(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】履物用インサートまたはミッドソール
(51)【国際特許分類】
A43B 13/20 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A43B13/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575515
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 IT2022050175
(87)【国際公開番号】W WO2022269646
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021000016769
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523457475
【氏名又は名称】タッシ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】TASCI S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダーニ, ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】フランコ, ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA02
4F050BA05
4F050BA39
4F050EA18
(57)【要約】
ソール(12)と、ユーザの足(15)と接触するように配置されており、かつエラストマーで作製された構造体(14)を有する、ミッドソール(10)と、を備える履物。ミッドソール(10)は、前記構造体(14)と前記ソール(12)との間に形成された所定の高さの一連の空間(13)に対応する、前記ソール(12)と接触するように配置されたミッドソール(10)の下部プロファイルが空洞化されていることに対応する一連のゾーンまたは領域(11A、11B、11C)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソール(12)と、ユーザの足(15)と接触するように配置されており、かつエラストマーで作製された構造体(14)を有する、ミッドソール(10)と、を備え、前記ミッドソール(10)が、前記構造体(14)と前記ソール(12)との間に形成された所定の高さの一連の空間(13)に対応する、前記ソール(12)と接触するように配置された前記ミッドソール(10)の下部プロファイルが空洞化されていることに対応する一連のゾーンまたは領域(11A、11B、11C)を有し、前記ゾーンまたは領域のうちの第1のゾーンまたは領域(11A)に対応して、前記空間(13)が前記構造体(14)内に設けられていることに対応する2つの第1の部分(16、17)が存在する、履物において、前記空間(13)が、前記ミッドソール(10)の長手方向軸線に対して一方の側および他方の側で曲線状かつ非対称的なコースを有する高さを有することを特徴とする、履物。
【請求項2】
前記ゾーンまたは領域(11A、11B、11C)が、前記ユーザの前記足(15)の前方および中央足底領域ならびに踵領域に対応することを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記空間(13)が、略長方形の幾何学的形状を有し、前記ミッドソール(10)の前記長手方向軸線と前記ゾーンまたは領域(11A、11B、11C)の側方端部との間の高さを増減させることを特徴とする、請求項1または2に記載の履物。
【請求項4】
前記ゾーンまたは領域のうちの第2のゾーンまたは領域(11B)に対応して、前記空間(13)が前記構造体(14)内に設けられていることに対応する2つの第2の部分(18、19)が存在することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の履物。
【請求項5】
前記空間(13)が、前記ミッドソール(10)の前記長手方向軸線に対して一方の側および他方の側で曲線状かつ非対称的な走向を有する高さを有することを特徴とする、請求項4に記載の履物。
【請求項6】
前記ゾーンまたは領域のうちの第3のゾーンまたは領域(11C)に対応して、前記空間(13)が前記構造体(14)内に設けられていることに対応する第3の部分(20)が存在し、前記第3の部分(20)の高さが、前記ミッドソール(10)の前記長手方向軸線に対して両側で曲線状かつ対称的なコースを有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の履物。
【請求項7】
前記空間(13)が、前記第1の部分(16、17)に対してより大きい、第2のおよび第3の部分(18、19、20)に対応する高さを有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の履物。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、好ましくは履物用のソールに結合されるように特定の方法で成形されたインサートまたはミッドソールに関し、ミッドソールは、任意の履物内、またはスキーブーツのインナーシューズなど、それ自体が履物内に挿入される同様の物品内に挿入され得る。
【0002】
本発明によるインサートの構造組成は、ユーザの体重および/または衝撃もしくはインパクトの緩衝機能を可能にし、長時間立っているか、または歩行中もしくは走っている間であるかにかかわらず、足の快適性をもたらす。
【0003】
インサートは、特に、足の様々な部分に特定の構造体を有する1つ以上の熱可塑性エラストマーで作製される。
【0004】
使用される熱可塑性エラストマーの技術的かつ幾何学的特性は、地面および平坦な表面と接触する足の底部の丸みを帯びた部分のインパクトの悪影響が大幅に低減されるため、緩衝機能および結果としてのユーザの快適性が得られることを可能にし、したがって、何時間も立っているときには静的に、および歩行または走っているときには動的に、両方において、足に対して高いレベルの快適性を保証する。
【0005】
空気を内部で再循環させ、かつ空気を外部に圧送するための様々な緩衝システムまたはシステムが現在市販されている。
【0006】
上述のシステムを参照すると、これらのシステムのすべては、特定の機能を実現するために、例えば、内部の空気を再循環させることによって履物内部の緩衝機能および温度調節機能を実現するために、目的に合わせて設計されたソール、撥水膜の使用、ならびに/または空気チャンバおよび/もしくはプラスチックトレイなどの様々なポンプ要素など、特定の詳細を伴って作製されている。
【0007】
これらの解決策はすべて、専用の機器および/または複雑かつ高価な製造プロセスが必要であるために、高価な構成要素を課す。
【0008】
スポーツスケートおよび/または履物の構成に使用することができる他の衝撃吸収性、弾性、および防振材料もまた知られている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記の技術的欠点を克服することであり、特に、地面および平坦な表面と接触する足の底部の丸みを帯びた部分のインパクトの悪影響を大幅に低減することができ、したがって、何時間も立っているときには静的に、および歩行時または走っているときには動的に、両方において、ユーザの足の高い快適性を保証する、履物用のインサートまたはミッドソールを作成することである。
【0010】
好適には、実際には、ミッドソールは、静的状態(ユーザがある一定期間静止して立っている)および動的状態(ユーザが歩行中または走っている間)の両方においてユーザの足の高いレベルの快適性を達成するために、所定の解剖学的形状のエリアにおいてくり抜かれているかまたは切り込まれている。
【0011】
丸みを帯びた突出部分を有するユーザの足の底部に倣う上述の切り込まれたエリアの特定の解剖学的形状は、様々な状況における足の健康および快適性を決定する。
【0012】
実際には、履物のソールと突出する丸みを帯びた部分との間に境界面が作り出され、この境界面は、ユーザの重量および動きによって部分的に潰れ、ユーザの衝撃を緩衝する。
【0013】
本発明による履物用のインサートまたはミッドソールのさらなる特徴および利点は、本発明のインサートオブジェクトの例示的で好ましいが限定的ではない実施形態の以下の説明および添付の図面からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に従って作製されたインサートまたはミッドソールの平面図を示す。
【
図2】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線A-A’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図3】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線B-B’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図4】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線C-C’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図5】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線D-D’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図6】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線E-E’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図7】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線F-F’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図8】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線G-G’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図9】インサートがユーザによって着用された靴内に挿入されている、線H-H’に沿って作製された本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図10】線M-M’に沿って作製された、本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図11】線N-N’に沿って作製された、本発明によるインサートの断面図を示す。
【
図12】線O-O’に沿って作製された、本発明によるインサートの断面図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0015】
上述の図を参照すると、本発明によるインサートまたはミッドソールは、参照番号10によって一般的に示されており、ソール12とユーザの足15との間の靴内に差し挟まれている。
【0016】
好ましくはエラストマー、特にEVAで作製された構造体14を有するミッドソール10は、ソール12と接触するように配置されたミッドソール10の下部プロファイルが、ミッドソール10のエラストマー構造体14とソール12との間に所定の高さの一連の空洞空間13を作り出すように空洞化された、一連のゾーンまたは領域11A、11B、11Cを提供する。
【0017】
特に、ミッドソール10の空洞化が実行されているゾーン11A、11B、11Cは、前方および中央足底筋膜、ならびに踵の領域(
図1、
図2、
図4、
図5、
図7、
図8)に対応し、一方、ゾーン11Aとゾーン11Bとの間に位置する足底筋膜(
図3)、履物のcambril21に実質的に対応する筋膜(
図6)、および踵の領域に対する後方筋膜(
図9)は、実質的に自由である。
【0018】
さらにより具体的には、空洞化は、ミッドソール10の横方向に従って実行されており、略長方形の幾何学的形状を有する空洞空間13が得られ、かつミッドソール10の長手方向軸線とゾーン11A、11B、11Cの側方端部との間の高さを増減させる。
【0019】
好適には、ミッドソール10の第1の前方ゾーン11Aに対応して、ソール12に面するエラストマー構造体14の空洞化が空洞空間13を得ることによって実行された2つの部分16、17が設けられており、これらの部分の高さは、ミッドソール10の長手方向軸線に対して両側で曲線状かつ非対称的な走向を示す(
図2)。
【0020】
同様に、ミッドソール10の第2の中央ゾーン11Bに対応して、ソール12に面するエラストマー構造体14の空洞化が空洞空間13を得ることによって実行された2つの他の部分18、19が設けられており、これらの部分の高さは、ミッドソールの長手方向軸線に対して両側で曲線状かつ非対称的なコースを示す(
図4、
図5)。
【0021】
最後に、ユーザの足15の踵に対応して、ソール12に面するエラストマー構造体14の空洞化が実行された部分20が空洞空間13を得ることによって設けられており、これらの部分の高さは、ミッドソール10の長手方向軸線に対して両側で曲線状かつ対称的な走向を示す(
図7、
図8)。
【0022】
さらに、重ねて好適には、空洞空間13の高さは、部分18、19、および20では部分16および17よりも大きい(
図10~
図12)。
【0023】
このようにして実現されたミッドソール構造体10は、地面および平坦な表面と接触しているユーザの足15の底部の丸みを帯びた部分の有利な緩衝を可能にし、何時間も立っているときには静的に、および歩行または走っているときには動的に、両方において、ユーザの快適性に有益な効果をもたらす。
【0024】
このようにして本明細書で着想され例示された本発明は、すべて本発明の概念の範囲内で、多数の修正および変形が可能である。
【0025】
さらに、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素で置き換えられ得る。
【0026】
最後に、使用される構成要素は、それらが特定の用途および寸法に適合する限り、要件および最新技術に従って任意であり得る。
【0027】
任意の請求項に記載された特徴および技術の後に参照マークが続く場合、それらの参照マークは、請求項の理解度を高めることのみを目的として含まれており、したがって、それらの参照マークは、それらの参照マークによって例として識別される各要素の解釈に限定的な影響を及ぼさない。
【国際調査報告】