IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イー インク コーポレイションの特許一覧

特表2024-523251電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置
<>
  • 特表-電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置 図1
  • 特表-電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置 図2
  • 特表-電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置 図3
  • 特表-電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置 図4
  • 特表-電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】電気光学ディスプレイを駆動する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20240621BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240621BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20240621BHJP
   G02F 1/16766 20190101ALI20240621BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 611D
G09G3/20 660E
G02F1/167
G02F1/16766
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576122
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022033231
(87)【国際公開番号】W WO2022265980
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,227
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リン, クレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ミン
【テーマコード(参考)】
2K101
5C080
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101EC08
2K101ED13
2K101ED71
2K101EJ11
2K101EJ21
5C080AA10
5C080AA13
5C080BB05
5C080CC01
5C080CC03
5C080DD10
5C080EE01
5C080EE17
5C080EE22
5C080EE26
5C080EE29
5C080FF11
5C080JJ01
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080KK08
(57)【要約】
本発明は、ピクセルのアレイの第1のサブセット上に、複数のピクセルから構成される画像を表示することと、画像が、同一であるが、位置がピクセルアレイの第2のサブセットにシフトさせられるように、各画像ピクセルの値を第1の水平方向および第1の垂直方向に1位置だけシフトさせることとによってピクセルのアレイを有する電気泳動ディスプレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らす方法および関連する装置を提供する。方法は、各画像ピクセルの値を第2の水平方向および第2の垂直方向に1位置だけシフトさせることも含み、第2の水平方向は、第1の水平方向と反対であり、第2の垂直方向は、第1の垂直方向と反対であり、それによって、表示される画像は、同一であるが、ピクセルのアレイの第1のサブセットに戻るように位置がシフトさせられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルのアレイを有する電気泳動ディスプレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らす方法であって、前記方法は、
前記ピクセルのアレイの第1のサブセット上に、複数のピクセルを含む前記画像を表示することと、
前記複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの第2のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと
前記複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと
を含み、
前記第2の水平方向は、前記第1の水平方向のそれと反対であり、
前記第2の垂直方向は、前記第1の垂直方向のそれと反対であり、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに位置がシフトさせられる、方法。
【請求項2】
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであて、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの第2のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの第4のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの第5のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに位置がシフトさせられる、ことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ピクセルのアレイは、前記第1の水平方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ピクセルのアレイは、前記第1の垂直方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ピクセルのアレイは、前記第2の水平方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ピクセルのアレイは、前記第2の垂直方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ピクセルのアレイは、行および列の2次元アレイとして編成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記画像は、バーコードを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電気泳動ディスプレイであって、前記電気泳動ディスプレイは、
複数の行および列において位置付けられたピクセルのアレイと、
前記ピクセルのアレイと電気通信するコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記ピクセルのアレイのサブセット上に、複数のピクセルを含む前記画像を表示することと、
前記複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、
前記複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと
によって、前記ピクセルのアレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らすように構成され、
前記第2の水平方向は、前記第1の水平方向のそれと反対であり、
前記第2の垂直方向は、前記第1の垂直方向のそれに反対である、電気泳動ディスプレイ。
【請求項12】
前記コントローラは、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと
を行うようにさらに構成されている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと
を行うようにさらに構成されている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第2の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、
前記複数のピクセルの各々の値を前記第1の水平方向に1ピクセル位置かつ前記第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと
を行うようにさらに構成されている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項15】
前記ピクセルのアレイは、前記第1の水平方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項16】
前記ピクセルのアレイは、前記第1の垂直方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項17】
前記ピクセルのアレイは、前記第2の水平方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項18】
前記ピクセルのアレイは、前記第2の垂直方向に、前記画像より少なくとも1つ多くのピクセルを備えている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項19】
前記画像は、バーコードを備えている、請求項11に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項20】
前記エッジ効果は、前記バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを備えている、請求項19に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項21】
行ピクセルおよび列ピクセルの2次元アレイとして編成されたピクセルのアレイを有する電気泳動ディスプレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らす方法であって、前記方法は、
(a)前記ピクセルのアレイ内に境界ボックスを画定するステップであって、前記境界ボックスは、複数の行ピクセルと、複数の列ピクセルとを備えている、ステップと、
(b)前記ピクセルのアレイの第1のサブセット上に前記画像を表示するステップであって、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットは、前記境界ボックスより2つ少ない行ピクセルと2つ少ない列ピクセルとを備えている、ステップと、
(c)
(i)左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル、
(ii)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、
(iii)左に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、または
(iv)右に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル
のうちの1つだけ、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせるステップであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに対して位置がシフトさせられる、ことと、
(d)前記ピクセルのアレイの第2のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせるステップであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに戻るように位置がシフトさせられる、ことと、
(e)前記電気泳動ディスプレイに対する各後続の更新中、ステップ(c)またはステップ(d)のうちの一方を交互に実施するステップであって、それによって、前記画像は、前記境界ボックス内にのみ表示される、ステップと
を含み、
ステップ(c)が実施される度、前記画像は、前回のステップ(c)が実施されたときと(i)-(iv)のうちの1つだけ異なって、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに対して位置がシフトさせられる、方法。
【請求項22】
前記境界ボックスは、前記電気泳動ディスプレイと同じ数のピクセルを備えている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像は、バーコードを備えている、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
電気泳動ディスプレイであって、前記電気泳動ディスプレイは、
行ピクセルおよび列ピクセルの2次元アレイとして編成されたピクセルのアレイと、
前記ピクセルのアレイと電気通信するコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
(a)前記ピクセルのアレイ内に境界ボックスを画定することであって、前記境界ボックスは、複数の行ピクセルと複数の列ピクセルとを備えている、ことと、
(b)前記ピクセルのアレイの第1のサブセット上に前記画像を表示することであって、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットは、前記境界ボックスより2つ少ない行ピクセルと2つ少ない列ピクセルとを備えている、ことと、
(c)
(i)左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル、
(ii)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、
(iii)前記左に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、または
(iv)前記右に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル
のうちの1つだけ、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせることであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに対して位置がシフトさせられる、ことと、
(d)前記ピクセルのアレイの第2のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせることであって、それによって、前記画像は、同一であるが、前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに戻るように位置がシフトさせられる、ことと、
(e)前記電気泳動ディスプレイに対する各後続の更新中、ステップ(c)またはステップ(d)のうちの一方を交互に実施することであって、それによって、前記画像は、前記境界ボックス内にのみ表示される、ことと
によって、前記ピクセルのアレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らすように構成され、
ステップ(c)が実施される度、前記画像は、前回のステップ(c)が実施されたときと(i)-(iv)のうちの1つだけ異なって前記ピクセルのアレイの前記第1のサブセットに対して位置がシフトさせられる、電気泳動ディスプレイ。
【請求項25】
前記境界ボックスは、前記電気泳動ディスプレイと同じ数のピクセルを備えている、請求項24に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項26】
前記画像は、バーコードを備えている、請求項24に記載の電気泳動ディスプレイ。
【請求項27】
前記エッジ効果は、前記バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを備えている、請求項26に記載の電気泳動ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2021年6月14日に出願された米国仮特許出願第63/210,227号の優先権を主張する。本明細書において参照される任意の特許、公開出願、または他の出版物の全内容は、参照することによってそれらの全体として組み込まれる。
【0002】
粒子ベースの電気泳動ディスプレイが、長年にわたる精力的な研究および開発の対象となっている。そのようなディスプレイでは、複数の荷電粒子(時として、色素粒子と称される)が、電場の影響下の流体を通して移動する。電場は、典型的に、伝導性フィルムまたは電界効果トランジスタ等のトランジスタによって提供される。電気泳動ディスプレイは、液晶ディスプレイと比較すると、良好な輝度およびコントラスト、広い視野角、状態双安定性、および低電力消費量を有する。しかしながら、そのような電気泳動ディスプレイは、LCDディスプレイより遅い切り替え速度を有し、電気泳動ディスプレイは、典型的に、リアルタイム動画を表示するために遅すぎる。加えて、電気泳動ディスプレイは、流体の粘性が電気泳動粒子の移動を限定するので、低温において反応が遅くあり得る。これらの欠点にもかかわらず、電気泳動ディスプレイは、電子書籍(電子書籍リーダ)、モバイルフォンおよびモバイルフォンカバー、スマートカード、看板、腕時計、棚ラベル、およびフラッシュドライブ等の日常製品において見出されることができる。
【0003】
多くの商業的な電気泳動媒体は、本質的に、2つのみの色を表示し、「グレースケール」として公知である黒色および白色の極限間の勾配を伴う。そのような電気泳動媒体は、第1の色を有する単一のタイプの電気泳動粒子を第2の異なる色を有する着色された流体中で使用するか(その場合、第1の色は、粒子がディスプレイの視認表面に隣接しているときに表示され、第2の色は、粒子が視認表面から間隔を置かれているときに表示される)、または、異なる第1および第2の色を有する第1および第2のタイプの電気泳動粒子を着色されていない流体中で使用する。後者の場合、第1の色は、第1のタイプの粒子がディスプレイの視認表面に隣接しているときに表示され、第2の色は、第2のタイプの粒子が視認表面に隣接しているときに表示される。典型的に、2つの色は、黒色および白色である。
【0004】
表面上は単純であるが、電気泳動媒体および電気泳動デバイスは、複雑な挙動を示す。例えば、単純な「オン/オフ」電圧パルスが、電子リーダにおいて高品質のテキストを達成するために不十分であることが発見されている。例えば、不十分なディスプレイ品質に寄与する1つの課題は、ディスプレイ上での「ゴースト画像」(前の画像のかすかな複写)または「ゴースト」効果である。そのようなゴースト画像は、ユーザに不快であり、特に、複数の更新の後、画像の知覚される品質を減らす。そのようなゴースト画像が問題となる1つの状況は、書籍の別個のページ間で飛ばすことと対照的に、電子書籍リーダが、電子書籍を通してスクロールするために使用されるときである。したがって、電気光学ディスプレイにおけるこのゴーストまたはゴースト画像効果を減らすための必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に説明される方法および装置は、電気光学ディスプレイ上に表示される画像におけるゴースト等のエッジアーチファクトを減らす(または、軽減する)ための特徴を含む。
【0006】
一側面では、本発明は、ピクセルのアレイを有する電気泳動ディスプレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らす方法を含む。方法は、ピクセルのアレイの第1のサブセット上に、複数のピクセルから構成される画像を表示することと、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第2のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることとを含む。方法は、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、第2の水平方向は、第1の水平方向のそれと反対であり、第2の垂直方向は、第1の垂直方向のそれと反対であり、それによって、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットにシフトさせられることも含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、方法は、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第2のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、方法は、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第4のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、方法は、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第5のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットにシフトさせられるように、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第1の水平方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第1の垂直方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第2の水平方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第2の垂直方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、行および列の2次元アレイとして編成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、画像は、バーコードを含む。いくつかの実施形態において、エッジ効果は、バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを含む。
【0012】
別の側面では、本発明は、複数の行および列において位置付けられたピクセルのアレイと、ピクセルのアレイと電気通信するコントローラとを含む電気泳動ディスプレイを含む。コントローラは、ピクセルのアレイのサブセット上に、複数のピクセルを含む画像を表示することと、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることと、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせることであって、第2の水平方向は、第1の水平方向のそれと反対であり、第2の垂直方向は、第1の垂直方向のそれに反対である、こととによって、ピクセルのアレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らすように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、コントローラは、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせ、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせるようにさらに構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態において、コントローラは、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせ、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせるようにさらに構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、コントローラは、複数のピクセルの各々の値を第2の水平方向に1ピクセル位置かつ第1の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせ、複数のピクセルの各々の値を第1の水平方向に1ピクセル位置かつ第2の垂直方向に1ピクセル位置だけシフトさせるようにさらに構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第1の水平方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第1の垂直方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第2の水平方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、第2の垂直方向に、画像より少なくとも1つ多くのピクセルを含む。いくつかの実施形態において、ピクセルのアレイは、行および列の2次元アレイとして編成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、画像は、バーコードを含む。いくつかの実施形態において、エッジ効果は、バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを含む。
【0018】
別の側面では、本発明は、行ピクセルおよび列ピクセルの2次元アレイとして編成されたピクセルのアレイを有する電気泳動ディスプレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らす方法を含む。方法は、(a)ピクセルのアレイ内に境界ボックスを画定するステップであって、境界ボックスは、複数の行ピクセルと、複数の列ピクセルとを含む、ステップを含む。方法は、(b)ピクセルのアレイの第1のサブセット上に画像を表示するステップであって、ピクセルのアレイの第1のサブセットは、境界ボックスより2つ少ない行ピクセルと2つ少ない列ピクセルとを含む、ステップも含む。方法は、(c)画像は、同一であるが、位置が(i)左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル、(ii)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、(iii)左に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、または(iv)右に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセルのうちの1つだけ、ピクセルのアレイの第1のサブセットに対してシフトさせられるように、ピクセルのアレイの第1のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせるステップも含む。方法は、(d)画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットに戻るようにシフトさせられるように、ピクセルのアレイの第2のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせるステップも含む。方法は、(e)画像が、境界ボックス内にのみ表示されるように、電気泳動ディスプレイに対する各後続の更新中、ステップ(c)またはステップ(d)のうちの一方を交互に実施するステップであって、ステップ(c)が実施される度、画像は、位置が、(i)-(iv)のうちの、前回のステップ(c)が実施されたときと異なるものによって、ピクセルのアレイの第1のサブセットに対してシフトさせられるステップを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、境界ボックスは、電気泳動ディスプレイと同じ数のピクセルを備えている。いくつかの実施形態において、画像は、バーコードを備えている。いくつかの実施形態において、エッジ効果は、バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを備えている。
【0020】
別の側面では、本発明は、行ピクセルおよび列ピクセルの2次元アレイとして編成されたピクセルのアレイと、ピクセルのアレイと電気通信するコントローラとを含む電気泳動ディスプレイを含む。コントローラは、(a)ピクセルのアレイ内に境界ボックスを画定することであって、境界ボックスは、複数の行ピクセルと、複数の列ピクセルとを備えている、ことと、(b)ピクセルのアレイの第1のサブセット上に画像を表示することであって、ピクセルのアレイの第1のサブセットは、境界ボックスより2つ少ない行ピクセルと2つ少ない列ピクセルとを備えている、ことと、(c)画像は、同一であるが、位置が(i)左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル、(ii)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、(iii)左に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、または(iv)右に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセルのうちの1つだけ、ピクセルのアレイの第1のサブセットに対してシフトさせられるように、ピクセルのアレイの第1のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせることと、(d)画像は、同一であるが、位置がピクセルのアレイの第1のサブセットに戻るようにシフトさせられるように、ピクセルのアレイの第2のサブセットの各ピクセルの値を1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせることと、(e)画像が、境界ボックス内にのみ表示されるように、電気泳動ディスプレイに対する各後続の更新中、ステップ(c)またはステップ(d)のうちの一方を交互に実施することであって、ステップ(c)が実施される度、画像は、位置が、前回のステップ(c)が実施されたときと(i)-(iv)のうちの1つだけ異なって、ピクセルのアレイの第1のサブセットに対してシフトさせられる、こととによって、ピクセルのアレイ上に表示される画像におけるエッジ効果を減らすように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、境界ボックスは、電気泳動ディスプレイと同じ数のピクセルを備えている。いくつかの実施形態において、画像は、バーコードを含む。いくつかの実施形態において、エッジ効果は、バーコードの少なくとも2つのバー間のゴーストを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実施形態の追加の詳細が、付随の図面および下記の説明に記載される。本主題の他の特徴、側面、および利点も、本明細書に含有される説明および付随の図面から明白な状態になるであろう。図面は、必ずしも、縮縮尺通りではなく、類似構造の要素は、概して、図面の全体を通して例証的目的のために同様の参照番号を用いて注釈を付けられる。しかしながら、異なる実施形態における、要素の具体的性質および機能は、同じではないこともある。さらに、図面は、本主題の説明を促進するにすぎないことが意図される。図面は、必ずしも説明される実施形態の全ての側面を図示しているわけではなく、本開示または請求項の範囲を限定していない。
【0023】
図1図1は、本明細書に開示される主題による電気泳動ディスプレイを図示する。
【0024】
図2図2は、本明細書に開示される主題による図1に提示される電気泳動ディスプレイの等価回路を図示する。
【0025】
図3図3は、本明細書に開示される主題による例示的バーコード画像を図示する。
【0026】
図4図4a-4dは、本明細書に提示される主題による更新シーケンスの図である。
【0027】
図5図5aおよび5bは、本明細書に提示される主題による境界ボックスを組み込む、更新シーケンスの例示的ステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上記に示されるように、本明細書に提示される主題は、電気泳動ディスプレイ媒体において蓄積される電荷を減らし、電気光学ディスプレイ性能を改良する方法および手段を提供する。
【0029】
材料またはディスプレイに適用されるような用語「電気光学」は、本明細書では、少なくとも1つの光学特性において異なる第1および第2の表示状態を有する材料を指すための結像技術におけるその従来の意味において使用され、材料は、材料への電場の印加によって、その第1の表示状態からその第2の表示状態に変化させられる。光学特性は、典型的に、ヒトの眼に知覚可能な色であるが、それは、光の透過率、反射率、発光率、または、機械読み取りを対象としたディスプレイの場合の可視範囲外の電磁波長の反射率における変化という意味での疑似色等、別の光学特性であり得る。
【0030】
用語「グレー状態」は、本明細書では、ピクセルの2つの極限光学状態の中間の状態を指すための結像技術におけるその従来の意味において使用され、必ずしも、これらの2つの極限状態間の黒白遷移を意味するわけではない。例えば、下記に参照されるE Ink特許および公開出願のうちのいくつかは、中間の「グレー状態」が、実際には淡い青色であろうように、極限状態が白色および濃青色である電気泳動ディスプレイを説明する。実際に、既に述べたように、光学状態における変化は、全く色の変化ではないこともある。用語「黒色」および「白色」は、以降、ディスプレイの2つの極限状態を指すために使用され得、通常、厳密に黒色および白色ではない極限光学状態、例えば、前述の白色および濃青色状態を含むと理解されるべきである。用語「モノクロ」は、以降、ピクセルを介在グレー状態を伴わないそれらの2つの極限光学状態のみに駆動する駆動スキームを示すために使用され得る。
【0031】
用語「双安定」および「双安定性」は、本明細書では、少なくとも1つの光学特性において異なる第1および第2の表示状態を有する表示要素を備えているディスプレイを指すための当技術分野におけるそれらの従来の意味において使用され、ディスプレイは、有限持続時間のアドレスパルスを用いて任意の所与の要素が駆動された後、アドレスパルスが終結した後、その第1または第2の表示状態のうちのいずれかをとり、その状態は、表示要素の状態を変化させるために要求されるアドレスパルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍にわたってその状態が持続するであろう。公開された米国特許出願第2002/0180687号(対応する国際出願公開第WO 02/079869号も参照)では、いくつかの粒子ベースの電気泳動ディスプレイが、それらの極限の黒色および白色状態においてだけではなく、それらの中間グレー状態においても安定しており、同じことがいくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイにも当てはまることが示されている。このタイプのディスプレイは、正しくは、双安定ではなく「多安定」と呼ばれるが、便宜上、用語「双安定」が、本明細書では、双安定および多安定ディスプレイの両方を包含するために使用され得る。
【0032】
用語「インパルス」は、本明細書では、時間に対する電圧の積分というその従来の意味において使用される。しかしながら、いくつかの双安定電気光学媒体は、電荷トランスデューサとしての機能を果たし、そのような媒体に関して、インパルスの代替的な定義、すなわち、経時的な電流の積分(印加される総電荷に等しい)が、使用され得る。媒体が、電圧時間インパルストランスデューサとしての機能を果たすか、電荷インパルストランスデューサとしての機能を果たすかに応じて、インパルスの適切な定義が、使用されるべきである。
【0033】
カプセル化電気泳動媒体を説明する、Massachusetts Institute of Technology(MIT)およびE Ink Corporationに譲渡された、またはそれらの名義である多数の特許および出願が、最近、公開された。そのようなカプセル化媒体は、多数の小カプセルを備え、それらの各々自体は、液体懸濁液媒体中に懸濁された電気泳動的可動粒子を含む内相と、内相を包囲するカプセル壁とを備えている。典型的に、カプセル自体は、ポリマーバインダ内に保持され、2つの電極間に位置付けられたコヒーレント層を形成する。これらの特許および出願において説明される技術は、以下を含む;
【0034】
(a)電気泳動粒子、流体、および流体添加剤(例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号参照);
【0035】
(b)カプセル、バインダ、およびカプセル化プロセス(例えば、米国特許第6,922,276号および第7,411,719号参照);
【0036】
(c)マイクロセル構造、壁材料、およびマイクロセルを形成する方法(例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号参照);
【0037】
(d)マイクロセルを充填し、シールする方法(例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号参照);
【0038】
(e)電気光学材料を含むフィルムおよびサブアセンブリ(例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号参照);
【0039】
(f)ディスプレイ内で使用されるバックプレーン、接着層、および他の補助層および方法(例えば、米国特許第D485,294号、第6,124,851号、第6,130,773号、第6,177,921号、第6,232,950号、第6,252,564号、第6,312,304号、第6,312,971号、第6,376,828号、第6,392,786号、第6,413,790号、第6,422,687号、第6,445,374号、第6,480,182号、第6,498,114号、第6,506,438号、第6,518,949号、第6,521,489号、第6,535,197号、第6,545,291号、第6,639,578号、第6,657,772号、第6,664,944号、第6,680,725号、第6,683,333号、第6,724,519号、第6,750,473号、第6,816,147号、第6,819,471号、第6,825,068号、第6,831,769号、第6,842,167号、第6,842,279号、第6,842,657号、第6,865,010号、第6,873,452号、第6,909,532号、第6,967,640号、第6,980,196号、第7,012,735号、第7,030,412号、第7,075,703号、第7,106,296号、第7,110,163号、第7,116,318号、第7,148,128号、第7,167,155号、第7,173,752号、第7,176,880号、第7,190,008号、第7,206,119号、第7,223,672号、第7,230,751号、第7,256,766号、第7,259,744号、第7,280,094号、第7,301,693号、第7,304,780号、第7,327,511号、第7,347,957号、第7,349,148号、第7,352,353号、第7,365,394号、第7,365,733号、第7,382,363号、第7,388,572号、第7,401,758号、第7,442,587号、第7,492,497号、第7,535,624号、第7,551,346号、第7,554,712号、第7,583,427号、第7,598,173号、第7,605,799号、第7,636,191号、第7,649,674号、第7,667,886号、第7,672,040号、第7,688,497号、第7,733,335号、第7,785,988号、第7,830,592号、第7,843,626号、第7,859,637号、第7,880,958号、第7,893,435号、第7,898,717号、第7,905,977号、第7,957,053号、第7,986,450号、第8,009,344号、第8,027,081号、第8,049,947号、第8,072,675号、第8,077,141号、第8,089,453号、第8,120,836号、第8,159,636号、第8,208,193号、第8,237,892号、第8,238,021号、第8,362,488号、第8,373,211号、第8,389,381号、第8,395,836号、第8,437,069号、第8,441,414号、第8,456,589号、第8,498,042号、第8,514,168号、第8,547,628号、第8,576,162号、第8,610,988号、第8,714,780号、第8,728,266号、第8,743,077号、第8,754,859号、第8,797,258号、第8,797,633号、第8,797,636号、第8,830,560号、第8,891,155号、第8,969,886号、第9,147,364号、第9,025,234号、第9,025,238号、第9,030,374号、第9,140,952号、第9,152,003号、第9,152,004号、第9,201,279号、第9,223,164号、第9,285,648号、および第9,310,661号、ならびに米国特許出願公開第2002/0060321号、第2004/0008179号、第2004/0085619号、第2004/0105036号、第2004/0112525号、第2005/0122306号、第2005/0122563号、第2006/0215106号、第2006/0255322号、第2007/0052757号、第2007/0097489号、第2007/0109219号、第2008/0061300号、第2008/0149271号、第2009/0122389号、第2009/0315044号、第2010/0177396号、第2011/0140744号、第2011/0187683号、第2011/0187689号、第2011/0292319号、第2013/0250397号、第2013/0278900号、第2014/0078024号、第2014/0139501号、第2014/0192000号、第2014/0210701号、第2014/0300837号、第2014/0368753号、第2014/0376164号、第2015/0171112号、第2015/0205178号、第2015/0226986号、第2015/0227018号、第2015/0228666号、第2015/0261057号、第2015/0356927号、第2015/0378235号、第2016/077375号、第2016/0103380号、および第2016/0187759号、ならびに国際出願公開第WO 00/38000号、欧州特許第1,099,207 B1号および第1,145,072 B1号参照);
【0040】
(g)色形成および色調節(例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号参照);
【0041】
(h)ディスプレイを駆動する方法(例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号参照);
【0042】
(i)ディスプレイの適用(例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号参照):
【0043】
(j)非電気泳動ディスプレイ(例えば、米国特許第6,241,921号、および米国特許出願公開第2015/0277160号、ならびに米国特許出願公開第2015/0005720号、および第2016/0012710号参照)。
【0044】
上記の特許および特許出願の全てが、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0045】
前述の特許および出願の多くは、カプセル化電気泳動媒体中の別々のマイクロカプセルを包囲する壁が、連続相によって取って代わられ得ること(したがって、電気泳動媒体が、電気泳動流体の複数の別々の液滴とポリマー材料の連続相とを備えたいわゆるポリマー分散型電気泳動ディスプレイを生じること)、および、そのようなポリマー分散型電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の別々の液滴が、別々のカプセル膜が各個々の液滴に関連付けられていないにもかかわらず、カプセルまたはマイクロカプセルとして見なされ得ることを認めている(例えば、前述の第2002/0131147号参照)。故に、本出願の目的のために、そのようなポリマー分散型電気泳動媒体は、カプセル化電気泳動媒体の亜種として見なされる。
【0046】
カプセル化電気泳動ディスプレイは、典型的に、従来的電気泳動デバイスの集塊化および沈降失敗モードに悩まされず、多種多様の可撓性および剛体の基板上にディスプレイを印刷またはコーティングするための能力等のさらなる利点を提供する。(単語「印刷」の使用は、限定ではないが、パッチダイコーティング、スロットまたは押出コーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング等の事前計量コーティング、ナイフオーバーロールコーティング、フォワード・リバースロールコーティング等のロールコーティング、グラビアコーティング、浸漬コーティング、スプレーコーティング、メニスカスコーティング、スピンコーティング、ブラシコーティング、エアナイフコーティング、シルクスクリーン印刷プロセス、静電印刷プロセス、感熱印刷プロセス、インクジェット印刷プロセス、および他の類似技法を含むあらゆる形態の印刷およびコーティングを含むことを意図する。)したがって、結果として生じるディスプレイは、可撓性であることができる。さらに、表示媒体が(様々な方法を使用して)印刷されることができるので、ディスプレイ自体は、安価に作製されることができる。
【0047】
電気泳動ディスプレイの関連タイプは、いわゆる、「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電粒子および懸濁流体は、マイクロカプセル内にカプセル化されず、代わりに、キャリア媒体、典型的に、ポリマーフィルム内に形成される複数の空洞内に保持される。例えば、国際出願公開第WO 02/01281号および公開された米国出願第2002/0075556号(両方は、Sipix Imaging,Inc.に譲渡済)を参照されたい。
【0048】
電気光学ディスプレイの前述のタイプは、双安定であり、典型的に、反射モードにおいて使用されるが、前述の特許および出願のあるものの中で説明されるように、そのようなディスプレイは、「シャッタモード」において動作し得、シャッタモードにおいて、電気光学媒体は、光の透過を変調するために使用され、それによって、ディスプレイは、透過モードにおいて動作する。ポリマー分散型液晶を含む液晶も、当然ながら、電気光学媒体であるが、典型的に、双安定ではなく、透過モードにおいて動作する。下記に説明される本発明のある実施形態は、反射型ディスプレイとの使用のために限られるが、他のものは、従来の液晶ディスプレイを含む反射型および透過型ディスプレイの両方とともに使用され得る。
【0049】
ディスプレイが反射型であるか透過型であるかにかかわらず、かつ使用される電気光学媒体が双安定性であるかどうかにかかわらず、高分解能ディスプレイを取得するために、ディスプレイの個々のピクセルは、隣接するピクセルからの干渉を伴わずにアドレス可能でなければならない。この目的を達成するための1つの方法は、「アクティブマトリクス」ディスプレイを生じるために、トランジスタまたはダイオード等の非線形要素のアレイ(少なくとも1つの非線形要素が、各ピクセルに関連付けられている)を提供することである。1つのピクセルにアドレスするアドレスまたはピクセル電極が、関連付けられた非線形要素を通して適切な電圧源に接続される。典型的に、非線形要素がトランジスタであるとき、ピクセル電極は、トランジスタのドレインに接続され、この配置は、以下の説明において仮定されるであろうが、本質的に恣意的であり、ピクセル電極は、トランジスタのソースに接続され得る。従来、高分解能アレイでは、ピクセルは、任意の特定のピクセルが、1つの規定される行および1つの規定される列の交点によって独自に画定されるように、行および列の2次元アレイに配置される。各列内のトランジスタ全てのソースが、単一の列電極に接続される一方、各行内のトランジスタ全てのゲートは、単一の行電極に接続され、再度、行へのソースの割り当ておよび列へのゲートの割り当ては、従来のものであるが、本質的に恣意的であり、所望される場合、逆転され得る。行電極は、行ドライバに接続され、行ドライバは、任意の所与の瞬間において1つのみの行が選択されること、すなわち、選択された行内のトランジスタ全てが伝導性であること等を確実にするような電圧が選択された行電極に印加されている一方、選択されていない行内のトランジスタ全てが非伝導性のままであることを確実にするような電圧が全ての他の行に印加されていることを本質的に確実にする。列電極は、列ドライバに接続され、列ドライバは、選択された行内のピクセルをそれらの所望の光学状態に駆動するように選択された電圧を種々の列電極にかける。(前述の電圧は、従来、非線形アレイから電気光学媒体の反対側に提供され、ディスプレイ全体にわたって広がっている共通前面電極に関連するものである。)「ラインアドレス時間」として既知の事前選択された間隔の後、選択された行が、選択解除され、次の行が、選択され、列ドライバ上の電圧が、ディスプレイの次のラインが書き込まれるように変更される。このプロセスは、ディスプレイ全体が行毎に書き込まれるように繰り返される。
【0050】
アクティブマトリクスディスプレイを製造するためのプロセスが、良好に確立されている。薄膜トランジスタは、例えば、種々の堆積およびフォトリソグラフィ技術を使用して製作されることができる。トランジスタは、ゲート電極と、絶縁誘電層と、半導体層と、ソースおよびドレイン電極とを含む。ゲート電極への電圧の印加は、誘電層を横断して電場を提供し、それは、半導体層のソース/ドレイン間伝導性を劇的に増加させる。この変化は、ソース電極とドレイン電極との間の電気伝導を可能にする。典型的に、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極は、パターン化される。一般に、半導体層も、近隣回路要素間の浮遊伝導(すなわち、クロストーク)を最小化させるためにパターン化される。
【0051】
液晶ディスプレイは、一般的に、表示ピクセルのための切り替えデバイスとして、アモルファスシリコン(「a-Si」)薄膜トランジスタ(「TFT」)を採用する。そのようなTFTは、典型的に、ボトムゲート型構成を有する。1つのピクセル内に、薄膜コンデンサが、典型的に、切り替えTFTによって移送される電荷を保持する。電気泳動ディスプレイは、コンデンサを伴う類似のTFTを使用することができるが、コンデンサの機能は、液晶ディスプレイにおけるそれらとは幾分異なる(前述の同時係属中の出願第09/565,413号、および公開第2002/0106847号および第2002/0060321号参照)。薄膜トランジスタは、高性能を提供するために製作されることができる。しかしながら、製作プロセスは、多くのコストをもたらし得る。
【0052】
TFTアドレスアレイでは、ピクセル電極は、ラインアドレス時間中、TFTを介して充電される。ラインアドレス時間中、TFTは、印加されるゲート電圧を変更することによって、伝導状態に切り替えられる。例えば、n型TFTに関して、ゲート電圧が、「高」状態に切り替えられ、TFTを伝導状態に切り替える。
【0053】
さらに、電圧シフト等の不要な効果が、表示ピクセルに駆動波形を供給するデータラインとピクセル電極との間で発生するクロストークによって引き起こされ得る。上で説明される電圧シフトと同様、データラインとピクセル電極との間のクロストークは、表示ピクセルがアドレスされていない(例えば、関連付けられたピクセルTFTが枯渇している)ときでさえ、2者間の容量結合によって引き起こされ得る。そのようなクロストークは、画像筋等の光学アーチファクトにつながり得るので望ましくない電圧シフトをもたらし得る。
【0054】
ある場合、電気泳動ディスプレイ、すなわち、EPDは、2つの基板(例えば、プラスチックまたはガラス)を含み得、フロントプレーンラミネート、すなわち、FPLは、2つの基板間に位置付けられる。いくつかの実施形態において、上部基板の底部は、伝導性電極(すなわち、Vcom平面)として機能するために、透明な伝導性材料でコーティングされ得る。下側基板の上部部分は、電極要素のアレイ(例えば、各表示ピクセルのための伝導性電極)を含み得る。薄膜トランジスタ、すなわち、TFT等の半導体スイッチが、これらのピクセル電極の各々に関連付けられ得る。ピクセル電極およびVcom平面へのバイアス電圧の印加が、FPLの電気光学変換をもたらし得る。この光学変換が、EPD上でのテキストまたグラフィック情報の表示のための基礎として使用されることができる。所望の画像を表示するために、適切な電圧が、各ピクセル電極上に印加される必要がある。
【0055】
図1は、本明細書に提示される主題による電気光学ディスプレイの表示ピクセル100の概略図モデルを図示する。ピクセル100は、結像フィルム110を含み得る。いくつかの実施形態において、結像フィルム110は、電気泳動材料の層であり、本質的に双安定であり得る。この電気泳動材料は、流体中に配置され、電場の影響下の流体を通して移動することが可能である複数の荷電着色色素粒子(例えば、黒色、白色、黄色、または赤色)を含み得る。いくつかの実施形態において、結像フィルム110は、荷電色素粒子を伴うマイクロセルを有する電気泳動フィルムであり得る。いくつかの他の実施形態において、結像フィルム110は、限定ではないが、例えば、荷電色素粒子を含み得るカプセル化電気泳動結像フィルムを含み得る。下記に提示される駆動方法が、いずれのタイプの電気泳動材料(例えば、カプセル化型またはマイクロセルを伴うフィルム型)のためにも容易に採用され得ることを理解されたい。
【0056】
いくつかの実施形態において、結像フィルム110は、前面電極102と背面またはピクセル電極104との間に配置され得る。前面電極102は、結像フィルムとディスプレイの前面との間に形成され得る。いくつかの実施形態において、前面電極102は、透明かつ光透過性であり得る。いくつかの実施形態において、前面電極102は、限定ではないが、酸化インジウムスズ(ITO)を含む任意の好適な透明材料から形成され得る。背面電極104は、前面電極102に対して結像フィルム110の反対側に形成され得る。いくつかの実施形態において、寄生容量(図示せず)が、前面電極102と背面電極104との間に形成され得る。
【0057】
ピクセル100は、複数のピクセルのうちの1つであり得る。複数のピクセルは、任意の特定のピクセルが、1つの規定される行および1つの規定される列の交点によって独自に画定されるように、行および列の2次元アレイに配置され、マトリクスを形成し得る。いくつかの実施形態において、ピクセルのマトリクスは、各ピクセルが少なくとも1つの非線形回路要素120に関連付けられた「アクティブマトリクス」であり得る。非線形回路要素120は、裏面平板電極104とアドレス電極108との間に結合され得る。いくつかの実施形態において、非線形要素120は、ダイオード、および/または、限定ではないが、MOSFETまたは薄膜トランジスタ(TFT)を含むトランジスタであり得る。MOSFETまたはTFTのドレイン(またはソース)は、裏面平板またはピクセル電極104に結合され得、MOSFETまたはTFTのソース(またはドレイン)は、アドレス電極108に結合され得、MOSFETまたはTFTのゲートは、MOSFETまたはTFTの活性化および非活性化を制御するように構成されるドライバ電極106に結合され得る。(単純化のために、裏面平板電極104に結合されるMOSFETまたはTFTの端子は、MOSFETまたはTFTのドレインと称され、アドレス電極108に結合されるMOSFETまたはTFTの端子は、MOSFETまたはTFTのソースと称されるであろう。しかしながら、当業者は、いくつかの実施形態において、MOSFETまたはTFTのソースおよびドレインが、入れ換えられ得ることを認識するであろう。)
【0058】
アクティブマトリクスのいくつかの実施形態において、各列内のピクセル全てのアドレス電極108は、同じ列電極に接続され得、各行内のピクセル全てのドライバ電極106は、同じ行電極に接続され得る。行電極は、行ドライバに接続され得、行ドライバは、選択される行内のピクセル100全ての非線形要素120を活性化するために十分な電圧を選択される行電極に印加することによって、ピクセルの1つ以上の行を選択し得る。列電極は、列ドライバに接続され得、列ドライバは、ピクセルを所望の光学状態に駆動するために好適な電圧を選択される(活性化される)ピクセルのアドレス電極106にかけ得る。アドレス電極108に印加される電圧は、ピクセルの前面平板電極102に印加された電圧に相対的であり得る(例えば、約ゼロボルトの電圧)。いくつかの実施形態において、アクティブマトリクス内のピクセル全ての前面平板電極102は、共通電極に結合され得る。
【0059】
使用時、アクティブマトリクスのピクセル100は、行毎の様式において書き込まれ得る。例えば、ピクセルの行が、行ドライバによって選択され得、ピクセルの行に関する所望の光学状態に対応する電圧が、列ドライバによってピクセルに印加され得る。「ラインアドレス時間」として既知の事前選択された間隔の後、選択された行が、選択解除され得、別の行が、選択され得、列ドライバ上の電圧が、ディスプレイの別の行が書き込まれるように変更され得る。
【0060】
図2は、本明細書に提示される主題による前面電極102と背面電極104との間に配置される電気光学結像層110の回路モデルを図示する。レジスタ202およびコンデンサ204は、電気光学結像層110、前面電極102、および背面電極104(任意の接着層を含む)の抵抗および静電容量を表し得る。レジスタ212およびコンデンサ214は、積層接着層の抵抗および静電容量を表し得る。コンデンサ216は、前面電極102と裏面電極104との間(例えば、結像層と積層接着層との間および/または積層接着層とバックプレーン電極との間の界面等の層間の界面接触エリア)に形成し得る静電容量を表し得る。ピクセルの結像フィルム110を横断した電圧Viは、ピクセルの残留電圧を含み得る。
【0061】
使用時、図1および2によって描写される電気泳動ディスプレイ等のいくつかの電気光学ディスプレイが、エッジゴーストの独自の事例に悩まされ得る。例えば、特定の画像が、電子的棚ラベル(ESL)等の電気泳動ディスプレイ上で何度も繰り返して更新されるとき、バーコード等の画像が、ESLの一部上で繰り返して更新されるとき、ピクセルが左において+15ボルト、および右において-15ボルトでバイアスされることに起因して、ゴーストが、バーコード画像のバー間に出現し得る。
【0062】
一実施形態において、画像は、ゴースト課題を軽減させるために、更新毎に「改変」され得る(すなわち、シフトさせられ得る)。例えば、第1の更新中、図3に示されるようなバーコード400が、左に1ピクセルおよび上方に1ピクセルシフトさせられ得(図4a参照)、後続の第2の更新中、バーコード画像400全体が、元の位置に戻るように移動させられ得る。別の実施形態において、第3の更新が、バーコード400を右に1ピクセルおよび下方に1ピクセル移動させ(図4b参照)、続いて、バーコード400画像を元の位置に戻るように移動させるであろう第4の更新が続くことができる。さらに別の実施形態において、第5の更新が、バーコード画像400を左および下方に1ピクセル移動させ(図4c参照)、続いて、バーコード画像400を元の位置に戻すように移動させるための第6の更新が続くことができる。別の実施形態において、第7の更新が、バーコード画像400を右および上方に1ピクセル移動させ(図4d参照)、続いて、バーコード画像400を元の位置に戻るように移動させるための第8の更新が続くことができる。
【0063】
上記に述べられるプロセスは、多数のサイクル(例えば、50回の更新)にわたって、まさにそのシーケンスにおいて、または組み合わせにおいて繰り返されることができる。ある実験が、本明細書に説明される発明のプロセスが、バーコード(例えば、図3)の画像内のゴーストの低減をもたらしたかどうかを決定するために行われた。バーコード画像が、改変されない状態で50回更新され、すなわち、上で説明されるような画像のいかなるシフトも、なかった。別個に、同じバーコード画像が、上で説明されるシフトまたは改変シーケンスを使用して50回更新された。シフトまたは改変シーケンスを使用することは、改変されずに50回更新されたバーコードの画像と比較して、バーコードの画像内のゴースト効果を減らした。
【0064】
図5aおよび5bは、上で説明されるバーコードのバー間のエッジゴースト等のエッジ効果を減らすための更新シーケンスの例示的ステップの図である。コントローラ(例えば、行および列ドライバ)が、行および列ピクセルのディスプレイのアレイ内に境界ボックス530を画定するように構成されることができる。境界ボックス530は、ディスプレイのいくつかの連続した行および列ピクセルから構成され、画像500が更新シーケンス中に表示されるディスプレイの一部の輪郭を描く。しかしながら、境界ボックス530は、ソフトウェアにおいて画定される要素またはデータ構造であり、ディスプレイ上では眼に見えない。
【0065】
境界ボックス530は、ディスプレイの行および列ピクセルのサブセットを含むことができる。いくつかの実施形態において、境界ボックス530は、ディスプレイの視認可能なエリアの全ての行および列ピクセルを含む。いくつかの実施形態において、複数の境界ボックス530が、ディスプレイ内に画定され、更新シーケンスが、各境界ボックス530内に表示される画像に対して実施される。
【0066】
境界ボックス530を組み込む更新シーケンスは、図4a-4dと関連して上で説明される更新シーケンスに類似する。例えば、更新シーケンス中に境界ボックス530内の画像500をシフトさせることが可能である必要な空間を有するために、境界ボックス530内に表示される画像500は、境界ボックス530より少なくとも2つ少ない行ピクセルおよび2つ少ない列ピクセルを占有しなければならない。図5aは、境界ボックス530内の初期位置に表示される画像500を図示する。図5aに示されるように、画像500は、両方の水平(列)方向および両方の垂直(行)方向において1ピクセルサイズ532だけ、境界ボックス530より小さい。
【0067】
更新シーケンスは、上で説明されると同じ程度に継続する。ディスプレイに対する更新中、画像500の各ピクセルの値は、表示されている画像が、画像500と同一であるが、位置が境界ボックス530内のその初期位置に対してシフトさせられるように、1行ピクセルかつ1列ピクセルだけシフトさせられる。例えば、各ピクセルは、(i)左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセル、(ii)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、(iii)左に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセル、または(iv)右に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセルシフトさせられ得る。図5bは、(上で説明される図4bと同様)右に1行ピクセルかつ下向きに1列ピクセルシフトさせられた後の境界ボックス530内に表示される画像500を図示する。図5bに示されるように、画像500は、ここで、境界ボックス530の左縁から2ピクセルサイズ534、および境界ボックス530の上縁から2ピクセルサイズ534に位置付けられている。
【0068】
ディスプレイに対する続く更新中、画像500は、その初期位置に戻るようにシフトさせられる。例えば、次の更新中、図5bに示される画像500は、左に1行ピクセルかつ上向きに1列ピクセルシフトさせられ、再度、図5aに示される位置に出現するであろう。
【0069】
更新シーケンスは、ディスプレイに対する更新中にシフトパターン(i)-(iv)のうちの1つに従って、画像500をシフトさせることと、次いで、後続の更新中に画像500をその初期位置に戻すようにシフトさせることとを交互に繰り返すように継続する。シフトパターン(i)-(iv)は、更新シーケンス中に任意の順序において実施されることができるが、しかしながら、異なるシフトパターンが、画像500がその初期位置(図5a)からシフトさせられる度に選択される。例えば、図5bに示される画像500は、図5aの画像500から生じ、パターン(ii)に従ってシフトさせられている。故に、画像500がその初期位置からシフトさせられる次の更新中、パターン(i)、(iii)、または(iv)のうちの1つが、選択されるであろう。
【0070】
上記で説明される実施形態は、エッジ効果を減らすための従来の方法に優る利点を提供する。例えば、従来の方法は、要求されるピクセルを他の状態に駆動する前、かなりの期間の間、極限の黒色または白色状態のうちの一方にディスプレイの全てのピクセルを駆動することによって、エッジ効果を減らすように模索する。しかしながら、ソリッドカラーの結果として生じる「閃光」は、多くの場合、視認者に不快であり、望ましくない。さらに、ディスプレイのそのような閃光は、そのエネルギー消費を増加させ、ディスプレイの動作寿命を減らし得る。
【0071】
対照的に、本明細書に説明される実施形態によると、画像の位置が、ディスプレイの各更新中、水平および垂直に1ピクセルだけシフトさせられる。故に、より少ないエネルギーが、エッジ効果を減らすために要求され、ディスプレイに対する更新は、視認者に実質的に知覚不可能であるほどわずかであり、それによって、視認者体験を改善する。
【0072】
多数の変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなく、上で説明される発明の具体的な実施形態において行われ得ることが、当業者に明白な状態になるであろう。故に、前述の説明全体は、例証的に解釈されるべきであり、限定する意味で解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】