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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】回転防止機能付きリテーナスリーブ
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575395
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022031735
(87)【国際公開番号】W WO2022265855
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/304,263
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ、コーリー
(72)【発明者】
【氏名】セルリエ、ダグラス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュラ、ジェイソン
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA04
(57)【要約】
回転防止機能付きリテーナスリーブを提供する。いくつかの実施形態では、リテーナスリーブは、リテーナ軸を画定する少なくとも部分的に環状の構成を含む本体を含んでもよい。本体は、ロックの外面を回転可能に受け入れるように構成された内面を含んでもよい。本体は、リテーナ軸に対して周方向に互いに結合された複数のプレートを含むことができ、複数のプレートのうちの第1プレートは、第1プレートに結合され、リテーナ軸から離れて延び、リテーナのロックキャビティに接触するように構成された第1脚部を含む。本体は、第1プレートに配置され、内面からリテーナ軸に向かって内側に延びる回転防止機構を含むことができ、回転防止機構は、ロックのロックスカートに接触するように構成されたロック面を含み、ロック面は、第1プレートの下端に対して第1角度をなして配置されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックキャビティ(310)を備えた地面係合ツールのロック(500)と共に使用されるリテーナスリーブ(600)であって、
リテーナ軸(604)を画定する少なくとも部分的に環状の構成を含む本体(606)であって、
前記ロック(500)の外面(506)を回転可能に受け入れるように構成された内面(602)と、
前記リテーナ軸(604)に対して周方向に互いに結合された複数のプレート(608a~e)であって、前記複数のプレートのうちの第1プレート(608d)は、前記第1プレート(608d)に結合され、前記リテーナ軸(604)から離れて延び、前記ロックキャビティ(310)に接触するように構成された第1脚部(658d)を含む、複数のプレート(608a~e)と、を含む、本体(606)と、
前記第1プレート(604d)に配置され、前記内面(602)から前記リテーナ軸(604)に向かって内側に延びる回転防止機構(620)であって、前記ロック(500)のロックスカート(504)に接触するように構成されたロック面(622)を含み、前記ロック面(622)は、前記第1プレート(608d)の下端(616)に対して第1角度(624)をなして配置される、回転防止機構(620)と、を含む、リテーナスリーブ(600)。
【請求項2】
前記回転防止機構(622)は、前記本体(606)の径方向端部(628)および前記リテーナ軸(604)に対して第2角度(626)をなして径方向に配置されている、請求項1に記載のリテーナスリーブ。
【請求項3】
前記本体(606)は、前記複数のプレート(608a~e)のうちの少なくとも1つの側から延びる戻り止め突起(640a)を含み、前記複数のプレートのうちの少なくとも1つは、前記複数のプレート(608a~e)のうちの2つのプレートに隣接しておらず、前記戻り止め突起(640a)は、前記ロック(500)の戻り止め凹部(508)に係合して前記ロック(500)を解除可能に保持するように構成されている、請求項1に記載のリテーナスリーブ。
【請求項4】
前記第1角度(524)は、前記ロック(500)の前記ロックスカート(504)の角度(532)に実質的に対応する、請求項1に記載のリテーナスリーブ。
【請求項5】
前記回転防止機構(620)は、キャビティ(632)を画定するシェル(630)を含み、前記ロック面(622)は、前記キャビティ(632)に連通する第1穴(634)を含み、前記第1プレート(608d)は、前記キャビティ(632)に連通する第2穴(670)を含む、請求項1に記載のリテーナスリーブ。
【請求項6】
前記ロック面(622)は実質的に平坦な面である、請求項1に記載のリテーナスリーブ。
【請求項7】
地面係合ツールのためのリテーナシステム(400)であって、
ロック(500)と、リテーナスリーブ(600)と、を含み、
前記ロック(500)は、ツールインターフェース(520)を有するヘッド部(510)と、
前記ヘッド部(510)から延び、外面(506)を含むロックスカート(504)であって、傾斜面を含む、ロックスカート(504)と、を含み、また
前記リテーナスリーブ(600)は、
リテーナ軸(604)の周りに少なくとも部分的に環状の構成を含む本体(606)と、
前記本体(606)の内面(602)に配置され、前記リテーナ軸(604)に向かって内側に延びる回転防止機構(622)であって、前記ロックスカート(604)の傾斜面に接触するように構成されたロック面(622)を含み、前記ロック面(604)は、前記本体(606)の下端(616)に対して第1角度(624)をなして配置され、前記第1角度(624)は前記傾斜面に実質的に対応する、回転防止機構(622)と、
前記本体(606)の上端(614)からリテーナ軸(604)から離れて延びる複数の脚部(658a~e)であって、前記複数の脚部のうち少なくとも2つの脚部は異なる長さを有する、複数の脚部(658a~e)と、を含む、リテーナシステム(400)。
【請求項8】
前記本体(606)は、複数のプレート(608a~e)をさらに含み、前記回転防止機構(620)は、前記複数のプレート(608a~e)のうちの少なくとも1つのプレート(608d)に配置されている、請求項7に記載のリテーナシステム。
【請求項9】
前記回転防止機構(620)は、前記本体(606)の内面(602)から前記リテーナ軸(604)に向かって延びるキャビティ(632)を画定するシェル(630)を含み、前記シェル(630)は、湾曲縁(636)と平坦縁(638)とを有し、前記ロック面(622)は平坦縁(638)を画定する、請求項7に記載のリテーナシステム。
【請求項10】
前記回転防止機構(622)は、前記キャビティ(632)を画定するシェル(630)を含み、前記ロック面(622)は、キャビティ(632)に連通する第1穴(634)を含み、前記本体(606)は、キャビティ(632)に連通する第2穴(670)を含む、請求項7に記載のリテーナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、地面係合ツールに関し、例えば、回転防止機能を備えたリテーナスリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
掘削機、ホイールローダ、油圧マイニングショベル、ケーブルショベル、バケットホイール、ブルドーザ、およびドラッグラインなどの土工機械は、一般に、土や岩石を掘削したり引き裂いたり、および/または現場のある場所から別の場所へ緩い作業材料を移動したりするために使用される。これらの土工機械には、作業材料を掘削したり移動させたりするためのバケットやブレードなどの各種の土工作業具が含まれている。これらの作業具は、土工作業中に受ける摩耗や衝撃により、極端に磨耗する可能性がある。
【0003】
これらの作業具を摩耗から保護し、それによって作業具の寿命を延ばすために、最も破壊的な摩耗および衝撃が発生する領域で、歯、エッジプロテクタおよび他の耐摩耗性部材のような種々の地面係合ツールを土工作業具に提供することができる。これらの地面係合ツールは、カスタマイズされたリテーナシステムを使用して作業具に取り外し可能に取り付けられているため、摩耗または損傷した地面係合ツールを簡単に取り外して新しい地面係合ツールと交換できる。作業具または地面係合ツールにかかる振動や負荷により、地面係合ツールが移動したり回転したりする可能性がある。この移動または回転により、地面係合ツールがロック解除位置まで回転し、その結果、地面係合ツールがカスタマイズされたリテーナシステムおよび作業具から外れる可能性がある。
【0004】
米国特許公開第2020/0378093号は、外面および戻り止め凹部を有するロックキャビティを備えた地面係合ツールにおけるロックと共に使用するためのリテーナスリーブを開示する。リテーナスリーブは、リテーナ軸の周囲に途中まで延びるスカートを備え、ロックの外面を回転可能に受け入れる形状の内面を形成する。スカートは、第1プレートと、第1プレートの近傍に位置する第2プレートと、第1プレートと第2プレートとの間でリテーナ軸に関して周方向に延びる中央屈曲部とを含む。リテーナスリーブは、第1プレートに結合され、リテーナ軸から離れて延び、地面係合ツールのロックキャビティと嵌合するように形成された第1脚部をさらに含む。リテーナスリーブは、第2プレートに結合され、リテーナ軸から離れて延び、地面係合ツールのロックキャビティと嵌合するように形成された第2脚部をさらに含む。
【0005】
本開示のリテーナスリーブは、上述の問題および/または当該技術分野における他の問題のうちの1つ以上を解決する
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態では、ロックキャビティを有する地面係合ツールのロックと共に使用されるリテーナスリーブは、リテーナ軸を画定する少なくとも部分的に環状の構成を含む本体であって、前記ロックの外面を回転可能に受け入れるように構成された内面を含む、本体と、リテーナ軸に対して周方向に互いに結合された複数のプレートであって、前記複数のプレートのうちの第1プレートは、前記第1プレートに結合され、前記リテーナ軸から離れて延び、前記ロックキャビティに接触するように構成された第1脚部を含む、複数のプレートと、前記第1プレートに配置され、前記内面から前記リテーナ軸に向かって内側に延びる回転防止機構であって、前記ロックのロックスカートに接触するように構成されたロック面を含み、前記ロック面は、第1プレートの下端に対して第1角度をなして配置される、回転防止機構と、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、地面係合ツールのロックと共に使用されるリテーナスリーブは、リテーナ軸の周りに環状形状を形成するように一緒に結合された複数のプレートと、複数のプレートのうちの第1プレートの内面に配置され、リテーナ軸に向かって内側に延びる回転防止機構であって、ロックはリテーナ軸に対して回転するのを防止するように構成されたロック面を含み、ロック面は第1プレートの下端に対して第1角度をなして配置され、ロック面は第1プレートの内面に対して実質的に垂直である、回転防止機構と、複数のプレートのうちの第2プレートの一側から延びる戻り止め突起であって、第2プレートは、ロックの戻り止め凹部に係合してロックを解除可能に保持するように構成された戻り止め突起と、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、地面係合ツールのためのリテーナシステムは、ロックと、リテーナスリーブと、を含み、前記ロックは、ツールインターフェースを有するヘッド部と、前記ヘッド部から延び、外面を含むロックスカートであって、傾斜面を含む、ロックスカートと、を含み、また前記リテーナスリーブは、リテーナ軸の周りに少なくとも部分的に環状の構成を含む本体と、前記本体の内面に配置され、前記リテーナ軸に向かって内側に延びる回転防止機構であって、前記ロックスカートの傾斜面に接触するように構成されたロック面を含み、前記ロック面は、前記本体の下端(616)に対して第1角度をなして配置され、前記第1角度は前記傾斜面に実質的に対応する、回転防止機構と、前記本体の上端からリテーナ軸から離れて延びる複数の脚部であって、前記複数の脚部のうち少なくとも2つの脚部は異なる長さを有する、複数の脚部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願に記載の複数の地面係合ツールが取り付けられたローダバケットの斜視図の一例を示す図である。
図2】本願に記載の歯アセンブリの分解斜視図の一例を示す図である。
図3】本願に記載の歯アセンブリの先端部の一部の断面の一例を示す図である。
図4】本願に記載のリテーナシステムのロックの上面斜視図である。
図5】本願に記載のロックの底面斜視図である。
図6】本願に記載のリテーナスリーブの正面斜視図である。
図7】本願に記載のリテーナスリーブの背面斜視図である。
図8】本願に記載のリテーナスリーブの上面図である。
図9】本願に記載の中央タブ、プレート、および脚部の断面図である。
図10】本願に記載の回転防止機構を備えたプレートの正面図である。
図11】本願に記載の回転防止機構を備えたプレートの断面図である。
図12】本願に記載のロックとリテーナスリーブのアセンブリの上面図である。
図13】本願に記載のロックとリテーナスリーブとのアセンブリの断面図である。
図14】本願に記載の先端部、ロック、およびリテーナスリーブのアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、取り外し可能な地面係合ツールを含む任意の機械に適用可能なリテーナスリーブに関する。例えば、機械は、掘削機、バックホーローダー、ホイールローダ、油圧マイニングショベル、ケーブルショベル、スキッドステアローダー、トラクター、バケットホイール、ブルドーザ、および/またはドラッグラインなどの例であってもよい。
【0011】
図1は、本願に記載の複数の地面係合ツールを有するローダバケットの斜視図である。図1は、土工機械の例示的な作業具としての掘削機バケットアセンブリ100を示す。掘削機バケットアセンブリ100は、既知の方法で作業材料を掘削するバケット102を含む。バケット102は、種々の地面係合ツールを含んでもよい。例えば、バケット102は、地面係合ツールとしての、バケット102の基部縁106に取り付けられた複数の歯アセンブリ104を含んでもよい。歯アセンブリ104は、本願に記載のリテーナシステムを使用してバケット102に固定されてもよい。本開示の様々な実施形態は、特定の地面係合ツール(例えば、歯アセンブリ104)に関連して説明されるが、本願に記載のリテーナシステムおよびリテーナスリーブは、任意の他のタイプの地面係合ツールまたは構成要素に適用することができ、または、任意の他のタイプの地面係合ツールまたは構成要素に関連して使用することができる。さらに、一実施形態に関連して説明された1つまたは複数の機構は、別段の指定がない限り、他の開示された実施形態のいずれにおいても実装されてもよい。
【0012】
上述したように、図1は、一例として提供される。他の例は、図1に関連して説明された例とは異なる場合がある。
【0013】
図2は、本願に記載の歯アセンブリ104の分解斜視図である。歯アセンブリ104は、バケット102の基部縁106または作業具の他の適切な支持構造と係合するように構成されたアダプタ200を含んでもよい。歯アセンブリ104は、アダプタ200に取り外し可能に取り付けられるように形成された地面係合先端部300をさらに含んでもよい。歯アセンブリ104は、先端部300をアダプタ200に固定するように形成されたリテーナシステム400をさらに含んでもよい。先端部300は、加工材料との係合に起因する衝撃や摩耗の大部分を受け、アダプタ200よりも早く摩耗し、頻繁に破断する。これにより、アダプタ200自体の交換が必要になる前に、複数の先端部300をアダプタ200に取り付け、磨耗して交換することができる。本願でより詳細に説明されるように、本開示と一致するリテーナシステム400の様々な例示的な実施形態は、作業具に取り付けられたアダプタ200への地面係合ツールおよび先端部300の取り付け、およびアダプタ200からの取り付けを容易にすることができる。
【0014】
アダプタ200は、基部縁106を受け入れるための凹部206をそれらの間に画定する第1取り付け脚部202および第2取り付け脚部204を含んでもよい。アダプタ200は、任意の適切な接続方法を用いて第1取り付け脚部202および第2取り付け脚部204を基部縁106に取り付けることにより、基部縁106上の適切な位置に固定されてもよい。例えば、取り付け脚部202、204および基部縁106は、アダプタ200を適切な位置に保持するために、ボルトまたはリベットのような任意の適切なファスナーを挿入できる対応する穴(図示せず)を有してもよい。加えて、または代わりに、取り付け脚部202、204は、基部縁106の対応する上面および底面に溶接されていてもよい。当技術分野で知られている任意の他の接続方法および/または構成を使用することもできる。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、アダプタ200は、本願に記載の任意のリテーナシステム400を使用して、アダプタ200を地面係合先端部300に固定するように構成されてもよい。
【0015】
アダプタ200は、前方向に延びるノーズ208を含んでもよい。ノーズ208は、先端部300の取り付けキャビティ302(図3に示すように)内に収容されるように構成されてもよい。ノーズ208は、バケット102の使用中に先端部300を支持するように構成することができ、作業材料の荷重に耐える際に先端部300をノーズ208に保持することを容易にすることができる。
【0016】
ノーズ208は、各側面212、214から延びる一体型ポスト210を含んでもよい。ポスト210は、様々な形状および大きさを有してもよい。例示的な一実施形態では、図2に示すように、ポスト210は、円錐台形状を有していてもよい。本願でより詳細に説明されるように、ポスト210は、先端部300をアダプタ200に固定するためにリテーナシステム400と嵌合することができる。
【0017】
先端部300は、種々の外形形状を有していてもよい。例えば、先端部300は、一般的に、前方に伸びるにつれて全体的に先細りになっていてもよい。先端部300の上面304は、前方に延びるにつれて下向きに傾斜し、先端部300の下面306は、前方に延びるにつれてほぼ上向きに延びる。あるいは、下面306は、前方に延びるにつれてほぼ真っ直ぐまたは下方に延びてもよい。先端部300の前端において、先端部300は楔形の縁部308を有してもよい。
【0018】
先端部300は、リテーナシステム400を介してアダプタ200に固定されてもよい。リテーナシステム400は、ロック500とリテーナスリーブ600とを含んでもよい。チップ300および/またはアダプタ200は、ロック500およびリテーナスリーブ600をその中に受け入れるための様々な構成を有してもよい。例えば、先端部300は、側面312内に(または先端部300の各側面312内に)、ロック500およびリテーナスリーブ600を受け入れるロックキャビティ310を含んでもよい。ロック500およびリテーナスリーブ600は、先端部300に組み立てられたときにロックキャビティ310内に位置してもよい。先端部300はまた、各ロックキャビティ310から外側に延びるロックバルジ314を含んでもよい。ロックキャビティ310は、ロックキャビティ310の周方向外側端部に隣接して延びる肩部316を含んでもよい。図2に示す例示的な実施形態は、先端部300の各側面312上にロックキャビティ310およびロックバルジ314を有するが、先端部300は、異なる数および/または配置のロックキャビティ310およびロックバルジ314を有してもよい。
【0019】
上述したように、図2は、一例として提供される。他の例は、図2に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0020】
図3は、図2に示される歯アセンブリ104の先端の一部の断面図であり、ロック500およびリテーナスリーブ600が本願に記載の先端300のロックキャビティ310内に配置されている。先端部300は、アダプタ200のノーズ208に対して相補的な構成を有する先端部300内の取り付けキャビティ302を画定することができる。先端部300および/またはアダプタ200は、ロック500およびリテーナスリーブ600をその中に受け入れるための様々な構成を有していてもよい。例えば、ロック500およびリテーナスリーブ600は、先端部300に組み立てられたときにロックキャビティ310内に位置してもよい。
【0021】
ロック500およびリテーナスリーブ600は、ロック回転軸502(図3には示されていない)を中心に、ロック500がリテーナスリーブ600に対して少なくとも部分的に回転することを可能にするように、ロックキャビティ310の内面318内に取り付けられるように構成されてもよい。リテーナスリーブ600はロックキャビティ310の内面318に直接当接してもよく、ロック500はリテーナスリーブ600の内面602(図7に示す)に当接してもよい。ロックキャビティ310の後側において、ロックキャビティ310は、側辺312の内面322に沿ってロックキャビティ310から後方に延びるサイドスロット320内に開口可能である。サイドスロット320は、先端部300の後端から挿入されたアダプタ200のポスト210の少なくとも一部を通過させるように構成された断面を有していてもよい。
【0022】
上述したように、図3は、一例として提供される。他の例は、図3に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0023】
図4は、本願に記載のリテーナシステム400のロック500の上面斜視図である。ロック500は、ロック回転軸502の周囲に同心円状に延在し得る外面506を有するロックスカート504を含んでもよい。ロックスカート504は、実質的に円筒形または円錐形であってもよい。ロックスカート504は、ロックスカート504の外面506から径方向内側に延びる戻り止め凹部508を有していてもよい。戻り止め凹部508は、外面506から径方向内側に延びる凹面、例えば一定半径の曲面を含んでもよい。
【0024】
ロック500は、ロックスカート504の端部に隣接してロックスカート504に取り付けられたヘッド部510を含んでもよい。ヘッド部510は、ロック回転軸502に実質的に垂直な平面内に延び、ヘッド部510に隣接するロックスカート504の端部を貫通する壁512を含んでもよい。ヘッド部510は、ロックスカート504からロック回転軸502に沿って壁512から離れて延びる突起514を含んでもよい。突起514は、ロック回転軸502の大部分の周りに延びる実質的に円筒状の外面516と、ロック回転軸502に対して径方向外側に延びるロックタブ518とを含んでもよい。ロック500は、ロック回転軸502を中心としたロック500の回転を容易にするために、ヘッド部510内にツールインターフェース520を含んでもよい。ツールインターフェース520は、ロック回転軸502の周りでロック500にトルクを加えるために、ツールと係合するように形成された任意のタイプの機構を含んでもよい。ロックキャビティ310は、ツールインターフェース520に係合するためのツール用アクセス開口部を提供してもよい。
【0025】
上述したように、図4は、一例として提供される。他の例は、図4に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0026】
図5は、本願に記載のロック500の底面斜視図である。ロック500は、アダプタ200のポスト210の少なくとも一部を受け入れるように構成されてもよい。ロック500は、ロックスカート504内に延びるロックスロット522を含んでもよい。ロックスロット522は、ロックスカート504の2つの周方向端部の間に位置する開放端524と、ロックスカート504の中間部分に隣接する閉鎖端526とを有してもよい。ロックスロット522は、ロックスカート504がポスト210を受け入れるように構成されるサイズおよび形状を有してもよい。ロックスカート504の内面528は、ロックスロット522の閉鎖端526に隣接してポスト210と嵌合するように傾斜してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、壁512は、ヘッド部510に近いロックスロット522の側面を完全に包囲してもよい。ロックスロット522と反対側のヘッド部510は、壁512から延びる突起514を含んでもよい。ロックタブ518は、ロックスロット522が開放端524から閉鎖端526に延びる方向に対して横方向に延びてもよい。いくつかの実施形態では、ロックスカート504の少なくとも1つ(または2つ)の周方向端部は、ロックスロット522の表面530に対して角度を有してもよい。例えば、ロックスカート504の周方向端部は、角度532で表面530から延びていてもよい。例えば、ロックスカート504の内面528は、角度532で(例えば、ポスト210と嵌合するように)傾斜してもよい。角度532は105度~125度であってもよい。
【0028】
上述したように、図5は、一例として提供される。他の例は、図5に関連して説明された例とは異なる場合がある。
【0029】
図6は、本願に記載のリテーナスリーブ600の正面斜視図である。ここに示されたいくつかの要素は、明瞭性および可読性を向上させるために、本願および他の図にはいくつかの参照番号が示されていない、共通に共有された要素である。リテーナスリーブ600は、リテーナ軸604を画定する少なくとも部分的に環状の構成を有してもよい。例えば、リテーナスリーブ600は、ほぼ「C」字形であってもよい。リテーナスリーブ600は、リテーナ軸604の周囲に沿って同心状であり得る「C」全体に沿って延在する本体606を含み得る。これにより、本体606は、リテーナスリーブ600がロックキャビティ310内でロック500とともに組み立てられるとき、ロック回転軸502(図4および図5に示す)の周囲に同心円状に延びてもよい。本体606は、リテーナ軸604の周囲に途中まで延在する環状形状、または連続的な「C」形状を形成してもよい。本体606は、リテーナ軸604の周りに180度以上延びてもよい。いくつかの例では、本体606は、ロック回転軸502の周りにロックキャビティ310の内面322が延びるのと実質的に同じ角度でリテーナ軸604の周りに延びてもよい。本体606は、ロック500を受け入れるように構成されてもよい。
【0030】
本体606は、第1プレート608a、第2プレート608b、第3プレート608c、第4プレート608d、第5プレート608eなどの複数のプレートを含んでもよい。一実施形態では、5つのプレート608a~eがあってもよい。しかしながら、他の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上のプレートがあってもよい。複数のプレート608a~eの各々は、リテーナ軸604に実質的に平行であってもよい。あるいは、複数のプレート608a~eの各々は、リテーナ軸604に向かって、またはリテーナ軸604から離れて角度をなしてもよい。複数のプレート608a~eは、内面602(第3プレート608cを指して示される)を形成してもよいし、内面602の一部を形成してもよい。複数のプレート608a~eの各々は、平坦な形状を有していてもよく、実質的に長方形であってもよい。あるいは、複数のプレート608a~eの各々は、湾曲した形状を有していてもよい。複数のプレート608a~eの各々は、(例えば、リテーナスリーブ600の製造および形成プロセス中に応力を緩和するために)長方形の角に凹状の曲線を有する長方形を形成するために、下部凹部および上部凹部を含んでもよい。
【0031】
プレート(図6では、第4プレート608dとともに示される)は、第1側面610、第2側面612、上端614および下端616を含み、これらは、第4プレート608dの略矩形形状の側面を形成してもよい。第4プレート608dの第1側面610、第2側面612、上端614、下端616についての説明は、第1プレート608a、第2プレート608b、第3プレート608c、および/または第5プレート608eの第1側面610、第2側面612、上端614、下端616についても同様に説明することができる。
【0032】
複数のプレート608a~eは、少なくとも部分的に環状の構成で(例えば、周方向に)結合されていてもよい(例えば、複数のプレート608a~eは、略「C」字形に結合されていてもよい)。例えば、第2プレート608bの第1側面610は、第1プレート608aの第2側面612から延びてもよい。複数のプレート608a~eは、それぞれ中央屈曲部618によって結合されてもよい(明確にするために、第4プレート608dと第5プレート608eとの間にのみ図示されている)。中央屈曲部618は、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つのプレート間で、複数のプレート608a~eのうちの他の1つに周方向に延びてもよい。中央屈曲部618は、略湾曲可能であり、複数のプレート608a~eおよびリテーナ軸604と略平行に延びていてもよい。中央屈曲部(複数可)618は、複数のプレート608a~eを互いに結合して、実質的に中実のおよび/または連続した本体606(例えば、少なくとも部分的に環状のリテーナ軸604の周りの構成)を形成してもよい。
【0033】
リテーナスリーブ600は、回転防止機構620を含んでもよい。回転防止機構は、リテーナスリーブ600の本体606に配置されてもよい。例えば、回転防止機構620は、複数のプレート608a~eのうちの第1プレート(図6に示す第4プレート608dとして示される)に配置されてもよい。例えば、回転防止機構620は、複数のプレート608a~eのうちの2つのプレートに隣接する複数のプレート608a~eのうちのプレートに配置されてもよい。言い換えれば、回転防止機構620は、任意のプレート608b~d(例えば、第1プレート608aまたは第5プレート608eではない)に配置されてもよい。回転防止機構620は、第1プレート608aまたは第5プレート608eのいずれかに配置されてもよい。回転防止機構620は、本体606の内面602からリテーナ軸604に向かって内側に延びてもよい。本願では、1つの回転防止機構620のみを図示して説明しているが、リテーナスリーブ600は、複数の回転防止機構620を含んでいてもよい。
【0034】
回転防止機構620は、ロック面622を含んでもよい。ロック面622は、ロック500のロックスカート504に接触するように構成されてもよい(例えば、上述したように、リテーナスリーブ600がロックキャビティ310内でロック500と組み立てられるときに、ロック500がロック回転軸502の周りを回転する場合)。ロック面622は、実質的に平坦な面であってもよい(例えば、ロック500がロック回転軸502を中心として回転防止機構620を越えて回転することを防止する)。あるいは、ロック面622は、少なくとも部分的に湾曲した面であってもよい。ロック面は、本体606(例えば、第4プレート608d)の内面602に対して実質的に垂直であってもよい。例えば、ロック面622は、実質的に平坦な面とすることができ、および/または、内部面602に対して実質的に垂直であってもよく、これにより、ロック500に大きな力またはトルクを加えることなしに、ロック500が回転防止機構620を介してロック回転軸502を中心に回転することができないようにすることができる。ロック面622は、本体606の径方向端部628に面してもよい。
【0035】
ロック面622は、第4プレート608dの下端616に対して第1角度624(図10に示す)をなして配置されてもよい。ロック面622は、本体606の径方向端部628およびリテーナ軸604に対して第2角度626(図8に示す)をなして径方向に配置されてもよい。第2角度626の大きさは、ロック回転軸502を中心に回転したときにロック500をロック解除位置に移動させる回転量に実質的に対応してもよい。言い換えれば、第2角度626のサイズは、ロック回転軸502を中心に回転したときにロック500をロック解除位置に移動させる回転量よりも小さくてもよい。
【0036】
回転防止機構620は、シェル630を含んでもよい。シェル630は、回転防止機構620の本体を画定し得る。シェル630は、シェル630と内面602との間にキャビティ632(例えば、空洞)を画定し得る。シェル630の厚さは、複数のプレート608a~eの厚さに実質的に対応してもよい。ロック面622は、キャビティ632に連通する第1穴634を含んでもよい。あるいはロック面622は、固体面であってもよい。ロック面622は、異なる形状および/または幾何学的形状を有してもよい。例えば、図6に示すように、ロック面は、内面602から離れて延びる第1曲線および第2曲線を含んでもよい。第1曲線および第2曲線は、同じ半径を有していてもよいし、異なる半径を有していてもよい。第1曲線および第2曲線とは、ロック面622の形状を形成するように平坦な縁で結合されていてもよい。あるいは、ロック面622は、いかなる曲線も有していなくてもよい(例えば、長方形または正方形を有していてもよい)。
【0037】
回転防止機構620のシェル630は、異なる形状および/または幾何学的形状を有してもよい。例えば、図6に示すように、シェル630は、ロック面622から内面602に向かって傾斜していてもよい。いくつかの例では、シェル630は、少なくとも1つの湾曲縁636と、少なくとも1つの平坦縁638とを含んでもよい。湾曲縁636は、1つまたは複数の屈曲部を含んでもよい。いくつかの例では、図6に示すように、湾曲縁636は、2つの屈曲部を含んでもよい。湾曲縁636は、同じ半径を有する屈曲部および/または異なる半径を有する屈曲部を含んでもよい。ロック面622は、平坦縁638を画定することができる。例えば、シェル630は、実質的に「D」字形の形状を有してもよい。シェル630の他の形状および幾何学的形状も可能である。例えば、シェル630は、湾曲縁636を有さず、長方形であってもよい。
【0038】
本体606は、ロック500の対応する戻り止め凹部508に係合するための1つまたは複数の戻り止め突起640a、640bを含んでもよい。本体606は、第1プレート608aおよび第5プレート608eから周方向に延びる戻り止め突起640aおよび640bを含んでもよい。戻り止め突起640a、640bは、リテーナスリーブ600上の異なる位置に配置されてもよい。例えば、戻り止め突起640a、640bは、「C」字形のリテーナスリーブ600の対向端で、リテーナ軸604を中心として互いに約180度離間していてもよい。
【0039】
戻り止め突起640a、640bは、種々の形状を有してもよい。例示的な一実施形態では、各戻り止め突起640a、640bは、第1戻り止め部分642と、第2戻り止め部分644と、第3戻り止め部分646とを含んでもよい(明確化のために、図6の戻り止め突起640aにのみ示されている)。あるいは、戻り止め突起640a、640bは、一定半径の曲率を有する単一部分を有していてもよい。第1戻り止め部分642は、第1プレート608aまたは第5プレート608eから延びてもよく、リテーナ軸604に対して凹状を有する。あるいは、第1戻り止め部分642は、直線であってもよく、凸形状であってもよく、または複数の半径を有する変化した曲率を有してもよい。第2戻り止め部分644は、第1戻り止め部分642から延びてもよく、リテーナ軸604に対して凸形状を有する。任意に、第2戻り止め部分644は、直線で凹面を有していてもよく、複数の半径を有する可変曲率を有していてもよい。第3戻り止め部分646は、第1戻り止め部分642に対向して第2戻り止め部分644から延びてもよい。第3戻り止め部分646は、リテーナ軸604に対して凹面または凸面を有し、一定の曲率または変化した曲率を有してもよい。戻り止め突起640a,640bは、本体606の周方向の両端部において互いに間隔をおいて配置され、第3戻り止め部分646の端部に位置する戻り止め端部648を含んでもよい。
【0040】
リテーナスリーブ600は、複数のプレート608a~eのそれぞれの下端616から延びる第1屈曲部650(明確にするために第5プレート608eのみが示されている)を含んでもよい。第1屈曲部650は、内側に柔軟に延在し、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つからリテーナ軸604に対してほぼ横方向に延びてもよい。第1屈曲部650は、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つにほぼ平行な方向から、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つにほぼ横方向に変化するように形成されていてもよい
【0041】
リテーナスリーブ600は、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つから延びる中央タブ652を含んでもよい(明確にするために、第3プレート608cの近くにのみ示されている)。中央タブ652は、第1屈曲部650から延びてもよい。中央タブ652は、第1屈曲部650からリテーナ軸604に向かって内側に略平行に延びてもよい。中央タブ652は、直線側が複数のプレート608a~eの少なくとも1つの第1屈曲部650または下端616に接合され、湾曲側が直線側の反対側に位置する「D」形状を有してもよい。リテーナスリーブ600は、複数の中央タブ652を含んでもよい。
【0042】
リテーナスリーブ600は、端部タブ654(明確にするために、第5プレート608eの近くにのみ図示されている)、または戻り止め端部648の1つの近傍に配置され、第1屈曲部650から延びる複数の端部タブ654を含んでもよい。端部タブ654は、複数のプレート608a~eのうちの少なくとも1つの下端616から延びてもよい端部タブ654は、第1屈曲部650からリテーナ軸604に向かって内側に略平行に延びてもよい。端部タブ654は、中央タブ652から周囲に離れてほぼ平行に延びる突起656を含んでもよい。突起656は、ロック500がロック位置にあるときに、ロック500のロックスカート504との更なる係合を提供してもよい。中央タブ652は、端部タブ654の間に周方向に配置されてもよい。
【0043】
リテーナスリーブ600は、複数の脚部658a~eを含んでもよい例えば、複数の脚部658a~eは、第1脚部658a、第2脚部658b、第3脚部658c、第4脚部658dおよび第5脚部658eを含んでもよい。例えば、各脚部658a~eは、複数のプレート608a~eのうちのプレートから延びてもよい。脚部658a~eは、図7および図9に関連してより詳細に説明されている。
【0044】
上述したように、図6は、一例として提供される。他の例は、図6に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0045】
図7は、本願に記載のリテーナスリーブ600の背面斜視図である。図7に示すように、各脚部658a~eは、第2屈曲部660を含んでもよい。図7に示すように、リテーナスリーブ600は、5本の脚部を備えてもよい。あるいは、リテーナスリーブ600は、2本、3本、4本、6本、7本以上の脚部658a~eを含んでもよい複数の脚部658a~eは、複数のプレート608a~eのうちの複数のプレート608a~eに対応してもよい。
【0046】
各脚部658a~eは、体としてセグメント化された「C」字形(またはセグメント化された環状構成)に構成されたセグメント化された円錐台面を集合的に形成する外面662を含んでもよい。脚部658a~eは、先端部300のロックキャビティ310内に係合するように形成されてもよい。脚部658a~eは、リテーナスリーブ600がロックキャビティ310内に挿入されるように圧縮可能であり、リテーナスリーブ600がロックキャビティ310内に組み立てられたときに拡張可能であるように、本体606に柔軟に結合されてもよい。
【0047】
第1脚部658a、第3脚部658cおよび第5脚部658eは、第2屈曲部660、第1延長部664、第3屈曲部666および第2延長部668を含んでもよい。各脚部658a~eは、同様の形状を有してもよく、第3屈曲666および第2延長部668に関連する形状の相違点は、第1脚部658a、第3脚部658cおよび/または第5脚部658eのような1つまたは複数の脚部に含まれることである(例えば、1つまたは複数の他の脚部に含まれない)。例えば、脚部658a~eの1本おきの脚部は、第3屈曲部666および第2延長部668を含んでもよい。あるいは、各脚部658a~eは、第3屈曲部666および第2延長部668を含んでもよい(または、いずれも含まない)。例えば、第2延在部668を含む脚部658a~eは、第2延在部668を含まない脚部658a~eと異なる長さを有していてもよい。
【0048】
第3屈曲部666は、第1延長部664から柔軟に延びてもよい。第3屈曲部666は、リテーナ軸604に対して外向きから内向きに変化可能である。第3屈曲部666は、0.5mm(mm)~6.0mmの一定の半径を有していてもよい。第3屈曲部666は、第1延長部664から第2延長部668へ角度をもって移行可能である。第1延長部664に対する角度は、40度~110度であってもよい。第2延長部668は、リテーナ軸604に対して第3屈曲部666から下方かつ内側に延びてもよい。第2延長部668は、第1プレート608aに対向する第1延長部664から延びてもよい。第1延長部664は、第3屈曲部666または第1プレート608aの近傍の幅広から第2延長部668の端部近傍の幅狭に向かって徐々に細くなっていてもよい。
【0049】
リテーナスリーブ600の本体606は、第2穴670を含んでもよい。例えば、第4プレート608dは、第2穴670を含んでもよい。言い換えれば、回転防止機構620を含む複数のプレート608a~eのうちのプレートは、第2穴670を含んでもよい。第2穴670は、回転防止機構620のシェル630によって画定されるキャビティ632の第2開口部を画定してもよい。第2穴670の形状は、回転防止機構620のシェル630の形状に対応してもよい。例えば、第2穴670は、平坦縁と湾曲縁とを有する実質的に「D」字形の形状を有してもよい。あるいは、第2穴670は、湾曲縁を有さない(例えば、長方形の形状であってもよい)ものであってもよい。例えば、回転防止機構620は、第1穴634および第2穴670が回転防止機構620のシェル630によって画定されるキャビティ632に開口部を提供するように、第4プレート608dによって形成されたルーバーであってもよい。いくつかの例では、回転防止機構620は、第4プレート608dからのパンチであってもよい。第1穴634および第2穴670は、第4プレート608dを貫通する通路または穴を画定してもよい。
【0050】
上述したように、図7は、一例として提供される。他の例は、図7に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0051】
図8は、本願に記載のリテーナスリーブ600の上面図である。図8に示すように、リテーナスリーブ600は、リテーナ軸604の周りの実質的に環状の形状を有してもよい。例えば、リテーナスリーブ600は、リテーナ軸604の周りに「C」字形の形状を形成してもよい。リテーナスリーブ600は、複数のプレート608a~eを一緒に結合する中央屈曲部(複数可)618を介して実質的に環状の形状を形成してもよい。
【0052】
回転防止機構620は、本体606およびリテーナ軸604の径方向端部628(例えば、および/または戻り止め突起640aまたは640b)に対して径方向に第2角度626をなして配置されてもよい。例えば、ロック面622(例えば、ロック面622の前方径方向エッジ)は、本体606およびリテーナ軸604の径方向端部628(例えば、および/または、戻り止め突起640aまたは640b)に対して第2角度626をなして配置されてもよい。第2角度626の大きさは、ロック回転軸502を中心に回転したときにロック500をロック解除位置に移動させる回転量に実質的に対応してもよい。言い換えれば、第2角度626の大きさは、ロック回転軸502を中心に回転したときにロック500がロック解除位置に移動させる回転量よりも小さくてもよい。例えば、第2角度626は、30度~37.5度であってもよい。
【0053】
上述したように、図8は、一例として提供される。他の例は、図8に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0054】
図9は、本願に記載の中央タブ652、第4プレート608d、および第4脚部658dの断面図である。第2脚部658bの形状は、第4脚部658dと同様であってもよく、第2脚部658bの特徴には、第4脚部658dに関連して記述された同様の特徴を用いてもよい。
【0055】
第1屈曲部650は、中央タブ652から第4プレート608dの下端616に第3角度672で移行可能である。第3角度672は、第4プレート608dに対して85度~90度であってもよい。第2屈曲部660は、第4プレート608dの上端614から第1屈曲部650に対して柔軟に延在可能である。第2屈曲部660は、リテーナ軸604に対して外側に延びてもよい。第2屈曲部660は、0.5mmから6.0mmまでの一定の半径を有するように形成されていてもよい。第2屈曲部660は、第4プレート608dから第1延長部664に第4角度674で移行可能である。第4角度674は、第4プレート608dに対して20度~50度であってもよい。
【0056】
第1延長部664は、リテーナ軸604に対して第2屈曲部660または第4プレート608dから離間して延びてもよく、第2屈曲部660または第4プレート608dから外側に延びてもよい。第1延長部664は、第2屈曲部660または第4プレート608dの近傍では幅広から、第4プレート608dまたは第1延長部664の端部近傍では幅狭になるように徐々に細くしてもよい。たとえば、テーパーは5~10度である。第1延長部664は、例えば60mmから65mmまでの一定半径の曲率を有していてもよい。第1延長部664は、第4プレート608dに対して凹状の曲率を有していてもよい。別の例では、第1延長部664は、直線であってもよく、または変化した曲率を有していてもよい。
【0057】
図9に示すように、回転防止機構620は、第4プレート608d(またはリテーナスリーブ600の内面602)からリテーナ軸604に向かって延びてもよい。例えば、回転防止機構620は、第4プレート608d(またはリテーナスリーブ600の内面602)から2mm~5mm延びてもよい。
【0058】
上述したように、図9は、一例として提供される。他の例は、図9に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0059】
図10は、本願に記載の回転防止機構620を備えた第4プレート608dの正面図である。図10は、リテーナスリーブ600の切欠き正面図を示し、明確にするために第4プレート608dおよび第5プレート608eの一部のみを示す。
【0060】
回転防止機構620のロック面622は、第4プレート608dの下端616に対して第1角度624をなして配置されてもよい。第1角度624は、20度から35度であってもよい。いくつかの実施形態では、第1角度624は約27.5度であってもよい。第1角度624は、ロック500のロックスカート504の角度532に実質的に対応してもよい。例えば、第1角度624および角度532は、(第1角度624および角度532の和が約180度となるように)相補的な角度としてもよい。これにより、ロック面622がロックスカート504の周方向端部に接触するときに、増加したロック面積を達成することができる(例えば、第1角度624および角度532がほぼ相補的な角度であるため、ロックスカート504の周方向端部に接触するロック面622の表面積をより大きくすることができる)。あるいは、第1角度624は35度よりも大きくてもよい。例えば、回転防止機構620のロック面622は、第4プレート608dの下端616に対して実質的に垂直であってもよい。
【0061】
回転防止機構620のシェル630は、1つまたは複数の湾曲縁636を含んでもよい。1つまたは複数の湾曲縁636は、一定の半径を有してもよく、または変化した半径を有してもよい。1つまたは複数の湾曲縁636は、0.5mmから2mmまでの一定の半径を有してもよい。シェル630は、深さ676および幅678を有してもよい。さ676は3mmから8mmであってもよい。幅678は、ロック面622の長さを規定してもよい。幅678は5mm~11mmであってもよい。深さ676および/または幅678は、リテーナスリーブ600のサイズおよび/またはロック500のサイズの関数であってもよく、または依存してもよい。
【0062】
回転防止機構620は、第4プレート608dの下端616から第1距離680に配置されてもよい。第1距離680は0.5mm~4mmであってもよい。回転防止機構620は、第1側面610および第2側面612に関して第4プレート608dのほぼ中央に配置されてもよい。例えば、回転防止機構620は、第4プレート608dの第2側面612から第2距離682に配置されていてもよい。第2距離682は、1.5mm~4.5mmであってもよい。
【0063】
上述したように、図10は、一例として提供される。他の例は、図10に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0064】
図11は、本願に記載の回転防止機構620を備えた第4のプレート608dの断面図である。例えば、第4プレートの断面図は、図10に示す平面A-Aからのものであってもよい。
【0065】
図11に示すように、回転防止機構620のロック面622は、実質的に平坦であり、および/または、リテーナスリーブ600の内面602に対して垂直であってもよい。その結果、回転防止機構は、回転防止機構620が故障した場合にのみ、ロック500が回転防止機構620を越えて回転することができるので、ロック回転軸502に対するロック500の回転を防止するように構成されてもよい(例えば、回転防止機構620が機能しなくなるほどの十分なトルクがロック500に加えられない限り、平坦なロック面622および/または垂直なロック面622は、ロック500が回転防止機構620を超えて回転することを許可しなくてもよい)。
【0066】
回転防止機構620は、第4プレート608dからのルーバーまたはパンチであってもよい。例えば、回転防止機構620は、ロック面622内の第1穴634と、リテーナスリーブ600の本体606および/または第4プレート608d内の第2穴670とを含んでもよい。回転防止機構620は、第4プレート608dを貫通する(例えば、第4プレート608dの背面からリテーナスリーブ600の内面602まで)開口部または通路を画定してもよい。回転防止機構620は、キャビティ632を画定するシェル630を含んでもよい。シェル630および/またはロック面622は、リテーナ軸604に向かって内面602から離れて延びてもよい。例えば、シェル630および/またはロック面622は、内面602から2mm~5mm延びてもよい。
【0067】
シェル630は、第4プレート608dの厚さに実質的に対応する厚さを有していてもよい。例えば、シェル630は、第4プレート608dから延びてもよい。例えば、シェル630は、第4プレート608dの内面602からロック面622まで延びてもよい。図11に示すように、シェル630は傾斜していてもよい。例えば、シェル630は、少なくとも1つの屈曲部を含んでもよい。図11に示すように、シェル630は、第4屈曲部684および第5屈曲部686を含んでもよい。第4屈曲部684は、第4プレート608dから延びてもよい。第4屈曲部684は、リテーナ軸604に対して凸状の屈曲部であってもよい。第4屈曲部684は、0.5mmから2.0mmまでの一定半径を有していてもよい第5屈曲部686は、第4屈曲部684からロック面622(またはシェル630の平坦部)まで延びてもよい。第4屈曲部684は、リテーナ軸604に対して凹状屈曲部であってもよい。第4屈曲部684は、0.5mmから2.0mmまでの一定半径を有していてもよいオプションとして、シェル630は、単一の屈曲部を含んでもよいし、屈曲していないものでもよい。例えば、シェル630は、傾斜したり湾曲したりするのではなく、長方形であってもよい。
【0068】
上述したように、図11は、一例として提供される。他の例は、図11に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0069】
図12は、本願に記載のロック500とリテーナスリーブ600のアセンブリの上面図である。図12は、ロック位置にあるロック500を示す。リテーナスリーブ600の本体606は、リテーナ軸604に対向する連続した内面602を含んでもよい。内面602は、複数のプレート608a~eと中央屈曲部(複数可)618とで形成されてもよい。ロック500は、内面602と嵌合するように構成されてもよい。例えば、図4および図5に示すように、ロック500は、外面506がリテーナスリーブ600の内面602と実質的に同じ輪郭を有するロックスカート504を含んでもよい。外面506は、ロック回転軸502と同心に、および/または、ロック回転軸502の周りに周方向に延びてもよい。ロックスカート504および外面506は、ロック回転軸502の周囲の途中までしか延びていなくてもよい。ロック500は、ロック500の外面506がリテーナスリーブ600の内面602に嵌合された状態で、リテーナスリーブ600内に構成され得る。ロック500がリテーナスリーブ600内に配置されると、ロック回転軸502はリテーナ軸604と一致してもよい。
【0070】
ロック500は、ロック回転軸502の周りの所定の回転位置(例えば、ロック位置)でロック500を解除可能に保持するために、リテーナスリーブ600の対応する戻り止め突起640a、640bと係合するように構成された1つまたは複数の戻り止め凹部508を含んでもよい。戻り止め凹部508は、戻り止め突起640a、640bと嵌合するように構成された形状であってもよい。これにより、ロック500は、その外面506がリテーナスリーブ600の内面602に嵌合し、戻り止め突起640a、640bが戻り止め凹部508内に延びるリテーナスリーブ600内に位置決めされる。リテーナスリーブ600は、戻り止め突起640a、640bが戻り止め凹部508に係合および/または係合解除することを可能にするように撓むように構成されてもよい。例えば、リテーナスリーブ600は、少なくとも部分的に、プラスチック材料または弾性材料を含むがこれに限定されない可撓性材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リテーナスリーブ600は、完全にこのような可撓性材料で構成されてもよい。加えて、または代わりに、リテーナスリーブ600は、潤滑物質を滲出させるかまたは潤滑物質を放出することができる自己潤滑性材料で構築することができる。別の例として、リテーナスリーブ600は、例えば鋼などの金属製であってもよい。このような材料からなるリテーナスリーブ600は、寸法安定性を維持しつつ低摩擦を示すことができる。
【0071】
上述したように、図12は、一例として提供される。他の例は、図12に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0072】
図13は、本願に記載のロック500とリテーナスリーブ600のアセンブリの断面図である。図13は、回転位置にあるロック500を示す。ロック500は、リテーナスリーブ600と共にロックキャビティ310内に取り付け可能であり、ロック500の外面506は、中央タブ(複数可)652、端部タブ(複数可)654および内面602と嵌合する。ロック500がこの位置に配置されると、ロックスロット522の開放端524は、図3に示すように後方を向くことができる。この位置により、ポスト210が開放端524を介してロックスロット522にスライドし、かつ、ロックスロット522から抜け出ることが可能となる。したがって、このロック500の位置をロック解除位置と呼ぶことができる。
【0073】
ポスト210をロックスロット522内にロックするために、ロック500は、ロック回転軸502に対してロック位置まで回転可能である。ロック位置において、閉鎖端526に隣接するロックスカート504の部分は、ロックスロット522に対するポスト210のスライド移動を阻止し、それによってアダプタ200に対する先端部300のスライド移動を阻止することができる。
【0074】
リテーナスリーブ600の回転防止機構620は、ロック500がロック解除位置からロック位置へ回転することを可能にするように構成されてもよい。例えば、回転防止機構620のシェル630は傾斜しているかまたは湾曲しているので、ロック500に十分なトルクが加えられると、ロック500はロック解除位置からロック位置まで回転することができる。しかしながら、リテーナスリーブ600の回転防止機構620は、ロック500がロック位置からロック解除位置へ回転するのを阻止するように構成されてもよい。例えば、図13に示すように、ロック面622は、ロック500の回転が回転防止機構620を越えないようにしてもよい。例えば、ロック面622は実質的に平坦であり、および/またはリテーナスリーブ600の内面602に対して垂直であるので、ロック500が回転防止機構620を介してロック回転軸502を中心として回転することを防止または阻止することができる。例えば、場合によっては、振動または力によって、戻り止め突起640a、640bおよび/または戻り止め凹部508が互いに撓み、および離脱することがある。戻り止め突起640a、640bと戻り止め凹部508との係合が解除されると、ロック500がロック回転軸502を中心として回転すると、ロックスカート504の外面506がリテーナスリーブ600の内面602に沿ってスライド可能となる。回転防止機構620は、ロック500のそのような回転を阻止して、ロック500が不用意にロック解除位置に回転するのを防止することができる。
【0075】
上述したように、図13は、一例として提供される。他の例は、図13に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【0076】
図14は、本願に記載の先端部300、ロック500、およびリテーナスリーブ600のアセンブリの断面図である。リテーナスリーブ600は、ロックキャビティ310の内面318と嵌合するように形成されてもよい。例えば、リテーナスリーブ600は、ロックキャビティ310内の内面318の対応する円錐台部分と嵌合するように構成された円錐台形状を形成する脚部658a~eを含んでもよい。従って、脚部658a~eは、リテーナスリーブ600および/またはロック500をロックキャビティ310内に保持するように構成されてもよい。
【0077】
上述したように、図14は、一例として提供される。他の例は、図14に関連して説明した例とは異なる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本願に記載のリテーナシステム400および地面係合ツールは、例えば、掘削機、ホイールローダ、油圧式マイニングショベル、ケーブルショベル、バケットホイール、ブルドーザ、およびドラグラインなどの様々な土工機械に適用可能であり得る。設置されると、本願に記載のリテーナシステム400および地面係合ツールは、最も有害な磨耗および衝撃が生じる領域での磨耗から土工機械に関連するさまざまな作業具を保護し、それによって作業具の耐用年数を延長することができる。
【0079】
本願に記載されたいくつかの実施形態は、地面係合ツールを様々な土工作業具に安全かつ確実に接続することを可能にする。例えば、リテーナシステム400は、ロック500およびリテーナスリーブ600を含んでもよい。先端部300をアダプタ200に接続するために、ロック500およびリテーナスリーブ600をロックキャビティ310に組み付けることができる。ロックキャビティ310は、アダプタ200のポスト210の通過を可能にする後方に延びるサイドスロット320に開口する。ロック500は、ポスト210がロックスロット522内に挿入されると、ロック回転軸502を中心にロック位置まで回転することができる。この位置では、閉鎖端526に隣接するロックスカート504の部分は、ポスト210がロックスロット522から抜け出るのを阻止し、それによって、アダプタ200に対する先端部300のスライド移動を阻止することができる。ロック位置では、ロック500の戻り止め凹部508がリテーナスリーブ600の戻り止め突起640a、640bに係合可能であり、ロック500をロック位置に解除可能に保持することができる。
【0080】
リテーナスリーブ600の回転防止機構620は、ロック500をロック解除位置からロック位置へ回転させることができる。例えば、回転防止機構620の傾斜シェル630により、ロック500が回転防止機構620を超えて、および/または回転防止機構620を通過してロック位置に回転することが可能になり得る。回転防止機構620は、ロック位置からロック解除位置までのロック回転軸502の周りのロック500の回転を防止するように構成されてもよい。例えば、戻り止め突起640a、640bは、ロック500を所定の位置に解放可能に保持することができるため、ロック500は、戻り止め突起640a、640bから係合が外れ、(例えば、振動または別の力により)ロック回転軸502の周りを回転する可能性がある。ロック面622は、ロックスカート504の周方向端部に接触して、ロック500の回転を防止または阻止するように構成されてもよい。
【0081】
例えば、ロック面622は、実質的に平坦な面であってもよく、および/または、ロック面622は、リテーナスリーブ600の内面602に対して実質的に垂直であってもよい。その結果、ロックスカート504の周方向端部がロック面622に当接したときに、ロック面622がロック500の回転を阻止することができる。また、ロック面622は、ロックスカート504の周方向端部の角度532に実質的に対応する第1角度624をなして配置されてもよい。その結果、ロックスカート504の周方向端部がロック面622に接触する際に、ロックスカート504の周方向端部とロック面622との接触表面積を大きくしてもよい。この増大した表面積は、増大したロック力を提供し、ロック回転軸502を中心とするロック500の回転を防止する回転防止機構620の能力を向上させることができる。例えば、先端部300をアダプタ200から取り外すために、ロック500に十分なトルクを加えて、回転防止機構620を無効にする必要があるかもしれない。言い換えれば、ロック500は、回転防止機構620を越えてロック解除位置に不用意に回転することができないかもしれない。これにより、リテーナシステム400、ロック500、および/またはリテーナスリーブ600が、先端部300がアダプタ200に取り付けられたままであることを確実にする能力が向上する。
【0082】
リテーナスリーブ600の脚部658a~eは、先端部300のロックキャビティ310の内面318に嵌合するように構成されてもよい。ロック500は、リテーナスリーブ600の内面602と嵌合するように構成されてもよい。第1屈曲部650、第2屈曲部660、第1延長部664、第2延長部668および第3屈曲部666は、本体606に可撓性およびバネのような効果を与えるように構成されている。脚部658a~eは、ロック500およびロックキャビティ310のサイズの変化に対応するのに役立つことができる。脚部658a~eは、ロック500を適切な位置に保持するためにロックキャビティ310に圧縮力を発生するように構成されてもよい。例えば、第1屈曲部(複数可)650は、湾曲時に、複数のプレート608a~eに外面506への圧縮力の発生を促すように構成されていてもよい。第2屈曲部(複数可)660は、曲がったときに、ロックキャビティ310の内面318に対する圧縮力を誘発して、リテーナスリーブ600をロック回転軸502の周りの中心に保つように構成されてもよい。第3屈曲部666は、曲がったときに、ロックキャビティ310の内面318に圧縮力を発生させて、使用中にリテーナスリーブ600およびロック500が位置を移動したり脱落したりするのを防止するように構成されてもよい。
【0083】
前述の開示は、説明および説明を提供しているが、開示されている正確な形態に実施形態を完全に限定すること、または実施形態を限定することは意図されていない。改変および変形は、上記の開示に照らして行われたり、実装形態の実践から得られたりし得る。さらに、1つ以上の実装形態を組み合わせられない理由が先述の開示に明示的に提供されていない限り、本明細書に記載された任意の実装形態は組み合わせられ得る。特徴の特定の組み合わせが請求項に記載され、かつ/または本明細書に開示されていても、これらの組み合わせは、様々の実装形態の開示を制限することを意図するものではない。以下に列記される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、様々の実装形態の開示は、請求項群内の他のすべての請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。
【0084】
本明細書に使用されている「単数形(a、an)」および「セット(set)」は、1つ以上の項目を含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用され得る。さらに、本明細書で使用されている「単数形(the)」は、「単数形(the)」と組み合わせて参照される1つ以上の項目を含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用され得る。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。さらに、本明細書で使用されるように、用語「または」は、一連で使用される場合に包括的であることを意図しており、特に明記されていない限り(例えば、「いずれか」または「その1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「および/または」と交換して使用されてもよい。さらに、本明細書の説明を容易にするために、例えば「の下」、「下」、「の上」、「上」等の空間的に相対的な用語を使用して、図示のような、1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を説明してもよい。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用または動作中の機器、装置および/または要素の異なる方向を含むことを意図している。機器は、他の向き(90度回転または他の向き)にすることができ、本明細書に使用される空間的に相対的な記述子も、それに応じて解釈することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
【国際調査報告】