(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】メス型コネクターおよびコネクターアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/50 20060101AFI20240621BHJP
F16L 37/34 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F16L37/50
F16L37/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540168
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2022104028
(87)【国際公開番号】W WO2023280188
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202110761326.6
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517156481
【氏名又は名称】ア・レモン・エ・コンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャオ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ボ・ジャオ
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AB01
3J106AB06
3J106BA03
3J106BB01
3J106BC11
3J106BC12
3J106BD01
3J106CA20
3J106FA12
3J106GA02
3J106GA04
3J106GA27
(57)【要約】
メス型コネクターおよびコネクターアッセンブリが本出願にしたがって提供される。メス型コネクターは、ハウジングであり、ハウジングは、第1の軸線方向を画定し、ハウジングの第1の端部においてオス型コネクターの挿入のための開口部を有し、第1の制限部材が、ハウジングの外周部に設けられる、ハウジングと、ハウジングの中に配置されたバルブアッセンブリと、第1の軸線方向に沿って延在する受け入れ通路を画定するベースと、ハウジングの外側にスリーブされており、受け入れ通路の中にハウジングを保持するために受け入れ通路の中に配置されたブッシングであり、ブッシングは、弾性的に変形可能である、ブッシングと、ベースの軸線方向端部に固定された装着部材とを含む。第1の制限部材は、軸線方向端部と装着部材との間に閉じ込められており、第1の制限部材が移動するための移動スペースが、軸線方向端部と装着部材との間に画定されている。コネクターアッセンブリは、メス型コネクターを含む。本出願によるメス型コネクターおよびコネクターアッセンブリは、さまざまな方向への取付公差を吸収し得、単純な組み立てプロセスおよび幅広い適用範囲を有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであり、前記ハウジングは、第1の軸線方向を画定し、前記ハウジングの第1の端部においてオス型コネクターの挿入のための開口部を有し、前記ハウジングの外周部には、第1の制限部材が設けられた、ハウジングと、
前記ハウジングの中に配置されたバルブアッセンブリと、
前記第1の軸線方向に沿って延在する受け入れ通路を画定するベースであり、前記ハウジングが、前記受け入れ通路の中に部分的に受け入れられる、ベースと、
前記ハウジングの外側に袖を付け、前記受け入れ通路の中に配置されたブッシングであり、前記ブッシングは、弾性的に変形可能である、ブッシングと、
前記ベースの軸線方向端部に固定された装着部材と、
を含み、
前記第1の制限部材は、前記第1の軸線方向において前記軸線方向端部と前記装着部材との間に閉じ込められており、前記第1の制限部材が移動するための移動スペースが、前記軸線方向端部と前記装着部材との間に画定される、
メス型コネクター。
【請求項2】
前記装着部材とともに前記移動スペースを画定するために、凹部が、前記ベースの前記軸線方向端部に設けられ、前記凹部は、前記第1の軸線方向において前記受け入れ通路に隣接し、前記受け入れ通路と連通している、請求項1に記載のメス型コネクター。
【請求項3】
前記ハウジングの前記外周部には、第2の制限部材が設けられ、前記第1の制限部材および前記第2の制限部材は、前記第1の軸線方向において間隔を空けられており、
前記ブッシングは、前記第1の制限部材と前記第2の制限部材との間に位置付けられた前記ハウジングの一部の上に袖を付け、前記ブッシングは、前記第1の軸線方向において、前記第1の制限部材と前記第2の制限部材との間の距離よりも短い長さを有する、
請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項4】
前記第1の制限部材および前記第2の制限部材は、前記第2の制限部材が前記受け入れ通路を通して挿入可能であるように、および、前記第1の制限部材が前記受け入れ通路の外側に停止されるように、形状決めおよび/またはサイズ決めされる、請求項3に記載のメス型コネクター。
【請求項5】
前記ブッシングは、熱可塑性エラストマーまたはゴム材料から作製されており、前記ブッシングの周壁は、少なくとも1つのキャビティーを内部に画定する、請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項6】
前記ブッシングは、前記第1の軸線方向に延在するスリットを有し、前記ハウジングは、前記スリットを介して前記ブッシングの中に入れ子にされる、請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項7】
前記装着部材は、プレートの形態であり、前記第1の軸線方向に対して実質的に垂直に延在する、請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項8】
前記ハウジングの前記開口部は、前記ハウジングの中への前記オス型コネクターの前記挿入をガイドするためのガイド面を有する、請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項9】
前記ハウジングは、一緒に組み立てられる第1のハウジング部分および第2のハウジング部分を含み、
前記第1のハウジング部分は、前記第1の軸線方向および前記開口部を画定し、前記第2のハウジング部分は、流体パイプラインと接続されるためのアダプターセクションを含む、
請求項1または2に記載のメス型コネクター。
【請求項10】
前記バルブアッセンブリは、
前記第1の軸線方向に沿って前記ハウジングの中に位置決めされたバルブステムであり、前記バルブステムは、前記バルブステムの2つの端部においてそれぞれバルブステムヘッドおよびバルブステムベースを含む、バルブステムと、
前記第1のハウジング部分の中に配置され、前記バルブステムの外側にスリーブされたスライド式スリーブであり、前記スライド式スリーブは、前記第1の軸線方向に沿って第1の閉鎖位置と第1の開放位置との間でスライド可能である、スライド式スリーブと、
弾性要素と
を含み、
前記弾性要素の2つの端部は、前記スライド式スリーブを前記第1の閉鎖位置に向けて付勢するために、前記スライド式スリーブおよび前記バルブステムベースにそれぞれ当接し、
前記スライド式スリーブは、前記スライド式スリーブが前記第1の閉鎖位置にあるときには、前記メス型コネクターの流路を遮断するために、前記第1のハウジング部分と前記バルブステムヘッドとの間の環状ギャップを閉塞し、前記メス型コネクターの前記流路は、前記スライド式スリーブが前記第1の開放位置にあるときには、開放される、
請求項9に記載のメス型コネクター。
【請求項11】
前記第2のハウジング部分は、前記第1のハウジング部分に連結されており、内側ステップ状部分を含み、
前記バルブステムベースは、前記開口部から離れた前記第1のハウジング部分の端部と前記第2のハウジング部分の前記内側ステップ状部分との間に少なくとも部分的に挟まれる、
請求項10に記載のメス型コネクター。
【請求項12】
前記スライド式スリーブの外周部には、制限突出部が設けられ、前記第1のハウジング部分の内周部には、制限面が設けられ、
前記制限突出部および前記制限面は、前記スライド式スリーブを前記第1の閉鎖位置に制限するために、互いに当接するように適合される、
請求項10に記載のメス型コネクター。
【請求項13】
前記スライド式スリーブは、前記第1のハウジング部分の内周面とのシール接触のために、前記スライド式スリーブの外周部の埋め込まれたシーリング部材を含み、
前記シーリング部材は、異形シーリングリングの形態であり、前記シーリング部材の内周部は、前記第1の軸線方向に沿って配置された2つの環状フランジを有し、
各環状フランジは、半径方向に内向きにテーパー状になっている、
請求項10に記載のメス型コネクター。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のメス型コネクターと、前記メス型コネクターと接続されるためのオス型コネクターとを含む、コネクターアッセンブリであって、
前記オス型コネクターは、
第2の軸線方向を画定し、前記第2の軸線方向にプラグ端部を有するケーシングであり、前記プラグ端部は、ポートを画定する、ケーシングと、
前記ケーシングの中に配置され、バルブコアおよび弾性部材を含むバルブユニットであり、前記バルブコアは、前記第2の軸線方向において第2の閉鎖位置と第2の開放位置との間で移動可能であり、前記バルブコアは、前記弾性部材によって前記第2の閉鎖位置に向けて付勢される、バルブユニットと
を含み、
前記バルブコアは、前記バルブコアが前記第2の閉鎖位置にあるときには、前記オス型コネクターの流路を遮断するために、前記ポートを閉塞し、前記オス型コネクターの前記流路は、前記バルブコアが前記第2の開放位置にあるときには、開放され、
前記メス型コネクターおよび前記オス型コネクターは、互いに接続されているときには、前記メス型コネクターの前記流路および前記オス型コネクターの前記流路が両方とも開放されて互いに流体連通するように、互いに相互作用する、
コネクターアッセンブリ。
【請求項15】
前記プラグ端部は、第1の内周傾斜面および第2の内周傾斜面を画定し、
前記ポートの内周面、前記第1の内周傾斜面、および前記第2の内周傾斜面は、前記第2の軸線方向に順番に接続されており、前記第1の内周傾斜面および前記第2の内周傾斜面は、前記バルブコアの外周部に埋め込まれているシーリング部材を前記第2の軸線方向に移動して前記ポートの内周面とシール接触するようにガイドするように構成され、
前記第1の内周傾斜面および前記第2の内周傾斜面は、前記第2の軸線方向に対して第1の角度および第2の角度をそれぞれなし、前記第1の角度は、前記第2の角度よりも小さい、
請求項14に記載のコネクターアッセンブリ。
【請求項16】
前記第1の角度は、5°から15°の範囲にある、請求項15に記載のコネクターアッセンブリ。
【請求項17】
前記プラグ端部は、前記メス型コネクターのハウジングの内周面とのシール接触のために、前記プラグ端部の外周部に埋め込まれたシーリング部材を含み、
前記シーリング部材は、異形シーリングリングの形態であり、前記シーリング部材の内周部は、前記第2の軸線方向に沿って配置された2つの環状フランジを有し、
各環状フランジは、半径方向に内向きにテーパー状になっている、
請求項14に記載のコネクターアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、2つの流体パイプラインの間の流体連通を確立するためのメス型コネクターおよびコネクターアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクターアッセンブリは、さまざまな用途において、2つの流体パイプラインの間の接続および流体連通を確立するために使用され得る。
【0003】
コネクターアッセンブリは、一般的に、メス型コネクターおよびオス型コネクターを含み、それらのそれぞれは、流体パイプラインに接続される。オス型コネクターは、メス型コネクターに挿入され、流体パイプライン間の流体連通を確立し得る。コネクターアッセンブリは、メス型コネクターおよびオス型コネクターが切り離されているときに、流体パイプラインの中の流体がメス型コネクターおよびオス型コネクターを通って流出することを防止するための双方向の遮断機能を有するということが望ましい。さらに、メス型コネクターおよびオス型コネクターは、メス型コネクターおよびオス型コネクターが接続されるときに、さまざまな方向への組み立て公差に適合し得ることが望ましく、メス型コネクターおよびオス型コネクターが容易に組み立てられて互いに接続され得るようになり、メス型コネクターおよびオス型コネクターが頻繁に接続されるかまたは切り離されることを必要とされる適用シナリオに関して、とりわけ有利である。たとえば、ますます多くの再生可能エネルギー車両製造業者が、バッテリーパックの中の熱管理システムと車両の中の冷却剤供給システムとの間の流体連通を確立するために使用されるコネクターアッセンブリのオス型コネクターおよびメス型コネクターが何度も接続されるかまたは切り離されることを必要とされるバッテリーパック交換技法を選ぶので、コネクターアッセンブリは、さまざまな方向への組み立て公差を吸収し、双方向の遮断を実現し得ることが望ましい。
【0004】
しかし、上記の機能を実現することができるコネクターアッセンブリを開発することは、依然として多くの課題に直面している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、上記の機能のうちの1つ以上を実現するための改善されたメス型コネクターおよびコネクターアッセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の第1の態様によれば、メス型コネクターが提供される。メス型コネクターは、ハウジングであり、第1の軸線方向を画定し、ハウジングの第1の端部においてオス型コネクターの挿入のための開口部を有し、ハウジングの外周部には、第1の制限部材が設けられた、ハウジングと、ハウジングの中に配置されたバルブアッセンブリと、第1の軸線方向に沿って延在する受け入れ通路を画定するベースであり、ハウジングが、受け入れ通路の中に部分的に受け入れられる、ベースと、ハウジングの外側に袖を付け(sleeved)、受け入れ通路の中に配置されたブッシングであり、弾性的に変形可能である、ブッシングと、ベースの軸線方向端部に固定された装着部材と、を含む。第1の制限部材は、第1の軸線方向において軸線方向端部と装着部材との間に閉じ込められており、第1の制限部材が移動するための移動スペースが、軸線方向端部と装着部材との間に画定される。
【0007】
本出願の第1の態様によるメス型コネクターは、弾性的に変形可能なブッシングを使用することによって、ベースの中にハウジングを保持し、移動可能な様式でベースと装着部材との間にハウジングの第1の制限部材を閉じ込める。そのような構成は、オス型コネクターがメス型コネクターと接続されるときに、さまざまな方向への組み立て公差を吸収し得、ハウジングがベースの受け入れ通路の中で回転することを可能にし、したがって、ハウジングの円周方向の向きが、必要に応じて調節され得、それによって、メス型コネクターと接続されている流体パイプラインのレイアウトの最適化を可能にする。
【0008】
上記の技術的概念によれば、本出願の第1の態様は、以下の随意的な形態のうちの1つ以上をさらに含み得る。
【0009】
いくつかの随意的な実施形態において、装着部材とともに移動スペースを画定するために、凹部が、ベースの軸線方向端部に設けられ、凹部は、第1の軸線方向において受け入れ通路に隣接し、受け入れ通路と連通している。
【0010】
いくつかの随意的な実施形態において、第2の制限部材がハウジングの外周部に設けられ、第1の制限部材および第2の制限部材は、第1の軸線方向において間隔を空けられている。ブッシングは、第1の制限部材と第2の制限部材との間に位置付けられたハウジングの一部の上に袖を付け、ブッシングは、第1の軸線方向において、第1の制限部材と第2の制限部材との間の距離よりも短い長さを有する。
【0011】
いくつかの随意的な実施形態において、第1の制限部材および第2の制限部材は、第2の制限部材が受け入れ通路を通して挿入され得るように、および、第1の制限部材が受け入れ通路の外側に停止されるように、形状決めおよび/またはサイズ決めされる。
【0012】
いくつかの随意的な実施形態において、ブッシングは、熱可塑性エラストマーまたはゴム材料から作製されており、少なくとも1つのキャビティーが、ブッシングの周壁の中に画定される。
【0013】
いくつかの随意的な実施形態において、ブッシングは、第1の軸線方向に延在するスリットを有し、ハウジングは、スリットを介してブッシングの中に入れ子にされる。
【0014】
いくつかの随意的な実施形態において、装着部材は、プレートの形態であり、第1の軸線方向に対して実質的に垂直に延在する。
【0015】
いくつかの随意的な実施形態において、ハウジングの開口部は、ハウジングの中へのオス型コネクターの挿入をガイドするためのガイド面を有する。
【0016】
いくつかの随意的な実施形態において、ハウジングは、一体に組み立てられる第1のハウジング部分および第2のハウジング部分を含む。第1のハウジング部分は、第1の軸線方向および開口部を画定し、第2のハウジング部分は、流体パイプラインと接続されるためのアダプターセクションを含む。ハウジングの分割構造は、さまざまな構成のアダプターセクションがハウジングのために使用されることを可能にし、それによって、メス型コネクターの適用範囲を広げ、バルブアッセンブリを取り付けるためのメス型コネクターの内部構造をさらに単純化し、メス型コネクターの組み立てを容易にする。
【0017】
いくつかの随意的な実施形態において、バルブアッセンブリは、第1の軸線方向に沿ってハウジングの中に位置決めされたバルブステムであり、バルブステムの2つの端部においてそれぞれバルブステムヘッドおよびバルブステムベースを含む、バルブステムと、第1のハウジング部分の中に配置され、バルブステムの外側に袖を付けたスライド式スリーブであり、第1の軸線方向に沿って第1の閉鎖位置と第1の開放位置との間でスライド可能である、スライド式スリーブと、弾性要素と、を含む。弾性要素の2つの端部は、スライド式スリーブを第1の閉鎖位置に向けて付勢するために、スライド式スリーブおよびバルブステムベースにそれぞれ当接する。スライド式スリーブは、スライド式スリーブが第1の閉鎖位置にあるときには、メス型コネクターの流路を遮断するために、第1のハウジング部分とバルブステムヘッドとの間の環状ギャップを閉塞し、メス型コネクターの流路は、スライド式スリーブが第1の開放位置にあるときには、開放される。
【0018】
いくつかの随意的な実施形態において、第2のハウジング部分は、第1のハウジング部分に連結されており、内側ステップ状部分を含む。バルブステムベースは、開口部から離れた第1のハウジング部分の端部と第2のハウジング部分の内側ステップ状部分との間に少なくとも部分的に挟まれる。この設計によって、バルブステムは、単純な方式でハウジングの中に位置決めされ得る。
【0019】
いくつかの随意的な実施形態において、スライド式スリーブの外周部には、制限突出部が設けられ、第1のハウジング部分の内周部には、制限面が設けられる。制限突出部および制限面は、スライド式スリーブを第1の閉鎖位置に制限するために、互いに当接するように適合される。
【0020】
いくつかの随意的な実施形態において、スライド式スリーブは、第1のハウジング部分の内周面とのシール接触のために、スライド式スリーブの外周部に埋め込まれたシーリング部材を含む。シーリング部材は、異形シーリングリングの形態であり、シーリング部材の内周部は、第1の軸線方向に沿って配置された2つの環状フランジを有する。各環状フランジは、半径方向に内向きにテーパー状になっている。シーリングリングの異形構造は、スライド式スリーブが往復運動するときに、シーリングリングがスライド式スリーブから分離されることを防止し得る。
【0021】
本出願の第2の態様によれば、コネクターアッセンブリが提供される。コネクターアッセンブリは、本出願の第1の態様によるメス型コネクターと、メス型コネクターと接続されるためのオス型コネクターと、を含む。オス型コネクターは、第2の軸線方向を画定し、第2の軸線方向にプラグ端部を有するケーシングであり、プラグ端部は、ポートを画定するケーシングと、ケーシングの中に配置され、バルブコアおよび弾性部材を含むバルブユニットであり、バルブコアは、第2の軸線方向において第2の閉鎖位置と第2の開放位置との間で移動可能であり、バルブコアは、弾性部材によって第2の閉鎖位置に向けて付勢される、バルブユニットと、を含む。バルブコアは、バルブコアが第2の閉鎖位置にあるときには、オス型コネクターの流路を遮断するために、ポートを閉塞し、オス型コネクターの流路は、バルブコアが第2の開放位置にあるときには、開放される。メス型コネクターおよびオス型コネクターは、互いに接続されているときには、メス型コネクターの流路およびオス型コネクターの流路が両方とも開放されて互いに流体連通するように、互いに相互作用する。
【0022】
上記の技術的概念によれば、本出願の第2の態様は、以下の随意的な形態のうちの1つ以上をさらに含み得る。
【0023】
いくつかの随意的な実施形態において、プラグ端部は、第1の内周傾斜面および第2の内周傾斜面を画定する。ポートの内周面、第1の内周傾斜面、および第2の内周傾斜面は、第2の軸線方向に順番に接続されており、第1の内周傾斜面および第2の内周傾斜面は、バルブコアの外周部に埋め込まれたシーリング部材を第2の軸線方向に移動して、ポートの内周面とシール接触するようにガイドするように構成される。第1の内周傾斜面および第2の内周傾斜面は、第2の軸線方向に対して第1の角度および第2の角度をそれぞれなし、第1の角度は、第2の角度よりも小さい。シーリング部材は、減少する傾斜角度を有する2つの連続して配置された内周傾斜面に沿って、ポートの中へガイドされ、弾性部材によって提供されることとなる弾性力が低減され得る。したがって、弾性部材の耐用年数が、長期化され得、それによって、オス型コネクターの耐用年数を改善し、この配置は、より低い弾性係数を有する弾性部材の使用を可能にし、オス型コネクターの組み立てをより容易にする。
【0024】
いくつかの随意的な実施形態において、第1の角度は、5°から15°の範囲にある。
【0025】
いくつかの随意的な実施形態において、プラグ端部は、メス型コネクターのハウジングの内周面とのシール接触のために、プラグ端部の外周部に埋め込まれたシーリング部材を含む。シーリング部材は、異形シーリングリングの形態であり、シーリング部材の内周部は、第2の軸線方向に沿って配置された2つの環状フランジを有する。各環状フランジは、半径方向に内向きにテーパー状になっている。シーリングリングの異形構造は、プラグ端部が何度も差し込まれるかまたは抜かれることを必要とされるときに、シーリングリングがプラグ端部から分離されることを防止し得る。
【0026】
本出願によるメス型コネクターおよびコネクターアッセンブリは、双方向の遮断を現実化し、さまざまな方向への取付公差を吸収し得、単純な組み立てプロセスおよび幅広い適用範囲を有し得る。
【0027】
本出願の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して詳細に説明されている以下の好適な実施形態を通して容易に理解されることとなり、図面において、同じ参照番号は、同じまたは同様のコンポーネントを示している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本出願の例示的な実施形態によるコネクターアッセンブリのメス型コネクターおよびオス型コネクターが互いに分離されているときのそれらの概略斜視図である。
【
図2】本出願の例示的な実施形態によるコネクターアッセンブリのメス型コネクターおよびオス型コネクターが互いに接続されているときのそれらの概略断面図である。
【
図3A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの概略斜視図である。
【
図3B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの概略平面図である。
【
図4】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの概略分解図である。
【
図5】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの概略断面図である。
【
図6A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのブッシングおよび第1のハウジング部分が一緒に組み立てられているときの概略斜視図である。
【
図6B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのブッシングおよび第1のハウジング部分が一緒に組み立てられているときの概略平面図である。
【
図7】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのベースの概略斜視図である。
【
図8A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのブッシングの概略斜視図である。
【
図8B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのブッシングの概略平面図である。
【
図9A】異なる視点から見た、本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの第1のハウジング部分の概略斜視図である。
【
図9B】異なる視点から見た、本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの第1のハウジング部分の概略斜視図である。
【
図9C】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターの第1のハウジング部分の概略平面図である。
【
図10A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのバルブステムの概略斜視図である。
【
図10B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのバルブステムの概略平面図である。
【
図11A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのスライド式スリーブの概略斜視図である。
【
図11B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのスライド式スリーブの概略平面図である。
【
図12A】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのシーリング部材の概略斜視図である。
【
図12B】本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクターのシーリング部材の概略部分平面図である。
【
図13A】本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクターの概略斜視図である。
【
図13B】本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクターの概略平面図である。
【
図14】本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクターの概略分解図である。
【
図15A】断面に沿った、本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクターの概略断面図である。
【
図15B】異なる断面に沿った、本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクターの概略断面図である。
【
図16】本出願の例示的な実施形態によるコネクターアッセンブリのメス型コネクターおよびオス型コネクターが接続されているときの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態の実装および使用法が、下記に詳細に議論されている。しかし、議論されている特定の実施形態は、単に、本出願を実装および使用する特定の方式を図示することを意図しているに過ぎず、本出願の範囲を限定することを意図していないものと考えられる。コンポーネントの構造および位置を説明するときに、本明細書における方向関連の表現(たとえば、「上側」、「下側」、「上部」、および「底部」など)は、絶対的なものではなく、相対的なものである。コンポーネントが図面に示されているように配置されているときには、これらの方向関連の表現は適当であるが、図面の中のこれらのコンポーネントの位置が変更されているときには、これらの方向関連の表現は、それにしたがって変更されるべきである。
【0030】
本出願において、円筒状のまたは環状のコンポーネントの軸線方向は、コンポーネントの中心軸線に沿った方向を指しており、円筒状のまたは環状のコンポーネントの周辺方向は、コンポーネントの周囲部に沿った方向を指しており、円筒状のまたは環状のコンポーネントの半径方向は、コンポーネントの中心軸線を通過し、コンポーネントの軸線方向に対して垂直の方向を指している。
【0031】
図1および
図2は、本出願の例示的な実施形態によるコネクターアッセンブリ10を示している。コネクターアッセンブリ10は、メス型コネクター100およびオス型コネクター200を含み、オス型コネクター200は、メス型コネクター100と接続されるためのものである。メス型コネクター100およびオス型コネクター200は、流体パイプライン(図示略)にそれぞれ接続され得る。
【0032】
図3Aから
図12Bは、本出願の例示的な実施形態によるメス型コネクター100およびそのコンポーネントを図示している。
【0033】
図3Aから
図5を参照すると、メス型コネクター100は、ハウジング102と、バルブアッセンブリ104と、ベース106と、ブッシング108と、装着部材110と、を含み得る。ハウジング102は、第1の軸線方向A1を画定している。ハウジング102は、ハウジング102の第1の端部103において、オス型コネクター200の挿入のための開口部112を有している。そして、第1の制限部材114が、ハウジング102の外周部に設けられる。バルブアッセンブリ104は、ハウジング102の中に配置されている。ベース106は、第1の軸線方向A1に沿って延在する受け入れ通路116を画定しており、ハウジング102は、受け入れ通路116の中に部分的に受け入れられている。ブッシング108は、ハウジング102の外側に袖を付け、受け入れ通路116の中に配置され、受け入れ通路116の中にハウジング102を保持し、ブッシング108は、弾性的に変形可能である。装着部材110は、ベース106の軸線方向端部118(すなわち、第1の軸線方向A1におけるベース106の端部)に固定されている。第1の制限部材114は、第1の軸線方向A1において軸線方向端部118と装着部材110との間に閉じ込められており、第1の制限部材114が移動するための移動スペースS(
図3Aに示されている)が、軸線方向端部118と装着部材110との間に画定されている。
【0034】
図4を参照すると、ハウジング102は、第1のハウジング部分120および第2のハウジング部分122を含む。第1のハウジング部分120および第2のハウジング部分122は、たとえば別個に形成され、互いに組み立てられ得る。これは、異なるパイプラインまたは相手部品に適用するように第2のハウジング部分122がさまざまな構成を有することを可能にし、メス型コネクター100の適用範囲を拡大する。第1のハウジング部分120および第2のハウジング部分122は、たとえば、射出成形によって形成され得る。
【0035】
図4、
図5、および
図9Aから
図9Cを参照すると、第1のハウジング部分120は、概して真っ直ぐな円筒状の形状を有しており、第1の軸線方向A1を画定し得る。第1のハウジング部分120は、ベース106の受け入れ通路116の中に受け入れられている。本明細書において別段の特定がない限り、第1の軸線方向A1は、第1のハウジング部分120が受け入れ通路116と同軸であるときの第1のハウジング部分120の中心軸線の方向を指すということが留意されるべきである。
【0036】
第1のハウジング部分120は、第1のハウジング本体部124および保持リング128を含み得る。第1のハウジング本体部124は、第1の端部103および第2の端部105を有している。第1のハウジング本体部124の第1の端部103は、オス型コネクター200の挿入のための開口部112を有している。ハウジング102の開口部112は、ハウジング102の中へのオス型コネクター200の挿入をガイドするためのガイド面126を有している。保持リング128は、第1のハウジング本体部124の第2の端部105に設けられる。図示されている実施形態において、第2のハウジング部分122は、概して曲げられた円筒状の形状を有し得る。第2のハウジング部分122は、第1のハウジングセクション120と連結されている連結セクション130と、流体パイプラインと接続されるためのアダプターセクション132と、を含み得る。第2のハウジング部分122の連結セクション130は、第1のハウジング本体部124の第2の端部105と保持リング128との間に少なくとも部分的に配置され得、また、保持リング128のバーブ129によって、第1のハウジング本体部124の第2の端部105において保持され得る。シーリング部材134が、第1のハウジング本体部124の第2の端部105と連結セクション130との間に設けられ、第1のハウジング部分120および第2のハウジング部分122のシールされた組み立てを実現する。
【0037】
図4を参照すると、バルブアッセンブリ104は、バルブステム136と、スライド式スリーブ138と、弾性要素140と、を含み得る。随意的に、バルブステム136およびスライド式スリーブ138は、両方とも射出成形によって形成され得る。
【0038】
図5、
図10A、および
図10Bを参照すると、バルブステム136は、第1の軸線方向A1においてハウジング102の中に位置決めされ得る。バルブステム136は、バルブステムヘッド142およびバルブステムベース144を含み得、それらは、バルブステム136の2つの端部にそれぞれ位置付けられ、また、バルブステム136は、バルブステムヘッド142をバルブステムベース144と接続するバルブステム中間部分146を含み得る。図示されている実施形態において、バルブステム136は、一体的に形成されている。バルブステムベース144は、実質的にディスク形状になっており、バルブステムベース144の2つの反対側の側面は、第1の軸線方向A1に対して実質的に垂直になっている。バルブステムベース144は、第1のハウジング部分120および第2のハウジング部分122によって固定され得る。具体的には、第2のハウジング部分122の連結セクション130は、内側ステップ状部分131を含み得る。バルブステムベース144は、第1のハウジング部分120の(開口部112から離れている)第2の端部105と第2のハウジング部分122の内側ステップ状部分131との間に少なくとも部分的に挟まれ得る。バルブステムベース144には、貫通孔部145が設けられ得、貫通孔部145は、流体がそれを通って流れるために2つの側面を通って延在している。バルブステム中間部分146は、実質的に第1の軸線方向A1に沿って延在している。バルブステム中間部分146には、バルブステム136の強度を高めるための複数の補強リブ148がさらに設けられる。バルブステムヘッド142は、第1の軸線方向A1において開口部112に向けて徐々に広がり得、バルブステムヘッド142が、実質的に漏斗形状の断面を有するようになっている。
【0039】
図4、
図5、
図11A、および
図11Bを参照すると、スライド式スリーブ138は、第1のハウジング部分120の中に配置されており、バルブステム136の外側に袖を付けており、スライド式スリーブ138は、第1の軸線方向A1に沿って第1の閉鎖位置(
図5に示されている)と第1の開放位置(
図2に示されている)との間でスライド可能である。シーリング部材150が、スライド式スリーブ138の外周面と第1のハウジング本体部124の内周面との間に設けられる。シーリング部材151が、スライド式スリーブ138の内周面とバルブステムヘッド142の外周面との間に設けられる。図示されている実施形態において、シーリング部材150は、異形シーリングリングの形態である。シーリング部材150は、第1のハウジング部分120の内周面とのシール接触のために、スライド式スリーブ138の外周部に埋め込まれており、すなわち、スライド式スリーブ138の外周部の中の環状の溝部152の中に受け入れられている。
【0040】
図12Aおよび
図12Bを参照すると、シーリング部材150の外周部は、第1の軸線方向A1に沿って配置されている2つの環状フランジ153を有しており、各環状フランジ153は、半径方向に外向きにテーパー状になっている。
【0041】
同様に、シーリング部材150の内周部は、第1の軸線方向A1に沿って配置されている2つの環状フランジ155を有しており、各環状フランジ155は、半径方向に内向きにテーパー状になっている。
【0042】
円形断面を有する従来のシーリングリングと比較して、内周部に2つの環状フランジを有する異形シーリング部材150をスライド式スリーブ138の環状の溝部152から引き出すために必要とされる外力が、著しく増加させられ、シーリング部材150が環状の溝部152の中により確実に保たれ得るようになっており、それによって、スライド式スリーブ138が第1の閉鎖位置と第1の開放位置との間で往復運動するときに、シーリング部材150がスライド式スリーブ138から分離されることを防止する。
【0043】
図4、
図5、
図11A、および
図11Bを参照すると、弾性要素140の2つの端部は、スライド式スリーブ138の内側ステップ状部分139およびバルブステムベース144にそれぞれ当接している。随意的に、弾性要素140は、コイルスプリングの形態であり得る。スライド式スリーブ138は、弾性要素140の弾性力によって、第1の閉鎖位置に向けて付勢されている。スライド式スリーブ138の外周部には、制限突出部154が設けられる。第1のハウジング部分120の内周部には、制限面156が設けられる。制限突出部154および制限面156は、スライド式スリーブ138を第1の閉鎖位置に制限するために、互いに当接し得る。
【0044】
スライド式スリーブ138が弾性要素140によって第1の閉鎖位置に付勢されているときには、スライド式スリーブ138の外周面および内周面は、第1のハウジング部分120の内周面およびバルブステムヘッド142の外周面にそれぞれ接触し、第1のハウジング部分120とバルブステムヘッド142との間の環状ギャップを閉塞するようになっており、メス型コネクター100の流路をさらに遮断するようになっている。スライド式スリーブ138が第1の軸線方向A1に沿って外力によって押されるときに、スライド式スリーブ138は、弾性要素140の弾性力に抵抗し、バルブステムヘッド142から離れるように第1の開放位置に移動し得、メス型コネクター100の流路が開放されるようになっている。
図2を参照すると、スライド式スリーブ138が第1の開放位置にあるときに、流体は、スライド式スリーブ138とバルブステム136との間のギャップを通って流れ得、次いで、バルブステムベース144の中の貫通孔部145を通って第2のハウジング部分122の中へ流入し、次いで、メス型コネクター100と接続されている流体パイプライン(図示略)の中へ流入し得る。同様に、流体は、逆方向に沿って、メス型コネクター100と接続されている流体パイプラインからハウジング102の中へ流入し、次いで、ハウジング102から外へ流れ得る。
【0045】
図4、
図5、および
図9Aから
図9Cを参照すると、メス型コネクター100は、ベース106の上の接続構造体(図示略)を介して、メス型コネクター100が適用されるべき適用環境に固定され得る。メス型コネクター100の第1のハウジング部分120は、ブッシング108を介して、ベース106の受け入れ通路116の中に部分的に受け入れられて保持され得る。第1のハウジング部分120は、第1の制限部材114および第2の制限部材158を有し得る。第1の制限部材114および第2の制限部材158は、第1のハウジング本体部124の周りに延在しており、第1の軸線方向A1に沿って間隔を空けられている。ブッシング108は、第1のハウジング本体部124の外側に袖を付けており、第1の制限部材114と第2の制限部材158との間に閉じ込められている。
【0046】
図4、
図5、および
図8Aから
図9Cを参照すると、ブッシング108は、熱可塑性エラストマーまたはゴム材料から作製され得、少なくとも1つのキャビティー160が、ブッシング108の周壁の中に画定されている。図示されている実施形態において、ブッシング108は、複数のキャビティー160を有しており、複数のキャビティー160は、ブッシングの周辺方向に配置されており、ブッシング108の弾性変形を促進させるために第1の軸線方向A1に延在している。ブッシング108は、任意の他の適切なマルチキャビティー構成を有し得ることが考えられる。たとえば、ブッシングの周壁は、ハニカム形状であり得る。ブッシング108は、第1の軸線方向A1に延在するスリット162を有している。第1のハウジング本体部124は、スリット162を介してブッシング108の中に入れ子にされ得る。ブッシング108の内径は、第1の制限部材114と第2の制限部材158との間に位置付けられた第1のハウジング本体部124の一部分の外径に実質的に等しくてもよい。ブッシング108の外径は、受け入れ通路116の内径に実質的に等しいかまたはそれよりもわずかに大きくてもよい。第1の制限部材114および第2の制限部材158は、第2の制限部材158が受け入れ通路116を通して挿入され得、第1の制限部材114が受け入れ通路116の外側で停止させられるように、形状決めおよび/またはサイズ決めされている。
図9Aから
図9Cに示されている実施形態では、第1の制限部材114の円弧部分の外径は、受け入れ通路116の内径よりも大きくなっており、第2の制限部材158の外径は、受け入れ通路116の内径よりも小さくなっており、第1のハウジング部分120の第2の制限部材158が受け入れ通路116を通して挿入され得るが、一方では、第1の制限部材114が受け入れ通路116に進入することができないようになっている。
【0047】
加えて、ブッシング108の長さ(すなわち、第1の軸線方向A1におけるブッシング108の長さ)は、第1の軸線方向A1において第1の制限部材114と第2の制限部材158との間の距離よりも小さくてもよい。
【0048】
図5および
図16を参照すると、ブッシング108の長さは、第1の制限部材114と第2の制限部材158との間の距離よりも小さくなっているので、制限部材(すなわち、第1の制限部材114および/または第2の制限部材158)とブッシング108の軸線方向端部との間に、特定のスペースが存在している。オス型コネクター200が、挿入されるときに第1のハウジング部分120の開口部112と十分に位置合わせされておらず、第1のハウジング部分120が、それによってブッシング108の中で偏向される場合には、第1の制限部材114および第2の制限部材158は、第1のこのスペースに起因して、最初に適宜かつ容易に偏向することとなり、ブッシング108の2つの軸線方向端部は、第1のハウジング部分120が偏向し始めるときに、第1の制限部材114および第2の制限部材158の偏向に即座に抵抗することとはならず、それは、オス型コネクター200の挿入力を低減させ得(特に、ブッシング108の軸線方向剛性が比較的大きい場合)、それによって、メス型コネクター100への損傷のリスクを低減させる。
【0049】
ブッシング108の長さが第1の制限部材114と第2の制限部材158との間の距離に等しい場合には、第1のハウジング部分120が偏向されると、ブッシング108の2つの軸線方向端部は、第1の制限部材114および第2の制限部材158にそれぞれ当接し、大きな力によってこの偏向に抵抗することとなり(特に、ブッシング108の軸線方向剛性が比較的大きい場合)、それは、オス型コネクター200の大きな挿入力を結果として生じさせることとなり、そして、メス型コネクターへの損傷のリスクを増加させることが考えられる。
【0050】
図3Aおよび
図7を参照すると、受け入れ通路116の外側に位置付けられた第1の制限部材114は、装着部材110によって制限され得る。装着部材110は、プレートの形態であり、第1の軸線方向A1に対して実質的に垂直に延在し得る。装着部材110は、たとえば、締結具164を介して、ベース106の軸線方向端部118に固定され得、第1の制限部材114を第1の軸線方向A1において軸線方向端部118と装着部材110との間に閉じ込めるようになっている。第1の制限部材114が移動するための移動スペースSが、軸線方向端部118と装着部材110との間に画定されている。ベース106の軸線方向端部118には、凹部166が設けられ得る。凹部166は、第1の軸線方向A1において、受け入れ通路116に隣接しており、受け入れ通路116と連通している。凹部166の形状および/またはサイズは、凹部166が第1の制限部材114を収容することができるように設計されている。凹部166および装着部材110は、第1の制限部材114が移動するための移動スペースSを画定している。
【0051】
装着部材110が特定の厚さを有するケースでは、凹部が、ベース106に面する装着部材110の側部に設けられ得、ベース106の軸線方向端部118とともに、第1の制限部材114が移動するための移動スペースを画定するようになっていることが考えられる。ここでの第1の制限部材114の移動は、第1の軸線方向A1の周りの回転、第1の軸線方向A1に沿った移動、第1の軸線方向A1に対して垂直方向への移動、および、第1の制限部材114の偏向(すなわち、その法線方向が第1の軸線方向A1に対して傾斜している状態での第1の制限部材114の移動)を含むが、それに限定されない。
【0052】
メス型コネクターは、弾性的に変形可能なブッシング108を使用することによって、ベース106の中に第1のハウジング部分120を保持し、移動可能な様式でベース106と装着部材110との間に第1のハウジング部分120の第1の制限部材114を閉じ込めている。メス型コネクターのそのような構成は、詳細に下記に説明するように、メス型コネクター100がオス型コネクター200と接続されるときに、さまざまな方向への組み立て公差を吸収し得、ハウジング102がベース106の中で回転することを可能にし、したがって、第2のハウジング部分122の円周方向の向きが必要に応じて調節され得、それによって、メス型コネクター100に接続されている流体パイプラインのレイアウトの最適化を可能にする。
【0053】
図4および
図7を参照すると、装着部材110は、開口部168を含み得、開口部168は、装着部材110が第1の軸線方向A1に対して垂直方向に沿ってベース106の上に装着されるときに、ハウジング102との機械的な干渉を回避するために、1つの側に開口している。
【0054】
メス型コネクター100が組み立てられているときに、バルブアッセンブリ104が、第1のハウジング部分120の中に置かれ、第2のハウジング部分122が、第1のハウジング部分120の第2の端部105と連結されており、バルブアッセンブリ104がハウジング102の中に保持されるようになっている。次いで、ブッシング108が、第1の制限部材114と第2の制限部材158との間の第1のハウジング部分120の部分の外側に袖を付ける。このように、ハウジング102、バルブアッセンブリ104、およびブッシング108のアッセンブリ構造体が、取得され得る。次いで、アッセンブリ構造体は、ベース106の受け入れ通路116に挿入され、第1のハウジング部分120の第2の制限部材158が受け入れ通路116を通して挿入されるようになっているが、一方では、第1の制限部材114は、ベース106の軸線方向端部118における凹部166の中に位置付けられるようになっている。次いで、装着部材110が、第1の軸線方向A1に対して垂直方向に、第1の制限部材114と保持リング128との間の第1のハウジング部分120の部分を通過させられ、次いで、ベース106の上に置かれ、装着部材110およびベース106の上の締結ポイントが位置合わせされるようになっている。そして、次いで、装着部材110が、締結具164を介してベース106に固定される。このように、第1のハウジング部分120の第1の制限部材114は、ベース106の軸線方向端部118と装着部材110との間に閉じ込められ、第1の制限部材114がベース106の軸線方向端部118と装着部材110との間で移動可能であるようになっており、一方では、ハウジング102がベース106から分離されることを防止されるようになっている。上記の組み立てステップは、単なる例に過ぎず、組み立ては、他のシーケンスでも行われ得ることが考えられる。
【0055】
図示されている実施形態において、メス型コネクター100のベース106には、2つの受け入れ通路116が設けられ得、メス型コネクター100は、それに対応して、2つのハウジング102、2つのブッシング108、および2つのバルブアッセンブリ104を有し得、ここで、2つのハウジング102は、2つの開口部168を有する1つの装着部材110を介して、ベース106に固定され得る。2つのハウジング102は、1つの開口部をそれぞれ有する2つの装着部材によっても固定され得ることが考えられる。したがって、メス型コネクター100のベース106には、1つまたは2つ以上の受け入れ通路が設けられ得、メス型コネクター100は、対応する数のハウジング、ブッシング、およびバルブアッセンブリを含み得ることが考えられる。
【0056】
図13Aから
図15Cは、本出願の例示的な実施形態によるオス型コネクター200およびそのコンポーネントを図示している。
【0057】
図2および
図13Aから
図15Aを参照すると、オス型コネクター200は、ケーシング202およびバルブユニット204を含む。ケーシング202は、第2の軸線方向A2を画定しており、第2の軸線方向A2にプラグ端部206を有しており、プラグ端部206は、ポート208(
図2に示されている)を画定している。バルブユニット204は、ケーシング202の中に配置されており、バルブコア210および弾性部材212を含む。バルブコア210は、第2の閉鎖位置(
図15Aに示されている)と第2の開放位置(
図2に示されている)との間において、第2の軸線方向A2に移動可能である。バルブコア210は、弾性部材212によって第2の閉鎖位置に向けて付勢されている。バルブコア210は、バルブコア210が第2の閉鎖位置にあるときには、ポート208を閉塞し、オス型コネクター200の流路を遮断し、また、バルブコア210が第2の開放位置にあるときには、オス型コネクター200の流路は開放される。
【0058】
ケーシング202は、ケーシング本体部214およびベースプレート216を含む。図示されている実施形態において、ケーシング本体部214は、実質的に円筒状であり得、ベースプレート216と一体的に形成され得る。随意的に、ケーシング本体部214は、射出成形によって形成され得る。オス型コネクター200は、ベースプレート216を介して、オス型コネクター200が適用されるべき適用環境に固定され得る。
【0059】
図14および
図15Aから
図15Cを参照すると、ケーシング本体部214は、第2の軸線方向A2を画定している。ケーシング本体部214は、メス型コネクター100のハウジング102への挿入のためのプラグ端部206を有している。プラグ端部206は、半径方向に内向きに突出する周辺縁部218を有している。周辺縁部218は、ポート208(
図2に示されている)を画定している。プラグ端部206は、その外周部に埋め込まれたシーリング部材220を含む。プラグ端部206のシーリング部材220は、上記に説明されているメス型コネクター100のシーリング部材150と同じ構成を有し得、オス型コネクター200が何度もメス型コネクター100と接続されるかまたはメス型コネクター100から切り離されるときに、シーリング部材220がプラグ端部206から分離されることを防止するようになっている。
【0060】
バルブユニット204は、ケーシング本体部214の中に配置され得る。バルブユニット204は、装着リング222をさらに含み得る。バルブユニット204のバルブコア210および弾性部材212は、装着リング222を介してケーシング本体部214の中に装着され得る。装着リング222は、プラグ端部206とは反対側のケーシング本体部214の端部に取り外し可能に接続され得る。オス型コネクター200が組み立てられるときには、バルブユニット204が、ケーシング本体部214の中に置かれ得、次いで、装着リング222が、ポート208から離れているケーシング本体部214の端部において装着され得る。組み立て方法は、単純で効率的である。
【0061】
バルブコア210は、バルブコアヘッド224およびブラケット226を含み得る。バルブコアヘッド224は、第2の軸線方向A2においてポート208に向けて徐々に広がり得、バルブコアヘッド224が、実質的に漏斗形状の断面を有するようになっている。シーリング部材228が、バルブコアヘッド224の外周面とケーシング本体部214の内周面との間に設けられ得る。図示されている実施形態において、シーリング部材228は、ポート208の内周面とのシール接触のために、バルブコアヘッド224の外周部に埋め込まれており、すなわち、バルブコアヘッド224の環状の溝部230の中に受け入れられている。
【0062】
弾性部材212の一方の端部は、バルブコア210のブラケット226に当接し得、弾性部材212の別の端部は、装着リング222に当接し得、ポート208を閉塞するために第2の閉鎖位置に向けてバルブコア210を付勢するようになっている。バルブコア210が弾性部材212によって第2の閉鎖位置において付勢されているときには、バルブコアヘッド224は、ポート208の内周面とシール接触しており、オス型コネクター200の流路が遮断されるようになっている。バルブコア210が第2の軸線方向A2に沿って外力によって押されるときには、バルブコア210は、弾性部材212の弾性力に抵抗し、ポート208から離れて第2の開放位置に移動し得、オス型コネクター200の流路が開放されるようになっている。
図2を参照すると、バルブコア210が第2の開放位置にあるときには、流体は、ケーシング本体部214のポート208からケーシング本体部214に進入し、ケーシング本体部214とバルブコアヘッド224との間のギャップを通って流れ、次いで、装着リング222を通って流れ、したがって、オス型コネクター200と接続されている流体パイプライン(図示略)の中へ流入し得る。同様に、流体は、逆方向に沿って、オス型コネクター200と接続されている流体パイプラインからケーシング本体部214の中へ流入し、最後に、ケーシング本体部214のポート208から流出し得る。
【0063】
図2、
図15B、および
図15Cを参照すると、プラグ端部206の周辺縁部218は、第1の内周傾斜面232および第2の内周傾斜面234を画定し得る。ポート208の内周面、第1の内周傾斜面232、および第2の内周傾斜面234は、第2の軸線方向A2に順番に接続されており、第1の内周傾斜面232および第2の内周傾斜面234は、バルブコア210の外周部に埋め込まれたシーリング部材228を第2の軸線方向A2に移動するようにガイドし、ポート208の内周面とシール接触した状態にするように構成されている。第1の内周傾斜面232および第2の内周傾斜面234は、第2の軸線方向A2に対して第1の角度および第2の角度をそれぞれなし、第1の角度は、第2の角度よりも小さい。第1の角度は、たとえば、5°から15°の範囲であり得る。第2の軸線方向A2に対するその傾斜角度が順に減少する、2つの連続して配置されている内周傾斜面に沿ってポート208の中へバルブコア210のシーリング部材228をガイドすることによって、弾性力(それは、弾性部材212によって提供されており、ポート208を閉塞するためにバルブコア210が第2の開放位置から第2の閉鎖位置へ移動するために必要とされる)が低減され得る。弾性部材212は小さな弾性力のみを提供することを必要とするので、弾性部材212の耐用年数は、長期化され得、それによって、オス型コネクター200の耐用年数を改善する。その上、この配置は、より低い弾性係数を有する弾性部材212の使用を可能にし、オス型コネクター200が組み立てられるときに、装着リング222の取付をより容易にする。加えて、第2の内周傾斜面234は、バルブコア210を第2の閉鎖位置に制限するために、バルブコア210のブラケット226に当接してもよい。
【0064】
図14を参照すると、図示されている実施形態において、オス型コネクター200のケーシング202は、2つのケーシング本体部214を含み得、したがって、オス型コネクター200は、2つのバルブユニット204を含み得る。したがって、オス型コネクター200のケーシング202は、1つまたは2つ以上のケーシング本体部214を含み得、オス型コネクター200は、対応する数のバルブユニット204を含み得ることが考えられる。
【0065】
図2を参照すると、オス型コネクター200がメス型コネクター100と接続されているときには、オス型コネクター200のプラグ端部206は、メス型コネクター100の開口部112を介してメス型コネクター100に挿入されており、メス型コネクター100のスライド式スリーブ138を第1の閉鎖位置から離れるように第1の開放位置に押しており、同時に、メス型コネクター100のバルブステムヘッド142は、オス型コネクター200のバルブコア210を第2の閉鎖位置から離れるように第2の開放位置に押しており、メス型コネクター100およびオス型コネクター200の流路が両方とも開放されて互いに流体連通するようになっており、それによって、メス型コネクター100およびオス型コネクター200にそれぞれ接続されている流体パイプライン間の流体連通を確立する。
【0066】
オス型コネクター200のプラグ端部206をメス型コネクター100から引き抜くことによって、オス型コネクター200がメス型コネクター100から切り離されるときには、メス型コネクター100のスライド式スリーブ138およびオス型コネクター200のバルブコア210は、第1の閉鎖位置および第2の閉鎖位置にそれぞれ戻り、このときに、メス型コネクター100およびオス型コネクター200の流路が両方とも閉鎖され、メス型コネクター100およびオス型コネクター200にそれぞれ接続されている流体パイプラインの中の流体は漏出することとならない。
【0067】
メス型コネクター100の公差吸収機能が、バッテリーパックの中の熱管理システムと車両の中の冷却剤供給システムとの間の流体連通を確立するためのコネクターアッセンブリ10の適用を例にとって、
図1から
図16を参照して下記に説明されることとなる。
【0068】
コネクターアッセンブリ10のメス型コネクター100は、車両本体部に固定され、車両の冷却剤供給システムの中の流体パイプラインと流体連通し得る。オス型コネクター200は、バッテリーパックに固定され、バッテリーパックの熱管理システムの中の流体パイプラインと流体連通し得る。
【0069】
図示されている実施形態におけるメス型コネクター100およびオス型コネクター200に関して、オス型コネクター200がメス型コネクター100と接続された後に、2つの流体通路が形成されることとなり、ここで、バッテリーパックの熱管理システムの中の冷却剤(それは、バッテリーと熱を交換した)は、一方の流体通路を通って車両の冷却剤供給システムに進入し得、冷却剤供給システムの中の低温冷却剤は、他方の流体通路を通してバッテリーパックの熱管理システムに補充され得る。
【0070】
バッテリーパックが交換されるときには、バッテリーパックの上のオス型コネクター200が、車両本体部の上のメス型コネクター100と事前に位置合わせされ、次いで、オス型コネクター200のプラグ端部206が、メス型コネクター100の開口部112を通して、メス型コネクター100のハウジング102に挿入される。
【0071】
バッテリーパックの上のオス型コネクター200と車両本体部の上のメス型コネクター100との接続の間に、オス型コネクター200が正しい挿入方向にメス型コネクター100に挿入される(すなわち、メス型コネクター100の第1の軸線方向A1が、オス型コネクター200の第2の軸線方向A2に対して平行になっている)が、オス型コネクター200のプラグ端部206がメス型コネクター100の開口部112と完全には位置合わせされていない場合には、オス型コネクター200のプラグ端部206は、ガイド面126を有する開口部112を介してハウジング102の中へ依然として挿入され得る。そして、ハウジング102を保つためのブッシング108が、弾性的に変形させられ得、第1の制限部材114が移動することを可能にする移動スペースSが、ベース106の軸線方向端部118と装着部材110との間に画定されているので、ブッシング108の中のハウジング102は、オス型コネクター200のケーシング本体部214と同期してシフトされ、オス型コネクター200とメス型コネクター100との接続を完了し得る。バッテリーパックが車両上の場所に装着されて固定された後に、オス型コネクター200は、その予め設定された正しい位置に戻ることとなる。したがって、ハウジング102は、同期して、その予め設定された正しい位置に戻ることとなる。このように、オス型コネクター200およびメス型コネクター100のハウジング102は、両方とも、それらの予め設定された正しい位置に戻される。
【0072】
さらに、バッテリーパックの上のオス型コネクター200と車両本体部の上のメス型コネクター100との間の接続の間に、オス型コネクター200が正しい方向に挿入されるのではなく、メス型コネクター100に向けて斜めに挿入される(すなわち、メス型コネクター100の第1の軸線方向A1が、オス型コネクター200の第2の軸線方向A2に対して角度を付けられている)場合でも、オス型コネクター200のプラグ端部206は、ガイド面126を有する開口部112を介してハウジング102の中に依然として挿入され得る。そして、弾性的に変形可能なブッシング108、および、第1の制限部材114が移動することを可能にする移動スペースSの存在に起因して、ブッシング108の中のハウジング102は、オス型コネクター200のケーシング本体部214にしたがって偏向され(第1の制限部材114は、移動スペースSの中で偏向され得る)、オス型コネクター200とメス型コネクター100との接続を完了し得る。バッテリーパックが車両上の場所に装着されて固定された後に、オス型コネクター200は、その予め設定された正しい位置に戻ることとなる。したがって、ハウジング102は、同期して、その予め設定された正しい位置に戻ることとなる。このように、オス型コネクター200およびメス型コネクター100のハウジング102は、両方とも、それらの予め設定された正しい位置に戻される。
【0073】
したがって、本出願によるメス型コネクター100およびコネクターアッセンブリ10は、メス型コネクター100がオス型コネクター200と接続されるときに、さまざまな方向への取付公差を吸収し得る。本出願によるメス型コネクター100およびコネクターアッセンブリ10は、流体連通が確立されることを必要とするさまざまなシナリオに適用され得ることが考えられる。
【0074】
図1から
図16に示されている実施形態は、本出願によるメス型コネクターおよびコネクターアッセンブリのそれぞれの随意的なコンポーネントの形状、サイズ、および配置のみを図示しているということが理解されるべきである。しかし、これらの実施形態は、限定することではなく、単に図示することを意図しているに過ぎない。本出願の思想および範囲から逸脱することなく、他の形状、サイズ、および配置も採用され得る。
【0075】
本出願の技術的内容および技術的特徴が、上記に開示されてきた。しかし、当業者は、本出願の創造的な概念の下で、上記に開示された概念に対してさまざまな変更および改善を行うことが可能であり、すべてのこれらのさまざまな変更および改善は、依然として本出願の保護範囲の中に入るということが理解され得る。先述の実施形態の説明は、制限的ではなく、例示的であり、本出願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0076】
10 コネクターアッセンブリ
100 メス型コネクター
102 ハウジング
103 第1の端部
104 バルブアッセンブリ
105 第2の端部
106 ベース
108 ブッシング
110 装着部材
112 開口部
114 第1の制限部材
116 受け入れ通路
118 軸線方向端部
120 第1のハウジング部分
122 第2のハウジング部分
124 第1のハウジング本体部
126 ガイド面
128 保持リング
129 バーブ
130 連結セクション
131 内側ステップ状部分
132 アダプターセクション
134 シーリング部材
136 バルブステム
138 スライド式スリーブ
139 内側ステップ状部分
140 弾性要素
142 バルブステムヘッド
144 バルブステムベース
145 貫通孔部
146 バルブステム中間部分
148 補強リブ
150 シーリング部材
151 シーリング部材
152 環状の溝部
153 環状フランジ
154 制限突出部
156 制限面
158 第2の制限部材
160 キャビティー
162 スリット
164 締結具
166 凹部
168 開口部
200 オス型コネクター
202 ケーシング
204 バルブユニット
206 プラグ端部
208 ポート
210 バルブコア
212 弾性部材
214 ケーシング本体部
216 ベースプレート
218 周辺縁部
220 シーリング部材
222 装着リング
224 バルブコアヘッド
226 ブラケット
228 シーリング部材
230 環状の溝部
232 第1の内周傾斜面
234 第2の内周傾斜面
A1 第1の軸線方向
A2 第2の軸線方向
S 移動スペース
【国際調査報告】