(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240621BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240621BHJP
B60L 58/18 20190101ALI20240621BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
H02J7/00 H
H02J7/02 J
B60L58/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572716
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 CN2022104103
(87)【国際公開番号】W WO2023050963
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111159489.3
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼柯
(72)【発明者】
【氏名】鄂从吉
(72)【発明者】
【氏名】郭姿珠
(72)【発明者】
【氏名】潘▲儀▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503DA07
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC05
5H125BC30
5H125EE22
5H125EE23
5H125EE25
5H125EE27
(57)【要約】
異なる動作状況にある自動車(1)に必要な電気エネルギーを提供する電池パック(100)及び自動車(1)を開示する。電池パック(100)は、タスクマネージャ(20)、第1電池ユニット(11)及び第2電池ユニット(12)を含む。第1電池ユニット(11)と第2電池ユニット(12)は、タスクマネージャ(20)の制御下で、負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応して、必要な電気エネルギーを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池ユニット(11)及び第2電池ユニット(12)を含む電池パック(100)であって、
前記第1電池ユニット(11)は、第1電力範囲の電気エネルギーを出力し、
前記第2電池ユニット(12)は、第2電力範囲の電気エネルギーを出力し、
前記第2電力範囲が前記第1電力範囲よりも高く、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、タスクマネージャ(20)によって制御されて、負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応して、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項2】
前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、前記タスクマネージャ(20)の電池管理システムに適応するように、電気的に接続されており、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック(100)。
【請求項3】
タスクバス(13)をさらに含み、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、前記タスクバス(13)に並列接続され、前記タスクバス(13)は、前記タスクマネージャ(20)から制御命令を受信し、かつ、前記制御命令を前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に伝送し、前記第1電池ユニット(11)又は前記第2電池ユニット(12)は、前記制御命令を受信してから起動されて前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力し、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック(100)。
【請求項4】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニット(11)は、前記制御命令を受信してから起動されて、前記負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の電池パック(100)。
【請求項5】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記第1電池ユニット(11)は、前記制御命令を受信してからオフにされて、電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニット(12)は、起動されて現在の負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電池パック(100)。
【請求項6】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、いずれも前記制御命令を受信してから起動されて、共に前記負荷に電気エネルギーを提供し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項7】
前記第1電池ユニット(11)は、少なくとも1つのサブマスタパックを含み、前記サブマスタパックは、少なくとも1つの第1セル(11A)を含み、前記第1セル(11A)は、第1エネルギー密度及び第1電力密度を有し、
前記第2電池ユニット(12)は、少なくとも1つのサブスレーブパックを含み、前記サブスレーブパックは、少なくとも1つの第2セル(11A)を含み、前記第2セル(12A)は、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有し、
前記第1エネルギー密度は、第2エネルギー密度よりも大きく、第1電力密度は、第2電力密度よりも小さい、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項8】
前記第1電力範囲は、10~20KWであり、前記第2電力範囲は、50~100KWであり、或いは、
前記第1エネルギー範囲は、50~100KWhであり、前記第2エネルギー範囲は、10~30KWhである、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック(100)。
【請求項9】
前記第2電池ユニット(12)の第2セルの容量は、前記第1電池ユニット(11)の第1セルの容量の30%であり、
前記第2電池ユニット(12)のパワーウェイトレシオは、前記第1電池ユニット(11)のパワーウェイトレシオの1.5倍である、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の電池パック(100)。
【請求項10】
負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応するように電池パック(100)の第1電池ユニット(11)と第2電池ユニット(12)を制御し、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を制御する、ことを特徴とするタスクマネージャ(20)。
【請求項11】
前記タスクマネージャ(20)は、電池管理システムを含み、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に電気的に接続され、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御する、ことを特徴とする請求項10に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項12】
前記タスクマネージャ(20)は、タスクバス(13)を経由して前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に制御命令を送信し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)又は前記第2電池ユニット(12)を制御して起動させて、前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力させ、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する、ことを特徴とする請求項10又は11に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項13】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)を起動して負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項12に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項14】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)をオフにして電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニット(12)を起動して現在の負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項12又は13に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項15】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を起動して、共に前記負荷に電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を制御し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか一項に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項16】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池パック(100)、又は請求項10~15のいずれか一項に記載のタスクマネージャ(20)を含む、ことを特徴とする自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願番号が202111159489.3で、出願日が2021年9月30日である中国特許出願に基づいて提出され、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電源の分野に関し、特に、動力駆動装置に適用される電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、現在、電気自動車に用いられている組電池は、一般的に、数十~数百個の単セルが直列接続したものであり、電池管理システム(Battery Management System、BMS)、熱管理システムなどと組み合わせて電気自動車に動力を提供するが、電気自動車に必要な組電池の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力は、異なる動作状況で明らかに異なるため、同じタイプ及び仕様の電池を直列接続した組電池は、電気自動車の異なる電力への要求を迅速かつ正確に満たすことができず、さらに、電気自動車の性能を完全に利用することができない。
【発明の概要】
【0004】
上記従来技術の欠点に鑑み、本願の実施例は、自動車の異なる動作状況に対応して、異なる電力範囲を迅速かつ正確に出力できる電池パック、及び前述の電池パックを含む自動車を提供する。
【0005】
電池パックは、第1電池ユニット及び第2電池ユニットを含み、前記第1電池ユニットは、第1電力範囲の電気エネルギーを出力し、前記第2電池ユニットは、第2電力範囲の電気エネルギーを出力し、前記第2電力範囲が前記第1電力範囲よりも高く、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、タスクマネージャによって制御されて、負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応して、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供するのに適している。
【0006】
前記タスクマネージャの制御下で、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの電気エネルギー出力は、正確に制御され、現在の負荷の電力要求に基づいて、前記タスクマネージャは、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの電気エネルギー出力を迅速かつ柔軟に制御して、現在の負荷の電力要求を満たすことができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、前記タスクマネージャの電池管理システムに電気的に接続されるのに適しており、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御する。
【0008】
前記電池管理システムは、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの電力量及び動作状態を効果的かつリアルタイムに監視することができ、電力量及び動作状態に基づいて、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御して、良好な出力状態を保持して電気エネルギーを連続して出力することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記電池パックは、タスクバスをさらに含み、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、前記タスクバスに並列接続され、前記タスクバスは、前記タスクマネージャの制御命令を受信し、かつ前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットに伝送し、前記第1電池ユニット又は前記第2電池ユニットは、前記制御命令を受信してから起動されて前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力するのに適しており、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する。
【0010】
前記タスクマネージャは、前記タスクバスにより前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットに電気的に接続されることにより、前記タスクマネージャの制御命令は、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットに迅速に伝達することができ、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットの応答時間を効果的に短縮し、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットは、非常に速い速度で現在の負荷に必要な電気エネルギーを提供することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1電池ユニットの電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニットは、前記制御命令を受信してから起動されて、前記負荷に電気エネルギーを提供するのに適している。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1電池ユニットの電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記第1電池ユニットは、前記制御命令を受信してからオフにされて、電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニットは、起動されて現在の負荷に電気エネルギーを提供する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1電池ユニットの電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、いずれも前記制御命令を受信してから起動されて、共に、前記負荷に電気エネルギーを提供し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい。
【0014】
第1電池ユニットと第2電池ユニットが互いに連携して異なる給電モードを形成し、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、厳密な電気エネルギー出力制御を有し、電力量閾値を設定することにより、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、異なる電気エネルギー出力の組み合わせを実現し、前記タスクマネージャの制御下で、異なる負荷に対して効率的に連携することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第1電池ユニットは、少なくとも1つのサブマスタパックを含み、前記サブマスタパックは、少なくとも1つの第1セルを含み、前記第1セルは、第1エネルギー密度及び第1電力密度を有する。前記第2電池ユニットは、少なくとも1つのサブスレーブパックを含み、前記スレーブパックは、少なくとも1つの第2セルを含み、前記第2セルは、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有する。前記第1エネルギー密度は、第2エネルギー密度よりも大きく、第1電力密度は、第2電力密度よりも小さい。
【0016】
第2電池ユニットに含まれるサブスレーブパックの第2セルは、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有し、第2電力密度は、第1電池ユニットの第1セルの第1電力密度よりも大きいため、第2電池ユニットの体積は、第1電池ユニットの体積よりも小さく、第1電池ユニットと第2電池ユニットの合理的な空間レイアウトにより、電池パックの体積を効果的に小さくすることができるため、自動車の内部レイアウトに基づいて、適応的に調整して自動車の内部空間を節約しやすい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1電力範囲は、10~20KWであり、前記第2電力範囲は、50~100KWであり、或いは、前記第1エネルギー範囲は、50~100KWhであり、前記第2エネルギー範囲は、10~30KWhである。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第2電池ユニットの第2セルの容量は、前記第1電池ユニットの第1セルの容量の30%であり、前記第2電池ユニットのパワーウェイトレシオは、前記第1電池ユニットのパワーウェイトレシオの1.5倍である。
【0019】
前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットのセルの構成及びパラメータを設定することにより、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットは、効果的に電気エネルギー出力の組み合わせを形成することができ、異なる負荷、異なる電力要求に対して、前記タスクマネージャは、前記第1電池ユニット及び前記第2電池ユニットの電気エネルギー出力状態を正確に制御することができる。また、正確なパラメータ設定により、電池パックの生産消費を正確に計算し、電池パックの生産コストを合理的に削減することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、本願に係るタスクマネージャは、負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応するように電池パックの第1電池ユニットと第2電池ユニットを制御し、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットを制御する。
【0021】
いくつかの実施例において、前記タスクマネージャは、電池管理システムを含み、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットに電気的に接続され、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットの入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御するのに適している。
【0022】
いくつかの実施例において、前記タスクマネージャは、タスクバスにより前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットに制御命令を送信し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット又は前記第2電池ユニットを制御して起動させて、前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力させるのに適しており、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する。
【0023】
いくつかの実施例において、前記タスクマネージャは、前記第1電池ユニットの電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニットを起動して負荷に電気エネルギーを提供する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記タスクマネージャは、前記第1電池ユニットの電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニットをオフにして電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニットを起動して現在の負荷に電気エネルギーを提供する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記タスクマネージャは、前記第1電池ユニットの電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットを起動して、共に前記負荷に電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニットと前記第2電池ユニットを制御し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい。
【0026】
いくつかの実施例において、本願に係る自動車は、前述の電池パック又は前述のタスクマネージャを含む。従来技術に比べて、本願に係る電池パックは、第1電池ユニット又は第2電池ユニットを選択的に起動して異なる電力範囲の電気エネルギーを提供することにより、自動車の現在の動作状況に対して、異なる電力範囲の電気エネルギーを迅速かつ正確に提供し、同じタイプ及び仕様の組電池が異なる電力の電気エネルギーを出力する場合に切り替えが遅延することを防止し、自動車が異なる動作状況に正確に適応することを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の実施例における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は、本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
【
図1】本願の一実施例における自動車の概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示す電池パックの平面レイアウト構成を示す概略図である。
【
図3】
図2に示す自動車1の電池パックの動作の工程を示す概略図である。
【
図4】本願の実施例2における電池パックの平面概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の理解を容易にするために、以下、関連する図面を参照して本願をより全面的に説明する。図面には、本願の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本願は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではない。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本願の開示内容に対する理解をより完全かつ全面的にすることである。
【0030】
以下の各実施例の説明は、添付した図面を参照し、本願の実施され得る実施例を例示するために用いられる。本明細書で「第1」、「第2」などの部材に付けられた番号は、説明される対象を区別するためのものに過ぎず、何ら順序又は技術的な意味を有するものではない。なお、本願で言及される「接続」、「連結」とは、特別な説明がない限り、いずれも直接的な接続(連結)及び間接的な接続(連結)を含む。本願で言及される方向用語、例えば、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」などは、添付した図面に基づく方向に過ぎないため、使用される方向用語は、本願をより容易かつより明確に説明し理解するためのものであり、対象としている装置又は部品が特定の方向性を有し、特定の方向において構築及び操作するべきことを示すもの又は暗示するものではなく、したがって、本願を限定するものであると理解してはならない。
【0031】
なお、本願の説明において、別に明確な規定と限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した連結であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。なお、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を説明するためのものではない。
【0032】
また、本願で使用される用語「含む」、「含んでもよい」、「含有する」又は「含有してもよい」は、開示された対応する機能、操作、部品などの存在を示し、他の1つ以上のより多くの機能、操作、部品などを限定するものではない。また、用語「含む」又は「含有する」は、明細書に開示された対応する特徴、数、ステップ、操作、要素、部材又はそれらの組み合わせが存在することを示し、1つ以上の他の特徴、数、ステップ、操作、要素、部材又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではなく、排他的な含有をカバーすることを意図する。また、本願の実施形態を説明する場合、使用される「されてもよい」は、本願の1つ以上の実施形態を示す。そして、用語「例示的」は、例示を示すか又は例を挙げて説明することを意図する。
【0033】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本願の当業者が通常理解する意味と同じである。本明細書において、本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記述する目的のためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。
【0034】
電気自動車の動力システムにおいて、電気自動車に用いられているエネルギー貯蔵電池は、通常、複数の単セルが直列接続されてなり、各セルの重量エネルギー密度、体積エネルギー密度、電力密度が同じであるか又は類似する。そして、電池管理システム(Battery Management System、BMS)、熱管理システムなどと組み合わせて電気自動車に動力を提供する。電気自動車に必要な、組電池によって提供される電源電力は、異なる動作状況で明らかに異なり、例えば、電気自動車が安定して走行する場合、必要な電力が10~20KWであり、加速、減速及び制動エネルギー回収の場合、常に50~数百キロワットの電力を要する。
【0035】
電気自動車の組電池に対して、研究によると、電気自動車に必要な電源電力が異なる動作状況で異なり、同じタイプのセルを直列接続した組電池が明らかに1種類の電源電力のみしか提供できないため、組電池によって提供される電源電力は、電気自動車の要求と完全かつ正確に一致できず、それにより、電気自動車の性能を完全に利用できないとともに、同じタイプのセルを直列接続した組電池は、大きな空間を占有することを発見した。
【0036】
本願は、異なるエネルギー密度のセルを組み合わせた組電池を電気自動車の動力源として提供することにより、自動車の異なる動作状況における電力要求を効果的に満たすことができ、そして、組電池内部の各電池パック間の空間構造の設計を、自動車の内部空間に基づいて適応的に調整することができ、従来の電池パックが大きな空間を占めるという問題を効果的に解決することができる。
【0037】
図1は、本願の一実施例における自動車の概略ブロック図である。
図1に示すように、自動車1は、電池パック100、車両コントローラ200及びモータ300を含む。電池パック100は、車両コントローラ200及びモータ300に電気的に接続され、モータ300に駆動電気エネルギーを提供する。車両コントローラ200は、電池パック100、モータ300及び自動車1の他の各機能モジュールの関連信号を収集し、そして、収集した信号に基づいて、自動車がモータ300の駆動により良好な動作状態になるようにモータ300及び電池パック100の動作状態を適応的に調整する。モータ300は、電池パック100の制御下で、対応する動力駆動操作を実行することにより、自動車1が異なる走行状態又は制動状態にある。
【0038】
例示的な実施例において、モータ300は、誘導モータ、永久磁石同期モータ、スイッチトリラクタンスモータ及び電気自動車に用いられる他のモータであってもよく、本願には、限定されない。
【0039】
図1に示すように、電池パック100は、電池ユニット10及びタスクマネージャ20を含む。上記電池ユニット10は、エネルギー貯蔵動力装置であり、自動車1の各機能モジュール又は部材の正常動作に必要な電気エネルギーを提供する。タスクマネージャ20は、電池ユニット10、車両コントローラ200及びモータ300に電気的に接続され、信号のやり取りと伝送を実行し、電池ユニット10の充電状態、電圧、電流、温度などを検出し、対応する計算、判断及び処理を行った後、タスクマネージャ20は、電池ユニット10の充放電を制御する制御命令を出力するとともに、車両コントローラ200と連携して共にモータ300の動作状態を制御する。
【0040】
車両コントローラ200は、タスクマネージャ20及びモータ300の関連パラメータを収集し、対応する計算、判断を行った後、タスクマネージャ20に対して、対応する操作命令を出す。タスクマネージャ20は、命令を受信した後に電池ユニット10の動作状態を制御し、車両コントローラ200と連携してモータ300の動作を制御する。電池ユニット10の動作状態は、電池ユニット10の充電状態、電圧の大きさ、電流の大きさ、温度の高低などを含む。
【0041】
図2は、
図1に示す電池パック100の平面レイアウト構成を示す概略図である。
図2に示すように、第1電池ユニット11には、自動車の必要に応じてN個のサブマスタパックが設けられてもよく、N個のサブマスタパックの電力密度とエネルギー密度は、必要に応じて完全に同じであるか又は一定の差があるように設定されてもよく、本願には、限定されない。第2電池ユニット12には、必要に応じてM個のサブスレーブパックが設けられてもよく、M個のサブスレーブパックの電力密度とエネルギー密度は、必要に応じて完全に同じであるか又は一定の差があるように設定されてもよく、本願は、限定されない。N、Mは、1以上の整数である。
【0042】
電池ユニット10は、第1電池ユニット11、第2電池ユニット12及びタスクバス13を含む。本実施例において、Nが2であり、Mが4である場合、第1電池ユニット11は、第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112を含み、第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112は、いずれも1つの第1セル11Aを含み、第1セル11Aは、第1エネルギー密度及び第1電力密度を有し、第1エネルギー密度は、第1エネルギー範囲にあり、第1電力密度は、第1電力範囲にある。
【0043】
理解及び説明を容易にするために、X軸方向を第1方向とし、Y軸方向を第2方向として座標系を作成し、第1方向Xが第2方向Yに垂直である。第1サブマスタパック111と第2サブマスタパック112は、第1方向Xに沿って所定の距離をあけて並設される。第1電池ユニット11は、負荷としての自動車1が安定して走行するときに、モータ300に持続的な電気エネルギーを提供する。
【0044】
第2電池ユニット12は、第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124を含む。第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124は、いずれも3つの第2セル12Aを含み、いずれも3つの第2セル12Aが直列接続されたものである。第2セル12Aは、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有し、第2エネルギー密度は、第2エネルギー範囲にあり、第2電力密度は、第2電力範囲にある。
【0045】
第1サブスレーブパック121と第2サブスレーブパック122は、第1方向Xに沿って所定の距離をあけて並設され、第2方向Yに沿って第1電池ユニット11の一側に設けられ、第3サブスレーブパック123と第4サブスレーブパック124は、第1方向Xに沿って所定の距離をあけて並設され、第2方向Yに沿って第1電池ユニット11の他側に設けられる。
【0046】
換言すれば、第1サブスレーブパック121と第2サブスレーブパック122は、第2方向に沿って、それぞれ一方のサブマスタパックの外側に隣接して設けられ、第3サブスレーブパック123と第4サブスレーブパック124は、第2方向に沿って、それぞれ他方のサブマスタパックの外側に隣接して設けられる。第2電池ユニット12は、自動車1が加速、減速及び制動などの状態にあるときにモータ300に瞬間的な高電力の電気エネルギー出力を提供する。第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックは、タスクバス13に並列接続される。
【0047】
代替的には、本願の他の実施例において、第1電池ユニット11のサブマスタパックの数、サブマスタパックの第1セル11Aの数、第2電池ユニット12のサブスレーブパックの数、及びサブスレーブパックの第2セル12Aの数を、自動車1の実際の必要に応じて調整することができ、これに限定されず、第2セルの容量は、第1セルの容量の30%である。
【0048】
第1電力範囲は、10~20KWであり、第2電力範囲は、50~100KWであり、第1エネルギー範囲は、50~100KWhであり、第2エネルギー範囲は、10~30KWhであり、第1セル11A及び第2セル12Aは、第1、第2電力範囲及び第1、第2エネルギー範囲がいずれも前述の数値範囲にあるように設定されてもよく、第1、第2電力範囲のみが対応する数値範囲にあるように設定されてもよく、第1、第2エネルギー範囲のみが対応する数値範囲にあるように設定されてもよく、自動車1の実際の必要に応じて設定されてもよく、本願は、限定されない。
【0049】
さらに、第2エネルギー範囲は、第1エネルギー範囲の約30%であり、すなわち、第2電池ユニット12のエネルギー密度は、第1電池ユニット11のエネルギー密度の約30%であり、エネルギー密度が単位体積あたりに含まれるエネルギーである。第1電力密度は、5~10Cの5秒放電能力であり、第2電力密度は、10C(充放電電流/定格容量)以上の5秒放電能力であり、すなわち、第1電池ユニット11は、5~10Cの5秒放電能力を有し、第2電池ユニット12は、10C以上の5秒放電能力を有する。
【0050】
第1電池ユニット11と第2電池ユニット12のセルの構成及びパラメータを設定することにより、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12は、効果的に電気エネルギー出力の組み合わせを形成することができ、異なる負荷、異なる電力要求に対して、タスクマネージャ20は、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の電気エネルギー出力状態を正確に制御することができる。また、正確なパラメータ設定により、電池パックの生産消費を正確に計算し、電池パックの生産コストを合理的に削減することができる。
【0051】
第2電池ユニット12の少なくとも2つのサブスレーブパックは、第2電力範囲内の異なる電力の電気エネルギーを出力することにより、異なるサブスレーブパックは、組み合わせて、自動車1の加速、減速及び制動など、瞬間的な出力電力が大きい動作状況に対応して、正確かつ迅速に切り替えて異なる電力の電気エネルギーを出力することができる。例えば、第1サブスレーブパック121と第2サブスレーブパック122は、共に連携して加速動作状況に必要な第2電力範囲の電力の電気エネルギーを出力し、第3サブスレーブパック123は、減速動作状況に必要な第2電力範囲の電力の電気エネルギーを出力し、第4サブスレーブパック124は、制動動作状況に必要な第2電力範囲の電力の電気エネルギーを出力する。
【0052】
代替的には、本願の他の実施例において、第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124は、実際の必要に応じて様々に組み合わせて、第2電力範囲内の瞬間的な電力が大きい電気エネルギーを出力することができ、前述の例に限定されない。
【0053】
例示的な実施例において、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12のセルの材料は、自動車1の必要に応じて、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛結晶電池及び空気亜鉛電池であってもよく、本願の実施例には、限定されない。
【0054】
例示的な実施例において、第1電池ユニット11は、高いエネルギー密度を有するため、自動車1に高い航続力を提供することができる。第2電池ユニット12は、高い電力密度を有し、自動車1が制動、加速などの動作状況にあるときに瞬間的な高電力出力を提供する。電池ユニット10のうちの、第1電池ユニット11の高いエネルギー密度と第2電池ユニット12の高い電力密度とを組み合わせることにより、自動車1が加速、制動及び安定走行などの異なる動作状況にあるときに、モータ300に電気エネルギーを提供し、対応する電力要求を満たすことができる。これにより、上記電池パック100は、エネルギー密度及び電力密度が異なるサブパックにより異なる電力の電気エネルギーを出力することにより、自動車1の異なる動作状況における動力及び電源電力の要求を満たすことができる。
【0055】
例示的な実施例において、第1電池ユニット11の5Cレート特性は、70%よりも小さく、第2電池ユニット12の5Cレート特性は、70%よりも大きく、第1電池ユニット11の電力密度と第2電池ユニットの電力密度とは、一定の比例関係を有する。いくつかの実施例において、第2電池ユニット12の平均パワーウェイトレシオは、第1電池ユニット11の平均パワーウェイトレシオの1.5倍である。上記パワーウェイトレシオは、モータ300の最大電力と自動車1の総重量の比であり、単位がW/kgである。上記平均パワーウェイトレシオは、以下のように求められる。室温で、100%充電状態(State of charge、SOC)の電池を1Cの電流で30分間放電した後、所定の最大放電電流で10秒放電して、10秒放電パワーウェイトレシオを得てから、30分間静置した後、所定の最大充電電流で10秒充電して、10秒充電パワーウェイトレシオを得て、10秒放電パワーウェイトレシオと10秒充電パワーウェイトレシオとの平均値を求めると、平均パワーウェイトレシオを得る。
【0056】
代替的には、本願の他の実施例において、Nが1であり、Mが2である場合、すなわち、第1電池ユニット11が1つのサブマスタパックを含み、第2電池ユニット12が2つのサブスレーブパックを含む電池パック10において、第1電池ユニット11のサブマスタパックは、60KWhのエネルギー密度を用いて、0.5~1Cの充放電能力の上限、すなわち、電力範囲を有する。第2電池ユニット12のサブスレーブパックは、それぞれ30KWhの3Cの充放電能力の上限を有するサブスレーブパック、及び10KWhの10Cの充放電能力の上限を有するサブスレーブパックである。電池パック10の総電力量は、100KWhであり、連続出力電力は、60*1+30*3+10*10=250KWであり、同じセル材料で構成された電池パックの連続電力の上限を超えるため、本願に係る電池パック100は、自動車1が高い航続力を有することを保証するとともに、自動車1の瞬間的な高電力の電気エネルギーの出力要求を満たし、すなわち、自動車1の異なる動作状況における電力要求を柔軟に満たすことができる。
【0057】
例示的な実施例において、電池ユニット10の充電時間は、単一のエネルギーパラメータを有する電池パックに比べてはるかに短く、電池ユニット10は、6分間内で、10KWh+30%*30KWh+10%*60KWh=25KWhの電力量を充電できるが、単一のエネルギーパラメータを有し、1.5Cの急速充電能力を有する100KWhの電池パックでは、0.15*100KWh=15KWhのみの電力量を充電できる。したがって、本願の電池パック100は、従来の電池パックに比べてより速く瞬間充電できるという能力を有する。
【0058】
さらに、
図1及び
図2に示すように、本実施例において、タスクマネージャ20は、具体的には、DCコンバータ21、BMS22及び電子制御装置23を含む。DCコンバータ21は、タスクバス13に電気的に接続され、第1電池ユニット11、第2電池ユニット12から出力された高電圧直流を低電圧直流へ変換して車両低電圧電子機器に供給する。
【0059】
BMS22は、電池ユニット10及び車両コントローラ200に電気的に接続されて、信号伝送を実現し、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックの充電状態、温度、電圧などのパラメータをリアルタイムに検出し、そして、BMS22は、検出したパラメータを計算し、判断し処理し、処理結果を車両コントローラ200に送信する。BMS22は、処理結果に基づいて、対応する自己保護動作、例えば、過充電保護、過放電保護、過温度保護などを実行するように第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12を制御する。BMS22は、DCコンバータ21及びタスクバス13により第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックに対して選択的な充電及び放電を行って、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の電力量を割り当てる。
【0060】
電子制御装置23が電池ユニット10、BMS22、車両コントローラ200及びモータ300に電気的に接続されて信号伝送を実現し、車両コントローラ200の命令信号及びBMS22から伝送された電池検出信号を受信し、受信した信号を処理することにより、電池ユニット10のモータ300への放電電力を制御して、上記モータ300の動作の制御を実現する。
【0061】
例示的な実施例において、DCコンバータ21は、双方向に流れるように電流を制御できる双方向DCコンバータであり、タスクバス13は、第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124とに電気的に接続されるため、DCコンバータ21は、タスクバス13により第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124とによって入出力される電気エネルギーを正確に制御することができる。
【0062】
例示的な実施例において、自動車1が加速、減速及び制動などの瞬間的な出力電力が大きいタスクモードにあるときに、タスクマネージャ20は、自動車1の様々なタスクモードにおける電力要求に基づいて、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の具体的な給電方式を制御することができる。例示的な実施例において、電池パック100は、自動車1に電気エネルギーを提供する場合、タスクマネージャ20の制御下で、少なくとも以下の3種類の給電方式を有する。
【0063】
給電方式1、第1電池ユニット11の電力量が第1閾値よりも大きく、自動車1が等速低電力で動作する場合、その電力要求範囲は、10~20KWである。このとき、タスクマネージャ20は、タスクバス13により制御命令を出力し、該制御命令は、第1電池ユニット11を起動して現在の負荷としてのモータ300などの電気エネルギー駆動モジュールに電気エネルギーを提供するためだけに用いられる。本実施例において、第1閾値は、第1電池ユニット11の総電力量の70%であるように設定されてもよく、もちろん、第1閾値は、実際の必要に応じて、例えば、総電力量の60%~95%に調整されてもよく、ここでは、限定しない。
【0064】
給電方式2、第1電池ユニット11の電力量が第2閾値よりも小さく、自動車1が低電力で動作する場合、その電力要求範囲は、10~20KWであり、このとき、タスクマネージャ20は、タスクバス13により制御命令を出力し、該制御命令は、第1電池ユニット11をオフにして電気エネルギーの出力を停止するとともに、第2電池ユニット12を起動することにより、第2電池ユニット12が、現在の負荷としてのモータ300などの電気エネルギー駆動モジュールに電気エネルギーを提供する。本実施例において、第2閾値は、第1電池ユニット11の総電力量の20%であるように設定されてもよく、もちろん、第2閾値は、実際の必要に応じて、例えば、総電力量の10%~30%に調整されてもよく、ここでは、限定しない。
【0065】
給電方式3、第1電池ユニット11の電力量が第1閾値よりも小さく、第2閾値よりも大きく、すなわち、第1電池ユニットの残存電力量が20%~70%にあり、自動車1が高電力動作状態にある場合、その電力要求範囲は、50~100KWであり、このとき、第1電池ユニット11が単独で現在の動作状況の高電力要求を満たすことができず、タスクマネージャ20は、タスクバス13により制御命令を出力し、該制御命令は、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の両方を起動することにより、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の両方が、現在の負荷としてのモータ300などの電気エネルギー駆動モジュールに電気エネルギーを提供して、現在の自動車1のモータなどの負荷の高電力要求を満たす。
【0066】
さらに、タスクマネージャ20は、自動車1の様々なタスクモードにおける電力要求に基づいて、それぞれ第2電力範囲の異なる電力の電気エネルギーを出力するように第2電池ユニット12の各サブスレーブパックを制御することができる。例えば、自動車1が加速タスクモードにあるときに、タスクマネージャ20は、制御命令を出力し、該制御命令は、第1サブスレーブパック121及び第2サブスレーブパック122を起動して、対応する電力の電気エネルギーをモータ300に出力することにより、加速タスクモードにある自動車1に電気エネルギーを提供し、すなわち、自動車1の加速に必要な瞬間的な高電力の電気エネルギーは、完全に第1サブスレーブパック121及び第2サブスレーブパック122から出力され、他のサブパックが関与しない。
【0067】
タスクマネージャ20は、制御命令を出力し、該制御命令は、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124を起動して、減速及び制動のタスクモードにある自動車1に電気エネルギーを提供することができ、すなわち、自動車1の減速及び制動に必要な高電力出力は、完全に第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124に依存し、他のサブパックが関与しない。具体的なタスクモードにおける各サブパックの電気エネルギー出力の割り当て方法は、自動車1の電力要求に基づいて決定することができ、本願は、限定されない。
【0068】
例示的な実施例において、タスクマネージャ20は、さらに、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパック間の接続を導通するか又は遮断する機能と、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパック間の相互充放電の自動均等化機能と、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックの出力電流を動的かつ迅速(応答時間<1s)に切り替え、調整する機能と、加速、動力回収、安定走行などの具体的な動作状況に基づいて、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックの負荷、入力電流、及び出力電流を動的に調整する機能と、充電時に、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の各サブパックの充電順序を制御し、一定の割合で異なるサブパックに補充するように電流を制御する機能と、のうちの1つ以上の機能を実行する。
【0069】
本実施例において、
図1及び
図2に示すように、車両コントローラ200は、DCコンバータ21、BMS22及び電子制御装置23に電気的に接続されて信号伝送を実現し、DCコンバータ21、BMS22、電子制御装置23及び自動車の他の各部材の信号を収集してから、総合的に計算し、判断し、DCコンバータ21、BMS22及び電子制御装置23に対して、対応する命令を出す。DCコンバータ21、BMS22及び電子制御装置23の制御と、電池ユニット10の充電、放電の制御とにより、モータ300の動作動力を調整することにより、自動車1が良好な動作状態になるようにDCコンバータ21、BMS22、電子制御装置23及び自動車1の他の部材は、連携して自動車1の動作状況を調整する。
【0070】
タスクマネージャ20の制御下で、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の電気エネルギー出力は、正確に制御され、現在の負荷の電力要求に基づいて、タスクマネージャ20は、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の電気エネルギー出力を迅速かつ柔軟に制御して、現在の負荷の電力要求を満たすことができる。
【0071】
電池管理システム20は、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の電力量及び動作状態を効果的かつリアルタイムに監視することができ、電力量及び動作状態に基づいて、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御して、良好な出力状態を保持して電気エネルギーを連続して出力することができる。
【0072】
タスクマネージャ20は、タスクバス13により第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12に電気的に接続されることにより、タスクマネージャ20の制御命令は、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12に迅速に伝達することができ、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の応答時間を効果的に短縮し、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12は、非常に速い速度で現在の負荷に必要な電気エネルギーを提供することができる。
【0073】
第1電池ユニット11と第2電池ユニット12が互いに連携して異なる給電モードを形成し、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12は、適切な電気エネルギー出力制御を有し、電力量閾値を設定することにより、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12は、異なる電気エネルギー出力の組み合わせを実現し、タスクマネージャ20の制御下で、異なる自動車1の負荷に対して効率的に連携することができる。
【0074】
電池ユニット10において、第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12の配置位置は、電力密度の高い電池パックの配置位置がモータ300に近接し、電力密度の低いサブパックの配置位置が、電力密度の高い電池パックよりもモータ300から離れるというルールに従う。本実施例において、第1電池ユニット11とモータ300とは、第1距離D1をあけて配置され、第2電池ユニット12とモータ300とは、第2距離D2をあけて配置され、D1がD2よりも大きいため、第2電池ユニット12の配置位置が第1電池ユニット11よりもモータ300に近接し、第2電池ユニット12からモータ300までの電流伝送経路がより短い。
【0075】
図3は、
図2に示す自動車1の電池パック100の動作の工程を示す概略図である。
図3に示すように、その動作ステップは、具体的には、以下のとおりである。
【0076】
ステップS101では、自動車1の動作状況検出を行い、現在の動作状況を出力する。検出された自動車1の動作状況には、ユーザによって入力された命令、及びセンサなどの検出装置の自律的検出を含む。ユーザによって入力された命令は、関連する、制動ブレーキ、加速、エココンのオンオフなどの操作命令を含む。
【0077】
ステップS102では、タスクマネージャは、現在の動作状況に基づいて、制御命令を出力する。いくつかの実施例において、タスクマネージャ20は、自動車1の現在の動作状況を受信した後、BMS22が動作状況を処理し判断し、その後に処理結果をタスクマネージャ20内部のDCコンバータ21及び電子制御装置23に送信し、DCコンバータ21は、処理結果に基づいて、電池ユニット10から出力された高電圧直流を低電圧直流へ変換して車両の低電圧電子機器に供給し、電子制御装置23は、命令に基づいてモータ300の動作を制御する。
【0078】
ステップS103では、タスクバス13は、上記制御命令を電池パック10に伝送し、タスクマネージャ20は、上記制御命令を出した後、タスクバス13により制御命令を電池パック100の電池ユニット10の第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12に伝送する。
【0079】
ステップS104では、電池ユニット10は、上記制御命令に基づいて、第1電池ユニット11又は第2電池ユニット12を選択して電気エネルギーを入出力する。いくつかの実施例において、電池ユニット10の第1電池ユニット11又は第2電池ユニット12は、上記制御命令によって起動され、DCコンバータ21と連携して、対応する電力の電気エネルギーの入力又は出力を実行する。
【0080】
ステップS105では、モータ300は、電池ユニット10によって提供された電気エネルギーに基づいて、対応する動力出力を実行し、モータ300は、制御命令に基づいてタスクマネージャ20の電子制御装置23と連携する電池ユニット10の対応する電力の電気エネルギーの出力により駆動されて動作する。
【0081】
図1~
図3に示すように、電池パック100において、自動車1の現在の動作状況を正確に識別することにより、BMS22は、DCコンバータ21及びタスクバス13により、第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124との電流入出力状態を正確に制御することができ、すなわち、現在の動作状況に基づいて、第1電池ユニット11又は第2電池ユニット12を正確に選択して起動して異なる電力範囲の電気エネルギーを提供するとともに、電池パック10が自動均等化、自己加熱などの機能を実現することができる。そして、自動車1の現在の高電力の動作状況を識別することにより、組み合わせるように第2電池ユニットの異なるサブスレーブパックを正確に制御して、自動車1の現在の異なる高電力の電気エネルギー出力要求を満たすことができる。また、BMS22は、第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124との充電状態、電流、電圧、温度などをリアルタイムに監視し、電子制御装置23及び車両コントローラ200とリアルタイムに信号通信し、信号の形態で電池ユニット10の状態を電子制御装置23及び車両コントローラ200に伝送することができる。
【0082】
さらに、電子制御装置23は、BMS22から伝送された信号を受信した後、分析し判断してから、モータ300に対して、対応する制御を行う。車両コントローラ200は、BMS22、電子制御装置23及び自動車1の他の部材の関連パラメータ信号を収集した後、総合的に計算し、判断し、処理し、BMS22、電子制御装置23及び自動車1の他の部材に対して、対応する調整制御命令を出すことにより、自動車1が良好な状態で動作する。
【0083】
例示的な実施例において、上記電池パック100は、バッテリー式電気自動車だけでなく、ハイブリッド車に用いられてもよく、バッテリー式電気自動車に用いられる電池パックの構成は、
図2に示す構成であってもよく、ハイブリッド車に用いられる電池パックは、構成が適応的に調整されてもよいが、内部の制御原理が変わらない。
【0084】
図4は、本願の実施例2における電池パック100’の平面概略構成図であり、
図4に示すように、
図2に示す電池ユニット10と類似し、電池ユニット10’の第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12のレイアウト方式のみで相違する。
【0085】
本実施例において、Nが2であり、Mが2である場合、第1電池ユニット11は、第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112を含み、第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112はそれぞれ、1つの第1セル11Aを含み、第1セル11Aは、第1エネルギー密度及び第1電力密度を有し、第1エネルギー密度は、第1エネルギー範囲にあり、第1電力密度は、第1電力範囲にある。X軸方向を第1方向として、Y軸方向を第2方向として、第1サブマスタパック111と第2サブマスタパック112は、第2方向に沿って電池ユニット10の中部位置に隣接して並設される。
【0086】
第2電池ユニット12は、第1サブスレーブパック121及び第2サブスレーブパック122を含み、第1サブスレーブパック121と第2サブスレーブパック122は、いずれも2つの第2セル12Aを含み、いずれも2つの第2セル12Aが直列接続されたものであり、第2セル12Aは、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有し、第2エネルギー密度は、第2エネルギー範囲にあり、第2電力密度は、第2電力範囲にある。第1サブスレーブパック121と第2サブスレーブパック122は、第2方向に沿って、第1電池ユニット11と所定の距離をあけて第1電池ユニットの両側に並設される。換言すれば、2つのサブスレーブパックは、第2方向に沿って、それぞれ2つのサブマスタパックの外側に隣接して設けられ、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12は、タスクバス13に並列接続される。
【0087】
ハイブリッド式自動車1は、燃料が不足するか又は電源エネルギー供給モードに切り替えられる場合、電池ユニット10’がモータ300に十分な電気エネルギーを提供し、自動車のエネルギーを節約し、自動車の正常走行を保証する。電池ユニット10’の第1電池ユニット11、第2電池ユニット12の具体的な動作原理及び方式は、
図1~2に示す電池ユニット10の動作方式と同じであり、本実施例は、説明を省略する。
【0088】
例示的な実施例において、本願で設計された電池ユニット10は、少数種類のセルを組み合わせて構成され、組み合わせ配列方式は、空間レイアウトに基づいて適応的に調整することができ、電池パックの空間占有率を大幅に低下させることができ、また、本願の電池パックのセルは、数十種類の製品型番を必要とせず、少数種類の製品型番だけで大部分の電池パックのエネルギー及び電力の要求を満たすことができ、セル製造の生産ラインの連続生産能力を顕著に向上させ、生産コストを削減する。
【0089】
なお、本願の適用は、上記例に限定されず、当業者であれば、上記説明に基づいて改善又は変更を行うことができ、これら全ての改善及び変更は、いずれも本願に添付された請求項の保護範囲に属するべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池ユニット(11)及び第2電池ユニット(12)を含む電池パック(100)であって、
前記第1電池ユニット(11)は、第1電力範囲の電気エネルギーを出力し、
前記第2電池ユニット(12)は、第2電力範囲の電気エネルギーを出力し、
前記第2電力範囲が前記第1電力範囲よりも高く、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、タスクマネージャ(20)によって制御されて、負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応して、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項2】
前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、前記タスクマネージャ(20)の電池管理システムに適応するように、電気的に接続されており、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック(100)。
【請求項3】
タスクバス(13)をさらに含み、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、前記タスクバス(13)に並列接続され、前記タスクバス(13)は、前記タスクマネージャ(20)から制御命令を受信し、かつ、前記制御命令を前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に伝送し、前記第1電池ユニット(11)又は前記第2電池ユニット(12)は、前記制御命令を受信してから起動されて前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力し、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック(100)。
【請求項4】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニット(11)は、前記制御命令を受信してから起動されて、前記負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の電池パック(100)。
【請求項5】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記第1電池ユニット(11)は、前記制御命令を受信してからオフにされて、電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニット(12)は、起動されて現在の負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項
3に記載の電池パック(100)。
【請求項6】
前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)は、いずれも前記制御命令を受信してから起動されて、共に前記負荷に電気エネルギーを提供し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい、ことを特徴とする請求項
3に記載の電池パック(100)。
【請求項7】
前記第1電池ユニット(11)は、少なくとも1つのサブマスタパックを含み、前記サブマスタパックは、少なくとも1つの第1セル(11A)を含み、前記第1セル(11A)は、第1エネルギー密度及び第1電力密度を有し、
前記第2電池ユニット(12)は、少なくとも1つのサブスレーブパックを含み、前記サブスレーブパックは、少なくとも1つの第2セル(11A)を含み、前記第2セル(12A)は、第2エネルギー密度及び第2電力密度を有し、
前記第1エネルギー密度は、第2エネルギー密度よりも大きく、第1電力密度は、第2電力密度よりも小さい、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック(100)。
【請求項8】
前記第1電力範囲は、10~20KWであり、前記第2電力範囲は、50~100KWであり、或いは、
前記第1エネルギー範囲は、50~100KWhであり、前記第2エネルギー範囲は、10~30KWhである、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック(100)。
【請求項9】
前記第2電池ユニット(12)の第2セルの容量は、前記第1電池ユニット(11)の第1セルの容量の30%であり、
前記第2電池ユニット(12)のパワーウェイトレシオは、前記第1電池ユニット(11)のパワーウェイトレシオの1.5倍である、ことを特徴とする請求項
7に記載の電池パック(100)。
【請求項10】
負荷の異なる動作状態にそれぞれ対応するように電池パック(100)の第1電池ユニット(11)と第2電池ユニット(12)を制御し、前記負荷に必要な電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を制御する、ことを特徴とするタスクマネージャ(20)。
【請求項11】
前記タスクマネージャ(20)は、電池管理システムを含み、前記電池管理システムは、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に電気的に接続され、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の状態パラメータを検出し、前記状態パラメータに基づいて、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御する、ことを特徴とする請求項10に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項12】
前記タスクマネージャ(20)は、タスクバス(13)を経由して前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)に制御命令を送信し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)又は前記第2電池ユニット(12)を制御して起動させて、前記第1電力範囲又は前記第2電力範囲の電気エネルギーを出力させ、前記制御命令は、前記負荷の異なる動作状態に対応する、ことを特徴とする請求項
10に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項13】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)を起動して負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項12に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項14】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第2閾値よりも小さい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)をオフにして電気エネルギーの出力を停止するとともに、前記第2電池ユニット(12)を起動して現在の負荷に電気エネルギーを提供する、ことを特徴とする請求項
12に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項15】
前記タスクマネージャ(20)は、前記第1電池ユニット(11)の電力量が第1閾値よりも小さく、かつ第2閾値よりも大きい場合、前記制御命令を出力し、前記制御命令により、前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を起動して、共に前記負荷に電気エネルギーを提供するように前記第1電池ユニット(11)と前記第2電池ユニット(12)を制御し、前記第1閾値は、前記第2閾値よりも大きい、ことを特徴とする請求項
12に記載のタスクマネージャ(20)。
【請求項16】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池パック(100)、又は請求項10~15のいずれか一項に記載のタスクマネージャ(20)を含む、ことを特徴とする自動車(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
代替的には、本願の他の実施例において、Nが1であり、Mが2である場合、すなわち、第1電池ユニット11が1つのサブマスタパックを含み、第2電池ユニット12が2つのサブスレーブパックを含む電池パック100において、第1電池ユニット11のサブマスタパックは、60KWhのエネルギー密度を用いて、0.5~1Cの充放電能力の上限、すなわち、電力範囲を有する。第2電池ユニット12のサブスレーブパックは、それぞれ30KWhの3Cの充放電能力の上限を有するサブスレーブパック、及び10KWhの10Cの充放電能力の上限を有するサブスレーブパックである。電池パック100の総電力量は、100KWhであり、連続出力電力は、60*1+30*3+10*10=250KWであり、同じセル材料で構成された電池パックの連続電力の上限を超えるため、本願に係る電池パック100は、自動車1が高い航続力を有することを保証するとともに、自動車1の瞬間的な高電力の電気エネルギーの出力要求を満たし、すなわち、自動車1の異なる動作状況における電力要求を柔軟に満たすことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
電池管理システムは、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の電力量及び動作状態を効果的かつリアルタイムに監視することができ、電力量及び動作状態に基づいて、第1電池ユニット11と第2電池ユニット12の入力電気エネルギー、出力電気エネルギーの電力範囲を制御して、良好な出力状態を保持して電気エネルギーを連続して出力することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
ステップS103では、タスクバス13は、上記制御命令を電池パック100に伝送し、タスクマネージャ20は、上記制御命令を出した後、タスクバス13により制御命令を電池パック100の電池ユニット10の第1電池ユニット11及び第2電池ユニット12に伝送する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
図1~
図3に示すように、電池パック100において、自動車1の現在の動作状況を正確に識別することにより、BMS22は、DCコンバータ21及びタスクバス13により、第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124との電流入出力状態を正確に制御することができ、すなわち、現在の動作状況に基づいて、第1電池ユニット11又は第2電池ユニット12を正確に選択して起動して異なる電力範囲の電気エネルギーを提供するとともに、電池パック
100が自動均等化、自己加熱などの機能を実現することができる。そして、自動車1の現在の高電力の動作状況を識別することにより、組み合わせるように第2電池ユニットの異なるサブスレーブパックを正確に制御して、自動車1の現在の異なる高電力の電気エネルギー出力要求を満たすことができる。また、BMS22は、第1電池ユニット11の第1サブマスタパック111及び第2サブマスタパック112と、第2電池ユニット12の第1サブスレーブパック121、第2サブスレーブパック122、第3サブスレーブパック123及び第4サブスレーブパック124との充電状態、電流、電圧、温度などをリアルタイムに監視し、電子制御装置23及び車両コントローラ200とリアルタイムに信号通信し、信号の形態で電池ユニット10の状態を電子制御装置23及び車両コントローラ200に伝送することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】