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特表2024-523218大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置
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  • 特表-大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置 図1
  • 特表-大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/32 20200101AFI20240621BHJP
   G01S 17/95 20060101ALI20240621BHJP
   G01N 21/45 20060101ALI20240621BHJP
   G01N 21/49 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G01S17/32
G01S17/95
G01N21/45 Z
G01N21/49 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575720
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2022052842
(87)【国際公開番号】W WO2022259048
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】283921
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520188857
【氏名又は名称】ラファエル アドバンスド ディフェンス システムズ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴルブチック,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュワー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,スティーブ
【テーマコード(参考)】
2G059
5J084
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB02
2G059EE02
2G059EE09
2G059GG01
2G059KK04
5J084AA05
5J084AB08
5J084AD01
5J084AD08
5J084BA03
5J084BA36
5J084BA38
5J084BB31
5J084CA07
5J084CA19
(57)【要約】
コヒーレンス再構成装置は、ターゲットにより反射された光から大気乱流の測定値を生成する。本装置は、シードレーザからの1つまたは複数の部分的にコヒーレントなビームでターゲットを照射するコヒーレントビーム結合(CBC)システムと通信する。本装置は、可変遅延モジュールと位相シフト干渉計(PSI)とを備える。遅延モジュールは、ターゲット飛行時間の測定値を使用して、CBCシード基準レーザからコヒーレント遅延基準信号を形成する。遅延モジュールは、電磁誘導透明化媒体および/または電気光学モジュレータを組み込み得る。PSIは、遅延基準光信号をターゲット反射光信号と結合させることで干渉パターンを形成し、1つまたは複数の乱流位相補正測定値を決定する。本装置は、フィードバック信号および動的同調信号を生成するためのコントローラを備え得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱流大気中を伝播する1つまたは複数の符号化された少なくとも部分的にコヒーレントなビームでターゲットを照射するコヒーレントビーム結合(CBC)システムと通信する、コヒーレンス再構成装置であって、
前記CBCシステムからシードレーザ基準信号およびターゲット飛行時間(TOF)測定値を受信する可変遅延モジュールと、
前記CBCシステムからターゲット反射光信号を受信する位相シフト干渉計(PSI)とを備え、
前記可変遅延モジュールが、符号化された遅延基準光信号を生成し、
前記PSIが、前記ターゲット反射光信号を前記遅延基準光信号と結合させることで干渉パターンを形成し、
前記PSIが、前記干渉パターンから少なくとも1つの乱流位相補正測定値を決定する、コヒーレンス再構成装置。
【請求項2】
前記遅延基準光信号は、二相符号変調および/または多相符号変調の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項3】
前記二相符号変調が、疑似ランダムバイナリシーケンス(PRBS)変調である、請求項2に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項4】
前記多相符号変調が、一般化されたBarker符号またはFrank符号である、請求項2に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項5】
符号変調のクロック周波数が少なくとも1ギガヘルツである、請求項2に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項6】
前記位相シフト干渉計が、1つまたは複数の光検出器を備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項7】
前記位相シフト干渉計が、フォトダイオードアレイを備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項8】
前記ターゲット反射光信号が、前記CBCシステム内の受信機によって提供される、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項9】
乱流補正フィードバック信号を前記CBCシステムに送信するコントローラをさらに備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項10】
動的同調信号を前記可変遅延モジュールに送信するコントローラをさらに備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項11】
前記シードレーザ基準信号が符号化されている、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項12】
前記シードレーザ基準信号が符号化されず、前記可変遅延モジュールが、符号遅延モジュールを備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項13】
前記TOF測定値が、ターゲット範囲追跡機および/またはターゲットインザループ(Target-in-the-Loop)追跡システムによって提供される、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【請求項14】
前記可変遅延モジュールが、電磁誘導透明化(EIT)媒体および/またはポンプレーザを備える、請求項1に記載のコヒーレンス再構成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コヒーレントビーム結合(CBC)システムにおける乱流補償に関し、具体的には、大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非協力的ターゲットに対する高出力レーザシステムの有効性は、大気乱流によって大きく制限される。乱流の影響を軽減する1つのアプローチは、ターゲットに対して、波面センサ(WFS)を備えた形状可変ミラー(DM)およびコヒーレントビーム結合(CBC)を使用する。しかしながら、このアプローチは、強い乱流の存在下ではWFSで位相面を再構成することが困難であるため、弱乱流条件に限定されることが見出されている。同様の制限は、DMを使用せずに複数のレーザビームがレーザ波面を変形させるCBCシステムにも適用される。
【0003】
高レベルの乱流においてより有効であり得る別のアプローチは、例えば、位相シフト干渉計で、ターゲットによって反射されたビームと基準ビームとの間の干渉パターンを解析することによって大気乱流を測定することである。2013年11月5日に、Barchersに発行された米国特許第8,575,528号は、乱流媒体を通って非協力的ターゲットに至る複数のレーザビームをエンドツーエンドで補償するためのコヒーレントフェーズドアレイビームの伝送システムおよび撮像システムを開示している。基準ビームの位相は、干渉パターンをシフトさせ、反射強度に対する感度を低減するために変調される。干渉パターンは、典型的には、高フレームレートのカメラによって測定され、干渉パターンのシフトから、時間とともに変化する大気収差が推定される。このアプローチは、反射ビームの低強度レベルで感度が高く、シャックハルトマンセンサなどの波面センサ(WFS)を使用する場合に、位相勾配による波面ステッチングなどの問題を回避する。このアプローチでは、レーザ光のコヒーレンス長は、ターゲットまでの距離の2倍よりも長くなる必要がある。用途によっては、必要なコヒーレンス長が数キロメートル程度になる場合がある。
【0004】
高いレーザ出力を達成するためには、典型的にはレーザ線幅を広げるか、レーザスペクトル幅を拡大することによって、誘導ブリルアン散乱(SBS)などの非線形の影響を抑制しなければならない。しかしながら、このことは、レーザのコヒーレンス長またはコヒーレンス時間を大幅に減少させる効果を有する。例えば、ファイバレーザ1kWのコヒーレンス長は、SBS抑制後にわずか数ミリメートルになり得る。したがって、高いレーザ出力を達成するために非線形の影響を抑制する必要性は、位相シフト干渉法によって大気乱流を補償するために必要な長いコヒーレンス長の要件と矛盾する。
【0005】
疑似ランダムバイナリシーケンス(Pseudo-Random Binary Sequence:PRBS)変調は、光通信において、決定論的な方法でそのコヒーレンス長を短縮しながら、ファイバレーザの出力を増大させるために使用されてきた。PRBSシーケンスは、典型的に、nビットからなる線形フィードバックシフトレジスタから生成され、2-1(0以外)の二進数の擬似ランダムパターンを生成する。各ビットの継続時間は、シフトレジスタのクロック周波数の逆数である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、高出力のCBCシステムを使用してターゲットを遠距離で照射する場合の、大気乱流の干渉測定のためのコヒーレンス再構成装置を提供する。
【0007】
本明細書で開示される主題の一態様によれば、乱流大気中を伝播する1つまたは複数の符号化された少なくとも部分的にコヒーレントなビームでターゲットを照射するコヒーレントビーム結合(CBC)システムと通信するコヒーレンス再構成装置が提供される。本装置は、CBCシステムからシードレーザ基準信号およびターゲット飛行時間(TOF)測定値を受信する可変遅延モジュールと、CBCシステムからターゲット反射光信号を受信する位相シフト干渉計(PSI)とを備える。可変遅延モジュールは、符号化された遅延基準光信号を生成し、PSIは、ターゲット反射光信号を遅延基準光信号と結合させることで干渉パターンを形成し、干渉パターンから、少なくとも1つの乱流位相補正測定値を決定する。
【0008】
いくつかの態様によれば、遅延基準光信号は、二相符号変調および/または多相符号変調の少なくとも一部を含む。
【0009】
いくつかの態様によれば、二相符号変調は、擬似ランダムバイナリシーケンス(PRBS)変調である。
【0010】
いくつかの態様によれば、多相符号変調は、一般化されたBarker符号またはFrank符号である。
【0011】
いくつかの態様によれば、符号変調のクロック周波数は、少なくとも1ギガヘルツである。
【0012】
いくつかの態様によれば、干渉計は、1つまたは複数の光検出器を備える。
【0013】
いくつかの態様によれば、干渉計は、フォトダイオードアレイを備える。
【0014】
いくつかの態様によれば、ターゲット反射光信号は、CBCシステム内の受信機によって提供される。
【0015】
いくつかの態様によれば、装置は、乱流補正フィードバック信号をCBCシステムに送信するコントローラをさらに備える。
【0016】
いくつかの態様によれば、装置は、動的同調信号を可変遅延モジュールに送信するコントローラをさらに備える。
【0017】
いくつかの態様によれば、シードレーザ基準信号は符号化される。
【0018】
いくつかの態様によれば、シードレーザ基準信号は符号化されず、遅延モジュールは、符号遅延モジュールを備える。
【0019】
いくつかの態様によれば、TOF測定値は、ターゲット範囲追跡機および/またはターゲットインザループ(Target-in-the-Loop)追跡システムによって提供される。
【0020】
いくつかの態様によれば、遅延モジュールは、電磁誘導透明化(EIT)媒体および/またはポンプレーザを備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。
図1】本発明の第1の実施形態に係る、例示的なコヒーレンス再構成装置の概略図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る、例示的なコヒーレンス再構成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、例示的なコヒーレンス再構成装置(100)の概略図を示す。装置(100)は、CBCシステム(10)と通信し、かつ、可変遅延モジュール(120)と位相シフト干渉計(PSI)(140)とを備える。装置は、入力として、
(a)CBCシステムにより提供されるシードレーザ基準信号(27A)、
(b)CBCシステムにより提供されるターゲット反射光信号(65)、および
(c)ターゲット飛行時間(TOF)測定値
を受信する。可変遅延モジュールは、入力信号(a)および入力値(c)を使用して遅延基準光信号(135)を生成する。PSI(140)は、信号(135)を入力信号(b)と結合させることで干渉パターンを形成し、そこから1つまたは複数の乱流位相補正測定値(165)が決定される。
【0023】
次のセクションでは、信号および信号処理機能のそれぞれについて詳しく記載する。
【0024】
シードレーザ基準信号
この信号は、CBCシステム(10)により提供される。CBCシステムは、多数のコヒーレントレーザビームを生成し、かつ一般には非協力的ターゲット(45)を照射するように指示する。説明を明確にするために、図1の例示的なCBCシステムでは、1つの照射ビームだけが示されるが、本発明のコヒーレンス再構成装置は、CBCシステムの複数のビームに対して独立および並行して動作し得ることを理解されたい。
【0025】
シードレーザ(15)は、CBC電気光学モジュレータ(20)にコヒーレント光を注入する。モジュレータ(20)は、符号ジェネレータ(18)から位相変調符号信号(18A)を受信する。位相変調は、二相符号や多相符号などの決定論的符号に対応する。符号ジェネレータ(18)は、典型的に、例えば、1ギガヘルツ(GHz)以上のシフトレジスタのクロック周波数を有する線形フィードバックシフトレジスタを含む。
【0026】
PRBSは二相符号の一例である。PRBS符号は、典型的には、(n)ビットをそれぞれが有する2-1の二進数の反復シーケンスからなり、ここで、1ビットは、0またはpiラジアンの位相シフトを表す。シーケンスは、ランダム化されているが決定論的な順序で配置された0以外のすべての二進数を含む。整数(n)の値は、コヒーレンス再構成に十分な信号対雑音比を提供するために、典型的には8以上である。
【0027】
多相符号は、例えば、一般化されたBarker符号、Frank符号、および信号処理において当業者には既知の、他の様々な変調符号を含む。
【0028】
符号化された光ビームは、図1に破線の矢印で示された伝播経路に沿って、モジュレータ(20)からビームスプリッタ(27)まで伝播する。ビームスプリッタは、符号化された光信号出力の一部をリダイレクトすることでシードレーザ基準信号(27A)を形成する。ビームスプリッタ(27)は、例えば、光ファイバスプリッタ、反射光学系、および/または回折光学素子を使用して実装され得る。図1に示される実施形態では、シードレーザ基準信号(27A)が、既に変調符号で符号化されていることに留意されたい。
【0029】
ターゲット反射光信号
この信号は、CBCシステム(10)により提供される。図1では、ビームスプリッタ(27)は、乱流位相補正器(25)へと入る破線の矢印で示される経路に沿って第2の光ビームを送信する。該乱流位相補正器(25)は、コヒーレンス再構成装置(100)から乱流補正フィードバック信号(175)を受信し、これらがターゲット表面上に形成される照射スポット(40)において同位相で(建設的に)結合するように、CBC出力ビームに光位相の補正を適用する。
【0030】
乱流補正光ビームは、ビームディレクタ(30)に入り、ビームディレクタ(30)は、典型的には、数マイクロラジアン程度の高い角度精度で、ビームを方向付ける。ビームは、CBCシステムから提供される他の照射ビームとともに、ターゲット(45)の表面上の照射スポット(40)に集束される。ターゲットに入射するエネルギーの一部は、反射ビーム(50)を形成し、その位相および強度は、ビームが大気の乱流領域(35)内で移動する気団中を伝播する際に、時間とともに変化する乱流の摂動によって歪められる。
【0031】
CBC受信機(55)は、典型的には、入口開口部を有する望遠鏡光学システムを備え、反射ビーム(50)中の光の一部を受信する。数キロメートルのターゲット範囲では、受信される光力は、CBCシステムにより発せられる光力よりも9~12桁小さくなり得る。受信機は、破線の矢印で示されるターゲット反射光信号(65)をコヒーレンス再構成装置(100)のPSI(140)に送信する。信号(65)は、典型的には、光ファイバまたは自由空間光信号である。
【0032】
ターゲット飛行時間(TOF)測定値
この測定値は、典型的には、ターゲット範囲追跡機またはターゲットインザループ(TIL)システム(図1には示されていない)により提供される。TOFは、ターゲット範囲(R)の2倍を大気中の光速度(c)で割った値に等しくなる。例えば、(c)=3x10メートル/秒、および(R)=3000メートルの場合、TOFは、2R/c=20x10-6秒、つまり20マイクロ秒に等しくなる。
【0033】
図1のコヒーレンス再構成装置(100)の説明を続けると、可変遅延モジュール(120)は、シードレーザ基準信号(27A)およびターゲットのTOF測定値を受信する。モジュール(120)の例示的な実施形態は、電磁誘導透明化(EIT)媒体と、媒体中のシードレーザ基準信号(125)の群速度を調整するポンプレーザとを備えるコヒーレント制御技術デバイスを組み込む。モジュール(120)は、遅延基準光信号(135)を生成する。
【0034】
PSI(140)は、信号(135)およびターゲット反射光信号(65)を受信するが、ここで、これらの信号は両方とも、典型的には、光ファイバまたは自由空間光信号である。PSIは、例えば、フォトダイオードアレイなどの1つまたは複数の光検出器を使用して、2つの信号(65)および(135)間の干渉パターンを形成する。大気の乱流がない場合、2つの信号は一定の位相オフセット内で同位相になり、干渉パターンは存在しない。干渉パターンの存在は大気の乱流によってのみもたらされる。PSI(140)は、干渉パターンを1つまたは複数の乱流測定信号(165)に変換する。一般には、干渉計を使用することで、特に反射ビームの強度が大きく変動することを特徴とする強い乱流領域を反射ビームが通過する場合に、乱流測定信号の信号対雑音比が大幅に向上する。
【0035】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る例示的なコヒーレンス再構成装置(200)の概略図を示す。この実施形態は、次の点で図1の実施形態とは異なる。
【0036】
図2のCBCシステム(20)では、ビームスプリッタ(17)は、シードレーザ(15)とCBCモジュレータ(20)との間に位置づけられており、これは図1のビームスプリッタ(27)の配置とは異なる。ビームスプリッタ(17)は、符号化されていないシードレーザ基準信号(17A)をコヒーレンス再構成装置(200)に送信する。
【0037】
装置(200)では、可変遅延モジュール(220)は、符号遅延モジュール(230)および光遅延モジュール(240)を備える。符号遅延モジュール(230)は、符号ジェネレータ(18)から位相変調符号信号を受信し、遅延符号信号(235)を形成するために、受信したターゲットのTOF測定値に等しい時間遅延を導入する。遅延モジュール(230)は、例えば、デジタルアナログコンバータ(DAC)または電圧制御発振器(VCO)を、その後RF増幅器を使用して、遅延符号信号(235)を生成する。
【0038】
光遅延モジュール(240)は、信号(235)および符号化されていないシードレーザ基準信号(17A)を受信する。可変遅延モジュール(240)は、典型的には、CBモジュレータ(20)で使用されているものと同様のコンポーネントを使用して、符号変調を表すアナログ信号を生成するが、遅延符号信号(235)が追加入力される。アナログ信号は、ニオブ酸リチウムEOモジュレータなどの電気光学(EO)モジュレータを駆動する。該モジュレータは、遅延基準光信号(135)を生成し、この信号は、PSI(140)に送信される。
【0039】
再構成装置(100)および/または再構成装置(200)のさらなる実施形態は、いくつかの機能のうちのいずれか1つを満たすコントローラ(110)を備える。1つの機能は、乱流補正フィードバック信号(175)を生成し、この信号をCBCシステムの乱流位相補正器(25)に送信することである。コントローラ(110)の第2の機能は、動的同調信号(115)を生成して、可変遅延モジュールに送信することである。同調信号は、典型的には、PSIで形成された干渉パターンの増分シフトを解析することによって決定されるTOFオフセットを含む。
【0040】
本開示の実施形態は、二相変調および多相変調の文脈において記載されてきたが、本開示の原理は、他のタイプの位相変調を使用する実装形態にも同様に適用可能である。
【0041】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。記載された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が、当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の応用、または市場で見られる技術に対する技術的改良を最もよく説明するため、または他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。
図1
図2
【国際調査報告】