IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイティー インターナショナル エス.エイ.の特許一覧

特表2024-523104真空断熱材を有するエアロゾル発生デバイス
<>
  • 特表-真空断熱材を有するエアロゾル発生デバイス 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】真空断熱材を有するエアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240621BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240621BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565989
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2022067286
(87)【国際公開番号】W WO2023274857
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182181.4
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ガルシア, エドゥアルド ホセ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC10
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル発生デバイス(100)であって、エアロゾル形成物質(12)を受け入れることができるキャビティ(106)と、キャビティ(106)内に受け入れられたエアロゾル形成物質(12)を加熱するように構成されたヒータ(108)と、ヒータ(108)の周囲に設けられた真空断熱材(110)であって、真空断熱材(110)の外側面(112)は使用時にユーザが保持できるエアロゾル発生デバイス(110)の外面である真空断熱材(110)と、を備える、エアロゾル発生デバイス(100)が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル発生デバイスであって、
エアロゾル形成物質を受け入れることができるキャビティと、
前記キャビティ内に受け入れられたエアロゾル形成物質を加熱するように構成されたヒータと、
前記ヒータの周囲に設けられた真空断熱材であって、前記真空断熱材の外側面は使用時に前記ユーザが保持できる前記エアロゾル発生デバイスの外面である真空断熱材と、
を備える、エアロゾル発生デバイス。
【請求項2】
前記真空断熱材を部分的に取り囲む外側ケーシングを更に備える、請求項1に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項3】
前記真空断熱材の前記外側面が、前記エアロゾル発生デバイスの実質的に全周にわたる前記エアロゾル発生デバイスの外面である、請求項1又は請求項2に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項4】
前記真空断熱材の前記外側面が、前記エアロゾル発生デバイスの実質的に全長に沿った前記エアロゾル発生デバイスの外面である、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項5】
前記真空断熱材が金属を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項6】
前記キャビティ内にタバコを含む消耗品を受け入れるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項7】
前記真空断熱材が環状円筒形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生デバイスに関する。特に、本発明は、真空断熱材を有するエアロゾル発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生デバイスは、通常、ユーザによって日常的に携帯される。したがって、より軽量でコンパクトなエアロゾル発生デバイスが求められている。加えて、エアロゾル発生デバイスを可能な限り効率的にすることができ、それによってバッテリ寿命を延ばし、したがってユーザの利便性を高めることができることが望ましい。本発明の目的は、これらの矛盾する要求に対処することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の態様によれば、ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル発生デバイスであって、エアロゾル形成物質を受け入れることができるキャビティと、キャビティ内に受け入れられたエアロゾル形成物質を加熱するように構成されたヒータと、ヒータの周囲に設けられた真空断熱材であって、真空断熱材の外側面は使用時にユーザが保持できるエアロゾル発生デバイスの外面である真空断熱材と、を備える、エアロゾル発生デバイスが提供される。
【0004】
このようにして、真空断熱材はヒータに効果的な断熱を提供し、環境に失われる熱量を減らすことができる。ヒータを効率的に断熱する真空断熱材の能力を大きく損なうことなく、真空断熱体を少なくとも部分的にユーザに露出できることが判明した。真空断熱材の外側面をエアロゾル発生デバイスの外面として有することにより、真空断熱材は、デバイスの内部コンポーネントをユーザから保護しシールドする外側ケーシングとしても機能することができる。このようにして、完全な別個の外側ケーシングを設ける必要性が部分的又は全体的に省略され、したがって、より軽量且つよりコンパクトなエアロゾル発生デバイスを提供することができる。真空断熱材は、部分的にのみユーザに露出してもよく、換言すれば、真空断熱材の外側面は、エアロゾル発生デバイスの外面の一部のみであってもよい。或いは、真空断熱材の外側面をユーザに完全に露出させて、その外側面全体がエアロゾル発生デバイスの外面となるようにしてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生デバイスは、真空断熱材を部分的に取り囲む外側ケーシングを備える。このようにして、真空断熱材は、エアロゾル発生デバイスの外面である外側面を有することができ、デバイスは製造及び組み立てが簡単になる。真空断熱材を部分的に外側ケーシングで囲うことで、ヒータの断熱効率を高めることができる。1つの例示的な実施形態では、真空断熱材は、外側ケーシング内の単一の連続した間隙又は開口部を通して外部環境に露出されてもよい。別の例では、真空断熱材は、真空断熱材の外側面が開口部又は間隙の間のエアロゾル発生デバイスの外面となるように、外側ケーシングの複数の開口部又は間隙を介して露出されてもよい。
【0006】
他の実施形態では、真空断熱材は、外側ケーシングによって囲まれず、代わりに、エアロゾル発生デバイスの外面である外側面が外側ケーシングと外部的に同一面になるように設けられてもよい。
【0007】
好ましくは、真空断熱材の外側面は、エアロゾル発生デバイスの実質的に全周にわたるエアロゾル発生デバイスの外面である。このようにして、エアロゾル発生デバイスの直径をデバイスの少なくとも一部の断面に沿って減少させることができ、デバイスをより軽量且つよりコンパクトにすることができる。
【0008】
好ましくは、真空断熱材の外側面は、エアロゾル発生デバイスの実質的に全長に沿ったエアロゾル発生デバイスの外面である。このようにして、エアロゾル発生デバイスの外側ケーシングを小さくすることができ、デバイスをより軽量且つよりコンパクトにすることができる。
【0009】
好ましくは、真空断熱材は金属を含む。金属製真空断熱材は特に効率的であるため、金属製真空断熱材を使用すると、エアロゾル発生デバイスの効率を損なうことなく、真空断熱材の大部分をユーザに露出させることができる。他の実施形態では、真空断熱材は、当技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。
【0010】
好ましくは、エアロゾル発生デバイスは、キャビティ内にタバコを含む消耗品を受け入れるように構成される。消耗品はロッドの形態であってもよい。エアロゾル発生デバイスは、非燃焼加熱式デバイスであり得る。消耗品がタバコを含む場合、タバコからエアロゾルを生成するには高温が必要となるため、真空断熱材の設置が特に重要となり得る。他の実施形態では、エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生流体を含む詰め替え可能又は使い捨てカートリッジを受け入れるように構成され得る。
【0011】
好ましくは、真空断熱材は、環状円筒形状を有する。このようにして、真空断熱材がヒータを完全に囲むことができ、それによってより効果的な断熱手段が提供される。
【0012】
ここで、図面を参照して例として本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態における、エアロゾル発生デバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態における、エアロゾル発生デバイスの概略断面図である。エアロゾル発生デバイス100が提供され、エアロゾル発生デバイス100の内部コンポーネントを部分的に収納する外側ケーシング102を含む。外側ケーシング102は、消耗品10を受け入れるように構成されたキャビティ106への開口部104を備える。消耗品10はタバコ12とフィルタ14を含み、これらは両方ともチッピングラッパー16によって一緒に保持され得る。ヒータ108はキャビティ106内に設けられ、キャビティ106内に受け入れられたときに消耗品10を加熱してエアロゾルを生成するように構成されている。真空断熱材110は、ヒータ108の周囲に設けられ、外側面112と内側面114を有する環状円筒形状を有し、その間に真空116が囲まれている。外側ケーシング102は、エアロゾル発生デバイスの実質的に全長に沿ってその全周に沿って延びる開口部118を備える。開口部118は、外側面112をユーザに部分的に露出させ、その結果、真空断熱材110の外側面112は、エアロゾル発生デバイス100の外面となる。エアロゾル発生デバイス100は、エアロゾル発生デバイス100の動作を制御するためのコントローラ(図示せず)、ユーザからの指示を受信するためのボタン(図示せず)、キャビティ106と流体連通する空気入口(図示せず)、及びエアロゾル発生デバイス100に電力を供給するバッテリ(図示せず)も備える。コントローラ及びバッテリは、ワイヤを介してボタン及びヒータ108と電気的に接続されている。
【0015】
外側ケーシング102は、当技術分野で知られているような任意の適切な材料を含むことができる。エアロゾル発生デバイス100は、長手方向に沿って延び、且つキャビティ106は、長手方向に沿って延びる。
【0016】
図1の実施形態では、ヒータ108は、抵抗加熱又は誘導加熱可能なフィルムヒータとして提供される。代替実施形態では、ヒータ108は、キャビティ106内の消耗品10を加熱してエアロゾルを生成することができる任意の適切なヒータとして提供され得る。ヒータ108は、キャビティ106の周囲に、キャビティ106の実質的に全周にわたって延在する1つ又は複数の湾曲した加熱フィルムとして提供され得る。或いは、ヒータ108は、キャビティ106の周囲の間隔をあけた位置に設けられた1つ又は複数の実質的に平らな加熱フィルム又はプレートとして設けられてもよい。ヒータ108は、消耗品10がヒータ108に対する摩擦によってキャビティ106内に保持されるように、キャビティ106内に受け入れられた消耗品10と接触するように構成され得る。ヒータ108は、1つ又は複数の機械的結合によって真空断熱材110の内側面114に固定され得る。或いは、ヒータ108は、外側ハウジング102に取り付けられた支持構造によってキャビティ106内に保持されてもよい。
【0017】
他の実施形態では、キャビティ106及びヒータ108は、当技術分野で知られている他の形態の消耗品をそれぞれ受け取り、加熱するように構成することができる。例えば、キャビティ106は、エアロゾル発生流体を含むリザーバを備える消耗品カートリッジを受け入れるように構成され得、ヒータ108は、キャビティ106内に受け入れられたときに消耗品に加熱を提供するように構成され得る。このような場合、真空断熱材110及びキャビティ106は、カートリッジがキャビティ106内に受け入れられ、ヒータ108によって加熱され、真空断熱材110によって断熱されることができるように、適切に成形され得る。
【0018】
真空断熱材110は、円形の断面を備えた環状円筒形状を有する。真空断熱材110は中空であり、湾曲した内側面114と、湾曲した外側面112と、内側面114と外側面112を接続する2つの平坦面115との間に真空116を封入する。他の実施形態では、真空断熱材110は他の形状を有してもよい。例えば、真空断熱材110は、正方形又は多角形の断面を有してもよい。他の実施形態では、真空断熱材110は、ヒータ108の周囲に設けられる2つ以上の真空断熱材、例えば半円形又は平坦な真空断熱材として設けられてもよい。このような実施形態では、2つ以上の真空断熱材がヒータ108を集合的に取り囲んで断熱することができる。
【0019】
図1に示すように、エアロゾル発生デバイス100の第1の端部120及び第2の端部122に向かって、真空断熱材110は、真空断熱材110の外側面112を部分的に覆う外側ケーシング102によって部分的に囲まれている。真空断熱材110は、1つ又は複数の機械的結合によって外側ケーシング102に機械的に取り付けられてもよい。真空断熱材110は、高性能金属真空断熱材であってもよい。他の実施形態では、真空断熱材110は他の適切な材料を含んでもよい。
【0020】
外側ケーシング102の開口部118は、エアロゾル発生デバイス100の長手方向の実質的に全長に沿って、且つ、エアロゾル発生デバイス100の外周全体に沿って延びる。他の例示的な実施形態では、開口部118は、真空断熱材110の外側面112が露出してユーザに見える部分が少なくなるように、より小さくてもよい。或いは、外側ケーシング102は、真空断熱材110の外側面112が視認でき、ユーザに露出される複数の開口部を備えていてもよい。
【0021】
コントローラは、外側ケーシング102内に収容されてもよく、エアロゾル発生デバイス100の様々な動作を制御するための命令を記憶及び実行するためのメモリ及びプロセッサを備える。空気入口は、エアロゾル発生デバイス100の第1の端部120に向かって外側ケーシング102内の開口部として設けられ、ユーザがフィルタ14を介してキャビティ106を通して空気を吸引できるようにすることができる。ボタンはまた、ユーザからの入力を受け取るために、外側ケーシング102の外側面上に提供されてもよい。或いは、指紋センサなどの他の任意の入力機構を、ユーザからの入力を受信するために設けることもできる。
【0022】
ここで、図1を参照して、エアロゾル発生デバイス100の例示的な使用について説明する。使用時に、ユーザは、消耗品10を開口部104を通してキャビティ106に挿入し得る。ヒータ108は、摩擦によって消耗品10をキャビティ106内の所定の位置に保持する。ヒータ108と消耗品10との間のこの接触はまた、熱が消耗品10内のタバコ12に伝達される効率を高める。ユーザが蒸発を開始させる準備ができると、ユーザはボタンを押すことができ、これによりコントローラがトリガされてヒータ108がオンになる。ヒータ108はキャビティ106内の空気及びタバコ12を加熱するが、真空断熱材110内の真空116は伝導及び対流によるキャビティ106からの熱の漏れを大幅に阻止する。したがって、キャビティ106、ヒータ108、及び真空断熱材110は、消耗品10内のタバコ12を所望の温度まで加熱できるオーブンを形成する。コントローラは、タバコの燃焼温度よりも低い温度までタバコを加熱するようにヒータ108に指示するように構成され得る。タバコ12が加熱されるにつれて、キャビティ106内にエアロゾルが生成される。ユーザは、フィルタ14を介して空気入口から空気を引き込み、キャビティ106を通る空気流を生成し、エアロゾルをユーザに運ぶことによって、エアロゾルを吸入することができる。
【0023】
真空断熱材110の外側面112は、外側面112が使用中にユーザが保持できるエアロゾル発生デバイス100の外面となるように、開口部118を介してユーザに露出される。したがって、エアロゾル発生デバイス100は、外側ケーシング102が外側面112を完全に覆った場合よりも軽量且つコンパクトである。真空断熱材110は、エアロゾル発生デバイス100の効率が開口部118によって大きく影響されないように、ヒータ108及びキャビティ106内の加熱された空気に十分な断熱を提供する。開口部118は、エアロゾル発生デバイス100の実質的に全長に沿って全周にわたって延在し、したがってエアロゾル発生デバイス100の直径を減少させる。これにより、エアロゾル発生デバイス100は、ユーザにとって保管及び持ち運びがより便利になる。
図1
【国際調査報告】