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特表2024-523128バルーン膨張による尿排水方法を備えた先端が分割された尿カテーテル
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  • 特表-バルーン膨張による尿排水方法を備えた先端が分割された尿カテーテル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】バルーン膨張による尿排水方法を備えた先端が分割された尿カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240621BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572111
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022019634
(87)【国際公開番号】W WO2022265701
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/350,913
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523438256
【氏名又は名称】クー・シャーロン
(71)【出願人】
【識別番号】523438267
【氏名又は名称】ミー・ユーシー
(71)【出願人】
【識別番号】523438278
【氏名又は名称】クー・ウェイハオ
(74)【代理人】
【識別番号】100223631
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 昭央
(72)【発明者】
【氏名】クー・シャーロン
(72)【発明者】
【氏名】ミー・ユーシー
(72)【発明者】
【氏名】クー・ウェイハオ
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA19
4C267AA04
4C267BB02
4C267BB09
4C267BB12
4C267BB27
4C267BB40
4C267CC26
4C267HH08
(57)【要約】
本発明は、排尿の方法を生み出すためにバルーンを利用する尿カテーテルを開示する。 開示された発明は、従来の排液ポートを実装せず、露出したカテーテル先端を回避する。 むしろ、本発明は、分離されたときに尿排出のための水平開口を生成する分割された先端を有する複数の管腔のシャフトを備える。 本発明は、複数の拡張可能なバルーンまたは単一の拡張可能な中央バルーンの形態をとることができる保持部材を利用する。 バルーン要素は、各分割先端に別個に取り付けられるバルーン、または隣接する分割先端と共有される1つのバルーンを備えることができ、したがって、バルーン要素が拡張すると、連通チャネルが、膀胱とシャフトの中心管腔との間に現れ、最終的に、排尿方法を生成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の尿の除去に使用されるカテーテルであって、
複数の長手方向に平行な管腔を有するフレキシブルなシャフトであって、各管腔が一定の断面寸法を有する、フレキシブルなシャフトと、
それぞれが自由端を有する少なくとも2つの分割された先端に分割された遠位および自由端であって、前記の分割された先端の前記自由端は、互いに離間した状態に分離可能である遠位および自由端と、
前記分割された先端の前記自由端を互いに離間した状態で分離することによって形成された水平開口であって、前記水平開口は前記分割された先端の分離点に位置し、前記水平開口は尿の流れに対して垂直な断面を有する、水平開口と、
少なくとも2つのバルーン要素であって、前記バルーン要素の各々は、各分割された先端の前記自由端に取り付けられ、それを包含する、バルーン要素と、および、
膨張ポートであって、長手方向に平行な管腔のそれぞれの遠位端に、または長手方向に平行な管腔の側面に位置し、前記バルーンはまた対応する前記膨張ポートを包含する、膨張ポートと、
を備えるカテーテル。
【請求項2】
前記複数の長手方向に平行な管腔は、少なくとも1つの膀胱の尿の排水の中心管腔と、少なくとも1つのバルーン要素の膨張のバルブ管腔とを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテルであって、前記水平開口は、前記バルーン要素の膨張の際に現れ、前記中心管腔の遠位端に位置して、尿が膀胱から前記中心管腔に排水されることを可能にする、カテーテル。
【請求項4】
前記水平開口は、前記バルーン要素が膨張させられる前に、前記分割された先端の間に間隙を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記少なくとも2つのバルーン要素の各バルーンは、各バルーンのそれぞれの弁管腔に接続する単一の弁、または各バルーンのそれぞれの弁管腔に個々に接続する複数の弁の使用によって、同時に膨張させられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記膨張ポートは、前記バルーン要素と弁管腔との間にチャネルを生成する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記膨張ポートが、弁管腔の遠位端に位置するか、または各弁管腔の側面に対して垂直に位置する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記バルーン要素は、弁管腔および膨張ポートを通して膨張させられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
体内の尿の除去に使用されるカテーテルであって、
複数の長手方向に平行な管腔を有するフレキシブルなシャフトであって、各管腔が一定の断面寸法を有する、フレキシブルなシャフトと、
互いに離間した状態の自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの分割された先端に分割された遠位および自由端と、
前記分割された先端の前記自由端を互いに離間した状態で分離することによって形成された水平開口であって、前記水平開口は前記分割された先端の分離点に位置し、前記水平開口は尿の流れに対して垂直な断面を有する、水平開口と、
前記分割された先端の前記自由端に取り付けられ前記自由端を包含する少なくとも1つのバルーン要素と、および、
膨張ポートであって、前記長手方向に平行な管腔のそれぞれの遠位および自由端に、または長手方向に平行な管腔の側面に位置し、前記バルーンは前記膨張ポートを包含する、膨張ポートと、
を備えるカテーテル。
【請求項10】
体内の尿の除去に使用されるカテーテルであって、
複数の長手方向に平行な管腔を有するフレキシブルなシャフトであって、各管腔が一定の断面寸法を有する、フレキシブルなシャフトと、
互いに離間した状態の自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの分割された先端に分割された遠位および自由端と、
前記分割された先端の前記自由端を互いに離間した状態で分離することによって形成された水平開口であって、前記水平開口は前記分割された先端の分離点に位置し、前記水平開口は尿の流れに対して垂直な断面を有する、水平開口と、
前記分割された先端のそれぞれの前記自由端の近位に取り付けられた少なくとも1つのバルーン要素と、および、
膨張ポートであって、長手方向に平行な管腔の側面に位置し、前記バルーンは前記膨張ポートを包含する、膨張ポートと、
を備えるカテーテル。
【請求項11】
請求項10に記載のカテーテルであって、前記の単一のバルーン要素は、前記バルーンの弁管腔に接続する単一の弁を通して膨張させられる、カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0001】
米国特許第10,195,394号 B2 2019年2月 Havard
米国特許第 8,636,724号 B2 2014年1月 Wiita 他.
2006/0167406 A1 2006年7月 Quinn
米国特許第 3,954,110号 1976年5月 Hutchison
米国特許第 3,811,448号 1974年5月 Morton
米国特許第 3,889,686号 1975年6月 Duturbure
米国特許第 5,250,029 号 1993年10月 Lin 他.
2008/0071250 A1 2008年3月 Crisp
2010/0234668 A1 2010年9月 Roeder
2009/0221992 A1 2009年9月 Hannon 他
2011/0190737 A1 2011年8月 Rocco
2013/0281926 A1 2013年10月 Raux 他
2012/0203210 A1 2012年8月 Schanz 他
2015/0359996 A1 2015年12月 Arora 他
米国特許第 3,421,509号 1969年1月 Fiore
米国特許第 3,438,375 号 1969年4月 Ericson
米国特許第 4,022,216 号 1977年5月 Stevens
米国特許第4,154,242 号 1979年5月 Termanini
米国特許第4,217,903 号 1980年8月 Witherow
米国特許第 4,701,162 号 1987年10月 Rosenberg
米国特許第 4,233,983 号 1980年11月 Rocco
米国特許第 4,781,677 号 1988年11月 Wilcox
米国特許第 4,820,270 号 1989年4月 Hardcastle, 他
米国特許第 4,973,301 号 1990年11月 Nissenkorn
米国特許第 5,096,454 号 1992年3月 Samples
2009/0030370 A1 2009年1月 Nishtala; Vasu; 他.
2011/0082444 A1 2011年4月 Mayback; Gregory L.; 他.
2008/0125757 A1 2008年5月 Gobel; Fred
2002/0107540 A1 2002年8月 Whalen 他.
2005/0228402 A1 2005年10月 Hofmann
2008/0103443 A1 2008年5月 Kabrick 他.
2005/0186370 A1 2005年8月 Hamilton 他.
【技術分野】
【0002】
本発明は、体腔内に挿入されるように設計されたカテーテルに関する。 具体的には、本発明は、保持要素としても機能する拡張可能なバルーンによって分離されたときに流体排水の方法を生成する分割された先端部に依存する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、人体の様々な部分で利用され、体内の血管、管、および腔に流体を送達したり、体内の血管、管、および腔から流体を引き出したりする。 本発明をより良く説明するために、ここでは尿カテーテルについて説明する。 尿カテーテルは、尿道を通して膀胱の中に前進させられると、尿の受動的排水を可能にする。 しかしながら、異なる身体領域で使用される場合、同じ特徴をカテーテルに適用することができる。
【0004】
尿道カテーテルは、個人が自然過程を通して膀胱から尿を排除することが困難であることを経験するときに利用されることが多い。 尿カテーテルはまた、外科的手順の前または後に膀胱を空にするために使用され得、失禁の場合でさえ試験のための尿収集を可能にし得る。 最も一般的に使用される留置尿カテーテルであるフォーリーカテーテルは、数十年にわたって医療処置において使用されてきた。 これは、一般に、天然ラテックスまたはシリコーンから作製され、中心の排液管腔に沿って平行に位置する弁管腔からなる。 中心の排液管腔は、尿が膀胱内の排液ポートから収集バッグに移動することを可能にし、弁管腔は、外部弁を保持要素としての役割を果たすバルーンに接続し、滅菌水等の流体で膨張されると、膀胱内にカテーテル管を固定する。
【0005】
広く使用されているが、現在市販されている留置カテーテルは、膀胱への物理的外傷およびカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)を頻繁に引き起こす根本的な設計欠陥を共有する。多くのカテーテル設計では、カテーテル先端は、多くの場合、膀胱壁の中に突出し、膀胱の尿路上皮内層を損傷し、膀胱の抗菌障壁を阻害する。 加えて、尿の流れによって生成される内向きの力は、しばしば、膀胱壁を排水ポート上に吸引させ、また、膀胱壁を損傷させ、尿排水を妨害する。 これらの設計上の欠陥は、局所組織の感染および刺激のリスクの増大につながる。 加えて、排液ポートは、膨張した保持バルーンの上方に位置するため、排液ポートの下方の尿は、膀胱から排水されない。 残尿は、尿素を加水分解して尿のpHを上昇させる酵素であるウレアーゼを産生することができる細菌に感染しやすい。 その後、これは、膀胱内での結晶性物質の沈着および凝集をもたらし、カテーテルを通る尿の流れを最終的に遮断し得る付着物を形成する。 最終的に、カテーテル使用の結果としての頻繁な感染は、不快感を引き起こし得る。 未処置の感染は、重篤な疾患を生じ得るか、または特定の患者にとって致命的であることが証明され得る。 したがって、現在のカテーテル設計に代わる設計が大いに必要とされている。 記載される発明は、現在使用されているカテーテルに関連する前述の設計関連の問題に対処する製造可能な解決策を提供する。
【0006】
米国特許第8,636,724 B2号および米国特許第4,022,216号は両方とも、カテーテル先端を封入するバルーンと保持要素バルーンとの間に排水ポートが見出され得る、2バルーンシステムを利用する、カテーテル設計を開示する。 封入された先端は、カテーテルによって誘発される膀胱の内層への損傷を低減するが、高い排液ポートによる残尿が問題として残る。
【0007】
米国特許第9,126,008(B2)号は、カテーテルの遠位端上の2つのバルーンの間に位置付けられた少なくとも1つの排水ポートを有する尿カテーテル設計を開示している。 この設計は、高い排液ポートを回避することによって残尿の問題を軽減するが、排液ポートが垂直であるため、体の姿勢や動きによって排水ポートが尿道に沈み込むと、尿の流れが妨げられる場合がある。
【0008】
米国特許第10,195,394(B2)号は、カテーテル先端に取り付けられた膨張可能なバルーン保持要素と、すぐ下に位置する垂直排液ポートとを有する尿カテーテル設計を紹介している。 この場合も、残尿の問題を軽減するための、排液ポートの低い位置、および垂直の性質は、排液ポートが尿道内に沈むときの排液ポートの閉塞に伴う合併症を維持する。
【0009】
米国特許第4,575,371号は、カテーテル先端と膀胱壁との間の接触を防ぐために、排液ポート開口部の下に位置した保持バルーンを有する尿カテーテルを開示している。 この設計は、バルーンのより低い位置に起因して、排水ポートの上昇をもたらし、尿レベルが排水ポートを下回って降下するとき、残尿の問題を維持する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、バルーン膨張を使用して中央管腔を下る尿の流れに対して垂直な水平開口を備えた排尿開口部を分離して露出させる分割カテーテル先端の実装を通じて、尿道カテーテルの使用に伴う前述の課題に対する解決策を提供する。
【0011】
露出したカテーテル先端、および高い位置にあるかまたは垂直断面を有する従来の排水ポートを回避することによって、この設計は、カテーテル先端による局所的な組織損傷、排液ポートに向かう膀胱壁の内向きの吸引、排水ポートの高さに起因する残尿、および身体の姿勢または動きに起因して排水ポートが尿道内に沈むリスクを防止する。
【0012】
別段の指示がない限り、「遠位」および「近位」は、それぞれ、尿道に挿入されるカテーテル先端および収集バッグに接続されたカテーテルの基部に向かう相対位置を指す。 用語「入口」および「排水ポート」は全て、先行技術の設計における尿の通路をいう。
【0013】
カテーテルは、複数の管腔を有するフレキシブルなシャフトからなる。 中心の管腔は、尿のような体液が体腔から外部収集バッグに移動することを可能にする。 中心の管腔からほぼ等距離に構成される他の管腔は、接続されたバルーン要素に滅菌水を送達し、バルーン膨張を可能にする。
【0014】
カテーテルの遠位端は、少なくとも2つの別個の先端に分割され、各先端は、それ自体のバルーン要素または隣接する先端と共有されるバルーン要素に接続される。 単一のバルーン要素が利用されるとき、その拡張は、カテーテルの遠位端の先端を分離し、中心管腔の遠位端における水平開口を暴露し、尿排水を可能にする。 複数のバルーン要素が利用されるとき、互いに対するバルーン要素の拡張は、中心管腔の遠位端における水平開口を暴露するであろう。
【0015】
バルーン要素はまた、カテーテルを膀胱内に固定する保持要素、ならびにカテーテルの先端が膀胱壁に触れることを防止する保護要素としても機能する。
中心管腔の遠位端は、膀胱と尿道との間の接合部に位置する水平開口として露出される。 本発明では、追加の排液ポートまたは入口は示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明で参照される図面は以下の通りである。
図1図1は、本来の場所における市販のフォーリーカテーテルを示す。
図2図2は、本来の場所における本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。
図3A図3Aは、弁管腔の遠位端に位置する膨張ポートの使用によって収縮したバルーン要素を伴う、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。
図3B図3Bは、弁管腔の遠位端に位置する膨張ポートの使用によって膨張したバルーン要素を伴う、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。
図4A図4Aは、弁管腔に垂直な側面の膨張ポートを使用して、カテーテル先端に接続される収縮したバルーン要素を伴う、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。
図4B図4Bは、弁管腔に垂直な側面の膨張ポートを使用して、カテーテル先端に接続される膨張したバルーン要素を伴う、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。
図5図5は、膨張したバルーン要素を有する、本発明の3つのカテーテル先端、3つのバルーン構成を示す。
図6図6は、膨張したバルーン要素を有する、本発明の4つのカテーテル先端、4つのバルーン構成を図示する。
図7図7は、膨張したバルーン要素を有する、本発明の2つのカテーテル先端、1つのバルーン構成を示す。
【発明の詳細な説明】
【0017】
図1は、膨張したバルーン104を使用してカテーテル101の遠位端を膀胱105内に保持する市販のフォーリーカテーテルの従来技術の設計を示す。 バルブ107は、弁管腔109および膨張ポート111を通してバルーン104を膨張させるために滅菌水を注入するために使用される。 尿は、排液ポート103から中央管腔110を通ってファンネル106に向かって移動し、最終的に外部収集バッグに排水される。
【0018】
保持バルーン104の上方のカテーテル先端102の位置は、膀胱内でカテーテル先端を露出させ、カテーテル先端が膀胱壁と頻繁に接触することを可能にし、不快感、膀胱の粘膜内層の損傷、および尿路感染の危険性の増加につながる。
カテーテル先端102と同様に、排液ポート103もまた、バルーン104の上方に位置する。 排液ポートの高い位置は、排液ポートの高さより下の尿が膀胱から排水されることを防止し、残尿の収集をもたらす。 停滞した残尿は、感染およびカテーテル装置上の付着物の凝集をもたらし得る細菌増殖を可能にし、さらに尿の流れを遮断する。
【0019】
図2は、膨張可能なバルーン104aおよび104bにそれぞれ接続されたカテーテル先端108aおよび108bからなる、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーンの構成を示す。 バルーン要素を膨張させるために使用される滅菌水を、弁107aおよび107bから、それぞれ、弁管腔109aおよび109bを通して注入することができる。 2つの弁が、より良く図示するために使用されているが、弁107aおよび107bはまた、1つの弁に組み合わせられ、滅菌水を弁管腔109aおよび109bの両方に同時に注入することもできる。 注入された滅菌水は、膨張ポート111aおよび111bを通って各バルーンに入る。 バルーン要素は、膨張させられると、保持要素として機能し、膀胱と尿道との間の接合部において膀胱内にカテーテル101の遠位端を固定する。 さらに、バルーン104aおよび104bはまた、尿の流れに対して垂直な断面を有する水平開口112を露出させるように機能し、尿が、外部収集バッグに入る前に、膀胱105から中心管腔110を下ってファンネル106に流れることを可能にする。
【0020】
現在使用されているカテーテル設計とは異なり、本発明は、高い位置にある垂直排液ポートを使用しない。 その代わりに、本発明は、膨張時にバルーン要素が互いに対して拡張するときに現れる水平開口を利用する。 この水平開口は、図示のように、膀胱と尿道との間の接合部に位置する。
【0021】
水平開口の低い位置およびその水平配向は、尿レベルにかかわらず一貫した尿流を可能にし、残尿が膀胱内に集まることを防止する。 バルーン要素は、膨張させられると、カテーテル先端の暴露を防止し、保持要素として機能し、排尿のために水平開口および中心管腔を暴露する。 開示された尿道カテーテルは、自然の尿道をシミュレートし、生来の機能性を模倣する。
【0022】
図3Aは、バルーン要素の膨張前の本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。 カテーテルの遠位端は、カテーテル先端108aおよび108bに分割され、それぞれ、バルーン要素104aおよび104bによって封入される。 注入された滅菌水は、弁管腔109aおよび109bを上方に移動し、弁管腔の遠位端にそれぞれ位置する膨張ポート111aおよび111bを通してバルーン要素を膨張させる。 バルーン要素が膨張させられると、尿は、中心管腔110の遠位端に位置する水平開口112から排水される。 しかしながら、バルーン膨張の前に、水平開口112は、分割された先端の間の間隙として存在する。 結合された先端部は、バルーン要素によって分離される前に、尿道および膀胱へのカテーテルの挿入を可能にする。
【0023】
図3Bは、バルーン要素の膨張後の本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。 滅菌水は、弁管腔109aおよび109bから移動し、弁管腔の遠位端にそれぞれ位置する膨張ポート111aおよび111bを通ってバルーン要素に進入する。 バルーン104aおよび104bは、球状幾何学形状に拡張し、膀胱内でカテーテルの遠位端を固定するように構成される。 膨張させられると、バルーン要素は、相互に対して拡張し、カテーテル先端108aおよび108bを分離し、中心管腔110の遠位端において水平開口112を暴露する。 現在使用されているカテーテル設計とは異なり、水平開口は、膀胱と尿道との接合部に位置し、尿の完全な排水を可能にし、残尿の収集を防止する。 さらに、本発明の水平開口は、分割されたカテーテル先端の間のギャップとして存在するので、動的であるという特徴があり、体の動きや向きの変化の際にも開いたままになる。
【0024】
図4Aは、管腔に垂直に位置する膨張ポートを使用して、その個別の弁管腔に接続される2つの収縮されたバルーンを伴う、本発明の2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を図示する。 バルーン要素を膨張させるために弁管腔109aおよび109bの遠位端における膨張ポートを使用するのではなく、膨張ポート111aおよび111bは、滅菌水がバルーン要素の中に流動するための通路を可能にするように、弁管腔の側面に位置する。 中央管腔110の遠位端において、水平開口112は、2つの分割されたカテーテル先端の間の間隙として存在する。
【0025】
図4Bは、管腔に垂直に位置する膨張ポートを使用して、その個別の弁管腔に接続される2つの膨張されたバルーン要素を伴う、2つのカテーテル先端、2つのバルーン構成を説明する。 バルーン要素104aおよび104bは、いったん膨張させられると、先端を封入するように構成され、取り付けられる。 滅菌水は、弁管腔109aおよび109bを上昇し、それぞれ、膨張ポート111aおよび111bを通してバルーン要素の中に進行することによって、バルーン要素に送達される。 バルーン104aおよび104bは、保持要素として機能するが、膨張に応じて相互に対して拡張されると、水平開口112を暴露するようにも機能する。 尿は、水平開口から中心管腔110を下って外部収集バッグに排水される。
【0026】
図5は、3つの膨張したバルーン要素を有する本発明の3つのカテーテル先端、3つのバルーン構成を示す。 バルーン104a、104b、および104cは、膨張させられ、中心管腔110の遠位端に位置する水平開口112を拡張させ、中心管腔を下る尿排水を可能にする。 バルーン要素は、図3Aまたは図4Aのいずれかに図示される取り付け方法によって、そのそれぞれのカテーテル先端に接続される。
【0027】
図6は、4つの膨張したバルーン要素を有する、本発明の4つのカテーテル先端、4つのバルーン構成を示す。 カテーテル先端108a、108b、108c、および108dにそれぞれ接続されるバルーン104a、104b、104c、および104dは、滅菌水によって膨張させられ、中心管腔110の遠位端に位置する水平開口112を拡張させ、露出させる。 バルーン要素は、図3Aまたは図4Aのいずれかにおける取り付け方法によって、そのそれぞれのカテーテル先端に接続される。
【0028】
図7は、1つの膨張したバルーン要素を有する、本発明の2つのカテーテル先端、1つのバルーン構成を示す。 中央バルーン要素104は、バルブ管腔109aおよび109bから移動する滅菌水がバルーン要素を膨張させるにつれて、カテーテル先端108aと108bとの間で拡張される。 バルーン104は、カテーテル先端108aおよび108bの外側表面に取り付けられる。 バルーン104は、それぞれ、膨張ポート111aおよび111bを通して、カテーテル先端108aおよび108bに接続される。 垂直構成が図示されているが、膨張ポートは、弁管腔に垂直であり、各弁管腔の側面に位置するか、またはカテーテル先端の遠位端に位置付けられることができる。 中心バルーン要素の膨張は、中心管腔110の遠位端に位置する水平開口112を露出させ、尿の排水を可能にする。 2つの弁管腔および2つの膨張ポートが図示されているが、1つの弁管腔および1つの膨張ポートがバルーン要素を弁と相互接続するように、1つのバルーン設計を構成することができる。
【0029】
本発明は、その詳細な例示的実施形態に関して記載される。 しかしながら、本明細書の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲および意図から逸脱することなく、上述の例示的な実施形態に対する変更を行うことができることが理解されるべきである。 図面は、一定の縮尺で描かれておらず、本発明の全範囲を限定することを意図していない。
本発明は、2つ以上のカテーテル先端および1つ以上のバルーン要素を伴う設計を説明するため、本設計の各例証は、バルーン要素またはカテーテル先端の数量を限定しない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
【国際調査報告】