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特表2024-523171CMUT共振判定のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】CMUT共振判定のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240621BHJP
   A61B 8/06 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574389
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022035305
(87)【国際公開番号】W WO2023278437
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,094
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518452607
【氏名又は名称】オトネクサス メディカル テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】モーリング, マーク エー.
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD03
4C601DE03
4C601EE09
4C601GB41
4C601HH01
4C601HH02
4C601HH04
4C601JB28
4C601JB34
4C601JB48
4C601JB49
4C601JB50
(57)【要約】
容量性微細加工超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法は、超音波トランスデューサに広帯域励起波形を指向することであって、励起波形は、超音波トランスデューサの予想共振周波数を含む、周波数帯域を備える、ことと、超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することとを含み得る。超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される。超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法であって、
超音波トランスデューサに広帯域電気刺激波形を指向することであって、前記刺激波形のスペクトル帯域幅は、前記超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を含む、ことと、
前記広帯域電気刺激の結果としての前記超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号から前記超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される、請求項1-2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサの前記リングダウン特性は、前記広帯域電気刺激に応答する前記超音波トランスデューサの前記少なくとも1つの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波トランスデューサの前記放出信号をデジタル化することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記超音波トランスデューサの前記リングダウン特性を測定することは、前記広帯域電気刺激に応答する前記超音波トランスデューサからの前記増幅された少なくとも1つの放出信号のフーリエ変換を計算することを含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記フーリエ変換は、ゼロパディングされたフーリエ変換を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記リングダウン特性は、共振周波数を備える、請求項1-8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ピーク周波数を判定することをさらに含み、前記ピーク周波数は、前記放出信号の前記フーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する、請求項6-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することをさらに含み、ピーク周波数を判定することは、
(a)前記超音波トランスデューサの前記放出信号の前記複数のフーリエ変換データ点を受信することと、
(b)前記複数のフーリエ変換データ点の前記ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、
(c)前記ピーク周波数を囲繞する前記複数のデータ点の前記多項式フィットの最大値から前記ピーク周波数を判定することと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記広帯域電気刺激は、パルス化信号を備え、前記パルス化信号は、1つ以上の発振を備える、請求項1-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記パルス化信号は、デルタ関数を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記発振パルス化信号は、少なくとも1サイクルの発振を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記パルス化発振信号は、サイクル持続時間を備え、前記発振信号の前記サイクル持続時間は、前記リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される、請求項13-15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス化信号は、少なくとも1つのパルスを備える、請求項13-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のフーリエ変換データ点の前記ピーク周波数を囲繞する前記複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備え得る、請求項11-17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記リングダウン特性は、前記広帯域電気刺激が前記超音波トランスデューサに指向された後に測定される、請求項1-18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2つの広帯域電気刺激が、前記超音波トランスデューサに指向され、前記超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、平均化される、請求項1-19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記リングダウン特性は、共振周波数を備え、前記共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える、請求項1-20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記リングダウン特性に基づいて、前記超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することをさらに含む、請求項1-21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記超音波トランスデューサの前記非機能的特性評価は、前記機能的超音波トランスデューサの前記リングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定するためのコンピュータシステムであって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサと電気通信する、プロセッサと、
(c)ソフトウェアを含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体と
を備え、
前記ソフトウェアは、実行可能命令を備え、前記命令は、実行の結果として、前記コンピュータシステムの前記プロセッサに、
(i)広帯域電気刺激を前記超音波トランスデューサに提供することであって、前記広帯域電気刺激のスペクトル帯域幅は、前記超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備える、ことと、
(ii)前記広帯域電気刺激に応答する前記超音波トランスデューサからの放出信号を測定することと、
(iii)前記放出信号のリングダウン特性を判定することと
を行わせる、コンピュータシステム。
【請求項25】
前記超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサを備える、請求項24に記載のコンピュータシステム。
【請求項26】
前記超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される、請求項24または25に記載のコンピュータシステム。
【請求項27】
前記超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される、請求項24-26のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項28】
前記超音波トランスデューサの前記リングダウン特性は、前記広帯域電気刺激に応答する前記超音波トランスデューサの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される、請求項24-27のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項29】
前記超音波トランスデューサの前記増幅された放出信号をデジタル化することをさらに含む、請求項28に記載のコンピュータシステム。
【請求項30】
前記超音波トランスデューサの前記リングダウン特性を判定することは、前記広帯域電気刺激に応答する前記超音波トランスデューサの前記増幅された放出信号のフーリエ変換を計算することを含む、請求項28または29に記載のコンピュータシステム。
【請求項31】
前記フーリエ変換を計算することに先立って、前記放出信号は、ゼロパディングされる、請求項30に記載のコンピュータシステム。
【請求項32】
前記フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む、請求項30または31に記載のコンピュータシステム。
【請求項33】
前記リングダウン特性は、共振周波数を備える、請求項24-32のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項34】
ピーク周波数を判定することをさらに含み、前記ピーク周波数は、前記放出信号の前記フーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する、請求項30-33のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項35】
前記フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することをさらに含み、ピーク周波数を判定することは、
(a)前記超音波トランスデューサの前記放出信号の前記複数のフーリエ変換データ点を受信することと、
(b)前記複数のフーリエ変換データ点の前記ピーク周波数を囲繞する前記複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、
(c)前記ピーク周波数を囲繞する前記複数のデータ点の前記多項式フィットの最大値から前記ピーク周波数を判定することと
を含む、請求項34に記載のコンピュータシステム。
【請求項36】
前記多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える、請求項35に記載のコンピュータシステム。
【請求項37】
前記ピーク周波数を囲繞する前記複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備える、請求項35に記載のコンピュータシステム。
【請求項38】
前記広帯域電気刺激は、パルス化信号を備え、前記パルス化信号は、1つ以上の発振を備える、請求項24-37のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項39】
前記パルス化信号は、デルタ関数を備える、請求項38に記載のコンピュータシステム。
【請求項40】
前記パルス化発振信号は、少なくとも1サイクルの発振を備える、請求項38または39に記載のコンピュータシステム。
【請求項41】
前記パルス化発振信号は、サイクル持続時間を備え、前記発振信号の前記サイクル持続時間は、前記リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される、請求項38-40のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項42】
前記広帯域電気刺激の前記パルス化信号は、少なくとも1つのパルスを備える、請求項38-41のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項43】
前記リングダウン特性は、前記広帯域電気刺激が前記超音波トランスデューサに指向された後に測定される、請求項24-42のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項44】
少なくとも2つの広帯域電気刺激が、前記超音波トランスデューサに指向され、前記超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、検出および平均化される、請求項24-43のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項45】
前記リングダウン特性は、共振周波数を備え、前記共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える、請求項24-44のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項46】
前記リングダウン特性に基づいて、前記超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することをさらに含む、請求項24-45のいずれか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項47】
前記超音波トランスデューサの前記非機能的特性評価は、前記機能的超音波トランスデューサの前記リングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える、請求項46に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本願は、参照することによって完全に組み込まれる、2021年6月29日に出願された、米国仮特許出願第63/216,094号の利益を主張する。
【0002】
(背景)
気密耳鏡検査は、圧力変化(例えば、空気流)に応答する患者の鼓膜の可動性の判定を可能にする、医療検査である。健康な鼓膜は、圧力に応答して移動する。不動性は、中耳内の流体に起因し得る。滲出液を伴う中耳炎は、鼓膜に隣接する流体の存在によって特徴付けられる。故に、滲出液を伴う中耳炎の診断を確立することは、気密耳鏡検査によって支援され得る。
【0003】
気密耳鏡検査は、概して、外耳道の中への検鏡の挿入を備え、圧力シールを作成する。検鏡先端の近位端は、レンズと、光源と、圧力源(例えば、ゴム球)とを備える、ヘッドに取り付けられる。臨床医は、球を優しく圧迫および解放し、鼓膜における移動を誘発する。臨床医は、次いで、膜移動の存在または不在を観察し、膜の後方の流体の存在を推測する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
本明細書で認識されるものは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)システム、方法、およびデバイスを改良することの必要性である。例えば、CMUTの共振周波数を判定することが、有利であり得る。共振周波数においてCMUTを駆動することは、超音波耳鏡検査測定におけるCMUTの感度を改良し得る。
【0005】
ある側面では、本開示は、容量性微細加工超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法を提供する。本方法は、超音波トランスデューサに広帯域電気刺激波形を指向することであって、波形は、超音波トランスデューサの予想中心周波数を含む、周波数帯域を備える、ことと、超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することとを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される。
【0007】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、内臓および血管の聴診を実施するための聴診器ベルに結合される。
【0008】
別の側面では、本開示は、任意の側面または実施形態の方法を実施するためのシステムを提供する。
【0009】
本開示の別の側面は、1つ以上のコンピュータプロセッサと、それに結合される、コンピュータメモリとを備える、システムを提供する。コンピュータメモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記または本明細書の別の場所の方法のうちのいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える。
【0010】
ある側面では、本開示は、容量性微細加工超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法を提供し、方法は、超音波トランスデューサに広帯域電気刺激波形を指向することであって、刺激波形のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備える、ことと、広帯域電気刺激の結果としての超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号から超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することとを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサのリングダウン特性は、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することは、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサからの増幅された少なくとも1つの放出信号のフーリエ変換を計算することを含む。いくつかの実施形態では、フーリエ変換は、ゼロパディングされたフーリエ変換を備える。いくつかの実施形態では、フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、共振周波数を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数は、放出信号のフーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数を判定することは、超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信することと、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値からピーク周波数を判定することとを含む。いくつかの実施形態では、多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える。いくつかの実施形態では、広帯域電気刺激は、パルス化信号を備える。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、1つ以上の発振を備える。ある場合には、1つ以上の発振は、ユニポーラ信号またはバイポーラ信号を備えてもよい。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、デルタ関数を備える。いくつかの実施形態では、パルス化発振信号は、少なくとも1サイクルの発振を備える。いくつかの実施形態では、発振信号は、サイクル持続時間を備え、発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、少なくとも1つのパルスを備える。いくつかの実施形態では、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに指向された後に測定される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、検出および平均化される。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、共振周波数を備え、共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサの非機能的特性評価は、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える。
【0012】
ある側面では、本開示は、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定するためのコンピュータシステムを提供し、コンピュータシステムは、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサと電気通信する、プロセッサと、ソフトウェアを含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体とを備え、ソフトウェアは、実行可能命令を備え、命令は、実行の結果として、コンピュータシステムのプロセッサに、広帯域電気刺激を超音波トランスデューサに提供することであって、広帯域電気刺激のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備える、ことと、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサからの放出信号を測定することと、放出信号のリングダウン特性を判定することとを行わせる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサのリングダウン特性は、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの放出信号をデジタル化および/または増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される。いくつかの実施形態では、ソフトウェア実行可能命令はさらに、超音波トランスデューサの増幅された放出信号をデジタル化することを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定することは、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサのデジタル化および/または増幅された放出信号のフーリエ変換を計算することを含む。いくつかの実施形態では、フーリエ変換を計算することに先立って、放出信号は、ゼロパディングされる。いくつかの実施形態では、フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、共振周波数を備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア実行可能命令はさらに、ピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数は、放出信号のフーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ソフトウェア実行可能命令はさらに、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数を判定することは、超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信することと、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値からピーク周波数を判定することとを含む。いくつかの実施形態では、多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える。いくつかの実施形態では、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、広帯域電気刺激は、パルス化信号を備える。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、1つ以上の発振を備える。ある場合には、1つ以上の発振は、ユニポーラ信号またはバイポーラ信号を備えてもよい。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、デルタ関数を備える。いくつかの実施形態では、発振信号は、少なくとも1サイクルの発振を備える。いくつかの実施形態では、発振信号は、サイクル持続時間を備え、発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される。いくつかの実施形態では、広帯域電気刺激のパルス化信号は、少なくとも1つのパルスを備える。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに指向された後に測定される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、平均化される。いくつかの実施形態では、リングダウン特性は、共振周波数を備え、共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える。いくつかの実施形態では、ソフトウェア実行可能命令はさらに、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサの非機能的特性評価は、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える。
【0015】
本開示の付加的側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが、示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白である点において修正が可能である。故に、図面および説明は、性質上、制限的ではなく、例証的と見なされるものである。
【0016】
(参照による組み込み)
本明細書に述べられた全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示と矛盾する範囲について、本明細書は、いかなるそのような矛盾する資料にも取って代わる、および/または優先されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明と、付随の図面(また、本明細書では、図(「Figure」および「FIG.」))とを参照することによって取得されるであろう。
【0018】
図1A図1Aは、時間的に幅狭かつスペクトル的に幅広のping(実線)後のリングダウン(破線)の例示的時間ドメイン測定を示す、グラフである。
【0019】
図1B図1Bは、それぞれ、図1Aからの実線および破線信号のスペクトル(フーリエ変換)ドメイン、すなわち、スペクトル的に幅広のping(実線)後のリングダウン(破線)の例示的測定を示す、グラフである。
【0020】
図2図2は、本開示の例示的CMUTに関する環境気圧の変動の結果としての共振周波数の変動性の実施例を示す、グラフである。
【0021】
図3図3は、1年の経過にわたる大気圧の変動性を示す、グラフである。これは、海面における1年の経過にわたる0.44kPaの変動(3シグマ信頼区間)を示す。
【0022】
図4図4は、5つのCMUTに関する図2のタイプの測定を示す、グラフである。
【0023】
図5図5は、本明細書に提供される方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステムを示す。
【0024】
図6図6は、本明細書のいくつかの実施形態に説明されるように、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定する方法に関するフローチャートを示す。
【0025】
図7図7は、本明細書のいくつかの実施形態に説明されるように、放出信号の複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を判定する方法に関するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
本明細書に開示されるものは、超音波トランスデューサ、特に、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)の共振周波数を判定するための改良されたシステム、デバイス、および方法であるが、そのようなシステム、デバイス、および方法は、圧電トランスデューサ(PZT)または圧電微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)等の他のタイプの超音波トランスデューサに関しても同様に適用可能であり得る。周波数掃引測定(例えば、駆動電気信号の周波数を段階的に変動させること)および各ステップにおける超音波応答のベクトルインピーダンスの実部を測定することで共振周波数を判定することが、可能であり得るが、本方法は、例えば、ハンドヘルド耳鏡の場合、器具の複雑性および製造性において課題を提示し得る。本開示の方法およびシステムは、例えば、時間において幅狭の(周波数において幅広の)電気pingを利用し、小時間窓(「リングダウン」)にわたって発生されたトランスデューサ振動率(すなわち、共振周波数)を測定してもよい。周波数スペクトルを判定するために、リングダウンのフーリエ変換が、特徴的な超音波トランスデューサ応答の周波数スペクトルを発生させるために実施されてもよい。発生された周波数スペクトルにおいて、スペクトルにおけるピークは、共振周波数を示し得る。本方法は、単一の時間ドメイン測定で全周波数スペクトルを発生させ得るが、しかしながら、複数の測定値が、平均を発生させるために平均化されてもよい。
【0027】
共振の原位置判定は、電気インピーダンスを測定するデバイスが、臨床設定において利用可能ではない場合があるため、電気インピーダンス試験よりも有利であり得る。
【0028】
本明細書に開示されるようなシステム、デバイス、耳鏡、検鏡、およびその使用および製造方法は、例えば、共同所有される米国特許公開第2021/0145406号(参照することによってその全体として組み込まれる)に説明されるもの等の容量性微細加工超音波トランスデューサおよびその特性評価、製造、および使用方法との組み合わせにおいて使用されてもよい。
【0029】
本明細書に開示されるようなシステム、デバイス、耳鏡、検鏡、およびその使用および製造方法は、例えば、共同所有される米国特許公開第2020/0107813号、米国特許公開第2018/0310917号、および米国特許公開第2017/0014053号(そのそれぞれは、参照することによってその全体として組み込まれる)に説明されるもの等の延性膜、表面、および表面下性質を特性評価するためのデバイスおよび方法との組み合わせにおいて使用されてもよい。
【0030】
本明細書に開示されるようなシステム、デバイス、耳鏡、検鏡、およびその使用および製造方法は、いくつかの生物学的組織を特性評価し、様々な診断情報を提供するために使用されてもよい。生物学的組織は、患者器官を備えてもよい。検鏡が、身体空洞内に配置され、患者組織を特性評価してもよい。患者器官または身体空洞は、例えば、いくつか挙げると、外耳道および/または鼓膜、筋肉、腱、靱帯、口、舌、咽頭、食道、胃、腸、肛門、肝臓、胆嚢、膵臓、鼻、喉頭、気管、肺、腎臓、膀胱、尿道、子宮、膣、卵巣、精巣、前立腺、心臓、動脈、静脈、脾臓、腺、脳、脊髄、神経、動脈または静脈等の血管等を備えてもよい。
【0031】
本明細書に開示されるようなシステム、デバイス、耳鏡、検鏡、およびその使用および製造方法は、鼓膜を特性評価するために使用されてもよい。例えば、膜が、急性中耳炎(AOM)等の耳の条件を判定するために特性評価されてもよい。耳がAOMを呈する、特性評価は、滲出液の存在の検出と、漿液状、粘液状、膿状、またはこれらの組み合わせのうちの1つとしての滲出液のタイプの特性評価とを含んでもよい。AOMでは、中耳滲出液(MEE)は、病原体によって誘発され得、ウイルス性感染症では、希薄または漿液状であり、細菌性感染症では、より濃厚かつ膿状であり得る。故に、鼓膜に隣接する流体の種々の性質を判定することは、膜を特性評価するために使用され得る、情報を提供し得る。
【0032】
容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)は、耳鏡の消耗品検鏡先端の一部を構成し得る。しかしながら、ある場合には、CMUTを機能的であるとして特性評価することは、困難であり得る。ある実施例では、非機能性のタイプは、信号対雑音比(SNR)の潜在的な減少である。SNRの減少は、(1)共振以外の周波数においてCMUTを駆動することと、(2)CMUT共振に合致しない着信周波数において超音波エコーを観察することとの二重損失に起因し得る。
【0033】
別の潜在的な困難として、単一のCMUTは、異なる高度に起因して異なる共振を呈し得る。例えば、1.85MHzにおいて共振を有する、Seattleにおいて動作されるトランスデューサは、Denverにおいて1.77MHzの共振を有し得る。解説として、共振変化は、4kHz/kPaであり得、圧力は、Denverにおいて0.8Atmであり得、これは、Seattle(海面)に対して20%の圧力降下であり得る。
【0034】
これらの効果は、鼓膜(TM)表面の指向性配向によって悪化し得る。例えば、いくつかの耳からのエコーは、例えば、超音波トランスデューサに対する鼓膜表面の指向性配向に起因して、弱くあり得る。ある場合には、トランスデューサを共振させて動作させることが、有利であり得、これは、トランスデューサの最大感度の点であり得る。トランスデューサの共振を判定することは、原位置でその周波数を検出することによって遂行され得る。
【0035】
ある場合には、製造変動を制御するために、超音波トランスデューサの共振周波数を判定することが、有利であり得る。ある場合には、高度変動を制御するために、共振を判定することが、有利であり得る。共振の測定値を用いることで、CMUTの駆動波形が、CMUTが、所与の時期、高度、および許容される製造プロセス変動性において優勢である共振周波数において駆動されるように、適合され得る。
【0036】
本明細書に開示されるものは、CMUTの共振周波数を判定するための改良されたシステム、デバイス、および方法である。例えば、共振周波数を判定する1つの方法は、図1Aに示されるように、トランスデューサを「ping」(100)し、図1Bに示されるように、その応答108の周波数ドメインピーク周波数106を評価することである。ある場合には、ping100は、超音波トランスデューサの予期される共振を含有する周波数の範囲を含有するはずである。
【0037】
pingは、電気pingであってもよい。pingの本周波数範囲は、約500kHz~約5MHzまたはその部分範囲であってもよい。ある場合には、pingの周波数範囲は、約0.5メガヘルツ(MHz)~約5MHzであってもよい。ある場合には、pingの周波数範囲は、約0.5MHz~約0.6MHz、約0.5MHz~約0.7MHz、約0.5MHz~約0.8MHz、約0.5MHz~約0.9MHz、約0.5MHz~約1MHz、約0.5MHz~約2MHz、約0.5MHz~約3MHz、約0.5MHz~約4MHz、約0.5MHz~約5MHz、約0.6MHz~約0.7MHz、約0.6MHz~約0.8MHz、約0.6MHz~約0.9MHz、約0.6MHz~約1MHz、約0.6MHz~約2MHz、約0.6MHz~約3MHz、約0.6MHz~約4MHz、約0.6MHz~約5MHz、約0.7MHz~約0.8MHz、約0.7MHz~約0.9MHz、約0.7MHz~約1MHz、約0.7MHz~約2MHz、約0.7MHz~約3MHz、約0.7MHz~約4MHz、約0.7MHz~約5MHz、約0.8MHz~約0.9MHz、約0.8MHz~約1MHz、約0.8MHz~約2MHz、約0.8MHz~約3MHz、約0.8MHz~約4MHz、約0.8MHz~約5MHz、約0.9MHz~約1MHz、約0.9MHz~約2MHz、約0.9MHz~約3MHz、約0.9MHz~約4MHz、約0.9MHz~約5MHz、約1MHz~約2MHz、約1MHz~約3MHz、約1MHz~約4MHz、約1MHz~約5MHz、約2MHz~約3MHz、約2MHz~約4MHz、約2MHz~約5MHz、約3MHz~約4MHz、約3MHz~約5MHz、または約4MHz~約5MHzである。ある場合には、pingの周波数範囲は、約0.5MHz、約0.6MHz、約0.7MHz、約0.8MHz、約0.9MHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約4MHz、または約5MHzである。ある場合には、pingの周波数範囲は、少なくとも約0.5MHz、約0.6MHz、約0.7MHz、約0.8MHz、約0.9MHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、または約4MHzである。ある場合には、pingの周波数範囲は、多くても約0.6MHz、約0.7MHz、約0.8MHz、約0.9MHz、約1MHz、約2MHz、約3MHz、約4MHz、または約5MHzである。
【0038】
予想トランスデューサ共振周波数範囲は、いくつかの実施例では、約1.6~2.0MHzであってもよい。予期される共振を含有する帯域幅は、いくつかのみのサイクルを伴ってであるが、共振周波数またはその近傍においてトランスデューサを駆動することによって発生され得る。
【0039】
本帯域幅を判定するための例示的方法は、Δ=2/(nT)=2f/nを計算することであり、式中、nは、サイクルの数であり、Tは、サイクル周期(すなわち、本明細書の別の場所に説明される、サイクル持続時間)であり、f=1/Tは、周波数である。本公式を使用して、「モデル」周波数として1.8MHzを使用する結果として生じる帯域幅は、6サイクルが採用される場合、搬送波を囲繞する0.6MHzであり得る。ある場合には、サイクルの数を低減させることは、2つの効果を有し得る。第1に、これは、ping帯域幅を増加させ得、第2に、これは、引き起こされる共振振動のエネルギーを減少させ得る。例えば、1サイクルは、>3MHz帯域幅にわたって周波数を拡散させ、[0.3~3.3]MHzを意味するであろう一方、6サイクルは、範囲[1.5~2.1]MHzを横断してより高い振幅振動エネルギーを拡散させるであろう。1サイクルの場合におけるより低いエネルギーは、本信号が、より多数の搬送波サイクルと同程度の量または長さでドップラ受信機を飽和させ得ないため、アナログ/デジタルコンバータおよび/または増幅器に到着する信号をより有利にし得る。例示的広帯域ping信号100および対応するフーリエ周波数空間104が、図1Bに見られ得る。
【0040】
ドップラ受信機は、通常のデジタル化および増幅を介して、pingを提供した結果として放出信号102を捕捉し得、これは、この場合では、RFエコーではなく、むしろ、送信機がそのpingを送信した後の時間間隔内の「リングダウン」であり得る。ドップラ受信機は、その利得を動的に、および/またはリアルタイムで調節し得る。
【0041】
広帯域電気刺激100に応答して超音波トランスデューサから放出された信号102は、次いで、高速フーリエ変換(FFT)によって、図1Bに示される周波数ドメイン信号108に変換され得る。FFTのピーク106(最高振幅)周波数は、トランスデューサの直近の共振周波数であり得る。ある場合には、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサのデジタル的に捕捉された、またはデジタル化された放出信号(本明細書の別の場所に説明される、アナログ/デジタルコンバータ、例えば、ドップラ受信機によって捕捉および/またはデジタル化される)102は、デジタル化された放出信号のフーリエ変換のスペクトルまたは周波数分解能を改良するために、少なくとも1つのゼロでデジタル的にパディングされてもよい。ある場合には、最大20,000個のゼロまたは少なくとも20,000個のゼロが、フーリエ変換を計算することに先立って、超音波トランスデューサの放出信号をパディングするときに利用されてもよい。
【0042】
超音波トランスデューサの共振周波数を判定した結果として、本明細書の別の場所に説明されるシステムは、判定された共振周波数を出力するように送信機に命令してもよい。送信機出力を判定された共振周波数に同調させるシステムは、改良された耳鏡検査測定を生産し得る。
【0043】
(方法)
本開示は、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定するための方法を提供する。ある場合には、超音波トランスデューサは、CMUTを備えてもよい。いくつかの事例では、リングダウン特性は、超音波トランスデューサのピークおよび/または共振周波数を備えてもよい。本明細書の別の場所に説明されるように、本開示によって提供される方法は、本明細書の別の場所に説明されるように、トランスデューサの最適な作業条件を提供するために、超音波トランスデューサの共振周波数を判定してもよい。
【0044】
ある場合には、本方法は、図6に見られるように、容量性微細加工超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法604を含んでもよい。ある場合には、本方法は、超音波トランスデューサに広帯域電気刺激波形を指向することであって、刺激波形のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備え得る、こと600と、広帯域電気刺激の結果としての超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号から超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定すること602とを含んでもよい。ある場合には、超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合されてもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサのリングダウン特性は、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定されてもよい。ある場合には、本方法はさらに、超音波トランスデューサの放出信号をデジタル化することを含んでもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサの放出信号をデジタル化することは、アナログ/デジタルコンバータによって行われてもよい。ある場合には、アナログ/デジタルコンバータは、ドップラ受信機を備えてもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することは、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの増幅および/またはデジタル化された放出信号のフーリエ変換を計算することを含んでもよい。ある場合には、フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を備えてもよい。いくつかの事例では、リングダウン特性は、超音波トランスデューサの共振周波数を備えてもよい。いくつかの事例では、本方法はさらに、ピーク周波数を判定することを含んでもよく、ピーク周波数は、デジタル化された放出信号のフーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する。ある場合には、リングダウン特性は、共振周波数を備え、共振周波数は、約1,500kHz~約2,000kHzを備える。
【0045】
ある場合には、本方法はさらに、図7に見られるように、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定すること706を含んでもよい。ある場合には、ピーク周波数を判定することは、超音波トランスデューサが広帯域電気刺激を提供された後、超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信すること700と、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定すること702と、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値から超音波トランスデューサのピーク周波数を判定すること704とを含んでもよい。ある場合には、多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備えてもよい。ある場合には、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備えてもよい。
【0046】
いくつかの事例では、広帯域電気刺激は、パルス化信号を備えてもよく、パルス化信号は、少なくとも1つまたは複数のパルスを備えてもよい。ある場合には、パルス化信号は、1つ以上の発振(例えば、全波発振、半波発振等)を備えてもよい。ある場合には、パルス化発振信号は、正弦波、方形波、鋸波、三角波、またはそれらの任意の組み合わせの波形を備えてもよい。ある場合には、1つ以上の発振は、ユニポーラ信号(例えば、デルタ関数)またはバイポーラ信号(例えば、正弦波)を備えてもよい。ある場合には、パルス化信号は、デルタ関数を備えてもよい。ある場合には、パルス化発振信号は、少なくとも1サイクルの発振を備えてもよい。いくつかの事例では、発振信号は、サイクル持続時間(すなわち、発振波形振幅が単一のサイクルの発振を完了する時間の持続時間)を備えてもよく、発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数(例えば、超音波トランスデューサの共振周波数)の予想範囲を網羅するように構成される。例えば、共振周波数の範囲は、超音波トランスデューサの母集団を横断する潜在的な共振周波数のより広い範囲を励起するようにサイクル持続時間を短縮することによって、または超音波トランスデューサの母集団を横断する潜在的な共振周波数のより狭い範囲を励起するようにサイクル持続時間を延長することによって調節されてもよい。ある場合には、所与のパルスに関する複数のサイクル発振を利用することは、超音波トランスデューサの母集団を横断して予想される、共振周波数のより広い範囲を励起し得る単一のサイクル発振と比較して、超音波トランスデューサの母集団を横断して予想される、励起される共振周波数の範囲を狭くし得る。
【0047】
ある場合には、リングダウン特性は、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに指向された後に測定されてもよい。ある場合には、最大約200マイクロ秒(μ秒)または少なくとも200μ秒の時間の検出または聴取周期が、広帯域電気刺激を提供した後に利用されてもよい。いくつかの事例では、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、超音波トランスデューサからの少なくとも2つの放出信号が、検出される。ある場合には、超音波トランスデューサからの少なくとも2つの放出信号は、平均化される。
【0048】
ある場合には、本方法はさらに、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することを含んでもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサの非機能的特性評価は、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備えてもよい。いくつかの事例では、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲は、共振周波数の範囲を備えてもよい。ある場合には、リングダウン特性に関する所定の範囲は、先験的に判定されてもよい。
【0049】
(コンピュータシステム)
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされる、コンピュータシステムを提供する。図5は、本明細書に開示されるCMUT共振を判定する方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステム501を示す。コンピュータシステム501は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)を算出すること、適切な共振周波数においてトランスデューサを動作させるようにトランスデューサ電子機器に指示すること等、本開示のデバイスの種々の側面を調整することができる。コンピュータシステム501は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに対して遠隔で位置するコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
【0050】
コンピュータシステム501は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、もしくは並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理ユニット(CPU、また、本明細書では、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)505を含む。コンピュータシステム501はまた、メモリまたはメモリ場所510(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット515(例えば、ハードディスク)と、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース520(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス525とを含む。メモリ510、記憶ユニット515、インターフェース520、および周辺デバイス525は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU505と通信する。記憶ユニット515は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム501は、通信インターフェース520の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)530に動作的に結合されることができる。ネットワーク530は、インターネット、イントラネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク530は、ある場合には、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク530は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にし得る、1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク530は、ある場合には、コンピュータシステム501の助けを借りて、コンピュータシステム501に結合されるデバイスが、クライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0051】
CPU505は、プログラムまたはソフトウェア内で具現化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ510等のメモリ場所内に記憶されてもよい。命令は、CPU505にダイレクトされることができ、これは、続けて、本開示の方法を実装するようにCPU505をプログラムまたは別様に構成することができる。CPU505によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0052】
CPU505は、集積回路等の回路の一部であり得る。システム501の1つ以上の他のコンポーネントが、回路内に含まれることができる。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0053】
記憶ユニット515は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット515は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム501は、ある場合には、イントラネットまたはインターネット530を通してコンピュータシステム501と通信する遠隔サーバ上等に位置する、コンピュータシステム501の外部にある、1つ以上の付加的データ記憶ユニットを含むことができる。
【0054】
コンピュータシステム501は、ネットワーク530を通して1つ以上の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム501は、ユーザの遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムの実施例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標) iPad(登録商標)、Samsung(登録商標) Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標) iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク530を介してコンピュータシステム501にアクセスすることができる。
【0055】
本明細書に説明されるような方法は、例えば、メモリ510または電子記憶ユニット515上等、コンピュータシステム501の電子記憶場所上に記憶される、機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されることができる。機械実行可能または機械可読コードが、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用の間、コードは、プロセッサ505によって実行されることができる。ある場合には、コードは、記憶ユニット515から読み出され、プロセッサ505による迅速なアクセスのためにメモリ510上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット515は、除外されることができ、機械実行可能命令は、メモリ510上に記憶される。
【0056】
コードは、事前コンパイルされ、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械との併用のために構成されることができる、またはランタイムの間にコンパイルされることができる。コードは、コードが事前コンパイルまたはアズコンパイル方式において実行されることを可能にするように選択され得る、プログラミング言語で供給されることができる。
【0057】
コンピュータシステム501等の本明細書に提供されるシステムおよび方法の側面は、プログラミングにおいて具現化されることができる。本技術の種々の側面は、典型的には、あるタイプの機械可読媒体上で搬送される、またはそれにおいて具現化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態における「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等の電子記憶ユニット上に記憶されることができる。「記憶」タイプ媒体は、ソフトウェアプログラミングのために任意の時点で非一過性記憶を提供し得る、コンピュータ、プロセッサ、または同等物の有形メモリ、もしくは種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同等物等のその関連付けられるモジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全てまたは一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して通信されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を保有し得る別のタイプの媒体は、ローカルデバイスの間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学固定ネットワークを通して、および種々のエアリンクを経由して使用されるもの等、光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、または同等物等のそのような波を搬送する物理的要素はまた、ソフトウェアを保有する媒体と見なされ得る。本明細書に使用されるように、非一過性有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する、任意の媒体を指す。
【0058】
したがって、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は、限定ではないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベース等を実装するために使用され得るもの等、任意のコンピュータまたは同等物内の記憶デバイスのうちのいずれか等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等の動的メモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブルと、コンピュータシステム内のバスを備えるワイヤを含む、銅ワイヤおよび光ファイバとを含む。搬送波伝送媒体は、電気または電磁信号、もしくは無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信の間に発生されるもの等の音響または光波の形態をとってもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、したがって、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を転送する搬送波、そのような搬送波を転送するケーブルまたはリンク、またはそれからコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態のうちの多くは、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関与してもよい。
【0059】
コンピュータシステム501は、例えば、CMUT共振周波数を提供するためのユーザインターフェース(UI)540を備える、電子ディスプレイ535を含む、またはそれと通信することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0060】
本開示の方法およびシステムは、1つ以上のアルゴリズムを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット505による実行に応じて、ソフトウェアを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、例えば、CMUT共振周波数を判定することができる。
【0061】
ある場合には、本明細書の開示によって提供されるシステムは、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定するためのコンピュータシステムを備えてもよい。いくつかの事例では、コンピュータシステムは、(a)超音波トランスデューサと、(b)超音波トランスデューサと電気通信する、プロセッサと、(c)ソフトウェアを含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を備えてよく、ソフトウェアは、実行可能命令を備え、命令は、実行の結果として、コンピュータシステムのプロセッサに、(i)広帯域電気刺激を超音波トランスデューサに提供することであって、広帯域電気刺激のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備える、ことと、(ii)広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサからの放出信号を測定することと、(iii)放出信号のリングダウン特性を判定することとを行わせる。ある場合には、超音波トランスデューサは、CMUTを備えてもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサは、耳鏡の検鏡に結合されてもよい。ある場合には、超音波トランスデューサは、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合されてもよい。ある場合には、超音波トランスデューサのリングダウン特性は、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定されてもよい。いくつかの事例では、ソフトウェアはさらに、プロセッサに、超音波トランスデューサの増幅された放出信号をデジタル化させてもよい。ある場合には、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定することは、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの増幅された放出信号のフーリエ変換を計算することを含んでもよい。ある場合には、フーリエ変換を計算することに先立って、放出信号は、ゼロパディングされてもよい。ある場合には、放出信号は、最大20,000個のゼロまたは少なくとも20,000個のゼロでゼロパディングされてもよい。いくつかの事例では、フーリエ変換は、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を備えてもよい。ある場合には、リングダウン特性は、共振周波数を備えてもよい。いくつかの事例では、ソフトウェアはさらに、プロセッサに、ピーク周波数を判定させてもよく、ピーク周波数は、超音波トランスデューサの放出信号のフーリエ変換の最大振幅を備える。
【0062】
いくつかの事例では、ソフトウェアはさらに、プロセッサに、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定させてもよい。ある場合には、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することは、(a)超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信することと、(b)複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値からピーク周波数を判定することとを含んでもよい。ある場合には、多項式フィットは、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備えてもよい。いくつかの事例では、広帯域電気刺激は、パルス化信号を備えてもよい。いくつかの実施形態では、パルス化信号は、1つ以上の発振を備えてもよい。ある場合には、1つ以上の発振は、ユニポーラ信号またはバイポーラ信号を備えてもよい。いくつかの事例では、パルス化信号は、デルタ関数を備えてもよい。ある場合には、発振信号は、少なくとも1サイクルの発振を備えてもよい。ある場合には、発振信号は、サイクル持続時間を備えてもよく、発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される。いくつかの事例では、広帯域電気刺激のパルス化信号は、少なくとも1つのパルスを備えてもよい。ある場合には、リングダウン特性は、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに提供された後に測定されてもよい。いくつかの事例では、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、それによって、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号を生産してもよい。ある場合には、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号は、平均化されてもよい。いくつかの事例では、リングダウン特性は、共振周波数を備えてもよく、共振周波数は、約1,500kHz~約2,000kHzを備えてもよい。ある場合には、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点は、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備えてもよい。
【0063】
ある場合には、ソフトウェアはさらに、プロセッサに、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価させてもよい。いくつかの事例では、超音波トランスデューサの非機能的特性評価は、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備えてもよい。いくつかの事例では、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲は、共振周波数の範囲を備えてもよい。
【0064】
用語「少なくとも~」、「~を上回る」、または「~を上回る、またはそれに等しい」が、一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときは常に、用語「少なくとも~」、「~を上回る」、または「~を上回る、またはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、「1、2、または3を上回る、またはそれに等しい」は、「1を上回る、またはそれに等しい」、「2を上回る、またはそれに等しい」、または「3を上回る、またはそれに等しい」と同等である。
【0065】
用語「~以下」、「~未満」、または「~未満、またはそれに等しい」が、一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときは常に、用語「~以下」、「~未満」、または「~未満、またはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、「3、2、または1未満、またはそれに等しい」は、「3未満、またはそれに等しい」、「2未満、またはそれに等しい」、または「1未満、またはそれに等しい」と同等である。
【0066】
本明細書のある本発明の実施形態は、数値範囲を想定する。範囲が存在するとき、範囲は、範囲の端点を含む。加えて、範囲内の全ての部分範囲および値が、明示的に書き出されているかのように存在する。
【0067】
用語「約」または「おおよそ」は、特定の値に関する許容可能な誤差範囲内を意味し得、これは、部分的に、値が測定または判定される方法、例えば、測定システムの限界に依存するであろう。例えば、「約」は、当技術分野の慣習に従って、1以内の、または1を上回る標準偏差を意味し得る。代替として、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本願および請求項に説明される場合、別様に記載されない限り、特定の値に関する許容可能な誤差範囲内を意味する用語「約」が、仮定され得る。
【0068】
(実施形態)
付番された実施形態1は、超音波トランスデューサの共振周波数を判定する方法を備え、方法は、超音波トランスデューサに広帯域電気刺激波形を指向することであって、刺激波形のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を含む、ことと、広帯域電気刺激の結果としての超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号から超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することとを含む。付番された実施形態2は、超音波トランスデューサが、耳鏡の検鏡に結合される、実施形態1に記載の方法を備える。付番された実施形態3は、超音波トランスデューサが、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される、実施形態1または2に記載の方法を備える。付番された実施形態4は、超音波トランスデューサのリングダウン特性が、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの少なくとも1つの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される、実施形態1-3のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態5は、超音波トランスデューサの放出信号をデジタル化することをさらに含む、実施形態4に記載の方法を備える。付番された実施形態6は、超音波トランスデューサのリングダウン特性を測定することが、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサからの増幅された少なくとも1つの放出信号のフーリエ変換を計算することを含む、実施形態1-5のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態7は、フーリエ変換が、ゼロパディングされたフーリエ変換を備える、実施形態6に記載の方法を備える。付番された実施形態8は、フーリエ変換が、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む、実施形態6または7に記載の方法を備える。付番された実施形態9は、リングダウン特性が、共振周波数を備える、実施形態1-8のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態10は、本方法がさらに、ピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数は、放出信号のフーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する、実施形態6-9のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態11は、本方法がさらに、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数を判定することは、超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信することと、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値からピーク周波数を判定することとを含む、実施形態8に記載の方法を備える。付番された実施形態12は、多項式フィットが、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える、実施形態11に記載の方法を備える。付番された実施形態13は、広帯域電気刺激が、パルス化信号を備え、パルス化信号は、1つ以上の発振を備える、実施形態1-12のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態14は、パルス化信号が、デルタ関数を備える、実施形態13に記載の方法を備える。付番された実施形態15は、発振信号が、少なくとも1サイクルの発振を備える、実施形態13に記載の方法を備える。付番された実施形態16は、パルス化発振信号が、サイクル持続時間を備え、パルス化発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される、実施形態13-15のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態17は、パルス化信号が、少なくとも1つのパルスを備える、実施形態13-16のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態18は、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点が、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備え得る、実施形態11-17のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態19は、リングダウン特性が、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに指向された後に測定される、実施形態1-18のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態20は、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、平均化される、実施形態1-19のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態21は、リングダウン特性が、共振周波数を備え、共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える、実施形態1-20のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態22は、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することをさらに含む、実施形態1-21のいずれか1項に記載の方法を備える。付番された実施形態23は、超音波トランスデューサの非機能的特性評価が、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える、実施形態22に記載の方法を備える。
【0069】
付番された実施形態24は、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定するためのコンピュータシステムを備え、コンピュータシステムは、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサと電気通信する、プロセッサと、ソフトウェアを含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体とを備え、ソフトウェアは、実行可能命令を備え、命令は、実行の結果として、コンピュータシステムのプロセッサに、広帯域電気刺激を超音波トランスデューサに提供することであって、広帯域電気刺激のスペクトル帯域幅は、超音波トランスデューサの予想共振周波数範囲を備える、ことと、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサからの放出信号を測定することと、放出信号のリングダウン特性を判定することとを行わせる。付番された実施形態25は、超音波トランスデューサが、容量性微細加工超音波トランスデューサを備える、実施形態24に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態26は、超音波トランスデューサが、耳鏡の検鏡に結合される、実施形態24または25に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態27は、超音波トランスデューサが、内臓または血管の聴診を遂行するための取付具に結合される、実施形態24-26のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態28は、超音波トランスデューサのリングダウン特性が、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの放出信号を増幅させるように構成される、ドップラ受信機によって測定される、実施形態24-27のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態29は、ソフトウェア実行可能命令がさらに、超音波トランスデューサの増幅された放出信号をデジタル化することを含む、実施形態28に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態30は、超音波トランスデューサのリングダウン特性を判定することが、広帯域電気刺激に応答する超音波トランスデューサの増幅された放出信号のフーリエ変換を計算することを含む、実施形態28または29に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態31は、フーリエ変換を計算することに先立って、放出信号が、ゼロパディングされる、実施形態30に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態32は、フーリエ変換が、ハニングまたはブラックマンフィルタ窓を組み込む、実施形態30または31に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態33は、リングダウン特性が、共振周波数を備える、実施形態24-32のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態34は、ソフトウェア実行可能命令がさらに、ピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数は、放出信号のフーリエ変換の最大振幅の周波数に対応する、実施形態30-33のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態35は、ソフトウェア実行可能命令がさらに、フーリエ変換の複数のデータ点のピーク周波数を判定することを含み、ピーク周波数を判定することは、超音波トランスデューサの放出信号の複数のフーリエ変換データ点を受信することと、複数のフーリエ変換データ点のピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットを判定することと、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点の多項式フィットの最大値からピーク周波数を判定することとを含む、実施形態34に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態36は、多項式フィットが、一次、二次、三次、四次、または五次多項式フィットを備える、実施形態35に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態37は、ピーク周波数を囲繞する複数のデータ点が、最大19個のデータ点または少なくとも19個のデータ点を備える、実施形態35に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態38は、広帯域電気刺激が、パルス化信号を備え、パルス化信号は、1つ以上の発振を備える、実施形態24-37のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態39は、パルス化信号が、デルタ関数を備える、実施形態38に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態40は、パルス化発振信号が、少なくとも1サイクルの発振を備える、実施形態38または39に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態41は、パルス化発振信号が、サイクル持続時間を備え、発振信号のサイクル持続時間は、リングダウン特性の共振周波数の予想範囲を網羅するように構成される、実施形態38-40のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態42は、広帯域電気刺激のパルス化信号が、少なくとも1つのパルスを備える、実施形態38-41のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態43は、リングダウン特性が、広帯域電気刺激が超音波トランスデューサに指向された後に測定される、実施形態24-42のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態44は、少なくとも2つの広帯域電気刺激が、超音波トランスデューサに指向され、超音波トランスデューサの少なくとも2つの放出信号が、平均化される、実施形態24-43のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態45は、リングダウン特性が、共振周波数を備え、共振周波数は、約1,500キロヘルツ(kHz)~約2,000kHzを備える、実施形態24-44のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態46は、ソフトウェア実行可能命令がさらに、リングダウン特性に基づいて、超音波トランスデューサを機能的または非機能的として特性評価することを含む、実施形態24-45のいずれか1項に記載のコンピュータシステムを備える。付番された実施形態47は、超音波トランスデューサの非機能的特性評価が、機能的超音波トランスデューサのリングダウン特性に関する所定の範囲外のリングダウン特性を備える、実施形態46に記載のコンピュータシステムを備える。
【0070】
(実施例)
(実施例1 変動する大気条件下のCMUTトランスデューサの周波数応答特性評価)
実施例として、以下の実験が、OtoNexus c0ドップラシステムを用いて実施された。
【0071】
機器:OtoNexus研究実験室音響出力監視システムであって、システムは、パルスエコーモードおよびトランスデューサ(先験的に1.92MHzにおける共振が公知である)のために構成される。
【0072】
方法:1,000個のパルス周期が、1サイクルのバースト長および1.6MHzの選択された周波数のTX条件を使用して実装およびサンプリングされた。本周波数は、共振を判定する本方法が、ping中心周波数がトランスデューサ共振周波数の近傍にあることを要求しないが、より低い持続時間のパルスと関連付けられる帯域幅がトランスデューサの共振周波数を含むように延在するため、トランスデューサが「好む」エネルギーを有することを実証するために選定された。
【0073】
図1Aは、時間ドメインにおいて、時間的に幅狭かつスペクトル的に幅広のping(100)後のリングダウン(102)の例示的測定を示す。
【0074】
図1Bは、リングダウン(108)および時間的に幅狭かつスペクトル的に幅広のping(104)のスペクトル(フーリエ変換)ドメインを示す。
【0075】
単一のサイクル励起は、図1Aに正弦波として示され、TX発射後の最初の数マイクロ秒が、表示される。示される「ping」100は、1.6MHzの周波数を有する。トレース102は、トランスデューサリングダウン周期であり、ここでのサンプリングは、約3μ秒において開始され、約5μ秒にわたって続き、25MS/秒において合計約125個のサンプルとなる。トレース102は、本システム上の1,000個のプロファイルの平均であり、データを入手するために0.2秒を要した。デジタル化された平均リングダウン102は、フーリエ変換に対するスペクトル分解能を増加させるために、20,000個のゼロでパディングされた。
【0076】
結果として生じる周波数ドメインデータが、図1Bに示される。波形104の左端上の最初のローブは、「ping」の広帯域性質を示し、これは、本発明者らがCMUTトランスデューサのクラスにおいて見ることを予期する共振周波数の全範囲を十分に網羅する。
【0077】
リングダウン108のフーリエ変換の結果として生じる周波数ドメインデータは、ping100が、その独自の共振において本発明者らのクラスのいかなるCMUTも励起し、応答を引き出し得ることを示す。CMUTに提供される本広帯域励起は、1.92MHzにおいてピーク周波数106の判定をもたらし、これは、その直近の共振周波数を実証するCMUTである。
【0078】
図2は、本開示の例示的CMUTに関する環境気圧の変動の結果としての共振周波数の変動性の実施例を示す。図2に示されるグラフは、4.6kHz/kPaの傾きおよび1,292kHzの切片を伴う線形フィットを有する。これらのデータは、人間が生活する異なる高度に対応する異なる大気圧における共振周波数を判定することの必要性を実証し得る。
【表1】
【0079】
図3は、1年の経過にわたる大気圧の変動性を示す。図3は、海面における1年の経過にわたる0.44kPaの変動(3シグマ信頼区間)を示す。
【0080】
図2のフィットを使用して、0.44kPaの圧力変化は、共振周波数を0.44kPa×4.6kHz/kPa=2.02kHzに変化させる、または表1に示される元の共振周波数の0.1%変化するであろう。有意により大きい圧力変動が、海面から10,000フィートまでの異なる高度において被られ得る。
【0081】
図4は、5つのCMUTに関する図2に見られるような環境の変動の結果としてのCMUT共振周波数の変動性の測定を示す。任意の特定の圧力において、5つのCMUT間で共振周波数における約50kHzの差異が、存在し、これらのCMUTの全コホートは、圧力範囲全体にわたって共振周波数の劇的な変化を示すことが分かり得る。
【0082】
図3に実証される共振の変動性は、図2および図4に見られる経時的な固定された高度における変動のものの少なくとも10倍である。これらの2つの変動の源は、異なる状況下で異なる共振周波数変化を実証するが、両方とも、超音波トランスデューサの直近の共振周波数の認識の重要性と、トランスデューサ感度を最大限にするためにその周波数において動作させることの必要性とを実証する。本明細書の別の場所に説明される方法、システム、およびデバイスは、様々な環境パラメータ(例えば、高度および局所温度増減)を伴う所与の地域における(例えば、湿度および大気圧に影響を及ぼす季節を示す、1年の)所与の瞬間における超音波トランスデューサの動作共振周波数を判定することに対する解決策を提供する。
【0083】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。本発明が、本明細書内で提供される具体的実施例によって限定されることを意図していない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的意味において解釈されることを意味していない。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面が、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載される、具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明がまた、任意のそのような代替、修正、変形例、または均等物を網羅するものとすることが想定される。以下の請求項が、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
【0084】
上記のステップは、実施形態による方法のそれぞれを示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了されてもよい。ステップは、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くは、有益な回数だけ繰り返されてもよい。
【0085】
本方法のそれぞれのステップのうちの1つ以上は、本明細書に説明されるような回路網、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイのためのプログラマブルアレイ論理等、プロセッサまたは論理回路網のうちの1つ以上を用いて実施されてもよい。回路網は、本方法のそれぞれのステップのうちの1つ以上を提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、コンピュータ可読メモリ上に記憶されるプログラム命令、または、例えば、プログラマブルアレイ論理またはFPGA等の論理回路網のプログラムされたステップを備えてもよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】