(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】漏れ検知装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
G01M3/20 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575566
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022064017
(87)【国際公開番号】W WO2022263121
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021115463.4
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
【住所又は居所原語表記】Bonner Strasse 498, D-50968 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】ヴェツィヒ・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ライスマン・マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】プシャラ-ケーニッヒ・ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】グレンツ・ヨーゼフ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA08
2G067CC04
2G067DD27
(57)【要約】
【課題】スニッファ式漏れ検知装置およびこれを用いた方法において、圧力サージの影響を排除する。
【解決手段】
ガス分析器(16)と、真空ポンプ(18)と、第1の吸気口(12)と、第2の吸気口(20)とを有する漏れ検知装置(10)において、
前記第1の吸気口(12)に接続された第1の入口(28)、および少なくとも第1および第2の出口(34,38)とを有する第1の多方弁(14)と、
前記第2の吸気口(20)に接続された第1の入口(32)、および少なくとも第1および第2の出口(36,40)に接続された第2の多方弁(22)とを備え、
前記2つの多方弁(14,22)の第1の出口(34,36)はガス分析器(16)に接続され、第2の出口(38,40)は真空ポンプ(18)に接続される装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス分析器(16)と、真空ポンプ(18)と、第1の吸気口(12)と、第2の吸気口(20)とを有する漏れ検知装置(10)であって、
第1の入口(28)と、少なくとも第1の出口(34)と第2の出口(38)とを有し、前記入口(28)が、前記第1の吸気口(12)に接続されている、第1の多方弁(14)と、
第1の入口(32)と、少なくとも第1の出口(36)と第2の出口(40)とを有し、前記入口(32)は前記第2の吸気口(20)に接続されている、第2の多方弁(22)とを備え、
前記2つの多方弁(14,22)の前記2つの第1の出口(34,36)は、前記ガス分析器(16)に接続され、前記2つの多方弁(14,22)の前記2つの第2の出口(38,40)は前記真空ポンプ(18)に接続されている、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記多方弁(14,22)は、
前記第2の多方弁(22)の前記入口(32)がその第2の出口(40)に接続される場合は、前記第1の多方弁(14)の前記入口(28)がその第1の出口(34)に接続され、前記2つの多方弁(14,22)の切り替えが、同期して行われるように構成され、弁制御装置によって制御される、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項3】
請求項2に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記2つの吸気口(12,20)は、別個のスニッファプローブに配置される、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記ガス分析器(16)は、多段式高真空ポンプ(60)を有する質量分析型漏れ検知器(56)である、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項5】
請求項4に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記真空ポンプ(18)は、前記漏れ検知器(56)に接続されない別個の補助ポンプである、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項6】
請求項4に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記真空ポンプ(18)は、前記多段式高真空ポンプ(60)のポンプ段を形成している、ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記2つの第1の出口(34,36)は、共通の接続枝路(64)を介して前記ガス分析器(16)に接続され、前記2つの第2の出口(38,40)は、共通する接続ライン(42)を介して前記真空ポンプ(18)に接続されている、
ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の漏れ検知装置(10)において、
前記2つの第1の出口は、前記2つの第2の出口に接続されており、絞られたライン(64)を介して前記ガス分析器(16)に、絞られた別のライン(42)を介して前記真空ポンプ(18)を高真空ポンプ(60)に接続する接続枝路に、接続される、ことを特徴とする漏れ検知装置(10)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の漏れ検知装置(10)によるスニッファ式漏れ検知法であって、
前記真空ポンプ(18)を起動するステップと、
前記第1の多方弁(14)の前記入口(28)をその第1の出口(34)に接続し、前記第2の多方弁(22)の前記入口(32)をその第2の出口(40)に接続するステップと、
前記真空ポンプ(18)により前記第2の吸気口(20)を通してガスを吸い込みながら、前記第1の吸気口(12)を通って吸い込まれたガスを前記ガス分析器(16)により分析するステップと、
前記真空ポンプ(18)を駆動させながら、前記2つの多方弁(14,22)を同期して切り替えるステップと、
前記真空ポンプ(18)により前記第1の吸気口(12)を通してガスを吸い込みながら、前記第2の吸気口(20)を通って吸い込まれたガスを前記ガス分析器(16)により分析するステップとを含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分析器と、真空ポンプと、第1の吸気口と、第2の吸気口とを備えた漏れ検知装置に関し、特にはスニッファ式漏れ検知のための漏れ検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス漏れを検知する際、ガスが真空ポンプによって吸気口を通って吸い込まれ、吸い込まれた当該ガスを分析するためにガス分析器に供給される。その際、漏洩箇所を通って流れ試験ガスが検知される。ガス漏れ検知の特定の一例が、一定の気流がスニッファプローブの吸気口を通って吸い込まれるスニッファ式漏れ検知である。吸い込まれたガスを分析しながら、スニッファプローブは、検査が行われる被検体上を誘導される。これによって、被検体の漏れが検知されるだけでなく、漏洩箇所を突き止めることができる。スニッファプローブの吸気口がガス漏れ箇所から近い場合、漏洩箇所を通り漏れ出た試験ガスは、気流と共に吸い込まれる。漏洩ガスを可能な限り確実かつ完全に吸い込めるように、できるだけ大きいスニッファガス流が使用される。スニッファガス流は、スニッファプローブの吸気口を通って吸い込まれたガス流の流量である。ここで、気流の流量は、通常、漏洩箇所から漏れ出した試験ガスの、測定される漏洩ガスの流量の何倍も大きい。
【0003】
吸気口を通って吸い込まれたガス流中の漏洩ガスの濃度は、漏れ率とスニッファガス流との比率である。よって、スニッファプローブが吸い込むガス流中の漏洩ガスの濃度は、通常、比較的低い。結果として、スニッファガス流を、望ましい程大きく選び取ることはできない。
【0004】
多くの場合、被検体を取り囲む大気は、ガス検知器またはガス分析器中の試験ガスに対して、同様または同一の計測信号を生成するガス成分を含有する。したがってこれらのガス成分は、干渉ガスまたは背景ガスと称されている。それらは、実際の漏洩ガスの計測信号から容易に区別できない干渉信号を生じさせる。
【0005】
このような干渉信号を抑えるための既知の方法では、検査が行われる被検体のテスト領域からの計測ガスと、被検体を取り囲む大気からの基準ガスとが交互に吸い込まれる。基準ガスは、吸い込まれた混合ガス中の干渉ガスの割合を確定するための基準として役立つ(基準測定)。
【0006】
このような解決策は、例えば、欧州特許第1342070号明細書(特許文献1)および欧州特許第1819998号明細書(特許文献2)に記載されている。ガスは、スニッファプローブのハンドルに設置された赤外吸収センサの形をした小型センサユニットによって吸い込まれる。国際公開第2007/031386号(特許文献3)では、質量分析計がガス分析器として用いられる。吸い込まれたガスは、スニッファラインを介して分析器に供給されなくてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1342070号明細書
【特許文献2】欧州特許第1819998号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/031386号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
他のスニッファ式漏れ検知方法において、いくつかの、典型的には2つの別個のスニッファプローブが、同一のガス分析器に独立して接続され、交互に操作されて、一方のスニッファプローブからの信号と他方のスニッファプローブからの信号が交互に評価される。このようないわゆるマルチプレクサシステムにおいて、漏れ検知は、いくつかのスニッファラインを備えたガス検知システムによって、ラインからラインへと順次切り替えを行うことにより、複数箇所で行われる。
【0009】
同じガス分析器に接続された漏れ検知装置の2つの吸気口を切り替えるときに、圧力サージがスニッファラインに生じ、これが計測信号に影響を及ぼし、信号変動につながる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、2つの異なる吸気口を有し、それぞれが同じガス分析器に接続された、改良された漏れ検知装置と、対応する漏れ検知方法を提供することにある。
【0011】
本発明の漏れ検知装置は、請求項1に記載の特徴により定義される。すなわち、第1の入口と、少なくとも第1および第2の出口とをそれぞれが有する2つの多方弁が提供される。多方弁は例えば、1つの入口と2つの出口とを備えた3/2方弁であってもよい。2つの多方弁のそれぞれの第1の出口は、漏れ検知装置の第1の吸気口に接続されており、一方、2つの多方弁のそれぞれの第2の出口は別々の真空ポンプに接続されている。2つの多方弁は、ガス分析器への2つの吸気口の切り替えおよび割り当てを単純化する。一方の多方弁により、第1の吸気口を通って吸い込まれたガスはガス分析器に供給される一方で、第2の吸気口を通って吸い込まれたガスはガス分析器へ供給されることなく真空ポンプによって吸い込まれる。多方弁を単に切り替えるだけで、ガス流が両方の吸気口を通って吸い込まれるので圧力サージを回避するかまたは低減することができ、その一方で、一方のガス流と他方のガス流とを交互にガス分析器で分析できる。
【0012】
2つの吸気口は、それぞれが分離されたスニッファラインによって2つの多方弁に接続された異なるスニッファプローブ上に配置されていてもよい。ここで、真空ポンプはガス分析器に接続されていない別個の補助ポンプであってもよい。ガス分析器は、多段式高真空ポンプを有する質量分析型漏れ検知器であってもよい。2つの第2の出口に接続された真空ポンプは、好ましくは大気に対し開口している。
【0013】
あるいは、2つの吸気口は、同じスニッファプローブの測定ガス吸気口と基準ガス吸気口とであってもよい。ここで、真空ポンプは、質量分析型ガス分析器の多段式高真空ポンプのポンプ段、例えばプレ真空段を形成してもよい。この場合、多方弁の2つの第1の出口は、質量分析計に接続され、多方弁の2つの第2の出口は、真空ポンプを高真空ポンプの他のポンプ段と質量分析計とに接続する接続枝路へ、別の接続ラインを介して接続される。絞りが、必要かつ望ましいガス流をそれぞれ設定するための2つの接続ラインに設けられる。あるいは、接続ライン自体が、ガス流のための絞りとして作用するよう設計してもよい。2つの第1の出口は、2つの第2の出口に接続されてもよく、その結果、分岐した一部の流れのみがガス分析器へ供給され、その一方でガス流の残部は真空ポンプを介して大気中へ運ばれる。
【0014】
以下、本発明の2つの例示的な実施形態が、図面を参照しさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に示される漏れ検知装置10の両方において、第1の吸気口12は、3/2方弁の形状の第1の多方弁14を介して質量分析型ガス分析器16と真空ポンプ18とに接続されており、第2の吸気口20も、3/2方弁の形状の第2の多方弁22を介してガス分析器16と真空ポンプ18とに接続されている。
【0017】
図1に示す第1の例示的な実施形態において、2つの吸気口12、20は共通するスニッファプローブ24上に設けられており、第1の吸気口12は、被検体のガス漏れが疑われる被検領域に向けられ、第2の吸気口20は基準吸気口を形成しており、これによって被検体を取り囲む大気からガスを吸い込むことができる。
【0018】
第1の吸気口12は、第1の接続ライン26を介して第1の多方弁14の第1の入口28に接続される。第2の吸気口20は、別の接続ライン30を介して第2の多方弁22の第1の入口32に接続される。
【0019】
さらに、例示的な実施形態の両方において、第1の多方弁14の第1の出口34は、第2の多方弁22の第1の出口36とガス分析器16とに接続され、第1の多方弁14の第2の出口38は、第2の多方弁22の第2の出口40と真空ポンプ18とに接続されて、ガス輸送が行われるようになっている。
【0020】
図2に示される例示的な実施形態において、2つの吸気口12、20は、それぞれ個別に誘導し得る別のスニッファプローブに設けられており、それらは分離した接続ラインを介して2つの多方弁14、22に接続されている。
【0021】
図1に示す第1の例示的な実施形態において、2つの第1の出口34,36は、共有接続ライン42に接続しており、これは、接合点44において、第1の多方弁14の第2のガス出口38に接続される接続ライン46と、第2の多方弁22の第2の出口40に接続されるさらなる接続ライン48とに接続されている。共通する接続ライン42は、接合点44を越えて、真空ポンプ18を第2の真空ポンプ52に接続する接続分枝50に接続している。第2の真空ポンプ52はターボ分子ポンプ54に接続され、次いでその入口は、質量分析計の形をとるガス分析器16に接続される。こうして、真空ポンプ18は、該真空ポンプ18と、第2の真空ポンプ52と、ターボ分子ポンプ54と、ガス分析器16(質量分析計)とからなる質量分析型漏れ検知器56の3段高真空ポンプの第1のポンプ段を形成している。そして、第2の真空ポンプ52は第2のポンプ段を形成し、ターボ分子ポンプ54は多段式高真空ポンプ60の第3のポンプ段を形成している。
【0022】
第1の2つのガス出口34、36と接合点44との間で、絞り62で絞られるライン64が、接続ライン42から分岐して、ガス分析器16に接続している。ライン64は、ライン42を流れるガス流から一部の流れを分岐させてガス分析器16へと供給し、残りのガス流は接合点44を介して真空ポンプ18へ供給され、真空ポンプ18によって大気中へ放出される。ここで、接続ライン42は、接合点44と接続分岐50との間に、第2の絞り66を備え、これはガス流の遮断に用いられる。流れを遮断することにより、例えばポンプによって引き起こされる、絞りの下流側における圧力サージは、上流側における圧力変動の形での擾乱効果は持たない。
【0023】
多方、第2の例示的な実施形態では、2つの出口38、40から真空ポンプ18への接続ライン42と、2つの出口34、36からガス分析器16への接続ライン64とは、互いに分離しており、したがって、ガスを導通可能な形で接続はされていない。
【0024】
例示的な実施形態の両方において、真空ポンプ18は、ガス分析器16を用いてガス分析が行われる間、駆動状態のままであり、2つの吸気口12、20のうち、多方弁14、22を介してガス分析器16に接続されていない方からのガスを輸送する。よって、例示的な実施形態および
図2に示される切り替え状態において、第1の吸気口12からのガスは、第1の多方弁14の第1の入口28と第1の出口34、および接続ライン64とを介してガス分析器16に供給されてガス分析に付され、それと同時に、第2の吸気口20から流入したガスは、第2の多方弁22を介してその第1の入口32から第2の出口40へと運ばれ、そこから、接続ライン42とポンプ18を介して大気中へ放出される。よって、第1の吸気口12からのガスをガス分析器16によって分析する間に、第2の吸気口20からのガスはポンプ18によって大気中へ排出される。
【0025】
図1に示される例示的な実施形態において、同じスニッファプローブの第1の吸気口12が測定ガス吸気口、第2の吸気口20が基準ガス吸気口を形成しており、第1の吸気口12からのガスは、ライン26を介して第1の多方弁14の第1の入口28へと供給され、同時に、真空ポンプ18は、第2の吸気口20を通じてガスを吸い込み、そのガスはライン30を介して第2の多方弁22の入口32へと供給される。第1の切り替え状態では、第1の多方弁14は第1の入口28と第1の出口34とが接続され、第1の吸気口12を通って吸い込まれたガスは、第1の出口34から接続ライン42に供給される。このガス流から、一部の流れが絞られたライン64を介して分岐し、質量分析型ガス分析器16へと供給され、残りのガス流は、接合点44を越えて、第2の絞り66と真空ポンプ18とを通って外気に加えられる。同時に、第2の多方弁22は、第2の吸気口20から吸い込まれたガスを入口32から第2の出口40へと流し、そこからガスは、ライン48と接合点44とを介して共有接続ライン42へと流される。そこからガスは、真空ポンプ18を介して外気へと運ばれる。
【0026】
次いで、両方の多方弁14,22は、第1の切り替え状態から第2の切り替え状態へと同期して切り替えが行われる。第2の切り替え状態においては、第1の多方弁14は、第1の吸気口12からのガスを、ガス出口38を介して第2の真空ポンプ18へと流し、そのガスは分析器16に入ることがない。一方、第2の多方弁22は、第2の吸気口20からのガスを、第1のガス出口36を介して共通の接続ライン42へと流し、共通の接続ライン42から一部の流れが、絞られたライン64を介してガス分析器16へ流されて分析される。
【0027】
2つの多方弁14、22を同期して同時に切り替えることにより、2つの吸気口12,20の一方からのガスのみをガス分析器16へ入れて、ガス分析器16で分析することができ、他方の吸気口からのガスは、真空ポンプ18を介して大気中に排出される。2つの多方弁14、22を同期して同時に切り替えることにより、切り替えの間に著しい遅延および/または圧力サージなく、2つの吸気口12、20をガス分析器に交互に接続できる。両方のライン26、30を通って連続的にポンプされた流れは、ラインにおいて圧力勾配を維持し、切り替えの際に、検知システムへの入口における圧力サージが回避される。
【0028】
2本のライン26、30を通る、連続するガス流のさらなる利点は、2つの入口開口12,20を介して吸い込まれたガスはまた、同時に切り替え弁14,22に到達するということである。ライン26,30を通るガス先端の通過時間は、数秒となり得る。ガス分析器16または漏れ検知器56に接続されないラインが連続的に排気されない場合、ポンプで送られない場合、反応時間は数秒遅れる。
【符号の説明】
【0029】
10 漏れ検知装置
12 第1の吸気口
14 第1の多方弁
28 入口
34 第1の出口
38 第2の出口
16 ガス分析器
18 真空ポンプ
20 第2の吸気口
22 第2の多方弁
32 入口
36 第1の出口
40 第2の出口
24 スニッファプローブ
52 第2の真空ポンプ
56 ターボ分子ポンプ
60 多段式高真空ポンプ
【国際調査報告】