(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240621BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240621BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240621BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576144
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 GB2022051552
(87)【国際公開番号】W WO2022263857
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】タバーン, シドニー
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン, ジョン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
(57)【要約】
不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品1は、少なくとも1つの流体透過性サセプタプラグ4と、包装体5によって境界付けられたエアロゾル生成材料3とを備える。いくつかの実施形態では、物品は、1つ以上の流体透過性サセプタプラグ(4a~c)によって分離された1つより多くのエアロゾル生成セクション(3a~e)を備える。プラグ(4’)は、流体が本体(15’)を通過することを可能にする複数のチャネル(16)が設けられたサセプタ材料で作製された本体(15’)を備えてもよく、またはプラグは多孔質であってもよい。いくつかの実施形態では、プラグ(4’’、4’’)は、第1の材料を通して分配されたサセプタ材料の1つ以上の個別部分(18、19)を有する第1の材料(15’’)から作製される。
【選択図】
図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品であって、少なくとも1つの流体透過性サセプタプラグを備える、物品。
【請求項2】
遠位端と、前記遠位端の反対側の吸い口端とを有するロッドの形態である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成セクションを備える、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記流体透過性サセプタプラグが前記エアロゾル生成材料に隣接する、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
2つ以上のエアロゾル生成セクションを備え、各セクションがエアロゾル生成材料を含む、請求項3または4に記載の物品。
【請求項6】
前記流体透過性サセプタプラグが、前記2つ以上のセクションのうちの少なくとも2つに隣接する、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
エアロゾル生成材料の前記セクションが、1つ以上のサセプタプラグによって分離されている、請求項5または6に記載の物品。
【請求項8】
前記エアロゾル生成セクションおよび前記多孔質プラグが包装体によって囲まれている、請求項3~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記サセプタプラグが、使用中に、前記物品の外部環境から、前記遠位端から前記吸い口端まで前記サセプタプラグを通る気体の通過を可能にするように配置される、請求項2~8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記サセプタプラグが、使用中に、空気が前記1つ以上のエアロゾル生成材料の少なくとも1つに接触する前に前記サセプタプラグを通って流れるように、前記ロッドの前記遠位端に配置される、請求項2~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記サセプタプラグが、使用中に、空気が前記サセプタプラグを通って流れる前にエアロゾル生成材料の前記セクションのうちの少なくとも1つを通って流れるように、前記エアロゾル生成セクションに配置される、請求項5~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
エアロゾル生成材料の第1のセクションおよびエアロゾル生成材料の第2のセクションを備え、前記サセプタプラグが、使用中に、エアロゾル生成材料の前記第1のセクションが加熱されるとエアロゾルを生成し、前記エアロゾルが、エアロゾル生成材料の前記第2のセクションを通って流れる前に前記サセプタプラグを通って流れるように、前記物品内に配置される、請求項5~9または11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記サセプタプラグが、前記1つ以上のエアロゾル生成セクションのうちの1つ以上の断面形状と実質的に同一の断面形状を有する、請求項5~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記サセプタプラグが多孔質である、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記サセプタプラグが、最大100重量%の量の、変動磁場による貫通によって加熱可能な材料を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
変動磁場による貫通によって加熱可能な前記材料が金属または非金属である、請求項14に記載の物品。
【請求項17】
変動磁場による貫通によって加熱可能な前記材料が、ビーズ、フレーク、粒子、断片、ロッド、チューブまたはループの形態である、請求項15または16に記載の物品。
【請求項18】
前記サセプタプラグが繊維材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記サセプタプラグが、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料を含む、請求項19に記載の物品。
【請求項20】
変動磁場による貫通によって加熱可能な前記材料が、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない前記材料に少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項15~18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
変動磁場による貫通によって加熱可能ではない前記材料が、セラミック、プラスチック、植物性材料、ガラスおよび鉱物からなる群から選択される、請求項19または20に記載の物品。
【請求項22】
前記エアロゾル生成材料が植物性材料を含む、請求項3~21のいずれか一項に記載の物品。
【請求項23】
前記エアロゾル生成材料が、再構成タバコおよび/または葉肉タバコを含む、請求項3~22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の物品に使用するための流体透過性サセプタプラグ。
【請求項25】
変動磁場を発生させるように構成された磁場発生器を備える、請求項1~23のいずれか一項に記載の物品と共に使用するための装置。
【請求項26】
請求項1~23のいずれか一項に記載の物品と、請求項25に記載の装置とを備えるシステム。
【請求項27】
エアロゾルを生成するための不燃性エアロゾル提供装置と、請求項1~23のいずれか一項に記載の物品との使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、不燃性エアロゾル提供装置で使用するための物品、ならびにそのような物品および装置を備える不燃性エアロゾル提供システムに関する。
【背景】
【0002】
エアロゾル生成システムは、使用中にエアロゾルを生成し、これはユーザによって吸入される。例えば、タバコ加熱装置は、タバコなどのエアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料を加熱するが燃やさないことによってエアロゾルを形成する。いくつかのエアロゾル生成システムは、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾルを形成するように構成されたサセプタを含む。
【概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品であって、少なくとも1つの流体透過性サセプタプラグを備える、物品が提供される。
【0004】
いくつかの実施形態では、物品は、遠位端と、遠位端の反対側の吸い口端とを有するロッドの形態である。
【0005】
いくつかの実施形態では、物品は、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成セクションを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、流体透過性サセプタプラグはエアロゾル生成材料に隣接している。
【0007】
いくつかの実施形態では、物品は2つ以上のエアロゾル生成セクションを備え、各セクションはエアロゾル生成材料を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、流体透過性サセプタプラグは、2つ以上のセクションのうちの少なくとも2つに隣接する。
【0009】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料のセクションは、1つ以上のサセプタプラグによって分離されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクションおよび多孔質プラグは、包装体によって囲まれている。
【0011】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、使用中に物品の外部環境から、遠位端から吸い口端まで、サセプタプラグを通って気体が通過することを可能にするように配置される。
【0012】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、使用中に、1つ以上のエアロゾル生成材料の少なくとも1つに接触する前に空気がサセプタプラグを通って流れるように、ロッドの遠位端に配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、使用中に、サセプタプラグを通って流れる前に空気がエアロゾル生成材料のセクションのうちの少なくとも1つを通って流れるように、エアロゾル生成セクション内に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、物品は、エアロゾル生成材料の第1のセクションおよびエアロゾル生成材料の第2のセクションを備え、サセプタプラグは、使用中に、エアロゾル生成材料の第1のセクションが加熱されるとエアロゾルを生成し、エアロゾルが、エアロゾル生成材料の第2のセクションを通って流れる前にサセプタプラグを通って流れるように、物品内に配置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、1つ以上のエアロゾル生成セクションのうちの1つ以上の断面形状と実質的に同一の断面形状を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは多孔質である。
【0017】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、最大100重量%の量の、変動磁場による貫通(penetration、ペネトレーション)によって加熱可能な材料を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、変動磁場による貫通によって加熱可能な材料は、金属または非金属である。
【0019】
いくつかの実施形態では、変動磁場による貫通によって加熱可能な材料は、ビーズ、フレーク、粒子、断片、ロッド、チューブまたはループの形態である。
【0020】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは繊維材料を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、変動磁場による貫通によって加熱可能な材料は、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0023】
いくつかの実施形態では、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料は、セラミック、プラスチック、植物性材料、ガラスおよび鉱物からなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は植物性材料を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、再構成タバコおよび/または葉肉(lamina)タバコを含む。
【0026】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様の物品に使用するための流体透過性サセプタプラグが提供される。
【0027】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様の物品と共に使用するための装置が提供される。
【0028】
本開示の第4の態様によれば、第1の態様の物品と第3の態様の装置とを備えるシステムが提供される。
【0029】
本開示の第5の態様によれば、エアロゾルを生成するための不燃性エアロゾル提供装置と第1の態様による物品との使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【
図1】
図1は、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品の斜視図である。
【
図4a】
図4aは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図4b】
図4bは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図4c】
図4cは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図5】
図5は、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図6】
図6は、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図6a】
図6aは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図6b】
図6bは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品用の構成要素の一部の側面断面図である。
【
図7】
図7は、不燃性エアロゾル提供装置の概略図である。
【
図8】
図8は、不燃性エアロゾル提供装置の概略図である。
【
図9】
図9は、不燃性エアロゾル提供装置の概略図である。
【
図10】
図10は、不燃性エアロゾル提供装置の概略図である。
【詳細な説明】
【0031】
本明細書で使用される場合、「送達システム」という用語は、少なくとも1つの物質をユーザに送達するシステムを包含することを意図しており、以下を含む:
・パイプ用、巻き取り式または手巻き式シガレット用のシガレット(cigarette)、シガリロ(cigarillo)、葉巻タバコ(cigar)、およびタバコ(タバコ、タバコ誘導体、拡張タバコ、再構成タバコ、タバコ代替物、または他の喫煙可能な材料に基づくかどうか)などの可燃性エアロゾル提供システム、
・電子タバコ、タバコ加熱製品、およびエアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなどの、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃性エアロゾル提供システム、ならびに
・少なくとも1つの物質を使用者に経口的に、経鼻的に、経皮的に、またはエアロゾルを形成することなく別の方法で送達するエアロゾルフリー送達システムであって、限定されないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、およびスヌース(snus)または湿式嗅ぎタバコ(moist snuff)を含む経口タバコなどの経口製品を含み、少なくとも1つの物質はニコチンを含んでも含まなくてもよい、送達システム。
【0032】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル提供システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするためにエアロゾル提供システムの構成エアロゾル生成材料(またはその構成要素)が燃焼されることがない、または燃やされることがないものである。
【0033】
いくつかの実施形態では、送達システムは、動力式の不燃性エアロゾル提供システムなどの不燃性エアロゾル提供システムである。
【0034】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル提供システムは、気化装置または電子ニコチン送達システム(END)としても公知の電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0035】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル提供システムは、非燃焼加熱システムとしても公知のエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0036】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル提供システムは、1つ以上が加熱され得るエアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル生成材料および固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料には、例えば、タバコまたは非タバコ製品が含まれる。
【0037】
典型的には、不燃性エアロゾル提供システムは、不燃性エアロゾル提供装置と、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための消耗品とを備えることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用されるように構成された物品に関する。これらの物品は、本開示を通して消耗品と呼ばれることがある。
【0039】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中の物品または装置を通って引き込まれる主流エアロゾルの方向に関して定義される相対的な用語である。
【0040】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル提供システム、例えばその不燃性エアロゾル提供装置は、動力源およびコントローラを備えることができる。動力源は、例えば、電源または発熱性動力源であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱性動力源は、発熱性動力源に近接するエアロゾル生成材料または熱伝達材料に熱の形態で力を分配するように付勢され得る炭素基材を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、不燃性エアロゾル提供システムは、不燃性エアロゾル提供システムで使用するための物品を受け入れるための領域、ハウジング、マウスピース、フィルタおよび/またはエアロゾル改質剤を備える。
【0042】
本明細書に記載の図では、同等の特徴、物品または構成要素を示すために同様の参照番号が使用されている。
【0043】
図1は、エアロゾル送達システムで使用するための物品1の斜視図である。
【0044】
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続されたエアロゾル生成セクション3とを備える。この例では、エアロゾル生成セクション3は、エアロゾル生成組成物の円筒形ロッドを備える。物品1は、下流端2bと、下流端2bから遠位の上流端2aとを備える。
【0045】
【0046】
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続されたエアロゾル生成セクション3とを備える。エアロゾル生成セクション3に隣接して、円筒形ロッドの形態の流体透過性サセプタプラグ4がある。この例では、エアロゾル生成セクション3は、エアロゾル生成材料の円筒形ロッドを備える。物品1は、上流端2aと、上流端2aから遠位の下流端2bとを備える。
【0047】
この例では、エアロゾル生成材料の円筒形ロッドは、エアロゾル生成材料の複数のストランドおよび/またはストリップを備え、包装体5によって囲まれている。この例では、包装体5は、水分非透過性包装体である。包装体5はまた、流体透過性サセプタプラグ4に外接する。
【0048】
エアロゾル生成材料の複数のストランドまたはストリップは、それらの長手方向寸法が物品1の長手方向軸線X-X’と平行に整列するように、エアロゾル生成セクション内で整列されてもよい。代替的に、ストランドまたはストリップは、一般に、整列されたそれらの長手方向寸法が物品の長手方向軸線を横行するように配置されてもよい。
【0049】
複数のストランドまたはストリップの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%は、それらの長手方向寸法が物品の長手方向軸線と平行に整列するように配置されてもよい。ストランドまたはストリップの大部分は、それらの長手方向寸法が物品の長手方向軸線と平行に整列するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のストランドまたはストリップの約95%~約100%は、それらの長手方向寸法が物品の長手方向軸線と平行に整列するように配置される。いくつかの実施形態では、実質的にすべてのストランドまたはストリップは、それらの長手方向寸法が物品のエアロゾル生成セクションの長手方向軸線と平行に整列するようにエアロゾル生成セクションに配置される。
【0050】
マウスピース2は、エアロゾル生成組成物3の供給源のすぐ下流で隣接して配置された、冷却要素とも呼ばれる冷却セクション6を含む。この例では、冷却セクション6は、エアロゾル生成材料の供給源と当接関係にある。マウスピース2はまた、この例では、物品1の吸い口端に、冷却セクション6の下流の材料本体7と、材料本体7の下流の中空管状要素8とを含む。
【0051】
冷却セクション6は、約1mm~約4mm、例えば約2mm~約4mmの内径を有する中空チャネルを備える。この例では、中空チャネルの内径は約3mmである。中空チャネルは、冷却セクション6の全長に沿って延在する。この例では、冷却セクション6は、単一の中空チャネルを備える。代替的な実施形態では、冷却セクションは、複数のチャネル、例えば2、3または4つのチャネルを備えてもよい。この例では、単一の中空チャネルは実質的に円筒形であるが、代替的な実施形態では、他のチャネル形状/断面が使用されてもよい。中空チャネルは、冷却セクション6に引き込まれたエアロゾルが膨張して冷えることができる空間を提供することができる。すべての実施形態において、冷却セクションは、使用中、中空チャネルの断面積を制限して、冷却セクションへのタバコの変位を制限するように構成される。
【0052】
冷却セクション6は、例えばキャリパーを使用して測定され得る径方向の壁厚を有することが好ましい。冷却セクション6の壁厚は、冷却セクションの所与の外径に対して、冷却セクション6の壁によって囲まれたキャビティの内径を画定する。冷却セクション6は、少なくとも約1.5mmかつ最大約2mmの壁厚を有することができる。この例では、冷却セクション6の肉厚は約2mmである。この範囲内の壁厚を有する冷却セクション6を設けることにより、使用中に、エアロゾル生成器が物品に挿入されたときにエアロゾル生成材料のストランドおよび/またはストリップの長手方向の変位を減少させることによって、エアロゾル生成部内のエアロゾル生成材料の供給源の保持が改善される。
【0053】
冷却セクション6は、フィラメント状トウから形成される。冷却セクション6を形成するために、他の構造、例えば、継ぎ目が突き合わされ、平行に巻かれた複数の紙層、または螺旋状に巻かれた紙層、厚紙チューブ、張り子(papier-mache)式プロセスを使用して形成されたチューブ、成形もしくは押出プラスチックチューブなどを使用することができる。冷却セクション6は、製造中および物品1の使用中に生じ得る軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0054】
冷却セクション6の壁材料は、エアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルの少なくとも90%が、冷却セクション6の壁材料を通るのではなく、1つ以上の中空チャネルを通って長手方向に通過するように、比較的非多孔質であってもよい。例えば、エアロゾル生成材料3によって生成されたエアロゾルの少なくとも92%または少なくとも95%が、1つ以上の中空チャネルを通って長手方向に通過することができる。
【0055】
冷却セクション6を形成するフィラメント状トウは、好ましくは45,000未満、より好ましくは42,000未満の総デニールを有する。この総デニールは、過度に高密度ではない冷却セクション6の形成を可能にすることが分かっている。好ましくは、総デニールは、少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施形態では、冷却セクション6を形成するフィラメント状トウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総デニールを有する。好ましくは、トウのフィラメントの断面形状は「Y」字型であるが、他の実施形態では「X」字型フィラメントなどの他の形状が使用されてもよい。
【0056】
冷却セクション6を形成するフィラメント状トウは、好ましくは、3より大きいフィラメント当たりのデニールを有する。このフィラメント当たりのデニールは、過度に高密度ではない管状要素6の形成を可能にすることが分かっている。好ましくは、フィラメント当たりのデニールは、少なくとも4、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施形態では、中空管状要素6を形成するフィラメント状トウは、4~10、より好ましくは4~9のフィラメント当たりのデニールを有する。一例では、冷却セクション6を形成するフィラメント状トウは、酢酸セルロースから形成され、18%の可塑剤、例えばトリアセチンを含むY40,000トウを有する。
【0057】
好ましくは、冷却セクション6を形成する材料の密度は、少なくとも約0.20グラム/立方センチメートル(g/cc)、より好ましくは少なくとも約0.25g/ccである。好ましくは、冷却セクション6を形成する材料の密度は、約0.80グラム/立方センチメートル(g/cc)未満、より好ましくは0.6g/cc未満である。いくつかの実施形態では、冷却セクション6を形成する材料の密度は、0.20~0.8g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/cc、または0.4g/cc~0.6g/ccまたは約0.5g/ccである。これらの密度は、より高密度の材料によってもたらされる硬度の改善と物品の全体的な重量の最小化との間の良好なバランスを提供することが分かっている。本発明の目的に関して、冷却セクション6を形成する材料の「密度」は、任意の可塑剤が組み込まれた要素を形成する任意のフィラメント状トウの密度を指す。密度は、冷却セクション6を形成する材料の総重量を、冷却セクション6を形成する材料の総容積で割ることによって決定することができ、総容積は、例えば、キャリパーを使用して行われた冷却セクション6を形成する材料の適切な測定値を使用して計算することができる。必要に応じて、顕微鏡を用いて適切な寸法を測定してもよい。
【0058】
好ましくは、冷却セクション6の長さは、約30mm未満である。より好ましくは、冷却セクション6の長さは、約25mm未満である。さらにより好ましくは、冷却セクション6の長さは、約20mm未満である。追加的に、または代替として、冷却セクション6の長さは、好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは、冷却セクション6の長さは、少なくとも約15mmである。いくつかの好ましい実施形態では、冷却セクション6の長さは、約15mm~約20mm、より好ましくは約16mm~約19mmである。この例では、冷却セクション6の長さは19mmである。
【0059】
冷却セクション6は、マウスピース2の周りに配置され、冷却セクションとして機能するマウスピース2内のエアギャップを画定する。エアギャップは、エアロゾル生成材料のロッド3によって生成された加熱された揮発成分が流れるチャンバを提供する。冷却セクション6は、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中および物品1の使用中に生じ得る軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。冷却セクション6は、エアロゾル生成材料3と材料本体7との間の物理的変位を提供する。冷却セクション6によって提供される物理的変位は、冷却セクション6の長さにわたって熱勾配を提供することができる。
【0060】
好ましくは、マウスピース2は、110mm3を超える内部容積を有するキャビティを含む。少なくともこの容積のキャビティを提供することにより、改善されたエアロゾルの形成が可能になることが分かっている。より好ましくは、マウスピース2は、例えば冷却セクション6内に形成され、110mm3より大きい、さらにより好ましくは130mm3より大きい内部容積を有するキャビティを備え、エアロゾルのさらなる改善を可能にする。いくつかの例では、内部キャビティは、約130mm3~約230mm3、例えば約134mm3または227mm3の容積を含む。
【0061】
冷却セクション6は、冷却セクション6の第1の上流端に入る加熱された揮発成分と、冷却セクション6の第2の下流端から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも40℃の温度差を提供するように構成することができる。冷却セクション6は、好ましくは、冷却セクション6の第1の上流端に入る加熱された揮発成分と、冷却セクション6の第2の下流端から出る加熱された揮発成分との間に、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃、より好ましくは少なくとも100℃の温度差を提供するように構成される。冷却セクション6の長さのこの温度差7は、材料7の感温体が加熱されたときに、エアロゾル生成材料3の高温から材料7の感温体を保護する。
【0062】
使用中、エアロゾル生成セクションは、約15~約40mmH2Oの圧力降下を示し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクションは、エアロゾル生成セクション全体で約15~約30mmH2Oの圧力降下を示す。
【0063】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成セクション内で約400mg/cm3~約900mg/cm3の充填密度を有してもよい。これより高い充填密度は、圧力降下を増加させる可能性がある。
【0064】
エアロゾル生成セクションの容積の少なくとも約70%がエアロゾル生成材料で充填される。いくつかの実施形態では、キャビティの容積の約75%~約85%がエアロゾル生成材料で充填される。
【0065】
チップペーパー11は、マウスピース2の全長にわたってエアロゾル生成材料のロッド3の一部にわたって巻き付けられ、マウスピース2とロッド3とを接続するためにその内面に接着剤を有する。この例では、エアロゾル生成材料のロッド3は、第1の包装材料を形成する包装体5に包まれ、チップペーパー11は、マウスピース2とロッド3とを接続するためにエアロゾル生成材料のロッド3上に少なくとも部分的に延在する外側包装材料を形成する。いくつかの例では、チップペーパーは、エアロゾル生成材料のロッド上に部分的にのみ延在することができる。
【0066】
この例では、チップペーパー11は、エアロゾル生成材料のロッド3上に5mm延在するが、代替的に、マウスピース2とロッド3との間に確実な取付けを提供するために、ロッド3上に3mm~10mm、またはより好ましくは4mm~6mm延在してもよい。チップペーパーは、20gsmを超える、例えば25gsmを超える、または好ましくは30gsmを超える、例えば37gsmの坪量を有することができる。坪量のこれらの範囲は、物品1を包み、紙の長手方向の重ね継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するのに十分な可撓性を有しながら、許容可能な引張強度を有するチップペーパーをもたらすことが分かっている。マウスピース2に巻かれると、チップペーパー11の外周は約23mmになる。
【0067】
この実施形態では、エアロゾル生成材料のロッドを囲む水分非透過性包装体5は、包装紙を備える。他の実施形態では、包装体5は、包装体の材料を実質的に水分非透過性にするためのバリアコーティングを任意選択的に含むアルミニウム箔を備える。アルミニウム箔は、エアロゾル生成材料3内のエアロゾルの形成を促進するのに特に効果的であることが分かっている。この例では、アルミニウム箔は、厚さ約6μmの金属層を有する。この例では、アルミニウム箔は紙裏打ち材を有する。しかしながら、代替的な構成では、アルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。アルミニウム箔はまた、紙裏打ち材を有する必要はないが、例えば箔に適切な引張強度を提供するのを助けるために、他の材料から形成された裏打ち材を有してもよく、または有さなくてもよい。アルミニウム以外の金属層または箔も使用することができる。包装体の総厚は、好ましくは20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmであり、これにより、適切な構造的完全性および熱伝達特性を有する包装体を提供することができる。包装体が破損する前に包装体に加えることができる張力は、3,000グラムを超える力、例えば3,000~10,000グラムの力、または3,000~4,500グラムの力であり得る。包装体が紙または紙裏打ち材、すなわちセルロース系材料を含む場合、包装体は、約30gsmを超える坪量を有することができる。例えば、包装体は、約40gsm~約70gsmの範囲の坪量を有することができる。そのような坪量は、エアロゾル生成材料のロッドに改善された剛性を提供する。この範囲の坪量を有する包装体によって提供される剛性の向上により、エアロゾル生成材料のロッド3は、使用中に物品が受ける力の下での皴の発生または他の変形に対してより耐性を有することができる。剛性が増加したエアロゾル生成材料のロッドを提供することは、エアロゾル生成材料の複数のストランドまたはストリップが、それらの長手方向寸法が長手方向軸線と平行に整列するようにエアロゾル生成セクション内で整列している場合に有益であり得るが、これは、エアロゾル生成材料の長手方向に整列したストランドまたはストリップが、整列していない場合よりもエアロゾル生成材料のロッドに提供する剛性が低くなる可能性があるからである。エアロゾル生成材料のロッドの改善された剛性は、使用中に物品が受ける力の増加に物品が耐えることを可能にする。
【0068】
この例では、水分非透過性包装体5はまた、実質的に空気不透過性である。代替的な実施形態では、包装体5は、好ましくは100未満のコレスタ単位、より好ましくは60未満のコレスタ単位の透過率を有する。例えば100未満のコレスタ単位、より好ましくは60未満のコレスタ単位の透過率を有する低透過率包装体は、エアロゾル生成材料3におけるエアロゾル形成の改善をもたらすことが分かっている。理論に束縛されることを望むものではないが、これは包装体5を通るエアロゾル化合物の損失の減少に起因すると仮定される。包装体5の透過性は、シガレット紙、フィルタプラグラップおよびフィルタ接合紙として使用される材料の空気透過性の決定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0069】
材料本体7および中空管状要素8はそれぞれ、実質的に円筒形の全体的な外形を画定し、共通の長手方向軸線を共有する。材料本体7は、第1のプラグラップ9に包まれている。好ましくは、第1のプラグラップ9は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。好ましくは、第1のプラグラップ9は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。好ましくは、第1のプラグラップ9は、例えば100未満のコレスタ単位、例えば50未満のコレスタ単位の透過率を有する非多孔質プラグラップである。しかしながら、他の実施形態では、第1のプラグラップ9は、例えば200コレスタ単位を超える透過性を有する多孔質プラグラップであってもよい。
【0070】
物品は、物品を通って引き込まれるエアロゾルの約10%の通気レベルを有する。代替的な実施形態では、物品は、物品を通して引き込まれるエアロゾルの1%~20%、例えば1%~12%の通気レベルを有してもよい。これらのレベルの通気は、エアロゾル冷却プロセスを支援しながら、吸い口端2bでユーザによって吸入されるエアロゾルの稠度を高めるのに役立つ。通気は、物品1のマウスピース2内に直接提供される。この例では、通気は冷却セクション6内に提供され、これはエアロゾル生成プロセスを支援するのに特に有益であることが分かっている。通気は、マウスピース2の下流の吸い口端2bから13mmに配置された、この場合は単一列のレーザ穿孔として形成された穿孔12を介して提供される。代替的な実施形態では、通気穿孔の2つ以上の列が設けられてもよい。これらの穿孔は、チップペーパー11、第2のプラグラップ10、および冷却セクション6を通過する。代替的な実施形態では、通気は、マウスピース内に他の位置で、例えば材料本体7または第1の管状要素8内に提供することができる。好ましくは、物品は、穿孔が物品1の上流端から約28mm以下、好ましくは物品1の上流端から20mm~28mmの間に設けられるように構成される。この例では、物品の上流端から約25mmに開口部が設けられている。
【0071】
物品1はサセプタプラグ4を備える。サセプタプラグは、変動磁場による貫通によって誘導加熱することができる材料であるサセプタ材料を含むか、またはそれからなる。
【0072】
誘導加熱は、電磁誘導によって導電性物体(サセプタなど)を加熱するプロセスである。磁場発生器は、誘導素子、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの変動電流を誘導素子に流すための装置とを備えることができる。誘導素子内の変動電流は、変動磁場を発生させる。変動磁場は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタを貫通し、サセプタの内部に渦電流を発生させる。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、サセプタをジュール加熱によって加熱させる。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変動磁場とのそれらの整列の結果としての磁性材料内の磁気双極子の変動配向によっても熱が発生し得る。誘導加熱では、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内部で熱が発生し、急速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒータとサセプタとの間にいかなる物理的接触も必要とせず、構築および適用の自由度を高めることができる。
【0073】
この例では、サセプタプラグ4は、物品1のエアロゾル生成セクション3に隣接して配置される。使用中、空気は、外部雰囲気から流体透過性サセプタプラグ4を通ってエアロゾル生成セクション3に通過することができる。サセプタプラグ4は、エアロゾル生成セクション3内のエアロゾル生成材料と直接接触している。使用中、熱は伝導によって容易に伝達することができるので、これはサセプタプラグ4からエアロゾル生成材料3への熱伝達速度を改善することができる。他の実施形態では、サセプタプラグ4はエアロゾル生成セクション3とは別個である。例えば、サセプタプラグ4は、これらの2つの構成要素の間にギャップまたは空隙が存在するように、エアロゾル生成セクションに対してオフセットされてもよい。これは、サセプタプラグ4からエアロゾル生成材料への対流による熱伝達を促進し、使用中のエアロゾル生成材料の燃焼を低減または排除することができる。代替的に、そのような実施形態では、空隙のギャップは、熱を伝導する材料で充填されてもよい。これにより、サセプタプラグによって生成された熱がエアロゾル生成セクション3内のエアロゾル生成材料に伝達することが容易になることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクションは、流体透過性サセプタプラグの断面形状と実質的に同じ断面形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、これは、エアロゾル生成材料に接触する前に、空気のすべてがサセプタプラグを通過し、したがって加熱されるので好適である。これは、エアロゾル生成速度、したがってユーザの感覚体験を改善することができる。
【0075】
多孔質サセプタプラグ4は、エアロゾル生成セクション3の直径と実質的に同じ直径を有してもよい。
【0076】
多孔質サセプタプラグは、約0.001mmWg/mm~約20mmWg/mmの圧力降下を有してもよい。
【0077】
図3aは、物品1のエアロゾル生成セクション3の一部を通る断面を示し、
図3bは、物品1の流体透過性サセプタプラグ4の一部を通る断面を示す。
【0078】
図3aを参照すると、エアロゾル生成セクション3は、内向き面13および外向き面14を有するエアロゾル生成材料3、包装体5を含む。
【0079】
包装体5の内向き面13の第1の部分と、エアロゾル生成セクション3を通る包装体5の内向き面13の第2の部分との間の、
図2に示す物品1の長手方向軸線X-X’に垂直な最長直線距離は、距離Aによって画定される。
【0080】
図3bを参照すると、流体透過性サセプタプラグ4は、内向き面13および外向き面14を有する包装体5を備える。
【0081】
包装体5の内向き面13の第3の部分と包装体5の内向き面13の第4の部分との間の、
図2に示す物品1の長手方向軸線X-X’に垂直な最長直線距離は、距離Bによって規定される。
【0082】
いくつかの実施形態では、距離AおよびBは実質的に同じである。いくつかの実施形態では、距離Aは距離Bよりも小さい。したがって、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクションは、多孔質プラグの断面積と実質的に同じまたはそれよりも小さい断面積を有する。
【0083】
物品が2つ以上のエアロゾル生成セクションを備える場合、エアロゾル生成セクションは異なるエアロゾル生成材料を含んでもよい。エアロゾル生成材料の任意の組み合わせを、第1および第2のエアロゾル生成セクションで使用することができる。
【0084】
サセプタプラグは、エアロゾル生成セクションのどこに配置されてもよい。
【0085】
図4a、
図4b、および
図4cは、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品の部分の側面断面図である。
【0086】
図4aを参照すると、物品1は、エアロゾル生成材料3と、包装体5によって境界付けられた流体透過性サセプタプラグ4とを備える。包装体は、エアロゾル生成材料に面する内向き面を有し、流体透過性サセプタプラグは、エアロゾル生成材料から外方に面する外向き面を有する。物品は、長手方向軸線X-X’を有する。
【0087】
図示の実施形態では、エアロゾル生成セクション3は、物品1の上流端2aに配置された単一のサセプタプラグ4を備える。使用中、サセプタプラグ4は、変動磁場によって誘導加熱される。エアロゾル生成材料は、サセプタプラグ4によって生成された熱によってエアロゾル生成セクション3内で加熱され、エアロゾルを生成する。ユーザは、物品1の吸い口端(図示せず)を吸い込み、これにより、空気が多孔質サセプタプラグ4を介して物品1内に入り、生成されたエアロゾルがユーザの口に伝達される。物品1の上流端2aにサセプタプラグ4を配置することにより、熱がエアロゾル生成セクション3の長さに沿って下流に伝導されるにつれて、エアロゾルの漸進的な生成が可能になる。
【0088】
いくつかの実施形態では、物品は、1つより多くのエアロゾル生成セクション(例えば、2つ以上のエアロゾル生成セクション)を備える。エアロゾル生成セクションは、1つ以上の流体透過性サセプタプラグによって分離されてもよい。
【0089】
図4bを参照すると、物品1aは、2つのエアロゾル生成セクション、すなわち流体透過性サセプタプラグ4aによって分離された第1のエアロゾル生成セクション3aおよび第2のエアロゾル生成セクション3bを備える。この配置は、
図3aに示す実施形態と比較して、サセプタプラグ4aの表面積のより大きな割合がエアロゾル生成材料と接触しているため、エアロゾルのより迅速な生成を可能にすることができる。
【0090】
図示の実施形態では、エアロゾル生成セクション3a、3bは異なるサイズであり、したがって異なる質量のエアロゾル生成材料を含む。第1のエアロゾル生成セクション3aは、第2のエアロゾル生成セクション3bよりも低い質量を有してもよい。この配置は、より質量の小さい第1のエアロゾル生成セクション3aが第2のセクション3bよりも迅速にエアロゾルを生成することができるため、セッションにわたって迅速なエアロゾル生成および持続的なエアロゾルの送達を可能にすることができる。第2のセクション3bは、第1のセクション3aよりもゆっくりと加熱されることができ、したがって、より長期間にわたって、第1のセクション3bからのエアロゾル生成が排出された後にエアロゾルを生成することができる。他の実施形態では、エアロゾル生成セクションは、同一の質量のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0091】
図4cを参照すると、物品1bは、3つのエアロゾル生成セクション、すなわち第1のエアロゾル生成セクション3c、第2のエアロゾル生成セクション3dおよび第3のエアロゾル生成セクション3eを備える。第1の流体透過性サセプタ4bは、第1および第2のエアロゾル生成セクション3c、3dを分離する。第2の流体透過性サセプタ4cは、第2および第3のエアロゾル生成セクション3d、3eを分離する。
【0092】
図5は、流体透過性サセプタプラグ4の斜視図である。サセプタプラグ4は、サセプタ材料から作製された本体15を備える。本体15は円筒形であり、金属または炭素などの、変動磁場によって加熱可能な任意の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、本体15は、ステンレス鋼または炭素繊維から作製される。図示の実施形態では、本体はアルミニウム製である。流体透過性サセプタプラグ4は、上流端2aおよび下流端2bを備える。他の実施形態では、本体15はディスク形状であってもよい。
【0093】
流体透過性サセプタプラグ4は、液体、気体、またはエアロゾルであり得る気体/液体混合物であり得る流体に対して透過性である。いくつかの実施形態では、流体は空気または空気とエアロゾルとの混合物であり、これはサセプタによって加熱されるときにエアロゾル生成材料によって生成され得る。流体は、上流端222aと下流端222bとの間で本体15を通って移動することができる。
【0094】
図6は、サセプタプラグ4’の斜視図であり、サセプタプラグ4’の上流端2aに開口端21aを有し、下流端2bに開口端を有し、本体15’の上流端2aと下流端2bとの間で延在する複数のチャネル16を備える。チャネル16は、空気および/またはエアロゾルなどの流体が、本体15’を通るチャネル16を介して上流端222cと下流端222dとの間を通過することを可能にする。任意の数のチャネル16を設けることができる。チャネルは、本体15’を穿孔することによって形成することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、サセプタプラグは多孔質である。例えば、サセプタプラグは、金属繊維のウェブなどの本質的に多孔質であるサセプタ材料から作製されてもよい(例えば、圧縮されたワイヤウールのプラグであり、ワイヤは金属である)。いくつかの実施形態では、サセプタプラグは、多孔質であり、非サセプタ材料から作製された第1の材料と、サセプタ材料である第2の非多孔質材料とを含む。
【0096】
図6aは、第1の材料および第2の材料から形成された本体15’’を備える流体透過性サセプタプラグ4’’の斜視図であり、サセプタ材料から作製され、本体15’’の第1の材料全体に分布する複数の個別部分18の形態を取っている。個別部分は、第1の材料に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。サセプタ材料は、例えば、ビーズ、フレーク、粒子、断片、ロッド、チューブまたはループの形態であってもよい。個別部分18は、本体15’’の材料全体にわたって均一に分布してもよい。
【0097】
第1の材料は、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない可能性がある材料である。この材料は、使用中に物品が受ける温度に耐え得る材料であってもよい。例えば、材料は、セラミック、ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂)であってもよい。サセプタ材料は、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料と密接に接触している。例えば、サセプタ材料は、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料に少なくとも部分的に埋め込むことができる。
【0098】
代替的な実施形態では、第2の材料は、サセプタ材料の単一部分(例えば、塊、ロッド、ループ、粒子、顆粒またはフィラメント)の形態であってもよい。例えば、第2の材料は、第1の材料に埋め込まれ、多孔質プラグの近位端と遠位端との間に少なくとも部分的に延在する単一の連続ロッドの形態であってもよい。
【0099】
図6bは、第1の材料から作製された本体4’’’と、第1の材料15’’’に埋め込まれた連続ループの形態の金属スレッドから作製された第2の材料19とを備えるサセプタプラグ4’’’の斜視図である。第1の材料は多孔質であり、流体が上流端2gから下流端2hまで通過することを可能にするように配置される。
【0100】
サセプタプラグは、任意の適切な手段によって製造することができる。
【0101】
サセプタプラグは、変動磁場による貫通によって加熱可能な材料を含む材料本体を、サセプタプラグの所望の寸法を有するように機械加工または他の方法で形成し、次いで流体が通過することができる通路を提供するために本体にチャネルを穿孔することによって作製することができる。
【0102】
サセプタプラグは、金属または非金属の材料本体から形成されてもよい。例えば、材料本体は、銅(銅合金を含む)、真鍮、アルミニウム、鉄、鋼(ステンレス鋼を含む)、タングステン、クロム、ニッケル(ニッケル合金を含む)、コバルト、炭素繊維、グラファイト、ケイ素、白金、銀もしくは金、またはこれらのいずれかの混合物から形成されてもよい。
【0103】
別の例では、サセプタプラグは、熱可塑性樹脂(例えばPEEK)などの材料を、その溶融状態でサセプタ材料と混合し、次いでサセプタプラグを所望の寸法の金型にセットして固体サセプタプラグを形成することによって作製されてもよい。次いで、流体透過性サセプタプラグを形成するための穿孔によって固体サセプタプラグ内にチャネルを形成することができる。
【0104】
別の例では、サセプタプラグは、サセプタ材料(例えば、金属粉末)をサセプタプラグの所望の形状に焼結することによって作製されてもよい。
【0105】
別の例では、サセプタプラグは、セラミック粉末などの非サセプタ材料とサセプタ材料とを含む混合物を焼結して、セラミックサセプタプラグを形成することによって作製されてもよい。セラミック粉末は、粉末が焼結される前に、サセプタプラグの最終的な形状にプレスまたは成形されてもよい。一例では、適切な量のサセプタ材料をセラミック粉末の一部に添加して混合することができる。次いで、混合物を形成し、焼結することができる。焼結プロセスは、サセプタプラグが多孔質で流体透過性であることを可能にする。
【0106】
再び
図2を参照すると、エアロゾル生成セクション3はエアロゾル生成材料を含む。
【0107】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射または通電されたときに、任意の他の方法でエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、固体、液体、またはゲルなどの半固体の形態であってもよく、活性物質および/または香味剤を含んでも含まなくてもよい。
【0108】
エアロゾル生成セクション3は、複数のエアロゾル生成材料を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、エアロゾル生成組成物は、第1のエアロゾル生成材料および第2のエアロゾル生成材料を含んでもよい。さらなる(例えば、第3、第4、第5またはそれ以上)エアロゾル生成材料もまた、組成物に含まれてもよい。
【0109】
エアロゾル生成材料の少なくとも1つは、結合剤(ゲル化剤であってもよい)およびエアロゾル形成剤を含んでもよい。場合により、活性物質および/または充填剤も存在してもよい。場合により、水などの溶媒も存在し、エアロゾル生成材料の1つ以上の他の成分は、溶媒に可溶性であってもよく、または可溶性でなくてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、結合剤はゲル化剤を含むか、またはゲル化剤である。結合剤は、アルギネート、ペクチン、デンプン(および誘導体)、セルロース(および誘導体)、ガム、シリカまたはシリコーン化合物、粘土、ポリビニルアルコールおよびそれらの組み合わせを含む群から選択される1つ以上の化合物を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、結合剤は、アルギネート、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリンおよびポリビニルアルコールのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は親水コロイドを含む。場合によっては、結合剤はアルギネートおよび/またはペクチンを含み、エアロゾル生成材料の形成中に固化剤(カルシウム源など)と組み合わせてもよい。場合によっては、エアロゾル生成材料は、カルシウム架橋アルギン酸塩および/またはカルシウム架橋ペクチンを含んでもよい。結合剤は、セルロース結合剤、非セルロース結合剤、グアーガム、アカシアガムおよびそれらの混合物から選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、セルロース系結合剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、結合剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、またはアカシアガムの1つ以上を含む(またはそれらである)。
【0113】
いくつかの実施形態では、結合剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギネート、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ以上の非セルロース系結合剤を含む(またはそれらである)。好ましい実施形態では、非セルロース系結合剤はアルギネートまたは寒天である。
【0114】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~40重量%、または15~40重量%の量の結合剤を含む。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約5~40重量%、または15~40重量%の量の結合剤を含む。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約20~40重量%、または約15重量%~35重量%の量の結合剤を含む。
【0115】
いくつかの例では、アルギネートは、エアロゾル生成材料の約5~40重量%、または15~40重量%の量で結合剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約5~40重量%、または15~40重量%の量のアルギネートを含む。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約20~40重量%、または15~35重量%の量のアルギネートを含む。
【0116】
いくつかの例では、ペクチンは、エアロゾル生成材料の約3~15重量%の量で結合剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~15重量%の量のペクチンを含む。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10重量%の量のペクチンを含む。
【0117】
いくつかの例では、グアーガムは、エアロゾル生成材料の約3~40重量%の量で結合剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~40重量%の量のグアーガムを含む。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10重量%の量のグアーガムを含む。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約15~40重量%、または約20~40重量%、または約15~35重量%の量のグアーガムを含む。
【0118】
例では、アルギネートは、結合剤の少なくとも約50重量%の量で存在する。例では、エアロゾル生成材料はアルギネートおよびペクチンを含み、アルギネートとペクチンとの比は1:1~10:1である。アルギネートとペクチンとの比は、典型的には>1:1であり、すなわち、アルギネートはペクチンの量より多い量で存在する。例において、アルギネートとペクチンの比は、約2:1~8:1、または約3:1~6:1、または約4:1である。
【0119】
エアロゾル生成材料は、スラリーを形成し、次いでスラリーを乾燥させて固体を形成することによって形成することができる。スラリーに結合剤を含めることにより、エアロゾル生成材料が乾燥ゲルから形成される。エアロゾル生成材料に結合剤を含めることによって、香味化合物、例えばメントールがゲルマトリックス内で安定化され、非ゲル組成物よりも高い香味剤充填が達成されることが可能になることが分かっている。香料(例えばメントール)は高濃度で安定化され、製品は良好な貯蔵寿命を有する。
【0120】
いくつかの実施形態では、結合剤はアルギネートを含み、結合剤は、スラリー/エアロゾル生成材料(乾燥重量に基づいて計算して)の10~30重量%、20~35重量%または25~30重量%の量でエアロゾル生成材料中に存在する。いくつかの実施形態では、アルギネートは、エアロゾル生成材料中に存在する唯一の結合剤である。他の実施形態では、結合剤は、アルギネートと、ペクチンなどの少なくとも1つのさらなる結合剤とを含む。
【0121】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル形成剤を含んでもよい。「エアロゾル形成剤」(本明細書ではエアロゾル形成剤材料とも呼ばれる)は、エアロゾルの生成を促進する薬剤である。エアロゾル形成剤は、吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの気体の初期気化および/または凝縮を促進することによってエアロゾルの生成を促進することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤は、エアロゾル生成材料からの香味の送達を改善することができる。一般に、本明細書に記載されるものを含む、任意の適切なエアロゾル形成剤または薬剤が本発明のエアロゾル生成材料に含まれてもよい。他の適切なエアロゾル形成剤としては、ソルビトールなどのポリオール、グリセロール、およびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどのグリコール;非ポリオール、例えば、一価アルコール、高沸点炭化水素、酸、例えば、乳酸、グリセロール誘導体、エステル、例えば、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチルシトレート、またはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸、ならびに脂肪族カルボン酸エステル、例えば、メチルステアレート、ジメチルドデカンジオエートおよびジメチルテトラデカンジオエートが含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
エアロゾル形成剤は、エアロゾル生成材料の最大約80重量%、例えば約0.1重量%、0.5重量%、1重量%、3重量%、5重量%、7重量%または10%から、約80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%または25重量%までの量でエアロゾル生成材料に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約40~80重量%、40~75重量%、50~70重量%、または55~65重量%の量のエアロゾル形成剤を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはグリセロールとプロピレングリコールとの混合物である。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば組成物の13~16重量%、または組成物の約14重量%もしくは15重量%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、存在する場合、組成物の0.1~0.3重量%の量で存在してもよい。
【0124】
エアロゾル形成剤材料は可塑剤として作用してもよい。場合によっては、エアロゾル形成剤材料は、エリスリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトールおよびキシリトールから選択される1つ以上の化合物を含む。場合によっては、エアロゾル形成剤材料は、グリセロールを含むか、本質的にグリセロールからなるか、またはグリセロールからなる。可塑剤の含有量が高すぎると、エアロゾル生成材料が水を吸収して、使用中に適切な消費体験をもたらさない材料をもたらし得ることが確立されている。可塑剤含有量が低すぎると、エアロゾル生成材料が脆くなり、容易に破壊され得ることが確立されている。本明細書で指定される可塑剤含有量は、シートをボビンに巻き付けることを可能にするエアロゾル生成材料の可撓性を提供し、これは消耗品の製造に有用であるか、またはシートを細断前に輸送することを可能にする。
【0125】
エアロゾル形成剤は、特にエアロゾル生成材料が比較的大量(例えば、>40重量%)のエアロゾル形成剤を含む場合、ユーザによって加熱され吸入されたときにエアロゾル生成材料によって生成されるエアロゾルの口当たり、および一般に感覚刺激特性を高めることができる。エアロゾル生成材料が大量のエアロゾル形成剤を保持する能力は、拡張植物性材料などのエアロゾル生成材料の他の成分を、大量のエアロゾル形成剤と共に充填する必要性を低減することができる。これにより、製造効率を向上させることができる。
【0126】
エアロゾル生成材料は、充填剤を含んでもよい。充填剤は、一般に、非タバコ成分、すなわち、タバコに由来する成分を含まない成分である。充填剤成分は、木材繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填剤成分は、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。充填剤成分はまた、非タバコキャスト材料または非タバコ流延材料であってもよい。充填剤成分は、タバコ材料の0~20重量%の量で、または組成物の1~10重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、充填剤成分は存在しない。
【0127】
場合によっては、エアロゾル生成材料は、5~50重量%、10~40重量%または15~30重量%の充填剤を含む。いくつかのこのような場合、エアロゾル生成材料は、少なくとも1重量%の充填剤、例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%の充填剤を含む。例示的な実施形態では、エアロゾル生成材料は、5~25重量%の繊維含有充填剤を含む。適切には、充填剤は繊維からなるか、または繊維の形態である。
【0128】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、60重量%未満、例えば1重量%~60重量%、または5重量%~50重量%、または5重量%~30重量%、または10重量%~20重量%の充填剤を含む。
【0129】
他の実施形態では、エアロゾル生成材料は、20重量%未満、適切には10重量%未満または5重量%未満の充填剤を含む。
【0130】
充填剤は、木材パルプ、セルロースおよびセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)など)などの1つ以上の有機充填剤材料を含んでもよい。炭酸カルシウムまたはチョークなどの無機充填剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、チョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
【0131】
好適には、充填剤は繊維状である。例えば、充填剤は、木材パルプ、麻繊維、セルロースまたはセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)など)などの繊維状有機充填剤材料であってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、エアロゾル生成材料中に繊維状充填剤を含めると、材料の引張強度を増加させることができると考えられる。さらに、繊維状充填剤を含むことは、製造中のエアロゾル生成材料の取り扱いを改善することが分かっている。特に、得られたエアロゾル生成材料は「粘着性」が低く、その結果、製造中に細断するのがより容易であることが分かっている。したがって、繊維状充填材を含むことにより、製造効率を高めることができ、細断中の機械停止の可能性を低減することができる。エアロゾル生成材料に繊維状充填剤を含めることはまた、エアロゾル生成材料が細断された後にひとまとまりになる(例えば凝集する)可能性が低いことを意味する。細断されたエアロゾル生成材料が消耗品に含まれる場合、凝集の減少は、消耗品中の細断されたエアロゾル生成材料の分布を最適化する。したがって、各消耗品は、同様の量の細断されたエアロゾル生成材料を含む可能性が高く、これは、消耗品のバッチ内および/または所与の消耗品内の香味剤充填の均一性を改善することができる。
【0132】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料またはその前駆体の成分を含むスラリーを形成し、スラリーの層を形成し、スラリーを固化させてゲルを形成し、乾燥させてエアロゾル生成材料を形成することによって調製することができる。場合により、ステップでスラリーを乾燥させることは、スラリーに乾燥剤を塗布することを含む。いくつかの実施形態では、スラリーの上面などのスラリーに固化剤が噴霧される。
【0133】
いくつかの実施形態では、固化剤は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、もしくはそれらの組み合わせを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、固化剤は、ギ酸カルシウムおよび/もしくは乳酸カルシウムを含むか、またはそれらからなる。特定の実施形態において、固化剤は、ギ酸カルシウムを含むか、またはギ酸カルシウムからなる。典型的には、ギ酸カルシウムを固化剤として使用すると、引張強度がより大きく、伸びに対する耐性がより大きいエアロゾル生成材料が得られることが確認されている。
【0134】
カルシウム源などの固化剤の総量は、0.5~5重量%(乾燥重量基準で計算)であってもよい。適切には、総量は、約1重量%、2.5重量%または4重量%から、約4.8重量%または4.5重量%までであってもよい。固化剤の添加量が少なすぎると、エアロゾル生成材料成分を安定化させず、これらの成分がエアロゾル生成材料から脱落するエアロゾル生成材料が生じる可能性があることが分かっている。固化剤の添加量が多すぎると、非常に粘着性が高く、その結果取り扱い性が悪いエアロゾル生成材料が生じることが分かっている。
【0135】
エアロゾル生成材料がタバコを含まない場合、より多量の固化剤を塗布する必要がある可能性がある。したがって、場合によっては、固化剤の総量は、乾燥重量基準で計算して、0.5~12重量%、例えば5~10重量%であってもよい。適切には、総量は、約5重量%、6重量%または7重量%から、約12重量%または10重量%までであってもよい。この場合、エアロゾル生成材料は一般にタバコを含まない。
【0136】
プロセスは、スラリーの層を形成することを含む。これは、典型的には、スラリーを噴霧、流延または押出することを含む。例では、スラリー層は、スラリーをエレクトロスプレーすることによって形成される。例では、スラリー層は、スラリーを流延することによって形成される。
【0137】
いくつかの例では、プロセスのステップのすべてが、少なくとも部分的に、同時に起こる(例えば、エレクトロスプレー中に)。いくつかの例では、プロセスのステップは順次行われる。
【0138】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は送達される物質を含む。送達される物質は、1つ以上の活性成分、1つ以上の香料、1つ以上のエアロゾル形成剤材料、および/または1つ以上の他の機能性材料を含み得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、送達される物質は活性物質を含む。
【0140】
本明細書で使用される活性物質は、生理学的応答を達成または増強することを意図した材料である生理学的活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品(nutraceutical)、栄養補給剤(nootropic)、精神賦活剤(psychoactive)から選択されてもよい。活性物質は、天然に存在していてもよく、または合成的に得られてもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン、例えばB6もしくはB12もしくはC、メラトニン、カンナビノイド、または構成成分、誘導体(適切な場合には、これらに限定されないが、これらの材料の対応する酸形態を含む)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻または別の植物の1つ以上の構成成分、誘導体または抽出物を含んでもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0142】
本明細書で述べるように、活性物質は、1つ以上の植物またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含んでもよく、またはそれらに由来してもよい。本明細書で使用される場合、「植物性」という用語は、これらに限定されないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、殻などを含む、植物に由来する任意の材料を含む。代替的に、材料は、合成的に得られた、植物に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、ダスト、破砕粒子、顆粒、ペレット、細片、ストリップ、シートなどの形態であってもよい。植物の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ジンジャー、イチョウ(ginkgo biloba)、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、カンゾウ(リコリス)、マッチャ、マテ、オレンジ果皮、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニスシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ネズ(juniper)、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ(beefsteak plant)、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、コリアンダー(cilantro)、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ(myrtle)、カシス、バレリアン、青トウガラシ(pimento)、メース、ダミエン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、ニラ(chive)、キャラウェイ(carvi)、ベルベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン(ginseng)、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、グアラナ、クロロフィル、バオバブまたはそれらの任意の組み合わせである。ミントは、以下のミント品種から選択することができる:Mentha Arventis、Mentha c.v.、Mentha niliaca、Mentha piperita、Mentha piperita citrata c.v.、Mentha piperita c.v、Mentha spicata crispa、Mentha cardifolia、Memtha longifolia、Mentha suaveolens variegata、Mentha pulegium、Mentha spicata c.v.およびMentha suaveolens。
【0143】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物またはその構成成分、誘導体または抽出物を含むかまたはそれらに由来し、植物はタバコ材料である。
【0144】
いくつかの実施形態では、植物性材料はタバコである。したがって、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はタバコを含む。
【0145】
本明細書で使用される場合、「タバコ材料」という用語は、Nicotiana種の植物に由来する材料を指す。Nicotiana種の植物の選択は限定されず、使用されるタバコの種類は変化し得る。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ誘導体、拡張タバコ、再構成タバコまたはタバコ代替物の1つ以上を含むことができる。タバコ材料は、粉砕タバコ、タバコ繊維、カットタバコ、押出タバコ、葉タバコ、タバコ茎、再構成タバコおよび/またはタバコ抽出物のうちの1つ以上を含むことができる。本明細書で使用される場合、「葉タバコ」は、カット葉肉タバコを意味する。
【0146】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、煙道乾燥またはバージニア、バーレー、太陽光乾燥、メリーランド、暗燃焼、暗空気乾燥、明空気乾燥、インド種空気乾燥、レッドロシアン(Red Russian)およびラスチカのタバコ、ならびにそれらの混合物、ならびに様々な他の稀少タバコまたは特殊タバコ、緑色タバコまたは乾燥物から選択される。発酵タバコまたは遺伝子改変または交配技術など、タバコの味を改変することができる任意の他の種類のタバコ処理によって製造されたタバコ材料も本開示の範囲内である。例えば、タバコ植物は、成分、特徴または属性の産生を増加または減少させるように遺伝子操作または交配され得ることが想定される。
【0147】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、イズミル(Izmir)、バスマ(Basma)、サムスン(Samsun)、カテリーニ(Katerini)、プレリプ(Prelip)、コモティニ(Komotini)、ザンティ(Xanthi)、ヤンボル(Yambol)タバコを含む、インディアンクルヌール(Indian Kurnool)およびオリエンタルタバコから選択される太陽光乾燥タバコである。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、パサンダ(Passanda)、キューバ種(Cubano)、ジャティン(Jatin)、およびベスキ(Besuki)タバコから選択される暗空気乾燥タバコである。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、ノースウィスコンシンおよびガルパオ(Galpao)タバコから選択される明空気乾燥タバコである。
【0148】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、マタフィナ(Mata Fina)およびバイーア(Bahia)タバコを含むブラジル種タバコから選択される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、クリオージョ(criollo)、ピロトクバノ(Piloto Cubano)、オロール(Olor)、グリーンリバー(Green River)、イサベラDAC(Isabela DAC)、ホワイトパタ(White Pata)、エルル(Eluru)、ジャティム(Jatim)、マデュラ(Madura)、カストリ(Kasturi)、コネチカットシード、ブロードリーフ、コネチカット、ペンシルバニア種、イタリア種乾燥空気乾燥、パラグアイ種乾燥空気乾燥、およびワンサッカータバコから選択される。
【0149】
喫煙/気化または無煙タバコ製品の調製のために、Nicotiana種の植物を乾燥プロセスに供することができる。特定のタイプのタバコは、火炎乾燥または太陽光乾燥などの代替タイプの乾燥プロセスに供することができる。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、乾燥された収穫済みタバコは熟成される。
【0150】
タバコは、例えば、植物が成熟レベルに達し、下部の葉が収穫の準備ができ、その一方で上部の葉がまだ成長中である場合に、異なる成長段階で収穫される場合がある。
【0151】
いくつかの実施形態では、Nicotiana属の種の植物の少なくとも一部(例えば、タバコ材料の少なくとも一部)は、未熟な形態で使用される。すなわち、いくつかの実施形態では、植物またはその植物の少なくとも一部は、通常完熟または成熟と見なされる段階に達する前に収穫される。
【0152】
いくつかの実施形態では、Nicotiana属の種の植物の少なくとも一部(例えば、タバコ材料の少なくとも一部)は、成熟形態で使用される。すなわち、いくつかの実施形態では、植物、またはその植物の少なくとも一部は、その植物(または植物部分)が、農業者によって従来使用されているタバコ収穫技術の使用によって達成することができる、完熟、過熟または成熟であると従来考えられている点に達したときに収穫される。オリエンタルタバコおよびバーレータバコ植物の両方を収穫することができる。また、バージニアタバコの葉は、その茎の位置に応じて収穫またはプライミングすることができる。
【0153】
Nicotiana種は、植物中に存在する様々な化合物の含有量について選択されてもよい。例えば、植物は、それらの植物が、単離されることが望まれる化合物(すなわち、目的の揮発性化合物)の1つ以上を比較的大量に産生することに基づいて選択され得る。特定の実施形態では、Nicotiana種の植物は、それらの豊富な葉表面化合物のために特別に栽培される。タバコ植物は、温室、育成室、または屋外の圃場で栽培されてもよく、または水耕栽培されてもよい。
【0154】
Nicotiana種の植物の様々な部位または部分を利用することができる。いくつかの実施形態では、植物全体または実質的に植物全体が収穫され、そのまま使用される。本明細書で使用される場合、「実質的に植物全体」という用語は、植物の少なくとも90%、例えば植物の少なくとも95%、例えば植物の少なくとも99%が収穫されることを意味する。代替的に、いくつかの実施形態では、植物の様々な部位または断片が収穫されるか、または収穫後にさらなる使用のために分離される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、植物の葉、幹、茎、およびこれらの部位の様々な組み合わせから選択される。したがって、本開示のタバコ材料は、Nicotiana種の植物全体または植物の任意の部分を含んでもよい。
【0155】
タバコ材料は、再構成タバコ、タバコ葉肉、紙再構成タバコ、押出タバコ、バンドキャスト再構成タバコ、または再構成タバコとタバコ葉肉もしくは顆粒などのタバコの別の形態との組み合わせを含むか、またはそれらからなり得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、植物性材料を実質的に含まない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は実質的にタバコを含まない。
【0157】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むかまたはそれらに由来し、植物はユーカリ、スターアニス、ココアおよび麻から選択される。
【0158】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1つ以上の植物またはその構成成分、誘導体もしくは抽出物を含むかまたはそれらに由来し、植物は、ルイボスおよびフェンネルから選択される。
【0159】
いくつかの実施形態では、送達される物質は香料を含む。
【0160】
本明細書で使用される場合、「香料」および「香味剤」という用語は、地域の規制が許可している場合、成人消費者向けの製品に所望の味、香りまたは他の体性感覚をもたらすために使用され得る材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物、植物の抽出物、合成的に得られた材料、またはそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、カンゾウ(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、モクセイ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、マッチャ、メントール、ミント、アニスシード(アニス)、シナモン、ウコン、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクラ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、熱帯果実、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート(khat)、ナスワール(naswar)、ベテル(betel)、シーシャ(shisha)、マツ、ハチミツエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、オレンジの花、サクラの花、桂皮(cassia)、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、青トウガラシ、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、ヘンプ、Mentha属の任意の種からのミントオイル、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジ果皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ネズ、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、コリアンダー、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミエン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、ニラ、キャラウェイ、ベルベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味増強剤、苦味受容部位遮断剤、感覚受容部位活性化剤または刺激剤、糖および/または糖置換剤(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトールまたはマンニトール)、ならびに木炭、クロロフィル、ミネラル、植物、または呼気清涼化剤などの他の添加剤を含んでもよい。それらは、模倣、合成もしくは天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、または気体であってもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、香料は、メントール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、最大約80重量%、70重量%、60重量%、55重量%、50重量%または45重量%の香味剤を含んでもよい。場合によっては、エアロゾル生成材料は、少なくとも約0.1重量%、1重量%、10重量%、20重量%、30重量%、35重量%または40重量%の香味剤(すべて乾燥重量基準で計算)を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~80重量%、10~80重量%、20~70重量%、30~60重量%、35~55重量%または30~45重量%の香味剤を含んでもよい。例示的な実施形態では、エアロゾル生成材料は、35~50重量%の香味剤を含む。場合によっては、香味剤は、メントールを含むか、メントールから本質的になるか、メントールからなる。
【0163】
いくつかの実施形態では、香料は、香りまたは味覚神経に加えて、またはその代わりに、通常化学的に誘導され、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体性感覚を達成することを意図した感覚惹起剤を含むことができ、これらは、加熱、冷却、刺痛、麻痺効果を提供する薬剤を含むことができる。適切な熱効果剤は、これに限定されないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、これらに限定されないが、ユーコリプトール、WS-3であってもよい。
【0164】
エアロゾル生成セクションは、「非晶質固体」の形態のエアロゾル生成材料を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、「モノリシック固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は乾燥ゲルであってもよい。
【0165】
エアロゾル生成セクションは、エアロゾル生成フィルムの形態のエアロゾル生成材料を含んでもよい。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤などの結合剤を水などの溶媒、エアロゾル形成剤、および活性物質などの1つ以上の他の成分と組み合わせてスラリーを形成し、次いでスラリーを加熱して溶媒の少なくとも一部を揮発させてエアロゾル生成フィルムを形成することによって形成することができる。スラリーを加熱して、少なくとも約60重量%、70重量%、80重量%、85重量%または90重量%の溶媒を除去することができる。エアロゾル生成フィルムは、支持体上のフィルムの個別部分の配置など、連続フィルムまたは不連続フィルムであってもよい。エアロゾル生成フィルムは、実質的にタバコを含まなくてもよい。
【0166】
エアロゾル生成材料は、任意選択的に細断されて細断シートを形成することができるシートを含むかまたはシートであってもよい。エアロゾル化可能な材料のシートは、切断幅に加えて、エアロゾル化可能な材料のストランドまたはストリップの切断長さを画定するために、例えばクロスカット型細断プロセスで長さ方向および/または幅方向に切断されてもよい。
【0167】
エアロゾル生成セクションは、上記のエアロゾル生成材料の任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成材料のブレンドを含んでもよく、その少なくとも1つは、結合剤およびエアロゾル形成剤を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクションは、結合剤およびエアロゾル形成剤を含む(例えば、第1の)エアロゾル生成材料と、(例えば、第2の)異なるエアロゾル生成材料とを含む。例えば、第2のエアロゾル生成材料は、タバコ葉肉などの植物性材料であってもよい。
【0168】
エアロゾル生成材料は、1~60重量%のゲル化剤、0.1~70重量%のエアロゾル形成剤材料、5~50%の繊維形態の充填剤、ならびに0.1~80重量%の香味剤および/または活性物質を含んでもよい。
【0169】
エアロゾル生成材料は、10~40重量%のゲル化剤、10~70重量%のエアロゾル形成剤材料、20~40重量%の充填剤、および任意選択的に10~50重量%の香味剤を含んでもよい。
【0170】
一実施形態では、エアロゾル生成材料は、32.8重量%の量のアルギネート、19.2重量%の量のグリセロールおよび48重量%の量のメントールを含む。
【0171】
一実施形態では、エアロゾル生成材料は、26.2重量%の量のアルギネート、15.4重量%の量のグリセロール、38.4重量%の量のメントールおよび20重量%の量の繊維(木材パルプ由来)を含む。
【0172】
一実施形態では、エアロゾル生成材料は、32重量%の量のアルギネート、8重量%の量のペクチンおよび60重量%の量のグリセロールを含む。
【0173】
一実施形態では、エアロゾル生成材料は、24重量%の量のアルギネート、6重量%の量のペクチン、10重量%の量のセルロース繊維および60重量%の量のグリセロールを含む。
【0174】
一実施形態では、エアロゾル生成材料は、約7重量%の量のカルボキシメチルセルロース(CMC)、約43重量%の量のセルロース繊維(木材パルプ由来)および約50重量%の量のグリセロールを含む。
【0175】
本明細書に開示される物品は、不燃性エアロゾル提供装置での使用に適している。
【0176】
図7は、近位端20aおよび遠位端20bを有する不燃性エアロゾル提供装置20の一例の概略図を示す。
【0177】
概略的には、装置20は、流体透過性サセプタプラグおよびエアロゾル生成材料を含む物品(図示せず)、例えば本明細書に記載される物品に、装置20のユーザによって吸入されるエアロゾルを生成させるために使用され得る。
装置20および物品は共にシステムを形成する。
【0178】
装置20は、変動磁場を発生させるように構成されたコイル21を備える磁場発生器を備える。変動磁場は、物品内のサセプタプラグに熱を発生させ、次いで、発生するエアロゾルを加熱してエアロゾルを形成する。
【0179】
装置20は、装置20の様々な構成要素を取り囲んで収容するハウジング22を備える。装置20は、物品1を挿入することができる開口部23を一端に有する。使用中、物品1は、加熱アセンブリに完全にまたは部分的に挿入されてもよい。
【0180】
装置20はまた、押されたときに装置20を操作する、ボタンまたはスイッチなどのユーザ操作可能な制御要素28を含むことができる。例えば、ユーザは、スイッチ28を操作することによって装置20をオンにすることができる。
【0181】
装置20はまた、装置20の動力源26を充電するためのケーブルを受け入れることができる、ソケット/ポート29などの電気部品を備えることができる。例えば、ソケット29は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0182】
使用中、ユーザは、物品1を開口部23に挿入し、ユーザ制御部28を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、装置内で生成されたエアロゾルを吸引する。これにより、エアロゾルは、装置20の近位端20aに向かう流路に沿って装置20を通って流れる。
【0183】
開口部23から最も遠い装置の他端は、使用中、ユーザの口から最も遠い端部であるため、装置20の遠位端20bとして知られてもよい。ユーザが装置内で生成されたエアロゾルを吸引すると、エアロゾルは装置20の遠位端から流出する。
【0184】
動力源26は、例えば、充電式電池または非充電式電池などの電池であってもよい。適切な電池の例には、例えば、リチウム電池(リチウムイオン電池など)、ニッケル電池(ニッケル-カドミウム電池など)、およびアルカリ電池が含まれる。電池は、必要に応じてコントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給してエアロゾル生成材料を加熱するために磁場発生器に電気的に結合される。
【0185】
装置は、少なくとも1つの電子機器モジュール27をさらに備える。電子機器モジュール27は、例えば、プリント回路基板(PCB)を備えることができる。PCB27は、プロセッサおよびメモリなどの少なくとも1つのコントローラをサポートすることができる。PCB27はまた、装置20の様々な電子部品を互いに電気的に接続するための1つ以上の電気トラックを備えてもよい。例えば、電池端子(図示せず)をPCB27に電気的に接続して、装置20全体に電力を分配することができる。ソケット29はまた、電気トラックを介して電池に電気的に結合されてもよい。
【0186】
装置20は、物品内の流体透過性サセプタプラグを誘導加熱するように構成されたコイル21を備える磁場発生器を含む。
【0187】
コイル17は、インダクタコイルである。インダクタコイルは、導電性材料から作製される。この例では、インダクタコイルは、螺旋状に巻回されて螺旋状インダクタコイルを提供するリッツ線/ケーブルから作製される。リッツ線は、個別に絶縁され、一緒にねじられて単一の線を形成する複数の個別の線を含む。リッツ線は、導体における表皮効果損失を低減するように設計されている。例示的な装置20では、インダクタコイルは銅製であり、リッツ線は矩形断面を有する。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有してもよい。
【0188】
インダクタコイル21は、物品のサセプタを加熱するための第1の変動磁場を発生させるように構成されている。インダクタコイル21は、PCB27に接続することができる。
【0189】
装置は、インダクタコイル支持管30を備える。コイル支持管30は、外面および内面によって画定される。コイル支持管の外面は、インダクタコイル21を支持する。内面は、物品1を挿入することができるキャビティを画定する。管30は、好ましくは、変動磁場による貫通によって加熱可能ではない材料から作製される。これは、使用中にインダクタが管を加熱するのを避け、また消費電力を低減するためである。
【0190】
図8は、第1のインダクタコイル21aおよび第2のインダクタコイル21bを備える2つの磁場発生器を備える装置20’の概略図を示す。第1のインダクタコイル21aは、第1の変動磁場を発生させて、不燃性エアロゾル提供装置と共に使用するための物品内の第1のサセプタプラグを加熱するように構成されており、第2のインダクタコイル21bは、第2の変動磁場を発生させて、物品内の第2のサセプタプラグを加熱するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル21aは、装置20’の長手方向軸線に沿った方向で第2のインダクタコイル21bに隣接している(すなわち、第1および第2のインダクタコイル21a、21bが重ならないようにする)。第1および第2のインダクタコイル21a、21bは、PCB27’に接続することができる。第1および第2のコイルは、コイル支持管30’に支持されている。
【0191】
第1および第2のインダクタコイル21a、21bは、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有してもよいことが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル21aは、第2のインダクタコイル21bと異なる少なくとも1つの特性を有してもよい。より具体的には、一例では、第1のインダクタコイル21aは、第2のインダクタコイル21bとは異なるインダクタンス値を有してもよい。第1および第2のインダクタコイル21a、21bは、異なる長さであってもよい。したがって、第1のインダクタコイル21aは、(個々のターン間の間隔が実質的に同じであると仮定して)第2のインダクタコイル21bとは異なるターン数を含んでもよい。さらに別の例では、第1のインダクタコイル21aは、第2のインダクタコイル21bとは異なる材料から作製されてもよい。いくつかの例では、第1および第2のインダクタコイル21a、21bは実質的に同一であってもよい。
【0192】
この例では、第1のインダクタコイル21aと第2のインダクタコイル21bとは逆向きに巻回されている。これは、インダクタコイルが異なる時間にアクティブである場合に有用であり得る。例えば、最初に、第1のインダクタコイル21aは、物品1の第1のセクション/部分を加熱するように動作してもよく、その後に、第2のインダクタコイル21bは、物品の第2のセクション/部分を加熱するように動作してもよい。コイルを反対方向に巻回することは、特定のタイプの制御回路と共に使用されるときに不活性コイルに誘導される電流を低減するのに役立つ。
図8では、第1のインダクタコイル21aは右巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル21bは左巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル21a、21bは同じ方向に巻回されてもよく、または第1のインダクタコイル21aは左巻き螺旋であってもよく、第2のインダクタコイル21bは右巻き螺旋であってもよい。
【0193】
使用中、本明細書に記載の物品は、
図9および
図10を参照して説明する装置20および20’などの不燃性エアロゾル提供装置に挿入することができる。物品1、1’のマウスピース2、2’の少なくとも一部は、不燃性エアロゾル提供装置20、20’から突出し、ユーザの口の中に配置することができる。
【0194】
図9を参照すると、磁場発生器は単一のコイル21を備える。磁場発生器は、流体透過性サセプタプラグ4を誘導加熱するように構成される。エアロゾルは、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成セクション3a、3bを多孔質プラグ4に誘導加熱することによって生成される。エアロゾル生成材料によって生成されたエアロゾルは、マウスピース2を通ってユーザの口に入る。
【0195】
物品1の外面は、物品1の外面がコイル支持管30の内面に当接するように寸法決めされてもよい。これにより、流体透過性サセプタプラグがコイル21により近いため、加熱が最も効率的であることが保証される。
【0196】
図10は、第1および第2の流体透過性サセプタプラグ4a、4bならびにエアロゾル生成セクション3c、3d、3eを備える物品1’’を示す。物品1’は、装置20’のコイル支持管30’内に受け入れられる。磁場発生器は、2つのコイル21a、21bを備える。流体透過性サセプタプラグは、物品1’がコイル支持管30’内に受け入れられたときにコイル21a、21bと実質的に整列するように配置される。これにより、流体透過性サセプタプラグをコイル21a、21bとは異なる時間および/または異なる温度に加熱することができる。
【0197】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を支援するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書に記載された利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲に対する均等物に対する制限と見なされるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、修正を行うことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組み合わせを適切に含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
【国際調査報告】