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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置の電力監視
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240621BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240621BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
H02J7/00 X
H02J7/00 302D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565434
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2022067365
(87)【国際公開番号】W WO2022269044
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181568.3
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピラトヴィチ, グジェゴジ アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4B162
5G503
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC34
4B162AC37
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD18
4B162AD23
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503DA13
5G503EA05
(57)【要約】
エアロゾル生成セッションでエアロゾル生成消耗品(114)をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置(100)を提供する。エアロゾル生成装置は、電源(104)及びコントローラ(102)を含んでいる。コントローラは、エアロゾル化セッションにおける電源から加熱器への電力フローを制御し、エアロゾル化セッション中に電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定し、時間の関数として判定された電源測定値間の関係に基づいて電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定すべく構成されている。コントローラはまた、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラが判定したならば、エアロゾル生成装置を制御して更なる処置を実行すべく構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置であって、
電源と、
前記エアロゾル化セッションで前記電源から加熱器への電力フローを制御し、前記エアロゾル化セッション中に前記電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定し、時間の関数として判定された前記電源測定値間の関係に基づいて、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定すべく構成されたコントローラを含み、
前記コントローラが、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと前記コントローラが判定したならば前記エアロゾル生成装置を制御して更なる処置を実行させるべく構成されているエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記エアロゾル化セッションが、前記加熱器をエアロゾル化温度に維持する加熱フェーズを含み、時間の関数としての前記複数の電力源測定値が、前記加熱フェーズで判定された複数の電力源測定値を含んでいる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記コントローラが、時間の関数としての前記電源測定値間の線形関係に基づいて、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定すべく構成されていて、
前記電源測定値が前記電源の電圧測定値であり、前記線形関係がV=at+bとして定義され、Vが前記エアロゾル化セッションにおける時間tの関数としての測定された電源電圧であり、aが測定された単位時間当たりの電源電圧の変化、bが電圧オフセットである、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記コントローラが更に、前記測定された単位時間当たりの電源電圧の変化が第1の閾値よりも小さく、前記電圧オフセットが第2の閾値よりも小さい場合、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定すべく構成されている、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記電源の第1の温度を判定すべく構成された温度センサを更に含み、
前記コントローラが前記第1の閾値及び前記第2の閾値を、前記電源の前記判定された第1の温度の関数として判定すべく構成されている、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記電源の前記判定された第1の温度に基づいて、測定された単位時間当たりの電源電圧の変化及び電圧オフセットを公称温度に正規化すべく構成されている、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記エアロゾル化セッションの後で前記電源の第2の温度を判定し、
前記第2の温度が所定の温度要件を満たす場合、前記第2の温度に基づいて、単位時間当たりの電源電圧の正規化された変化及び正規化された電圧オフセットを再計算すべく構成されている、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記所定の温度要件が、前記第2の温度が閾値温度よりも低いこと、及び/又は前記第1の温度と前記第2の温度の間の温度変化が閾値温度変化を超えることを含んでいる、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記コントローラが、単位時間当たりの電圧の前記再計算された正規化変化が前記第1の閾値よりも小さく、前記再計算された正規化電圧オフセットが前記第2の閾値よりも小さい場合、前記電源が前記後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定すべく構成されている、請求項7又は8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記エアロゾル化セッションが、前記加熱器を所定のエアロゾル化温度まで加熱する予熱フェーズを含み、
前記コントローラが、
前記予熱フェーズにおける前記電源の最低電圧測定値を判定し、
前記線形関係に基づいて、前記エアロゾル化セッションの終了時点における前記電源の電圧を判定し、
前記エアロゾル化セッションの終了時点で判定された電圧と前記予熱フェーズにおける前記最小電圧測定値との比較に基づいて、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定すべく構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記更なる処置が、所定の要件が満たされるまで後続のエアロゾル化セッションを保留することを含んでいる、請求項1~10のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記所定の要件が、前記電源を所定時間にわたり充電することを含んでいる、請求項11に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
エアロゾル生成装置が更にインジケータを含み、前記更なる処置が、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと前記コントローラが判定した場合に前記インジケータにより提示することを含んでいる、請求項1~12のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置を動作させる方法であって、
エアロゾル化セッションで前記電源から加熱器への電力フローを制御することと、
前記エアロゾル化セッション中に前記電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定することと、
時間の関数として判定された前記電源測定値間の関係に基づいて、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定することと、
前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定されたならば更なる処置を実行することを含む方法。
【請求項15】
エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置で動作すべく構成されたコントローラの1個以上のプロセッサにより実行されたならば、前記1個以上のプロセッサに、
前記エアロゾル化セッションで前記電源から加熱器への電力フローを制御することと、
前記エアロゾル化セッション中に前記電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定することと、
時間の関数として判定された前記電源測定値間の関係に基づいて、前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定することと、
前記電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定されたならば更なる処置を実行すること
を含むステップを実行させる命令を保存する非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル生成装置に関し、より具体的にはエアロゾル生成装置における電力監視に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及び他のエアロゾル吸入器又は気化装置等のエアロゾル生成装置は人気が高まりつつある消費者向け製品となっている。
【0003】
気化又はエアロゾル化を行うための加熱装置が当分野で知られている。このような装置は典型的に加熱チャンバ及び加熱器を含んでいる。使用時に、操作者は、エアロゾル化又は気化対象の製品を加熱チャンバに挿入する。製品は次いで電子加熱器により加熱されて操作者が吸入できるように製品の成分を気化させる。いくつかの例において、製品は従来のタバコに似たタバコ製品である。このような装置は、製品を燃焼させずにエアロゾル化するまで加熱することから「加熱不燃」装置と呼ばれることがある。他の装置は、気化又はエアロゾル化のために液体基材を受容すべく構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなエアロゾル生成装置が直面する課題には、このような装置の電源の充電レベルを正確に監視することが含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特に上述の問題を解決するものである。
【0006】
第1の態様において、エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置が提供され、エアロゾル生成装置は、電源と、エアロゾル化セッションで電源から加熱器への電力フローを制御し、エアロゾル化セッション中に電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定し、時間の関数として判定された電源測定値間の関係に基づいて、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定すべく構成されたコントローラを含み、コントローラは、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラが判定したならばエアロゾル生成装置を制御して更なる処置を実行させるべく構成されている。
【0007】
このように、電源の充電レベルを正確に監視でき、エアロゾル生成装置は、電源が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを後続のエアロゾル化セッションに先行するエアロゾル化セッションで取得された測定値に基づいて判定できる。電池がほぼ完全に消耗したならば、加熱器の起動後に利用可能なエネルギーが次のセッションを開始するには充分であるが完了するには充分でないという重大なリスクがある。これは消費者の不満の原因となり得る。電源が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを後続のエアロゾル化セッションに先行するエアロゾル化セッションで取得された測定値に基づいて判定することは、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できない場合、後続のエアロゾル化セッション中に電力不足に陥らないように、装置が更なる処置を取ることを可能にする。従ってユーザー体感を向上させることができる。別の利点として、本方法は、後続の全エアロゾル化セッションが可能か否かの判定に最後の全エアロゾル化セッションからのデータだけが必要なため、電池の経年変化に適合させる必要がない。
【0008】
好適には、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定することは、電源が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないと判定することを含んでいる。
【0009】
好適には、電源は、電源が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給するのに充分な利用可能なエネルギーを有していない場合、後続のエアロゾル化セッションに電力供給できない。
【0010】
好適には、エアロゾル化セッションは、加熱器をエアロゾル化温度に維持する加熱フェーズを含み、時間の関数としての複数の電源測定値は、加熱フェーズで判定された複数の電源測定値を含んでいる。
【0011】
このように、加熱負荷が加えられた際の電源の電圧の変化を用いて、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを正確に判定できる。
【0012】
好適には、コントローラは、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを、時間の関数としての電源測定値間の線形関係に基づいて判定すべく構成されていて、電源測定値は電源の電圧測定値であり、線形関係はV=at+bとして定義され、Vはエアロゾル化セッションにおける時間tの関数としての測定された電源電圧であり、aは測定された単位時間当たりの電源電圧の変化、bは電圧オフセットである。
【0013】
このように、完全な後続のエアロゾル化セッションを実行できるか否かを、現在の感知測定値を用いることなく判定できるため、コスト及び煩雑さが低減される。更に、計算負荷が高い数学的演算を必要しないため、大容量のメモリを用いる必要がない。これにより低コストのマイクロコントローラを用いた実装が可能になる。
【0014】
好適には、コントローラは更に、測定された単位時間当たりの電源電圧の変化が第1の閾値よりも小さく、電圧オフセットが第2の閾値よりも小さい場合、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定すべく構成されている。
【0015】
好適には、エアロゾル生成装置は更に、電源の第1の温度を決定すべく構成された温度センサを含み、コントローラは、第1の閾値と第2の閾値を電源の判定された第1の温度の関数として判定すべく構成されている。
【0016】
好適には、コントローラは、単位時間当たりの電源電圧の測定値の変化及び電圧オフセットを、電源の判定された第1の温度に基づいて公称温度に正規化すべく構成されている。
【0017】
好適には、コントローラは、エアロゾル化セッションの後で電源の第2の温度を判定し、第2の温度が所定の温度要件を満たす場合、第2の温度に基づいて単位時間当たりの電源電圧の正規化された変化及び正規化された電圧オフセットを再計算すべく構成されている。
【0018】
好適には、所定の温度要件は、第2の温度が閾値温度よりも低いこと、及び/又は第1の温度と第2の温度との間の温度変化が閾値温度変化を超えることを含んでいる。
【0019】
好適には、コントローラは、単位時間当たりの電圧の再計算された正規化変化が第1の閾値よりも小さく、再計算された正規化電圧オフセットが第2の閾値よりも小さい場合、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定すべく構成されている。
【0020】
後続のエアロゾル化セッションが実行可能であると判定すべく電源電圧測定値が記録されているエアロゾル化セッションと、実際に実行されている後続のエアロゾル化との間の時間において、エアロゾル生成装置は、電源の保持容量に悪影響を及ぼし得る低温条件に曝露される可能性がある。エアロゾル化セッションの後に第2の温度を判定することにより、本装置は、現在のエアロゾル化セッションが終了した後であっても、電源が次のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを引き続き判定することができる。これにより、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できない場合に、後続のエアロゾル化セッション中に電力不足に陥らないように、本装置が更なる処置を取ることが可能になる。このように、ユーザー体感を向上させることができる。
【0021】
好適には、エアロゾル化セッションは、加熱器を所定のエアロゾル化温度まで加熱する予熱フェーズを含み、コントローラは、予熱フェーズにおける電源の最小電圧測定値を判定し、エアロゾル化セッションの終了時点における電源の電圧を線形関係に基づいて判定し、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを、エアロゾル化セッションの終了時点で判定された電圧と予熱フェーズにおける最小電圧測定値との比較に基づいて判定すべく構成されている。
【0022】
このように、更なるパラメータを用いて、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを、予熱フェーズで取得された測定値に基づいて判定できる。これにより判定の精度が向上し、ユーザー体感が向上する。
【0023】
好適には、更なる処置は、所定の要件が満たされるまで後続のエアロゾル化セッションを保留することを含んでいる。
【0024】
このように、電源が後続のエアロゾル化セッションを完了できない場合、ユーザーは後続のエアロゾル化セッションの開始を保留させられる。これにより、後続のエアロゾル化セッションが途中で中断しないため、ユーザー体感が向上する。
【0025】
好適には、所定の要件は、所定の時間にわたり電源を充電することを含んでいる。
【0026】
このように、後続のエアロゾル化セッションが開始できるのは、電源が充分に再充電されて後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できる程度に充分な電荷が蓄積されている場合だけである。
【0027】
好適には、エアロゾル生成装置は更にインジケータを含み、更なる処置は、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラが判定した場合にインジケータにより提示することを含んでいる。
【0028】
このように、ユーザーに対して、後続のエアロゾル化セッションが実行できないことを、後続のエアロゾル化セッションを試みる前に通知できる。すなわち、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないために完了できないエアロゾル化セッションを試みないように装置を再充電するようユーザーに指示できる装置の内部状態がユーザーに提示される。これによりユーザー体感が向上する。
【0029】
好適には、エアロゾル生成消耗品はタバコ棒であり、エアロゾル生成装置は、エアロゾル化セッションでエアロゾルを生成するためにタバコ棒を燃焼させずに加熱すべく構成されている。
【0030】
第2の態様において、エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置を動作させる方法を提供し、本方法は、エアロゾル化セッションで、電源から加熱器への電力フローを制御することと、エアロゾル化セッション中に電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定することと、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを、時間の関数としての電源測定値間の判定された関係に基づいて判定することと、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定された場合に更なる処置を実行することを含んでいる。
【0031】
第3の態様において、エアロゾル化セッションでエアロゾル生成消耗品をエアロゾル化すべく構成されたエアロゾル生成装置と共に動作すべく構成されたコントローラの1個以上のプロセッサにより実行されたならば1個以上のプロセッサに、エアロゾル化セッションで、電源から加熱器への電力フローを制御すること、エアロゾル化セッション中に電源の複数の電源測定値を時間の関数として判定すること、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを、時間の関数として電源測定値間の判定された関係に基づいて判定すること、及び電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定された場合に更なる処置を実行することを含むステップを実行させる命令を保存する非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0032】
第2の態様の方法及び第3の態様の非一時的コンピュータ可読媒体は適宜、第1の態様の好適な特徴と組み合わせることができる。
【0033】
本発明の複数の実施形態について図面を参照しながら例を挙げて以下に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】エアロゾル生成装置のブロック図である。
図2】エアロゾル生成装置の動作モードのフロー図である。
図3A】エアロゾル化セッションの時間に対する加熱器温度のプロットである。
図3B】エアロゾル化セッションの時間に対する加熱器への供給電力のプロットである。
図3C】電源が強い状態と電源が弱い状態におけるエアロゾル化セッションの時間に対する電源電圧のプロットである。
図4】パルス幅変調されたパワーフローのプロットである。
図5】エアロゾル生成装置の電力システムの例示的な回路図である。
図6A】複数の連続するエアロゾル化セッションの時間に対する電源電圧のプロットである。
図6B図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図6C図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図6D図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図6E図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図6F図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図6G図6Aのエアロゾル化セッションのうち6個における時間に対する電源電圧の拡大図である。
図7A】電源が強い状態と電源が弱い状態における時間に対する電源電圧の例示的なプロットである。
図7B図7Aの電源が強い状態及び電源が弱い状態における加熱フェーズ中に記録された時間測定値に対する電源電圧の線形フィットの例示的なプロットである。
図8】電源が後続のエアロゾル化セッションを実行できるか否かを判定する際に実行される動作ステップの処理フロー図である。
図9】ある範囲の温度における電池の電圧に対する保持容量の例示的なプロットである。
図10】液体ベースのエアロゾル又は蒸気生成材料をエアロゾル化又は気化すべく構成されたエアロゾル又は蒸気生成装置で実行された複数のパフにおける時間に対する電源電圧の例示的なプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に、電子タバコとしても知られるエアロゾル生成装置100又は蒸気生成装置の構成部品のブロック図を示す。本明細書における説明の目的で、蒸気とエアロゾルという用語は互いに入れ替え可能であることが理解されよう。
【0036】
エアロゾル生成装置100は、コントローラ102を含む本体部分112と、電源104を含む電源システムとを有している。一例において、電源104は電池104である。以下の記述において、電源104は一般に電池を指すが、代替方式において、電源はスーパーキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等であってよい。電源104は再充電可能であってよい。電力システムは、複数の選択可能な動作モードで動作可能である。コントローラ102は、以下に記述するように、選択された動作モードに基づいて電源104の電力フローを制御すべく構成されている。コントローラ102は、選択可能な動作モードを実行して電力フローを制御する命令を含むエアロゾル生成装置100を動作させるための命令を保存したメモリ、及び命令を実行すべく構成された1個以上のプロセッサを含む少なくとも1個のマイクロコントローラユニットであってよい。
【0037】
一例において、加熱器108は本体部分112に収納されている。このような例において、図1に示すように、加熱器108は本体部分112の空洞110又はチャンバ内に配置されている。空洞110は、本体部分112の開口部110aを介してアクセスされる。空洞110は、関連付けられたエアロゾル生成消耗品114を受容すべく構成されている。エアロゾル生成消耗品は、タバコを含むタバコ棒等のエアロゾル生成材料を含んでいてよい。タバコ棒は従来のタバコに類似していてよい。空洞110は、エアロゾル生成消耗品114の断面とほぼ等しい断面を有し、関連付けられたエアロゾル生成消耗品114が空洞110に挿入されたならばエアロゾル生成消耗品114の第1の端部114Aが空洞110の底部110B(すなわち空洞開口部110Aから遠位の空洞110の端部110B)に達し、第1の端部114Aから遠位のエアロゾル生成消耗品114の第2の端部114Bが空洞110から外向きに伸長するような深さを有している。このように、消費者は、エアロゾル生成消耗品114がエアロゾル生成装置100内に挿入されたならば吸入できる。図1の例において、加熱器108は、エアロゾル生成消耗品114が空洞110内に挿入されたならば加熱器108と係合するように空洞110内に配置されている。図1の例において、加熱器108は、エアロゾル生成消耗品の第1の端部114Aが空洞内に挿入されたならば、加熱器108が空洞110内のエアロゾル生成消耗品114の部分を実質的に又は完全に取り囲むように空洞内に管として配置されている。加熱器108は、コイル状ワイヤ加熱器等のワイヤ、又はセラミック加熱器、或いは他の任意の適当な種類の加熱器であってよい。加熱器108は、空洞の軸方向の長さに沿って順次配置された順次独立して起動(すなわち電源投入)できる複数の加熱要素を含んでいてよい。
【0038】
代替的な実施形態(図示せず)において、加熱器は(針、棒又は刃の形式等の)細長い穿刺部材として空洞内に配置されていてよく、そのような実施形態において、加熱器は、エアロゾル生成消耗品が空洞内に挿入されたならばエアロゾル生成消耗品を貫通してエアロゾル生成材料と係合すべく構成されていてよい。
【0039】
別の代替的な実施形態(図示せず)において、加熱器は誘導加熱器の形式であってよい。このような実施形態において、加熱要素(すなわちサセプタ)が消耗品に設けられていてよく、加熱要素は消耗品が空洞内に挿入されたならば空洞内の誘導素子(すなわち誘導コイル)に誘導結合される。誘導加熱器は誘導により発熱素子を加熱する。
【0040】
上の記述から、加熱器108は、発熱素子又は誘導コイル等の加熱器要素であってよいことが理解されよう。以下、このような加熱器要素は加熱器を指すが、この用語が上述の加熱器要素の任意のもの、及びより一般的に加熱器を指していてよいことが理解されよう。
【0041】
加熱器108は、エアロゾル生成消耗品114を所定の温度まで加熱してエアロゾル化セッションでエアロゾルを生成すべく構成されている。エアロゾル化セッションとは、消耗品114を加熱して消耗品114からエアロゾルを生成すべく装置を動作させるシーケンスと考えられる。エアロゾル生成消耗品114がタバコ棒である例において、エアロゾル生成消耗品114はタバコを含んでいる。加熱器108は、タバコを燃焼させずにタバコを加熱してエアロゾルを生成すべく構成されている。すなわち、加熱器108は、タバコを主成分とするエアロゾルが生成されるようにタバコの燃焼点よりも低い所定の温度でタバコを加熱する。当業者には、エアロゾル生成消耗品114は必ずしもタバコを含んでいなくてもよく、特に物質を燃焼させずに加熱することによるエアロゾル化(又は気化)に適した他の任意の適当な物質をタバコの代わりに使用できることが容易に理解されよう。
【0042】
代替的に、エアロゾル生成消耗品は気化可能な液体であってよい。気化可能な液体は、エアロゾル生成装置内のカートリッジ容器に収容でき、又はエアロゾル生成装置内に直接堆積させることもできる。
【0043】
コントローラ102は、エアロゾル化セッションの選択された動作モードに基づいてエネルギー蓄積モジュール104の電力フローを制御すべく構成されている。動作モードは、予熱モード及びフロートモード(加熱モードとも称する)を含んでいてよい。
【0044】
予熱モードからフロートモードへの進行は図2から理解できる。
【0045】
予熱モード202において、エアロゾル生成装置100に関連付けられた加熱器108は、エアロゾル生成消耗品114からエアロゾルを生成すべく所定の温度まで加熱される。予熱フェーズは、予熱モードが実行されている時間、例えば加熱器108が所定の温度に達するまでの時間と考えられる。予熱モードは、エアロゾル化セッションの第1の期間中に生起する。一例において、第1の期間は固定された所定の期間であってよい。他の例において、第1の期間は、加熱器108を所定の温度まで加熱するのに要する時間の長さに対応して変化し得る。
【0046】
予熱フェーズが完了したならば、コントローラ102は予熱モード202を終了し、電力システムを制御してフロートモード204を実行する。フロートモード204において、コントローラ102は、消費者が吸入するエアロゾルが生成されるように加熱器108を実質的に所定の温度に維持すべく電力システムからの電力フローを制御する。フロートフェーズ(加熱フェーズとも称する)は、フロートモードが実行されている時間、例えば予熱フェーズの後で加熱器108がエアロゾル生成消耗品114の1個(又は1個の少なくとも一部)をエアロゾル化している時間と考えられる。コントローラ102は、エアロゾル化セッションの第2の時間にわたりフロートモードを動作させるべく電力システムを制御できる。第2の期間は予め決定されてコントローラ102に保存されてよい。
【0047】
図3A、3B及び3Cに、エアロゾル化セッションにおける加熱器温度304、加熱器108に供給される平均電力312及び平均電池電圧レベル314の時間302に対する例示的なプロットを(各々)示す。予熱フェーズにおいて、コントローラ102は、加熱器温度が所定の温度306に達するまで、第1の期間308にわたり加熱器108に電力を印加すべく電力システムを制御する。一例において、所定温度は230℃である。一例において、第1の期間は20秒である。いくつかの例において、コントローラ102は、固定された所定の第1の期間内に加熱器108を所定の温度まで加熱すべく構成されている。他の例において、第1の期間は、加熱器108が所定の温度に達するのに要する時間に応じて変化する。
【0048】
加熱器108が所定温度306に達したならば、コントローラ102は、第2の期間310にわたり動作モードをフロートモード(加熱モードとも称する)に切り替え、加熱器温度を当該第2の期間310にわたり実質的に所定温度306に維持する。一例において、第2の期間は250秒であってよい。
【0049】
典型的に、加熱器108を所定温度に維持する場合、予熱モードで加熱器108を所定温度まで加熱すべく加熱器108に印加される電力レベルよりも低い電力レベルがフロートモードで加熱器108に印加される。これは、第2の期間310(フロートモード)に加熱器108に供給される電力が、第1の期間308(予熱モード)に加熱器108に供給される電力よりも低いことが図3Bに見られる。加熱器108に供給される電力レベルは、例えばエネルギー蓄積モジュールからの電力出力を調整すること、又はパルス幅変調された電力フローにおけるオン/オフ期間を調整すること(以下に説明するように)等、様々な手段により制御できる。
【0050】
エアロゾル化セッションに続いて、エアロゾル生成装置の使用者に対し、例えば視覚、触覚又は聴覚インジケータにより、エアロゾル化セッションが終了し、従って消耗品がこれ以上エアロゾル化されないことが通知されてよい。
【0051】
予熱及びフロートモードにおいて、コントローラ102は、電力フローが1個以上のパルス幅変調サイクルを有するパルス幅変調電力フローであるように電力システムから加熱器108への電力フローを制御できる。例示的なパルス幅変調電力フローを図4に示す。パルス幅変調電力フローは、1個以上のパルス幅変調(PWM)サイクル402(パルス幅変調スイッチング期間としても知られる)を含んでいる。単一のPWMサイクル(スイッチング期間)402は、1個のPWMサイクル「オン期間」D及び1個のPWMサイクル「オフ期間」1-Dを含んでいる。PWM期間オン期間DとPWM期間オフ期間1-Dの組み合わせが全体的なPWM期間又はスイッチング期間402を形成する。
【0052】
PWM期間のPWMオン期間中、加熱器108への電力線でPWM制御を行うスイッチを閉じることにより加熱器108に電力が印加される。PWMオフ期間中は、加熱器108への電力線でPWM制御を行うスイッチを開くことにより、加熱器108に電力が印加されない。PWM制御を行うスイッチは、例えばコントローラ102により制御されるPWMモジュール内のトランジスタであってよい。
【0053】
1個のパルス幅変調周期402は、オン状態とオフ状態の間で電力を1回切り替えることを含み、従ってパルス幅変調された電力フローは、デューティサイクルに従いPWMのオンとオフ期間が素早く切り替わる電力フローにより加熱器108に連続的に電力供給することを含んでいる。
【0054】
パルス幅変調デューティサイクルは、周期402の全期間(D+(1-D))(すなわちスイッチング周期402の「オン期間」と「オフ期間」を合わせた期間)に占めるオン期間(D)の割合に対応する。
【0055】
複数のPWMサイクルを含むパルス幅変調電力フローは、デューティサイクルに基づいてPWMオン期間とPWMオフ期間の平均電力で加熱器108に連続的に電力供給する。デューティサイクルを制御することにより、加熱器108に供給される電力量を制御する。パルス幅変調電力フローのデューティサイクルが高いほど高い平均電力が供給され、パルス幅変調電力フローのデューティサイクルが低いほど低い平均電力が供給される。すなわち、デューティサイクルが高いほど、デューティサイクルが低い場合よりもサイクル402の「オン期間」Dの割合が大きくなる。このように、パルス幅変調電力フローのデューティサイクルを制御することにより、加熱器108に印加される電力レベルのきめ細かい制御を実現できる。
【0056】
フロートモードにおいて、コントローラ102は、加熱器108を所定のエアロゾル生成温度に実質的に維持すべく第1のデューティサイクルレジームでパルス幅変調された電力フローを加熱器108に印加するように電力システムを制御すべく構成されている。予熱モードにおいて、コントローラ102は、第1のデューティサイクルレジームとは異なる第2のデューティサイクルレジームでパルス幅変調された電力フローを加熱器108に印加して加熱器108をエアロゾル生成温度まで加熱するように電力システムを制御すべく構成されている。第2のデューティサイクルレジームは、第1のデューティサイクルレジームよりも高いデューティサイクルを有していてよく、従ってより大量の電力を加熱器108に印加して加熱器108を所定の温度まで素早く加熱する一方で、加熱器108を所定の温度に維持するのにより少量の電力で済む。第1のデューティサイクルレジームは、第1のデューティサイクル比D1を有する1個以上のPWMサイクルを含み、第2のデューティサイクルレジームは、第2のデューティサイクル比D2を有する1個以上のPWMサイクルを含んでいて、D1とD2の関係はD2=D1×Kと考えられ、Kは>>1であって実行時に選択可能な係数であり、理論上の最大デューティサイクルは、オフ期間が無く1であるか、又はオフ期間が極めて短く1に近いが1よりも小さい。複数の例において、第1のデューティサイクルレジームは1よりも極めて小さいデューティサイクル比を有する1個以上のデューティサイクルを含み、第2のデューティサイクルレジームはデューティサイクル比が1に近いが1よりも小さい1個以上のデューティサイクルを含んでいる。他の例において、第1のデューティサイクルレジームはデューティサイクル比が<<0.5である1個以上のデューティサイクルを含み、第2のデューティサイクルレジームはデューティサイクル比が≧0.5である1個以上のデューティサイクルを含んでいる。更なる例において、第1のデューティサイクルはフロートモードで<3Wが印加されるべく構成されていて、第2のデューティサイクルは予熱モードで約16Wが印加されるべく構成されている。他の例において、第1のデューティサイクルレジームは、加熱器108を所定の温度に維持すべくフロートモード中にデューティサイクルが適合される点で可変であってよく、典型的に当該可変デューティサイクルは第1のデューティサイクルレジームにおいて予熱モードにおいて第2のデューティサイクルレジームで使用される高いデューティサイクルよりも小さい。
【0057】
図5に、エアロゾル生成装置100の電力システムの電子機器の例示的な回路図を示す。電力システムの電子機器は、電池104、コントローラ102、及び加熱器108を含んでいる。電力システムの電子機器は更に、コントローラ102により制御されるパルス幅変調(PWM)モジュール122を含んでいてよい。PWMモジュール122は、電池104から加熱器108への電力フローにパルス幅変調を適用すべく構成されている。コントローラ102は、加熱器108に印加される電力を制御すべくパルス幅変調のデューティサイクルを制御できる。例えば、予熱時に高いデューティサイクルを適用して加熱器108を素早く加熱できる。加熱器108がエアロゾル化温度に維持されている場合、フロートモードにおいてより低いデューティサイクルを適用できる。PWMモジュール122は、各PWM期間の「オン状態」と「オフ状態」を切り替えるべくコントローラ102により制御されるトランジスタ等のスイッチを含んでいてよい。
【0058】
加熱器温度を監視すべく加熱器温度センサ又は加熱器温度検知回路120が加熱器108又はチャンバ110内に配置されていてよい。加熱器温度はコントローラ102にフィードバックされる。加熱器温度がエアロゾル化温度を超えたとコントローラ102が判定したならば、加熱器108に印加される電力レベルを(例えばPWMデューティサイクルを短縮させることにより)低下させることができる。同様に、加熱器温度がエアロゾル化温度を下回ったとコントローラ102が判定したならば、加熱器108に印加される電力レベルを(例えばPWMデューティサイクルを延長することにより)増大させることができる。
【0059】
電圧センサ又は電圧検知回路118は電圧計として機能すべく電池104に接続されて、電池電圧をコントローラ102にフィードバックできるため、コントローラ102は、電池104の電圧レベルを判定することにより電池104の充電状態を監視できる。
【0060】
電源温度センサ124又は電源温度検知回路は、電池104(又はより一般に電源)に、又はその近傍に接続されて、コントローラが電池104の温度を監視できるように電池104の温度をコントローラにフィードバックできる。
【0061】
図5において、コントローラ102と、電圧センサ118、PWMモジュール122、電源温度センサ124、及び加熱器温度センサ120の各々との接続を簡潔のため矢印で示している。しかし、当業者にはコントローラとこれらの要素の典型的な電気的接続を使用できることが理解されよう。
【0062】
図3Cのプロットに戻るに、例示的な「強い」電池316及び例示的な「弱い」電池318について時間302に対する平均電池電圧314を示している。強い電池は、利用可能なエネルギーが豊富であって複数の後続のエアロゾル化セッションに電力供給できる電池と考えられる。一例において、完全に充電された電池等の強い電池は、約20回の全エアロゾル化セッションに電力供給できる。別の例において、強い電池(但し必ずしも完全に充電されているとは限らない)は、2個以上の後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できる。弱い電池は、電池の経年劣化、低充電状態、又は低動作温度に起因してどの後続のエアロゾル化セッションにも、又は極めて少数のセッション(例えば、1個の後続のエアロゾル化セッション)にしか完全に電力供給できない電池と考えられる。図から分かるように、フロート/加熱モード中の時間に対する電池電圧の勾配は強い電池316よりも弱い電池318の方が大きい。すなわち、時間に対する電池電圧の勾配は、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを示す。
【0063】
時間領域で観測される電池の総内部抵抗は、オーム内部抵抗、パッシベーション膜/層抵抗、電荷移動内部抵抗、及び拡散、移動、対流等の濃度関連効果を含んでいる。電池が「強い」場合、最初の3個の抵抗の寄与がより顕著である。しかし、電池が「弱い」場合、イオンの枯渇により平衡状態よりもイオン濃度が低くなるため、濃度関連効果の寄与が他のものよりもはるかに大きくなる。この現象により生じる過電圧/分極は、自然対数関数ln(実際の濃度/平衡濃度)により記述可能である。従って、実際の濃度が顕著に低下したならば、図3Cの「強い」電池と比較して「弱い」電池で観察されるように電圧降下/高抵抗がはるかに高くなる可能性がある。濃度関連効果は典型的に他の3個の効果よりも遅く現れるため、予熱モードよりも加熱モードの方で傾斜をより観察しやすい。完全を期すべく、現在の文脈では、「弱い」は必ずしもほぼ完全に放電されたことを意味する必要はなく、経年劣化又は低温、或いはこれらの組み合わせに関連していてよい。
【0064】
同じく図3Cに見られるように、弱い電池318よりも強い電池316の電圧オフセット(電圧軸上のオフセット)が大きい。すなわち、時間に対する電池電圧の電圧オフセットは、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かも示す。
【0065】
本開示の文脈において、後続のエアロゾル化セッションは、現在実行されている現在のエアロゾル化セッションの後の未だ生起していない次のエアロゾル化セッション、又はエアロゾル化セッションが現在実行されていない場合は直近に実行されたエアロゾル化セッションの後の次のエアロゾル化セッションと考えられる。
【0066】
図6Aに、各セッション間に短い休止がある22個の連続的なエアロゾル化セッション620-1~620-22の時間602に対する測定された電池電圧614のプロットを示す。ブロック620-1~620-22の各々が1個のエアロゾル化セッションを表す。本例において、パルス幅変調された電力フローが加熱器108に印加され、従って測定された電池電圧を表す線は、素早く印加されて電池104から消失する負荷が測定された電池電圧に影響するため、ブロック620-1~620-22で太く表示されている。各エアロゾル化セッション間に、幾分かの電池回復が生じて、一つのセッションの終了と次のセッションの開始の間で電圧上昇を生起させる。
【0067】
図から分かるように、測定された電池電圧は、実行されるエアロゾル化セッションの回数が増加するに従い電池104の充電状態が低下するため全体的に下降傾向を示す。後のセッション(例えば、620-20及び620-21)で時間に対する測定された電池電圧の勾配が、各エアロゾル化セッションの開始と終了の間でより急激に下降傾向を示す、すなわち測定された電池電圧が低下する速度が時間経過に伴い上昇することが分かる。測定された電池電圧が全体的に下降傾向にあるのは電池104の充電レベルの低下に起因し、これを利用して電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定できる。
【0068】
図6B図6Eは各々、エアロゾル化セッション620-1、620-8、620-14、620-20、620-21及び620-22の拡大図である。
【0069】
エアロゾル化セッション620-1、620-8、620-14及び620-20は全て「強い」電池104に対応する一方、エアロゾル化セッション620-21及び620-22は「弱い」電池104に対応する。本例において、電池104は、途中で再充電することなく実行されたエアロゾル化セッションの回数に起因して充電状態が低下したため弱くなっている。
【0070】
例示的なフィッティング線620-1、620-8、620-14、620-20、620-21及び620-22(時間に対する電圧の変化)を各々、エアロゾル化セッション620-1、620-8、620-14、620-20、620-21及び620-22の拡大図に重ねて示している。明快さのため、フィッティング線はPWMのオン期間及びオフ期間を考慮すべく電圧の平均値に基づいている。代替的に、フィッティング線は、PWMオン期間又はPWMオフ期間の電圧に基づいていてよい。すなわち、電圧測定値はPWMオン期間でのみ記録されてよく、フィッティング線はPWMオン期間の電池電圧に基づいている。代替的に、電圧測定はPWMオフ期間でのみ記録されてよく、フィッティング線はPWMオフ期間中の電池電圧に基づいている。
【0071】
図から分かるように、エアロゾル化セッション620-21及び620-22のフィッティングされた線の勾配(又は傾き)は、エアロゾル化セッション620-1、620-8、620-14及び620-20のフィッティングされた線の勾配よりも負側に大きい(すなわち小さい)。すなわち、620-21及び620-22における電池104の時間の関数としての電圧降下は620-1、620-8、620-14及び620-20の電圧降下よりも大きい。
【0072】
同様に、エアロゾル化セッション620-21及び620-22のフィッティングされた線の電圧オフセットは、エアロゾル化セッション620-1、620-8、620-14及び620-20のフィッティングされた線の電圧オフセットよりも小さい。明快さのため、電圧オフセットは、各々の個々のエアロゾル化セッション(例えば、当該特定のセッションの時間=0秒)の開始時にフィッティングされた線が電圧軸と交わる点であり、図6Aに示すように、22個の全エアロゾル化セッションにおいて0秒でフィッティングされた線が電圧軸と交わる点ではない)。
【0073】
620-21及び620-22のエアロゾル化セッションにおける、電池104の時間の関数としての電圧降下が大きい(すなわち勾配が負側に大きい)ほど、且つ電圧オフセットが小さいほど、電池104がより弱い状態にあることを示している。
【0074】
本例において、電池104の時間の関数としての電圧降下及びエアロゾル化セッション620-22の電圧オフセットは、電池104が全エアロゾル化セッションをこれ以上実行できないことを示している。エアロゾル化セッション620-21の時間の関数としての電圧降下及び電圧オフセットは、電池104があと1回しか全エアロゾル化セッションを実行できないことを示している。
【0075】
図6A~6EはPWM電力フローを利用するエアロゾル化セッションを示しているが、上述のものと同一原理を固定電力フローに適用することもできる。
【0076】
図7Aに、「強い」電池720及び「弱い」電池730の時間(t)702に対する電池電圧714のプロットを示す。プロット720、730は、エアロゾル化セッションにおける加熱器108へのPWM電力フローの関数としての平均電池電圧を示すと考えられる。同様のプロットもまた、エアロゾル化セッションで加熱器108への電力フローが固定されている場合の電池電圧を表している。
【0077】
t=からt=tまで、エアロゾル化セッションの予熱フェーズが生起する。t=tからt=tEND(電池104から加熱器108への電力フローが停止するエアロゾル化セッションの終了時点)まで、エアロゾル化セッションの加熱フェーズ(フロートフェーズの)が生起する。コントローラ102は加熱フェーズ中の複数の電池電圧測定値をエアロゾル化セッションにおける時間の関数として判定できる。コントローラ102は従ってこれらの電池電圧測定値間の時間の関数として判定された関係に基づいて、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定できる。コントローラ102は従って、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラ102が判定したならば、エアロゾル生成装置を制御して更なる処置を実行すべく構成されている。この更なる処置は、所定の要件が満たされるまで後続のエアロゾル化セッションを保留することを含んでいてよい。所定の要件は、所定の時間(例えば5分間)にわたり電池104を充電することであってよい。コントローラ102が後続のエアロゾル化セッションを保留したならば、コントローラ102は、ユーザーがエアロゾル化セッションを起動すべくユーザー入力機器(ボタン等)を操作したとしてもセッションが起動されないように装置を制御できる。いくつかの例において、これはまた、電池104が後続のエアロゾル化セッションに電力供給するのに充分な電荷を有していないことを(例えば音声、視覚、又は触覚インジケータにより)操作者に提示することを含んでいてよい。一例において、これは装置の表示画面に表示されてよい。すなわち、電源が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないために完了できないエアロゾル化セッションを試みるのではなく、装置を再充電するようユーザーに指示できる装置の内部状態がユーザーに提示される。
【0078】
図7Aの例に戻るに、コントローラ102は、加熱フェーズ中に、t=t、t=t、t=t、t=t及びt=tでの5個の電池電圧測定値を判定する。強い電池720の例において、t、t、t、t、tでの複数の電圧測定値には各々722、723、724、725、726のラベルが付けられている。弱い電池730の例において、t、t、t、t、tでの複数の電圧測定値は、各々732、733、734、735、736と表示されている。図7Aの例において5個の電池電圧測定値が議論されているが、加熱フェーズにおいて任意の適当な数の電池電圧測定値を当該複数の電池電圧測定値に代わりに用いてもよいことが理解されよう。
【0079】
コントローラ102は、加熱フェーズで時間の関数として判定された複数の電池電圧測定値間の線形関係に基づいて、電源104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できるか否かを判定できる。図7Bの強い電池729及び弱い電池739について提示するように、線形フィットを電池電圧測定値に適用することができる。線形フィットは、V=at+bとして定義できる測定された電池電圧間の関係を与え、Vは時間tの関数として測定された電池電圧、aは測定された単位時間当たりの電圧の変化、bは電圧オフセットである。
【0080】
測定された単位時間当たりの電圧の変化(a)は直線フィッティング線の勾配である。図7Bから分かるように、弱い電池のフィッティング線739の勾配は、強い電池のフィッティング線729の勾配よりも負側に大きい(すなわち小さい)。
【0081】
電圧オフセット(b)は、エアロゾル化セッションのt=0(すなわちセッションの開始時点)のフィッティング線を外挿することにより判定された電圧値である。換言すれば、電圧オフセットは、t=0で線形フィッティング線が電圧軸と交差する点である。図7Bから分かるように、弱い電池の電圧オフセット739は強い電池の電圧オフセット729よりも小さい。
【0082】
いくつかの例において、コントローラ102は、再帰的最小二乗フィルタルーティンにより線形フィットを実行できる。このようなルーティンは逆行列計算等の計算負荷が高い行列演算を必要とせず、且つ測定の時間又は回数の変化に伴い最小二乗フィットをやり直すことを回避できるため、専用メモリを一切用いる必要がない。
【0083】
他の方法を用いてパラメータa及びbを得ることもできる。例えば、加熱モードの開始点(V)と終了点(V)で測定された電池電圧は、コントローラ102により以下のような方程式を解いて判定できる。
=at+b
=at+b
=at+V-at
a=(V-V)/(t-t
後者の例において、V1は加熱モードの開始時点で取得された1個以上の測定値を含んでいてよく、V2は加熱モードの終了時点で取得された1個以上の測定値を含んでいてよい。
【0084】
コントローラ102は、測定された単位時間当たりの電池電圧の変化(すなわちa)が第1の閾値よりも小さく(すなわち測定された単位時間当たりの電池電圧が第1の閾値よりも負側に大きく)、且つ電圧オフセット(すなわちb)が第2の閾値よりも小さい場合、電源104が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定できる。これらの閾値は、予め決定されてコントローラ102からアクセス可能なメモリに保存されていてよい。コントローラ102は、a及びbの値を各々第1の閾値と第2の閾値と比較してaの値が第1の閾値よりも小さいか否か、及びbの値が第2の閾値よりも小さいか否かを判定できる。
【0085】
コントローラは、a及びbの判定に充分な回数の電池電圧測定が行われた前提で、たとえ現在のエアロゾル化セッションが完全に終了していなくても次のエアロゾル化セッションを完了できるか否かを判定できる。例えば、充分な回数の電池電圧測定は加熱フェーズで5回の電池電圧測定である。
【0086】
エアロゾル生成装置は更に、電池104の温度を監視するためにコントローラ102が用いるべく構成された電源温度センサ124を含んでいてよい。エアロゾル化セッション中、コントローラ102は電源温度センサ124を用いて電池104の動作温度を判定できる。第1及び第2の閾値を判定する際に、コントローラ102は従って電池温度に基づいて第1の閾値と第2の閾値を判定できる。コントローラ102は、コントローラ102からアクセス可能なストレージ内で、電池温度の範囲の所定の第1の閾値及び所定の第2の閾値の参照テーブルにアクセスして、測定された電池104の温度に基づいて使用すべき値を判定できる。代替的に、コントローラ102は、2次多項式関数を用いて、測定された電池温度に基づいて第1の閾値と第2の閾値を判定できる。
【0087】
いくつかの例において、後続のエアロゾル化セッションを実行できないことをコントローラ102が判定するには、測定された単位時間当たりの電池電圧の変化の一つだけが第1の閾値よりも小さくなければならないか、又は電圧オフセットが第2の閾値よりも小さくなければならない。いくつかの例において、測定された単位時間当たりの電池電圧の変化が第1の閾値よりも小さいこと及び電圧オフセットが第2の閾値よりも小さいことが共に後続のエアロゾル化セッションを実行できないことをコントローラ102が判定するために必要である。後者の例により、後続のエアロゾル化セッションが実行できるか否かをより確実に判定できる。
【0088】
図7Bの例において、第1の閾値は、弱い電池のフィッティング線738の勾配と強い電池728の勾配の間にあってよい。第2の閾値は、弱い電池の電圧オフセット739と強い電池の電圧オフセット729の間にあってよい。
【0089】
このように、弱い電池の例では、コントローラ102は、弱い電池の測定された単位時間当たりの電圧の変化(a)が第1の閾値よりも小さく、且つ弱い電池の電圧オフセット(b)が第2の閾値よりも小さいと判定し、このようにコントローラ102は、電池104が更なるエアロゾル化セッションを実行できないと判定し、エアロゾル生成装置を制御して更なる処置を実行することになる。
【0090】
強い電池の例の場合、コントローラ102は、強い電池の測定された単位時間当たりの電圧の変化(a)が第1の閾値よりも小さくなく、且つ強い電池の電圧オフセット(b)が第2の閾値よりも小さくないことを判定し、従って、コントローラ102は次いで電池104が更なるエアロゾル化セッションを実行できると判定して、更なる処置を実行すべくエアロゾル生成装置を制御することはない。
【0091】
図8に、後続のエアロゾル化が実行できるか否かを判定する際にコントローラ102が実行する動作ステップの処理フローを示す。
【0092】
既に説明したように、ステップ801において、コントローラ102は、エアロゾル化セッションの加熱モード中に、電圧センサを用いて、電池104の複数の電圧測定値を判定する。
【0093】
任意選択的に、ステップ802において、コントローラ102は、電源温度センサ124を用いてエアロゾル化セッション中の電池104の温度を判定できる。エアロゾル化セッション中に判定された電池104の温度測定は第1の温度測定値(T)と考えられる。
【0094】
ステップ803において、コントローラ102は、例えば複数の電圧測定値の線形フィットを用いて、加熱モード中に記録された複数の電池電圧測定値に基づいてa及びbの値を判定できる。
【0095】
ステップ804において、コントローラ102は、既に説明したように、aの値が第1の閾値よりも小さいか否かを確認(a<第1の閾値か否かを確認)し、且つbの値が第2の閾値よりも小さいか否かを確認(b<第2の閾値か否かを確認)する。
【0096】
aが第1の閾値よりも小さく、bが第2の閾値よりも小さい場合、コントローラ102は後続の全エアロゾル化セッションが実行できないと判定する(ステップ805)。代替的に、aが第1の閾値よりも小さいこと及びbが第2の閾値よりも小さいことのいずれか一方だけが、コントローラ102が後続のエアロゾル化セッションが実行できないと判定するために必要である(ステップ805)。
【0097】
aが第1の閾値よりも小さくなく、bが第2の閾値よりも小さくない場合、コントローラ102は、後続の全エアロゾル化セッションが実行可能であると判定する(ステップ807)。代替的に、aが第1の閾値よりも小さくないこと、及びbが第2の閾値よりも小さくないことのいずれか一方だけが、後続のエアロゾル化セッションを実行できるとコントローラ102が判定するために必要である(ステップ807)。
【0098】
後続の全エアロゾル化セッションが実行できないと判定された場合(ステップ805)、処理はステップ806に進んで後続のエアロゾル化セッションを保留する更なる処置をコントローラ102が実行する。
【0099】
後続のエアロゾル化セッションは、電池104が所定時間にわたり再充電されたことをコントローラ102が検出する等、所定の要件が満たされるまで保留できる。後続のエアロゾル化セッションを保留することは、ユーザーがエアロゾル化セッションの起動を試みてユーザー入力機器(ボタン等)を操作してもセッションが起動されないようにコントローラ102がエアロゾル生成装置を制御することを含んでいてよい。コントローラ102はまた、インジケータ(音声、視覚、又は触覚インジケータ等)を制御して、電池104が後続のエアロゾル生成セッションに電力供給するのに充分な電荷を有していないことをユーザーに提示することができる。
【0100】
後続のエアロゾル化セッションが実行可能であると判定された場合(ステップ807)、コントローラ102は後続のエアロゾル化セッションを保留しない。このように、装置に対して制約が適用されず、ユーザーは現在のエアロゾル化セッションの後で後続のエアロゾル化セッションを実行できる。
【0101】
後続のエアロゾル化セッションが実行可能であると判定すべく電池電圧測定が記録されたエアロゾル化セッションと、実際に実行されている後続のエアロゾル化との間の時間にわたり、エアロゾル生成装置が不適当な状態に曝露される恐れがある。一例として、エアロゾル生成装置がエアロゾル化セッション間に低温状態に曝露される可能性がある。エアロゾル生成装置を低温状態に曝露することで電池104の保持容量に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0102】
図9に、-20℃(プロット910)、0℃(プロット912)、25℃(プロット914)、40℃(プロット916)、60℃(プロット918)の範囲の温度で4.2Vから2.75Vまで放電する電池の電圧に対する保持容量の例示的なプロットである。保持容量は、電池104から実際に放電に使用できる蓄積電荷の割合と考えられる。
【0103】
25℃でのプロット914から分かるように、電池に蓄積された電荷の100%が放電に使用できる。このように、25℃が電池に理想的な動作温度と考えられる。同様に、60℃及び40℃でのプロット918及び916から各々分かるように、電池に蓄積された電荷の90%超が放電に使用できるため、これらの温度もまた電池の性能に大きな影響を及ぼさない温度と考えられる。
【0104】
一方、-20℃でのプロット910から分かるように電池に蓄積された電荷の約60%しか実際に放電に使用できず、0℃でのプロット912から分かるように電池に蓄積された電荷の約80%しか放電に使用できない。この結果、先行エアロゾル化セッション中に記録された電池電圧測定に基づいて、後続のエアロゾル化セッション用に充分な電荷が蓄積されていると判定された電池104が低温環境に置かれた場合、実際には後続のエアロゾル化セッションに電力供給できない恐れがある。
【0105】
例えば、エアロゾル生成装置の操作者は、ステップ807で電池104が後続のエアロゾル化セッションを実行できると判定されたエアロゾル化セッションを屋内で実行してよい。操作者は次いで装置を屋外の低温環境(例えば-20℃)に持ち出して後続のエアロゾル化セッションを実行したいと望む場合がある。しかし、この低温では蓄積された電荷のはるかに低い割合(例えば、図9の例で約60%)しか利用可能できないため、電池104は蓄積された電荷の全てを提供できず、実際には後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できない恐れある。
【0106】
任意選択的に、ステップ808~812は、電池104が後続のエアロゾル化セッションに引き続き電力供給できるか否かを判定するために、エアロゾル化セッション間での電池104への低温曝露の影響を考慮に入れることができる。このように、図8のステップ807に戻って後続のエアロゾル化セッションが実行可能であると判定した(ステップ807)ならば、処理はステップ808に進むことができる。
【0107】
ステップ808において、コントローラ102はa及びbに正規化を適用してaの正規化値(anorm)及びbの正規化値(bnorm)を判定できる。これらの正規化値又は調整値は、エアロゾル化セッション(ステップ802)中に判定された電池の第1の温度(T)を考慮して、a及びbの値を所定の公称温度(例えば25℃)に正規化すべく、温度の関数として判定できる。
【0108】
一例として、anorm、bnormは以下のように計算される。
【0109】
norm=a×Ca1(T
norm=b×Cb1(T
本例において、anormは電池104の第1の温度の関数としてaの第1の係数(Ca1)をaに乗算した値として計算できる。同様に、bnormは電池104の第1の温度の関数として、bの第1の係数(Cb1)をbに乗算した値として計算できる。
【0110】
温度の関数としてのCa1及びCb1の値の範囲は、例えば、コントローラ102からアクセス可能なストレージ内の参照テーブルに保存でき、これらの参照テーブルを用いて、コントローラ102は、判定された温度Tに基づいて、a及びbに適用するCa1及びCb1の値を判定できる。代替的に、Ca1及びCb1の値は、判定された温度Tと組み合わせた2次多項式関数を用いてコントローラ102により判定できる。
【0111】
判定されたならば、コントローラ102は、anorm及びbnormの値をコントローラ102に関連付けられたストレージに保存できる。
【0112】
ステップ809において、コントローラ102は、電源温度センサ124を用いて、エアロゾル化セッション完了後の所定の時間にわたる電池104の温度を判定する。一例において、当該所定の時間は30分である。当該温度は、第2の電池温度(T2)と考えられる。すなわち、第2の電池温度は、エアロゾル化セッションの後である期間にわたる電池104の温度である。追加的又は代替的に、第2の電池温度(T2)を判定すること、及び後続のステップ(810以降)はまた、電池監視起動条件に応答して実行されてよい。そのような起動条件は、ユーザーが電池状態を監視すべく構成された入力を特に起動(例えば、電池監視ボタンを押下)した場合、ユーザーがユーザー入力機器を操作して装置のディスプレイであって完全に電力供給できるエアロゾル化セッションの残り回数の表示を含んでいてよいディスプレイを起動した場合、又はユーザーがエアロゾル化セッションの起動を試みた場合、又はユーザーが他の任意の仕方で装置を起動した場合であってよい。
【0113】
第2の電池温度を監視する目的は、電池104がエアロゾル化セッション後に低温に曝露されていて後続のエアロゾル化セッションに電力供給する電池104の能力に影響を及し得るか否かを判定することである。
【0114】
ステップ810において、コントローラ102は、Tが所定の温度要件を満たすか否かを判定する。所定の要件は、Tが閾値温度以下(すなわちT≦閾値温度)であることを含んでいてよい。この閾値温度は、電池104の保持容量が低下している合理的な可能性がある温度以下である温度であってよい。一例において、閾値温度は-15℃であってよい。
【0115】
所定の温度要件はまた、温度の変化が閾値温度変化以上であることを含んでいてよい。このように、ステップ810において、コントローラ102はまた、温度の変化(ΔT)が閾値温度変化(ΔT≧閾値温度変化)以上であるか否かを判定する。より具体的には、温度の変化は温度の減少と考えてよく、コントローラ102は、減少が閾値の減少以上であるか否かを判定する。一例において、閾値温度変化は-5℃であってよく、これは温度の減少が≧5℃であるか否かをコントローラ102が判定することを意味する。別の例において、閾値温度変化は-5℃よりも小さくてよく、これによってより高い精度を確保できる。閾値温度変化が大きいほど、再計算の回数が減って計算リソースをより効率的に使用できる。いくつかの例において、閾値温度変化はTの関数として変化し、Tの値が高いほど、より大きい閾値温度変化量を用いることができ、Tの値が低いほど、より小さい閾値温度変化量を用いることができる。これにより、より低い温度での電池内部抵抗の更に指数関数的な変化に対応できるため、後続の全エアロゾル化セッションが実行できるか否かをより確実に判定できる。例えば、Tが10~15℃の範囲にあれば閾値温度変化は-5℃であり、Tが0~10℃の範囲にあれば閾値温度変化は-2℃である。
【0116】
温度変化はTとTの差として判定できる。
【0117】
が閾値温度以下でなく、且つ温度変化が閾値温度変化以上でない場合、コントローラ102は後続のエアロゾル化セッションが依然として実行可能であると判定できる。この場合、コントローラ102は、ステップ809にループバックして所定の間隔(例えば5分)の後でTの更なる測定値を判定できる。コントローラ102は次いでステップ810を繰り返してTの新たな測定値が閾値温度以下であるか否かを確認し、且つTの新たな測定値とTの先行測定値との温度変化が閾値温度変化以上であるか否かを確認する。この処理は、操作者が後続のエアロゾル化セッションを起動するか、又はTの新たな測定値が閾値温度以下になるか、或いはTの新たな測定値とTの先行測定値との温度変化が閾値温度変化以上になるか、のいずれかになるまで所定の間隔で繰り返される。
【0118】
が閾値温度以下であるか、又は温度変化が閾値温度変化以上である場合、処理はステップ811に進み、コントローラ102は後続のエアロゾル化セッションが依然として実行できるか否かに関する更なる判定を行うことができる。
【0119】
ステップ811において、コントローラ102は第2の電池温度(T)に基づいてa及びbの更新値を計算する。
【0120】
aの更新値(anew)は、電池の第2の温度(T)の関数として、次式のようにaの保存された値(anorm)にaの第2の係数(Ca2)を乗算することにより計算できる。
new=anorm×Ca2(T
bの更新値(bnew)は、次式のようにbの保存された値(bnorm)に、電池104の第2の温度の関数としてのbの第2の係数(Cb2)を乗算することにより計算できる。
new=bnorm×Cb2(T
温度の関数としてのCa2及びCb2の値の範囲は、例えば、コントローラ102からアクセス可能なストレージ内の参照テーブルに保存でき、コントローラ102は、これらの参照テーブルを用いて、判定された温度Tに基づいて、a及びbに適用するCa2及びCb2の値を判定できる。代替的に、Ca2及びCb2の値は、判定された温度Tと組み合わせて2次多項式関数を用いてコントローラ102により判定できる。
【0121】
処理は次いでステップ812に進み、コントローラ102は、aの保存された値をanewに等しく(すなわちa=anewなるように設定し)、bの保存された値をbnewに等しく(すなわちb=bnew)なるように設定できる。これらの更新されたa及びbの値はステップ804で実行される判定にフィードバックされ、a<第1の閾値且つb<第2の閾値であるか否かが確認される。
【0122】
処理は次いで、a及びbの更新値(すなわちanew及びbnew)に基づいて電池104が後続のエアロゾル化セッションを実行できないと判定されたならばステップ805に、又はa及びbの更新値に基づいて電池104が後続のエアロゾル化セッションを実行できると判定されたならばステップ807に進む。処理がステップ807に進む場合、ステップ807から812(及びステップ804)は、電池104が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないと判定されるか、又は後続のエアロゾル化セッションが操作者により起動されるまでループし続けられてよい。いくつかの例において、完全に電力供給できるエアロゾル化セッションの回数が増加又は減少したとコントローラが判定したならば、コントローラは、インジケータを制御して例えば装置内のディスプレイ画面等の視覚インジケータ、聴覚インジケータ、又は触覚インジケータによりユーザーにこのことを示すことができる。
【0123】
このように、コントローラ102は、第2の電池温度を監視することにより、及び先行エアロゾル化セッションからの電池電圧測定値に基づいて判定されたa及びbの値を更新することにより、先行エアロゾル化セッションが完了した後で、後続のエアロゾル化セッションが実行できるか否かを引き続き判定することができる。
【0124】
図8を参照しながら説明した上述の処理ステップにおいて、後続のエアロゾル化セッションが実行できるとコントローラ102が判定したならば、後続のエアロゾル化セッションの後で更なるエアロゾル化セッションが実行できるか否かを判定すべく、図8を参照しながら説明した処理を後続のエアロゾル化セッションで繰り返してよい。
【0125】
図8を参照しながら説明した処理の更なる改良において、a<第1の閾値且つb<第2の閾値であるか否かのステップ804での判定に代えて、又は加えて、コントローラ102は以下の判定も実行できる。
【0126】
コントローラ102は、予熱フェーズにおける最低電池電圧を判定できる。一例において、これは予熱フェーズ中の電池電圧を監視し、電圧センサを使用し、最低電圧を記録し、監視においてより低い電圧が特定されたならば記録された最低電圧を更新することにより実現できる。代替的に、これは電池電圧が最も低くなると予想される予熱フェーズの終了時点(t=t)での電池電圧を測定することにより実現できる。
【0127】
この最低予熱電池電圧(VMIN_PREHEAT)は、図7Aにおいて「強い」電池の例では点721として示され、「弱い」電池の例では点731として示されている。
【0128】
ステップ803で判定されたa及びbの値、並びに線形関係V=at+bを用いて、コントローラ102は、エアロゾル化セッションの終了時点(すなわちt=tEND)で予想される電池電圧(VEND)を外挿法を通じて以下のように判定できる。
END=atEND+b
20秒の予熱フェーズ及び250秒の加熱フェーズを含むエアロゾル化セッションの例において、tENDを270秒に設定できる。
【0129】
コントローラ102は次いで、次式が成り立つか否かを判定できる。
END<VMIN_PRE-HEAT×K(T)
エアロゾル化セッションの終了時点での外挿電圧(VEND)が予熱フェーズの最低電圧(VMIN_PREHEAT)にK(T)を乗算した値より低いことは、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないことを示している。予熱フェーズは、(予熱フェーズが加熱フェーズに切り替わる際に少し電池が回復する)加熱フェーズよりも電池104に大きな負荷を掛けるため、予熱フェーズの終了時点よりも加熱フェーズの終了時点での方が低い電池電圧は、自身の電圧レベルが加熱フェーズでかなり低下しているため、弱い状態にある可能性が高い。
【0130】
一方、エアロゾル化セッションの終了時点での外挿電圧(VEND)が、K(T)を乗算した予熱フェーズの最低電圧(VMIN_PREHEAT)を下回らないことは、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できることを示している。これは、予熱フェーズから加熱フェーズに切り替わる際の電池回復に起因する電圧上昇が加熱フェーズ中の電圧降下よりも大きいため、電池104が強い状態にあることを示す。
【0131】
すなわち、コントローラ102が、エアロゾル化セッションの終了時点の外挿電圧(VEND)が予熱フェーズの最低電圧(VMIN_PREHEAT)にK(T)を乗算した値よりも小さいと判定したならば、コントローラ102は電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないと判定できる。コントローラ102が、エアロゾル化セッションの終了時点の外挿電圧(VEND)が、予熱フェーズの最低電圧(VMIN_PREHEAT)にK(T)を乗算した値よりも小さくないと判定したならば、コントローラ102は、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できると判定できる。
【0132】
これは図7Aから理解することができ、t=tendでの電圧は「強い」電池のプロット720の予熱フェーズ721における最低電圧よりも大きく、t=tendでの電圧は「弱い」電池のプロット730の予熱フェーズ731における最低電圧よりも小さい。
【0133】
K(T)は電池温度の関数である定数であって、VMIN_PRE-HEATの温度依存スケーリング係数として使用される。例えば、図9を参照するに、-20℃で3.4Vの電圧レベルは、これ以上容量を放電できないことを意味しないことが分かる。しかし、25℃では、このような電圧は既に電池が顕著に消耗している旨の信号である。定数K(T)は従って精度を向上させるべく用いられる。例えば、VMIN_PRE-HEATは25℃で3.4V、0℃では3.3V、及び20℃では3.25Vと判定されてよい。スケーリング係数K(T)は従って、より高い温度(例えば25℃の領域)では1であってよく、より低い温度(例えば0℃~-20℃の領域)では1よりも小さくてよい。これらの低い温度は極めて低い温度(例えば-20℃未満)であるため好適にはスケーリング係数K(T)は依然として>0.9であり、K(T)は<0.9であって、装置は全く起動されない。本開示のようなエアロゾル生成装置の典型的な電池の典型的な最低動作温度(すなわち放電温度)は-20℃であってよい。適用されるK(T)の値は、電池の判定された温度に基づいて、コントローラによりコントローラに関連付けられたストレージからアクセスできる。一例において、Tの関数としてのKの値は参照テーブルに保存されていてよく、代替的に、コントローラは測定された電池温度Tの関数としてのKの値を、2次多項式関数を用いて判定してよい。
【0134】
簡略化されたアルゴリズムではK(T)が含まれない場合があり、コントローラは単に、VEND<VMIN_PRE-HEATであるか否かを判定できるため、計算に費やす計算リソースを削減できる。
【0135】
いくつかの例において、VEND<VMIN_PRE-HEAT*K(T)であるか否かの確認は、以下の3個の確認事項が実行されるようにa<第1閾値且つb<第2閾値であるか否かの判定と組み合わせて実行できる。
(1)a<第1の閾値であるか否かを確認、
(2)b<第2の閾値であるか否かを確認、及び
(3)VEND<VMIN_PRE-HEAT*K(T)であるか否かを確認
いくつかの例において、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラ102が判定するには3個の確認事項が全て真でなければならない。他の例では、電池104が後続のエアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラ102が判定するには3個の確認事項のうち1個の確認事項だけが真であればよい。また更なる例において、電池104が後続の全エアロゾル化セッションに電力供給できないとコントローラ102が判定するには確認事項(1)及び(2)の両方が真でなければならないか、又は確認事項(3)が真でなければならない。
【0136】
他の例において、VEND<VMIN_PRE-HEAT*K(T)であるか否かの確認は、ステップ804でa<第1閾値且つb<第2閾値であるか否かを判定することの代替として実行されてよい。
【0137】
上述の説明は一般にタバコ製品を燃焼させずに加熱すべく構成されたエアロゾル生成装置を意図して記述されているが、同一原理を、液体ベースのエアロゾル又は蒸気生成材料をエアロゾル化又は気化すべく構成されたエアロゾル又は蒸気生成装置に適用できる。
【0138】
図10に、このような装置で複数のパフを行った場合の時間1002に対する電池電圧1004のプロットを示す。線1006は、加熱器108に電力供給すべく加熱負荷が電池104に印加された場合のパフ中の電池電圧を表す。線1008は、電池104が休止して加熱負荷が印加されていない場合のパフ間の電池電圧を表す。図から分かるように、加熱器108に電力が供給された際に電池104の充電状態が低下するため、パフの回数が増えるに従い電池電圧は一般に低下する。
【0139】
丸で囲んだ領域1010に示すように電池104の電圧が特に弱くなれば時間の関数として電圧が低下する速度が上昇する。
【0140】
ステップ801~804と同様の仕方で、コントローラ102は、例えば移動ウィンドウにより、一連のパフにわたる電池電圧を記録し、a及びbの値を連続的に決定及び更新できる。一例において、移動ウィンドウは最後の10パフを表していてよい。aが第1の閾値よりも小さく、及び/又はbが第2の閾値よりも小さいとコントローラ102が判定したならば、コントローラ102は、電池104が後続の全エアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給できないと判定する。コントローラ102は従って電池104が再充電されるまで更なる/後続のエアロゾル化セッション(群)(すなわちパフ)を保留でき、及び/又はステップ805、806と同様の仕方で、電池104が後続のエアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給できないことを操作者に提示すべくインジケータを制御できる。
【0141】
コントローラ102がステップ804、807と同様の仕方で、aが第1の閾値よりも小さくなく、及び/又はbが第2の閾値よりも小さくないと判定したならば、コントローラ102は、電池104が後続の全エアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給可能であると判定できる。ステップ808~ステップ812と同様の仕方で、コントローラ102は、先行パフと後続パフの間の期間中に電池温度を監視して、電池温度に基づいて電池104が後続のパフに電力供給できるか否かを判定できる。
【0142】
換言すれば、いくつかの例において、電池104が後続の全エアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給できるとコントローラが判定するにはa<第1の閾値且つb<第2の閾値の両方が真でなければならない。他の例において、電池104が後続の全エアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給できるとコントローラが判定するにはa<第1の閾値及びb<第2の閾値の一方だけが真であればよい。これらの例の前者は、電池104が後続の全エアロゾル化セッション(すなわち次のパフ)に電力供給できるか否かをより確実に判定できる。
【0143】
上述の説明は一般に電源104を電池と想定しているが、記述する原理は、複数の電池、1個以上のハイブリッドキャパシタ、1個以上のスーパーキャパシタ、又はそれらの組み合わせ等の代替電源を有するエアロゾル生成装置にも適用できる。
【0144】
上述の説明において、コントローラ102は、エアロゾル生成装置及び電力システムを記述された仕方で制御する命令を保存できる。当業者には、コントローラ102が、上述の仕方のいずれでも互いに適宜組み合わせて実行すべく構成できることが容易に理解されよう。コントローラ102が実行する本明細書に記載された処理ステップは、コントローラ102に関連付けられた非一時的コンピュータ可読媒体、又はストレージに保存できる。コンピュータ可読媒体には、不揮発性媒体及び揮発性媒体が含まれていてよい。揮発性媒体には、特に半導体メモリ及びダイナミックメモリが含まれていてよい。不揮発性媒体には、特に光ディスク及び磁気ディスクが含まれていてよい。
【0145】
当業者には、上述の説明での先行実施形態は限定的ではなく、各実施形態の特徴は適宜他の実施形態に組み込まれていてよいことが容易に理解されよう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図8
図9
図10
【国際調査報告】