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特表2024-523121研磨パッド用ウィンドウの製造方法及びこの方法で製造された研磨パッド用ウィンドウ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】研磨パッド用ウィンドウの製造方法及びこの方法で製造された研磨パッド用ウィンドウ
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/013 20120101AFI20240621BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20240621BHJP
   B29C 39/02 20060101ALI20240621BHJP
   B29C 39/38 20060101ALI20240621BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20240621BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B24B37/013
B24B37/24 C
B29C39/02
B29C39/38
C08G18/10
H01L21/304 622F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571578
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 KR2022012667
(87)【国際公開番号】W WO2023140450
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008594
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517187924
【氏名又は名称】ケーピーエックス ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】ミン ビュンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ソクジ
(72)【発明者】
【氏名】カン ハクス
(72)【発明者】
【氏名】ジュン デハン
(72)【発明者】
【氏名】パク ギヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヒュンイル
【テーマコード(参考)】
3C158
4F204
4J034
5F057
【Fターム(参考)】
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3C158AA09
3C158AC02
3C158CB01
3C158CB10
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3C158DA17
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3C158EB17
3C158EB28
3C158EB29
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5F057EB03
5F057EB06
5F057EB12
5F057EB30
5F057GA12
5F057GB02
5F057GB20
(57)【要約】
本発明は、a) 50℃以上100℃未満の温度を有するポリウレタン予備重合体と硬化剤とを混合して混合物を製造する段階;b) 前記混合物を30℃以上100℃未満の温度に加熱されたモールドに5mm以下の厚さで注入する段階;c) 前記モールドからポリウレタン硬化物を脱型する段階;及びd)前記ポリウレタン硬化物を研磨パッドのウィンドウの厚さに加工する段階;を含む研磨パッド用ウィンドウの製造方法、及び前記方法で製造された研磨パッド用ウィンドウ、及び前記ウィンドウを含む研磨パッドを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 50℃以上100℃未満の温度を有するポリウレタン予備重合体と硬化剤とを混合して混合物を製造する段階;
b) 前記混合物を30℃以上100℃未満の温度に加熱されたモールドに5mm以下の厚さで注入する段階;
c) 前記モールドからポリウレタン硬化物を脱型するステップ;および
d) 前記ポリウレタン硬化物を研磨パッドのウィンドウの厚さに加工する段階;を含む研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項2】
前記a)段階において、前記ポリウレタン予備重合体は、50℃ないし90℃の温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項3】
前記b)段階において、前記モールドは、30℃ないし80℃の温度に加熱されたことを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項4】
前記b)段階において、前記混合物の注入は、2mmないし5mmの厚さで行われることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項5】
前記a)段階において、前記ポリウレタン予備重合体の温度は50℃ないし70℃であり、前記b)段階において、前記モールドの温度は30℃ないし60℃であり、前記b)段階において、前記ポリウレタン予備重合体と前記硬化剤との前記混合物の前記モールドへの注入は2mmないし3mmの厚さで行われることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項6】
前記ポリウレタン予備重合体は、重量平均分子量が500ないし3000であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項7】
前記ポリウレタン予備重合体は、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びシクロヘキサンジイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上のイソシアネート化合物、及びポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカプロラクトンポリオールからなる群から選択される1種以上のポリオール化合物成分を含む組成物の重合によって製造されることを特徴とする、請求項6に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項8】
前記組成物は、エチレングリコール(EG)、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール(BDO)、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1、6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される1種以上の鎖延長剤をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項9】
前記硬化剤は、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MBOCA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体;4,4’-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン);4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)(MCDEA);ポリトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N’-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)(MDEA);4,4’-メチレンビス(2,3-ジクロロアニリン)(MDCA);4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン;2,2’,3,3’-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;及びトリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエートからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項10】
前記ポリウレタン予備重合体と前記硬化剤とは、乾燥重量を基準として9:1~7:3の重量比で混合されることを特徴とする、請求項1に記載の研磨パッド用ウィンドウの製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の製造方法で製造されたウィンドウであって、1.9mmの厚さを基準に670nm光で5%以上の透過率を有する研磨パッド用ウィンドウ。
【請求項12】
請求項11に記載のウィンドウを含む研磨パッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月20日付けの韓国特許出願第10-2022-0008594号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、研磨パッド用ウィンドウの製造方法及びこの方法で製造された研磨パッド用ウィンドウに関する。
【背景技術】
【0003】
化学機械的平坦化/研磨(CHEMICAL MECHANICAL PLANARIZATION / CHEMICAL MECHANICAL POLISHING、以下、CMPという。)工程は、半導体素子のグローバル平坦化のために導入された工程で、ウェーハの大口径化、高集積化、線幅の微細化、及び配線構造の多層化の傾向により、より重要な工程として浮上している。
【0004】
CMP工程では、研磨速度と平坦度が重要であり、これは研磨装置の工程条件及び使用される消耗部材である研磨スラリーと研磨パッドによって決定される。特に、研磨パッドは、ウェーハの表面と接触した状態で供給された研磨スラリーをウェーハ上に均一に分散させ、研磨スラリー内部の研磨粒子と研磨パッドの表面突起によって物理的な除去作用が行われるようにする機能を果たす。
【0005】
一般に、研磨パッドは、図1に示すように、研磨層(10)と、前記研磨層に形成されたウィンドウ(20)と、及び下部支持層(30)と、を含み、前記下部支持層(30)には、前記ウィンドウの下部に開口部(22)が形成される。前記研磨層及び下部支持層は、接着層(40)によって接合される。
【0006】
前記ウィンドウは、CMPプロセスでウェーハの研磨終点を検出するために形成され、ウィンドウにレーザービームなどの光学ビームを透過させる方式で前記検出が行われる。したがって、前記ウィンドウは、光学ビームが通過できる特定の領域帯の透過率を保有しなければならない。
【0007】
しかし、従来のウィンドウは、光学ビームの通過に十分な透過率を持たないため、CMP工程においてウェーハの研磨終点を正確かつ確実に検出することが難しいという欠点がある。
したがって、透過率が向上したウィンドウの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2001-2696号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の前記のような問題を解消すべく、見出されたもので、優れた透過率を有するウィンドウを効率的に製造できる研磨パッド用ウィンドウの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、優れた透過率によってウェーハの研磨終点を正確かつ確実に検出できる研磨パッド用ウィンドウ及びこれを含む研磨パッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、
a) 50℃以上ないし100℃未満の温度を有するポリウレタン予備重合体と硬化剤とを混合して混合物を製造する段階;
b) 前記混合物を30℃以上ないし100℃未満の温度に加熱されたモールドに5mm以下の厚さで注入する段階;
c) 前記モールドからポリウレタン硬化物を脱型する段階;および
d) 前記ポリウレタン硬化物を研磨パッドのウィンドウの厚さに加工する段階;を含む研磨パッド用ウィンドウの製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、
前記の方法で製造されたウィンドウとして、1.9mmの厚さを基準に5%以上の透過率を有する研磨パッド用ウィンドウを提供する。
【0013】
また、本発明は、
前記ウィンドウを含む研磨パッドを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の研磨パッド用ウィンドウの製造方法は、優れた透過率を有するウィンドウを効率的に製造できる方法を提供する。
また、本発明の研磨パッド用ウィンドウ及びこれを含む研磨パッドは、改善された透過率により、ウェーハの研磨終点を正確かつ確実に検出することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、ウィンドウを含む一般的な研磨パッドの形態を模式的に示した断面図である。
図2図2は、本発明の研磨パッド用ウィンドウの透過率の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付の図面を参考にして詳細に説明する。しかし、本発明は様々な相異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体を通じて類似した部分については、同一の図面符号を付した。
【0017】
本発明で「~を含む」という意味は、含まれる特定の構成要素以外に他の構成要素がさらに含まれ得ることを意味するが、他の構成要素なしに前記特定の構成要素だけで構成される場合を意味することもある。
【0018】
本発明の研磨パッド用ウィンドウの製造方法は、
a) 50℃以上100℃未満の温度を有するポリウレタン予備重合体と硬化剤を混合して混合物を製造する段階;
b) 前記混合物を30℃以上100℃未満の温度に加熱されたモールドに5mm以下の厚さで注入する段階;
c) 前記モールドからポリウレタン硬化物を脱型する段階;および
d) 前記ポリウレタン硬化物を研磨パッドのウィンドウの厚さに加工する段階;を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明者らは、ポリウレタン素材で製造されるウィンドウの場合、硬化時の発熱制御及び製造方法によって透過率が変わることを見出し、本発明を完成した。
【0020】
すなわち、本発明者らは、ポリウレタン素材ウィンドウの製造において、ポリウレタン予備重合体の温度及びモールドの温度がウィンドウの透過率に影響を与え、また、ケーキ状のポリウレタン硬化物の厚みもウィンドウの透過率に影響を与えることを見出し、本発明を完成した。
【0021】
前記a)段階でポリウレタン予備重合体の温度が50℃以上100℃未満の場合、ウィンドウの透過率が大幅に向上する。しかし、50℃未満または100℃以上の場合、ウィンドウの透過率が著しく低下する。
【0022】
このようにポリウレタン予備重合体の温度によって透過率が低下する理由は、温度が高くなるとウレタン内部構造の結晶化度が高くなるためと思われる。
本発明の一実施形態において、前記ポリウレタン予備重合体の温度は、好ましくは50℃ないし90℃、さらに好ましくは50℃ないし70℃であってもよい。
【0023】
前記a)の段階で、前記ポリウレタン予備重合体は、重量平均分子量が500ないし3000であるものを使用することができ、さらに好ましくは800ないし2500であるものを使用することができる。
【0024】
前記ポリウレタン予備重合体は、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびシクロヘキサンジイソシアネートなどからなる群から選択される1種以上のイソシアネート化合物、およびポリエーテルポリオール(例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール)、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカプロラクトンポリオールなどからなる群から選択される1種以上のポリオール化合物成分を含む組成物の重合によって製造することができる。
【0025】
前記イソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート(toluene diisocyanate、TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-diphenyl methane diisocyanate)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(dicyclohexylmethane diisocyanate)などから選択されるものがより好ましく使用され、ポリオール化合物としては、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)などから選択されるものがより好ましく使用される。
【0026】
前記重合組成物は、エチレングリコール(EG)、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール(BDO)、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどからなる群から選択される1種以上の鎖延長剤をさらに含むことができる。
【0027】
前記a)段階の硬化剤としては、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MBOCA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン及びその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン及びその異性体(例えば、3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン);4,4’-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン);、4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)(MCDEA);、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N’-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)(MDEA);4,4’-メチレンビス(2,3-ジクロロアニリン)(MDCA);4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン;2,2’,3,3’-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;およびトリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエートなどからなる群から選択される1種以上を用いることができる。
【0028】
前記a)の段階で、ポリウレタン予備重合体と硬化剤は、乾燥重量を基準として9:1ないし7:3の重量比で混合することができる。
【0029】
前記b)の段階で、モールドは、30℃以上100℃未満の温度に加熱されたものが使用される。前記モールドの温度が30℃未満の場合、透過率は良くなるが、ポリウレタンが硬化しないため、本発明への適用が困難である。また、モールドの温度が100℃以上の場合、ウィンドウの透過率が著しく低下するため好ましくない。
【0030】
前記のように、モールドの温度が100℃以上の場合、透過率が低下する理由は、モールドの温度が高くなるとウレタン内部構造の結晶化度が高くなるためと思われる。
【0031】
本発明の一実施形態において、モールドの温度は、好ましくは30℃ないし80℃、さらに好ましくは30℃ないし70℃、さらに好ましくは30℃ないし60℃、特に好ましくは30℃ないし50℃である。
【0032】
前記b)段階でのポリウレタン予備重合体と硬化剤混合物のモールドへの注入は、5mm以下の厚さで行うことができる。前記注入の厚さが5mmを超えると、ウィンドウの透過率が著しく低下する。
【0033】
このように注入厚さによって透過率が低下する理由は、注入厚さが厚くなると、硬化剤との発熱反応時に熱エネルギーが蓄積され、内部温度が高くなって結晶化度が高くなるためと思われる。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記注入の厚さは、好ましくは2mmないし5mmであってもよく、より好ましくは2mmないし4mm、さらに好ましくは2mmないし3mmであってもよい。
【0035】
前記のような厚さで混合物が注入されると、注入の厚さによってポリウレタン硬化物(Cake)の厚さも決定される。
【0036】
本発明の一実施形態において、前記a)段階でポリウレタン予備重合体の温度は50℃ないし70℃であり、前記b)段階でモールドの温度は30℃ないし60℃であり、前記b)段階でポリウレタン予備重合体と硬化剤混合物のモールドへの注入は、2mmないし3mmの厚さで行われることが特に好ましい。
【0037】
本発明の研磨パッド用ウィンドウは、前記本発明の製造方法で製造されたもので、1.9mmの厚さを基準に5%以上、好ましくは7%以上、さらに好ましくは8%以上の透過率を有する。
【0038】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に述べる実施例に限定されるものと解釈すべきではない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例
【0039】
実施例1-1:研磨パッド用ウィンドウの製造
90℃に加温したポリウレタン予備重合体(KPX社製品PT411 NCO%:9.2、粘度:24000cPs、重量平均分子量:1850)80重量%と硬化剤(MOCA、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン))20重量%とを混合した。前記混合物を50℃に加温したモールドに注入し、1時間かけて先硬化させた後、オーブン内で16時間後硬化させて、厚さ3mmのCake(ポリウレタン硬化物)を製造した。次に、前記Cakeを厚さ1.9mmに加工してウィンドウを製造した。
【0040】
実施例1-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で温度が70℃のポリウレタン予備重合体を使用したことを除いては、前記実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0041】
実施例1-3:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で温度が50℃のポリウレタン予備重合体を使用したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0042】
実施例2-1:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で温度が70℃に加温されたポリウレタン予備重合体を使用し、80℃に加温されたモールドを使用したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0043】
実施例2-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例2-1で60℃に加温したモールドを使用したことを除いては、実施例2-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0044】
実施例2-3:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例2-1で50℃に加温したモールドを使用したことを除いては、実施例2-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0045】
実施例2-4:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例2-1で30℃に加温したモールドを使用したことを除いては、実施例2-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0046】
実施例3-1:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で70℃に加温したポリウレタン予備重合体を使用し、Cakeの厚さを5mmに調整したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0047】
実施例3-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例3-1でCakeの厚さを4mmに調整したことを除いては、実施例3-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0048】
実施例3-3:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例3-1でCakeの厚さを3mmに調整したことを除いては、実施例3-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0049】
実施例3-4:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例3-1でCakeの厚さを2mmに調整したことを除いては、実施例3-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0050】
比較例1-1:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で100℃に加温したポリウレタン予備重合体を使用したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0051】
比較例1-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で40℃に加温したポリウレタン予備重合体を使用したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0052】
比較例2-1:研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で70℃に加温したポリウレタン予備重合体を使用し、100℃に加温したモールドを使用したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0053】
比較例2-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
比較例2-1で20℃に加温したモールドを使用したことを除いては、比較例2-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0054】
比較例3-1: 研磨パッド用ウィンドウの製造
実施例1-1で70℃に加温したポリウレタン予備重合体を使用し、Cakeの厚さを6mmに調整したことを除いては、実施例1-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0055】
比較例3-2:研磨パッド用ウィンドウの製造
比較例3-1でCakeの厚さを8mmに調整したことを除いては、比較例3-1と同じ方法で厚さ1.9mmのウィンドウを製造した。
【0056】
実験例1:透過率測定
前記実施例及び比較例で製造された1.9mm厚のウィンドウをダイヤモンドディスク(サソル社のLPX2製品)で15分間コンディショニングした後、透過率分析装備(Perkin Elmer社のUV-Visible Spectrometer Lambda-365)を使用して670 nm光で透過率を測定し、その結果を後記表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
前記比較例2-2の場合、モールドの温度により透過率は向上するが、ポリウレタンの硬化が行われないため、ウィンドウの製造に適用することは困難である。

図1
図2
【国際調査報告】