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特表2024-523137着色フォージドカーボンで作られた時計部品及び当該時計部品の製造方法
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  • 特表-着色フォージドカーボンで作られた時計部品及び当該時計部品の製造方法 図1a
  • 特表-着色フォージドカーボンで作られた時計部品及び当該時計部品の製造方法 図1b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】着色フォージドカーボンで作られた時計部品及び当該時計部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/22 20060101AFI20240621BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20240621BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G04B37/22 W
B29C70/06
A44C5/02 E
A44C5/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572784
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2022067213
(87)【国際公開番号】W WO2023274843
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】00754/21
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520032996
【氏名又は名称】マニュファクチュール ドルロジュリー オーデマ ピゲ エスアー
【氏名又は名称原語表記】Manufacture d’Horlogerie Audemars Piguet SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】シバウト レ ロアレル
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ サンチェス ノグエイラ
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AD16
4F205AH81
4F205HA19
4F205HA22
4F205HB01
4F205HC17
(57)【要約】
本発明は、部品としての少なくとも1つの樹脂を含む母体によって互いに固定される複数の切断炭素繊維を有する着色フォージドカーボンで作られた少なくとも1つの部分と、少なくとも1つの顔料を含む時計部品に関する。
前記顔料は、前記母体を構成する前記樹脂(複数可)と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとる。
前記顔料の粒子は、前記炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられると共に時計部品の一部の1つ以上の所定の領域に位置づけられる。
本発明はまた、当該時計部品の製造を可能にする製造方法にも関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品としての少なくとも1つの樹脂を含む母体によって互いに固定される少なくとも1つの被切断炭素繊維を有する着色フォージドカーボンで作られた少なくとも1つの部分と、少なくとも1つの顔料を含む時計部品であって、
前記顔料は、前記母体を構成する前記樹脂と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとり、
前記少なくとも1つの顔料の粒子は、前記炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられると共に前記部分の1つ以上の所定の領域に位置づけられる、
ことを特徴とする時計部品。
【請求項2】
請求項1に記載の時計部品であって、
前記母体を構成する前記1つの樹脂又は複数の樹脂と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとる少なくとも1つのさらなる顔料を含み、
前記少なくとも1つのさらなる顔料の前記粒子は、前記炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられ、前記所定の領域から離れた前記部分の1つ以上のさらなる所定の領域に位置づけられる、
ことを特徴とする時計部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の時計部品であって、前記母体の前記1つの樹脂又は前記少なくとも1つの樹脂はエポキシ型であることを特徴とする時計部品。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記母体が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミン、およびアミドを含む群から選択される基を含む架橋構造を有することを特徴とする時計部品。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記炭素繊維が50~900g/mで、より好適には150~600g/mの乾燥坪量を有することを特徴とする時計部品。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記炭素繊維は、1~15mm、好適には1~5mmの幅を有することを特徴とする時計部品。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記炭素繊維は、(ASTM D3039規格による)45GPaより大きく、好適には50GPaより大きいヤング率を有することを特徴とする時計部品。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記炭素繊維が、1500~50000本のフィラメントを含むストランドの形態でグループ化されることを特徴とする時計部品。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記顔料の前記粒子は、20~100μmの、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする時計部品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の時計部品であって、前記顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする時計部品。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の時計部品であって、当該時計部品は、時計用被覆部材、好適には中間部、ベゼル、底部、好適にはリュウズもしくはプッシュピースである外部制御部材、または腕輪であることを特徴とする時計部品。
【請求項12】
時計部品を製造するための着色フォージドカーボンで作られたブロックの製造方法であって、
a) 第1樹脂を含浸させた被切断炭素繊維を得て、前記第1樹脂の表面に、前記第1樹脂と混合できないか、前記第1樹脂に溶解しない少なくとも1つの顔料の固体粒子を配置する段階と、
b) 前記被切断炭素繊維を、好適には前記第1樹脂および/または前記第1樹脂と同じ化学的性質を有する第2樹脂と架橋剤を含む母体を用いて、金型内に配置する段階と、
c) 前記金型を閉じ、該金型に負圧を加える段階と、
d) 段階b)で形成された混合物の緻密化及び架橋を生じさせるのに適した昇圧及び昇温サイクルを適用する段階、
を有する方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂はエポキシ型であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂は、3000mPa.s.よりも大きな粘性を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11~13のいずれか一項に記載の方法であって、前記架橋剤が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミン、およびアミドを含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11~14のいずれか一項に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂を含む前記混合物、及び前記架橋剤は、350mPa.s.よりも大きな粘性を有することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11~15のいずれか一項に記載の方法であって、前記母体は150~220℃のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11~16のいずれか一項に記載の方法であって、前記母体が70重量%~90重量%、好適には75重量%~85重量%の樹脂の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項11~17のいずれか一項に記載の方法であって、前記段階b)において形成された前記混合物が、50~80重量%、好適には60~75重量%の炭素繊維の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項11~18のいずれか一項に記載の方法であって、前記段階b)で形成された前記混合物が0.5~10重量%、好適には1~5重量%の顔料の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項11~19のいずれか一項に記載の方法であって、前記顔料の前記粒子は、20~100μm、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項11~20のいずれか一項に記載の方法であって、前記少なくとも1つの顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項11~21のいずれか一項に記載の方法であって、前記段階d)が、少なくとも3つ、好適には少なくとも4つ、より好適には少なくとも5つの異なる温度レベルの適用を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項11~22のいずれか一項に記載の方法であって、前記段階a)~d)の実施後に得られる前記ブロックの機械加工の少なくとも1つのさらなる段階を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品としての少なくとも1つの樹脂を含む母体によって互いに固定される複数の被切断炭素繊維を含む着色フォージドカーボンで作られた少なくとも1つの部分と、少なくとも1つの顔料を含む時計部品に関する。
【0002】
発明はまた、時計部品の製造のための着色フォージドカーボンのブロックの製造方法に関する。
【0003】
以下、本明細書において、「炭素繊維」という表現は、実質的に同一方向に互いに対向して配置された複数の個々の炭素フィラメントからなるストランドを意味するのに使用される。
【背景技術】
【0004】
繊維強化樹脂に基づく着色複合材料は、特に時計の分野ですでに知られている。
【0005】
このような製品を製造するために、一般的に2つのアプローチが実施されている。
【0006】
第一のアプローチによれば、着色ガラス繊維が、場合によっては従来の黒色炭素繊維と併用して樹脂を強化するのに使用される。このアプローチに従って製造された時計ケースの例が下記リンクに示されている。
https://www.lepoint.fr/montres/sihh-2019-girard-perregaux-presente-le-carbon-glass-14-01-2019-2285643_2648.php
【0007】
第二の方法によると、顔料は複合化合物の母体を製造するために使用される樹脂に溶解される。この場合製造者は、実際に着色される最終製品の領域を製造者が制御できないことがある。その理由は、顔料を含む樹脂部分が移動する可能性があるためである。また、少なくとも2つの異なる色を持つ複合ブロックを制御しながら製造することも不可能である。というのも、特に加圧昇温操作中に母体を構成する樹脂が移動するためである。特に、樹脂の異なる着色部分がこの操作中に互いに混ざり合うことで、少なくとも1つの色が組み合わされてしまう。従って黄色顔料と青色顔料を併用すると、最終製品に緑色領域が生じてしまう。
【0008】
一例として特許文献1は、上述した種類の複合材料の製造方法を開示している。この特許出願は、当該製造方法の2つの変形実施形態を提供している。一の場合では、母体と混合する前に炭素繊維またはアラミド繊維に着色樹脂を含浸させる。他の場合では、母体は着色されるが、炭素繊維またはアラミド繊維は必ずしも着色されない。一の場合でも他の場合でも、使用される顔料は樹脂に溶解しており、その結果、上記で説明したように移行する可能性がある。
【0009】
その結果、良好な品質の着色フォージドカーボンで作られた複合製品を、着色領域の位置と色の両方が製造者によって制御されるように製造可能にする必要性が依然としてある。
【0010】
さらに、現在知られているフォージドカーボン系化合物は一般に、脆性の原因となる高い気孔率を示し、特定の時計部品-特に衝撃を受ける可能性のある時計部品および/または例えば制御プッシュピースのような寸法の小さい時計部品-の製造には不適当であると思われることにも留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2021/099433A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は、フォージドカーボンの機械的品質と、パラメータが事前に定義されることで製造業者によって制御され、その結果所望の外観と必要に応じた一定レベルの再現性を得ることを可能にする本来の着色とを有する時計部品を提案することによって、従来技術から知られている複合製品に代わるものを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的のため、本発明は、上述の種類の時計部品に関する。当該時計部品は、
前記顔料は、前記母体を構成する前記樹脂(複数可)と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとること、
前記顔料の粒子は、前記炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられると共に時計部品の一部の1つ以上の所定の領域に位置づけられること、を特徴とする。
【0014】
これらの特徴により、組成物が不可避的に最終的に無秩序な外見となってしまう既知の製品とは異なり、着色領域が事前に明確に画定されて所定の外観を有する時計部品の製造が可能となる。さらに、顔料の様々な粒子が母体と混合できないか、または母体に溶解されないため、当該組成物により、所定数の色を持つ製品を製造することも可能である。したがって既知の製品とは異なり、いかなる色の混合も回避される。
【0015】
好適実施形態によると、前記母体の少なくとも1つの樹脂がエポキシタイプであり得る。
【0016】
さらに前記母体が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミンおよびアミドからなる群から選択される基を含む架橋構造を有し得る。
【0017】
好適には、前記炭素繊維が50~900g/mで、より好適には150~600g/mの乾燥坪量を有することができる。
【0018】
有利となるように前記炭素繊維は、1~15mm、好適には1~5mmの幅を有し、場合によっては45GPa(ASTM D3039規格による)より大きい、好適には50GPaより大きいヤング率を有することもできる。
【0019】
また前記炭素繊維が、1500~50000本のフィラメントからなるストランドの形態でグループ化されることも可能である。
【0020】
さらに、前記顔料の粒子(複数可)は、20~100μmの、好適には20~80μmの寸法を有することもできる。
【0021】
一般に、顔料は好適には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択することができる。
【0022】
一般に当該時計部品は、時計用被覆部材、好適には中間部、ベゼル、底部、外部制御部材(特にリュウズまたはプッシュピース)、または腕輪用の被覆部材であり得る。もちろん当該時計部品は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から何ら逸脱することなく、時計ムーブメント部品であり得る。
【0023】
本発明は、時計部品の製造用の、着色フォージドカーボン製のブロックを製造する方法にも関する。当該方法は、a) 第1樹脂を含浸させた前記被切断炭素繊維を得る段階であって、前記樹脂第1樹脂の表面には、前記第1樹脂と混合できないか、または前記第1樹脂に溶解しない少なくとも1つの顔料の固体粒子が配置される、段階と、b) 前記被切断炭素繊維を、好適には前記第1樹脂および/または前記第1樹脂と同じ化学的性質を持つ第2樹脂と架橋剤を含む母体を有する金型に配置する段階と、c) 前記金型を閉じ、前記金型に負圧を加える段階と、d) 段階b)で形成された混合物の緻密化および架橋を生じさせるのに適した昇圧並びに昇温サイクルを適用する段階、
を有する。
【0024】
有利には、前記第1樹脂または前記第1樹脂および前記第2樹脂は、3000mPa.sより大きい粘度を有することができる。
【0025】
さらに、前記第1樹脂または前記第1樹脂および前記第2樹脂と、架橋剤を含む混合物が350mPa.sより大きい粘度を有することができる。
【0026】
好適には、前記母体は150~220℃のガラス転移温度(Tg)を有することができる。
【0027】
さらに有利には、前記母体が70重量%~90重量%、好適には75重量%~85重量%の樹脂の割合を有することができる。
【0028】
また、段階b)において形成された混合物が、50~80重量%、好適には60~75重量%の炭素繊維の割合を有することもできる。
【0029】
代替案として、または加えて、段階b)で形成された混合物が0.5~10重量%、好適には1~5重量%の顔料の割合を有することも可能である。
【0030】
さらに有利には、段階d)が、少なくとも3つ、好適には少なくとも4つ、より好適には少なくとも5つの異なる温度レベルの適用を含むことができる。
【0031】
一般に、本発明による方法が、段階a)~d)の実施後に得られるブロックの機械加工の少なくとも1つの追加段階を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として与えられる添付図面を参照して与えられる、好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より明確に現れるであろう。
【0033】
図1】1aおよび1bは、2つの異なる実施形態による本発明に係る方法の好適実施形態の実施段階を示す簡略化された図を表す。
図2】本発明によって得られ、複数の異なる色を有するブロックの写真を表す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、少なくとも1つの樹脂を成分として含む母体によって互いに固定された被切断炭素繊維からなる着色されたフォージドカーボンで作られた少なくとも1つの部分と、少なくとも1つの顔料とを含む時計部品に関する。より具体的には、本発明による時計用部品は、顔料が、母体が構成される(複数の)樹脂と混合することができないか、または母体が構成される(複数の)樹脂に溶解しない固体粒子の形態をとり、(複数の)顔料の粒子が、炭素繊維の少なくとも一部の表面上に位置し、時計用部品の関連する部分の1つ以上の所定の領域に位置するような構造を有する。
【0035】
次に、本発明による時計部品の好適特徴、及び、高品質のこのような時計部品の製造を可能にするために、好適には相対的に気孔率の低いフォージドカーボンのブロックの成形に基づく好適製造方法について、本明細書において説明する。
【0036】
一般に、本発明の文脈では、成形方法に関して様々なアプローチが可能である。使用される金型は、時計部品の所定の部分または時計部品全体を完成させるために機械加工されるブロックの製造を可能にする任意の形態を有することができる。代わりに、時計部品の一部または時計部品の全般的な形状に対応するが、より大きな寸法(「ニアシェイプ」)の金型を使用することも可能であり、その場合、成形品は一般的に時計分野で「ラフ」と呼ばれる。
【0037】
得ようとする部品の正確な寸法を直接的に有する型の使用は、本発明の文脈において完全に排除されるものではないが、次の理由から好ましくない。金型が鋭い隅部および/または凹部を有する場合には、金型の鋭い隅部および/または凹部において炭素繊維と母体との間の良好な分布を得ることが困難である場合がある一方、母体は硬化中にクリープ現象を受けるため、成形段階の後に得られる部品では一般に、表面上での母体の割合がより大きくなる。後者の場合、成形によって得られた部品は、明るい塑性材料の外観を有する可能性がある。この明るい塑性材料は、必ずしも高級時計部品の製造に適していないだけでなく、衝撃や傷に対する耐性が、母体と炭素繊維との間の割合がより均衡している材料の部分よりも低いことを意味する、
【0038】
上記から理解されるように、本発明による時計部品の製造は、被切断炭素繊維と、特に母体を画定するための少なくとも1つの樹脂、及び母体と混合できないか、または母体に溶解しない少なくとも1つの顔料の固体粒子の使用を含む。被切断炭素繊維とはすなわち、切断されたフィラメントのストランドの形態で一つにグループ化された炭素フィラメントで、これらのストランドはここでは炭素繊維と呼ばれる。
【0039】
一般に、本発明による時計部品の製造のための、着色されたフォージドカーボンからなるブロックを製造する方法は有利には、a) 第1樹脂を含浸させた被切断炭素繊維を得て、前記第1樹脂の表面に、前記第1樹脂と混合できないか、前記第1樹脂に溶解しない少なくとも1つの顔料の固体粒子を配置する段階、b) 前記被切断炭素繊維を、好適には前記第1樹脂および/または前記第1樹脂と同じ化学的性質を有する第2樹脂と架橋剤を含む母体を用いて、金型内に配置する段階、c) 前記金型を閉じ、該金型に負圧を加える段階、d) 段階b)で形成された混合物の緻密化及び架橋を生じさせるのに適した昇圧及び昇温サイクルを適用する段階、を有する。
【0040】
本発明の実施態様において使用される炭素繊維は、好適には、第1樹脂を予備含浸させた一方向性炭素繊維である。すなわち、ある量の第1樹脂が炭素繊維に塗布され、その結果、炭素繊維が周辺温度においてゼロでない接着力を示す。次いで、1種以上の顔料の固体粒子が、予備含浸された炭素繊維と混合され、予備含浸された炭素繊維の表面に付着することができる。
【0041】
予備含浸済み炭素繊維を顔料化するこのような段階は、炭素繊維が切断される前または後に関係なく実施することができる。
【0042】
(複数の)顔料の粒子は、予備含浸された炭素繊維と無作為に又は所定の制御された方法で混在させることができる。
【0043】
好適には、炭素繊維は、50~900g/m2、より好適には150~600g/m2のオーダーの乾燥坪量(含浸されていない状態)を有することができ、それらの各々は、1500~50000のオーダーのフィラメントの数を含むことができる。さらに炭素繊維は、有利には1~15mm、より好適には1~5mmの幅を有し、(ASTM D3039規格に従って測定された)45GPaより大きい、より好適には50GPaより大きいヤング率を有することができる。
【0044】
上述のように、一方では炭素繊維を予備含浸させるために、他方では母体を形成するために、同じ樹脂を使用することができる。あるいは、母体を形成するのに使用される第2樹脂は、炭素繊維を予備含浸するのに使用される第1樹脂とは異なってよい。この場合、2つの樹脂は同じ化学的性質を有するべきである。
【0045】
以下では、その樹脂(前記樹脂)又はある樹脂という用語を一般的に使用するが、これから述べる好適特性は、必要に応じて両方の樹脂に適用されることが理解される。
【0046】
好適には、本発明の実施態様の文脈で使用される樹脂は、好適にはエポキシタイプであり、有利には、最終的に得られるブロックの最終的な着色に影響しないように、中性色であることができる。樹脂は有利には比較的低い粘度と良好な濡れ性を有し、均一に分散することができ、最終的に得られるブロックに過度の多孔性の領域を形成する恐れのある空気領域を排除することが可能となる。従って、樹脂の粘度は好適には3000mPa.sである。
【0047】
従来、母体はまた、架橋剤または硬化剤(または「架橋物質」)を含み、この架橋剤は、好適には、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミンおよびアミドからなる群から選択することができる。
【0048】
好適には、母体は70~90重量%、より好適には75~85重量%の樹脂を含有する。
【0049】
樹脂と架橋剤を含む混合物は、好適には、その粘度が350mPa.sより大きく、母体のガラス転移温度Tgが150~220℃となるように製造することができる。
【0050】
使用する顔料(複数可)については、硬化段階では移動せずに堆積された炭素繊維の表面に残留するように、母体と本質的に混和しないか、母体に溶解しないことが好ましい。複数の異なる顔料が同時に使用される場合、特にそれらが互いに混合するのを避けることが可能になる。
【0051】
顔料または顔料は、好適には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカおよびそれらの混合物を含む群から選択することができる。顔料D-50のサイズは、好適には20~100μmで、より好適には80μm未満である。
【0052】
上記段階b)で形成された混合物では、炭素繊維の割合は、好適には50~80重量%、より好適には60~75重量%である。
【0053】
さらに、この混合物では、顔料の割合は、好適には0.5~10重量%、好適には1~5重量%である。
【0054】
一旦、予備含浸されると共に着色された被切断炭素繊維が、母体を最終化するための樹脂の可能な補完物と共に、適当な型内に配置されると、真空化-例えば少なくとも30mbarだけ大気圧より低い圧力(例えば900mbar)の適用-、次いで適当な昇圧サイクル-例えば4barの後に10bar-及び混合物の緻密化及び架橋を生じるための昇温サイクルが、上記の段階d)で述べたように適用される。
【0055】
図1aおよび図1bは、金型内に炭素繊維を配置することで最終的に得られるブロック1について2つの異なる結果をもたらす2つの異なる一般的なアプローチを概略的に示しておいる。
【0056】
図1aは、左側には、金型(図示せず)内の炭素繊維の無作為な配置、使用されている炭素繊維の4つのグループを模式的に示している。前記4つのグループでは、繊維Aは着色されておらず、繊維Bは第1顔料で着色され、繊維Cは第1顔料とは異なる第2顔料で着色され、繊維Dは最初の2つの顔料とは異なる第3の顔料で着色されている。硬化後に得られたブロック1が図1aの右側に模式的に示されている。ブロック1は最終的に、硬化サイクル前の金型内の分布に対応する様々な炭素繊維の無秩序な分布を有する。顔料の粒子は、硬化サイクルの前に覆っていた炭素繊維の表面に残っており、対応する色の混合は観察されない。したがって例えば、黄色、赤色、および青色の顔料を使用した場合、最終的に得られるブロック1には、紫色、オレンジ色、または緑色の着色領域の形成は観察されない。また特に、硬化サイクルの前に金型内の混合物の中心に配置されていた着色炭素繊維が、最終的に得られたブロック1の中心に依然として位置するので、ブロック1が全体として着色を示すことも観察される。
【0057】
同様に、図1bは、左側には、重ね合わせた層の形態の金型(図示せず)内の炭素繊維の配置を概略的に示している。炭素繊維は、例示的な非限定的な態様で、着色されていない繊維A、第1顔料で着色された繊維B、および第1顔料とは異なる第2顔料で着色された繊維Cの3つのグループに分布している。硬化後に得られたブロック1が図1bの右側に模式的に示されている。ブロック1は最終的に、硬化サイクルの前に金型に堆積された層に対応する層の形態をとる各異なる炭素繊維A、B、Cの分布を有する。
【0058】
よって硬化サイクルの後に最終的に得られるブロックの外観は予測可能であり、制御可能でさえあり、着色された炭素繊維の所定の分布を有するブロック1から時計部品を製造することが可能である。
【0059】
好適特性、特に5%未満、より好適には3%未満、さらに好適には1%未満の気孔率、及び特に衝撃に対する非常に良好な機械的強度を得るための硬化サイクルの例は、以下の通りである。
【表1】
(Tamb=周辺温度、Patm=大気圧)
【0060】
一般に、空隙率および機械的強度の点で最終的に得られるブロックの品質を向上させるために、好適には少なくとも2つのレベル、より好適には少なくとも3つのレベルの異なる温度の実施を優先させることが可能であろう。
【0061】
図2は、異なるそれぞれの色の領域を含む硬化サイクルの後に得られたブロックの例の写真を表している。図2に見えるブロックは、非限定的な例として、金型内に着色炭素繊維を配置し、同じ色の繊維を領域ごとにまとめることによって製造された。このようにして、様々な色の隣接領域が、使用される色間で混合することなく得られる。
【0062】
前述したように、硬化サイクルの後に最終的に得られたブロックは、特定の場合に応じて、時計部品の所望の部分または時計部品全体を製造するために、必要に応じて機械加工することができる。機械加工は、既知の適切な方法、特にレーザーまたはCNC機械によって行うことができる。
【0063】
今説明した方法を用いると、特に衝撃や傷に対する耐性という点で高レベルの機械的特性を示しながら、独創的な外観、特に所定のパターンに従って分布された様々な色の領域を有するために魅力的な外観を有する時計部品を製造することが可能である。
【0064】
したがって、本発明による方法を使用することにより、時計部品の製造者は、時計ムーブメントに組み込むことを意図しているか、または時計用のクラッド部材、好適には中間部、ベゼル、底部、外部制御部材、特にリュウズまたはプッシュピース、またはリストレット部材の製造を意図しているかにかかわらず、堅牢で魅力的な時計部品を提供することができる。
【0065】
上記の説明は、例示的かつ非限定的な方法で好ましい実施形態を説明するためのものであり、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本開示の内容を自身の要求に適合させることに特に困難はないであろう。
図1a
図1b
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品としての少なくとも1つの樹脂を含む母体によって互いに固定される複数の被切断炭素繊維を有する着色フォージドカーボンで作られた少なくとも1つの部分と、少なくとも1つの顔料を含む時計部品であって、
前記顔料は、前記母体を構成する前記樹脂と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとり、
前記少なくとも1つの顔料の粒子は、前記被切断炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられると共に前記少なくとも1つの部分の1つ以上の所定の領域に位置づけられる、
ことを特徴とする時計部品。
【請求項2】
請求項1に記載の時計部品であって、
前記母体を構成する前記1つの樹脂又は複数の樹脂と混合不可能又は不溶な固体粒子の形態をとる少なくとも1つのさらなる顔料を含み、
前記少なくとも1つのさらなる顔料の前記粒子は、前記被切断炭素繊維の少なくとも一部の表面上に設けられ、前記1つ以上の所定の領域から離れた前記少なくとも1つの部分の1つ以上のさらなる所定の領域に位置づけられる、
ことを特徴とする時計部品。
【請求項3】
請求項に記載の時計部品であって、前記母体の前記1つの樹脂又は前記複数の樹脂のうちの少なくとも1つはエポキシ型であることを特徴とする時計部品。
【請求項4】
請求項2に記載の時計部品であって、前記母体の前記1つの樹脂又は前記複数の樹脂のうちの少なくとも1つはエポキシ型であることを特徴とする時計部品。
【請求項5】
請求項に記載の時計部品であって、前記母体が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミン、およびアミドを含む群から選択される基を含む架橋構造を有することを特徴とする時計部品。
【請求項6】
請求項2に記載の時計部品であって、前記母体が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミン、およびアミドを含む群から選択される基を含む架橋構造を有することを特徴とする時計部品。
【請求項7】
請求項に記載の時計部品であって、前記炭素繊維が50~900g/mで、より好適には150~600g/mの乾燥坪量を有することを特徴とする時計部品。
【請求項8】
請求項2に記載の時計部品であって、前記炭素繊維が50~900g/m で、より好適には150~600g/m の乾燥坪量を有することを特徴とする時計部品。
【請求項9】
請求項に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維は、1~15mm、好適には1~5mmの幅を有することを特徴とする時計部品。
【請求項10】
請求項2に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維は、1~15mm、好適には1~5mmの幅を有することを特徴とする時計部品。
【請求項11】
請求項に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維は、(ASTM D3039規格による)45GPaより大きく、好適には50GPaより大きいヤング率を有することを特徴とする時計部品。
【請求項12】
請求項2に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維は、(ASTM D3039規格による)45GPaより大きく、好適には50GPaより大きいヤング率を有することを特徴とする時計部品。
【請求項13】
請求項に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維が、1500~50000本のフィラメントを含むストランドの形態でグループ化されることを特徴とする時計部品。
【請求項14】
請求項2に記載の時計部品であって、前記被切断炭素繊維が、1500~50000本のフィラメントを含むストランドの形態でグループ化されることを特徴とする時計部品。
【請求項15】
請求項に記載の時計部品であって、前記少なくとも1つの顔料の前記粒子は、20~100μmの、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする時計部品。
【請求項16】
請求項2に記載の時計部品であって、前記少なくとも1つの顔料と前記少なくとも1つのさらなる顔料の前記粒子は、20~100μmの、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする時計部品。
【請求項17】
請求項に記載の時計部品であって、前記少なくとも1つの顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする時計部品。
【請求項18】
請求項2に記載の時計部品であって、前記少なくとも1つの顔料と前記少なくとも1つのさらなる顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする時計部品。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の時計部品であって、当該時計部品は、時計用被覆部材、好適には中間部、ベゼル、底部、好適にはリュウズもしくはプッシュピースである外部制御部材、または腕輪であることを特徴とする時計部品。
【請求項20】
時計部品を製造するための着色フォージドカーボンで作られたブロックの製造方法であって、
a) 第1樹脂を含浸させた被切断炭素繊維を得て、前記第1樹脂の表面に、前記第1樹脂と混合できないか、前記第1樹脂に溶解しない少なくとも1つの顔料の固体粒子を配置する段階と、
b) 前記被切断炭素繊維を、好適には前記第1樹脂および/または前記第1樹脂と同じ化学的性質を有する第2樹脂と架橋剤を含む母体を用いて、金型内に配置する段階と、
c) 前記金型を閉じ、該金型に負圧を加える段階と、
d) 段階b)で形成された混合物の緻密化及び架橋を生じさせるのに適した昇圧及び昇温サイクルを適用する段階、
を有する方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂はエポキシ型であることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂は、3000mPa.s.よりも大きな粘性を有することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂は、3000mPa.s.よりも大きな粘性を有することを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法であって、前記架橋剤が、イソシアネート、ブロックイソシアネート、無水物、チオール、フェノール、アミン、およびアミドを含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法であって、前記第1樹脂、又は、前記第1樹脂と前記第2樹脂を含む前記混合物、及び前記架橋剤は、350mPa.s.よりも大きな粘性を有することを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法であって、前記母体は150~220℃のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法であって、前記母体が70重量%~90重量%、好適には75重量%~85重量%の樹脂の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法であって、前記段階b)において形成された前記混合物が、50~80重量%、好適には60~75重量%の炭素繊維の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項20に記載の方法であって、前記段階b)で形成された前記混合物が0.5~10重量%、好適には1~5重量%の顔料の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項21に記載の方法であって、前記段階b)で形成された前記混合物が0.5~10重量%、好適には1~5重量%の顔料の割合を有することを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項20に記載の方法であって、前記少なくとも1つの顔料の前記粒子は、20~100μm、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項21に記載の方法であって、前記少なくとも1つの顔料と前記少なくとも1つのさらなる顔料の前記粒子は、20~100μmの、好適には20~80μmの寸法を有することを特徴とする。
【請求項33】
請求項20に記載の方法であって、前記少なくとも1つの顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項20に記載の方法であって、前記少なくとも1つの顔料は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、マイカまたはそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項20に記載の方法であって、前記段階d)が、少なくとも3つ、好適には少なくとも4つ、より好適には少なくとも5つの異なる温度レベルの適用を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項21に記載の方法であって、前記段階d)が、少なくとも3つ、好適には少なくとも4つ、より好適には少なくとも5つの異なる温度レベルの適用を含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項2036のいずれか一項に記載の方法であって、前記段階a)~d)の実施後に得られる前記ブロックの機械加工の少なくとも1つのさらなる段階を含むことを特徴とする方法。
【国際調査報告】