(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】二重弁座
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20240621BHJP
F16K 1/44 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F16K37/00 D
F16K1/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574428
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022065663
(87)【国際公開番号】W WO2022258742
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021003018.4
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513050121
【氏名又は名称】ゲーエーアー トゥーヘンハーゲン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】ライター フランク
【テーマコード(参考)】
3H052
3H065
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA02
3H052EA15
3H065AA01
3H065BB11
(57)【要約】
本発明は、第1の弁座と密封接触することができる第1の閉塞要素と、第2の弁座と密封接触することができる第2の閉塞要素と、第1の閉塞要素に結合されたセンサ物体と、センサ物体と相互作用し、センサと電気評価ユニットからなるセンサ装置と、を備え、センサ物体と相互作用するように設計されたマニピュレータが第2の閉塞要素と相互作用し、センサ装置は、マニピュレータとセンサ物体との相互作用の検証のために設計されている二重弁座に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の弁座(14)と密封接触することができる第1の閉塞要素(10)と、第2の弁座(16)と密封接触することができる第2の閉塞要素(12)と、前記第1の閉塞要素(10)に結合されたセンサ物体(34)と、前記センサ物体(34)と相互作用し、センサ(46,48)と電気評価ユニット(56)とからなるセンサ装置(44)と、を備え、前記センサ物体(34)と相互作用するように設計されたマニピュレータ(38)が前記第2の閉塞要素(12)と相互作用し、前記センサ装置(44)は、前記マニピュレータ(38)と前記センサ物体(34)との相互作用の検証のために設計されていることを特徴とする、二重弁座。
【請求項2】
前記マニピュレータ(38)が、前記第1の閉塞要素(10)及び/又は前記第2の閉塞要素(12)の位置に応じて前記センサ物体(34)を覆い、前記センサ装置(44)が覆いの程度を把握することを特徴とする、請求項1に記載の二重弁座。
【請求項3】
前記センサ装置(44)は、磁気測定法によって前記マニピュレータ(38)と前記センサ物体(34)との相互作用を検証することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の二重弁座。
【請求項4】
前記センサ物体(34)は発振電気回路を備え、前記マニピュレータ(38)は、前記第1の閉塞要素(10)及び/又は前記第2の閉塞要素(12)の位置に応じて磁束密度に影響を与える態様で前記発振電気回路のコイルに挿入されることを特徴とする、請求項3に記載の二重弁座。
【請求項5】
前記マニピュレータ(38)がロッド状に設計されていることを特徴とする、請求項4に記載の二重弁座。
【請求項6】
前記マニピュレータ(38)は、異なる磁気特性を有する部分を有することを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の二重弁座。
【請求項7】
前記センサ物体(34)が、前記第1の閉塞要素(10)に接続された弁ロッド(18)に結合されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項8】
前記第2の閉塞要素(12)が中空ロッド(20)に接続され、前記弁ロッド(18)が前記第2の閉塞要素(12)と前記中空ロッド(20)とを貫通していることを特徴とする、請求項7に記載の二重弁座。
【請求項9】
前記マニピュレータ(38)が前記第2の閉塞要素(12)に結合されていることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項10】
前記マニピュレータ(38)が、前記第2の閉塞要素(12)に面する端部において、前記中空ロッド(20)に接続されたピン(40)に接続され、前記ピン(40)が、前記弁ロッド(18)の細長い孔(42)内、又は、一方が前記弁ロッド(18)に結合され、他方が前記センサ物体(34)に結合されたキャリア(36)の細長い孔(42)内に案内されることを特徴とする、請求項8及び請求項9に記載の二重弁座。
【請求項11】
前記マニピュレータ(38)と前記第2の閉塞要素(12)との間に、前記第2の閉塞要素(12)の移動時に変化する距離(58)が存在することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項12】
前記第2の閉塞要素(12)が移動するとき、前記中空ロッド(20)が前記ピン(40)を押圧し、前記ピン(40)と共に前記マニピュレータ(38)を前記中空ロッド(20)の軸方向に押圧することを特徴とする、請求項8、請求項10、及び請求項11に記載の二重弁座。
【請求項13】
前記マニピュレータ(38)が、プリテンション要素(62、70)、好ましくはプリテンションばね(62、70)によって、静止位置にプリテンションされることを特徴とする、請求項11又は請求項12のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項14】
前記マニピュレータ(38)が、好ましくは前記センサ物体(34)に移動可能に取り付けられたキャリア(64)を介して、前記センサ物体(34)に移動可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項15】
前記センサ物体(34)は、前記プリテンション要素(62、70)が載る蓋部分(68)を有することを特徴とする、請求項13及び請求項14に記載の二重弁座。
【請求項16】
前記第2の閉塞要素(12)が移動するとき、前記中空ロッド(20)が、好ましくは前記中空ロッド(20)に連結されたタペット(66)を介して、前記マニピュレータ(38)を前記中空ロッド(20)の軸方向に押圧することを特徴とする、請求項14又は請求項15のいずれか一項に記載の二重弁座。
【請求項17】
前記距離(58)が、好ましくは前記マニピュレータ(38)にのみ固定される圧縮可能な材料で充填されていることを特徴とする、請求項11から請求項16のいずれか一項に記載の二重弁座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の二重弁座に関する。
【背景技術】
【0002】
二重弁座は、食品、飲料、医薬品、ファインケミカル製品の製造システム、及びバイオテクノロジーにおいて使用される。このような処理システムでは、高度な自動化が望まれ、その中で弁も検出され、組み込まれている。
【0003】
二重弁座には、弁を通過する流体の流れに影響を与えるために、位置を変更できる2つの閉塞要素がある。自動化には、閉塞要素の位置を決定できることが含まれる。位置は通常、二重弁座の一部である弁制御装置を使用して決定される。
【0004】
位置測定は何年も前にすでに導入されている。例えば、DE 4035017 C1は、弁制御装置に機械式切換を設けることを提案しており、その切換位置は、閉塞要素の移動によって変更される。少なくとも1つの切換が各閉塞要素に割り当てられている。
【0005】
技術開発の過程で、機械式切換は非接触システムに取って代わられた。例えば、ホールセンサ、ライトバリア、静電容量式近接センサがDE 102006039493 B4で提案されている。
【0006】
DE 102013018564 A1には、弁に閉塞要素が1つしかない場合の非接触測定が紹介されている。この場合、送受信アンテナ装置が弁制御装置に設けられ、閉塞要素上の発振回路からなるセンサ物体と相互作用する。発振回路は送信信号によって励起されて共振波を発する。共振波の発生位置は、1つの閉塞要素の位置を表し、受信アンテナ装置によって把握される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2009/030314号
【特許文献2】独国特許発明第10111833号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3241544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、弁、特に二重弁座の少なくとも2つの閉塞要素の位置を非接触で測定するための簡単な装置を作成することが課題であった。
【0009】
この課題は、独立請求項1の特徴を備えた二重弁座によって解決される。有利な構成は、従属請求項、明細書及び図に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
二重弁座は、第1の弁座と密封接触させることができる第1の閉塞要素と、第2の弁座と密封接触させることができる第2の閉塞要素と、第1の閉塞要素に結合されたセンサ物体と、センサ物体と相互作用し、センサと電子評価ユニットとを備えるセンサ装置とを備える。第2の閉塞要素の位置は、センサ物体と相互作用するように設計されたマニピュレータが第2の閉塞要素と相互作用することで測定され、センサ装置は、マニピュレータとセンサ物体との相互作用の検証のために設計されている。
【0011】
マニピュレータは、第1の閉塞要素及び/又は第2の閉塞要素の位置に応じてセンサ物体と相互に連動するように設計されている。例えば、第1の閉塞要素は弁ロッドに連結することができる。センサ物体も弁ロッドに連結することができる。第1の閉塞要素をその切替位置間で移動させ、従ってセンサ物体を移動させるために、弁ロッドを軸方向に移動させることができる。例えば、第2閉塞要素は中空ロッドに連結することができ、弁ロッドは第2の閉塞要素と中空ロッドを通している。マニピュレータは、中空ロッドと相互に連動することができ、例えば、中空ロッドと連結することができる。センサの弁ロッドへの接続又は結合と、マニピュレータの中空ロッドへの接続又は結合は、それぞれ接続又は結合要素を介して直接又は間接的に行われる。第2の閉塞要素をその切替位置間で移動させるために、中空ロッドを軸方向に移動させることができる。閉塞要素の(軸方向の)移動は、センサ物体とマニピュレータの動きに影響する。これはセンサ装置による測定によって検出される。閉塞要素のそれぞれの位置は、このことから推測される。第1の閉塞要素は、第1の弁ディスクとすることができる。これに対応して、第2の閉塞要素は第2の弁ディスクとすることができる。第1又は第2の閉塞要素の軸移動方向は、それぞれ弁のストローク軸を形成する。
【0012】
提案された解決策は、第2の閉塞要素の位置を決定するために、それに接続されたセンサ物体が不要であり、それゆえに追加のセンサも不要であるという認識に基づいている。むしろ、マニピュレータで第1のセンサ物体の特性を変更し、センサ装置を介してこの変更を確認すれば十分である。
【0013】
この場合、マニピュレータは、第1の閉塞要素及び/又は第2の閉塞要素の位置に応じてセンサ物体を覆うことができ、センサ装置は、覆う度合いを把握することができる。例えば、センサ物体が第1の閉塞要素の切換経路に沿って延び、マニピュレータが、第2の閉塞要素の位置に応じて、センサ物体を少なくとも一部又は部分的に覆うことが考えられる。この被覆は、センサ物体の外側及び/又は内側で行われることが可能である。また、第1及び/又は第2の閉塞要素を調整する際に、マニピュレータがセンサ物体を全く覆わないことも可能であり、及び/又は、第1及び/又は第2の閉塞要素を調整する際に、マニピュレータがセンサ物体を完全に覆うことも可能である。センサ物体のそれぞれの被覆の程度は、センサ装置による測定を通じて検出される。第1及び/又は第2の閉塞要素の位置は、このことから推測することができる。特に、適切に設計されたセンサ装置により、センサ物体の延伸長さが把握され、変化が確認される。これにより、特に第2の閉塞要素の切換位置について結論を導き出すことができる。
【0014】
特に実用的な構成によれば、センサ装置は、磁気測定法によって、マニピュレータとセンサ物体との相互作用を確認することができる。センサ物体を磁気的に設計し、それを遮蔽することが考えられる。
最初に、センサ装置は、磁気的相互作用によってセンサ物体の存在と(軸方向の)位置を検出することができる。このことから第1の閉塞要素の位置を推測することができる。例えば、マニピュレータがセンサ物体を覆うことで、センサ物体の磁気特性が変化する。この磁気変化はセンサ装置によって検出される。センサ物体に対するマニピュレータの位置、ひいては第2の閉塞要素の位置は、このことから推測することができる。
【0015】
他の測定方法も考えられる。例えば、センサ装置は、光学的測定方法によって、マニピュレータとセンサ物体との相互作用を検証することができる。センサ物体は光学的特性を有し、例えば、閉塞要素の位置が変化したときにマニピュレータによって部分的に覆われる反射面部分として設計される。このような長さの減少は、センサ装置によって光学的に確認することができる。
【0016】
マニピュレータを使用することで、2つ目のセンサ物体を設置したり、そのための検証の可能性を作ったりする必要がなくなる。センサ装置の変更は、追加のセンサ物体、追加のセンサ、関連する電子評価ユニットを作成するよりも費用対効果が高い。加えて、シングルシートと二重シートの一連の弁に多くの同一部品を使用することができ、生産時にスケール効果を利用することができる。必要な部品が少ないため、システムは頑丈で、信頼性の高い応用が可能である。両閉塞要素の位置の測定は1箇所で行われるため、センサと電子評価ユニット間の外部配線が省略され、センサは、例えば、閉塞要素が装置された弁ハウジングと、閉塞要素の移動に影響を与える調整装置との間に取り付けられる。
【0017】
この利点は、DE 102013018564 A1の測定原理を使用する場合に特に顕著となる。ここでのセンサ対象は、発振電気回路からなる。マニピュレータは、磁束密度に影響を与えるように設計され、例えば、鉄のロブの形で、発振回路のコイルに挿入されることが好ましい。挿入の度合いは、第1及び第2の閉塞要素の位置に依存する。磁束の影響により、発振回路の特性、例えば周波数が変化する。センサ装置は、少なくとも1つの送信コイルを有する送信装置と、少なくとも1つの受信コイルを有する受信装置とを備えることができる。好ましくは、受信装置は、第1及び第2の受信コイルを有することができる。発振回路のコイルから発せられる周波数の変化は、センサ装置の受信装置又は受信アンテナの周波数の変化につながる。電子評価ユニットは、この周波数シフトを検出し、それに基づいて信号を生成するように設計されている。例えば、2つの受信コイルの巻線は、センサ物体、特に発振回路から放射される波が受信コイルに位相シフトした電圧を誘導するように配置することができる。受信コイルに誘導される電圧を測定することで、測定経路と受信装置に対するセンサ物体の位置を決定することができる。したがって、2つの閉塞要素の位置を決定するために2つのパラメータ、すなわち、アンテナ装置に対する共振器の位置と、共振器によって放射される波の周波数が利用可能である。この解決策は、費用対効果が高く、設計がシンプルで、頑丈で信頼性の高い方法で実現できる。一重弁座と二重弁座で構成されるシリーズにおいて、二重弁座の唯一の追加構成は二重弁座のマニピュレータである。
【0018】
センサと電子評価ユニットを備えたセンサ装置は、フランジ取付けされた制御ヘッド内に完全に装置することができ、この制御ヘッド内には、第1の閉塞要素又はこの閉塞要素に接続された要素の一部が突出し、センサ物体を担持する。このようにして、位置測定付きの弁と位置測定なしの弁のモジュラーシステムをコスト効率よく構築することができる。さらに、後付けも簡単である。
【0019】
例えば、空気圧作動原理に基づく調整装置は、閉塞要素のそれぞれをそれぞれ割り当てられた弁シートに接触させ、この接触を再び解放できるように設けることができる。調整装置は、両方の閉塞要素がそれぞれの弁シートから持ち上げられる弁の開位置と、両方の閉塞要素がそれぞれの弁シートと密封接触する弁の閉位置に加えて、設計することができる。また、洗浄を可能にするために、それぞれの場合において2つの閉塞要素のうちの1つが弁シートから持ち上げられる洗浄位置にも影響を与える。
【0020】
別の構成によれば、マニピュレータはロッドの形状に設計することができる。例えば、マニピュレータは鉄の棒であってもよい。ロッドの長手方向軸は、好ましくは、閉塞要素、又はそれぞれ弁ロッド及び中空ロッドの軸方向移動方向に沿って整列される。マニピュレータは、異なる磁気特性を有する部分を有することもできる。この構成により、マニピュレータの位置、ひいては第2の閉塞要素の位置のより柔軟な検出が可能になる。
【0021】
マニピュレータは第2の閉塞要素に結合することができ、特に強固に結合することができる。その結果、第2の閉塞要素の動きは直接マニピュレータの動きに変換される。
【0022】
別の構成によれば、マニピュレータは、第2の閉塞要素に面する端部において、中空ロッドに連結されるピンに連結することができ、ピンは、弁ロッドの細長い孔、又は一方が弁ロッドに結合され他方がセンサ物体に結合されたキャリアの細長い孔に案内される。ピンは、特に中空ロッドの軸方向に対して横方向に整列させることができ、つまり横ピンを形成することができる。第2の閉塞要素がその切替位置間を移動するとき、ピンは弁ロッドの細長い孔、又は一方が弁ロッドに、他方がセンサ物体に結合されたキャリアの細長い孔に案内される。
【0023】
別の構成によれば、マニピュレータと第2の閉塞要素との間に、第2の閉塞要素が移動するときに変化する距離を存在させることができる。この構成には複数の利点がある。一方では、最初に距離を越える必要があるため、第2の閉塞要素又はそれにそれぞれ接続された中空ロッドの軸方向移動は、ドライバの軸方向移動に1対1で伝達されない。このことは、特に、剛体連結の場合には無関係で測定結果を生じさせるような、第2の閉塞要素の動きが小さい場合に、測定上の利点を提供することができる。一方、この方法では、第2の閉塞要素とマニピュレータとの間の回転デカップリングを達成することができ、これは使用ケースに応じて望まれる。従って、ストローク軸を中心とした第2の閉塞要素及び任意選択による中空ロッドの回転は、マニピュレータや、それぞれそれに接続された付加的な構成要素、例えばピンや任意選択で存在する接続要素又は連結要素、例えばドライバなどの機械的な負荷につながることはない。
【0024】
別の構成によれば、第2の閉塞要素が移動するとき、中空ロッドはピンと一緒にマニピュレータを中空ロッドの軸方向に押圧することができる。このようにマニピュレータを例えばセンサ物体のコイルに押し付けることで、例えばセンサ物体の磁気特性を変化させることができる。この場合、マニピュレータの移動は、弁のストローク軸に沿った両方向、つまり例えばセンサのコイル内やコイル外への移動が原則的に可能である。第一の場合、マニピュレータは、例えば静止状態でコイルの外側に位置し、中空ロッド又はそれぞれピンによってコイル内に異なる範囲まで押し込むことができる。しかし、マニピュレータが静止状態のコイル内に位置し、中空ロッド又はそれぞれピンによって異なる範囲までコイルから押し出されることも考えられる。
【0025】
マニピュレータはプレテンション要素、好ましくはプレテンションばねによって静止位置にプレテンションさせることができる。例えば、マニピュレータは第2の閉塞要素に面する方向にプレテンションをかけることができる。プレテンション要素、例えばプレテンションばねは、中空ロッドの押し付け接触が不足した場合、マニピュレータを開始位置に押し戻すリターン要素として機能する。従って、中空ロッドはプレテンションに反してマニピュレータを軸方向に、又はそれぞれストローク軸に沿って押し付ける。プレテンショニングばねとしては、圧縮ばね又は引張ばねを使用することができる。プリテンションばねの代わりに、例えばエアクッションをリターン要素として使用することもできる。
【0026】
別の構成によれば、マニピュレータは、好ましくはセンサ物体に移動可能なように取り付けられたキャリアを介して、センサ物体に移動可能に取り付けることができる。この構成では、例えば離調要素として機能するマニピュレータと、例えば共振器ターゲットとして機能するセンサ物体がある組立品を形成する。マニピュレータはセンサ物体上に移動可能に配置されるが、両要素は互いに対して移動可能、特にシフト可能である。第2の閉塞要素の移動中、ある方向への移動又はそれぞれのシフトは、タペットとして機能するドライバによって行われる。反対方向には、順に、プリテンション要素又はそれぞれプリテンションを与えるリターン要素、例えばプリテンションばねを設けることができる。キャリアを設けることで、例えばタペットは、マニピュレータとの直接接触の代わりにキャリアに押し付けることができる。
【0027】
センサ物体はさらに、プレテンション要素が載る蓋部分を有することができる。蓋部分は、少なくとも1つの通路を有することができる。キャリアもまた、少なくとも1つの通路を有することができる。このような通路によって、圧力均一化のための空気搬送が確保され得る。例えば、タペットをチューブとして設計することも考えられる。
【0028】
別の構成によれば、中空ロッドは、第2の閉塞要素が移動するときに、好ましくは中空ロッドに連結されたタペットを介して、中空ロッドの軸方向にマニピュレータを押圧することができる。マニピュレータの移動については、上述したことが適用される。特に、弁のストローク軸に沿った両方向の移動が可能であり、例えば、センサのコイル内又はコイル外への移動が可能である。
【0029】
マニピュレータと第2の閉塞要素との間の距離は、第2の閉塞要素の移動に伴って変化するが、この間に圧縮可能な材料を充填することができ、この圧縮可能な材料は、好ましくはマニピュレータに対してのみ固定される。この構成により、可変距離と上記に述べた関連する利点を維持することができる。同時に、一方では第2の閉塞要素又は中空ロッドの関係要素のそれぞれと、他方ではマニピュレータとの間で、接触による減衰を好ましい態様で確保することができる。圧縮可能な材料は、マニピュレータをその静止位置に移動させるための復元要素として使用することもできる。
【0030】
本発明の詳細をより詳細に説明し、その利点を例示的な実施形態に基づいてより深く説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】アンテナ装置と電子評価ユニットを備えたセンサ装置の概略図である。
【
図3】閉塞要素の様々な位置の概略図である。a)弁の閉塞位置、b)弁の開放位置、c)第1の閉塞要素の洗浄位置、d)第2の閉塞要素の洗浄位置、e)両方の閉塞要素の同時洗浄位置
【
図4】他の例示的な実施形態による二重弁座の一部の概略図である。
【
図5】他の例示的な実施形態による二重弁座の一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図中、同じ参照符号は、同一又は機能的に類似の構成要素を示す。
【0033】
【0034】
二重弁座はハウジング2を備えており、第1のポート4と第2のポート6を有する。ポート4と6は通路8によって流体的に接続されている。流体接続は切り替え可能なものである。このために、第1の閉塞要素10と第2の閉塞要素12が設けられている。第1の閉塞要素10は、第1の弁座14と密封接触させることができ、第2の閉塞要素12は、第2の弁座16と密封接触させることができる。弁座14及び16ならびに/又は閉塞要素10及び12は、この目的のために適当な密封手段、例えば密封リングを有することができる。密封装置は、半径方向、半軸方向、又は軸方向に設計することができる。
【0035】
閉塞要素10と12の密封位置は、移動方向Bに沿った閉塞要素10と12のそれぞれ独立した、又は結合した移動によって達成することができる。この動きを可能にするために、第1の閉塞要素10は弁ロッド18に接続されている。これは、第2の閉塞要素12と、第2の閉塞要素12に取り付けられた中空ロッド20とを貫通している。中空ロッド20は弁のハウジング2の外に移動可能に案内される。このため、ハウジングダクト22が設けられ、中空ロッド20の案内と密閉に効果を発揮する。
【0036】
図示の例では、弁ロッド18と中空ロッド20の動きは、好ましくは圧力媒体、特に空気圧で操作される、概略的に図示された調整装置24によって生成される。この目的のために、調整装置24は第1のピストン26と第2のピストン28を備えている。第1のピストン26は弁ロッド18の動きに作用し、第2のピストン28は中空ロッド20に接続され、それによって第2のピストン12の動きに作用する。
【0037】
制御ヘッド30は、例えばフランジ接続によって、ハウジング2と反対側を向いた調整装置24の側面で、調整装置24に解放可能に固定される。
【0038】
アンテナの装置32は、制御ヘッド30内に配置され、移動方向Bに沿って延在し、この延在の結果、測定経路Mを生成する。センサ物体34は、測定経路Mに沿って移動可能に配置され、第1の閉塞要素10に結合される。結合の結果、第1の閉塞要素10の動きは、測定経路Mに沿ったセンサ物体34の反映した動きに直接伝達される。カップリングは、好ましくは、弁ロッド18に連結される例えば中空ロッドとして設計されるキャリア36を用いて剛性的に設計される。キャリア36は、第1のピストン26を担持するように設計されるか、調整装置24の第1のピストン26を担持するロッド部分に連結され得る。
【0039】
センサ物体34は、アンテナ装置32と相互作用するように設計されている。好ましくは、電磁信号を受信し、それに応答して電磁信号を発するように設計されている。
【0040】
マニピュレータ38は、測定経路Mの高さまで制御ヘッド30内に突出している。マニピュレータ38はキャリア36の内部に収容され、キャリア36に形成された細長い孔42を通るピン40に連通している。ピン40は中空ロッド20に接続されている。このようにして、第2のピストン28によってもたらされる移動方向Bに沿った中空ロッド20の移動は、第2の閉塞要素12の移動とマニピュレータ38の移動の両方に転換される。マニピュレータ38は、少なくとも部分的にセンサ物体34に挿入され、閉塞要素10及び12の位置に応じその効果を変化させるような寸法である。閉塞要素10及び12の位置への従属性は、
図3に基づいてより詳細に説明される。
【0041】
センサ装置44の一部であるアンテナ装置32の概略図を
図2に示す。アンテナ装置32は、送信装置46と受信装置48からなる。両装置46、48は測定経路M上に延びている。
【0042】
送信装置46は、送信コイル50を備えることができ、この送信コイル50は、1つ又は複数の巻線を有し、放射された信号によって測定経路M全体を覆えるように配置される。
【0043】
受信装置48は、第1の受信コイル52及び第2の受信コイル54を有することができる。受信コイル52及び54の巻線は、センサ物体34によって放射された波が位相シフトした電圧を誘導するように受信コイル52及び54に装置される。受信コイル52及び54に誘導される電圧を測定することにより、測定経路M及び受信装置48に対するセンサ物体34の相対位置を決定することができる。
【0044】
電気評価ユニット56は、送信装置46と受信装置48に接続されている。電子評価ユニット56は、送信コイル50に電流を供給し、電磁波を発生させるように設計されている。さらに、電気評価ユニット56は、センサ物体34によって受信コイル52及び54に誘導される電圧を決定し、そこから測定経路Mに対するセンサ物体34の相対位置を導出するように設計されている。
【0045】
センサ物体34は、センサ物体34上に設けられ、コンデンサとともに発振電気回路を形成する共振器コイルからなる。これらの構成部品は、埋込用樹脂中に鋳造することができ、それにより機械的に安定化し、環境の影響から保護される。送信装置46によって放射された電磁波が発振電気回路を励起し、それによって共振波が生じる。共振コイルはリング状で、マニピュレータ38を少なくとも部分的に収容できるように設計されており、移動方向Bに対して回転対称に配置されている。そのため、コイルの巻線(導体ループとも呼ばれる)は移動方向Bに対して巻かれている。マニピュレータ38が共振器コイルに及ぼす影響は、閉塞要素10及び12の位置に応じて、マニピュレータ38が共振器コイルのリング内に少なくとも部分的に挿入されたときに特に顕著となる。
【0046】
センサ物体34及びアンテナ装置32の構造は、DE 102013018564 A1に従って設計することができる。
【0047】
図3は、第1閉塞部材10と第2閉塞部材12の様々な位置と、結合によりセンサ物体34とマニピュレータ38の位置が決定される様子を模式的に示している。この図は、特許請求の範囲に記載された主題の動作原理を示している。
【0048】
説明した装置により、2つのパラメータを検出することができる。第1のパラメータは、測定経路Mに沿った共振波の始点となるセンサ物体34の位置である。第2のパラメータは、マニピュレータの共振コイルへの挿入によって生じる共振波の周波数シフトである。したがって、位置測定と周波数シフトは、閉塞要素10と12の2つの位置に依存する2つの測定変数として利用可能であり、したがって、これらの位置を推測することができる。
【0049】
本実施例では、当業者であれば変更が可能な寸法を選択した。
【0050】
図3a)は、弁の静止位置を示している。この例の場合、これは二重弁座の閉位置である。この位置では、閉塞要素10と12はそれぞれ、それぞれ割り当てられた弁座14と16に密封接触している。第1の閉塞要素10は静止位置R1にあり、第2の閉塞要素12は静止位置R2にあり、測定経路M上のセンサ物体34は位置P0にある。マニピュレータ38は、センサ物体34とその共振コイルにまだ挿入されていません。受信装置48は、第1の周波数を有する共振波を受信する。
【0051】
図3のb)では、閉塞要素10と12は弁の開位置にある。このため、閉塞要素10及び12は、割り当てられた弁座14及び16から持ち上げられ、位置H1及びH2に移動し、その結果、通路8を通る流体の流れが可能になる。センサ物体34は測定経路Mに沿った位置P1に配置され、マニピュレータ38はセンサ物体34から離れた位置にある。
【0052】
第1の閉塞要素10のクリーニング位置が
図3のc)に示されている。第1の閉塞要素10は、第1の閉塞要素10と第1の弁座14との間のクリーニングギャップが存在する位置L1に調整される。第2の閉塞要素12は、依然として位置R2にあり、第2の弁座16と密封接触している。第1の閉塞要素10の位置R1からL1への移動は、閉塞要素10と12の間の距離が増加するようなものである。これにより、センサは、測定経路M上の位置P2に位置し、この位置は、位置P1の反対側に位置する位置P0の側に位置する。マニピュレータ38は、挿入深さE1でセンサ34とそのコイルに挿入され、その結果、第1の周波数変化がもたらされる。発振電気回路は、第一の周波数とは異なる第二の周波数で発振する。
【0053】
第2の閉塞要素12のクリーニング位置が
図3のd)に示されている。これは、静止位置R2から位置L2にもたらされる。第2の閉塞要素12と第2の弁座16との間にクリーニングギャップが形成される。第1の閉塞要素10は位置R1に留まり、第1の弁座14と密封接触している。従って、センサ物体34は位置P0に位置し、マニピュレータは挿入深さE1だけセンサ物体34に挿入され、これにより再び共振波の周波数が変化する。図示の例では、
図3c)と
図3d)による2つの位置におけるマニピュレータの挿入深さは同じである。これは、同じクリーニング効果を得るためには有利であるが、必須ではない。
【0054】
最後に、
図3e)では、閉塞要素10と12の両方がそれぞれのクリーニング位置に位置している弁位置が示されている。この例の弁では、この位置は故障を示すことができ、有利にはこれを検証することができる。しかしながら、この位置は、処理システムの状態に応じて弁をクリーニングするために使用することもできる。その後、プロセスコントローラは、製品が弁に持ち込まれるのを防止しなければならない。ここで、閉塞要素10と12の両方が、割り当てられた弁座14と16から持ち上げられ、それぞれがクリーニングギャップを形成する。閉塞要素10及び12は、位置L1及びL2に対して反対方向への移動を実行し、互いから最大の距離を有するので、マニピュレータは、挿入深さのより大きな値E2だけセンサ物体34に挿入される。この結果、閉塞要素10と12の表示位置の周波数シフトが最も大きくなり、共振波は第3の周波数を持つ。
【0055】
閉塞要素10と12の位置の評価は簡単である。
図3a)と
図3b)による位置は、センサ物体34の位置が異なり、明確に定めることができる。
図3のa)及び
図3のb)による位置と比較して、
図3のc)及び
図3のd)による位置は、検証可能な周波数シフトを有し、センサ物体34の位置P0及びP2によって互いに異なる。
図3e)による位置は、
図3c)による位置と同じセンサ物体34の位置P2を有するが、挿入深さE1よりも大きい挿入深さE2によるより強い周波数シフトによって、今度はそれとは異なる。
【0056】
マニピュレータ38は、特にこの機能説明に従って、アンテナ装置32と電気評価ユニット56による測定によって検証できる周波数シフトをもたらすように設計されている。このことは、例えば、強磁性体で作られた既知のコイルコアに基づく材料の選択に影響する。材料特性は、例えば、強磁性が異なる強さであるなど、移動方向Bに沿ったマニピュレータの広がりにわたって変化し得る。これにより、2つの異なる挿入深さE1、E2によって発生する周波数差を増幅することができる。
【0057】
センサ物体34の第1の閉塞要素10への連結とマニピュレータ38の第2の閉塞要素12への連結は、装置の取付け性を容易にするために、多部品設計とすることができる。連結は機械的に安定でなければならず、閉塞要素10と12の動きによって解除されてはならない。
【0058】
図示のように、この構造は、1つの測定装置、受信装置48及びセンサ物体34を用いて閉塞要素10及び12の両方の位置を決定するのに適している。複数のセンサを備えた複雑な測定装置を省くことができ、追加のセンサ物体も不要である。
【0059】
ここに示された実施例では、弁の閉塞要素10及び12は、それぞれの静止位置R1及びR2からそれぞれのクリーニング位置L1及びL2に反対方向に移動する。この移動が反対方向ではなく、同じ方向に行われるように弁を設計することは、1つの変更点として有利になり得る。この場合、例えば
図3c)による位置は静止位置に相当する。
図3a)は、第1の閉塞要素10のクリーニング位置である。次に、
図3e)は、第2の閉塞要素12のクリーニング位置を示す。
【0060】
図示の例では、閉塞要素10及び12が調整装置24の方向に移動するメインストロークが行われる。ある変更例では、メインストロークはこれと反対の方向に行われる。
図3では、ストローク位置H1とH2はL1の下にある。これらの位置を測定できるようにするためには、測定経路Mは、閉塞要素10及び12の方向にP2を超えるようにそれに応じて伸長されなければならない。
【0061】
別の展開によれば、マニピュレータ38の変更が提案される。このマニピュレータ38は、閉塞要素12から離れる側の端部に、磁気的に中性な材料を用いた細長い部分を有し、この細長い部分は、移動方向Bの方向においてセンサ物体34を完全に通過するように設計されている。この伸長部には第2のマニピュレータが取り付けられている。伸長部と第2のマニピュレータは、特に、
図3a)による位置では、第2のマニピュレータがセンサ物体34の外側に位置し、閉塞要素10、12から離れた方向を向いているが、
図3b)による位置では、センサ物体34の中に挿入されるか、完全にその中に位置し、センサ物体34の特性を変えるように設計されている。その結果、受信装置48で受信される共振波も変化する。電気評価ユニット56は、この変化を検出して信号を出力するようになっている。この説明された変更により、
図3b)に従って、閉塞要素10と12が開放位置で互いに離れて移動していることを検出することが可能である。互いに離れる動きの間に、マニピュレータとセンサ物体34は
図3a)のように相対的な位置になる。しかし、共振波の起点はP1付近であり、その結果、第2のマニピュレータが位置P1付近のセンサ物体内にある目標位置とは異なっていることが検証可能である。この互いに離れる動きによって、実際にはこの位置で閉じられているはずの漏出口が開かれた場合には、互いに離れる動きの検証が望まれ得る。そのため、この変更では弁のエラー検出が改善される。
【0062】
別の変更例では、第2のマニピュレータの原理が採用され、第1のマニピュレータは省略される。そして、磁気的に中性の接続要素が、第2の閉塞要素からセンサ物体へと導かれる。そして、マニピュレータが、上述した効果をもって、第2の閉塞要素から離れる方向を向いた端部に配置される。好ましくは、マニピュレータは、
図3a)の位置で、第1の挿入深さでセンサ物体34に挿入される。マニピュレータは、移動方向Bに沿って延びるので、
図3b)の位置では、
図3a)の位置よりも長い経路でセンサ物体34に挿入され、その結果、共振器の特性がより強く検証可能な程度に変化する。マニピュレータの長さは、
図3c)から
図3e)による追加位置も検証できるように選択することができる。
【0063】
本発明のさらに例示的な実施形態について、
図4及び
図5を用いて説明する。
【0064】
図4は、本発明による二重弁座の断面を示す。この二重弁座は、
図1による二重弁座にほぼ対応している。
図4による例示的な実施形態において、マニピュレータ38と第2の閉塞要素12との間に、第2の閉塞要素12が移動するときに変化する距離58が存在する点で、実質的にそれとは異なる。図示の例では、この距離58は、中空ロッド20と、弁ロッド18に連結されたキャリア36の細長い孔42に案内されるピン40の外端60との間に存在する。ピン40は次にマニピュレータ38に接続される。プレテンションばね62は、一方では細長い孔42を画定する壁に、他方ではピン40に掛かり、
図4に示す静止位置でピン40とそれと共にマニピュレータ38をプレテンションする。第2の閉塞要素12が弁座16から持ち上げられると、
図4において上方を向き、最初は中空ロッド20とピン40の外端60との間の距離58は接触まで閉じられる。閉塞要素12が移動し続けると、中空ロッド20がピン40を、それと共にマニピュレータ38を、プリテンションばね62を圧縮しながらプリテンションに抗して
図4の上方に押圧するので、マニピュレータ38は、上記でとりわけ
図3を参照して説明したように、センサ物体34のコイル内に入る。閉塞要素12が後方に移動すると、プリテンションばね62はピン40を調整し、それによりマニピュレータ38は
図4の下方に移動し、静止位置に戻る。
図4に示す位置は、
図3aに示す位置に対応する。ピン40をマニピュレータ38に直接接続する代わりに、ドライバを介してピン40をマニピュレータ38に接続することも可能である。
【0065】
図5は、本発明による二重弁座の更なる例示的な実施形態の断面を示す。この二重弁座も
図1による二重弁座にほぼ対応している。マニピュレータがキャリア64を介してセンサ34に移動可能に取り付けられている点で、マニピュレータ38とセンサ34は共通の組立体を形成している点で、実質的に異なっている。このため、マニピュレータ38はキャリア64に接続され、キャリア64はセンサ物体34に移動可能に取り付けられている。中空ロッド20に連結されたタペット66とマニピュレータ38との間には、
図4による例示的な実施形態と同様に、第2の閉塞要素12が移動するとき、それによって中空ロッド20が移動するときに変化する距離58が存在する。センサ物体34はまた、蓋部分68を有し、その上にプリテンションばね70が載り、このプリテンションばねは、
図5に示す静止位置において、キャリア64とそれと共にマニピュレータ38をプリテンションする。第2の閉塞要素12が弁座16から持ち上げられ、
図5において上方を向き、それに対応して中空ロッド20が移動させられると、当初、タペット66とマニピュレータ38との間の距離58は接触するまで閉じられる。閉塞要素12と中空ロッド20が移動し続けると、タペット66がマニピュレータ38を、それと共にキャリア64を、プリテンションばね70を圧縮しながらプリテンションに抗して
図5の上方に押圧するので、マニピュレータ38は、特に
図3を参照して上で説明したように、センサ物体34のコイル内に入る。閉塞要素12が後方に移動すると、プリテンションばね70はキャリア64を調整し、それによりマニピュレータ38は
図5の下方に調整され、静止位置に戻る。
図5に示す位置は、
図3aに示す位置に対応する。
【0066】
この場合、タペット66は、その下端部(
図5では詳しく図示されていない)でピン40に接続することができる。しかしながら、タペット66がマニピュレータ38に接続されるか、又はそれぞれ、それらが単一部品として設計される構成も考えられる。その場合、タペット66はピン40に接続されず、その代わりにピン40との距離が変更可能であり、押すだけで、ピン40により動かされることになる。
図4と
図5による例示的な実施形態は、
図5によるタペット66の下端がピン40に連結され、
図4に示すように、ピン40が中空ロッド20に対して変更可能な距離を有するように組み合わせることもできる。
【0067】
図4と
図5には、二重弁座の一部分のみが示されている。その他の構成部品は、原理的には
図1及び
図2に示され、上記で説明されたように設計することができる。
【0068】
原理的には、センサ物体34の共振器の離調が、様々な切替位置でマニピュレータをコイルから異なる程度に取り外すことによって行われるように、本発明を変更することも可能であり、離調された共振器が基本位置として想定されることを意味する。
【符号の説明】
【0069】
2 ハウジング
4 第1のポート
6 第2のポート
8 通路
10 第1の閉塞要素
12 第2の閉塞要素
14 第1の弁座
16 第2の弁座
18 弁ロッド
20 中空ロッド
22 ハウジングダクト
24 調整装置
26 第1のピストン
28 第2のピストン
30 コントロールヘッド
32 アンテナ装置
34 センサ物体
36 キャリア
38 マニピュレータ
40 ピン
42 細長い孔
44 センサ装置
46 送信装置
48 受信装置
50 送信コイル
52 第1の受信コイル
54 第2の受信コイル
56 電気評価ユニット
58 距離
60 ピン40の外端
62 プリテンションばね
64 キャリア
66 タペット
68 蓋部分
70 プレテンションばね
M 測定経路
B 移動方向
R1 第1の閉塞要素の静止位置
R2 第2の閉塞要素の静止位置
L1 第1の閉塞要素のクリーニング位置
L2 第2の閉塞要素のクリーニング位置
P0 位置
P1 位置
P2 位置
E1 挿入深さ
E2 挿入深さ
H1 第1の閉塞要素のストローク位置
H2 第2の閉塞要素のストローク位置
【国際調査報告】