(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】構成体
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20240621BHJP
B32B 7/027 20190101ALI20240621BHJP
B32B 15/085 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B32B7/027
B32B15/085 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576128
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 IB2022055557
(87)【国際公開番号】W WO2022264068
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, チェン メン
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AB10E
4F100AK02A
4F100AK04A
4F100AK04D
4F100AK06B
4F100AK06C
4F100AK07D
4F100AK63B
4F100AL01A
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100BA10E
4F100EH20
4F100GB23
4F100JA05A
4F100JD03
4F100JD04
4F100JK03
4F100JL12C
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
本発明は、多層フィルム構成体であって、(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;を備え、第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、多層フィルム構成体を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に配置されている、
多層フィルム構成体。
【請求項2】
多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に配置され、
前記多層フィルム構成体が、1日当たり約0.5g/m
2以下の水蒸気透過度を有する、
多層フィルム構成体。
【請求項3】
前記第1の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約15重量%の量で存在する;並びに/又は
前記第2の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約65重量%~約75重量%の量で存在する;並びに/又は
前記第3の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量で存在する;
請求項1又は2に記載の多層フィルム構成体。
【請求項4】
前記第1の層の前記環状オレフィンコポリマーが、約50℃~約100℃のガラス転移温度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項5】
前記環状オレフィンコポリマーが、ノルボルネンとエチレンとのコポリマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項6】
前記第2の層が、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたポリエチレンポリマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項7】
前記第3の層が、ポリオレフィンプラストマーを、任意選択的に低密度ポリエチレンと組み合わせて含み、
好ましくは、前記第3の層が、(a)前記第3の層の約70重量%~80重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)前記第3の層の約20重量%~約30重量%の量の低密度ポリエチレンと、を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項8】
前記第3の層が、約80℃~約110℃のヒートシール開始温度を有するポリオレフィンプラストマーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項9】
前記第1の層が、第1の表面と第2の表面とを有し、
前記第2の表面が、前記第2の層と接触しており、
前記第1の表面が、前記第2の層と接触しておらず、
前記多層フィルム構成体が、前記第1の層の前記第1の表面と接触している金属層を更に備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項10】
前記フィルム構成体が、1日当たり約0.1g/m
2以下の水蒸気透過度を有する;及び/又は
1日当たり約0.1g/m
2以下の酸素透過度を有する;及び/又は
前記第1の層と前記金属層との間の摩擦係数が約0.2~約0.3である、請求項9に記載の多層フィルム構成体。
【請求項11】
印刷可能な外部層を更に備え、前記印刷可能な外部層が、配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の多層フィルム構成体を作製する方法であって、
(a)前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層を別個の容器内に用意する工程;
(b)前記別個の容器内の前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層の前記ポリマーを溶融する工程;並びに
(c)前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層を組み合わせて、多層フィルム構成体を形成する工程;
を含む、方法。
【請求項13】
積層体であって、
(a)請求項9又は10に記載の金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層;
(b)金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層;並びに
(c)配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層;
を備える、積層体。
【請求項14】
ポリエチレンを含む多層フィルム構成体における、金属層への前記フィルム構成体の接着性を改善するための、環状オレフィンコポリマーの使用。
【請求項15】
1日当たり0.1g/m
2以下の水蒸気透過度を有する金属化フィルム構成体であって、前記環状オレフィンコポリマーを含む金属化フィルム構成体を提供するための、環状オレフィンコポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、多層フィルム構成体、多層フィルム構成体を作製する方法、多層フィルム構成体を備える積層体、及びその使用に関する。
【0002】
[背景技術]
食品製品及び飲料製品は、多くの場合、積層フィルム構成体を使用して包装され、「シングルサーブ」製品又は「マルチサーブ」製品として包装され得る。シングルサーブ製品は、包装内に収容された食品製品又は飲料製品の1回分又は1人分サイズを収容し、マルチサーブ製品は、包装内に製品の複数回分又は複数人分を収容する。マルチサーブ製品の包装は再シール可能であってもよい。
【0003】
包装用積層体は、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのプラスチックポリマーを含む場合が多い。これらの材料は、それらのリサイクル性のために最近注目されている。しかしながら、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含む従来知られている包装材料は、シール後に形成される一貫性のない結合、一貫性のない機械加工フロー、及び比較的低いバリア特性に起因する層間剥離の問題に遭遇することが分かっている。そのような包装材料はまた、比較的高い引裂強度を有する場合があり、その結果、包装を開封するために使用者が包装を手で直線的に引裂くことがより困難になり得る。
【0004】
より最近では、ポリエチレンは、ポリプロピレン又はポリオレフィンよりも広くリサイクル可能であると考えられているため、特に注目されている。しかしながら、バリア開発の歴史において、ポリエチレンフィルムには課題があることが判明しており、かかるフィルムは、水分及びガスに対して比較的高い透過性を有し得る。
【0005】
酸素、水蒸気、及び他のガス又は流体は、包装内の製品との望ましくない反応を生じ、腐敗させる可能性があることから、このような包装材料は、包装内に収容されている製品まで透過可能な酸素、水蒸気、及び他のガス又は流体の量を制限することが概して望ましい。例えば、酸化分解は、コーヒー、茶、チョコレート、肉、チーズなどの食品及び飲料製品の風味、色に影響を及ぼし得る。酸化分解はまた、短期間内に微生物増殖の増強をもたらし得る。
【0006】
したがって、包装フィルム内に収容された食品製品又は飲料製品の品質保持期間(shelf-life)を延ばすために、これらのガスに対する包装フィルムの透過性を低減させることが望ましい。
【0007】
[発明の概要]
一態様では、多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、
多層フィルム構成体が提供される。
【0008】
一態様では、多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置され、
多層フィルム構成体は、1日当たり約0.5g/m2以下の水蒸気透過度を有する、
多層フィルム構成体が提供される。
【0009】
一態様では、上述の多層フィルム構成体を作製する方法であって、
(a)第1の層、第2の層及び第3の層を別個の容器内に用意する工程;
(b)別個の容器内の第1の層、第2の層及び第3の層のポリマーを溶融する工程;並びに
(c)第1の層、第2の層及び第3の層を組み合わせて、多層フィルム構成体を形成する工程;
を含む、方法が提供される。
【0010】
一態様では、積層体であって、
(a)本明細書に記載の金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層;
(b)金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層;並びに
(c)配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層;
を備える、積層体が提供される。
【0011】
一態様では、ポリエチレンを含む多層フィルム構成体における、金属層への該フィルム構成体の接着性を改善するための、環状オレフィンコポリマーの使用が提供される。
【0012】
一態様では、1日当たり0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する金属化フィルム構成体であって、環状オレフィンコポリマーを含む金属化フィルム構成体を提供するための、環状オレフィンコポリマーの使用が提供される。
【0013】
本明細書に記載するように、本発明は、優れたバリア特性を有すると同時に、高い結合強度及び比較的低い引裂強度も有し、フィルム構成体から作製された包装を直線的に手で引裂いて開くことを比較的容易とすることの可能な、多層フィルム構成体を提供する。
【0014】
参照を容易にするために、次に、本発明のこれらの態様及び更なる態様を、適切なセクション見出しの下で説明する。しかしながら、各セクションの下の教示は、必ずしも各々の特定のセクションに限定されない。
【0015】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の層、第2の層及び第3の層を備える、多層フィルム構成体の実施形態を示す。
【
図2】第1の層、第2の層及び第3の層に加えて、印刷可能な外部層と金属層とを備える、多層フィルム構成体の実施形態を示す。
【
図3】第1のバリア層、第2のバリア層及び印刷可能な外部層を備える、積層体の実施形態を示す。
【
図4】ポリエチレンを含む追加の層を更に備える、積層体の別の実施形態を示す。
【0017】
本発明は様々な変更形態及び代替形態が許容可能であるが、特定の実施形態が図面に例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、特定の実施形態の図面及び発明を実施するための形態は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれる全ての変更形態、等価物、及び代替形態を包含する。
【0018】
[発明を実施するための形態]
構成体
本明細書で論じるように、本発明の一態様では、多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、
多層フィルム構成体が提供される。
【0019】
第1の層
本明細書に記載するように、多層フィルム構成体中の第1の層は、環状オレフィンコポリマー(cyclic olefin copolymer、COC)を含む。COCは、典型的には、従来の開始剤及び/又はメタロセン開始剤を使用して、環状モノマーと直鎖モノマー(例えばエチレン)との連鎖共重合によって製造された非晶質ポリマーである。環状モノマーは、ノルボルネン、テトラシクロドデセン(例えば、1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフタレン)、又はノルボルネンの他の誘導体などの任意の好適な環状モノマーから選択することができる。
【0020】
エチレンが直鎖モノマーとして使用され、ノルボルネンが環状モノマーとして使用される場合、COCは以下の化学構造を有することができ、式中、エチレン構造は「x」で示され、ノルボルネン構造は「y」で示される。
【化1】
【0021】
COC樹脂の製造方法は、当業者に公知である。典型的には、COCは、メタロセン触媒の存在下でエチレンをノルボルネン(又はその誘導体)と共重合させることによって製造することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、COCは、260℃、2.16kgで測定した場合に、約1~約200cm3/10分のボリュームフローレート(メルトボリュームフローレート(melt volume-flow rate)、MVR)を有する。いくつかの実施形態では、COCは、260℃、2.16kgで測定した場合に、約1~約50cm3/10分のボリュームフローレート(メルトボリュームフローレート、MVR)を有する。いくつかの実施形態では、COCは、260℃、2.16kgで測定した場合に、例えば約5~約35cm3/10分などの、約2~約40cm3/10分のMVRを有する。いくつかの実施形態では、COCは、230℃、2.16kgで測定した場合に、例えば約2~約20cm3/10分、例えば約5~約15cm3/10分、例えば約10~約15cm3/10分などの、230℃、2.16kgで測定した場合に約0.5~約30cm3/10分のMVRを有する。いくつかの好ましい実施形態では、COCは、230℃、2.16kgで測定した場合に、約12cm3/10分のMVRを有する。いくつかの実施形態では、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、例えば約0.5~約15cm3/10分、例えば約1~約10cm3/10分、例えば約1.5~約5cm3/10分などの、190℃、2.16kgで測定した場合に約0.1~約20cm3/10分のMVRを有する。いくつかの好ましい実施形態では、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約2cm3/10分のMVRを有する。MVRは、試験方法ISO 1133を使用して測定され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、COCは、230℃、2.16kgで測定した場合に、例えば約10~約30g/10分などの、260℃、2.16kgで測定した場合に約1g/10分~約50g/10分のメルトフローインデックス(又はメルトフローレート)を有する。いくつかの実施形態では、COCは、230℃、2.16kgで測定した場合に、約10g/10分~約15g/10分のメルトフローインデックス(又はメルトフローレート)を有する。好ましくは、COCは、230℃、2.16kgで測定した場合に、約10g/10分~約12g/10分のメルトフローインデックスを有する。いくつかの実施形態では、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約0.1g/10分~約5g/10分のメルトフローインデックス(又はメルトフローレート)を有する。好ましくは、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約0.5g/10分~約2.5g/10分のメルトフローインデックスを有する。好ましくは、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1g/10分~約2g/10分、より好ましくは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1.5~約2g/10分のメルトフローインデックスを有する。いくつかの好ましい実施形態では、COCは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1.9g/10分のメルトフローインデックスを有する。メルトフローインデックスは、0.92の溶融密度を用いてISO 1133 MVRから計算することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、COCは、例えば約75~約175℃などの、約50~約200℃の荷重たわみ温度(heat deflection temperature、HDT/B(0.45MPa))を有する。HDT/Bは、ISO 75、パート1及びパート2を用いて測定することができる。いくつかの実施形態では、COCは、約50~約100℃の荷重たわみ温度(HDT/B(0.45MPa))を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、COCは最高で約180℃のガラス転移温度を有する。いくつかの実施形態では、COCは、例えば約60~約150℃、例えば約70~約125℃、例えば約75~約100℃などの、約50~約180℃のガラス転移温度を有する。いくつかの好ましい実施形態では、COCは約50~約100℃のガラス転移温度を有する。いくつかの好ましい実施形態では、COCは約60~約80℃のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度は、ISO 11357-1、ISO 11357-2、ISO 11357-3を用いて測定することができる。いくつかの好ましい実施形態では、COCは、約78℃のガラス転移温度を有し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の層に含まれるCOCは、TOPAS Advanced Polymersによって製造されたCOC(例えば、TOPAS(登録商標))、三井化学によって製造されたCOC(例えば、Apel(登録商標))、又はそれらの混合物から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、COCは、TOPASグレード8007、5013、6013、6015、6017又はそれらの混合物から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、COCは、TOPAS(登録商標)8007F-600、TOPAS(登録商標)9506F-500、TOPAS(登録商標)7010F-600、TOPAS(登録商標)6013F-04、又はそれらの混合物から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、COCはTOPAS(登録商標)8007F-600であってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の層は、例えば第1の層の少なくとも約60重量%、例えば第1の層の少なくとも約70重量%、例えば第1の層の少なくとも約80重量%、例えば第1の層の少なくとも約90重量%、例えば第1の層の少なくとも約95重量%、例えば第1の層の少なくとも約98重量%、例えば第1の層の少なくとも約99重量%などの、第1の層の少なくとも約50重量%の量のCOCを含む。
【0028】
いくつかの好ましい実施形態では、第1の層は、COCからなる(すなわち、第1の層は、第1の層の100重量%の量のCOCを含む)。COCが第1の層の100重量%として存在する場合、水蒸気透過度及び酸素透過度は、より少ない量のCOCを使用した場合と比較して低くなり得ることが見出された。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の少なくとも約5重量%の量のCOCを含む、又は、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の少なくとも約5重量%の量のCOCからなる。いくつかの実施形態では、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約5重量%~約80重量%の量のCOCを含む。いくつかの実施形態では、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の例えば約7重量%~約60重量%、例えば約8重量%~約50重量%などの、約6重量%~約70重量%の量のCOCを含む。いくつかの実施形態では、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の例えば約6重量%~約40重量%、例えば約7重量%~約30重量%、例えば約8重量%~約20重量%、例えば約8重量%~約15重量%、例えば約8重量%~約10重量%、例えば約8重量%などの、約5重量%~約50重量%の量のCOCを含む。いくつかの好ましい実施形態では、第1の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約5重量%~約20重量%、より好ましくは約5重量%~約15重量%の量のCOCを含む。これらの実施形態の各々では、COCは、第1の層の100重量%の量で存在してもよい(すなわち、第1の層はCOCからなってもよい)。
【0030】
いくつかの実施形態では、構成体は、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約80重量%の量の第1の層を備える。いくつかの実施形態では、構成体は、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて、約5重量%~約60重量%の量、好ましくは約5重量%~約20重量%の量、より好ましくは約5重量%~約15重量%の量、更により好ましくは約8重量%の量の第1の層を備える。いくつかの実施形態では、構成体は、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%の量の第1の層を備える。
【0031】
第1の層にCOCを含むと、優れたバリア特性を有すると同時に、高い結合強度及び比較的低い引裂強度も有する多層フィルム構成体が提供され、当該フィルム構成体から作製された包装を直線的に手で引裂いて開くことを比較的容易とすることが可能であることが見出された。第1の層のCOGはまた、構成体の金属化のために含まれ得る任意の金属への、第2の層のポリエチレンの接着性の改善を可能にする。このように改善された接着性は、構成体中の層間のより均一な結合強度を可能にし得る。
【0032】
更に、構成体にCOCを含むと、構成体の引裂強度の低減をもたらすことができ、その結果、使用者による構成体のより容易な直線的な引裂きを可能にすることが見出された。かかる引き裂きは、概して、使用者が手で引裂くことによって開封される包装に構成体が使用される場合に有利である。
【0033】
第2の層
本明細書に記載するように、多層フィルム構成体中の第2の層は、ポリエチレン(PE)を含む。好ましくは、第2の層はPEからなる。
【0034】
第2の層に含まれたポリエチレンは、任意の好適な種類のポリエチレンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、超低分子量ポリエチレン(ULMWPE)、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度架橋ポリエチレン(HDXLPE)、架橋ポリエチレン(PEX)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、塩素化ポリエチレン(CPE)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態では、第2の層は、ポリエチレンを含む、又は、第2の層は、ポリエチレンからなり、該ポリエチレンは、HDPE、LLDPE、LDPE、MDPE、及びこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、第2の層は、HDPE、MDPE、LLDPE、又はこれらの組み合わせから選択されたポリエチレンを含む、あるいは、第2の層は、HDPE、MDPE、LLDPE、又はこれらの組み合わせから選択されたポリエチレンからなる。好ましくは、第2の層は、MDPE、LLDPE、又はこれらの組み合わせから選択されたポリエチレンを含む、あるいは、第2の層は、MDPE、LLDPE、又はこれらの組み合わせから選択されたポリエチレンからなる。いくつかの実施形態では、第2の層はMDPEを含む、又は、第2の層はMDPEからなる。いくつかの実施形態では、第2の層はLLDPEを含む、又は、第2の層はLLDPEからなる。いくつかの実施形態では、第2の層はLDPEを含む、又は、第2の層はLDPEからなる。いくつかの実施形態では、第2の層はHDPEを含む、又は、第2の層はHDPEからなる。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態では、第2の層は、MDPEとLLDPEとの組み合わせであるポリエチレンを含む、又は、第2の層は、MDPEとLLDPEとの組み合わせであるポリエチレンからなる。MDPEとLLDPEとは、任意の好適な重量比で含まれ得る。いくつかの実施形態では、MDPEとLLDPEとは、MDPE対LLDPEの重量比が約90:10~約10:90、好ましくは約70:30~約30:70、より好ましくは約60:40~約40:60であるような量で第2の層に含まれている。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2の層は、HDPE、MDPE、LLDPE、LDPE、又はこれらの組み合わせからなる。好ましくは、第2の層はMDPEからなる。他の好ましい実施形態では、第2の層はLLDPEからなる。
【0038】
LDPEは、典型的には0.91~0.925g/cm3の密度範囲によって定義されるポリエチレンの一種である。LDPEは、エチレンのフリーラジカル重合による高圧プロセスなどの、当業者に公知の従来のプロセスを使用して製造することができる。LLDPEは低密度PEの別形態であり、典型的には多数の短い分岐を有し実質的に直鎖状であるが、長鎖分岐は多量に有していないという点で、LDPEとは異なる。LLDPEは、典型的には、0.91~0.94g/cm3の密度を有する。LLDPEは、典型的には、エチレンと長鎖オレフィンとの共重合によって、及びチーグラー型触媒又はフィリップス型触媒などの遷移金属触媒による開始を経て製造される。MDPEは、典型的には0.926~0.94g/cm3の範囲の密度を有し、クロム/シリカ触媒、チーグラー-ナッタ触媒又はメタロセン触媒によって製造することができる。HDPEは、典型的には、0.941g/cm3以上の密度を有し、典型的には、0.94~0.97g/cm3の範囲内であり得る。HDPEは、典型的には、LDPEよりも強い分子間力及び引張強度をもたらす分岐をほとんど有していない。HDPEは、任意の従来の合成によって、例えば、クロム/シリカ触媒、チーグラー-ナッタ触媒又はメタロセン触媒を使用して製造され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1.5g/10分~約3g/10分のメルトフローインデックスを有する。好ましくは、ポリエチレンは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1.5g/10分~約2.5g/10分のメルトフローインデックスを有する。好ましくは、ポリエチレンは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約2g/10分~約2.5g/10分、より好ましくは190℃、2.16kgで測定した場合に、約2.5g/10分のメルトフローインデックスを有する。メルトフローインデックスは、試験方法ASTM D1238を用いて測定することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、約0.91~約0.97g/cm3の密度を有する。いくつかの好ましい実施形態では、ポリエチレンは、約0.91~0.94g/cm3、好ましくは0.915~0.935g/cm3、より好ましくは0.92~0.935g/cm3の密度を有する。密度は、ASTM D792によって測定することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の層は、LLDPE Dow Dowlex(商標)2036である、又は、第2の層は、LLDPE Dow Dowlex(商標)2036を含む。LLDPE Dow Dowlex 2036は、0.935g/cm3の密度及び、190℃、2.16kgで測定した場合に、2.5g/10分のメルトフローインデックスを有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2の層は、例えば第2の層の少なくとも約80重量%、例えば第2の層の少なくとも約90重量%、例えば第2の層の少なくとも約95重量%、例えば第2の層の少なくとも約98重量%、例えば第2の層の少なくとも約99重量%などの、第2の層の少なくとも約70重量%の量のポリエチレン(例えばHDPE、LLDPE及び/又はMDPE)を含む。いくつかの好ましい実施形態では、第2の層は、第2の層の約90重量%~約99重量%の量のポリエチレン(HDPE、LLDPE、及び/又はMDPEなど)を含む。いくつかの好ましい実施形態では、第2の層は、ポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)からなる。
【0043】
いくつかの実施形態では、第2の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の少なくとも50重量%の量のポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)を含む、又は、第2の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の少なくとも50重量%の量のポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)からなる。いくつかの実施形態では、第2の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約50重量%~約95重量%の量のポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)を含む。好ましくは、第2の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約60重量%~約80重量%、より好ましくは約65重量%~約75重量%、最も好ましくは成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約67重量%~約70重量%の量のポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)を含む。これらの実施形態の各々では、ポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)は、例えば第2の層の約90重量%~約99重量%などの、第2の層の約90重量%~約100重量%の量で存在してもよい。あるいは、これらの実施形態の各々では、ポリエチレン(HDPE、LLDPE及び/又はMDPEなど)は、第2の層の100重量%の量で存在してもよい(すなわち、第2の層はポリエチレンからなってもよい)。
【0044】
いくつかの実施形態では、構成体は、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約30重量%~約95重量%の量の第2の層を備える。いくつかの実施形態では、構成体は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約30重量%~約90重量%の量、好ましくは約60重量%~80重量%の量、より好ましくは約65重量%~約75重量%の量、更により好ましくは約67重量%の量の第2の層を備える。
【0045】
第2の層にポリエチレンを含むと、フィルム構成体の剛性及び機械加工性が改善され得ることが見出された。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2の層は、添加剤又は助剤を更に含んでもよい。例えば、第2の層は、粘着防止剤又はスリップ剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の層は、粘着防止剤を更に含む。スリップ剤又は粘着防止剤は、当該技術分野で公知の任意の好適な添加剤であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の層は、(a)第2の層の約90重量%~約100重量%の量のポリエチレン(LLDPE及び/又はMDPEなど)と、(b)第2の層の約0重量%~10重量%の量の粘着防止剤とを含む。いくつかの実施形態では、第2の層は、(a)第2の層の約90重量%~約99重量%の量のポリエチレン(LLDPE及び/又はMDPEなど)と、(b)第2の層の約1重量%~5重量%の量の粘着防止剤とを含む。
【0048】
第3の層
本明細書に記載するように、多層フィルム構成体中の第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む。
【0049】
第3の層に含まれたポリマーは、そのようなヒートシール開始温度を有する任意の好適なポリマーであってもよい。したがって、第3の層のポリマーは、比較的低い温度が加えられた場合に、許容可能なシールを提供することができる。シールを形成するために比較的低い温度を使用することは、第1の層及び第2の層が、第1の層及び第2の層のポリマーの特性に(例えば、熱収縮又は歪みによって)悪影響を及ぼし得る高すぎる温度に加熱される必要がないことを意味するので、有利であり得る。例えば、シールは、170℃を超えない、好ましくは150℃を超えない、より好ましくは135℃を超えない温度で形成することができる。シールは、約80~約150℃、例えば約90~約140℃の範囲の温度で形成することができ、したがって、第1の層及び第2の層の特性に悪影響を及ぼし得ない。
【0050】
いくつかの実施形態では、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーは、ポリオレフィンプラストマーであってもよい。当業者が理解するように、プラストマーは、エラストマーの品質とプラスチックの品質とを組み合わせたポリマー材料である。ポリオレフィンプラストマー(POP)は、典型的には、シングルサイト触媒から製造され得るエチレン系ランダムコポリマー又はプロピレン系ランダムコポリマーである。POPは、プロピレン、エチレン、ブテン、ヘキサン又はオクテンなどの直鎖アルファ-オレフィンモノマーと共重合されたエチレンモノマー又はプロピレンモノマーを含んでもよい。例えば、エチレン系POPは、ブテン、ヘキセン又はオクテンなどの直鎖アルファ-オレフィンと組み合わされたエチレンを含んでもよい。プロピレン系POPは、エチレン又はブテンと組み合わされたプロピレンを含んでもよい。POPは、典型的には0.886~0.912g/cm3の範囲の密度を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーは、エチレン系ポリオレフィンプラストマーであってもよい。ポリオレフィンプラストマーは、エチレンと、ブテン、ヘキセン又はオクテンのうちの1つ以上とのコポリマーであってもよい。好ましくは、ポリオレフィンプラストマーは、エチレンとオクテンとのコポリマーであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、第3の層は、約150℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、約135℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、約125℃以下、好ましくは約110℃以下、より好ましくは約100℃以下、更により好ましくは約90℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。ポリマー(ポリオレフィンプラストマーなど)が約85℃以下のヒートシール開始温度を有する場合、有利であり得る。
【0053】
いくつかの好ましい実施形態では、第3の層は、約110℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、第3の層は、例えば約50℃~約150℃、例えば約60℃~約125℃、好ましくは約70℃~約110℃、より好ましくは約75℃~約100℃、更により好ましくは約80℃~約90℃などの、約50℃~約170℃のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、約80℃~約110℃、好ましくは約80℃~約100℃のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を含む。ポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)が約85℃のヒートシール開始温度を有する場合、有利であり得る。
【0055】
第3の層は、約80℃~約100℃などの上述の範囲のいずれか内のヒートシール開始温度を有するポリオレフィンプラストマーを含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)は、190℃、2.16kgで測定した場合に0.5~3g/10分、好ましくは190℃、2.16kgで測定した場合に約1~2g/10分のメルトフローインデックスを有し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)は、約0.10~約0.25、好ましくは約0.15~約2、更により好ましくは約0.15の摩擦係数を有する。摩擦係数は、規格ASTM D1894によって測定することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を、例えば第3の層の少なくとも約60重量%の量、例えば第3の層の少なくとも約70重量%の量、例えば第3の層の少なくとも約80重量%の量、例えば第3の層の少なくとも約90重量%の量、例えば第3の層の少なくとも約99重量%の量などの、第3の層の少なくとも約50重量%の量で含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)からなってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を、例えば第3の層の約60重量%~約95重量%、例えば第3の層の約70重量%~約90重量%、例えば第3の層の約70重量%~約80重量%の量などの、第3の層の約50重量%~約99重量%の量で含む。好ましくは、第3の層は、第3の層の約60重量%~約80重量%の量のポリオレフィンプラストマーを含む。好ましくは、第3の層は、第3の層の約70重量%~約80重量%の量のポリオレフィンプラストマーを含む。
【0060】
いくつかの好ましい実施形態では、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくはポリオレフィンプラストマー)を、第3の層の約70重量%~約80重量%の量で含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、第3の層の約70重量%~約80重量%の量のポリオレフィンプラストマーを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約30重量%の量で含む。好ましくは、第3の層は、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約25重量%の量で含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約30重量%の量、好ましくは成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約25重量%の量のポリオレフィンプラストマーを含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約30重量%の量、好ましくは成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約15重量%~約25重量%の量のエチレンとオクテンとのコポリマーを含む。
【0062】
好ましくは、必要なヒートシール開始温度を有するポリマーは、第3の層の追加のポリマーと組み合わせることができる。追加のポリマーは、許容可能なシールが第3の層によって形成されることを可能にする任意の好適なポリマーであってもよい。リサイクル性についての目的のために、追加のポリマーがポリエチレンの一種であることが好ましい場合がある。ポリエチレンを含むことによりプロセスフローが容易になることも見出された。追加のポリマー(PEなど)は、好ましくは、190℃、2.16kgで測定した場合に、約1.5g/10分~約3g/10分のメルトフローインデックスを有し得る。好ましくは、ポリエチレンは、190℃、2.16kgで測定した場合に約2g/10分~約2.5g/10分、より好ましくは、190℃、2.16kgで測定した場合に約2.5g/10分のメルトフローインデックスを有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、追加のポリマーは、任意の好適な種類のポリエチレンであってもよい。いくつかの実施形態では、追加のポリマーは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、超低分子量ポリエチレン(ULMWPE)、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度架橋ポリエチレン(HDXLPE)、架橋ポリエチレン(PEX)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、塩素化ポリエチレン(CPE)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、追加のポリマーは、MDPE、LLDPE、LDPE、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、追加のポリマーはLDPEである、又は、追加のポリマーはLDPEを含む。好ましくは、追加のポリマーはLDPEである。
【0064】
したがって、いくつかの実施形態では、第3の層は、ポリオレフィンプラストマーを、任意選択的に低密度ポリエチレンと組み合わせて含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、ポリオレフィンプラストマーを、任意選択的に直鎖状低密度ポリエチレンと組み合わせて含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、追加のポリマー(LDPEなど)は、例えば、第3の層の約5重量%~約40重量%、例えば、第3の層の約10重量%~約30重量%などの、第3の層の約1重量%~約50重量%の量で存在する。追加のポリマー(LDPEなど)は、第3の層の約20重量%~約40重量%の量で存在することが好ましい場合がある。追加のポリマー(LDPEなど)は、第3の層の約20重量%~約30重量%の量で存在することが好ましい場合がある。好ましくは、第3の層は、第3の層の約20重量%~約30重量%の量のLDPEを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、第3の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の約1重量%~約15重量%の量のポリエチレン(LDPEなど)を含む。好ましくは、第3の層は、成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計の2.5重量%~10重量%、より好ましくは4重量%~10重量%の量のポリエチレン(LDPEなど)を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第3の層は、(a)第3の層の約60重量%~95重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)第3の層の約5重量%~約40重量%の量の低密度ポリエチレンとを含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、(a)第3の層の約70重量%~85重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)第3の層の約15重量%~約30重量%の量の低密度ポリエチレンとを含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、(a)第3の層の約70重量%~80重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)第3の層の約20重量%~約30重量%の量の低密度ポリエチレンとを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマー(好ましくは、エチレンとオクテンのコポリマーなどのポリオレフィンプラストマー)と追加のポリマー(好ましくはLDPE)との重量比は、約99:1~約50:50、好ましくは約90:10~約60:40、より好ましくは約80:20~約70:30である。
【0069】
いくつかの実施形態では、構成体は、例えば層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約10重量%~約50重量%の量などの、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約80重量%の量の第3の層を備える。いくつかの実施形態では、構成体は、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約65重量%の量、好ましくは成分(i)、成分(ii)及び成分(iii)の合計重量の約15重量%~約35重量%の量、より好ましくは約20重量%~約30重量%の量の第3の層を備える。
【0070】
上述のポリマーを含む第3の層を含むと、シール特性が改善され、フィルムによって形成された包装内からの内容物の漏出が低減されるフィルム構成体が提供され得ることが見出された。第3の層の量が少ない(例えば、20%未満)場合には、形成されるシールは、より多量の第3の層が備えられている場合ほど強くなり得ない。比較的低いヒートシール開始温度を有するポリマーを有する第3の「シール」層を設けることによって、本発明者らは、第1の層の特性及び第2の層の特性に悪影響を与えることなく、構成体を加熱することによって優れたシールが形成され得ることを見出した。したがって、シール範囲及びシール完全性を改善することができる。
【0071】
第3の層は、構成体に高いシール強度を提供することができる。シール強度は、約1N/15mmより大きく、好ましくは約5N/15mmより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、構成体のシール強度は、約1N/15mm~約40N/15mm、好ましくは約5N/15mm~約30N/15mm、好ましくは約5N/15mm~約20N/15mm、より好ましくは約10N/15mm~約15N/15mmであってもよい。いくつかの実施形態では、シール強度は、約10N/15mm~約14N/15mmであってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、第3の層は、添加剤又は助剤を更に含んでもよい。例えば、第3の層は、粘着防止剤又はスリップ剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第3の層は、粘着防止剤を更に含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、第3の層は、(a)第3の層の約70重量%~85重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)第3の層の約15重量%~約30重量%の量の低密度ポリエチレンと、(c)第3の層の約0重量%~5重量%の量の粘着防止剤とを含む。いくつかの実施形態では、第3の層は、(a)第3の層の約70重量%~80重量%の量のポリオレフィンプラストマーと、(b)第3の層の約15重量%~約25重量%の量の低密度ポリエチレンと、(c)第3の層の約1重量%~約3重量%の量の粘着防止剤とを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、第3の層は、添加剤又は助剤を更に含んでもよい。例えば、第3の層は、粘着防止剤又はスリップ剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第3の層は、粘着防止剤を更に含む。スリップ剤又は粘着防止剤は、当該技術分野で公知の任意の好適な添加剤であってもよい。例えば、PEフィルムの摩擦係数を維持するために、添加剤供給業者であるAmphacet製のSlipblockを第3の層に使用してもよい。
【0075】
第1の層、第2の層及び第3の層の配置
本明細書に記載するように、第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている。
図1は、多層フィルム構成体100の実施形態を示す。
図1に示すように、第1の層110は第2の層120と接触しており、次に第2の層120は第3の層130と接触している。いくつかの実施形態では、第2の層は、第1の層と第3の層との間に挟まれたコア層であるとみなしてもよい。
【0076】
図1に示すように、第3の層130は、第2の層120と接触している第1の表面131と、多層フィルム構成体の外面として機能することができる第2の表面132とを有する。第3の層は、好ましくは「シーラント」層と呼ぶことができ、この層はシールを形成し、フィルム構成体全体の材料の透過性を低減することができる。フィルム構成体が液体材料又は固体材料を収容するための包装として機能する場合、第3の層は、シール効果によって上記の材料の漏出を低減することができる。
【0077】
第1の層110はまた、第1の表面111及び第2の表面112を有してもよく、第2の表面112は、第2の層120と接触していてもよく、第1の表面111は、第2の層120(又は第3の層130)と接触していなくてもよい。
【0078】
多層構成体は、次の相対量で層を備えることができる。
(i)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約60重量%の量の第1の層;
(ii)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約30重量%~約90重量%の量の第2の層;並びに
(iii)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約65重量%の量の第3の層。
【0079】
多層構成体は、次の相対量で層を備えることができる。
(iv)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約20重量%の量の第1の層;
(v)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約60重量%~約80重量%の量の第2の層;並びに
(vi)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約15重量%~約35重量%の量の第3の層。
【0080】
いくつかの実施形態では、多層構成体は、次の相対量で層を備える。
(i)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約15重量%の量の第1の層;
(ii)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約65重量%~約75重量%の量の第2の層;並びに
(iii)層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量の第3の層。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の層と第2の層とは、例えば約1:15~約1:5、例えば約1:10~約1:5などの、約1:20~約1:2の重量比で存在する。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の層と第3の層とは、例えば約1:1.5~約1:7.5、例えば約1:2~約1:5などの、約1:1~約1:10の重量比で存在する。
【0083】
いくつかの実施形態では、第2の層と第3の層とは、例えば約1:1~約1:5、例えば約1:2~約1:4などの、約2:1~約1:10の重量比で存在する。
【0084】
いくつかの実施形態では、多層構成体は、約1μm~約100μmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、多層構成体は、約10μm~約90μmの厚さを有する。多層構成体の厚さは、構成体の使用目的に応じて変えてもよい。構成体が使い捨て(1回使用)包装(すなわち、1回分の製品を収容し、したがって1回だけ開封され、次いで1回使用した後に廃棄される包装)に使用される場合、構成体の厚さは、約15μm~約50μm、好ましくは約20μm~約40μmであってもよい。構成体が複数回使用包装(すなわち、複数回分の製品を収容し、したがって1回分が包装から取り出された後に何らかの方法で再シールされ得る包装)に使用される場合、構成体の厚さは、約20μm~約90μm、好ましくは約35μm~約80μmであってもよい。
【0085】
構成体中の第1の層と第2の層と第3の層との相対的な厚さは、例えば約1:5:1~約1:10:2などの、1:2:1~約1:20:2であってもよい。
【0086】
好ましくは、多層フィルム構成体は、次の相対量で層を備える。
(i)環状オレフィンコポリマーからなる第1の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約15重量%の量で存在する、第1の層;
(ii)LLDPE、MDPE、又はこれらの組み合わせを含む第2の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約65重量%~約75重量%の量で存在する、第2の層;並びに
(iii)第3の層であって、第3の層の重量に基づいて70~80重量%のポリオレフィンプラストマーと、第3の層の重量に基づいて20~30重量%のポリエチレン(好ましくはLDPE)とを含み、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量で存在する、第3の層。
【0087】
好ましくは、多層フィルム構成体は、次の相対量で層を備える。
(i)環状オレフィンコポリマーからなる第1の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約8重量%の量で存在する、第1の層;
(ii)LLDPE、MDPE、又はこれらの組み合わせを含む第2の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約67重量%~約70重量%の量で存在する、第2の層;並びに
(iii)第3の層であって、第3の層の重量に基づいて70~80重量%のポリオレフィンプラストマーと、第3の層の重量に基づいて20~30重量%のポリエチレン(好ましくはLDPE)とを含み、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約25重量%の量で存在する、第3の層。
【0088】
そのような多層フィルム構成体はまた、第1の層と接触している金属層と、任意選択的にOPPを含む印刷可能な外部層とを更に備えてもよい。
【0089】
更なる成分
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、上述の第1の層、第2の層及び第3の層からなる。
【0090】
あるいは、多層構成体は、追加の層及び/又は追加の構成要素を更に備えてもよい。いくつかの実施形態では、多層構成体は、金属層を更に備える。金属層は、好ましくは、第1の層が金属層と第2の層との間に配置されるように、第1の層に接触して備えられてもよい。この配置は
図2に示されており、多層構成体200の第1の層210は第1の表面211及び第2の表面212を有し、第1の表面211は金属層240と接触している。多層構成体200はまた、
図1に示すのと同じ構成で第2の層220及び第3の層230を備える。金属層を備える多層構成体は、本明細書では「金属化フィルム構成体」と呼ばれ得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、金属層は、許容可能なバリア特性を提供するために、当該技術分野で公知の任意の好適な金属から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、金属層はアルミニウムからなる、又は、金属層はアルミニウムを含む。好ましくは、金属層はアルミニウムからなる。
【0092】
フィルム構成体が金属化フィルム構成体であるような金属層を含むと、構成体のバリア特性を更に改善し得る。また、驚くべきことに、本発明者らは、第2の層と金属層との間に第1の層を備えさせることにより、金属層へのポリエチレンの接着性を高めることができることも見出した。金属化ポリエチレンフィルムは、以前はPE層と金属との間の接着特性が不良であったが、本発明では接着性が改善され、より均一な接着強度が可能になった。結合強度が均一であることは、フィルム構成体の摩擦係数を調整又は最適化すること、及び金属層の堆積量を最適化することを可能にし、したがってバリア特性を更に改善する。いくつかの実施形態では、金属化ポリエチレンフィルムは、上述の水蒸気透過度及び/又は酸素透過度を有し得る。WVTR及び/又はOTRについて上述した範囲の各々は、金属化ポリエチレンフィルムにも等しく適用される。例えば、金属化多層フィルム構成体は、好ましくは、1日当たり約3cc/m2以下のOTRを有する。例えば、金属化多層フィルム構成体は、好ましくは、1日当たり約0.1g/m2以下のWVTRを有し得る。OTRは、ASTM F1927を使用して23℃及び50%RHで、又はASTM D3985を使用して23℃及び0%RHで測定することができ、WVTRは、ASTM F1249を使用して38℃及び90%RHで測定することができる。
【0093】
構成体が金属層を備えるいくつかの実施形態では、第1の層と金属層との間の摩擦係数は、約0.01~約1、好ましくは約0.1~約0.5、より好ましくは約0.15~約0.4、更により好ましくは約0.2~約0.3である。第1の層と金属層との間の摩擦係数は、好ましくは約0.1~約0.25であってもよい。
【0094】
多層構成体は、印刷可能な外部層を更に備えてもよい。この印刷可能層は、画像又はテキストを自身の上に印刷されることができ、かつ多層フィルム構成体の使用者から視認される任意の好適な材料から作製される。例えば、構成体が包装での使用を意図される場合、印刷可能層は、使用者から視認され、包装内の内容物に関する情報を使用者に提供する、印刷可能層の上に印刷されたデザイン及び/又はテキストを含んでもよい。印刷可能な外部層は、上述の金属層ありで備えられても、なしで備えられてもよい。いくつかの実施形態では、多層構成体は、上述の金属層と印刷可能な外部層との両方を備える。そのような配置が
図2に示されており、印刷可能な外部層250は、金属層240に隣接するように配置されている。印刷可能な外部層は、印刷可能な外部層の上に印刷された任意のデザインを構成体の使用者が見ることができるように、他のいずれの層とも接触していない少なくとも1つの表面251を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、配向ポリプロピレン(oriented polypropylene、OPP)、配向ポリエチレン(oriented polyethylene、OPE)、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む。いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、配向ポリプロピレンを含む。いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、配向ポリエチレンを含む。OPP及び/又はOPEは、食品包装などのための印刷グレードを有する任意の市販グレードのOPP及び/又はOPEであり得る。好ましくは、ポリマーはOPPである。OPPが印刷可能な外部層として使用される場合、バリア特性は、他の印刷可能材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート、PET)と比較して改善され得ることが見出された。
【0096】
いくつかの実施形態では、構成体に備えられた印刷可能な外部層は、例えば約15μm~約45μmなどの、約15μm~約50μmの厚さを有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層はOPPを含み、約15μm~約50μm、好ましくは約30μmの厚さを有する。構成体が使い捨て包装に使用される場合、OPPを含む印刷可能な外部層の厚さは、約15μm~約40μm、好ましくは約20μm~約35μmであり得る。構成体が複数回使用包装に使用される場合、OPPを含む印刷可能な外部層の厚さは、約30μm~約50μmであり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、OPEを含み、約20μm~約45μm、好ましくは約25μmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、構成体は、使い捨て包装での使用を意図されてもよく、OPEを含む印刷可能な外部層の厚さは、約20μm~約40μm、好ましくは約20μm~約30μmであってもよい。いくつかの実施形態では、構成体は、複数回使用包装での使用を意図されてもよく、OPEを含む印刷可能な外部層の厚さは、約30μm~約50μmであってもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、印刷可能な外部層の厚さの、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計厚さに対する比が10:1~1:10の範囲内となるように構成体中に存在してもよい。好ましくは、印刷可能な外部層の厚さの、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計厚さに対する比は、例えば約1:1~約1:3、例えば約1:1~約1:2などの、約2:1~約1:5である。
【0100】
好適な印刷表面を提供することに加えて、印刷可能な外部層は、構成体の機械加工性を改善するように構成体の剛性を改善することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層(金属層を備える、又は備えない)を備えるフィルムは、上述の水蒸気透過度及び/又は酸素透過度を有し得る。WVTR及び/又はOTRについて上述した範囲の各々は、印刷可能な外部層を備えるフィルムにも等しく適用される。例えば、金属化多層フィルム構成体は、好ましくは、1日当たり約3cc/m2以下のOTRを有する。例えば、金属化多層フィルム構成体は、好ましくは、1日当たり約0.1g/m2以下のWVTRを有し得る。OTRは、ASTM F1927を使用して23℃及び50%RHで測定されてもよく、WVTRは、ASTM F1249を使用して38℃及び90%RHで測定されてもよい。
【0102】
金属層及び印刷可能な外部層の両方が存在する場合、金属層と印刷可能な外部層との間の摩擦係数は、約0.1~約0.5、好ましくは約0.2~約0.4であってもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
であって、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、第1の層、第2の層及び第3の層;
(iv)金属層;並びに
(v)印刷可能な外部層;
を備える。
【0104】
そのような実施形態では、金属層は、好ましくは、第1の層と印刷可能な外部層との間に配置されてもよい。
【0105】
構成体全体
本明細書に記載の多層フィルム構成体は、好ましくはキャストフィルムである。少なくとも第2の層にポリエチレンが含まれていることから、フィルム構成体は、キャストポリエチレンフィルム(cast polyethylene film、CPE)と称され得る。フィルム構成体が金属層を備える場合、フィルム構成体は、金属化キャストポリエチレンフィルム(metallised cast polyethylene film、MCPE)であってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、例えば1日当たり約3cc/m2以下などの、1日当たり約5cc/m2以下の酸素透過度(oxygen transmission rate、OTR)を有する。好ましくは、多層フィルム構成体は、1日当たり約3cc/m2以下のOTRを有する。酸素透過度が、例えば1日当たり約0.75cc/m2以下、例えば1日当たり約0.5cc/m2以下などの、1日当たり約1cc/m2以下である場合、特に好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.2cc/m2以下の酸素透過度(OTR)を有する。いくつかの好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.1cc/m2以下の酸素透過度(OTR)を有する。多層フィルム構成体は、例えば1日当たり約0.1~約3cc/m2などの、1日当たり約0.01~約5cc/m2の酸素透過度を有し得る。酸素透過度は、定常状態下で酸素ガスがフィルムを透過できる速度の尺度である。酸素透過度は、それぞれASTM D3985又はASTM F1927を使用して、23℃及び0%RH又は50%RHで測定することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.5g/m2以下の水蒸気透過度を有する。いくつかの好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.2g/m2以下の水蒸気透過度を有する。好ましくは、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。より好ましくは、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.05g/m2以下の水蒸気透過度を有する。多層フィルム構成体は、例えば1日当たり約0.001~約0.05g/m2、例えば1日当たり約0.01~約0.075g/m2などの、1日当たり約0.0001~約0.1g/m2の水蒸気透過度を有することができる。OTRと同様に、水蒸気透過度(water vapour transmission rate、WVTR)は、定常状態下で水蒸気がフィルムを透過できる速度の尺度である。WVTRは、38℃、90%RHでASTM F1249を使用して測定され得る。
【0108】
好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。
【0109】
酸素ガス及び水蒸気はいずれも、例えばコーヒー、茶、チョコレート、チーズ、肉、およびナッツなどの食品及び飲料製品の微生物安定性に影響することが知られているガスである。本発明者らは、構成体の第1の層のCOCと第2の層及び第3の層との組み合わせが、酸素及び水蒸気の両方に対して優れたバリア特性を有するフィルムを提供することを見出した。このことは、酸素ガス及び/又は水蒸気がフィルムを透過することができる速度が低いので、フィルムによって形成された包装内に貯蔵された材料の品質保持期間が改善され得ることを意味する。
【0110】
上述のように、構成体は、引っかかりなく構成体を手で直線的に引裂くことができる低い引裂強度を有し得ることも見出された。いくつかの実施形態では、多層構成体の引裂強度は、例えば約3N以下、好ましくは約2N以下などの、約4N以下であってもよい。
【0111】
構成体は、第3の層(又はシーラント層)の外面と加工機械との間に有利な摩擦係数を提供することも見出された。金属化されたPEフィルムは非常に高い摩擦を有し、したがって充填機の要件を満たさない場合があることが以前に見出されている。しかしながら、本発明は、これらの問題を軽減することが見出された。
【0112】
加えて、構成体は、良好なシール外観でパッケージの気密性を確保するために、確認されたシール完全性を有するより広いシール範囲を提供することが見出された。
【0113】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置され、
上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約3g/m2以下の酸素透過度を有する、及び/又は、上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約0.5g/m2以下の水蒸気透過度を有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置され、
上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約3g/m2以下の酸素透過度を有する、及び/又は、上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置され、
上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約0.5g/m2以下の酸素透過度を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
であって、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、第1の層、第2の層及び第3の層;
(iv)金属層;並びに
(v)好ましくは配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含む印刷可能な外部層;
を備え、
上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約3g/m2以下の酸素透過度を有する、及び/又は、上述の多層フィルム構成体は、1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。金属層は、好ましくは、第1の層と印刷可能な外部層との間に配置されてもよい。
【0117】
いくつかの好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーからなる第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約150℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
であって、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、第1の層、第2の層及び第3の層;
(iv)金属層;並びに
(v)好ましくは配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含む印刷可能な外部層;
を備える。
【0118】
いくつかの好ましい実施形態では、多層フィルム構成体は、
(i)環状オレフィンコポリマーからなる第1の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約15重量%の量で存在する、第1の層;
(ii)LLDPE、MDPE、又はこれらの組み合わせを含む第2の層であって、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約65重量%~約75重量%の量で存在する、第2の層;及び
(iii)第3の層であって、第3の層の重量に基づいて70~80重量%のポリオレフィンプラストマーと、第3の層の重量に基づいて20~30重量%のポリエチレン(好ましくはLDPE)とを含み、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量で存在する、第3の層;
であって、
第2の層は、第1の層と第3の層との間に配置されている、第1の層、第2の層及び第3の層;
(iv)金属層;並びに
(v)好ましくは配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含む印刷可能な外部層;
を備える。
【0119】
積層体
本明細書には、積層体であって、
(a)上述の金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層;
(b)金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層;並びに
(c)配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層;
を備える、積層体も記載される。
【0120】
第1のバリア層は、上述の特徴及び/又は特性のいずれかを有する金属化多層フィルム構成体であってもよい。したがって、第1のバリア層は、第1の層にCOCを含み、第2の層にPEを含み、第3の層にヒートシール開始温度が約170℃以下のポリマーを含む金属化キャストポリエチレンフィルム(MCPE)であってもよい。第1のバリア層は、シーラント層としても機能することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、積層体の約10体積%~約90体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、積層体の約15体積%~約70体積%の量で存在する。いくつかの好ましい実施形態では、第1のバリア層は、積層体の約20体積%~約60体積%、好ましくは積層体の約30体積%~約50体積%の量で存在する。本明細書で使用される場合、「体積%」は、積層体の単位面積当たりの体積百分率である。
【0122】
(例えば、包装がシングルサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、積層体の約15体積%~約40体積%、好ましくは積層体の約15体積%~約30体積%の量で存在する。(例えば、包装がマルチサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、積層体の約20体積%~約70体積%、好ましくは積層体の約25体積%~約50体積%の量で存在する。
【0123】
いくつかの実施形態では、第2のバリア層は、積層体の約1体積%~約40体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、第2のバリア層は、積層体の約5体積%~約30体積%、好ましくは積層体の約10体積%~約25体積%の量で存在する。(例えば、包装がシングルサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、第2のバリア層は、積層体の約10体積%~約40体積%、好ましくは積層体の約15体積%~約35体積%の量で存在する。(例えば、包装がマルチサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、第2のバリア層は、積層体の約1体積%~約30体積%、好ましくは積層体の約5体積%~約25体積%の量で存在する。
【0124】
多層フィルム構成体に関しては、積層体における印刷可能な外部層は、積層体から作製された包装に印刷基材を提供するために存在してもよい。印刷可能な外部層はまた、積層体の剛性及び機械加工性を改善し得る。印刷可能な外部層は、配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む。好ましくは、印刷可能な外部層はOPPを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、積層体の約1体積%~約80体積%の量で存在する。いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、積層体の約5体積%~約60体積%の量で存在する。いくつかの好ましい実施形態では、印刷可能な外部層は、積層体の約10体積%~約50体積%、好ましくは積層体の約15体積%~約30体積%の量で存在する。(例えば、包装がシングルサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、積層体の約5体積%~約80体積%、好ましくは積層体の約10体積%~約60体積%の量で存在する。(例えば、包装がマルチサーブ包装として使用され得る)いくつかの実施形態では、印刷可能な外部層は、積層体の約1体積%~約60体積%、好ましくは積層体の約5体積%~約40体積%、より好ましくは積層体の約10体積%~約30体積%の量で存在する。
【0126】
いくつかの実施形態では、積層体は、
(a)上述の金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層であって、積層体の約30体積%~約50体積%の量で存在する、第1のバリア層;
(b)金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層であって、積層体の約10体積%~約25体積%の量で存在する、第2のバリア層;並びに
(c)配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層であって、積層体の約15体積%~約30体積%の量で存在する、印刷可能な外部層;
を備える。
【0127】
積層体は、約40μm~約200μm、好ましくは約50μm~約150μm、より好ましくは約60μm~約100μmの総厚を有し得る。いくつかの好ましい実施形態では、積層体は、約50μm~約200μmの総厚を有する。
【0128】
第1のバリア材料の厚さは、約20μm~約80μm、好ましくは約20μm~約40μmであってもよい。第2のバリア材料の厚さは、約5μm~約25μm、好ましくは約15μm~約20μmであってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、第1のバリア層の厚さは約20μm~約80μmであり、第2のバリア層の厚さは約5μm~約20μmである。印刷可能な外部層の厚さは、約15μm~約45μm、好ましくは約15μm~約25μmであってもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、積層体は、
(a)約35μmの厚さを有する第1のバリア層;
(b)約16μm~約18μmの厚さを有する第2のバリア層;及び
(c)約18μm~約20μmの厚さを有する印刷可能な外部層;
を備える。
【0130】
図3に示すように、積層体300の第2のバリア層320は、好ましくは、第1のバリア層310がシーラント層として機能することができるように、第1のバリア層310と印刷可能な外部層330との間に配置される。
【0131】
積層体は、ポリエチレンを含む追加の層を任意選択的に備えてもよい。追加の層は、積層体のどこに配置されてもよいが、好ましくは、第2のバリア層と印刷可能な外部層との間に配置される。これは
図4に示されており、積層体400は、第2のバリア層420に隣接する第1のバリア層410を備え、第2のバリア層は、ポリエチレンを含む追加の層440に隣接し、追加の層は、印刷可能な外部層430に隣接している。
【0132】
追加の層が備えられている場合、ポリエチレンは、HDPE、MDPE、LLDPE、LDPE、及びこれらの組み合わせなどの任意の好適なエチレンであってもよい。ポリエチレンは、好ましくは押出ポリエチレンであってもよい。追加の層は、印刷可能な外部層を第2のバリア層に接着するタイ層として機能してもよく、また、レーザコーディングに利用可能な空間を増加させるための中間層としても機能してもよい。
【0133】
追加の層が備えられている場合、追加の層は、積層体の約1体積%~約30体積%、例えば積層体の約5体積%~約25体積%の量で存在してもよい。いくつかの好ましい実施形態では、追加の層は、積層体の約10体積%~約20体積%の量で備えられてもよい。
【0134】
ポリエチレンへの印刷可能な外部層の接着性を改善するために、印刷可能な外部層とポリエチレンを含む追加の層との間に追加のプライマーが含まれてもよい。プライマーは、希釈接着剤などの任意の市販のプライマーであってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、層間の接着性を改善するために、前述の層のいずれかの間に接着剤層が備えられてもよい。例えば、第1のバリア層と第2のバリア層との間に接着剤層が備えられてもよい。任意の好適な接着剤を使用することができる。例えば、接着剤は、無溶媒ポリウレタン又は溶媒系ポリウレタン、ポリエーテル系接着剤又はアクリル系接着剤であってもよい。
【0136】
インク材料を使用して積層体に印刷することができる。インクは、OPPフィルム又はOPEフィルム上に印刷するのに好適な多色インクであってもよい。好適なインクは、当業者には明らかであろう。インクは、積層体上に0g/m2~約4g/m2の量で適用されてもよい。
【0137】
積層体は、酸素及び水分に特に敏感な食品製品、例えば凍結乾燥コーヒー製品又は挽いたコーヒー豆を貯蔵する際に使用するのに好適な包装に超高バリア特性を提供するのに有用であり得る。積層体は、最長で18ヶ月の期間にわたって、好ましくは12~18ヶ月の期間にわたって、食品製品の水分活性(Aw)を0.01~0.5の範囲内に維持できることが見出された。例えば、積層包装内に貯蔵された食品製品(例えばコーヒー)の水分活性は、最長で18ヶ月の期間にわたって、例えば約0.25未満などの、約0.4未満であってもよく、好ましくは約0.1~約0.25の範囲内であってもよい。積層包装内に貯蔵された食品製品(例えばコーヒー)の水分活性は、最長で12ヶ月の期間にわたって、例えば約0.25未満などの、約0.4未満であってもよく、好ましくは約0.1~約0.25の範囲内であってもよい。
【0138】
特に、2つの高バリア金属化ポリオレフィンフィルムの組み合わせは、バリア特性を更に改善し得ることが見出された。積層体は、例えば1日当たり約0.2g/m2以下などの、1日当たり約0.5g/m2以下の水蒸気透過度(WVTR)を有してもよい。いくつかの好ましい実施形態では、積層体は、1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する。好ましくは、積層体は、1日当たり約0.05g/m2以下、より好ましくは1日当たり約0.02g/m2以下の水蒸気透過度を有する。より好ましくは、多層フィルム構成体は、1日当たり約0.01g/m2以下の水蒸気透過度を有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、積層体は、例えば1日当たり約0.2g/m2以下などの、1日当たり約0.5g/m2以下の酸素透過度(OTR)を有する。いくつかの好ましい実施形態では、積層体は、1日当たり約0.1g/m2以下の酸素透過度(OTR)を有する。いくつかの好ましい実施形態では、積層体構成体は、1日当たり約0.05g/m2以下の酸素透過度(OTR)を有する。
【0140】
また、積層体は、摩擦係数、ヒートシール特性、結合強度、剛性、及び夾雑物シール性などの優れた機械的特性も維持しながら、高いバリア特性を提供し得ることも見出された。
【0141】
プロセス
一態様では、上述の多層フィルム構成体を作製する方法であって、
(a)第1の層、第2の層及び第3の層を別個の容器内に用意する工程;
(b)別個の容器内の第1の層、第2の層及び第3の層のポリマーを溶融する工程;
(c)第1の層、第2の層及び第3の層を組み合わせて、多層フィルム構成体を形成する工程;
を含む、方法が提供される。
【0142】
第1の層、第2の層及び第3の層は、上述のように用意されてもよい。第1の層は、少なくとも環状オレフィンコポリマーを含み、第2の層は、少なくともポリエチレンを含み、第3の層は、少なくとも約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む。したがって、「第1の層、第2の層及び第3の層を別々の容器内に用意する」という表現は、第1の層、第2の層及び第3の層の各々を構成する材料又はポリマー樹脂が、それぞれ第1の容器、第2の容器及び第3の容器内に用意されることを意味すると解釈され得る。例えば、第1の容器には、少なくともCOC樹脂(すなわち、第1の層の成分)が用意され、第2の容器には、少なくともポリエチレンが、任意選択的に粘着防止剤と組み合わせて(すなわち、第2の層の成分)用意され、第3の容器には、少なくとも約170℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーが、任意選択的に追加のポリマー及び/又は粘着防止剤と組み合わせて(すなわち、第3の層の成分)用意される。
【0143】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、キャストポリエチレンフィルムである。そのような実施形態では、上述のプロセスに使用される装置は、キャスティングラインであってもよい。そのような実施形態では、3つの層(各々が少なくとも1つのポリマー樹脂を含む)は、共押出キャスティングラインなどのキャスティングラインの個々のホッパー内に用意されてもよい。3つの層の樹脂は、工程(b)において、それらの個々のホッパー内で、最適温度範囲で均等に溶融されてもよい。続いて、3つの層が均一な温度でスクリューによって個々のホッパーから押出ダイに押し込まれることで、3つの層が組み合わされてもよい。このようにして、3つの層を共押出してキャストポリエチレンフィルムにすることができる。
【0144】
第1の層、第2の層及び第3の層のポリマーは、上記工程(b)において、好ましくはキャスティングライン上の個々のホッパー内で、少なくとも約200℃、好ましくは少なくとも約230℃の温度で溶融されてもよい。溶融温度は、約200℃~約300℃であってもよい。円滑な運転を保証することができ、押出ダイからのフィルム破断の事象を低減することができる約230℃~約245℃の範囲内に溶融温度が設定された、共押出キャスティングラインでプロセスが実施されることが好ましい場合がある。230℃未満の温度が使用される場合、フィルムは、その長さに沿って裂け目又は孔が形成されやすい場合がある。
【0145】
プロセスが共押出キャスティングラインなどのキャスティングラインで実施される実施形態では、キャスティングライン速度は、材料の流れの適合性を改善することができるよう、機械能力の少なくとも80%であることが好ましい場合がある。好ましくは、キャスティングライン速度は少なくとも約100m/分であってもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、上述のプロセスの工程(c)の後に硬化される。したがって、いくつかの実施形態では、プロセスは、(a)第1の層、第2の層及び第3の層を別個の容器内に用意する工程;
(b)別個の容器内の第1の層、第2の層及び第3の層のポリマーを溶融する工程;
(c)第1の層、第2の層及び第3の層を組み合わせて、多層フィルム構成体を形成する工程;並びに
(d)多層フィルム構成体を硬化させる工程;
を含む。
【0147】
多層フィルム構成体は、その後の取り扱い又は加工の前に少なくとも約2日間硬化されてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、多層フィルム構成体は、続いて金属化されてもよい。例えば、フィルム構成体がキャストポリエチレンフィルムである場合、構成体を金属化させて、金属化キャストポリエチレンフィルム(MCPE)を用意することができる。金属化工程は、当業者に公知の真空蒸着機を使用して実施されてもよい。この工程で使用される金属(アルミニウムなど)を、最初に蒸発させてガスにし、次いでガス状金属を多層フィルム構成体の表面上に堆積させてもよい。得られた金属化フィルム構成体は、その後、能動的に又は受動的に冷却されてもよい。
【0149】
これ以降は、キャストポリエチレンフィルムが上述のように作製される、金属化多層フィルム構成体、好ましくは金属化キャストポリエチレンフィルムを作製するための好適な一方法の詳細な説明である。最初に、真空蒸着機のチャンバ内の空気を除去することで、チャンバを真空下とする。次いで、チャンバ内のアルミニウムワイヤを蒸発させてガスにする。多層フィルム構成体(好ましくはキャストポリエチレンフィルム)を機械に導入し、その表面上にガス状アルミニウムを堆積させる。次いで、製造された金属化フィルムを、冷却ローラを使用して冷却し、金属化フィルムを巻き取り機に巻き取る。チャンバ内の真空レベルは、約4×10-3mbar~約4×10-4mbarである。光学濃度設定は、約2.5~約2.8であってもよい。
【0150】
得られた金属化フィルムの光学濃度は、UV光を使用して約2.5~約2.8であってもよく、フィルムへの金属接着性は、少なくとも約500g/インチであってもよい。
【0151】
得られた金属化フィルム構成体は、その後の取り扱い又は加工の前に少なくとも約1日間硬化されてもよい。
【0152】
上述のように、多層構成体は、OPP又はOPEなどの印刷可能な外部層を更に備えてもよい。印刷可能な外部層が備えられている場合、そのような層は、積層工程によって適用されてもよい。例えば、溶媒系ラミネータ又は無溶媒ラミネータをここで使用することができる。多層フィルム構成体(好ましくはCPE、より好ましくはMCPE)は、まず接着剤でコーティングされ、次いでローラ上でOPP及び/又はOPEを積層されてもよい。OPP及び/又はOPEが上に積層された得られたフィルムは、硬化させるために少なくとも1日間放置されてもよい。積層工程に使用される接着剤は、無溶媒ポリウレタン又は溶媒系ポリウレタン、ポリエーテル系接着剤又はアクリル系接着剤であってもよい。積層に使用するライン速度は、約150~約250m/分であってもよい。
【0153】
溶媒系ラミネータが使用される場合、プロセスは、接着剤を添加した後、積層の前に乾燥する工程を更に含むことができる。乾燥工程は、約70~約90℃の温度で行われてもよい。ゾーン乾燥は、70~80℃の温度を用いてゾーン1で実施することができる。ゾーン2は80~90℃であり、ゾーン3は80~90℃である。
【0154】
このようにOPP及び/又はOPEで積層された金属化キャストポリエチレンフィルムの引裂強度は、約2N以下であり得る。第1の層と金属層との間の摩擦係数は、約0.1~約0.25であってもよく、金属層と印刷可能な外部層との間の摩擦係数は、約0.2~約0.4であってもよい。
【0155】
積層体を作製するプロセス
本明細書に記載の積層体は、多層フィルム構成体について上述したものと同様のプロセスを使用して作製することができる。好ましくは、金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層及び金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層は、別々の容器内に用意され、次いで組み合わされる。第1のバリア層と第2のバリア層とを組み合わせる工程は、上述のように押出成形によるものであってもよい。
【0156】
配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層は、次いで、このような印刷可能な外部層を多層フィルム構成体に適用する工程について上述したように適用されてもよい。
【0157】
使用
本明細書に記載の多層フィルム構成体は、食品製品又は飲料製品用の包装を作製する際の使用に好適であり得る。包装は、シングルサーブ包装又はマルチサーブ包装としての使用に好適であり得る。いくつかの実施形態では、包装は、コーヒー製品(例えば、乾燥コーヒー顆粒、挽いたコーヒー豆、フィルタコーヒー顆粒など)のためのシングルサーブ包装として使用するためのものであってもよい。そのようなシングルサーブ包装は、追加の機器(例えば、はさみ)を必要とせずに使用者が手で引裂くことができる小袋の形態であってもよい。
【0158】
本明細書に記載の積層体はまた、食品製品又は飲料製品用の包装を作製する際の使用に好適であり得る。包装は、シングルサーブ包装又はマルチサーブ包装としての使用に好適であり得る。いくつかの実施形態では、包装は、コーヒー製品(例えば、乾燥コーヒー顆粒、挽いたコーヒー豆、フィルタコーヒー顆粒など)のためのシングルサーブ包装として使用するためのものであってもよい。そのようなシングルサーブ包装は、追加の機器(例えば、はさみ)を必要とせずに使用者が手で引裂くことができる小袋の形態であってもよい。
【0159】
本明細書に記載するように、ポリエチレンを含む多層フィルム構成体における、金属層への該フィルム構成体の接着性を改善するための、環状オレフィンコポリマーの使用が提供される。上述のように、金属化フィルム構成体におけるポリエチレンと金属層との間の層にCOCを含むことにより、COCを含まない金属化ポリエチレンフィルムと比較して改善された接着性及び改善されたバリア特性が提供されることが見出された。
【0160】
本明細書に記載するように、1日当たり0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する金属化フィルム構成体であって、環状オレフィンコポリマーを含む金属化フィルム構成体を提供するための、環状オレフィンコポリマーの使用も提供される。
【0161】
加えて、1日当たり0.1g/m2以下の酸素透過度を有する金属化フィルム構成体であって、環状オレフィンコポリマーを含む金属化フィルム構成体を提供するための、環状オレフィンコポリマーの使用も提供される。
【実施例】
【0162】
実施例1
3つの金属化多層フィルム構成体、すなわち試料1-A、試料1-B及び試料1-Cを作製した。
【0163】
比較試料1-Dも作製した。
【0164】
試料1-A~試料1-Dは、共押出キャスティングラインによって作製した。第1の層のCOC及び任意選択的にLDPEを第1のホッパー内に用意した。第2の層のLLDPEを第2のホッパーに供給し、第3の層のPOP及びLDPEを第3のホッパー内に用意した。試料1-Dについては、第2のホッパー及び第3のホッパーのみを使用した。次いで、個々のホッパー内の樹脂の各々を230~245℃の温度で溶融し、次いでスクリューによって押出ダイに押し込んだ。キャスティングライン速度を100m/分超に設定し、3つの層を共押出してキャストポリエチレンフィルムを形成した。続いてフィルムを金属化してMCPEを用意した。キャストポリエチレンフィルムを、第1のチャンバが真空下(10-3~10-4mbar)にある真空金属化機に導入した。この第1のチャンバ内で、アルミニウムワイヤを蒸発させてガスにし、次いでこれをCPEの表面上に堆積させた。冷却ローラを用いてフィルムを冷却した。光学濃度の設定は2.5~2.8とした。次いで、作製したMCPEフィルムを24時間硬化させた。
【0165】
これらの試料の各々は、金属化キャストポリエチレンフィルム(MCPE)に対して接着させた配向ポリプロピレン(OPP)を含んでいた。OPP層の厚さは30μmであり、MCPEの総厚は35μm(すなわち、金属、第1の層、第2の層及び第3の層の総厚)であった。各MCPEフィルムは以下の構造を有していた。
【表1】
【0166】
試料1-A~試料1-Dは、以下のMCPE構成を有し、各成分の重量百分率は、第1の層、第2の層及び第3の層の合計重量に基づいて提供される。上述のように、これらのMCPEフィルムの各々は、OPP層の厚さが30ミクロン、MCPEフィルムの厚さが35ミクロンとなるように、アルミニウムを使用して金属化され、OPP層に接着された。
【0167】
【0168】
これらの試料の各々の以下の特性を測定し、結果を以下の表に示す。
【表3】
【0169】
第1の層にCOCを含む試料のバリア特性は、COCを含まない試料と比較して著しく改善されていることが分かった。本発明による試料では、引裂強度もより低いことが見出され、これにより、使用者は構成体を手でより容易に直線的に引裂くことができた。
【0170】
実施例2
試料2-1:以下の表に示す成分を有するこのキャスト金属化ポリマーフィルムを、実施例1の方法に従って作製した。
【0171】
比較試料2-2、比較試料2-3及び比較試料2-4は、市販のフィルムである。試料2-3は、例えば、PT IndopolyのSMMU MOPP18又はJindal MM483 MOPP16であってもよい。試料2-4は、例えば、Amcor MCPP25-40u又はDaibochi MCPP25-40uであってもよい。
【0172】
【0173】
試料の各々を物理的特性及び化学的特性について分析した。結果を次の表に示す。
【表5】
【0174】
本開示は、次の番号付けされた段落で開示される実施形態にも関する。
1.多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約150℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層が、第1の層と第3の層との間に配置されている、
多層フィルム構成体。
2.多層フィルム構成体であって、
(i)環状オレフィンコポリマーを含む第1の層;
(ii)ポリエチレンを含む第2の層;及び
(iii)約150℃以下のヒートシール開始温度を有するポリマーを含む第3の層;
を備え、
第2の層が、第1の層と第3の層との間に配置され、
多層フィルム構成体が、1日当たり約0.5g/m2以下の水蒸気透過度を有する、
多層フィルム構成体。
3.第1の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約5重量%~約15重量%の量で存在する、段落1又は2に記載の多層フィルム構成体。
4.第1の層の環状オレフィンコポリマーが、約50℃~約100℃のガラス転移温度を有する、段落1~3のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
5.第1の層が、第1の層の合計重量に基づいて約100重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含む、段落1~4のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
6.第2の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約65重量%~約75重量%の量で存在する、段落1~5のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
7.第2の層が、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたポリエチレンポリマーを含む、段落1~6のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
8.第2の層が、190℃/2.16kgで測定して約1.5g/10分~約2.5g/10分のメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、段落1~7のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
9.第3の層が、層(i)、層(ii)及び層(iii)の合計重量に基づいて約20重量%~約30重量%の量で存在する、段落1~8のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
10.第3の層が、ポリオレフィンプラストマーを、任意選択的に低密度ポリエチレンと組み合わせて含む、段落1~9のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
11.第3の層が、約80℃~約100℃のヒートシール開始温度を有するポリオレフィンプラストマーを含む、段落1~10のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
12.第3の層が、(a)第3の層の約70重量%~80重量%の量のポリオレフィンプラストマー、及び(b)第3の層の約20重量%~約30重量%の量の低密度ポリエチレンを含む、段落1~11のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
13.第1の層が第1の表面及び第2の表面を有し、第2の表面が第2の層と接触しており、第1の表面が第2の層と接触していない、段落1~12のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
14.第1の層の第1の表面と接触している金属層を更に備える、段落13に記載の多層フィルム構成体。
15.金属層がアルミニウムを含む、又は、金属層がアルミニウムからなる、段落14に記載の多層フィルム構成体。
16.フィルム構成体が、約0.1g/m2以下の酸素透過度を有する、及び/又は、フィルム構成体が、1日当たり約0.2~約0.3の第1の層と金属層との間の摩擦係数を有する、段落14又は15に記載の多層フィルム構成体。
17.1日当たり約0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する、段落1に記載の多層フィルム構成体。
18.印刷可能な外部層を更に備え、印刷可能な外部層が、配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む、段落1~17のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体。
19.段落1~18のいずれか1つに記載の多層フィルム構成体を作製する方法であって、
(a)第1の層、第2の層及び第3の層を別個の容器内に用意する工程;
(b)別個の容器内の第1の層、第2の層及び第3の層のポリマーを溶融する工程;並びに
(c)第1の層、第2の層及び第3の層を組み合わせて、多層フィルム構成体を形成する工程;
を含む、方法。
20.積層体であって、
(a)段落14~16のいずれか1つに記載の金属化多層フィルム構成体を含む第1のバリア層;
(b)金属化配向ポリプロピレンを含む第2のバリア層;並びに
(c)配向ポリプロピレン、配向ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択されたポリマーを含む印刷可能な外部層;
を備える、積層体。
21.印刷可能な外部層と第2のバリア層との間に中間層を更に備え、中間層がポリエチレンを含む、段落20に記載の積層体。
22.積層体の総厚が約50μm~約200μmである、段落20又は21に記載の積層体。
23.第1のバリア層の厚さが約20μm~約80μmである、及び/又は、第2のバリア層の厚さが約5μm~約20μmである、段落20~22のいずれか1つに記載の積層体。
24.ポリエチレンを含む多層フィルム構成体における、金属層への該フィルム構成体の接着性を改善するための、環状オレフィンコポリマーの使用。
25.1日当たり0.1g/m2以下の水蒸気透過度を有する金属化フィルム構成体であって、環状オレフィンコポリマーを含む金属化フィルム構成体を提供するための、環状オレフィンコポリマーの使用。
【0175】
本発明に記載する方法の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明白であろう。本発明について特に好ましい実施形態に関連して記載してきたが、特許請求する本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるものではないことを理解すべきである。事実、記載された本発明を実施するための様態の様々な修正は、化学、生物学、又は関連分野の当業者に明らかであり、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【国際調査報告】