(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】レーザ坑内伸長センシングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
E21B 7/15 20060101AFI20240621BHJP
G01N 21/71 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
E21B7/15
G01N21/71
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572837
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022072523
(87)【国際公開番号】W WO2022251823
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バタルセフ、サミーフ イッサ
(72)【発明者】
【氏名】アレリギ、ダミアン パブロ サン ロマン
【テーマコード(参考)】
2D129
2G043
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129BB20
2D129CB00
2G043AA01
2G043EA08
2G043JA01
2G043KA01
2G043KA02
2G043KA08
2G043KA09
2G043LA01
2G043LA03
(57)【要約】
本開示のいくつかの実施形態は、(i)レーザ源から入力ビームを受け取り、入力ビームを結合して坑内ターゲットに照射する照射ビームを供給するように構成された第1のセグメントと、1つ又は複数のパージパイプを収容する第2のセグメントと、を含む本体と、(ii)格納式ノズルと、格納式ノズルに取り付けられた1つ又は複数の光学感知素子であって、坑内ターゲットが照射ビームによって照射されているとき、格納式ノズルは、1つ又は複数の光学感知素子が坑内ターゲットの近くに位置付けられるように、坑内ターゲットに向かって伸長する、光学感知素子と、を含むツールヘッドと、を備えるレーザ掘削工具アセンブリを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ源からの入力ビームを受け取り、前記入力ビームを結合して坑内ターゲットに照射するための照射ビームを提供するように構成された第1のセグメント、及び
1つ又は複数のパージパイプを収容する第2のセグメント、を含む本体と、
格納式ノズル、及び
前記格納式ノズルに取り付けられた1つ又は複数の光学感知素子であって、前記照射ビームによって前記坑内ターゲットが照射されているとき、前記格納式ノズルは、前記1つ又は複数の光学感知素子が前記坑内ターゲットの近くに位置付けられるように、前記坑内ターゲットに向かって伸長する、前記1つ又は複数の光学感知素子、を含むツールヘッドと、を備える、
レーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項2】
前記1つ又は複数の光学感知素子は、光学的な明度センサ又はスペクトルセンサを含む、
請求項1に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項3】
前記明度センサは、電荷結合素子(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、アバランシェフォトダイオード(APD)又はフォトダイオード(PD)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項4】
前記スペクトルセンサは、走査センサ又はフーリエ変換赤外分光法(FTIR)センサのうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項5】
1つ又は複数の光学感知素子は、前記坑内ターゲットから放出された光信号を捕捉するように構成された結合光学部品を含む、
請求項1に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項6】
前記ツールヘッドは、感知ケーブルをさらに備え、
前記光信号は、前記感知ケーブルを介して、明度センサ又はスペクトルセンサのうちの少なくとも1つを含む光センサに送信され、
前記光センサは、前記ツールヘッドの外側に配置される、
請求項5に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項7】
前記ツールヘッドは、前記格納式ノズル内にホイールをさらに含み、
前記ホイールは、前記格納式ノズルを格納又は伸長するように構成され、
さらに前記ホイールは、前記感知ケーブルを前記格納式ノズルに取り付けるように構成される、
請求項6に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項8】
前記ツールヘッドは、前記ツールヘッドの先端に位置するセンサをさらに備え、
前記センサは、前記照射ビームによって前記坑内ターゲットが照射されているときに、周囲温度と、前記ツールヘッドの先端と前記坑内ターゲットとの間の距離とを測定するように構成される、
請求項1に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項9】
前記ツールヘッドは、
前記照射ビームを前記坑内ターゲットに到達するように結合するレンズアセンブリをさらに含む、
請求項1に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項10】
前記ツールヘッドは、
前記レンズアセンブリの内部に取り付けられ、前記照射ビームと合流するために媒体の流れを噴霧するように構成された1つ又は複数の内部パージノズルをさらに含む、
請求項9に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項11】
前記ツールヘッドは、
前記レンズアセンブリの外側に取り付けられ、前記照射ビームによって照射される前記坑内ターゲットからデブリをパージするように構成された1つ又は複数の外部パージノズルをさらに含む、
請求項9に記載のレーザ掘削工具アセンブリ。
【請求項12】
レーザ掘削工具アセンブリを坑内ターゲットが配置されている坑内シャフト内に降下させるステップと、
前記レーザ掘削工具アセンブリのツールヘッドから出る照射ビームを作動させるステップと、
前記照射ビームによって前記坑内ターゲットが照射されているときに、前記ツールヘッドに取り付けられた光学感知素子を坑内ターゲットに近づけるように、前記レーザ掘削工具アセンブリの前記ツールヘッド上の1つ又は複数の格納式ノズルを伸長するステップと、を備える、
方法。
【請求項13】
前記照射ビームによって照射される前記坑内ターゲットから放射される光信号を収集するステップをさらに備える、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記坑内ターゲットにおける岩石タイプを特徴付けるために、前記光信号を分析するステップをさらに備える、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記光信号が収集されると、前記1つ又は複数の格納式ノズルを格納するステップをさらに備える、
請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記照射ビームによって前記坑内ターゲットが照射されているときに、周囲温度と、前記ツールヘッドの先端と前記坑内ターゲットとの間の距離とを測定するステップをさらに備える、
請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記周囲温度が第1の閾値を超えるか、又は前記距離が第2の閾値を下回ることに応答して、前記1つ又は複数の格納式ノズルの伸長を停止するステップをさらに備える、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記照射ビームを停止するステップをさらに備える、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記照射ビームと合流する媒体の流れを噴霧するために、前記ツールヘッドのレンズアセンブリの内側に取り付けられた1つ又は複数の内部パージノズルを作動させるステップをさらに備える、
請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記照射ビームによって照射される前記坑内ターゲットからデブリをパージするために、前記ツールヘッドのレンズアセンブリの外側に取り付けられた1つ又は複数の外部パージノズルを作動させるステップをさらに備える、
請求項12記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年5月24日に出願された米国特許出願第17/328,564号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、掘削プロセス中の岩石の特性評価及び分類に関する。
【背景技術】
【0003】
地質学における岩石は、1種以上の鉱物の天然に存在する凝集体を指す。そのような凝集体は、固体地球が構成される基本単位を構成する。凝集体は、典型的には認識可能かつマッピング可能なボリューム(体積)を形成する。岩石の特性評価と分類は、ガスや石油の探査における掘削作業中に、固体地球の流体飽和を含む層形成についての洞察を明らかにすることができる。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、いくつかの実施形態は、レーザ源から入力ビームを受け取り、入力ビームを結合して坑内ターゲットに照射する照射ビームを提供するように構成された第1のセグメント、及び1つ又は複数のパージパイプを収容する第2のセグメントを含む本体と、格納式ノズル、及び格納式ノズル上に取り付けられた1つ又は複数の光学感知素子であって、照射ビームによって坑内ターゲットが照射されているとき、格納式ノズルは、1つ又は複数の光学感知素子が坑内ターゲットのより近くに位置付けられるように、坑内ターゲットに向かって伸長する、光学感知素子を含むツールヘッドと、を含むレーザ掘削工具アセンブリを提供する。
【0005】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0006】
1つ又は複数の光学感知素子は、光学的な明度センサ、又はスペクトルセンサを含んでもよい。光学的な明度センサは、電荷結合素子(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、アバランシェフォトダイオード(APD)又はフォトダイオード(PD)のうちの少なくとも1つを含み得る。スペクトルセンサは、走査センサ又はフーリエ変換赤外分光法(FTIR)センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0007】
1つ又は複数の光学感知素子は、坑内ターゲットから放出された光信号を捕捉するように構成された結合光学部品を含み得る。ツールヘッドは、感知ケーブルをさらに含み得る。光信号は、感知ケーブルを介して、明度センサ又はスペクトルセンサのうちの少なくとも1つを含む光センサに送信され得る。光センサは、ツールヘッドの外側に配置されてもよい。
【0008】
ツールヘッドは、格納式ノズル内にホイールをさらに含むことができる。ホイールは、格納式ノズルを格納又は伸長するように構成されてもよい。さらに、ホイールは、感知ケーブルを格納式ノズルに取り付けるように構成されてもよい。
【0009】
ツールヘッドは、ツールヘッドの先端に配置されたセンサをさらに含むことができる。センサは、坑内ターゲットが照射ビームによって照射されているときに、周囲温度と、ツールヘッドの先端と坑内ターゲットとの間の距離とを測定するように構成され得る。
【0010】
ツールヘッドは、照射ビームを坑内ターゲットに到達させるためのレンズアセンブリをさらに含むことができる。ツールヘッドは、レンズアセンブリの内部に取り付けられ、照射ビームと合流するために媒体の流れを噴霧するように構成された1つ又は複数の内部パージノズルをさらに含むことができる。ツールヘッドは、レンズアセンブリの外側に取り付けられ、照射ビームによって照射されている坑内ターゲットからデブリをパージするように構成された1つ又は複数の外部パージノズルをさらに含むことができる。
【0011】
別の態様において、本開示のいくつかの実施形態は、坑内ターゲットが位置する坑井シャフト内にレーザ掘削工具アセンブリを降下させるステップと、レーザ掘削工具アセンブリのツールヘッドから出る照射ビームを作動させるステップと、坑内ターゲットが照射ビームによって照射されているときに、ツールヘッドに取り付けられた光学感知素子が坑内ターゲットに近づくように、レーザ掘削工具アセンブリのツールヘッド上の1つ又は複数の格納式ノズルを伸長するステップと、を含む方法を提供する。
【0012】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0013】
本方法は、照射ビームによって照射されている坑内ターゲットから放射される光信号を収集するステップをさらに含むことができる。本方法は、坑内ターゲットにおける岩石タイプを特徴付けるために光信号を分析するステップをさらに含むことができる。本方法は光信号が収集されたとき、1つ又は複数の格納式ノズルを格納するステップをさらに含むことができる。
【0014】
本方法は、坑内ターゲットが照射ビームによって照射されているときに、周囲温度と、ツールヘッドの先端と坑内ターゲットとの間の距離とを測定するステップをさらに含むことができる。本方法は、周囲温度が第1の閾値を超えることに応答して、又は距離が第2の閾値を下回ることに応答して、1つ又は複数の格納式ノズルの伸長を停止するステップをさらに含むことができる。本方法は、照射ビームを停止するステップをさらに含むことができる。
【0015】
本方法は、ツールヘッドのレンズアセンブリの内部に取り付けられた1つ又は複数の内部パージノズルを作動させて、媒体の流れを噴霧して照射ビームと合流させるステップをさらに含むことができる。本方法は、照射ビームによって照射されている坑内ターゲットからデブリをパージするために、ツールヘッドのレンズアセンブリの外側に取り付けられた1つ又は複数の外部パージノズルを作動させるステップをさらに含むことができる。
【0016】
本開示に係る実施形態は、コンピュータ実装方法、ハードウェアコンピューティングシステム、及び有形のコンピュータ可読媒体において実現され得る。たとえば、1つ又は複数のコンピュータのシステムは、動作中にシステムに動作を引き起こすか、又は実行させる、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせをシステムにインストールさせることによって、特定の動作を実行するように構成され得る。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されたときに、装置に動作を実行させる命令を含むことによって、特定の動作を実行するように構成され得る。
【0017】
本明細書の主題の1つ又は複数の実施形態の詳細は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面に記載される。本主題の他の特徴、態様及び利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【0019】
【
図2】レーザ掘削工具の構成の動作を示す図である。
【0020】
【
図3】ターゲットを狙ったレーザ掘削工具の一例を示す図である。
【0021】
【
図4】本開示の一実施形態に係る格納式ノズルを有するレーザ掘削工具の構成を示す図である。
【0022】
【
図5A】本開示の実施形態に係る格納式ノズルを示す図である。
【
図5B】本開示の実施形態に係る格納式ノズルを示す。
【
図5C】本開示の実施形態に係る格納式ノズルを示す。
【0023】
【
図6】本開示の実施形態に係る、反射光を収集するために伸長位置にある格納式ノズルを有するレーザ掘削工具を示す図である。
【0024】
【
図7】本開示の実施形態に係る、拡張動作中にレーザ掘削工具によって収集されたリアルタイムな現場の反射率データの一例を示す図である。
【0025】
【
図8】本開示の実施形態に係る、説明されたアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー及び手順に関連する計算機能を提供するために使用されるコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【0026】
様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
開示された技術は、高出力レーザ(HPL)を使用するレーザ掘削動作中の反射率及び分光データのリアルタイム且つ現場での取得を対象とする。そのようなデータは、高出力レーザと地下物質との相互作用(interaction、インタラクション)を特徴付けることができ、その分析により岩石タイプの分類をすることができる。高出力レーザと地下物質との相互作用は、複雑で、非常に強く、また速いペースである。地下の様々な特性がプロセスに影響を及ぼし得る。リアルタイム感知ツールは、レーザ掘削の性能を評価し、ターゲット及び環境を特徴付けるように構成され得る。感知ツールの動作原理は、広帯域分光法と後方散乱レーザ及び黒体放射の強度特性評価に基づいている。分光法は、指紋と同様に流体及び岩石を識別することができ、また、レーザ掘削プロセスの温度を測定することができる。強度(明度)分析は、レーザ掘削プロセス及びレーザと基板との間の結合についての情報を明らかにすることができる。
【0028】
本開示のこの実施形態に係る工具アセンブリには、光を分析するための様々なサブシステム(センサモジュール及びエッジコンピューティング)を組み込まれている。いくつかの実施形態では、工具アセンブリはまた、複数の点(マルチポイント)から(例えば、相互作用に近い及び遠い異なる点で)光を収集するために、いくつかの取得システムをホストする。多点収集の構成では、相互作用の近くで収集された光が地層及び温度についての情報を提供することができ、一方、試料(サンプル)から離れた異なる点で収集された光は、坑井流体による吸収に起因する環境についての情報を提供する。
【0029】
本開示で使用される用語は、以下の用語を含む。
【0030】
用語「HPL」は、高出力レーザを指す。HPLは、パルスレーザ、連続波(Continuous Wave、CW)レーザ又は高エネルギーを有する複数のレーザを含むことができる。高出力という用語は、100ワット以上のピーク出力を有するレーザを指す。地下作業用の典型的なHPLは、10kW以上のピーク出力を有する。HPLは例えば、600nm~10000nmの波長を有する可視及び赤外領域であり得る。
【0031】
「プロセス状態」という用語は、レーザ掘削プロセスの状態を指す。例としては、ガラス成形、プロセスの失敗/成功/完了などを含むことができる。
【0032】
「機械学習分析」という用語は、利用可能なデータに基づいて未知の状態を予測するために機械学習及び応用統計学を使用することを指す。機械学習分析に該当する2つの一般的な領域は、分類と回帰である。分類は、カテゴリ値の予測を意味するのに対し、回帰は、連続する数値の予測を意味する。機械学習の実施形態の一つは、「正しい」目標値又はy値が利用可能な「教師あり学習」としても知られている。例示のために、いくつかの実施形態の目的は、いくつかの定義されたエラーメトリック(metric、測定基準)を用いて未知の値を予測するために、利用可能なデータから学習することである。例えば、教師あり学習では、システムに知られている既知の予測変数(特徴量)x1,x2,・・・,xmと、推論されるべき目標値y1,y2,・・・,ynと、がある。システムの目的は、新たな特徴点を観測することによって、新たな目標値y1,y2,・・・,ynを予測するために機械学習モデルをトレーニングすることである。
【0033】
本実施形態では、様々な機械学習アルゴリズムを採用することができる。分類の場合、予測アルゴリズムの例として、ロジスティック回帰、決定木、最近傍、サポートベクターマシン、K平均クラスタリング、ブースティング及びニューラルネットワークを挙げることができる。回帰の場合、予測アルゴリズムの例として、最小二乗回帰、Lasso等を挙げることができる。アルゴリズムの性能は、選択された特徴点のセット、トレーニング/検証方法、及びハイパーパラメータチューニングなどのいくつかの要因に依存し得る。したがって、機械学習分析は、試行錯誤を含む知識発見の反復アプローチとして明らかにすることができる。反復アプローチは、結果が所望の特性を達成するまで、データ前処理及びモデルパラメータを反復的に修正することができる。
【0034】
図1を参照すると、高出力レーザ(HPL)を使用したレーザ掘削プロセス及び坑内(downhole、ダウンホール)ターゲット特性評価のリアルタイム評価のための工具アセンブリ100の一例が示されている。HPLのレーザ光源は、そのパワー及びスペクトルシグネチャを有することができる。図示のように、工具アセンブリ101は、入力レーザビームを受け取るための光ファイバ構成要素を結合することを含む第1のセグメントを含む。入力レーザビームは、地上レベルに位置する高出力レーザ光源から発生され得る。入力レーザビームは、メインの本体102の内部にある導管空洞の内部を伝播することができる。場合によっては、入力レーザビームは、照射ビームとして坑内ターゲットに到達するために、メインの本体の内側のファイバ媒体に沿って伝播することもできる。
【0035】
いくつかの実施形態では、工具アセンブリ100は、
図1に示されるように、分光及び明度(光度)のための第2のセグメント103をも含む。例えば、分光及び明度のためのセンサは、第2のセグメント103の内部に収容されてもよい。スペクトルセンサの例は、走査及びフーリエ変換赤外分光法(FTIR)を含む。
【0036】
工具アセンブリ100は、セグメント103からツールヘッド106内に延びる感知ケーブル104をさらに含むことができる。感知ケーブルは、ツールヘッド106から収集された光信号を、セグメント103に収容されたセンサに供給することができる。場合によっては、感知ケーブルがヘッド内の感知素子107に接続される。検出素子は、レーザ掘削プロセス中に分光法及び明度のための光信号を収集することができる。さらに、温度及び距離測定のためのセンサをツールヘッドに収容して、ツールヘッドから坑内ターゲットまでの距離を測定することもできる。工具アセンブリ100は、加えて、入力レーザビームが照射ビームとして坑内ターゲットに到達するための経路を確保するために、媒体の流れを排出するパージ(purge、除去)供給パイプ105を含むことができる。パージ供給パイプは、レーザ掘削プロセス中にツールヘッドを冷却することもできる。特に、照射のためのHPLビームの伝送は、最小の損失で高エネルギーを効果的に伝送することができる特殊な光ファイバケーブルを使用して達成される。一方、反射は、感知ケーブル104などの異なる光ファイバによって捕捉される。反射エネルギーは比較的低いので、反射エネルギーは、特殊な光ケーブルによって取り扱われる必要がない場合がある。
【0037】
この構成は、レーザ掘削プロセス中に岩石を特徴付けるための光信号を捕捉するためのセンサを備えているが、課題は、地下材料がHPLエネルギーに曝されると、相互作用によりデブリ(破片)、ガス及び蒸気を生成することである。レーザ出力に応じて、デブリは反射光エネルギーを吸収し、反射光を汚染し、例えば、センサが工具アセンブリ自体に取り付けられているとき、すなわち、ターゲットから離れた位置にあるとき、センサ及び感知ケーブルが反射光を捕捉することを不可能ではないとしても困難にする。
【0038】
追加のコンテキストのために、
図2は、坑内ターゲットに照射するために工具アセンブリ101を操作する一例200を示す。工具アセンブリ101が坑井202内に配置され、坑内ターゲットに運ばれると、レーザビーム208は、ツールヘッド106を出るように工具アセンブリ100の本体の下方に案内され得る。次いで、この高出力レーザは、地下材料と相互作用することができる。レーザ掘削は極端な温度で地下材料を加熱することができ、貫通のために材料が除去されることを可能にする。反射光209は、デブリ、ガス、流体及び他の副生成物を伴って全方向に伝搬され得、これは、光の相互作用の品質を評価するために反射光を捕捉し、この反射光に基づいて地下材料を特徴付けることを、不可能ではないにしても困難にし得る。例えば、不純物はデータの誤解又は誤った解釈を引き起こす可能性がある。従来の通常の操作では、レーザツールを、ツールヘッドが坑内ターゲットから距離を置くように配置することがある。
【0039】
図3は、レーザ掘削工具アセンブリがターゲットにレーザビームを向けるために使用される例300を示す。図示のように、レーザビームは、ツールヘッド106から出る。レーザビームは、ターゲット301上のスポットに向けられる。図示されるように、ツールヘッド106は、ある距離だけターゲット301から分離される。光学感知素子がツールヘッド106上に配置される場合、その距離は、例えば吸収のために、レーザ掘削のデブリ及び他の副生成物がレーザビームの経路を汚染することを可能にし得る。この汚染は、分光又は明度の測定に影響を及ぼし得る。
【0040】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係るレーザ掘削工具アセンブリの一例を示すダイアグラム400である。ダイアグラム400は、従来のシステムを悩ませてきたこの問題に対する提案された解決策を示している。具体的には、この解決策が1つ又は複数の格納式ノズルを含む設計を採用する。ここで、ツールヘッドは、光ファイバケーブル401と、内部パージノズル402と、外部パージノズル403と、格納式ノズル405とを含む。光ファイバケーブル401は、レーザ掘削作業のための照射ビームとしてレーザビーム404を提供することができる。内部パージノズル402は、レーザビーム404と合流して坑内ターゲット406に向かう、水を含む媒体の流れを生成するように構成される。外部ノズル403は、レンズアセンブリ408の外側に配置される。外部ノズル403は、孔/ターゲット領域をパージし、レーザビーム404の経路を確保することができる。このパージはまた、レンズアセンブリ408の冷却をもたらすことができる。格納式ノズル405は、工具の先端に位置する。格納式ノズル405は、格納式ノズルの先端に取り付けられたセンサ407に接続された感知ケーブルを含むことができる。センサ407は、坑内ターゲット406からの反射ビームを捕捉することができる。センサ407はさらに、坑内ターゲット406からの黒体放射を捕捉することができる。センサ407は、光学的な明度(optical luminosity、見かけの光度)を測定することができる。例えば、センサ407は、電荷結合素子(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、アバランシェフォトダイオード(APD)又はフォトダイオード(PD)を含むことができる。センサ407はまた、スペクトルセンサ、例えば、走査センサ又はフーリエ変換赤外分光法(FTIR)センサを含むことができる。加えて又は代替として、センサ407は受動的であり、掘削プロセスから光を捕捉し、次いでその光を、感知ケーブル104を介して光センサに送信することが可能な結合光学部品を含むことができる。ツールヘッドは、周囲温度及び格納式ノズルの坑内ターゲットからの距離を測定するための追加のセンサをさらに含むことができる。これらの実施形態では、格納式ノズルは、光信号を収集するターゲットとファイバセンサとの間の距離を実質的に最小限に抑えることができるよう伸長可能である。
【0041】
図5A~
図5Cは、本開示の実施形態に係る格納式ノズルを示す。いくつかの実施形態では、格納式ノズルは、熱抵抗が高い材料から作製される。高い熱抵抗を有する材料の例としては、炭化ケイ素、アルミニウム、銅、及びABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)及びPET-G(ポリエチレンテレフタレートグリコール変性)などの3Dプリンタによって製造されたプラスチックが挙げられる。
【0042】
図5Aは、折り畳み位置501にある格納式ノズル405を示す。これは、レーザビームが起動されていないとき、又は工具アセンブリが光信号を収集するための取得モードにないときの、格納式ノズルの位置である。
【0043】
図5Bは、感知ケーブル104、ホイール501及びセンサ407を含む、格納式ノズルの内部構成502の例を示す。感知ケーブル104は、収集された光信号を送信して、メイン工具内のセグメントに到達することができ、この場合、そのような光信号は、分光及び明度について分析され得る。ホイール501は、格納式ノズルの格納及び伸長を可能にし得る。ホイール501はまた、感知ケーブル104がノズルに取り付けられ、後退/伸長するノズルと共に滑らかに移動することを可能にし得る。場合によっては、これらのホイール501は、工具が伸縮するときに回転することができる。
【0044】
図5Cは、センサ407が坑内ターゲットに近づけられる伸長モード503における格納式ノズルの例を示す。レーザ掘削工具アセンブリが動作中であるとき、格納式ノズルが伸長される。場合によっては、温度及び距離範囲を測定するために、ツールヘッド106の先端に追加のセンサが取り付けられる。これらの測定は、ノズルがターゲットに近づきすぎて、例えば過度の熱によって損傷を受けるのを防ぐために、慎重に使用することができる。
【0045】
図6のダイアグラム600に示すように、レーザ掘削工具アセンブリが坑井202のシャフト内で動作モードにあるとき、格納式ノズルは、坑内ターゲットに向かって伸長する。この伸長位置では、格納式ノズルの先端と坑内ターゲットとの間の距離が短くなる。この短縮された距離は、データ取得がデブリによって引き起こされる汚染を迂回することを可能にし、その結果、反射光の質の高い測定値を得ることができる。格納式ノズルの関節運動は、機械的、電気的、油圧的、あるいは任意の他の構成によって達成することができる。例えば、
図5Bは、格納式ノズルの位置を制御するためのホイール501の使用を示す。格納式ノズルの制御は、表面からアサートする(assert、アクティブ状態にする)ことができ、あるいは工具アセンブリが感知して収集される光の適切な量を決定するように、工具アセンブリによってプログラムすることができる。図示のように、距離は、反射光を捕捉するのに十分に近い。同時に、工具は、格納式ノズルの損傷を防止する安全な距離に保たれる。いくつかの実施形態では、測定温度を考慮して格納式ノズルを伸長する範囲を反復的に調整するために、機械学習アルゴリズムを組み込むことができ、その結果、衝撃ゾーンへの親和性によってツールヘッドがセンサ又は光学感知素子を損傷する危険にさらされず、デブリ生成による汚染が実質的に低減される、賢明なトレードオフが達成される。収集された測定データは、無線で地表に送信されるか、又はレーザ掘削工具アセンブリ上に配置されたメモリ装置に記憶され得る。説明したように、測定データは、マルチポイントの構成からのデータを含む。例えば、測定データは、坑内ターゲットからの反射光又は黒体放射に基づくスペクトルデータ及び明度データを含むことができる。測定データはまた、格納式ノズルの先端と坑内ターゲットとの間の周囲温度及び距離の測定値を含むことができる。
【0046】
図7は、格納式ノズルを備えたレーザ掘削工具アセンブリによって収集された、リアルタイムの現場の反射率データの例を示す。取得されたデータは、インライン分光計によって処理され、時間(縦軸)及び波長(横軸)の関数として光信号の読み出しを提供する。
【0047】
図8は、本開示の実施形態に係る、説明されたアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー及び手順に関連する計算機能を提供するために使用されるコンピュータシステム800の例を示すブロック図である。図示のコンピュータ802は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ/ノートブックコンピュータ、ワイヤレスデータポート、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピューティング装置、これらの装置内の1つ又は複数のプロセッサ、他のコンピューティング装置、あるいはコンピューティング装置の物理インスタンスもしくは仮想インスタンスの組み合わせを含むコンピューティング装置の組み合わせといった、任意のコンピューティング装置を包含することが意図される。さらに、コンピュータ802は、ユーザ情報を受け入れることができるキーパッド、キーボード、タッチスクリーン、別の入力デバイス、又は入力デバイスの組み合わせなどの入力デバイスと、グラフィカルタイプのユーザインターフェース(UI)(又はGUI)又は他のUI上で、デジタルデータ、視覚、音声、別のタイプの情報、又は情報のタイプの組み合わせを含む、コンピュータ802の動作に関連する情報を伝達する出力デバイスとを含むコンピュータを備えることができる。
【0048】
コンピュータ802は、本開示で説明する主題を実行するためのクライアント、ネットワークコンポーネント、サーバ、データベース、又は別の永続性、別の役割、又は役割の組み合わせとして、コンピュータシステムにおける役割を果たすことができる。図示のコンピュータ802は、ネットワーク803と通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、コンピュータ802の1つ又は複数の構成要素がクラウドコンピューティングベース、ローカル、グローバル、別の環境、又は環境の組み合わせを含む環境内で動作するように構成され得る。
【0049】
コンピュータ802は、説明される主題に関連するデータ及び情報を受信、送信、処理、記憶又は管理するように動作可能な電子コンピューティングデバイスである。いくつかの実施形態によれば、コンピュータ802はまた、アプリケーションサーバ、電子メールサーバ、ウェブサーバ、キャッシングサーバ、ストリーミングデータサーバ、別のサーバ又はサーバの組み合わせを含むサーバを含むか、又はサーバと通信可能に結合され得る。
【0050】
コンピュータ802はネットワーク803を介して(例えば、別のコンピュータ802上で実行されるクライアントソフトウェアアプリケーションから)要求を受信し、受信した要求を、ソフトウェアアプリケーション又はソフトウェアアプリケーションの組み合わせを使用して処理することによって、受信した要求に応答することができる。さらに、内部ユーザ、外部もしくは第三者、又は他のエンティティ、個人、システム又はコンピュータから、要求をコンピュータ802に送信することもできる。
【0051】
コンピュータ802の各構成要素は、システムバス803を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含む、コンピュータ802の構成要素のいずれか又はすべてはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)812、サービス層813、又はAPI812とサービス層813との組み合わせを使用して、システムバス803を介して接続する(インターフェースする)ことができる。API812は、ルーチン、データ構造、及びオブジェクトクラスの仕様を含むことができる。API812は、コンピュータ言語に依存しないものであってもよく、依存するものであってもよく、また、完全なインターフェース、単一の機能、又はAPIのセットを参照できる。サービス層813は、コンピュータ802又はコンピュータ802に通信可能に結合された他の構成要素(図示されているか否かを問わない)にソフトウェアサービスを提供する。コンピュータ802の機能は、このサービス層を使用するすべてのサービス消費者にとってアクセス可能であり得る。サービス層813によって提供されるようなソフトウェアサービスは、定義されたインターフェースを介して再利用可能な定義された機能を提供する。例えば、インターフェースは、JAVA(登録商標)、C++、別のコンピューティング言語、又は拡張可能マークアップ言語(XML)フォーマット、別のフォーマット、又はフォーマットの組み合わせでデータを提供するコンピューティング言語の組み合わせで書かれたソフトウェアであり得る。コンピュータ802の統合された構成要素として示されているが、代替の実施形態は、コンピュータ802の他の構成要素又はコンピュータ802に通信可能に結合されている他の構成要素(図示されているか否かを問わない)に関連して、API812又はサービス層813をスタンドアロン構成要素として示すことができる。さらに、API812又はサービス層813の任意の又は全ての部分は、本開示の範囲から逸脱することなく、別のソフトウェアモジュール、企業アプリケーション、又はハードウェアモジュールの子又はサブモジュールとして実装され得る。
【0052】
コンピュータ802は、インターフェース804を含む。
図8では単一のインターフェース804として示されているが、コンピュータ802の特定のニーズ、要望又は特定の実装に応じて、2つ以上のインターフェース804を使用することができる。インターフェース804は、分散環境においてネットワーク803に通信可能にリンクされた別のコンピューティングシステム(図示されているか否かを問わない)と通信するために、コンピュータ802によって使用される。概して、インターフェース804は、ネットワーク803と通信するように動作可能であり、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで符号化されたロジックで構成される。より具体的には、インターフェース804は、ネットワーク803又はインターフェースのハードウェアが図示のコンピュータ802内部及び外部で物理信号を通信するように動作可能であるような、通信に関連する1つ又は複数の通信プロトコルをサポートするソフトウェアで構成することができる。
【0053】
コンピュータ802は、プロセッサ805を含む。
図8では単一のプロセッサ805として示されているが、コンピュータ802の特定のニーズ、要望又は特定の実装に従って、2つ以上のプロセッサを使用することができる。概して、プロセッサ805は、命令を実行し、データを操作して、コンピュータ802の動作、ならびに本開示で説明する任意のアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー、及び手順を実行する。
【0054】
コンピュータ802はまた、コンピュータ802、ネットワーク803に通信可能にリンクされた別の構成要素(図示されているか否かを問わない)、又はコンピュータ802とは別の構成要素との組み合わせのためのデータを保持することができるデータベース806を含む。例えば、データベース806は、本開示と一致するデータを記憶するインメモリ、従来型、又は別のタイプのデータベースであり得る。いくつかの実施形態では、データベース806は、コンピュータ802及び説明される機能の特定の必要性、要望、又は特定の実装に従って、2つ以上の異なるデータベースタイプ(たとえば、ハイブリッドインメモリ及び従来のデータベース)の組み合わせとすることができる。
図8では単一のデータベース806として示されているが、コンピュータ802及び説明された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実装に従って、類似又は異なるタイプの2つ以上のデータベースを使用することができる。データベース806は、コンピュータ802の不可欠な構成要素として示されているが、代替的な実施形態では、データベース806は、コンピュータ802の外部にあり得る。図示されるように、データベース806は、例えば
図6に関連して説明されるようなマルチポイント構成からの測定データのような、様々なソースからのデータの複数のストリームを含む、前述のデータ816を保持する。マルチポイント構成からの測定は、明度測定、スペクトル測定、周囲温度の測定、及び格納式ノズルの先端と坑内ターゲットとの間の距離の測定を含むことができる。
【0055】
コンピュータ802はまた、コンピュータ802、ネットワーク803に通信可能にリンクされた別の構成要素又は構成要素(図示されているか否かを問わない)、又はコンピュータ802と別の構成要素との組み合わせのためのデータを保持することができるメモリ807を含む。メモリ807は、本開示と一致する任意のデータを記憶することができる。いくつかの実施形態では、メモリ807は、コンピュータ802の特定の必要性、要望又は特定の実装及び説明される機能に従って、2つ以上の異なるタイプのメモリの組み合わせ(例えば、半導体記憶装置と磁気記憶装置の組み合わせ)であり得る。
図8では単一のメモリ807として示されているが、コンピュータ802の特定のニーズ、要望、又は特定の実装及び説明された機能に従って、2つ以上のメモリ807、又は同様もしくは異なるタイプを使用することができる。メモリ807はコンピュータ802の一体的な構成要素として示されているが、代替の実施形態では、メモリ807がコンピュータ802の外部にあり得る。
【0056】
アプリケーション808は、特に本開示で説明される機能に関して、コンピュータ802の特定のニーズ、要望、又は特定の実装に応じて、機能を提供するアルゴリズムソフトウェアエンジンである。例えば、アプリケーション808は、1つ又は複数の構成要素、モジュール、又はアプリケーションとして機能することができる。さらに、単一のアプリケーション808として示されているが、アプリケーション808は、コンピュータ802上の複数のアプリケーション808として実装することができる。加えて、コンピュータ802に一体化されて示されているが、代替の実施形態では、アプリケーション808がコンピュータ802の外部にあり得る。
【0057】
コンピュータ802はまた、電源814を含むことができる。電源814は、ユーザ交換可能又は非ユーザ交換可能のいずれかであるように構成され得る再充電可能又は非再充電可能バッテリを含むことができる。いくつかの実施形態では、電源814は、(再充電、スタンバイ、又は別の電力管理機能を含む)電力変換回路又は管理回路を含み得る。いくつかの実施形態では、電源814は、コンピュータ802に電力を供給するために、又は充電式バッテリを再充電するために、コンピュータ802が例えば壁コンセント又は別の電源にプラグ接続されることを可能にするための電源プラグを含むことができる。
【0058】
コンピュータ802を含むコンピュータシステムに関連する、又はその外部に、任意の数のコンピュータ802が存在でき、各コンピュータ802はネットワーク803を介して通信できる。さらに、用語「クライアント」、「ユーザ」、又は他の適切な用語は、本開示の範囲から逸脱することなく、必要に応じて互換的に使用され得る。さらに、本開示は、多くのユーザが1台のコンピュータ802を使用することができること、又は1人のユーザが複数のコンピュータ802を使用することができることを想定する。
【0059】
本明細書で説明される主題及び機能的動作の実施形態は、デジタル電子回路、有形に具現化されたコンピュータソフトウェア又はファームウェア、本明細書で開示される構造及びそれらの構造的等価物を含むコンピュータハードウェア、又はそれらのうちの1つ又は複数の組み合わせで実施され得る。説明される主題のソフトウェアの実施は、1つ又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、又はデータ処理装置の動作を制御するために、有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に符号化されるコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実装され得る。代替的に又は追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号、例えば、データ処理装置による実行のために受信機装置に送信するための情報を符号化するために生成される機械的に生成された電気信号、光信号又は電磁信号の中/上に符号化され得る。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、ランダムアクセスメモリ装置もしくはシリアルアクセスメモリ装置、あるいはコンピュータ記憶媒体の組み合わせであり得る。1つ又は複数のコンピュータを構成するとは、1つ又は複数のコンピュータがハードウェア、ファームウェア又はソフトウェア(又はハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの組み合わせ)をインストールし、ソフトウェアが1つ又は複数のコンピュータによって実行されるとき、特定の計算動作が実行されるようにすることを意味する。
【0060】
「リアルタイム」、「高速(RFT)」、「近リアルタイム(NRT)」、「準リアルタイム」、あるいは(当業者によって理解される)類似の用語は、個人が行動と応答が実質的に同時に生じることを知覚するように、時間的に近接していることを意味する。例えば、データにアクセスする個人のアクションに続くデータの表示(又は表示の開始)に対する応答の時間差は、1ミリ秒(ms)未満、1秒(s)未満、又は5秒未満であり得る。要求されたデータが瞬時に表示される(又は表示のために開始される)必要はないが、説明したコンピューティングシステムの処理制限、及び、例えばデータを収集、正確に測定、分析、処理、記憶又は送信するために必要な時間を考慮して、意図的な遅延なしに表示される(又は表示のために開始される)。
【0061】
「データ処理装置」、「コンピュータ」、又は「電子コンピュータ装置」(又は当業者によって理解されるような同等物)という用語は、データ処理ハードウェアを指し、一例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス及び機械を包含する。装置はまた、専用論理回路、たとえば、中央処理装置(CPU)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)であり得るか、又はさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、データ処理装置又は専用論理回路(又はデータ処理装置又は専用論理回路の組み合わせ)は、ハードウェアベース又はソフトウェアベース(又はハードウェアベース及びソフトウェアベースの両方の組み合わせ)であり得る。装置は、コンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又は実行環境の組み合わせを構成するコードを任意で含むことができる。本開示は、いくつかのタイプのオペレーティングシステム、例えば、LINUX(登録商標)、UNIX(登録商標)、WINDOWS(登録商標)、MAC OS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、IOS、別のオペレーティングシステム、あるいはオペレーティングシステムの組み合わせを含むデータ処理装置の使用を想定している。
【0062】
コンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、ユニット、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、コード又は他の構成要素と呼ばれ、又は記述することができ、コンパイルされた又は解釈された言語、又は宣言型又は手続型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、例えば、コンピューティング環境で使用するためのスタンドアロンプログラム、モジュール、構成要素又はサブルーチンとしてなど、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムはファイルシステム内のファイルに対応することができるが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部、例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1つ又は複数のスクリプト、問題のプログラム専用の単一ファイル、又は複数の協調ファイル、例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム又はコードの一部を格納するファイルに格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか又は複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0063】
様々な図に示されるプログラムの一部は、様々なオブジェクト、方法、又は他のプロセスを使用して説明される特徴及び機能を実施する、ユニット又はモジュールなどの個々の構成要素として示され得るが、プログラムは、代わりに、必要に応じて、いくつかのサブユニット、サブモジュール、サードパーティサービス、構成要素、ライブラリ及び他の構成要素を含み得る。逆に、様々な構成要素の特徴及び機能は、必要に応じて、単一の構成要素にまとめることができる。計算特定を行うために使用される閾値は、静的に、動的に、又は静的及び動的の両方で特定することができる。
【0064】
説明された方法、プロセス又は論理フローは、本開示と一致する機能の1つ又は複数の例を表し、説明された又は例示された実施形態に本開示を限定することを意図するものではなく、説明された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。説明された方法、プロセス又は論理フローは、入力データ上で動作し、出力データを生成することによって機能を実行するために、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルコンピュータによって実行され得る。また、方法、プロセス又は論理フローは、専用論理回路、たとえば、CPU、FPGA、又はASICによって実行され得、装置はまた、専用論理回路として実施され得る。
【0065】
コンピュータプログラムを実行するためのコンピュータは、汎用又は専用マイクロプロセッサ、その両方、あるいは別のタイプのCPUに基づくことができる。一般に、CPUはメモリから命令及びデータを受信し、メモリにデータを書き込む。コンピュータの必須の要素は、命令を実行又は実行するためのCPUと、命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリ装置である。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクからデータを受信するか、それらにデータを転送するか、又はそれらの両方に動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータがそのような装置を有する必要はない。さらに、コンピュータは、別の装置、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオ又はビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機又はポータブルメモリ記憶装置に組み込むことができる。
【0066】
コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するための非一時的なコンピュータ可読媒体は、あらゆる形態の媒体及びメモリ装置、磁気デバイス、光磁気ディスク、ならびに光メモリ装置を含み得る。メモリ装置は、半導体メモリ装置、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリ装置を含む。磁気デバイスは、例えば、テープ、カートリッジ、カセット、内部/取り外し可能ディスクを含む。光メモリ装置は、例えば、デジタルビデオディスク(DVD)、CD-ROM、DVD+/-R、DVD-RAM、DVD-ROM、HD-DVD、及びBLURAY、ならびに他の光メモリ技術を含む。メモリは、キャッシュ、クラス、フレームワーク、アプリケーション、モジュール、バックアップデータ、ジョブ、ウェブページ、ウェブページテンプレート、データ構造、データベーステーブル、動的情報を記憶するリポジトリ、又は任意のパラメータ、変数、アルゴリズム、命令、ルール、制約もしくは参照を含む他の適切な情報を含む、様々なオブジェクト又はデータを記憶することができる。さらに、メモリは、ログ、ポリシー、セキュリティもしくはアクセスデータ、又は報告ファイルなどの他の適切なデータを含むことができる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補足されるか、又は専用論理回路に組み込まれ得る。
【0067】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書で説明される主題の実施は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置、例えば、CRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)、又はプラズマモニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス、トラックボール、又はトラックパッドとを有するコンピュータ上で実装され得る。入力はまた、圧力感受性を有するタブレットコンピュータ表面、容量性もしくは電気的感知を使用するマルチタッチスクリーン、又は別のタイプのタッチスクリーンなどのタッチスクリーンを使用して、コンピュータに提供され得る。他のタイプのデバイスを使用して、ユーザと対話することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバックとすることができる。ユーザからの入力は、音響、音声又は触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。加えて、コンピュータは、ユーザによって使用されるクライアントコンピューティングデバイスに文書を送信し、クライアントコンピューティングデバイスから文書を受信することによって、ユーザと対話することができる。
【0068】
「グラフィカルユーザインターフェース」又は「GUI」という用語は、1つ又は複数のグラフィカルユーザインターフェース及び特定のグラフィカルユーザインターフェースの表示の各々を説明するために単数又は複数で使用され得る。したがって、GUIは、情報を処理し、情報結果をユーザに効率的に提示するウェブブラウザ、タッチスクリーン又はコマンドラインインターフェース(CLI)を含む、任意のグラフィカルユーザインターフェースを表すことができるが、これに限定されない。一般に、GUIは、インタラクティブフィールド、プルダウンリスト及びボタンなど、ウェブブラウザに関連するいくつか又は全ての複数のユーザインターフェース(UI)要素を含むことができる。これら及び他のUI要素は、ウェブブラウザの機能に関連するか又はその機能を表すことができる。
【0069】
本明細書で説明する主題の実施形態は、例えばデータサーバ等のバックエンド構成要素を含むコンピューティングシステム、例えばアプリケーションサーバを含むコンピューティングシステム等のミドルウェア構成要素を含むコンピューティングシステム、例えばユーザが本明細書で説明する主題の実施形態と対話することができるグラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ等のフロントエンド構成要素を含むコンピューティングシステム、又は、1つもしくは複数のそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む。システムの構成要素は、有線又は無線デジタルデータ通信(又はデータ通信の組み合わせ)の任意の形態又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、WIMAX(Worldwide Interoperability For Microwave Access)、例えば、802.11a/b/g/nもしくは802.20(又は本開示と一致する802.11x及び802.20もしくは他のプロトコルの組み合わせ)を使用するWLAN(wireless local area network)、インターネットの全部もしくは一部、別の通信ネットワーク、又は通信ネットワークの組み合わせが含まれる。通信ネットワークは、例えば、インターネットプロトコル(IP)パケット、フレームリレーフレーム、非同期転送モード(ATM)セル、音声、ビデオ、データ、又はネットワークアドレス間の他の情報と通信することができる。
【0070】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に互いに離れており、典型的には、通信ネットワークを介して相互作用(インタラクション)する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0071】
本明細書は多くの特定の実施形態の詳細を含むが、これらは特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書で説明されるいくつかの特徴はまた、組み合わせて、単一の実施形態で実施され得る。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実施形態で、別個に又は任意の部分的組み合わせで実施され得る。さらに、前述の特徴は特定の組み合わせで作用するものとして説明することができ、最初に特許請求されたものとしてさえ説明することができるが、特許請求された組み合わせからの1つ又は複数の特徴は場合によってはその組み合わせから除外することができ、特許請求された組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションを対象とすることができる。
【0072】
本主題の特定の実施形態について説明した。記載された実施形態の他の実施形態、変更形態、及び置換形態は当業者には明らかであるように、以下の特許請求の範囲内にある。動作は特定の順序で図面又は特許請求の範囲に示されているが、これは望ましい結果を達成するために、そのような動作が示されている特定の順序で、又は連続的な順序で実行されること、又はすべての示されている動作が実行されること(いくつかの動作は任意であると考えられる)を必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク又は並列処理(又はマルチタスクと並列処理の組み合わせ)が有利であり、適切とみなされるように実行され得る。
【0073】
さらに、前述の実施形態における様々なシステムモジュール及び構成要素の分離又は統合は、全ての実施形態においてそのような分離又は統合を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素及びシステムは概して、単一のソフトウェア製品に一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0074】
さらに、請求される任意の実施形態は、少なくともコンピュータ実施方法、コンピュータ実施方法を実行するためのコンピュータ可読命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体、及びコンピュータ実装方法又は非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を実行するように構成されたハードウェアプロセッサと相互動作可能に結合されたコンピュータメモリを備えるコンピュータシステムに適用可能であると見なされる。
【国際調査報告】