(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】卵巣刺激を最適化するための機械学習
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240621BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20240621BHJP
【FI】
A61B10/00 N
G16H20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548928
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022022373
(87)【国際公開番号】W WO2022260740
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523306726
【氏名又は名称】エーライフ ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファントン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タング, ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ロブケ, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】メーダー-ヨーク, パクストン
(72)【発明者】
【氏名】テラン, メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】ラウン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロスマン, アリエル サラ
(72)【発明者】
【氏名】ナティング, ベロニカ イザベラ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
卵巣刺激のための機械学習モデルを実装するためのシステムおよび方法が、本明細書に説明される。いくつかの変形例では、コンピュータ実装方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、卵巣刺激プロセスのための複数の治療オプションの各々に関し、患者に関する卵転帰を予測することであって、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、こととを含み得る卵巣刺激プロセスを最適化することを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
患者と関連付けられる患者特有のデータを受信することと、
少なくとも1つの予測モデルと、前記患者特有のデータとに基づいて、卵巣刺激プロセスのための複数の治療オプションの各々に関し、前記患者に関する卵転帰を予測することであって、前記少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の治療オプションの中から選択するための前記予測される卵転帰を医療従事者に提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予測される卵転帰は、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記予測される卵転帰は、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、および出生率のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者特有のデータは、年齢、体型指数、民族性、不妊症の診断、以前の妊娠歴、以前の出産歴、およびエストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される1つまたはそれを上回るベースライン測定値のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記患者特有のデータは、前記患者と関連付けられる1つまたはそれを上回る以前の体外受精(IVF)治療に関連する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたはそれを上回る以前のIVF治療に関連する情報は、卵巣刺激の間に回収されたデータ、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、妊娠転帰、および出産転帰のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者特有のデータは、前記患者と関連付けられる1つまたはそれを上回る治療変数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたはそれを上回る治療変数は、前記患者と関連付けられる投薬療法物のタイプ、卵胞成熟を引き起こすためのホルモン誘発注射のタイプ、およびサイクルの数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの予測モデルは、前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の複数の候補用量の各々と関連付けられる前記予測される卵転帰を提供するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、黄体形成ホルモン(LH)を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの予測モデルは、第1の用量および第2の用量の各々と関連付けられる前記予測される卵転帰を提供するように構成され、前記第2の用量は、前記第1の用量を上回る、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの予測モデルは、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比および複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比の各々と関連付けられる前記予測される卵転帰を提供するように構成され、前記第1の用量比は、前記第2の用量比と異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
類似性マッチング技法を介して、前記患者特有のデータに基づいて、前記患者に類似する以前の患者のセットを識別することをさらに含み、
前記少なくとも1つの予測モデルは、前記以前の患者と関連付けられる前記以前の患者特有のデータに基づいて生成される予測用量応答曲線を含み、前記用量応答曲線は、前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する前記卵転帰を予測する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記患者を、(i)前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する予測される卵転帰を有する用量応答性患者と、(ii)前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない予測される卵転帰を有する用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することをさらに含み、前記分類は、少なくとも部分的に、前記用量応答曲線の形状に基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる前記用量応答曲線の点に基づいて、前記患者に投与されるべき前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記予測用量応答曲線をディスプレイ上に表示することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの予測モデルは、第1の予測モデルと、第2の予測モデルとを含み、前記方法はさらに、
前記第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる第1の卵転帰を予測することと、
前記第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、前記ホルモン誘発注射を投与することから生じる第2の卵転帰を予測することと
を含み、
前記ホルモン誘発注射は、卵胞成熟を前記患者において引き起こすように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の日は、当日であり、前記第2の日は、将来的日である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記患者特有のデータは、前記患者に関する当日の卵胞計測値を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記患者特有のデータはさらに、前記患者に関する当日のエストラジオール(E2)レベルを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記患者特有のデータはさらに、前記患者に関する当日のプロゲステロン(P4)レベルを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記第1および第2の予測される卵転帰は、回収された卵の数、成熟卵の数、受精された卵の数、および使用可能な胚盤胞の数のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記第1および第2の予測モデルの各々は、線形回帰モデル、ポワソン回帰モデル、および負の二項回帰モデルから成る群から選択される一般化された線形モデルを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における前記患者に関するE2レベルを予想するように構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における前記患者に関する卵胞計測値を予想するように構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、E2レベルおよび卵胞計測値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1または第2の卵転帰を予測するように構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1および第2の卵転帰をディスプレイ上に表示することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
患者と関連付けられる患者特有のデータを受信することと、
類似性マッチング技法を介して、前記患者特有のデータに基づいて、前記患者に類似する以前の患者のセットを識別することと、
前記以前の患者と関連付けられる以前の患者特有のデータに基づいて、予測用量応答曲線を生成することであって、前記用量応答曲線は、前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する卵転帰を予測する、ことと
を含む、方法。
【請求項32】
前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記用量応答性曲線は、FSHの開始用量に伴って変動する卵転帰を予測する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、黄体形成ホルモン(LH)を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記予測用量応答曲線は、第1の用量および第2の用量の各々と関連付けられる前記予測される卵転帰を提供するように構成され、前記第2の用量は、前記第1の用量を上回る、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記予測用量応答曲線は、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比および複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比の各々と関連付けられる前記予測される卵転帰を提供するように構成され、前記第1の用量比は、前記第2の用量比と異なる、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記類似性マッチング技法は、KNNモデルを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記患者を、(i)前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する予測される卵転帰を有する用量応答性患者と、(ii)前記患者に投与される1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない予測される卵転帰を有する用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することをさらに含み、前記分類は、少なくとも部分的に、前記用量応答曲線の形状に基づく、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる前記用量応答曲線の点に基づいて、前記患者に投与されるべき前記1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記用量応答曲線をディスプレイ上に表示することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
信頼区間を前記用量応答曲線の周囲に表示することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記用量応答曲線に従って1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の異なる用量を投与するためのコスト推定値を表示することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
患者と関連付けられる患者特有のデータを受信することと、
第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる第1の卵転帰を予測することと、
第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、前記ホルモン誘発注射を投与することから生じる第2の卵転帰を予測することと
を含み、
前記ホルモン誘発注射は、卵胞成熟を前記患者において引き起こすように構成される、方法。
【請求項45】
前記第1の日は、当日であり、前記第2の日は、将来的日である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の日および前記第2の日は、連続日である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記患者特有のデータは、前記患者に関する当日の卵胞計測値を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記患者特有のデータは、前記患者に関する当日のエストラジオール(E2)レベルを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記患者特有のデータはさらに、前記患者に関する当日のプロゲステロン(P4)レベルを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記第1および第2の予測される卵転帰は、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、回帰型ニューラルネットワークまたは一般化された線形モデルを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、線形回帰モデル、ポワソン回帰モデル、および負の二項回帰モデルから成る群から選択される一般化された線形モデルを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1および第2の予測モデルの各々は、線形回帰モデルを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における前記患者に関するE2レベルを予想するように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における前記患者に関する卵胞計測値を予想するように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、E2レベルおよび卵胞計測値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1または第2の卵転帰を予測するように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の候補ホルモン誘発日と第2の候補ホルモン誘発日との間で選択するために、前記第1および第2の予測される卵転帰を医療従事者に提供することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項58】
前記第1および第2の予測される卵転帰を提供することは、前記第1および第2の卵転帰をディスプレイ上に表示することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
コンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる患者特有のデータを受信することと、
少なくとも1つの予測モデルと、前記患者特有のデータとに基づいて、前記患者に関する少なくとも1つの卵転帰を予測することであって、前記少なくとも1つの患者特有のデータは、複数の所定のビンからあるビンの中に分類された卵胞サイズを含み、前記複数の所定のビンの各ビンは、卵胞サイズの個別の範囲と関連付けられ、前記少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと
を含む、方法。
【請求項60】
前記複数のビンの少なくとも1つのビンは、約10mmまたはそれ未満の第1の卵胞サイズ範囲、約11mm~13mmの第2の卵胞サイズ範囲、約14mm~15mmの第3の卵胞サイズ範囲、約16mm~17mmの第4の卵胞サイズ範囲、約18mm~19mmの第5の卵胞サイズ範囲、および約20mmを上回る第6の卵胞サイズ範囲と関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複数のビンは、6つのビンを含み、各ビンは、前記第1の卵胞サイズ範囲、第2の卵胞サイズ範囲、第3の卵胞サイズ範囲、第4の卵胞サイズ範囲、第5の卵胞サイズ範囲、および第6の卵胞サイズ範囲のうちの個別のものと関連付けられる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記患者特有のデータは、前記患者に関するE2レベルを含み、少なくとも1つの卵転帰を予測することは、前記E2レベルに基づいて、少なくとも1つの卵転帰を予測することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記予測される卵転帰をディスプレイ上に表示することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
コンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる患者特有のデータを受信することと、
複数の日の各々に関し、少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、前記患者に関する卵転帰を予測することであって、前記少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと、
前記複数の日にわたる前記予測される卵転帰の傾向をディスプレイ上に表示することと
を含む、方法。
【請求項65】
前記予測される卵転帰は、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記予測される卵転帰は、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、および出生率のうちの少なくとも1つを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
治療の方法であって、
患者と関連付けられる患者特有のデータを提供することと、
複数の治療オプションの各々と関連付けられる予測される卵転帰を受信することであって、少なくとも1つの予測される卵転帰は、前記先行請求項のうちのいずれか1項に記載の方法に従って、少なくとも1つの予測モデルを用いて生成される、ことと、
前記予測される卵転帰に基づいて、治療オプションを選択することと、
前記選択された治療オプションに従って、卵巣刺激投薬療法物を投与することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その各々の開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年10月15日に出願された、米国仮出願第63/256,343号、および2021年6月10日に出願された、米国仮出願第63/209,327号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、卵巣刺激を最適化することの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
体外受精(IVF)は、広く公知の補助生殖技術であって、卵巣刺激、卵/卵母細胞回収、受精、胚発育、および胚移植等のいくつかの複雑なステップを伴う。IVF治療の各ステップは、それによって、成功妊娠および潜在的出産につながる、胚の発育および移植の成功に対して、重要な役割を果たし得る。例えば、卵巣刺激段階の間、可能な限り多くの成熟卵を採集することは、受精の確率、その結果、最終的には、出産につながり得る、胚発育および移植の確率を最大限にし得る。故に、妊娠の成功につながり得る、移植のための生存能力のある胚を取得するために、成熟卵の数は、卵巣刺激段階において、最適化される必要があり得る(例えば、卵は、最大限にされる必要があり得る、または別様に、卵は、理想的、好適、望ましい、または/または同等転帰に到達する必要があり得る)。
【0004】
成熟卵の数を最適化するために、概して、生殖内分泌学医(RE)は、卵胞刺激ホルモン(FSH)および/または黄体形成ホルモン(LH)を含む、刺激プロトコルを患者に処方し得る。FSHおよびLHを用いた刺激は、多卵胞性成長を助長し得る。これは、ひいては、患者から採集され得る、成熟卵の数を最大限にし得る。REは、患者を査定し得、REの経験に基づいて、患者のための刺激プロトコルを処方し得る。卵巣刺激相を通して、REは、患者の応答を監視し得、患者の応答に従って、刺激プロトコルを修正、延長、短縮、および/または中止し得る。したがって、刺激プロトコルを処方する、または刺激プロトコルを修正および/または中止することは、REの査定および経験に基づく、主観的であり得る。2人のREが、その個々の経験に基づいて、同一患者のために異なる刺激プロトコルを処方し得ることが可能性として考えられ得る。
【0005】
より最近では、いくつかの既存の方法は、REが臨床決定を行うことを支援するために、以前の患者のあるデータから生成されたモデルを使用する。例えば、いくつかの既存の方法は、具体的患者のために選択されるべきプロトコル、具体的患者に処方されるべき投薬療法物の投薬量の量、具体的患者に処方されているプロトコルを修正するための提案、または卵巣刺激相を終了すべき日を出力し得る、モデルを使用する。より具体的には、これらの方法は、REが成熟卵の数を最大限にするために行い得る、臨床決定を予測し得る。そのような既存の方法は、いくつかの短所を有し得る。例えば、臨床決定を予測するように訓練される、モデルは、最も一般的であるが、必ずしも、成熟卵の最適数をもたらすための正しい決定ではない、決定のための最適化であり得る。
【0006】
故に、卵巣刺激のプロセスを標準化しながら、患者のための成熟卵の数を最適化するための新しくかつ改良された方法の満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、卵巣刺激を最適化するためのコンピュータ実装方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、複数の治療オプションの各々に関し、患者に関する卵転帰を予測することとを含んでもよい。予測は、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、少なくとも1つの予測モデルに基づいてもよい。本方法はさらに、複数の治療オプションの中から選択するための予測される卵転帰を医療従事者に提供することを含んでもよい。予測される卵転帰は、回収された卵の数、成熟卵の数、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動(例えば、卵から生じる)、および/または出生率(例えば、卵から生じる)等の卵巣刺激に関連する治療オプションの卵関連結果の特性に関する有用な情報を提供してもよい。
【0008】
卵転帰を予測するために使用される、1つまたはそれを上回る予測モデルは、入力として、種々の種類の患者特有のデータを受信してもよく、以前の患者と関連付けられる、そのような患者特有のデータ上で訓練されてもよい。例えば、好適な患者特有のデータは、年齢、体型指数、民族性、不妊症の診断、以前の妊娠歴、以前の出産歴、1つまたはそれを上回る以前のIVF治療に関連する情報(例えば、卵巣刺激の間に回収されたデータ、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、妊娠転帰、および出産転帰等)および/または1つまたはそれを上回る治療変数(例えば、患者と関連付けられる、投薬療法物のタイプ、卵胞成熟を引き起こすためのホルモン誘発注射のタイプ、およびサイクルの数等)を含んでもよい。
【0009】
種々の予測モデルは、種々の種類の治療オプションのために関連付けられる、卵転帰を予測するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物(例えば、FSH、LH等)の複数の候補用量の各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成されてもよい。少なくともこれらの変形例では、患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される、1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含んでもよい。いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、卵巣刺激投薬療法物の第1の用量と、第1の用量より高い、卵巣刺激投薬療法物の第2の用量との各々(例えば、それぞれ、低用量および高用量)と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成されてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比と、複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比との各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成されてもよく、第1の用量比は、第2の用量比と異なる。例えば、少なくとも1つの予測モデルは、第1のFSH/LH用量比と関連付けられる、卵転帰と、第1のLSH/LH用量比と異なる、第2のFSH/LHと関連付けられる、卵転帰とを予測するために使用されてもよい。
【0010】
いくつかの変形例では、異なる候補卵巣刺激投薬療法物用量と関連付けられる、卵転帰を予測する際、本方法は、類似性マッチング技法を介して、患者特有のデータに基づいて、患者に類似する以前の患者のセットを識別すること(例えば、KNNモデルを組み込む)を含んでもよく、少なくとも1つの予測モデルは、以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータに基づいて生成される予測用量応答曲線を含んでもよい。用量応答曲線は、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する、卵転帰を予測してもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、患者を、(i)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する、予測される卵転帰を有する、用量応答性患者と、(ii)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない、予測される卵転帰を有する、用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することを含んでもよく、分類は、少なくとも部分的に、用量応答曲線の形状に基づく。いくつかの変形例では、患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる、用量応答曲線の点に基づいて、患者に投与されるべき、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨する。加えて、または代替として、本方法は、医療従事者が、卵巣刺激投薬療法物の候補用量の中から選択することを補助するように、予測用量応答性曲線をディスプレイ上に表示することを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、信頼区間を用量応答曲線の周囲に表示すること、および/または用量応答曲線に従って1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の異なる用量を投与するためのコスト推定値を表示することを含んでもよい。
【0011】
別の実施例として、いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、加えて、または代替として、候補ホルモン誘発日(例えば、ホルモン誘発注射が、患者に投与され、卵胞成熟を患者において引き起こす、日)の評価に使用するために、第1の予測モデルと、第2の予測モデルとを含んでもよい。これらの変形例では、本方法は、第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第1の卵転帰を予測することと、第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第2の卵転帰を予測することとを含んでもよい。第1および/または第2の卵転帰は、医療従事者が候補ホルモン誘発日の中から選択することを補助するように、ディスプレイ上に表示されてもよい。
【0012】
例えば、第1の日は、当日(第1の予測モデルが起動される、日)であってもよく、第2の日は、将来的日(例えば、当日の翌日または当日の2日後)であってもよい。これらの変形例では、患者特有のデータは、例えば、当日の卵胞サイズおよび/または他の卵胞計測値、患者に関する、当日のエストラジオール(E2)レベル、および/または患者に関する当日のプロゲステロン(P4)を含んでもよい。予測される卵転帰は、例えば、回収された卵の数、成熟卵の数、受精された卵の数、および/または使用可能な胚盤胞の数を含んでもよい。第1の予測モデルおよび/または第2の予測モデルは、例えば、回帰型ニューラルネットワークまたは線形回帰モデルを含んでもよい。回帰型ニューラルネットワークは、例えば、将来的日付における、患者に関するE2レベルを予想し、および/または卵胞計測値を予想するように構成されてもよい。線形回帰モデルは、少なくとも部分的に、患者に関するE2レベルおよび/または卵胞計測値に基づいて、例えば、第1および/または第2の転帰を予測するように構成されてもよい。
【0013】
概して、いくつかの変形例では、卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、類似性マッチング技法を介して、患者特有のデータに基づいて、患者に類似する以前の患者のセットを識別することと、以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータに基づいて、予測用量応答曲線を生成することであって、用量応答曲線は、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物(例えば、FSH、LH)の用量に伴って変動する、卵転帰を予測する、こととを含んでもよい。少なくともこれらの変形例では、患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される、1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含んでもよい。いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、卵巣刺激投薬療法物の第1の用量と、第1の用量より高い、卵巣刺激投薬療法物の第2の用量との各々(例えば、それぞれ、低用量および高用量)と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成されてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、少なくとも1つの予測モデルは、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比と、複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比との各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成されてもよく、第1の用量比は、第2の用量比と異なる。例えば、少なくとも1つの予測モデルは、第1のFSH/LH用量比と関連付けられる、卵転帰と、第1のLSH/LH用量比と異なる、第2のFSH/LHと関連付けられる、卵転帰を予測するために使用されてもよい。
【0014】
いくつかの変形例では、異なる候補卵巣刺激投薬療法物用量と関連付けられる、卵転帰を予測する際、本方法は、類似性マッチング技法を介して、患者特有のデータに基づいて、患者に類似する以前の患者のセットを識別すること(例えば、KNNモデルを組み込む)を含んでもよく、少なくとも1つの予測モデルは、以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータに基づいて生成される予測用量応答曲線を含んでもよい。用量応答曲線は、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する、卵転帰を予測してもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、患者を、(i)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する、予測される卵転帰を有する、用量応答性患者と、(ii)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない、予測される卵転帰を有する、用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することを含んでもよく、分類は、少なくとも部分的に、用量応答曲線の形状に基づく。いくつかの変形例では、患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる、用量応答曲線の点に基づいて、患者に投与されるべき、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨する。加えて、または代替として、本方法は、医療従事者が卵巣刺激投薬療法物の候補用量の中から選択することを補助するように、予測用量応答性曲線をディスプレイ上に表示することを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、信頼区間を用量応答曲線の周囲に表示すること、および/または用量応答曲線に従って1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の異なる用量を投与するためのコスト推定値を表示することを含んでもよい。
【0015】
概して、いくつかの変形例では、卵巣刺激プロセスを最適化するための方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第1の卵転帰を予測することと、第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第2の卵転帰を予測することとを含んでもよく、ホルモン誘発注射は、卵胞成熟を患者において引き起こすように構成される。第1および/または第2の卵転帰は、医療従事者が候補ホルモン誘発日の中から選択することを補助するように、ディスプレイ上に表示されてもよい。
【0016】
例えば、第1の日は、当日(第1の予測モデルが起動される、日)であってもよく、第2の日は、将来的日(例えば、当日の翌日または当日の2日後)であってもよい。これらの変形例では、患者特有のデータは、例えば、当日の卵胞サイズおよび/または他の卵胞計測値、患者に関する当日のエストラジオール(E2)レベル、および/または患者に関する当日のプロゲステロン(P4)を含んでもよい。予測される卵転帰は、例えば、回収された卵の数および/または成熟卵の数を含んでもよい。第1の予測モデルおよび/または第2の予測モデルは、例えば、回帰型ニューラルネットワークまたは線形回帰モデルを含んでもよい。回帰型ニューラルネットワークは、例えば、将来的日付における、患者に関するE2レベルを予想し、および/または卵胞計測値を予想するように構成されてもよい。線形回帰モデルは、例えば、少なくとも部分的に、患者に関するE2レベルおよび/または卵胞計測値に基づいて、第1および/または第2の転帰を予測するように構成されてもよい。
【0017】
概して、コンピュータ実装方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、患者に関する少なくとも1つの卵転帰を予測することとを含んでもよい。患者特有のデータは、複数の所定のビンからあるビンの中に分類された卵胞サイズを含んでもよく、複数の所定のビンの各ビンは、卵胞サイズの個別の範囲と関連付けられてもよく、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練されてもよい。いくつかの変形例では、患者特有のデータは、患者に関するE2レベルを含んでもよく、本方法はさらに、E2レベルに基づいて、少なくとも1つの卵転帰を予測することを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、予測される卵転帰を(例えば、医療従事者に)ディスプレイ上に表示することを含んでもよい。
【0018】
複数のビンは、任意の好適な卵胞サイズ範囲のセットと関連付けられてもよい。例えば、いくつかの変形例では、複数のビンの少なくとも1つのビンは、少なくとも約10mmまたはそれ未満の第1の卵胞サイズ範囲、約11mm~13mmの第2の卵胞サイズ範囲、約14mm~15mmの第3の卵胞サイズ範囲、約16mm~17mmの第4の卵胞サイズ範囲、約18mm~19mmの第5の卵胞サイズ範囲、約20mmを上回る第6の卵胞サイズ範囲、またはその任意の好適なサブセットと関連付けられてもよい。
【0019】
概して、いくつかの変形例では、コンピュータ実装方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、複数の日の各々に関し、少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、患者に関する卵転帰を予測することであって、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと、複数の日にわたる予測される卵転帰の傾向をディスプレイ上に表示することとを含んでもよい。予測される卵転帰は、例えば、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含んでもよい。加えて、または代替として、予測される卵転帰は、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、および出生率のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0020】
概して、治療の方法は、患者と関連付けられる、患者特有のデータを提供することと、複数の治療オプションの各々と関連付けられる、予測される卵転帰を受信することであって、少なくとも1つの予測される卵転帰は、上記に説明される方法のいずれかに従って、少なくとも1つの予測モデルを用いて生成される、ことと、予測される卵転帰に基づいて、治療オプションを選択することと、選択された治療オプションに従って、卵巣刺激投薬療法物を投与することとを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、卵巣刺激の間の例示的治療決定点を図示する。
【0022】
【
図2】
図2は、卵巣刺激の間に治療を補助するためのシステムの例示的変形例の概要を図示する。
【0023】
【
図3】
図3は、患者に関する卵転帰を予測する、線形回帰モデルおよびニューラルネットワークの例示的変形例である。
【0024】
【
図4】
図4は、ブラウザプラグインを介して、REアプリケーションに接続される、電子医療記録(EMR)を表示する、ディスプレイの例示的変形例である。
【0025】
【
図5】
図5は、ディスプレイ上に表示されている、REアプリケーションの例示的変形例を図示する。
【0026】
【
図6】
図6は、卵転帰を予測するための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【0027】
【
図7A】
図7Aは、FSH用量の変動レベルに関する、患者1に関して予測される卵転帰を図示する。
【0028】
【
図7B】
図7Bは、FSH用量の変動レベルに関する、患者2に関して予測される卵転帰を図示する。
【0029】
【
図8】
図8は、最高卵転帰の観点から患者に関する最適ベースラインFSH用量を識別するための類似性モデルの実装を図示する。
【0030】
【
図9A】
図9Aは、サイクルの日毎に、患者1に関して予測される卵転帰を図示する。
【0031】
【
図9B】
図9Bは、サイクルの日毎に、患者2に関して予測される卵転帰を図示する。
【0032】
【
図10】
図10は、多出力回帰モデルを展開することによる、異なるサイクル日に関する種々の予測される卵転帰を図示する。
【0033】
【
図11A】
図11Aは、独立回帰モデルを展開することによる、患者に関する予測される卵転帰を図示する。
【0034】
【
図11B】
図11Bは、独立回帰モデルを展開することによる、患者に関する予測される卵転帰を図示する。
【0035】
【
図11C】
図11Cは、独立回帰モデルを展開することによる、患者に関する予測される卵転帰を図示する。
【0036】
【
図12A】
図12Aは、ニューラルネットワークを展開することによる、将来的日付における、卵胞数およびサイズの予測を図示する。
【0037】
【
図12B】
図12Bは、技法の組み合わせを使用する、将来的日付における、卵転帰の予測を図示する。
【0038】
【
図13】
図13は、本明細書に説明される機械学習モデルを使用する、例示的治療の方法のフロー図である。
【0039】
【
図14A】
図14A-14Cは、患者に関する卵転帰を予測し得る、統計的に有意な変数の実施例を図示する。
【
図14B】
図14A-14Cは、患者に関する卵転帰を予測し得る、統計的に有意な変数の実施例を図示する。
【
図14C】
図14A-14Cは、患者に関する卵転帰を予測し得る、統計的に有意な変数の実施例を図示する。
【0040】
【
図14D】
図14Dは、患者に関する卵転帰を予測し得る、統計的に有意な変数の別の実施例を図示する。
【0041】
【
図15】
図15A-15Cは、患者がFSH用量応答性患者であるかまたはFSH用量非応答性患者であるかを決定するために実装されている、本明細書に説明される類似性モデルの実施例を図示する。
【0042】
【
図16】
図16A-16Dは、卵転帰を最大限にするように、本明細書に説明される1つまたはそれを上回るモデルを実装し、患者に関する誘発日を予測する、実施例を図示する。
【0043】
【
図17】
図17A-17Cは、卵転帰を最大限にするように、本明細書に説明される1つまたはそれを上回るモデルを実装し、患者に関する誘発日を予測する、別の実施例を図示する。
【0044】
【
図18】
図18は、2つの独立回帰モデルを実装することによる、刺激の当日および翌日における、卵転帰の予測を図示する。
【0045】
【
図19】
図19は、最終誘発注射が投与された後、予測される卵転帰の傾向および患者の分類に基づいてREに与えられる、推奨を図示する。
【0046】
【
図20】
図20は、卵転帰と投薬量を関連付け、患者が用量応答性であるかまたは用量非応答性であるかを決定する、例示的曲線の生成を図示する。
【0047】
【
図21A】
図21Aは、用量応答性患者に関する、卵転帰と投薬量を関連付ける、例示的曲線を図示する。
【0048】
【
図21B】
図21Bは、用量非応答性患者に関する、卵転帰と投薬量を関連付ける、例示的曲線を図示する。
【0049】
【
図22A】
図22Aおよび22Bは、卵巣刺激の間、治療を補助するために、REが閲覧し得る、REアプリケーションを介して、ディスプレイ上に表示される、例示的ワークフローを図示する。
【
図22B】
図22Aおよび22Bは、卵巣刺激の間、治療を補助するために、REが閲覧し得る、REアプリケーションを介して、ディスプレイ上に表示される、例示的ワークフローを図示する。
【0050】
【
図23】
図23は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的患者ダッシュボードを図示する。
【0051】
【
図24】
図24は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的開始用量ページを図示する。
【0052】
【
図25】
図25は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的誘発ページを図示する。
【0053】
【
図26】
図26は、刺激プロトコルを患者に処方するための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【0054】
【
図27】
図27は、投薬量(例えば、FSH投薬量)を着目患者に処方するための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【0055】
【
図28】
図28は、着目患者に関する最終誘発選択日のRE決定を補助するための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【0056】
【
図29】
図29は、着目患者に関するFSHおよび/またはLH投薬量を変動させるための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【0057】
【
図30】
図30は、着目患者を卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクにあるものとして分類するための方法の例示的変形例を図示する、フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
詳細な説明
本発明の種々の側面および変形例の非限定的実施例が、本明細書に説明され、付随の図面に図示される。
【0059】
体外受精(IVF)は、実験室設定における身体の外側で卵の受精を伴う、複雑な生殖補助技術である。典型的IVFサイクルは、卵巣刺激相を含む。卵巣刺激相の間の目標は、可能な限り多くの成熟卵を採集することである。本相の間、患者は、卵巣を刺激し、多卵胞性成長を助長する、投薬療法物および/または注射を処方され得る。各卵胞は、潜在的に成熟し得る、卵を含み得る。生育中の卵胞を成熟させ得る、ホルモンを含む、患者に与えられる、最終誘発注射は、卵巣刺激相の終了を示し得る。
【0060】
卵巣刺激に続いて、生殖内分泌学医(RE)および/または医師は、卵を患者の卵巣から回収してもよい(例えば、卵回収相)。卵は、次いで、実験室設定において受精されてもよい(例えば、受精相)。いったん受精されると、胚は、発育し始め得る(例えば、胚発育相)。REは、次いで、胚移植のために最も生存能力のある胚を選択してもよい(例えば、胚移植相)。
【0061】
IVF治療の各相の間、成熟失敗(例えば、過成熟、未成熟等)、受精失敗、発育停止、または遺伝子異常の検出等の要因に起因して、卵または胚損失のリスクが存在し得る。これらの要因によって影響されないままである、生存能力のある胚は、妊娠の成功、その結果、出産につながり得る。したがって、出産の確率を最大限にするために、卵巣刺激相は、最適化される必要があり得る。例えば、卵巣刺激相の間、成熟卵の数を最適化する(例えば、成熟卵の数を最大限にする、または別様に、理想的/最も好適/所望の成熟卵の数を取得する)ことによって、出産の確率は、最大限にされ得る。
【0062】
成熟卵は、卵胞から生育される。卵胞は、生育中の卵を含有する、卵巣内の流体の小嚢である。典型的には、規則的月経サイクルの間、いくつかの卵胞(それらの各々は、卵を含有し得る)が、成長し得る。しかしながら、通常、単一優性卵胞みが、成熟に到達する。優性卵胞は、成熟卵を放出する準備ができる段階まで生育し得る。これは、通常、毎月の月経サイクルの約12~14日において生じる。IVFサイクルの卵巣刺激段階の間、患者は、多数の成熟卵が回収され得るように、多卵胞性生育を助長するために、ホルモンを処方され得る。多卵胞性生育を助長するために処方される、薬物、投薬量、および/または注射の組み合わせは、刺激プロトコルを構成し得る。
【0063】
いくつかの一般に使用される刺激プロトコルは、アンタゴニストプロトコル、ロングプロトコル、およびフレアプロトコルを含む。これらの刺激プロトコルの各々は、3つの共通機能、すなわち、(1)多卵胞性成長を刺激するための、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)等の性腺刺激ホルモンの使用と、(2)ホルモン(GnRH)作動薬またはアンタゴニストを放出し、早期排卵を抑制するための、性腺刺激ホルモンの使用と、(3)卵が減数分裂を受けることを支援し、適時放出に備えるための、最終ホルモン誘発注射とを共有し得る。
【0064】
従来、REが、患者を査定し、患者のための刺激プロトコルを処方する。
図1は、卵巣刺激相の間、REが直面する、ある決定点を図示する。
図1に示されるように、IVFサイクル(例えば、計画および調製相102)の開始時、卵巣誘導相104に先立って、REは、診断を行い、IVFサイクルを推奨し得る。いくつかの変形例では、患者は、患者における基礎レベルホルモンを示し得る、受胎率検査を受ける。患者の妊娠歴および受胎率検査の結果に基づいて、REは、患者に関する診断を行い得る。これは、患者のためにIVF治療を推奨すべきかどうかを含んでもよい。
【0065】
いったんIVF治療およびIVFサイクルが、患者のために推奨されると、治療は、卵巣刺激相に進み得る。卵巣刺激相の間、REは、IVFサイクルの転帰および患者の健康に影響を及ぼし得る、複数の決定に直面し得る。1つのそのような決定は、患者のために処方されるべき刺激プロトコル(例えば、112a)を決定することを含み得る。例えば、REは、使用される薬物および薬物の開始投薬量を決定し得る。刺激プロトコル(例えば、112a)が、選択された後、REは、患者を定期的に監視し、刺激プロトコルに対する患者の応答を査定し得る。患者の応答に基づいて、REは、刺激プロトコル(例えば、112b)を修正してもよく、および/またはIVFサイクルを中止してもよい。これは、REが卵巣刺激相の間に行う必要があり得る、次の臨床決定であり得る。例えば、刺激プロトコルに対する患者の応答が、予期されるものより低い場合、REは、性腺刺激ホルモンの投薬量を増加させ得る。逆に言えば、刺激プロトコルに対する患者の応答が、予期されるものより高い場合、REは、性腺刺激ホルモンの投薬量を減少させてもよい。さらに、刺激プロトコルに対する患者の応答が、高すぎる、または低すぎる場合、REは、IVFサイクルを中止してもよい。卵巣刺激相の間の最終臨床決定は、卵が減数分裂を受け、放出に備えることを支援する、最終誘発注射(例えば、112c)を患者に処方すべきときを決定することを含み得る。最終誘発注射は、生育中の卵胞を成熟させ得る。最終誘発注射(例えば、112c)が処方される、日は、IVFサイクルの転帰にとって極めて重要であり得る。
【0066】
最終誘発注射が投与された後、卵は、受精相106の間に回収され得る。受精相106の間、回収された卵は、受精され得る。胚は、それらが成長するにつれて、分析され、移植のための1つまたはそれを上回る生存能力のある胚を決定し得る。生存能力のある胚は、胚移植相108の間、移植され得、これは、続いて、妊娠110につながり得る。
【0067】
従来的に、排卵誘導相102の間に行われる、臨床決定は、REの経験と、REによる患者の査定とに基づいて、行われ得る。しかしながら、これらの臨床決定は、主観的であって、各個々のREの経験に特有であり得る。2人の異なるREが、同一患者に関して異なる決定を行い得ることが可能性として考えられ得る。例えば、2人の異なるREが、同一患者のために、異なる刺激プロトコルを処方し得る。同様に、一方のREは、刺激プロトコルに対する患者の応答に基づいて、IVFプロトコルを中止することを選定し得る一方、異なるREは、刺激プロトコルに対する患者の応答に基づいて、刺激プロトコルを修正することを選定し得る。これらの決定は、高度に主観的であって、それによって、卵巣刺激相を標準化することを困難にし得る。
【0068】
いくつかの既存の方法は、以前の患者からのデータを使用して、REのための臨床決定を予測し得る、1つまたはそれを上回るモデルを生成する。そのようなモデルは、REが行い得る、決定に取って代わり得る。これは、REの臨床判断に取って代わる、またはそれより優先されることが、常時、IVF転帰の成功をもたらさない場合があるため、困難であり得る。例えば、複雑なまたは稀な症例に関して、利用可能なデータ(例えば、モデルを生成するために使用されるデータ)は、限定され得る。その結果、モデルが行う、予測は、正確ではない場合がある。しかしながら、数年の訓練および経験を伴う、REが、そのような複雑かつ稀な症例に関して、臨床決定を行うためのより優れた能力を備えており、より望ましい患者転帰をもたらす場合がある。さらに、診療所方針、診療所の備品、および説明のつかない受胎問題点等につながり得る、未知の遺伝子疾患等の患者の状況における変動性等、利用可能なデータにおいて明白ではない場合がある、他の要因も、患者のための最良臨床決定を行うことにとって不可欠であり得る。加えて、既存の方法およびモデルは、ブラックボックスアプローチを使用して、REのための臨床決定を予測する。そのようなアプローチは、典型的には、解釈可能な結果を生成しない。
【0069】
故に、必要とされるものは、それらに取って代わることとは対照的に、REの決定を拡張させる、またはそれにさらに情報を与え得る、技術である。本明細書に説明される技術は、機械学習モデル(本明細書には、「予測モデル」とも称される)を開発および実装し、REによって行われる臨床決定を拡張させる。これらの機械学習モデルは、多様かつ高品質データ上で訓練され得る。REの決定に取って代わる代わりに、これらの機械学習モデルは、例えば、有用な第2の意見を提供し、および/またはREの決定を拡張させ得る。さらに、稀なまたは複雑な症例に関して、機械学習モデルは、IVF転帰の成功をもたらし得る、より正確な予測を提供するように、REの決定と併用されてもよい。予測は、結果がREによって容易に解釈され得るように生成される。
【0070】
本明細書に説明される技術は、REのための臨床決定と対照的に、機械学習を使用して、卵転帰を予測する。卵転帰は、付加的情報として使用され、REの決定を拡張させてもよい。卵転帰のいくつかの非限定的実施例は、卵の数、成熟卵の数、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、化学妊娠率、出生率、連続移植を横断して蓄積された出生率、それらの組み合わせ、および/または同等物を含んでもよい。
【0071】
いくつかの変形例では、コンピュータ実装方法は、複数の以前の患者と関連付けられ得る、患者特有のデータを受信することを含んでもよい。患者特有のデータは、卵巣刺激に関連するデータを含んでもよい。予測モデルは、患者特有のデータに基づいて、訓練されてもよい。コンピュータ実装方法は、IVF治療(例えば、IVFサイクル)を受ける第1の患者と関連付けられる、第1の患者特有のデータを受信することを含んでもよい。コンピュータ実装方法は、第1の患者と関連付けられる、第1の患者特有のデータのための予測モデルの実装に基づいて、第1の患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。
【0072】
システム概要
図2は、卵巣刺激相の間、REを補助するためのシステム200の例示的変形例の概要を図示する。システム200は、信頼性がある電子医療記録(EMR)204にアクセスし、および/またはデータをそこから読み出してもよい。コントローラ206は、EMR204から読み出されたデータを使用して、機械学習モデルを実装してもよい。機械学習モデルは、患者に関する卵転帰を予測し得る。機械学習モデルからの予測は、好適なコンピューティングデバイス上に実装されている、REアプリケーション208に伝送されてもよい。いくつかの変形例では、REアプリケーション208は、EMR204とインターフェースをとってもよい。いくつかの変形例では、機械学習モデルからの予測は、データベース216内に記憶されてもよい。いくつかの変形例では、これらの予測は、将来的時間において、データベース216からアクセスされ、機械学習モデルの正確度をさらに改善し得る。REは、REアプリケーション208上の予測にアクセスし、その臨床決定を拡張させてもよい。
【0073】
EMR204は、Mellowood Medical等からのeIVFTM 患者ポータル、ARtisanTM受胎率ポータル、BabysentryTM管理システム、EPICTM患者ポータル、IDEASTM、または任意の好適な電子医療記録管理ソフトウェア等の信頼性があるデータベースであってもよい。いくつかの変形例では、EMR204は、具体的診療所と関連付けられてもよい。そのような変形例では、EMR204は、具体的診療所と関連付けられる、1つまたはそれを上回るサーバとインターフェースをとるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、EMR204は、クラウドベースのプラットフォーム(例えば、Microsoft Azure(登録商標)、Amazon(登録商標)ウェブサービス、IBM(登録商標)クラウドコンピューティング等)上にホストされてもよい。
【0074】
いくつかの変形例では、EMR204は、具体的診療所と関連付けられてもよい。例えば、具体的診療所からのEMR204は、他の病院、薬局、施術者等と共有されていない場合がある。加えて、または代替として、EMR204は、各診療所と関連付けられる、データベースにアクセスするように構成されてもよい。EMR204は、関連情報を患者のチャートから自動的に抽出してもよく、それを非特定化された医療記録のデータベースに対してマッチングさせる場合がある。故に、いくつかのエンティティ(例えば、診療所、病院、薬局、施術者等)を横断した関連データが、患者のプライバシを損なわずに、EMR204から抽出され得る(例えば、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律の規制を維持することによって)。
【0075】
EMR204は、コンピューティングデバイスを介して、アクセスされてもよい。コンピューティングデバイスのいくつかの非限定的実施例は、コンピュータ(例えば、デスクトップ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ等)、タブレットおよび電子リーダ(例えば、Apple iPad(登録商標)、Samsung Galaxy(登録商標) Tab、Microsoft Surface(登録商標)、Amazon Kindle(登録商標) 等)、モバイルデバイスおよびスマートフォン(例えば、Apple iPhone(登録商標)、Samsung Galaxy(登録商標)、Google Pixel(登録商標) 等)等を含む。例えば、EMR204は、コンピューティングデバイスと関連付けられる、メモリ上に記憶されてもよい。代替として、EMR204は、コンピューティングデバイス上にレンダリングされる、ウェブブラウザ(例えば、Google(登録商標)、Mozilla(登録商標)、Safari(登録商標)、Internet Explorer(登録商標)等)を通して、オンラインでアクセスされてもよい。さらに別の代替変形例では、EMR204は、コンピューティングデバイスを介してアクセスされ得る、第三者データベース上に記憶されてもよい。
【0076】
患者特有のデータは、EMR204から抽出されてもよい。EMR204から抽出される患者特有のデータは、(1)記録の説明、内容、値、それらの組み合わせ、および/または同等物を含み得る、1人またはそれを上回る患者と関連付けられる、データ、および/または(2)該データに関するコンテキストを提供する、メタデータを指し得る。例えば、EMR204から抽出される、患者特有のデータは、患者記録と関連付けられる、データおよびメタデータの一方または両方を含んでもよい。
【0077】
EMR204から抽出される、患者特有のデータのいくつかの非限定的実施例は、(a)年齢、体型指数、人種、民族性、不妊症の診断または原因、以前のIVF歴、以前の子宮外科手術情報、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または同等物等の患者情報、(b)以前のIVFサイクルおよび/または治療の際の薬物およびホルモンのベースライン測定値、刺激プロトコル、刺激プロトコルに対する応答、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数、妊娠転帰、および出産転帰等の以前のIVFサイクルおよび/または治療に関連するデータ、(c)エストラジオール(E2)、黄体形成ホルモン(LH)、プロゲステロン(P4)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)、および/または同等物の測定値等のベースライン測定値、(d)投薬療法物のタイプおよび商標(例えば、性腺刺激ホルモン(FSHおよびLH)に関して、GnRH作動薬およびアンタゴニストおよび最終誘発注射)、薬物投薬量の量(例えば、開始投薬量、終了投薬量、毎日の投薬量、および総薬物量)、サイクルの日数、および/または同等物等の治療変数、(e)卵胞計測値(例えば、卵胞数およびサイズ)、E2およびP4レベル、および/または同等物の毎日の測定値等の刺激プロトコルに対する応答を含んでもよい。
【0078】
いくつかの変形例では、患者特有のデータはまた、卵胞、子宮等の超音波画像を含んでもよい。超音波画像は、卵胞数、卵胞サイズ、子宮内の子宮筋腫の存在等の情報を提供してもよい。
【0079】
EMR204に通信可能に結合される、コントローラ206は、患者特有のデータを抽出してもよい(例えば、EMR204から)。いくつかの変形例では、コントローラ206は、クラウドプラットフォーム(例えば、Microsoft Azure(登録商標)、Amazon(登録商標)ウェブサービス、IBM(登録商標)クラウドコンピューティング等)上で起動される、1つまたはそれを上回るサーバおよび/または1つまたはそれを上回るプロセッサを含んでもよい。サーバおよび/またはプロセッサは、命令またはコードのセットを起動および/または実行するように構成される、任意の好適な処理デバイスであってもよく、1つまたはそれを上回るデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィック処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、および/または中央処理ユニットを含んでもよい。サーバおよび/またはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または同等物であってもよい。
【0080】
いくつかの変形例では、コントローラ206は、プロセッサ(例えば、CPU)を含んでもよい。プロセッサは、命令またはコードのセットを起動および/または実行するように構成される、任意の好適な処理デバイスであってもよく、1つまたはそれを上回るデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィック処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、および/または中央処理ユニットを含んでもよい。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または同等物であってもよい。プロセッサは、アプリケーションプロセスおよび/または他のモジュール、システムと関連付けられる、プロセスおよび/または機能、および/またはそれと関連付けられる、ネットワークを起動および/または実行するように構成されてもよい。下層デバイス技術は、様々な構成要素タイプ(例えば、相補的金属酸化物半導体(CMOS)のようなMOSFET技術、エミッタ結合論理(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー金属構造)、複合アナログおよびデジタル、および/または同等物内に提供されてもよい。
【0081】
コントローラ206は、EMR204から抽出される、患者特有のデータを使用して、1つまたはそれを上回る機械学習モデルを訓練してもよい。機械学習モデルは、患者に関する卵転帰を予測してもよい。例えば、患者特有のデータは、患者のための刺激プロトコルを選択するために、機械学習モデルを訓練するために使用されてもよい。機械学習モデルは、患者のための種々の刺激プロトコル(例えば、アンタゴニストプロトコル、ロングプロトコル、フレアプロトコル等)の卵転帰を予測してもよい。これは、患者に処方するための刺激プロトコルを決定する、REの臨床決定を支援し得る。類似様式において、患者特有のデータは、患者に処方されるべきFSHの開始用量を決定するために、機械学習モデルを訓練するために使用されてもよい。機械学習モデルは、FSHの種々の開始用量に関する卵転帰を予測してもよい。これは、患者のために処方されるべきFSHの開始投薬量を決定する、REの臨床決定を支援し得る。さらに別の代替変形例では、患者特有のデータは、患者が最終誘発注射を投与され得る日を決定するために、機械学習モデルを訓練するために使用されてもよい。機械学習モデルは、最終誘発注射が投与され得る、異なる日に関する卵転帰を予測してもよい。REは、最終誘発注射が患者のために投与されるべき日を決定するために、本情報を使用してもよい。
【0082】
いくつかの変形例では、機械学習モデルは、REの臨床決定を拡張させ得るが、臨床決定自体を予測しない。例えば、機械学習モデルの出力は、説明されるべき刺激プロトコルの予測、刺激プロトコルに対して行われるべき修正の予測、または最終誘発注射が投与され得るときの決定の予測ではなくてもよい。むしろ、いくつかの変形例では、機械学習モデルの出力は、卵転帰であって、機械学習モデルは、REが、種々のシナリオに関する卵転帰を使用して、より情報を与えられた決定を行う能力を与える。例えば、このように、その出力が卵転帰である、そのような機械学習モデルは、REが、その決定に完全に取って代わるのではなく、その臨床決定のその個々の査定を照合することを支援し得る。代替として、いくつかの変形例では、機械学習モデルは、1つまたはそれを上回る臨床決定自体を出力してもよい。
【0083】
いくつかの変形例では、機械学習モデルは、一連の回帰モデルであってもよい。非限定的実施例として、機械学習モデルは、患者のための刺激プロトコルを選択する、患者に処方されるべきFSHの開始用量を決定する、患者が最終誘発注射を投与され得る日を決定する、および/または同等物のための一連の回帰モデルであってもよい。いくつかの変形例では、回帰モデルは、線形回帰モデルであってもよい。加えて、または代替として、機械学習モデルは、フィードフォワードニューラルネットワークおよび/または回帰型ニューラルネットワークであってもよい。上記に説明されるように、機械学習モデルは、患者に関する卵転帰を予測してもよい。
図3は、線形回帰モデル324aおよびニューラルネットワーク324bの例示的変形例である。線形回帰モデル324aおよびニューラルネットワーク324bは、グラフ326に見られるように、種々の患者に関する卵転帰(例えば、卵の数、成熟卵の数等)を予測してもよい。グラフ326は、予測される卵対種々の患者から回収された実際の卵を示す。グラフ326に見られるように、予測される卵転帰は、実際の卵転帰に近い。実施例として、ニューラルネットワーク324bは、フィードフォワードニューラルネットワークであってもよい。例えば、フィードフォワードニューラルネットワークは、勾配降下法オプティマイザで訓練され、平均二乗誤差を最小限にする、ReLU活性化およびドロップアウトを伴う、3層ネットワークであってもよい。
【0084】
いくつかの変形例では、機械学習モデルの正確度は、より多くの患者特有のデータが、機械学習モデルを訓練するために利用可能になるにつれて、改善し得る。例えば、表1を参照すると、卵巣刺激相前に、患者がIVFに関して承認された後、モデルを訓練するために利用可能な患者特有のデータは、種々の以前の患者と関連付けられる、診断、年齢、BMI、FSHおよびエストラジオールの量を含み得る。本段階における卵転帰の予測のためのR2乗値は、0.28の値を示し、予測される卵転帰および実際の卵転帰が、あまり類似し得ないことを含意する。しかしながら、次の段階の間、卵巣刺激前に、患者特有のデータは、加えて(例えば、年齢、BMI、FSHおよびエストラジオールの量等に加え)は、ベースラインAFCおよびベースラインAMHを含み得る。本段階における卵転帰の予測に関するR2乗値は、0.45の値を示す。卵巣刺激の間、年齢、BMI、FSHおよびエストラジオールの量、ベースラインAFC、およびベースラインAMHに加え、患者特有のデータはまた、種々の以前の患者と関連付けられる、刺激プロトコルのタイプ、サイクル日、および投薬療法物の投薬量の量を含み得る。本段階における卵転帰の予測に関するR2乗値は、0.50の値を示す。卵巣刺激後、卵回収前に、患者特有のデータは、加えて、卵胞の数を含み得る。本段階における卵転帰の予測に関するR2乗値は、0.70の値を示す。故に、表1に見られるように、予測は、より患者特有のデータが利用可能になるにつれて、改善する。
【表1-1】
【表1-2】
【0085】
いくつかの変形例では、機械学習モデルの出力は、データベース216内に記憶されてもよい。より具体的には、患者に関する卵転帰および患者と関連付けられる患者特有のデータ(例えば、患者情報、以前のIVFサイクルおよび/または治療に関連するデータ、ベースライン測定値、治療変数、刺激プロトコルに対する応答等)が、データベース216内に記憶されてもよい。本データは、組み込まれ、機械学習モデルの訓練データを更新してもよい。すなわち、すでに既存の患者特有のデータに加え、機械学習モデルは、現在IVF治療を受けている患者と関連付けられる、データ上で訓練されることができる。これは、ひいては、機械学習モデルに関する予測の正確度を改善し得る。
【0086】
上記に議論されるように、機械学習モデルの出力および各患者と関連付けられる患者特有のデータは、データベース216内に記憶されてもよい。データベース216は、任意の好適な時間においてアクセスされ、コントローラ206によって実装される、機械学習モデルを改善し得る。いくつかの変形例では、データベース216は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能な読取専用メモリ(EEPROM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、および同等物等のメモリデバイス内に記憶されてもよい。いくつかの変形例では、データベース216は、Amazonウェブサービス(登録商標) 等のクラウドベースのプラットフォーム上に記憶されてもよい。
【0087】
機械学習モデルの出力は、コンピューティングデバイス上で実行可能なアプリケーションソフトウェア(本明細書では、「REアプリケーション」208と称される)を介して、REにアクセス可能であってもよい。いくつかの変形例では、コンピューティングデバイスは、それを通してEMR204がアクセスされる、コンピューティングデバイスであってもよい。より具体的には、REアプリケーション208は、患者特有のデータおよび機械学習モデルの出力をリアルタイムで抽出するように、EMR204に接続されてもよい。いくつかの変形例では、REアプリケーション208は、ウェブサイトポータル接続を通して、EMR204に接続されてもよい。加えて、または代替として、REアプリケーション208は、EMR204への直接プラグイン(例えば、ブラウザプラグイン)として、EMR204に接続されてもよい。いくつかの変形例では、REアプリケーション208は、それを通してEMR204がアクセスされ得る、コンピューティングデバイス(上記に議論される)を介して、EMR204に接続されてもよい。例えば、REアプリケーション208は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、コンピューティングに接続されてもよく、これは、ひいては、コンピューティングデバイスをEMR204に接続してもよい。加えて、または代替として、REアプリケーション208は、ウェブブラウザ(例えば、Google(登録商標)、Mozilla(登録商標)、Safari(登録商標)、Internet Explorer(登録商標)等)を通して、コンピューティングデバイス上にレンダリングされてもよい。ウェブブラウザはまた、REアプリケーション208をEMR204に接続してもよい。
【0088】
いくつかの変形例では、REアプリケーション208(例えば、ウェブアプリ、デスクトップアプリ、モバイルアプリ等)は、コンピューティングデバイス上に事前にインストールされてもよい。代替として、REアプリケーション208は、任意の好適な方法において、コンピューティングデバイス上にレンダリングされてもよい。例えば、いくつかの変形例では、REアプリケーション208(例えば、ウェブアプリ、デスクトップアプリ、モバイルアプリ等)は、コンピューティングデバイス上に、アプリストアまたはアプリケーションストア(例えば、Chrome(登録商標)ウェブストア、Apple(登録商標)ウェブストア等)等のデジタル配布プラットフォームから、ダウンロードされてもよい。加えて、または代替として、コンピューティングデバイスは、ウェブブラウザ(例えば、Google(登録商標)、Mozilla(登録商標)、Safari(登録商標)、Internet Explorer(登録商標)等)をコンピューティングデバイス上にレンダリングしてもよい。ウェブブラウザは、REアプリケーション208をコンピューティングデバイス上にレンダリングし得る、ブラウザ拡張機能、ブラウザプラグイン等を含んでもよい。さらに別の代替変形例では、ブラウザ拡張機能、ブラウザプラグイン等は、REアプリケーション208をコンピューティングデバイス上にインストールするためのインストール命令を含んでもよい。
【0089】
機械学習モデルの出力は、任意のユーザ(例えば、患者、RE、他の臨床医等)によって、REアプリケーション208を介して、リアルタイムでアクセスされてもよい。例えば、REは、機械学習モデルの出力に、REアプリケーション208を介して、リアルタイムでアクセスしてもよい。加えて、REは、患者と関連付けられる、患者特有のデータを、リアルタイムで、REアプリケーション208に接続される、EMR204を通して、アクセス、精査、および/または編集してもよい。
図4は、EMR404aを表示する、ディスプレイ432の例示的変形例である。EMR404aは、ブラウザプラグイン436を介して、REアプリケーション408に接続される。
【0090】
図4では、ディスプレイ432は、IVF治療を受ける、患者「Jane Smith Doe」434aと関連付けられる、EMR404aを含んでもよい。いくつかの変形例では、EMR404aはまた、精子ドナー(例えば、「John Smith」434b)と関連付けられる、情報を含んでもよい。ディスプレイ432は、EMR404aをREアプリケーション408に接続し得る、ブラウザプラグイン436(例えば、ウィジェット、ラジオボタン等)を含んでもよい。例えば、ブラウザプラグイン436をクリックおよび/または押下することは、REアプリケーション408のポップアップウィンドウを開き得る。REアプリケーション408は、機械学習モデルの1つまたはそれを上回る出力を含んでもよい。例えば、REアプリケーション408は、患者「Jane Smith Doe」434aに関する卵転帰の予測を含んでもよい。このように、REは、単に、ブラウザプラグイン436をクリックおよび/または押下することによって、「Jane Smith Doe」434aと関連付けられる、患者特有のデータ(例えば、EMR404a)にアクセスし、同時に、機械学習モデルの転帰にアクセスすることができる。
【0091】
図5は、ディスプレイ(例えば、
図4におけるディスプレイ432)上に表示されている、REアプリケーション408の例示的変形例を図示する。ブラウザプラグイン436をクリックおよび/または押下することは、REアプリケーション408をポップアップとして開き得る。REアプリケーション408は、「Jane Smith Doe」434aと関連付けられる、患者特有のデータを含んでもよい。いくつかの変形例では、REアプリケーション408は、FSH、AMH、AFC、エストラジオール等のレベル等のベースライン測定値552を含んでもよい。いくつかの変形例では、REアプリケーションは、REが、抑制剤554aの好適な量、刺激剤554bの好適な量、最終誘発注射内のホルモン554cの好適な量、および/または最終誘発注射が投与されるべき日を選択することを可能にし得る。そのような選択は、卵巣刺激相の開始前または卵巣刺激相の間に行われてもよい。
【0092】
例えば、REは、抑制剤554aの下方に位置する「+」ボタン上をクリックし、抑制剤の量を増加させてもよい。代替として、REは、抑制剤554aの下方に位置する「-」ボタンをクリックし、抑制剤の量を減少させてもよい。抑制剤554a、刺激剤554b、およびホルモン554cの測定値を改変することによって、REは、リアルタイムで、種々の測定値に関する卵転帰556を閲覧し得る。より具体的には、REは、リアルタイムで、卵転帰556が、抑制剤554a、刺激剤554b、およびホルモン554cの種々の測定値に関して改変され得る程度を閲覧することが可能であり得る。加えて、または代替として、REは、最終誘発注射が投与されるべき日を変更することが可能であり得る(例えば、ホルモン554cの上方のトグルボタン上をクリックすることによって)。日を変更することは、卵転帰556を変化させ得る。いくつかの変形例では、REアプリケーション408はまた、月経サイクルの種々の日に関する卵転帰を図示する、グラフ558を表示してもよい。これは、REに、最終誘発注射が投与されるべき日を決定するための必要情報を提供し得る。
【0093】
いくつかの変形例では、REは、随時、REアプリケーション408を閉じてもよい。REアプリケーション408は、随時、再び開かれてもよい。再び開かれると、グラフ558は、更新され、最新卵転帰を反映させてもよい。上記に議論されるように、REはさらに、患者特有のデータを修正し、修正が予測および最終転帰に影響を及ぼし得る程度を決定してもよい。
【0094】
卵転帰を予測するための例示的方法
図6は、卵転帰を予測するための方法600の例示的変形例を図示する、フロー図である。602では、本方法は、患者特有のデータをEMRから受信することを含む。コントローラ(例えば、
図2におけるコントローラ206)は、患者特有のデータをEMR(例えば、
図2におけるEMR204)から受信してもよい。患者特有のデータは、以前の患者と関連付けられる、膨大な量のデータを含んでもよい。例えば、患者特有のデータは、以前の患者と関連付けられる、患者情報、超音波画像、以前のIVFサイクルおよび/または治療に関連するデータ、ベースライン測定値、治療変数、刺激プロトコルに対する応答等を含んでもよい。
【0095】
患者特有のデータは、機械学習モデルを訓練するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、機械学習モデルは、線形回帰モデルであってもよい。代替として、機械学習モデルは、フィードフォワードニューラルネットワーク、回帰型ニューラルネットワーク等のニューラルネットワークを含んでもよい。代替として、機械学習モデルは、K-最近傍法(KNN)を含んでもよい。
【0096】
患者が、IVF治療を受けるとき、患者と関連付けられる、患者特有のデータが、コントローラにおいて受信されてもよい。604では、本方法は、IVF治療を受ける患者に関する機械学習モデルを実装することを含んでもよい。これは、例えば、EMRから取得される患者特有のデータ上で訓練される、線形回帰モデルおよび/またはニューラルネットワークを実装することを含んでもよい。線形回帰モデルおよび/またはニューラルネットワークは、患者と関連付けられるデータのために実装されてもよい。例えば、線形回帰モデルおよび/またはニューラルネットワークは、患者の年齢、人種、体型指数、以前のIVF歴、妊娠、出産等のために実装されてもよい。
【0097】
606では、機械学習モデルを実装することは、方法600に、卵転帰を予測させてもよい。卵転帰は、卵の数、成熟卵の数、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、化学妊娠率、出生率、それらの組み合わせ、および/または同等物を含んでもよい。例えば、機械学習モデルは、患者のための種々の刺激プロトコルに関する卵転帰を予測してもよい。同様に、機械学習モデルは、患者のための投薬療法物の種々のベースライン投薬量に関する卵転帰を予測してもよい。類似様式において、機械学習モデルは、患者のための最終誘発注射が投与されるべき種々の日に関する卵転帰を予測してもよい。加えて、または代替として、機械学習モデルは、最終誘発注射内に含まれるべきホルモンの種々の量に関する卵転帰を予測してもよい。
【0098】
患者が、卵巣刺激を受けるにつれて、刺激プロトコルに対する患者の応答が、観察され得る。機械学習モデルは、患者の応答を考慮するように実装されてもよい。刺激プロトコルは、患者の応答に基づいて、中止および/または改変されてもよい。これは、患者が投薬療法物のベースライン量に応答する程度に基づいて、投薬療法物の投薬量を変動させることを含んでもよい。
【0099】
機械学習モデルのいくつかの非限定的実施例およびその実装はさらに、下記のように説明される。
【0100】
刺激プロトコル選択モデル
いくつかの変形例では、刺激プロトコル選択モデルが、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、および/または同等物等の患者情報上で訓練されてもよい。いくつかの変形例では、訓練データは、加えて、IVF治療のコスト、患者に関するコスト制限、他の患者特有の必要性等のコンテキスト情報を含んでもよい。
【0101】
いくつかの変形例では、刺激プロトコル選択モデルは、線形回帰モデルであってもよい。いくつかの変形例では、刺激プロトコル選択モデルは、K-最近傍法(KNN)技法を実装してもよい。刺激プロトコル選択モデルは、上記に議論される、患者特有のデータ(例えば、患者情報、ベースライン測定値、コンテキスト情報)を組み込み、患者に関する卵転帰を予測してもよい。卵転帰は、患者から回収され得る、卵の数および/または成熟卵の数であってもよい。
【0102】
典型的には、REは、患者に処方するための刺激プロトコルのタイプに関する臨床決定を行い得る。患者が、平均応答者である場合、REは、アンタゴニストプロトコルを処方する可能性が最も高いであろう。いくつかの変形例では、REは、現在のIVFサイクルがREとの最初のIVFサイクルではない場合、患者が平均応答者であることを把握している場合がある。しかしながら、現在のIVFサイクルが最初のIVFサイクルである、変形例では、REは、患者情報に基づいて、患者が該当し得る、応答者のタイプを査定してもよい。患者が、以前に低応答を有していた(例えば、前のIVFサイクルにおいて)、または低応答を有することが予期される場合、REは、代替プロトコルを処方してもよい。
【0103】
刺激プロトコルのタイプに関連する臨床決定を拡張させるために、刺激プロトコル選択モデルは、具体的プロトコル(例えば、アンタゴニストプロトコル)に関する卵転帰を予測してもよい。卵転帰が、第1の閾値未満である場合、患者は、低応答者として分類され得る。しかしながら、卵転帰が、第1の閾値より高くあり得る、ある範囲間にある場合、患者は、中程度応答者として分類され得る。対照的に、卵転帰が、第2の閾値より高い(例えば、中程度応答者として分類される範囲の最高値より大きい)場合、患者は、高応答者として分類され得る。いくつかの変形例では、REは、第1の閾値、範囲、および/または第2の閾値を選定してもよい。REは、したがって、刺激プロトコルを具体的患者に対して調整するように、分類をカスタマイズしてもよい。例えば、REは、一部の患者では、低応答を示すために、5個より少ない卵の閾値を、他の患者では、低応答を示すために、8個より少ない卵の閾値を選定してもよい。
【0104】
患者が、低応答者として分類される場合、REは、代替刺激プロトコルを選択してもよい。刺激プロトコル選択モデルは、次いで、代替刺激プロトコルのために実装されてもよい。刺激プロトコル選択モデルは、代替刺激プロトコルを使用して、患者に関する卵転帰を最適化し得る。例えば、患者が、低応答者である場合、刺激プロトコルモデルは、代替刺激プロトコルを使用して、患者に関する卵転帰を最適化し得る。
【0105】
いくつかの変形例では、患者が、IVFサイクルをすでに受けている場合、刺激プロトコルのREの初期選択、刺激プロトコルに対する患者の応答、および/または刺激プロトコルに対する修正が、刺激プロトコル選択モデルの中に組み込まれてもよい。これは、後続IVFサイクルの間、より正確な予測を提供し得る。いくつかの変形例では、別個の予測モデルが、患者に関する詳細な以前のIVF歴を組み込むことによって生成されてもよい。そのような予測モデルは、患者のために調整されてもよく、第2、第3、または後のIVFサイクルの間、より比較的に正確になり得る。
【0106】
図26は、刺激プロトコルを患者に提供するための方法2600の例示的変形例を図示する、フロー図である。2602では、方法2600は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、患者特有の訓練データを使用して、モデル(例えば、線形回帰モデル、KNNモデル等)を訓練し、患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。患者特有の訓練データは、1回またはそれを上回るIVFサイクルを以前に受けている場合がある、種々の患者に関する患者情報を含んでもよい。患者情報は、例えば、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、選択された以前の刺激プロトコル、刺激プロトコルに関連する卵転帰、IVF治療のコスト、各患者と関連付けられるコスト制限、および/または同等物等の情報を含んでもよい。
【0107】
2604では、方法2600は、着目患者(例えば、IVF治療を開始する患者および/またはそれを受けている患者)に関して、刺激プロトコルを選択し、刺激プロトコルに関する卵転帰を予測することを含んでもよい。例えば、着目患者が、以前にIVFサイクルをすでに受けている場合、方法2600は、患者のためにアンタゴニストプロトコルを選択することを含んでもよい。しかしながら、着目患者が、以前に任意のIVFサイクルを受けていない場合、方法2600は、患者のために(例えば、アンタゴニストプロトコル以外の)代替プロトコルを選択することを含んでもよい。
【0108】
刺激プロトコルを選択後、2606において、方法2600は、着目患者と関連付けられる患者特有のデータを訓練されたモデルの中に入力し、訓練されたモデルを実装することによって、選択された刺激プロトコルに関する卵転帰を予測することを含んでもよい。2608では、予測される卵転帰に基づいて、方法2600は、患者を、低応答者、平均応答者、または高応答者として分類することを含んでもよい。例えば、予測される卵転帰は、低応答者クラス、平均応答者クラス、および高応答者クラスと関連付けられる、1つまたはそれを上回る閾値および/または閾値範囲と比較されてもよい。患者は、少なくとも部分的に、本比較に基づいて、分類されてもよい。
【0109】
2610において、方法2600が、選択された刺激プロトコルに関して、患者が低応答者として分類されていることを決定する場合、方法2600はさらに、代替刺激プロトコルを選択すること(例えば、2604を繰り返すこと)を含んでもよい。方法2600は、次いで、代替刺激プロトコルに関連して継続してもよい。しかしながら、2610において、方法2600が、選択された刺激プロトコルに関して、患者が低応答者として分類されていないことを決定する場合、方法2600は、選択された刺激プロトコルを患者に処方することに進んでもよい(例えば、2612において)。
【0110】
FSH用量モデル
いくつかの変形例では、FSH用量モデルが、REが患者に処方されるべきFSH用量の量(例えば、開始FSH用量、1日の平均FSH用量、総FSH用量、および/または同等物)に関する決定を行うことを支援するために、生成/構築されてもよい。例えば、FSH用量モデルは、FSHの変動用量に関する卵転帰を予測してもよい。いったんFSHモデルが、生成および/または訓練されると、モデルを試験するために、全ての他の入力変数(例えば、抗ミューラー管ホルモン(AMH)および胞状卵胞数(AFC)の測定値)は、一定に保たれたまま、FSH用量を変動させてもよい。予想される卵転帰は、実際の卵転帰と比較され、モデルを検証してもよい。
【0111】
刺激プロトコルモデルと同様に、FSH用量モデルは、年齢、人種、民族性、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、超音波画像、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値等の患者情報上で訓練されてもよい。加えて、FSH用量モデルは、(例えば、刺激プロトコルモデルの助けを借りて)選択された刺激プロトコル上で訓練されてもよい。
【0112】
FSH用量の選択は、平衡を伴ってもよい。例えば、低用量は、卵胞成長を助長し得ない一方、高用量は、過刺激し、卵品質および出生率への悪影響につながり得る。いくつかの変形例では、FSH用量モデルは、線形回帰モデルまたはニューラルネットワークであってもよい。線形回帰モデルまたはニューラルネットワークは、上記に説明される、患者特有のデータ上で訓練されてもよい。線形回帰モデルまたはニューラルネットワークは、患者のためのFSH用量を変動させることによって、実装されてもよく、シミュレーションが、起動されてもよい。例えば、
図7Aは、FSH用量の変動レベルに関する、ニューラルネットワークを使用して、患者1に関して予測される卵転帰を図示し、
図7Bは、患者2に関して予測される卵転帰を図示する。
【0113】
図7Aおよび
図7Bに見られるように、予測される卵転帰および実際の卵転帰は、患者1および患者2のためのFSH用量が300国際単位であるとき、患者1および患者2に関して同一である。
図7Aおよび
図7Bはまた、各予測点に関し、80%~95%の信頼区間を図示する。シミュレーションは、他の患者特有のデータを一定に保ちながら、FSH用量のみを変動させることによって、起動されてもよい。
【0114】
線形回帰モデルを使用することに対する課題は、ある場合には、FSH用量が、卵転帰に対して負に相関し得ることであり得る。ある場合には、卵転帰は、FSH用量が増加するにつれて、増加し得る。いくつかのシナリオでは、具体的FSH用量は、最適卵転帰を提供し得る。本問題点に対処するために、K-最近傍法(KNN)技法が、実装され得る。KNNは、患者のより小さいサブセットをモデル化することを含んでもよい。例えば、複数の線形回帰モデルが、訓練されてもよい。各モデルは、患者の小サブセットで訓練されてもよい。新しい患者に関して、卵転帰を予測するために、新しい患者に類似する患者で訓練されたモデルが、実装されてもよい。他の実施例では、KNNは、線形回帰モデルを使用せずに、直接、卵の平均値または中央値数を類似患者のより小さいサブセットから計算する。
【0115】
着目患者(例えば、新しい患者)に類似する、最類似患者のセットが、特徴ベクトル空間内の対毎距離を比較することによって識別され得、特徴ベクトルは、年齢、BMI、人種/民族性、診断、AFC、AMH、以前の既往歴、および/またはその他等の1つまたはそれを上回るパラメータを含む。例えば、特徴ベクトルは、そのようなパラメータの全てを含んでもよい、または特徴ベクトルは、そのようなパラメータの任意の好適なサブセット(例えば、年齢およびAFCまたはAFCおよびAMH等)を含んでもよい。加えて、または代替として、特徴ベクトル内のパラメータは、各パラメータの重要性を反映させるように加重されてもよい(例えば、個別の係数を用いて)(例えば、第1のパラメータのための第1の加重および第2のパラメータのための第2の加重であって、第1の加重は、第1のパラメータが、患者類似性を確立するために、第2のパラメータより重要であるとき、第2の加重を上回る)。類似患者のセットを識別後、卵転帰は、類似患者のそのセットのために使用される各FSH用量に関し、計算されることができる。故に、最類似患者のセットの卵転帰は、着目患者に関する卵転帰を予測することを支援し得る。
【0116】
いくつかの変形例では、最適化が、最も性能が優れている距離計測法(例えば、ユークリッド距離、マンハッタン距離、および/または同等物)、近傍加重(例えば、均一加重、距離加重等)、および近傍の数を識別するために実施されてもよい。例えば、KNNモデルは、マンハッタン距離、60~80個の近傍、および距離ベースの加重を使用してもよい。
【0117】
いくつかの変形例では、類似性マッチング(例えば、類似患者のセットを着目患者にマッチングさせる)は、距離ベースであってもよい。加えて、または代替として、類似性マッチングは、ヒューリスティックの組み合わせを実装することを含んでもよい。例えば、類似診断を伴う患者は、着目患者とともにグループ化されてもよい。そのようなシナリオにおける距離計算は、ヒューリスティック後、実施されてもよい。いくつかの変形例では、KNNモデルは、着目患者に最も類似し得る、K近傍のセットから加重された平均を計算することによって、卵転帰(例えば、回収された卵の数、成熟卵の数等)を予測してもよい。
【0118】
KNNモデルの性能は、R2乗(R
2)および平均絶対誤差(MAE)の観点から評価されてもよい。いったん類似性モデル(例えば、KNN技法を実装するモデル)が、生成されると、類似性モデルは、(a)K人の最類似患者にクエリし、次いで、(b)最高卵転帰(例えば、回収された卵および成熟卵の数)の観点から、最も一般に使用されるFSH用量および最も成功しているFSH用量を計算することによって、FSH用量選択のために実装されてもよい。FSH用量は、開始用量、1日の平均用量、総用量、および/または同等物であることができる。
図8は、最高卵転帰(例えば、回収された成熟卵の数)の観点から、患者のための最適FSH用量を識別するための類似性モデルの実装を図示する。
図8に示される患者に関して、最適ベースライン用量は、150~200国際単位であり得る。
【0119】
いくつかの変形例では、類似性モデルは、患者が、FSH用量応答性患者(患者の卵転帰が、与えられる用量投薬療法物に基づいて、実質的に変化することが予測されるという点で、FSHの用量に対して応答性である)であるかまたはFSH用量非応答性患者(患者の卵転帰が、与えられる用量投薬療法物に基づいて、実質的に変化することが予測されないという点で、FSHの用量に対して非応答性である)であるかを決定するために、生成および実装されてもよい。例えば、類似性モデルは、類似患者のセットを決定してもよい(例えば、KNNマッチングまたは他の好適なマッチング技法を実装することによって)。類似患者のセットは、例えば、10人の患者、25人の患者、50人の患者、75人の患者、90人の患者、100人の患者等のK人の好適な数の患者であってもよい。K(例えば、患者の好適な数)人の最類似患者は、種々のFSH投薬量に関して、回収された卵の数を決定するためにクエリされてもよい。曲線が、最適FSH投薬量の量がK人の最類似患者に関するデータ(例えば、種々のFSH投薬量に関する回収された卵の数)に基づいて識別されている、患者に関して適合されてもよい。曲線は、次いで、分析され、患者がFSH用量応答性患者であるかまたはFSH用量非応答性患者であるかを決定してもよい。例えば、回収された卵の数が、曲線に基づいて、増加するFSH投薬量に伴って有意に増加する場合、患者は、FSH用量応答性患者として識別されてもよい。しかしながら、回収された卵の数が、曲線に基づいて、増加するFSH投薬量に伴って有意に変動しない場合、患者は、FSH用量非応答性患者として識別されてもよい。したがって、KNN技法は、ベースラインFSH用量に対して負の相関を伴う症例に関する卵転帰を予測し得る。KNN技法はまた、最大卵転帰に関する最適FSH用量を予測し得る。いくつかの変形例では、回帰線または多項式が、データを適合させ、用量と応答との間の傾向を可視化してもよい。いくつかの変形例では、回帰線は、具体的形状を有するように制約されてもよい。例えば、データを適合するとき、回帰線は、曲線が凹面形状を下向きに有するように制約されてもよい。いくつかの変形例では、複数の曲線が、患者の応答を1つまたはそれを上回る種類の投薬療法物に関連させるために、単一患者に関して生成されてもよい。例えば、曲線は、適合され、患者がFSHに応答性であるかまたは非応答性であるかを分析してもよい。同様に、別の曲線は、適合され、患者がLHに応答性であるかまたは非応答性であるかを分析してもよい。いくつかの変形例では、曲線は、異なる投薬療法物と卵転帰との間の比を使用して、適合されてもよい。例えば、曲線は、FSHおよびLHと卵転帰との間の比を使用して、適合されてもよい。いくつかの変形例では、3次元応答曲線が、適合され、同時に、遅延複数の投薬療法物を卵転帰に関連させてもよい。
【0120】
図20は、患者が用量応答性であるかまたは用量非応答性であるかを決定するための例示的用量応答曲線の生成を図示する。類似性モデルが、類似患者を識別するために、患者のために実装されてもよい。例えば、類似患者は、年齢、BMI、人種/民族性、診断、AFC、AMH、以前の既往歴、および/またはその他等の計測値を表す、特徴ベクトルを比較することによって識別されてもよい。
図20に示されるように、100(または他の好適な数)人の類似患者が、曲線が適合されるべき患者(例えば、着目患者)に関して識別されてもよい。開始用量と卵転帰との間の傾向線が、これらの類似患者に関して適合されてもよく、信頼区間が、予測における不確実性を示すために示される。
図20は、開始用量と卵母細胞との間の傾向線を図示するが、曲線が、胚盤胞、累積出産等の他の転帰に関して、または総用量、1日あたりの用量等の他の用量変数に関して、適合されてもよいことが容易に理解されるはずである。
【0121】
上記に議論されるように、類似性モデルは、患者が用量応答性であるかどうか、または患者が用量非応答性であるかどうかを決定するために実装されてもよい。例えば、患者は、適合された曲線の形状に基づいて、用量応答性または用量非応答性として分類され得る。いくつかの変形例では、モデルはまた、REに対する特定の患者のための用量の量(例えば、開始用量、総用量、用量/日等)を推奨してもよい。本推奨は、曲線に基づいてもよい。例えば、曲線は、最大卵転帰につながるであろう用量の量を識別するために使用されてもよい。加えて、または代替として、曲線は、具体的転帰に到達するための最小用量を識別するために使用されてもよい。患者は、曲線から識別されたこれらの値に基づいて、用量の量を推奨され得る。推奨は、患者が用量応答性として分類されているかまたは用量非応答性として分類されているかに基づいてもよい。例えば、患者が、用量応答性である場合、患者は、卵転帰を最大限にするであろう用量を推奨され得る。しかしながら、患者が、用量非応答性である場合、患者は、患者コストおよび/または医薬品廃棄物を低減させるように、具体的卵転帰に到達するための最小用量(例えば、低用量)を推奨され得る。
【0122】
図21Aは、用量応答性患者に関する開始用量と卵転帰を関連付ける、例示的曲線2102を図示する。曲線2102および曲線2104は、用量応答性患者および用量非応答性患者に関して推奨される投薬量を識別するために使用されてもよい。
図21Aに見られるように、用量応答性患者に関して、曲線2102からの最適用量は、投薬量2106である。これは、曲線2102のピークにあり、卵転帰が投薬量2106に関して最大であるであろうことを示す。患者が、例えば、投薬量2107等、投薬量2016より高い投薬量を推奨された場合、卵転帰は、低減されるであろう。したがって、患者に投薬量2107を推奨することは、非最適用量となるであろう。したがって、用量応答性患者は、卵転帰を最大限にするために、投薬量2106を推奨され得る。
【0123】
図21Bは、用量非応答性患者に関する開始用量と卵転帰を関連付ける、例示的曲線2104を図示する。用量非応答性患者に関して、卵転帰は、投薬量2108等の低用量と投薬量2110等の高用量との間で有意に変化しない。換言すると、患者は、投薬量の量の変化に有意に応答しない。曲線2104からの若干の最適用量が、2109にあるが、予測される卵転帰は、投薬量2018、2109を超えると、増加する投薬量に伴って、有意に増加しない。患者が、投薬量2110を推奨された場合、卵転帰は、投薬量2108および2109と実質的に同一であることが予測される。したがって、卵転帰の観点から、投薬量を投薬量2108および2109を超えて増加させることによって利益が取得されることは、ほぼ予期されない。したがって、そのような患者のために推奨される治療は、低投薬量2108を投与し、患者コストまたは医薬品の浪費を低減させることを含んでもよい。
【0124】
いくつかの変形例では、複数の曲線が、複数の変数を最適化するために反復的に生成されてもよい。例えば、同様に、モデルは、曲線の具体的な所望の領域を識別してもよい。二次曲線が、別の変数を使用して、所望の領域内で作成されてもよい。例えば、開始FSH投薬量を卵転帰に関連させる曲線の最適領域内では、二次曲線は、LH投薬量を卵転帰に関連させる、その領域内で作成されてもよい。
【0125】
いくつかの変形例では、上記に説明されるKNN技法は、同様に、刺激プロトコル技法(上記に説明される)のために実装されてもよい。
【0126】
上記に議論されるように、いくつかの変形例では、卵転帰に対する負の相関に対処するために、FSH用量モデルは、ニューラルネットワークであってもよい。ニューラルネットワークは、上記に説明される患者特有のデータ上で訓練されてもよい。ニューラルネットワークは、患者に関するFSH用量を変動させることによって、実装されてもよく、シミュレーションが、起動されてもよい。ニューラルネットワークに関する信頼区間が、ノードドロップアウトを用いて複数回行われる、性能推論によって生成されてもよい。1つまたはそれを上回るノードが、信頼区間を生成するように、ニューラルネットワークからランダムにドロップされ、ニューラルネットワークの性能を測定し得る。
【0127】
REは、患者のための用量を確認し、および/または患者のための用量を修正するために、変動するFSH用量に関する卵転帰を考察してもよい。
【0128】
刺激プロトコルと同様に、いくつかの変形例では、患者が、IVFサイクルをすでに受けている場合、FSH用量のREの初期選択、FSH用量に対する患者の応答、および/またはFSH用量に対する修正が、刺激プロトコル選択モデルの中に組み込まれてもよい。これは、後続IVFサイクルの間、より正確な予測を提供し得る。いくつかの変形例では、別個の予測モデルが、患者に関する詳細な以前のIVF歴を組み込むことによって生成されてもよい。そのような予測モデルは、患者のために調整されてもよく、第2、第3、または後のIVFサイクルの間、より比較的に正確となり得る。
【0129】
図27は、刺激プロトコル(例えば、FSH投薬量)に関連して投薬療法物の投薬量を着目患者に処方するための方法2700の例示的変形例を図示する、フロー図である。方法2700は、本明細書にさらに説明されるように、類似性マッチングに基づいて、患者特有の訓練データのサブセットを生成することを含んでもよい。例えば、患者特有の訓練データは、1回またはそれを上回るIVFサイクルを以前に受けている場合がある、種々の患者に関する患者情報を含んでもよい。患者情報は、例えば、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、FSHの種々の用量に関する卵転帰、選択された刺激プロトコルに基づく卵転帰、および/または同等物等の情報を含んでもよい。類似性マッチング(例えば、KNN技法を使用して)は、サブセット内の各患者がサブセット内の他の患者に類似し得るように、患者のサブセットを訓練データから識別するために実施されてもよい。このように、患者特有の訓練データの複数のサブセットが、生成されてもよい。
【0130】
2702では、方法2700は、本明細書にさらに説明されるように、患者特有の訓練データのサブセットを使用して、1つまたはそれを上回るモデルを訓練することを含んでもよい。例えば、第1のモデルは、患者特有の訓練データの第1のサブセットを使用して訓練されてもよく、第2のモデルは、患者特有の訓練データの第2のサブセット(第1のサブセットと異なる)を使用して訓練されてもよい。上記に議論されるように、患者特有の訓練データの各サブセットは、類似患者の患者特有のデータを含んでもよい。
【0131】
2704では、方法2700は、モデルを着目患者に関する1つまたはそれを上回る訓練されたモデルから識別することを含んでもよい。例えば、着目患者のための投薬療法物および/または投薬量を処方するために、方法2700は、類似性マッチングを実施し、着目患者のために最良に好適であり得る、モデルを識別してもよい。例えば、識別されたモデルは、着目患者に類似し得る患者からの患者特有の訓練データのサブセットで訓練されている場合がある、モデルであってもよい。2706では、用量応答曲線が、識別されたモデルを使用して、着目患者に関して生成されてもよい。用量応答曲線は、着目患者が用量応答性であるかまたは用量非応答性であるかを識別することを支援し得る。例えば、用量応答曲線は、類似患者(例えば、識別されたモデルを訓練するために使用された、患者特有の訓練データのサブセットからの患者)に関する卵転帰に基づいて、着目患者に関して適合されてもよい。2708では、方法2700は、上記に説明されるように、患者に関して生成された用量応答曲線を使用して、着目患者に関する投薬量を処方することを含んでもよい。
【0132】
誘発日選択モデル
卵巣刺激の過程の間、患者は、綿密に監視されてもよい。いくつかの変形例では、患者に関するE2、P4の測定値、全体的卵胞数、全体的卵胞サイズ、卵胞サイズの代表的計測値(例えば、平均値、代表値、中央値等)、所定の数のサイズの各々に関する個別の卵胞数、ビン、および/または範囲等の卵胞計測値等が、記録されてもよい。測定は、例えば、2または3日毎に、または任意の好適なスケジュール(例えば、規則的スケジュールまたは不規則的スケジュール)に従って、行われてもよい。上記に議論されるように、REが行う必要があり得る、臨床決定のうちの1つは、最終誘発注射が投与され得る日の決定である。最終誘発注射をあまりに早く投与することは、より小さい卵胞が成熟に到達することを不可能にし得る一方、最終誘発注射をあまりに遅く投与することは、卵の成熟に有害であり得る、または卵胞閉鎖症を引き起こし得る。
【0133】
いくつかの変形例では、誘発日選択モデルは、年齢、人種、民族性、超音波画像、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、および選択された刺激プロトコル等の患者情報上で訓練されてもよい。加えて、誘発日選択モデルは、規則的スケジュール(例えば、毎日、1日おき等)または不規則的スケジュール(例えば、サイクルの5、7、9、および10日目)で行われ得る、E2、P4の測定値、および/または卵胞計測値上で訓練されてもよい。
【0134】
いくつかの変形例では、誘発日選択モデルは、上記に議論される患者特有のデータを組み込む、回帰モデルであってもよい。いくつかの変形例では、E2測定値、P4測定値、および/または卵胞計測値を含む、患者特有のデータが、複数の日に関して組み込まれる場合、誘発選択モデルは、変化を経時的により良好に考慮するために、回帰型ニューラルネットワークまたは長短期メモリ(LSTM)ニューラルネットワークであってもよい。誘発日選択モデルは、種々の日に関して卵転帰(例えば、回収された卵の数および/または回収された成熟卵の数)を予測してもよい。いくつかの変形例では、卵胞サイズは、異なるビンにグループ化されてもよい。ビンの例示的セットは、下記の表2に示されるが、これらは、性質上、例示にすぎず、他の好適な卵胞サイズ範囲が、ビンの異なる好適なセットを定義するためにグループ化されてもよいことを理解されたい。さらに、表2は、合計6つのビンを示すが、任意の好適な数のビンが、使用されてもよい(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または7つを上回るビン)。例えば、いくつかの変形例では、ビン1に対応する、卵胞サイズは、ビン2-6が使用されるように、表2に列挙されるセットから省略されてもよい。別の実施例として、いくつかの変形例では、ビン6に対応する、卵胞サイズは、ビン1-5が使用されるように、省略されてもよい。さらに別の実施例として、いくつかの変形例では、ビン1および6に対応する、卵胞サイズは、ビン2-5が使用されるように、省略されてもよい。
【表2】
【0135】
加えて、または代替として、卵胞サイズは、最大サイズ、最小サイズ、平均サイズ、中央値サイズ等として、グループ化されてもよい。ビンの中にグループ化することは、各個々の卵胞のサイズの測定値と関連付けられる、雑音または測定誤差のうちのいくつかを低減させ得る。加えて、グループ化することは、モデルの性能を損なうことなく、モデル解釈可能性の追加された利益を提供し得る。
【0136】
最終誘発注射が投与される前の種々の刺激日に関して、記録されたE2測定値、P4測定値、および卵胞計測値が、回帰モデルの中に組み込まれてもよい。いくつかの変形例では、卵胞サイズの変化率が、回帰モデルの中に組み込まれてもよい。その中で卵巣刺激がさらに数日(例えば、さらに1日または2日)にわたって継続する、シナリオでは、成長傾向が、決定されてもよい。
【0137】
誘発選択モデルが、展開されると、卵転帰(例えば、回収された卵の数、回収された成熟卵の数、正常に受精された卵の数)が、刺激の各日(例えば、血液検査および/または超音波測定が記録された日)において予測されてもよい。
図9Aおよび
図9Bは、サイクルの日毎に、2人の例示的患者に関して予測される卵転帰を図示する。成長傾向の形状は、刺激がさらに1日または2日にわたって継続することになった場合に起こり得ることを近似的に予想するために使用されてもよい。
【0138】
いくつかの変形例では、誘発選択モデルは、多出力回帰モデルであってもよい、またはそれぞれ、異なる転帰を伴う、複数の独立回帰モデルであってもよい。例えば、多出力回帰モデルは、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数等の種々の卵転帰を予測し得る。複数の独立回帰モデルはそれぞれ、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数等のうちの1つを予測してもよい。したがって、種々の卵転帰およびその関係は、多出力回帰モデルまたは複数の独立回帰モデルを展開することによって捕捉されてもよい。
図10は、多出力回帰モデルを展開することによる、異なるサイクル日に関する種々の予測される卵転帰を図示する。しかしながら、
図11A、
図11B、および
図11Cは、独立複数の回帰モデルを展開することによる、異なる卵転帰を図示する。
【0139】
いくつかの変形例では、誘発選択モデルは、1日または2日先のE2測定値、P4測定値、および卵胞計測値を予想し得る、ニューラルネットワークを含んでもよい。これは、それらの将来的日付における卵転帰(例えば、回収された卵の数および/または回収された成熟卵の数)を決定することを支援する。いくつかの変形例では、ニューラルネットワークは、回帰型ニューラルネットワークまたは長短期メモリ(LSTM)ニューラルネットワークであってもよい。
図12Aは、ニューラルネットワークを展開することによる、種々の卵胞サイズに関する、将来的日付における(例えば、11日目)、卵転帰の予測を図示する。例えば、卵胞サイズが、IVFサイクルの5、7、9、および10日目に関して記録される場合、ニューラルネットワークは、(1)11日目に関して予測される卵胞サイズを予想してもよく、(2)最終誘発注射が、11日目と比較して、10日目に投与された場合の、予測される卵転帰を計算してもよい。これは、より正確な予想を可能にし得る。いくつかの変形例では、卵胞サイズおよびホルモンレベルが、1日おきまたは不規則的スケジュールでのみ測定される場合、ニューラルネットワークまたは線形モデルは、欠測データを補間し、測定が行われなかった日を埋めるように訓練されてもよい。加えて、または代替として、欠測データは、前日の値を繰り越すことによって、埋められてもよい。
【0140】
いくつかの変形例では、誘発選択モデルは、技法の組み合わせを組み込んでもよい。例えば、回帰型ニューラルネットワークは、1日先の卵胞計測値およびE2および/またはP4値を予想するために使用されてもよい。解釈可能な線形回帰モデルは、次いで、2つの時点において、すなわち、(a)卵胞計測値およびE2レベルの実際の当日の測定値を使用して、かつ(b)卵胞計測値およびE2レベルの予想される翌日の測定値を使用して、卵転帰を予測するために使用されてもよい。これは、誘発が、翌日と比較して、当日に起こった場合の、卵転帰に関する比較を可能にする。
図12Bは、技法の組み合わせを使用する、将来的日付における、卵転帰の予測を図示する。1252では、患者は、誘発前にさらに1日待機した場合、より多数の成熟卵を有することが予測される。1254では、異なる患者は、誘発前にさらに1日待機した場合、より少ない成熟卵を有することが予測される。
【0141】
いくつかの変形例では、誘発選択モデルは、異なる日における同一転帰を予測する、複数の独立回帰モデルを含んでもよい。例えば、第1の回帰モデルは、最終誘発注射が刺激の当日において投与された場合の、卵転帰を予測してもよい一方、第2の回帰モデルは、最終誘発注射が刺激の翌日において投与された場合の、卵転帰を予測してもよい。誘発選択モデルは、例えば、線形回帰モデル、ポワソン回帰モデル、または負の二項回帰モデル等の一般化された線形回帰モデルを含んでもよい。いくつかの変形例では、第1の線形回帰モデル1848a(当日に投与されている誘発注射から生じる卵転帰1850aを予測する)に対する入力1846は、当日の卵胞計測値および/またはE2レベルを含んでもよい一方、第2の線形回帰モデル1848b(翌日に投与されている誘発注射から生じる卵転帰1850bを予測する)に対する入力1846は、以前の日の卵胞計測値および/またはE2レベルを含んでもよい。換言すると、卵転帰を予測するために、誘発が今日行われる場合、線形回帰モデルは、誘発日に測定された卵胞計測値およびE2レベルを使用してもよい。卵転帰を予測するために、誘発が明日行われる場合、別個の線形回帰モデルは、誘発日の1日前に測定された卵胞計測値およびE2レベルを使用してもよい。さらに、E2予想モデルは、1日前に測定された卵胞計測値およびE2レベルを使用して、翌日のE2レベルを予測し得る。ともに、これらのモデルの組み合わせは、今日対明日で誘発が行われる場合の卵転帰の比較を可能にし得る。
【0142】
例えば、
図18は、部分的に、2つの独立回帰モデルを実装することによる、刺激の当日および翌日における卵転帰の予測を図示する。
図18では、独立モデル1848aおよび1848bに対する入力1846は、卵胞計測値およびE2であってもよい。第1の線形回帰モデル1848aは、上記に説明されるような入力1846を用いて、当日(例えば、今日)に関する卵転帰を予測するために実装されてもよい。
図18に見られるように、本実施例では、線形回帰モデル1848aは、当日に関する卵転帰1850aが4つの卵となると予測し得る。第2の線形回帰モデル1848bは、上記に説明されるような入力1846を用いて、翌日に関する卵転帰を予測するために実装されてもよい。
図18に見られるように、本実施例では、線形回帰モデル1848bは、翌日に関する卵転帰1850bが6つの卵となると予測し得る。したがって、2つの独立回帰モデル1848aおよび1848bは、最終誘発注射が今日投与されることになった場合、卵転帰が4つの卵となり得、最終誘発注射が明日投与されることになった場合、卵転帰が6つの卵となり得ると予測し得る。故に、誘発選択モデルは、最終誘発注射のための適切なタイミングを決定することに関するRE臨床意思決定を支援するためのツールを提供し得る。
【0143】
いくつかの変形例では、誘発選択モデルは、連続日における卵転帰予測に基づいて、推奨をREに行ってもよい。例えば、誘発選択モデルは、刺激の連続日における卵転帰を予測してもよい。故に、誘発選択モデルは、最終誘発注射が、誘発選択モデルが最終誘発注射を投与することを推奨する日において、患者に投与されたかどうかに基づいて、患者を早期、予定通り、または遅延と分類してもよい。これは、REが、RE決定および誘発選択モデルからの出力の遡及的分析を実施することを可能にし得る。
図19は、最終誘発注射が投与された後の予測される卵転帰の傾向および早期、予定通り、または遅延としての患者の分類に基づいてREに与えられる、推奨を図示する。例えば、
図19では、8日目において、誘発選択モデルは、8日目(「MII今日」)および9日目(「MII明日」)に関する卵転帰を予測する。卵転帰の傾向(すなわち、9日目と比較して、8日目において、卵がより少ない)に基づいて、誘発選択モデルは、8日目の時点で、刺激プロトコルを継続することを推奨する。同様に、11日目において、誘発選択モデルは、11日目(「MII今日」)および12日目(「MII明日」)に関する卵転帰を予測し、11日目の時点で、11日目に関する予測される卵転帰が、12日目に関する予測される卵転帰より低いため、刺激プロトコルを継続することを推奨する。12日目において、誘発選択モデルは、12日目(「MII今日」)における卵転帰が13日目(「MII明日」)における卵転帰を上回るであろうことを予測する。本傾向に基づいて、刺激プロトコルを12日目を超えて継続することが、低減された卵転帰をもたらすと予測される場合、誘発選択モデルは、最終誘発注射を12日目に投与することを推奨する。推奨およびREの決定の遡及的分析が、次いで、実施されてもよい。例えば、患者は、REが推奨される日(例えば、誘発選択モデルによって予測されるように、最終誘発注射を投与するための日)の前に実際の最終誘発注射を投与することを決定する場合、早期として分類され得る。例えば、
図19では、REが、12日目の前に最終誘発注射を投与することを決定する場合、患者は、早期として分類され得る。患者は、REが、推奨される日と同一日に実際の最終誘発注射を投与することを決定する場合、予定通りとして分類され得る。例えば、
図19では、REが、12日目に最終誘発注射を投与することを決定する場合、患者は、予定通りとして分類され得る。患者は、REが、推奨される日の後に、実際の最終誘発注射を投与することを決定する場合、遅延として分類され得る。例えば、
図19では、REが、12日目の後に、最終誘発注射を投与することを決定する場合、患者は、遅延として分類され得る。刺激プロトコルと同様に、いくつかの変形例では、患者が、IVFサイクルをすでに受けている場合、最終誘発日のREの初期選択は、誘発日選択モデルの中に組み込まれてもよい。これは、後続IVFサイクルの間、より正確な予測を提供し得る。いくつかの変形例では、別個の予測モデルが、患者に関する詳細な以前のIVF歴を組み込むことによって生成されてもよい。そのような予測モデルは、患者のために調整されてもよく、第2、第3、または後のIVFサイクルの間、より比較的に正確となり得る。
【0144】
図28は、REが着目患者に関する最終誘発選択日を決定することを補助するための方法2800の例示的変形例を図示する、フロー図である。2802では、方法2800は、本明細書にさらに説明されるように、1つまたはそれを上回るモデル(例えば、1つまたはそれを上回る線形回帰モデル)を訓練し、患者特有の訓練データを使用して、患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。患者特有の訓練データは、1回またはそれを上回るIVFサイクルを以前に受けている場合がある、種々の患者に関する患者情報を含んでもよい。患者情報は、例えば、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、E2、P4の測定値、および/または規則的スケジュール(例えば、毎日、1日おき等)または不規則的スケジュール(例えば、サイクルの5、7、9、および10日目)で行われ得る、卵胞計測値、および/または同等物等の情報を含んでもよい。
【0145】
2804では、方法2800は、本明細書にさらに説明されるように、1つまたはそれを上回る訓練されたモデルを使用して、連続日における着目患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。より具体的には、方法2800は、連続日の日毎に、その特定の日が最終誘発注射が投与され得る日であろうという仮定の下、卵転帰を予測することを含んでもよい。例えば、第1の訓練された回帰モデルは、10日目を最終誘発選択日として用いて、10日目に関する卵転帰を予測してもよく、第2の訓練された回帰モデルは、11日目を最終誘発選択日として用いて、11日目に関する卵転帰を予測してもよく、第3の訓練された回帰モデルは、12日目を最終誘発選択日として用いて、12日目に関する卵転帰を予測してもよい等となる。
【0146】
2806では、方法2800は、REに、予測される卵転帰を提供し、予測される卵転帰に基づいて、最終誘発選択日のREの決定を補助することを含んでもよい。例えば、予測に基づいて、卵転帰が、10日目から11日目に増加するが、11日目から12日目に減少する場合、本方法は、REが11日目を着目患者に関する最終誘発選択日として選択する結果をもたらす、情報をREに提供してもよい。2808では、方法2800はまた、モデルによって提供される1つまたはそれを上回る推奨される誘発日に関連して、REの決定の遡及的分析を実施することを含んでもよい。例えば、方法2800は、1つまたはそれを上回る訓練されたモデルが最終誘発注射を投与することを推奨する日に、最終誘発注射が着目患者に投与されたかどうかに基づいて、着目患者を早期、予定通り、または遅延として分類することを含んでもよい。最終誘発注射が、推奨される日前に投与される場合、着目患者は、早期として分類され得る。類似様式において、最終誘発注射が、推奨される日後に投与される場合、着目患者は、遅延として分類され得る。このように、REの決定の遡及的分析が、実施されてもよい。
【0147】
用量調節モデル
いくつかの変形例では、卵巣刺激の間、用量調節が、実施されてもよい。例えば、FSH用量および/またはLH用量を増加させることは、卵胞成長を増加させ得る。同様に、FSH用量および/またはLH用量を減少させることは、優性卵胞を減速させ、より小さい卵胞が追い付くことを可能にし得る。
【0148】
いくつかの変形例では、用量調節モデルは、年齢、人種、民族性、超音波画像、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、および選択された刺激プロトコル等の患者情報上で訓練されてもよい。加えて、用量調節モデルは、E2、P4、および/または卵胞計測値の毎日または1日おきの測定値上で訓練されてもよい。いくつかの変形例では、用量調節モデルは、回帰モデルであってもよい。いくつかの変形例では、用量調節モデルは、ニューラルネットワーク(例えば、回帰型ニューラルネットワーク、LSTM等)であってもよい。用量調節モデルは、FSHおよび/またはLH投薬量の変動レベルに関して卵転帰を予測してもよい。卵転帰は、用量調節モデルを展開することによって、FSHおよび/またはLH投薬量の変動レベルに関してシミュレートされてもよい。卵転帰に基づいて、REは、FSHおよび/またはLH用量を増加させるかまたは減少させるかを決定してもよい。
【0149】
図29は、着目患者のためのFSHおよび/またはLH投薬量を変動させるための方法2900の例示的変形例を図示する、フロー図である。2902では、方法2900は、モデルが、患者特有の訓練データを使用して、患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。患者特有の訓練データは、1回またはそれを上回るIVFサイクルを以前に受けている場合がある、種々の患者に関する患者情報を含んでもよい。患者情報は、例えば、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、E2、P4、卵胞計測値の測定値、および/または同等物等の情報を含んでもよい。
【0150】
2904では、方法2900は、本明細書にさらに説明されるように、モデルを使用して、FSHおよび/またはLH投薬量の変動レベルに関する着目患者のための卵転帰を予測することを含んでもよい。2906では、本方法は、予測される卵転帰に基づいて、FSHおよび/またはLH投薬量のレベルを増加させるべきであるかまたは減少させるべきであるかを推奨することを含んでもよい。
【0151】
代入法モデル
上記に議論されるように、本明細書に説明されるモデルは、患者情報(例えば、年齢、人種、民族性、超音波画像、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、および選択された刺激プロトコル)、E2、P4、および/または卵胞計測値の測定値上で訓練されてもよい。訓練データのうちのいくつかは、誤ったデータまたは欠測情報を含むことが可能性として考えられ得る。例えば、そのデータが本明細書に説明されるモデルを訓練するために含まれることになる、患者を検討する。例えば、患者が、7日目に最終誘発選択注射を投与され、遡及的分析が、患者が予定通り最終誘発選択注射を投与されたことを示す場合、典型的には、患者に関する卵胞サイズは、5日目から7日目に増加するか、または少なくとも同一のままであるかのいずれかであるはずである。しかしながら、訓練データが誤差を含んでいたとする。すなわち、訓練データが、誤って、卵胞サイズを5日目から7日目に減少させるように含まれるとする。モデルが、本誤ったデータで訓練されることになった場合、モデルは、卵胞サイズの傾向に基づいて、7日目の代わりに、5日目に、最終誘発選択注射を投与することを誤って予測し得る。故に、モデルの正確度は、誤ったまたは欠測データで影響され得る。
【0152】
本課題に対処するために、代入法モデルが、欠測または誤ったデータを推測するために実装されてもよい。例えば、刺激の当日において、卵胞計測値および/または卵胞測定値の完全性が、以前の日の卵胞測定値のうちの1つまたはそれを上回るものを使用して、卵胞測定値が、同一サイズに留まるか、または経時的に成長するかのいずれかである可能性が最も高いという仮定に基づいて、評価されてもよい。例えば、当日が、7日目である場合、7日目に関する卵胞測定値は、先行する6日目、5日目、4日目、3日目、2日目、および1日目に関する卵胞測定値を使用して、評価されてもよい。本評価に基づいて、当日に関する卵胞測定値が、有効ではないと考えられる場合(例えば、7日目に関する卵胞測定値が、6日目に関するもの未満である)、代入法モデルが、実装され、卵胞測定値を代入し、当日の卵胞測定値が有効であることを確実にしてもよい。例えば、代入法モデルは、以前の日の測定値に基づいて、当日に関する卵胞測定値の値を推定し得る。このように、本明細書に説明されるモデルの正確度は、改善され得る。いくつかの変形例では、代入法モデルは、線形プログラミング、非線形プログラミング、凸最適化、それらの組み合わせ、および/または同等物等の最適化技法を含み、必要卵胞データを代入してもよい。例えば、最終誘発日が誘発選択日モデルを使用して予測されるとする。上記に議論されるように、誘発選択日モデルは、そのサイズに基づいて、卵胞サイズを異なるビンの中にグループ化し得る。実施例として、当日が、7日目であって、7日目に関する卵胞の総数が、6日目に関する卵胞の総数未満である場合、これは、7日目に関する卵胞の総数が有効ではあり得ないことのインジケーションであり得る。故に、線形プログラミングが、各卵胞ビンに関する卵胞の数が、6日目から7日目に増加する、および/または同一のままであるように、各卵胞ビンに追加されるべき最小数の卵胞を決定するために適用されてもよい。このように、代入された卵胞測定値が、7日目に関して決定され得る。8日目に、本プロセスは、7日目からの代入された卵胞測定値を使用して、繰り返されてもよい。
【0153】
安全性モデル
時として、卵巣刺激と関連付けられる、リスクが存在し得る。例えば、一部の患者は、卵巣を腫脹させ、疼痛のある状態を引き起こし得る、卵胞刺激ホルモンに対する過剰応答である、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)等の合併症を被り得る。そのような合併症は、刺激サイクルの中止につながり得、将来的IVFサイクルに悪影響を及ぼし得る。OHSSと関連付けられる、合併症を緩和するために、OHSSのリスクにある患者は、OHSSに起因する有害な応答のリスクを低下させ得る、具体的刺激プロトコルを処方されてもよい。安全性モデルは、OHSSのリスクにある患者のための刺激プロトコルを処方するために実装されてもよい。
【0154】
いくつかの変形例では、安全性モデルは、年齢、人種、民族性、超音波画像、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、および選択された刺激プロトコル等の患者情報上で訓練されてもよい。加えて、安全性モデルは、E2、P4、および/または卵胞計測値の毎日または1日おき測定値上で訓練されてもよい。
【0155】
いくつかの変形例では、安全性モデルは、回帰モデル(例えば、線形回帰モデル)であってもよい。いくつかの変形例では、安全性モデルは、ニューラルネットワーク(例えば、回帰型ニューラルネットワーク、LSTM等)であってもよい。安全性モデルは、OHSSのリスクにある患者を識別してもよく、合併症のリスクを最小限にするための治療計画を推奨してもよい。OHSSのリスクにある患者を識別するために、安全性モデルは、E2、P4、および/または卵胞計測値の日々の測定値を使用して、患者がOHSSのリスクにあるかどうかを予測してもよい。より具体的には、E2、P4、および/または卵胞計測値の測定値が、閾値を超える、および/または正常範囲外に該当する場合、患者がOHSSのリスクにあることを示し得る。閾値および/または正常範囲は、患者特有であってもよい。すなわち、異なる患者は、OHSSと関連付けられ得る、異なる閾値および/または範囲を有してもよい。
【0156】
したがって、E2、P4、および/または卵胞計測値の日々の測定値を監視し、これらの測定値が、閾値を超えない、または正常範囲外に該当しないことを確実にすることは、OHSSのリスクを緩和し得る。安全性モデルは、当日に関して、これらの日々の測定値を使用して、翌日に関して、E2、P4、および/または卵胞計測値の測定値を予測してもよい。翌日に関する予測される測定値は、分析され、測定値が閾値を超える、または正常範囲外に該当するかどうかを決定してもよい。翌日に関する予測される測定値が、測定値が正常範囲外に該当し得ることを示す場合、患者は、OHSSのリスクにあるとして分類され得る。そのような患者のための刺激プロトコルは、次いで、OHSSのリスクを緩和するように調節され得る。
【0157】
図30は、着目患者を卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクにあると分類するための方法3000の例示的変形例を図示する、フロー図である。3002では、方法3000は、モデルが、患者特有の訓練データを使用して、患者に関する卵転帰を予測することを含んでもよい。患者特有の訓練データは、例えば、1回またはそれを上回るIVFサイクルを以前に受けている場合がある、種々の患者に関する患者情報を含んでもよい。患者情報は、年齢、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、体型指数、人種、民族性、超音波画像、E2、P4、卵胞計測値の測定値、および/または同等物等の情報を含んでもよい。
【0158】
3004では、方法3000は、本明細書にさらに説明されるように、着目患者に関して、モデルおよび当日に関するE2、P4、および/または卵胞計測値の測定値を使用して、翌日に関するE2、P4、および/または卵胞計測値の測定値を予測することを含んでもよい。3006では、方法3000は、E2、P4、および/または卵胞計測値の予測される測定値と所定の閾値および/または閾値範囲を比較することを含んでもよい。着目患者に関するE2、P4、および/または卵胞計測値の予測される測定値が閾値を超えることを決定することに応答して、本方法は、患者をOHSSのリスクにあるとして分類することを含んでもよい。
【0159】
診療所ワークフローモデル
IVF診療所は、時として、有限スケジュール内で、かつ有限数のRE間で、多くの患者訪問を協調させることの課題に直面する。診療所の患者スループットを平衡し、仕事量が均一に分散されることを確実にすることは、患者サイクルを開始するための適切な時間を決定することを要求し得る。例えば、具体的REに掛かっている複数の患者が、その刺激プロトコルサイクルを同時に開始する場合、REは、1日中複数の卵回収で過負荷状態になり得る、または胚培養士は、1日中胚生検で過負荷状態になり得ることが可能性として考えられ得る。故に、来院患者群に関して、来院患者に関する予期される誘発日、予期される卵回収日、および/または予期される胚生検日を分散させる(例えば、ずらす)ために、予期される誘発日および予期されるサイクル長を予測し、回収および/または生検の負荷を予想することを支援する、またはこれらの患者の各々に関し、刺激サイクルのための開始日を識別することが重要であり得る。診療所ワークフローモデルは、患者群に関する予期される誘発日および予期されるサイクルを予測し得る。
【0160】
いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、年齢、人種、民族性、超音波画像、以前のIVF歴、以前の子宮内授精(IUI)歴、自然受胎からの以前の妊娠または正常出産歴、および/または抗ミューラー管ホルモン(AMH)、胞状卵胞数(AFC)等のベースライン測定値、および選択された刺激プロトコル等の患者情報上で訓練されてもよい。加えて、診療所ワークフローモデルは、E2、P4、および/または卵胞計測値の毎日または1日おき測定値上で訓練されてもよい。
【0161】
いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、回帰モデル(例えば、線形回帰モデル、またはポワソン回帰モデル)であってもよい。いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、ニューラルネットワーク(例えば、回帰型ニューラルネットワーク、LSTM等)であってもよい。患者群に関して、各患者の予期される誘発日および予期される誘発サイクルに基づいて、診療所ワークフローモデルは、各患者に関し、開始日を予測し得る。いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、加えて、または代替として、患者訪問の全体的数を低減させるように、各患者に関し、診療所訪問のために必要な日を予測し得る。いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、最も注意の必要があり得る患者を示すために、REに会うべきである患者の順序を優先順位化させてもよい。例えば、後続日における卵転帰の低減を回避するために、最終誘発注射を緊急に投与される必要があり得る、患者は、緊急に誘発される必要がない場合がある、患者より優先されてもよい。いくつかの変形例では、診療所ワークフローモデルは、最適化技法(例えば、線形プログラミング、凸最適化、それらの組み合わせ、および/または同等物)を含み、各患者に関し、予期される誘発日および予期される誘発サイクルを予測後、患者群に関する開始日付をスケジュール化してもよい。
【0162】
診療所ワークフローモデルは、加えて、または代替として、診療所内の職員を補助するために使用されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、診療所と関連付けられる患者群に関する卵回収日付および/または胚生検日付を予測することができるため、その診療所に関する診療所ワークフローモデルは、特定の日の卵回収および/または胚生検手技のための職員の必要性を予測し、それによって、診療所が予期される手技を実施するためのスタッフを適切にスケジュール化することを可能にするために使用されてもよい。
【0163】
モデルに基づく予測の表示
上記に議論されるように、本明細書に説明される技術は、REによって、その決定を拡張させる、またはそれにさらに情報を与えるために使用されてもよい。本明細書に開示されるモデルは、REがその決定に情報を与えるために閲覧し得る、解釈可能な結果を提供し得る。モデルからの予測は、解釈可能な形態において、好適なコンピューティングデバイス上に実装されているREアプリケーション(例えば、REアプリケーション208)に伝送されてもよい。
図22に示されるように、2282において、REアプリケーションが、実装されると、ログインページが、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示されてもよい。REアプリケーション上に登録され得る、ユーザ(例えば、RE、臨床医等)は、モデルからの結果および患者と関連付けられるデータへのアクセスを有してもよい。登録されないユーザは、REアプリケーションへのアクセスを有し得ず、それによって、REアプリケーションと関連付けられる結果およびデータへの制限的アクセスを提供する。これは、REアプリケーションと関連付けられるデータおよび結果をセキュアに保つ。ログインページでは、登録されたREは、REアプリケーションがユーザを認証し得るように、その登録された電子メールアドレスおよびパスワードを打ち込んでもよい。
【0164】
いったんREアプリケーションが、REを認証すると、2284において、ディスプレイは、患者ダッシュボードを表示する。
図23は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的患者ダッシュボード2384を図示する。患者ダッシュボード2384は、REの患者のリストを含んでもよい。例えば、患者ダッシュボードは、患者名、患者ID、刺激ステータス、および更新されたタイムスタンプ(例えば、2391)を含んでもよい。本明細書に議論されるように、REアプリケーションは、EMRデータベース(例えば、EMR204)とインターフェースをとってもよい。患者名および関連付けられる患者ID(例えば、2292)は、EMRデータベースから取り込まれてもよい。例えば、
図23では、「Lisa Jones」は、患者ID「m3815」と関連付けられてもよく、これは、EMRデータベースから取り込まれてもよい。
【0165】
EMRデータベースはまた、患者と関連付けられる、刺激ステータス2294を取り込んでもよい。例えば、刺激ステータスは、患者の刺激プロトコルが開始しているかどうかを示してもよい。例えば、
図23では、「Lisa Jones」は、刺激ステータス「刺激前」を有することが示され、刺激プロトコルが開始していないことを示す。刺激ステータスが、日数を示す場合、これは、刺激プロトコルが、患者のために開始しており、刺激プロセスが、ディスプレイ上に示される日に該当することを示し得る。例えば、
図23では、「Rose Wolfe」は、刺激ステータス「12日目」を有することが示され、Rose Wolfeの刺激が、開始しており、サイクルの当日は、サイクルの12日目であることを示す。刺激を能動的に受ける患者に関して、患者ダッシュボード2384は、いくつかの予測のプレビュー2396を提供してもよい。例えば、患者ダッシュボード2384は、今日および翌日に関して予測される卵転帰(例えば、成熟卵母細胞)を表示してもよい。例えば、
図23では、今日に関する刺激(例えば、「12日目」として示される刺激ステータス)を能動的に受ける「Rose Wolfe」に関して予測される成熟卵母細胞は、「8.9」であって、明日に関する成熟卵母細胞は、「10.2」である。いくつかの変形例では、患者ダッシュボードはまた、今日に関するE2測定値および明日に関するE2測定値予測を表示してもよい。例えば、今日に関して、「Rose Wolfe」に関するE2測定値は、「3260」であることが示され、明日に関して予測されるE2測定値は、「4100」であることが示される。患者ダッシュボード2384はまた、フィルタ2398を含んでもよい。例えば、患者リストは、診療所、刺激ステータス、およびRE別にフィルタ可能であってもよい。
【0166】
図22に戻って参照すると、患者が、刺激を能動的に受けていない(例えば、2284における刺激ステータスが、「刺激前」である)場合、REアプリケーションは、2286において、開始用量ページを表示する。
図24は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的開始用量ページを図示する。例えば、
図23では、「Lisa Jones」は、刺激を能動的に受けていない(例えば、2284における刺激ステータスが、「刺激前」である)ことが示された。
図24は、「Lisa Jones」に関する開始用量ページを示す。開始用量ページ2486は、患者のベースライン特性(例えば、2451)を表示する。例えば、開始用量ページ2486は、「Lisa Jones」と関連付けられる、年齢、BMI、抗ミューラー管ホルモン(AMH)、および胞状卵胞数(AFC)の測定値を示す。これらのベースライン特性は、上記に議論されるように、FSH用量モデルに入力されてもよい。
【0167】
本明細書に議論されるように、FSH用量モデルは、着目患者に類似する患者を識別する、類似性モデルを含んでもよい。用量応答曲線(例えば、類似患者のデータを使用して適合される、曲線)は、着目患者が用量応答性であるかまたは用量非応答性であるかを示してもよい。
図24では、「Lisa Jones」に類似する、患者の統計が、表示されてもよい(例えば、2452)。
図24に示されるように、FSH用量モデルは、100人の類似患者の履歴患者サイクルデータを使用してもよい。これらの類似する100人の患者の統計は、2452に示される。用量応答曲線は、これらの統計2452に基づいて、「Lisa Jones」に関して適合/生成されてもよい。より具体的には、FSH用量応答モデルは、「Lisa Jones」に関するベースライン特性2451および100人の類似患者の統計2452を使用して、用量応答曲線2453を生成してもよい。用量応答曲線2453は、「Lisa Jones」に関して、種々のFSHの開始用量に関する卵転帰(例えば、成熟卵母細胞の数)を描写してもよい。用量応答曲線2453内の陰影付き領域は、各用量増分における信頼区間を描写し得る。
図24に見られるように、「Lisa Jones」に関する最適開始用量は、「300」である。加えて、開始用量ページ2486はまた、11日の刺激サイクルを通して投影され得る、異なる開始用量に関するコスト推定値2454を表示してもよい。
図24では、「300」の開始FSH用量に関して、「Lisa Jones」に関するコスト推定値は、「$3,300」である。
【0168】
いくつかの変形例では、開始用量ページ2486はまた、患者が過去にサイクルを受けているかどうかを表示してもよい(例えば、2455)。過去のサイクルをクリックすることは、患者のその過去のサイクルに関する概要ページをトリガし得る。
【0169】
図22に戻って参照すると、患者が、刺激を能動的に受けている(例えば、2284における刺激ステータスが、「12日目」等の日である)場合、REアプリケーションは、2288において、誘発ページを表示する。
図25は、好適なコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示される、例示的誘発ページを図示する。例えば、
図23では、「Michelle James」は、刺激を能動的に受けている(例えば、2284における刺激ステータスは、「12日目」である)ことが示された。
図25は、「Michelle James」に関する誘発ページ2588を示す。誘発ページ2588は、「Michelle James」と関連付けられる、年齢、BMI、抗ミューラー管ホルモン(AMH)、および胞状卵胞数(AFC)の測定値等のベースライン特性を含む。これらのベースライン特性は、上記に議論されるように、誘発選択モデルに入力されてもよい。誘発ページ2588は、REが、最終誘発注射を投与するための最適日を選択し、卵転帰(例えば、成熟卵母細胞収率)を最大限にすることを可能にする。例えば、誘発ページ2588は、異なる誘発日に関する卵転帰予測を提供する。
図25では、「Michelle James」は、刺激プロトコルの12日目であることが示される。7日目、9日目、11日目、および12日目に関する卵転帰(例えば、2561)は、誘発ページ2588上に示される。誘発ページ2588はまた、異なる誘発日の各々に関し、E2およびP4測定値を示す(例えば、2562)。加えて、誘発ページはまた、翌日に関する卵転帰予測およびE2測定値を含む(例えば、2563)。
図25では、当日は、12日目であるため、13日目に関する卵転帰の予測およびE3測定値が、示される。誘発ページ2588はまた、異なる誘発日に関する卵胞測定値の視覚的表示(例えば、2564)および異なる誘発日の各々において投与される薬物(例えば、2565)を提供する。
【0170】
治療の例示的方法
図13は、本明細書に説明される機械学習モデルを使用する、例示的治療の方法のフロー図である。方法1200は、患者特有のデータをコントローラ(例えば、
図2におけるコントローラ206)に提供することを含む。患者特有のデータは、患者情報、以前のIVFサイクルおよび/または治療に関連するデータ、ベースライン測定値、治療変数、刺激プロトコルに対する応答、それらの組み合わせ、および/または同等物を含んでもよい。コントローラは、上記に説明されるもの等の1つまたはそれを上回る機械学習モデルを生成し、患者に関する卵転帰を予測してもよい。
【0171】
1204では、本方法は、患者特有のデータを使用して、卵転帰を機械学習モデルから受信することを含む。例えば、本方法は、卵転帰を刺激プロトコル選択に関連する第1の予測モデルから受信することを含んでもよい。加えて、または代替として、本方法は、卵転帰をFSH用量モデルに関連する第2の予測モデルから受信することを含んでもよい。加えて、または代替として、本方法は、卵転帰を誘発日選択モデルに関連する第3の予測モデルから受信することを含んでもよい。
【0172】
卵転帰は、患者特有のデータのうちの1つまたはそれを上回るものを変動させることによって、予測されてもよい。例えば、第1の予測モデルは、K-最近傍法(KNN)技法を含んでもよい。第1の予測モデルは、最適卵転帰を提供し得る、刺激プロトコルを予測し得る。同様に、第2の予測モデルは、K-最近傍法(KNN)技法を含んでもよい。第2の予測モデルは、最適卵転帰を提供し得る、FSH用量を予測し得る。いくつかの変形例では、第3の予測モデルは、技法の組み合わせを含む。例えば、回帰型ニューラルネットワークは、1日先の卵胞計測値およびE2および/またはP4値を予想するために使用されてもよい。解釈可能な線形回帰モデルは、次いで、卵転帰を予測するために使用されてもよい。
【0173】
1206では、本方法は、卵転帰に基づいて、薬物投薬量を患者に投与することを含んでもよい。例えば、刺激プロトコルは、第1の予測モデルを実装することによって、患者のために選択されてもよい。選択された刺激プロトコルは、日々ベースで患者に投与されるべき薬物投薬量の量を含んでもよい。加えて、または代替として、ベースラインFSH用量の量は、第2の予測モデルを実装することによって、患者のために選択されてもよい。加えて、または代替として、患者のための最終誘発注射が投与されるべき日は、第3の予測モデルを実装することによって選択されてもよい。
【0174】
いくつかの変形例では、薬物投薬量を投与することはさらに、患者の応答を監視することを含んでもよい。例えば、選択された刺激プロトコルに対する患者の応答が、監視されてもよい。患者応答に基づいて、刺激プロトコルは、修正および/または中止されてもよい。例えば、患者が、選択された刺激プロトコルに対して低応答を示す場合、第1の予測モデルは、更新され、低応答を考慮してもよい。選択された刺激プロトコルは、更新された予測モデルに基づいて、修正されてもよい。
【0175】
実施例
上記に議論されるように、いくつかの変数(例えば、FSH投薬量の量、誘発日、刺激プロトコル等)は、患者に関する卵転帰の予測であってもよい。これらの変数のいくつかの非限定的実施例は、年齢、BMI等の患者の個人情報、サイクルの数、刺激プロトコル、診断等の患者の過去のIVFサイクル情報、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値等のベースライン用量測定値、卵胞サイズ等の刺激プロトコル、誘発日、それらの組み合わせ、および/または同等物を含んでもよい。
【0176】
いくつかの変形例では、患者に関する卵転帰を予測し得る、最も兆候的なパラメータおよび/または最も統計的に有意なパラメータ/変数を識別することが可能性として考えられ得る。例えば、最上位変数が、再帰特徴排除を適用することによって識別されてもよく、より弱い特徴が、1つずつ識別され、候補特徴の群から除去される。
図14A-14Cは、患者に関する卵転帰を予測し得る、最も統計的に有意な変数の実施例を図示する。
図14Aおよび14Bに見られるように、約11mm未満またはそれに等しい卵胞サイズ、約12mm~約14mmの卵胞サイズ、約15mm~約16mmの卵胞サイズ、約17mm~約18mmの卵胞サイズ、約19mm~約20mmの卵胞サイズ、およびエストラジオールの測定値は、患者に関する卵転帰を予測し得る、6つの最も統計的に有意な変数であり得る。これらの6つの最も統計的に有意な変数は、患者に関する卵転帰を綿密に追跡し得る。例えば、誘発日選択モデルが、実装され、これらの6つの最も統計的に有意な変数に基づいて、誘発日を決定してもよい。例えば、誘発日は、患者に関する卵胞サイズ測定値およびエストラジオールの測定値に基づいて選択されてもよい。
図14Cは、6つの最も統計的に有意な変数が患者に関する誘発日に測定されるときの、予測される卵転帰対実際の卵転帰の検証を図示する。
【0177】
しかしながら、上記に説明されるように、他の好適な変形例では、異なる種類の好適な回帰モデルパラメータが存在してもよいことを理解されたい。
図14Dは、その中で7つの変数が、特に、患者に関する卵転帰を予測する、別の実施例に関する。具体的には、
図14Dに示されるように、約10mm未満またはそれに等しい卵胞サイズ、約11mm~約13mmの卵胞サイズ、約14mm~約15mmの卵胞サイズ、約16mm~約17mmの卵胞サイズ、約18mm~約19mmの卵胞サイズ、約20mmを上回るまたはそれに等しい卵胞サイズ、およびエストラジオールの測定値は、患者に関する卵転帰を予測し得る、7つの統計的に有意な変数であり得る。
【0178】
図15A-15Cは、患者がFSH用量応答性患者であるかまたはFSH用量非応答性患者であるかを決定するために実装されている、類似性モデルの実施例を図示する。本実施例では、回帰モデルを訓練する/生成するためのデータは、4つの異なるIVF診療所から収集された。データは、自己由来非中止IVF回収に関してフィルタ処理された。これは、2014-2020間の7977サイクルを含んだ。
【0179】
KNN患者類似性モデルが、上記に議論されるように、本データに基づいて生成された。
図15Aに見られるように、KNNモデルは、BMI、年齢、ベースラインAMH、およびベースラインAFC等のパラメータに基づいて、患者1に関して、100人の類似患者を、患者2に関して、100人の類似患者を識別するために使用された。100人の類似患者は、種々の開始FSH用量に関して回収された卵の数を予測する、用量応答曲線を作成するために使用された。例えば、患者1に関する用量応答曲線が、
図15Bに示され、また、患者2に関する用量応答曲線が、
図15Cに示される。患者1および患者2の各々に関し、用量応答曲線が、分析され、患者がFSH用量応答性であるかまたはFSH用量非応答性であるかを決定した。例えば、
図15Bでは、FSH投薬量の増加に伴って増加する回収された卵の数は、患者1が用量応答性であることを示す。しかしながら、
図15Cでは、回収された卵の数が、FSH投薬量の増加に伴って不変のままであって、患者2が用量非応答性であることを示す。
【0180】
いくつかの変形例では、上記に議論されるように、本明細書に説明される1つまたはそれを上回るモデルが、卵転帰を最大限にするように、患者に関する誘発日を予測するために実装されてもよい。本明細書に説明されるモデルを使用する利益は、規則的ベースで(例えば、刺激プロトコルの投与の間、毎日、または刺激プロトコルの投与の日のサブセットの間、毎日等の日々ベースで)、各患者を分析することによって、計算されてもよい。より具体的には、本明細書に説明されるモデルの品質は、各患者から取得されるデータに基づいて推定されてもよい。
【0181】
いくつかの変形例では、本明細書に説明されるモデルは、誘発選択日を予測するために使用されてもよい。例えば、モデルは、予測される卵転帰が2日後に増加を示す場合、患者に関する刺激プロトコルを継続することを推奨してもよい。例えば、卵転帰が、5日目から7日目に増加することが予測される場合、モデルは、少なくとも7日目まで、患者に関する刺激プロトコルを継続することを推奨してもよい。同様に、モデルは、予測される卵転帰が、15未満である(例えば、回収されることが予測される卵の数が、15未満である)、または予測されるエストラジオールの量が、5,000未満である場合、患者に関する刺激プロトコルを継続することを推奨してもよい。しかしながら、卵転帰が、2日後に減少を示すことが予測される場合、モデルは、卵巣刺激を誘発し、卵を抽出することを推奨してもよい。加えて、または代替として、予測される誘発選択日は、実際の誘発日と比較され、実際の誘発が早期であるかまたは遅延であるかを決定してもよい。いくつかの変形例では、モデルはまた、1日後の増加または減少に基づいて、刺激プロトコルを継続または停止する推奨を行ってもよい。
【0182】
本明細書に説明される1つまたはそれを上回るモデルは、卵転帰を最大限にするように、患者に関する誘発日を予測するために使用されてもよい。例えば、エストラジオールおよび卵胞サイズが、成熟卵の数を予測するために使用されてもよい。刺激プロトコルの間の各測定日において、モデルは、その日が誘発日である場合の、卵転帰(例えば、成熟卵の数)を予測し、翌日に関するエストラジオールおよび卵胞サイズを予想し、加えて、翌日が誘発日である場合の、卵転帰を予測してもよい。そのようなモデルは、
図16A-16Dおよび17A-17Dに関して下記に説明されるように、刺激を継続するか、または排卵を誘発し、遅すぎるまたは早すぎるのいずれかの排卵を誘発する尤度を低減させるかどうかを誘導するために、刺激プロトコル全体を通して使用されてもよい。
【0183】
図16A-16Dは、そのようなモデルを卵巣刺激を受ける例示的患者に適用する実施例を図示し、円形ドットは、予測される卵転帰を表し、三角形記号は、エストラジオールの量を表す(便宜上、卵胞サイズは、示されない)。破線は、モデルによる予測を描写する。本患者に関するエストラジオールおよび卵胞測定は、刺激の4日目に開始する。
図16Aに示されるように、刺激の8日目に、モデルは、8日目が誘発日である場合の、卵転帰を予測し、9日目に関するエストラジオールおよび卵胞サイズを予想し、9日目が誘発日である場合の、卵転帰を予測する。具体的には、モデルは、卵転帰が8日目と9日目との間で増加することを予測し、したがって、本モデルに基づいて、推奨は、刺激プロトコルを継続することとなる。故に、刺激プロトコルは、本患者に関して、10日目まで継続し、
図16Bに示されるように、10日目に、モデルは、卵転帰が10日目と11日目との間でほぼ同一のままであろうことを予測する。
図16Cに示されるように、11日目に、モデルは、11日目に関するものに対して、12日目に関する卵転帰における明白な低下を予測する。卵転帰の本将来的減少が、予測されるため、11日目における推奨は、11日目が誘発日となるべきであることとなる。誘発日が、11日目であるように選択されず、代わりに、刺激が、誘発が生じる12日目まで継続する場合、12日目における実際の誘発は、
図16Dに示されるように、可能性として、遅延し、それによって、望ましくなく低減された卵転帰をもたらす。
【0184】
図17A-17Cは、卵転帰を最大限にするように、患者に関する誘発日を予測するために本明細書に説明される1つまたはそれを上回るモデルを実装する別の実施例を図示し、円形ドットは、予測される卵転帰を表し、三角形記号は、エストラジオールの量を表す。破線は、モデルによる予測を描写する。
図17Aに示されるように、刺激の7日目に、モデルは、7日目が誘発日である場合の、卵転帰を予測し、8日目に関するエストラジオールおよび卵胞サイズを予想し、8日目が誘発日である場合の、卵転帰を予測する。具体的には、モデルは、卵転帰が7日目と8日目との間で増加することを予測し、したがって、本モデルに基づいて、推奨は、刺激プロトコルを継続することとなる。故に、刺激プロトコルは、本患者に関して、9日目まで継続し、
図17Bに示されるように、9日目に、モデルは、卵転帰が9日目と10日目との間で増加し続けるであろうことを予測する。
図17Cに示されるように、10日目に、モデルは、卵転帰が10日目と11日目との間でなおもさらに増加するであろうことを予測し、したがって、推奨は、刺激プロトコルを継続し、誘発をさらに遅延させるべきであることとなる。したがって、REが、10日目を誘発日として選択する場合、10日目における本実際の誘発は、可能性として、早期であって、それによって、望ましくなく低減された卵転帰をもたらす。
【0185】
列挙される実施形態
実施形態A1.卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、
少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、卵巣刺激プロセスのための複数の治療オプションの各々に関し、患者に関する卵転帰を予測することであって、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと、
を含む、方法。
【0186】
実施形態A2.複数の治療オプションの中から選択するための予測される卵転帰を医療従事者に提供することをさらに含む、実施形態A1に記載の方法。
【0187】
実施形態A3.予測される卵転帰は、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含む、実施形態A1に記載の方法。
【0188】
実施形態A4.予測される卵転帰は、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、および出生率のうちの少なくとも1つを含む、実施形態A1に記載の方法。
【0189】
実施形態A5.患者特有のデータは、年齢、体型指数、民族性、不妊症の診断、以前の妊娠歴、以前の出産歴、およびエストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される、1つまたはそれを上回るベースライン測定値のうちの少なくとも1つを含む、実施形態A1に記載の方法。
【0190】
実施形態A6.患者特有のデータは、患者と関連付けられる、1つまたはそれを上回る以前の体外受精(IVF)治療に関連する情報を含む、実施形態A1に記載の方法。
【0191】
実施形態A7.1つまたはそれを上回る以前のIVF治療に関連する情報は、卵巣刺激の間に回収されたデータ、回収された卵の数、成熟卵の数、正常に受精された卵の数、妊娠転帰、および出産転帰のうちの少なくとも1つを含む、実施形態A6に記載の方法。
【0192】
実施形態A8.患者特有のデータは、患者と関連付けられる、1つまたはそれを上回る治療変数を含む、実施形態A1に記載の方法。
【0193】
実施形態A9.1つまたはそれを上回る治療変数は、患者と関連付けられる、投薬療法物のタイプ、卵胞成熟を引き起こすためのホルモン誘発注射のタイプ、およびサイクルの数を含む、実施形態A8に記載の方法。
【0194】
実施形態A10.少なくとも1つの予測モデルは、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の複数の候補用量のそれぞれと関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成される、実施形態A1に記載の方法。
【0195】
実施形態A11.1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、実施形態A10に記載の方法。
【0196】
実施形態A12.1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、黄体形成ホルモン(LH)を含む、実施形態A10に記載の方法。
【0197】
実施形態A13.患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される、1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含む、実施形態A10に記載の方法。
【0198】
実施形態A14.少なくとも1つの予測モデルは、第1の用量および第2の用量の各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成され、第2の用量は、第1の用量を上回る、実施形態A10に記載の方法。
【0199】
実施形態A15.少なくとも1つの予測モデルは、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比および複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比の各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成され、第1の用量比は、第2の用量比と異なる、実施形態A10に記載の方法。
【0200】
実施形態A16.
類似性マッチング技法を介して、患者特有のデータに基づいて、患者に類似する以前の患者のセットを識別すること、
をさらに含み、少なくとも1つの予測モデルは、以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータに基づいて生成される予測用量応答曲線を含み、用量応答曲線は、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する、卵転帰を予測する、実施形態A10に記載の方法。
【0201】
実施形態A17.類似性マッチング技法は、KNNモデルを含む、実施形態A16に記載の方法。
【0202】
実施形態A18.患者を、(i)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する、予測される卵転帰を有する、用量応答性患者と、(ii)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない、予測される卵転帰を有する、用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することをさらに含み、分類は、少なくとも部分的に、用量応答曲線の形状に基づく、実施形態A16に記載の方法。
【0203】
実施形態A19.患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる、用量応答曲線の点に基づいて、患者に投与されるべき、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨することをさらに含む、実施形態A18に記載の方法。
【0204】
実施形態A20.予測用量応答曲線をディスプレイ上に表示することをさらに含む、実施形態A16に記載の方法。
【0205】
実施形態A21.少なくとも1つの予測モデルは、第1の予測モデルと、第2の予測モデルとを含み、本方法はさらに、
第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第1の卵転帰を予測することと、
第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第2の卵転帰を予測することと、
を含み、ホルモン誘発注射は、卵胞成熟を患者において引き起こすように構成される、実施形態A1に記載の方法。
【0206】
実施形態A22.第1の日は、当日であって、第2の日は、将来的日である、実施形態A21に記載の方法。
【0207】
実施形態A23.患者特有のデータは、当日の卵胞計測値を含む、実施形態A21に記載の方法。
【0208】
実施形態A24.患者特有のデータは、患者に関する当日のエストラジオール(E2)レベルを含む、実施形態A21に記載の方法。
【0209】
実施形態A25.患者特有のデータはさらに、患者に関する当日のプロゲステロン(P4)レベルを含む、実施形態A21に記載の方法。
【0210】
実施形態A26.第1および第2の予測される卵転帰は、回収された卵の数、成熟卵の数、受精された卵の数、および使用可能な胚盤胞の数のうちの少なくとも1つを含む、実施形態A21に記載の方法。
【0211】
実施形態A27.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、回帰型ニューラルネットワークまたは一般化された線形モデルを含む、実施形態A21に記載の方法。
【0212】
実施形態A28.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、線形回帰モデル、ポワソン回帰モデル、および負の二項回帰モデルから成る群から選択される、一般化された線形モデルを含む、実施形態A27に記載の方法。
【0213】
実施形態A29.第1および第2の予測モデルの各々は、線形回帰モデルを含む、実施形態A28に記載の方法。
【0214】
実施形態A30.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、患者に関する将来的日付における、E2測定値を予想するように構成される、実施形態A27に記載の方法。
【0215】
実施形態A31.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における、患者に関する卵胞計測値を予想するように構成される、実施形態A27に記載の方法。
【0216】
実施形態A32.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、E2測定値および卵胞計測値のうちの少なくとも1つに基づいて、第1または第2の卵転帰を予測するように構成される、実施形態A27に記載の方法。
【0217】
実施形態A33.第1および第2の卵転帰をディスプレイ上に表示することをさらに含む、実施形態A21に記載の方法。
【0218】
実施形態B1.卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、
類似性マッチング技法を介して、患者特有のデータに基づいて、患者に類似する以前の患者のセットを識別することと、
以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータに基づいて、予測用量応答曲線を生成することであって、用量応答曲線は、患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って変動する、卵転帰を予測する、ことと、
を含む、方法。
【0219】
実施形態B2.1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、卵胞刺激ホルモン(FSH)を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0220】
実施形態B3.用量応答性曲線は、FSHの開始用量に伴って変動する、卵転帰を予測する、実施形態B2に記載の方法。
【0221】
実施形態B4.1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物は、黄体形成ホルモン(LH)を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0222】
実施形態B5.患者特有のデータは、エストラジオール(E2)の測定値、黄体形成ホルモン(LH)の測定値、プロゲステロン(P4)の測定値、卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値、抗ミューラー管ホルモン(AMH)の測定値、および胞状卵胞数(AFC)の測定値から成る群から選択される、1つまたはそれを上回るベースライン測定値を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0223】
実施形態B6.予測用量応答曲線は、第1の用量および第2の用量の各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成され、第2の用量は、第1の用量を上回る、実施形態B1に記載の方法。
【0224】
実施形態B7.予測用量応答曲線は、複数の卵巣刺激投薬療法物の第1の用量比および複数の卵巣刺激投薬療法物の第2の用量比の各々と関連付けられる、予測される卵転帰を提供するように構成され、第1の用量比は、第2の用量比と異なる、実施形態B1に記載の方法。
【0225】
実施形態B8.類似性マッチング技法は、KNNモデルを含む、実施形態B1に記載の方法。
【0226】
実施形態B9.患者を、(i)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動する、予測される卵転帰を有する、用量応答性患者と、(ii)患者に投与される、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の用量に伴って実質的に変動しない、予測される卵転帰を有する、用量非応答性患者とのうちの1つとして分類することをさらに含み、分類は、少なくとも部分的に、用量応答曲線の形状に基づく、実施形態B1に記載の方法。
【0227】
実施形態B10.患者が、用量応答性患者として分類されるとき、予測される最大卵転帰と関連付けられる、用量応答曲線の点に基づいて、患者に投与されるべき、1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の最適用量を推奨することをさらに含む、実施形態B9に記載の方法。
【0228】
実施形態B11.用量応答曲線をディスプレイ上に表示することをさらに含む、実施形態B1に記載の方法。
【0229】
実施形態B12.信頼区間を用量応答曲線の周囲に表示することをさらに含む、実施形態B11に記載の方法。
【0230】
実施形態B13.用量応答曲線に従って1つまたはそれを上回る卵巣刺激投薬療法物の異なる用量を投与するためのコスト推定値を表示することをさらに含む、実施形態B11に記載の方法。
【0231】
実施形態C1.卵巣刺激プロセスを最適化するためのコンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、
第1の予測モデルを介して、第1の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第1の卵転帰を予測することと、
第2の予測モデルを介して、第2の候補ホルモン誘発日に、ホルモン誘発注射を投与することから生じる、第2の卵転帰を予測することと、
を含み、ホルモン誘発注射は、卵胞成熟を患者において引き起こすように構成される、方法。
【0232】
実施形態C2.第1の日は、当日であって、第2の日は、将来的日である、実施形態C1に記載の方法。
【0233】
実施形態C3.第1の日および第2の日は、連続日である、実施形態C2に記載の方法。
【0234】
実施形態C4.患者特有のデータは、当日の卵胞計測値を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0235】
実施形態C5.患者特有のデータは、患者に関する当日のエストラジオール(E2)レベルを含む、実施形態C1に記載の方法。
【0236】
実施形態C6.患者特有のデータはさらに、患者に関する当日のプロゲステロン(P4)を含む、実施形態C4に記載の方法。
【0237】
実施形態C7.第1および第2の予測される卵転帰は、回収された卵の数、成熟卵の数、受精された卵の数、および使用可能な胚盤胞の数のうちの少なくとも1つを含む、実施形態C1に記載の方法。
【0238】
実施形態C8.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、回帰型ニューラルネットワークまたは一般化された線形モデルを含む、実施形態C1に記載の方法。
【0239】
実施形態C9.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、線形回帰モデル、ポワソン回帰モデル、および負の二項回帰モデルから成る群から選択される、一般化された線形モデルを含む、実施形態C8に記載の方法。
【0240】
実施形態C10.第1および第2の予測モデルの各々は、線形回帰モデルを含む、実施形態C8に記載の方法。
【0241】
実施形態C11.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、将来的日付における、患者に関するE2測定値を予想するように構成される、実施形態C8に記載の方法。
【0242】
実施形態C12.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、患者に関する将来的日付における、卵胞計測測定値を予想するように構成される、実施形態C8に記載の方法。
【0243】
実施形態C13.第1および第2の予測モデルのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、E2測定値および卵胞計測値のうちの少なくとも1つに基づいて、第1または第2の卵転帰を予測するように構成される、実施形態C8に記載の方法。
【0244】
実施形態C14.第1の候補ホルモン誘発日と第2の候補ホルモン誘発日との間で選択するために、第1および第2の予測される卵転帰を医療従事者に提供することをさらに含む、実施形態C1に記載の方法。
【0245】
実施形態C15.第1および第2の予測される卵転帰を提供することは、第1および第2の卵転帰をディスプレイ上に表示することを含む、実施形態C14に記載の方法。
【0246】
実施形態D1.コンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、
少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、患者に関する少なくとも1つの卵転帰を予測することであって、患者特有のデータは、複数の所定のビンからあるビンの中に分類された卵胞サイズを含み、複数の所定のビンの各ビンは、卵胞サイズの個別の範囲と関連付けられ、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと、
を含む、方法。
【0247】
実施形態D2.複数のビンの少なくとも1つのビンは、約10mmまたはそれ未満の第1の卵胞サイズ範囲、約11mm~13mmの第2の卵胞サイズ範囲、約14mm~15mmの第3の卵胞サイズ範囲、約16mm~17mmの第4の卵胞サイズ範囲、約18mm~19mmの第5の卵胞サイズ範囲、約20mmを上回る第6の卵胞サイズ範囲と関連付けられる、実施形態D1に記載の方法。
【0248】
実施形態D3.複数のビンは、6つのビンを含み、各ビンは、第1の卵胞サイズ範囲、第2の卵胞サイズ範囲、第3の卵胞サイズ範囲、第4の卵胞サイズ範囲、第5の卵胞サイズ範囲、および第6の卵胞サイズ範囲のうちの個別のものと関連付けられる、実施形態D2に記載の方法。
【0249】
実施形態D4.患者特有のデータは、患者に関するE2レベルを含み、少なくとも1つの卵転帰を予測することは、E2レベルに基づいて、少なくとも1つの卵転帰を予測することを含む、実施形態D1に記載の方法。
【0250】
実施形態D5.予測される卵転帰をディスプレイ上に表示することをさらに含む、実施形態D1に記載の方法。
【0251】
実施形態E1.コンピュータ実装方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを受信することと、
複数の日の各々に関し、少なくとも1つの予測モデルと、患者特有のデータとに基づいて、患者に関する卵転帰を予測することであって、少なくとも1つの予測モデルは、複数の以前の患者と関連付けられる、以前の患者特有のデータを使用して訓練される、ことと、
複数の日にわたる予測される卵転帰の傾向をディスプレイ上に表示することと、
を含む、方法。
【0252】
実施形態E2.予測される卵転帰は、回収された卵の数および成熟卵の数のうちの少なくとも1つを含む、実施形態E1に記載の方法。
【0253】
実施形態E3.予測される卵転帰は、成熟度収率、成熟後卵の数、受精された卵の数、胚の数、胚盤胞の数、使用可能な胚盤胞の数、正倍数体胚盤胞の数、胎児心拍動、および出生率のうちの少なくとも1つを含む、実施形態E1に記載の方法。
【0254】
実施形態F1.治療の方法であって、
患者と関連付けられる、患者特有のデータを提供することと、
複数の治療オプションの各々と関連付けられる、予測される卵転帰を受信することであって、少なくとも1つの予測される卵転帰は、実施形態A1-A33、B1-B13、C1-C15、D1-D5、およびE1-E3のうちのいずれか1項に記載の方法に従って、少なくとも1つの予測モデルを用いて生成される、ことと、
予測される卵転帰に基づいて、治療オプションを選択することと、
選択された治療オプションに従って、卵巣刺激投薬療法物を投与することと、
を含む、方法。
【0255】
前述の説明は、解説の目的のために、本発明の完全な理解を提供するために、具体的専門用語を使用する。しかしながら、具体的詳細は、本発明を実践するために要求されないことが当業者に明白であろう。したがって、本発明の具体的実施形態の前述の説明は、例証および説明目的のために提示される。それらは、包括的であること、または本発明を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。明らかに、多くの修正および変形例が、上記の教示に照らして、可能性として考えられる。実施形態は、本発明の原理およびその実践的用途を解説するために選定および説明され、それらは、それによって、当業者が、検討される特定の使用に好適であるような種々の修正を伴って、本発明および種々の実施形態を利用することを可能にする。以下の請求項およびその均等物は、本発明の範囲を定義することが意図される。
【国際調査報告】