(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】バイオ系洗浄剤添加剤
(51)【国際特許分類】
C11D 7/44 20060101AFI20240621BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20240621BHJP
C11D 7/14 20060101ALI20240621BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20240621BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C11D7/44
C11D7/50
C11D7/14
C11D7/26
C11D7/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575850
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022032868
(87)【国際公開番号】W WO2022261349
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522352199
【氏名又は名称】ソリュゲン インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジュン,スー
(72)【発明者】
【氏名】タン,ルーン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ガウトウン,フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】アルセオ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ヘランダー,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジヒ
(72)【発明者】
【氏名】ガリシア,ダーレン
(72)【発明者】
【氏名】アーメッド,ファヒム
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003EA15
4H003EA18
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB15
4H003EB16
4H003EB17
4H003EB18
4H003EB25
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB33
4H003EB41
4H003EB42
4H003ED02
4H003ED28
4H003ED29
4H003FA28
(57)【要約】
洗剤添加剤は、(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、及び(iii)溶媒を含有する。汚染表面を処理する方法は、洗剤及び洗剤添加剤を前記汚染表面と接触させることを含み、前記洗剤添加剤は(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、及び(iii)溶媒を含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)バイオキレート剤、
(ii)開環剤、及び
(iii)溶媒
を含有する洗剤添加剤。
【請求項2】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記バイオキレート剤は、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、ガラクトン酸、ガラクタル酸、ガラクトン酸とガラクタル酸を主成分として且つn-ケト酸とC
2-C
6二酸を副成分とする酸化生成物、又はそれらの組み合わせである、洗剤添加剤。
【請求項3】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記バイオキレート剤は更に対カチオンを含有する、洗剤添加剤。
【請求項4】
請求項3に記載の洗剤添加剤であって、
前記対カチオンは、第1族アルカリ金属、第2族アルカリ土類金属、第8族金属、第11族金属、第12族金属、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項5】
請求項3に記載の洗剤添加剤であって、
前記対カチオンは、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ストロンチウム、亜鉛、銅、第二鉄、第一鉄、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項6】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記バイオキレート剤は、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項7】
請求項6に記載の洗剤添加剤であって、
前記緩衝化グルコース酸化生成物、前記緩衝化グルコン酸酸化生成物、又はそれらの組み合わせは、n-ケト酸、C
2-C
6二酸、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項8】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記バイオキレート剤は、前記洗剤添加剤の総重量に対して、約5重量%から約95重量%である、洗剤添加剤。
【請求項9】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記開環剤は、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、モノケイ酸塩、モリブデン酸尿素ナトリウム、ホウ酸、アルミン酸塩、尿素、アミド、アミノ酸、アセトアミド、エタンアミド、チタン酸塩、スタン酸塩、モリブデン酸塩、ジルコン酸塩、シラン、シロキサン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項10】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記開環剤は、前記洗剤添加剤の総重量に対して、約5重量%から約95重量%である、洗剤添加剤。
【請求項11】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項12】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
従来のキレート剤を更に含む、洗剤添加剤。
【請求項13】
請求項12に記載の洗剤添加剤であって、
前記従来のキレート剤は、リン酸三ナトリウム及び他のホスホン酸塩、乳酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エタノールジグリシン、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項14】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
性能向上化合物を更に含有する、洗剤添加剤。
【請求項15】
請求項14に記載の洗剤添加剤であって、
前記性能向上化合物は、ギ酸、エタン酸、スルファミン酸、スルホン酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、乳酸、ピルビン酸、酪酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、ソルビトール、マンニトール、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項16】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
界面活性剤を更に含有する、洗剤添加剤。
【請求項17】
請求項16に記載の洗剤添加剤であって、
前記界面活性剤は、コカミドモノエタノールアミン(コカミドMEA)、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルコールエトキシル化スルホン酸塩、高溶解性アルコール硫酸塩、コカミドジエタノールアミン、脂肪族アルコールエトキシレート、アミンオキシド、スルホキシド、第4級アンモニウム界面活性剤、トール油脂肪酸(TOFA)、TOFAアミン、TOFA第4級アミン、COCOアミン、COCO第4級アミン、塩化ベンザルコニウム、ベタイン、ココベタイン、スルタイン、テルペン、リモネン、エトキシル化トリグリセリド、ポリソルベート、エトキシル化ソルビトール、ソルビタンエステル、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項18】
請求項1に記載の洗剤添加剤であって、
性能向上ポリマーを更に含有する、洗剤添加剤。
【請求項19】
請求項18に記載の洗剤添加剤であって、
前記性能向上ポリマーは、ポリアクリレート、マレイン酸-アクリレート、ポリオレフィン、セルロースエーテル、ポリエーテル、マレイン酸-オレフィン、スチレン-アクリレート、アニオン性多糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール-アセテート、又はそれらの組み合わせを含有する、洗剤添加剤。
【請求項20】
汚染表面を処理する方法であって、
洗剤及び洗剤添加剤を前記汚染表面と接触させることを含み、
前記洗剤添加剤は(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、及び(iii)溶媒を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記バイオキレート剤は、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、又はそれらの組み合わせを含有し、
前記開環剤は、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、モノケイ酸塩、モリブデン酸尿素ナトリウム、ホウ酸、アルミン酸塩、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含有し、
前記溶媒は水を含有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年6月9日に出願された「バイオ系カルシウムキレート剤(BIO-BASED CALCIUM CHELANT)」の名称の米国仮特許出願第63/208,601号、2021年7月27日に出願された「バイオ系カルシウムキレート剤(BIO-BASED CALCIUM CHELANT)」の名称の米国仮特許出願第63/203,634号、および2021年10月6日に出願された「バイオ系洗浄剤添加剤(BIO-BASED CLEANER ADDITIVE)」の名称の米国仮特許出願第63/253,066号、の利益を主張し、当該出願の全てがあらゆる目的のために参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
分野
本開示は、一般に汚染物質の除去に使用するための組成物および方法に関する。より具体的には、本開示は洗浄添加剤として使用するためのバイオキレート剤含有組成物に関する。
【0003】
背景
洗濯用洗剤などの洗浄液には様々な成分が含まれており、その例としては、ビルダー(例えば、約50重量%)、界面活性剤(例えば、15%)、漂白剤(例えば、7%)、酵素(例えば、2%)、再汚染防止剤、泡調整剤、腐食防止剤、蛍光増白剤、染料移行防止剤、香料、染料、充填剤、および処方助剤が挙げられる。洗剤ビルダー(キレート剤または封鎖剤とも呼ばれる)は、水軟化剤として機能する。ほとんどの生活用水には、特に硬水地域では、溶存ミネラルが含まれている。これらの溶存ミネラルに含まれる金属陽イオン、特にカルシウムイオンとマグネシウムイオンは、界面活性剤と反応して、洗浄に有効でなくかつ繊維や洗濯機に沈着する石鹸カスを形成する可能性がある。洗剤ビルダーは、沈殿、キレート化、またはイオン交換によって、硬水の原因となるミネラルイオン(例えば、カルシウムイオン)を低減または除去するのに有効である。さらに、洗剤ビルダーは、分散によって汚れを除去するのに役立つ。洗剤ビルダーと界面活性剤は、相乗的に作用して汚れの除去を達成する。しかし、ビルダーの洗浄効果が界面活性剤のそれを上回る場合もある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示されるのは、(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、および(iii)溶媒を含む洗剤添加剤である。
【0005】
また、本明細書において開示されるのは汚染表面の処理方法であって、洗剤および洗剤添加剤を汚染表面と接触させることを含み、洗剤添加剤が(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、および(iii)溶媒を含む、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面および詳細な説明に関連する以下の簡単な説明を参照する。ここで、同様の参照番号は同様の部位を示す。
【0007】
図1は、硬度150ppmの水における試料組成の作用としてのΔEのプロットである。
【0008】
図2は、硬度300ppmの水における試料組成の作用としてのΔEのプロットである。
【0009】
図3は、実施例4の試料について、試料組成の作用としての洗浄効率のプロットである。
【0010】
図4は、実施例5の試料について、試料組成の作用としての洗浄効率のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
洗浄添加剤、より具体的には洗剤ビルダーとして使用される一般的なキレート剤には、リン酸三ナトリウムおよび他のホスホン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(EDDS)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エタノールジグリシン(ethanoldiglycine)(EDG)、およびグルコヘプトン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
前述のキレート剤の利用には、環境への悪影響や性能の限界に関連する欠点がある。例えば、リン酸塩は効果的ではあるが富栄養化に関する重大な問題があり、NTAは目、皮膚、呼吸器への刺激性が知られている。さらに、例に含まれるMGDAは、アラニンの骨格にカルボキシル基を導入するためにシアン化合物が使用されるため、その合成に問題がある。最後に、一般的なキレート剤であるEDTAは生分解性がなく、環境中に残留する汚染物質として知られている。EDTAはまた、哺乳類において生殖および発育に悪影響を及ぼすことが示されている。
【0013】
その結果、従来の洗剤ビルダーの使用に伴ういくつかの課題を克服する、洗剤ビルダーとして機能する新規の洗浄添加剤に対する需要が存在している。
【0014】
本明細書に開示されるのは、陽イオンキレート添加剤(CCA)として使用するための組成物である。1つ以上の態様において、CCAは、金属陽イオンを封鎖し、金属陽イオンに基づくスケールの形成を緩和するために、洗剤組成物に含まれる。例えば、金属陽イオンは、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、またはそれらの組み合わせからなる。例えば、本明細書に開示されるタイプのCCAは、自動食器洗い機用洗剤、手作業での食器洗い用洗剤、洗濯用洗剤、表面洗浄剤、トイレ用洗浄剤、洗車用洗剤、およびその他の石鹸および洗剤の洗剤ビルダーとして利用することができる。
【0015】
ある態様において、CCAはバイオキレート剤、開環剤、および溶媒を含む。更にある態様では、CCAはカルボン酸塩、糖酸、界面活性剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせなどの性能添加剤をさらに含む。
【0016】
ある態様において、CCAはキレート剤を含む。ここで、キレート剤とは、捕捉剤、キレート薬、または封鎖剤とも呼ばれ、金属と結合する又は錯体を形成することができる分子を指す。キレート剤は、例えば、2つ以上の電子供与性基を含む配位子である特徴を有し、配位子の各電子供与性基上の原子と金属との間に複数の結合を形成することができる。また、結合は配位結合または配位共有結合とすることもでき、これは各電子陰性原子が両方の電子を提供して金属中心への結合を形成することを意味する。ある態様では、キレート剤はバイオキレート剤である。本明細書で使用される接頭辞「バイオ」は、化合物が少なくとも部分的に、酵素触媒を使用するなどの生物学的プロセスによって生成されることを意味する。ここで、バイオキレート剤は、天然起源、すなわち環境への影響が少ない持続可能で再生可能な資源由来であることを特徴とする。ある態様では、バイオキレート剤は、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、またはそれらの組み合わせと対カチオンを含有する。例えば、バイオキレート剤は、アルダル酸、ウロン酸、およびそれぞれの対カチオンの混合物であってもよい。ある態様では、バイオキレート剤は、グルコース酸化生成物、グルコン酸酸化生成物、グルコン酸塩、またはそれらの組み合わせを含有する。グルコース酸化生成物、グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせは、適切なpHに緩衝化されていてもよい。加えてまたは代替的に、1つまたは複数の態様において、バイオキレート剤は、グルカル酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコース酸化生成物、グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせを含有する。加えてまたは代替的に、1つまたは複数の態様において、バイオキレート剤は、二糖、酸化二糖、ウロン酸、アルダル酸、またはそれらの組み合わせを含有する。
【0017】
更にまたは代替的に、1つ以上の態様において、バイオキレート剤は、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、n-ケト酸、C2-C6二酸、またはそれらの組み合わせを含有する。更にまたは代替的に、1つ以上の態様において、バイオキレート剤は、ガラクトン酸、ガラクタル酸、ガラクトン酸および/またはガラクタル酸を主成分(例えば、約50重量%より多い)とし且つn-ケト酸やC2-C6二酸を副成分とする酸化生成物、またはそれらの組み合わせを含む。更にまたは代替的に、1つ以上の態様において、バイオキレート剤はグルタミン酸を含む。更にまたは代替的に、1つ以上の態様において、バイオキレート剤はグルコジアルドース、2-ケトグルコース、またはそれらの組み合わせを含む。このような態様において、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせは、適切なpHに緩衝化されている。例えば、グルコース酸化生成物、グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせは、約1から約5の範囲のpHに緩衝化される。バイオキレート剤の緩衝化は、任意の適切な酸、塩基、またはそれらの組み合わせを使用して実施される。1つ以上の態様において、本明細書に開示される任意のバイオキレート剤またはバイオキレート剤の組み合わせは、第1族アルカリ金属、第2族アルカリ土類金属、第8族金属、第11族金属、第12族金属、またはそれらの組み合わせなどの対カチオンをさらに含んでもよい。例えば、対カチオンは、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ストロンチウム、亜鉛、銅、第二鉄、第一鉄、またはそれらの組み合わせを含む。ある態様では、バイオキレート剤は、グルコース酸化生成物、グルコン酸酸化生成物、グルコン酸塩、グルカル酸、酸化グルクロノラクトン、ウロン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせを含む。加えてまたは代替的に、バイオキレート剤は、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかのそのような態様において、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせは、水酸化ナトリウムなどの任意の適切な酸または塩基を用いて、本明細書に開示される範囲内のpHに緩衝化される。一例では、バイオキレート剤はグルコン酸とグルカル酸の混合物を含有し、さらにn-ケト酸、C2-C6二酸、またはそれらの組み合わせからなる副成分種を含む。ある態様では、バイオキレート剤は、テキサス州ヒューストンのソリュゲン社からBIOCHELATE(商標)、Altiv(商標)、AcquaCore(商標)として市販されている金属キレート製品からなる。
【0018】
ある態様において、バイオキレート剤は、組成物の総重量に対して約0.1重量%(wt%)~約40wt%の量で本開示のCCA中に存在しており、更に若しくは代替的にCCAの総重量に対して約0.1wt%~約20wt%、更に若しくは代替的に約0.1wt%~約95wt%、更に若しくは代替的に約5wt%~約95wt%、または更に若しくは代替的に約20wt%~約40wt%の量である。
【0019】
ある態様では、CCAは開環剤を含んでいる。歴史的に、グルカル酸とグルコン酸はカルシウムイオンキレート剤としては貧弱である。理論に束縛されることはないが、この事はこれらの化合物のカルボン酸塩がラクトンを形成するためである。このようなラクトンは、分子の酸(カルボン酸など)の形と常に平衡状態にある。しかし、以下のスキームIおよびスキームIIに描かれているように、カルシウムのような特定の二価陽イオンをキレート化するには酸の形が最も効果的である。一般的な結果として、グルコン酸塩およびグルカル酸塩は、洗剤製剤においてカルシウムカチオンなどの陽イオンをキレートするために広く使用されていない。ある態様では、CCAは、直鎖グルカル酸の保持を有利にし、ラクトン型の量を最小限にするために、グルカル酸およびグルコン酸のカルボン酸塩型とラクトン型との間の平衡をシフトするように機能する化合物を含む。
【0020】
ある態様において、開環剤は、オキソ酸塩、アミド、またはそれらの組み合わせからなる。例えば開環剤は、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、モノケイ酸塩、シラン、シロキサン、ホウ酸、アルミン酸塩、モリブデン酸ナトリウム、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。ある態様では、開環剤は尿素化合物からなる。本開示における開環剤として使用するのに適した尿素化合物の例としては、限定されないが、メチロール尿素、イミダゾリジニル尿素、エチレン尿素、ジアゾリジニル尿素、またはそれらの組み合わせが挙げられる。ある態様において、開環剤は、グリシン、プロリン、アラニン、セリン、タウリン、サルコシン、アミノアジピン酸、およびグルタミン酸などのアミノ酸である。別の態様では、開環剤はホウ砂、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸塩、過ホウ酸塩)、ホウ酸カリウム、四ホウ酸アンモニウム、酸化ホウ素などのホウ酸塩誘導体である。
【0021】
ある態様において、開環剤はCCAの総重量に対し、約2重量%(wt%)~約95wt%、または約5wt%~約95wt%、更にまたは代替的に約2wt%~約80wt%、更にまたは代替的に約10重量%(wt%)~約40wt%、更にまたは代替的に約2wt%~約30wt%、更にまたは代替的に約30wt%~約80wt%の量でCCA中に存在する。使用する開環剤の量に影響を与えうる他の要因は、化合物の溶解度、モル比、水の状態、pHである。
【0022】
ある態様では、CCAは、カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム、バリウム、ストロンチウム、セシウム、ベリリウム、マンガンなどの一般的な陽イオンを実質的にキレート化または封鎖するのに有効である。
【化1】
【化2】
【0023】
いくつかの態様において、CCAは非バイオキレート剤を含まない。或いはCCAは、例えば、バイオキレート剤に加えて、1つ以上の非バイオキレート剤を含んでもよい。本開示における使用に好適な非バイオキレート剤の非限定的な例としては、リン酸三ナトリウム、ホスホン酸塩含有化合物、乳酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エタノールジグリシン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
理論によって限定されることは望まないが、ラクトン体の形成を防止する能力の結果として、他の化合物をCCAに含めることができる。グルカル酸およびグルコン酸のラクトン型の形成を防止する他の添加剤としては、カルボン酸塩含有化合物、糖アルコール、および酸が挙げられる。そのような添加剤の他の非限定的な例としては、ギ酸、エタン酸、スルファミン酸、スルホン酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、乳酸、ピルビン酸、酪酸、コハク酸、フマル酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0025】
様々な態様において、CCAは、CCAの性能を補助する1つ以上の界面活性剤を含む。ある態様において、界面活性剤は、非イオン性、両性、陽イオン性、または陰イオン性である。CCAに使用するのに適した界面活性剤の非限定的な例としては、コカミドモノエタノールアミン(コカミドMEA)、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルコールエトキシル化スルホン酸塩、高溶解性アルコール硫酸塩、コカミドジエタノールアミン、脂肪族アルコールエトキシレート、アミンオキシド、スルホキシド、第4級アンモニウム界面活性剤、トール油脂肪酸(TOFA)、TOFAアミン、TOFA第4級アミン、COCOアミン、COCO第4級アミン、塩化ベンザルコニウム、ベタイン、ココベタイン、スルタイン、テルペン、リモネン、エトキシル化トリグリセリド、ポリソルベート、エトキシル化ソルビトール、ソルビタンエステル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
いくつかの態様において、CCAは、性能向上ポリマーをさらに含む。本開示における使用に適した性能向上ポリマーの非限定的な例としては、ポリアクリレート、マレイン酸-アクリレート、ポリオレフィン、セルロースエーテル、ポリエーテル、マレイン酸-オレフィン、スチレン-アクリレート、アニオン性多糖、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアルコール-アセテート、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
ある態様において、本明細書に開示される種類のCCAは、使用者及び/又は処理の目的を満たすために、1つ以上の追加の機能性材料を含んでもよい。CCAに含まれ得る機能性材料の例としては、限定されないが、すすぎ助剤、漂白剤、除菌剤、抗微生物剤、活性剤、充填剤、pH緩衝剤、布地弛緩剤、布地軟化剤、汚れ剥離剤、消泡剤、再付着防止剤、安定化剤、分散剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防しわ剤、消臭剤、繊維保護剤、色彩保護剤、染料、消臭剤、紫外線保護剤、抗ピリング剤、撥水剤、硬化剤、溶解性改良剤、ガラスおよび金属腐食防止剤、酵素、スケーリング防止剤、酸化剤、溶剤、昆虫忌避剤、またはそれらの組み合わせが挙げられる。このような機能性材料は、使用者および/または処理の目的を達成するのに有効な量で単独または組み合わせて含有することができる。
【0028】
ある態様において、CCAは溶媒を含む。本開示における使用に適した溶媒としては、限定されないが、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、またはそれらの組み合わせが挙げられる。ある態様において、溶媒は有効量で存在し、あるいは、CCAの他の全ての成分が分かる場合には溶媒はCCAの残りを占める。
【0029】
本明細書に開示される種類のCCAは、任意の適切な方法を用いて調製することができる。例えば、CCAの成分(バイオキレート剤、開環剤および溶媒等)は、均質な組成物を調製するために、任意の順序及び任意の適切な容器中で配合されて混合される。
【0030】
本明細書に開示される種類のCCAは、有毒な原料を利用する、および/または有害な副産物をもたらす従来技術よりも好ましい。本開示の組成物の調製は、シアン化物およびエチレンジアミンを利用する方法のように発癌性、変異原性、または有毒な化学物質を利用しない。理論により限定されることを望まないが、CCAは複雑なラクトン化学を避け、陽イオンを効果的にキレートするカルボン酸塩の形態を促進する。
【0031】
追加開示
以下は、本開示に基づく非限定的で具体的な態様である。
【0032】
第1の態様は、バイオキレート剤と開環剤を利用した洗剤ビルダー用組成物である。
【0033】
第2の態様は第1の態様の組成物であって、キレート剤および有機酸が、グルコン酸アニオンおよびグルカル酸アニオンを主成分とし且つn-ケト酸およびC2-C6二酸を副成分とするグルコン酸ナトリウムおよび/またはグルカル酸ナトリウムの液体酸化生成物を含む、組成物である。
【0034】
第3の態様は第1または第2の態様の組成物であって、キレート剤および有機酸が、グルコン酸および/またはグルカル酸を主成分とし且つn-ケト酸およびC2-C6二酸を副成分とするグルコン酸及びグルカル酸の酸化生成物を含む、組成物である。
【0035】
第4の態様は第1から第3の態様のいずれかの組成物であって、開環剤がオキソ酸塩からなる、組成物である。
【0036】
第5の態様は第4の態様の組成物であって、オキソ酸塩が、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、チタン酸塩、スタン酸塩、それらの混合物、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせからなる、組成物である。
【0037】
第6の態様は第1から第5の態様のいずれかの組成物であって、開環剤が、シラン、シロキサン、それらの混合物、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる、組成物である。
【0038】
第7の態様は第6の態様の組成物であって、開環剤がアミドからなる、組成物である。
【0039】
第8の態様は第7の態様の組成物であって、アミドが、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの混合物、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる、組成物である。
【0040】
第9の態様は第1から第8の態様のいずれかの組成物であって、溶媒が、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、またはそれらの組み合わせからなる、組成物である。
【0041】
第10の態様は第1から第9の態様のいずれかの組成物であって、すすぎ補助剤、漂白剤、除菌剤、抗微生物剤、活性化剤、洗剤ビルダーまたは充填剤、pH緩衝剤、布地緩和剤、布地軟化剤、汚れ剥離剤、消泡剤、再付着防止剤、安定化剤、分散剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、しわ防止剤、臭気捕捉剤、繊維保護剤、色保護剤、染料、臭気剤、紫外線保護剤、抗ピリング剤、撥水剤、硬化剤、溶解性改良剤、ガラス・金属腐食防止剤、酵素、スケーリング防止剤、酸化剤、溶剤、防虫剤からなる群からそれぞれ独立して選択される1つ以上の追加の機能性材料をさらに含む、組成物である。
【0042】
パートII
第1の態様は、バイオキレート剤と開環剤を利用した洗剤ビルダー用組成物である。
【0043】
第2の態様は第1の態様の組成物であって、キレート剤および有機酸が、グルコン酸アニオンおよびグルカル酸アニオンを主成分とし且つn-ケト酸およびC2-C6二酸を副成分とするグルコン酸ナトリウムおよび/またはグルカル酸ナトリウムの液体酸化生成物からなる、組成物である。
【0044】
第3の態様は第1または第2の態様の組成物であって、キレート剤および有機酸が、グルコン酸および/またはグルカル酸を主成分とし且つn-ケト酸およびC2-C6二酸を副成分とするグルコン酸およびグルカル酸の酸化生成物からなる、組成物である。
【0045】
第4の態様は第1から第3の態様のいずれかの組成物であって、開環剤がオキソ酸塩からなる、組成物である。
【0046】
第5の態様は第4の態様の組成物であって、オキソ酸塩が、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、チタン酸塩、スタン酸塩、モリブデン酸塩、それらの組み合わせ、それらの混合物、又はそれらの誘導体からなる、組成物である。
【0047】
第6の態様は第1から第5の態様のいずれかの組成物であって、開環剤が、シラン、シロキサン、それらの組み合わせ、それらの混合物、又はそれらの誘導体からなる、組成物である。
【0048】
第7の態様は第1から第6の態様のいずれかの組成物であって、開環剤がアミドおよびアミノ酸からなる、組成物である。
【0049】
第8の態様は第7の態様の組成物であって、アミドが、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの組み合わせ、それらの混合物、又はそれらの誘導体からなる、組成物である。
【0050】
第9の態様は第1から第8の態様のいずれかの組成物であって、溶媒が、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、またはそれらの組み合わせからなる、組成物である。
【0051】
第10の態様は第1から第9の態様のいずれかの組成物であって、キレート剤が、乳酸、クエン酸、リン酸三ナトリウムおよび他のホスホン酸塩、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、またはエタノールジグリシンからなる、組成物である。
【0052】
第11の態様は第1から第10の態様のいずれかの組成物であって、すすぎ助剤、漂白剤、除菌剤、抗微生物剤、活性化剤、洗剤ビルダーまたは充填剤、pH緩衝剤、布地緩和剤、布地軟化剤、汚れ剥離剤、消泡剤、再付着防止剤、安定化剤、分散剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、しわ防止剤、臭気捕捉剤、繊維保護剤、色保護剤、染料、臭気剤、紫外線保護剤、抗ピリング剤、撥水剤、硬化剤、溶解性改良剤、ガラス・金属腐食防止剤、酵素、スケーリング防止剤、酸化剤、溶剤、界面活性剤、および防虫剤からなる群から各々独立して選択される1つ以上の追加の機能性材料をさらに含む、組成物である。
【0053】
パートIII
第1の態様は、(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、および(iii)溶媒を含む洗剤添加剤である。
【0054】
第2の態様は第1の態様の添加剤であって、バイオキレート剤がアルドン酸、ウロン酸、アルダル酸またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0055】
第3の態様は第1または第2の態様の添加剤であって、バイオキレート剤が対カチオンをさらに含む、添加剤である。
【0056】
第4の態様は第3の態様の添加剤であって、対カチオンが、第1族アルカリ金属、第2族アルカリ土類金属、第8族金属、第11族金属、第12族金属、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0057】
第5の態様は第3の態様の添加剤であって、対カチオンが、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ストロンチウム、亜鉛、銅、第二鉄、第一鉄、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0058】
第6の態様は第1から第5の態様のいずれかの添加剤であって、バイオキレート剤が、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0059】
第7の態様は第6の態様の添加剤であって、緩衝化グルコース酸化生成物、緩衝化グルコン酸酸化生成物またはそれらの組み合わせが、n-ケト酸、C2-C6二酸またはそれらの組み合わせをさらに含む、添加剤である。
【0060】
第8の態様は第1から第7の態様のいずれかの添加剤であって、バイオキレート剤が、添加剤の総重量に対して約5wt%~約95wt%の量で存在する、添加剤である。
【0061】
第9の態様は第1から第8の態様のいずれかの添加剤であって、開環剤が、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、モノケイ酸塩、モリブデン酸ナトリウム、尿素、ホウ酸、アルミン酸塩、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0062】
第10の態様は第1から第9の態様のいずれかの添加剤であって、開環剤が、添加剤の総重量に対して約5wt%~約95wt%の量で存在する、添加剤である。
【0063】
第11の態様は第1から第10の態様のいずれかの添加剤であって、溶媒が、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0064】
第12の態様は第1から第11の態様のいずれかの添加剤であって、従来のキレート剤をさらに含む、添加剤である。
【0065】
第13の態様は第12の態様の添加剤であって、従来のキレート剤が、リン酸三ナトリウムおよび他のホスホン酸塩、乳酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エタノールジグリシン、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0066】
第14の態様は第1から第13の態様のいずれかの添加剤であって、性能向上化合物をさらに含む、添加剤である。
【0067】
第15の態様は第14の態様の添加剤であって、性能向上化合物が、ギ酸、エタン酸、スルファミン酸、スルホン酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、乳酸、ピルビン酸、酪酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、ソルビトール、マンニトール、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0068】
第16の態様は第1から第15の態様のいずれかの添加剤であって、界面活性剤をさらに含む、添加剤である。
【0069】
第17の態様は第16の態様の添加剤であって、界面活性剤が、コカミドモノエタノールアミン(コカミドMEA)、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルコールエトキシル化スルホン酸塩、高溶解性アルコール硫酸塩、コカミドジエタノールアミン、脂肪族アルコールエトキシレート、アミンオキシド、スルホキシド、第4級アンモニウム界面活性剤、トール油脂肪酸(TOFA)、TOFAアミン、TOFA第4級アミン、COCOアミン、TOFA第4級アミン、塩化ベンザルコニウム、ベタイン、ココベタイン、スルタイン、テルペン、リモネン、エトキシル化トリグリセリド、ポリソルベート、エトキシル化ソルビトール、ソルビタンエステル、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0070】
第18の態様は第1から第17の態様のいずれかの添加剤であって、性能向上ポリマーをさらに含む、添加剤である。
【0071】
第19の態様は第18の態様の添加剤であって、性能向上ポリマーが、ポリアクリレート、マレイン酸-アクリレート、ポリオレフィン、セルロースエーテル、ポリエーテル、マレイン酸-オレフィン、スチレン-アクリレート、アニオン性多糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール-アセテート、またはそれらの組み合わせからなる、添加剤である。
【0072】
第20の態様は汚染表面を処理する方法であって、洗剤および洗剤添加剤を汚染表面と接触させることを含み、洗剤添加剤が(i)バイオキレート剤、(ii)開環剤、および(iii)溶媒を含む、方法である。
【0073】
第21の態様は第20の態様の方法であって、キレート剤がアルドン酸、ウロン酸、アルダル酸またはそれらの組み合わせからなり、開環剤がケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、モノケイ酸塩、モリブデン酸尿素(molybdateurea)ナトリウム、ホウ酸、アルミン酸塩、尿素、アセトアミド、エタンアミド、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせからなり、溶媒が水からなる、方法である。
【実施例】
【0074】
本明細書に開示される主題を概して説明したが、以下の実施例は主題の特定の態様として提示されることにより、その実施および利点を示す。実施例は説明のために提示されたものであり、いかなる方法によっても本明細書または特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0075】
実施例1
本明細書に開示される種類のCCAのキレート能を、AATCC149試験法により測定した。AATCC149試験法は、一般的なキレート剤のキレート能を測定するために日常的に採用されている方法である。この滴定法は、CaCV(カルシウム・キレート価)を測定するための再現性のある測定を可能にし、単位はmg Ca/g キレート剤である。実験は、約0.4g~約0.8gの活性物質を250mLのフラスコに入れ、脱イオン水85mLを加えて攪拌することにより行った。この混合物に5滴の50%NaOH水溶液を加え、混合物を攪拌した。ただし、遊離酸型のキレート剤を使用する場合は、10滴のNaOHを加えた。この混合物にpH12またはpH11の緩衝液1mLを加え、溶液を撹拌した後、濁りが残るまでシュウ酸ナトリウム溶液10mL、カルシウム溶液の順に加えた。試験結果を下記表に示す。
【表1】
【0076】
表1および表2の数値は、活性のために正規化(normalized)されている。全てのグルカル酸の誘導体は誘導体化されていないものを上回り、クエン酸ナトリウムや既存のキレート剤も上回った。
【0077】
最も驚くべき有利な結果は、グルカル酸と尿素、またはグルカル酸とケイ酸ナトリウムを含むCCAで観察された。ケイ酸ナトリウムは化学量論以下の比率で添加され、その結果、複数モルのグルカル酸がケイ酸塩と反応した可能性があり、複数の末端カルボキシル基が存在した。
【0078】
表1に示すように、本明細書で開示するCCAは既存のカルボン酸塩技術を凌駕している。これは、複雑なラクトンの化学的性質とカルボン酸塩の配向を制御することにより、陽イオンを効果的にキレートできることによる。
【0079】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるCCAは金属を含まない新規なカルシウムキレート剤であり、MGDA、EDTA、GLDAなどの既存のキレート剤を凌駕する。グルカル酸はカルシウムをキレートする末端カルボキシル基が最大2個であるのに対し、MGDAや他の化合物は末端カルボキシル基が3個であるため、これは予想外の有益な結果である。
【0080】
実施例2
改良ASTM D3556試験を用いて、自動食器洗い/食器洗い/食器洗浄用途における異なる洗剤ビルダーの有効性を判定した。具体的には、マーガリンと粉ミルクの混合物である汚れ組成物4グラムを使用して透明なガラス容器の内面をコーティングし、本明細書に開示するタイプのCCAを透明なガラス容器に使用した。CCAの具体的組成を表2に示す。
【表2】
【0081】
試験は、硬度145ppmのヒューストンの水道水を使用し、洗浄時間29分、温水洗浄(50℃)、冷水すすぎ、温水すすぎ(62℃)のサイクルで行い、食器洗浄機の同じ場所(前部/後部)を使用した。消費された水の総量は約5リットルであり、それぞれの検査に合計5mLの製剤が使用された。結果を表3に示す。
【表3】
【0082】
表3に見られるように、グルカル酸ベースの混合物は最も透明なガラスをもたらし、洗剤ビルダー/キレート剤の性能が高いことを示した。
【0083】
実施例3
CCAを他の洗浄用途でも評価した。具体的には、洗濯におけるグルカル酸ベースの製品の有効性を判定するため、ターゴトメータ(Tergotometer)試験を実施した。使用した組成は表4に示しており、CALSUDS L-60は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの室温溶液で、無臭の濁った不透明なペースト状であり、MASODOL 25-7は、高い表面活性と低い水生毒性を特徴とする直鎖第一級アルコールエトキシレート非イオン界面活性剤である。実験は、硬度150ppmの水と、綿に粘土、綿に埃と皮脂、CPDP(ポリエステル)に埃と皮脂、綿にEMPA101(カーボンブラック/オリーブオイル)、CPDP(ポリエステル)にEMPA104(カーボンブラック/オリーブオイル)の生地見本とを用いて行われた。色除去の程度であるΔEは、ΔEが高いほど色除去が良好であるように比色計を用いて測定した。
【0084】
洗浄した生地見本のCIE L
*、a
*、b
*値をUVフィルター付き測色計で測定した。(「ラボスキャンを使用した生地の測定(Measuring Fabric Usingthe Lab Scan)」に概説されているハンター研究室(Hunter lab)の推奨に従って)各生地タイプの見本はそれぞれ2回測定され、測定中は相互の上面を重ね合わされた。1回目の測定を行った後、見本を90度回転させ、2回目の測定を行った。6回の測定値を平均して記録した。その後、CIE L
*、a
*、b
*値を用いて、着色された生地の色の変化であるΔE(式1)を算出した。
【0085】
ここで、変数は以下の値を表す:L
*1はL
*の初期値、L
*2はL
*の最終値、a
*1はa
*の初期値、a
*2はa
*の最終値、b
*1はb
*の初期値、b
*2はb
*の最終値である。
【表4】
【0086】
硬度150ppmの水を用いたターグ(terg)試験の結果を
図1に、硬度300ppmの水を用いた結果を
図2に示す。具体的には、
図1および
図2は、試料組成の作用としてのΔE値のプロットである。
図1を参照すると、グルカル酸系のビルダーは既存製品に引けを取らず、ポリエステルにカーボンブラック/オリーブ油を付着したEMPA104の試験では全ての既存製品よりも優れていた。
図2も同様に、硬度300ppmの水という厳しい条件下でもCCAで見られる利点を示している。
【0087】
実施例4
他の用途や環境におけるCCAの有効性を判断するため、一連の硬質表面洗浄試験を実施した。ADCC-16試験を酸性組成中で実施した。CCAの処方を表5に示す。
【表5】
【0088】
試験方法は、固形石鹸、シャンプー、粘土、人工皮脂、及び硬水の混合物をタイルに使用した。洗浄効率は、元のタイル、洗浄したタイル、及び汚れたタイルの反射率の変化を測定することによって算出される。数値が高いほど、製剤の性能は高い。洗浄効率は式2で示される。
【0089】
ここで、Rcは洗浄された状態の反射率、Roは元の状態の反射率、Rsは汚れた状態の反射率である。結果は
図3に示されており、試料組成の作用としての洗浄効率パーセント(%C.E.)のプロットである。
図3を参照すると、GOGA45(粗製グルカル酸およびグルコン酸塩の生成物)は、既存のビルダーよりも著しく高い性能を示した。
【0090】
実施例5
他の用途や環境、特に水の硬度が300ppmであり酸化鉄、粘土、油分、セメント、及びシリカを含む複雑な汚れに対するCCAの有効性を判断するため、一連の硬質表面洗浄試験を実施した。試験はASTM D4488-95に従って実施した。CCAの配合を表6に示す。
【表6】
【0091】
ASTM試験は、硬度300ppmの水に生成物を2%添加し、擦り洗いのサイクルを2回のみに変更した。結果は
図4に示されており、洗浄効率のスコアが高いほど高い性能を示している。
【0092】
本主題を示し、説明したが、当業者であれば、本主題の精神および教示から逸脱することなく、その改変を行うことができる。本明細書に記載された態様は例示的なものであり、限定することを意図するものではない。本明細書に開示された主題の多くの変形および修正が可能であり、それらは開示された主題の範囲内である。数値範囲または制限が明示的に記載されている場合、そのような明示的な範囲または制限は、明示的に記載された範囲または制限に該当する同様の大きさの反復的な範囲または制限を含む(例えば、約1から約10までには、2,3,4などが含まれ、0.10より大きいものには、0.11、0.12、0.13などが含まれる)と理解されなければならない。請求項の任意の要素に関する「任意に」という用語の使用は、対象要素が必須であること、または必須でないことを意味することを意図している。いずれの選択肢も請求の範囲に含まれることが意図されている。含有する(comprises)、含む(includes)、有する(having)等のより広い用語の使用は、からなる(consisting of)、基本的に~からなる(consisting essentially of)、ほぼ~からなる(consisting substantially of)等のより狭い用語のサポートを提供するものと理解されなければならない。
【0093】
従って、保護範囲は上記の説明によって限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は特許請求の範囲の主題のすべての均等物を含む。各請求項は、本開示の一態様として明細書に組み込まれる。従って、特許請求の範囲は更なる説明であり、本発明の態様の追加である。本明細書における参考文献の議論は、それが現在開示されている主題の先行技術であることを認めるものではなく、特に、本出願の優先日以降の公開日を有する可能性のあるあらゆる参考文献を認めるものではない。本明細書において引用される全ての特許、特許出願、および刊行物の開示は、それらが本明細書において規定されるものを補足する例示的、手順的、または他の詳細を提供する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】