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特表2024-523178物品を検査、計数、及び分配するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】物品を検査、計数、及び分配するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20240621BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G01N21/85 A
B07C5/342
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574591
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2022055439
(87)【国際公開番号】W WO2022263991
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21179618.0
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523452012
【氏名又は名称】データ ディテクション テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アダム,アミチャイ
(72)【発明者】
【氏名】マルル,ピニャス
(72)【発明者】
【氏名】アダダ,エリアド
(72)【発明者】
【氏名】ヌチャム,ソリン
【テーマコード(参考)】
2G051
3F079
【Fターム(参考)】
2G051AA02
2G051AA03
2G051CA03
2G051CA04
2G051DA06
2G051DA13
2G051EA17
2G051ED03
3F079AD08
3F079BA11
3F079CA32
3F079CA41
3F079CB29
3F079DA06
3F079DA12
(57)【要約】
物品を計数するため及び例えば落下する物品のバルク中の異常な又は不良な物品を識別するための方法及び装置が提供される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を容積内に落下させることと、
前記物品が落下している間に前記物品の画像を取得するためにデジタル撮像デバイスを用いることと、
各物品を計数するために前記画像を処理することと、
各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色を判定するために前記画像を処理することと、
少なくとも1つの所定の特性に関して前記判定された特性を評価することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記取得されたカメラ画像は、高速カメラで取得され、
好ましくは、前記カメラは、毎秒少なくとも150枚の画像、好ましくは毎秒少なくとも200枚の画像、より好ましくは毎秒少なくとも250フレームを取得するように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、所定数の物品のバッチを分配し、あるバッチ内の1つ以上の検査された自由落下する物品が要求される特性から逸脱した特性を有していれば、バッチが更なる処理から拒絶される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
取得された画像は、カラー画像であり、
前記判定された特性は、前記物品の可視色であり、
前記所定の特性は、可視色であり、
好ましくは、前記判定された特性及び前記所定の特性は、色相である、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記物品は、自由落下し、
好ましくは、自由落下中の物品は、任意の固体背景表面から、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも5mm離間する、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記物品は、無色、黒色、又は灰色の背景の前で落下する、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記物体は、医薬錠剤、丸剤、又はカプセルである、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記物品は、コンベヤ上に単一の層で配置され、
前記物品のうち少なくともいくつかは、前記コンベヤ上で平行に輸送される、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記画像は、前記落下する物品の数を連続的に判定するためにリアルタイムで処理される、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
開放分配端を有するコンベヤを提供するステップと、
前記コンベヤ上で前記コンベヤの前記開放分配端へ前記物品をバルクで輸送するステップと、を更に備え、
好ましくは、落下する物品は、前記コンベヤの前記開放端の実質的に直下の容積を通って落下している間に撮像される、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
複数の物品を分配するように構成された、開放分配端を備えるディスペンサと、
前記開放分配端の下方の容積と、
前記開放分配端から落下する物品の画像をキャプチャするように位置決めされた、少なくとも1つのデジタル撮像デバイスと、
前記デジタル撮像デバイスによってキャプチャされた画像を解析するように構成されたプロセッサであって、前記解析は、少なくとも前記物品の数の計数と、撮像された各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色の判定と、を備える、プロセッサと、
を備える、装置。
【請求項12】
前記デジタル撮像デバイスは、カラー画像を取得するように構成されており、
前記プロセッサは、撮像された落下する各物品の色を判定するように、及び、少なくとも1つの所定の色に対して前記色を評価するように、構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記撮像デバイスは、1つ以上のデジタルカメラを備え、
前記カメラは、毎秒少なくとも150枚の画像、好ましくは毎秒少なくとも200枚の画像、より好ましくは毎秒少なくとも250フレームを取得するように配置される、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
落下する物品を照明するための1つ以上の光源を更に備える、請求項11から13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
装置は、要求される特性から逸脱していると識別された物品又は要求される特性から逸脱していると識別された物品を含む物品のバッチの排出のための拒絶導管を更に備える、請求項11から14の何れか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項11から15の何れか一項に記載の装置のプロセッサによって実行されるときに、請求項1から10の何れか一項によって定義される方法を実行するための、コンピュータ可読命令を記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の個別の物品を、各グループが所定数の物品を含むグループ(又は「バッチ」)に分配する方法及び装置に関する。特に、本発明は、所定数の個別の物品を迅速にしかし精確にバッチに分配し、同時に個別の物品の1つ以上の品質も検査する方法及び装置に関係する。
【背景技術】
【0002】
個別の物品を精確な量のバッチに分配することが頻繁に要求される。その例は、医薬錠剤、丸剤、カプセル、種子、キャンディなどを瓶、大袋、又は他の容器に分配することを含む。一般的な命名法は、これを行うための装置又はシステムを、計数機又は分配機と称し得る。
【0003】
いくつかの分配タスクにおいては、完成した容器は、所定の数より少ない物品を収容してはならない。例えば、ある丸剤を分配するときには、患者のために完全な治療周期が提供されなければならないであろうから、各容器内に少なくとも所定数の物品が提供されなければならない。
【0004】
その一方で、分配された物品は、あまりに多くの容器が所定数よりも多くの物品を収容すれば高価になり得、これは、物品の供給者又は梱包事業者への直接的な損失に変換される。
【0005】
特に、医薬品の一次包装産業は、厳しい規制及び要求を特徴とする。高レベルの精度が必要とされ、過小計数又は過大計数は回避、好ましくは除外されるべきである。
【0006】
「Methods and apparatus for controlling the feed rate of a discrete object sorter/counter」と題されたSmithの米国特許第5,473,703号明細書は、分配される物体の数に対する制御を提供するために、感知及び計数された物体の通過に依存して供給ボウルの振動周波数を調整するコントローラを開示している。
【0007】
「Cassettes for systems which feed, count and dispense discrete objects」と題されたGeltserらの米国特許第6,659,304号明細書は、個別の物体を一列で出口穴に向かって供給する構造を特に含む、物体計数及び分配システムのための高容量カセットを開示している。
【0008】
「Integrated automated drug dispenser method and apparatus」と題されたHebronらの米国特許第6,449,927号明細書は、薬剤がほぼ一列の様式でキャニスタを通って移動するプロセスであるシンギュレーション制御を特に開示している。Hebronは、充填時間を最小化するために、駆動周波数が、センサの最大検出速度に近付くようにゆっくりと増加されることを開示している。計数の精度のために、分配されたバッチ内の最後の数個の物品は、先に分配された大多数よりもゆっくりと分配され得る。
【0009】
「Vibrating bowl, vibrating bowl feeder, and vacuum deposition apparatus」と題されたOgawaらの欧州特許出願第1,852,372号明細書は、振動ボウルなどを特に開示しており、これらは、供給される物体の数を正確に計数し、単位時間当たりに物体を1つずつ外部の場所に正確に導き、単純な整列手段によって供給通路上の中間点で物体をまとめて列又は段に整列させることができる。
【0010】
「Automated pill-dispensing apparatus」と題されたGeroldらの米国特許出願公開第2003/022291号明細書は、固体の丸剤を自動的に分配するのに有用なバルク貯蔵ユニットを特に開示しており、このバルク貯蔵ユニットは、長さ、上流端、及び下流端を有するトラックを含み、このトラックは、トラックが振動されるときに、その長手方向の長さに沿って丸剤を供給するように適合されている。
【0011】
「Automated pill-dispensing apparatus」と題されたChambersの米国特許出願公開第2010/0205002号明細書は、丸剤が振動供給ボウルの螺旋状の縁部を上に進んでシンギュレータを通過することを特に開示している。
【0012】
「Automatic high-speed pill counting apparatus」と題されたIshizukaの米国特許第6,449,927号明細書は、底板に丸剤出口と中央孔とを有する円筒形の丸剤ホッパと、その円筒形の丸剤ホッパに取り付けられた回転分離フィーダとを備える装置を特に開示しており、移動する部品の複雑な整列に依存する。
【0013】
「Article handling system with dispenser」と題されたLernerの米国特許第4,382,527号明細書は、制御されたレベルの品物をボウル形状のフィーダホッパ内に維持するために振動コンベヤによって供給ホッパから供給される計量又は計数された品物を分配するシステムを特に開示している。
【0014】
「粉粒体排出装置」と題されたKazumiらの日本国特許第2,132,011号は、その公開された英文要約において、荷重の変化に応じた振動周波数の選択による排出制御精度の向上を開示している。
【0015】
いくつかの分配及び梱包機は、収集された物体の実際の数を判定するための計数機構を含む。画素化アレイ上への光源の照明を遮る物体を監視することによって、注がれている物体を計数することが可能である。
【0016】
「Method and apparatus for optically counting discrete objects」と題されたPintoらの米国特許第5,768,327号明細書には、円錐台状の断面を有する供給漏斗を含む物体計数器が記載されており、その狭端部は、実質的に矩形の断面を有する実質的に垂直な供給チャネルに連結されている。一対の線形光センサアレイが供給チャネルの隣接する直交する側面に沿って配置されており、対応する一対のコリメート光源が、各アレイ内の各センサが対応する光源から光を受け取るように、供給チャネルの対向する隣接する側面に沿って配置されている。供給漏斗内に置かれた物体は、供給チャネルに落下し、供給チャネルを通過するときにアレイ内のセンサに影を投げかける。
【0017】
「Method and apparatus for the recognition and counting of discrete objects」と題されたProzekらの米国特許第5,317,645号明細書は、様々なサイズ及び形状の個別の物体が無秩序な流れで装置を通って移動するときにそれらを計数するための装置を特に開示している。この装置は、線形に配置された複数の光検出器を備えるセンサアレイを含む。個別の物体は、センサアレイ上を通過する。個別の物体についての情報を得るための手段としてセンサアレイを利用することによって、装置は、所定の時間間隔でセンサアレイをサンプリングし、サンプリングを通じて生成された画像の様々な輪郭を審査し、所定の基準に基づいて、画像が1つ以上の物体を表すかどうかを判定する。
【0018】
欧州特許第2600288B1号明細書に記載されているようなバルク計数機も知られており、このバルク計数機は、物体をバルクで運搬及び輸送するコンベヤベルトの開放端から自由落下する医薬錠剤のような物体を計数するためのシステム及び方法を提供することによって、いくつかの問題に対処している。この機械は、落下する物体を計数するために、カメラによって取得されたデジタル画像を利用する。提案されたシステム及び方法は、異常な又は不良な物品が除外されるように個別の物品の1つ以上の品質を検査しながら、落下する物品を大量に計数する(bulk count)ことができる。
【0019】
例えば、特に、医薬錠剤、丸薬、又はカプセルを取り扱うとき、異なる薬のバッチの取り扱い及び分配のために、単一の分配機が連続して使用され得る。そのような状況では、先に取り扱われた製品の種類(不良物品)から装置内に残存している、はぐれた又は気付かれていない医薬品(錠剤、丸薬、カプセル等)が、後続の種類の一部として取り扱われる薬剤のバッチに混入されないことを確実にするのが重要であり得る。これは、エンドユーザに提供される特定の薬剤の誤った提供及び/又は過少提供をもたらすおそれがある。
【0020】
医薬品の一次包装産業は、厳しい規制及び要求を特徴とする。交差汚染は厳しく禁止されている。
【0021】
その点に関して、計数及び分配機は、様々なタイプの薬を異なる時刻に分配するために使用され得る。30、40、又はより多くの種類の薬が、単一の機械によって異なる時刻に処理され得、ある種類から後続の種類への取り扱いの切り替え時に、全てのシステム機械について浄化が完全でなければ、種類間の交差汚染のリスクが高まることが考えられる。
【0022】
同様の懸念は、種子、ダイヤモンド、又はおそらく任意の大量供給製品(bulk supplied product)などの他の物体を分配するときに生じ得、正確な数値的分配だけでなく正確な定性的分配も必要となる。
【0023】
上記の懸念を軽減するために、従来技術において試みがなされてきた。例えば、既知の計数システムは、より大きな全体に組み込まれるとき、色に基づいて不良な又ははぐれた丸剤又は錠剤を識別するための色解析モジュールと組み合わせられ得る。例えば、医薬品は、ユーザ又は医療関係者による識別を容易にするために、色分けされることが多い。この同じ品質が、目視検査によってバッチ内の「誤って」着色された物品(以前の運転からの物品)を識別するために、分配機によって使用され得る。
【0024】
分配された物品の数を計数及び制御することに加え、例えば外部検査システムを使用することによって、分配された物品の追加の品質を評価する、いくつかのシステムが知られている。
【0025】
マルチチャネル計数機は、典型的には、医薬錠剤又はカプセルを一列で運搬及び輸送する、いくつかの概ね平行な水平チャネルを備える。検査システムが、水平チャネルの上方に配置されてもよく、瓶詰めされる前に錠剤又はカプセルをリアルタイムで検査するカメラを利用する。画像解析技術が、物体の物理的形状、例えば、破損しているか又はサイズ不十分かを審査するために使用される。
【0026】
スラット計数機は、丸剤のような物体を運搬及び輸送するために、チャネルの代わりにスラットのマトリクス又は物理的ハウジングを適合させる。各スラットは、単一の丸剤を確実に運搬し、スラットのマトリクスは撮像のために丸剤の固定された予測可能な表示を提供する。各丸剤が瓶詰めされる前に検査されるように、検査システムが上方に配置されてもよい。これらの検査機械は、典型的には、検出ユニットと、移動スラットの上方に設置された照明配置とを備え、丸剤を2Dで物理的に審査するためにLEDベースの技術を利用する。したがって、物理的な丸剤形状を、サイズ、不良、及び無傷性について審査することができる。
【0027】
物体を複数のチャネル又はスラットに供給及び分離する必要性は、その工業的スループットに関して、分配プロセスを著しく制限する。
【0028】
さらに、従来技術の機械は、背景の色及び/又は物品、特にコーティングされていないもしくは密封されていない丸剤の取り扱いから生じ得るダストもしくは粉末のために、色識別の精度が低いという欠点を免れないであろうことが、本発明者らによって確認されている。取り扱い中の摩耗の結果、同様の色の粉末の背景層が作り出されて画像解析を複雑化し得ることが、本発明者らによって確認されている。
【0029】
さらに、従来技術の機械における不良な又は異常な物品の識別は、サンプリング速度の限られた能力に起因して、供給速度の望ましくない緩慢化をもたらし得ることが、本発明者らによって確認されている。
【0030】
上記に加えて、反射光の輝度などの品質に基づく異常な物品の識別及び除去のためのシステムも知られている。「Method and apparatus for sorting granular objects with at least two different threshold levels」と題されたSatoruらの欧州特許第1,083,007号明細書は、異なるサイズの物品を選別するための方法及びシステムを特に開示しており、同方法及びシステムにおいては連続状に流れる粒状物体が光によって照射される。固体撮像デバイスから得られた画素信号は、粒状物体の欠陥部分(例えば、米粒の中の黒くなった部分)を検出するために、色の輝度明るさ(luminance brightness)及び暗い色調について解析される。米のバルク流が、重力によってシュートに沿って流され、光検出部を通過する。異常な米粒が検出されると、空気ジェットが適用されて、異常な1つ又は複数の粒は流れの外に吹き飛ばされる。バッチ毎に正確に計数された物品は言うまでもなく、計数されたバッチは、そのようなシステムによっては達成されない。
【0031】
本技術分野において、計数及び分配システム及び方法は以前に提案され採用されているものの、速いが正確な数値的分配及び定性的に正確な分配の必要性については、なお良好な対処が可能である。
【0032】
本発明は、品質及び特性の制御の必要性に対処すること、及び/又は、好ましくは効率的且つ効果的な手法で、医薬品の正確な計数を確実にすることを支援し得る。特に、計数及び検査能力は、現在のところ、一列計数に基づいており、複雑で、非効率的で、高価である。そのような計数は、機械的な物体の分離を必要とし、クラスタ化された物体を認識することができない。
【発明の概要】
【0033】
一実施形態によれば、
物品を容積内に落下、好ましくは自由落下させることと、
物品が容積に向かって落下している間に物品の画像を取得するためにデジタル撮像デバイスを使用することであって、好ましくは、取得された画像が画像毎に複数の物品の撮像を備えることと、
自由落下中の各物品を計数するために画像を処理することと、
各落下物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色を判定するために画像を処理することと、
少なくとも1つの所定の特性に関して判定された特性を評価することと、
を備える方法が提供される。
【0034】
好適な一実施形態においては、方法は、複数の個別の物品を収集容積に分配するために任意選択的に実施されてもよく、方法は、バッチを形成する所定の数の計数された物品が収集されると収集容積への分配を停止するステップを更に含む。
【0035】
物品は、好ましくは、バルクとして容積内に落下し得る。すなわち、1つよりも多い物品、好ましくは2つ、3つ、又は4つよりも多い物品が同時に、容積に向かって平行に落下する。これは、実質的に全ての分配される物品が前に分配される物品及び後に分配される物品から垂直方向に離間するであろう、物品の一列分配とは異なる。バルク分配は、複数の物品の分配を同時に垂直に落下するように提供し、物品は、落下するときに、同時に同様の重なり合う高さにある。落下方向に対して垂直な、水平方向の離間又は分離は、好適ではあるが要求はされない。このようなバルク分配は、物品の単一ラインの流れとは対照的に、ディスペンサからの物品の「滝」状の流れとして理解され得る。本発明は、追加的又は代替的には、実質的に全ての分配される物品が前に分配される物品及び後に分配される物品から垂直方向に離間する、物品の一列分配のために実施されてもよい。
【0036】
デジタル撮像デバイスは複数の画像を取得し、これらの画像は複数の落下する物品の画像である。すなわち、取得された画像は、取得された画像毎に複数の物品の、好ましくはキャプチャされた画像のx軸にわたって複数の物品の、画像日付をキャプチャする。これは、物品が平行に落下する物品のバルク分配の提供と、物品が落下する領域を撮像するための、広角レンズなど、適切に角度を付けられたレンズの提供とによって、達成され得る。
【0037】
計数と物品特性チェックとの両方が、1つのプロセス又は装置内の単一のモジュール又は解析ポイントによって実行されることが有利であると考えられ得る。これは、計数能力と検査能力とが2つの別個のシステム、すなわち計数用のモジュールと検査用のモジュールとを使用するシステムと有利に対比され得る。そのようなデュアルシステムは、複数の異なる通信プロトコル、アルゴリズム処理、複数のインターフェイス、並びに物理的コンポーネントを必要とし得、場合によっては低効率、高コスト、及び高い動作複雑性をもたらす。
【0038】
本発明は、同じ画像セット、同じカメラシステム、同じ動作、及び/又は同じユーザインターフェイスを使用して物品計数及び物品特性検査を提供することを通じてそのような懸念に対処するのに役立ち得る。これは、プロセッサ効率を改善すること、場合によってはリアルタイム解析を改善することを支援し得る。
【0039】
本発明の方法は、バルク材料として供給される物体の計数及び検査のために実施されてもよく、計数及び検査デジタル撮像デバイスに物体をバルクで搬送する供給デバイスを有しており、撮像デバイスは、物体が自由落下している間に複数の物体を非接触で計数及び検査するように設計されている。
【0040】
好適な一実施形態においては、一実施形態により、所定の数の個別の物品のバッチを収集容積に分配するための方法が提供され、この方法は、
開放分配端を有するコンベヤを提供することと、
コンベヤ上でコンベヤの開放分配端へ物品をバルクで輸送することと、
コンベヤの開放分配端から収集容積内に物品を自由落下させることと、
収集容積に向かって自由落下している間に物品の画像を取得するためにデジタル撮像デバイスを使用することと、
自由落下中の各物品を計数するために画像を処理することと、
各自由落下物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色を判定するために画像を処理することと、
少なくとも1つの所定の特性に関して判定された特性を評価することと、
バッチを形成する所定の数の計数された物品が収集されると、収集容積への分配を停止することと、
を備える。
【0041】
本発明の別の一態様においては、物品を検査及び分配するための装置が提供され、この装置は、
複数の物品を任意選択的にはバルクで分配するように構成された、開放分配端を備えるディスペンサと、
開放分配端の下方の容積と、
開放分配端から落下する、好ましくは自由落下する物品の画像をキャプチャするように位置決めされた、より好ましくは画像毎に複数の物品の撮像を備える画像を取得するように配置された、少なくとも1つのデジタル撮像デバイスと、
デジタル撮像デバイスによってキャプチャされた画像を解析するように構成されたプロセッサであって、解析は、物品の数の計数と、撮像された各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色の判定と、を少なくとも備える、プロセッサと、
を備える。
【0042】
好適な一実施形態においては、ディスペンサは、物品を分配するためのコンベヤを備える。コンベヤには開放分配端が設けられており、コンベヤは、物品を一列で又はバルクで、好ましくはバルクで、その開放端に輸送するように構成されている。
【0043】
コンベヤとは、物品をある場所から別の場所へ移動させる、発動させる、あるいは変位させるデバイスである。本技術分野においては様々なコンベヤシステムが既知であり、好適な例はベルトコンベヤ及び振動コンベヤ(例えば振動板)を含み得るが、重力運搬、空気コンベヤ、及び他のコンベヤが使用を想定され得る。
【0044】
好適な一実施形態においては、装置は、所定数の計数された物体を分配するように構成された分配ユニットを更に備える。
【0045】
好適な一実施形態においては、装置は、容器に供給するように構成された供給ユニットを更に備えており、各容器は、分配ユニットから所定数の計数された物体を受け取る。
【0046】
本発明の好適な一実施形態においては、物品のバッチを検査及び分配するための装置が提供され、この装置は、
開放分配端を有するコンベヤであって、複数の物品を、好ましくはバルクで、その開放端に輸送するように構成されている、コンベヤと、
開放分配端の下方の収集容積と、
コンベヤの開放端から自由落下する物品の画像をキャプチャするように位置決めされた、少なくとも1つのデジタル撮像デバイスと、
デジタル撮像デバイスによってキャプチャされた画像を解析するように構成されたプロセッサであって、解析は、物品の数の計数と、撮像された各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色の判定と、を少なくとも備える、プロセッサと、
所定数の計数された物体を分配するように構成された分配ユニットと、
容器に供給するように構成された供給ユニットであって、各容器は分配ユニットから所定数の計数された物体を受け取る、供給ユニットと、
を備える。
【0047】
いくつかの従来技術のデバイスとは対照的に、物品がコンベヤの開放端から自由落下している間に各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色を判定することは、状況によっては、計数及び分配デバイス及び方法の不良なもしくは異常な製品の識別の精度及び/又はスループット率を改善するのに有利であり得ることが、本発明者らによって見出されている。加えて、計数及び分配デバイスの製造及び/又は保守のコスト削減においても、利点が出現し得る。
【0048】
物品の1つ又は複数の特性の検査が、物品が落下しているときにその物品に対して行われることは、本発明の利点であると考えられ得る。落下中に物品のクラスタ化が低減又は排除されるので、撮像によって物品がより容易に解析されることが利点であり得る。例えば、送達トラック上でクラスタ化した物品は、そのトラックからの落下中に分離する傾向があり得、物品の視覚的解析の改善を可能にする。これは、専用のトラック上での物品の分離システム及び/又は一列での提供もしくは分配を必要とする他のシステムと比較して、利点と見なされ得る。
【0049】
例えば、自由落下中の物品の色などの特性の判定は、物品の色、例えばその色相の判定の精度を有利に改善し得る。一態様においては、ある自由落下する物品に関して、その自由落下する物品が背景表面などの周囲の固体表面から離間することが可能である。背景板から物品を区別することの負担がより低いので、これは画像処理を容易にし得る。例えば、物品が実質的に水平な板上に載っている間に解析されるのであれば、画像プロセッサは、画像内のデータがバッチの物品であるか、不良な物品であるか、又は支持板の一部であるかを判定しなければならない。これは、処理を緩慢化させるか又はエラーにつながり得る。計数及び分析される物品よりも多かれ少なかれ類似している可能性があり、且つ分配プログラムの過程を通して変化し得る、ダスト層を収集し得る背景又は支持表面については、特に恩恵が現れ得る。当然、ダストを除去するための洗浄プロセスは、処理の速度に悪影響を及ぼすおそれがあり、したがって、そのような必要性を回避することは利点となり得る。
【0050】
物品の1つ又は複数の特性の検査が、物品が落下しているときにその物品に対して行われることは、本発明の利点であると考えられ得る。ダストに対する感度が低減又は排除されることが利点であり得る。例えば、いくつかの計数システムは、水平トラック上に設置された物品に基づくであろう。問題は、ダストが蓄積して、(類似色の)ダスト背景に対する物品の解析を複雑又は不正確にし得るということである。そのようなシステムについては、物体検査を前もって形成して精度を回復するために、蓄積したダストがトラックから除去される必要があろう。この場合も、ダストの除去及び洗浄動作は、プロセスを緩慢化させ、より全体的に効率又は精度を低減させるおそれがある。
【0051】
色は好適な特性であるが、偏光、蛍光、質感、半透明性、及び他の情報を含む物品の他の特性が追加的又は代替的に解析されてもよく、これらは識別及び欠点検出のために物体の画像を表すべく使用され得る。
【0052】
上記に沿って、自由落下中の物品は、コンベヤの開放端を除いて、任意の固体表面から少なくとも1cm、好ましくは少なくとも5cm、又はより好ましくは10cmよりも大きく離間していることが好ましいであろう。
【0053】
いくつかの実施形態においては、コンベヤの端面が画像に記録されないことを確実にするために、コンベヤの端と領域の上縁との間に垂直方向の間隙が設けられる。
【0054】
好適な一実施形態においては、物品の解析される特性は、自由落下する物品の可視色である。色は、特に、製薬会社によって特定の薬剤に関連付けられてもよく、所定の色又は色スペクトルに一致しない疑わしい又は不良な物品を拒絶するための基準として使用され得る。好ましくは、色は、色相(純色又は色の混合)、色合い(純色と白との混合)、陰影(純色と黒との混合)、及び/又は色調(純色と任意の無彩色又はグレースケール色との混合)のうちの任意の1つ以上によって識別される。色は、スペクトルパターンとして、又は色を撮像するデジタルカメラセンサ(例えばCCDセンサ又はCMOSセンサ)からの所定の出力としても判定され得る。
【0055】
所定の特性は、例示的な物品を撮像システムに提示することによってプログラムされ得る。例えば、例示的な物品及び/又は例示的な不良物品に基づいて、動作環境の文脈内の所定の特性の許容可能な境界を判定するために、AIが実装されてもよい。
【0056】
本発明の好適な一実施形態においては、1つ以上の検査された自由落下する物品が、要求される特性から逸脱した特性を有していれば、計数された物品のバッチは、更なる処理、例えば包装、更なるワークステーションへの供給、又は顧客への供給から拒絶される。
【0057】
解析は、アルゴリズム解析及び既知の色空間における色の識別に基づいて行われてもよい。
【0058】
センサは、好ましくは、グローバルシャッタとして動作するように構成及び/又は適合されたデジタル画像センサ(好ましくはCMOS又はCCD)であってもよい。これは、外部干渉、スキュー、及び/又はスミア効果を低減するのを支援し得る。グローバルシャッタモードで動作するデジタル画像センサは、センサ画素の大部分又は全ての露光を同時に開始及び終了し得る。グローバルシャッタは、高速で移動する物体の歪みのないキャプチャを可能にすることができる。
【0059】
画像キャプチャのための露光時間は、好ましくは最小である。これは、急速落下の画像キャプチャに関連する干渉、スキュー、及び/又は、スミア効果を回避するのを支援し得る。
【0060】
本発明は、不良な内容物について検査された所定数の個別の物品を迅速且つ正確に分配するための方法を提供し得る。
【0061】
コンベヤは、複数の物品を撮像デバイスに向けて輸送し得、物品は単一の層で配置され、物品のうち少なくともいくつかはコンベヤ上で平行に輸送される。コンベヤは、ホッパからコンベヤの開放端に、複数の物品を平行に輸送するように構成された平行輸送コンベヤであってもよい。
【0062】
平行輸送コンベヤは、少なくとも毎秒10個、20個、30個、40個、50個、又はより多くの物品の速度で、その開放端から物品を輸送するように構成され得る。
【0063】
平行輸送コンベヤは、移動方向に対して垂直に互いに隣接して少なくとも5個の物品を運搬するのに適した幅を有するように構成され得る。より好ましくは、少なくとも10個、又は少なくとも20個の物品である。
【0064】
コンベヤは、平行に輸送される物品間に分離チャネルを備えない実質的に平坦な表面であり得る。コンベヤは、例えばベルトコンベヤ又は振動板など任意の既知のコンベヤであり得る。
【0065】
適当なコンベヤが欧州特許第2600288号明細書に記載されており、それらのコンベヤは参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
撮像デバイスは、コンベヤの開放端の直下の領域又は容積の画像をキャプチャするのが好適であり、それによって、コンベヤから落下する物品が、自由落下中に、しかしコンベヤ上での単一深さの積層からの幾らかの秩序性を依然として含んでいる間に、画像内に記録される。
【0067】
いくつかの実施形態においては、コンベヤの開放端の直下の領域又は容積は、平行に輸送されコンベヤの端から平行に落下する物品の全てが画像内に記録されるように、コンベヤの端の幅の有効部まで延在する。
【0068】
撮像デバイスの適当な配置が欧州特許第2600288号明細書に述べられており、その配置は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
画像は、落下する物品の数及びそれらの特性、例えば色の連続的な判定を可能にするために、好ましくはリアルタイムで処理される。リアルタイム処理は、分配される物品の数を制御するため及び特定のバッチが異常な又は不良な物品を含むことを判定するために動的なアクションが取られることを可能にする。
【0070】
好適な一実施形態においては、装置又は方法は、複数の物品を収集容積に分配する。収集容積は、瓶、ジャー、箱、袋、又は同様のものなどの包装であり得る。
【0071】
好適な一実施形態においては、装置又は方法は、1つ以上の所定数の物品のもう1つのバッチを分配するのに適している。
【0072】
あるバッチにおいて所望の数の物品を達成することは、落下する物品の数がそのバッチの所定の全数に達する前にコンベヤを停止させ、物品がコンベヤから慣性による落下をしなくなるまで落下する物品の数を判定し続けることと、そのバッチの所定の数の物品を揃えるために追加の数の物品を自動的に分配することと、を伴い得る。いくつかの実施形態においては、追加の数の物品の自動的な分配は、所定の数の物品を揃えるために必要とされる数の物品を正確に分配するように補足物品ディスペンサを動作させることを備える。補足物品ディスペンサによって供給される物品も、好ましくは、不良な又は異常な物品について解析される。
【0073】
いくつかの実施形態においては、落下する物品の数を連続的に判定するための画像の処理は、ある物品が領域を退出するときに物品計数を1増加させることを備え、物品の上部がある画像内には現れるが連続する画像からは欠落しているときに、退出と判定される。
【0074】
いくつかの実施形態においては、落下する物品の数を連続的に判定するための画像の処理は、ある物品が領域に進入するときに物品計数を1増加させることを備え、物品の下部がある画像内には現れるが直前の画像からは欠落しているときに、進入と判定される。
【0075】
いくつかの実施形態においては、落下する物品の数を連続的に判定するための画像の処理は、各物品を、領域に進入してから領域を退出するまで、連続する画像にわたって追跡することと、画像のうち1つ以上で偶発的なノイズが現れる場合の誤計数を防止するために、追跡される各物品の退出時に物品計数を1増加させることと、を備える。
【0076】
本発明の装置のプロセッサは、落下する物品の数及び物品の各々の特性を連続的に判定するために、画像をリアルタイムで処理するように構成された計数及び解析デバイスを備え得る。
【0077】
本発明の装置は、アクチュエータ制御コマンドに従ってコンベヤの動作を制御するように構成されたアクチュエータと、落下する物品の数及び特性の詳細を計数及び解析デバイスから受信するように並びに落下する物品の数及び所定の目標数に基づいてコンベヤを始動もしくは停止させるためのコマンドを生成するように、及び/又は、異常なもしくは不良な物品を含むと判定されたバッチを拒絶するための拒絶コマンドを生成するように、構成されたコンピューティングプラットフォームと、のうち1つ以上を更に備え得る。
【0078】
装置には、要求される特性から逸脱していると識別された物品を含むバッチの排出のための拒絶導管が設けられていてもよい。例えば、装置は、医薬丸剤のバッチを、要求される丸剤の色は赤色であるが落下してそのバッチに入ったと解析された物品の中に青色の物品が検出される場合に、拒絶するように構成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態においては、計数及び解析デバイスは、画像センサを備え、その画像センサの所定数の画素行を使用して画像をキャプチャするように構成されており、任意選択的には、所定数はその画像センサ内に存在するセンサ行の総数未満である。
【0080】
いくつかの実施形態においては、解析デバイスは、画像センサの連続するサンプルにおいて落下する物品によって影響を受けるセンサ画素のパターンを解析することにより、落下する物品の数を判定するように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態においては、装置は、自由落下中の物品を照明するための1つ以上の光源を備える。好ましくは、照明は白色光照明であるが、特定の物品及び処理プログラムには他の色の照明が使用されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態においては、装置は、落下する物品から反射された光を撮像デバイス上に集束させるためのレンズアセンブリを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0083】
本発明の様々な態様が、図面に示される実施形態を参照して更に説明される。
【0084】
図1A】物品を分配するための機械の第1の例示的な実施形態の概略図を示す。
図1B】物品を分配するための機械の第2の例示的な実施形態の概略図を示す。
図2】分配機を動作させるための方法のステップのフローチャートである。
図3A】コンベヤから落下する物品を計数するために使用されるレンズ、センサ、及び照光機器の例示的な一実施形態である。
図3B】摺動領域から落下する物品を計数するために使用されるレンズ、センサ、及び照光機器の例示的な一実施形態である。
図4A】摺動領域から落下する物品の例示的なスナップ写真を示す。
図4B】3つの例示的な錠剤の落下中にキャプチャされた多数のセンサ線の概略図である。
図5】コンベヤ及び補足物品ディスペンサの動作のモードの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
説明を簡単かつ明確にするために、適切と考えられる場合には、参照番号が、対応する又は類似の要素又はステップを示すために、図の間で繰り返され得ることが理解されるであろう。加えて、本明細書に説明される実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本明細書に説明される実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解されるであろう。また、この説明は決して本明細書に説明される実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、むしろ、本明細書に説明される様々な実施形態の実装を単に説明するものと見なされるべきである。以下は、例としてのみ且つ図面を参照して与えられる、本発明の様々な実施形態の説明である。
【0086】
以下の説明は、所定量の、種子、宝石、医薬錠剤、丸薬、カプセル、キャンディなどの品質検査された個別の物品の、迅速で、正確で、効率的な分配に関する。
【0087】
開示される方法及び装置によって対処される技術的課題は、実質的に同一の物品を容器から別々の包装に分配することが要求され、各包装が同じ所定数の物品(バッチサイズ)を収容する状況に関する。分配は、所定数又はそれを中心とした公差よりも少ない又は多い物品を含む包装が回避されるように、高い精度で行われなければならない。物品の精確な数値的分配に加えて、計数されたバッチ内の分配された物品の各々が指定された特性を有すること、及び異常な又は不良な物品が除外されることも重要であり得る。
【0088】
1つの技術的解決策は、所定数の物品を分配するための装置及び方法であって、実質的に各物品、好ましくは各物品が、所望の特性を有すること又は異常なもしくは不良な特性を有さないことを確実にするために、検査又はチェックされる、装置及び方法の提供である。
【0089】
装置は、分配されるべき多数の物品をバルクで収容することができるホッパ又はサイロなどのフィーダを含み得る。ホッパはアクチュエータによって作動されるコンベヤ上に物品を放出し、アクチュエータはコンピューティングプラットフォームによって制御される。コンベヤは、コンベヤベルト、振動コンベヤ、振動シュート、変化する傾斜を有するシュート、又は経路に沿って物品を輸送するための任意の同様の手段であり得る。いくつかの実施形態においては、物品は、複数の物品が同時に又は最小の時間差で放出され得るように、ホッパから自由な手法で放出され、その結果、第1の物品が完全に放出される前に第2の物品が放出し始める。コンベヤの運動及び/又はその振動の結果として、物品は、コンベヤの表面上に、単一の層で、且つ複数の物品が(一列ではなく)平行に進行するように、ランダムに配置される。
【0090】
アクチュエータの振動は物品をコンベヤ上で振動させ得、その結果、物品の各々は、最終的に安定した姿勢をとる。例えば、医薬錠剤などのいくつかの物品は、直線状の円柱、又は少なくとも1つの実質的に平坦な面を有する同様の形状として成形され得る。振動は、錠剤の平坦な側面のうちいずれか1つがコンベヤにぴったりと付くように錠剤を移動させ得、通常、錠剤は互いにもたれかからず、むしろ各錠剤の平坦な面全体がコンベヤの表面上に置かれる。平坦な側面を有さない物品は、それらの形状、重心等に従って比較的安定した姿勢をとり得る。例えば、丸い端部を有する管状のカプセルは、頭部ではなく管状表面をコンベヤ上にして横たわるであろう。対称的であることにより、カプセルは、その管状表面周りに回転しても、上から見ると同じ投影を有することになる。
【0091】
物品は、コンベヤの開放分配端に到達すると、コンベヤから容器又はトラック又は最終的に容器に至る処理経路内へ、弾丸軌道で自由落下する。物品がコンベヤの開放端から落下するにつれて、物品間の間隙は増加する傾向があり、以前コンベヤ上にある間は互いに接触していた物品は分離する傾向がある。したがって、一実施形態においては、撮像デバイスがコンベヤの端の直下の領域(「撮像領域」)の画像を連続的にキャプチャし、それによって、自由落下する物品は、軌道内にある間、物品のうち全てではないにしても大多数が広がって互いに接触していないときに、画像に描出される。これは、計数及び色(色相、色合い、陰影、及び/又は色調、好ましくは色相又は陰影)などの他の特性の解析のための、キャプチャされた画像のコンピュータ化された解析の際の、物品の解析の改善に役立ち得る。
【0092】
代替的な一実施形態においては、概ね水平なコンベヤは、傾斜した摺動領域で終端する。物品は、コンベヤから摺動領域に落下し、領域を横切って摺動し、その端部で、充填中の容器内に又は容器に至る処理経路のトラック内に落下する。摺動領域の傾斜は、摺動領域に沿って移動する物品の実質的に同じ速度関数を提供し、ひいては物品が摺動領域を離れる瞬間に物品の実質的に同じ落下スピードを提供する。また、物品間の間隔の増加、及び摺動領域を離れると実質的に同様の軌道も提供し、したがって、撮像デバイスに対して同様の角度を提供する。
【0093】
物品は、コンベヤ縁から自由落下するときに解析される(計数されると共に、色、偏光、蛍光、質感、又は半透明性などの少なくとも1つの特性、しかし好ましくは色について、解析される)。所定数の物品が容器内に落下すると、コンベヤは停止される。いくつかの実施形態においては、所定数は、アンダーシュート、すなわち、完全バッチに要するよりも少ない量の物品である。なぜなら、コンベヤが停止した後、慣性力により、1つ以上の物品が依然として撮像領域を通って容器内に落下し得るからである。コンベヤが停止した後に落下する1つ又は複数の物品も計数されると共に特性について解析され、容器内の物品の総数が判定される。
【0094】
一実施形態においては、システムは、たとえ慣性落下があっても、ほとんど全てのケースにおいて、分配された物品の総数が依然として最終的な所要の数よりも少なくなるように構成され得る。これらのケースにおいては、制御システムは、必要に応じて、追加の物品が落下して最終的な数が揃うように、1つ以上のパルスでコンベヤを再作動させる。このようなプロセスは欧州特許第2600288号明細書に詳述されており、そのプロセスは参照により本明細書に組み込まれる。分配された物品の数が所要の物品の数に達する(又はそれを超える)と、容器は取り外され、新しい容器が置かれて同じように充填される。
【0095】
いくつかの実施形態においては、補足物品ディスペンサと称される追加のデバイスが、最終的な数から依然として不足している物品を揃えるために使用され得る。補足物品ディスペンサは、複数の物品を保管してそれらを1つずつ個別に機械的に押し出す機構を含み得る。このようなプロセス及びデバイスは欧州特許第2600288号明細書に詳述されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
したがって、一実施形態においては、コンベヤによって分配することと補足物品ディスペンサによって分配することとは、少なくとも部分的に同時に実施されてもよく、それによって遅さの問題は軽減又は排除される。この実施形態においては、2つの容器ステーション、すなわち、落下する物品を受け取るための、コンベヤの端の下方の第1のステーションと、個別に分配された物品を受け取るための、補足物品ディスペンサにある第2のステーションとが設けられている。このようにして、補足物品ディスペンサがコンベヤによって既に充填された容器内の不足している物品を揃える間に、第1のステーションでは第2の容器内に他の物品がコンベヤによって分配されている。第2の容器は、アンダーシュート数の物品で充填されると、数を揃えるために第2のステーションに移動し、以下同様である。
【0097】
補足物品ディスペンサから分配される物品も、好ましくは、補足的な流れの一部として分配される不良な又は異常な物品を検出するために、同じ特性、好ましくは色に関して解析される。
【0098】
自由落下中の物品(例えば、落下した物品の数及び他の1つ又は複数の特性)を解析するために使用される撮像デバイスは、様々な手法で実装され得る。いくつかの例示的な実施形態においては、方法及び配置は、画素の行及び列からなる画像センサを使用し得る。
【0099】
センサは、コンピューティングプラットフォームに関連付けられた制御及び処理ユニットによって制御され得る。センサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、電荷結合素子(CCD)センサ、又は任意の他のセンサであり得る。好適な実施形態においては、物品の可視色が解析され、画像センサは、ベイヤーフィルタセンサ、Foveon X3センサ、3CCDなどのカラー画像センサである。
【0100】
撮像デバイスは、ラインスキャンカラーカメラ又はエリアスキャンカラーカメラであり得る。例えば、センサは、RGB画像をキャプチャするために3つの別個の撮像ラインを使用するトライリニアラインスキャンカメラであってもよい。
【0101】
解析対象の物品の好適な特性は、自由落下する物品の可視色である。色は、特に、製薬会社によって特定の薬剤に関連付けられてもよく、所定の色又は色スペクトルに一致しない疑わしい又は不良な物品を含む計数されたバッチを拒絶するための基準として使用されてもよい。好ましくは、色は、色相(純色又は色の混合)、色合い(純色と白との混合)、陰影(純色と黒との混合)、及び/又は色調(純色と任意の無彩色又はグレースケール色との混合)のうちの任意の1つ以上によって識別される。色は、スペクトルパターンとして、又は色を撮像するデジタルカメラセンサ(例えばCCDセンサ又はCMOSセンサ)からの所定の出力として、判定され得る。例えば、キャプチャされた画像内で、落下する品物又は落下する品物の一部を識別すると、センサの撮像画素からの出力は、所定の及び/又は予想される色を表す、要求される信号値と比較され得る。センサ出力が所定の及び/又は要求される信号値と(許容可能な公差内で)一致しなければ、識別された物品を受け取るバッチは、不良な又は異常な物品を含むものとして記録され得ると共に拒絶のためにタグ付け又は注記され得る。
【0102】
解析は、アルゴリズム解析及び既知の色空間における色の識別に基づいて行われてもよい。
【0103】
センサは、好ましくは、グローバルシャッタとして動作するように構成及び/又は適合されたデジタル画像センサ(好ましくはCMOS又はCCD)であってもよい。これは、外部干渉、スキュー、及び/又はスミア効果を低減するのを支援し得る。グローバルシャッタモードで動作するデジタル画像センサは、センサ画素の大部分又は全ての露光を同時に開始及び終了し得る。グローバルシャッタは、高速で移動する物体の歪みのないキャプチャを可能にすることができる。
【0104】
画像キャプチャのための露光時間は、好ましくは最小である。これは、急速落下の画像キャプチャに関連する干渉、スキュー、及び/又は、スミア効果を回避するのを支援し得る。
【0105】
データ処理の効率及びスピードのためには、及び物品の予想される軌道、速さ、物理的形態、及び色が概ね事前に分かり得ることを考えると、画像センサの限られた数の画素のみ、例えば限られた数の画素の行及び/又は列、及び/又は画素の選択された色、例えば、赤と緑、赤と青のみ、もしくは青と緑のみの画素からのデータを読み取る及び/又は利用するのが好ましいであろう。
【0106】
通常の実施形態においては、レンズがセンサと物品の落下領域との間に位置しており、白色発光ダイオード(LED)などの1つ以上の任意選択的な光源が、落下する物品に光を当て得る。LEDは、落下する物品以外の物体からは最小限の光しか反射されないような角度で落下領域を照明し得、レンズは、落下する物品から反射された光をセンサ上に集束させる。
【0107】
物品の落下スピードはコンベヤスピード又は摺動領域に起因して実質的に均一であるため、センサのサンプリングレートは、平均スピードで落下する物品から反射された光が少なくとも所定数の連続するセンササンプルによってキャプチャされるように設定され得る。センサ上で物品によって影響を受ける画素の数は、落下する物品の形状に依存し得る。例えば、直円柱の形状をした錠剤は、その平坦な面が実質的に円として現れるように落下する可能性が高い。よって、物品が見られるセンサ行は、物品がキャプチャされる最初及び最後のセンササンプルが中間のサンプルよりも影響を受けていない画素を含み得るパターンを生成するであろう。
【0108】
各錠剤が落下するときにその錠剤によって影響を受けるセンササンプル内の画素のパターンが既知であるため、並びに、通常、物品は互いにもたれかからないので別々に落下するため、単一のセンササンプルによってキャプチャされる2つ以上の隣接する落下物品は、前の又は連続してキャプチャされたサンプルを使用して区別することができる。
【0109】
開示される主題の技術的効果は、ほとんど100パーセントのケースにおいて包装が所要の数を正確に収容するように高い精度で所定数の物品を容器に分配するための方法及び装置を提供することであり、利用可能なリソースが十分に利用されるように、各物品の少なくとも1つの特性の同時解析が全ての収集された物品が所望の物品であることを確実にするように、あるいは、不良なもしくは異常な物品が除外されるように、又は、不良なもしくは異常な物品を含むバッチが更なる処理から拒絶され得るように、タスクは高効率で実行される。
【0110】
ここで図1Aを参照すると、同図は、所定数の物品の1つ以上の特性を高精度且つ高効率で分配及び解析することを提供するための装置の概略図を示す。
【0111】
装置は、コンピューティングプラットフォーム104と通信しそこから制御コマンドを受信する機械100を備える。機械100は、撮像(又は「キャプチャ」)デバイス135と、制御及び処理ユニット144に情報を提供する解析デバイス136と、を備える。コンピューティングプラットフォーム104は、制御コマンドを機械100に提供する。
【0112】
機械100は、容器に分配されるべき多数の物品116を収容するホッパ又はサイロ112などのリザーバを備える。容器132のような各容器は、最終的には所定数の物品116を収容することになる。
【0113】
ここでリザーバの一例として示されるホッパ112は、その下部開口114にゲートを備えていてもよい。ゲートを上昇又は下降させることにより、ホッパ112からコンベヤ120上に分配される物品116の数が制限される。いくつかの実施形態においては、下部開口114は、複数の物品116がコンベヤ120上に平行に分配されることを可能にするのに十分な広さである。複数の物品を同時に取り扱うことにより、急速な分配並びに方法及び装置の高い歩留まりが提供される。もっとも、当業者は、物品が本技術分野において既知の他の手段を使用してコンベヤ120上に分配されてもよいことを認識するであろう。
【0114】
コンベヤ120は、コンベヤベルト、振動シュート、可変傾斜角を有するシュートなどであり得る。任意選択的には、コンベヤ120は、輸送方向に直交する方向で、複数の物品を少なくとも部分的に平行に輸送することを可能にする形態(以下「平行輸送コンベヤ」)である。コンベヤ120は、その上面に複数の物品が平行に収まるような幅である。
【0115】
コンベヤ120は、コンピューティングプラットフォーム104からコマンドを受信するアクチュエータ124によって制御される。アクチュエータ124は、電流、流体圧、空気圧、又は任意の他のエネルギ源によって動作してもよく、エネルギをコンベヤ120に印加される何らかの種類の運動に変換する。
【0116】
アクチュエータ124の機能性はコンベヤ120の性質に依存する。例えば、コンベヤ120がコンベヤベルトであればアクチュエータ124はベルトを駆動又は停止させ、コンベヤ120が振動シュートであればアクチュエータ124は振動エンジンを始動又は停止させ、コンベヤ120が可変傾斜シュートであればアクチュエータ124はシュートの一方の側を下降又は上昇させる、などである。
【0117】
いくつかの実施形態においては、アクチュエータ124がコンベヤ120に振動を引き起こし、それによってコンベヤ120上の物品に特定の位置をとらせる。例えば、分配された物品が円柱形状の医薬錠剤である場合には、振動は、コンベヤ120上でそれらの医薬錠剤に、平坦な側面のうちの1つがコンベヤ120上に載り、且つ概ねどの物品も部分的に又は完全に別の物品上にもたれかからないように、位置をとらせ得る。もっとも、物品は、時には互いに接触してもよい。
【0118】
物品116は、動作時に、コンベヤ120に沿って又はコンベヤと共に、コンベヤの端128まで進む。
【0119】
物品コンベヤの開放端128から、物品は自由落下し、図示されるように直接、又は容器に至るトラックもしくは他の処理経路(図示しない)を通って、容器132に到達する。
【0120】
いくつかの実施形態においては、コンベヤ120の作動のスピード、したがってその上に置かれた物品のスピードは、例えば、毎秒約2cm~毎秒20cm、例えば毎秒6cmであり得る。
【0121】
落下する物品は、コンベヤ端128又はその僅かに下方からある距離だけ下に延在してキャプチャデバイスに面する仮想凸状長方形を形成する、仮想「撮像領域」129を通って移動するときに、キャプチャデバイス135によって撮像される。画像は、次いで、解析デバイス136によって解析され得る。
【0122】
解析デバイス136は、制御及び処理ユニット164から、キャプチャデバイス135内のセンサをサンプリングするコマンドなどの制御コマンドを受信し得る。制御及び処理ユニット164は、以下に詳述されるコンピューティングプラットフォーム104の一部であり得、又はそうでなければそれに関連付けられ得る。解析デバイス136は、計数及び他の特性の解析のために、撮像されたデータを制御及び処理ユニット164に提供し得る。制御及び処理ユニット164は、生データ又は計数結果又は中間結果をコンピューティングプラットフォーム104に転送し得る。
【0123】
いくつかの実施形態においては、制御及び処理ユニット164は、コンピューティングプラットフォーム104の一部として、例えばコンピューティングプラットフォーム104によって実行されるアプリケーションとして、実装され得る。しかしながら、他の実施形態においては、制御及び処理ユニット164は、コンピューティングプラットフォーム104とは別個に、又は解析デバイス136の一部として、実装され得る。
【0124】
解析デバイス136と、制御及び処理ユニット164の動作と、が図3及び図4Aから図4Bに関連して、以下に更に詳述される。
【0125】
コンピューティングプラットフォーム104は、プロセッサ144を備え得る。プロセッサ144は、任意の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、電子回路、集積回路(IC)などであってもよい。代替的には、コンピューティングプラットフォームは、現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェア又は構成可能なハードウェアとして実装され得る。更に他の代替案では、プロセッサ144は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)又はマイクロコントローラなどの特定のプロセッサ用に書き込まれた又は特定のプロセッサに移植されたファームウェアとして実装され得る。プロセッサ144は、コンピューティングプラットフォーム104又はそのサブコンポーネントのいずれかによって要求される数学的、論理的、又は任意の他の命令を実行するために使用され得る。
【0126】
いくつかの実施形態においては、コンピューティングプラットフォーム104は、MMI(マンマシンインターフェイス)モジュール148を備え得る。MMIモジュール148は、機械100、解析デバイス136、又はユーザへの入力を受信する又はそれらからの出力を提供するため、例えば、装置の較正及び動作に関係する特定のユーザコマンド又はパラメータを受信するため、情報を記憶及び検索するため、装置の性能を解析するための出力を提供するためなどに利用され得る。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態においては、コンピューティングプラットフォーム104は、ストレージデバイス152のような1つ以上のストレージデバイスを備え得る。ストレージデバイス152は、非一時的(不揮発性)又は一時的(揮発性)であり得る。例えば、ストレージデバイス152は、フラッシュディスクや、ランダムアクセスメモリ(RAM)や、メモリチップや、CD、DVD、又はレーザディスクなどの光学ストレージデバイスや、テープ、ハードディスク、ストレージエリアネットワーク(SAN)、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)等の磁気ストレージデバイスや、フラッシュデバイス、メモリスティック等の半導体ストレージデバイスであってもよい。いくつかの例示的な実施形態においては、ストレージデバイス152は、以下に詳述される図2のステップのいずれかに関連付けられた動作をプロセッサ144に実行させるように動作可能な、以下に詳述される制御コンポーネント160のプログラムコードを保持し得、ユーザに情報を表示するなどする。ストレージデバイス152は、特定のタイプの分配タスクのために機械を動作させるときに使用される較正結果、完成した容器の数、各容器内の物品の数、異常な又は不良な物品を含む容器の容器識別などの情報も保持し得る。
【0128】
コンピューティングプラットフォーム144は、システムと対話する、機械を較正するための命令を提供するなどのために、端末、ディスプレイ、キーボード、入力デバイス等のような、MMIモジュール148と通信する1つ以上の入力/出力(I/O)デバイス156を更に備えていてもよく、又はそれと関連付けられていてもよい。
【0129】
コンピューティングプラットフォーム144はまた、任意選択的には較正中に及び任意選択的には動作中に、例えば解析デバイス136から受信された計数に従って、アクチュエータ124に提供されるべき制御コマンドを判定及び生成するための制御コンポーネント160も実行し得る。
【0130】
制御コンポーネント160は、任意のプログラミング言語を使用して任意の開発環境下で開発され得る、相互に関係するコンピュータプログラム命令の1つ以上のセットとして実装されることができる。コンピュータプログラム命令は、ストレージ152に記憶され得ると共に機械を生成するためのプロセッサ144又は任意の他のプログラム可能処理装置に提供され得、それによって、プロセッサを介して実行される命令が、フローチャート又はブロック図に指定される機能を実装するための手段を作り出す。
【0131】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読非一時的媒体にも記憶され得る。制御コンポーネント160によって実行されるステップは、以下に図2に関連して更に詳述される。
【0132】
コンピューティングプラットフォーム144は、機械100から遠隔に、機械100の一部として、又はこれらの任意の組み合わせで提供され得ることが理解されよう。
【0133】
ここで図1Bを参照すると、同図は、所定数の物品を高精度且つ高効率で分配することを提供するための装置の別の一実施形態の概略図を示す。
【0134】
図1Aのように、装置は、機械100、下部開口114にゲートを有するホッパ又はサイロ112、コンベヤ120、アクチュエータ124、コンピューティングプラットフォーム104、キャプチャデバイス135、解析デバイス136、及び容器132を備える。
【0135】
物品116は、コンベヤ120上に放出され、動作時に、コンベヤ120に沿って又はコンベヤと共に、コンベヤの端128まで進む。
【0136】
コンベヤ端128から、物品は、傾斜134上に及びこの傾斜に沿って落下する。いくつかの実施形態においては、傾斜134は、物品が傾斜134に沿って加速せず、摩擦によってそのスピードが維持されるように、粗い材料で作製され得ることが理解されよう。もっとも、傾斜134と物品との間の摩擦係数は、摩擦が物品を摺動しないように保持したり物品を転がらせたりはせず、したがって物品のうち傾斜134に接触する側を不変に保つようなものである。
【0137】
傾斜134は、物品に、物品が傾斜134の端138から落下するときに実質的に均一なスピードをとらせ、且つキャプチャデバイス135に対する物品の角度が同様になるように同様の軌道で自由落下を継続させる。
【0138】
いくつかの実施形態においては、コンベヤ120のスピード、したがってその上に置かれた物品のスピードは、例えば、毎秒約2cm~毎秒20cm、例えば毎秒6cmであり得る。傾斜134に沿って摺動する物品のスピードは、コンベヤ120のスピードに対して相対的に増加してもよく、傾斜134の材料及び角度に応じて、毎秒約20cm~毎秒約2メートルに達し得る。
【0139】
傾斜134の端138で、物品は自由落下し、容器132に到達する。
【0140】
物品が、傾斜134の端138又はその僅かに下方からある距離だけ下に延在してキャプチャデバイスに面する仮想凸状長方形を形成する、仮想「撮像領域」139に沿って移動するときにキャプチャされる、図1Aの設定とは異なり、キャプチャデバイス135は、物品が傾斜134の端138から落下するときに物品の画像をキャプチャするように位置決め及び設定される。画像が解析され、機械100は、図1Aの実施形態と実質的に同じ手法で制御及び作動される。
【0141】
次に、物品の高精度且つ高効率な分配及び解析を提供し、ひいては高いスループット及び定性的精度をもたらすための、図1に示されたもののような分配機を動作させるステップのフローチャートを示す図2を参照する。
【0142】
ステップ232において、コンベヤは、作動によって落下する物品の数が、各容器に分配することが要求される物品の数に近づくが達しないように決定されたある期間にわたって作動される。この持続時間は、較正段階のステップ216で判定された第1のスループット関数に従って決定される。いくつかの実施形態においては、期間は、ほとんどのケースで、容器が所要の数より少ない物品を含むように決定される。その理由は、一般に、多すぎる品目を分配されるよりも、物品を追加することによって修正可能な、より少ない物品を有することが望ましいからである。
【0143】
ステップ236において、容器内に落下した物品の数が判定される。物品の数は、コンベヤが停止した後に慣性力によって落下した物品も含む。いくつかの実施形態においては、物品は落下するときに計数され、これはコンベヤが動いているとき及びその後しばらく起こることが理解されよう。
【0144】
ステップ258において、計数された各物品の特性、好ましくは色が、キャプチャされた画像データに基づいて判定される。
【0145】
ステップ260において、バッチ内の計数された各物品が、要求される又は所定の特性、好ましくは指定された色特性に一致するかどうかが判定される。全ての計数された物品が要求される又は所定の特性を満たしているのでなければ、その計数された物品のバッチはステップ262で拒絶される。
【0146】
全ての計数された物品が要求される又は所定の特性を満たしていれば、ステップ240において、分配されなければならない全量を揃えるために、物品が容器内に依然として不足しているかどうかが判定される。
【0147】
稀な場合ではあろうが、物品が不足していなければ、任意選択的なステップ242において、スループット関数の特定の点の値など、較正ステップ200において設定されたスループット関数又はそのパラメータが、欧州特許第2600288号明細書で述べられているように、初期動作及び1つ以上のパルスの間に落下した物品の数に基づいて更新される。較正パラメータがオンザフライで更新されたか否かにかかわらず、容器は除去され、ステップ244において次の容器が置かれる。
【0148】
物品が依然として不足していれば、2つの実施形態又は統一された一実施形態において、2つの選択肢が利用可能である。第1の選択肢では、ステップ248において、パルスに起因して落下するであろう物品が所要の物品数に近づくか又は揃うように、パルス長に必要な持続時間が決定される。
【0149】
したがって、ステップ252においては、コンベヤが、決定された又は所定のパルス長にわたって起動され得る。
【0150】
ステップ256においては、上記のステップ236と同様に落下した物品の数が判定され、制御はステップ258に戻る。
【0151】
分配されるべき物品の使用法及び性質に応じて、いくつかの実施形態においては、分配される物品の数が所要の数から満足のいく範囲内であることを十分に大きい割合のケースにおいて確実にするのに、コンベヤを1回作動させれば十分であろう。しかし、より高い精度が要求される場合には、オーバーシュートが発生しないように目標を達成するために1つ以上のパルスが必要とされるであろう。
【0152】
ステップ240において物品が依然として不足しているときに採用される第2の選択肢では、不足している物品を分配するために補足物品ディスペンサが利用され得る。ここで、この選択肢を図示する図5を暫時参照する。まず、コンベヤ502が、比較的多数の物品、例えば、数十、数百、又は数千の物品を1回の動作で迅速に分配するために使用される。コンベヤ502は、容器504内の物品506の数が所望の最終数にほとんど達すると停止され、したがって慣性落下後であっても、いくつかの物品(例えば1~10個)が依然として不足しているであろう。次に、容器504は、自動手段を使用して、コンベヤ付近のステーションAから補足物品ディスペンサ508付近のステーションBへ輸送される。すると、補足物品ディスペンサ508は、典型的にはコンベヤ502のスループットよりもはるかに遅い速度で、不足物品510を容器504内に分配する。補足物品ディスペンサ508が動作する間、コンベヤ502は、別の容器を充填するために再び動作する。このプロセスは、所望の量の容器が完全に充填されるまで継続する。補足ディスペンサ508によって分配された物品は、要求される特性について同様にチェックされ、不足物品510のいずれかが要求される特性を満たしていなければ、バッチは拒絶される。
【0153】
次に、上記の図1Aの実施形態と共に使用されるキャプチャデバイスの一実施形態を示す図3Aを参照する。キャプチャデバイスは、物品116などの物品がコンベヤ120の端128から落下するときに、それらの物品の画像をキャプチャする。物品116はバルクで分配されるもの(一列ではなく「滝」タイプの分配)として示されており、複数の物品116が落下中に平行に且つ高さ方向に隣接して落下している。
【0154】
キャプチャデバイス135はセンサ300を備え、これはCMOS、CCD、又は任意の他の撮像センサであり得る。センサは画素センサの一次元又は二次元の集合として実装されてもよく、各画素は光検出器及び増幅器を含む。センサ300が二次元アレイを備える場合、画素センサの行又は列は整列されてもされなくてもよい。センサは、ベイヤーフィルタセンサ、Foveon X3センサ、3CCD、ラインスキャンカラーカメラ、RGB画像をキャプチャするために3つの別個の撮像ラインを使用するトライリニアラインスキャンカメラ、又はエリアスキャンカラーセンサなどのカラー画像センサであってもよい。
【0155】
センサは、その正面が仮想撮像領域において落下する物品の軌道の接線に対して約45度~約135度、例えば90度の角度になるように位置決めされ得る。
【0156】
センサ300は、その中央領域、例えば1つ以上の中央の行が、コンベヤ120の端128に最も近くなるように位置していてもよい。いくつかの例示的な実施形態においては、センサ300の中央領域は、端128の中央領域から約20cm~約40cmの距離に位置していてもよい。
【0157】
キャプチャデバイス135は、落下する物品に対して絶えず又は間欠的に光を当てる光源306及び308などの1つ以上の光源を更に備え得る。
【0158】
センサ300は、好ましくは、グローバルシャッタとして動作するように構成及び/又は適合されたデジタル画像センサ(好ましくはCMOS又はCCD)であってもよい。これは、外部干渉、スキュー、及び/又はスミア効果を低減するのを支援し得る。グローバルシャッタモードで動作するデジタル画像センサは、センサ画素の大部分又は全ての露光を同時に開始及び終了し得る。グローバルシャッタは、高速で移動する物体の歪みのないキャプチャを可能にすることができる。ローリングシャッタが代替的に使用されてもよいが、高速の物体の歪み効果をより受けやすい。
【0159】
端128から落下する際の物品116の画像キャプチャのための露光時間は、好ましくは最小である。これは、急速落下する物品116の画像キャプチャに関連する干渉、スキュー、及び/又は、スミア効果を回避するのを支援し得る。光源のルクスは、短い露光時間を可能にするために適切に高い。
【0160】
光源306及び308などの光源は、好ましくは、全スペクトル白色光を提供し得るが、物品の特定の予想される色又は起こり得る不良なもしくは異常な物品のために部分スペクトルが提供されてもよい。
【0161】
光が間欠的に照射される実施形態においては、LEDのパルス長及び周波数は、センサを作動させるのに十分な光が各物品から反射されるように選択され得る。
【0162】
光源306及び308は、任意選択的には、端128から落下した物品を除く他の物体からは光が反射されないか又は最小限にしか反射されないように位置決めされる。
【0163】
キャプチャデバイス135は、落下する物品から反射された光をセンサ300上に集束させるためのレンズ312を更に備え得る。レンズ312は、任意選択的にはレンズアセンブリであり、これは、いくつかの実施形態においては、光学ズーム機能も提供し得る。
【0164】
センサ300によってサンプリングされた画像は、画像制御及び処理ユニット164に転送されてもよく、画像制御及び処理ユニットは、計数と、特性、好ましくはセンサからの色出力の解析と、を行って、その数及び特性の情報をコンピューティングプラットフォーム144に報告し得る。色などの測定された特性は、処理ユニット164によって要求又は予想される特性と比較されてもよく、1つ以上の物品が要求又は予想される特性、例えば色から(公差レベルを超えて)逸脱していれば、そのバッチは不良バッチ又は拒絶バッチとしてタグ付け又は注記され得る。代替的には、生センサデータが処理のためにコンピューティングプラットフォーム144に渡されてもよい。
【0165】
次に、上記の図1Bに示される実施形態と共に使用されるキャプチャデバイス135の一実施形態を示す図3Bを参照する。上記の図3Aのように、キャプチャデバイス135は、センサ300、光源306及び308、並びにレンズ312を含む。しかしながら、センサ300は、物品が傾斜134の端138から落下するときに、それらの物品の画像をキャプチャするように位置決めされている。
【0166】
センサ300は、その中央領域、例えば1つ以上の中央の行が、傾斜134の端138に最も近くなるように位置していてもよい。いくつかの例示的な実施形態においては、センサ300の中央領域は、端138の中央領域から約20cm~約40cmの距離に位置していてもよい。
【0167】
慣性力によって、物品は、傾斜134に沿って摺動したのと実質的に同じ姿勢で端138から落下する。したがって、センサ300は、傾斜134の端138から落下する物品の平坦な面に実質的に平行であり得ると共に、傾斜134の平面の延長に実質的に平行であり得る。
【0168】
光源306及び308は、落下する物品に対して絶えず又は間欠的に光を当ててもよく、光が、傾斜134からは反射されないか又は最小限にしか反射されず、物品118などの端138から落下した物品からのみ反射されるように位置決めされ得る。
【0169】
コンベヤ120上では、物品は概して安定した姿勢をとり、互いにもたれかからず、それらのスピードも実質的に均一であって、稀なケースにおいてのみ、物品が部分的に又は完全に重なり合って撮像される。図1Aの実施形態においてコンベヤ120の端128から、又は図1Bの実施形態において傾斜134の端138から、複数の物品が落下すると、それらは互いに分散して滝タイプの分配となり得る。例えば、たとえ2つ以上の物品が互いに隣接していても、それらは、エッジを越えて傾いて物品間の間隙が増加すると、ばらばらになり得る。この物品の分布が撮像され得る。
【0170】
落下する物品116は、好ましくは、グローバルシャッタとして動作するセンサを使用して撮像され得る。すなわち、撮像に使用される各画素、好ましくはセンサの全ての撮像画素は、同時に露光を開始し終了する。これにより、有利なことには、急速に落下する物品の画像を歪みなくキャプチャすることができる。グローバルシャッタ撮像を介して得られる画像が図4Aに例示されている。この画像は、時刻Tに取得された全ての撮像センサ画素について取得されたデータを含む。グローバルシャッタ内の各物品が計数され得ると共に、1つ以上の特性、好ましくは少なくとも色が、画像内の各物品について評価され得る。
【0171】
グローバルシャッタが好適ではあり得るが、代替的にはローリングシャッタ画像キャプチャも実装され得、その場合は落下する各物品の画像の相対的に狭い水平スライスが検出される。これは、センサ線のサンプルの連続シーケンスを示す図4Bに例示されている。センサの1本以上の線が利用され得る。したがって、この図に示されるケースは最も概略的なものであり、画素の単一のラインのみを示している。時刻Tに取得されたサンプル420は、シーケンス444,448,450,452,及び454からなる第1の物品の下端によって影響を受ける画素の狭いシーケンス444を備えており、その一方で時刻T,T,及びTにそれぞれ取得されたサンプル422,424,426,及び428は、それぞれ物品408のより広いシーケンス448,450,452を示し、時刻Tに取得されたサンプル428も、物品408によって影響を受ける画素の狭いシーケンス454をやはり示す。
【0172】
同様に、サンプル424,426,428,430,及び432のシーケンス458,460,462,464,及び468はそれぞれ、時刻T,T,T,T,及びTにそれぞれ取得され、それらのシーケンスは第2の物品から反射された光によって作り出され、サンプル432,434,436,438,及び440のシーケンス470,472,474,478,及び480はそれぞれ、時刻T,T,T,T,及びTにそれぞれ取得され、それらのシーケンスは第3の物品から反射された光によって作り出される。
【0173】
センサ線の連続的なキャプチャ時に落下する物品によって作り出される影響を受けた画素の既知のパターンを使用して、時刻T~Tに取得されたセンサ線サンプルのシーケンスが解析され、3つの物品が検出及び計数される。例えば、直円柱形状を区別及び計数することは、影響を受けた画素がそれらの端部サンプルにおいてはより少ない数であり、中間サンプルにおいてはより多い数であることに基づき得る。
【0174】
物品が異なるスピードで落下し得る場合であっても、全体的なパターンは、僅かに変化するかもしれないが、依然として有効であり得ることが理解されよう。例えば、ある物品がより高速で落下する場合には、その中央部分が3つよりも少ないサンプルに現れるかもしれず、又はそのより狭い最初のサンプルもしくは最後のサンプルが欠落しているかもしれない。したがって、いくつかの実施形態においては、パターンは、いくらかの柔軟性を伴って探索され得る。
【0175】
2つ以上の物品がセンサ上で隣接しているように見える場合には、物品の数は、影響を受けた画素の数を単一の物品によって影響を受ける最大推定画素数で割り、その結果をより大きい数に丸めることによって判定され得ることも理解されよう。いくつかの測定が示していることには、約1パーセントのケースにおいて2つの物品が隣接しているように見えることがあるが、3つ以上の物品が隣接しているのはそれよりも有意に小さい割合であり、したがって、そのような割り算は満足のいく結果を提供し得る。
【0176】
グローバルシャッタ又はローリングシャッタセンサにおける画素の各ラインは、赤色、緑色、及び/又は、青色を検知するための画素を含んでいてもよく、あるいは、ベイヤーフィルタなどのように、交互の画素ラインが、緑色及び青色、並びに、赤色及び緑色の入射光を検知してもよい。
【0177】
このように、物品からの正の反射点に着目することに加えて、センサ情報は、様々な色の画素の各々について変化する信号レベルを通じて物品色を示す情報も提供し得る。1本以上の画素ラインの色出力は、処理ユニット164又はコンピューティングプラットフォーム144によって記憶される、要求又は予想される例示的なセンサ信号(場合によってはインサイチュ(in situ)で所与の製品について較正される、又は工場で事前にプログラムされる)と比較され得る。計数された物品の要求又は予想される例示的なセンサ信号値からの偏差は、計数された物品のバッチの拒絶の基準として使用され得る。
【0178】
単一のセンサを使用すること、及び単一のセンサ線又は20本のセンサ線などのいくつかのセンサ線をサンプリングすることは、コスト削減、並びに落下する物品の効率的な検出を提供する。効率的な検出は、検出スピードを増加させるために使用され得、ひいては単位時間当たりより多くの物品の計数を可能にする。もっとも、他の実施形態においては、2つ以上のセンサが使用されてもよい。いくつかの好適な実施形態においては、グローバルシャッタ撮像のように、全ての画素が同時にキャプチャされ得る。
【0179】
センサ出力の解析は、図1の制御及び処理機構164によって又はコンピューティングプラットフォーム104によって実行され得る。
【0180】
いくつかの更なる解析では、画像解析技術は、落下する物品が無傷であるのか、それとも破損しているのかを、センサへのその物品の種々の投影に従って判定するためにも使用され得る。この特徴が提供される場合には、破損した物品は、無視されるか、又は物品の流れから除去されるかのいずれかであり得、その結果、容器は、少なくとも所要の数の適切な物品を備えることになる。あるいは、包装されたユニット132全体が廃棄されてもよい。破損した物品は、予想される色からの色の偏差に基づいても識別され得、例えば、コーティングされた物品を取り扱うときには、異なる色の内部(例えば白色)がセンサに示されて、異常な物品の存在を判定するための基準として使用され得る。
【0181】
本発明は、上述の特定の実施形態を参照して説明されてきた。これらの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者に周知の種々の修正及び代替形態を受け入れる余地があることが認識されよう。したがって、特定の実施形態が説明されてきたが、これらは例にすぎず、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲を限定するものではない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を容積内に落下させることと、
前記物品が落下している間に前記物品の画像を取得するためにデジタル撮像デバイスを用いることと、
各物品を計数するために前記画像を処理することと、
各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色を判定するために前記画像を処理することと、
少なくとも1つの所定の特性に関して前記判定された特性を評価することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記取得されたカメラ画像は、高速カメラで取得され、
好ましくは、前記カメラは、毎秒少なくとも150枚の画像、好ましくは毎秒少なくとも200枚の画像、より好ましくは毎秒少なくとも250フレームを取得するように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、所定数の物品のバッチを分配し、あるバッチ内の1つ以上の検査された自由落下する物品が要求される特性から逸脱した特性を有していれば、バッチが更なる処理から拒絶される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
取得された画像は、カラー画像であり、
前記判定された特性は、前記物品の可視色であり、
前記所定の特性は、可視色であり、
好ましくは、前記判定された特性及び前記所定の特性は、色相である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記物品は、自由落下し、
好ましくは、自由落下中の物品は、任意の固体背景表面から、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも5mm離間する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記物品は、無色、黒色、又は灰色の背景の前で落下する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物体は、医薬錠剤、丸剤、又はカプセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記物品は、コンベヤ上に単一の層で配置され、
前記物品のうち少なくともいくつかは、前記コンベヤ上で平行に輸送される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像は、前記落下する物品の数を連続的に判定するためにリアルタイムで処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
開放分配端を有するコンベヤを提供するステップと、
前記コンベヤ上で前記コンベヤの前記開放分配端へ前記物品をバルクで輸送するステップと、を更に備え、
好ましくは、落下する物品は、前記コンベヤの前記開放端の実質的に直下の容積を通って落下している間に撮像される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
複数の物品を分配するように構成された、開放分配端を備えるディスペンサと、
前記開放分配端の下方の容積と、
前記開放分配端から落下する物品の画像をキャプチャするように位置決めされた、少なくとも1つのデジタル撮像デバイスと、
前記デジタル撮像デバイスによってキャプチャされた画像を解析するように構成されたプロセッサであって、前記解析は、少なくとも前記物品の数の計数と、撮像された各物品の少なくとも1つの特性、好ましくは色の判定と、を備える、プロセッサと、
を備える、装置。
【請求項12】
前記デジタル撮像デバイスは、カラー画像を取得するように構成されており、
前記プロセッサは、撮像された落下する各物品の色を判定するように、及び、少なくとも1つの所定の色に対して前記色を評価するように、構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記撮像デバイスは、1つ以上のデジタルカメラを備え、
前記カメラは、毎秒少なくとも150枚の画像、好ましくは毎秒少なくとも200枚の画像、より好ましくは毎秒少なくとも250フレームを取得するように配置される、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
落下する物品を照明するための1つ以上の光源を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
装置は、要求される特性から逸脱していると識別された物品又は要求される特性から逸脱していると識別された物品を含む物品のバッチの排出のための拒絶導管を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置のプロセッサによって実行されるときに、請求項1によって定義される方法を実行するための、コンピュータ可読命令を記憶したコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】