(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】農業ベーラー用の定電力ロータ
(51)【国際特許分類】
A01F 15/07 20060101AFI20240621BHJP
A01F 15/08 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A01F15/07
A01F15/08 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573121
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2022056389
(87)【国際公開番号】W WO2023285946
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021000018395
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516174138
【氏名又は名称】クベルネランド・グループ・ラベンナ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】KVERNELAND GROUP RAVENNA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】フラシェッラ,コジモ
(57)【要約】
農業機械用のロータ装置(1)は、地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置(P)と、ピックアップされた干し草を受け入れるためのチャンバ(C)とを含み、地面からピックアップされた干し草を圧縮チャンバに供給するように構成される。ロータ装置(1)は、回転シャフトと、各々がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィン(3)を有する複数の送り羽根(2)とを備え、送り羽根(2)対は、各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)が隣接する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)からオフセットしており、その結果、各対の送り羽根(2)について、各フィン(3)は他の複数の対の送り羽根(2)の任意の他のフィン(3)とずれているように、構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置(P)を含む農業機械用のロータ装置(1)であって、
前記農業機械はローダーワゴンまたはベーラー(B)であり、前記ベーラーはさらに、ベールを形成するために前記干し草を圧縮する圧縮チャンバ(C)を含み、
前記ロータ装置(1)は、前記地面からピックアップされた前記干し草を前記圧縮チャンバ(C)に供給するように構成され、
-第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸(L)に沿って延びる回転シャフトと、
-各々がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィン(3)を有する複数の送り羽根(2)であって、前記回転シャフトにその前記第1の端部と前記第2の端部との間で結合されており、当該複数の送り羽根(2)は、互いに対向し且つその間に空間(D)を有する複数の対の送り羽根(2)を含み、各対の送り羽根(2)について、対応するフィン(3)が長手方向に整列された、複数の送り羽根(2)と、を備え、
各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)が隣接する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)からオフセットしており、その結果、前記複数の送り羽根(2)の各対の送り羽根(2)について、各フィン(3)は他の複数の対の送り羽根(2)の任意の他のフィン(3)とずれている、ロータ装置(1)。
【請求項2】
前記複数の送り羽根(2)は、
前記回転シャフトの前記第1の端部と前記回転シャフトの中点(4)との間に位置する第1のグループの複数の送り羽根(2)対と、
前記回転シャフトの前記第2の端部と前記回転シャフトの前記中点(4)との間に位置する第2のグループの複数の送り羽根(2)対と、を含み、
前記第1のグループの各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)は隣接する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)から第1の予め定められた角度だけオフセットしており、
前記第2のグループの各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)は隣接する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)から前記第1の予め定められた角度だけオフセットしており、
前記第1のグループの各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)は前記第2のグループの対応する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)から第2の予め定められた角度だけオフセットしており、前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度よりも小さい、請求項1に記載のロータ装置(1)。
【請求項3】
前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度の半分である、請求項2に記載のロータ装置(1)。
【請求項4】
前記第1および前記第2のグループの複数の送り羽根(2)対は、それぞれ前記回転シャフトの前記第1または第2の端部に近位の最初の送り羽根(2)対と前記回転シャフトの前記中点(4)に近位の最後の送り羽根(2)とから分布した同数の送り羽根(2)対を含み、前記第1のグループの前記最初の送り羽根(2)対は前記第2のグループの前記最初の送り羽根(2)対に対応し、各グループの他の送り羽根(2)対についても同様である、請求項2または3に記載のロータ装置(1)。
【請求項5】
前記第1のグループの前記複数の対の送り羽根(2)は、前記回転シャフトの前記第1の端部から前記中点(4)まで長手方向軸(L)に対して時計回りの方向に互いにオフセットしており、
前記第2のグループの前記複数の対の送り羽根(2)は、前記回転シャフトの前記中点(4)から前記第2の端部まで前記長手方向軸(L)に対して反時計回りの方向に互いにオフセットしている、請求項4に記載のロータ装置(1)。
【請求項6】
前記複数の対の送り羽根(2)の各送り羽根は、2から6個のフィン(3)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のロータ装置(1)。
【請求項7】
前記回転シャフトは、
中空パイプ(5)と、
前記中空パイプ(5)の第1の端部に設けられた動力入力シャフト(201)であって、前記ロータ装置(1)を回転させるために外部動力に接続可能な動力入力シャフト(201)と、
前記中空パイプ(5)の第2の端部に設けられた動力出力シャフト(202)と、を含み、
前記複数の送り羽根(2)は前記中空パイプ(5)に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のロータ装置(1)。
【請求項8】
前記回転シャフトは、前記中空パイプの前記第1の端部および前記第2の端部に配置された一対のマージン部を含み、前記複数の送り羽根(2)は、前記一対のマージン部(6)の間に配置される、請求項7に記載のロータ装置(1)。
【請求項9】
ベールを形成するベーラー(B)であって、
-干し草のピックアップ装置(P)と、
-ロータ装置(1)と、
-ピックアップされた干し草を切断するために、一対の送り羽根(2)の間に動作可能に配置された複数のカッターと、
-干し草の圧縮装置と、を備え、
前記ベーラーは、前記干し草が前記干し草のピックアップ装置Pによって地面からピックアップされ、前記ピックアップされた干し草が前記ロータ装置(1)によって干し草の圧縮装置の領域に供給されるように、構成される、ベーラー(B)。
【請求項10】
前記干し草のピックアップ装置(P)は、前記ベーラーが進行方向ADに沿って前進するときに、前記ベーラーの車輪の回転方向とは反対方向に回転し、前記ロータ装置(1)は前記ピックアップ装置(P)の回転方向とは反対方向に回転する、請求項9に記載のベーラー(B)。
【請求項11】
地面からピックアップされた干し草を農業機械のチャンバに供給するための方法であって、
前記農業機械は、圧縮チャンバ(C)を備えたローダーワゴンまたはベーラー(B)であり、
前記方法は、
-第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸(L)に沿って延びる回転シャフトを準備するステップと、
-複数の対の送り羽根(2)であって、互いに対向し且つその間に空間(D)を有する複数の対の送り羽根(2)を含む複数の送り羽根(2)を準備するステップであって、各対の送り羽根(2)がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィン(3)を有する、ステップと、
-各対の送り羽根(2)について、対応するフィン(3)が長手方向に整列するように、前記複数の送り羽根(2)を前記回転シャフトにその前記第1の端部と前記第2の端部との間で結合するステップと、
-各対の送り羽根(2)について、各フィン(3)が隣接する対の送り羽根の対応するフィン(3)からオフセットするように、前記複数の送り羽根(2)の各対の送り羽根(2)について、各フィン(3)が他の複数の対の送り羽根(2)の任意の他のフィン(3)とずれるように、前記複数の対の送り羽根(2)を前記回転シャフトに配置するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
-前記回転シャフトの前記第1の端部と前記回転シャフトの中点(4)との間に位置する第1のグループの送り羽根(2)対と、前記回転シャフトの前記第2の端部と前記回転シャフトの前記中点(4)との間に位置する第2のグループの送り羽根(2)対と、を準備するステップと、
-前記第1および第2のグループの各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)が隣接する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)から第1の予め定められた角度だけオフセットするように、且つ、
前記第1のグループの各対の送り羽根(2)について、前記フィン(3)が前記第2のグループの対応する対の送り羽根(2)の対応するフィン(3)から第2の予め定められた角度だけオフセットするように、前記複数の送り羽根(2)を配置するステップであって、前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度よりも小さいステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のグループの各対の送り羽根(2)は、前記第1のグループの前記複数の送り羽根(2)の前記フィン(3)が前記第2のグループの対応する対の送り羽根(2)の対応するフィンから前記第1の予め定められた角度の半分である角度だけオフセットするように、配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
同数の送り羽根(2)対を有する前記第1および前記第2のグループの前記送り羽根(2)対を準備するステップと、それぞれ前記回転シャフトの前記第1の端部または前記第2の端部の近位の最初の送り羽根(2)対と前記回転シャフトの前記中点(4)に近位の最後の送り羽根2(2)とから前記複数の送り羽根(2)対を配置するステップであって、これにより、前記第1のグループの前記最初の送り羽根(2)対が前記第2のグループの前記最初の送り羽根(2)対に対応し、各グループの他の送り羽根(2)対についても同様である、ステップとを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の送り羽根(2)対は、
前記第1のグループの前記複数の対の送り羽根(2)が前記回転シャフトの前記第1の端部から前記中点(4)まで長手方向軸(L)に対して時計回りの方向に互いにオフセットしており、且つ、
前記第2のグループの前記複数の対の送り羽根(2)が前記回転シャフトの前記中点(4)から前記第2の端部まで前記長手方向軸(L)に対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、前記回転シャフトに分布している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記回転シャフトを回転させるステップであって、これにより、一度に一対の送り羽根(2)が前記干し草に作用するステップを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置を備えた農業機械用のロータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置を備えた農業機械は、干し草を格納および移送するための受入チャンバを含むローダーワゴンと、ベーラーとを含み、ベーラーは、稲わら、牧草、小麦、トウモロコシ等の予め刈り取られた農産物(以下、「干し草」という)からベールを形成して圃場に排出するように構成されており、ロータ装置は、ベールを形成するために、地面からピックアップされた干し草をベーラーの圧縮チャンバに供給するように構成されている。
【0003】
従来の様々なタイプの干し草収集装置のうち、水田または草地での干し草の自動収集には、機械後部に連結されたベーラーを含む農業機械が主に使用されている。これらの機械が作動している間、干し草は機械前部にあるピックアップ装置によって収集される。ピックアップされた干し草はその後、ロータ装置を経由して機械の圧縮および結束チャンバに供給され、ベールが最終的に圃場に排出される。通常、干し草は、ロータ装置の下部に設置されたカッターによって所定の長さに切断される。
【0004】
従来、ベーラー用のロータ装置は円筒状の回転シャフトを含み、当該回転シャフトは、当該回転シャフトの長さに沿って互いに間隔をあけて且つ平行に取り付けられた複数の羽根であって、当該回転シャフトの回転軸を中心に等角度で配置された複数の羽根を有する。
【0005】
回転シャフトの複数の羽根の従来の配置の欠点は、同一位置に配置された複数の羽根がピックアップ装置の干し草を同時に供給して、干し草をカッターに通すことである。その結果、複数の羽根が干し草を個別に順次供給する場合よりも、回転シャフトに高負荷がかかりやすくなる。
【0006】
上記のように回転シャフトに負荷がかかると、回転シャフトが変形する可能性がある。
【0007】
米国特許第10524424B2号は、ベーラー用のロータ装置であって、回転シャフトを備え、各々が複数の鋭利な先端を含む複数の送り羽根が回転シャフト上に配置され、これにより、複数の送り羽根の先端が回転シャフトの長さ方向に対して互いにオフセットしている、ロータ装置を開示している。この解決策では、すべての送り羽根が干し草を供給するプロセスに同時に関与しないので、回転シャフトの負荷を軽減することが可能である。
【0008】
米国特許第10524424B2号に記載された回転シャフトは、複数の羽根の先端を互いにオフセットして配置することにより、回転シャフトにかかる負荷を軽減する解決策を提供しているが、当該文献は、各送り羽根の先端が他の送り羽根の任意の他の先端とずれるように複数の羽根を配置することに関するさらなる情報を提供していない。
【0009】
したがって、回転シャフトにかかる負荷をできるだけ低く抑えながら、より迅速に且つ正確に干し草を供給することができ、耐用年数が長い、ベーラー用のロータ装置を製造することが望まれている。
【0010】
農業機械用の既知のロータ装置のさらなる例は、特許文献GB1458786A、EP2220929A1、EP3275303A1、DE202014003763U1に開示されている。
【発明の概要】
【0011】
本発明の主な目的は、上述の問題を克服する、地面からピックアップされた干し草をベーラーの圧縮チャンバに供給するためのベーラー用のロータ装置および方法を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、農業機械のチャンバ(例えば、ローダーワゴンの受入チャンバまたはベーラーの圧縮チャンバ)に干し草を供給するための農業機械(特にベーラーまたはローダーワゴン)用のロータ装置および方法であって、ピックアップ装置によってピックアップされた干し草をベーラーの圧縮および結束チャンバにできるだけ迅速に且つ効率的に供給することができ、供給プロセス中、シャフトにかかる負荷を最小限にするために、一度に1つの送り羽根が干し草に作用するロータ装置および方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、干し草が地面から干し草ピックアップ装置によってピックアップされ、所定の長さに切断され、本発明によるロータ装置によって農業機械のチャンバ(例えば、ベーラーの圧縮チャンバまたはローダーワゴンの受入チャンバ)に供給されるように構成された農業機械(例えばベーラー装置またはローダーワゴン)を提供することである。
【0014】
前記目的は、以下に報告する特許請求の範囲の内容によって特徴付けられる本発明の干し草を供給するためのロータ装置、方法およびベーラーによって完全に達成される。
【0015】
本発明の一態様によれば、本発明は農業機械用のロータ装置を提供する。本明細書において、「農業機械」という表現は、地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置を備えたあらゆる農業機械を意味する。通常、これらの類型の農業機械は、(干し草を格納および移送するための受入チャンバを備えた)ローダーワゴンとベーラーとを含む。簡潔にするために、以下ではベーラーについて言及するが、ベーラーについて説明する同一の特徴が、例えばローダーワゴンにも準用して適用されることを理解されたい。
【0016】
ベーラーは、地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置と、ベールを形成するために干し草を圧縮する圧縮チャンバとを含む。ロータ装置は、地面からピックアップされた干し草を圧縮チャンバに供給するように構成される。ロータ装置は回転シャフトを備える。回転シャフトは第1の端部と第2の端部を含む。回転シャフトはその第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びてもよい。ロータ装置は複数の送り羽根を備える。複数の送り羽根は第1の端部と第2の端部との間で回転シャフトに結合される。複数の送り羽根の各送り羽根は複数のフィンを含む。複数のフィンは、干し草を圧縮チャンバにより迅速に且つより効率的に供給することを可能にする。複数のフィンは複数の送り羽根の外周に分布している。複数の送り羽根は複数の対の送り羽根を含んでもよい。好ましくは、複数の送り羽根の各対の送り羽根は、2枚の羽根であって、互いに対向し且つその間に空間を有する2枚の羽根を含む。さらに、各対の送り羽根のフィンは、長手方向に互いに整列している。
【0017】
各対の送り羽根のフィンは、回転シャフトの長手方向に対して隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットしている。複数の対の送り羽根は、複数の送り羽根の各対の送り羽根について、各フィンが他の対の送り羽根の任意の他のフィンとずれるように、回転シャフトに分布している。このような配置により、干し草を圧縮チャンバに供給するプロセスにおいて複数の対の送り羽根を順次関与させることが可能になる。
【0018】
複数の対の送り羽根のフィンが回転シャフトの長手方向に対して互いにずれていない場合には、少なくとも二対の送り羽根が干し草を供給するプロセスに同時に関与する。したがって、本明細書で説明される配置によって複数の羽根のフィンが互いにオフセットしている場合に比べて、より高負荷が回転シャフトにかかる。回転シャフトに負荷をかけることは、回転シャフトの変形につながり得るので、避けるべきである。さらに、ロータ装置に必要な電力のために得られる曲線は、振動型(正弦波)であり、そのピークは、供給プロセスに関与する各送り羽根の対に必要な電力の合計によって決定される。
【0019】
各対の送り羽根のフィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットしている場合、複数の対の送り羽根が順次個別に干し草に接触することが可能であり、その結果、装置に必要な電力は回転シャフトに沿って分布する。さらに、複数の送り羽根が同時に動作しないという事実により、装置に必要な電力は低下する。互いにオフセットしたフィンを備えたロータ装置は、振動曲線の振幅を低減することを可能にする。その結果、複数の送り羽根が同時に関与することによる電力需要のピークの減少とともに、装置に必要な電力をより一定にすることが可能になる。このような送り羽根の配置は、複数のカッターを通過する干し草の供給により回転シャフトにかかる負荷を最小限に抑え、したがって、回転シャフトを保護し、耐用年数を延ばす。
【0020】
複数の送り羽根は、第1のグループの送り羽根対および第2のグループの送り羽根対を含み得る。第1のグループの送り羽根対は、回転シャフトの第1の端部と回転シャフトの中点との間に位置する。第2のグループの送り羽根対は、回転シャフトの中点と第2の端部との間に位置する。一例では、第1のグループの各対の送り羽根のフィンは、隣接する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度だけオフセットしている。
【0021】
第2のグループの各対の送り羽根のフィンは、隣接する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度だけオフセットしている。第1のグループの各対の送り羽根のフィンは、第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから第2の予め定められた角度だけオフセットしている。第2の予め定められた角度は、好ましくは、第1の予め定められた角度の半分である。
【0022】
第1および第2のグループの送り羽根は、それぞれ回転シャフトの第1の端部または第2の端部に近位の最初の送り羽根対と回転シャフトの中点に近位の最後の送り羽根対とから回転シャフトに分布され得る。このような配置においては、第1のグループの複数の送り羽根対の最初の送り羽根対は、第2のグループの複数の送り羽根対の最初の送り羽根対に対応し、各グループの他の送り羽根対についても同様である。
【0023】
複数の送り羽根対は、第1のグループの複数の対の送り羽根が回転シャフトの第1の端部から中点まで、長手方向軸に対して時計回りの方向に互いにオフセットするように、且つ、第2のグループの複数の対の送り羽根が回転シャフトの中点から第2の端部まで、長手方向軸に対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、回転シャフトに分布され得る。
【0024】
回転シャフトは中空パイプを含んでもよい。回転シャフトはまた、動力入力シャフトを含んでもよい。動力入力シャフトは中空パイプの第1の端部に位置する。動力入力シャフトは外部動力に接続可能である。動力入力シャフトは、外部動力から動力を受けることによって回転シャフトを回転させるように構成される。回転シャフトは動力出力シャフトを含んでもよい。動力出力シャフトは中空パイプの第2の端部に位置する。回転シャフトは一対のマージン部をさらに含んでもよい。一対のマージン部は、中空パイプの第1の端部および第2の端部に配置されてもよい。実施形態の一例では、複数の送り羽根対は、一対のマージン部の間において中空パイプに取り付けられる。
【0025】
本説明の別の態様によれば、本発明はベールを形成するためのベーラーを提供する。ベーラーは干し草ピックアップ装置を備える。ベーラーはロータ装置を備え、当該ロータ装置は本発明によるものである。ベーラーはまた、複数のカッターを備える。複数のカッターは複数の対の送り羽根の間に配置され得る。ベーラーはまた、干し草圧縮チャンバを備える。干し草は、ピックアップ装置によって地面からピックアップされ、その後、ロータ装置を介して圧縮チャンバに供給される。
【0026】
本説明の別の態様によれば、本発明は、地面からピックアップされた干し草をベーラーの圧縮チャンバに供給するための方法を提供する。本方法は回転シャフトを準備するステップを含む。本方法は複数の送り羽根を準備するステップを含む。本方法は、複数の対の送り羽根であって、互いに対向し且つその間に空間を有する複数の対の送り羽根を準備するステップを含んでもよい。複数のフィンは、複数の送り羽根の各送り羽根の外周に分布している。
【0027】
本方法は、各対の送り羽根について、対応するフィンが長手方向に整列するように、複数の送り羽根対を回転シャフトに結合するステップを含む。本方法は、各対の送り羽根について、フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットするように、複数の対の送り羽根を回転シャフトに配置するステップであって、これにより、複数の送り羽根の各対の送り羽根について、各フィンが他の複数の対の送り羽根の任意の他のフィンとずれる、ステップを含む。
【0028】
本方法は、第1のグループおよび第2のグループの複数の送り羽根対を準備するステップを含んでもよい。第1のグループの送り羽根対は、回転シャフトの第1の端部と回転シャフトの中点との間に位置する。第2のグループの送り羽根は、回転シャフトの中点と回転シャフトの第2の端部との間に位置する。本方法は、第1および第2のグループの各対の送り羽根について、フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度だけオフセットするように、且つ、第1のグループの各対の送り羽根について、フィンが第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから第2の予め定められた角度だけオフセットするように、第1および第2のグループの送り羽根対を回転シャフトに配置するステップをさらに含んでもよい。第2の予め定められた角度は、好ましくは、第1の予め定められた角度の半分である。
【0029】
本方法はまた、第1のグループの複数の送り羽根のフィンが第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度の半分である角度だけオフセットするように、複数の送り羽根対を配置するステップを含んでもよい。
【0030】
さらに、本方法は、それぞれ回転シャフトの第1または第2の端部に近位の最初の送り羽根対と回転シャフトの中点に近位の最後の送り羽根対とから第1および第2のグループの送り羽根対を回転シャフトに配置するステップであって、第1のグループの最初の送り羽根対が第2のグループの最初の送り羽根対に対応し、各グループの他の送り羽根対についても同様である、ステップを含んでもよい。
【0031】
実施形態の一例では、本方法は、第1のグループの複数の対の送り羽根が回転シャフトの第1の端部から中点まで長手方向軸に対して時計回りの方向に互いにオフセットするように、且つ、第2のグループの複数の対の送り羽根が回転シャフトの中点から第2の端部まで長手方向軸に対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、複数の送り羽根対を回転シャフトに配置するステップを含む。
【0032】
本方法は回転シャフトを回転させるステップを含む。回転シャフトを回転させることにより、一度に一対の送り羽根が干し草に対して作用し、ベーラーの圧縮チャンバへの干し草の供給に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明のさらなる特徴は、その好ましい非限定的な実施形態の以下の説明からより明確に理解できる。
【
図1】本発明によるベーラー用のロータ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
前述の図を参照すると、本発明によるベーラー用のロータ装置は番号1で示される。ロータ装置1はベーラーB用のロータ装置である。ベーラーBは、地面から干し草をピックアップし、ベールを形成し、ベールを圃場に排出するように構成される。ベーラーBは、地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置Pを備える。ベーラーは圧縮チャンバCを備える。ベーラーBは、ピックアップ装置Pによって地面からピックアップされた干し草がロータ装置1によって圧縮チャンバCに供給されるように、構成される。ロータ装置1は回転シャフトを備える。回転シャフトはその第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸Lに沿って延びてもよい。回転シャフトは複数の送り羽根2を備える。複数の送り羽根は複数のフィン3を含む。好ましくは、複数の送り羽根2の各送り羽根は2つから6つのフィン3を含む。複数のフィン3は、複数の送り羽根2の外側境界に分布している。複数の送り羽根2は、回転シャフトの第1の端部と第2の端部との間で回転シャフトに結合される。複数の送り羽根2は、複数の対の送り羽根2であって、互いに対向し且つその間に空間Sを有する複数の対の送り羽根2を含んでもよい。複数の対の送り羽根2は、その間に距離Dをおいて回転シャフトの長さに沿って配置されてもよい。複数の対の送り羽根2の間の前記距離Dは、好ましくは、複数の対の各対の送り羽根2のフィンの間の空間Sよりも大きい。各対の送り羽根2は、同一の大きさおよび形状を有する。好ましくは、各対の送り羽根2について、対応するフィン3が互いに長手方向に整列される。実施形態の一例では、複数の対の送り羽根2は同一の大きさを有する。代替的に、複数の対の送り羽根は異なる大きさを有してもよい。複数の対の送り羽根2は、各対の送り羽根2について、フィン3が隣接する一対の送り羽根2の対応するフィン3からオフセットするように、回転シャフトに配置される。このような解決策では、複数の送り羽根2の各対の送り羽根2について、各フィン3は、他の複数の対の送り羽根2の任意の他のフィン3とずれている。言い換えれば、複数の対の送り羽根2は、各対の送り羽根のフィン3が回転シャフトに対して予め定められた角度位置で配置されるように、回転シャフトに配置されており、その結果、回転シャフトに対する各対の送り羽根のフィンの角度位置は固有であり且つ他の複数の対の送り羽根のフィンの角度位置とは異なる。したがって、N対のフィンについて、回転シャフトに対してN個の異なる角度が存在する。したがって、複数のフィン3は、一度に複数の送り羽根の一対のフィンだけが干し草に作用するように、配置される。
【0035】
好ましい実施形態では、ロータ装置は、複数の送り羽根2対の第1のグループおよび第2のグループを含む。第1のグループの複数の送り羽根2対は、回転シャフトの第1の端部と回転シャフトの中点4との間に位置する。第2のグループの複数の送り羽根2対は、回転シャフトの第2の端部と回転シャフトの中点4との間に位置する。中点4は、回転シャフトを2等分するように、回転シャフトの中央に配置されてもよい。一例では、第1のグループの複数の送り羽根2対の各対の送り羽根2について、フィン3は、隣接する対の送り羽根2の対応するフィン3から第1の予め定められた角度だけオフセットしている。
【0036】
第2のグループの複数の送り羽根2対の各対の送り羽根2について、フィン3は、隣接する対の送り羽根2の対応するフィン3から前記第1の予め定められた角度だけオフセットしている。さらに、第1のグループの複数の送り羽根2対の各対の送り羽根2について、フィン3は、第2のグループの複数の送り羽根2対の対応する対の送り羽根2の対応するフィン3から第2の予め定められた角度だけオフセットしている。第2の予め定められた角度は、第1の予め定められた角度とは異なる。第2の予め定められた角度は、好ましくは、第1の予め定められた角度よりも小さい。好ましい実施形態では、第2の予め定められた角度は、第1の予め定められた角度の半分である。
【0037】
ロータ装置1は、第1のグループおよび第2のグループの複数の送り羽根2対について同数の送り羽根2の対を含んでもよい。第1および第2のグループの複数の送り羽根2対は、回転シャフトの第1の端部または第2の端部に近位の最初の複数の送り羽根2対と中点に近位の最後の送り羽根2対とから回転シャフトに分布してもよい。このような配置においては、第1のグループの複数の送り羽根2対の最初の送り羽根2対は、第2のグループの複数の送り羽根2対の最初の送り羽根2対に対応し、各グループの他の送り羽根2対についても同様である。
【0038】
第1および第2のグループの複数の送り羽根2対は、第1のグループの複数の対の送り羽根2が回転シャフトの第1の端部から中点4まで長手方向軸Lに対して時計回りの方向に互いにオフセットするように、且つ第2のグループの複数の対の送り羽根2が回転シャフトの中点4から第2の端部まで長手方向軸Lに対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、回転シャフトに分布してもよい。実施形態の一例では、第1および第2のグループの複数の送り羽根2対は、複数の送り羽根2対が回転シャフト上でV字を形成するように分布している。
【0039】
ロータ装置1は中空パイプ5を備えてもよい。ロータ装置1はまた、中空パイプ5の第1の端部と第2の端部にそれぞれ動力入力シャフト201および動力出力シャフト202を備えてもよい。動力入力シャフト201は、外部動力に接続可能であり且つロータ装置1を回転させるように構成される。前記外部動力は、ベーラーBに取り付けられた電源であってもよい。ロータ装置1は一対のマージン部6を含んでもよい。一対のマージン部6は、中空パイプ5の第1の端部および第2の端部に位置する。複数の送り羽根2対は、中空パイプ5上且つ前記一対のマージン部6の間に分布してもよい。さらに、ロータ装置1は、収束した、発散した、または分化した外形を有してもよい。
【0040】
本説明の一態様によれば、本発明はまた、ベールを形成するためのベーラーBを提供する。ベーラーBは、好ましくはロールベーラーである。代替的に、ベーラーBは矩形タイプのものである。ベーラーBは、干し草のピックアップ装置Pを備える。干し草のピックアップ装置Pは、地面から干し草をピックアップするように構成される。ベーラーはロータ装置を備え、前記ロータ装置は本発明によるものである。ベーラーBはまた、複数のカッターを備える。複数のカッターは、ロータ装置1の複数の対の送り羽根2の間に配置されてもよい。複数のカッターは、ピックアップされた干し草を予め定められた長さに切断するように構成される。ベーラーBはまた、ピックアップされた干し草を圧縮して結束するように構成された干し草の圧縮チャンバCを備える。ベーラーBは、ピックアップ装置Pによって地面からピックアップされた干し草をカッターに通して望ましい長さに切断するように、構成される。干し草はその後、ロータ装置1を介して圧縮チャンバCに供給される。圧縮チャンバCは干し草を圧縮して結束するように構成される。ベールはその後、ベーラーBによって地面に排出される。
【0041】
一例では、ベーラーは供給ローラFRを含む。供給ローラはロータ1の下流に配置される。供給ローラFRは、圧縮チャンバへの干し草の供給に寄与するために、圧縮チャンバCに向かって干し草を押すように構成される。供給ローラは、ベーラーが進行方向(前進方向)ADに沿って前進するときに、ベーラーの車輪の回転方向とは逆方向に回転する。
【0042】
さらに、ピックアップ装置Pはベーラーの進行方向ADとは逆方向に回転する。一例では、ロータ1は、ピックアップ装置の回転方向とは逆方向に回転する。したがって、このような構成では、ロータは、ベーラーが前記進行方向ADに沿って前進するとき、ベーラーの車輪の回転方向と同様の方向に回転する。したがって、地面からピックアップされた干し草は、ピックアップ装置とロータとの間を通過し、さらにロータと供給ローラFRとの間を通過して圧縮チャンバに入る。
【0043】
本説明の一態様によれば、本発明はまた、地面からピックアップされた干し草をベーラーBの圧縮チャンバCに供給するための方法を提供する。本方法は回転シャフトを準備するステップを含む。回転シャフトは第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸Lに沿って延びる。本方法はまた、複数の送り羽根2を準備するステップを含む。本方法は中空パイプ5を準備するステップを含んでもよい。本方法はまた、中空パイプ5の第1の端部と第2の端部にそれぞれ動力入力シャフト201および動力出力シャフト202を準備するステップを含んでもよい。本方法は一対のマージン部6を有する回転シャフトを準備するステップを含んでもよい。一対のマージン部6は、中空パイプ5の第1の端部および第2の端部に配置される。実施形態の一例では、本方法は、複数の送り羽根を中空パイプ5上且つ前記一対のマージン部6の間に配置するステップを含む。
【0044】
本方法は、互いに対向し且つその間に空間Sを有する複数の対の送り羽根2を有する複数の送り羽根2を準備するステップを含んでもよい。複数の対の送り羽根2の各送り羽根の外周に複数のフィン3が分布している。本方法は、各対の送り羽根2について、対応するフィン3が長手方向に整列するように、複数の送り羽根2を回転シャフトにその第1の端部と第2の端部との間で結合するステップを含む。本方法はさらに、各対の送り羽根2について、各フィン3が隣接する対の送り羽根2の対応するフィンからオフセットするように、複数の対の送り羽根2を回転シャフトに配置するステップを含む。複数の送り羽根2対は、複数の送り羽根2の各対の送り羽根について、各フィン3が他の複数の対の送り羽根2の任意の他のフィン3とずれるように、回転シャフトに分布している。
【0045】
本方法は、第1および第2のグループの複数の送り羽根2対を準備するステップを含んでもよく、第1のグループの複数の送り羽根2対は、回転シャフトの第1の端部と回転シャフトの中点4との間に位置し、第2のグループの複数の送り羽根2対は、回転シャフトの第2の端部と回転シャフトの前記中点4との間に位置する。本方法は、第1および第2のグループの各対の送り羽根2について、フィン3が隣接する対の送り羽根2の対応するフィン3から第1の予め定められた距離だけオフセットするように、且つ第1のグループの各対の送り羽根2について、フィン3が第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィン3から第2の予め定められた角度だけオフセットするように、第1および第2のグループの複数の送り羽根2の送り羽根2対を配置するステップを含んでもよい。本方法は、第1のグループの複数の送り羽根2のフィン3が、第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィン3から、第1の予め定められた角度よりも小さい角度だけオフセットするように、第1および第2のグループの複数の送り羽根2を配置するステップを含んでもよい。さらに、第2の予め定められた角度は、好ましくは、第1の予め定められた角度の半分である。
【0046】
一例では、前記第1および第2のグループの送り羽根2対は、同数の送り羽根2対を含む。本方法は、それぞれ回転シャフトの第1の端部または第2の端部に近位の最初の送り羽根2対と回転シャフトの中点4に近位の最後の送り羽根2対とから送り羽根2対を配置するステップであって、第1のグループの最初の送り羽根2対が第2のグループの最初の送り羽根2対に対応し、各グループの他の送り羽根2対についても同様である、ステップを含んでもよい。
【0047】
実施形態の一例では、本方法は、第1のグループの複数の対の送り羽根2が回転シャフトの第1の端部から中点4まで長手方向軸Lに対して時計回りの方向に互いにオフセットするように、且つ、第2のグループの複数の対の送り羽根2が回転シャフトの中点4から第2の端部まで長手方向軸Lに対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、複数の送り羽根2を回転シャフトに配置するステップを含む。このような例では、第1および第2のグループの複数の送り羽根対は、V字を形成する。
【0048】
本方法は、回転シャフトを回転させて、これにより、一度に一対の送り羽根2が干し草に作用し、複数の送り羽根2対が干し草を供給してカッターを個別に通過させるステップを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】米国特許第10524424B2号
【特許文献2】GB1458786A
【特許文献3】EP2220929A1
【特許文献4】EP3275303A1
【特許文献5】DE202014003763U1
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面から干し草をピックアップするためのピックアップ装置を含む農業機械用のロータ装置であって、
前記農業機械はローダーワゴンまたはベーラーであり、前記ベーラーはさらに、ベールを形成するために前記干し草を圧縮する圧縮チャンバを含み、
前記ロータ装置は、前記地面からピックアップされた前記干し草を前記圧縮チャンバに供給するように構成され、
-第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる回転シャフトと、
-各々がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィンを有する複数の送り羽根であって、前記回転シャフトにその前記第1の端部と前記第2の端部との間で結合されており、当該複数の送り羽根は、互いに対向し且つその間に空間を有する複数の対の送り羽根を含み、各対の送り羽根について、対応するフィンが長手方向に整列された、複数の送り羽根と、を備え、
各対の送り羽根について、前記フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットしており、その結果、前記複数の送り羽根の各対の送り羽根について、各フィンは他の複数の対の送り羽根の任意の他のフィンとずれている、ロータ装置。
【請求項2】
前記複数の送り羽根は、
前記回転シャフトの前記第1の端部と前記回転シャフトの中点との間に位置する第1のグループの複数の送り羽根対と、
前記回転シャフトの前記第2の端部と前記回転シャフトの前記中点との間に位置する第2のグループの複数の送り羽根対と、を含み、
前記第1のグループの各対の送り羽根について、前記フィンは隣接する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度だけオフセットしており、
前記第2のグループの各対の送り羽根について、前記フィンは隣接する対の送り羽根の対応するフィンから前記第1の予め定められた角度だけオフセットしており、
前記第1のグループの各対の送り羽根について、前記フィンは前記第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから第2の予め定められた角度だけオフセットしており、前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度よりも小さい、請求項1に記載のロータ装置。
【請求項3】
前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度の半分である、請求項2に記載のロータ装置。
【請求項4】
前記第1および前記第2のグループの複数の送り羽根対は、それぞれ前記回転シャフトの前記第1または第2の端部に近位の最初の送り羽根対と前記回転シャフトの前記中点に近位の最後の送り羽根とから分布した同数の送り羽根対を含み、前記第1のグループの前記最初の送り羽根対は前記第2のグループの前記最初の送り羽根対に対応し、各グループの他の送り羽根対についても同様である、請求項2または3に記載のロータ装置。
【請求項5】
前記第1のグループの前記複数の対の送り羽根は、前記回転シャフトの前記第1の端部から前記中点まで長手方向軸に対して時計回りの方向に互いにオフセットしており、
前記第2のグループの前記複数の対の送り羽根は、前記回転シャフトの前記中点から前記第2の端部まで前記長手方向軸に対して反時計回りの方向に互いにオフセットしている、請求項4に記載のロータ装置。
【請求項6】
前記複数の対の送り羽根の各送り羽根は、2から6個のフィンを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載のロータ装置。
【請求項7】
前記回転シャフトは、
中空パイプと、
前記中空パイプの第1の端部に設けられた動力入力シャフトであって、前記ロータ装置を回転させるために外部動力に接続可能な動力入力シャフトと、
前記中空パイプの第2の端部に設けられた動力出力シャフトと、を含み、
前記複数の送り羽根は前記中空パイプに配置される、請求項1から
3のいずれか一項に記載のロータ装置。
【請求項8】
前記回転シャフトは、前記中空パイプの前記第1の端部および前記第2の端部に配置された一対のマージン部を含み、前記複数の送り羽根は、前記一対のマージン部の間に配置される、請求項7に記載のロータ装置。
【請求項9】
ベールを形成するベーラーであって、
-干し草のピックアップ装置と、
-ロータ装置と、
-ピックアップされた干し草を切断するために、一対の送り羽根の間に動作可能に配置された複数のカッターと、
-干し草の圧縮装置と、を備え、
前記ベーラーは、前記干し草が前記干し草のピックアップ装置Pによって地面からピックアップされ、前記ピックアップされた干し草が前記ロータ装置によって干し草の圧縮装置の領域に供給されるように、構成され
、
前記ロータ装置は、前記地面からピックアップされた前記干し草を前記ベーラーの圧縮チャンバに供給するように構成され、
-第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる回転シャフトと、
-各々がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィンを有する複数の送り羽根であって、前記回転シャフトにその前記第1の端部と前記第2の端部との間で結合されており、当該複数の送り羽根は、互いに対向し且つその間に空間を有する複数の対の送り羽根を含み、各対の送り羽根について、対応するフィンが長手方向に整列された、複数の送り羽根と、を備え、
各対の送り羽根について、前記フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットしており、その結果、前記複数の送り羽根の各対の送り羽根について、各フィンは他の複数の対の送り羽根の任意の他のフィンとずれている、ベーラー。
【請求項10】
前記干し草のピックアップ装置は、前記ベーラーが進行方向ADに沿って前進するときに、前記ベーラーの車輪の回転方向とは反対方向に回転し、前記ロータ装置は前記ピックアップ装置の回転方向とは反対方向に回転する、請求項9に記載のベーラー。
【請求項11】
地面からピックアップされた干し草を農業機械のチャンバに供給するための方法であって、
前記農業機械は、圧縮チャンバを備えたローダーワゴンまたはベーラーであり、
前記方法は、
-第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる回転シャフトを準備するステップと、
-複数の対の送り羽根であって、互いに対向し且つその間に空間を有する複数の対の送り羽根を含む複数の送り羽根を準備するステップであって、各対の送り羽根がそれぞれの羽根の外周に分布した複数のフィンを有する、ステップと、
-各対の送り羽根について、対応するフィンが長手方向に整列するように、前記複数の送り羽根を前記回転シャフトにその前記第1の端部と前記第2の端部との間で結合するステップと、
-各対の送り羽根について、各フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンからオフセットするように、前記複数の送り羽根の各対の送り羽根について、各フィンが他の複数の対の送り羽根の任意の他のフィンとずれるように、前記複数の対の送り羽根を前記回転シャフトに配置するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
-前記回転シャフトの前記第1の端部と前記回転シャフトの中点との間に位置する第1のグループの送り羽根対と、前記回転シャフトの前記第2の端部と前記回転シャフトの前記中点との間に位置する第2のグループの送り羽根対と、を準備するステップと、
-前記第1および第2のグループの各対の送り羽根について、前記フィンが隣接する対の送り羽根の対応するフィンから第1の予め定められた角度だけオフセットするように、且つ、
前記第1のグループの各対の送り羽根について、前記フィンが前記第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから第2の予め定められた角度だけオフセットするように、前記複数の送り羽根を配置するステップであって、前記第2の予め定められた角度は、前記第1の予め定められた角度よりも小さいステップと、をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のグループの各対の送り羽根は、前記第1のグループの前記複数の送り羽根の前記フィンが前記第2のグループの対応する対の送り羽根の対応するフィンから前記第1の予め定められた角度の半分である角度だけオフセットするように、配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
同数の送り羽根対を有する前記第1および前記第2のグループの前記送り羽根対を準備するステップと、それぞれ前記回転シャフトの前記第1の端部または前記第2の端部の近位の最初の送り羽根対と前記回転シャフトの前記中点に近位の最後の送り羽根2とから前記複数の送り羽根対を配置するステップであって、これにより、前記第1のグループの前記最初の送り羽根対が前記第2のグループの前記最初の送り羽根対に対応し、各グループの他の送り羽根対についても同様である、ステップとを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の送り羽根対は、
前記第1のグループの前記複数の対の送り羽根が前記回転シャフトの前記第1の端部から前記中点まで長手方向軸に対して時計回りの方向に互いにオフセットしており、且つ、
前記第2のグループの前記複数の対の送り羽根が前記回転シャフトの前記中点から前記第2の端部まで前記長手方向軸に対して反時計回りの方向に互いにオフセットするように、前記回転シャフトに分布している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記回転シャフトを回転させるステップであって、これにより、一度に一対の送り羽根が前記干し草に作用するステップを含む、請求項12
または13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の対の送り羽根は、その間に距離をおいて前記回転シャフトの長さに沿って配置され、前記複数の対の送り羽根の間の前記距離は、前記複数の対の各対の送り羽根の前記フィンの間の前記空間よりも大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ装置。
【請求項18】
各対の送り羽根は、同一の大きさおよび形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ装置。
【請求項19】
前記ロータ装置は収束した外形を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ装置。
【請求項20】
前記第1および前記第2のグループの前記複数の送り羽根対は、前記複数の送り羽根対が前記回転シャフト上でV字を形成するように分布している、請求項2に記載のロータ装置。
【国際調査報告】