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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】車両用の一体型構成要素
(51)【国際特許分類】
   B60G 11/30 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B60G11/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575859
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 US2022032708
(87)【国際公開番号】W WO2022261236
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/202,402
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタック,マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヘインツマン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ピンソネールト,イスマエル
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA48
3D301DA14
3D301DB39
(57)【要約】
本出願の1つ以上の態様は、車両に加えられる負荷を吸収する横材等の、車両のための構造的構成要素機能を提供する一体型構成要素の構成又は管理に関する。更に、一体型構成要素は、例示的に、1つ以上の追加の車両構成要素のための空気溜め部機能を更に提供する。例示的な実施形態として、一体型構成要素は、例示的に、能動的又は半能動的な車両サスペンションシステム等のための圧縮空気を提供するために、ショックタワ間に取り付けられた横材に関連付けられる構造的構成要素機能と空気溜め部機能とを提供することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型構成要素であって、
流体を維持するための流体溜め部に対応する中空空洞を画定する前記一体型構成要素の第1の部分であって、該第1の部分が、流体を受け入れる又は提供することの一方のための少なくとも1つの流体ポートを含む、第1の部分と、
2つの取り付け部材間の構造的支持体を画定する前記一体型構成要素の第2の部分であって、該第2の部分が、前記第1の部分に取り付けられた一対の対向する翼部を備え、各翼部が、上面と、底面と、前記一体型構成要素を前記2つの取り付け部材に付けるためのセルフタッピングねじを受け入れるための少なくとも1つの押出インサートとを含む、第2の部分と、
を備える、一体型構成要素。
【請求項2】
前記第1の部分が、均一な円筒形の断面を有する、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項3】
前記第1の部分が、不均一な断面を有する、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項4】
前記第1の部分が、前記中空空洞の端部に一対のエンドキャップを含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項5】
第1の部分が、エンドキャップを受け入れるための1つ以上の面取りされた縁部を含む、請求項4に記載の一体型構成要素。
【請求項6】
前記少なくとも1つの流体ポートが、前記一対のエンドキャップのエンドキャップに取り付けられている、請求項4に記載の一体型構成要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つの流体ポートが、前記一対のエンドキャップのエンドキャップに取り付けられる、請求項4に記載の一体型構成要素。
【請求項8】
前記少なくとも1つの流体ポートが、複数の流体ポートを含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つの押出インサートが、前記少なくとも1つの押出インサートを前記一対の対向する翼部に付けるための一対のディンプルを含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項10】
前記一対の対向する翼部が、該一対の翼部が相対的に直径方向に対向するように、前記第1の部分に付けられている、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項11】
前記一対の対向する翼部が、該一対の翼部が相対的にオフセットするように、前記第1の部分に付けられている、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項12】
前記一対の対向する翼部が、共通の寸法を有する、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項13】
前記一対の対向する翼部が、異なる寸法を有する、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項14】
前記一対の翼部のうちの少なくとも1つの翼部が、追加の構成要素を前記一体型構成要素に付けるための少なくとも1つの取り付けブラケットを含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項15】
前記一対の翼部のうちの少なくとも1つの翼部が、追加の構成要素を前記一体型構成要素に付けるための少なくとも1つの取り付け構造を含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項16】
前記2つの取り付け部材が、車両に関連付けられた一対のショックタワを含む、請求項1に記載の一体型構成要素。
【請求項17】
一体型構成要素であって、
流体を維持するための流体溜め部に対応する中空空洞を画定する前記一体型構成要素の第1の部分であって、該第1の部分が、流体及び一組のエンドキャップを受け入れる又は提供するための複数の流体ポートを含む、第1の部分と、
車両内に画定された2つの取り付け部材間の構造的支持体を画定する前記一体型構成要素の第2の部分であって、該第2の部分が、前記第1の部分に取り付けられた一対の対向する翼部を備え、各翼部が、上面と、底面と、を含む、第2の部分と、
を備える、一体型構成要素。
【請求項18】
前記第1の部分が、少なくとも1つの涙滴断面を含む、請求項17に記載の一体型構成要素。
【請求項19】
前記一対の対向する翼部の各々が、前記一体型構成要素を前記2つの取り付け部材に付けるために取り付け構成要素を受け入れるための少なくとも1つの押出インサートを含む、請求項17に記載の一体型構成要素。
【請求項20】
前記一対の翼部のうちの少なくとも1つの翼部が、追加の構成要素を前記一体型構成要素に付けるための少なくとも1つの取り付けブラケットを含む、請求項17に記載の一体型構成要素。
【請求項21】
一体型構成要素であって、
流体を維持するための流体溜め部に対応する中空空洞を画定する前記一体型構成要素の第1の部分であって、流体及び一組のエンドキャップを受け入れる又は提供するための複数の流体ポートを含む、第1の部分と、
車両内に画定された2つの取り付け部材間の構造的支持体を画定する前記一体型構成要素の第2の部分であって、該第2の部分が、前記第1の部分に付けられた一対の対向する翼部を含み、追加の構成要素を受け入れるための少なくとも1つの更なる表面を画定する、第2の部分と、
を備える、一体型構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
・関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月9日に出願された「INTEGRATED COMPONENTS FOR VEHICLES」と題する米国仮出願第63/202,402号の利益を主張する。米国仮出願第63/202,402号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一般的に説明すると、電気自動車、内燃機関車両、ハイブリッド車等の様々な車両は、車両の動作を容易にするために様々な構成要素で構成することができる。従来、多くの構成要素は、指定された機能を実装するために必要な仕様に従って具体的に構成されている。例えば、車両内の構造的構成要素の属性(例えば、材料、寸法、取り付け等)は、構造的構成要素にかかる負荷を満たすか又は超える方法で指定及び選択される。車室構成要素、サスペンション構成要素、ディスプレイ構成要素等の他の構成要素は、構成要素のそれぞれの機能に関連する選択された属性で構成される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図面を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に記載の例示的な実施形態を例示するために提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0004】
図1】本出願の1つ以上の態様による、ショックタワ横材、サスペンションシステム用の空気溜め部構成要素、エアダクト、及びエアフィルタ等の独立した構造的構成要素を含む車両区画の一部の構成を示す図である。
【0005】
図2】本出願の態様による2つの異なる機械的機能を実装する一体型構成要素の図である。
【0006】
図3】本出願の例示的な実施形態による図2の一体型構成要素の図である。
【0007】
図4】本出願の例示的な実施形態による図2の一体型構成要素の図である。
【0008】
図5】本出願の例示的な実施形態による図2の一体型構成要素の図である。
【0009】
図6】本出願の例示的な実施形態による一体型構成要素のエンドキャップを示す図2の一体型構成要素の図である。
【0010】
図7】一体型構成要素の空気溜め部の部分のための不均一な円筒形状を含む、本出願の様々な態様を示す一体型構成要素の断面図である。
【0011】
図8】電気自動車等の車両の前部区画内のショックタワ間の一体型構成要素の取り付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、車両に実装された別個の機械的機能を統合する1つ以上の構成要素の構成及び管理に関する。より具体的には、本出願の1つ以上の態様は、車両に加えられる負荷を吸収する横材等の、車両のための構造的構成要素機能を提供する一体型構成要素(コンポーネント)の構成又は管理に関する。更に、一体型構成要素は、例示的に、1つ以上の追加の車両構成要素のための空気溜め部機能を更に提供する。例示的な実施形態として、一体型構成要素は、例示的に、能動的又は半能動的な車両サスペンションシステム等のための圧縮空気を提供するために、ショックタワ間に取り付けられた横材に関連付けられる構造的構成要素機能と空気溜め部機能とを提供することができる。
【0013】
従来、車両構成要素は、単一の主要機能を実行するように構成及び製造され得る。例えば、構造的構成要素は、構造的構成要素に加えられる予想される構造的負荷を満たすか又は超えるように、材料、寸法、取り付け機構及び他の属性に従って構成されてもよい。そのような構造的構成要素は、従来、車両の動作に使用される流体のための溜め部として機能する等、追加の機能を提供していない。同様に、車両内の他の構成要素は、典型的には、構成要素(例えば、車両に流体を供給するための機械的溜め部)の機能要件を満たすように材料、寸法、取り付け機構及び他の属性で構成される。これらの追加の構成要素は、必ずいくつかの構造的特性を有するが、これらの構成要素は、従来の構造的構成要素に必要とされるような負荷要求を満たすか又は超えるように構成されていない。
【0014】
多くの従来の内燃機関車両は、内燃機関、サスペンションシステム及び関連構成要素等の配置専用の区画を含む。そのような実施形態では、これらの区画は、意図された構成要素に排他的に又は主に専用である。したがって、統合による構成要素密度の増加に関して潜在的な利益は必要とされず、又は他の方法で実現可能な利益をもたらす。同様に、従来の内燃機関車両は、車両の総重量に大きく影響しない多くの種類の構成要素の排除に基づく潜在的な重量節約から恩恵を受けないことが多い。
【0015】
より詳細に説明するように、本出願の態様は、車両の動作に利用される2つの独立した構成要素を単一の部品に統合し、それによって空間の使用を最適化し、質量を低減し、複雑さを低減することに関する。例示的には、電気自動車等の車両に組み込まれるように、従来はエンジン(例えば、内燃機関)に割り当てられていた区画空間は、利益の機会を提供する。例示的には、本出願の一体型構成要素は、溶接されたエンドキャップを有する中央押出成形を活用して十分な応力管理を可能にする。更に、一体型構成要素は、ショックタワに取り付け、追加の構成要素(コントローラ、熱システム、LVバッテリ、ハーネス等)を運ぶための翼部上のボルト締め接合面の能力を促進する。本出願の一体型構成要素は、ボンネット包装密度の下で大幅に改善され、その結果、質量、コスト、及び包装密度が低減される。更に、本出願の一体型構成要素は、より大きなトラック空間(前方及び後方)等の消費者使用のために利用可能な空間を増加又は最適化するように構成することができる。
【0016】
図1は、独立した構造的構成要素(複数の場合もある)を含む車両区画の一部100の構成を示す。ショックタワ横材102、サスペンションシステム104用の空気溜め部構成要素、エアダクト106、及びエアフィルタ108等の独立した構造的構成要素。図1に示すように、各構成要素、すなわち102、104、106、108は、個々の機能のために構成され、追加の機能のために構成されず、或いは機能の組合せを組み込む。例えば、ショックタワ横材102は、空気溜め部構成要素104に関連する機能を提供しない。
【0017】
図2は、2つの異なる機械的機能を実装する一体型構成要素202を含むシステム200の図である。本出願の例示的な実施形態によれば、一体型構成要素202は、車両内の2つの構成要素間の構造的横材支持体として構成され、機能する。一実施形態では、構造的横材は、ショックタワ構成要素間に取り付けることができる。更に、一体型構成要素202は、サスペンションシステム用の空気溜め部として機能する。一体型構成要素の更なる議論は、本明細書で説明される。図2にも示すように、システム200は、車両に機能を提供する追加の構成要素を含むことができる。例示的には、システムの追加の構成要素は、共通のエアフィルタ筐体及びエアダクト204を含むことができる。
【0018】
図2のシステム200は、バッテリシールド、溜め部ポンプブラケット、及び追加のダクト等の複数の追加の部品又は構成要素の削減を可能にし、その一部は図1に示されている。更に、いくつかの実施形態では、一体型構成要素202は、そうでなければ別個の独立して構成される構造的構成要素で構成された複数の車両の種類に適用することができる。これは、複数の車両に共通の一体型構成要素部品を有することによって、製造及び組み立てを改善する。したがって、本出願の1つ以上の態様は、ショックタワ構成要素間の構造的横材に限定されるべきではない。更に、図2に示す追加の構成要素、すなわち共通のエアフィルタ筐体及びエアダクト204は、本出願の態様による追加の又は代替の構成要素を含むことができる。したがって、本出願の態様は、機能の少なくとも一部、すなわち、以前は独立して別個の構成要素であった構造的構成要素及び空気溜め部源の組合せで実現することができる。
【0019】
図3は、本出願の例示的な実施形態による一体型構成要素202(図2)の図300である。一体型構成要素202は、加圧流体用の溜め部として機能する空洞を提供するように構成された実質的に円筒形の第1の部分302を含む。第1の部分302は、一体型構成要素の第1の機械的機能として機能する。一体型構成要素の第1の部分302は、一体型構成要素202の車両区画への取り付け又は組み込みを容易にし得る、圧縮された円筒形(例えば、涙滴)又は不均一な地理的形状等の異なる形状であってもよい。
【0020】
円筒形状の直径等の第1の部分302の寸法は、第1の部分に維持される加圧流体の体積に基づいて指定することができる。図3並びに図5及び図7に示すように、第1の部分302は、第1の部分302(例えば、空気溜め部)の加圧煙道にアクセスする他の構成要素のためのインターフェースとして機能する2つ以上のポートを含む。例示的には、2つ以上のポート304は、ポート304のための追加の溶接の必要性を軽減するフロードリルを利用して構築することができる。これにより、第1の圧力部分における潜在的な漏れ又は応力集中の更なる原因の最小化が容易になる。第1の部分304の厚さ(例えば、円筒形状)は、一体型構成要素の構築に利用される材料の性能/属性、一体型構成要素の形成方法、及び流体が維持される圧力を考慮して選択されてもよい。ポート304は、第1の部分302の長手方向表面に沿って取り付けられるように図3に示されているが、1つ以上のポート304は、エンドキャップ上を含む、第1の部分302に沿った他の位置に含まれてもよい。
【0021】
一体型構成要素202はまた、一体型構成要素の第2の機械的構造のための更なる構造的支持機構として機能する第2の部分306を含む。一体型構成要素202の第2の部分306は、実質的に平坦な上面308A、308B及び底面310A、310Bを有する2つの翼部306A、306Bの形態である。上面及び底面(308A、308B、310A、310B)は、2つのショックタワ(図示せず)等を介して、一体型構成要素を車両に取り付けるための1つ以上の表面を更に提示する。したがって、第2の部分306への言及は、一般に、単一の翼部306A若しくは306B、又は翼部306Aと306Bとの組合せを含むことができる。
【0022】
例示的には、翼部306の上面308及び底面310はまた、車両で利用される追加の構成要素の取り付けを容易にすることができ、それによって追加の構成要素のための別個の更なる取り付け構造を排除又は交換する。第2の部分306の寸法(例えば、翼部306A、306Bの長さ及び幅及び深さ)は、一体型構成要素を構築するために利用される材料の構造的支持特性及び他の構成要素のための追加の取り付け表面として機能するための翼部の所望の表面積に基づいて変えることができる。図3に示すように、翼部306A、306Bは、円筒形の第1の部分に対して正反対に配置されてもよい。更に、図3に示すように、翼部306A及び306Bの寸法は、製造公差内で実質的に同様であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の翼部306A及び第2の翼部306Bは、例示的に、車両の区画内への一体型構成要素202の組み込みを容易にするために、又は蓋若しくはボンネットに隣接する一体型構成要素の配置を容易にし、蓋若しくはボンネットの閉鎖を可能にするために、互いに対してわずかにオフセットした配置に製造されてもよい。他の実施形態では、個々の翼部306A及び306Bの寸法は、構造的横材への取り付け、追加の機器の取り付け、又はそれらの組合せのいずれかに対応するように変えることができる。
【0024】
一体型構成要素202(又は一体型構成要素の一部)は、例示的には、プッシュ押出製造等によってアルミニウム又は他の同様の材料から形成される。他の実施形態では、一体型構成要素202は、静水圧押出、衝撃押出、間接押出、直接押出、又はそれらの任意の変形を含むがこれらに限定されない他の技術を使用して製造することができる。また更に、更なる他の実施形態では、一体型構成要素202(又は一体型構成要素の一部)は、高圧ダイカスト技術を使用して製造することができる。
【0025】
図4及び図5を参照すると、例示的な実施形態では、第2の部分(例えば、翼部306A又は306B)は、一体型構成要素を車両に付けるための取り付け機構(複数の場合もある)を更に含むことができる。具体的には、一実施形態では、一体型構成要素202は、一体型構成要素が車両の取り付け面と共通の接地接続を有することを可能にするねじ又はボルト等のセルフタッピング機構を利用して車両に留めてもよい。上述したように、一実施形態では、車両の取り付け面は、一体型構成要素202がショックタワ間の横材として機能するショックタワに対応する。
【0026】
再び図4及び図5を参照すると、第2の部分はまた、翼部と車両の取り付け面への接続部との間に追加のねじり剛性を提供する押出インサート402を組み込むことができる。上述のセルフタッピング機構(複数の場合もある)は、開口部404を介して挿入することができる。更に、いくつかの実施形態では、押出インサート406は、追加の溶接又は他の取り付け構造(例えば、ねじ)なしで翼部に固定されたままにするために、1つ以上のディンプル406を介して翼部306に付けられてもよい。
【0027】
例示的には、ねじ又はボルトを利用して取り付けが容易になる実施形態では、製造プロセス中の一体型構成要素202の組み込みを変えることができる。より具体的には、構造的構成要素のみのための従来の溶接取り付けの代わりにねじ/ボルト機構を利用することにより、製造プロセスの異なる時点で一体型構成要素を組み込むことが可能になる。これは、一体型構成要素の位置の下に直接取り付けられた構成要素のより早いアクセスを可能にする。
【0028】
図5を参照すると、上述したように、例示的な実施形態では、第2の部分306(306Aとして示される)は、マニホールド、ポンプ、バッテリ構成要素、換気アセンブリ等の車両の追加の構成要素を受け入れるための取り付け面及び関連付けられた構造を含むことができる。例示的には、第2の部分306Aの表面308A、310Aは、追加の構成要素との結合、又はクリップ、ねじボルト等の追加の取り付け機構の受け入れを容易にするための特定の寸法であってもよい。図5に示すように、上面308Aは、追加の構成要素を受け入れて取り付けるための第1の組の開口部502を含むことができる。開口部502は、例示的に、構成要素を翼部306Aに固定するための追加の締結具を含むことができる。他の実施形態では、開口部502は、セルフタッピングねじ又は他の取り付け機構を使用するための中実インサートで支持することができる。上面及び底面は、本明細書に記載の追加の構成要素を保持し、付ける役割を果たすことができる取り付けブラケット504を更に含むことができる。例示的には、開口部502及びブラケット504のサイズ及び位置は、取り付けられている構成要素の種類及び車両区画内で利用可能な幾何学的形状に応じて変えることができる。更に、上述したように、上面308及び底面310の寸法は、追加の構成要素を取り付けるために必要な表面積に対応するように変えることができる。
【0029】
ここで図6を参照すると、例示的な実施形態では、空気溜め部機能を実装する第1の部分302は、加圧流体の保持を容易にするエンドキャップ600を更に含むことができる。例示的には、エンドキャップ600は、流体が第1の部分602によって形成された空洞内に密封されるように、第1の部分302の本体に溶接することができる。更に、いくつかの実施形態では、円筒形(又は実質的に円筒形)部分の縁部602は、完全な溶接を容易にし、エンドキャップの破損を軽減するために面取りされてもよい。円筒形部分はまた、図6に示すように、エンドキャップ600との接触を可能にするために押出成形上に小さなレッジ604を有することができる。図6に更に示すように、いくつかの実施形態では、エンドキャップ600の外面606は実質的に平坦であり、これは車両区画に含めることを容易にすることができる。他の実施形態では、エンドキャップ306の外面は、湾曲した形状(例えば、球形)を有してもよい。この実施形態では、エンドキャップ600の形状及び寸法は、流体が第1の部分302内に維持される圧力に基づいて変更されてもよい。更に、エンドキャップのうちの1つ以上は、第1の部分302の本体部分とともに製造されてもよい。
【0030】
図7は、一体型構成要素202の断面を示す。図7に示すように、一実施形態では、第1の部分302は、均一な円筒形の断面を有していない。したがって、いくつかの実施形態では、第1の部分302によって画定される空洞は、車両区画内の他の構成要素又は車両区画の寸法に適応するように変更されてもよい。図7にも示すように、翼部306A及び306Bは、互いに対してオフセットされている。更に、翼部306A及び306は、異なる寸法(例えば、第1の寸法及び第2の寸法)を有する。翼部の寸法の属性は、車両又は構造的支持体への一体型構成要素の取り付け要件に起因し得る。追加的又は代替的に、寸法の属性はまた、前述のように、一体型構成要素に取り付けられた追加の構成要素の取り付け要件に起因し得る。
【0031】
図8は、電気自動車等の車両の前部区画800内のショックタワ802間の一体型構成要素202の取り付けを示す。しかしながら、当業者は、一体型構成要素202がショックタワ802間の取り付けに限定されないことを理解するであろう。本出願の複数の実施形態が電気自動車において説明及び図示されているが、当業者であれば、本出願の一体型構成要素202が、航空機、ボート、商用車、又は機械を含むがこれらに限定されない他の種類の装置に適用及び組み込まれてもよいことを理解するであろう。更に、一体型構成要素202は、車両内のショックタワに構造的支持体を提供するものとして示されているが、一体型構成要素は、任意の様々な構成要素間に構造的支持体を提供するように構成されてもよい。また更に、一体型構成要素は、サスペンションシステム用の溜め部としての第2の機械的機能に関して図示及び説明されているが、一体型構成要素の第1の構成要素は、加圧流体を任意の数の他の構成要素に、又は加圧流体が利用される異なる種類の機能のために提供するように構成されてもよい。したがって、開示された実施形態は本質的に例示であり、限定するものと解釈されるべきではない。
【0032】
更に、一体型構成要素202の寸法は、例示的に、取り付け構成要素(例えば、ショックタワ)間の距離、車両構成要素800の幾何学的形状、一体型構成要素202に取り付けられた構成要素の寸法、及び一体型構成要素に取り付けられていないが車両区画800内に位置する他の構成要素の寸法に基づいて可変である。したがって、一体型構成要素の寸法は、本明細書に記載の任意の個々の基準又は基準の組合せに従って変えることができる。
【0033】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で変更又は他の方法で実施することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示された換気アセンブリの様々な実施形態を作成及び使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス、又はステップは、本明細書で代表的に示され説明されたものに置き換えられてもよい。更に、本開示の或る特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に全てが当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を記載及び特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」等の表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0034】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての結合についての言及(例えば、付け加えられた、付けられた、結合された、接続された等)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の配置、向き、又は使用に関して限定をもたらすものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような結合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。
【0035】
更に、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「1次」、「2次」、「主要な」等の全ての数値用語、又は任意の他の通常の及び/又は数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態の、別の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態に対する、又は別の要素、実施形態、変形形態及び/又は修正形態を超える順序又は好みに関して、いかなる限定も生じ得ない。
【0036】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ以上は、より分離又は統合された方法で実施することもでき、或いは或る特定の場合には動作不能として除去又はレンダリングすることもできることも理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】