(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】再生成分を有するポリビニルアルコールおよびポリビニルアセタールを製造するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C08F 8/12 20060101AFI20240621BHJP
C08F 18/08 20060101ALI20240621BHJP
C08F 8/28 20060101ALI20240621BHJP
B29B 17/02 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
C08F8/12
C08F18/08
C08F8/28
B29B17/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575775
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 US2022031710
(87)【国際公開番号】W WO2022260897
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ビティン,ダリル
(72)【発明者】
【氏名】スリヴェンスキー,デヴィッド・ユージン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シャンチュン
【テーマコード(参考)】
4F401
4J100
【Fターム(参考)】
4F401AA15
4F401BA06
4F401CA69
4F401EA59
4J100AG04P
4J100BA03H
4J100FA00
4J100HA09
4J100HA43
4J100HB33
4J100HC09
4J100HC16
4J100HC19
4J100JA11
4J100JA13
4J100JA15
(57)【要約】
再生成分ポリビニルアルコール(r-PVOH)は、1つまたは複数の供給材料からの物理的および/またはクレジットベースの再生成分を、供給材料から製造されるPVOHに利用するプロセスおよびシステムを使用して製造される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生成分を有するポリビニルアルコール(r-PVOH)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させることにより酢酸ビニルを合成するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のアルコールと反応させてポリビニルアルコール(PVOH)を製造するステップとを含み、
前記PVOHが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iii)再生成分アルコール(r-アルコール)、および/または(iv)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
【請求項2】
前記PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的およびクレジットベースの再生成分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記PVOHが、前記r-エチレンおよび/または前記r-酢酸/無水物からの物理的再生成分を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記PVOHが、前記r-アルコールおよび/または前記r-COからのクレジットベースの再生成分を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記r-エチレンの少なくとも一部が廃プラスチックから生成され、前記第1のエチレンが前記r-エチレンの少なくとも一部を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記r-エチレンの少なくとも一部を反応させて再生成分エタノール(r-エタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-エタノールの少なくとも一部を含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
再生成分炭化水素含有供給原料を炭素改質してr-合成ガスストリーム(r-合成ガス)を製造し、前記r-合成ガスの少なくとも一部をメタノール合成に供して再生成分メタノール(r-メタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-メタノールの少なくとも一部を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記炭素改質が、前記炭化水素含有供給原料の部分酸化ガス化を含み、前記第1の酢酸/無水物が、前記r-合成ガスの少なくとも一部から形成される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の酢酸/無水物の少なくとも一部が、第2の合成ガスを第1のメタノールに変換し、次いで、前記メタノールの少なくとも一部を一酸化炭素とのカルボニル化に供して酢酸/無水物を製造するステップにより製造され、前記第2の合成ガスが、前記炭素改質による前記r-合成ガスの少なくとも一部を含み、および/または前記一酸化炭素が、前記r-合成ガス生成中に製造された再生成分一酸化炭素(r-CO)を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記PVOHに再生成分を供給する前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から少なくとも160.93km(100マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造され、前記PVOHが、前記離れた原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から8.04km(5マイル)以内に位置する併設の原料設備で製造され、前記PVOHが、前記併設の原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からの物理的再生成分を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記再生PVOHの少なくとも一部を、少なくとも1種のアルデヒドでアセタール化して、再生成分ポリビニルアセタールを形成するステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記アルデヒドがC3~C6アルデヒドである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を、前記PVOHに利用するステップをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記PVOHまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記PVOHに再生成分を割り当てるステップとを含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方がメタノールを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記帰属させるステップが、(i)前記少なくとも1つの原料物質に帰属し得る再生成分クレジットをデジタルインベントリに記録するステップと、(ii)前記デジタルインベントリから再生成分クレジットを前記標的材料に割り当てるステップとを含み、前記追跡するステップが、前記化学経路に沿った1つまたは複数の化学反応について1つまたは複数の変換率を決定するステップを含み、前記帰属させるステップが、デジタルインベントリからクレジットベースの再生成分を前記標的材料に割り当てるステップを含み、前記変換率が、前記標的材料に利用される前記クレジットベースの再生成分のうち前記PVOHに割り当てられる量を決定する、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
再生成分を有するポリビニルアセタール(r-PVAc)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させて、酢酸ビニルを製造するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のエタノールとのアルコール分解に供して、ポリビニルアルコールを製造するステップと;
(d)前記ポリビニルアルコールの少なくとも一部を第1のアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルアセタールを製造するステップとを含み、
前記ポリビニルアセタールが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分合成ガス(r-合成ガス)、(iii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iv)再生成分一酸化炭素、および(v)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
【請求項19】
オレフィンを第1の合成ガスでヒドロホルミル化して前記第1のアルデヒドをもたらすステップをさらに含み、前記第1の合成ガスは、前記アルデヒドが再生成分アルデヒド(r-アルデヒド)となるように、前記r-合成ガスの少なくとも一部を含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を前記ポリビニルアセタールに利用するステップをさらに含み、前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記ポリビニルアセタールまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記ポリビニルアセタールに再生成分を割り当てるステップとを含み、以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方が合成ガスを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、請求項18に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]ポリビニルアルコールは、多種多様な用途に使用される重要な化学物質である。例えば、ポリビニルアルコールは、低固形分含有量が所望される高粘度溶液の増粘剤または保護コロイドとして使用される。また、ポリビニルアルコールは、紙および繊維のサイジング用途や、合わせ安全ガラスを形成する際に接着中間膜として使用されるポリビニルブチラールなどのポリマーの製造における中間体としても使用される。
【0002】
[0002]再生化学製品の需要は増加の一途をたどっているが、メカニカルリサイクルによってポリビニルアルコールをリサイクルする明確な方法はない。したがって、再生成分ポリビニルアルコールを製造する商業的プロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
[0003]一態様において、本技術は、再生成分を有するポリビニルアルコール(r-PVOH)を製造するためのプロセスであって、(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させることにより酢酸ビニルを合成するステップと;(b)酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;(c)ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のアルコールと反応させてポリビニルアルコール(PVOH)を製造するステップとを含み、PVOHが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iii)再生成分アルコール(r-アルコール)、および/または(iv)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセスに関する。
【0004】
[0004]一態様において、本技術は、再生成分を有するポリビニルアセタールを製造するためのプロセスであって、(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を第1の酸素と反応させて、酢酸ビニルを製造するステップと;(b)酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させて、ポリ酢酸ビニルを製造するステップと;(c)ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部をエタノールとのアルコール分解に供して、ポリビニルアルコールを製造するステップと;(d)ポリビニルアルコールの少なくとも一部を第1のアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルアセタールを製造するステップとを含み、ポリビニルアセタールが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分合成ガス(r-合成ガス)、(iii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iv)再生成分一酸化炭素、および(v)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】[0005]再生成分ポリビニルアルコール(r-PVOH)および任意選択で再生成分ポリビニルアセタール(r-PVAc)を生成するためのプロセスの主なステップおよび設備を示すブロックフロー図である。ここで、r-PVOH(およびr-PVAc)は、1つまたは複数の原料物質からの物理的再生成分を有する。
【
図2】[0006]再生成分ポリビニルアルコール(r-PVOH)および任意選択で再生成分ポリビニルアセタール(r-PVAc)を生成するためのプロセスの主なステップおよび設備を示すブロックフロー図である。ここで、r-PVOH(およびr-PVAc)は、1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を有する。
【
図3】[0007]再生成分ポリビニルアルコール(r-PVOH)および任意選択で再生成分ポリビニルアセタール(r-PVAc)を生成するためのプロセスの主なステップおよび設備を示すブロックフロー図である。ここで、r-PVOH(およびr-PVAc)は、1つまたは複数の原料物質からの物理的再生成分とクレジットベースの再生成分の両方を有する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0008]本発明者らは、再生成分を有するポリビニルアルコール(PVOH)、および任意選択でポリビニルアセタールを製造するための新しい方法およびシステムを発見した。より詳細には、本発明者らは、廃プラスチックのリサイクルを促進するやり方で、廃プラスチックのような廃棄物からの再生成分をPVOHに利用し、相当量の再生成分を有するPVOHをもたらす、PVOHを製造するためのプロセスおよびシステムを発見した。
【0007】
[0009]一般に、PVOHは、酸素の存在下でエチレンと酢酸/無水物を酸化的付加反応させて酢酸ビニルを生成することを介して形成され得る。次いで、酢酸ビニルの少なくとも一部が重合されてポリ酢酸ビニルを形成し、次いでポリ酢酸ビニルがアルコール(通常はメタノールまたはエタノール)で加水分解されてポリビニルアルコールを製造することができる。いくつかの実施形態において、次いで、ポリビニルアルコールをアルデヒドと縮合させてポリビニルアセタールを形成することができる。PVOHは、例えば廃プラスチック、再生成分エチレン(r-エチレン)、再生成分一酸化炭素(r-CO)、再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、再生成分アルコール(r-アルコール)を含む1つまたは複数の原料物質からの再生成分を含むことができる。PVOHをアルデヒドと反応させてポリビニルアセタール(PVAc)を形成する場合、PVAcは、例えば廃プラスチック、r-エチレン、r-酢酸/無水物、r-CO、r-アルコール(r-メタノールまたはr-エタノール)、r-合成ガスを含む1つまたは複数の原料物質からの再生成分を含むことができる。PVOH(および製造される場合はPVAc)中の再生成分は、物理的再生成分であってもよく、これらのストリームのうちの少なくとも1つに直接由来するものであってもよく、および/または、再生成分はクレジットベースの再生成分であってもよく、これらの原料ストリームのうちの1つまたは複数からPVOH(またはPVAc)プロセス中の標的ストリームに利用されるものであってもよい。
【0008】
[0010]ここで
図1を参照すると、物理的(直接)再生成分を有するPVOHを形成するためのプロセスおよび設備の一実施形態が示されている。PVOH中の再生成分は、廃プラスチックの熱分解およびクラッキング、ならびに/または再生成分炭化水素含有供給物(r-HC)の炭素改質に由来してもよい。得られるPVOHは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、または少なくとも65%、および/または99%未満、95%未満、90%未満、または85%未満の総再生成分を有することができる。
【0009】
[0011]
図1に示されるように、廃プラスチックが熱分解されて、再生成分熱分解ガス(r-パイガス)および再生成分熱分解油(r-パイオイル)を形成することができる。r-パイガスおよび/またはr-パイオイルのすべてまたは一部は、クラッキング設備に導入されてもよく、該設備で、再生成分エチレン(r-エチレン)などの再生成分オレフィンを製造するために使用されてもよい。クラッキング設備への供給物は、r-パイオイルおよび/またはr-パイガスのみを含むことができ、ナフサ(例えば、C5~C22)または軽質炭化水素成分(例えば、C2~C5)のような非再生成分炭化水素も含むことができる。
【0010】
[0012]
図1に示されるように、クラッキングおよび/または熱分解による再生成分エチレンのすべてまたは一部は、酢酸/無水物および酸素との酸化的付加反応に使用されて、再生成分酢酸ビニル(r-酢酸ビニル)を形成することができる。一実施形態において、酸化的付加への供給物の少なくとも一部は、非再生成分エチレンを含むことができる。いくつかの実施形態において、付加反応に使用されるエチレンは、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、または100%の再生成分を含むことができる。
【0011】
[0013]いくつかの実施形態において、PVOH製造設備はまた、再生成分炭化水素含有供給ストリーム(r-HC)を炭素改質して、物理的再生成分を有する再生成分合成ガス(r-合成ガス)および再生成分一酸化炭素(r-CO)を製造することを含んでもよい。一実施形態において、炭素改質への供給物は、再生成分供給成分(例えば、廃プラスチック)と非再生成分供給成分(例えば、石炭、液体炭化水素、および/またはガス状炭化水素)の両方を含むことができる。一実施形態において、炭素改質は、石炭および廃プラスチックが供給される部分酸化ガス化である。別の実施形態において、炭素改質は、大部分が廃プラスチックである供給物のプラズマガス化である。さらに別の実施形態において、炭素改質は、非再生成分液体またはガス状炭化水素、および廃プラスチックの熱分解により製造された再生成分熱分解油が供給される、部分酸化ガス化である。いくつかの実施形態において、炭素改質は触媒改質を含むことができ、他の実施形態において、炭素改質は水蒸気改質を含むことができる。
【0012】
[0014]いくつかの実施形態において、炭素改質によるr-合成ガスの少なくとも一部を触媒の存在下で反応させて、再生成分メタノール(r-メタノール)を形成することができる。次いで、このr-メタノールがカルボニル化を受けて、再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)を形成することができる。r-酢酸ビニルを製造するために使用される酢酸/無水物のすべてまたは一部は、r-合成ガス(および/またはr-メタノール)から形成されたr-酢酸/無水物であってもよい。いくつかの実施形態において、合成ガス、メタノール、および/または酢酸/無水物の少なくとも一部は、非再生成分材料であってもよい。いくつかの実施形態において、合成ガス、メタノール、および/または酢酸は、それぞれ少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、または100%の再生成分を含むことができる。
【0013】
[0015]
図1に示されるように、PVOH製造設備で形成されたr-酢酸ビニルは、次いで重合されて、再生成分ポリ酢酸ビニル(r-ポリ酢酸ビニル)を形成することができ、ポリ酢酸ビニルは、さらにアルコール(例えば、エタノールまたはメタノール)と反応させて、再生成分ポリビニルアルコール(r-ポリビニルアルコール)を形成することができる。一実施形態において、アルコールの少なくとも一部は、再生成分アルコールを含むことができる。例えば、アルコール分解反応中にエタノールが使用される場合、エタノールのすべてまたは一部は、
図1に示されるクラッキングおよび/または熱分解に由来してもよい再生成分エチレン(r-エチレン)の加水分解によって形成されてもよい。また、アセトアルデヒドの水素化など、r-エタノールを製造するための他の好適なプロセスが使用されてもよい。場合によっては、PVOH設備内のアセトアルデヒド(酢酸ビニル生成反応の副生成物)の少なくとも一部が使用されてr-エタノールを形成してもよい。同様に、メタノールがr-ポリ酢酸ビニルのアルコール分解に使用される場合、メタノールのすべてまたは一部は、前述のようにr-合成ガスの触媒合成に由来してもよい。
【0014】
[0016]アルコール分解の後、得られるr-PVOHストリームは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、または少なくとも65%、および/または100%、または99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、または70%未満の再生成分を有することができる。
【0015】
[0017]r-PVOH中の物理的再生成分の量は、廃プラスチックから始まりPVOHで終わる化学経路に沿って再生材料の量を追跡することによって決定され得る。化学経路は、出発材料(例えば、廃プラスチック)とPVOHの間のすべての化学反応およびその他の処理ステップ(例えば、分離)を含む。
図1において、化学経路は、熱分解、クラッキング、炭素改質、触媒合成、カルボニル化、酸化的付加、重合、アルコール分解を含む。
【0016】
[0018]1つ以上の実施形態において、変換率は、化学経路に沿った各ステップに関連し得る。変換率は、化学的経路に沿った各ステップにおいて転換または損失される再生成分の量を説明する。例えば、変換率は、化学経路に沿った化学反応の変換、収率、および/または選択性を説明することができる。
【0017】
[0019]r-PVOHに利用される再生成分の量は、さまざまなプロセスにおけるさまざまな材料中の再生成分を定量化、追跡、および計上するさまざまな方法のうちの1つを使用して決定され得る。「マスバランス」として知られる好適な1つの方法は、プロセス中の再生成分の質量に基づいて再生成分を定量化、追跡、および計上するものである。特定の実施形態において、再生成分を定量化、追跡、および計上する方法は、方法の正確性を確認し、r-PVOHへの再生成分の利用について認証を提供する認証機関によって監督される。
【0018】
[0020]
図1~3に任意選択として示されるいくつかの実施形態において、r-PVOHのすべてまたは一部をアルデヒドでさらに縮合(例えば、アセタール化)させて、再生成分ポリビニルアセタール(r-PVAc)を形成することができる。アルデヒドは、C2~C24、C3~C10、もしくはC4~C6アルデヒドであってもよく、または、例えばブチルアルデヒドを含むことができる。いくつかの実施形態において、アルデヒドは、(例えば、
図1に示されるように、再生成分合成ガスを用いたオレフィンのヒドロホルミル化による)再生成分を含むことができ、または非再生成分アルデヒドを含んでもよい。
図1には示されていないが、オレフィンのすべてまたは一部も再生成分を有してもよく、場合によっては、合成ガス(例えば、再生成分プロピレン)の熱分解およびクラッキングに由来してもよい。使用されるアルデヒドがC4アルデヒドである場合、得られるポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールを含むことができる。
【0019】
[0021]ここで
図2を参照すると、r-PVOHが物理的再生成分を有さず、クレジットベースの再生成分を有する実施形態が示されている。
図2に示されるプロセスおよびシステムでは、r-酢酸/無水物およびr-エチレンは酢酸ビニル合成反応に直接供給されず、r-メタノールはアルコール分解に使用されない。加えて、r-エチレンはアルコール分解のためのr-エタノールを生成するために直接使用されず、r-COは酢酸/無水物の形成に直接使用されない。
【0020】
[0022]その代わりに、
図2に示される再生成分ストリーム(例えば、r-エチレン、r-メタノール、r-酢酸/無水物、r-CO、および使用される場合はr-合成ガス)からの再生成分クレジットは、製造設備内の1つまたは複数のストリームに帰属してもよい。例えば、上記のストリームのうちの1つまたは複数からの再生成分クレジットは、酢酸ビニル合成ステップに供給されるエチレンおよび/または酢酸/無水物、アルコール分解ステップに供給されるエタノールまたはメタノール、および/またはヒドロホルミル化ステップ(実施される場合)に供給される合成ガスに帰属してもよい。このように、r-エチレン、r-メタノール、r-酢酸/無水物、r-CO、および使用される場合、r-合成ガスはそれぞれ、再生成分クレジットの「原料物質」として機能し、酢酸ビニル合成ステップに供給されるエチレンおよび/または酢酸/無水物、アルコール分解ステップに供給されるエタノールまたはメタノール、および/またはヒドロホルミル化ステップに供給される合成ガス(実施される場合)はそれぞれ、再生成分クレジットが帰属する「標的材料」として機能する。
【0021】
[0023]1つ以上の実施形態において、原料物質は物理的再生成分を有し、標的材料は100%未満の物理的再生成分を有する。例えば、原料物質は、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも99%、または100%の物理的再生成分を有することができ、および/または標的材料は、100%未満、99%未満、90%未満、75%未満、50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満の物理的再生成分を有することができる。
【0022】
[0024]原料物質から標的材料への再生成分クレジットの帰属が可能であることは、(物理的再生成分を有する)原料物質を生成する設備とPVOH(またはポリビニルアセタール)を生成する設備のコロケーション要件を取り除く。これにより、ある場所にあるケミカルリサイクル設備/現場が、廃棄物を1つまたは複数の再生成分原料物質に処理し、それらの原料物質から得られた再生成分クレジットを、ケミカルリサイクル設備/現場から離れた場所に位置する既存の商業設備で処理されている1つまたは複数の標的材料に利用することができる。さらに、再生成分クレジットを使用することで、異なる事業体が原料物質やr-PVOHを製造することが可能になる。これにより、r-PVOHを製造するために既存の商業資産を効率的に使用することができる。1つまたは複数の実施形態において、原料物質は、PVOHを製造するために標的材料が使用される設備/現場から少なくとも0.16km(0.1マイル)、少なくとも0.80km(0.5マイル)、少なくとも1.60km(1マイル)、少なくとも8.04km(5マイル)、少なくとも16.09km(10マイル)、少なくとも80.46km(50マイル)、少なくとも160.93km(100マイル)、少なくとも804.67km(500マイル)、または少なくとも1609.34km(1000マイル)離れた設備/現場で生成される。
【0023】
[0025]原料物質(例えば、廃プラスチックの熱分解/クラッキングにより製造されたr-エチレン)から標的材料(例えば、酢酸ビニル合成ステップに供給されるエチレン)への再生成分クレジットの帰属は、再生成分クレジットを原料物質から標的材料に直接移すことによって達成され得る。あるいは、
図2に示されるように、廃プラスチック、炭素改質ステップへの再生成分炭化水素供給物(r-HC)、r-合成ガス、r-CO、r-メタノール、r-エチレン、および/またはr-酢酸/無水物のいずれかから、再生成分インベントリを介してPVOH(またはポリビニルアセタール)に再生成分クレジットを利用することができる。再生成分インベントリは、さまざまな現場におけるさまざまな材料の再生成分をさまざまな期間にわたって記録し追跡するために使用されるデジタルインベントリまたはデータベースとすることができる。
【0024】
[0026]再生成分インベントリが使用される場合、物理的再生成分を有する原料物質(例えば、
図2の廃プラスチック、r-HC、r-エチレン、r-合成ガス、r-CO、r-メタノール、および/またはr-酢酸/無水物)からの再生成分クレジットは、再生成分インベントリに記録される。再生成分インベントリはまた、他の原料および他の期間からの再生成分クレジットを含有することもできる。一実施形態において、再生成分インベントリ内の再生成分クレジットは、原料物質と同一または類似の組成を有する標的材料にのみ割り当てることができる。例えば、
図2に示されるように、熱分解/クラッキングによるr-エチレンから再生成分インベントリに記録された再生成分クレジットは、合成に供給されるエチレンに割り当てることができる。これは、2つのエチレンストリームが同一または類似の組成を有するためである。しかし、r-エチレンからの再生成分クレジットは、アルコール分解に供給されるメタノールには割り当てられない。これは、原料物質および標的材料が同一または類似ではないためである。
【0025】
[0027]いくつかの実施形態において、設備において1つまたは複数の廃プラスチック含有材料が受領された時点で、再生成分クレジットのすべてまたは一部が、1つまたは複数の標的材料(例えば、合成ガス)に利用されてもよい。すなわち、クレジットベースの再生成分を標的材料に利用する前に、廃プラスチック(または再生成分炭化水素供給物)を処理する必要はない。その代わりに、廃プラスチック(または廃プラスチック含有材料)が設備で受領されることで、1つまたは複数の標的材料に再生成分クレジットを利用することが可能になり得る。しかし、ほとんどの場合、そのような廃プラスチックは、その後30日、60日、90日以内に設備で処理され、1つまたは複数の標的材料が製造される。再生成分クレジットが標的材料(例えば、触媒合成に供給されるエチレンおよび/もしくは酢酸/無水物、ならびに/または
図2のアルコール分解の際に供給されるメタノールもしくはエタノール)に帰属すると、PVOHに割り当てられたクレジットベースの再生成分量は、標的材料からPVOHまでの化学経路に沿って再生成分を追跡することによって計算される。化学経路は、標的材料とPVOHの間のすべての化学反応およびその他の処理ステップ(例えば、分離)を含み、変換率は、クレジットベースの再生成分の化学経路に沿った各ステップに関連し得る。変換率は、化学的経路に沿った各ステップにおいて転換または損失される再生成分の量を説明する。例えば、変換率は、化学経路に沿った化学反応の変換、収率、および/または選択性を説明することができる。
【0026】
[0028]物理的再生成分と同様に、r-PVOHに利用されるクレジットベースの再生成分の量は、さまざまなプロセスにおけるさまざまな材料中の再生成分を定量化、追跡、および計上するさまざまな方法のうちの1つ、例えばマスバランスを使用して決定され得る。特定の実施形態において、再生成分を定量化、追跡、および計上する方法は、方法の正確性を確認し、r-PVOHへの再生成分の利用について認証を提供する認証機関によって監督される。
【0027】
[0029]
図4のプロセスによって製造されるr-PVOHは、25~90%、40~80%、または55~65%のクレジットベースの再生成分と、50%未満、25%未満、10%未満、5%未満、または1%未満の物理的再生成分とを有することができる。特定の実施形態において、PVOHは、r-合成ガス、r-CO、r-メタノール、r-エチレン、およびr-酢酸/無水物のうちの1つまたは複数からそれぞれ10~80%、20~75%、または25~70%のクレジットベースの再生成分を有することができる。
【0028】
[0030]1つ以上の実施形態において、r-PVOH生成物の再生成分は、物理的再生成分とクレジットベースの再生成分の両方を含むことができる。例えば、r-PVOHは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の物理的再生成分、および少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%のクレジットベースの再生成分を有することができる。本明細書で使用される場合、「総再生成分」という用語は、すべての原料からの物理的再生成分およびクレジットベースの再生成分の累積量を指す。
【0029】
[0031]
図3は、r-PVOH製造プロセスおよびシステムのいくつかの実施形態を示しており、物理的再生成分およびクレジットベースの再生成分がr-PVOHに帰属する。
図3に示される物理的再生成分(実線)とクレジットベースの再生成分(破線)の任意の組み合わせが使用されて、PVOHを形成する、および/またはPVOHに帰属し、r-PVOHを製造することができる。例えば、物理的再生成分は、r-エチレン、r-CO、r-酢酸/無水物、r-メタノール、および使用される場合にはr-合成ガスを含む、
図3に示される原料のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、またはすべてによって供給されることができ、クレジットベースの再生成分は、
図3に示される他の原料のうちの1つまたは複数によって供給されることができる。いくつかの実施形態において、r-PVOHは、10~60%、20~50%、または25~40%の物理的再生成分、および10~60%、20~50%、または25~40%のクレジットベースの再生成分を含むことができる。あるいは、r-PVOHは、15%未満、10%未満、または5%未満の物理的再生成分(またはクレジットベースの再生成分)、および少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%のクレジットベースの再生成分(または物理的再生成分)を含むことができる。
【0030】
[0032]例えば、いくつかの実施形態において、物理的再生成分は、触媒合成に供給されるr-エチレンによって提供され得、クレジットベースの再生成分は、同じプロセスに供給される酢酸/無水物によって提供され得る。他の実施形態において、物理的再生成分は酢酸/無水物によって提供され得、エチレンはクレジットベースの再生成分をもたらすことができる。あるいは、酢酸/無水物とエチレンの両方を物理的再生成分の原料とすることも、その両方がクレジットベースの再生成分を提供することもできる。
【0031】
[0033]同様に、アルコール分解にエタノールが使用される場合、エチレンから物理的および/またはクレジットベースの再生成分を提供することができる。場合によっては、r-エタノールを形成するために使用されるエチレンは、廃プラスチックの熱分解により形成されてもよい。同様に、アルコール分解にメタノールが使用される場合、典型的には合成ガスから、物理的および/またはクレジットベースの再生成分を提供することができる。場合によっては、r-メタノールを形成するために使用される合成ガスは、再生成分炭化水素含有供給物の炭素改質により形成され得る。
【0032】
[0034]
図1に示される実施形態を再び参照すると、炭素改質設備および/または熱分解/クラッキング設備は、r-PVOH製造設備と併設されていてもよい。
図2に示される実施形態において、炭素改質設備および/または熱分解/クラッキング設備は、r-PVOH製造設備から離れた場所に位置してもよい。
図3に示される実施形態において、r-PVOH設備に物理的再生成分を供給する熱分解/クラッキング設備の一部は、併設されていてもよく、r-PVOH設備にクレジットベースの再生成分を供給する熱分解/クラッキング設備の一部は、離れた場所に位置してもよい。離れた場所に位置する場合、2つの設備は、他方から少なくとも0.80km(0.5マイル)、1.60km(1マイル)、8.04km(5マイル)、16.09km(10マイル)、160.93km(100マイル)、804.67km(500マイル)、1609.34km(1000マイル)、または16093.44km(10,000マイル)離れていてもよい。併設されている場合、2つの設備は互いに8.04km(5マイル)、1.60km(1マイル)、0.80km(0.5マイル)、または0.40km(0.25マイル)以内にあることができる。アセタール化が実施される場合、熱分解/クラッキング設備、炭素改質設備、PVOH設備に関する上記のうちの1つまたは複数がPVAc設備にも当てはまる。前述したように、離れた場所に位置する場合、2つ以上の設備が同じまたは異なる営利事業体によって所有および/または稼働されていてもよい。
【0033】
[0035]再生成分PVOHは、さまざまな最終用途に使用され得る。例えば、r-PVOHは、繊維や紙の用途でサイジング剤として使用されてもよく、接着剤配合物に1種または複数のポリマーと一緒に配合されてもよい。r-PVOHはまた、乳化剤および/またはコーティングの成分として使用されてもよく、さらに処理/反応させて再生成分ポリマー(例えば、本明細書で説明されるポリビニルアセタールなど)を形成することもできる。
【0034】
請求項の補足説明-第1の実施形態
[0036]本技術の第1の実施形態において、再生成分を有するポリビニルアルコール(r-PVOH)を製造するためのプロセスであって、(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させることにより酢酸ビニルを合成するステップと;(b)酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;(c)ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のアルコールと反応させてポリビニルアルコール(PVOH)を製造するステップとを含み、PVOHが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iii)再生成分アルコール(r-アルコール)、および/または(iv)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセスに関する。
【0035】
[0037]前の段落に記載される第1の実施形態は、以下に列挙される追加の態様のうちの1つまたは複数を含むこともできる。第1の実施形態の、以下の各追加の態様は、独立した特徴であってもよく、または矛盾のない範囲で他の追加の態様のうちの1つまたは複数と組み合わされてもよい。加えて、以下の箇条書きの段落は、箇条書きのリストにおける字下げの程度によって示される従属のレベルを有する従属請求項の特徴と考えることができる(すなわち、その上に列挙された特徴よりもさらに字下げされた特徴は、その上に列挙された特徴に従属していると考えられる)。
【0036】
●r-アルコールが、メタノールを含む。
○r-メタノールが、再生成分合成ガス(r-合成ガス)から形成される。
■r-合成ガスの少なくとも一部が、再生成分炭化水素供給ストリームの炭素改質により形成される。
【0037】
●r-アルコールが、エタノールを含む。
○r-エタノールが、再生成分エチレン(r-エチレン)から形成される。
■r-エチレンの少なくとも一部が、廃プラスチックの熱分解により形成される。
【0038】
●PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的およびクレジットベースの再生成分を含む。
●PVOHが、r-エチレンおよび/またはr-酢酸/無水物からの物理的再生成分を含む。
【0039】
●PVOHが、r-アルコールおよび/またはr-COからのクレジットベースの再生成分を含む。
●r-エチレンの少なくとも一部が廃プラスチックから生成され、第1のエチレンがr-エチレンの少なくとも一部を含む。
【0040】
●r-エチレンの少なくとも一部を反応させて再生成分エタノール(r-エタノール)を形成するステップをさらに含み、第1のアルコールがr-エタノールの少なくとも一部を含む。
【0041】
●再生成分炭化水素含有供給原料を炭素改質してr-合成ガスストリーム(r-合成ガス)を製造し、r-合成ガスの少なくとも一部をメタノール合成に供して再生成分メタノール(r-メタノール)を製造するステップをさらに含み、第1のアルコールがr-メタノールの少なくとも一部を含む。
【0042】
●炭素改質が、炭化水素含有供給原料の部分酸化ガス化を含み、第1の酢酸/無水物が、r-合成ガスの少なくとも一部から形成される。
●第1の酢酸/無水物の少なくとも一部が、第2の合成ガスを第1のメタノールに変換し、次いで、メタノールの少なくとも一部を一酸化炭素とのカルボニル化に供して酢酸/無水物を製造するステップにより製造され、第2の合成ガスが、炭素改質によるr-合成ガスの少なくとも一部を含み、および/または一酸化炭素が、r-合成ガス生成中に製造された再生成分一酸化炭素(r-CO)を含む。
【0043】
●合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、PVOHに再生成分を供給する原料物質のうちの少なくとも1つが、PVOH製造設備から少なくとも160.93km(100マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造され、PVOHが、離れた原料設備で製造された少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む。
【0044】
●合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、原料物質のうちの少なくとも1つが、PVOH製造設備から8.04km(5マイル)以内に位置する併設の原料設備で製造され、PVOHが、併設の原料設備で製造された少なくとも1つの原料物質からの物理的再生成分を含む。
【0045】
●再生PVOHの少なくとも一部を、少なくとも1種のアルデヒドでアセタール化して、再生成分ポリビニルアセタールを形成するステップをさらに含む。
●アルデヒドが、C3~C6アルデヒドである。
【0046】
●1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を、PVOHに利用するステップをさらに含む。
●利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)少なくとも1つの標的材料からPVOHまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)化学経路に沿った再生成分の追跡に少なくとも部分的に基づいて、PVOHに再生成分を割り当てるステップとを含む。
【0047】
●以下の基準:(i)原料物質と標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)原料物質と標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)原料物質と標的材料の両方がメタノールを含む、および/または(iv)原料物質と標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている。
【0048】
●帰属させるステップが、(i)少なくとも1つの原料物質に帰属し得る再生成分クレジットをデジタルインベントリに記録するステップと、(ii)デジタルインベントリから再生成分クレジットを標的材料に割り当てるステップとを含み、追跡するステップが、化学経路に沿った1つまたは複数の化学反応について1つまたは複数の変換率を決定するステップを含み、帰属させるステップが、デジタルインベントリからクレジットベースの再生成分を標的材料に割り当てるステップを含み、変換率が、標的材料に利用されるクレジットベースの再生成分のうちPVOHに割り当てられる量を決定する。
【0049】
●再生成分合成ガス(r-合成ガス)を含む合成ガスストリームからメタノールを合成して再生成分メタノール(r-メタノール)を形成し、r-メタノールの少なくとも一部をカルボニル化に供して再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)を形成するステップをさらに含み、酢酸ビニルの合成に使用される第1の酢酸/無水物がr-酢酸/無水物を含む。
【0050】
●第1のプロピレンを第1の合成ガスでヒドロホルミル化して、再生成分n-ブチルアルデヒド(r-n-ブチルアルデヒド)を形成するステップをさらに含み、第1のプロピレンおよび第1の合成ガスのうちの少なくとも1つが、再生成分プロピレン(r-プロピレン)または再生成分合成ガス(r-合成ガス)を含み、第1のn-ブチルアルデヒドが、r-n-ブチルアルデヒドの少なくとも一部を含む。
【0051】
○第1のプロピレンが、r-プロピレンを含む。
■r-プロピレンが、廃プラスチックの熱分解により形成される。
○第1の合成ガスが、r-合成ガスを含む。
【0052】
■r-合成ガスが、廃プラスチックを含む再生成分炭化水素供給物の炭素改質により形成される。
●PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的再生成分を含む。
【0053】
●PVOHが、1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む。
●PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的およびクレジットベースの再生成分を含む。
【0054】
●PVOHが、r-エチレンからの再生成分を含む。
○PVOHが、r-エチレンからの物理的再生成分を含む。
○PVOHが、r-エチレンからのクレジットベースの再生成分を含む。
【0055】
●PVOHが、r-COからの再生成分を含む。
○PVOHが、r-COからの物理的再生成分を含む。
○PVOHが、r-COからのクレジットベースの再生成分を含む。
【0056】
●PVOHが、r-メタノールからの再生成分を含む。
○PVOHが、r-メタノールからの物理的再生成分を含む。
○PVOHが、r-メタノールからのクレジットベースの再生成分を含む。
【0057】
●PVOHが、r-酢酸/無水物からの再生成分を含む。
○PVOHが、r-酢酸/無水物からの物理的再生成分を含む。
○PVOHが、r-酢酸/無水物からのクレジットベースの再生成分を含む。
【0058】
●合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、PVOHに再生成分を供給する原料物質のうちの少なくとも1つが、PVOH製造設備から少なくとも0.80km(0.5マイル)、1.60km(1マイル)、8.04km(5マイル)、16.09km(10マイル)、160.93km(100マイル)、804.67km(500マイル)、1609.34km(1000マイル)、または16093.44km(10,000マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造される。
【0059】
○PVOHが、離れた場所にある原料設備で製造された少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む。
●反応、重合、加水分解、アセタール化がPVOH製造設備で行われ、原料物質のうちの少なくとも1つが、PVOH製造設備から8.04km(5マイル)、1.60km(1マイル)、0.80km(0.5マイル)、または0.40km(0.25マイル)以内に位置する併設の原料設備で製造される。
【0060】
○PVOHが、離れた場所にある原料設備で製造された少なくとも1つの原料物質からの物理的再生成分を含む。
●少なくとも1種の再生成分炭化水素含有供給原料からr-合成ガスを生成するステップをさらに含む。
【0061】
○生成するステップが、炭化水素含有供給原料の部分酸化ガス化および/または水蒸気改質を含む。
○以下の基準:
(i)第1のアルコールが、r-合成ガスの少なくとも一部から形成されたメタノールを含む、および/または
(ii)第1の酢酸/無水物が、r-合成ガスの少なくとも一部から形成される、のうちの少なくとも1つが満たされている。
【0062】
○第1の酢酸/無水物の少なくとも一部が、第2の合成ガスをメタノールに変換し、次いで、メタノールの少なくとも一部をカルボニル化に供して酢酸/無水物を製造するステップにより製造される。
【0063】
■第2の合成ガスが、再生成分炭化水素含有供給原料から形成されたr-合成ガスの少なくとも一部を含む。
●r-エチレンの少なくとも一部が、廃プラスチックから生成される。
【0064】
○r-エチレンの少なくとも一部が、廃プラスチックを熱分解および/またはクラッキングすることにより生成される。
○第1のエチレンが、r-エチレンの少なくとも一部を含む。
【0065】
●1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を、PVOHに利用するステップをさらに含む。
○利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)少なくとも1つの標的材料からPVOHまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)化学経路に沿った再生成分の追跡に少なくとも部分的に基づいて、PVOHに再生成分を割り当てるステップとを含む。
【0066】
■以下の基準:(i)原料物質と標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)原料物質と標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)原料物質と標的材料の両方が一酸化炭素を含む、および/または(iv)原料物質と標的材料の両方がメタノールを含む、のうちの少なくとも1つが満たされている。
【0067】
●少なくとも1つの標的材料が、第1の酢酸/無水物、第1のエチレン、および/または第1のアルコールのうちの1つまたは複数を含む。
■以下の基準(i)~(iv):
(i)原料物質が、物理的再生成分を有するr-合成ガスを含む、
(ii)原料物質が、物理的再生成分を有するr-酢酸/無水物を含み、標的材料が、第1の酢酸/無水物を含む、
(iii)原料物質が、物理的再生成分を有するr-COを含む、および/または
(iv)原料物質が、物理的再生成分を有するr-エチレンを含み、標的材料が、第1のエチレンを含む、のうちの少なくとも1つが満たされている。
【0068】
■帰属させるステップが、(i)少なくとも1つの原料物質に帰属し得る再生成分クレジットをデジタルインベントリに記録するステップと、(ii)デジタルインベントリから標的材料に再生成分クレジットを割り当てるステップとを含む。
【0069】
●追跡するステップが、化学経路に沿った1つまたは複数の化学反応について1つまたは複数の変換率を決定するステップを含み、帰属させるステップが、デジタルインベントリからクレジットベースの再生成分を標的材料に割り当てるステップを含み、変換率が、標的材料に利用されるクレジットベースの再生成分のうちPVOHに割り当てられる量を決定する。
【0070】
●プロセスが、クレジットベースの再生成分の利用について認証機関から認証を得るステップをさらに含む。
●原料物質の再生成分が、廃プラスチック由来である。
【0071】
●原料物質および標的材料が、実質的に同じ物理的組成を有する。
●原料物質の少なくとも50、75、90、95、99、または100重量%が、標的材料と同一である。
【0072】
●r-PVOHが、少なくとも10、20、30、40、50、75、90、95、または100%の再生成分を有する。
●r-PVOHが、少なくとも10、20、30、40、50%の物理的再生成分、および少なくとも10、20、30、40、または50%のクレジットベースの再生成分を有する。
【0073】
●原料物質が物理的再生成分を有し、標的材料が100%未満の物理的再生成分を有する。
●原料物質が、少なくとも10、25、50、75、90、または99%の物理的再生成分を有する。
【0074】
●標的材料が、99、90、75、50、25、10、または1%未満の物理的再生成分を有する。
●原料物質が100%の物理的再生成分を有し、標的材料が物理的再生成分を有さない。
【0075】
●第1のエチレン、第1の酢酸/無水物、または第1のアルコールが、いずれも物理的再生成分を有さない。
●第1のエチレン、第1の酢酸/無水物、および第1のアルコールのうちの少なくとも1つ(少なくとも2つ、少なくとも3つ、すべて)が物理的再生成分を有する。
【0076】
●利用するステップが、物理的再生成分をPVOHの少なくとも一部に利用するステップであって、これにより、r-PVOHが物理的再生成分とクレジットベースの再生成分の両方を有する、ステップをさらに含む。
【0077】
●PVOHに利用される物理的再生成分が、r-エチレン、r-酢酸/無水物、r-メタノールまたはr-エタノールの少なくとも1つに由来する。
●標的材料がエチレンを含み、PVOHに割り当てられたクレジットベースの再生成分の少なくとも一部が、エチレンからPVOHへの第1の化学経路を介して追跡される。
【0078】
●標的材料が酢酸/無水物を含み、PVOHに割り当てられたクレジットベースの再生成分の少なくとも一部が、酢酸/無水物からPVOHへの第2の化学経路を介して追跡される。
【0079】
●標的材料がアルコールを含み、PVOHに割り当てられたクレジットベースの再生成分の少なくとも一部が、アルコールからPVOHへの第3の化学経路を介して追跡される。
【0080】
請求項の補足説明-第2の実施形態
[0038]本技術の第2の実施形態において、再生成分を有するポリビニルアセタールを製造するためのプロセスであって、(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させて、酢酸ビニルを製造するステップと;(b)酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させて、ポリ酢酸ビニルを製造するステップと;(c)ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のエタノールとのアルコール分解に供して、ポリビニルアルコールを製造するステップと;(d)ポリビニルアルコールの少なくとも一部を第1のアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルアセタールを製造するステップとを含み、ポリビニルアセタールが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分合成ガス(r-合成ガス)、(iii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iv)再生成分一酸化炭素、および(v)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセスが提供される。
【0081】
[0039]前の段落に記載される第2の実施形態は、以下に列挙される追加の態様のうちの1つまたは複数を含むこともできる。第2の実施形態の、以下の各追加の態様は、独立した特徴であってもよく、または矛盾のない範囲で他の追加の態様のうちの1つまたは複数と組み合わされてもよい。
【0082】
●PVOHの少なくとも一部をn-ブチルアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルブチラール(PVB)を製造するステップをさらに含み、PVBが、原料物質(i)~(iv)のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む。
【0083】
●オレフィンを第1の合成ガスでヒドロホルミル化して第1のアルデヒドをもたらすステップをさらに含み、第1の合成ガスは、アルデヒドが再生成分アルデヒド(r-アルデヒド)となるように、r-合成ガスの少なくとも一部を含む。
【0084】
○オレフィンが、プロピレンを含む。
■プロピレンの少なくとも一部が、廃プラスチックの熱分解により形成された再生成分プロピレンである。
【0085】
●反応、重合、アルコール、およびアセタール化がポリビニルアセタール(PVAc)製造設備で行われ、PVAcに再生成分を供給する原料物質のうちの少なくとも1つが、PVAc製造設備から少なくとも8.04km(5マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造され、PVAcが、離れた原料設備で製造された少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む。
【0086】
●1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分をPVAcに利用するステップをさらに含み、利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)少なくとも1つの標的材料からPVAcまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)化学経路に沿った再生成分の追跡に少なくとも部分的に基づいて、PVAcに再生成分を割り当てるステップとを含み、以下の基準:(i)原料物質と標的材料の両方が合成ガスを含む、(ii)原料物質と標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)原料物質と標的材料の両方がメタノールを含む、(iv)原料物質と標的材料の両方が一酸化炭素を含む、および/または(v)原料物質と標的材料の両方がエチレンを含む、のうちの少なくとも1つが満たされている。
【0087】
定義
[0040]以下は、定義された用語の排他的なリストであることが意図されていないと理解されるべきである。例えば、文脈における定義された用語の使用に付随する場合など、前述の説明において他の定義が提供される場合がある。
【0088】
[0041]本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」という用語は、1つまたは複数を意味する。
[0042]本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストで使用される場合、リストされた項目のうちの任意の1つがそれ自体で用いられてもよく、またはリストされた項目のうち2つ以上の任意の組み合わせが用いられてもよいことを意味する。例えば、組成物が成分A、B、および/またはCを含有すると記載されている場合、組成物は、A単独;B単独;C単独;AおよびBの組み合わせ;AおよびCの組み合わせ、BおよびCの組み合わせ;またはA、B、およびCの組み合わせを含有することができる。
【0089】
[0043]本明細書で使用される場合、「少なくとも一部」という語句は、少なくとも一部および最大で全量または全期間を含む。
[0044]本明細書で使用される場合、「化学経路」という用語は、投入材料と生成物との間の化学処理ステップ(例えば、化学反応、物理的分離など)を指し、投入材料は生成物を生成するために使用される。
【0090】
[0045]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル」という用語は、廃プラスチックポリマーを、それ自体で有用である、かつ/または別の化学製造プロセスの供給原料として有用である、より低分子量のポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー分子(例えば、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、CO)に化学的に変換するステップを含む廃プラスチックリサイクルプロセスを指す。
【0091】
[0046]本明細書で使用される場合、「併設」という用語は、少なくとも2つの物体が共通の物理的現場に位置し、および/または互いに8.04km(5マイル)、1.60km(1マイル)、0.80km(0.5マイル)、または0.40km(0.25マイル)以内に位置するという特徴を指す。
【0092】
[0047]本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprise)」という用語は、用語の前に記載される対象から用語の後に記載される1つまたは複数の要素に移行するために使用されるオープンエンドの移行句であり、移行句の後に記載される要素は、対象を構成する唯一の要素であるとは限らない。
【0093】
[0048]本明細書で使用される場合、「クレジットベースの再生成分」、「非物理的再生成分」、および「間接的再生成分」という用語は、すべて、廃棄物まで物理的に追跡することはできないが、再生成分クレジットが帰属する物質を指す。
【0094】
[0049]本明細書で使用される場合、「直接由来する」という用語は、廃棄物に由来する少なくとも1つの物理的成分を有することを指す。
[0050]本明細書で使用される場合、「含む(including)」、「含む(include)」、および「含まれる(included)」という用語は、上で示される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprise)」と同じオープンエンドの意味を有する。
【0095】
[0051]本明細書で使用される場合、「間接的に由来する」という用語は、(i)廃棄物に帰属し得るが、(ii)廃棄物に由来する物理的成分を有することをベースとしない再生成分が利用されていることを指す。
【0096】
[0052]本明細書で使用される場合、「離れた場所に位置する」という用語は、2つの設備、現場、または反応装置の間に少なくとも0.16km(0.1マイル)、0.80km(0.5マイル)、1.60km(1マイル)、8.04km(5マイル)、16.09km(10マイル)、80.46km(50マイル)、160.93km(100マイル)、804.67km(500マイル)、または1609.34km(1000マイル)の距離があることを指す。
【0097】
[0053]本明細書で使用される場合、「マスバランス」という用語は、さまざまな材料中の再生成分の質量に基づいて再生成分を追跡する方法を指す。
[0054]本明細書で使用される場合、「物理的再生成分」および「直接再生成分」という用語は、いずれも廃棄物まで物理的に追跡可能な物質を指す。
【0098】
[0055]本明細書で使用される場合、「大部分」という用語は、50重量%超を意味する。例えば、大部分がプロパンのストリーム、組成物、供給原料、または製品は、プロパンを50重量%超含有するストリーム、組成物、供給原料、または製品である。
【0099】
[0056]本明細書で使用される場合、「再生成分」という用語は、再生材料に直接および/または間接的に由来する組成物であること、または組成物を含むことを指す。再生成分は、物理的再生成分とクレジットベースの再生成分の両方を指すための総称として使用される。再生成分は、物理的再生成分および/またはクレジットベースの再生成分を有する材料を表す形容詞としても使用される。
【0100】
[0057]本明細書で使用される場合、「再生成分クレジット」という用語は、物理的再生成分を有する第1の材料から、100%未満の物理的再生成分を有する第2の材料に直接または間接的に(すなわち、デジタルインベントリを介して)帰属し得る物理的再生成分の非物理的尺度を指す。
【0101】
[0058]本明細書で使用される場合、「総再生成分」という用語は、すべての原料からの物理的再生成分およびクレジットベースの再生成分の累積量を指す。
[0059]本明細書で使用される場合、「廃棄物」という用語は、使用済み、スクラップ、および/または廃棄された材料を指す。
【0102】
[0060]本明細書で使用される場合、「廃プラスチック」および「プラスチック廃棄物」という用語は、使用済み、スクラップ、および/または廃棄されたプラスチック材料を指す。
【0103】
開示された実施形態に限定されない特許請求の範囲
[0061]上述した本発明の好ましい形態は、例示としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を解釈するために限定的な意味で使用されるべきではない。上記の例示的な実施形態に対する修正は、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって容易になされ得る。
【0104】
[0062]本発明者らは、以下の特許請求の範囲に記載される本発明から実質的に逸脱していないが、文字通りの範囲からは外れている任意の装置に関する本発明の合理的に公正な範囲を決定し評価するために、均等物の原則に依拠する意図をここに表明する。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生成分を有するポリビニルアルコール(r-PVOH)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させることにより酢酸ビニルを合成するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のアルコールと反応させてポリビニルアルコール(PVOH)を製造するステップとを含み、
前記PVOHが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iii)再生成分アルコール(r-アルコール)、および/または(iv)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
【請求項2】
前記PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的およびクレジットベースの再生成分を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記PVOHが、前記r-エチレンおよび/または前記r-酢酸/無水物からの物理的再生成分を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記PVOHが、前記r-アルコールおよび/または前記r-COからのクレジットベースの再生成分を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記r-エチレンの少なくとも一部が廃プラスチックから生成され、前記第1のエチレンが前記r-エチレンの少なくとも一部を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記r-エチレンの少なくとも一部を反応させて再生成分エタノール(r-エタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-エタノールの少なくとも一部を含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
再生成分炭化水素含有供給原料を炭素改質してr-合成ガスストリーム(r-合成ガス)を製造し、前記r-合成ガスの少なくとも一部をメタノール合成に供して再生成分メタノール(r-メタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-メタノールの少なくとも一部を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記炭素改質が、前記炭化水素含有供給原料の部分酸化ガス化を含み、前記第1の酢酸/無水物が、前記r-合成ガスの少なくとも一部から形成される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の酢酸/無水物の少なくとも一部が、第2の合成ガスを第1のメタノールに変換し、次いで、前記メタノールの少なくとも一部を一酸化炭素とのカルボニル化に供して酢酸/無水物を製造するステップにより製造され、前記第2の合成ガスが、前記炭素改質による前記r-合成ガスの少なくとも一部を含み、および/または前記一酸化炭素が、前記r-合成ガス生成中に製造された再生成分一酸化炭素(r-CO)を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記PVOHに再生成分を供給する前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から少なくとも160.93km(100マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造され、前記PVOHが、前記離れた原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から8.04km(5マイル)以内に位置する併設の原料設備で製造され、前記PVOHが、前記併設の原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からの物理的再生成分を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記再生PVOHの少なくとも一部を、少なくとも1種のアルデヒドでアセタール化して、再生成分ポリビニルアセタールを形成するステップをさらに含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記アルデヒドがC3~C6アルデヒドである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を、前記PVOHに利用するステップをさらに含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記PVOHまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記PVOHに再生成分を割り当てるステップとを含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方がメタノールを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記帰属させるステップが、(i)前記少なくとも1つの原料物質に帰属し得る再生成分クレジットをデジタルインベントリに記録するステップと、(ii)前記デジタルインベントリから再生成分クレジットを前記標的材料に割り当てるステップとを含み、前記追跡するステップが、前記化学経路に沿った1つまたは複数の化学反応について1つまたは複数の変換率を決定するステップを含み、前記帰属させるステップが、デジタルインベントリからクレジットベースの再生成分を前記標的材料に割り当てるステップを含み、前記変換率が、前記標的材料に利用される前記クレジットベースの再生成分のうち前記PVOHに割り当てられる量を決定する、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
再生成分を有するポリビニルアセタール(r-PVAc)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させて、酢酸ビニルを製造するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のエタノールとのアルコール分解に供して、ポリビニルアルコールを製造するステップと;
(d)前記ポリビニルアルコールの少なくとも一部を第1のアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルアセタールを製造するステップとを含み、
前記ポリビニルアセタールが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分合成ガス(r-合成ガス)、(iii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iv)再生成分一酸化炭素、および(v)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
【請求項19】
オレフィンを第1の合成ガスでヒドロホルミル化して前記第1のアルデヒドをもたらすステップをさらに含み、前記第1の合成ガスは、前記アルデヒドが再生成分アルデヒド(r-アルデヒド)となるように、前記r-合成ガスの少なくとも一部を含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を前記ポリビニルアセタールに利用するステップをさらに含み、前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記ポリビニルアセタールまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記ポリビニルアセタールに再生成分を割り当てるステップとを含み、以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方が合成ガスを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、請求項18に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
[0062]本発明者らは、以下の特許請求の範囲に記載される本発明から実質的に逸脱していないが、文字通りの範囲からは外れている任意の装置に関する本発明の合理的に公正な範囲を決定し評価するために、均等物の原則に依拠する意図をここに表明する。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]再生成分を有するポリビニルアルコール(r-PVOH)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させることにより酢酸ビニルを合成するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のアルコールと反応させてポリビニルアルコール(PVOH)を製造するステップとを含み、
前記PVOHが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iii)再生成分アルコール(r-アルコール)、および/または(iv)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
[2]前記PVOHが、1つまたは複数の原料物質からの物理的およびクレジットベースの再生成分を含む、[1]に記載のプロセス。
[3]前記PVOHが、前記r-エチレンおよび/または前記r-酢酸/無水物からの物理的再生成分を含む、[1]または[2]に記載のプロセス。
[4]前記PVOHが、前記r-アルコールおよび/または前記r-COからのクレジットベースの再生成分を含む、[1]から[3]のいずれかに記載のプロセス。
[5]前記r-エチレンの少なくとも一部が廃プラスチックから生成され、前記第1のエチレンが前記r-エチレンの少なくとも一部を含む、[1]から[4]のいずれかに記載のプロセス。
[6]前記r-エチレンの少なくとも一部を反応させて再生成分エタノール(r-エタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-エタノールの少なくとも一部を含む、[5]に記載のプロセス。
[7]再生成分炭化水素含有供給原料を炭素改質してr-合成ガスストリーム(r-合成ガス)を製造し、前記r-合成ガスの少なくとも一部をメタノール合成に供して再生成分メタノール(r-メタノール)を形成するステップをさらに含み、前記第1のアルコールが前記r-メタノールの少なくとも一部を含む、[1]から[5]のいずれかに記載のプロセス。
[8]前記炭素改質が、前記炭化水素含有供給原料の部分酸化ガス化を含み、前記第1の酢酸/無水物が、前記r-合成ガスの少なくとも一部から形成される、[7]に記載のプロセス。
[9]前記第1の酢酸/無水物の少なくとも一部が、第2の合成ガスを第1のメタノールに変換し、次いで、前記メタノールの少なくとも一部を一酸化炭素とのカルボニル化に供して酢酸/無水物を製造するステップにより製造され、前記第2の合成ガスが、前記炭素改質による前記r-合成ガスの少なくとも一部を含み、および/または前記一酸化炭素が、前記r-合成ガス生成中に製造された再生成分一酸化炭素(r-CO)を含む、[8]に記載のプロセス。
[10]前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記PVOHに再生成分を供給する前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から少なくとも160.93km(100マイル)離れた場所に位置する原料設備で製造され、前記PVOHが、前記離れた原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からのクレジットベースの再生成分を含む、[1]から[9]のいずれかに記載のプロセス。
[11]前記合成、重合、および反応がPVOH製造設備で行われ、前記原料物質のうちの少なくとも1つが、前記PVOH製造設備から8.04km(5マイル)以内に位置する併設の原料設備で製造され、前記PVOHが、前記併設の原料設備で製造された前記少なくとも1つの原料物質からの物理的再生成分を含む、[1]から[10]のいずれかに記載のプロセス。
[12]前記再生PVOHの少なくとも一部を、少なくとも1種のアルデヒドでアセタール化して、再生成分ポリビニルアセタールを形成するステップをさらに含む、[1]から[11]のいずれかに記載のプロセス。
[13]前記アルデヒドがC3~C6アルデヒドである、[12]に記載のプロセス。
[14]前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を、前記PVOHに利用するステップをさらに含む、[1]から[13]のいずれかに記載のプロセス。
[15]前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記PVOHまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記PVOHに再生成分を割り当てるステップとを含む、[14]に記載のプロセス。
[16]以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方がメタノールを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、[15]に記載のプロセス。
[17]前記帰属させるステップが、(i)前記少なくとも1つの原料物質に帰属し得る再生成分クレジットをデジタルインベントリに記録するステップと、(ii)前記デジタルインベントリから再生成分クレジットを前記標的材料に割り当てるステップとを含み、前記追跡するステップが、前記化学経路に沿った1つまたは複数の化学反応について1つまたは複数の変換率を決定するステップを含み、前記帰属させるステップが、デジタルインベントリからクレジットベースの再生成分を前記標的材料に割り当てるステップを含み、前記変換率が、前記標的材料に利用される前記クレジットベースの再生成分のうち前記PVOHに割り当てられる量を決定する、[15]に記載のプロセス。
[18]再生成分を有するポリビニルアセタール(r-PVAc)を製造するためのプロセスであって、
(a)第1のエチレンおよび第1の酢酸/無水物を酸素と反応させて、酢酸ビニルを製造するステップと;
(b)前記酢酸ビニルの少なくとも一部を重合させてポリ酢酸ビニルを製造するステップと;
(c)前記ポリ酢酸ビニルの少なくとも一部を第1のエタノールとのアルコール分解に供して、ポリビニルアルコールを製造するステップと;
(d)前記ポリビニルアルコールの少なくとも一部を第1のアルデヒドでアセタール化して、ポリビニルアセタールを製造するステップとを含み、
前記ポリビニルアセタールが、以下の原料物質-(i)廃プラスチック、(ii)再生成分合成ガス(r-合成ガス)、(iii)再生成分エチレン(r-エチレン)、(iv)再生成分一酸化炭素、および(v)再生成分酢酸/無水物(r-酢酸/無水物)、のうちの1つまたは複数からの再生成分を含む、プロセス。
[19]オレフィンを第1の合成ガスでヒドロホルミル化して前記第1のアルデヒドをもたらすステップをさらに含み、前記第1の合成ガスは、前記アルデヒドが再生成分アルデヒド(r-アルデヒド)となるように、前記r-合成ガスの少なくとも一部を含む、[18]に記載のプロセス。
[20]前記1つまたは複数の原料物質からのクレジットベースの再生成分を前記ポリビニルアセタールに利用するステップをさらに含み、前記利用するステップが、(i)物理的再生成分を有する前記原料物質のうちの少なくとも1つから、再生成分クレジットを介して少なくとも1つの標的材料に再生成分を帰属させるステップと、(ii)前記少なくとも1つの標的材料から前記ポリビニルアセタールまでの少なくとも1つの化学経路に沿って再生成分を追跡するステップと、(iii)前記化学経路に沿った再生成分の前記追跡に少なくとも部分的に基づいて、前記ポリビニルアセタールに再生成分を割り当てるステップとを含み、以下の基準:(i)前記原料物質と前記標的材料の両方がエチレンを含む、(ii)前記原料物質と前記標的材料の両方が酢酸/無水物を含む、(iii)前記原料物質と前記標的材料の両方が合成ガスを含む、および/または(iv)前記原料物質と前記標的材料の両方が一酸化炭素を含む、のうちの少なくとも1つが満たされている、[18]に記載のプロセス。
【国際調査報告】