IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエヌエスエフ・レイルウェイ・カンパニーの特許一覧

特表2024-523061車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法
<>
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図1
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図2
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図3
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図4
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図5A
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図5B
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図6
  • 特表-車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-26
(54)【発明の名称】車輪衝撃負荷検出補償用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20240619BHJP
【FI】
B61L23/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576127
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022032806
(87)【国際公開番号】W WO2022265908
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/304,063
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520050554
【氏名又は名称】ビーエヌエスエフ・レイルウェイ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BNSF RAILWAY COMPANY
【住所又は居所原語表記】2500 Lou Menk Drive, AOB 3, Fort Worth, TX 76131, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ブラーレン、ハーク
(72)【発明者】
【氏名】フランク、ブライアン
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM12
(57)【要約】
鉄道車両の車輪内の欠陥を検出する車輪衝撃負荷検出システムが提示されている。システムは、レールに印加される最大力を判定するためにセンサ及び/又は測候所からデータを受け取ることが可能であり、且つ、その後に、環境条件を考慮するために、判定された最大力を較正することができる。これに加えて、本開示は、重大度レベルを割り当てることが可能であり、且つ、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することが可能であり、且つ、このような重大度レベルは、アラートの適切な優先順位付けを促進することができる。本発明の目的の1つは、鉄道トラフィックの不必要な停止を軽減するために、重大度レベルの割当の際に可変環境条件及び/又は可変レール張力を考慮するシステムを提供することにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪衝撃負荷検出センサデータに関係する鉄道アラートを生成するシステムであって、
車両及び軌道の少なくとも一部分に関係する複数のセンサデータ、閾値、及び仕様を有する第1データベースを有するメモリと、
前記メモリに動作自在に結合された且つプログラムステップを実行するために機械可読命令を実行する能力を有するネットワーク接続されたコンピュータプロセッサと、
を有し、
前記プログラムステップは、
前記軌道上の前記車両を検出するステップと、
環境データを受け取るステップと、
前記軌道に対して前記車両によって作用されている1つ又は複数の力に対応するセンサデータを受け取るステップと、
前記センサデータからオリジナル最大ピーク力を判定するステップと、
前記オリジナル最大ピーク力を第1力閾値と比較するステップと、
前記オリジナル最大ピーク力が前記第1力閾値を超過している場合に、前記環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定するステップと、
前記環境データが前記環境閾値を充足している場合に、前記プロセッサを介して、較正済みの最大ピーク力を生成するステップと、
重大度レベルを割り当てる際に、前記オリジナル最大ピーク力又は前記較正済みの最大ピーク力を利用するステップと、
前記重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、
を含み、
前記オリジナル最大ピーク力が前記第1力閾値未満である場合には、アラートは生成されない、システム。
【請求項2】
前記較正済みの最大ピーク力は、操作変数を使用して前記オリジナル最大ピーク力を正規化することにより、生成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プログラムステップは、
前記センサデータのプロットを生成するステップと、
前記センサデータに対応する前記プロット上の複数のポイントを比較するステップと、
前記プロット内の静的ピーク力傾向を認識するステップと、
前記静的ピーク力傾向を使用して重量値を判定するステップと、
前記オリジナル最大ピーク力及び前記重量値を使用して動的力値を算出するステップと、
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プログラムステップは、前記センサデータ精度の信頼レベルを判定するステップを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プログラムステップは、前記重大度レベルを割り当てる際に前記信頼レベルを利用するステップを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記重大度レベルは、前記オリジナル最大ピーク力又は前記較正済みの最大ピーク力の大きさ並びに前記信頼レベルに基づいて変化し得る、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記オリジナル最大ピーク力が前記第1力閾値を超過しており且つ前記較正済みの最大ピーク力が前記第1力閾値未満である場合に、前記重大度レベルは、前記重大度レベルを割り当てる際に前記較正済みの最大ピーク力が利用されたことを通知している、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記車両は、列車である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記環境データが前記環境閾値を充足していない場合には、前記重大度レベルを割り当てる際に前記オリジナル最大ピーク力が利用されており、且つ、
前記環境データが前記環境閾値を充足している場合には、前記重大度レベルを割り当てる際に前記較正済みの最大ピーク力が利用されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記環境データは、天候データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
車輪衝撃負荷検出において環境条件について補償する方法であって、
軌道上の車両を検出するステップと、
1つ又は複数のプロセッサを介して、日付、時刻、前記車両の方向、及び前記車両の車軸数を含む少なくとも1つのレコードを生成するステップと、
環境データを受け取るステップと、
前記軌道に結合された少なくとも1つの歪ゲージからセンサデータを受け取るステップと、
前記センサデータからオリジナル最大力値を判定するステップと、
前記オリジナル最大力値を第1力閾値と比較するステップと、
前記環境データが環境閾値を充足している場合に、前記1つ又は複数のプロセッサを介して、前記オリジナル最大力値を操作変数によって較正することにより、較正済みの最大力値を生成するステップと、
前記オリジナル最大力値が前記第1力閾値を超過している場合に、且つ、前記較正済みの最大力値が生成されなかった場合に、第1重大度レベルを割り当てるために前記オリジナル最大力値を利用するステップと、
前記オリジナル最大力値が前記第1力閾値を超過している場合に、且つ、前記較正済みの最大力値が生成された場合に、第2重大度レベルを割り当てるために前記較正済みの最大力値を利用するステップと、
前記第1又は第2重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、
前記少なくとも1つのレコードを更新するステップと、
を有し、
前記オリジナル最大力値が前記第1力閾値未満である場合には、前記少なくとも1つのレコードは、アラートを生成することなしに更新されている、方法。
【請求項12】
前記環境データは、温度を含み、且つ、前記環境閾値は、温度閾値である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記センサデータの精度における信頼レベルを判定するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記信頼レベルは、前記第1重大度レベルを割り当てるために、前記オリジナル最大力値と共に利用されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記信頼レベルは、前記第2重大度レベルを割り当てるために、前記較正済みの最大力値と共に利用されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
車輪衝撃負荷検出において環境条件によって生成される可変レール張力について補償する方法であって、
軌道上の車両を検出するステップと、
環境データを受け取るステップと、
前記軌道に結合された少なくとも1つの歪ゲージからセンサデータを受け取るステップと、
1つ又は複数のプロセッサを介して、前記センサデータから最大力値を判定するステップと、
前記最大力値が第1力閾値を超過している場合に、前記環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定するステップと、
前記最大力値が前記第1力閾値を超過している場合に、且つ、前記環境データが前記環境閾値を充足している場合に、第1重大度レベルを割り当てるステップと、
前記最大力値が前記第1力閾値を超過している場合に、且つ、前記環境データが前記環境閾値を充足していない場合に、第2重大度レベルを割り当てるステップと、
前記第1又は第2重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、
を有し、
前記最大力値が前記第1力閾値未満である場合には、アラートは生成されない、方法。
【請求項17】
前記第1又は第2重大度レベルを割り当てる際に信頼レベルを利用するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記環境閾値が充足されている場合に、前記信頼レベルが低減されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記環境閾値は、温度が0℃以下である際に充足されている、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記アラートが前記第1又は第2重大度レベルを含むことを通知するためにレコードを更新するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、鉄道インフラストラクチャにおける車輪衝撃負荷検出に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点の鉄道インフラストラクチャにおいては、一般に、鉄道軌道上を移動する車両の車輪の潜在的な欠陥について鉄道要員に通知するために車輪衝撃負荷検出システムが設置されている。一般に、車輪衝撃負荷検出システムは、レールに印加される歪又は応力を計測するように動作自在であるレールに結合された歪ゲージを含む。列車又はその他の車両が歪ゲージが装着されたレールの部分上を移動するのに伴って、歪ゲージは、車両によって生成される歪の増大を計測することができる。この歪の増大は、レールに対して車両の1つ又は複数の車輪によって作用される力の計測値に相関し得る。歪ゲージは、しばしば、特定のセクションのみではなく、所与の車輪の周囲全体に対応する力計測値の収集を許容するように、レールの十分な長さにわたって分散されている。
【0003】
鉄道車両には、車両と貨物の組み合わせられた合計重量が軌道及び車両インフラストラクチャの重量限度を超過しないことを保証するように慎重に負荷が印加されており、且つ、車両車輪又はこれらが移動するレールに欠陥が存在していない場合には、歪ゲージの計測値は、一般に、レール上を移動する列車がレールに対して許容可能な力を作用させていることを反映することになる。但し、車輪が欠陥(例えば、摺動又は転動疲労(mechanical shelling)、などによって生成されるフラット(flat))を有する場合には、その結果、欠陥を有する車輪を介して増大した力が車両によって軌道に印加される可能性がある。これらの力は、歪ゲージによって計測することが可能であり、且つ、最終的には、包括的な車輪衝撃負荷検出システムによって検出することが可能であり、これにより、潜在的な欠陥について鉄道要員に警告することができる。
【0004】
スケジュール及び供給タイムラインを充足するために列車の運動を維持するというニーズに起因して、鉄道システムは、しばしば、車輪の欠陥を通知する検出された車輪衝撃負荷を含む多くの潜在的な課題に対応するアラートを優先順位付けすることになる。いくつかのアラートは、深刻な問題を通知している可能性があり且つ車両が即座に停止及び検査されることを必要とする可能性がある一方で、いくつかのアラートは、列車が次に保守作業される時点まで検査を待つことができることを通知し得る。車輪衝撃負荷検出との関係において、このような優先順位付けは、一般には、歪ゲージによって検出される力の量に依存しており、力が大きいほど、アラートは相対的に深刻なものとなり、且つ、これに付与される優先順位も高くなる。この優先順位付けの一例として、米国鉄道協会(AAR)は、車輪衝撃負荷検出における様々な検出された力の値に対応する異なる懸念のレベルを公布しており、これらの力の値は、しばしば、「キップ(kip)」、即ち、千ポンド、を単位として計測されている。AARは、車輪のキップ値が90超である場合に、車輪は、「問題」を有する(即ち、鉄道にとって問題となり得る)と見なしている。AARからのガイドラインに加えて、鉄道は、しばしば、任意の所与の日付に生成され得る莫大な量のアラートを管理する際に自身を支援するために、問題を有する車輪用のその独自の内部優先順位システムを維持することになる。但し、鉄道運行に固有の時間制約は、誤った優先順位付けが鉄道運行の効率性及び生産性を破滅的なものとし得ることを意味している。従って、アラートの適切な優先順位付けを保証することは、車輪衝撃負荷検出システムの成功裡の且つ確実な実装のための鍵である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、環境条件を考慮することにより、アラートを優先順位付けし得る車輪衝撃負荷検出(WILD)用のシステム及び方法としての技術的利点を実現している。システムは、重大度レベルをアラートに割り当てる際に、環境条件(例えば、温度、圧力、湿度、など)によって生成されるレール張力の変動性を考慮することができる。システムは、軌道に対して車両によって作用される力を通知し得るデータを受け取ることが可能であり、環境条件を考慮するように受け取られたデータを較正することが可能であり、鉄道システムにおける優先順位付けを制御する重大度レベルを割り当てる際に較正済みのデータを利用することが可能であり、且つ、次いで、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。
【0006】
本開示は、生成されたアラートを優先順位付けする際に環境条件を考慮するように構成された車輪衝撃負荷検出システムを提供するという技術的問題を解決している。本開示は、受け取られたデータから値を算出することが可能であり、これにより、受け取られたデータを使用して関連する値を較正し、オリジナルのデータ又は較正済みのデータを使用する際を決定し、且つ、(適宜)適切な優先順位付けを促進するためにオリジナル又は較正済みの値を既定の閾値と比較している。また、このような専門的な処理は、例えば、寒波の際のレールの線形収縮に起因したレール張力の増大によって生成され得る誤って優先順位付けされたアラートを軽減することにより、鉄道システムの運行効率性の増大という利益を提供することができる。
【0007】
本開示は、センサ(例えば、歪ゲージ、ロードセル、加速度計、など)の近傍の環境条件に関係するデータに対して適合された専門的なアルゴリズムを実装することにより、システム自体の性能及び機能を改善している。システムは、受け取られた環境データに関係する環境条件に鑑み、受け取られたWILDセンサデータに関係する重大度レベルを割り当てることができる。対照的に、従来のシステムは、しばしば不完全であるデータに単純に依存しており、且つ、例えば、可変レール張力及び/又は線形収縮/膨張を考慮するためにフィードバック値に基づいて値を調節することなしに均一な条件を仮定しており、この結果、運行効率を減じ得る且つしばしばほぼ健全な鉄道車両の悲惨な停止をもたらし得る不適切に優先順位付けされたアラートをもたらしている。特定の実施形態において、開示されているWILDシステムは、データが較正される必要がある際を判定しているのみならず、較正によってアラートの重大度レベルを変更するべきかどうかを判定することもできる。
【0008】
開示されているWILDシステムは、データベース、クライアント、及び測候所との動作自在の通信状態にあるサーバーを含むことができる。WILDシステムは、更には、軌道に対して車両によって作用される1つ又は複数の力を計測するように設計された複数のセンサ又はゲージとの動作自在の接続状態にあり得る。WILDシステムは、車両の素性、検出の時刻及び日付、検出された際に車両が移動していた方向、車両の判定された重量、軌道に対して車両によって印加されている判定された最大力、車両の欠陥に帰され得る最大力の割合、及び検出の時点における環境条件を含む関連データを収容したレコードを生成することができる。
【0009】
車輪衝撃負荷検出及びアラート生成用のシステムを提供することが本開示の目的の1つである。車輪衝撃負荷検出に関係する優先順位付けされたアラートを生成する方法を提供することが本開示の更なる目的である。これらの及びその他の目的は、少なくとも以下の実施形態によって提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、車輪衝撃負荷検出センサデータに関係する鉄道アラートを生成するシステムは、車両及び軌道の少なくとも一部分に関係する複数のセンサデータ、閾値、及び仕様を有する第1データベースを有するメモリと、メモリに動作自在に結合された且つプログラムステップを実行するために機械可読命令を実行する能力を有するネットワーク接続されたコンピュータプロセッサと、を含むことが可能であり、プログラムステップは、軌道上の車両を検出するステップと、環境データを受け取るステップと、軌道に対して車両によって作用される1つ又は複数の力に対応するセンサデータを受け取るステップと、センサデータからオリジナル最大ピーク力を判定するステップと、オリジナル最大ピーク力を第1力閾値と比較するステップと、オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過している場合に、環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定するステップと、環境データが環境閾値を充足している場合に、プロセッサを介して、較正済みの最大ピーク力を生成するステップと、重大度レベルを割り当てる際にオリジナル最大ピーク力又は較正済みの最大ピーク力を利用するステップと、重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、を含み、且つ、オリジナル最大ピーク力が第1力閾値未満である場合には、アラートは生成されない。この場合に、較正済みの最大ピーク力は、操作変数を使用してオリジナル最大ピーク力を正規化することにより、生成されている。この場合に、プログラムステップは、センサデータのプロットを生成するステップと、センサデータと対応するプロット上の複数のポイントを比較するステップと、プロット内の静的ピーク力傾向を認識するステップと、静的ピーク力傾向を使用して重量値を判定するステップと、オリジナル最大ピーク力及び重量値を使用して動的力値を算出するステップと、を更に含むことができる。この場合に、プログラムステップは、センサデータ精度の信頼(confidence)レベルを判定するステップを更に含む。この場合に、プログラムステップは、重大度レベルを割り当てる際に信頼レベルを利用するステップを更に含む。この場合に、重大度レベルは、オリジナル最大ピーク力又は較正済みの最大ピーク力の大きさ並びに信頼レベルに基づいて変化し得る。この場合に、オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過しており、且つ、較正済みの最大ピーク力が第1力閾値未満である場合には、重大度レベルは、較正済みの最大ピーク力が重大度レベルを割り当てる際に利用されたことを通知している。この場合に、車両は、列車である。この場合に、環境データが環境閾値を充足していない場合には、重大度レベルを割り当てる際にオリジナル最大ピーク力が利用され、且つ、環境データが環境閾値を充足している場合には、重大度レベルを割り当てる際に較正済みの最大ピーク力が利用されている。この場合に、環境データは、天候データを含む。
【0011】
別の実施形態において、車輪衝撃負荷検出において環境条件について補償する方法は、軌道上の列車を検出するステップと、1つ又は複数のプロセッサを介して、日付、時刻、車両の方向、及び車両の車軸数を含む少なくとも1つのレコードを生成するステップと、環境データを受け取るステップと、軌道に結合された少なくとも1つの歪ゲージからセンサデータを受け取るステップと、センサデータからオリジナル最大力値を判定するステップと、オリジナル最大力値を第1力閾値と比較するステップと、環境データが環境閾値を充足している場合に、1つ又は複数のプロセッサを介して、操作変数によってオリジナル最大力値を較正することにより、較正済みの最大力値を生成するステップと、オリジナル最大力値が第1力閾値を超過しており、且つ、較正済みの最大力値が生成されなかった場合に、第1重大度レベルを割り当てるためにオリジナル最大力値を利用するステップと、オリジナル最大力値が第1力閾値を超過しており、且つ、較正済みの最大力値が生成された場合に、第2重大度レベルを割り当てるために較正済みの最大力値を利用するステップと、第1又は第2重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、少なくとも1つのレコードを更新するステップと、を含むことが可能であり、この場合に、オリジナル最大力値が第1力閾値未満である場合には、少なくとも1つのレコードは、アラートを生成することなしに更新されている。この場合に、環境データは、温度を含み、且つ、環境閾値は、温度閾値である。センサデータの精度における信頼レベルを判定するステップを更に含む。この場合に、信頼レベルは、第1重大度レベルを割り当てるために、オリジナル最大力値と共に利用されている。この場合に、信頼レベルは、第2重大度レベルを割り当てるために、較正済みの最大力値と共に利用されている。
【0012】
別の実施形態において、車輪衝撃負荷検出において環境条件によって生成される可変レール張力について補償する方法は、軌道上の車両を検出するステップと、環境データを受け取るステップと、軌道に結合された少なくとも1つの歪ゲージからセンサデータを受け取るステップと、1つ又は複数のプロセッサを介して、センサデータから最大力値を判定するステップと、最大力値が第1力閾値を超過している場合に、環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定するステップと、最大力値が第1力閾値を超過しており、且つ、環境データが環境閾値を充足している場合に、第1重大度レベルを割り当てるステップと、最大力値が第1力閾値を超過しており、且つ、環境データが環境閾値を充足していない場合に、第2重大度レベルを割り当てるステップと、第1又は第2重大度レベルを含むアラートを生成するステップと、を含むことが可能であり、この場合に、最大力値が第1力閾値未満である場合には、アラートは生成されない。第1又は第2重大度レベルを割り当てる際に信頼レベルを利用するステップを更に含む。この場合に、環境閾値が充足されている場合には、信頼レベルは低減されている。この場合に、環境閾値は、温度が0℃以下である際に充足されている。アラートが第1又は第2重大度レベルを含むことを通知するためにレコードを更新するステップを更に含む。
【0013】
本開示については、例として本開示の原理を示す添付図面との関連において提供される以下の詳細な説明により、容易に理解することができよう。図面は、本開示の1つ又は複数の実施形態の設計及び有用性を示しており、この場合に、同一の要素は、同一の参照番号又は符号によって参照されている。図面中の物体及び要素は、必ずしも、正確な縮尺、割合、又は正確な位置関係性において描かれてはいない。その代わりに、本開示の原理の例示に重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による例示用の車輪衝撃負荷検出システム概略図を示す。
図2】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの例示用のブロック図を示す。
図3】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムフロー制御ロジックを例示するフローチャートを示す。
図4】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの制御ロジックを例示するフローチャートを示す。
図5A】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの制御ロジックを例示したフローチャートを示す。
図5B】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの制御ロジックを例示したフローチャートを示す。
図6】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの制御ロジックを例示したフローチャートを示す。
図7】本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システムの制御ロジックを例示したフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面において含まれている且つ後続する説明において詳述されている非限定的な例を参照することにより、以下の記述説明において提示されている本開示の好ましいバージョン及びその様々な特徴及び有利な詳細について更に十分に説明する。本明細書において記述されている主要な特徴を不必要に曖昧にしないように、周知のコンポーネントに関する説明は省略されている。以下の説明において使用されている例は、本開示が実装及び実施され得る方法の理解を促進することを意図したものである。従って、これらの例は、請求項の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0016】
図1は、本開示の1つ又は複数の実施形態による車輪衝撃負荷検出(WILD)システム100の概略図を示している。システム100は、データベース104に動作自在に結合された1つ又は複数のサーバー102を含むことができる。サーバー102は、ネットワーク接続106を介して1つ又は複数のクライアント110、112、114、116に動作自在に結合することができる。クライアントは、物理的装置(例えば、携帯電話機116、コンピュータ110、112、タブレット114、ウェアラブル装置、又はその他の適切な装置)、プログラム、又はアプリケーションであり得る。別の実施形態において、サーバー102は、ネットワーク106を介して測候所108に動作自在に結合することができる。例えば、測候所108は、温度計、バロメータ、ゲージ、又は環境データの収集のための任意のその他の適切なセンサなどの天候に関係するセンサの集合体であり得る。別の例において、測候所108は、環境データを受け取り且つ/又は取得する且つ環境データをサーバー102に送信する能力を有するサーバーとの動作自在の接続状態にあるネットワーク接続されたコンピュータ108であり得る。WILDシステム100は、鉄道コンポーネント内の欠陥の検出を促進するために鉄道システム又は鉄道インフラストラクチャと一体化させることができる。当業者は、WILDシステム100によって包含されている検出、キャプチャされたデータ、計測値、判定、アラート、などは、主にネットワーク106又はその他の動作自在の接続を介して鉄道システムに伝達することが可能であり且つ/又はこれからアクセス可能であり得ることを理解するであろう。一実施形態において、サーバー102は、機械可読命令120を含むことが可能であり、別の実施形態においては、サーバー102は、機械可読命令120にアクセスすることができる。別の実施形態において、機械可読命令は、車両検出モジュール122、環境データキャプチャモジュール124、地理測位モジュール126、車両データキャプチャモジュール128、力判定モジュール130、力較正モジュール132、アラート生成モジュール134、及び/又はアラート供給モジュール136に関係する命令を含むことができる。
【0017】
上述のシステムコンポーネント(例えば、1つ又は複数のサーバー102、測候所108、及び1つ又は複数のクライアント110、112、114、116、など)は、データが送信され得るように、ネットワーク140を介して互いに通信自在に結合することができる。ネットワーク106は、インターネット、イントラネット、又はその他の適切なネットワークであり得る。データ送信は、VPNトンネル又はその他の適切な通信手段上において暗号化/非暗号化することができる。ネットワーク106は、WAN、LAN、PAN、又はその他の適切なネットワークタイプであり得る。クライアント、サーバー102、又は任意のその他のシステムコンポーネントの間のネットワーク通信は、PGP、Blowfish、Twofish、AES、3DES、HTTPS、又はその他の適切な暗号化を使用して暗号化することができる。システム100は、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、PCI、PCI-Express(登録商標)、ANSI-X12、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はその他の適切な通信プロトコル又は媒体を介して、本明細書において開示されている様々なシステム、コンポーネント、及びモジュールを介して通信を提供するように構成することができる。これに加えて、サードパーティシステム及びデータベースをネットワーク106を介してシステムコンポーネントに動作自在に結合することもできる。
【0018】
システム100のコンポーネント(例えば、サーバー102、測候所108、及びクライアント)との間において送信されるデータは、JSON(JavaScript Object Notation)、TCP/IP、XML、HTML、ASCII、SMS、CSV、REST(representational state transfer)、又はその他の適切なフォーマットを含む任意のフォーマットを含むことができる。データ送信は、メッセージ、フラグ、ヘッダ、ヘッダプロパティ、メタデータ、及び/又はボディを含むことが可能であり、或いは、これらを有する任意の適切なフォーマットによってカプセル化及びパッケージ化することもできる。
【0019】
1つ又は複数のサーバー102は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれを目的としたハードウェアとソフトウェアの任意の適切な組合せにおいて実装することが可能であり、且つ、メモリ104に対するアクセスを伴う状態において1つ又は複数のプロセッサ118を有する1つ又は複数サーバー上において動作する1つ又は複数のソフトウェアシステムを有することができる。1つ又は複数のサーバー102は、電子ストレージ、1つ又は複数のプロセッサ、及び/又はその他のコンポーネントを含むことができる。1つ又は複数のサーバー102は、ネットワーク106及び/又はその他の演算プラットフォームを介した情報の交換を可能にするために通信ライン、接続、及び/又はポートを含むことができる。また、1つ又は複数のサーバー102は、本明細書において1つ又は複数のサーバー102に帰属させられている機能を提供するように協働する複数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアコンポーネントを含むことができる。例えば、1つ又は複数のサーバー102は、Software-as-a-Service(SaaS)及びPlatform-as-a-Service(PaaS)機能を含む1つ又は複数のサーバー102として協働する演算プラットフォームのクラウドによって実装することができる。これに加えて、1つ又は複数のサーバー102は、その内部にメモリ104を含むこともできる。
【0020】
メモリ104は、情報を電子的に保存する一時的ではないストレージ媒体を含み得る電子ストレージを有することができる。電子ストレージの電子ストレージ媒体は、1つ又は複数のサーバー102と共に(例えば、実質的に非着脱自在に)一体的に提供され得るシステムストレージ及び/又は例えばポート(例えば、USB(登録商標)ポート、ファイアワイヤポート、など)又はドライブ(例えば、ディスクドライブ、など)を介して1つ又は複数のサーバー102に着脱自在に接続可能であり得る着脱自在のストレージのうちの一方又は両方を含むことができる。電子ストレージは、光学的に判読可能なストレージ媒体(例えば、光学ディスク、など)、磁気的に判読可能なストレージ媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ、など)、電荷に基づいたストレージ媒体(例えば、EEPROM、RAM、など)、半導体ストレージ媒体(例えば、フラッシュドライブ、など)、及び/又はその他の電子的に判読可能なストレージ媒体の1つ又は複数を含むことができる。電子ストレージは、1つ又は複数の仮想ストレージリソース(例えば、クラウドストレージ、仮想プライベートネットワーク、及び/又はその他の仮想ストレージリソース)を含むことができる。電子ストレージは、データベース、或いは、パブリック又はプライベート分散型レジャー(例えば、ブロックチェーン)を含むことができる。電子ストレージは、機械可読命令120、ソフトウェアアルゴリズム、制御ロジック、1つ又は複数のプロセッサによって生成されたデータ、1つ又は複数サーバーから受け取られたデータ、1つ又は複数の演算プラットフォームから受け取られたデータ、及び/又は1つ又は複数のサーバーが本明細書において記述されているように機能することを可能にし得るその他のデータを保存することができる。また、電子ストレージは、ネットワーク106を介してアクセス可能であるサードパーティデータベースを含むこともできる。
【0021】
1つ又は複数のプロセッサ118は、1つ又は複数のサーバー102内においてデータ処理能力を提供するように構成することができる。従って、1つ又は複数のプロセッサ118は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は、FPGA又はASICなどの情報を電子的に処理するその他のメカニズムの1つ又は複数を含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ118は、単一エンティティであることが可能であり、或いは、複数の処理ユニットを含むこともできる。これらの処理ユニットは、同一装置内において物理的に配置することも可能であり、或いは、1つ又は複数のプロセッサ118は、単独で又は協働して動作する複数の装置又はソフトウェア機能の処理機能を表すこともできる。
【0022】
1つ又は複数のプロセッサ118は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアのなんらかの組合せ、並びに/或いは、1つ又は複数のプロセッサ118上において処理能力を構成するその他のメカニズムを介して機械可読命令106又は機械学習モジュールを実行するように構成することができる。本明細書において使用されている「機械可読命令」という用語は、機械可読命令コンポーネント120に帰属させられている機能を実行する任意のコンポーネント又はコンポーネントの組を意味し得る。これは、プロセッサ可読命令の実行の際の1つ又は複数の物理的プロセッサ118、プロセッサ可読命令、回路、ハードウェア、ストレージ媒体、又は任意のその他のコンポーネントを含むことができる。
【0023】
1つ又は複数のサーバー102は、1つ又は複数の機能モジュールを有する機械可読命令120により、構成することができる。機械可読命令120は、メモリ104に対するアクセスを伴う状態において1つ又は複数のプロセッサ118を有する1つ又は複数のサーバー102上において実装することができる。機械可読命令120は、単一のネットワーク接続されたノードであることも可能であり、或いは、複数のネットワーク接続されたノードの分散型アーキテクチャを含み得る機械クラスタであることもできる。機械可読命令120は、以下において更に詳述されているように、様々な機能を実装するために制御ロジックを含むことができる。機械可読命令120は、WILDシステム100と関連する特定の機能を含むことができる。これに加えて、機械可読命令120は、データを処理し得る、データを判読し得る、且つ、データをデータベース、分散型レジャー、又はブロックチェーンに書き込み得るスマートコントラクト又はマルチシグネチャコントラクトを含むことができる。
【0024】
図2は、本開示の1つ又は複数の例示用の実施形態による車輪衝撃負荷検出システム200の概略図を示している。WILDシステム200は、WILDデータキャプチャシステム202と、WILD較正システム204と、アラート管理システム206と、を含むことができる。例示用の一実施形態において、WILDデータキャプチャシステム202は、車両検出モジュール122と、環境データキャプチャモジュール124と、地理測位モジュール126と、車両データキャプチャモジュール128と、を含むことができる。車両検出モジュール122、環境データキャプチャモジュール124、地理測位モジュール126、及び車両データキャプチャモジュール128は、認識、場所取得、及び検出アルゴリズムを含む車輪衝撃負荷検出に関係するデータキャプチャを促進するために1つ又は複数のアルゴリズムを実装することができる。一実施形態において、WILDデータキャプチャシステム202は、軌道上の車両の検出の際に起動するように、且つ、その後に、車両、軌道、及び環境に関係する無数のデータをキャプチャするように、構成することができる。
【0025】
一実施形態において、車両検出モジュール122は、軌道の少なくとも一部分上において車両(例えば、列車又はその他のレール移動車両)を検出することができる。例えば、WILDデータキャプチャシステム202は、歪ゲージ、カメラ、LIDAR、レーダー、又は軌道上の運動(並びに/或いは、位置)を検出するのに適する任意のその他の装置又はメカニズムとの動作自在の通信状態にあることが可能であり、且つ、車両検出モジュール122は、これらのコンポーネントからデータを受け取るように且つ車両が存在しているかどうかを判定するように構成することができる。別の実施形態において、環境データキャプチャモジュール202は、環境データ(例えば、環境条件に関係するデータ)を受け取るように且つ/又は取得するように構成することができる。例えば、WILDデータキャプチャシステム202は、その他のものに加えて、温度、降水量、圧力、及び湿度などの天候条件に関係するデータを収集、保存、及び提供し得る測候所108との動作自在の接続状態にあり得る。一例において、車両検出モジュール122による車両の検出は、環境データキャプチャモジュール124が車両が検出された時間ウィンドウに対応する環境データを受け取り得るように、環境データキャプチャモジュール124を起動することができる。別の実施形態において、測候所108は、キャプチャされた環境データをサーバー102に(有線又は無線で)定期的に送信することができる。別の実施形態において、測候所108は、測候所108上において保存されている1つ又は複数の閾値に基づいて(有線又は無線で)環境データをサーバー102に非同期方式で送信することができる。
【0026】
別の実施形態において、地理測位モジュール126は、検出された車両及び/又は軌道の場所を受け取る、取得する、生成する、送信する、及び/又は保存する、ように構成することができる。例えば、WILDデータキャプチャシステム202は、車両検出モジュール122が車両を検出した際に地理測位モジュール126が全地球測位システムから車両の場所を受け取り得るように、車両の場所を追跡し得る全地球測位システムと動作自在に結合することができる。別の実施形態において、WILDデータキャプチャシステム202は、システム200内において送信され得る静的場所を維持するセンサ及びその他のコンポーネントと動作自在に結合することができる。例えば、車両検出モジュール122は、結合されたセンサを介して車両を検出することが可能であり、且つ、検出の際に、地理測位モジュール126は、結合されたセンサから場所を受け取ることができる。別の実施形態において、地理測位モジュール126は、地理測位モジュール126が車両検出モジュール122からの検出と関連付けることができる複数の車両、軌道、センサ、又はその他のコンポーネントに対応する複数の保存されている場所を取得することができる。別の実施形態において、地理測位モジュール126は、検出された車両及び/又は車両が移動している軌道の一部分の場所などの場所を別のシステム(例えば、サードパーティシステム)に送信することができる。
【0027】
別の実施形態において、車両データキャプチャモジュール128は、車両固有のデータをキャプチャするように構成することができる。例えば、車両データキャプチャモジュール128は、例えば、車両上のRFIDチップからのデータの受取りを促進し得るRFIDリーダーと動作自在に結合することができる。別の実施形態において、RFIDチップは、日付、時刻、車両の車軸数、車両の識別、車両が移動している方向、及び/又は車両が支承している負荷を含むことができる。別の実施形態において、RFIDチップは、車両が存在していた場所、車両が現時点において配置されている場所、及び車両が向かっている場所に関係する複数のデータを含むことができる。別の例において、車両データキャプチャモジュール128は、歪ゲージ、カメラ、レーダー、などのような車両に関係するデータをキャプチャするのに適した任意のその他の装置又はコンポーネントに動作自在に結合することができる。例えば、車両データキャプチャモジュール128は、車両の連番又はその他の識別情報を検出し得るカメラと結合することができる。車両データキャプチャモジュール128は、例えば、レール又は軌道に印加される応力を計測し得るセンサからデータを受け取ることができる。別の実施形態において、車両データキャプチャモジュール128は、軌道上の車両の通過によって変化することに伴って応力を計測し得る軌道のレールに結合された歪ゲージからデータを受け取ることができる。別の例において、車両データキャプチャモジュール128は、レール上において移動する車両などによってレールに印加される力を計測し得る任意の1つ又は複数のセンサからデータを受け取ることができる。別の実施形態において、車両データキャプチャモジュール128は、既定の時間期間にわたって1つ及び/又は複数のレールに印加される力に関係するデータを受け取ることができる。
【0028】
別の実施形態において、WILD衝撃負荷検出システム200は、WILD較正システム204を含むことができる。WILD較正システム204は、力判定モジュール130と、力較正モジュール132と、を含むことができる。一実施形態において、力判定モジュール130は、WILDデータキャプチャシステム202からデータを受け取るように且つ軌道及び/又はレールの一部分に印加された1つ及び/又は複数の力を判定する際にデータを使用するように、構成することができる。例えば、力判定モジュール130は、車両データキャプチャモジュール128からデータを受け取ることが可能であり、別の例においては、力判定モジュール130は、特定の単位を有するデータを受け取ることが可能であり、且つ、データを力の単位を反映するように変換することができる。一実施形態において、力判定モジュール130は、車両データキャプチャモジュール128によってキャプチャされた複数のセンサデータを受け取ることが可能であり、且つ、センサによって検出されるレールに印加された最大力(最大ピーク力)(オリジナル最大力)(オリジナル最大ピーク力)を判定するためにセンサデータを使用することができる。一実施形態において、力判定モジュール130は、判定された最大力から、車両の重量及び衝撃力を判定することができる。別の実施形態において、力判定モジュール130は、センサデータのプロットを生成するように且ついくつかの関連する力計測値に対応し得るプロット内の傾向を識別するように構成することができる。例えば、且つ、一実施形態において、力判定モジュール130は、時間に伴う計測された力の大きさを表示するグラフにおいて静的ピーク力傾向及び最大力を示すプロットを生成することができる。
【0029】
一実施形態において、力判定モジュール130は、センサデータを検討することが可能であり、且つ、(その一例が以上において示されている)静的ピーク力傾向を認識することができる。一実施形態において、静的ピーク力傾向は、最も大きなインスタンスを有する(誤差のマージン内の)計測値を意味し得る。別の実施形態において、力判定モジュール130は、判定された車両の重量を得るために傾向内において配置されたプロットポイントのすべてを平均化するなどにより、レール上の車両の重量を判定するために静的ピーク力傾向及び/又はセンサデータを使用することができる。別の実施形態において、力判定モジュール130は、データをプロットすることなしにデータ内の傾向(例えば、静的ピーク力傾向)を認識するように構成することができる。
【0030】
別の実施形態において、力判定モジュール130は、車両の重量とレールに対する力の印加に参画している車輪、レール、車両、又はその他のコンポーネント内の不完全性又は欠陥によって生成され得るものなどの衝撃力(動的力)の間を弁別することができる。例えば、静的ピーク力傾向は、車両の重量と相関することが可能であり、その理由は、車両の車輪の大半は一般に欠陥を有していない可能性があるからであり、車輪を介して軌道に対して車両によって作用される力は、車輪の無傷の部分が車両の重量を支持するのに伴って、ほとんど不変の状態に留まり得る。別の例において、車輪が軌道上において回転し且つ軌道と車両の間において車輪の欠陥を配置するのに伴って、レールに対して車両によって作用される力は、増大することが可能であり、且つ、静的ピーク力傾向からの(その頂点が最大力値と見なされ得る)このような増大は、動的力と相関し得る。別の例において、力判定モジュールは、動的力を判定する際に判定された車両の重量及び車両の最大力を利用することができる。例えば、一実施形態において、最大力値から車両重量を減算することは、動的力値をもたらし得る。
【0031】
別の実施形態において、WILD較正システム204は、力較正モジュール132を含むことができる。力較正モジュール132は、環境条件を考慮するなどのために、力判定モジュール130によって判定された力値を較正するべく、力判定モジュール130及びWILDデータキャプチャシステム202からのデータを使用するように構成することができる。例えば、力較正モジュール132は、力判定モジュール130から最大力値を受け取ることができると共に、WILDデータキャプチャシステム202から天候データを受け取ることが可能であり、且つ、受け取られた天候データを考慮するために最大力値をアルゴリズム的に調節/較正することができる。一実施形態において、力較正モジュール132は、温度の変化を考慮するように最大力値を較正することができる。例えば、力較正モジュール132は、寒波に起因したレールの線形収縮によって生成され得るものなどのレール張力の増大を考慮するために、(例えば、アラート重大度レベル割当、生成、及び供給を目的として)最大力値を調節するように構成することができる。別の例において、力較正モジュール132は、温暖な天気に起因したレールの線形膨張によって生成され得るものなどのレール張力の減少を考慮するために最大力値を調節するように構成することができる。別の実施形態において、力較正モジュール132は、限定を伴うことなしに、温度、圧力、湿度、風速、降水量、UV指標、及び暴風パターンを含む任意の環境条件を補償又は考慮するために力判定モジュール130によって判定された最大力値を調節するように構成することができる。
【0032】
一実施形態において、力較正モジュール132は、操作変数を使用して最大力値を較正することができる。例えば、力較正モジュール132は、補償されている条件に応じて変化し得る操作変数を実装する数式を適用することができる。別の実施形態において、操作変数は、特定の温度閾値に対応し得る定数であり得る。別の実施形態において、操作変数は、レール内の材料に対応する定数であり得る。別の実施形態において、操作変数は、特定の温度におけるレールの通常の線形膨張又は収縮に対応する定数であり得る。一実施形態において、力較正モジュール132は、以下の式を利用することができる。
【数1】
【0033】
一実施形態において、Koriginalは、力判定モジュール130によって判定された最大力値を意味し得る。別の実施形態において、Koriginalは、「キップ」を単位とする値、即ち、千ポンドを単位とする計測値、を含み得る(例えば、1キップ=1000lbsである)。別の実施形態において、Kadjustedは、較正及び/又は調節済みの最大力値を意味し得る。別の実施形態において、Vは、操作変数であり得る。一実施形態において、Vは、0.001000~0.0018000の範囲であり得る。別の実施形態において、Vは、-0.004000~-0.005500の範囲であり得る。別の実施形態において、Vは、-0.0048809に等しいことが可能であり、別の実施形態において、Vは、0.001604に等しいものであり得る。別の実施形態において、操作変数は、0°Fにおける100キップ値が90キップに下方に調節され得るなどの関係性を設定することにより、導出することができる。一実施形態において、Vの値は、補償されている温度(例えば、高温又は低温)に応じて変化し得る。また、別の実施形態において、Vは、温度閾値に応じて変化し得る。別の実施形態において、温度閾値は、寒冷な又は温暖な天気が補償されているのかどうかに応じて変化し得る。例えば、温度閾値は、相対的に暖かい天気に起因したレール張力の減少を考慮するように設計することが可能であり、且つ、°Fdeviation from temperature thresholdは、温度閾値(一例として、100°F)超の度数の数値を意味し得る。例えば、温度が110°Fであり且つ温度閾値が100°Fである場合には、°Fdeviation from temperature thresholdとして、整数「10」を挿入することができる。別の実施形態において、上述の式は、凍結未満の温度(例えば、水の氷点下)を考慮するために最大力値を較正するように、以下のように変更することができる。
【数2】
【0034】
別の実施形態において、力較正モジュール132は、所定の環境条件が存在している時間の量を考慮することができる。例えば、温度が設定された時間の量(例えば、2時間)にわたって温度閾値超又は未満である(或いは、さもなければ、温度閾値を充足している)場合に、力較正モジュール132は、この持続時間及び温度を考慮するように最大力値を更に較正することができる。一実施形態において、力較正モジュール132は、オリジナルの最大力値との比較において、相対的に長い時間の期間にわたって存在する相対的に高温の温度を考慮するように増大した較正済みの最大力値を提供することが可能であり、且つ、相対的に長い時間の期間にわたって存在する相対的に低温の温度を考慮するように、減少した較正済みの最大力値を提供することができる。一実施形態において、力較正モジュール132は、温度が凍結未満に降下した又は温度が100°F超に上昇した場合にのみ、最大力値を較正することができる。
【0035】
別の実施形態において、車輪衝撃負荷検出システム200は、アラート管理システム206を含むことができる。アラート管理システム206は、アラート生成モジュール134と、アラート供給モジュール136と、を含むことができる。別の実施形態において、アラート生成モジュール134は、WILDデータキャプチャシステム202及び/又はWILD較正システム204からデータを受け取ることができる。例えば、アラート生成モジュール134は、車両が検出されたこと、車両の場所、環境条件、及び/又は車両の素性を受け取ることができる。別の例において、アラート生成モジュール134は、最大力値(並びに/或いは、較正済みの最大力値)を受け取ることが可能であり、且つ、(較正済みの)最大力値が1つ又は複数の力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。別の実施形態において、アラート生成モジュール134(並びに/或いは、力判定モジュール130)は、1つ又は複数のシステム及び/又はセンサから受け取られたデータにおける信頼レベルを判定することができる。別の実施形態において、アラート生成モジュール134は、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成するために、受け取られたデータを利用することができる。例えば、アラートには、(較正済みの)最大力値及び信頼レベルに基づいて重大度レベル(例えば、レベル1~3)を割り当てることが可能であり、以下には、その表化された例が示されている。
【0036】
【表1】
【0037】
一実施形態において、重大度レベルは、アラートに対処するために推奨されるアクションを鉄道システムに通知することができる。例えば、レベル1アラートは、車両が即座に停止及び検査されるべきであることを通知し得る。別の例において、レベル2アラートは、次のスケジューリングされている検査の時点まで(例えば、車両の車輪及び/又は車軸の)検査を待つことができることを通知し得る。別の例において、レベル3アラートは、車両の貨物が完全に空になる時点まで且つ/又はオフライン状態となる前の機械施設へのその最後の訪問の時点まで検査を待つことができることを通知し得る。別の実施形態において、複数のその他のアラートの重大度レベルが可能である。例えば、日和見的アラートは、車両が異なる問題について補修を受けている際にのみ、車両(或いは、例えば、車輪などの車両の特定の部分)が検査を必要としていることを通知し得る。別の例において、レベル4アラートは、アラート重大度が環境条件用の較正の結果として調節されたことをレベル4アラートが鉄道システムに通知し得るように、アラート生成モジュール134がアラートの生成の際に(例えば、オリジナル最大力の代わりに)較正済みの最大力を利用したことを通知し得る。別の実施形態において、レベル4アラートは、較正済みの最大力値が力閾値未満に降下した一方で、オリジナル最大力値が力閾値を超過していることを通知し得る。別の実施形態において、レベル4アラートは、日和見的アラートと同一の推奨されるアクションを通知し得るが、アラートが環境条件を考慮することによって生成されたことを鉄道システムに更に通知することができる。
【0038】
別の実施形態において、アラート生成モジュール134によって生成されるアラートの重大度レベルは、(較正済みの)最大力値に少なくとも部分的に基づいたものであり得る。一例として、且つ、上述の表を参照すれば、140以上のキップ値(例えば、140,000lbs)は、「最高重大」として分類することが可能であり、120~140のキップ値は、「重大」であることが可能であり、且つ、90~120のキップ値は、「最低重大」であり得る。別の実施形態において、80~90のキップ値は、日和見的アラートを生成することができる。上述のものの代わりに、その他のキップ値又は(較正済みの)最大力値をこれらのカテゴリにおいて利用することができる。別の実施形態において、アラート生成モジュール134は、重大度レベルを割り当てる際にいくつかの力閾値及び信頼閾値を利用することができる。例えば、最大力値が第1力閾値(例えば、80キップ)未満に降下した場合に、アラート生成モジュール134は、信頼レベルを考慮することなしに、アラートを生成しないように判定することができる。別の例において、信頼レベルが第1信頼閾値(例えば、15%)未満に降下した場合に、アラート生成モジュール134は、最大力値を考慮することなしに、アラートを生成しないように判定することができる。別の実施形態において、アラート生成モジュール134は、生成されたアラート用の重大度レベルを割り当てるために、いくつかの力及び/又は信頼閾値を利用することができる。
【0039】
別の実施形態において、アラート管理システム206のアラート供給モジュール136は、鉄道システムの全体を通じてアラートを送信することができる。例えば、アラート供給モジュール136は、アラート生成モジュール134から、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを受け取ることが可能であり、且つ、アラートをネットワーク又はアラート供給モジュール136との動作自在の接続状態にある要員、ネットワーク接続されたサーバー、又は任意のその他のコンポーネントに伝達することができる。一実施形態において、アラート供給モジュール136は、メッセージ、レコード、或いは、通信の任意のその他の適切な形態を介してアラートを送信することができる。別の実施形態において、アラート供給モジュール136は、生成されたアラートによってレコードを更新することができる。
【0040】
図3は、本開示の例示用の一実施形態による車輪衝撃負荷検出(WILD)の方法の機能を実施する制御ロジックを例示したフローチャート図300を示している。WILD制御ロジック300は、サーバー(例えば、サーバー102)、機械学習モジュール、又はその他の適切なシステム上においてアルゴリズムとして実装することができる。これに加えて、WILD制御ロジック300は、WILDキャプチャシステム202(対応するモジュール122、124、126、及び128を有する)、WILD較正システム204(対応するモジュール130及び132を有する)、及びアラート管理システム206(対応するモジュール134及び136を有する)を含むWILDシステム200の1つ又は複数の特徴を実装又は内蔵することができる。WILD制御ロジック300は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ネットワーク接続、ネットワーク転送プロトコル、HTML、DHTML、JavaScript(登録商標)、Dojo、Ruby、Rails、その他の適切なアプリケーション、又はこれらの適切な組合せによって実現することができる。
【0041】
WILD制御ロジック300は、データを同時に処理することにより、複数のプロセス及びスレッドを生成するためにコンピュータプラットフォームの能力を活用することができる。WILD制御ロジック300の速度及び効率性は、車輪衝撃負荷検出を促進するために複数のプロセスをインスタンス生成することにより、格段に改善されている。但し、プログラミングの当業者は、単一処理スレッドの使用も、利用され得ると共に、本開示の範囲に含まれていることを理解するであろう。
【0042】
本実施形態のWILD制御ロジック300のプロセスフローは、ステップ302において開始しており、ここでは、制御ロジック300がインスタンス生成している。一実施形態において、制御ロジック300は、鉄道軌道上の且つ/又はその近傍のセンサ又はその他のデータ収集装置からデータを受け取るように構成することが可能であり、且つ、ステップ302における制御ロジック300のインスタンス生成は、予期されるデータを受け取り且つ処理するように、制御ロジック300を準備させることができる。次いで、制御ロジックは、ステップ304に進んでいる。
【0043】
ステップ304において、制御ロジック300は、軌道の特定の部分に沿って通過している列車を検出することができる。例えば、制御ロジック300は、列車が通過していることを通知するデータをモーションセンサから受け取ることが可能であり、別の実施形態においては、制御ロジック300は、列車が軌道の一部分上において力を作用させていることを通知するデータを歪ゲージから受け取ることができる。一実施形態において、ステップ302は、車両検出モジュール122に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。次いで、制御ロジック300は、ステップ306及び308に進んでいる。
【0044】
ステップ306において、制御ロジック300は、天候データなどの環境データをキャプチャすることができる。一実施形態において、ステップ306は、環境データキャプチャモジュール124に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、ステップ306は、測候所(例えば、測候所108)から天候データを受け取るステップを含むことができる。別の実施形態において、ステップ306は、周辺温度の計測値などの1つ又は複数の温度計測値を受け取るステップを含むことができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ310に進んでいる。
【0045】
ステップ310において、制御ロジック300は、温度閾値が充足されているかどうかを判定することができる。一実施形態において、温度閾値は、温度(例えば、ステップ306において受け取られた温度)が既定の1つ又は複数の温度未満である、これ超である、且つ/又はこれに等しい、場合に充足され得る。例示用の一実施形態において、温度閾値は、ステップ306における温度(例えば、周辺温度)が32°F未満である場合に充足されている。温度閾値が充足されている場合には、制御ロジック300は、ステップ316に進んでいる。温度閾値が充足されていない場合には、制御ロジック300は、ステップ336に進んでいる。
【0046】
ステップ308において、制御ロジック300は、車輪衝撃負荷検出(WILD)データをキャプチャすることができる。一実施形態において、ステップ308は、車両データキャプチャモジュール128及び/又は地理測位モジュール126に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、制御ロジック300は、列車の素性、計測値(例えば、軌道上の歪及び/又は応力の計測値)、列車の場所、及びその他の関連データを受け取ることができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ312及び314に進んでいる。
【0047】
ステップ314において、ステップ308においてキャプチャされたデータをアラートシステム(例えば、アラート管理システム206)に転送及び/又は送信することができる。例えば、且つ、一実施形態において、制御ロジック300は、データを含むレコードを生成することが可能であり、且つ、アラートシステムによるアラートの生成を促進するなどのために、レコードをアラートシステムに送信することができる。別の実施形態において、制御ロジック300は、データを伝達するアラートシステムにメッセージを送信することができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ318に進んでいる。
【0048】
ステップ318においては、アラートシステムに314に転送されたデータをアラートシステムデータベース又は制御ロジック300との動作自在の接続状態にある任意のその他のデータベース内において保存することができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ332に進んでいる。
【0049】
ステップ332において、制御ロジック300は、ステップ318においてデータベース内において保存されたデータを使用してアラートを生成及び公開することができる。一実施形態において、ステップ332は、力判定モジュール130、アラート生成モジュール134、及び/又はアラート供給モジュール136に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。例えば、制御ロジック300は、最大ピーク(例えば、ステップ312において判定される最大ピークなどの最大力)を判定することが可能であり、最大力を既定の力閾値と比較することが可能であり、且つ、アラートが生成及び公開されるべきかどうかを判定することができる。また、制御ロジック300は、最大ピーク及び既定の力閾値に少なくとも部分的に基づいて332において重大度レベルをアラートに割り当てることができる。一実施形態において、アラートは、推奨されるアクションについて要員に通知するために鉄道システムに公開することができる。
【0050】
ステップ312において、制御ロジック300は、オリジナル最大ピーク(オリジナル最大ピーク力)を判定することができる。一実施形態において、ステップ312は、力判定モジュール130に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、オリジナル最大ピークは、ステップ308においてキャプチャされたデータから判定され得るオリジナル最大力を意味し得る。例えば、ステップ312において、制御ロジック300は、重大度レベルをアラートに割り当てる際に使用され得るオリジナルキップ値を判定することができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ316に進んでいる。
【0051】
ステップ316において、温度閾値がステップ310において充足されている場合に、制御ロジック300は、調節済みの最大ピーク(較正済みの最大ピーク力)を算出するためにオリジナル最大ピーク及び温度デルタ(例えば、温度閾値からの計測温度の逸脱の量)を利用することができる。一実施形態において、ステップ316は、力較正モジュール132に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。温度閾値がステップ310において充足されていない場合には、温度デルタは、ゼロであることが可能であり、これは、調節済みの最大ピークがオリジナル最大ピークと等しいものであり得ることを意味している。次いで、制御ロジック300は、ステップ320に進んでいる。
【0052】
ステップ320において、制御ロジック300は、ステップ308においてキャプチャされたWILDデータにステップ316において判定された調節済みの最大ピーク値を付加している。一実施形態において、ステップ320は、力較正モジュール132及び/又はアラート供給モジュール136に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。次いで、制御ロジック300は、ステップ322に進んでいる。
【0053】
ステップ322において、制御ロジック300は、調節済みの最大ピーク値に少なくとも部分的に基づいて重大度レベルをアラートに割り当てている。一実施形態において、ステップ322は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。一実施形態において、ステップ322において割り当てられている重大度レベルは、ステップ332において生成されているアラートの重大度レベルとは異なり得る。例えば、WILDデータがステップ308においてキャプチャされた際に、制御ロジック300は、環境条件(例えば、ステップ306においてキャプチャされた天候データ)を考慮していない初期重大度レベルを割り当てることができる。次いで、ステップ310における温度閾値の考慮の後に、制御ロジックは、ステップ322において重大度レベルを修正することができる。一実施形態において、ステップ322において割り当てられている重大度レベルは、「内部」アラートとして機能することが可能であり、これにより、知る必要がある鉄道要員に推奨されたアクションについて通知する一方で、ステップ332において生成及び公開されているアラートは、制御ロジック300のプロセスフローに従って閉じられる時点まで未決状態において留まり得る。別の実施形態において、ステップ322において割り当てられている重大度レベルは、ステップ332において生成及び公開されているアラートがステップ322において割り当てられている新しい重大度レベルを反映するように修正され得るように、ステップ332において割り当てられている重大度レベルをオーバーライドすることができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ324に進んでいる。
【0054】
次いで、ステップ324において、制御ロジック300は、アラートが適用された後に欠陥(例えば、請求可能な欠陥)が発見されたかどうかについての入力を受け取ることができる。例えば、割り当てられている重大度レベルに従って検査が実行されたら、制御ロジック300は、欠陥が見出されたかどうかを通知するコマンドを受け取ることができる。欠陥が見出された場合には、制御ロジック300は、ステップ326に進んでいる。欠陥が見出されない場合には、制御ロジックは、ステップ328に進んでいる。
【0055】
ステップ326において、制御ロジック300は、検査が実行されたことを通知する入力を受け取ることができる。一実施形態において、検査入力は、電子メール、テキスト、フラグ、メッセージ、又はその他の適切な通知であり得る。次いで、制御ロジック300は、ステップ330に進んでいる。ステップ328において、制御ロジック300は、欠陥に対処するために補修が実行されたことを通知する入力を受け取ることができる。一実施形態において、補修入力は、電子メール、テキスト、フラグ、メッセージ、又はその他の適切な通知であり得る。次いで、制御ロジック300は、ステップ330に進んでいる。
【0056】
ステップ330において、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを閉じることができる。例えば、欠陥が補修されたことがステップ326において制御ロジックに通知された場合に、制御ロジック300は、制御ロジック300がアラートを閉じることができるように、アラートを無効化することができる。同様に、検査が実行されたことがステップ328において制御ロジック300に通知された場合に、制御ロジック300は、アラートを閉じることができる。次いで、制御ロジック300は、ステップ332及び334に進んでいる。ステップ332において、制御ロジック300は、アラートが閉じられたことを公開している。ステップ334において、制御ロジック300は、終了することが可能であり、或いは、新しい列車検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0057】
一実施形態において、制御ロジック300のステップ304、306、及び308は、WILDデータキャプチャシステム202に対応し得る。別の実施形態において、ステップ310、312、316、及び320は、WILD較正システム204に対応し得る。別の実施形態において、ステップ314、318、322、324、326、328、330、及び332は、アラート管理システム206に対応し得る。
【0058】
図4は、本開示の例示用の一実施形態による車輪衝撃負荷検出(WILD)及び較正の方法の機能を実施する制御ロジックを例示したフローチャート図400を示している。検出及び較正制御ロジック400は、サーバー(例えば、サーバー102)、機械学習モジュール、又はその他の適切なシステム上においてアルゴリズムとして実装することができる。これに加えて、検出及び較正制御ロジック400は、WILDキャプチャシステム202(対応するモジュール122、124、126、及び128を有する)、WILD較正システム204(対応するモジュール130及び132を有する)、及びアラート管理システム206(対応するモジュール134及び136を有する)を含むWILDシステム200の1つ又は複数の機能を実装又は内蔵することができる。制御ロジック400は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ネットワーク接続、ネットワーク転送プロトコル、HTML、DHTML、JavaScript、Dojo、Ruby、Rails、その他の適切なアプリケーション、或いは、これらの適切な組合せによって実現することができる。
【0059】
制御ロジック400は、データを同時に処理することにより、複数のプロセス及びスレッドを生成するためにコンピュータプラットフォームの能力を活用することができる。制御ロジック400の速度及び効率性は、車輪衝撃負荷検出を促進するために複数のプロセスをインスタンス生成することにより、格段に改善されている。但し、プログラミングの当業者は、単一処理スレッドの使用も、利用され得ると共に、本発明の範囲に含まれていることを理解するであろう。
【0060】
本実施形態の制御ロジック400のプロセスフローは、402において開始しており、ここでは、制御ロジック400が、例えば、軌道上において移動する車両などの車両を検出している。一実施形態において、ステップ402は、車両検出モジュール122に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。次いで、制御ロジック400は、ステップ404に進んでいる。
【0061】
ステップ404において、制御ロジック400は、レコードを生成することができる。一実施形態において、ステップ404は、車両データキャプチャモジュール128に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。一実施形態において、レコードは、検出の時刻及び日付、車両の素性、車両の車軸数、及び/又は車両が移動している方向などの車両に関係するデータを含むことができる。レコードは、クライアント、サーバー、又はデータベース上において保存することができる。次いで、制御ロジック400は、ステップ406に進んでいる。
【0062】
ステップ406において、制御ロジック400は、車両の場所、軌道の場所、などのような場所を受け取ることができる。一実施形態において、ステップ406は、地理測位モジュール126に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。例えば、制御ロジック400は、車両上又は軌道上のセンサから場所データを受け取ることが可能であり、別の例において、制御ロジック400は、鉄道システムから場所を受け取ることができる。次いで、制御ロジック400は、ステップ408に進んでいる。
【0063】
ステップ408において、制御ロジックは、環境データを受け取ることができる。一実施形態において、ステップ408は、環境データキャプチャモジュール124に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。環境データは、湿度、圧力、温度、又は環境データの任意のその他のタイプを含むことができる。次いで、制御ロジックは、ステップ410に進んでいる。
【0064】
ステップ410において、制御ロジック400は、軌道又は車両上のセンサなどのセンサからデータを受け取ることができる。一実施形態において、ステップ410は、車両データキャプチャモジュール128に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。好ましくは、制御ロジック400は、車両の重量又は質量に対応する歪/応力を通知し得るセンサからデータを受け取っている。一例において、センサは、軌道に結合された歪ゲージであり得る。次いで、制御ロジック400は、ステップ412に進んでいる。
【0065】
ステップ412において、制御ロジック400は、センサデータからオリジナル最大力値を判定することができる。一実施形態において、ステップ412は、力判定モジュール130に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。次いで、制御ロジック400は、ステップ414に進んでいる。
【0066】
ステップ414において、制御ロジック400は、信頼レベルを判定することができる。一実施形態において、ステップ414は、力判定モジュール130及び/又はアラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、信頼レベルは、ステップ410において受け取られたセンサデータの精度における信頼の尺度であり得る。例えば、且つ、一実施形態において、ステップ410において受け取られるデータは、1つ又は複数のセンサから受け取ることができる。複数のセンサが類似の計測値をもたらしている場合には、制御ロジック400は、信頼レベルが相対的に高くなるべきであるとステップ414において判定することができる。その一方において、使用可能な計測値をもたらしているセンサが1つのみである場合には、制御ロジック400は、ステップ414において、信頼レベルが相対的に低くなるべきであると判定することができる。別の実施形態において、センサからの計測値が均一でなく、その代わりに、相対的に異常である場合には、制御ロジック400は、信頼レベルが相対的に低くなるべきであると判定することができる。別の実施形態において、受け取られたデータが、適切に均一であると思われる複数のデータポイントを提供している場合には、制御ロジック400は、信頼レベルが相対的に高くなるべきであると判定することができる。一実施形態において、制御ロジック400は、(例えば、アラート生成モジュール134との関係において上述した表のように)判定された信頼レベルに百分率値を付与することができる。次いで、制御ロジック400は、ステップ416に進むことができる。
【0067】
ステップ416において、制御ロジック400は、環境閾値が充足されているかどうかを判定することができる。一実施形態において、ステップ416は、力較正モジュール132に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。一実施形態において、環境閾値は、ステップ408において受け取られた環境データが圧力閾値未満の、これに等しい、又はこれ超である、圧力を通知している場合に、圧力閾値が充足され得る又は充足され得ないような圧力閾値であり得る。別の実施形態において、環境閾値は、上述の力較正モジュール132及びアラート生成モジュール134との関係において記述されている温度閾値などの温度閾値であり得る。環境閾値が充足されている場合に、制御ロジック400は、ステップ418に進んでいる。環境閾値が充足されていない場合には、制御ロジック400は、ステップ420に進んでいる。
【0068】
ステップ418において、制御ロジック400は、較正済みの最大力値を生成することができる。一実施形態において、ステップ418は、力較正モジュール132に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、制御ロジック400は、ステップ412において判定されたオリジナルの最大力値及びステップ408において受け取られた環境データを参照することにより、較正済みの最大力値を生成することができる。別の実施形態において、較正済みの最大力値は、操作変数によってオリジナルの最大力値を調節することにより、生成することができる。次いで、制御ロジック400は、ステップ420に進んでいる。
【0069】
ステップ420において、制御ロジック400は、オリジナル最大力値が力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。一実施形態において、ステップ420は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、制御ロジック400は、キルスイッチとして機能し得るメモリ内において収容された力閾値を参照することが可能であり、例えば、オリジナル最大力が力閾値を超過していない場合に、制御ロジック400は、残りのプロセスフローステップとは無関係に、アラートが生成されることにならないと判定することができる。オリジナル最大力値が力閾値を超過していない場合には、制御ロジック400は、ステップ422に進んでいる。オリジナル最大力値が力閾値を超過している場合には、制御ロジック400は、ステップ424に進んでいる。ステップ422において、制御ロジック400は、アラートが生成されることにならないと判定することができる。一実施形態において、ステップ422は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。次いで、制御ロジック400は、ステップ432に進んでいる。ステップ432において、制御ロジック400は、ステップ404において生成されているレコードなどのレコードを更新することができる。一実施形態において、ステップ420は、アラート供給モジュール136に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。
【0070】
ステップ424において、制御ロジック400は、較正済みの最大力値が生成されたかどうか(例えば、ステップ418が実行されたかどうか)を判定することができる。一実施形態において、ステップ424は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。制御ロジック400が較正済みの最大力値を生成している場合には、制御ロジック400は、ステップ426に進んでいる。制御ロジック400が較正済みの最大力値を生成していない場合には、制御ロジック400は、ステップ428に進んでいる。ステップ426において、制御ロジック400は、重大度レベルをアラートに割り当てるためにステップ418において生成された較正済みの最大力値及びステップ414において判定された信頼レベルを利用することができる。一実施形態において、ステップ426は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態においては、重大度レベルをアラート生成モジュール134との関係において上述した表に従って割り当てることができる。一例において、アラートの重大度レベルは、較正済みの最大力値及び信頼レベルの両方に伴って変化し得る。次いで、制御ロジック400は、ステップ430に進んでいる。
【0071】
ステップ428において、制御ロジック400は、重大度レベルをアラートに割り当てるために、ステップ412において判定されたオリジナル最大力値及びステップ414において判定された信頼レベルを利用することができる。一実施形態において、ステップ428は、アラート生成モジュール134に関係付けられることも可能であり且つ/又はこれによって実行されるものと見なすこともできる。別の実施形態において、重大度レベルは、アラート生成モジュール134との関係において上述した表に従って割り当てることができる。一例において、アラートの重大度レベルは、オリジナル最大力値及び信頼レベルの両方に伴って変化し得る。次いで、制御ロジック400は、ステップ430に進んでいる。ステップ430において、制御ロジック400は、ステップ426又はステップ428において割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。次いで、制御ロジック400は、ステップ432に進んでいる。ステップ432において、制御ロジック400は、アラートがステップ426又はステップ428において割り当てられた重大度レベルによって生成されたこと又はアラートが生成されなかったことを反映するために、ステップ404において生成されたレコードを更新することができる。次いで、制御ロジック400は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0072】
一実施形態において、制御ロジック400のステップ402、404、406、408、及び410は、WILDデータキャプチャシステム202と相関し得る。別の実施形態において、ステップ412、414、416、及び418は、WILD較正システム204と相関し得る。別の実施形態において、ステップ420、422、424、426、428、430、及び432は、アラート管理システム206と相関し得る。
【0073】
図5A図5Bは、本開示の例示用の一実施形態による車輪衝撃負荷検出及び較正システムの特徴及びプログラムステップを実施する制御ロジックを例示したフローチャート図500を示している。車輪衝撃負荷検出及び較正システムの制御ロジック500は、サーバー(例えば、サーバー102)、機械学習モジュール、又はその他の適切なシステム上のアルゴリズムとして実装することができる。これに加えて、車輪衝撃検出及び較正システムの制御ロジック500は、WILDキャプチャシステム202(対応するモジュール122、124、126、及び128を有する)、WILD較正システム204(対応するモジュール130及び132を有する)、及びアラート管理システム206(対応するモジュール134及び136を有する)を含むWILDシステム200の1つ又は複数の特徴を実装又は内蔵することができる。制御ロジック500は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ネットワーク接続、ネットワーク転送プロトコル、HTML、DHTML、JavaScript、Dojo、Ruby、Rails、その他の適切なアプリケーション、又はこれらの適切な組合せによって実現することができる。
【0074】
制御ロジック500は、同時にデータを処理することにより、複数のプロセス及びスレッドを生成するためにコンピュータプラットフォームの能力を活用することができる。制御ロジック500の速度及び効率性は、車輪衝撃負荷検出を促進するために複数のプロセスをインスタンス生成することにより、格段に改善されている。但し、プログラミングの当業者は、単一処理スレッドの使用も、利用され得ると共に、本発明の範囲に含まれていることを理解するであろう。
【0075】
本実施形態の制御ロジック500のプロセスフローは、ステップ502において開始しており、ここでは、制御ロジック500が、例えば、軌道上を移動している車両などの車両を検出することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ504に進んでいる。ステップ504において、制御ロジック500は、レコードを生成することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ506に進むことができる。ステップ506において、制御ロジック500は、車両及び/又は軌道の場所を受け取ることができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ508に進んでいる。ステップ508において、制御ロジック500は、環境データ508を受け取ることができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ510に進んでいる。ステップ510において、制御ロジック500は、1つ又は複数のセンサからデータを受け取ることが可能であり、好ましくは、受け取られたデータは、軌道に対して車両によって作用されている力に関係している。次いで、制御ロジック500は、ステップ512に進んでいる。ステップ512において、制御ロジック500は、受け取られたセンサデータからオリジナル最大ピーク力を判定することができる。一実施形態において、最大ピーク力は、軌道に対して車両によって作用されている最大力に対応し得る。次いで、制御ロジック500は、ステップ514及び516に進んでいる。
【0076】
ステップ514において、制御ロジック500は、本開示の原理に従って受け取られたセンサデータにおける信頼レベルを判定することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ518に進んでいる。ステップ518において、制御ロジック500は、ステップ512において判定されたオリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ520に進んでいる。オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ522に進んでいる。ステップ520において、制御ロジック500は、アラートが生成されることにならないものと判定することができる。ステップ522において、制御ロジック500は、本開示の原理に従って環境閾値が充足されているかどうかを判定することができる。環境閾値が充足されていない場合には、制御ロジック500は、ステップ524に進んでいる。環境閾値が充足されている場合には、制御ロジック500は、ステップ526に進んでいる。
【0077】
ステップ526において、制御ロジック500は、本開示の原理に従って較正済みの最大ピーク力を生成することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ528に進んでいる。ステップ528において、制御ロジック500は、ステップ526において生成された較正済みの最大ピーク力が第1力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。較正済みの最大ピーク力が第1力閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ540に進んでいる。較正済みの最大ピーク力が第1力閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ524に進んでいる。ステップ540において、制御ロジック500は、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。一実施形態において、アラートの重大度レベルは、レベル4重大度レベルであり得る。一実施形態において、重大度レベル(例えば、レベル4)は、オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過しており且つ較正済みの最大ピーク力が第1力閾値を超過していなかったことを意味し得る。別の実施形態において、レベル4アラートは、レベル1、レベル3、及びレベル3アラートよりも低い重大度レベル(並びに、優先順位)を有し得る。次いで、制御ロジック500は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0078】
ステップ524において、制御ロジック500は、最大ピーク力(例えば、オリジナル最大ピーク力又は較正済みの最大ピーク力)が第3力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。一実施形態において、制御ロジック500は、オリジナル最大ピーク力又は較正済みの最大ピーク力がステップ524以降において使用されるべきかどうかを判定することができる。例えば、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力がステップ526において生成されている場合には、較正済みの最大ピーク力がステップ524において開始する状態から使用されるべきであると判定することができる。別の例において、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力がステップ526において生成されなかった場合には、オリジナル最大ピークがステップ524において開始する状態から使用されるべきであると判定することができる。好ましくは、第3力閾値は、第1力閾値よりも大きなものであり得る。例えば、第1力閾値は、最大ピーク力が第3力閾値を超過している場合に、結果的に得られるアラートの重大度レベルが一般に第3力閾値を超過しないが第1力閾値を超過している最大ピーク力との比較において相対的に大きいものになり得るように、第3閾値よりも小さな力(例えば、相対的に小さなキップ値)に対応し得る。使用されている最大ピーク力(例えば、オリジナル又は較正済みのもの)が第3力閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ532に進んでいる。使用されている最大ピーク力が第3力閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ530に進んでいる。
【0079】
ステップ532において、制御ロジック500は、ステップ514において判定された信頼レベルが第1信頼閾値を超過しているかどうかを判定することができる。例えば、信頼閾値は、受け取られたセンサデータ(並びに、結果的に得られる最大ピーク力値)が正確である統計的確率の形態を有することができる。別の実施形態において、信頼閾値は、例えば、受け取られたデータ及び判定された最大ピーク力が正確である一般的な尤度に対応する上述の表内において描かれているものに類似し得る。好ましくは、第1信頼閾値は、50%であることが可能であり、換言すれば、ステップ514において判定される信頼レベルが50%未満である場合には、第1信頼閾値は、判定された信頼レベルによって超過されていないものと見なされることになろう。信頼レベルが第1信頼閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ546に進んでいる。信頼レベルが第1信頼閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ544に進むことができる。ステップ544において、制御ロジック500は、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。一実施形態において、重大度レベルは、レベル2であり得る。別の実施形態において、ステップ544において生成されるアラートの重大度レベルは、ステップ540において生成されるアラートの重大度レベルよりも大きなもの(例えば、相対的に重大であるもの)であり得る。次いで、制御ロジック500は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。ステップ546において、制御ロジック500は、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。一実施形態において、重大度レベルは、レベル1であり得る。一実施形態において、ステップ546において生成されるアラートに割り当てられる重大度レベルは、ステップ544及び540において生成されるアラートの重大度レベルよりも大きなものであり得る。次いで、制御ロジック500は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0080】
ステップ530において、制御ロジック500は、最大ピーク力(例えば、オリジナル最大ピーク力又は較正済みの最大ピーク力)が第2力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。好ましくは、第2力閾値は、第1力閾値と第3力閾値の間のものであり得る。例えば、第2力閾値は、第1力閾値よりも大きく且つ第3力閾値よりも小さいものであり得る。最大ピーク力が第2力閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ534に進んでいる。最大ピーク力が第2力閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ542に進んでいる。ステップ542において、制御ロジック500は、割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。一実施形態において、重大度レベルは、レベル3であり得る。一実施形態において、ステップ542において生成されるアラートの重大度レベルは、ステップ544及び546において生成されるアラートの重大度レベルよりも低いがステップ540において生成されるアラートの重大度レベルよりも高いものであり得る。次いで、制御ロジック500は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0081】
ステップ534において、制御ロジック500は、ステップ514において判定された信頼レベルが第1信頼閾値を超過しているかどうかを判定することができる。一実施形態において、ステップ534の第1信頼閾値は、ステップ532の第1信頼閾値と同一のものであり得る。第1信頼閾値が超過されている場合には、制御ロジック500は、ステップ536に進んでいる。第1信頼レベルが超過されていない場合には、制御ロジック500は、ステップ542に進んでいる。ステップ536において、制御ロジック500は、ステップ514において判定された信頼レベルが第2信頼閾値を超過しているかどうかを判定することができる。第2信頼閾値は、第1信頼閾値に類似したものであることが可能であり、好ましくは、第2信頼閾値は、第1信頼閾値との比較において、信頼の相対的に高い程度を通知し得る。一実施形態において、第2信頼閾値は、85%であり得る。例えば、ステップ514において判定された信頼レベルが85%を超過していない場合には、信頼レベルは、第2信頼閾値を超過することにならないであろう。別の実施形態において、85%の第2信頼閾値は、ステップ510においてセンサから受け取られたデータ(並びに、結果的に得られる最大ピーク力値)が正確であることを制御ロジック500が85%だけ確信していることを通知し得る。信頼レベルが第2信頼閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ538に進んでいる。信頼レベルが第2力閾値を超過していない場合に、制御ロジック500は、ステップ542に進んでいる。
【0082】
ステップ538において、制御ロジック500は、ステップ514において判定された信頼レベルが第3信頼閾値を超過しているかどうかを判定することができる。第3信頼閾値は、第1信頼閾値及び/又は第2信頼閾値に類似したものであり得る。好ましくは、第3信頼閾値は、第1信頼閾値及び第2信頼閾値との比較において信頼の相対的に高い程度を通知し得る。一実施形態において、第3信頼閾値は、97%であり得る。例えば、ステップ514において判定された信頼レベルが97%を超過していない場合に、信頼レベルは、第3信頼閾値を超過することにならないであろう。信頼レベルが第3信頼閾値を超過している場合には、制御ロジック500は、ステップ546に進んでいる。信頼レベルが第3信頼閾値を超過していない場合には、制御ロジック500は、ステップ544に進んでいる。
【0083】
ステップ516において、制御ロジック500は、ステップ510において受け取られたセンサからのデータをプロットすることができる。例えば、制御ロジック500は、力判定モジュール130との関係において上述したもののようなプロットを生成することができる。好ましくは、プロットは、プロット上のポイントが力の大きさ及び力が作用された時点によって位置決めされ得るように、力軸及び時間軸を含むことができる。別の実施形態において、ステップ510において受け取られたデータは、1つ又は複数の歪ゲージからのデータであることが可能であり、且つ、制御ロジック500は、歪ゲージによって提供された計測値の単位(例えば、με、インチ/インチ、mm/mm、など)をニュートン、ポンド、キログラム、などのような力計測及び/又は質量計測値に変換することが可能であり、且つ、その後に、データが受け取られた時点に従って力計測をプロットすることができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ548に進んでいる。ステップ548において、制御ロジック500は、プロットからのポイントを比較することができる。好ましくは、制御ロジック500は、ポイント内の類似性及びデータ内の傾向についてサーチすることができる。一例において、制御ロジック500は、プロット上の最大のインスタンスを有する(誤差のマージン内の)力値を判定することができる。一実施形態において、制御ロジック500は、特定の力計測値(例えば、75キップ±5キップ)が最も頻繁に発生したことを認識することができる。別の実施形態において、制御ロジック500は、プロットされたデータ内においてスパイクを認識し得るのみならず、ステップ510においてセンサによって受け取られた最大力計測値を判定することもできる。次いで、制御ロジック500は、ステップ550に進んでいる。
【0084】
ステップ550において、制御ロジック500は、データ内の静的ピーク力傾向を認識することができる。一実施形態において、静的ピーク力傾向は、互いに値において近接していることなどにより、互いに相関し得る計測値の数を意味することが可能であり、別の実施形態においては、静的ピーク力傾向は、最大インスタンスを有する力値の範囲を意味し得る。別の実施形態において、静的ピーク力傾向は、互いからの既定の逸脱内にある力計測値を意味し得る。一例として、制御ロジック500は、ステップ510において、10個の異なる時点において発生する10個の異なる力計測値を受け取ることができる。この例においては、これらの計測値のうちの7つは、63~65キップにあることが可能であり、その他の3つの計測値は、それぞれ、90キップ、120キップ、及び100キップであり得る。この例においては、制御ロジック500は、計測値のうちの7つが、これらのすべてが3キップのみにわたる範囲内に含まれているという事実の特性によって互いに相関していることを認識することが可能であり、この結果、制御ロジック500は、データ内の静的ピーク力傾向を認識することができる。この例においては、制御ロジック500は、最大力値尺度が120キップであったことを更に認識することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ552に進んでいる。ステップ552において、制御ロジック500は、静的ピーク力傾向を使用することにより、車両の重量値を判定することができる。一実施形態において、制御ロジック500は、車両の重量を判定するべく、傾向のために静的ピーク内の力値のすべてを平均化することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ554に進んでいる。ステップ554において、制御ロジック500は、ステップ512において判定されたオリジナル最大ピーク力及び552において判定された重量値を使用して動的力値を算出することができる。一実施形態においては、制御ロジック500は、これにより、車両の重量とは対照的に欠陥に起因した最大ピーク力の割合を判定することができる。
【0085】
動作の際に、例示用の一実施形態において、制御ロジック500は、ステップ502において開始することが可能であり、ここでは、列車を軌道上において検出することができる。例えば、列車は、列車が移動する軌道に結合された少なくとも1つの歪ゲージを介して検出することが可能であり、別の例においては、列車は、制御ロジック500がデータを受け取るために準備し得るように、LIDARによって検出することができる。列車は、制御ロジック500によって受け取られ得る識別情報を含むことができる。例えば、列車は、制御ロジック500との動作自在の接続状態にあるRFIDリーダーによって読み取られ得るRFIDタグを有することができる。別の実施形態において、RFIDタグは、RFIDタグがリーダーによって読み取られた日付及び時刻、列車の車軸数、及び列車が車両上を移動している方向を含むことができる。別の例において、RFIDタグが読み取られた日付及び時刻は、制御ロジック500によって生成することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ504に進んでいる。ステップ504において、制御ロジック500は、列車のRFIDタグの読取りから見出されたデータを含み得るレコード504を生成することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ506に進んでいる。ステップ506において、制御ロジック500は、例えば、センサ(RFIDリーダー、歪ゲージ、など)内にプログラミングされた座標から、列車上のGPSビーコンから、又はRFIDタグから、車両の場所、軌道、及び/又は検出のスポットを受け取ることができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ508に進んでいる。ステップ508において、制御ロジック500は、列車が検出された軌道の部分における温度(例えば、周辺温度)などの環境データを受け取ることができる。この例においては、ステップ508において受け取られる温度は、0°Fであり得る。次いで、制御ロジック500は、ステップ510に進んでいる。
【0086】
ステップ510において、この例においては、制御ロジック500は、列車に結合された複数の歪ゲージからデータを受け取ることができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ512に進んでいる。ステップ512において、制御ロジック500は、オリジナル最大ピーク力を判定するために歪ゲージデータ使用することが可能であり、この実施形態においては、制御ロジック500は、オリジナル最大ピーク力が140キップであり得ると判定することができる。次いで、制御ロジックは、ステップ514及び516に進んでいる。
【0087】
ステップ516において、制御ロジック500は、信頼レベルを判定することができる。制御ロジック500は、信頼レベルを判定する際に、ステップ510において受け取られたデータポイントの数(これは、一実施形態においては、所与の時点及び距離において発生した車輪回転の数を意味し得る)、計測値の範囲、環境データ、などのようないくつかのファクタを内蔵し得る。この実施形態において、制御ロジック500は、信頼レベルが75%になるものと判定することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ518に進んでいる。
【0088】
ステップ518において、制御ロジック500は、オリジナル最大ピーク力が第1力閾値を超過しているかどうかを判定している。この例においては、第1力閾値は、90キップであることが可能であり、これは、この例においては、次いで、制御ロジック500が、ステップ520の代わりにステップ522に進むことを意味している(例えば、その理由は、140キップが90キップを超過しているからである)。ステップ522において、制御ロジック500は、環境閾値が充足されているかどうかを判定することができる。この例においては、環境閾値は、32°Fという温度閾値であることが可能であり、且つ、温度閾値は、ステップ508において受け取られた温度が32°F未満である場合に充足され得る。この例においては、制御ロジック500は、ステップ508において受け取られた温度(0°F)が環境閾値を充足していることをステップ522において判定することが可能であり、且つ、次いで、制御ロジック500は、ステップ526に進んでいる。ステップ526において、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力を生成することが可能であり、この例においては、制御ロジック500は、以下の式により、較正済みの最大ピーク力を生成することが可能であり、
【数3】
この場合に、V=0.001604であり、且つ、Koriginal=140キップである。制御ロジック500は、この例においては、Kadjusted値(これは、較正済みの最大ピーク力であり得る)が126キップに等しいものであり得ると判定することができる。次いで、制御ロジック500は、ステップ528に進んでいる。
【0089】
ステップ528において、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力(126キップ)が第1力閾値(90キップ)を超過しているかどうかを判定することができる。これが真であることから、次いで、制御ロジック500は、ステップ524に進んでいる。ステップ524において、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力が、このケースにおいては140キップであり得る第3力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。この例においては、制御ロジック500は、オリジナル最大ピーク値とは対照的に、較正済みの最大ピーク値が使用されるべきであると判定することができる。126キップは140キップ未満であることから、次いで、制御ロジック500は、ステップ530に進んでいる。ステップ530において、制御ロジック500は、較正済みの最大ピーク力が、この例においては120キップであり得る第2力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。126キップは120キップを超過していることから、次いで、制御ロジック500は、ステップ534に進んでいる。
【0090】
ステップ534において、制御ロジック500は、第1信頼閾値が超過されているかどうかを判定することが可能であり、この例においては、第1信頼閾値は、50%であり得る。ステップ514において判定された信頼レベルは、この例においては、75%であったことから、次いで、制御ロジック500は、ステップ536に進んでいる。ステップ536において、制御ロジック500は、第2信頼閾値が超過されているかどうかを判定することが可能であり、この例において、第2信頼閾値は、85%あり得る。制御ロジック500は、この例においては、信頼レベルが75%であると判定したことから、次いで、制御ロジック500は、ステップ542に進んでいる。ステップ542において、制御ロジック500は、割り当てられたレベル3重大度レベルを有するアラートを生成することができる。次いで、制御ロジック500は、終了することが可能であり、或いは、新しい車両検出を待機することが可能であり且つ上述のステップを反復することができる。
【0091】
有利には、本明細書において記述されている力閾値及び信頼閾値は、望ましいアラート重大度レベル割当に応じて任意の適切な値であり得る。例えば、力閾値の引き下げは、一実施形態においては、相対的に高い重大度レベルを有するアラートが、軌道に対して相対的に乏しい力を印加している車両について生成されるようにしている。また、別の例において、信頼閾値を減じることは、相対的に高い重大度レベルを有するアラートが、決定的に低い忠実度を有する受け取られたデータから生成されるようにすることができる。対照的に、力閾値及び/又は信頼閾値を引き上げることは、制御ロジック500が、相対的にあまり正確ではないデータから判定された相対的に大きな衝撃力について相対的に低い重大度レベルを割り当てるようにすることができる。
【0092】
図6は、本開示の例示用の一実施形態による車輪衝撃負荷検出(WILD)システムの機能及びプログラムステップを実施する制御ロジックを例示したフローチャート図600を示している。WILDシステムの制御ロジック600は、サーバー(例えば、サーバー102)、機械学習モジュール、又はその他の適切なシステム上においてアルゴリズムとして実装することができる。これに加えて、WILDシステムの制御ロジック500は、WILDキャプチャシステム202(対応するモジュール122、124、126、及び128を有する)、WILD較正システム204(対応するモジュール130及び132を有する)、及びアラート管理システム206(対応するモジュール134及び136を有する)を含むWILDシステム200の1つ又複数の機能を実装又は内蔵することができる。制御ロジック600は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ネットワーク接続、ネットワーク転送プロトコル、HTML、DHTML、JavaScript、Dojo、Ruby、Rails、その他の適切なアプリケーション、又はこれらの適切な組合せにより、実現することができる。
【0093】
制御ロジック600は、データを同時に処理することにより、複数のプロセス及びスレッドを生成するためにコンピュータプラットフォームの能力を活用することができる。制御ロジック600の速度及び効率性は、車輪衝撃負荷検出を促進するために複数のプロセスをインスタンス生成することにより、格段に改善されている。但し、プログラミングの当業者は、単一処理スレッドの使用も、利用され得ると共に、本発明の範囲内に含まれていることを理解するであろう。
【0094】
本実施形態の制御ロジック600のプロセスフローは、ステップ602において開始しており、ここでは、制御ロジック600が、例えば、軌道上を移動している車両などの車両を検出することができる。一実施形態において、車両は、列車軌道に動作自在に結合された1つ又は複数の歪ゲージから休止状態又は閾値を超過する値を計測することにより、検出することができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ604に進んでいる。ステップ604において、制御ロジック600は、本開示の原理に従って環境データを受け取ることができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ606に進んでいる。ステップ606において、制御ロジック600は、本開示の原理に従ってセンサデータを受け取ることができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ608に進んでいる。ステップ608において、制御ロジック600は、本開示の原理に従って、ステップ606において受け取られたセンサデータから最大力値を判定することができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ610に進んでいる。ステップ610において、制御ロジック600は、本開示の原理に従ってオリジナル信頼レベルを判定することができる。次いで、制御ロジックは、ステップ612に進んでいる。
【0095】
ステップ612において、制御ロジック600は、ステップ608において判定された最大力値が第1力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。最大力値が第1力閾値を超過している場合には、制御ロジック600は、ステップ616に進んでいる。最大力値が第1力閾値を超過していない場合には、制御ロジック600は、ステップ614に進んでいる。ステップ614において、制御ロジック600は、アラートが生成されることにならないと判定することができる。ステップ616において、制御ロジック600は、ステップ604において受け取られた環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定することができる。環境データが環境閾値を充足している場合には、制御ロジック600は、ステップ618に進んでいる。環境データが環境閾値を充足していない場合には、制御ロジック600は、ステップ620に進んでいる。
【0096】
ステップ618において、制御ロジック600は、オリジナル信頼レベルを低減することができる。一実施形態において、信頼レベルは、環境閾値からの環境データの逸脱に相応して低減することができる。例えば、環境閾値が32°Fの温度閾値であり、且つ、受け取られた環境データが0°Fの温度を通知している場合には、信頼レベルは、通知された受け取られた環境データが、例えば、30°Fの温度を通知している場合よりも、更に低減することができる。別の実施形態において、制御ロジック600は、最大力値とは対照的に信頼レベルを調節するために、力判定モジュール130との関係において上述のものと類似した式を利用することができる。別の実施形態において、制御ロジック600は、信頼レベルが信頼閾値未満に降下するように、信頼レベルを低減することができる。例えば、第1信頼閾値が50%であり、第2信頼閾値が85%であり、且つ、オリジナル信頼レベルが、75%であるものとステップ610において判定されている場合には、制御ロジック600は、第1信頼閾値が超過されないように、信頼レベルを49%に低減することができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ622に進んでいる。
【0097】
ステップ622において、制御ロジック600は、本開示の原理に従って重大度レベルを割り当てるために、ステップ618において判定された低減された信頼レベル及びステップ608において判定された最大力値を利用することができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ624に進んでいる。ステップ624において、制御ロジック600は、本開示の原理に従って、ステップ622において割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成することができる。ステップ620において、制御ロジック600は、本開示の原理に従って重大度レベルを割り当てるために、ステップ610において判定されたオリジナル信頼レベル及びステップ608において判定された最大力値を利用することができる。次いで、制御ロジック600は、ステップ624に進んでいる。
【0098】
図7は、本開示の例示用の一実施形態による車輪衝撃負荷検出(WILD)方法の特徴及びプログラムステップを実施する制御ロジックを例示したフローチャート図700を示している。WILD方法制御ロジック700は、サーバー(例えば、サーバー102)、機械学習モジュール、又はその他の適切なシステム上のアルゴリズムとして実装することができる。これに加えて、WILD方法制御ロジック700は、WILDキャプチャシステム202(対応するモジュール122、124、126、及び128を有する)、WILD較正システム204(対応するモジュール130及び132を有する)、及びアラート管理システム206(対応するモジュール134及び136を有する)を含むWILDシステム200の1つ又は複数の特徴を実装又は内蔵することができる。制御ロジック700は、ソフトウェア、ハードウェア、及びアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ネットワーク接続、ネットワーク転送プロトコル、HTML、DHTML、JavaScript、Dojo、Ruby、Rails、その他の適切なアプリケーション、又はこれらの適切な組合せによって実現することができる。
【0099】
制御ロジック700は、データを同時に処理することにより、複数のプロセス及びスレッドを生成するためにコンピュータプラットフォームの能力を活用することができる。制御ロジック700の速度及び効率性は、車輪衝撃負荷検出を促進するために複数のプロセスをインスタンス生成することにより、格段に改善されている。但し、プログラミングの当業者は、単一処理スレッドの使用も、利用され得ると共に、本発明の範囲に含まれていることを理解するであろう。
【0100】
本実施形態の制御ロジック700プロセスフローは、ステップ702において開始しており、ここでは、制御ロジック700が、例えば、軌道上を移動している車両などの車両を検出することができる。次いで、制御ロジック700は、ステップ704に進んでいる。ステップ704において、制御ロジック700は、本開示の原理に従って環境データを受け取ることができる。次いで、制御ロジック700は、ステップ706に進んでいる。ステップ706において、制御ロジック700は、本開示の原理に従ってセンサデータを受け取ることができる。次いで、制御ロジック700は、ステップ708に進んでいる。ステップ708において、制御ロジック700は、本開示の原理に従って、ステップ706において受け取られたセンサデータから最大力値を判定することができる。次いで、制御ロジック700は、ステップ710に進んでいる。
【0101】
ステップ710において、制御ロジック700は、本開示の原理に従って、ステップ708において判定された最大力値が力閾値を超過しているかどうかを判定することができる。最大力値が力閾値を超過している場合には、制御ロジック700は、ステップ714に進んでいる。最大力値が力閾値を超過していない場合には、制御ロジック700は、ステップ712に進んでいる。ステップ712において、制御ロジック700は、アラートが生成されることにならないと判定することができる。
【0102】
ステップ714において、制御は、ステップ704において受け取られた環境データが環境閾値を充足しているかどうかを判定することができる。環境データが環境閾値を充足している場合には、制御ロジック700は、ステップ716に進んでいる。環境データ環境閾値を充足していない場合には、制御ロジック700は、ステップ718に進んでいる。ステップ716において、制御ロジック700は、重大度レベルを割り当てることができる。一実施形態において、制御ロジック700は、最大力値を参照することなしに、重大度レベルを割り当てることができる。別の実施形態において、制御ロジック700は、環境閾値が充足されていることを通知する重大度レベルを割り当てることができる。例えば、環境閾値がステップ714において充足されている場合に、制御ロジック700は、最大力値とは無関係に、同一の重大度レベルをすべての潜在的なアラートに対して割り当てることができる。ステップ718において、制御ロジック700は、本開示の原理に従って、重大度レベルを割り当てる際にステップ708において判定された最大力値を利用することができる。次いで、制御ロジック700は、ステップ720に進んでいる。ステップ720において、制御ロジック700は、本開示の原理に従って、ステップ716又はステップ718において割り当てられた重大度レベルを有するアラートを生成している。
【0103】
当業者には、本明細書において開示されているシステム及び方法は、特定のニーズにフィットするようにアラート生成及び重大度レベル割当を適合させるために同一のプロセスフロー内において多数の力閾値、信頼閾値、及び環境閾値を実装し得ることが理解されるであろう。一実施形態において、異なるタイプの環境閾値を同一のフロー内において使用することが可能であり、例えば、プロセスフローは、温度閾値、圧力閾値、湿度閾値、及び/又は車輪衝撃負荷検出に影響し得る環境条件に関係する環境閾値の任意のその他のタイプを含むことができる。別の実施形態においては、時間のファクタが、環境閾値として含まれ得るか、或いは、その代わりに、閾値自体であることができる。例えば、環境閾値は、閾値が充足され得る前に特定の温度が特定の時間の期間にわたって超過されることを必要とすることが可能であり、別の例においては、環境閾値は、閾値が充足され得る前に温度が特定の時間の期間にわたって常に特定の温度未満であることを必要とし得る。別の実施形態において、本明細書において開示されているシステム及び方法は、重大度レベルの割当に影響し得る時間閾値を内蔵することができる。例えば、環境閾値が所定の持続時間にわたって充足されている場合に、割り当てられる重大度レベルは、環境閾値が相対的に長い持続時間にわたって充足されている場合よりも低いものであり得る。別の実施形態において、環境データ及び環境閾値は、レールの環境を意味し得る。例えば、環境データは、レールの温度を含むことが可能であり、且つ、環境閾値は、レールの温度に関係する温度閾値を含むことができる。
【0104】
本開示は、少なくとも以下の利点を実現している。
1.環境条件を考慮するための車輪衝撃負荷検出アラートにおける重大度レベル割当の最適化;
2.環境条件を考慮するための車輪衝撃負荷検出アラートの優先順位付け;
3.極端な温度について調節するためのレールに印加される計測最大力値の較正;及び
4.環境条件を考慮したアラートのランク付け方法の提供。
【0105】
当業者は、本システムのこれらの利点(のみならず、概要において示されている利点)及び目的が、本発明システム内において組み立てられている且つ本明細書において記述されているコンピュータハードウェア及びその他の構造的コンポーネント及びメカニズムの特定の組合せを伴うことなしには可能にならないことを容易に理解するであろう。以上において記述されている特徴及び動作の制御を実装するために、当業者には既知である様々なプログラミングツールが利用可能であることを更に理解されたい。更には、1つ又は複数のプログラミングツールの特定の選択肢は、本明細書及び添付の請求項において記述されている概念を実現するために選択される実装計画に課せられる特定の目的及び制約によって決定され得る。
【0106】
本特許文献における記述は、任意の特定の要素、ステップ、又は機能が、請求項の範囲に含まれなければならない不可欠な又は重要な要素であり得ることを意味するものとして解釈してはならない。また、請求項は、そのいずれもが、機能を識別する分詞句によって後続された状態において「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という正確な用語が特定の請求項において明示的に使用されていない限り、添付の請求項又は請求項要素の任意のものとの関係において米国特許法第112(f)条を発動させることを意図したものではあり得ない。請求項における(限定を伴うことなしに)「メカニズム」、「モジュール」、「装置(device)」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置(apparatus)」、「機械」、「システム」「プロセッサ」、「処理装置」、又は「コントローラ」などの用語の使用は、請求項自体の特徴によって更に変更又は改善された状態において、関連する技術分野における当業者には既知である構造を意味するものと理解及び解釈することが可能であり、且つ、米国特許法第112(f)条を発動させることを意図したものではあり得ない。
【0107】
本開示は、その精神又は不可欠な特性からの逸脱を伴うことなしにその他の特定の形態において実施することができる。例えば、本明細書において記述されている新しい構造のそれぞれは、その基本的構成又は相互の構造的関係性を保持しつつ又は本明細書において記述されている同一又は類似の機能を実行しつつ、特定の局所的な変化又は要件に適するように変更することができる。従って、本実施形態は、限定ではなく例示を目的としたものとして、すべての側面において見なすことを要する。従って、本発明の範囲は、上述の説明ではなく添付の請求項によって確立することができる。従って、請求項の均等性の意味及び範囲内に含まれるすべての変更は、その内部に包含されるものとして解釈されたい。更には、請求項の個々の要素は、十分に理解されているものではなく、日常的なものでもなく、或いは、慣習的なものでもない。その代わりに、請求項は、本明細書において記述されている慣習的なものではない発明概念を対象としている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】