設置することで、支持隔離だけでなく、パネルの平坦性を保証することもでき、断熱保温壁全体としての重さを低減し、使用する材料も減少し、コストを抑制することもできる。遮断体の断面面積の大きさ、高さ(長さ)、数量、サイズ、レイアウトが限定されるものではなく、マトリクス状に等間隔に配置することができ、これに限らず、例えば同心円状の環状パターンや不規則な分布パターンなど、他のピッチ、やレイアウト、パターンで複数の遮断体を配置してもよく、複数の遮断体を等間隔に配置することに限定されるものではない。
【0065】
一つ以上の実施例では、例えば決めた遮断体の数量、位置とレイアウトに基づいて、遮断体を少なくとも一層のパネルに接合する。
【0066】
断熱保温壁の製造方法は、さらに以下の内容を含む:スマートシステムで建物に対して位置定め、温度、湿度、風速、降水pH、建物の積載能力などのデータで、所在地の気候をスマートに分析し、対応するデータベースの識別とビッグデータ解析を行い、各断熱壁の予定耐用年数に基づいて、パネルまたは底板の材料、厚さ、遮断体の個数、配置などを決定し、解析データに基づいて設計図面を作成する。需要を満たした上で、コストを最大限に節約する。
【0067】
S32:少なくとも一層の断熱保温パネルを遮断体と接合し、遮断体で保持する
一つ以上の実施例では、少なくとも一層の断熱保温パネルに、遮断体の数、位置、レイアウトと形状に基づいて、孔205を設置することをさらに含む。
【0068】
S33:少なくとも一層の底板を遮断体と接合する
一つ以上の実施例では、遮断体頭部を少なくとも一層のパネルに溶接する。遮断体尾部を遮断体頭部に螺合する。接合ボルトが底板に貫通されて遮断体尾部に螺合される。
【0069】
一つ以上の実施例では、遮断体尾部102が接合ボルトで底板と連通する。接合ボルトが底板に貫通されて遮断体尾部102の中空部にねじ込まれる。
【0070】
一つ以上の実施例では、底板において、遮断体の位置に基づいて、接合ボルトが貫通するための孔を予めパンチングする。
【0071】
一つ以上の実施例では、パネルと底板が連通されないように、遮断体尾部102の遮断体頭部101にねじ込まれるスクリュ長さが遮断体頭部101の長さ(即ち、遮断体頭部101の鉛直方向の高さ)以下であり、接合ボルトの遮断体尾部102にねじ込まれるスクリュ長さが遮断体尾部102の長さ(即ち、遮断体尾部102の鉛直方向の高さ)以下である。
【0072】
一つ以上の実施例では、接合ボルトは拡張ボルト、開放ボルトなどの仕様の異なるボルトであり、遮断体尾部102の中空部の内径が底板側からパネル側へ徐々に減小し、拡張ボルト、開放ボルトなどがねじ込まれることにより、遮断体尾部102に接合ボルトを密着させることができるので、底板とパネルとを密着させることができる。
【0073】
一つ以上の実施例では、遮断体尾部102を遮断体頭部101にねじ込むことをさらに含む。
【0074】
一つ以上の実施例では、製造方法は断熱保温パネルを製造するステップをさらに含んでもよい:
1)断熱保温層203のエアロゲルフェルトを並べで配置し、
2)介在層202のガラス繊維フェルトを袋状に敷き、断熱保温層203のエアロゲルフェルトの全体を包み、
3)介在層202が包まれたガラス繊維フェルトの断熱保温層203のエアロゲルフェルトを、例えばキルティング縫合装置に入れて、例えば耐酸・アルカリ性、耐食性、耐高温のPTFE縫製糸で縫合し、
4)縫合された介在層202の上下面の両方に例えば接着剤を塗布し、
5)内側外面層201と外側外面層204の光沢複合芯材の一側を介在層202の上下面の両方にそれぞれ接着する、ことを含んでもよい。
【0075】
一つ以上の実施例では、例えば100℃、圧力が5Mpaである条件で熱間プレス成形処理を実行してもよい。
【0076】
[取付け方法]
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁の取付け方法を提供する。本実施例の取付け方法は、
底板に設けたフックを外部ハンガーに吊り下げ係合させて複数の断熱保温壁を繋ぎ合わせる、
複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、スリットにシールストリップが嵌め込まれ、パネル側のシールストリップにシーラントが設けられる、ことを含む。
【0077】
一つ以上の実施例では、取付け方法は、前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に接合する壁体接続構造は前記壁体に打設し、
断熱保温壁と建物壁体を強固に接合させるため、接合ボルトの金属板を建物の壁体に打設することで、建物の壁体との力受面積が大きくなり、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられる、ことを含む。
【0078】
図面におけるフローチャートの各ステップは、矢印の順序で示されているが、これらのステップは必ずしも矢印の順序で順次実行されるわけではないことが理解されるべきである。本明細書に明示的に記載されていない限り、これらのステップの実行には厳密な順序制限はなく、他の順序で実行されてもよい。さらに、図面におけるフローチャートのステップは、少なくとも一部が複数のサブステップまたは複数のステージを含むことができる。これらのサブステップまたはステージは、必ずしも同じタイミングで実行されて完了するのではなく、異なるタイミングで実行されてもよい。その実行は必ずしも順次実行されるものではなく、他のステップまたは他のステップのサブステップまたはステージの少なくとも一部と交替に又は交互に実行されてもよい。
【0079】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含み、
前記パネル及び前記底板は、少なくとも一つの遮断体により接続され、前記断熱保温パネルが前記パネル及び前記底板の間に設置され、前記遮断体で保持され、
前記遮断体は、
前記パネルと接続するための遮断体頭部と、
遮断方式で前記遮断体頭部及び前記底板とそれぞれ接続する遮断体尾部と、を含む。
【0080】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記パネルの面積は前記底板の面積より大きく、
前記パネル及び/又は底板の材質としては、金属板、セラミック板、石板、粘着モルタル、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、吸音材、消音材の少なくともいずれか一種を含む。
【0081】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記パネル及び前記底板はアルミニウム合金の材質で形成され、前記遮断体頭部が金属材質で形成され、前記遮断体尾部がポリテトラフルオロエチレン材質で形成され、
前記パネルの縁部は、折り曲げられた前記パネルの正面の投影面積が前記底板の面積と一致するように前記底板へ折り曲げられ、
前記パネルの縁部の折り曲げ用箇所には、折り曲げるための溝部が予め設けられる。
【0082】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記パネル及び前記底板の遮断体による接続方式は、物理的方式と化学的方式を含み、前記物理的方式は縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付け、接着、溶接の少なくとも一種を含む。
【0083】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記遮断体頭部がナット構造であり、前記遮断体尾部が中空ボルト構造であり、
前記遮断体頭部と前記パネルが固定接続され、前記遮断体尾部が接合ボルトにより前記底板と接続され、
前記接合ボルトが前記底板に貫通して前記遮断体尾部の中空部にねじ込まれる。
【0084】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記遮断体尾部の前記遮断体頭部にねじ込まれるスクリュ長さは、前記遮断体頭部の長さ以下であり、前記接合ボルトの前記遮断体尾部にねじ込まれるスクリュ長さが前記遮断体尾部の長さ以下である。
【0085】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記接合ボルトが拡張ボルトであり、
前記遮断体尾部の中空部の内径が前記底板側から前記パネル側へ徐々に減少する。
【0086】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記断熱保温パネルは、前記遮断体の数、位置、外郭に対応する孔を有し、
前記孔の正面投影面積が前記遮断体の正面投影面積より小さく、
前記孔のピッチが10~80cmであり、前記断熱保温パネルの厚さが30~80mmであり、耐火等級がA1であり、熱伝導率が0.010~0.050である。
【0087】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記少なくとも1つの遮断体の前記パネル上の総投影面積が前記パネルの総面積に占める割合は1%以下である。
【0088】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記底板には、外部との吊り下げ係合用フックが設けられている。
【0089】
本開示の一つ以上の実施例によって、断熱保温壁を提供し、その特徴としては、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に壁体接続構造が設けられる。
【0090】
本開示の一つ以上の実施例によって、前記の断熱保温壁の製造方法を提供し、その特徴としては、
前記遮断体を前記パネルに接合し、
前記少なくとも一層の断熱保温パネルを前記遮断体と接合して、前記遮断体で保持し、
前記少なくとも一層の底板を前記遮断体と接合する、ことを含む。
【0091】
本開示の一つ以上の実施例によって、前記の断熱保温壁の製造方法を提供し、その特徴としては、
前記遮断体頭部を前記少なくとも一層のパネルに溶接し、
前記遮断体尾部を前記遮断体頭部と螺合し、
前記接合ボルトが前記底板を貫通し前記遮断体尾部と螺合する、ことをさらに含む。
【0092】
本開示の一つ以上の実施例によって、前記の断熱保温壁の製造方法を提供し、その特徴としては、
前記遮断体頭部と前記パネルの溶接はレーザ溶接を使用し、瞬時に高温になった後、溶接電力を200W以上に低下させ、
前記遮断体頭部が対角溶接という方式で前記パネルに溶接される。
【0093】
本開示の一つ以上の実施例によって、前記の断熱保温壁の取付け方法を提供し、その特徴としては、
前記底板に設けたフックを外部ハンガーに吊り下げ係合させて複数の断熱保温壁を繋ぎ合わせ、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている。
【0094】
本開示の一つ以上の実施例によって、前記の断熱保温壁の取付け方法を提供し、その特徴としては、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に接合する壁体接続構造は前記壁体に打設され、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている。
【0095】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例および採用された技術原理の説明に過ぎない。当業者であれば、本発明に関わる開示の範囲は、上記技術的特徴の特定の組み合わせから形成される技術的解決手段に限定されるものではなく、上記開示の思想から逸脱することなく、上記技術的特徴またはそれらの同等な特徴の任意の組み合わせから形成される他の技術的解決手段をも包含するものであることを理解すべきである。例えば、上記特徴を、本発明に開示された技術的特徴(ただし、これに限定されない)と同様の機能を有する技術的特徴で相互に置換して技術的解決手段を形成する。
【0096】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、示された特定の順序で実行されること、また、連続した実行順序で実行されることを要求していると理解されるべきではない。環境によっては、マルチタスクや並列処理が有利である場合もある。同様に、いくつかの具体的な実施形態の詳細が上記の説明に含まれているが、これらは本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。個々の実施例の文脈で説明した特定の特徴は、個々の実施例において組み合わせて実現されてもよい。逆に、単一の実施例の文脈で説明した各種の特徴は、単独で、またはサブアセンブリの任意の適切な組み合わせで、複数の実施例で実現されてもよい。
【0097】
主題は、構造的特徴および/または方法の論理的動作に特有の言語を用いて記載されているが、添付の特許請求の範囲によって限定される主題は、必ずしも上述の特定の特徴または作用に限定されるものではないことが理解されるべきである。逆に、上述した特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実現するための例示的な形態に過ぎない。
【0098】
(付記)
(付記1)
少なくとも一層のパネルと、少なくとも一層の底板と、少なくとも一層の断熱保温パネルと、を含み、
前記パネル及び前記底板は、少なくとも一つの遮断体により接続され、前記断熱保温パネルが前記パネル及び前記底板の間に設置され、前記遮断体で保持され、
前記遮断体は、
前記パネルと接続するための遮断体頭部と、
遮断方式で前記遮断体頭部及び前記底板とそれぞれ接続する遮断体尾部と、を含む、
ことを特徴とする断熱保温壁。
【0099】
(付記2)
付記1に記載の断熱保温壁において、
前記パネルの面積は前記底板の面積より大きく、
前記パネル及び/又は底板の材質としては、金属板、セラミック板、石板、粘着モルタル、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、吸音材、消音材の少なくともいずれか一種を含む、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0100】
(付記3)
付記2に記載の断熱保温壁において、
前記パネル及び前記底板はアルミニウム合金の材質で形成され、前記遮断体頭部が金属材質で形成され、前記遮断体尾部がポリテトラフルオロエチレン材質で形成され、
前記パネルの縁部は、折り曲げられた前記パネルの正面の投影面積が前記底板の面積と一致するように前記底板へ折り曲げられ、
前記パネルの縁部の箇所には、折り曲げるための溝部が予め設けられた、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0101】
(付記4)
付記1~3のいずれか一つに記載の断熱保温壁において、
前記パネル及び前記底板の遮断体による接続方式は、物理的方式と化学的方式を含み、縫合、ステープル止め、リベット止め、ボルト接合、係合、マイクロフック取り付け、接着、溶接の少なくともいずれか一種を含む、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0102】
(付記5)
付記4に記載の断熱保温壁において、
前記遮断体頭部がナット構造であり、前記遮断体尾部が中空ボルト構造であり、
前記遮断体頭部と前記パネルが固定接続され、前記遮断体尾部が接合ボルトにより前記底板と接続され、
前記接合ボルトが前記底板に貫通して前記遮断体尾部の中空部にねじ込まれる、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0103】
(付記6)
付記5に記載の断熱保温壁において、
前記遮断体尾部の前記遮断体頭部にねじ込まれるスクリュ長さが前記遮断体頭部の長さ以下であり、前記接合ボルトの前記遮断体尾部にねじ込まれるスクリュ長さが前記遮断体尾部の長さ以下である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0104】
(付記7)
付記5に記載の断熱保温壁において、
前記接合ボルトが拡張ボルトであり、
前記遮断体尾部の中空部の内径が前記底板側から前記パネル側へ徐々に減小する、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0105】
(付記8)
付記1~3のいずれか一つに記載の断熱保温壁において、
前記断熱保温パネルは、前記遮断体の数、位置、外郭に対応する孔を有し、
前記孔の正面投影面積が前記遮断体の正面投影面積より小さく、
前記孔のピッチが10~80cmであり、前記断熱保温パネルの厚さが30~80mmであり、耐火等級がA1であり、熱伝導率が0.010~0.050である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0106】
(付記9)
付記1に記載の断熱保温壁において、
前記少なくとも1つの遮断体の前記パネル上の総投影面積が前記パネルの総面積に占める割合は1%以下である、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0107】
(付記10)
付記1に記載の断熱保温壁において、
前記底板には、外部との吊り下げ係合用フックが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0108】
(付記11)
付記5に記載の断熱保温壁において、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に壁体接続構造が設けられる、ことを特徴とする断熱保温壁。
【0109】
(付記12)
付記1~10のいずれか一つに記載の断熱保温壁の製造方法であって、
前記遮断体を前記パネルに接合し、
前記少なくとも一層の断熱保温パネルを前記遮断体と接合して、前記遮断体で保持し、
前記少なくとも一層の底板を前記遮断体と接合する、ことを含む、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【0110】
(付記13)
付記12に記載の断熱保温壁の製造方法において、
前記遮断体頭部を前記少なくとも一層のパネルに溶接し、
前記遮断体尾部を前記遮断体頭部と螺合し、
前記接合ボルトが前記底板を貫通して前記遮断体尾部と螺合する、ことをさらに含む、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【0111】
(付記14)
付記12又は13に記載の断熱保温壁の製造方法において、
前記遮断体頭部と前記パネルの溶接はレーザ溶接を使用し、瞬時に高温になった後、溶接電力を200W以上に低下させ、
前記遮断体頭部が対角溶接という方式で前記パネルに溶接される、ことを特徴とする断熱保温壁の製造方法。
【0112】
(付記15)
付記1~11のいずれか一つに記載の断熱保温壁の取付け方法であって、
前記底板に設けたフックを外部ハンガーに吊り下げ係合させて複数の断熱保温壁を繋ぎ合わせ、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁の取付け方法。
【0113】
(付記16)
付記1~11のいずれか一つに記載の断熱保温壁の取付け方法であって、
前記接合ボルトにおける前記遮断体尾部と接続されない側に接合する壁体接続構造は前記壁体に打設され、
前記複数の断熱保温壁の間にスリットが設けられ、前記スリットにシールストリップが嵌め込まれ、前記パネル側の前記シールストリップにシーラントが設けられている、ことを特徴とする断熱保温壁の取付け方法。
図1
図2
図3
【国際調査報告】