(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-26
(54)【発明の名称】改良された針安全アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20240619BHJP
A61M 5/34 20060101ALI20240619BHJP
【FI】
A61M5/32 510P
A61M5/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576049
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 GB2022051468
(87)【国際公開番号】W WO2022258991
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515316506
【氏名又は名称】ティップ-トップドットコム リミテッド
【住所又は居所原語表記】2 Moss Road,Stanway,Colchester CO3 0LE Great Britain
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リバーシッジ,バリー ピーター
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE06
4C066FF06
4C066NN02
4C066NN06
4C066NN07
(57)【要約】
安全針アセンブリは、管状ハウジング(120)内に装着された針/カニューレ(112)を備える。針は、患者側端(114)及び非患者側端を有し、本発明の目的は、非患者側端において受動的な針刺し保護を提供することである。更なる目的は、信頼性を高め、使用前のばね手段の疲労を低減することである。カニューレ(112)は、管状ハウジング(120)内に配置された針マウント(160)内に配置される。遮蔽スリーブ(130)は、管状部材(120)の長手方向軸に沿ってカニューレ(112)の位置合わせを保持する阻止手段を提供する。特に、阻止手段は、カニューレ(112)を動作位置に保持するために、ばねの枢動力又はカニューレが自由に回転する能力を打ち消すように配置される。本発明では、ばね(170)及び針マウント(160)は、設定位置に配置され、医療用注射器(111)とともに安全針アセンブリ(110)を使用することは、設定位置からのシフトを引き起こす。このシフトは、安全針アセンブリ(110)が医療用注射器(111)から取り外されたときに、ばね(170)が針(112)を遮蔽位置まで回転させることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリであって、
前記医療用注射器に取り外し可能に取り付け可能な管状ハウジングであって、前記管状ハウジングは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、前記近位端は、前記医療用注射器への取り付けのために配置される、管状ハウジングと、
患者側端及び非患者側端を有する両頭針を直接的又は間接的に支持するために前記管状ハウジング内に配置された針マウントであって、前記針マウントは、動作位置から遮蔽位置への前記針の移動を可能にするように配置される、針マウントと、
前記遮蔽位置への前記針の移動を付勢するばね手段と、
前記針が前記管状ハウジングの長手方向軸に沿った方向に延在する前記動作位置からの前記針の移動を防止するように配置された解除可能な阻止手段であって、それによって前記阻止手段の解除が前記針の前記遮蔽位置への移動を可能にする、解除可能な阻止手段と、を備え、
前記針マウントは、前記管状ハウジングに挿入され、軸の周りを回転するように位置決めされた単一の構成要素であり、前記ばね手段は、前記軸の周りの前記針の回転を付勢するように配置され、
前記阻止手段は、使用前に前記針マウントに係合して前記針を前記動作位置に維持し、その後、前記医療用注射器への前記安全針アセンブリの取り付け及びその前記使用は、前記阻止手段を前記針マウントから係合解除させ、前記ばね手段が前記針を前記遮蔽位置に回転させ、前記針の前記非患者側端を前記管状ハウジングの前記遠位端に向かって移動させることを可能にし、前記針は、前記管状ハウジングの前記長手方向軸に対して斜めの角度で延在して、前記針の前記非患者側端を前記管状ハウジングの内壁に隣接する位置に配置し、
前記ばね手段は、装着部材と一体であり、
使用前の前記動作位置において、前記装着部材及び前記針マウントは、互いに対して設定位置に配置され、その後、前記医療用注射器とともに前記安全針アセンブリを使用することにより、前記設定位置からのシフトを引き起こし、前記シフトは、前記装着部材又は前記針マウントのうちの一方を他方に対して移動させて、前記安全針アセンブリが前記医療用注射器から取り外されたときに前記ばね手段が前記針を前記遮蔽位置に回転させることを可能にする、安全針アセンブリ。
【請求項2】
前記装着部材は、前記安全針アセンブリが前記医療用注射器から取り外されたときに、前記ばね手段が前記針を前記遮蔽位置に回転させることを可能にするのに十分な力を生成するように、前記設定位置からの前記シフトにより前記ばね手段に予荷重をかけるために、前記針マウントに対して近位に移動するように配置される、請求項1に記載の安全針アセンブリ。
【請求項3】
前記装着部材は、前記安全針アセンブリが前記医療用注射器から取り外されたときに、前記ばね手段が前記針を前記遮蔽位置に回転させることを可能にするのに十分な力を生成するように、前記設定位置からの前記シフトにより前記ばね手段に予荷重をかけるために、前記針マウントに対して遠位に移動するように配置される、請求項1に記載の安全針アセンブリ。
【請求項4】
前記針マウントは、外側表面上に成形された表面の形態の一体型装着要素を有する単一の構成要素を備え、前記成形された外側表面は、球面を提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項5】
前記球面は、前記針マウントがボールソケット配置によって固着されることを可能にする、請求項4に記載の安全針アセンブリ。
【請求項6】
前記球面は、クリック嵌合(ボールソケット)配置を可能にする、請求項4又は請求項5に記載の安全針アセンブリ。
【請求項7】
前記針マウントは、外側表面上に配置された成形された軸線方向部材の前記形態の一体型装着要素を有する単一の構成要素を備え、前記軸線方向部材は、半球面を提供し、前記針マウントがボールソケット配置によって固着されることを可能にする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項8】
前記医療用注射器とともに前記安全針アセンブリを前記使用することにより、前記針マウントに対する前記ばね手段の位置が変化する、請求項1~7のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項9】
前記設定位置において、前記ばね手段は、部分的に又は半予荷重をかけられているか、又は完全に無荷重である、請求項1~8のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項10】
前記針マウントは、前記管状ハウジングの前記長手方向軸と交差する軸の周りを回転するように位置決めされる、請求項1~9のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項11】
前記装着部材は、前記管状ハウジングの前記長手方向軸に沿って軸線方向に移動するように配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項12】
前記ばね手段は、板ばねを備え、前記板ばねの端部は、前記針マウントの外側表面に接触し、前記板ばねの前記端部は、前記ばね手段及び針マウントが前記設定位置からシフトするにつれて、前記針マウントの前記外側表面に沿って移動するように配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項13】
前記針マウントは、外側表面上に配置されたフランジを備え、前記フランジは、前記ばね力を前記針マウントに伝達するために、前記ばね手段に接触するように配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項14】
安全針アセンブリと医療用注射器とを備える薬物送達デバイスであって、前記安全針アセンブリは、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のものである、薬物送達デバイス。
【請求項15】
医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリ内の針の非患者側端を遮蔽する方法であって、前記安全針アセンブリは、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のものであり、前記方法は、
前記医療用注射器とともに前記安全針アセンブリを使用して、前記装着部材及び前記針マウントを前記設定位置からシフトさせることであって、前記シフトは、前記装着部材を前記針マウントに対して移動させて、前記安全針アセンブリが前記医療用注射器から取り外されたときに前記ばね手段が前記針を前記遮蔽位置まで回転させることを可能にする、ことと、
前記安全針アセンブリを前記医療用注射器から取り外し、前記針を前記ばね手段とともに前記遮蔽位置まで回転させることと、を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリ、安全針アセンブリ及び医療用注射器を備える薬物送達デバイス、並びに安全針アセンブリ内の針の非患者側端を遮蔽する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの異なるタイプの安全機能起動方法を提供する能動システム(active system)及び/又は受動システム(passive system)によって、薬物送達デバイス/安全工学デバイスからの針刺し損傷を防止することができる。能動システムでは、ユーザは安全機構を起動させる必要があり、これらは使用後に医療専門家による片手又は両手での起動を必要とする場合がある。しかしながら、受動システムでは、ユーザからの介入は必要とされず、安全システムは自動的に起動され、具体的にはユーザからのいかなるアクション/ステップも必要としない。特に、受動システムでは、安全機能は、デバイスの使用中に自動的に開始され、起動される。
【0003】
針安全アセンブリは、針を付勢して動作位置から遮蔽位置に移動させるためのばねを含み得る。このばねは、荷重位置に直接組み付けられ、阻止デバイスは、針が使用されて注射が行われるまで、針が動作位置から遮蔽位置に移動するのを防止するように配置される。したがって、ばねは、長期間にわたって荷重位置に維持され得る。かかるばねは、非付勢位置から変形して針に必要な付勢力を提供する弾性材料から形成することができ、それによってばねには予荷重がかけられる。したがって、材料は、アセンブリが使用される前にばね容量が著しく減少しないことを確実にする特性を有していなければならない。加えて、ばねの材料は、ばねが長期間にわたって偏向位置に維持されている間に決して破損しないような固有の特性を有していなければならない。かかる特性は、アセンブリが使用されなければならない期間を決定することができ、又は最初に予荷重をかけられ得る付勢力を制限することができる。
【0004】
金属ばねでは、材料は、予荷重力を維持することが可能であり得る。しかしながら、金属ばねは、組み付け中に問題を引き起こし、これは、高速組み付けプロセスで組み付けられているデバイスにとって重大な問題である。例えば、コイル状の金属ばねは、組み付け中に入れ子になって他の問題を引き起こす可能性がある。プラスチック材料から形成されたばねは、確実かつ正確に製造することができ、高速組み付けプロセスでも使用することができるため、利点を提供する。しかしながら、かかる弾性材料の任意の予荷重は、時間とともに徐々に減少する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、本明細書で言及されているか否かにかかわらず、従来技術に関連する少なくとも1つの問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリであって、
医療用注射器に取り外し可能に取り付け可能な管状ハウジングであって、管状ハウジングは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、近位端は、医療用注射器への取り付けのために配置される、管状ハウジングと、
患者側端及び非患者側端を有する両頭針を直接的又は間接的に支持するために管状ハウジング内に配置された針マウントであって、針マウントは、動作位置から遮蔽位置への針の移動を可能にするように配置される、針マウントと、
遮蔽位置への針の移動を付勢するばね手段と、
針が管状ハウジングの長手方向軸に沿った方向に延在する動作位置からの針の移動を防止するように配置された解除可能な阻止手段であって、それによって阻止手段の解除が針の遮蔽位置への移動を可能にする、解除可能な阻止手段と、を備え、
針マウントは、管状ハウジングに挿入され、軸の周りを回転するように位置決めされた単一の構成要素であり、ばね手段は、当該軸の周りの針の回転を付勢するように配置ないし位置決めされ、
阻止手段は、使用前に針マウントに係合して針を動作位置に維持し、その後、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付け及びその使用は、阻止手段を針マウントから係合解除させ、ばね手段が針を遮蔽位置に回転させ、針の非患者側端を管状ハウジングの遠位端に向かって移動させることを可能にし、針は、管状ハウジングの長手方向軸に対して斜めの角度で延在して、針の非患者側端を管状ハウジングの内壁に隣接する位置に配置し、
ばね手段は、装着部材と一体であり、
使用前の動作位置において、装着部材及び針マウントは、互いに対して設定位置に配置され、その後、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、設定位置からのシフトを引き起こし、シフトは、装着部材又は針マウントのうちの一方を他方に対して移動させて、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときにばね手段が針を遮蔽位置に回転させることを可能にする、安全針アセンブリが提供される。
【0007】
装着部材は、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに、ばね手段が針を遮蔽位置に回転させることを可能にするのに十分な力を生成するように、設定位置からのシフトによりばね手段に予荷重をかけるために、針マウントに対して近位に移動するように配置され得る。装着部材は、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに、ばね手段が針を遮蔽位置に回転させることを可能にするのに十分な力を生成するように、設定位置からのシフトによりばね手段に予荷重をかけるために、針マウントに対して遠位に移動するように配置され得る。針マウントは、管状ハウジングの長手方向軸と交差する軸の周りを回転するように位置決めされ得る。装着部材は、管状ハウジングの長手方向軸に沿って軸線方向に移動するように配置され得る。装着部材は、管状ハウジングを含み得る。装着部材は、管状ハウジング内に摺動可能に装着することができる内側スリーブ部を含み得る。
【0008】
好ましくは、使用前の動作位置では、ばね手段及び針マウントは設定位置に配置され、その後、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、設定位置からのシフトが生じ、当該シフトにより、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときにばね手段が針を遮蔽位置に回転させることが可能になる。
【0009】
針マウントは、管状ハウジングの中心長手方向軸と交差する軸の周りを回転するように配置され得る。針マウントは、管状ハウジングの中心長手方向軸からオフセットされた管状ハウジングの長手方向軸と交差する軸を中心に回転するように配置され得る。管状ハウジングの長手方向軸は、中心にあってもよいし、中心からオフセットされていてもよい。
【0010】
好ましくは、要素(element)は、非起動位置と起動位置との間で移動するように管状ハウジング内に摺動可能に装着され、
要素は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを聴覚的に検証するための検証部材を含み、
検証部材は、第1の構成と第2の構成との間で弾性的に可撓性である弾性部材を含み、
偏向部材は、検証部材が偏向部材上を遠位に延在する方向に相対移動する間、検証部材を屈曲させ、
弾性部材は、要素から軸線方向に突出し、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付けにより、医療用注射器の一部が要素を管状ハウジング内で遠位に移動させ、当該移動により、弾性部材の一部が偏向部材を越えて第1の構成から第2の構成に移動し、次いで第1の構成に向かって戻り、
検証部材は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを検証するために要素が起動位置に移動されたときに、検証部材が第2の構成から第1の構成に戻るときに可聴信号を生成するように配置される。
【0011】
好ましくは、針マウントは、成形された表面の形態の1つ以上の一体型装着要素、又は外側表面上に配置された軸線方向部材を有する単一の構成要素を備える。成形された外側表面は、球面を提供してもよく、針マウントがボールソケット配置によって固着されることを可能にしてもよく、クリック嵌合(ボールソケット)配置を可能にしてもよい。軸線方向部材は、半球面を提供してもよく、針マウントがボールソケット配置によって固着されることを可能にしてもよく、クリック嵌合(ボールソケット)配置を可能にしてもよい。
【0012】
好ましくは、設定位置からのシフトは、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに針の遮蔽位置への移動を確実にするために、ばね手段に予荷重をかける。
【0013】
医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することは、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付け、及び/又はその使用、及び/又は医療用注射器からの安全針アセンブリの取り外しを含み得る。
【0014】
医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することで、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに、ばね手段が針を遮蔽位置に回転させることを可能にするように、ばね手段及び針マウントを互いに対して移動させることができる。
【0015】
好ましくは、設定位置からのシフトは、(安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに)針の遮蔽位置への移動を確実にするためにばね手段に予荷重をかける。
【0016】
好ましくは、設定位置からのシフトにより、ばね手段は、針を遮蔽位置に移動させるのに十分な力を発生させる。好ましくは、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、針マウントに対するばね手段の位置が変化する。好ましくは、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、ばね手段に対する針マウントの位置が変化する。好ましくは、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、ばね手段と針マウントとが離れて移動する。好ましくは、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、ばね手段及び針マウントが互いに近づくように移動する。好ましくは、ばね手段及び針マウントは、設定位置から作動位置にシフトするように配置される。
【0017】
好ましくは、設定位置では、針マウントは、針が作動位置にある状態で管状ハウジング内に保持される。好ましくは、設定位置では、ばね手段は完全には荷重がかかっておらず、また、荷重がかかっていなくてもよい。設定位置では、ばね手段は、部分的に荷重がかかっていてもよく、または完全に荷重がかかっていなくてもよい。
【0018】
好ましくは、作動位置では、針マウントは、管状ハウジングの長手方向軸と交差する軸の回りに回転可能であるよう枢動位置に保持され、ばね手段は、針を当該軸の回りに回転させるよう配置されている。好ましくは、作動位置では、ばね手段は完全に荷重をかけられている。
【0019】
針マウントは、ばね手段及び針マウントが設定位置にある状態で、枢動位置にあり得る。ばね手段は、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付け中に、針マウントに対して設定位置から作動位置へ移動するように配置され得る。ばね手段は、制御部材とともに移動するように配置され得る。
【0020】
針マウントは、最初に(使用前の動作位置において)、枢動位置に移動する前に非枢動位置に保持され得る。非枢動位置は、管状ハウジング上の第1の対の軸線方向部材によって画定され得る。枢動位置は、管状ハウジング上の第2の対の軸線方向部材によって画定され得る。針マウントは、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせるために、第1の対の凹部から第2の対の凹部に移動するように配置され得る。針マウントは、外側表面上に配置された軸線方向部材を含み得る。軸線方向部材はそれぞれ、半球面を提供することができる。軸線方向部材は、第1の対の凹部から第2の対の凹部に移動するように配置され得る。
【0021】
針マウントの軸線方向部材は、凹部を含むことができ、針マウントは、外側表面上に配置された半球面を提供する軸線方向部材を含むことができ、針マウントの軸線方向部材は、第1の対の凹部から第2の対の凹部に移動するように配置することができる。
【0022】
ばね手段は、管状ハウジングに装着され得る。ばね手段は、弾性フィンガの形態であり得る板ばねを含み得る。板ばねは、管状ハウジングの内側表面から内側に突出することができる。板ばねは、管状ハウジングの内側表面に対して垂直に内側に突出することができる。板ばねは、管状ハウジングの内側表面に対して鋭角で内側に突出することができる。板ばねは、管状ハウジングの長手方向内部軸に対して遠位又は近位方向に鋭角で内側に突出することができる。板ばねは、湾曲した又は弧状の又は直線状の形態を有することができる。板ばねは、湾曲した及び/又は弧状及び/又は直線状の部分を有することができる。
【0023】
針マウントに対する管状ハウジングの移動は、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせることができ、ばね手段に予荷重をかけることができる。
【0024】
管状ハウジングは、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせるために、(針マウントに対して)近位に移動することができる。管状ハウジングは、医療用注射器に向かって移動して、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせることができる。管状ハウジングは、ばね手段及び針マウントを設定位置から移動させるために、(針マウントに対して)遠位に移動することができる。
【0025】
ばね手段は、内側スリーブ部及び/又は管状ハウジング(の一部)を備え得る装着部材と一体化することができ、ばね手段(板ばね)と装着部材との組み合わせは、単一の構成要素を備えることができる。針マウントに対する装着部材の動きは、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせることができる。装着部材は、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせるために、(針マウントに対して)近位に移動することができる。装着部材は、(針マウントに対して)遠位に移動して、ばね手段及び針マウントを設定位置からシフトさせることができる。
【0026】
阻止手段は、管状ハウジングの長手方向軸に沿って設定位置から摺動可能に変位可能な制御部材を備えることができる。制御部材は、制御部材が針マウントに係合して針を動作位置に維持する設定位置から管状ハウジングの長手方向軸に沿って摺動可能に変位可能であり得る。制御部材は、針マウントを係合解除するために設定位置から離れて動くように配置することができる。
【0027】
阻止手段は、針マウントと係合して、設定位置における針マウントの回転/枢動運動を防止し、好ましくは、ばねが無荷重位置にある状態で防止するばね手段の一部を含み得る。ばね手段(板ばね)の先端は、針マウントの外側表面に画成された窪み内に位置することができる。非枢動位置は、管状ハウジング上の第1の対の軸線方向部材によって画定されてもよく、窪みは、第1の対の軸線方向部材と同一平面内に位置してもよい。窪みの深さ及び/又は弾性フィンガ(ばね手段)の長さは、ばね手段が設定位置において部分的に荷重をかけられるようにすることができる。窪みの深さ及び/又は弾性フィンガ(ばね手段)の(相対的な)長さは、ばね手段が設定位置で完全に無荷重になるようにすることができる。
【0028】
解放可能な阻止手段は、針が管状ハウジングの長手方向軸に沿った方向に延在する動作位置からの針の回転/枢動移動を防止するように配置されてもよく、それによって、阻止手段の解放は、遮蔽位置への針の回転/枢動移動を可能にする。
【0029】
ばね手段は、板ばねを含み得る。ばね手段は、プラスチック材料を含み得る。ばね手段は、非金属材料を含み得る。
【0030】
板ばねの端部は、針マウントの外側表面に接触することができる。好ましくは、板ばねの端部は、ばね手段及び針マウントが設定位置からシフトするとき、針マウントの外側表面に沿って移動するように配置される。
【0031】
針マウントは、外側表面上に配置されたフランジを含み得る。フランジは、ばね力を針マウントに伝達するために、ばね手段に接触するように配置することができる。
【0032】
板ばねは、最初はフランジから離間していてもよい。板ばねは、ばね手段及び針マウントを設定位置から、好ましくは作動位置にシフトさせるために、針マウント上に画定されたフランジと接触するように移動することができ、ばねを荷重位置に移動させることができる。板ばねは、ばね手段及び針マウントを設定位置から、好ましくは作動位置にシフトさせるために、フランジの近位面と接触するように移動することができ、ばねを荷重位置に移動させることができる。板ばねは、ばね手段及び針マウントを設定位置から、好ましくは作動位置にシフトさせるために、フランジの遠位面と接触するように移動することができ、ばねを荷重位置に移動させることができる。
【0033】
好ましくは、回転軸は、管状ハウジングに対して静的に固定され、非患者側端は、動作位置から遮蔽位置まで回転軸を中心とした円周経路で移動する。
【0034】
回転軸は、管状ハウジングの長手方向軸に対して半径方向であり得る。回転軸は、管状ハウジングの長手方向軸に対して垂直であり得る。回転軸は、管状ハウジングの長手方向軸に対して斜角であり得る。回転軸は、管状ハウジングの内径を横切って延在することができる。
【0035】
回転軸は、管状ハウジングの内部領域を横切る弦に沿って延在することができる。
【0036】
好ましくは、針マウントは、針が作動位置にあるとき、管状ハウジングと同軸である。
【0037】
遮蔽位置では、針の非患者側端は、管状ハウジングの内周壁に接触又は隣接することができる。遮蔽位置において、ばね手段は、針の非患者側端を管状ハウジングの内周壁に対して付勢することができる。
【0038】
好ましくは、動作位置において、ばね手段はその中にエネルギーを蓄積している。
【0039】
動作位置において、ばね手段は、ラッチ機構によってラッチされ得る。好ましくは、設定位置からのシフトは、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに針の遮蔽位置への移動を確実にするために、ラッチ機構にばね手段を予荷重位置にラッチさせる。好ましくは、ラッチ機構は、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに針の遮蔽位置への移動を確実にするために、ばね手段を荷重位置にラッチする。設定位置から作動位置へのシフトは恒久的であってもよく、これは、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに針が遮蔽位置に移動することを確実にすることができる。好ましくは、ラッチ機構は、ばね手段及び針マウントを作動位置に保持及び/又は維持する。
【0040】
ばね手段は、第1の側面/部分で管状ハウジングの内壁に装着され(又は隣接して配置され)てもよく、カニューレの非患者側端は、管状ハウジングの内壁の第2の側面/部分に隣接して配置されるように構成される。第1の側面/部分は、第2の側面部分に対して管状ハウジング上に提供される反対側の側面部分であり得る。第1の側面/部分は、第2の側面/部分に対して管状ハウジングの周囲で180度オフセットされ得る。第1の側面/部分は、第2の側面/部分と縦方向に位置合わせされ得る。
【0041】
ばね手段は、回転軸の遠位に配置された位置で針マウントに接触することができる。ばね手段は、回転軸の近位に配置された位置で針マウントに接触することができる。
【0042】
好ましくは、制御部材は、係合開口を含み、針マウントの一部は、設定位置において、係合開口内に位置して、動作位置からの針の回転を防止するように配置される。制御部材は、環状部材を備えてもよく、係合開口は、環状部材上の中心に配置される。針マウントは、設定位置において制御部材の開口内に配置されたカラーを含み得る。
【0043】
好ましくは、針マウントの遠位端は、制御部材の係合開口と相補的な外側表面を提供する。
【0044】
制御部材は、遮蔽スリーブの端面と相補的な端面を含むことができる。好ましくは、制御部材の遠位端面は、遮蔽スリーブの近位端面と相補的である。
【0045】
好ましくは、ばね手段は、管状ハウジングから内方に延在し、回転軸線からオフセットした位置で針マウントの外側表面に接触し、好ましくは、回転力を加えて針マウントを回転させる弾性部材を有する。
【0046】
好ましくは、ばね手段は、管状ハウジングから内側に突出する板ばねを備え、針が動作位置にある状態で、板ばねは、予荷重状態にあり、中立/弛緩位置から偏向され得る。好ましくは、針が動作位置にある状態で、板ばねは、その中に蓄積されたエネルギーを有する。板ばねの端面は、針マウントの外側長手方向表面に接触して、回転軸の周りにトルクを生成することができる。
【0047】
好ましくは、針マウントは、外側表面に配置された軸線方向部材を有する単一の構成要素を含む。軸線方向部材は、半球面を提供してもよく、針マウントがボールソケット配置によって固着されることを可能にしてもよく、クリック嵌合(ボールソケット)配置によって可能にしてもよい。管状ハウジングは、針マウントに設けられた軸線方向部材と協働するために内側表面に配置された軸線方向部材を含み得る。好ましくは、針マウント及び管状ハウジングの軸線方向部材は、管状ハウジングの軸線方向部材内の枢動位置への針マウントの押込嵌め係合を可能にする。管状ハウジング及び針マウントの軸線方向部材は、突出部分を含む第1の対の軸線方向部材と、対応する凹部を含む第2の対の軸線方向部材と、を含み得る。突出部分は、半球形突出部を含み得る。軸線方向部材は、ボールソケットジョイントを提供することができる。好ましくは、軸線方向部材は、管状ハウジング内に設けられた相補的なボールソケットジョイントに接続するために、針マウントの一方の側に第1のボールソケットジョイントを、針マウントの反対側に第2のボールソケットジョイントを提供する。
【0048】
好ましくは、制御部材は、針マウントを係合解除するために、管状ハウジングの近位端から離れて(及び/又は遠位端に向かって)動くように装着される。制御部材は、針マウントを係合解除するために、管状ハウジングの近位端に向かって(及び/又は遠位端から離れて)動くように装着され得る。
【0049】
好ましくは、安全針アセンブリは、針遮蔽スリーブを含み、制御部材は、制御部材が設定位置にある間、動作位置からの針の回転を防止するための係合開口を提供する針遮蔽スリーブの遠位端面を含み得る。
【0050】
制御部材は、ディスクを備えることができ、ディスクは、安全針アセンブリの針遮蔽スリーブ内に配置され、ディスクは、針遮蔽スリーブ内で設定位置から摺動可能に変位可能であり、制御部材は、針遮蔽スリーブ内に摩擦係合され、注射中に管状ハウジングによって針遮蔽スリーブの遠位端に移動すると、針遮蔽スリーブの遠位端に隣接して配置された位置に維持される。
【0051】
制御部材は、遠位端面と、そこから延在するスカート部分と、を備えてもよく、遠位端面は、設定位置において針マウントの外側表面に係合するための開口を備え、スカートは、医療用注射器の一部によって接触される接触面を提供し、制御部材は、針安全アセンブリの医療用注射器への取り付け時に設定位置から移動される。
【0052】
制御部材は、針マウントを係合解除するために、管状ハウジングの近位端に向かって動くように装着され得る。針遮蔽スリーブは、非注射構成において針の患者側端を包囲して遮蔽することができ、針遮蔽スリーブは、管状ハウジングと同軸であり、管状ハウジングに対して長手方向に摺動可能に移動するように配置することができる。針遮蔽スリーブは、非注射構成において針の患者側端を包囲して遮蔽することができ、針遮蔽スリーブは、制御部材を設定位置から摺動可能に変位させる解放手段を備える。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、安全針アセンブリと医療用注射器とを備える薬物送達デバイスが提供され、安全針アセンブリは、本発明の第1の態様によるものである。
【0054】
好ましくは、医療用注射器はゴムシールを備え、安全針アセンブリを医療用注射器に取り付けることにより、針の非患者側端がゴムシールを貫通し、ゴムシールを通る非患者側端の位置は、制御部材が設定位置から移動した後に針を動作位置に維持する。
【0055】
本発明の第3の態様によれば、医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリ内の針の非患者側端を遮蔽する方法が提供され、安全針アセンブリは、本発明の第1の態様によるものであり、方法は、
医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用して、装着部材及び針マウントを設定位置からシフトさせることであって、シフトは、装着部材を針マウントに対して移動させて、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときにばね手段が針を遮蔽位置まで回転させることを可能にする、ことと、
安全針アセンブリを医療用注射器から取り外し、針をばね手段とともに遮蔽位置まで回転させることと、を特徴とする。
【0056】
方法は、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに、ばね手段が針を遮蔽位置まで回転させることを可能にするために、装着部材又は針マウントの一方を他方に対して移動させることを含み得る。
【0057】
本発明の別の態様によれば、医療用注射器とともに使用するための安全針アセンブリであって、
医療用注射器に取り外し可能に取り付け可能な管状ハウジングであって、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、近位端が医療用注射器への取り付けのために配置される管状ハウジングと、
管状ハウジング内に配置され、患者側端及び非患者側端を有する両頭針を直接又は間接的に支持するための針マウントと、
非起動位置と起動位置との間の移動のために管状ハウジング内に摺動可能に装着された要素と、を備え、
要素は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを聴覚的に検証するための検証部材を含み、
検証部材は、第1の構成と第2の構成との間で弾性的に可撓性である弾性部材を含み、
偏向部材は、検証部材が偏向部材上を遠位に延在する方向に相対移動する間、検証部材を屈曲させ、
弾性部材は、要素から軸線方向に突出し、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付けにより、医療用注射器の一部が要素を管状ハウジング内で遠位に移動させ、当該移動により、弾性部材の一部が偏向部材を越えて第1の構成から第2の構成に移動し、次いで第1の構成に向かって戻り、
検証部材は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを検証するために要素が起動位置に移動されたときに、検証部材が第2の構成から第1の構成に戻るときに可聴信号を生成するように配置される。
【0058】
好ましくは、可聴信号は、起動位置に到達する要素と一致する位置で生成される。
【0059】
好ましくは、検証部材は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを検証するために、要素が起動位置に到達したときに検証部材が第2の構成から第1の構成に戻るときに可聴信号を生成するように配置される。
【0060】
可聴信号は、単一の可聴信号を含み得る。単一の可聴信号は、単一のクリックを含み得る。
【0061】
可聴信号は、一連の可聴信号を含み得る。一連の可聴信号は、一連のクリックを含み得る。
【0062】
弾性部材は、要素から近位方向に軸線方向に突出することができる。弾性部材は、要素から遠位方向に軸線方向に突出することができる。
【0063】
好ましくは、可聴信号は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていること(カニューレの非患者側端が医療用注射器内に正しく位置決めされていること)を検証し、また、ばね手段が予荷重をかけられていることを検証するための可聴信号を提供するという二重の機能を提供する。好ましくは、可聴信号は、安全針アセンブリが医療用注射器に正しく取り付けられていることを検証するために可聴信号を提供することと、設定位置から恒久的であり得る作動位置へのシフトを検証することと、の二重の機能を提供する。
【0064】
要素は、ディスク部材を含み得る。要素は、環状部材を含み得る。要素は、リング部材を含み得る。要素は、スリーブ部又は管状部を含み得る。
【0065】
要素は、管状ハウジングの長手軸線方向軸に沿って軸線方向に移動するように配置され得る。好ましくは、要素は、管状ハウジングの長手方向軸に沿って遠位に移動するように配置される。好ましくは、要素は、回転運動を伴わずに摺動可能に移動するように配置される。
【0066】
好ましくは、要素は、管状ハウジングに対する医療用注射器の(遠位)移動が管状ハウジングに対する要素の対応する移動を引き起こすように、医療用注射器の(遠位)部分と接触するように配置された近位面を含む。
【0067】
好ましくは、検証部材は、弾性フィンガ又は弾性スカートを含み得る弾性部材を含む。好ましくは、弾性部材は、近位方向又は遠位方向に軸線方向に延在する。検証部材は、要素の前面から(軸線方向に)前方/遠位に突出/延在することができる。検証部材は、要素の後面から(軸線方向に)後方/近位に突出/延在することができる。検証部材は、その端部に配置されたヘッドを備えることができる。ヘッドは、偏向部材の表面と協働するように成形された表面を提供することができる。協働面は、偏向部材に対する検証部材の一方向の移動を可能にし、それによってラッチ配置を形成することができる。
【0068】
好ましくは、偏向部材は、管状ハウジングの内側表面上に画定される。偏向部材は、管状部材の内側表面から内側に突出するラグ又はリブを備えることができる。偏向部材は、傾斜面を含み得る遠位面を有し得る。偏向部材は、当接面を含み得る近位面を含み得る。当接面は、略垂直方向に直接半径方向内側に延在する当接面を提供することができる。
【0069】
可聴信号はクリックを含み得る。
【0070】
好ましくは、検証部材は、管状ハウジングに対してラッチ位置で要素をラッチする。好ましくは、ラッチ位置において、ばねは、針を作動位置から遮蔽位置に移動させる。好ましくは、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付けは、ばねを無荷重位置から荷重位置に移動させる。好ましくは、ばねが無荷重位置から荷重位置に移動する位置は、要素がラッチされる位置と一致し、好ましくは、これは、可聴信号の発生とも一致する。したがって、可聴信号は、医療用注射器への安全針アセンブリの正しい取り付けと、管状ハウジング内での要素のラッチ(及びばねが荷重をかけられている)との両方をユーザに警告することができる。
【0071】
注射が行われた後、要素のラッチ位置は、針を遮蔽位置に付勢し続けるばねの荷重位置を維持する。医療用注射器を安全針アセンブリから取り外した後、要素のラッチ位置は、針を遮蔽位置に付勢し続けるばねの荷重位置を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】国際公開第2011/092518号
【特許文献2】英国特許第2104342.7号
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明は、以下の図面を参照して、単なる例として説明される。
【
図1】医療用注射器とともに安全針アセンブリの実施形態の分解図である。
【
図2】安全針アセンブリの実施形態の管状ハウジング、針マウント、及び針の斜視図である。
【
図3】設定位置にあるばね及び針マウントを有する安全針アセンブリの第1の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図4】使用構成において医療用注射器から取り外された安全針アセンブリの第1の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図5】ばね及び針マウントが設定位置にある安全針アセンブリの第2の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図6】ばね及び針マウントが設定位置にある安全針アセンブリの第3の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図7】注射を実施する準備ができている医療用注射器に取り付けられた安全針アセンブリの第3の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図8】注射後の医療用注射器に取り付けられた安全針アセンブリの第3の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図9】使用構成における医療用注射器から取り外された安全針アセンブリの第3の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図10】ばね及び針マウントが設定位置にあり、起動前の検証機構の第1の実施形態を含む安全針アセンブリの第6の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図11】ばね及び針マウントが設定位置にあり、起動前の検証機構の第2の実施形態を含む安全針アセンブリの第7の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図12】医療用注射器に取り付けられ、起動前の検証機構の第2の実施形態を含む、安全針アセンブリの第7の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図13】医療用注射器から取り外され、起動後の検証機構の第3の実施形態を含む、安全針アセンブリの第8の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図14】管状ハウジング内に針マウントを結合/一体化する前の安全針アセンブリの第9の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図15】管状ハウジング内に結合/一体化された針マウントを有する安全針アセンブリの第9の好ましい実施形態の部分切欠図である。
【
図16】設定位置にあるばね及び針マウントを有する安全針アセンブリの第10の好ましい実施形態の一部の断面図である。
【
図17】使用構成における医療用注射器から取り外された安全針アセンブリの第10の実施形態の一部の断面図である。
【
図18】安全針アセンブリの第11の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図に示され、説明されるように、安全針アセンブリの近位端は、医療用注射器11の遠位端に取り付けられる。安全針アセンブリ10の遠位端は、注射中に患者の皮膚に押し付けられ、医療用注射器11の遠位端は、患者から離れて配置される。
【0075】
本明細書では、安全針アセンブリを使用すること及び安全針アセンブリの使用への言及は、安全針アセンブリの医療用注射器への取り付け、及び/又は患者への注射及び液体薬剤の送達、及び/又は安全針アセンブリの医療用注射器からの取り外しを包含する。
【0076】
ペン針12は、両頭針12であり、患者に挿入するための鋭い先端を備える患者側端14又は遠位端を含む。両頭針12はまた、ペン型注射器11によって提供される薬物バイアル又はカートリッジ16に挿入するための鋭い先端を含む非患者側端15又は近位端を含む。針の近位/非患者側端15は、典型的には、カートリッジ内に収容された液体薬剤又は薬物にアクセスするために、バイアル又はカートリッジ16の端部に設けられたセプタム又はストッパを含み得るゴムシール18を穿孔しなければならない。
【0077】
図1を参照すると、安全ペン針アセンブリ10及び医療用注射器11が分解図で示されている。安全針アセンブリ10は、概して、ハブ又は管状ハウジング20と、針12と、遮蔽スリーブ30と、を含む。管状ハウジング20は、近位端24から遠位端22まで長手方向に延在する本体21を含む。近位端24は、開いた面を有して形成され、注射器11の一部を受容して、安全針アセンブリ10を注射器11に取り付けることを可能にするように成形される。本発明の説明のために、カニューレ12という用語は、ここでは、安全針アセンブリ10の両頭針を特に指すために使用される。カニューレ12は、患者に挿入するために形成された遠位端14と、リザーバ内に配置された液体薬剤と連通するための近位端15とを含む。図に示されるように、カニューレ12の遠位端14は、管状ハウジング20の遠位端22を越えて遠位に突出する。カニューレ12の近位端15は、近位端24に隣接して管状ハウジング20の内部にあってもよく、又は近位端24から近位に突出/延在してもよい。カニューレ12は、針マウント60内に装着され、針マウント60に接着固定されるなど、任意の公知の技術を使用して、その中に固定されてもよい。
【0078】
図1に示すように、医療用ペン又は注射器ペンの形態の薬物送達デバイスは、使用時に医療用注射器11に取り付けられるように配置された安全針アセンブリ10を含む。医療用注射器11は、薬剤/流体を収容するカートリッジ16を含み、特に、カートリッジ16は、一定体積の液体薬剤を収容する。
【0079】
本発明は、医療用注射器11に取り付け可能な安全針アセンブリ10を提供する。安全針アセンブリ10は、液体薬剤がカートリッジ16から患者に送達されるカニューレ12を提供する。カニューレ12は、患者側端(遠位端)14に鋭利な先端を有し、非患者側端(近位端)15にも鋭利な先端を有する両頭針を備える。しかしながら、針及びカニューレという用語は交換可能に使用され、本発明は他のタイプの薬物送達デバイス8にも好適であり得ることを理解されたい。
【0080】
液体薬剤を送達するために、カニューレ12は動作位置に保持される。この動作位置では、直線カニューレ12は、薬物送達デバイスの端部から直接突出し、具体的には、カニューレ12は、管状ハウジング20の(中心)長手方向軸50に沿って延在する。したがって、この動作位置では、カニューレ12は、管状ハウジング20内の中心同軸位置に配置される。この同軸位置は、カニューレ12が針安全アセンブリ10の前面31から垂直に突出することを可能にする。
【0081】
安全アセンブリ10は、カニューレ12が突出するか又は突出可能である中央窓又は開口32を有する前面31を提供する。安全針アセンブリ10には、中央窓32を含む遮蔽スリーブ30の形態の端部キャップが設けられる。遮蔽スリーブ30又は端部キャップは、カニューレ12の位置を保持しかつカニューレ12を解放する制御部材80の形態をした阻止手段として機能する。
【0082】
制御部材80又は遮蔽スリーブ30は、管状ハウジング20に装着される。制御部材80又は遮蔽スリーブ30は、管状ハウジング20の外側表面23上に配置され、そこに保持される。しかしながら、制御部材80又は遮蔽スリーブ30は、管状ハウジング20に対して長手方向に摺動可能である。
【0083】
注射器11のハウジング17は、安全針アセンブリ10に設けられた雌ねじ山と係合するための雄ねじ山36を提供する遠位端を有する。具体的には、管状ハウジング20の近位端24は、安全針アセンブリ10をハウジング17に取り付けるための内部ねじ山を提供する。
【0084】
カニューレ12は、針マウント60内に固着される。針マウント60は、安全針アセンブリ10内にカニューレ12を固定するために、管状ハウジング20内に固着されるように配置される。針マウント60は、管状ハウジング20の内部に設けられた凹部28、29の形態の2つの対応する軸線方向部材内に係合するためのラグ64、65の形態の2つの軸線方向部材を備える。特に、管状ハウジング20は、カニューレ12がその周りを回転(又は枢動)することができる固定回転軸であり得る回転軸を画定する。かかる動きは機能的に重要であり、カニューレ12が作動位置から遮蔽位置まで回転することを可能にする。遮蔽位置では、カニューレ12の非患者側端15は遮蔽されて、後端針刺し損傷を防止及び/又は抑制する。固定回転軸は、管状ハウジング20に対する針マウント60の回転/枢動動作を可能にするために、対応する凹部内に係合されるアクスル要素によって提供されてもよい。代替的な実施形態では、回転/枢動機能性は、ライブヒンジ配置などの可撓性部によって提供されてもよく、それによって、回転軸は、静的な回転軸の周りの回転のみを提供するように静的に固定されなくてもよい。
【0085】
カニューレ12は、管状ハウジング20内の固定軸52(又は固定点)を中心に回転(又は枢動)するように配置される。動作位置では、カニューレ12は、管状ハウジング20の中心長手方向軸に沿って延在する。回転のための固定軸52は、垂直に延在し、中心長手方向軸50と交差する。固定軸52は、管状ハウジング20を直径方向に横切って延在し、中心長手方向軸50から半径方向に延在する。これにより、中心長手方向軸50上に配置されたカニューレ12の固定軸52又は固定枢動点若しくは固定回転点が形成される。
【0086】
カニューレ12は、カニューレ12が中心長手方向軸50に沿って延在する動作位置から、カニューレ12が中心長手方向軸50に対してある角度で延在する遮蔽位置まで、固定軸52の周りを回転するように配置される。特に、遮蔽位置において、カニューレ12は、中心長手方向軸50に対して斜めの方向に延在する。
【0087】
カニューレ12の固定軸52及び固定回転点により、中心長手方向軸50から斜めの位置への移動は、カニューレ12の非患者側端15を管状部材20の内壁26に向かって移動させる。カニューレ12の非患者側端15が管状ハウジング20の内壁26に向かって隣接するこの位置では、非患者側端15は、より大きく遮蔽され、針刺し損傷を生じる危険性を大幅に低減する。更に、固定軸52の結果として、長手方向中心軸50上に配置された固定点を中心とした針の枢動動作は、カニューレ12の非患者側端15も前方に(遠位方向に)移動し、管状ハウジング20の開放端24から離れることを意味する。管状ハウジング20の長手方向軸50の遠位方向へのカニューレ12の非患者側端15のこの移動は、それによって、管状ハウジング20の開放端24とカニューレ12の非患者側端15との間の距離を増加させる。これは、カニューレ12の非患者側端15と接触するために、フィンガの先端が管状ハウジング20の開口端部24に挿入される必要がある距離を増加させることによって与えられる保護のレベルを増加させる。この増加した分離距離は、管状ハウジング20の壁26に隣接して配置されている非患者側端15と組み合わされて、針刺し損傷からのユーザの安全性を高める。
【0088】
カニューレ12は、対向する側に2つのアクスルラグ64、65を提供する針マウント60内に固着される。アクスルラグ64、65は、カニューレ12が管状ハウジング20内の固定軸52を中心に回転可能であるように、管状ハウジング20の2つの対応する凹部28、29内に受容される。
【0089】
安全針アセンブリ10は、ペン型注射器11の端部及び管状ハウジング20に設けられたねじ山36を使用してペン型注射器11に取り付けられる。安全針アセンブリ10がペン型注射器11と係合されると、カニューレ12の非患者側端15は、ゴムシール18に当接し、ゴムシール18を穿孔し、次いでゴムシール18を通って突出する。この取り付け中、カニューレ12は、ゴムシール18を通るカニューレ12の滑らかな運動を助けるために中心長手方向軸50に沿って保持される。
【0090】
管状ハウジング20は、管状ハウジング20の内側表面26から内側に突出する弾性フィンガの形態の板ばねの形態のばね手段を含む。弾性フィンガは、軸線方向部材28、29、64、65によって画定される回転の固定軸52からオフセットして配置された位置で針マウント本体62の外側表面に接触又は当接する接触先端を含む。したがって、動作位置では、弾性フィンガは、先端が針マウント60の外側表面に力、具体的にはモーメント又はトルクを及ぼす構成にある。したがって、動作位置では、弾性フィンガは、中立位置になく、中立弛緩状態/状態/位置に対して偏向状態にある。特に、動作位置では、板ばね/弾性フィンガは、エネルギーが板ばね/弾性フィンガ内に蓄積されるように予荷重をかけられる。この蓄積されたエネルギーは、カニューレ12を作動位置から離し、管状ハウジング20の長手方向軸と位置合わせされた状態から離すように作用する。管状ハウジング20内に針マウント60を組み付ける前に、板ばね/弾性フィンガは、エネルギーが蓄積されていない中立状態にある。針マウント60を管状ハウジング20内に装着すると、板ばね/弾性フィンガは、偏向され、移動されて、針マウント60を動作位置から離れるように付勢するように作用するエネルギーを蓄積する。制御部材80及びゴムシール18の両方によってカニューレ12/針マウント60を解放すると、カニューレ12の非患者側端15は、管状ハウジング20の内壁26に隣接して配置される。この構成では、板ばね/弾性フィンガは、典型的には中立位置ではなく、板ばね/弾性フィンガがカニューレ12の非患者側端15を管状ハウジング20の内壁26に対して押圧し付勢し続けるように、エネルギーが依然として蓄積される。
【0091】
針マウント60は、針マウント60の一部と係合し、カニューレ12を作動位置に維持する制御手段によって作動位置に維持される。第1の好ましい実施形態では、阻止手段は、中央開口32を含む遮蔽スリーブ30によって提供される。中央開口32は、針マウント60の前端の周りに係合する。加えて、遮蔽スリーブ30は、管状ハウジング20の周りに固着され、管状ハウジング20に対して遠位方向に長手方向にのみ移動することができる。したがって、設定位置では、針マウント60の前端部は、遮蔽スリーブ30の開口32内に固着され、その結果、弾性フィンガによって及ぼされるいかなる力も打ち消され、固定軸52の周りでの針マウント60又はカニューレ12の回転を引き起こさない。
【0092】
この設定位置では、針の患者側端14が薬物送達デバイスから外側に突出/突出し、それによって患者に注射し、ペン型注射器11から液体薬剤を送達することができることが分かる。注射が完了すると、遮蔽スリーブ30は遮蔽位置まで前方に移動される。前側遮蔽スリーブ30の配置の具体的な詳細は、本明細書では提供されず、例えば、国際公開第2011/092518号に記載されるように、利用可能な多くの好適なデバイスが存在する。この位置では、針マウント60は、遮蔽スリーブ30の開口32内にもはや係合されず、ばね手段が針マウント60を固定軸52の周りで回転させることをもはや防止することができない。しかしながら、カニューレ12の非患者側端15は、長手方向軸50に沿ってゴムシール18内に係合されたままであり、この配置は、依然として、固定軸52の回りの針マウント60の回転を防止するようになっている。
【0093】
使用後、安全針アセンブリ10は、処分を必要とし、したがって、安全針アセンブリ10を取り外し、ねじを緩めるために、ねじ面36の使用を通して医療用注射器11から取り外される。取り外しの際、カニューレ12の非患者側端15は、ゴムシール18を通って引き戻され、ゴムシール18から係合解除され、したがって、もはや管状部材20の長手方向軸50に沿ってゴムシール18によって保持されない。この構成では、弾性フィンガの加えられたトルクによる針マウント60の回転を防止する拘束手段がなく、したがって、針マウント60は、固定軸52の周りを自動的に回転する。
【0094】
弾性フィンガに蓄積されたエネルギーは、カニューレ12の非患者側端15が管状ハウジング20の内部側壁26に隣接して配置され、好ましくは当接するまで、固定軸52を中心に針マウント60を回転させる。カニューレ12の長さは、非患者側端15が内部側壁26に当接することを確実にする。針マウント60の固定軸52の結果として、カニューレ12の非患者側端15は、非患者側端15と管状ハウジング20の開放面24との間の長手方向範囲に沿った距離が増加するように、遠位方向に、かつ軸52の周りを周方向に弧状方向に移動する。したがって、非患者側端15が管状ハウジング20の内壁26に隣接して配置されただけでなく、非患者側端15も管状ハウジング20内に引き込まれ/後退させられ、これは、針刺し損傷からもたらされる保護を著しく増大させる。非患者側端15の横方向の半径方向の動きと、非患者側端15の遠位方向への後退/引き込みの動きとの両方が、自動的かつ同時に行われて、ユーザによる介入を必要としない改善された受動的な針刺し保護を提供する。更に、遮蔽位置では、板ばねは、針マウント60に枢動/回転力を及ぼし続けることができ、これは、カニューレ12の非患者側端15を管状ハウジング20の内壁26に押し付ける。
【0095】
好適な安全針アセンブリの更なる実施形態の動作及び使用は、参照により本明細書に組み込まれる英国特許第2104342.7号に示され、記載されている。
【0096】
本発明の第1の実施形態が
図3及び
図4に示されている。安全針アセンブリは、ばね170のための装着部材を提供する管状ハウジング120内に装着された針/カニューレ112を備える。カニューレ112は、管状ハウジング120内に配置された針マウント160内に配置される。この実施形態において、遮蔽スリーブ130は、管状部材120の長手方向軸に沿ってカニューレ112の位置合わせを保持する阻止手段を提供する。特に、阻止手段は、カニューレ112を動作位置に保持するために、ばねの枢動力又はカニューレが自由に回転する能力を打ち消すように配置される。この実施形態では、ばね170(板ばね)は、針マウント160に対して移動する管状ハウジング120(装着部材)と一体である。ばね170及び管状ハウジング120は、単一の構成要素を形成する。
【0097】
ばね170及び針マウント160は、互いに対して設定位置に配置され、医療用注射器111とともに安全針アセンブリ110を使用することにより、設定位置からのシフトが生じ、シフトは、装着部材又は針マウントの一方を他方に対して移動させて、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときにばね手段が針を遮蔽位置に回転させることを可能にする。一部の実施形態では、針マウント及びマウンティングの両方が、実際に/物理的に移動してもよいが、これは、相対移動という用語の使用によって包含される。このシフトは、安全針アセンブリ110が医療用注射器111から取り外されたときに、ばね170が針112を遮蔽位置に回転させることを可能にする。第1、第2、及び第3の実施形態では、シフトは、医療用注射器111への安全針アセンブリ110の取り付けによって引き起こされる。第4及び第5の実施形態では、シフトは、デバイスの使用、すなわち患者に注射する行為によって引き起こされる。理解されるように、シフトはまた、医療用注射器111からの安全針アセンブリ110の取り外し(特に、取り外しシーケンスの初期部分)によって引き起こされ得る。
【0098】
図3は、医療用注射器111に取り付ける前の、ばね170及び針マウント160が設定位置にある、初期位置にある安全針アセンブリ110を示している。管状ハウジング120は、針マウント160の軸線方向部材と係合するための軸線方向部材を提供する。管状ハウジング120の軸線方向部材は、凹部191a、191b、192a、192bを備え、針マウントの軸線方向部材は、アクスルラグ164、165を備える。特に、管状ハウジング120は、針マウント160を第1の位置(
図3)に装着するための第1の対の凹部191a、191bと、針マウント160を第2の位置に装着するための第2の対の凹部192a、192bとを提供する。
【0099】
針マウント160は、医療用注射器111への安全針アセンブリ110の取り付け中に、ばね170に対して第1の(設定)位置から第2の(作動)位置に移動されるように配置される。設定位置では、ばね170は、ばね170が針マウント160を枢動させることができない無荷重位置にあり得る。例えば、ばね170は、蓄積された力が針マウント160に及ぼされることなく、完全に無荷重であってもよく、又はばね170は、部分的にのみ荷重がかけられてもよく、かつ/又は針マウント160上の接触位置と組み合わせて、ばね170が針マウントを枢動させることができなくなってもよい。作動位置では、ばね170内の荷重及び/又は針マウント160上の接触位置は、ばね170が針112を枢動させることができるように配置されるが、かかる移動は、阻止手段が係合解除されるまで、かつ/又はカニューレ112の非患者側端115がゴムシール118から引き出されるまで、実際には生じないことがある。
【0100】
前述したように、安全針アセンブリ110は、協働するねじ面136、137又は同様の配置を介して医療用注射器111に取り付けられる。この取り付けの間、カニューレ112の非患者側端115は、ゴムシール118を穿孔する。この貫通は、最終的に、針マウント160の近位端168をゴムシール118又はゴムシール118を囲む領域に接触させる。これにより、針マウント160が医療用注射器111に向かって相対的に近位に更に移動することが停止し、防止される。
【0101】
ねじ面136、137の更なる係合は、医療用注射器111に向かって管状ハウジング120の移動を継続する。この移動により、管状ハウジング120は、医療用注射器111の端部によって更に移動することが防止されている針マウント160に対して移動する。特に、アクスルラグ164、165は、第1の対の凹部191a、191bから出て、第2の対の凹部192a、192bに入るように移動させられる。加えて、針マウント160の遠位端169は、遮蔽スリーブ130の開口132内に突出して、阻止手段を提供する。
【0102】
安全針アセンブリ110は、針マウント160の外側表面に接触及び当接する先端174を含む弾性フィンガ172の形態のばね手段170を備える。第1の実施形態では、弾性フィンガ172は、管状ハウジング120の内側表面126上に設けられ、そこから内側に突出する。したがって、針マウント160は、取り付け中に管状ハウジング120に対して移動するため、針マウント160はまた、医療用注射器111への安全針アセンブリ110の取り付け中に弾性フィンガ172に対して移動する。具体的には、針マウント160と弾性フィンガ170との間の接触点は、第1の接触位置(
図3)から第2の接触位置まで針マウント160の外側表面に沿って(近位に)移動する。
【0103】
図3に示されるように、針マウント160は、凹部又は窪み190を含む成形表面の形態の第1の接触位置を提供する。第1の位置では、弾性フィンガ172の先端174は、この窪み190内に配置される。この窪み190の深さは、弾性フィンガ170から針マウント160へのいかなるばね力の伝達ももたらさないか、又は最小限の伝達のみをもたらすことができる。加えて、窪み190は、第1の対の凹部191a、191bによって提供される支持軸に沿って直径方向に配置される。これにより、アクスルラグ164、165が、取り付け前の第1の(設定)位置に設けられた第1の対の凹部191a、191b内に配置されたときに、弾性フィンガ172が針マウント160を付勢して管状ハウジング120に対して回転させることが防止される。したがって、これは、使用前の弾性フィンガの疲労を防止する。
【0104】
加えて、窪み190の形状は、管状ハウジング120の長手方向軸と位置合わせされた針マウント160を保持するように配置される。
図3に示されるように、針マウント160は、弾性フィンガ172の先端174によって回転/枢動することが防止されることが分かる。具体的には、先端174は、針マウント160が管状ハウジング120内で回転しようとする場合に、逆回転力を生成する。
【0105】
上述したように、針マウント160は、安全針アセンブリ110が医療用注射器111に取り付けられるときに管状ハウジング120に対して移動するように配置される。具体的には、針マウント160の近位端168と医療用注射器111の遠位端との接触を通して力が生成される。これにより、針マウントが管状ハウジング120に対して前方に付勢され、弾性フィンガの先端174が窪み190から外れる。次いで、先端174は、移動が停止され、アクスルラグ164、165が第2の(作動)位置において第2の対の凹部192a、192b内に保持されるまで、針マウント160の外側表面に沿って近位に追跡する。
【0106】
この位置で、弾性フィンガ172は、針マウント160上に力を生成する。接触点は、ここでは、第2の対の凹部192a、192bによって生成される直径軸からオフセットされ、これは、弾性フィンガ172が針マウント160上に回転又は枢動力を生成することをもたらす。しかしながら、このとき、針マウント160の末端は、遮蔽スリーブ130の開口132内に配置され、これにより、この回転力に反作用しかつカニューレ112を作用可能な位置に保持する。
【0107】
本発明のその後の動作は、
図1及び
図2を参照して上述したものと本質的に同じであり、英国特許第2104342.7号に更に記載されている。したがって、本発明は、安全針アセンブリ110を医療用注射器111に取り付ける前に、ばね手段170の疲労を除去することにより、改良された安全針アセンブリ110を提供する。更に、ばね手段の起動は、医療用注射器111への安全針アセンブリ110の取り付け時に自動的である。
【0108】
簡潔に言えば、取り付け後の安全針アセンブリ110のその後の動作及び使用は、患者に注射することを含み、その後、遮蔽スリーブ130が外側遠位位置に移動するか、又は移動される。この位置では、針マウント160の遠位端169は、遮蔽スリーブ130の開口132(阻止手段)内にもはや保持されない。したがって、ゴムシール118内のカニューレ112の非患者側端115の係合/貫通は、弾性フィンガ172のばね作用が第2の対の凹部192a、192bの間の軸の周りで針マウント160を回転させることを防止するための唯一の手段である。
【0109】
次いで、安全針アセンブリ110は、ねじ山136、137を使用することによって、医療用注射器111から
図4に示す取り外し位置に取り外される。したがって、カニューレ112の非患者側端115がゴムシール118から係合解除されて取り外されると、弾性フィンガ172のばね力は、カニューレ112を遮蔽位置まで自動的にかつ直ちに回転させる。この位置では、非患者側端115は、管状ハウジング120の内側表面126に移動され、また、近位開口端部124から離れて管状ハウジング120内に更に後退される。
【0110】
改良された安全針アセンブリ210の第2の実施形態が
図5に示されている。この実施形態では、弾性フィンガ272の先端274は、最初に、針マウント260のアクスルラグ264、265を通る軸に対して遠位に配置される。加えて、弾性フィンガ272は、管状ハウジング220の中心長手方向軸に向かって直接的かつ半径方向内側に延在する。第1の実施形態では、弾性フィンガ272は、直接半径方向内側に延在しないが、管状ハウジング220に対して内部鋭角で延在する。第2の実施形態では、弾性フィンガ272は、管状ハウジング220と直角の内角を形成する。再び、この実施形態では、ばね270(板ばね)は、針マウント260に対して移動する管状ハウジング220(装着部材)と一体である。ばね270及び管状ハウジング220は、単一の構成要素を形成する。
【0111】
この実施形態では、針マウント260の遠位端269は、安全針アセンブリ210を医療用注射器211に取り付ける前に、遮蔽スリーブ230によって係合される。これにより、カニューレ212は、管状ハウジング220の長手方向軸と位置合わせされた状態に維持される。カニューレのこの動作位置は、カニューレへのいかなる損傷も防止し、また、非患者側端215を、その後にゴムシール218を穿孔するのに最適な位置に維持する。
【0112】
安全針アセンブリ210は、ねじ山236、237を使用して医療用注射器211に取り付けられ、これは、針マウント260の近位端268を医療用注射器211の遠位端に接触させる。ねじ山236、237のその後の使用は、管状ハウジング220を近位に移動させ続け、針マウント260はそれに対して移動する。この相対的な移動により、アクスルスタブ264、265が第1の対の凹部291a、291bから外れる/係合解除される。アクスルスタブ264、265の外側端は、第2の対の凹部292a、292bにおけるこの係合解除及びその後の再係合を引き起こす/補助するように成形される。特に、スタブアクスル264、265の外側端は、実質的に半球形である。スタブアクスル264、265は、第2の対の凹部292a、292bに再係合して、デバイスの動作位置を提供する。したがって、医療用注射器211への安全針アセンブリ210の取り付けは、ばね270及び針マウント260を設定位置からシフトさせる。
【0113】
針マウント260と管状ハウジング220との間の相対運動中に、ばね手段270は、針マウント260に対して管状ハウジング220とともに近位に移動する。針マウント260は、弾性フィンガ272と係合するためのフランジ267を提供する。特に、弾性フィンガ272の先端274は、フランジ267の遠位面に接触して当接する。この接触は、アクスルスタブ264、265が第2の対の凹部292a、292bに係合されるときに弾性フィンガ272が変形されて荷重位置にあるため、フランジ267に力を及ぼす。この荷重は、一対の凹部292a、292bによって生成される回転軸に対して力がオフセットされるため、針マウント260に回転力を提供する。しかしながら、針マウント260の遠位端269は、遮蔽スリーブ230に係合され、また、カニューレ212の非患者側端215は、ゴムシール218に係合される。したがって、針マウント260は回転することができないが、ばね手段270は荷重をかけられる。この実施形態及び他の記載された実施形態の一部において、ばね270は、設定位置において完全に無荷重であるように示されている。しかしながら、ばね270は、設定位置において部分的に半予荷重をかけられていてもよいことを理解されたい。設定位置では、ばねに完全に予荷重をかけることを回避することが有利であるが、ばね270のゼロ又は小さい又は部分的な予荷重は、依然として、ばね270の材料の特性を拡張及び延長するという利点を本発明に提供する。
【0114】
カニューレ212の患者側端214は、注射を行う準備ができている。注射に続いて、遮蔽スリーブは遠位位置に移動するか、又は移動される。この位置において、針マウント260の遠位端269は、もはや遮蔽スリーブ230と係合していない。しかしながら、カニューレ212の非患者側端215は、カニューレ212が依然として管状ハウジング220の長手方向軸と位置合わせされた位置に保持されるように、ゴムシール218に係合したままである。
【0115】
医療用注射器211からの安全針アセンブリ210の取り外しは、非患者側端215をゴムシールから解放させる。次に、弾性フィンガ272の荷重により、針マウント260は、第2の対の凹部292a、292bの間に形成された軸を中心に回転する。カニューレ212の非患者側端215は、管状ハウジング220内に引き込まれ、また、管状ハウジング220の内側表面226まで移動して、針刺し損傷を防止する。
【0116】
安全針アセンブリ310の第3の実施形態が、
図6~
図9に示されている。この実施形態では、ばね手段370は、この場合も先と同様に、先端374を有する内部に突出する弾性フィンガ372によって提供される。しかしながら、弾性フィンガ372は、凹部328、329及び回転軸に対して近位に配置される。初期位置では、ばね手段370は荷重をかけられず、針マウント360は、針マウント360の遠位端369が遮蔽スリーブ330の開口332に係合されることにより、所定の位置に保持される。この実施形態では、ばね370(板ばね)は、針マウント360に対して移動する内側スリーブ部395(装着部材)と一体である。ばね370及び管状ハウジング320は、単一の構成要素を形成する。内側スリーブ部395は、管状ハウジング320内に軸線方向に摺動可能に配置される。
【0117】
この実施形態では、弾性フィンガ372は、管状ハウジング320とは別個の異なる構成要素である内側スリーブ部395に装着される。内側スリーブ部395は、管状ハウジング320に対して内側に配置され、摺動する。内側スリーブ部395は、不完全な断面を有してもよく、実質的にC字形であってもよく、又は凹部328、329のための内部に突出するマウント(複数可)を可能にするための切欠き部(複数可)を有してもよい。
【0118】
この実施形態では、弾性フィンガ372は、非荷重位置(設定位置)から荷重位置(作動位置)まで遠位に移動する。
図6では、弾性フィンガ372は、管状ハウジング320の内側表面に対して垂直に内側に突出して示されている。しかしながら、弾性フィンガ372(板ばね)は、管状ハウジング320の長手方向内部軸に対して遠位方向又は近位方向に垂直に又は鋭角で内側に突出し得ることを容易に理解されたい。具体的には、弾性フィンガ372(板ばね)は、ハウジングの前(遠位)端又は後(近位)端を「概ね指して」内側に突出していてもよい。更に、弾性フィンガ372は、(ばねとして最良に機能するように)湾曲した、又は弧状の、又は直線状の形態を有してもよく、あるいは湾曲した、かつ/又は弧状の、かつ/又は直線状の部分を有してもよい。針マウント360にはフランジ367が設けられ、弾性フィンガ372の先端374は、フランジ367の近位面に接触して力を生成するように配置される。この力は、凹部328、329によって提供される針マウント360の回転軸からオフセットされる。これにより、針312の遮蔽位置への移動が促される。
【0119】
使用時には、安全針アセンブリ310は、
図6に示すように、ばね手段370が無荷重位置にある状態で取り外されて提供される。一部の実施形態では、設定位置において、ばね手段は、部分的に又は半予荷重をかけられているか、又は完全に無荷重である。この取り外された構成にある間、内側スリーブ部395は、内側スリーブ部395を管状ハウジング320内に維持するために、管状ハウジング320に対して所定の位置に保持されることが容易に理解されるであろう。この位置的配置を維持するために、任意の好適な配置、例えば、(
図6に示されるような)内側スリーブ部395と管状ハウジング320との間の摩擦抵抗、ラッチ機構、内側スリーブ部395及び管状ハウジング320上の相互突出部/凹部などが使用され得る。安全針アセンブリ310は、
図7に示されるように、医療用注射器311に取り付けられる。この取り付けは、ばね手段370に荷重をかけるために、ばね手段370を針マウント360に対して遠位に移動させる。具体的には、医療用注射器311への安全針アセンブリ310の取り付けは、ばね370及び針マウント360を設定位置から(作動位置に)シフトさせる。装着部材及び針マウントは、互いに対して設定位置に配置される。その後、医療用注射器とともに安全針アセンブリを使用することにより、設定位置からのシフトが生じ、このシフトにより、装着部材又は針マウントの一方が他方に対して移動し、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときに、ばね手段が針を遮蔽位置まで回転させることが可能になる。特に、内側スリーブ部395の近位端397は、部分的に取り付けられたときに医療用注射器311の遠位端に当接して接触する。次いで、内側スリーブ部395は、医療用注射器311に向かって更に移動することを防止されるが、更なる取り付けは、管状ハウジング320を医療用注射器311に向かって移動させる。したがって、弾性フィンガ372の先端374は、フランジ367に向かって移動し、それに当接し、ばね手段370は、荷重をかけられ、針マウント360上に回転力を生成する。特に、ばね手段は、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外されたときにばね手段が針を遮蔽位置まで回転させることを可能にするのに十分な力を発生させるように予荷重がかけられる。
【0120】
ばね手段370の取り付け及び荷重(例えば、部分的に又は半予荷重をかけられた状態又は完全に無荷重の状態から(完全に)予荷重をかけられた状態への)に続いて、注射が行われ、遮蔽スリーブ330は、
図8に示すように、遮蔽位置まで遠位に移動するか又は移動される。この位置では、弾性フィンガ372は、針マウント360を回転させるように付勢しているが、これは、非患者側端315とゴムシール318との係合によって打ち消される。
【0121】
医療用注射器311からの安全針アセンブリ310のその後の取り外しは、この反作用係合を解放する。特に、非患者側端315は、ゴムシール318から解放され、針マウント360は、弾性フィンガ372の荷重により直ちに回転する。非患者側端315は、管状ハウジング320内に引き込まれ、安全な状態で管状ハウジングの内側表面326に配置される/当接する。容易に理解されるように、内側スリーブ部395は、弾性フィンガによってフランジ367に及ぼされる付勢力を維持するために針マウント360に対して定位置に保持される。この力を維持するために、任意の好適な配置、例えば、内側スリーブ部395と管状ハウジング320との間の摩擦抵抗(
図9に示す)、ラッチ機構、内側スリーブ部395及び管状ハウジング320上の相互突出部/凹部などを使用することができる。確認のために、安全針アセンブリ310が医療用注射器311から取り外されたときに針312が遮蔽位置に移動することを確実にするために、設定位置から(作動位置への)シフトは永続的である。したがって、(図面に示されるような)摩擦接触又は何らかの他の手段が、内側スリーブ部395を管状ハウジング320内で作動位置に保持及び維持するために必要とされるであろう。
【0122】
安全針アセンブリの第4の実施形態では、弾性フィンガは、針マウント上のフランジに対して遠位に配置され、非荷重位置から荷重位置に近位に移動する。ばね手段の荷重は、遮蔽スリーブの移動によって引き起こされ、医療用注射器への安全針アセンブリの取り付けは、ばね及び針マウントを設定位置からシフトさせない。この実施形態では、ばねは、内側スリーブ部と一体であり、単一の構成要素を形成する。遮蔽スリーブが近位に動くにつれて、遮蔽スリーブの内側遠位端面は内側スリーブ部の遠位端に接触し、内側スリーブ部及び弾性フィンガは、管状ハウジングの凹部内に静的に保持される針マウントに対して近位に動く。この相対運動により、弾性フィンガの先端が針マウントに設けられたフランジに接触し、それによりばね手段に荷重が加えられる。具体的には、患者への注射の使用及び行為は、ばね及び針マウントを設定位置からシフトさせる。次に、遮蔽スリーブは、針マウントの遠位端を解放する外側遠位位置に移動する。この位置では、非患者側端でのカニューレの係合は、ばね手段によって針マウントに及ぼされる回転力を打ち消すだけである。最後に、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外され、非患者側端を管状ハウジングの内側表面に対して位置決めする。
【0123】
第5の実施形態において、この場合も、ばね及び針マウントを設定位置から変位させかつばね手段の荷重を作用させるのは、遮蔽スリーブのその後の動きである。更に、この実施形態では、荷重は、2つの対の凹部を設けることによる。スタブアクスルは、針マウント上の第1の対の凹部及び遠位カラー内に係合される。この実施形態では、ばねは管状ハウジングと一体であり、単一の構成要素を形成する。患者の皮膚による遮蔽スリーブの移動は、それによって遮蔽スリーブを接触させ、遠位カラー、したがって針マウントを第1の(遠位)対の凹部から近位対の凹部に、したがって医療用注射器に向かって後方に移動させる。この位置では、ばね手段は荷重をかけられるが、針マウントは拘束される。前述のように、遮蔽スリーブは、外側遮蔽位置に移動するか、又は移動され、針マウントを解放するが、カニューレは、依然として、ゴムシールと係合され、針マウントの回転を防止する。最後に、安全針アセンブリが医療用注射器から取り外され、それによってカニューレがゴムシールから解放され、荷重をかけられた弾性フィンガが針マウントを直ちに回転させる。
【0124】
本発明の第6の実施形態を
図10に示す。この実施形態は、安全針アセンブリ610が医療用注射器611上に正しく位置決めされていることを検証する検証機構又は検証システムを提供する。特に、検証機構は、安全針アセンブリ610を医療用注射器611に手動で取り付けているユーザにフィードバックを提供する。安全針アセンブリ610は、実施形態1~5に関連して説明したものと同じであってもよい。更に、検証システムは、他の安全針アセンブリ及び医療用注射器とともに使用されてもよい。
【0125】
第6の実施形態では、検証機構は、医療用注射器611上の安全針アセンブリ610の正しい取り付け位置に達したことをユーザに警告するために、可聴信号又は可聴印を提供する。この可聴警報は、クリック又は別の好適な可聴信号を含み得る。具体的には、安全針アセンブリ610は、対応するねじ山を使用して医療用注射器611にねじ込まれる。これは、安全針アセンブリ610を取り付け位置に向かって移動させ、正しい取り付け位置において、カニューレ612の非患者側端615は、医療用注射器611のチャンバ内に安全に配置され、位置決めされる。したがって、これは、デバイスが使用の準備ができていることをユーザに対して検証し、安全針アセンブリ610が取り付け位置にあるだけであるが、カニューレ612の非患者側端が所望の位置にないといういかなるリスクも防止する。
【0126】
検証機構は、管状ハウジング620内に(軸線方向に)移動可能に配置された要素645を含む。特に、要素645は、非起動位置と、可聴信号が生成される起動位置との間で管状ハウジング620内を摺動可能に移動するように配置される。要素645は、安全針アセンブリ610を医療用注射器611に取り付ける間、医療用注射器611の遠位面639と接触するように配置された近位端642を含む。
【0127】
図10に示すように、医療用注射器611は、外周に設けられた雄ねじ636(ねじ面)を有するボス640を有する。管状ハウジング620は、医療用注射器611が安全針アセンブリ610に取り付けられるように、対応する雌ねじ637(ねじ面)を提供する。
【0128】
医療用注射器611は、安全針アセンブリ610に対して相対的にねじ込まれ、この動作によって、遠位端面639が最初に要素645の近位端642に接触し、当接する。それによって、更なるねじ込み動作は、要素645を遠位端面639とともに移動させ、その結果、これは、要素645を管状ハウジング620内で管状ハウジング620の遠位端に向かって摺動可能に移動させる。
【0129】
この実施形態では、要素645は、弾性部材である検証部材を提供する。弾性部材は、要素645から軸線方向に延在する。これは、利用可能である偏向の量に起因して可聴信号を全く生成しない場合がある半径方向に延在するタブと比較して、より大きい力が弾性フィンガ641内に生成され、確実かつ/又はより大きい可聴ノイズを生成することを可能にする。かかる小さな距離の偏向は、信頼されるべき可聴信号を生成するのに十分な力を確実には生成しない。弾性部材は、要素645から近位方向又は遠位方向のいずれかに延在することができる。この実施形態では、弾性部材は、遠位ラッチヘッド644を有する遠位/前方に延在するラッチフィンガ641の形態である。ラッチフィンガ641は、ラッチフィンガ641を要素645に固着する近位端643を有する。ラッチフィンガ641は、要素と一体であり、単一の構成要素を形成する。ラッチフィンガ641は、ラッチフィンガ641が内側に曲がることを可能にする弾性材料を含む。
【0130】
管状ハウジング620は、内側表面上のラグ649又はリブ又は他の好適なラッチ面の形態の偏向部材を提供する。ラグ649は、ラッチフィンガ641を内側に偏向させるように配置された傾斜/角度付き近位面を含む。ラグ649は、ラッチフィンガ641を内側に偏向させないようにラッチヘッド644と係合するように配置された遠位面を含み、これは、いったん係合されると、ラグ649からのラッチフィンガ641の係合解除を防止する。
【0131】
要素645が相対的なねじ込み動作により遠位に移動されると、ラッチヘッド644は傾斜面に到達し、これによりラッチフィンガ641が内側に屈曲する。次に、更なるねじ込み動作により、ラッチフィンガ641は、ラグ649の上縁部を越えて移動し、ラッチフィンガ641は、ラッチ位置まで外方に自然に屈曲する。ラッチフィンガ641のこの移動は、ラッチフィンガ641と管状ハウジング620との接触に起因して、可聴信号を発生させる。この可聴信号は、ラッチフィンガ641の係合をユーザに警告するのに十分である。安全針アセンブリ610内のラグ649の相対位置により、ラッチフィンガ641が係合する位置は、安全針アセンブリ610と医療用注射器611との正しい相対位置と一致する。この正しい取り付け位置では、カニューレ615の非患者側端は、医療用注射器611内に最適に配置される。
【0132】
可聴信号は、安全針アセンブリ610が医療用注射器611に正しく取り付けられていることの確認を提供するとともに、ユーザが安全針アセンブリ610及び医療用注射器611を過度に締め付け/位置決めすること、及び不十分に締め付け/位置決めすることを防止する。理解されるように、不十分な接続は、カニューレ612の非患者側端615が医療用注射器611内に正確に配置されないことをもたらし得る。同様に、過剰接続は、不必要な応力を生じさせ、安全針アセンブリ610又は医療用注射器611の材料に故障/破損を引き起こす可能性がある。したがって、クリック又は同様のノイズを含み得るこの可聴警報は、正しく接続された安全針アセンブリ610をユーザに確実に通知し、安全針アセンブリ610は、次いで、前述したように使用の準備ができている。
【0133】
一部の実施形態では、ラッチ動作はまた、ユーザによって聞かれた可聴信号を再確認及び検証/確認するために、ユーザにフィードバックを提供する触感を提供することができる。例えば、振動は、ユーザの指先によって保持されている安全針アセンブリ610を介して共振する。このフィードバックは、ユーザに対して可聴信号を確認するのに役立ち得る。
【0134】
一部の実施形態では、要素645は、前述の実施形態で説明されるように、内側スリーブ部395、495を備えてもよく、又はそれと一体であってもよく、又はそれに接続されてもよく、その上に装着される一体型板ばねを含んでもよい。特に、
図10に示す要素では、要素は、
図6~
図9に示す内側スリーブ部395の一部を形成することができる。この配置では、検証機構は、正しい取り付け位置を実証するために可聴信号を提供する際に二重の機能を提供し、また、管状ハウジング320内の内側スリーブ部395を作動位置(
図9に示す)に維持/保持するための保持機構を形成する。
【0135】
本発明の第7の実施形態を
図11及び
図12に示す。この実施形態もやはり、安全針アセンブリ710が医療用注射器711上に正しく位置決めされていることを検証する検証機構又は検証システムを提供する。特に、検証機構は、安全針アセンブリ710を医療用注射器711に手動で取り付けているユーザに、可聴信号(例えば、クリック)の形態でフィードバックを提供する。安全針アセンブリ710は、実施形態1~5に関連して説明したものと同じであってもよい。特に、第7の実施形態は、
図6~
図9に示す第3の実施形態と実質的に同様である。
【0136】
この実施形態では、検証機構は、近位に延在するラッチフィンガ741の近位端742に設けられたラッチ手段を含む。ラッチフィンガは、第6の実施形態とは逆に、要素745から軸線方向に、具体的には近位に延在する。特に、ラッチフィンガ741は、前方(遠位)ではなく後方(近位)に延在している。管状ハウジング720は、内側表面にラグ749又は他の好適なラッチ面を提供する。ラグ749は、ラッチフィンガ741を内側に偏向させるように配置された傾斜/角度付き近位面を含む。ラグ749は、ラッチフィンガ741を内側に偏向させないようにラッチヘッド744と係合するように配置された遠位面を含み、これは、いったん係合されると、ラグ749からのラッチフィンガ741の係合解除を防止する。
【0137】
要素745は、安全針アセンブリ710を医療用注射器711に取り付ける間、ヘッド744がねじ山737を越えて移動しないように、ヘッド744がラグ749の近位傾斜面に隣接して配置された状態で、管状ハウジング720内に最初に配置される。ラグ749は、ヘッド744のラッチが、安全針アセンブリ710の正確な係合及び針マウント760のばね手段(弾性フィンガ772)との正確な荷重と一致するように位置決めされる。ラグ749を越えてラッチ位置へのヘッド744の移動は、安全針アセンブリ710への医療用注射器711の取り付けを示すための可聴信号(例えば、クリック)を生成/生成する。(ユーザのタッチによって)感知され得る触覚信号もまた、可聴信号と同時にかつ自然に生成され得る。
【0138】
検証機構はまた、管状ハウジング720内の内側スリーブ部795を作動位置に維持/保持するための保持機構を形成する(
図9に示される同等の先の実施形態を参照)。具体的には、ラッチフィンガ772のヘッド744及び/又はラグ749の対応する輪郭により、ラッチ手段は、内側スリーブ部795のみを作動位置に保持し、弾性フィンガ741のヘッド又は先端774は、フランジ767に押し付けられて、カニューレ715の非患者側端を管状ハウジング720内に引き込まれた状態に維持し、管状ハウジング720の内側表面726を安全な状態に位置決め/当接させる。この実施形態では、ばね772は、内側スリーブ部795と一体であり、単一の構成要素を形成する。
【0139】
検証機構は、管状ハウジング720内に移動可能に配置された要素745を提供する内側スリーブ部795を備える。特に、要素745/内側スリーブ部795は、管状ハウジング720内で摺動可能に移動するように配置される。要素745/内側スリーブ部795は、安全針アセンブリ710を医療用注射器711に取り付ける間に医療用注射器711の遠位面739と接触するように配置された近位端797(ヘッド744によって提供される)を含む。
【0140】
医療用注射器711は、安全針アセンブリ710に対して相対的にねじ込まれ、この動作により、遠位端面739が最初に要素745/内側スリーブ部795の近位端797に接触し、当接する。それによって、更なるねじ込み動作は、要素745/内側スリーブ部795を遠位端739とともに移動させ、その結果、これは、要素745/内側スリーブ部795を管状ハウジング720内で管状ハウジング720の遠位端に向かって摺動可能に移動させる。
【0141】
上述したように、この実施形態では、要素745/内側スリーブ部795は、近位端に画定されたラッチヘッド744を有する近位に延在するラッチフィンガ741を有する。ラッチヘッド744は、ラグ749と協働する外周面を有する外側に成形された部分を備える。ラッチフィンガ741は、要素745/内側スリーブ部795と一体であり、単一の構成要素を形成する。ラッチフィンガ741は、ラッチフィンガ741が内側に曲がることを可能にする弾性材料を含む。ラグ749は、内側(遠位)表面上に好適なラッチ表面を提供して、いったん係合/ラッチされると、ラッチフィンガ741の近位への移動を防止する。
【0142】
要素745/内側スリーブ部795が相対的なねじ込み動作によって遠位に移動されると、ヘッド744の遠位面がラグ749の傾斜面に到達し、これによりラッチフィンガ741が内側に屈曲する。次に、更なるねじ込み動作により、ラッチフィンガ741は突出部749の上方を移動し、ラッチフィンガ741は、突出部749の上方を移動した後、自然に外方に屈曲して戻る。ラッチフィンガ741のこの移動は、ラッチフィンガ741とラグ749/外側管状部材720との突然の接触に起因して、可聴信号が発せられることを引き起こす。この可聴信号は、ラッチフィンガ741の係合プロセスをユーザに警告するのに十分である。安全針アセンブリ710内のラグ749の相対位置により、ラッチフィンガ741がラグ749と係合する位置は、安全針アセンブリ710及び医療用注射器711の正しい相対位置と一致する。この正しい取り付け位置では、カニューレ715の非患者側端は、医療用注射器711内に最適に配置される。ラッチ動作は、可聴信号又はクリックを発するため、ユーザは、正しい取り付けがいつ行われたかを知ることになる。この位置では、管状ハウジング720の近位端724は、医療用注射器711の肩部748に隣接して位置するか、又は一部の実施形態では、管状ハウジング720は、医療用注射器711の肩部748に当接してもよい。検証機構は、正しい取り付け位置(医療用注射器711内に位置決めされたカニューレ715の非患者側端)を実証するために可聴信号を提供する際に二重の機能を提供し、また、ばね手段(弾性フィンガ772)がフランジ767に対して予荷重をかけられていることを実証する。
【0143】
第8の実施形態(
図13)もまた、安全針アセンブリ810が医療用注射器811上に正確に位置決めされていることを検証する検証機構を提供する。検証機構は、内側スリーブ部895の周りに固着され、かつ/又はそれと一体化されたラッチ手段を含む。内側スリーブ部895は、医療用注射器811が安全針アセンブリ810に取り付けられると、ねじ山837の上で内側に偏向/屈曲する、そこから延在するラッチスカート841を有する。ラッチスカート841は、取り付け中に医療用注射器811に接触するための近位端を提供する。ラッチスカート841がねじ山837の上を移動すると、可聴信号(例えば、クリック)又は一連の可聴信号(例えば、クリック)が生成され、医療用注射器811の安全針アセンブリ810への取り付けを実証する。ラッチスカート841は、要素/内側スリーブ部895から軸線方向に延在し、特に、内側スリーブ部895から近位に延在する。ばね872は、内側スリーブ部895と一体であり、単一の構成要素を形成する。
【0144】
この実施形態では、内側スリーブ部895は、近位縁の周りに画定されたラッチリム844を有する近位スカート841を有する。ラッチリム844は、ねじ山837と協働する外周面を有する外側に成形された部分を備える。ラッチスカート841は、内側スリーブ部895と一体であり、単一の構成要素を形成する。ラッチスカート841は、ラッチスカート841が内側に曲がることを可能にする弾性材料を含む。
【0145】
ねじ山837、特に管状ハウジング820の最後のねじ山は、ラッチスカート841の近位への移動を防止又は少なくとも抑制するために、内側表面上に好適なラッチ面を提供する。ねじ山837は、内側スリーブの遠位方向への移動中にラッチスカート841を内側に偏向させるように配置された概ね正弦曲線状の表面を提供する。しかしながら、ラッチリム844は、ラッチスカート841を内側に偏向させないように、ねじ山837と係合するように配置される近位面を提供し、これは、いったん係合されると、最終ねじ山837からのラッチスカート841の係合解除を防止する。
【0146】
内側スリーブ部895が相対的なねじ込み動作によって遠位に移動されると、ラッチリム844の遠位面が第1のねじ山837の傾斜面に到達し、これによりラッチスカート841が内側に屈曲する。次に、更なるねじ込み動作により、ラッチスカート841は、次のねじ山837を移動させ、ラッチスカート841は、ねじ山837の各ピークを越えて移動した後、自然に外方に屈曲して戻る。ラッチスカート841のこの移動により、ラッチスカート841とねじ山837の谷との突然の接触に起因して、可聴信号が発せられる。この可聴信号は、ラッチスカート841の係合プロセスをユーザに警告するのに十分である。安全針アセンブリ810内のねじ山837の相対位置により、ラッチスカート841がねじ山837に係合する位置は、安全針アセンブリ810及び医療用注射器811の位置の正確な相対範囲と一致する。この正しい取り付け位置では、カニューレ815の非患者側端は、医療用注射器811内に最適に配置される。ねじ山837は、一部の可聴信号又はクリックを発するため、ユーザは、クリック数が聞こえるまで医療用注射器811をねじ込むことを知ることができ、更なるねじ込み動作は、ねじ山の端部によって防止される。この位置では、管状ハウジング820の近位端824は、医療用注射器811の肩部848に隣接して位置するか、又は一部の実施形態では、管状ハウジング820は、医療用注射器811の肩部848に当接してもよい。
【0147】
安全針アセンブリ910の第9の好ましい実施形態が
図14及び
図15に示されている。針マウント940は、管状ハウジング930内の固定位置に配置され、ばね950は、管状ハウジング930内で移動可能な内側スリーブ部952上に配置される。針マウント940(
図14参照)の挿入に先立って、内側スリーブ部952は、内側スリーブ部952を管状ハウジング930内に維持するために、管状ハウジング930に対して定位置に保持されることが容易に理解されるであろう。この位置的配置を維持するために、任意の好適な配置、例えば、内側スリーブ部952と管状ハウジング930との間の摩擦抵抗、内側スリーブ部952及び管状ハウジング930上のラッチ機構、往復突出部/凹部、戻り止めなどを使用することができる。管状ハウジングは、針マウント940を固定された長手方向位置に保持するが、針マウント940が装着部材942内で関節運動することを可能にする、2つの軸線方向に対向する凹部942(装着部材)を提供する。この装着配置は、ボールソケットジョイントを提供する。針は、最初に、阻止部材944によって中心長手方向軸に沿って保持される。ばね950は、内側スリーブ部952と一体である。
【0148】
安全針アセンブリ910を医療用注射器に取り付けることにより、(内側スリーブ部952に装着された)ばね950は、ばね950に荷重をかけるために、針マウント940に対して遠位に移動する。ばね950の先端は、フランジ936に向かって移動し、それに当接し、ばね950は、荷重をかけられ、針マウント940上に回転力を生成する。注射が行われ、遮蔽部914(外側遮蔽部)は、遮蔽位置に戻るように遠位に移動するか、又は移動される。注射手順中、阻止手段944(制御部材)は、遠位に移動し、遮蔽部914の遠位端に留まる。この位置では、阻止手段944はもはや針916を中心長手方向軸に沿って維持しない。この位置では、ばね950は、針マウント940を回転させるように付勢しているが、これは、非患者側端918とゴムシールとの係合によって打ち消される。医療用注射器からの安全針デバイス910のその後の取り外しは、この反作用係合を解放し、針マウント940は、ばね950の荷重により直ちに回転する。容易に理解されるように、内側スリーブ部952は、ばねによってフランジ936に及ぼされる付勢力を維持するために針マウント940に対して定位置に保持される。内側スリーブ部952を所定の位置に維持するために、例えば、内側スリーブ部952と管状ハウジング930との間の摩擦抵抗、ラッチ機構、内側スリーブ部952及び管状ハウジング930上の相補的な突出部/凹部/戻り止め又はカムプロファイルなどの任意の好適な配置を使用することができる。確認のために、安全針デバイス910が医療用注射器912から取り外されたときに針916が遮蔽位置に移動することを確実にするために、設定位置から(作動位置への)シフトは永続的である。
【0149】
本発明の第10の実施形態では、
図16及び
図17に示すように、針マウント1060は球状外側表面を含み、一体型板ばね1070は、針マウント1060の前方/遠位部分に作用/接触する。この実施形態では、カニューレ1012の非患者側端1015は、再び遮蔽位置に移動される。遮蔽位置では、カニューレ1012の非患者側端1015は、管状ハウジングの板ばね1070と同じ側に沿って配置される。板ばね1070が軸の遠位/前方の位置で針マウント1060に接触する場合、(管状ハウジングと一体の)板ばね1070は、
図16及び
図17を参照して反時計回り方向1002に針マウント1060を移動させることが理解されるであろう。逆に、板ばね1070が回転軸に対して近位/後方の位置で針マウント1060に接触した場合、針マウント1060は時計回りの方向に付勢される。この実施形態では、カニューレ1012の非患者側端1015は、円周/弧状経路1002の周りを移動し、分離距離は、第1の距離1096から第2の距離1098まで増加する。
【0150】
最後に、本発明の第11の実施形態が
図18に示されており、
図18は、針マウント1160が、一体ばねを有する管状ハウジング1120の中心長手方向軸1107からオフセットして配置された軸1104を中心に回転するように配置されていることを示す。針マウント1160の前部の外側表面1161は、再び、制御部材1180によって係合されるように配置されてもよい。回転軸1104は、依然として、管状部材の長手方向軸1105に沿って位置するが、この長手方向軸は、管状ハウジング1120の中心長手方向軸ではない。この実施形態では、軸又は回転1104のオフ設定位置は、遮蔽位置への移動時にカニューレ1112の非患者側端1115の後退距離1196、1198を増加させることができることが分かる。これは、非患者側端1115の弧状移動経路1102の長さが増加した結果であり、これにより、最終的な分離 距離1198が増加する。
【符号の説明】
【0151】
10、110、210、310、610、710、810、910 安全針アセンブリ
11、111、211、311、611、711、811 医療用注射器
12、112、212、612、1012、1112 両頭針/カニューレ
14、214 患者側端/遠位端
15、115、215、315、615 非患者側端/近位端
17 ハウジング
20、120、220、320、620、720、820 管状ハウジング
50 長手方向軸
52 固定軸
60、160、260、360、760、1060、1160 針マウント
64、65 アクスルラグ
170、270、370、950、1070 ばね/ばね手段
267、367、767、967 フランジ
【国際調査報告】