(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
F02B 37/00 20060101AFI20240621BHJP
F02B 39/00 20060101ALI20240621BHJP
F01N 3/18 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F02B37/00 301G
F02B39/00 D
F02B37/00 302Z
F01N3/18 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575896
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2022065807
(87)【国際公開番号】W WO2022258801
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021205972.4
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504174917
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト・ツァー・フォデラング・デル・アンゲワンテン・フォーシュング・エー.ファウ.
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スツォーラク ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ボーテル パウル
(72)【発明者】
【氏名】ダンカート ベルント
【テーマコード(参考)】
3G005
3G091
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005FA35
3G005HA18
3G091AA10
3G091AB01
3G091BA02
3G091CA01
(57)【要約】
本発明は、内燃機関の新気を圧縮するコンプレッサ構造体(2)と、新気入口(201)及び新気出口(202)を有し、コンプレッサインペラ(32)が配設されたコンプレッサハウジング(20)と、コンプレッサ構造体(2)を駆動する排気ガスタービン(3)と、排気ガス入口(301)及び排気ガス出口(302)を有し、タービンホイール(32)が配設されたタービンハウジング(30)と、供給された燃料を新気及び/又は排気ガスで変換する加熱式触媒コンバータ(4)と、を備えたターボチャージャ(1)に関する。加熱式触媒コンバータ(4)は、ガス入口(401)、ガス出口(402)及び燃料入口(403)を有する触媒コンバータハウジング(40)を備え、第一に触媒コンバータハウジング(40)、第二にコンプレッサハウジング(20)及び/又はタービンハウジング(30)が部分表面に熱的に接触する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボチャージャ(1)であって、
内燃機関の新気を圧縮するように構成されたコンプレッサ構造体(2)と、
前記コンプレッサ構造体(2)を駆動するための少なくとも1つの排気ガスタービン(3)と、
を備え、
前記コンプレッサ構造体(2)は、新気入口(201)及び新気出口(202)を有する少なくとも1つのコンプレッサハウジング(20)と、前記コンプレッサハウジング(20)内に配設された少なくとも1つのコンプレッサインペラと、を備え、
前記排気ガスタービン(3)は、排気ガス入口(301)及び排気ガス出口(302)を有する少なくとも1つのタービンハウジング(30)と、前記タービンハウジング(30)内に配設された少なくとも1つのタービンホイールと、を備え、
前記ターボチャージャ(1)は、供給された燃料を新気及び/又は排気ガスで少なくとも部分的に変換する加熱式触媒コンバータ(4)をさらに備え、
前記加熱式触媒コンバータ(4)は、ガス入口(401)、ガス出口(402)及び燃料入口(403)を有する触媒コンバータハウジング(40)を有し、
第一に前記触媒コンバータハウジング(40)と、第二に前記コンプレッサハウジング(20)及び/又は前記タービンハウジング(30)とが、少なくとも1つの部分表面(45)において熱的に接触する、ことを特徴とするターボチャージャ。
【請求項2】
第1のオーバーフローチャネル(15)をさらに備え、
前記第1のオーバーフローチャネル(15)は、第1の端部(151)と、反対側の第2の端部(152)と、を有し、
前記第1の端部(151)は、前記タービンハウジング(30)の前記排気ガス入口(301)に接続され、前記第2の端部(152)は、前記触媒コンバータハウジング(40)の前記ガス入口(401)に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
【請求項3】
第2のオーバーフローチャネル(25)をさらに備え、
前記第2のオーバーフローチャネル(25)は、第1の端部(251)と、反対側の第2の端部(252)と、を有し、
前記第1の端部(251)は、前記コンプレッサハウジング(20)の前記新気出口(202)に接続され、前記第2の端部(252)は、前記触媒コンバータハウジング(40)の前記ガス入口(401)に接続されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
第3のオーバーフローチャネル(35)をさらに備え、
前記第3のオーバーフローチャネル(35)は、第1の端部(351)と、反対側の第2の端部(352)と、を有し、
前記第1の端部(351)は、前記触媒コンバータハウジング(40)の前記ガス出口(402)に接続され、前記第2の端部(352)は、前記タービンハウジング(30)の前記排気ガス出口(302)に接続されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項5】
前記第3のオーバーフローチャネル(35)の前記第2の端部(352)に、少なくとも1つのノズル(353)が配設されている、ことを特徴とする請求項4に記載のターボチャージャ。
【請求項6】
前記第1のオーバーフローチャネル(15)及び/又は前記第2のオーバーフローチャネル(25)及び/又は前記第3のオーバーフローチャネル(35)に二方弁(52)が設けられている、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項7】
3つの入口/出口を有する三方弁(53)をさらに備え、
前記三方弁(53)には前記第1のオーバーフローチャネル(15)、前記第2のオーバーフローチャネル(25)及び前記ガス入口(401)が接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項8】
前記触媒コンバータハウジング(40)の少なくとも1つの部分(421、422)、及び前記コンプレッサハウジング(20)又はタービンハウジング(30)は一体的に形成されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項9】
前記触媒コンバータハウジング(40)の少なくとも1つの部分(42)、前記コンプレッサハウジング(20)及び前記タービンハウジング(30)は一体的に形成されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項10】
前記第1のオーバーフローチャネル(15)及び/又は前記第2のオーバーフローチャネル(25)及び/又は前記第3のオーバーフローチャネル(35)は、少なくとも所定の領域において、前記触媒コンバータハウジング(40)及び/又は前記コンプレッサハウジング(20)及び/又は前記タービンハウジング(30)におけるボアとして設計されている、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のターボチャージャ。
【請求項11】
排気ガスが前記タービンハウジング(30)を流れるときに、一方の前記触媒コンバータハウジング(40)と、他方の前記コンプレッサハウジング(20)及び/又は前記タービンハウジング(30)との間における熱接触によって、約0.5kW~約6kW、又は約1kW~約4kW、又は約0.5kW~約3kWの熱流が前記触媒コンバータハウジング(40)に導入される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項12】
前記触媒コンバータハウジング(40)と、少なくとも前記コンプレッサハウジング(20)又は前記タービンハウジング(30)とは、1つの鋳造部品として形成される、ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
【請求項13】
ターボチャージャを備えた内燃機関の改修方法であって、
既存のターボチャージャを取り外すステップと、
請求項1~12のいずれか一項に記載のターボチャージャを取り付けるステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の新鮮な空気(新気)を圧縮するように構成されたコンプレッサ構造体を有するターボチャージャに関する。コンプレッサ構造体は、新気入口及び新気出口を有する少なくとも1つのコンプレッサハウジングと、コンプレッサハウジング内に配設され少なくとも1つのコンプレッサインペラと、を備える。少なくとも1つの排気ガスタービンは、コンプレッサ構造体を駆動し、少なくとも1つのタービンハウジングは、排気ガス入口及び排気ガス出口を有し、少なくとも1つのタービンホイールは、タービンハウジング内に配設される。
【背景技術】
【0002】
内燃機関が少なくとも1つのターボチャージャを有することは実際に知られている。ターボチャージャは、タービンを有し、タービンは、排気ガス流から運動エネルギーを取り出して、これを機械的動力として供給する。この機械的動力は、コンプレッサを駆動するために使用され、燃焼に必要な新気を内燃機関に高圧で供給する。これにより、応答特性、出力及び/又は消費を最適化することができる。
【0003】
内燃機関から少なくとも1つの排気ガス後処理装置に排気ガスを供給することも実際に知られている。排気ガス後処理装置は、例えば、パティキュレートフィルタ(微粒子捕集フィルタ)及び/又は少なくとも1つの触媒コンバータを有する。触媒コンバータは、煤粒子を保持するか、あるいは、CO,CHX(クロルヘキシジン)又はNOX(窒素酸化物)などの汚染物質を酸化又は還元して無害化する。
【0004】
既知の触媒コンバータはすべて、排気ガスから汚染物質を十分に除去するために、通常の周囲条件よりも高い運転温度を必要とする。パティキュレートフィルタは、冷間始動後でも確実に機能するが、時々高温で再生される必要がある。
【0005】
したがって、国際公開WO2020/193595A1は、供給された燃料を排気ガス又は新気で変換するように設計された加熱式触媒コンバータを開示している。加熱式触媒コンバータは、さまざまな運転状態で作動する。例えば、供給された燃料は、排気ガス後処理装置における酸化のために、単に気化されて、その結果、熱が放出され、排気ガス後処理装置が加熱される。別の運転状態では、燃料の少なくとも一部が合成ガスに変換される。合成ガスは、排気ガス後処理装置におけるライトオフ温度が低いので、内燃機関の一部の運転状態において、排気ガス後処理装置の加熱を改善する。最終的に、燃料は加熱式触媒コンバータにおいて完全に変換されて、高温ガスを生成する。高温ガスは排気ガス後処理装置に供給されて、排気ガス後処理装置を加熱する。
【0006】
この公知の加熱式触媒コンバータの欠点は、特にスペースが制限されている乗用車や軽商用車において追加の設置スペースが必要となることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、先行技術に基づき、内燃機関の排気ガス後処理装置を迅速に加熱する装置であって、設置スペースをほとんど必要とせず、かつ、既存の内燃機関の改修にも適した装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、請求項1に記載のターボチャージャによって達成される。本発明のさらなる有利な展開は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明によれば、少なくとも1つのコンプレッサ構造体と、少なくとも1つの排気ガスタービンと、を有するターボチャージャが提供される。コンプレッサ構造体は、内燃機関に供給される新気を圧縮するように設計されている。この目的のために、コンプレッサ構造体は、新気入口及び新気出口を有する少なくとも1つのコンプレッサハウジングと、コンプレッサハウジング内に配設された少なくとも1つのコンプレッサインペラと、を備える。内燃機関における燃料の燃焼に必要な新気は、第1の圧力で新気入口からコンプレッサ構造体に供給され、第2の圧力で新気出口から排出される。第2の圧力は第1の圧力よりも高くなっている。従って、コンプレッサにより、新気には、機械的な働きが加えられる。
【0010】
少なくとも1つのコンプレッサインペラは、複数のロータブレード(動翼)を有し、ラジアルコンプレッサ又はアキシャルコンプレッサとして動作する。本発明の他の実施例では、少なくとも1つのコンプレッサインペラは、スクリューコンプレッサ又はルーツブロワ、あるいは、斜板式コンプレッサの一部となっている。本発明は、特定の設計のコンプレッサ構造体を解決原理として使用することを教示するものではない。
【0011】
少なくとも1つの排気ガスタービンは、コンプレッサ構造体を駆動するように設計されている。この目的のために、一方の排気ガスタービンと他方のコンプレッサ構造体とは、回転シャフト、ギアボックス、ベルト駆動、又はそれ自体が公知の別の方法で、互いに連結している。少なくとも1つの排気ガスタービンは、排気ガス入口と排気ガス出口とを有する少なくとも1つのタービンハウジングと、タービンハウジング内に配設された少なくとも1つのタービンホイールとを、有する。排気ガスタービンは、排気ガス流からエネルギーを取り出し、機械的動力として供給するように設計されている。この点で、内燃機関からの排気ガス流は、排気ガス入口を介して、第2の圧力で、タービンハウジングに供給され、排気ガス出口を介して、第1の圧力で、排出される。第2の圧力は第1の圧力よりも高くなっている。
【0012】
本発明によるターボチャージャはまた、供給された燃料を新気及び/又は排気ガスで少なくとも部分的に変換するように設計された加熱式触媒コンバータを有し、加熱式触媒コンバータは、少なくとも1つのガス入口及び少なくとも1つのガス出口並びに少なくとも1つの燃料入口を有する触媒コンバータハウジングを備える。新気及び/又は排気ガスは、ガス入口から供給される。例えばガソリン又はディーゼルなどの燃料は、燃料入口を介して、加熱式触媒コンバータに供給される。加熱式触媒コンバータにおいて、燃料と、排気ガス及び/又は新気と、から生成ガスが生成される。この目的のために、燃料は、加熱式触媒コンバータにおいて気化され、及び/又は、熱の放出により少なくとも部分的に酸化され、及び/又は、クラッキング反応により合成ガスに変換される。生成ガスには、よって、高温ガス及び/又は燃料蒸気及び/又は合成ガスが含まれる。生成ガスは、ガス出口を介して加熱式触媒コンバータから排出され、排気ガスタービンの下流側の排気管に再び供給される。したがって、排気ガスタービンによって発生する乱流を利用して、加熱式触媒コンバータで生成された生成ガスを排気ガスと混合することができる。排気ガス及び/又は新気は、ガス入口を介して、それぞれの第2の圧力で供給され、流れる排気ガス中に第1の圧力で排出されるので、その結果、追加の搬送装置を必要とせずに、触媒コンバータハウジングを通る確実な流れが得られる。本発明の幾つかの実施例では、加熱式触媒コンバータは、供給された燃料をコークス化させることなくフリースによって気化させるように、設計されている。
【0013】
本発明によれば、一方の触媒コンバータハウジングと、他方のコンプレッサハウジング及び/又はタービンハウジングとが、少なくとも1つの部分表面において熱的に接触することが提案される。一つには、加熱式触媒コンバータの追加機能を持たない公知のターボチャージャに比べ、加熱式触媒コンバータを内蔵したターボチャージャは、これ以上の設置スペースをほとんど必要としないため、コンパクトな設計につながる。さらに、ターボチャージャを有する、既に使用されている内燃機関に対しては、既存のターボチャージャを本発明によるターボチャージャに交換することにより、本発明による加熱装置を容易に後付けすることができる。このようにして、エンジン内で対処することで、内燃機関の効率を低下させることなく、追加の熱エネルギーを排気ガス後処理装置に導入することができる。
【0014】
さらに、ターボチャージャの運転中に発生する廃熱を加熱式触媒コンバータに供給することで、加熱式触媒コンバータ自体は、より早く運転温度に達することができる。その結果、加熱式触媒コンバータへの電気補助エネルギーの供給は低減又は完全に回避され、加熱式触媒コンバータを消費最適化された方法で運転させることができる。
【0015】
本発明のいくつかの実施例では、ターボチャージャは、第1のオーバーフローチャネルをさらに備え、第1のオーバーフローチャネルは、第1の端部と、反対側の第2の端部と、を有する。第1の端部はタービンハウジングの排気ガス入口に接続され、第2の端部は触媒コンバータハウジングのガス入口に接続される。これによって、加熱式触媒コンバータに排気ガスが供給され、排気ガスは、一方では、触媒コンバータにおける燃料の変換を可能、あるいは、促進するために、加熱式触媒コンバータに熱エネルギーを導入し、他方では、燃料を気化、すなわち液体状態から気体状態に変換する。さらに、排気ガスは、燃料の少なくとも一部を酸化して熱を放出するための酸化剤として使用される。富酸素排気ガスはこの目的に特に適しており、例えば火花点火式内燃機関のリーン運転時(空気数λ>1)、あるいは、一般には自己着火式内燃機関の場合に、生成される。
【0016】
本発明のいくつかの実施例では、ターボチャージャは、少なくとも1つの第2のオーバーフローチャネルを備え、第2のオーバーフローチャネルは、第1の端部と、反対側の第2の端部と、を有する。第1の端部はコンプレッサハウジングの新気出口に接続され、第2の端部は触媒コンバータハウジングのガス入口に接続される。このように、第2のオーバーフローチャネルは、加熱式触媒コンバータに新気を供給するために使用される。排気ガスと同様に、圧縮された新気も、加熱式触媒コンバータに追加の熱エネルギーを加えるために使用される。さらに、新気は、加熱式触媒コンバータに供給される燃料の酸化剤として適している。このようにして、原料排気ガスの組成に関係なく酸化が行われるため、燃料の酸化は、内燃機関の運転状態にとらわれず、確実に行われる。
【0017】
本発明のいくつかの実施例では、ターボチャージャは、第3のオーバーフローチャネルを備え、第3のオーバーフローチャネルは、第1の端部と、反対側の第2の端部と、を有する。第1の端部は、触媒コンバータハウジングのガス出口に接続され、第2の端部は、タービンハウジングの排気ガス出口に接続される。このように、第3のオーバーフローチャネルは、排気ガスタービンの下流側の加熱式触媒コンバータで生成された生成ガスを排気管に供給するのに適しており、かつ、そのためのものである。既に上述したように、生成ガスは、燃料蒸気であってもよく、あるいは、燃料蒸気を含んでもよい。本発明の他の実施例では、生成ガスは、加熱式触媒コンバータ上で燃料を反応させることによって得られる合成ガスであってもよく、あるいは、合成ガスを含んでもよい。本発明のさらに他の実施例では、生成ガスは、加熱式触媒コンバータ上で燃料を酸化させることによって得られる高温ガスであってもよく、あるいは、高温ガスを含んでもよい。このように、加熱式触媒コンバータには、排気ガスタービンの上流側で、比較的高い圧力レベルで、排気ガス又は新気が供給され、排気ガスタービンの下流側で、より低い圧力で、加熱式触媒コンバータの生成ガスが供給されるため、排気ガスタービン内の圧力降下により、必然的に、排気ガス又は新気の加熱式触媒コンバータを通る流れが発生する。
【0018】
本発明のすべての実施例において、第1、第2又は第3のオーバーフローチャネルは必ずしも存在しなくてよい。本発明のいくつかの実施例では、オーバーフローチャネルは1つのみ、又は2つのみでもよい。
【0019】
本発明のいくつかの実施例において、第1のオーバーフローチャネル、及び/又は第2のオーバーフローチャネル、及び/又は第3のオーバーフローチャネルは、少なくとも部分的に、触媒コンバータハウジング内又はコンプレッサハウジング内、あるいは、タービンハウジング内における、ボア(bore)として設計される。この種のボアは、機械加工によって、あるいは、ハウジングの一次成形の際に、形成される。一方、この結果、本発明によるターボチャージャの製造が容易になり、摩耗しやすいプラスチックやゴムホース、及びハウジングへのホースの接続箇所が不要となるため、機械的に堅牢な運転が可能になる。
【0020】
本発明のいくつかの実施例では、少なくとも1つのノズルは、第3のオーバーフローチャネルの第2の端部に配設される。これにより、加熱式触媒コンバータの生成ガスは、事前決定可能な方向及び/又は事前決定可能なパルスで、排気ガス流に導入され、生成ガスと排気ガス流との混合が付加的に促進される。
【0021】
本発明のいくつかの実施例では、二方弁は、第1のオーバーフローチャネルに、及び/又は第2のオーバーフローチャネルに、及び/又は第3のオーバーフローチャネルに、設けられる。このタイプの二方弁は、制御装置からの電気信号の影響を受けて、それぞれのオーバーフローチャネルにおける流れを、オープンループ又はクローズドループ方式で制御する。その結果、運転状態に応じて、排気ガス又は新気、もしくは、排気ガスと新気との混合気を、加熱式触媒コンバータに供給することができ、あるいは、少なくとも1つのオーバーフローチャネルを閉じることによって加熱式触媒コンバータを完全に不活性化する。本発明のいくつかの実施例では、オーバーフローチャネルは、加熱式触媒コンバータを通して排気ラインに、許容を超える高いブースト圧を排出することによって、もしくは、排気ガスタービンを通過させて、排気ガスをバイパスすることによって、ウェイストゲートバルブとして使用されてもよい。したがって、追加のウェイストゲートバルブは不要である。
【0022】
本発明のいくつかの実施例では、ターボチャージャは、三方弁をさらに備え、三方弁は、第1のオーバーフローチャネルと、第2のオーバーフローチャネルと、ガス入口と、が接続される3つの入口/出口を有する。三方弁の位置を利用して、加熱式触媒コンバータに新気、排気ガス、又は新気と排気ガスの混合気が供給されるので、加熱式触媒コンバータの運転状態を単一の弁を使用して広い範囲で調整することができる。三方弁を閉じることで、加熱式触媒コンバータの運転が停止され、例えば全負荷時や全負荷に近い運転状態では、排気ガス後処理は追加の加熱手段を必要としない。
【0023】
本発明の一実施例では、少なくとも1つの部分の触媒コンバータハウジングと、コンプレッサハウジング又はタービンハウジングのいずれかと、は一体で製造される。この種の一体製造は、特に鋳造法における一次成形によってなされる。本発明の他の実施例では、ハウジングは、少なくとも部分的に、3D印刷法で製造される。このようにして、少なくとも1つの部分の触媒コンバータハウジングと、少なくとも1つの部分のコンプレッサハウジング又は少なくとも1つの部分のタービンハウジングと、は一体的に接合され、コンプレッサハウジング又はタービンハウジングからの熱は、ほとんど無駄なく、加熱式触媒コンバータに導入される。このようにして、長時間の運転後に酸化した、かなり耐入熱性が高くなっている、生の(未加工の)接触面及び/又は接触面を避けることができる。
【0024】
本発明のいくつかの実施例では、少なくとも1つの部分の触媒コンバータハウジングと、少なくとも1つの部分のコンプレッサハウジングと、少なくとも1つの部分のタービンハウジングと、を一体で製造することができる。この結果、ターボチャージャ全体は、機械的に堅牢、かつ、コンパクトに設計される。
【0025】
本発明のいくつかの実施例では、一方の触媒コンバータハウジングと、他方のコンプレッサハウジング又はタービンハウジングと、の間における熱接触により、約0.5kW~約6kWの熱流が加熱式触媒コンバータに導入される。本発明の他の実施例では、熱接触によって加熱式触媒コンバータに導入される熱流は、約1kW~約4kWの間である。本発明のさらに他の実施例では、熱入力は約0.5kW~約3kWの間である。上述の熱出力は、追加の電気補助エネルギーを必要とせずに、加熱式触媒コンバータにおける燃料の気化及び/又は変換を効率的なものとする。したがって、内燃機関は、消費最適化された方法で運転することが可能となる。
【0026】
以下、本発明の一般概念を限定することなく、図面に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は本発明によるターボチャージャの第1の実施例の第1の図である。
【
図2】
図2は本発明によるターボチャージャの第1の実施例の第2の図である。
【
図3】
図3は本発明によるターボチャージャの第1の実施例の第3の図である。
【
図4】
図4は本発明によるターボチャージャの第2の実施例の第1の図である。
【
図5】
図5は本発明によるターボチャージャの第2の実施例の第2の図である。
【
図6】
図6は本発明による排気ガス後処理装置及びターボチャージャを有する内燃機関のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1~
図3は、本発明によるターボチャージャの第1の実施例を示している。ターボチャージャ1は、コンプレッサ構造体2を備え、コンプレッサ構造体2は、内燃機関における燃焼に必要な新気を圧縮するように設計されている。図示された例示的な実施例では、コンプレッサ構造体2は、ラジアルコンプレッサとして設計されている。コンプレッサ構造体2は、周囲の空気を第1の圧力で取り入れるように設計された新気入口201を有する。さらに、コンプレッサ構造体2は、圧縮された新気を第2の圧力で排出するように設計された新気出口202を有する。新気出口202は、内燃機関の吸気マニホールド(インテークマニホールド)に接続され、内燃機関における燃料の燃焼に必要な新気を内燃機関に高圧で供給する。
【0029】
少なくとも1つのタービンハウジング30を有する排気ガスタービン3がコンプレッサ構造体の駆動のために使用される。タービンハウジング30は、排気ガス入口301及び排気ガス出口302を有する。タービンハウジング30には、少なくとも1つのタービンホイールが配設されている。図示された例示的な実施例では、排気ガスタービンは、ラジアルタービンとして設計されている。すなわち、排気ガス入口301及び排気ガス出口302が互いに略直角に配置されている。
【0030】
本発明のいくつかの実施例では、タービンハウジング30及びコンプレッサハウジング20は、例えば、1つの鋳造部品として、もしくは3D印刷法により一体に形成される。本発明の他の実施例では、ハウジングは、複数の部品により形成されてもよいし、あるいは、別体として形成され、ねじ接続によって互いに接続されてもよい。
【0031】
図1~
図3は、加熱式触媒コンバータ4を図示している。加熱式触媒コンバータ4は、主な形状が略円筒形であるハウジング40を備えている。ハウジング40の下側にはガス入口401が設けられており、排気ガス及び/又は新気を加熱式触媒コンバータ4に供給する。さらに、加熱式触媒コンバータ4は、少なくとも1つの燃料入口403を有する。気体又は液体の燃料、通常はガソリン又はディーゼルが燃料入口403を介して供給される。燃料は、ガス入口401を介して供給される排気ガス又は新気により、上述の方法で完全に又は部分的に変換される。このようにして加熱式触媒コンバータ4において生成された生成ガスは、ガス出口402を介して加熱式触媒コンバータ4から排出される。
【0032】
さらに、
図1~
図3は保持ブラケット43を示している。保持ブラケット43は熱伝導性材料、例えば金属や合金から形成される。保持ブラケットは、加熱式触媒コンバータ4の触媒コンバータハウジング40を機械的に固定するように設計されている。触媒コンバータハウジング40から離れた側の保持ブラケット43の一端は、タービンハウジング30と熱を伝えるように機械的に接触している。ターボチャージャの運転中、高温の排気ガスがタービンハウジング30内を流れる。これによりタービンハウジング30が加熱される。熱の一部は対流と放射によって周囲に放出される。しかし、タービンハウジング30に導入された熱の一部は、保持ブラケット43と、触媒コンバータハウジング40と保持ブラケット43との間に形成された部分表面45と、を介して、加熱式触媒コンバータ4に流入する。この目的のため、触媒コンバータハウジング40は、少なくとも部分的に熱伝導性材料、例えば金属又は合金から形成されてもよい。このようにして、電気的補助エネルギーの供給を受けずに、又は供給を減少させた状態で、加熱式触媒コンバータ4は、燃料を新気又は排気ガスで変換できる温度まで上昇させることができる。
【0033】
図にも見られるように、触媒コンバータハウジング40はポート41をさらに有する。前記ポートを介して、温度センサ又は電気加熱装置が接続される。加熱式触媒コンバータ4内で燃料をより均一に分布させるために、オプションとして複数の燃料入口403を設けてもよい。
【0034】
図1及び
図2にさらに示すように、本発明によるターボチャージャは、第1の端部151及び第2の端部152を有する第1のオーバーフローチャネル15を備える。第1の端部151は、タービンハウジング30の排気ガス入口301に接続されている。このようにして、例えば、約3.5~約5バールといった、相対的に高い圧力で内燃機関から排出される排気ガス流は、少なくとも部分的に取り出され、加熱式触媒コンバータ4に供給される。このため、第1のオーバーフローチャネル15の第2の端部152は、触媒コンバータハウジング40のガス入口401に接続されている。オーバーフローチャネル15には、任意の二方弁(図示せず)を設けてもよい。この二方弁によって、加熱式触媒コンバータ4に供給される排気ガスの量が制御される。
【0035】
さらに、本発明の第1の実施例によるターボチャージャは、第1の端部351と、反対側の第2の端部352と、を有する第3のオーバーフローチャネル35を備える。第1の端部351は、本実施例では触媒コンバータハウジング40のガス出口402に接続されている。第2の端部352は、ノズル353を介して、タービンハウジング30のタービンホイールの下流側に開口している。タービンホイールの下流側では、タービンホイールが排気ガス流からエネルギーを取り出すため、一方ではより低い圧力が生じる。加えて、タービンホイールは乱流を生じさせるので、加熱式触媒コンバータ4におり生成された生成ガスは、排気ガス主流と良好に混合される。この圧力差により、加熱式触媒コンバータ4を通過する排気ガスの流れが規定される。同時に、本発明によるターボチャージャは、コンパクトな設計であるため、設置スペースが節約され、既存の内燃機関の改修が容易となる。
【0036】
図4及び
図5は、本発明の第2の実施例をより詳細に示している。本発明の同一の構成要素には同一の参照符号を付しているため、以下の説明は本発明の本質的な相違点に限定している。
【0037】
図4から明らかなように、第2の実施例では、タービンハウジング30と触媒コンバータハウジング40とを機械的かつ熱的に結合するための保持ブラケット43が省かれている。第2の実施例によれば、触媒コンバータハウジング40は、2つの部分、つまり、上側部分421と下側部分422とから構成されている。図示された例示的な実施例では、触媒コンバータハウジング40の下側部分422は、タービンハウジング30と一体形成されている。すなわち、金属鋳造法によるタービンハウジング30の一次成形の際に、下側部分422もタービンハウジング30の均質な構成部品として、金属鋳造法における同一のステップで製造される。
【0038】
触媒コンバータハウジング40の下側部分422及びタービンハウジング30は、一体又はモノリシックに製造されているため、部分表面45には境界面がなく、2つの部分は熱的に結合され、凹凸、汚染又は酸化による入熱(ヒートインプット)を防ぐ。従って、タービンハウジング30から触媒コンバータハウジング40への入熱は、より均一となり、かつ/又はより効果的となる。本発明の他の実施例では、触媒コンバータハウジングの少なくとも1つの部分と、タービンハウジングとのこのような一体的な結合接続は、はんだ付け、溶接又は3D印刷によってなされてもよい。
【0039】
本発明の第2の実施例によるモノリシック製造の場合、オーバーフローチャネル15,25及び35は、ハウジングの凹部又はボアによって単純に製造される。さらに、二方弁又は三方弁は、ハウジングに組み込まれてもよく、加熱式触媒コンバータ4の運転パラメータを事前決定可能な目標条件に適合させるために、一方では排気ガス又は新気の供給に影響を与え、他方では生成ガスの除去に影響を与える。
【0040】
図6は、本発明による排気ガス後処理装置72,73,74及びターボチャージャを有する内燃機関7のブロック図である。分かりやすくするため、コンプレッサ構造体2、排気ガスタービン3及び加熱式触媒コンバータ4は、
図6では空間的に離間している。当業者であれば、
図1~
図5を参照して、上述したように、本発明のこれらの構成部品が協働することはもちろん承知している。
【0041】
内燃機関7は、自己着火式又は火花点火式の内燃機関としてもよい。内燃機関7は、周囲の空気で燃料を燃焼させて機械的動力を供給するように設計されている。内燃機関7は、自動車、トラック、船舶、建設機械において使用され、あるいは、定置式としては、コンプレッサ、発電機、熱電併給装置又は同様の装置において使用される。
【0042】
運転中、内燃機関7には、エアフィルタ77を介して新気又は周囲の空気が供給される。新気は、コンプレッサ構造体2において、圧力レベルがより高められる。このため、新気は、新気入口201に供給され、コンプレッサインペラで圧縮された後、新気出口202を介して内燃機関7に供給される。
【0043】
コンプレッサ構造体は回転軸8によって駆動される。この駆動力は排気ガスタービン3によってもたらされる。このため、内燃機関7からの排気ガスは、排気ガス入口301を介して排気ガスタービンに供給される。排気ガスはその後、排気ガス出口302を介して排気ガスタービン3から排出される。
【0044】
排気ガスは、その後、排気管71を介して排気ガス後処理装置に供給されて、煤粒子及びガス状汚染物質が低減される。図示された例示的な実施例では、排気ガス後処理装置は、炭化水素及び一酸化炭素を酸化するように設計された酸化触媒コンバータ72を備える。このようにして前処理された排気ガスは、パティキュレートフィルタ73に到達し、微粒子の塵埃が保持される。排気ガスは、次に、SCR触媒コンバータ74に供給され、尿素が添加されて、窒素酸化物を低減する。排気ガス温度は、さまざまな温度センサTIAを用いて異なる地点で測定され、加熱式触媒コンバータ4及び内燃機関7をオープンループ又はクローズドループ方式で制御する。
【0045】
酸化触媒コンバータ72及びSCR触媒コンバータ74は、運転のために、例えば250℃以上の高温を必要とする。パティキュレートフィルタ73は低温でも機能するが、時々高温で運転させて、埋め込まれた粒子を酸化させて、パティキュレートフィルタを再生する必要がある。したがって、排気管71内を流れる排気ガスを事前決定可能な温度にするか、あるいは、高温に保つ必要が生じる。従来技術によれば、これは、内燃機関7の適切な運転条件、例えば後期噴射又は後噴射によって行うことが可能である。しかし、そのために、排気ガスの挙動が悪化し、内燃機関7の燃料要求量が増加する。
【0046】
したがって、本発明は、排気ガス後処理装置の少なくとも1つの構成部品72,73,74に熱を導入するように設計された加熱式触媒コンバータ4を使用することを提案する。この目的のため、燃料は、貯蔵タンク74から電気駆動ポンプ46を介して加熱式触媒コンバータ4に供給され、燃料は、燃料入口403を介して加熱式触媒コンバータ4の触媒コンバータハウジング40に流入される。触媒コンバータハウジング40の内部には、触媒材料でコーティングされた触媒コンバータサポートが配設されている。
【0047】
最も単純な場合、燃料入口403から流入された燃料は、加熱式触媒コンバータ4において気化され、ガス出口402を介して触媒コンバータハウジング40から排出される。第1の端部351及び反対側の第2の端部352を有する第3のオーバーフローチャネル35によって、燃料蒸気は排気管71に導入され、排気ガスタービン3が発生させる乱流によって、効果的な混合が確実となる。燃料蒸気はその後、酸化触媒72及び/又は下流側の構成部品73又は74で酸化され、熱が放出される。
【0048】
他の運転状態においては、燃料は、加熱式触媒コンバータ4において、排気ガス及び/又は新気で変換され、高温ガス又は合成ガスが生成される。合成ガスは、同様に、第3のオーバーフローチャネル35を介して排気管71に供給される。合成ガスは、酸化触媒コンバータ72又は下流側の構成部品73,74において変換されてもよいが、気化しているが化学的変化を起こしていない燃料に比べて、ライトオフ温度が低下する可能性がある。
【0049】
排気ガス又は新気で燃料を変換するために、加熱式触媒コンバータ4にはガス入口401が設けられている。ガス入口401は、三方弁53を介して第1のオーバーフローチャネル15及び第2のオーバーフローチャネル25に接続されている。第1のオーバーフローチャネル15は、第1の端部151を介して排気ガスタービン3のガス入口301に接続されており、排気ガスを相対的に高い圧力レベルで抽出して、三方弁53のポートに供給する。さらに、図示した実施例は、第2のオーバーフローチャネル25を含み、第1の端部251は、コンプレッサ構造体2の新気出口202に接続されている。反対側の第2の端部252は、三方弁53のさらなるポートに接続されている。三方弁53の位置に応じて、新気又は排気ガス、もしくは、その両方が、ガス入口401を介して、加熱式触媒コンバータ4の触媒コンバータハウジング40内に供給される。こうして、加熱式触媒コンバータ4における酸素含有量は、三方弁53の位置によって調整され、供給された燃料の変換のタイプに影響を与える。
【0050】
加熱式触媒コンバータ4における燃料の変換及び単なる気化は、共に、一方では、加熱式触媒コンバータ4における燃料の少なくとも部分的な酸化によって生成される熱エネルギーを必要とする。さらに、このエネルギーは、本発明に従って、加熱式触媒コンバータ4を排気ガスタービン3及び/又はコンプレッサ構造体2に熱的に結合させることによって実施されてもよい。
【0051】
供給される燃料の量、三方弁53、及び、必要に応じて、加熱式触媒コンバータ4のさらなる構成部品を駆動するために、電子オープンループ又はクローズドループ制御装置76を利用してもよい。この装置は、任意に、データバスを介してエンジン制御ユニット75に接続され、加熱式触媒コンバータ4を駆動する際に、内燃機関7の運転状態を考慮する。
【0052】
加熱式触媒コンバータ4を排気ガスターボチャージャに完全に一体化すれば、追加部品を節約することができる。図示した例示的な実施例では、ウェイストゲートバルブの代わりに、三方弁53を使用している。この目的のために、新気出口202の圧力が許容量を超えて上昇した場合、加熱式触媒コンバータ4への燃料供給を中断し、三方弁53を開いて、排気ガスタービン3の高圧側から低圧側へと、加熱式触媒コンバータ4を通って排気ガスが流れるようにする。
【0053】
もちろん、本発明は図示の実施例に限定されるものではない。したがって、上記の説明は限定的なものではなく、説明的なものとみなされるべきである。以下の特許請求の範囲は、記載された特徴が本発明の少なくとも1つの実施例に存在するように理解されるべきである。これは、さらなる特徴の存在を排除するものではない。特許請求の範囲及び上記説明において「第1」及び「第2」の実施例が定義されている場合、この呼称は、順位付けを決定するのではなく、2つの類似の実施例を区別するために使用される。
【国際調査報告】