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特表2024-523180水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法
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  • 特表-水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法
(51)【国際特許分類】
   B62M 1/00 20100101AFI20240621BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20240621BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20240621BHJP
   B62K 11/00 20060101ALI20240621BHJP
   B62H 5/16 20060101ALI20240621BHJP
   B62J 43/16 20200101ALI20240621BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240621BHJP
   H01M 8/04992 20160101ALI20240621BHJP
【FI】
B62M1/00
B60K8/00
B62M7/02 D
B62K11/00 A
B62H5/16
B62J43/16
H01M8/00 A
H01M8/0432
H01M8/0438
H01M8/04955
H01M8/04302
H01M8/04746
H01M8/04537
H01M8/04694
H01M8/04701
H01M8/00 Z
H01M8/04 Z
H01M8/04992
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574601
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2022095405
(87)【国際公開番号】W WO2022253109
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110635357.7
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110617628.6
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523452872
【氏名又は名称】ヨンアン テクノロジー シーオー.,エルティディー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チエン,チァン
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,ヂィェン
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,シイアン
(72)【発明者】
【氏名】ヅゥー,ウェイジエ
【テーマコード(参考)】
3D011
3D235
5H127
【Fターム(参考)】
3D011AL39
3D011AL41
3D235AA23
3D235CC15
3D235CC23
3D235CC24
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA48
5H127BA59
5H127DA01
5H127DB47
5H127DB66
5H127DB82
5H127DB99
5H127DC42
5H127DC73
5H127DC88
5H127DC96
5H127DC99
5H127FF02
(57)【要約】
本発明は、水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法を開示する。当該エネルギーシステム管理方法は、使用者がモペットを賃借する際の管理と、使用者がモペットを返却する際の管理と、賃借を待つ状態の管理とを含む。使用者がモペットを賃借する時には、中央制御システムは、後輪錠を開錠し、前後灯を点け、水素燃料電池管理システム及び電動機制御装置に起動指令を送信して、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動させる。使用者がモペットを返却する時には、中央制御システムは、後輪錠をロックし、前後灯を消灯し、水素燃料電池管理システム及び電動機制御装置に電源オフ指令を送信して、電動機制御装置、水素燃料スタック及び水素燃料電池管理システムの電源をオフにする。賃貸を待つ状態では、中央制御システムが、リチウム電池パックの残余電力に基づき、リチウム電池パックを充電する必要があるか否か、及び水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを判断する。本発明は、エネルギーシステム管理の合理性を向上させ、使用者の使用プロセスの円滑な進行を保証し、使用者の体験を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央制御システムと、水素燃料電池システムと、動力制御システムと、リチウムイオン電池パックとを備え、
前記中央制御システムは、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムの作動を制御し、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムからのフィードバック情報を受信し、
前記水素燃料電池システムは、電気エネルギーを生成し、前記中央制御システム、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに供給し、
前記動力制御システムは、走行速度を制御し、
前記リチウムイオン電池パックは、前記中央制御システム及び前記動力制御システムに電力を供給する、
ことを特徴とする水素エネルギー駆動モペット。
【請求項2】
前記中央制御システムは、中央制御モジュールと、前記中央制御モジュールに電気的に接続された、後輪錠、水素貯蔵容器錠及び前後灯とを備え、
前記中央制御モジュールは、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項3】
前記水素燃料電池システムは、管路によって順次接続された水素貯蔵容器と、ガス入れ電磁弁と、水素燃料スタックと、排気電磁弁と、前記ガス入れ電磁弁、前記水素燃料スタック及び前記排気電磁弁に電気的に接続された水素燃料電池管理モジュールとを備え、
前記水素燃料電池管理モジュールは、前記中央制御システム、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項4】
前記水素燃料電池システムは、前記ガス入れ電磁弁と前記水素燃料スタックとの間の管路に設けられた圧力伝達装置をさらに備え、
前記圧力伝達装置は、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項5】
前記水素燃料電池システムは、前記水素燃料スタック上に設けられた温度センサーをさらに備え、
前記温度センサーは、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項6】
前記水素燃料電池システムは、前記水素貯蔵容器の外側に設けられた加熱モジュールをさらに備え、
前記加熱モジュールは、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項7】
前記動力制御システムは、電動機制御装置と、前記電動機制御装置に電気的に接続された左右制動ハンドル、補助動力センサー及び駆動電動機とを備え、
前記電動機制御装置は、前記中央制御システム、前記水素燃料電池システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項8】
前記中央制御システム及び前記水素燃料電池システムは、中央主制御システムに統合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項9】
前記リチウムイオン電池パックは、加熱ユニットも備える、ことを特徴とする請求項8に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項10】
前記中央主制御システムは、管路によって順次接続された前記水素貯蔵容器と、ガス入れ電磁弁と、水素燃料スタックと、前記排気電磁弁と、前記ガス入れ電磁弁、前記水素燃料スタック及び前記排気電磁弁に電気的に接続された中央制御モジュールとを備え、
前記中央制御モジュールは、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続され、
前記中央制御システムは、前記ガス入れ電磁弁と前記水素貯蔵容器との間の管路に設けられた圧力伝達装置をさらに備え、
前記圧力伝達装置は、前記中央制御モジュールに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項8に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項11】
前記中央制御システムは、中央制御モジュールに電気的に接続された後輪錠、水素貯蔵容器錠及び前後灯を備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の水素エネルギー駆動モペット。
【請求項12】
水素エネルギー駆動モペットに用いる、使用者がモペットをレンタルする際の管理と、使用者がモペットを返却する際の管理と、レンタルを待つ状態の管理とを含む、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法であって、
前記使用者がモペットをレンタルする際には、前記中央制御システムが、後輪錠を開錠し、前後灯を点け、水素燃料電池管理システム及び電動機制御装置に起動指令を送信し、前記水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動させ、
前記使用者がモペットを返却する際には、前記中央制御システムが、前記後輪錠を施錠し、前記前後灯を消灯し、前記水素燃料電池管理システム及び前記電動機制御装置に電源オフ指令を送信して、前記電動機制御装置、前記水素燃料スタック及び前記水素燃料電池管理システムの電源をオフにし、
レンタルを待つ状態にある場合、前記中央制御システムは、前記リチウムイオン電池パックの残余電力に基づき、前記リチウムイオン電池パックを充電する必要があるかか否かを決定し、及び前記水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、前記水素貯蔵容器を交換するか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項13】
前記使用者がモペットをレンタルする際に、前記水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動させる具体的なプロセスは、
前記水素燃料電池管理システムが、起動指令を受信した後、まず圧力伝達装置を介して前記水素貯蔵容器の圧力を検出し、温度センサーを介して水素燃料スタックの温度を検出し、
前記水素貯蔵容器の圧力または前記水素燃料スタックの温度が要件を満たさない場合、前記水素燃料スタックを始動させず、同時に、故障情報を中央制御システムにアップロードし、
前記水素貯蔵容器の圧力及び前記水素燃料スタックの温度が全ての要件を満たす場合、前記水素燃料スタックを始動させ、前記水素燃料スタックのガス入れ電磁弁及び加熱モジュールを開く、
ことを特徴とする請求項12に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項14】
前記水素燃料スタックの稼動過程中において、前記水素燃料電池管理システムは、前記温度センサー及び前記水素燃料スタックの出力に基づき、前記水素燃料スタックの扇風機の回転速度及び前記排気電磁弁の排気周波数を調節する、
ことを特徴とする請求項12に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項15】
前記使用者がモペットを返却する際に、前記水素燃料電池管理システムは、電源オフ指令を受信した後、まず前記リチウムイオン電池パックの残余電力を検出し、
前記リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超えた場合、前記水素燃料スタックをオフにし、
前記リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合、前記水素燃料スタックが作動し続け、前記リチウムイオン電池パックが満充電になるまで前記リチウムイオン電池パックを充電し、その後、前記水素燃料スタック及びそれ自体の電源をオフにする、
ことを特徴とする請求項12に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項16】
レンタルを待つ状態である場合、前記中央制御システムが前記リチウムイオン電池パックの残余電力に基づき、前記リチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否かを判断するための具体的な方法は、
前記中央制御システムが、前記水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、前記水素燃料電池管理システムが起動された後に、前記リチウムイオン電池パックの残余電力を検出し、
前記リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超えた場合、前記水素燃料スタックをオフにし、
前記リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合、前記水素燃料スタックが作動し続け、前記リチウムイオン電池パックが満充電になるまで前記リチウムイオン電池パックを充電し、その後、水素燃料電池管理システムが前記水素燃料スタック及びそれ自体の電源をオフにする、
ことを特徴とする請求項12に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項17】
レンタルを待つ状態である場合、前記中央制御システムが前記水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、前記水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを判断する具体的な方法は、
前記中央制御システムが、前記水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、残余ガス量を問い合わせる指令を前記水素燃料電池管理システムに送信し、前記水素燃料電池管理システムが、起動された後に圧力伝達装置を介して前記水素貯蔵容器の内部圧力を検出し、
前記水素貯蔵容器の内部圧力がプリセット値より低い場合、前記中央制御システムが保守員に前記水素貯蔵容器を交換するようにと通知し、その後、前記保守員が携帯電話によって前記中央制御システムに開錠指令を送信し、前記中央制御システムが、指令を受信した後に前記水素貯蔵容器を開錠し、同時に、前記保守員が、前記水素貯蔵容器を交換した後前記水素貯蔵容器錠を施錠し、同時に、前記水素貯蔵容器を交換したとの情報をバックグラウンドシステムに送信する、
ことを特徴とする請求項12に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか1項に記載の水素エネルギー駆動モペットのために応用される、請求項12~17のいずれか1項に記載の水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法を利用する、
ことを特徴とする水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素エネルギー駆動モペットの分野に関し、特に水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素エネルギー駆動モペットは、長い走行距離が可能であることや排出ゼロである等の利点を有することから、将来にわたって重要となる開発テーマである。しかしながら、リチウムイオン電池式モペットと比較して、水素エネルギー駆動モペットは、付加的な水素貯蔵装置及び水素燃料スタックを備えるため、エネルギーシステム管理方法に対してより高い要求を満たす必要がある。現在、水素エネルギー駆動モペットは、エネルギーシステムに対する管理がまだ比較的に簡単であるため、故障率が高く、使用者の体験後の好感度が高くないことから、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法を改善することが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、水素エネルギー駆動モペット、並びにそのエネルギーシステム及びエネルギーシステム管理方法を提供して、使用者の使用プロセスの円滑な進行を保証し、使用者の体験を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決すべく、以下のように詳細を説明する。
まず、本発明は、水素エネルギー駆動モペットを提供し、水素エネルギー駆動モペットが中央制御システムと、水素燃料電池システムと、動力制御システムと、リチウムイオン電池パックとを備える。前記中央制御システムは、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムの作動を制御し、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムからのフィードバック情報を受信する。前記水素燃料電池システムは、電気エネルギーを生成し、前記中央制御システム、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに電力を供給する。前記動力制御システムは、走行速度を制御する。前記リチウムイオン電池パックは、前記中央制御システム及び前記動力制御システムに電力を供給する。
【0005】
さらに、前記中央制御システムは、中央制御モジュールと、前記中央制御モジュールに電気的に接続された、後輪錠、水素貯蔵容器錠及び前後灯とを備える。前記中央制御モジュールは、前記水素燃料電池システム及び前記動力制御システムに電気的に接続される。
【0006】
さらに、前記水素燃料電池システムは、管路によって順次接続された水素貯蔵容器と、ガス入れ電磁弁と、水素燃料スタックと、排気電磁弁と、前記ガス入れ電磁弁、前記水素燃料スタック及び前記排気電磁弁に電気的に接続された水素燃料電池管理モジュールとを備える。前記水素燃料電池管理モジュールは、前記中央制御システム、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続される。
【0007】
さらに、前記水素燃料電池システムは、前記ガス入れ電磁弁と前記水素燃料スタックとの間の管路に設けられた圧力伝達装置をさらに備える。前記圧力伝達装置は、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される。
【0008】
さらに、前記水素燃料電池システムは、前記水素燃料スタック上に設けられた温度センサーをさらに備える。前記温度センサーは、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される。
【0009】
さらに、前記水素燃料電池システムは、前記水素貯蔵容器の外側に設けられた加熱モジュールをさらに備える。前記加熱モジュールは、前記水素燃料電池管理モジュールに電気的に接続される。
【0010】
さらに、前記動力制御システムは、電動機制御装置と、前記電動機制御装置に電気的に接続された左右制動ハンドル、補助動力センサー及び駆動電動機とを備える。前記電動機制御装置は、前記中央制御システム、前記水素燃料電池システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続される。
【0011】
さらに、前記中央制御システム及び前記水素燃料電池システムは、中央主制御システムに統合される。
【0012】
さらに、前記リチウムイオン電池パックは、加熱ユニットをさらに備える。
【0013】
さらに、前記中央制御システムは、管路によって順次接続された水素貯蔵容器と、ガス入れ電磁弁と、水素燃料スタックと、排気電磁弁と、前記ガス入れ電磁弁、前記水素燃料スタック及び前記排気電磁弁に電気的に接続された中央制御モジュールとを備える。前記中央制御モジュールは、前記動力制御システム及び前記リチウムイオン電池パックに電気的に接続される。前記中央制御システムは、前記ガス入れ電磁弁と前記水素貯蔵容器の間の管路に設けられた圧力伝達装置をさらに備え、前記圧力伝達装置は、前記中央主制御モジュールに電気的に接続される。
【0014】
さらに、前記中央主制御システムは、中央制御モジュールに電気的に接続された、後輪錠と、水素貯蔵容器錠及び前後灯とをさらに備える。
【0015】
次に、本発明は、前記水素エネルギー駆動モペットに用いる、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法を提供し、当該管理方法は、使用者がモペットをレンタルする際の管理と、使用者がモペットを返却する際の管理と、レンタルを待つ状態の管理とを含む。
【0016】
ここで、使用者がモペットをレンタルする際には、中央制御システムが、後輪錠を開錠し、前後灯を点け、水素燃料電池管理システム及び電動機制御装置に起動指令を送信し、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動させる。
【0017】
使用者がモペットを返却する際には、中央制御システムが、後輪錠を施錠し、前後灯を消灯し、水素燃料電池管理システム及び電動機制御装置に電源オフ指令を送信して、電動機制御装置、水素燃料スタック及び水素燃料電池管理システムの電源をオフにする。
【0018】
レンタルを待つ状態にある場合、中央制御システムは、リチウムイオン電池パックの残余電力に基づき、リチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否かを決定し、及び水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを判断する。
【0019】
さらに、前記使用者がモペットをレンタルする際に、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動させるプロセスは、具体的には以下のとおりである。水素燃料電池管理システムが、起動指令を受信した後、まず圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の圧力を検出し、温度センサーを介して水素燃料スタックの温度を検出する。水素貯蔵容器の圧力または水素燃料スタックの温度が要件を満たさない場合、水素燃料スタックを始動させず、同時に、故障情報を中央制御システムにアップロードする。水素貯蔵容器の圧力及び水素燃料スタックの温度が全ての要件を満たす場合、水素燃料スタックを始動させ、水素燃料スタックのガス入れ電磁弁及び加熱モジュールを開く。
【0020】
さらに、前記水素燃料スタックの稼動過程中において、水素燃料電池管理システムは、温度センサー及び水素燃料スタックの出力に基づき、水素燃料スタックの扇風機の回転速度及び排気電磁弁の排気周波数を調節する。
【0021】
さらに、使用者がモペットを返却する際に、水素燃料電池管理システムは、電源オフ指令を受信した後、まずリチウムイオン電池パックの残余電力を検出する。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超えた場合、水素燃料スタックをオフにする。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合、水素燃料スタックが作動し続け、リチウムイオン電池パックが満充電になるまでリチウムイオン電池パックを充電し、次いで、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタック及びそれ自体の電源をオフにする。
【0022】
さらに、レンタルを待つ状態である場合、中央制御システムがリチウムイオン電池パックの残余電力に基づき、リチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否かを決定するプロセスは、具体的に以下のとおりである。中央制御システムは、水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、水素燃料電池管理システムが起動された後に、リチウムイオン電池パックの残余電力を検出する。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超えた場合、水素燃料スタックをオフにする。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合、水素燃料スタックが作動し続け、リチウムイオン電池パックが満充電になるまでリチウムイオン電池パックを充電し、次いで、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックとそれ自体の電源をオフにする。
【0023】
さらに、レンタルを待つ状態にある場合、中央制御システムが水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを決定するプロセスは、具体的に以下のとおりである。中央制御システムは、水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、残余ガス量を問い合わせる指令を水素燃料電池管理システムに送信する。水素燃料電池管理システムが、起動された後に圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の内部圧力を検出する。水素貯蔵容器の内部圧力がプリセット値より低い場合、中央制御システムが保守員に水素貯蔵容器を交換するようにと通知する。次いで、保守員が携帯電話によって中央制御システムに開錠指令を送信し、中央制御システムが、指令を受信した後に水素貯蔵容器を開錠し、保守員が、水素貯蔵容器を交換した後に水素貯蔵容器錠を施錠し、同時に、水素貯蔵容器を交換したとの情報をバックグラウンドシステムに送信する。
【0024】
本発明は、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステムに関するものであり、当該エネルギーシステムは、上記水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法を採用する。
【0025】
上記技術的解決手段を採用することによる、本発明の有益な効果は、次の通りである。
【0026】
(1)本発明による水素エネルギー駆動モペットは、中央制御システムを介して水素燃料電池システム及び動力制御システムの作動を制御し、水素燃料電池システムと動力制御システムの情報を中央制御システムにフィードバックすることによって、中央制御システムが車両全体の稼動状態を適時取得できるようにし、中央制御システムが車両全体をより合理的に制御することができるようにし、それによって保守コストを削減し、使用者の体験を向上させる。
【0027】
(2)本発明による水素エネルギー駆動モペットの中央制御システムは、中央制御モジュールに電気的に接続された水素貯蔵容器錠を備え、水素貯蔵容器を交換する必要がある場合、保守員は携帯電話によって水素貯蔵容器錠の開錠指令を中央制御モジュールに送信することができる。したがって、保守員の水素貯蔵容器錠の交換が便利となる。
【0028】
(3)本発明による水素エネルギー駆動モペットの水素燃料スタックによって生成された電気エネルギーは、燃料電池管理モジュールを介して中央制御システム、動力制御システム及びリチウムイオン電池パックに伝送され、したがって、電気エネルギー管理の合理性を向上させ、エネルギーの浪費を回避することができる。
【0029】
(4)本発明による水素エネルギー駆動モペットの水素燃料電池システムは、ガス入れ電磁弁と水素燃料スタックとの間の管路に圧力伝達装置が設けられることにより、水素燃料スタックのガス入れ圧力が不足している場合、保守員に水素貯蔵容器の交換や水素燃料スタックを適時オフにすることを適時通知することができる。
【0030】
(5)本発明による水素エネルギー駆動モペットの水素燃料電池システムは、水素燃料スタック上に温度センサーが設けられ、水素燃料スタックの温度が低い場合、その情報を中央制御システムにフィードバックする。その結果、この時点で水素燃料スタックを始動できないことを中央制御システムに知らせ、水素燃料スタックの耐用年数への悪影響を回避する。
【0031】
(6)本発明による水素エネルギー駆動モペットの水素燃料電池システムは、低温天候時に水素貯蔵容器内の水素が放出不能になるのを回避するため、水素貯蔵容器の外側に加熱モジュールを設置される、。
【0032】
(7)本発明による水素エネルギー駆動モペットの動力制御システムには、電動機制御装置と電気的に接続された補助動力センサーが設けられ、その結果、駆動電動機の回転速度はシステムにより補助制御しやすくなり、安全性能が向上する。
【0033】
(8)本発明による水素エネルギー駆動モペットの更なる改良策は、中央制御システムと水素燃料電池管理システムを中央主制御システムに統合することである。その結果、スペースが節約されるだけでなく、車両全体の据え付けもしやすくなる。
【0034】
(9)本発明による水素エネルギー駆動モペットの更なる改良策は、圧力伝達装置の位置をガス入れ電磁弁の後ろに調整することである。これにより、ガス入れ電磁弁を開くことなく、また水素燃料電池管理システムを起動させることなく、圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の圧力を検出でき、システム待機中にリアルタイムでモニタリングができるようになる。この改良策により、システムの消費電力は削減され、より多くの電力が節約される。
【0035】
(10)本発明による水素エネルギー駆動モペットのリチウムイオン電池パックには、加熱ユニットを設けることもできる。中央制御システムは、リチウムイオン電池パックの温度を温度センサーで検知し、温度が設定値より低い場合、加熱部材を始動させる。これにより、1つの環境温度サンプリングが増やされ、冬などの寒い環境により適するようになる。
【0036】
(11)本発明では、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法は、使用者がモペットをレンタルする際の管理、使用者がモペットを返却する際の管理、及びレンタルを待つ状態の管理と、3つの部分に分けられている。これにより、エネルギーシステム管理の合理性が大幅に向上し、使用者の使用を円滑に進めることが保証され、使用者の体験が大幅に向上し、水素エネルギー駆動モペットの発展が強力に推進される。
【0037】
(12)本発明では、水素貯蔵容器の圧力又は水素燃料スタックの温度が要件を満たさない場合、水素燃料スタックを始動させず、使用者の乗車プロセスの円滑な進行を確保し、途中での停電を回避し、安全性を向上させる。
【0038】
(13)本発明では、水素燃料スタックの稼動過程中に、水素燃料電池管理システムは、温度センサーと水素燃料スタックの出力に基づき、水素燃料スタックの扇風機の回転速度と排気電磁弁の排気周波数を調節する。これにより、水素燃料スタックの効率を保証できるだけでなく、安全性も向上される。
【0039】
(14)本発明では、使用者がモペットを返却する際に、水素燃料電池管理システムは、電源オフの指令を受信し、リチウムイオン電池パックの残余電力に応じて水素燃料スタックをオフにするか否かを決定する。これにより、リチウムイオン電池パックが十分な電力を供給できることが保証される。
【0040】
(15)本発明では、レンタルを待つ状態である際に、中央制御システムは、水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、水素燃料電池管理システムがリチウムイオン電池パックの残余電力に基づいてリチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否かを判断する。この動作モードは、待機の電力消費を削減するだけでなく、使用者がモペットを次回レンタルする際にリチウムイオン電池パックが十分な電力を有することを保証することができる。
【0041】
(16)本発明では、レンタルを待つ状態である際に、中央制御システムが水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、残余ガス量を問い合わせる指令を水素燃料電池管理システムに送信し、保守員が水素貯蔵容器を適時交換することを保証することができ、使用者がレンタルモペットを運転する途中での水素貯蔵量の不足を回避し、使用者の体験を向上する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上記の技術的解決策をよりよく理解するために、次に明細書の図面及び具体的な実施形態と組み合わせて上記の技術的解決策を詳細に説明する。
【0043】
本発明の実施例の目的、技術的解決策と利点をより明確にするために、本発明者らは、本発明の実施例における技術的解決策を、実施例における図面と組み合わせて明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本発明の実施形態の一部であり、実施形態のすべてではないことが明らかである。本明細書の図面に記載され、示されている本発明の実施例の構成要素は、通常、様々な異なる構成配置で設置及び設計を行う可能性がある。
【0044】
したがって、図面に示された本発明の実施例における詳細な説明は、本発明の特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の選定実施例を示すものに過ぎない。当業者が本発明中の実施例に基づいて創造的な労働を行わずに得られた他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0045】
同様の標記とアルファベットは、下記の図面において同様の項目を表すことに留意されたい。したがって、1つの図面において定義されれば、その後の図面においてそれを更に定義及び解釈する必要はない。
【0046】
本発明の実施例の記述において、「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」などの用語で示される方位または位置関係は、図面に示される向きまたは位置関係に基づくことを理解されたい。これは、本発明の製品の通常使用中に置かれる方位もしくは位置関係、あるいは、当業者が通常理解する方位又は位置関係であって、本発明の記述と説明の簡略化を便利にするためだけのものであり、言及された設備あるいは部品が特定の方位に設置しなければならず、特定の方位で構成かつ操作されなければならないことを明示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定すると解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の実施例の記述においては、別段の明示的な規定と限定がない限り、「設置」、「設ける」、「据え付け」、「接続」及び「連接」などの用語は、広義に解釈されるものとする。例えば、それらは固定接続、着脱可能な接続、または一体的な連結をされてもよく、直接接続、または中間媒体を介した間接接続、または2つの部材の間の連通を意味する。当業者であれば、本発明中の上記用語の具体的な意味を、特定の状況に応じて理解することができる。以下、本発明を図面と組み合わせてさらに説明する。以下の実施例は、本発明の技術的解決策をより明確に説明するためにのみ用いられ、本発明の保護範囲に限定を課すものではない。
【実施例
【0048】
実施例1
図1に示されたように、本実施例の水素エネルギー駆動モペットは、中央制御システムと、水素燃料電池システムと、動力制御システムと、リチウムイオン電池パックとを備える。
【0049】
中央制御システムは、水素燃料電池システム及び動力制御システムの作動を制御し、水素燃料電池システム及び動力制御システムからのフィードバック情報を受信する。中央制御システムは、中央制御モジュールと、中央制御モジュールに電気的に接続された後輪錠、水素貯蔵容器錠及び前後灯とを備える。中央制御システムは、中央制御モジュールに電気的に接続された水素貯蔵容器錠を備え、水素貯蔵容器を交換することが必要な場合、保守員が水素貯蔵容器錠の開錠指令を中央制御モジュールに携帯電話で送信することができ、したがって、保守員は水素貯蔵容器を交換することが便利である。中央制御モジュールは、水素燃料電池システム及び動力制御システムに電気的に接続される。本実施例の水素エネルギー駆動モペットは、中央制御システムを介して水素燃料電池システム及び動力制御システムの作動を制御し、水素燃料電池システム及び動力制御システムからの情報を中央制御システムにフィードバックすることで中央制御システムが車両全体の稼動状況を適時取得でき、中央制御システムが車両全体をより合理的に制御できるようになり、それによって維持管理コストを削減し、使用者の体験を向上させることができる。
【0050】
水素燃料電池システムは、電気エネルギーを生成し、中央制御システム、動力制御システム及びリチウムイオン電池パックに電力を供給する。水素燃料電池システムは、管路によって順次接続された水素貯蔵容器(水素貯蔵タンク/水素貯蔵ボトル)と、ガス入れ電磁弁と、水素燃料スタックと、排気電磁弁と、ガス入れ電磁弁と水素燃料スタックの間の管路に設けられた圧力伝達装置と、水素燃料スタック上に設けられた温度センサーと、水素貯蔵容器の外側に設けられた加熱モジュールと、ガス入れ電磁弁、水素燃料スタック、排気電磁弁、圧力伝達装置、温度センサー及び加熱モジュールに電気的に接続された水素燃料電池管理モジュールとを備える。水素燃料電池管理モジュールは、中央制御システム、動力制御システム及びリチウムイオン電池パックに電気的に接続される。水素燃料電池管理モジュールの主な機能は、圧力伝達装置と温度センサーからの情報を収集し、ガス入れ電磁弁、水素燃料スタック、排気電磁弁及び加熱モジュールの動作を制御することである。水素燃料スタックによって生成された電気エネルギーは、燃料電池管理モジュールを介して中央制御システム、動力制御システム及びリチウムイオン電池パックに供給され、電気エネルギー管理の合理性を向上させ、エネルギーの浪費を回避することができる。ガス入れ電磁弁と水素燃料スタックとの間の管路には圧力伝達装置が設けられることで、水素燃料スタックのガス入れ圧力が不足している場合、水素貯蔵容器を交換するよう保守員に適時通知するとともに、水素燃料スタックを適時オフにすることができる。水素燃料スタックには温度センサーが設けられることで、水素燃料スタックの温度が低い場合、その情報を中央制御システムにフィードバックし、この時点で水素燃料スタックを始動できないことを中央制御システムに通知して、水素燃料スタックの耐用年数への悪影響を回避する。水素貯蔵容器の外側に加熱モジュールを設けることで、低温天候時に水素貯蔵容器内の水素を放出不可になる状況を回避する。
【0051】
動力制御システムは、走行速度を制御し、リチウムイオン電池パックは中央制御システムと動力制御システムに電力を供給する。動力制御システムは、電動機制御装置と、電動機制御装置に電気的に接続された左右制動ハンドル、補助動力センサー及び駆動電動機を備える。電動機制御装置は、中央制御システム、水素燃料電池システム及びリチウムイオン電池パックに電気的に接続される。電動機制御装置の主な機能は、左右制動ハンドルと補助動力センサーからの信号を受信し、駆動電動機を回転駆動し、駆動電動機の回転速度を制御することである。電動機制御装置と電気的に接続した補助動力センサーが設けられることで、駆動電動機の回転速度をシステム上補助制御しやすくなり、安全性能を向上させる。
【0052】
実施例2
図2は、改良型の水素エネルギー駆動モペットの構成図を示す。
【0053】
実施例1と比較して、本実施例は主に3つの変更がある。
【0054】
第一に、中央制御システムと水素燃料電池管理システムを統合して中央主制御システムを形成することであり、これにより、スペースを節約し、車両全体の据え付けが便利になる。
【0055】
第二に、圧力伝達装置がガス入れ電磁弁の後ろに位置付けるように調整し、ガス入れ電磁弁を開くことなく、水素燃料電池管理システムを起動させることなく、圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の圧力を検出でき、システム待機中にリアルタイムでモニタリングができるようになることである。この改良策により、システムの消費電力を削減し、より多くの電力を節約する。
【0056】
第三に、リチウムイオン電池パックに加熱ユニットを設けることもできる。中央制御システムは、リチウムイオン電池パックの温度を温度センサーで検知し、温度が設定値より低い場合、加熱部材を始動させる。これにより、環境温度サンプリングを増やされ、冬などの寒い環境により適するようになる。
【0057】
実施例3
本実施例の水素エネルギー駆動モペットは、エネルギーシステムを備え、当該エネルギーシステム管理方法は、使用者がモペットをレンタルする際の管理と使用者がモペットを返却する際の管理とレンタルを待つ状態の管理とを含む。
【0058】
使用者がモペットをレンタルする際には、中央制御システムが後輪錠を開錠し、前後灯を点け、水素燃料電池管理システムと電動機制御装置に起動指令を送信し、水素燃料電池管理システムが水素燃料スタックを始動する。水素燃料スタックを始動させる具体的なプロセスは、次の通りである。水素燃料電池管理システムは、起動指令を受信した後、まず圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の圧力を検出し、温度センサーを介して水素燃料スタックの温度を検出する。水素貯蔵容器の圧力あるいは水素燃料スタックの温度が要件を満たさない場合、水素燃料スタックを始動させず、同時に、故障情報を中央制御システムにアップロードする。水素貯蔵容器の圧力と水素燃料スタックの温度が全て要件を満たす場合、水素燃料スタックを始動させ、水素燃料スタックのガス入れ電磁弁と加熱モジュールを開く。それによって、使用者の乗車過程の円滑な進行を保証し、途中での停電を回避し、安全性を向上させる。
【0059】
水素燃料スタックの稼動過程中において、水素燃料電池管理システムが温度センサー並びに水素燃料スタックの出力に基づき、水素燃料スタックの扇風機の回転速度と排気電磁弁の排気周波数を調整する。それによって、水素燃料スタックの効率を保証することができ、安全性を向上させる。
【0060】
使用者がモペットを返却する際には、中央制御システムは、後輪錠を施錠し、前後灯を消灯し、水素燃料電池管理システムと電動機制御装置に電源オフ指令を送信して、電動機制御装置、水素燃料スタック及び水素燃料電池管理システムの電源をオフにする。具体的には、水素燃料電池管理システムは、電源オフ指令を受信した後、まず、リチウムイオン電池パックの残余電力を検出する。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超える場合は、水素燃料スタックをオフにする。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合は、水素燃料スタックが作動し続け、リチウムイオン電池パックが満充電になるまでリチウムイオン電池パックを充電し、その後、水素燃料スタックとそれ自体の電源をオフにする。それによって、リチウムイオン電池パックに十分な電力が供給されるようにする。
【0061】
レンタルを待つ状態では、中央制御システムは、リチウムイオン電池パックの残余電力に基づいて、リチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否か、及び水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを判断する。中央制御システムがリチウムイオン電池パックの残余電力に基づき、リチウムイオン電池パックを充電する必要があるか否かを判断するための具体的な方法は、次の通りである。中央制御システムは、水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、水素燃料電池管理システムは、起動された後にリチウムイオン電池パックの残余電力を検出する。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値を超えた場合は、水素燃料スタックをオフにする。リチウムイオン電池パックの残余電力がプリセット値より低い場合は、水素燃料スタックが作動し続け、水素燃料電池管理システムが、リチウムイオン電池パックが満充電になるまでリチウムイオン電池パックを充電し、その後、水素燃料スタックとそれ自体の電源をオフにする。この動作モードは、待機の電力消費を削減できるだけでなく、使用者がモペットを次回レンタルする際にリチウムイオン電池パックが十分な電力を有することを保証することができる。
【0062】
中央制御システムが水素貯蔵容器の内部圧力に基づき、水素貯蔵容器を交換する必要があるか否かを判断する具体的な方法は、次の通りである。中央制御システムは、水素燃料電池管理システムを一定の時間間隔で起動させ、残余ガス量を問い合わせる指令を水素燃料電池管理システムに送信する。水素燃料電池管理システムは、起動された後に圧力伝達装置を介して水素貯蔵容器の内部圧力を検出する。水素貯蔵容器の内部圧力がプリセット値より低い場合は、中央制御システムが後端システムを介して保守員に水素貯蔵容器を交換することを通知する。すなわち、中央制御システムは、水素貯蔵容器を交換する必要があるとの情報を後端システムに送信し、後端システムは、その情報を受信した後、水素貯蔵容器を交換する必要があるとの情報を水素貯蔵容器の付近にいる保守員の携帯電話に送信する。次に、保守員は、携帯電話によって中央制御システムに開錠指令を送信し、中央制御システムは、指令を受信した後で水素貯蔵容器を開錠し、保守員は、水素貯蔵容器を交換後、水素貯蔵容器錠を施錠し、同時に水素貯蔵容器を交換したとの情報をバックグラウンドシステムに送信し、バックグラウンドシステムは、その情報を受信した後、水素貯蔵容器を交換した車両の情報を更新し、車両の走行距離に関する情報を更新する。それによって、保守員が水素貯蔵容器を適時交換することを保証し、使用者が借用モペットを運転する途中での水素貯蔵量の不足を回避し、使用者の体験を向上させることができる。
【0063】
本実施例では、水素エネルギー駆動モペットのエネルギーシステム管理方法は、使用者がモペットをレンタルする際の管理、使用者がモペットを返却する際の管理、及びレンタルを待つ状態の管理と、3つの部分に分けることで、エネルギーシステム管理の合理性を大幅に向上させ、使用者の使用プロセスの円滑な進行を保証し、使用者の体験を大幅に向上させ、水素エネルギー駆動モペットの発展が強力に推進する。
【0064】
上記具体的な実施例は、本発明の目的、技術的解決策及び有益な効果をさらに詳細に説明するものであるが、上記内容が本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するために用いるものではないことを理解されたい。本発明の趣旨及び原則の範囲内で行われた如何なる変更や同等の置換や改良等も本発明の保護範囲に入るものとする。
図1
図2
【国際調査報告】