(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】鼻組織を操作するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576202
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022033070
(87)【国際公開番号】W WO2022261474
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523464082
【氏名又は名称】スピルエアー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, エリック
(72)【発明者】
【氏名】キンツィング, ジェイムズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】マカッチョン, ブランドン エー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB30
(57)【要約】
本明細書に説明されるものは、張力を種々の組織に印加するためのデバイスおよび方法である。本デバイスは、低侵襲性方式において送達され、鼻、耳、および喉内の組織を操作するために使用され得る。力が、本デバイスによって、ある期間にわたって維持されることで、組織の成形、圧縮、または接近を可能にし得る。本デバイスは、1つの方向において、挿入構成で組織の中にまたはそれを通して挿入され得、対向方向における力の印加に応じて、展開構成に旋回し、後方への組織を通した遠位アンカの通過を防止し得る、遠位アンカを有する、張力要素を含んでもよい。張力が、張力要素に印加され、意図される用途のために所望される量に調節され続け得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象内の組織を操作するためのデバイスであって、
張力要素であって、前記張力要素は、近位端および遠位端を有する伸長本体を備える、張力要素と、
張力要素遠位端における遠位アンカであって、前記遠位アンカは、アンカ本体および枢動点を備え、挿入構成および展開構成を有する、遠位アンカと
を備え、
前記遠位アンカは、前記伸長本体への力の印加に応じて、前記枢動点において、前記挿入構成から前記展開構成に旋回するように構成される、デバイス。
【請求項2】
前記張力要素は、約100MPa~約600MPaに及ぶ引張強度を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記張力要素は、生分解性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記生分解性材料は、生分解性ポリマーを含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記生分解性ポリマーは、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸))、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸))、PGA(ポリ(グリコリド))、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン))、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド))、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド))、ならびにそのコポリマーおよび混成物から成る群から選択される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記張力要素は、PDO(ポリ(ジオキサノン))を含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記張力要素は、約6ヶ月後、分解するように構成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記張力要素は、約10cm~約20cmに及ぶ長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記張力要素は、約15cmの長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記アンカは、その展開構成では、組織を通した後方への前記張力要素の遠位端の通過を防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記アンカ本体は、複数のアームを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数のアームは、前記伸長本体への力の印加に応じて、前記枢動点において旋回する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記アンカ本体は、長方形形状である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記アンカ本体は、ヒール・アンド・トウリテーナを備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記アンカ本体は、ドッグボーン形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
複数の近位アンカが、前記遠位アンカと前記張力要素の近位端との間に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記遠位アンカおよび前記複数の近位アンカは、同一タイプのアンカである、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記遠位アンカおよび前記複数の近位アンカは、異なるタイプのアンカである、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記張力要素の遠位端はさらに、拡大遠位先端を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記張力要素の伸長本体の近位端に除去可能に取り付けられる近位針をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記遠位アンカに結合されるアンカ送達要素をさらに備え、前記アンカ送達要素は、切断先端を備え、その挿入構成において、前記遠位アンカを前記組織を通して通過させるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記アンカ送達要素は、前記遠位アンカを前記アンカ送達要素に除去可能に結合するように成形される鍵穴を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記アンカ送達要素は、前記アンカを前記アンカ送達要素に除去可能に固着させるように構成される着座領域を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記着座領域は、前記遠位アンカが前記アンカ送達要素上に着座されると、前記遠位アンカの高さと同じ高さにある高さを有する、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記着座領域は、解放タブを備える、請求項23に記載のデバイス。
【請求項26】
前記張力要素によって前記組織に印加される力は、張力である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記組織は、鼻組織、喉組織、または耳組織である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記鼻組織は、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を備える、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
対象内の組織を操作するためのデバイスであって、
張力要素であって、前記張力要素は、近位端および遠位端を有する伸長本体を備える、張力要素と、
張力要素遠位端における遠位アンカであって、前記遠位アンカは、アンカ本体および枢動点を備え、挿入構成および展開構成を有する、遠位アンカと
を備え、
前記遠位アンカ本体は、複数のアームを備え、前記複数のアームは、前記伸長本体への力の印加に応じて、前記枢動点において、前記挿入構成から前記展開構成に旋回するように構成される、デバイス。
【請求項30】
対象内の組織を操作するための方法であって、
張力要素を前記組織に固着させることであって、前記張力要素は、
近位端および遠位端を有する伸長本体と、
張力要素遠位端における遠位アンカであって、前記遠位アンカは、アンカ本体および枢動点を備え、挿入構成および展開構成を有する、遠位アンカと
を備える、ことと、
力を前記伸長本体に印加し、前記枢動点において、前記遠位アンカを前記挿入構成から前記展開構成に旋回させることと、
前記力を調節し、前記組織を操作することと
を含む、方法。
【請求項31】
前記張力要素を固着させることは、前記伸長本体の近位端および遠位端を同一組織に固着させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記張力要素を固着させることは、前記伸長本体の近位端および遠位端を異なる組織に固着させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記組織は、鼻組織、喉組織、または耳組織である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記鼻組織は、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
組織を操作することは、鼻中隔湾曲症を治療するために使用される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
組織を操作することは、中鼻甲介を内方化させる、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
組織を操作することは、下鼻甲介を圧縮または外方化させる、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
組織を操作することは、外側鼻弁圧潰を治療する、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
組織を操作することは、鼻粘膜を再接近させる、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
組織を操作することは、鼻気道閉塞を治療する、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
組織を操作することは、鼻組織の形状を改変する、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
組織を操作することは、喉組織の形状を改変する、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
組織を操作することは、耳組織の形状を改変する、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記印加される力は、約4.0ニュートン~約70ニュートンに及ぶ、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記張力要素は、少なくとも約4ヶ月の期間にわたって生分解する、請求項30に記載の方法。
【請求項46】
前記張力要素は、少なくとも約6ヶ月の期間にわたって生分解する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記張力要素は、少なくとも約9ヶ月の期間にわたって生分解する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記アンカ本体は、複数のアームを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項49】
前記複数のアームは、前記伸長本体への力の印加に応じて、前記枢動点において旋回する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
アンカ送達要素を用いて、前記張力要素の遠位端を前記組織を通して指向することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項51】
送達デバイスであって、
カニューレであって、前記カニューレは、近位端、遠位端、および非外傷性先端を備え、前記カニューレは、前記近位端から前記非外傷性先端を通して延在する管腔をさらに備え、張力要素を格納するように構成される、カニューレと、
前記カニューレ近位端に結合されるハンドルと、
前記ハンドルを中心として同心状に配置されるアクチュエータと
を備え、
前記張力要素は、遠位アンカを備え、前記遠位アンカは、前記張力要素への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成される、デバイス。
【請求項52】
前記カニューレは、透明である、請求項51に記載の送達デバイス。
【請求項53】
前記カニューレの断面形状は、丸形または卵形である、請求項51に記載の送達デバイス。
【請求項54】
前記ハンドルは、複数の隆起を有するグリップを備える、請求項51に記載の送達デバイス。
【請求項55】
前記ハンドルは、指向性インジケータを備える、請求項51に記載の送達デバイス。
【請求項56】
対象内の組織を操作するためのデバイスであって、
張力要素であって、前記張力要素は、近位端および遠位端を有する伸長本体を備える、張力要素と、
張力要素遠位端における遠位アンカであって、前記遠位アンカは、ある表面積、挿入構成、および展開構成を有するアンカ本体を備える、遠位アンカと
を備え、
前記展開構成における前記遠位アンカは、前記挿入構成における前記遠位アンカより大きい対向組織のための表面積を有する、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年6月10日に出願された、米国仮出願第63/209,350号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、張力を種々の組織に印加するためのデバイスおよび方法に関する。本デバイスは、低侵襲性様式において送達され、鼻、耳、および喉内の組織を操作するために使用され得る。力が、ある期間にわたって維持されることで、組織の成形、圧縮、または接近を可能にし得る。
【背景技術】
【0003】
鼻中隔湾曲症は、患者の最大75%において生じ、症状が殆どない。症状を示すとき、湾曲された中隔は、鼻気道閉塞を引き起こし得、これは、患者が呼吸するための能力を損なわせる。症状が、十分に深刻であるとき、患者は、鼻中隔矯正術または鼻中隔外鼻形成術外科手術を要求し得る。約300,000~600,000人の患者が、米国では、毎年、本外科手術を要求する。多くのENT外科手術が、低侵襲性アプローチを伴う、オフィスベースの設定へと遷移されているが、中隔外科手術は、基本的には、後れを取っており、患者および医師は、低侵襲性アプローチを模索し続けている。
【0004】
中隔外科手術は、単純ではない。患者にとっては、これは、手術室への移動および全身麻酔を要求する。回復もまた、特に、鼻中隔外鼻形成術の場合、有意となり得る。外科医にとっては、手術室(OR)ベースの外科手術は、増加されたリスクおよびコストを呈する一方、また、処置の送達の際に非効率性を導入し得る。したがって、外科医および患者は両者とも、より低いリソース設定内で実施され得る、低侵襲性手技に関心があり得る。
【0005】
現在、今日の臨床実践における低侵襲性中隔矯正デバイスは、存在しない。したがって、鼻中隔軟骨を操作および再成形するための新しくかつ有用なデバイスおよび方法の必要性が存在する。他の鼻組織ならびに耳および喉の組織を操作および再成形するための新しいデバイスおよび方法もまた、有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に説明されるものは、張力を種々の組織に印加するためのデバイスおよび方法である。本デバイスは、低侵襲性方式において送達され、鼻、耳、および喉内の組織を操作するために使用され得る。力が、ある期間にわたって維持されることで、組織の成形、圧縮、または接近を可能にし得る。本デバイスは、1つの方向において、挿入構成で組織の中にまたはそれを通して挿入され得、対向方向における力の印加に応じて、展開構成に旋回し、後方への組織を通した遠位アンカの通過を防止し得る、遠位アンカを有する、張力要素を含んでもよい。張力が、張力要素に印加され、意図される用途のために所望される量に調節され続け得る。例えば、張力は、鼻組織の形状を改変する、量に調節されてもよい。本明細書で使用されるように、用語「張力要素」および「成形要素」は、同義的に使用される。
【0007】
対象内の組織を操作するためのデバイスは、張力要素を含んでもよく、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体を含む。挿入構成と、展開構成とを有する、遠位アンカが、張力要素遠位端に提供され、アンカ本体と、枢動点とを含んでもよい。伸長本体への力の印加に応じて、遠位アンカは、枢動点において旋回し、挿入構成から展開構成に転換するように構成されてもよい。本印加される力は、概して、挿入の方向と反対方向にある。いくつかの事例では、遠位アンカの縦軸は、その展開構成では、張力要素の縦軸に直交する。
【0008】
対象内の組織を操作するための他のデバイスは、張力要素を含んでもよく、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体と、張力要素遠位端における、遠位アンカとを含む。遠位アンカは、ある表面積と、挿入構成と、展開構成とを有するアンカ本体を含んでもよく、展開構成における遠位アンカは、挿入構成における遠位アンカより大きい対向組織のための表面積を有する。
【0009】
張力要素は、生分解性または非生分解性材料から作製されてもよい。張力要素が、生分解性であるとき、これは、生分解性ポリマーから作製されてもよい。例示的生分解性ポリマーは、限定ではないが、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸)、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン)、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド)、またはそのコポリマーもしくは混成物を含む。いくつかの変形例では、生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリ(オルトエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリホスファゼン、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、キトサン、シクロデキストリン、デキストラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ケラタン硫酸、またはそのコポリマーもしくは混成物を備える。1つの変形例では、張力要素または張力要素の一部は、PDO(ポリ(ジオキサノン)から作製されてもよい。別の変形例では、張力要素は、金属、例えば、マグネシウムまたはマグネシウム合金から作製されてもよい。他の金属もまた、使用されてもよい。
【0010】
張力要素が、生分解性材料から形成されるとき、これは、約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、または約12ヶ月の期間にわたって分解し得る。1つの変形例では、張力要素は、約4ヶ月~約9ヶ月に及ぶ期間にわたって分解し得る。別の変形例では、張力要素は、約6ヶ月の期間にわたって分解し得る。
【0011】
張力要素が、非生分解性であるとき、これは、非生分解性ポリマーまたは金属から作製されてもよい。例示的非生分解性ポリマーは、限定ではないが、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー、ポリウレタン、多糖類、例えば、セルロースポリマーおよびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびその誘導体、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(ブチレンテレフタレート)のコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、シルク、ナイロン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリブテステル、ならびにそのコポリマーおよび混成物を含む。例示的金属は、限定ではないが、銀、白金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、およびそれらの合金を含む。
【0012】
張力要素は、力を標的組織上で保持または維持するように構成されてもよい。力は、約4.0ニュートン~約70ニュートンに及ぶ張力であってもよく、これは、遠位アンカが標的組織に固定された後、張力要素の遊離近位端を引動することによって発生されてもよい。張力要素の引張強度は、約100MPa~約800MPaに及んでもよい。いくつかの事例では、引張強度は、少なくとも約150MPaであってもよい。他の事例では、引張強度は、少なくとも約300MPaであってもよい。
【0013】
張力要素の長さは、送達に先立って、展開の標的組織、実施されている手技のタイプ、および/または対象の生体構造に応じて、変動してもよい。張力要素長さは、送達に先立って、約10cm~約30cmに及んでもよい。1つの変形例では、張力要素は、送達に先立って、約15cmの長さを有してもよい。いったん標的組織に送達されると、張力要素は、適切な量の力、再成形等を標的組織に印加する、長さに裁断されてもよい。より長い長さは、標的組織が操作されている間、張力要素の取扱を促進することに役立ち得る。
【0014】
本明細書に説明されるデバイスは、遠位アンカを張力要素の遠位端に含んでもよい。遠位アンカは、挿入構成と、展開構成とを有してもよい。加えて、遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点とを含んでもよい。張力要素の伸長本体への力の印加に応じて、遠位アンカは、枢動点において旋回し、挿入構成から展開構成に転換するように構成されてもよい。本印加される力は、概して、挿入の方向と反対方向にある。いくつかの事例では、遠位アンカの縦軸は、その展開構成では、張力要素の縦軸に直交する。
【0015】
遠位アンカは、様々に定寸および成形されてもよい。一般に、遠位アンカは、その展開構成では、組織を通した後方への張力要素の遠位端の通過を防止する。アンカ本体は、複数のアームを含んでもよく、アームは、伸長本体への力の印加に応じて、枢動点において旋回するように構成されてもよい。複数のアームの各アームは、傾きが付けられ、またはベベル切断され、遠位アンカを枢動点において旋回させ、組織に対するその係合を促進することに役立つ、遠位端を含んでもよい。代替として、アンカ本体は、長方形、正方形、三角形、円形、または卵形形状であってもよい。アンカ本体はまた、菱形形状または矢印もしくはドッグボーンのような形状であってもよい。いくつかの変形例では、アンカ本体は、ヒール・アンド・トウリテーナを含む。他の変形例では、アンカ本体は、圧潰構成から拡張構成に拡張可能であってもよい。ここでは、圧潰構成は、第1の方向における組織を通した遠位アンカの挿入を可能にし得、拡張構成は、第2の方向、例えば、第1の方向と反対方向における後方への組織を通した遠位アンカの通過を防止する。拡張可能遠位アンカの非限定的実施例は、拡張可能ノットまたはモリーボルトタイプアンカを含む。モリーボルトタイプアンカに加え、遠位アンカは、複数の構成要素を含んでもよく、張力要素の遠位端における1つの構成要素は、組織を通した張力要素の挿入および通過後、相補的構成要素と相互係止するように構成されてもよい。相互係止構成要素の相補的構成要素または組み合わせられた構造は、後方への組織を通した張力要素の通過を防止し得る。
【0016】
複数の近位アンカ(遊走防止要素)がさらに、遠位アンカと張力要素の近位端との間に配置されてもよい。遠位アンカおよび複数の近位アンカは、同一タイプのアンカまたは異なるタイプのアンカであってもよい。拡大先端もまた、下記にさらに説明されるように、遠位アンカの遠位の張力要素の遠位端に提供され、組織への張力要素の係留および/またはアンカ送達要素への結合をさらに促進してもよい。遠位アンカおよび複数の近位アンカは、張力要素と同一材料または異なる材料から作製されてもよい。いくつかの変形例では、遠位アンカは、非生分解性材料から作製され、複数の近位アンカは、生分解性材料から作製されてもよい。
【0017】
本明細書に説明されるデバイスはさらに、張力要素の伸長本体の近位端に除去可能に取り付けられる、近位針を含んでもよい。近位針は、伸長本体の近位端を組織を通してまたはその周囲に設置または操作するために使用されてもよく、種々の方法において、張力要素に除去可能に取り付けられてもよい。例えば、近位針は、かしめまたは圧着によって、もしくは張力要素を近位針内の対応する構造を通して螺入することによって、張力要素に除去可能に取り付けられてもよい。
【0018】
張力要素の遠位端において、アンカ送達要素が、遠位アンカに結合されてもよい。アンカ送達要素は、その挿入構成において、遠位アンカを組織を通して通過させるように構成される、切断先端を含んでもよい。アンカ送達要素はまた、遠位アンカをアンカ送達要素に除去可能に結合するように成形される、鍵穴を含んでもよい。例えば、鍵穴は、組織挿入の間、遠位アンカをアンカ送達要素に結合されたまま保つが、後方への組織を通したアンカ送達要素の抜去の間、遠位アンカの係脱を可能にするように定寸されてもよい。アンカ送達要素のいくつかの変形例は、アンカをアンカ送達要素に除去可能に固着させるように構成される、着座領域を含む。着座領域は、遠位アンカの形状に対応するように成形されてもよい。さらに、着座領域は、概して、遠位アンカがアンカ送達要素上に着座されると、遠位アンカの高さと同じ高さにある、高さを有してもよい。着座領域および遠位アンカ高さの水平化は、挿入の間、アンカ送達要素が組織に引っ掛からないように防止し得る、同一平面表面を組織に提示し得る。いくつかの事例では、着座領域からの遠位アンカの係脱は、解放タブを使用して遂行されてもよい。
【0019】
本明細書に説明されるデバイスを用いて操作され得る、組織は、限定ではないが、鼻組織、喉組織、および耳組織を含む。鼻組織の非限定的実施例は、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を含む。例示的喉組織は、限定ではないが、口蓋垂、軟口蓋、喉頭軟骨、甲状腺軟骨、輪状軟骨、喉頭蓋、および扁桃腺を含む。耳組織の非限定的実施例は、耳輪の軟骨、対耳輪、耳珠、対珠、対輪上脚、三角窩、甲介、および耳垂の結合組織を含む。本デバイスはまた、整形外科用途において、軟骨、骨、または他の組織を操作または成形するために、または心血管用途において、血管、心臓、または他の組織を操作または成形するために使用されてもよい。本デバイスはさらに、審美的用途において、組織を再成形または支持するために使用されてもよい。本デバイスはまた、泌尿器科または婦人科用途において、組織を再成形または支持するために使用されてもよい。例えば、本デバイスは、陰茎湾曲症の形状を改変するために使用されてもよい。本デバイスはまた、骨盤底筋肉を支持するために使用されてもよい。いくつかの事例では、本明細書に説明されるデバイスは、組織を副木補助、保持、または支持するために使用されてもよい。
【0020】
1つの変形例では、対象内の組織を操作するためのデバイスは、張力要素を含み、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体と、張力要素遠位端における、遠位アンカとを備える。遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点と、挿入構成と、展開構成とを含んでもよい。遠位アンカ本体は、複数のアームを含むように構造化されてもよく、複数のアームは、伸長本体への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成されてもよい。
【0021】
対象内の組織を操作するための方法もまた、本明細書に説明される。本方法は、概して、張力要素を組織に固着させるステップを含んでもよく、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体と、張力要素遠位端における、遠位アンカとを備える。いくつかの変形例では、張力要素の遠位端は、アンカ送達要素を用いて、組織を通して指向されてもよい。遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点と、挿入構成と、展開構成とを含んでもよい。張力要素を組織に固着させた後、力が、伸長本体に印加され、枢動点において、遠位アンカを挿入構成から展開構成に旋回させてもよい。組織を操作するために適切な力が、次いで、張力要素の張力を調整することによって、調節されてもよい。
【0022】
張力要素の伸長本体の近位および遠位端は、同一組織に固着されてもよい。代替として、伸長本体の近位および遠位端は、異なる組織に固着されてもよい。組織は、鼻組織、喉組織、または耳組織であってもよい。例示的鼻組織は、限定ではないが、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を含む。例示的喉組織は、限定ではないが、口蓋垂、軟口蓋、喉頭軟骨、甲状腺軟骨、輪状軟骨、喉頭蓋、および扁桃腺を含む。耳組織の非限定的実施例は、耳輪の軟骨、対耳輪、耳珠、対珠、対輪上脚、三角窩、甲介、および耳垂の結合組織を含む。
【0023】
本明細書に説明される方法は、種々の病状を治療し、種々の組織を操作するために使用されてもよい。例えば、張力要素による組織の操作は、鼻中隔湾曲症、外側鼻弁圧潰、および鼻気道閉塞の他の原因を治療するために使用されてもよい。加えて、組織の操作は、中鼻甲介を内方化させる、下鼻甲介を圧縮または外方化させる、または鼻粘膜を再接近させるために使用されてもよい。さらに、張力要素による組織の操作は、種々の組織の形状を改変してもよい。例えば、鼻組織、喉組織、または耳組織の形状が、改変されてもよい。
【0024】
組織を操作または成形するために印加される力は、約4.0ニュートン~約70ニュートンに及んでもよい。印加される力は、張力要素が生分解するにつれて、経時的に減少してもよい。一般に、張力要素は、約3ヶ月~約12ヶ月の期間にわたって生分解する。例えば、張力要素は、少なくとも約4ヶ月の期間にわたって、少なくとも約6ヶ月の期間にわたって、または少なくとも約9ヶ月の期間にわたって生分解してもよい。
【0025】
本デバイスの送達もまた、本明細書に説明される。一般に、送達デバイスは、近位端と、遠位端と、非外傷性先端とを備える、カニューレを含んでもよい。カニューレはさらに、近位端から非外傷性先端を通して延在し、その中に張力要素が格納され得る、管腔を含んでもよい。張力要素は、張力要素への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成される、遠位アンカを含んでもよい。張力要素およびアンカ送達要素は、送達デバイス内に事前に装填される、または手技の直前に送達デバイスの中に装填されてもよい。ハンドルが、カニューレ近位端に結合され、アクチュエータが、ハンドルを中心として同心状に配置されてもよい。アクチュエータは、アンカ送達要素に結合され、アンカ送達要素およびそこに結合される張力要素をカニューレの管腔から前進させてもよい。
【0026】
いくつかの変形例では、送達デバイスのカニューレは、アクリル、ポリカーボネート、テレフタル酸ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレンから成る群から選択される、透明プラスチック等の透明材料から作製されてもよい。他の変形例では、カニューレは、ステンレス鋼または他の好適な金属から作製されてもよい。カニューレはまた、種々の断面形状を有してもよい。例えば、カニューレの断面形状は、円形、非円形、半円形、または卵形であってもよい。カニューレ断面が非円形である、いくつかの変形例では、形状は、カニューレの配向を促進し得る。管腔と流体連通する、1つまたはそれを上回るポートが、管腔から組織の中への張力要素の送達のために、カニューレ内に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るポートは、カニューレ上の任意の好適な場所、例えば、カニューレの遠位先端またはカニューレの遠位側壁に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るポートはまた、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、1つまたはそれを上回るポートは、円形、半円形、または卵形であってもよい。ポートが、カニューレの遠位先端に提供されるとき、ポートは、ある長さおよび深度を有してもよい。ポートの側面外形はまた、曲線部分と、平坦部分とを含んでもよい。
【0027】
送達デバイスはまた、グリップを備える、ハンドルを含んでもよい。グリップは、ユーザのハンドル保持を向上させるための複数の隆起を含んでもよい。ポートを標的組織内の係留の場所に対して配向するための指向性インジケータもまた、ハンドル上に提供されてもよい。
【0028】
いくつかの事例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端内のポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、第1の端部をポートから展開し、組織構造に隣接する組織に係合するための、管腔を通した導入のために定寸される、第1の端部と、第1の端部に対向する、第2の端部と、力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0029】
他の事例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、伸長部材に除去可能に結合される、針とを含んでもよい。成形要素がさらに、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するためにポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において第2の端部を組織に固着させるために針によって搬送される、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを備えるように含まれてもよい。
【0030】
対象の組織構造を成形するためのデバイスの他の変形例は、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、伸長部材に除去可能に結合される、針と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するためにポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において第2の端部を組織に固着させるために針によって搬送される、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0031】
いくつかの変形例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する、管腔と、遠位端における第1のポートと、第1のポートの近位に位置する、第2のポートとを備える、伸長部材と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するために第1のポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において組織に係合するために第2のポートから展開可能である、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを備えてもよい。
【0032】
対象の組織構造の形状を改変するための付加的方法もまた、本明細書に説明される。例示的変形例によると、本方法は、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、成形要素とを含む、デバイスを採用してもよい。成形要素は、第1の端部をポートから展開し、組織構造に隣接する組織に係合するための、管腔を通した導入のために定寸される、第1の端部と、第1の端部に対向する、第2の端部と、力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0033】
対象の鼻組織の形状を改変するための方法もまた、提供され、送達デバイスの遠位端を対象の鼻気道の中に挿入するステップと、成形要素の第1の端部を遠位端から鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する組織に固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素が組織の改変された形状を少なくとも一時的に維持するように、送達デバイスを除去するステップとを含む。
【0034】
さらに、対象の鼻組織の形状を改変するための方法も、提供され、成形要素の第1の端部を対象の鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する第1の場所における組織に固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素を第2の場所における組織に対して固着させ、組織の改変された形状を維持するステップとを含む。
【0035】
なおもさらに本明細書に説明されるものは、対象の標的組織構造の形状を改変するための方法であって、成形要素の第1の端部を構造に隣接する組織に固着させるステップと、組織を操作し、構造の形状を改変するステップと、力を成形要素に印加し、構造の改変された形状を維持するステップとを含む。
【0036】
いくつかの変形例によると、対象の鼻組織の形状を改変するステップを提供する、方法が、説明され、アンカを対象の鼻気道の中に導入するステップと、第1の場所において、アンカを対象の鼻中隔に固着させるステップと、成形要素の第1の端部を対象の鼻気道の中に導入するステップと、成形要素の第1の端部をアンカに固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素を第2の場所における組織に対して固着させ、組織の改変された形状を維持するステップとを含む。
【0037】
本明細書に説明される対象の鼻組織の形状を改変するための方法はまた、送達デバイスの遠位端を対象の鼻気道の中に挿入するステップと、成形要素の第1の端部を遠位端から鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する第1の場所における組織に固着させるステップと、成形要素が鼻気道から延在するように、送達デバイスを除去するステップと、成形要素の第2の端部に結合される針を鼻気道の中に挿入するステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、第2の端部を鼻気道に隣接する第2の場所において固着させ、組織の改変された形状を少なくとも一時的に維持するステップとを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の例証的側面が、以下の図面を参照して下記に詳細に説明される。図面に示される例示的デバイスは、必ずしも、正確な縮尺で描かれておらず、強調が、代わりに、図示される変形例の種々の特徴を図示することに置かれることを理解されたい。
【0039】
【
図1】
図1は、鼻組織の形状を改変する際に使用するための例示的張力要素を描写する。
【0040】
【
図2】
図2は、鼻中隔軟骨を成形するための例示的方法を描写する。
【0041】
【
図3】
図3は、外側鼻軟骨、大または小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、および鼻甲介を成形するための例示的方法を描写する。
【0042】
【
図4】
図4は、一端において、固着要素と、他端において、針とを有する、縫合糸を備える、別の例示的張力要素を描写する。
【0043】
【
図5】
図5は、標的鼻組織の複数の領域に作用するように構成される、張力要素を使用して、鼻組織を成形するための例示的方法を描写する。
【0044】
【
図6】
図6は、複数の遊走防止要素と、力分散領域とを含む、別の例示的張力要素を描写する。
【0045】
【
図7】
図7は、複数の遊走防止要素と、メッシュ状力分散領域とを含む、さらなる例示的張力要素を描写する。
【0046】
【
図8】
図8は、調節可能様式において相互作用し、張力を組織に印加する、複数の構成要素を含む、さらに別の例示的張力要素を描写する。
【0047】
【
図9】
図9は、調節可能固着要素を含む、別の変形例による、例示的張力要素を描写する。
【0048】
【
図10】
図10は、調節可能固着要素が、張力要素の長さに沿って位置付けられる、リブまたはフィンと相互作用する、さらに別の例示的張力要素を描写する。
【0049】
【
図11】
図11は、複数の張力要素が、取外可能要素とともに保持される、別の変形例による、デバイスを示す。
【0050】
【
図12】
図12および13は、張力要素を送達するための例示的デバイスを描写する。
図12では、送達デバイスは、張力要素を格納するための先端を含む。
図13に示される送達デバイスは、ピストルグリップを含む。
【
図13】
図12および13は、張力要素を送達するための例示的デバイスを描写する。
図12では、送達デバイスは、張力要素を格納するための先端を含む。
図13に示される送達デバイスは、ピストルグリップを含む。
【0051】
【
図14】
図14は、送達デバイスシャフト上に、デバイスの本体への取付またはそこからの除去のための取付部位を含む、別の変形例による、例示的送達デバイスを描写する。
【0052】
【
図15】
図15は、伸長シャフトに対する張力要素の側方または直交展開のために、鈍的先端と、送達デバイスシャフトの側面上の開口部とを含む、例示的送達デバイスを描写する。
【0053】
【
図16】
図16は、可視化要素をデバイスの先端に含む、別の例示的送達デバイスを描写する。
【0054】
【
図17】
図17は、組織の中への張力要素の展開を補助するための設置機構を含む、さらに別の例示的送達デバイスを描写する。
【0055】
【
図18】
図18は、第1の固着要素を張力要素の遠位端に、第2の固着要素または遊走防止要素を張力要素の近位端に設置する、さらなる例示的送達デバイスを描写する。
【0056】
【
図19】
図19は、張力要素を組織の中に展開するための後退可能機構を含む、例示的送達デバイスを描写する。
【0057】
【
図20】
図20および21は、再装填要素を有する、設置機構を含む、他の例示的送達デバイスを描写する。
【
図21】
図20および21は、再装填要素を有する、設置機構を含む、他の例示的送達デバイスを描写する。
【0058】
【
図22】
図22は、複数の設置機構を含む、さらに別の例示的送達デバイスを描写する。
【0059】
【
図23】
図23は、可視化要素と、張力要素の展開を促進する、アクチュエータアームとを含む、さらなる例示的送達デバイスを描写する。
【0060】
【
図24】
図24は、張力要素を用いて形状を固着させる前に、組織を所望の改変された形状に操作するための機械的要素と、張力要素をその初期展開位置から最終位置に緊締するための緊締機構とを含む、別の変形例による、例示的送達デバイスを描写する。
【0061】
【
図25】
図25および26は、鼻中隔の形状を改変する、張力要素を送達するための例示的デバイスを描写する。
【
図26】
図25および26は、鼻中隔の形状を改変する、張力要素を送達するための例示的デバイスを描写する。
【0062】
【
図27】
図27および28は、張力要素を組織内に固着させるための構成要素を含む、例示的張力要素を描写する。
図27では、張力要素は、固着要素と界面接触する、拡大遠位端を含み、
図28では、固着要素は、組織に引っ掛かるように設計される、組織相互作用特徴を含む。
【
図28】
図27および28は、張力要素を組織内に固着させるための構成要素を含む、例示的張力要素を描写する。
図27では、張力要素は、固着要素と界面接触する、拡大遠位端を含み、
図28では、固着要素は、組織に引っ掛かるように設計される、組織相互作用特徴を含む。
【0063】
【
図29】
図29は、拡張可能組織変位特徴を含む、例示的送達デバイスを描写する。
【0064】
【
図30】
図30は、組織切断特徴を含む、別の例示的送達デバイスを描写する。
【0065】
【
図31】
図31は、組織退縮特徴を含む、さらに別の例示的送達デバイスを描写する。
【0066】
【
図32】
図32および33は、第1の方向に移動されるとき、組織に係合しないが、第2の方向に移動されるとき、組織に係合する、組織切断器具を含む、さらなる例示的送達デバイスを描写する。
【
図33】
図32および33は、第1の方向に移動されるとき、組織に係合しないが、第2の方向に移動されるとき、組織に係合する、組織切断器具を含む、さらなる例示的送達デバイスを描写する。
【0067】
【
図34】
図34は、第1および第2の位置を有し、第1の位置では、組織を通して穿刺することを可能にするが、第2の位置にあるとき、後方への組織を通した引動を防止する、ヘッド特徴を含む、例示的付属組織切断器具を描写する。
【0068】
【
図35】
図35は、組織を磨鑢または研磨するように設計される、例示的付属組織退縮器具を描写する。
【0069】
【0070】
【
図37】
図37および38は、第1の位置から第2の位置に変化することに応じて、組織を変位させる、別の変形例による、付属組織変位器具を描写する。
【
図38】
図37および38は、第1の位置から第2の位置に変化することに応じて、組織を変位させる、別の変形例による、付属組織変位器具を描写する。
【0071】
【
図39】
図39は、拡張可能要素と、拡張アクティブ化要素とを含む、別の例示的組織変位器具を描写する。
【0072】
【
図40】
図40は、力を組織に印加し、組織を改変された形状に保持する、例示的組織保定要素を描写する。
【0073】
【
図41】
図41は、組織分離要素を含む、さらに別の例示的送達デバイスを描写する。
【0074】
【
図42】
図42は、組織保定要素を送達デバイスに対してある位置に保持するための整合特徴を含む、さらなる例示的送達デバイスを描写する。
【0075】
【
図43】
図43は、挿入構成から展開構成に旋回する、アームを有する、遠位アンカを含む、別の例示的張力要素の上面図を描写する。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【
図46】
図46は、挿入構成から展開構成に旋回する、別の例示的遠位アンカを描写する。
【0080】
【0081】
【
図48A】
図48A-48Eは、ドッグボーンのように成形される、別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図48B】
図48A-48Eは、ドッグボーンのように成形される、別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図48C】
図48A-48Eは、ドッグボーンのように成形される、別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図48D】
図48A-48Eは、ドッグボーンのように成形される、別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図48E】
図48A-48Eは、ドッグボーンのように成形される、別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【0082】
【
図49A】
図49A-49Dは、ヒール・アンド・トウリテーナを含む、さらに別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図49B】
図49A-49Dは、ヒール・アンド・トウリテーナを含む、さらに別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図49C】
図49A-49Dは、ヒール・アンド・トウリテーナを含む、さらに別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【
図49D】
図49A-49Dは、ヒール・アンド・トウリテーナを含む、さらに別の例示的遠位アンカと、組織を通したその展開とを描写する。
【0083】
【
図50A】
図50Aおよび50Bは、張力要素の近位端における使用のための例示的迅速解放針を描写する。
【
図50B】
図50Aおよび50Bは、張力要素の近位端における使用のための例示的迅速解放針を描写する。
【0084】
【
図51A】
図51A-51Cは、張力要素のトウをアンカ送達要素に除去可能に結合するための例示的鍵穴形状を描写する。
【
図51B】
図51A-51Cは、張力要素のトウをアンカ送達要素に除去可能に結合するための例示的鍵穴形状を描写する。
【
図51C】
図51A-51Cは、張力要素のトウをアンカ送達要素に除去可能に結合するための例示的鍵穴形状を描写する。
【0085】
【0086】
【
図53】
図53は、
図52A-52Cのアンカ送達要素内に着座される、例示的Z-撓曲アンカを描写する。
【0087】
【
図54】
図54は、アンカ送達要素表面と同じ高さにある、例示的遠位アンカ表面を描写する。
【0088】
【
図55】
図55は、さらなる変形例による、別の遠位アンカと、アンカ送達要素からの解放のその機構とを描写する。
【0089】
【
図56】
図56は、近位アンカとして複数のノットを含む、別の例示的張力要素を描写する。
【0090】
【
図57A】
図57A-57Cは、中鼻甲介を内方化させるための例示的方法を描写する。
【
図57B】
図57A-57Cは、中鼻甲介を内方化させるための例示的方法を描写する。
【
図57C】
図57A-57Cは、中鼻甲介を内方化させるための例示的方法を描写する。
【0091】
【
図58A】
図58A-58Dは、下鼻甲介肥大を治療するための例示的方法を描写する。
【
図58B】
図58A-58Dは、下鼻甲介肥大を治療するための例示的方法を描写する。
【
図58C】
図58A-58Dは、下鼻甲介肥大を治療するための例示的方法を描写する。
【
図58D】
図58A-58Dは、下鼻甲介肥大を治療するための例示的方法を描写する。
【0092】
【
図59A】
図59A-59Dは、外側鼻弁圧潰を治療するための例示的方法を描写する。
【
図59B】
図59A-59Dは、外側鼻弁圧潰を治療するための例示的方法を描写する。
【
図59C】
図59A-59Dは、外側鼻弁圧潰を治療するための例示的方法を描写する。
【
図59D】
図59A-59Dは、外側鼻弁圧潰を治療するための例示的方法を描写する。
【0093】
【0094】
【
図61】
図61は、鼻粘膜を繋止し、鼻中隔血腫形成を防止するための例示的方法を描写する。
【0095】
【
図62A】
図62A-62Cは、口蓋垂および軟口蓋を上昇させ、閉塞性睡眠時無呼吸を治療する、例示的方法を描写する。
【
図62B】
図62A-62Cは、口蓋垂および軟口蓋を上昇させ、閉塞性睡眠時無呼吸を治療する、例示的方法を描写する。
【
図62C】
図62A-62Cは、口蓋垂および軟口蓋を上昇させ、閉塞性睡眠時無呼吸を治療する、例示的方法を描写する。
【0096】
【
図63A】
図63Aおよび63Bは、耳を再成形するための張力要素の設置のための耳の例示的面積を描写する。
【
図63B】
図63Aおよび63Bは、耳を再成形するための張力要素の設置のための耳の例示的面積を描写する。
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【
図65】
図65は、張力要素を送達デバイスから展開するための例示的方法を描写する。
【0101】
【
図66】
図66は、送達デバイスのための別の例示的ハンドルを描写する。
【0102】
【
図67】
図67は、勾配が付けられた遠位端を伴うアームを有する、例示的遠位アンカを描写する。
【0103】
【
図68A】
図68A-68Eは、張力要素を使用して鼻中隔を成形する、例示的方法を描写する。
【
図68B】
図68A-68Eは、張力要素を使用して鼻中隔を成形する、例示的方法を描写する。
【
図68C】
図68A-68Eは、張力要素を使用して鼻中隔を成形する、例示的方法を描写する。
【
図68D】
図68A-68Eは、張力要素を使用して鼻中隔を成形する、例示的方法を描写する。
【
図68E】
図68A-68Eは、張力要素を使用して鼻中隔を成形する、例示的方法を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0104】
詳細な説明
本明細書に説明されるものは、張力を種々の組織に印加するためのデバイスおよび方法である。本デバイスは、低侵襲性方式において送達され、鼻、耳、および喉内の組織を操作するために使用され得る。力が、デバイスによって、ある期間にわたって維持されることで、組織の成形、圧縮、または接近を可能にし得る。本デバイスは、1つの方向において、挿入構成で組織の中にまたはそれを通して挿入され得、対向方向における力の印加に応じて、展開構成に旋回、拡張、回転、または拡開し、後方への組織を通した遠位アンカの通過を防止し得る、遠位アンカを有する、張力要素を含んでもよい。いったん遠位アンカが、展開構成に遷移すると、付加的力が、張力要素に印加され、意図される用途のために所望される量に調節されてもよい。例えば、張力要素は、1つまたはそれを上回る鼻組織内に設置され、張力は、鼻組織の形状を改変する、量に調節されてもよい。組織を切断または研磨し、組織を成形することを補助する、付属デバイス、または組織を張力要素による固着のための位置に変位または移動させることに役立つ、付属デバイスもまた、本明細書に説明される。1つまたはそれを上回る張力要素を送達するためのデバイスもさらに、本明細書に説明される。
【0105】
デバイス
対象内の組織を操作するためのデバイスは、概して、張力要素を含み、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体を含む。挿入構成と、展開構成とを有する、遠位アンカが、張力要素遠位端に提供され、アンカ本体と、枢動点とを含んでもよい。伸長本体への力の印加に応じて、遠位アンカは、上記に記載されるように、枢動点において旋回し、回転、または拡開し、挿入構成から展開構成に転換するように構成されてもよい。展開構成では、遠位アンカは、概して、張力要素の遠位端を組織内に固定または係留する。本印加される力は、概して、挿入の方向と反対方向にある。いくつかの事例では、遠位アンカの縦軸は、その展開構成では、張力要素の縦軸に直交する。加えて、遠位アンカは、拡張し、組織内への固定をもたらすように構成されてもよい。張力要素はまた、複数の近位アンカを遠位アンカと伸長本体の近位端との間に含んでもよい。針がさらに、伸長本体の近位端に提供され、遠位アンカが展開された後、組織を通した張力要素の前進または設置を促進してもよい。
【0106】
1つまたはそれを上回る張力要素が、組織を操作または成形するために送達されてもよい。複数の張力要素が、使用されるとき、それらは、共通コアまたは中心要素に取り付けられてもよい。例えば、複数の張力要素が、複数の架張ベクトルを達成するために、「Y」または他の構成を発生させるように接続されてもよい。
【0107】
張力要素
張力要素は、生分解性または非生分解性材料から作製されてもよい。張力要素が、生分解性であるとき、これは、生分解性ポリマーから作製されてもよい。例示的生分解性ポリマーは、限定ではないが、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸)、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン)、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド)、またはそのコポリマーもしくは混成物を含む。いくつかの変形例では、生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリ(オルトエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリホスファゼン、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、キトサン、シクロデキストリン、デキストラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ケラタン硫酸、またはそのコポリマーもしくは混成物を備える。1つの変形例では、張力要素は、PDO(ポリ(ジオキサノン)から作製されてもよい。別の変形例では、張力要素は、金属、例えば、マグネシウムまたはマグネシウム合金から作製されてもよい。他の金属もまた、使用されてもよい。
【0108】
張力要素が、生分解性材料から形成されるとき、これは、約3ヶ月~約12ヶ月に及ぶ期間にわたって分解し得る。例えば、張力要素は、約1ヶ月、約2ヶ月、3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、または約12ヶ月の期間にわたって分解し得る。1つの変形例では、張力要素は、約4ヶ月~約9ヶ月に及ぶ期間にわたって分解し得る。張力要素が作製される材料に応じて、引張強度の損失は、引張要素の完全な分解の前に生じてもよい。これらの変形例では、張力要素は、所望の期間にわたって十分な量の引張強度を提供する、材料から作製されてもよい。
【0109】
張力要素が、非生分解性であるとき、これは、非生分解性ポリマーまたは金属から作製されてもよい。例示的非生分解性ポリマーは、限定ではないが、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー、ポリウレタン、多糖類、例えば、セルロースポリマーおよびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびその誘導体、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(ブチレンテレフタレート)のコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、シルク、ナイロン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリブテステル、ならびにそのコポリマーおよび混成物を含む。例示的金属は、限定ではないが、白金、銀、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、およびそれらの合金を含む。
【0110】
張力要素は、任意の好適な断面形状を有するように形成されてもよい。例えば、断面形状は、円形、半円形、卵形、長方形、正方形、または三角形であってもよい。長方形断面であるとき、張力要素の幅および厚さは、約0.25mm~約1.5mmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、幅は、約0.25mm、約0.5mm、約0.75mm、約1.0mm、約1.25mm、または約1.5mmであってもよい。1つの変形例では、張力要素の幅は、約0.65mmであってもよい。同様に、張力要素の厚さは、約0.25mm、約0.5mm、約0.75mm、約1.0mm、約1.25mm、または約1.5mmであってもよい。1つの変形例では、張力要素の厚さは、約0.7mmであってもよい。
【0111】
張力要素は、力を標的組織上で保持または維持するように構成されてもよい。力は、約4.0ニュートン~約70ニュートンに及ぶ張力であってもよく、その中の全ての値および下位範囲を含み、これは、遠位アンカが標的組織に固定された後、張力要素の遊離近位端を引動することによって発生されてもよい。例えば、張力は、約4.0ニュートン、約5.0ニュートン、約10ニュートン、約15ニュートン、約20ニュートン、約25ニュートン、約30ニュートン、約35ニュートン、約40ニュートン、約45ニュートン、約50ニュートン、約55ニュートン、約60ニュートン、約65ニュートン、または約70ニュートンであってもよい。張力要素の引張強度は、約100MPa~約600MPaに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、引張強度は、約100MPa、約110MPa、約120MPa、約130MPa、約140MPa、約150MPa、約155MPa、約160MPa、約165MPa、約170MPa、約175MPa、約180MPa、約185MPa、約190MPa、約195MPa、約200MPa、約210MPa、約220MPa、約230MPa、約240MPa、約250MPa、約260MPa、約270MPa、約280MPa、約290MPa、約300MPa、約350MPa、約400MPa、約450MPa、約500MPa、約550MPa、または約600MPaであってもよい。いくつかの事例では、張力要素の引張強度は、少なくとも約150MPaであってもよい。他の事例では、張力要素の引張強度は、少なくとも約300MPaであってもよい。
【0112】
張力要素の全長は、送達に先立って、展開の標的組織、実施されている手技のタイプ、および/または対象の生体構造に応じて、変動してもよい。総張力要素長は、送達に先立って、約10cm~約30cmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、全長は、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、約25cm、約26cm、約27cm、約28cm、約29cm、または約30cmであってもよい。1つの変形例では、張力要素は、送達に先立って、約15cmの全長を有してもよい。いったん標的組織に送達されると、張力要素は、適切な量の力、再成形等を標的組織に印加する、長さに裁断されてもよい。より長い長さは、標的組織が操作されている間、張力要素の取扱を促進することに役立ち得る。
【0113】
遠位アンカと最遠位に位置付けられる近位アンカとの間の張力要素の長さは、約10mm~約25mmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、本長さは、約10mm、約15mm、約20mm、または約25mmであってもよい。長さは、操作されるべき組織に応じて、より長いまたはより短いように調節されてもよい。約10mm~約25mmの長さは、鼻中隔軟骨が操作されるべきとき、有用であり得る。
【0114】
伸長本体の近位端における針と最近位に位置付けられる近位アンカとの間の張力要素の長さは、約50mm~約70mmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、本長さは、約50mm、約55mm、約60mm、約65mm、または約70mmであってもよい。張力要素は、本長さに沿って、任意の近位アンカを含む場合とそうではない場合がある。加えて、張力要素は、本長さに沿って、最終長に裁断されてもよい。
【0115】
アンカ
明細書に説明されるデバイスは、遠位アンカを張力要素の遠位端に含んでもよい。遠位アンカは、挿入構成と、展開構成とを有してもよい。加えて、遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点とを含んでもよい。張力要素の伸長本体への力の印加に応じて、遠位アンカは、枢動点において旋回または撓曲し、挿入構成から展開構成に転換するように構成されてもよい。本印加される力は、概して、挿入の方向と反対方向にある。いくつかの事例では、遠位アンカの縦軸は、その展開構成では、張力要素の縦軸に直交してもよい。しかしながら、遠位アンカは、展開構成を達成するために、任意の好適な量において、枢動点を中心として旋回してもよい。遠位アンカは、張力要素の縦軸に対して約30度~約90度に及び、その中の全ての値および下位範囲を含む、旋回角度において、枢動点を中心として旋回してもよい。例えば、旋回角度は、約30度、約35度、約40度、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度、または約90度であってもよい。
【0116】
遠位アンカは、様々に定寸および成形されてもよい。一般に、遠位アンカは、その展開構成では、組織を通した後方への張力要素の遠位端の通過を防止する。遠位アンカは、約0.5mm~約15mmに及ぶ長さと、約0.5mm~約5.0mmに及ぶ幅とを有してもよい。
【0117】
いくつかの変形例では、アンカ本体は、複数のアームを含んでもよく、アームは、伸長本体への力の印加に応じて、枢動点において、旋回または撓曲するように構成されてもよい。任意の好適な数のアームが、採用されてもよい。例えば、2つ、3つ、または4つのアームが、含まれてもよい。アンカ本体が、2つのアームを含むとき、遠位アンカは、「Z-撓曲アンカ」と称され得る。Z-撓曲アンカの本体は、約0.5mm~約5.0mmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む、幅を有してもよい。例えば、Z-撓曲アンカ本体は、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、または約5.0mmの幅を有してもよい。1つの変形例では、Z-撓曲アンカ本体は、約2.5mmの幅を有する。さらに、Z-撓曲アンカ本体は、約0.5mm~約15mmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む、長さを有してもよい。例えば、Z-撓曲アンカ本体の長さは、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、約11mm、約11.5mm、約12mm、約12.5mm、約13mm、約13.5mm、約14mm、約14.5mm、または約15mmであってもよい。1つの変形例では、Z-撓曲アンカ本体は、約2.75mmの長さを有する。Z-撓曲アンカ本体のアームはまた、ある長さおよび幅を有してもよい。ここでは、アーム長は、約1.5mmであって、幅は、約0.6mmであってもよい。いくつかの変形例では、アーム幅は、Z-撓曲アンカ本体の幅の約3分の1であることが有用であり得る。
【0118】
アンカ本体の複数のアームの各アームは、ベベル切断され、遠位アンカを枢動点において旋回させ、組織に対するその係合を促進することに役立ち得る、傾きを形成する、遠位端を含んでもよい。ベベルは、各アームの厚さ全体を通して切断されてもよい。ベベルの角度は、約15度~約75度に及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、ベベル角度は、約15度、約20度、約25度、約30度、約35度、約40度、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、または約75度であってもよい。1つの変形例では、ベベル角度は、約45度である。
図67を参照すると、例示的遠位アンカ(70)が、示され、アンカ本体(71)と、複数のアーム(72)とを含む。アーム(72)のそれぞれの遠位端(73)は、ベベル切断され、傾き付き表面(74)を形成する。ベベル角度(75)は、傾き付き表面(74)が遠位アンカ(70)の縦軸(76)と交差する、点に形成されてもよい。いくつかの変形例では、遠位アンカは、2つのアームを備える、Z-撓曲アンカであってもよく、2つのアームはそれぞれ、約45度のベベル角度を有する、遠位端を含む。
【0119】
代替として、アンカ本体は、長方形、正方形、三角形、円形、または卵形形状であってもよい。アンカ本体はまた、菱形形状または矢印もしくはドッグボーンのような形状であってもよい。いくつかの変形例では、アンカ本体は、ヒール・アンド・トウリテーナを含んでもよい。他の変形例では、アンカ本体は、圧潰構成から拡張構成に拡張可能であってもよい。ここでは、圧潰構成は、第1の方向における組織を通した遠位アンカの挿入を可能にし得、拡張構成は、第2の方向、例えば、第1の方向と反対方向における後方への組織を通した遠位アンカの通過を防止する。
【0120】
複数の近位アンカ(遊走防止要素)がさらに、遠位アンカと張力要素の近位端との間に配置されてもよい。遠位アンカおよび複数の近位アンカは、同一タイプのアンカまたは異なるタイプのアンカであってもよい。一般に、近位アンカは、遠位アンカより小さいように定寸されるが、所望に応じて、同一サイズであってもよい。任意の好適な数の近位アンカが、採用されてもよい。遠位アンカと伸長本体の近位端との間に提供される近位アンカの数は、5~40に及んでもよい。例えば、複数の近位アンカは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個のアンカを含んでもよい。近位アンカを含む、張力要素の長さは、約75mmであってもよい。複数の近位アンカ間の間隔は、同一または異なってもよい。間隔が、複数の近位アンカ間で均一であるとき、空間の長さは、約3.0mmであってもよい。遠位アンカと最遠位近位アンカとの間の間隔は、約10mmであってもよい。1つの変形例では、複数の近位アンカは、Z-撓曲アンカを備える。ここでは、Z-撓曲アンカのアームは、約0.25mm~約1.25mmに及ぶ長さを有してもよい。例えば、アームは、約0.25mm、約0.50mm、約0.75mm、約1.0mm、または約1.25mmの長さを有してもよい。Z-撓曲アンカのアームは、約0.6mmの幅を有してもよい。
【0121】
拡大先端(トウ)もまた、下記にさらに説明されるように、遠位アンカの遠位の張力要素の遠位端に提供され、組織への張力要素の係留および/またはアンカ送達要素への結合をさらに促進してもよい。遠位アンカ、拡大先端、および複数の近位アンカは、張力要素と同一材料または異なる材料から作製されてもよい。いくつかの変形例では、遠位アンカは、非生分解性材料から作製され、複数の近位アンカは、生分解性材料、例えば、生分解性ポリマーから作製されてもよい。例示的生分解性ポリマーは、限定ではないが、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸)、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン)、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド)、またはそのコポリマーもしくは混成物を含む。付加的例示的生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリ(オルトエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリホスファゼン、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリカーボネート、キトサン、シクロデキストリン、デキストラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ケラタン硫酸、またはそのコポリマーもしくは混成物を含む。いくつかの変形例では、遠位アンカ、拡大先端、および複数の近位アンカは、PDO(ポリ(ジオキサノン)から作製されてもよい。非生分解性材料は、非生分解性ポリマーまたは金属を含んでもよい。例示的非生分解性ポリマーは、限定ではないが、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー、ポリウレタン、多糖類、例えば、セルロースポリマーおよびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびその誘導体、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(ブチレンテレフタレート)のコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、ならびにそのコポリマーおよび混成物を含む。例示的金属は、限定ではないが、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、マグネシウム、およびそれらの合金を含む。
【0122】
張力要素、遠位アンカ、拡大先端、および複数の近位アンカは、コーティングを具備してもよい。いくつかの変形例では、コーティングは、抗菌剤を含んでもよい。例示的抗菌剤は、限定ではないが、アミノグリコシド、アンフェニコール、アンサマイシン、ベータラクタム(β-ラクタム)、例えば、ペニシリン、リンコサミド、マクロライド、ニトロフラン、キノロン、スルホンアミド、スルホン、テトラサイクリン、バンコマイシン、およびその誘導体のいずれか、またはそれらの組み合わせを含む。説明される方法およびデバイスと併用するために好適であり得る、ペニシリンの実施例は、限定ではないが、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アパルシリン、アスポキシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、カルベニシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリンナトリウム、メズロシリン、ナフシリンナトリウム、オキサシリン、ペナメシリン、ヨウ化水素酸ペネタメート、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラバミン、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピサイクリン、フェネチシリンカリウム、ピペラシリン、ピバンピシリン、プロピシリン、キナシリン、スルベニシリン、スルタミシリン、タランピシリン、テモシリン、およびチカルシリンを含む。
【0123】
他の変形例では、コーティングは、軟骨リモデリングを助長する、成長因子を含んでもよい。例示的成長因子は、限定ではないが、TGF-β1(形質転換成長因子-β)、BMP-2(骨形成タンパク質-2)、BMP-7(骨形成タンパク質-7)、IGF-I(インスリン成長因子-I)、FGF-2(線維芽細胞成長因子-2)、FGF-18(線維芽細胞成長因子-18)、およびPDGF(血小板由来成長因子)を含む。
【0124】
さらなる変形例では、コーティングは、疎水性ポリマーを含み、張力要素の分解を減速させてもよい。コーティングを形成するために使用され得る、疎水性ポリマーの実施例は、限定ではないが、フッ素ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル、ポリ(エチレンテレフタレート)、シリコーン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、スチレン-ブロックコポリマー、ポリメタクリル酸メチル、アクリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、天然および合成ゴム、アクリロニトリルゴム、ならびに前述のいずれかの混合物およびコポリマーを含む。
【0125】
なおもさらなる変形例では、コーティングは、血管収縮剤を含んでもよい。血管収縮剤の実施例は、限定ではないが、エピネフリン、レボノルデフリン、およびアドレナリンを含む。いくつかの変形例では、コーティングは、充血除去剤を含んでもよい。例示的充血除去剤は、限定ではないが、エピネフリン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、テトラヒドロゾリン、およびキシロメタゾリンを含む。コーティングはまた、抗炎症剤を含んでもよい。例示的抗炎症剤は、限定ではないが、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デファザコルト、デソニド、デゾキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジルプレドネート、エノキソロン、フルアザコルト、フククロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコータル、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタソール、ハロメタゾン、ハロプレドンアセテート、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニソロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、その誘導体のいずれか、およびそれらの組み合わせを含む。
【0126】
針およびアンカ送達要素
本明細書に説明されるデバイスはさらに、張力要素の伸長本体の近位端に除去可能に取り付けられる、近位針を含んでもよい。近位針は、約5.0mm~約25mmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む、長さを有する、切断針であってもよい。例えば、近位針は、約5.0mm、約10mm、約15mm、約20mm、または約25mmの長さを有してもよい。1つの変形例では、近位針は、約13mmの長さを有する。近位針直径は、約0.4mm~約2.0mmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、近位針直径は、約0.4mm、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、または約2.0mmであってもよい。1つの変形例では、近位針直径は、約1.0mmである。別の変形例では、近位針直径は、約1.5mmである。
【0127】
近位針は、伸長本体の近位端を組織を通してまたはその周囲に設置または操作するために使用されてもよく、種々の方法において、張力要素に除去可能に取り付けられてもよい。例えば、近位針は、かしめまたは圧着によって、もしくは張力要素を近位針の一部を通して螺入することによって、張力要素に除去可能に取り付けられてもよい。いくつかの変形例では、近位針は、迅速螺入針である。他の変形例では、近位針は、材料、例えば、PDO(ポリ(ジオキサノン)のループにかしめされてもよく、これは、次いで、張力要素に結合されてもよい。
【0128】
張力要素の遠位端には、アンカ送達要素(細長針)が、遠位アンカに結合されてもよい。アンカ送達要素は、その挿入構成において、遠位アンカを組織を通して通過させるように構成される、切断先端を含んでもよい。アンカ送達要素は、限定ではないが、ステンレス鋼、ばね鋼鉄、およびニチノールを含む、種々の金属から作製されてもよい。いくつかの変形例では、アンカ送達要素は、遠位アンカをアンカ送達要素に除去可能に結合するように成形される、鍵穴を含んでもよい。例えば、鍵穴は、組織挿入の間、遠位アンカをアンカ送達要素に結合されたまま保つが、後方への組織を通したアンカ送達要素の抜去の間、遠位アンカの係脱を可能にするように定寸されてもよい。
【0129】
他の変形例では、アンカ送達要素は、先端構成要素と、金属細片とを含んでもよい。先端構成要素は、張力要素の拡大遠位端(トウ)を除去可能に固着させるように成形される、切断先端と、コックピットまたはポケットと、トウと遠位アンカとの間の張力要素の領域をアンカ送達要素に除去可能に固着させる、クリップ領域と、展開に先立って、その上に遠位アンカが位置付けられ得る、着座領域とを含んでもよい。1つの変形例では、先端構成要素および金属細片は、単一構成要素の異なる区分を構成してもよい。別の変形例では、先端構成要素および金属細片は、ともに継合される、別個の構成要素であってもよい。先端構成要素および金属細片を作製するために使用され得る、材料は、限定ではないが、ステンレス鋼、ばね鋼鉄、およびニチノールを含む。先端構成要素および金属細片は、同一金属材料または異なる金属材料から成ってもよい。例えば、いくつかの変形例では、先端構成要素は、ステンレス鋼から作製され、金属細片は、ニチノールから作製されてもよい。先端構成要素および金属細片が、別個の構成要素であるとき、それらは、1つまたはそれを上回るリベットを介して、アンカ送達要素を形成するように継合されてもよい。代替として、先端構成要素および金属細片は、圧着、溶接、またはリベット留めによって継合されてもよい。先端構成要素は、レーザ焼結、射出成型、または機械加工等のプロセスによって作製されてもよい。
【0130】
さらに、先端構成要素は、それまたは遠位アンカが、標的組織への送達の間、組織に引っ掛かり得る、任意の前縁を有しないように形成されてもよい。例えば、張力要素のアンカ送達要素および遠位アンカは、挿入の間、遠位アンカが組織に引っ掛かからないように防止し得る、水平表面を形成してもよい。いくつかの事例では、着座領域からの遠位アンカの係脱は、解放タブを使用して遂行されてもよい。例えば、
図55を参照すると、解放タブ(5006)を含む、遠位アンカ(5000)が、示され、アンカ送達要素の着座領域内に着座される。
【0131】
本明細書に説明される張力要素は、種々の構成を有してもよい。
図43を参照すると、例示的張力要素が、示される。張力要素(1200)は、近位端(1204)と、遠位端(1206)とを有する、伸長本体(1202)を含んでもよい。Z-撓曲アンカ(1208)等の遠位アンカが、伸長部材(1202)の遠位端(1206)に配置されてもよい。
図44における遠位端(1206)の拡大図に示されるように、Z-撓曲アンカ(1208)は、アンカ本体(1210)と、枢動点(1212)と、第1のアーム(1218)と、第2のアーム(1220)とを含む。複数の近位アンカ(1214)もまた、遠位Z-撓曲アンカ(1208)と張力要素(1202)の近位端(1204)との間に配置され、いったん組織内で展開されると、張力要素(1200)の遊走を防止することに役立ち得る。複数の近位アンカ(1214)もまた、遠位Z-撓曲アンカ(1208)のものと反対方向に面する、Z-撓曲アンカであってもよい。拡大遠位端(トウ)(1216)もまた、組織の中への展開のために、Z-撓曲アンカ(1208)の遠位に提供され、Z-撓曲アンカをアンカ送達要素(図示せず)に結合してもよい。近位端(1204)には、針(1201)は、伸長本体(1202)に除去可能に取り付けられてもよい。組織の中へのZ-撓曲アンカの展開後、針(1201)は、組織を通したまたはその周囲への伸長本体(1202)の近位端(1204)を設置または操作するために使用されてもよい。別の変形例では、
図56に示されるように、複数の近位アンカは、複数のノット(6000)であってもよい。本変形例では、遠位アンカは、Z-撓曲アンカ(6002)であってもよい。張力を張力要素(6008)に印加するために、近位針(6004)は、複数のノット(6000)にわたって単一方向に摺動するように構成される、組織表面上に設置されたリング(6006)等の固着特徴を通して螺入されてもよい。
【0132】
いったん組織の中に挿入されると、張力要素の伸長本体への力の印加は、Z-撓曲アンカのアームを旋回または撓曲させ、アンカを挿入構成から展開構成に転換させ得る。
図45Aに示されるように、Z-撓曲アンカ(1300)は、アンカ本体(1302)と、第1のアーム(1304)と、第2のアーム(1306)とを含む。デバイス挿入の方向と反対方向である、矢印Aの方向における、張力要素(1308)への力の印加に応じて、第1および第2のアーム(1304、1306)は、z-軸に沿って、張力要素の軸(B)に直交するように、面外に旋回する。展開構成では、後方への組織を通したZ-撓曲アンカ(1300)の通過は、防止される。アンカ本体の複数のアームの各アームは、ベベル切断され、遠位アンカを枢動点において旋回させ、組織に対するその係合を促進することに役立ち得る、傾きを形成する、遠位端を含んでもよい。
【0133】
別の変形例では、
図45Bに示されるように、遠位アンカである、Y-撓曲アンカ(1310)は、第1のアーム(1314)と、第2のアーム(1316)とを有する、アンカ本体(1312)を含む。しかしながら、面外に旋回する代わりに、矢印(A)の方向における張力要素(1318)への力の印加に応じて、第1および第2のアーム(1314、1316)は、面内で旋回または撓曲し、後方への組織を通したY-撓曲アンカ(1310)の通過を防止する。
【0134】
挿入構成から展開構成に転換させるために旋回するように構成される、遠位アンカのさらなる変形例は、
図46、
図47Aおよび47B、
図48A-48E、ならびに
図49A-49Dに示される。
図46を参照すると、遠位アンカ(1400)は、枢動点(1404)において、張力要素(1402)の遠位端に配置されてもよい。遠位アンカ(1400)は、アンカ送達要素(図示せず)と界面接触する、またはそれを受容されるように設計される、構成要素(1406)を備えてもよい。構成要素(1406)は、テーパ状部分(1408)を有し、組織を通した挿入を促進してもよい。
図47Aおよび47Bでは、遠位アンカは、アンカ送達要素(1502)上に折畳され、係合特徴の手動挿入によってそこに結合される、可撓性本体(1500)を含む。アンカは、遠位アンカを脱落させるために十分な力を提供する、組織との相互作用によって解放される。
【0135】
図48A-48Eでは、ドッグボーンのように成形される遠位アンカが、示される。
図48Aを参照すると、ドッグボーン(1600)は、より薄い中央区分(1604)によって接続される、2つの拡大分化端部(1602)を含んでもよい。拡大分化端部(1602)はそれぞれ、開口部(1606)を含む。開口部は、円形形状として示されるが、これは、任意の好適な形状を有してもよい。張力要素とドッグボーンの結合は、
図48Bに示される。図を参照すると、張力要素(1608)は、張力要素(108)を1つの開口部(1606)を通して螺入することによって、ドッグボーン(1600)に結合されてもよい。拡大遠位端(トウ)(1610)は、張力要素が後方に開口部(1606)を通して通過しないように防止し得る。ドッグボーンとアンカ送達要素の結合は、
図48Cに描写される。
図48Cを参照すると、張力要素に結合されない、分化端部は、より薄い中央区分(1604)に到達するまで、拡大分化端部(1602)をアンカ送達要素(1612)内の開口部(1614)を通して螺入することによって、アンカ送達要素(1612)に結合されてもよい。開口部(1614)は、拡大分化端部(1602)が後方に開口部(1606)を通して通過しないように防止するように定寸および/または成形される。組織を通したドッグボーンの送達および展開は、
図48Dおよび48Eに示される。図を参照すると、その挿入構成におけるドッグボーンアンカ(1600)を伴う、アンカ送達要素(1612)と、そこに結合される、張力要素(1608)とが、組織(1616)を通して挿入される。ドッグボーンアンカ(1600)は、次いで、アンカ送達要素(1612)を抜去し、力を張力要素(1608)に印加することによって、旋回し、展開構成に遷移し得る。張力要素(1608)に印加されるさらなる力は、次いで、分化端部(1602)をアンカ送達要素(1612)内の開口部(1614)から結合解除し得る。
【0136】
同様に、
図49A-49Dでは、別の遠位アンカが、示され、その展開構成へのアンカの旋回を促進する、隆起されたヒールを含む。
図49Aを参照すると、遠位アンカ(1700)は、アンカ送達要素(1702)に結合されて示される。遠位アンカ(1700)は、それぞれ、アンカ送達要素(1702)内の対応する構造、すなわち、ヒール湾入部(1710)およびトウリテーナ(1712)の中に嵌合する、隆起されたヒール(1706)およびトウ(1708)を有する、本体(1704)を含んでもよい。
図49B-49Dでは、アンカ送達要素(1702)による、組織(1714)を通した遠位アンカ(1700)の通過が、図示される。より具体的には、
図49Bは、組織(1714)を通して通過されている、その挿入構成における、遠位アンカ(1700)を示す。組織(1714)を通した通過後、張力要素(1716)は、引動され、力を隆起されたヒール(1706)上に印加し得、これは、ひいては、遠位アンカ(1700)の本体をその展開構成に旋回させる。さらなる変形例では、
図55に示されるように、着座領域からの遠位アンカの係脱は、解放タブを使用して遂行されてもよい。図を参照すると、遠位アンカ(5000)は、ヒール(5002)と、トウ(5004)とを含んでもよい。解放タブ(5006)は、ヒール(5002)の片側上に提供されてもよい。矢印Cの方向における、組織を通した遠位アンカ(5000)の通過後、解放タブ(5006)に印加される力は、ブーツがスキーのビンディングから解放される方法と同様に、矢印Dの方向に、ヒール(5002)およびトウ(5004)をアンカ送達要素(5008)から係脱させ得る。
【0137】
近位針が、伸長本体の近位端を組織を通してまたはその周囲に設置または操作するために使用されてもよく、種々の方法において、張力要素に除去可能に取り付けられてもよい。例えば、
図50Aおよび50Bに示されるように、近位針は、オペレータが、患者の中への挿入の直前に、手動で近位端を接続することを可能にするように設計される、迅速螺入針であってもよい。
【0138】
張力要素の遠位端には、アンカ送達要素(細長針)が、遠位アンカに結合されてもよい。アンカ送達要素は、種々の構成を有してもよく、種々の方法において、張力要素に可逆的に固着されてもよい。一般に、アンカ送達要素は、その挿入構成において、遠位アンカを組織を通して通過させるように構成される、切断先端を含んでもよい。いくつかの変形例では、
図51A-51Cに示されるように、アンカ送達要素(1900)は、遠位アンカ(図示せず)をアンカ送達要素(1900)に除去可能に結合するように様々に定寸および成形される、鍵穴(1902、1904、1906)を含んでもよい。例えば、鍵穴(1902、1904、1906)は、組織挿入の間、遠位アンカのトウ部分をアンカ送達要素に結合されたまま保つが、後方への組織を通したアンカ送達要素の抜去の間、遠位アンカの係脱を可能にするように定寸されてもよい。
【0139】
他の変形例では、アンカ送達要素は、先端構成要素と、金属細片とを含んでもよい。
図52A-52Cを参照すると、アンカ送達要素(2000)の先端構成要素(2002)は、切断先端(2004)と、張力要素の拡大遠位端(トウ)(例えば、
図53における要素2020参照)を除去可能に固着させるように成形される、コックピットまたはポケット(2006)と、トウと遠位アンカとの間の張力要素の領域をアンカ送達要素に除去可能に固着させる、クリップ領域(2008)と、展開に先立って、その上に遠位アンカが位置付けられ得る、着座領域(2010)とを含んでもよい。
図53は、
図52A-52Cに説明されるアンカ送達要素内に着座される、例示的Z-撓曲アンカ(2018)を示す。
【0140】
1つの変形例では、先端構成要素および金属細片は、単一構成要素の異なる区分を構成してもよい。別の変形例では、先端構成要素(2000)および金属細片(2012)は、
図52Aおよび52Bに示されるように、ともに継合される、別個の構成要素であってもよい。本変形例では、先端構成要素(2000)は、金属細片(2012)内の対応するリベット孔と整合し得る、リベット孔(2014)を含む。リベット(2016)は、リベット孔内に設置され、先端構成要素(2000)および金属細片(2012)をともに固着させ、アンカ送達要素を形成してもよい。先端構成要素および金属細片はまた、圧着または溶接によって継合されてもよい。
【0141】
先端構成要素は、それまたは遠位アンカが、標的組織への送達の間、組織に引っ掛かり得る、任意の前縁を有しないように形成されてもよい。例えば、
図54に示されるように、張力要素(図示せず)のアンカ送達要素(3000)および遠位アンカ(3002)は、挿入の間、遠位アンカが組織に引っ掛かからないように防止し得る、水平表面を形成してもよい。
【0142】
本明細書に説明されるデバイスを用いて操作され得る、組織は、限定ではないが、鼻組織、喉組織、および耳組織を含む。鼻組織の非限定的実施例は、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を含む。例示的喉組織は、限定ではないが、中咽頭軟組織、口蓋垂、軟口蓋、および扁桃腺を含む。耳組織の非限定的実施例は、耳輪の軟骨、対耳輪、耳珠、対珠、対輪上脚、三角窩、甲介、および耳垂の結合組織を含む。
【0143】
1つの変形例では、対象内の組織を操作するためのデバイスは、張力要素を含み、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体と、張力要素遠位端における、遠位アンカとを備える。遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点と、挿入構成と、展開構成とを含んでもよい。遠位アンカ本体は、複数のアームを含むように構造化されてもよく、複数のアームは、伸長本体への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成されてもよい。
【0144】
いくつかの変形例では、デバイスは、概して、力を組織に対して印加および維持し、組織の形状を改変するように構成される、1つまたはそれを上回る張力要素または成形要素を含む。力は、張力であってもよい。張力要素は、近位端と、遠位端と、弛緩状態と、架張状態とを有する、伸長本体を含んでもよい。遠位端において、固着要素が、張力要素に結合またはその上に配置され、張力要素を組織に固定または係留してもよい。1つまたはそれを上回る遊走防止要素が、張力要素の近位端上に提供され、展開後、張力要素をその架張状態に保持してもよい。針もまた、近位端上に提供され、組織を通した張力要素の設置を指向または促進してもよい。
【0145】
いくつかの変形例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材(例えば、送達デバイスの伸長部材)と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、第1の端部をポートから展開し、組織構造に隣接する組織に係合するための、管腔を通した導入のために定寸される、第1の端部と、第1の端部に対向する、第2の端部と、力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0146】
張力要素は、種々の材料から作製されてもよい。例示的材料は、限定ではないが、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸)、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン)、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド)、これらまたは他の好適なポリマーのいずれかのコポリマー、または任意の他の好適な材料を含む。1つの変形例では、張力要素は、PDO(ポリ(ジオキサノン)から作製される。
【0147】
張力要素の長さは、約3.0cm~約30cmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、張力要素の長さは、約3.0cm、約4.0cm、約5.0cm、約6.0cm、約8.0cm、約9.0cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、または約25cmであってもよい。1つの変形例では、張力要素の長さは、約15cmである。
【0148】
成形要素は、成形要素を組織、例えば、鼻組織に係留または固定する、固着要素を含んでもよい。固着要素は、成形要素の第1の端部が、組織を通して指向されるが、後方に鼻組織を通して通過しないように防止され得るように構成されてもよい。いくつかの変形例では、固着要素は、T-締結具、X形状締結具、拡張可能アンカ、ノット、ボタン、形状保定構造物、返し、複数の返しのうちの1つまたはそれを上回るものを備える。1つの変形例では、固着要素は、複数の返しを含む。他の変形例では、固着要素は、成形要素に沿って、第1の端部に対して調節可能または摺動可能であり得る。いくつかの事例では、成形要素は、第1の端部に隣接する、相互から離間された複数の突出部を含んでもよい。成形要素に結合される、固着要素は、突出部に解放可能に係合し、第1の端部に対する固着要素の位置を調節するように構成されてもよい。
【0149】
1つまたはそれを上回る遊走防止要素が、成形要素の第1の(遠位)端部と第2の(近位)端部との間に提供され、展開後、成形要素をその架張状態に保持してもよい。1つの変形例では、複数の遊走防止要素は、第1の(遠位)端部より第2の(近位)端部の近くに配置されてもよい。1つまたはそれを上回る遊走防止要素は、複数のラチェット要素を第1の端部から離間された成形要素の領域の上に備えてもよい。複数の返しもまた、遊走防止要素として使用されてもよい。いくつかの変形例では、遊走防止要素は、成形要素に沿って配置される、複数のフック、矢状、球状形状の要素、または他の形状の要素であってもよい。代替として、1つまたはそれを上回る遊走防止要素は、成形要素が、第1の方向において、組織を通して指向されることを可能にするが、第2の方向において、後方への組織を通した通過を防止するように構成されてもよい。
【0150】
本デバイスはさらに、力分散領域を第1の端部から離間された成形要素上に含み、成形要素と組織の非外傷性接触を提供してもよい。いくつかの変形例では、力分散領域は、力分散領域に隣接する成形要素を上回る、幅および/または表面積を有してもよい。力分散領域の幅は、約0.25mm~約2.5mmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、力分散領域幅は、約0.25mm、約0.50mm、約0.75mm、約1.0mm、約1.25mm、約1.5mm、約1.75mm、約2.0mm、約2.25mm、または約2.50mmであってもよい。いくつかの変形例では、力分散領域幅は、約0.50mm~約1.0mmに及んでもよい。組織の標的領域への成形要素の送達は、縫合技法を使用して、または伸長部材、例えば、送達デバイスの伸長部材を介して、遂行されてもよい。伸長部材は、標的組織領域にアクセスし、成形要素をその中に設置するために好適な任意の長さを有してもよい。いくつかの変形例では、伸長部材の長さは、約3.0cm~約10cmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、伸長部材の長さは、約3.0cm、約3.5cm、約4.0cm、約4.5cm、約5.0cm、約5.5cm、約6.0cm、約6.5cm、約7.0cm、約7.5cm、約8.0cm、約8.5cm、約9.0cm、約9.5cm、または約10cmであってもよい。
【0151】
伸長部材は、伸長部材の管腔からの成形要素の展開のための1つまたはそれを上回るポートを含んでもよい。1つの変形例では、伸長部材は、単一ポートを含む。別の変形例では、伸長部材は、2つのポートを含む。1つまたはそれを上回るポートは、遠位端の側壁上に位置してもよく、任意の好適なサイズおよび形状であってもよい。例えば、ポートは、円形、卵形、三角形、長方形、正方形、細隙状等であってもよい。1つの変形例では、本デバイスはさらに、管腔の中への導入のために定寸される、ガイド要素を含む。ガイド要素は、ガイド要素の先端を側面ポートから組織の中に指向するために、伸長部材に対して移動可能であってもよい。ガイド要素はまた、ガイド界面を含んでもよく、成形要素の第1の端部は、第1の端部が先端から展開可能であるように、ガイド界面と係合する。いくつかの変形例では、ガイド要素は、組織を通して穿通するように構成される、鋭的遠位先端で終端する、針を備える。他の変形例では、ガイド要素は、管腔を伴う、中空針を含んでもよい。ガイド要素の長さは、約3.0cm~約10cmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、伸長部材の長さは、約3.0cm、約3.5cm、約4.0cm、約4.5cm、約5.0cm、約5.5cm、約6.0cm、約6.5cm、約7.0cm、約7.5cm、約8.0cm、約8.5cm、約9.0cm、約9.5cm、または約10cmであってもよい。いくつかの変形例では、ガイド要素の長さは、約9.0cm~約11cmに及び、その中の全ての値および下位範囲を含む。
【0152】
伸長部材はさらに、伸長部材の近位端上に、ガイド要素の先端が伸長部材の遠位端内にある、近位位置と、ガイド要素の先端が側面ポートから延在する、遠位位置とから、ガイド要素を選択的に指向するためのアクチュエータを含んでもよい。1つの変形例では、ガイド要素の先端は、曲線形状に付勢され、先端を伸長部材の遠位端に対して側方に指向してもよい。別の変形例では、伸長部材は、撮像または可視化要素をその遠位端上に含む。例示的撮像および可視化要素は、限定ではないが、光ファイバ可視化デバイス、CCD、CMOS、または他のカメラを含む。さらなる変形例では、ハンドルが、伸長部材の近位端に提供され、成形要素を展開するための1つまたはそれを上回るアクチュエータを含んでもよい。
【0153】
別の変形例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、伸長部材に除去可能に結合される、針とを含んでもよい。成形要素がさらに、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するためにポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において第2の端部を組織に固着させるために針によって搬送される、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを備えるように含まれてもよい。
【0154】
対象の組織構造を成形するためのデバイスの他の変形例は、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、伸長部材に除去可能に結合される、針と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するためにポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において第2の端部を組織に固着させるために針によって搬送される、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0155】
なおもさらなる変形例では、対象の組織構造を成形するためのデバイスは、近位端、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する、管腔と、遠位端における第1のポートと、第1のポートの近位に位置する、第2のポートとを備える、伸長部材と、成形要素とを含んでもよい。成形要素は、組織構造に隣接する第1の場所において組織に係合するために第1のポートから展開可能である、第1の端部と、組織構造に隣接する第2の場所において組織に係合するために第2のポートから展開可能である、第2の端部と、張力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを備えてもよい。
【0156】
鼻組織の成形はさらに、鼻組織への1つまたはそれを上回る流体の送達によって補助されてもよい。これらの変形例では、張力要素は、鼻組織への流体の好適な送達のための導管、チャネル、または他の機構等の流体送達機構とともに構成されてもよい。本流体送達機構は、療法的または生理学的効果を達成するために、流体の通過を可能にし得る。例えば、流体送達機構は、凍結療法の目的のための低温ガスまたは液体を送達するために使用されてもよい。
【0157】
他の例示的デバイス
下記に説明されるものは、鼻組織の形状を改変するための張力要素を含む、デバイスである。張力要素(200)は、力、圧力、または張力を鼻組織に印加することによって、鼻組織を改変された状態に固着させるように機能する。いくつかの変形例では、張力要素は、可変の物理的性質を有する、例えば、可撓性または剛性形状を有する、非弾性または弾性材料から形成される、および/または異なる剛性および/または他の機械的性質の複数の区画を含んでもよい。張力要素のいくつかまたは全てが剛性である、変形例では、張力要素は、随意に、形状が、鼻組織内への固定の直前または直後に設定および維持されるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、形状は、患者または医師による所望に応じて、または組織形状において要求される改変を取得するために必要に応じて、修正可能であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、偏向されると、事前に設定された形状に向かって戻るような形状記憶または傾向を有する、張力要素のいくつかまたは全ての部分とともに構成されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素の大部分または全体が、可撓性であって、張力要素が定位置に固着されると、張力を鼻組織に付与してもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、直接、改変されるべき組織上に適用されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、改変されるべき鼻組織に隣接する、その深在にある、その表在にある、または両側にある組織に適用されてもよい。張力要素は、任意の好適なサイズ、形状、長さ、または幅であってもよい。
【0158】
いくつかの変形例では、張力要素は、可逆的または除去可能であるように構成される。そのような変形例では、張力要素は、鼻粘膜の上方にアクセス可能な少なくともある部分を有するように構成されることができる。アクセス可能部分は、具体的には、張力要素の遠位端に、張力要素の本体の対側の湾曲部の凹面表面上において、粘膜の上方に常駐するように構成される、固着部分を備えることができる。代替として、張力要素は、別のまたは付加的アクセス可能部分または複数の部分を含むように構成されることができる。アクセス可能部分は、具体的には、張力要素の残部が、固着部分を伴わずに、鼻組織から外に引動され得るように、鼻孔の中に挿入される鋏または解剖刀等によって、除去または回収されるように構成されることができる。代替として、アクセス可能部分は、別の好適な回収方法によって除去されるように構成されることができる。そのような可逆的または除去可能変形例では、張力要素は、鼻組織から容易に回収および除去され、手技が容易に可逆的となることを可能にすることができる。
【0159】
いくつかの変形例では、張力要素は、鼻中隔湾曲症を矯正するために使用される。この場合、張力要素は、優先的に、湾曲部の凸面曲線上の鼻中隔粘膜の真下に送達されてもよいが、また、鼻中隔粘膜の上方に設置されるように構成されてもよい。鼻中隔粘膜の真下に送達されると、送達デバイスが、張力要素の遠位端上に位置するT-締結具等の固着要素を鼻中隔軟骨に対して係留するために使用されてもよい。送達デバイスは、固着要素を展開するように設計される、例えば、ニチノール、ばね鋼鉄、および同等物から形成される、穿通特徴または他の機構を使用して、これを遂行してもよい。固着要素は、設置されると、対側鼻中隔粘膜の上方または下方に常駐してもよい。例えば、固着要素は、湾曲部の最遠位面に設置されてもよい。張力要素の近位端は、張力要素が鼻中隔を横断して対側鼻気道に通過されることを可能にする、穿通特徴を有してもよい。代替として、張力要素の近位端は、送達デバイス上の穿通特徴を経由して、鼻中隔を横断して通過されてもよい。遠位固着要素と張力要素の近位端との間には、張力要素の後方遊走を防止するように設計される、返し等の1つまたはそれを上回る固着要素が存在してもよい。1つまたはそれを上回る近位固着要素は、張力要素が鼻中隔湾曲症を徐々に矯正することを可能にするように設計されてもよい。例えば、張力要素の長さに沿った返しが、所望の矯正が達成されるまで、鼻中隔軟骨を通して徐々に引動され得る。
【0160】
いくつかの変形例では、張力要素を用いた鼻中隔湾曲症の矯正のために使用されるデバイスは、鼻中隔軟骨を有意に虚弱させずに、その構造完全性を維持するように設計されてもよい。
【0161】
図6に示されるように、いくつかの変形例では、張力要素は、1つまたはそれを上回る固着部分(210)を一端または両端に含有してもよい。随意に、張力要素は、加えて、または代替として、1つまたはそれを上回る遊走防止要素(220)または1つまたはそれを上回る力分散領域(230)を有してもよい。遊走防止要素はそれぞれ、返し、ラチェット、突出部、または任意の他の好適な構成の形状をとり、張力要素の遊走を防止する、例えば、要素が第1の方向に組織を通して導入されることを可能にしながら、要素が後方に組織を通して引動されないように防止してもよい。固着部分または複数の部分(210)は、主に、鼻組織を通した張力要素の遊走に抵抗するように機能し、T-締結具、X形状の締結具、拡張可能アンカ、ボタン、形状保定構造物、返し、複数の返し、または移動に抵抗するための任意の他の好適な構造と同様に構成されてもよい。いくつかの変形例では、固着部分は、張力または位置調節可能であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、固着部分を伴わずに構成されてもよい。固着部分は、張力要素の隣接する部分と同一材料または複数の材料から作製されてもよい、または異なる材料または複数の材料から構築されてもよい。随意の遊走防止要素(220)は、1つまたはそれを上回る返しとして構成されてもよく、平行または渦巻パターンにおいて、もしくは張力要素を固着させるために好適な任意の配列において、配列されてもよい。いくつかの変形例では、そのような返しは、固定または可変サイズを有してもよく、固定または可変材料または複数の材料から成ってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、返しを一端に含んでもよく、他の変形例では、張力要素は、返しを複数の領域に沿って含んでもよく、他の変形例では、張力要素の全てが、返しを含んでもよい、またはいずれも、返しを含まなくてもよい。力分散領域(230)は、主に、表面積を増加させ、圧力を鼻組織を横断して分散させるように機能する。力分散領域は、固定または可変長であってもよく、固定または可変位置を張力要素上に有してもよい。例えば、いくつかの変形例では、力分散領域は、張力要素に対して定位置に固定されてもよい、または張力要素上で、そこから外れて、それに沿って、またはその周囲において、摺動してもよい。力分散領域は、張力要素の隣接する部分と同一材料または複数の材料から成ってもよい、または異なる材料または複数の材料から成ってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、1つの力分散領域を含有する。他の変形例では、張力要素は、いかなる力分散領域も含有しない、または複数の力分散領域を含有する。いくつかの変形例では、張力要素は、張力要素のいずれの端部にも針を有しない、またはその1つまたは複数の端部に針を有してもよい。いくつかの変形例では、針または複数の針は、平坦または曲線であってもよい。針または複数の針は、任意の好適な材料から作製され、張力要素が組織を通して通過されることを可能にしてもよい。
【0162】
いくつかの変形例では、張力要素は、中実であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、多孔性または非多孔性であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、組織再成長を助長する、または血餅形成を防止するように構成されてもよい。張力要素は、随意に、生理学的性質を改変するために好適な官能剤でコーティングされる、それに接合される、それで含浸される、または別様に、それを放出するように設計されてもよい。官能剤は、抗生物質剤、抗炎症剤、成長助長剤、止血剤、血餅防止剤、鎮痛剤、または療法効果を達成するための任意の好適な薬物、分子、もしくは化合物等の療法剤として構成されてもよい。
【0163】
張力要素は、部分的または完全に、鼻粘膜(110)の真下に固着されてもよい、または鼻気道内に暴露されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、単一材料から製造されてもよい、または複数の材料から成る複合材料から成ってもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、モノフィラメントまたは縫合糸状構造を有してもよい。他の変形例では、張力要素は、ロッド状構造、編組構造、織布構造、平坦構造、または所望の機械的性質を提供するために好適な任意の他の構造を有してもよい。いくつかの変形例では、張力要素の全てまたはある構成要素は、分解可能、吸収可能、再吸収可能、生分解性、または生体吸収性であってもよい。そのような変形例は、LPLA(ポリ(L-乳酸)、DLPLA(ポリ(DL-乳酸)、LDLPLA(ポリ(DL-乳酸-co-L-乳酸)、LPLA-HA(ヒドロキシアパタイトを伴うポリ(L-乳酸)、PGA(ポリ(グリコリド)、PGA-TMC(ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)またはポリグリコネート)、PDO(ポリ(ジオキサノン)、LPLG(ポリ(L-乳酸-co-グリコリド)、DLPLG(ポリ(DL-乳酸-co-グリコリド)、これらまたは他の好適なポリマーのいずれかのコポリマー、または任意の他の好適な材料から成る、構成要素を含んでもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、非生分解性または非生体吸収性もしくは後の時点で除去可能であってもよい。他の変形例では、張力要素は、恒久的であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素の少なくとも一部は、設置後、張力要素の一端の過剰部分を裁断すること等によって修正されてもよい。
【0164】
いくつかの変形例では、張力要素は、特に、吸収可能ポリマーを使用して、粘膜下に展開されると、リモデリング応答を標的組織内に誘発し得る。鼻軟骨が標的組織である、いくつかの変形例では、本リモデリング応答は、第1に、いくつかの非吸収可能インプラントの埋込後に報告されるような圧力壊死を防止し、第2に、軟骨細胞栄養を可能にするように機能する、仮性被膜の形成を含んでもよい。仮性被膜は、組織学的視点から、張力要素の真下の軟骨が完全に不変のままであることを可能にし得る。いくつかの変形例では、張力要素はまた、仮性被膜または張力要素の境界において、新しい軟骨芽細胞の動員または形成および新しい軟骨の堆積を誘発し得る。いくつかの変形例では、本リモデリングプロセスは、5~25週間以内に生じるように最適化されてもよい。いくつかの変形例では、プロセスは、軟骨欠損の境界に沿って軟骨芽細胞および新しい軟骨成長が、約5週間後に生じ、張力要素の吸収が、約8~12週間後に認められ、約25週間以内に完全吸収されるようにさらに最適化されてもよい。
【0165】
図7に示されるように、いくつかの変形例では、力分散領域(230)は、力分散領域が送達要素内で圧縮されることが可能であるように、中実、メッシュ状、または他の好適な構成を有してもよい。例えば、
図7に示されるように、力分散領域(230)は、随意に、送達ツールの伸長シャフト(330)内に転動されるように構成されてもよい。
【0166】
図8に示されるように、いくつかの変形例では、張力要素(200)は、相互作用機構(250)を含有し得る、少なくとも2つの複数の構成要素(202)として構成されてもよい。相互作用機構は、主に、調節可能様式において、相対的位置を伴って、複数の構成要素を固着させるように機能する。いくつかの変形例では、相互作用機構は、ジッパ、リンググリップ、締着具、留め金、ウェビングバックルバックル、または圧力グリップ等の捕捉機構として構成されてもよい。いくつかの変形例では、相互作用機構は、ボタン、タングバックル、またはスナップバックル等の係止機構として構成されてもよい。いくつかの変形例では、相互作用機構は、ピン留め機構、接着機構として、または複数の構成要素の相対的運動に抵抗するための任意の他の好適な構成において構成されてもよい。いくつかの変形例では、相互作用機構は、恒久的に設定されてもよい。いくつかの変形例では、相互作用機構は、経時的または異なる時間において調節可能であってもよい。いくつかの変形例では、複数の構成要素は、位置固着または移動抵抗要素または複数の要素を用いて、非相互作用端上に固着される。いくつかの変形例では、複数の構成要素は、1つの張力要素として接続されるが、各構成要素の相対的位置は、相互作用機構を介して、調節可能および固着可能であってもよい。
【0167】
いくつかの変形例では、張力要素は、張力要素がエネルギーを鼻組織に送達することを可能にする、1つまたはそれを上回る恒久的または一時的電極、加熱要素、または他のエネルギー送達機構等のエネルギー送達要素を装備してもよい。エネルギー送達機構は、熱、電気電流、または任意の好適な形態のエネルギーの印加によって、鼻組織の再成形またはリモデリングを増強させるために使用されてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、エネルギーが印加された後、除去されてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、張力要素とともに埋め込まれてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、生体吸収性または生分解性であってもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、直接、張力要素に取り付けられる。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、張力要素に隣接して据え付けられる。
【0168】
いくつかの変形例では、張力要素は、上記に記載されるように、鼻組織への流体の好適な送達のための導管、チャネル、または他の機構等の流体送達機構とともに構成されてもよい。本流体送達機構は、療法的または生理学的効果を達成するために、流体の通過を可能にし得る。例えば、流体送達機構は、凍結療法の目的のための低温ガスまたは液体を送達するために使用されてもよい。
【0169】
いくつかの変形例では、張力要素は、組織リモデリングを誘発し得る。いくつかの変形例では、張力要素は、組織リモデリングを誘発するために十分なある期間にわたって、鼻組織の形状を維持してもよい。他の変形例では、張力要素は、組織リモデリングを誘発するために十分なある期間にわたって、鼻組織上に作用する力を維持してもよい。
【0170】
図9に示されるように、張力要素(200)は、随意に、張力要素の張力、圧力、または位置を改変し得る、調節可能固着要素(252)を有してもよい。随意に、複数の調節可能固着要素が、張力要素(図示せず)上に、例えば、最初に、張力要素の各端部に隣接して、提供されてもよい。いくつかの変形例では、調節可能固着要素は、円錐内ボール形ラチェット機構を使用する。1つの変形例では、張力要素は、その長さに沿って位置付けられる、1つまたはそれを上回る膨隆部、突出部、球形、または結節(250)を有する。これらの突出部は、最初に、調節可能固着要素(252)の膨張された端部を通して、次いで、調節可能固着要素の狭窄された端部を通して、通過するように設計される。突出部(250)および調節可能固着要素(252)相互作用は、張力要素の後退を防止し、および/または圧力印加を増強させるように、一方向方式において、張力要素が徐々に緊締または短縮されることを可能にし得る。1つの変形例では、これらの突出部は、球状形状である。別の変形例では、調節可能固着要素(252)は、可逆的構成を有し、突出部(250)が後方に調節可能固着要素を通して後退されることを可能にしてもよい。突出部(250)および調節可能固着要素(252)は、張力要素(200)と同一または異なる材料から作製されてもよい。
【0171】
図10に示されるように、いくつかの変形例では、調節可能固着要素(258)は、張力要素の長さに沿って位置付けられる、リブまたはフィン(256)と相互作用し、一方向方式において、調節可能固着要素(258)を通して前進されるように設計される。別の変形例では、調節可能固着要素(258)は、張力要素が逆方向に引動されることを可能にするように改変されてもよい。リブ(256)および調節可能固着要素(258)は、張力要素(200)と同一または異なる材料から作製されてもよい。リブは、張力要素の縦軸に対して平行、直交、または斜めに配向されてもよい。張力要素および調節可能固着要素は、同一または異なるデバイスによって展開されてもよい。
【0172】
いくつかの変形例では、複数の張力要素は、取外可能要素(260)を用いて、ともに保持されてもよい。取外可能要素(260)は、送達デバイスの中に装填するために、複数の反復張力要素がともに保持されることを可能にするように設計される。取外可能要素は、ポリマー、金属、複合材、合金、または任意の好適な材料から作製され、意図される機能性を可能にしてもよい。別の変形例では、複数の張力要素は、カートリッジ内にともに保持されてもよい。別の変形例では、複数の張力要素は、複数の張力要素が、個々にまたは同時にのいずれかにおいて、送達デバイスの展開機構を介して送達されることを可能にする、シートまたは任意の他の構成にともに保持されてもよい。
【0173】
図12および13に目を向けると、送達デバイス(300)の例示的変形例が、鼻組織の形状を改変するための張力要素を送達するように構成され、本体(310)と、少なくとも1つの作用機構(320)と、伸長シャフト(330)と、随意の先端(340)とを含むように示される。いくつかの変形例では、展開デバイス(300)は、伸長または「ピストルグリップ」形状の本体(320)を有してもよい(
図13)。いくつかの変形例では、少なくとも1つの作用機構(320)は、展開デバイスの前、後、上方、下方、または側方側面上にあってもよい。作用機構は、トリガ、ボタン、レバー、アーム、または所望の機能を達成するために好適な任意の代替構造であってもよい。いくつかの変形例では、随意の先端(340)は、鈍的または鋭的であってもよい。いくつかの変形例では、先端(340)は、伸長シャフト(330)と平行である、またはそれに対してある角度で配向されてもよい。いくつかの変形例では、伸長シャフト(330)および/または先端(340)は、張力要素と、鼻組織を通して、その上に、またはそれに隣接して、張力要素を送達するための設置機構とを格納する。
【0174】
図14に示されるように、いくつかの変形例では、伸長シャフト(330)は、デバイス(310)の本体への取付またはそこからの除去のための取付部位(332)を含んでもよい。そのような変形例では、本デバイスは、本デバイスの本体上の同一取付部位を使用して、種々のアタッチメントを利用するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、これは、伸長シャフトが同一構成を伴う別の同じ伸長シャフトと置換されることを可能にするであろう。例えば、伸長シャフトが1つのみの張力要素を含む、場合では、同一手技全体を通して、複数の伸長シャフトを使用する必要があり得る。異なるアタッチメントは、同一一次機能ならびに異なるサイズおよび形状とともに構成されてもよい、または代替機能とともに構成されてもよい。いくつかの変形例では、本デバイスの本体は、複数の取付部位とともに構成されてもよい。
【0175】
いくつかの変形例では、送達デバイスは、組織形状改変の範囲、例えば、鼻中隔湾曲症矯正の範囲を判定することを可能にするように構成されてもよい。1つの変形例では、形状変化の範囲は、鼻気道直径の視診によって判定される。別の変形例では、送達デバイスは、力を測定するように構成される。例えば、送達デバイスは、張力要素の長さに沿って、張力を測定するように構成されてもよい。
【0176】
図15に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、伸長シャフト(330)の鈍的先端(340)を含んでもよい。本変形例では、伸長シャフトは、随意に、鼻組織の形状を改変するために使用されるべき少なくとも1つの張力要素(200)を格納してもよい。伸長シャフトは、伸長シャフトの側面上において、伸長シャフトに対する張力要素の側方または直交展開を可能にする、随意の開口部(350)を有してもよい。別の変形例では、張力要素の送達のための開口部(350)が、その先端(340)における伸長シャフトの遠位端に位置し、シャフトに対する張力要素の平行または斜め送達を可能にしてもよい。いくつかの変形例では、送達デバイス(300)は、複数のブレースのカートリッジ、シート、または任意の他の好適な構成を介して、1つを上回る張力要素を受け取るように構成されてもよい。送達デバイスが鼻中隔(100)の形状を改変するために使用される、変形例では、送達デバイスの先端(340)は、中隔粘膜(110)の真下に挿入され、所望の位置に前進されてもよい。この場合、先端は、中隔粘膜の真下の先端の位置を追跡するために使用され得る、可視化要素を含有してもよい。いったん設置の所望の部位に来ると、送達デバイスは、アクティブ化され、少なくとも1つの張力要素の少なくとも1つの固着要素を設置してもよい。他の場合には、送達デバイスは、少なくとも1つの張力要素の少なくとも1つの固着要素の設置のために、アクティブ化の前に、鼻中隔粘膜の上方に位置付けられてもよい。
【0177】
図16に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、随意の可視化要素(342)を随意の先端(340)上に含んでもよい。可視化要素は、主に、それが鼻粘膜(110)の真下にある間、デバイスを位置付けることを補助するように機能する。可視化要素は、LED、磁気構成要素、電子送信機、または受信機として構成されてもよい、または粘膜の真下の位置特定のために好適な任意の他の材料として構成されてもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスの先端は、フィン(344)を含んでもよい。フィンは、主に、それが鼻粘膜(110)の真下にある間、上層粘膜を変位させ、デバイスを位置付けることを補助するように機能する。フィンは、一時的に展開し、または形状を変化させ、上層粘膜の過渡変位を可能にするように構成されてもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスの伸長シャフトまたは先端は、長さが調節可能であってもよい。これは、伸縮自在機構、摺動機構、または任意の他の好適な機構を介して遂行され、伸長シャフトまたは先端の長さを改変してもよい。他の変形例では、伸長シャフトまたは先端は、調節可能直径を有してもよい。伸長シャフトまたは先端はまた、可鍛性または形状調節可能であってもよい。伸長シャフトまたは先端はまた、その長軸に沿って回転することが可能であってもよい。伸長シャフトまたは先端はまた、吸引要素を装備し、流体の吸入を可能にしてもよい。伸長シャフトまたは先端はまた、内視鏡を保持または受容するように装備してもよい。伸長シャフトまたは先端はまた、ライトを装備し、向上された可視化を可能にしてもよい。先端(340)は、鼻気道および/または粘膜下空間内における非外傷性操縦を可能にするための任意の好適な形状であってもよい。例えば、先端は、円筒形または平坦であってもよい。これは、代替として、シャベルまたはスコップ先端等の非対称構成を有してもよい。いくつかの変形例では、先端はまた、切断縁を含むように構成されてもよい。切断縁は、後退可能または固定されるように構成されてもよく、鼻組織の中への先端の導入、鼻組織の分離を促進する、または別様に、本デバイスの位置付けを補助するために使用されることができる。
【0178】
図17に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、張力要素の設置を可能にする、設置機構(360)(送達または展開機構としても知られる)を有する。設置機構は、随意に、伸長シャフト(350)内の開口部から外に延在し、鼻組織を穿刺または別様に横断するように設計されてもよい。そのような開口部は、先端の遠位端に、または伸長シャフトの側面上に、または任意の他の好適な位置に設置され、張力要素の最適設置を可能にしてもよい。設置機構(360)は、送達デバイス(310)上に位置する、作用機構によってアクティブ化されてもよい。いくつかの変形例では、設置機構は、先鋭または鋭的であってもよい。いくつかの変形例では、設置機構は、弧または鼻組織に穿通または交差する所望の機能のために適切な他の好適な形状を有してもよい。随意に、設置機構は、エネルギー送達要素を装備し、組織穿通を促進してもよい。随意に、設置機構(360)は、内側カニューレを有してもよく、これは、張力要素(200)を格納する。他の変形例では、張力要素は、別様に、設置機構の外側部分に固着されてもよい。いったんアクティブ化されると、設置機構(360)は、張力要素(200)の所望の端部を駆出または別様に解放してもよい。いったんその作用機構を解放する手段によってアクティブ化解除されると、設置機構(360)は、後方に開口部(350)を通して、伸長シャフト(330)の筐体の中に後退し得る。
【0179】
図18に示されるように、送達デバイスの1つの変形例は、設置機構(360)とともに構成され、張力要素(200)の遠位端において、鼻中隔粘膜(110)の真下かつ鼻中隔軟骨(100)を横断して、固着要素(210)の第1の設置を可能にし、その後、張力要素の近位端において、固着要素または遊走防止要素(220)の第2の設置が続く。いくつかの変形例では、設置機構(360)は、現在または次の張力要素の次の所望の面を捕捉することが可能であるように、再装填作用を有する。いくつかの変形例では、設置機構(360)は、複数の張力要素のカートリッジ、シート、または他の好適な構成から給送される、付加的張力要素を再装填するように設計される。
【0180】
図19に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスの1つの変形例は、張力要素の第1の端部を捕捉する、設置機構(360)を有する。アクティブ化機構(320)が、設置機構が、鼻組織に穿通または別様に交差し、続いて、張力要素の第1の端部を駆出するように、設置機構(360)を押し出すために使用されてもよい。いったん作用機構を解放する手段によってアクティブ化解除されると、設置機構(360)は、後方に開口部(350)を通して、先端(340)および/または伸長シャフト(330)の筐体の中に後退し得る。いくつかの変形例では、設置機構は、それが第1の端部と異なる場所に設置され得るように、張力要素の第2の端部(220)を捕捉するように設計されるであろう。
【0181】
図20に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスの1つの変形例は、設置機構に付加的張力要素(200)の付加的端部を再装填することが可能である、再装填要素(332)を伴う、設置機構(360)を有する。本機能は、ユーザが、付加的張力要素をデバイスの中に挿入する必要なく、単一デバイスを用いて、複数の張力要素を設置することを可能にする。張力要素の第1の端部の駆出後、再装填機構(352)は、現在の張力要素の第2の端部または次の張力要素の第1の端部を設置機構の中に装填するように機能する。再装填機構は、ばね、プッシュロッド、または意図される目的を可能にするための任意の好適な構成を含んでもよい。
【0182】
図21に示されるように、設置要素(360)の1つの変形例は、再装填機構(332)によって、張力要素(210または220)の次の所望の端部の再装填を促進する、受容特徴(362)を有してもよい。本特徴は、それが張力要素を設置機構(360)上に一時的に固着させるように、張力要素の端部のいずれかと相互作用するように設計される。
【0183】
図22に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例では、本デバイスは、複数の設置機構(360)とともに構成されてもよい。そのような変形例では、設置機構は、同時または順番に、1つまたはそれを上回る張力要素の複数の固着要素を展開するように構成されてもよい、または同時または順番に、単一張力要素の複数の区分を展開するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、複数の設置機構を利用することによって、本デバイスは、張力要素を最終固着位置に適用するように構成されてもよく、その初期展開後、張力要素を固着させる必要性を低減させてもよい。随意の複数の設置機構は、伸長シャフトまたは先端の長さに沿って連続して、または伸長シャフトまたは先端に沿って具体的長さにおいて相互に隣接してのいずれかにおいて、位置してもよい。
【0184】
図23に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、可視化器具(370)および/またはアクチュエータアーム(380)を伸長シャフト(330)内に含んでもよい。可視化要素は、主に、可視化を補助するように機能し、可撓性または剛性のいずれかである、使い捨てまたは再使用可能内視鏡、光ファイバ可視化デバイス、CCD、CMOS、または他のカメラ、もしくは任意の別の他の好適な撮像または可視化モダリティとして構成されてもよい。可視化器具は、有線接続とともに構成されてもよい、または無線であってもよい。いくつかの変形例では、可視化器具は、デバイス内に含まれ、他の変形例では、本デバイスは、使用に先立って挿入され、後に除去され得る、標準的寸法の外部または別個の可視化器具を格納するように構成される。随意に、可視化器具は、鼻組織内の可視化のために構成される、調節可能レンズ(372)を含んでもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスは、伸長シャフト(330)内から延在し得る、アクチュエータアーム(380)を含んでもよい。アクチュエータアームは、伸長シャフトと平行に延在してもよい、または関節または軸を有し、付加的位置自由度を可能にしてもよい。アクチュエータアームは、開口部(382)を含み、張力要素(200)の展開を促進してもよい。
【0185】
図24に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、張力要素(200)を調節するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本デバイスは、主に、形状を張力要素を用いて固着させる前に、鼻組織を所望の改変された形状に機械的に操作するように機能する、機械的要素(400)を含んでもよい。いくつかの変形例では、機械的要素は、取付部位(410)を介して、デバイス(310)の本体に取付可能であってもよい。いくつかの変形例では、機械的要素は、感知モダリティ(420)を組み込み、所望の形状への鼻組織の改変を促進してもよい。例示的変形例では、感知モダリティまたは複数のモダリティは、限定ではないが、圧力センサ、加速度計、力メートル、角度センサ、傾斜センサ、距離センサ、または鼻組織の形状を査定するために好適な任意の他の感知モダリティを含む、センサから選択されてもよい。いくつかの変形例では、本デバイスは、緊締機構(500)を含んでもよい。いくつかの変形例では、緊締機構は、取付部位(510)を介して、主要本体(310)に取り付けられる。緊締機構は、主に、張力要素(200)をその初期展開から最終位置に固着させるように機能する。随意に、緊締機構は、それが制御された方式において緊締され得るように、張力要素を本デバイスに固着させるように機能する、係止機構(520)を含んでもよい。他の変形例では、緊締機構は、適用可能なセンサから得られる測定値に対して、緊締の率、強度、速さ、または他の測定可能側面を調節する、センサフィードバックデバイスを有する。例えば、1つの変形例では、緊締要素は、本センサからの出力に基づいて緊締を変調させる、力または張力計を有してもよい。いくつかの変形例では、緊締は、いったんある閾値がそのようなセンサによって検出されると、停止してもよい。
【0186】
図25に示されるように、鼻組織の形状を改変するための送達デバイスのいくつかの変形例は、鼻中隔を改変するために具体的に構成されてもよく、中隔の両側上に左右対称に展開されるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本デバイスは、複数の伸長シャフト(330)を含んでもよい。いくつかの変形例では、伸長シャフトの相対的位置は、1つまたはそれを上回る調節可能機構(334)を介して調節されてもよい。調節可能機構は、鼻中隔軟骨を横断したブレースの展開のために、本デバイスを位置付けるために、伸長シャフトの位置を操作するように機能し得る。調節可能機構はまた、ブレースを固着させる前に、力を鼻中隔軟骨または鼻骨に印加し、形状を少なくとも一時的に改変するように機能し得る。本デバイスは、展開機構(360)を含んでもよい。いくつかの変形例では、展開機構は、
図26に示されるように、ブレースを伸長シャフト間および鼻中隔軟骨を横断して通過させるように構成される。
【0187】
図27に示されるように、張力要素のいくつかの変形例は、張力要素(200)の本体に対して拡大遠位端(240)を有する。遠位端は、限定ではないが、円形、球状、半球、長方形、x形状、渦巻、および同等物を含む、任意の形状であってもよい。これは、固着要素(210)と界面接触するように、例えば、玉継手構造として設計されてもよい。いくつかの変形例では、固着要素は、張力要素に対して任意の面内で移動する。
図27に示される特定の変形例では、固着要素は、張力要素の長軸に沿って摺動する、長方形構造である。
【0188】
図28に示されるように、いくつかの変形例では、固着要素は、組織に引っ掛かり、着要素を回転させる、位置を変化させる、または形状を変化させるように設計される、組織相互作用特徴(250)を有してもよい。例えば、
図28に示されるものは、固着特徴が、固着特徴の端部がフィンを含有する端部に対向する状態で、組織を通して通過されると、フィンが、組織を通して通過することを可能にされるが、後方に通過しないように、三角形形状である、フィン特徴である。いくつかの変形例では、固着要素は、固着要素が、受動的または能動的にのいずれかにおいて、送達デバイスの設置機構から変位されるように、送達デバイスの設置機構と界面接触するように設計されてもよい。
【0189】
図29に示されるように、送達デバイスのいくつかの変形例は、組織を少なくとも一時的に移動させるように設計される、拡張可能組織変位特徴(370)を含んでもよい。そのような拡張可能組織変位特徴の一実施例は、鼻組織を所望の形状に少なくとも一時的に破砕または操作するように設計される、膨張可能バルーンであるであろう。
【0190】
図30に示されるように、送達デバイスのいくつかの変形例は、組織切断特徴(382)を含んでもよい。いくつかの変形例では、本組織切断特徴は、切断特徴が、送達デバイスが1つの方向に移動されるとき、組織と係合しないが、送達デバイスが別の方向に移動されるとき、組織と係合するように、展開可能、拡張可能、調節可能、剛性、および/または可撓性筐体(380)内に格納されてもよい。
【0191】
図31に示されるように、送達デバイスのいくつかの変形例は、組織退縮特徴(390)を含む。1つの変形例では、組織退縮特徴は、組織を研磨または磨鑢するように設計される、モータ式回転穴ぐり器であってもよい。送達デバイスは、バッテリまたはモータのための筐体を含んでもよく、組織退縮特徴をオンまたはオフにするように設計される、ボタンまたはスイッチを有してもよい。
【0192】
図32および33に示されるように、デバイスのいくつかの変形例は、付属組織切断器具(400)を含んでもよい。いくつかの変形例では、本組織切断器具は、組織切断特徴(412)を含み、これは、切断特徴が、切断器具が1つの方向に移動されるとき、組織と係合しないが、切断器具が別の方向に移動されるとき、組織と係合するように、展開可能、拡張可能、調節可能、剛性、または可撓性筐体(410)内に格納されてもよい。
【0193】
図34に示されるように、付属組織切断器具のいくつかの変形例は、器具が、その第1の位置では、組織を通して穿刺することが可能であるが、その第2の位置にあるとき、後方にそれを通して引動しないように、第1の位置から第2の位置に変化する、回転可能または拡張可能ヘッド特徴(414)を含む。
【0194】
図35に示されるように、デバイスのいくつかの変形例は、付属組織退縮器具(500)を含む。1つの変形例では、組織退縮器具は、本体と、伸長シャフト(510)と、組織退縮特徴(520)とを有する。いくつかの変形例では、組織退縮特徴は、組織退縮特徴が、手動で移動されると、組織を磨鑢することを可能にする、隆起、リブ、または他の特徴を含む。他の変形例では、組織退縮特徴は、組織を研磨または磨鑢するように設計される、モータ式回転穴ぐり器であってもよい。組織退縮器具は、バッテリまたはモータのための筐体を含んでもよく、組織退縮特徴をオンまたはオフにするように設計される、ボタンまたはスイッチを有してもよい。
【0195】
図36に示されるように、デバイスのいくつかの変形例は、付属組織変位器具(600)を含んでもよい。本器具は、伸長シャフトと、移動、回転、拡張、または別様にアクティブ化されると、組織を少なくとも一時的に変位させることが可能である、ヘッド(610)とを有してもよい。1つの変形例では、本組織変位器具は、組織が伸長シャフトから少なくとも一時的に離れるように変位されるように、器具が伸長シャフトの軸を中心として回転されると、ヘッドもまた回転するように設計されてもよい。骨鼻中隔の湾曲に続発する、鼻中隔湾曲症の場合、これは、それをより直線化された構造に向かって移動させるように、骨中隔の内向き破砕を伴ってもよい。鼻中隔湾曲症の場合、本器具は、鼻中隔粘膜の上方または下方に設置されてもよい。
【0196】
図37および38に示されるように、デバイスのいくつかの変形例は、スイッチ、ノブ、ボタン、膨張ポンプ、または伸長シャフトの第2の端部(810)または伸長シャフトの本体(820)に沿ってのいずれかに設置された他の好適な機構等のアクティブ化機構によって展開されると、組織が少なくとも一時的に変位されるように、第1の位置から第2の位置に変化する、伸長シャフト(800)の一端に拡張可能または展開可能ヘッド(812)を伴う、組織変位器具を含む。
【0197】
図39に示されるように、組織変位器具のいくつかの変形例は、管または伸長シャフト(710)によって外部拡張アクティブ化要素(720)に接続される、内部バルーンまたは拡張可能要素(700)を含む。
【0198】
図40に示されるように、デバイスのいくつかの変形例は、組織を改変された形状(1000)に保持するように設計される、組織保定要素を含む。本組織保定要素はまた、副木またはステントとして知られ得る。いくつかの変形例では、本組織保定要素は、湾曲された鼻中隔軟骨(100)を直線化するように設計されてもよい。本組織保定要素は、粘膜の上方または下方に設置されてもよい。これは、湾曲部の凹面または凸面側上に設置されてもよい。これは、組織保定要素が、力を印加する、または組織に接続されたままであることを可能にする、1つまたはそれを上回る組織係合特徴(10)を含んでもよい。組織保定要素は、吸収性または非吸収性であってもよい。
【0199】
図41に示されるように、送達デバイスのいくつかの変形例は、送達デバイスの遠位端が組織平面内を横断することを可能にする、組織分離要素(332)を含む。
【0200】
図42に示されるように、送達デバイスのいくつかの変形例は、それが組織保定要素を送達デバイスに対してある位置に保持するように、送達デバイスの伸長シャフト(330)または本体(310)のいずれかに接続する、整合特徴(1110)を含む。
【0201】
方法
対象内の組織を操作するための方法もまた、本明細書に説明される。本方法は、概して、張力要素を組織に固着させるステップを含んでもよく、張力要素は、近位端および遠位端を有する、伸長本体と、張力要素遠位端における、遠位アンカとを備える。いくつかの変形例では、張力要素の遠位端は、アンカ送達要素を用いて、組織を通して指向されてもよい。遠位アンカは、アンカ本体と、枢動点と、挿入構成と、展開構成とを含んでもよい。張力要素を組織に固着させた後、力が、伸長本体に印加され、枢動点において、遠位アンカを挿入構成から展開構成に旋回させてもよい。組織を操作するために適切な力が、次いで、張力要素の張力を調整することによって調節されてもよい。
【0202】
張力要素の伸長本体の近位および遠位端は、同一組織に固着されてもよい。代替として、伸長本体の近位および遠位端は、異なる組織に固着されてもよい。組織は、鼻組織、喉組織、または耳組織であってもよい。例示的鼻組織は、限定ではないが、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、または鼻甲介を含む。例示的喉組織は、限定ではないが、口蓋垂、軟口蓋、および扁桃腺を含む。耳組織の非限定的実施例は、耳輪の軟骨、対耳輪、耳珠、対珠、対輪上脚、三角窩、甲介、および耳垂の結合組織を含む。
【0203】
本明細書に説明される方法は、種々の病状を治療し、種々の組織を操作するために使用されてもよい。例えば、張力要素による組織の操作は、鼻中隔湾曲症、外側鼻弁圧潰、および鼻気道閉塞の他の原因を治療するために使用されてもよい。加えて、組織の操作は、中鼻甲介を内方化させる、下鼻甲介を圧縮または外方化させる、または鼻粘膜を再接近させるために使用されてもよい。さらに、張力要素による組織の操作は、種々の組織の形状を改変してもよい。例えば、鼻組織、喉組織、または耳組織の形状が、改変されてもよい。組織が、鼻組織であるとき、組織は、外側軟骨、翼状軟骨、耳小柱、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、組織の操作は、鼻組織、喉組織、または耳組織の堅性または剛性を増加させるために使用されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、低侵襲性フェイスリフト手技において採用されてもよい。
【0204】
本方法は、
図68A-68Eに示されるように、鼻中隔を成形するために使用されてもよい。湾曲された鼻中隔(83)は、
図68Cに図示される。
図68A-68Eを参照すると、湾曲された鼻中隔(83)を成形するための方法は、第1の場所(89)において、展開デバイス(81)の送達カニューレ(80)を鼻孔(82)の中に鼻中隔(83)を通して挿入するステップと、遠位アンカ(86)を鼻軟骨(91)の中に固着させるステップと、張力要素(84)を送達カニューレ(80)から展開するステップとを含んでもよい。張力要素(84)の近位端(87)は、次いで、第2の場所(90)において、鼻中隔(83)を通して通過されてもよい。力が、張力要素(84)の近位端(87)に印加されてもよく、これは、
図68Dに示されるように、組織を直線化することによって、内方力を湾曲された鼻中隔(83)に対して生成し、組織を成形し得る。付加的内方力が、外科医が、器具(88)を使用して、鼻中隔(83)を直線化することによって、印加されてもよい。いったん所望の量の成形が、達成されると、張力要素(84)上の力は、張力要素(84)の近位端(87)を第2の場所(90)の近傍の鼻中隔(83)または鼻軟骨(91)に固着させることによって保持され得る。
【0205】
図57A-57Cに示されるように、本明細書に説明されるデバイスは、中鼻甲介を内方化させるために使用されてもよい。
図57Aを参照すると、本方法は、張力要素(8000)の遠位アンカ(8001)を鼻中隔軟骨(8002)の中に挿入するステップと、張力要素を中鼻甲介(8004)の周囲に巻着するステップと、力を張力要素に印加し、中鼻甲介(8004)を鼻中隔軟骨(8002)に向かって内方に引動させるステップと、張力要素(8000)の近位端を鼻中隔軟骨(8002)に固着させることによって、中鼻甲介の内方位置を維持するステップとを含んでもよい。張力要素の近位端を固着させるステップは、任意の好適な方法によって遂行されてもよい。1つの変形例では、近位端を鼻中隔軟骨に縫合するステップは、それが中鼻甲介を内方化させるために必要とされる力を維持するように、張力要素を固着させる。代替として、
図57Bに示されるように、中鼻甲介を内方化させるための方法は、張力要素(8000)の遠位アンカ(8001)を中鼻甲介(8004)の中に挿入するステップと、力を張力要素(8000)に印加し、中鼻甲介(8004)を鼻中隔軟骨(8002)に向かって内方に引動させるステップと、張力要素(8000)の近位端を鼻中隔軟骨(8002)に固着させることによって、中鼻甲介(8004)の内方位置を維持するステップとを伴ってもよい。張力要素の近位端を固着させるステップは、任意の好適な方法によって遂行されてもよい。上記に記載されるように、近位端を鼻中隔軟骨に縫合するステップは、それが中鼻甲介を内方化させるために必要とされる力を維持するように、張力要素を固着させる。なおもさらなる変形例では、
図57Cに示されるように、中鼻甲介を内方化させるための方法は、張力要素(8000)の遠位アンカ(8001)を鼻中隔軟骨(8002)の中に挿入するステップと、張力要素(8000)の近位端を中鼻甲介(8004)を通して通過させるステップと、張力要素(8000)の近位端を中鼻甲介(8004)に固着させることによって、中鼻甲介(8004)を内方化された位置に固着させるステップとを含んでもよい。
【0206】
図58A-58Dに示されるように、下鼻甲介肥大を治療するための方法は、張力要素(7000)を下鼻甲介(7002)の周囲に巻着するステップを含んでもよい。単一巻回は、張力要素(7000)を下鼻甲介(7002)の外側縁の周囲に巻着し、その直径を低減させるために使用されてもよい(
図58A)。別の変形例では、複数の巻回が、張力要素を下鼻甲介の全体の周囲に巻着し、下鼻甲介の内径を圧縮および低減させるために使用されてもよい(
図58B)。代替として、単一巻回が、それが側方(
図58C)または上方(
図58D)に動員されるように、張力要素(7000)を巻着するために使用されてもよい。
【0207】
外側鼻弁圧潰もまた、本明細書に説明される張力要素を用いて治療されてもよい。
図59A-59Dに示されるように、張力要素(9000)が、2つの鼻組織間に係留され、張力が、その間に印加され、鼻弁の開存性を増加させてもよい。例えば、
図59Aおよび59Bでは、張力要素(9000)の遠位端(9002)が、上外側軟骨(9004)内に係留され、張力要素(9000)の近位端(9006)が、上顎骨(9008)内に固着されてもよい。
図59Cに示されるように、張力要素(9000)の遠位端(9002)が、線維脂肪組織(9010)内に係留され、近位端(9006)が、上顎骨(9008)または下外側軟骨(9012)内に固着されてもよい。代替として、
図59Dに示されるように、張力要素(9000)の遠位端(9002)が、線維脂肪組織(9010)内に係留され、近位端(9006)が、鼻の対向側上の線維脂肪組織(9014)に固着されてもよい。
【0208】
鼻尖再成形もさらに、本明細書に説明される張力要素を用いて遂行されてもよい。
図60A-60Cに示されるように、鼻尖(10)の形状は、側方軟骨(12)を内方に引動させることによって改変されてもよい。この目的を達成するために、アンカ送達要素(18)に結合される、張力要素(14)が、張力要素(14)の遠位アンカ(20)が、一方の鼻軟骨(12)に固着され、張力要素(14)の近位端(22)が、他方の鼻軟骨(12)に固着されるように、送達カニューレ(16)から展開されてもよい。遠位アンカと張力要素近位端との間に提供される張力は、外側軟骨をともに牽引し、それによって、鼻尖(10)の形状を改変し得る。
【0209】
いくつかの変形例では、本方法は、例えば、鼻中隔矯正術後、鼻粘膜を再接近させ、鼻血腫の形成を防止するステップを含んでもよい。
図61を参照すると、張力要素(24)が、図に示される1つまたはそれを上回る場所において、鼻粘膜(26)の表面上に設置され、粘膜を繋止し、血液で充填され得る、任意の負の空間が形成されないように防止してもよい。
【0210】
他の変形例では、本方法は、1つまたはそれを上回る張力要素を喉組織内に設置し、閉塞性睡眠時無呼吸を治療するステップを含んでもよい。
図62A-62Cに示されるように、本方法は、アンカ送達要素(32)に結合される張力要素(30)を搬送する送達カニューレ(28)を対象の喉に前進させるステップと、アンカ送達要素(32)を口蓋垂(34)の中に挿入するステップと、張力要素(30)の遠位アンカ(36)を口蓋垂の組織の中に設定するステップと、矢印Eの方向に、張力を張力要素(30)および遠位アンカ(36)上に印加し、口蓋垂を持ち上げるステップと、張力要素(30)の近位端(38)を軟口蓋(40)の組織内に固着させ、張力を口蓋垂(34)上で維持するステップとを含んでもよい。1つまたは複数の張力要素が、口蓋垂を持ち上げ、閉塞性睡眠時無呼吸を治療するために採用されてもよい。
【0211】
耳組織の再成形もまた、本明細書に説明されるデバイスを用いて遂行されてもよい。いくつかの変形例では、再成形は、例えば、対耳輪襞を生成または増加させることによって、画成不良対耳輪を治療するために使用される。他の場合には、再成形は、拡大甲介軟骨を矯正するために使用されてもよい。
図63Aおよび63Bに示されるように、対耳輪をより明確に画成するための方法は、張力要素を図に示される場所のうちの1つまたはそれを上回るものに設置するステップを含んでもよい。例えば、張力要素は、対輪上脚または三角窩、舟状窩の中央部分、舟状窩または甲介の下側部分、または後耳の耳介乳様突起および耳輪尾領域に設置されてもよい。
【0212】
組織を操作または成形するために印加される力は、約4.0ニュートン~約70ニュートンに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。力は、遠位アンカが標的組織に固定された後、張力要素の遊離近位端を引動することによって発生されてもよい。例えば、張力は、約4.0ニュートン、約5.0ニュートン、約10ニュートン、約15ニュートン、約20ニュートン、約25ニュートン、約30ニュートン、約35ニュートン、約40ニュートン、約45ニュートン、約50ニュートン、約55ニュートン、約60ニュートン、約65ニュートン、または約70ニュートンであってもよい。張力要素の引張強度は、約100MPa~約300MPaに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、引張強度は、約100MPa、約110MPa、約120MPa、約130MPa、約140MPa、約150MPa、約155MPa、約160MPa、約165MPa、約170MPa、約175MPa、約180MPa、約185MPa、約190MPa、約195MPa、約200MPa、約210MPa、約220MPa、約230MPa、約240MPa、約250MPa、約260MPa、約270MPa、約280MPa、約290MPa、または約300MPaであってもよい。いくつかの事例では、張力要素の引張強度は、少なくとも約150MPaであってもよい。他の事例では、張力要素の引張強度は、少なくとも約300MPaであってもよい。印加される力は、張力要素が生分解するにつれて、経時的に減少してもよい。一般に、張力要素は、約1ヶ月~約12ヶ月の期間にわたって生分解する。例えば、張力要素は、少なくとも約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、または約12ヶ月の期間にわたって生分解してもよい。1つの変形例では、張力要素は、約4ヶ月~約9ヶ月に及ぶ期間にわたって分解してもよい。
【0213】
対象の組織構造の形状を改変するための他の方法もまた、本明細書に説明される。本方法は、概して、成形要素または張力要素を組織の中に展開するステップと、成形要素を操作し、鼻組織の形状を改変するように、力を組織に印加するステップとを含む。力は、張力であってもよい。種々の身体組織が、張力を使用して成形されてもよい。例示的組織は、限定ではないが、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、大または小鼻翼軟骨、鼻翼線維脂肪組織、鼻骨、および鼻甲介を含む。
【0214】
本明細書に説明される方法は、鼻気道閉塞の治療、湾曲された鼻中隔の治療、鼻中隔の直線化、肥厚化された、変形された、または脱臼された鼻中隔の治療、鼻中隔破砕の修復、鼻中隔の形状の改変、鼻中隔棘または鼻骨棘の治療、鼻の内部または外部形状の形状の改変、鼻中隔以外の鼻軟骨の構造変形の治療または改変、内部鼻弁圧潰の治療、または鼻甲介肥大の治療のために使用されてもよい。本方法はまた、睡眠時無呼吸、鼻鼾を治療または軽減するために採用されてもよい、または鼻組織または組織の任意の組み合わせの任意の他の好適な改変のために構成されてもよい。
【0215】
鼻中隔軟骨の形状が、例えば、湾曲された鼻中隔を矯正するために改変されるべきとき、本方法は、縫合糸、返し付き縫合糸、または成形要素を鼻中隔を通して通過させるステップと、中隔が直線化されるまで、縫合糸を緊締するステップと、過剰縫合糸を裁断するステップとを含んでもよい。いくつかの変形例では、湾曲された中隔の形状を調節するための方法は、成形要素を使用して、約4.0ニュートン~約70ニュートンの力を鼻中隔に印加するステップを含んでもよい。他の変形例では、本方法は、成形要素を使用して、約12ニュートン~約25ニュートンの力を鼻中隔に印加するステップを含んでもよい。
【0216】
いくつかの変形例では、本方法は、近位端と、対象の身体の中への導入のために定寸される、遠位端と、近位端と遠位端におけるポートとの間に延在する、管腔とを備える、伸長部材と、成形要素とを含む、デバイスを採用してもよい。成形要素は、第1の端部をポートから展開し、組織構造に隣接する組織に係合するための、管腔を通した導入のために定寸される、第1の端部と、第1の端部に対向する、第2の端部と、力を係合される組織上で維持し、組織構造の形状を改変する、1つまたはそれを上回る要素とを含んでもよい。
【0217】
成形要素を操作するステップは、成形要素の第2の端部を操作し、力を組織に印加するステップを含んでもよい。いくつかの変形例では、成形要素の第2の端部は、力を印加した後、鼻気道に隣接する組織に固着されてもよい。第2の端部を固着させるステップは、第1の端部から離間される場所において、第2の端部を組織を通して指向するステップを含んでもよい。1つの変形例では、第1の端部は、湾曲された中隔の片側上の組織に固着され、第2の端部は、湾曲された中隔の対向側上の組織に固着され、力が、湾曲された中隔の形状を改変するために印加されてもよい。別の変形例では、第1の端部は、湾曲された中隔の遠位の組織に固着され、第2の端部は、湾曲された中隔の近位の組織に固着され、力が、湾曲された中隔の形状を改変するために印加されてもよい。成形要素によって印加される力は、概して、張力である。
【0218】
代替として、成形要素を操作するステップは、成形要素の中間領域と、それに対して第1の端部が固着される、第1の場所から離間される第2の場所における組織を係合させるステップと、力を第1の場所と第2の場所との間の成形要素に印加し、第1の場所と第2の場所との間の組織の形状を改変するステップとを含んでもよい。中間領域における1つまたはそれを上回る要素は、第2の場所における組織と係合され、張力を維持してもよい。さらに、中間領域を係合させるステップは、第2の場所において、成形要素の第2の端部を組織を通して指向するステップと、中間領域が第2の場所における組織に係合するまで、第2の端部を引動させるステップとを含んでもよい。中間領域は、相互から離間される、複数の遊走防止要素を含んでもよい。ここでは、第2の端部は、遊走要素のうちの少なくとも1つが、第2の場所における組織を通して通過するまで引動され、それによって、中間領域が後方に第2の場所における組織を通して通過しないように防止してもよい。
【0219】
いくつかの変形例では、成形要素を操作するステップはさらに、第2の場所における組織を伴う中間領域上の固着要素の場所を調節し、張力を維持するステップを含んでもよい。他の変形例では、本方法はさらに、例えば、中間領域に隣接する成形要素を切断し、過剰材料を成形要素から除去することによって、成形要素の第2の端部を中間領域から分離するステップを含む。
【0220】
別の変形例では、対象の鼻組織の形状を改変するための方法が、提供され、送達デバイスの遠位端を対象の鼻気道の中に挿入するステップと、成形要素の第1の端部を遠位端から鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する組織に固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素が組織の改変された形状を少なくとも一時的に維持するように、送達デバイスを除去するステップとを含む。
【0221】
さらなる変形例では、対象の鼻組織の形状を改変するための方法は、成形要素の第1の端部を対象の鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する第1の場所における組織に固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素を第2の場所における組織に対して固着させ、組織の改変された形状を維持するステップとを含む。成形要素を第2の場所において固着させるステップは、成形要素の第2の端部を第2の場所において固着させるステップを含んでもよい。1つの変形例では、成形要素を第2の場所において固着させるステップは、1つまたはそれを上回る遊走防止要素を第2の場所において成形要素上に固着させるステップを含む。別の変形例では、本方法はさらに、いったん1つまたはそれを上回る遊走防止要素が第2の場所において固着されると、成形要素の過剰材料を除去するステップを含む。さらなる変形例では、第2の場所は、第1の場所より鼻口の近くに位置してもよい。
【0222】
いくつかの対象の鼻組織の形状を改変するための方法は、アンカを対象の鼻気道の中に導入するステップと、第1の場所において、アンカを対象の鼻中隔に固着させるステップと、成形要素の第1の端部を対象の鼻気道の中に導入するステップと、成形要素の第1の端部をアンカに固着させるステップと、成形要素を操作し、組織の形状を改変するステップと、成形要素を第2の場所における組織に対して固着させ、組織の改変された形状を維持するステップとを含む。アンカは、対象の第1の鼻気道の中に導入され、アンカを鼻中隔を通して部分的に対象の第2の鼻気道の中に指向することによって固着されてもよく、成形要素の第1の端部は、第2の鼻気道の中に導入され、第2の鼻気道の中に延在するアンカの一部に固着されてもよい。1つの変形例では、成形要素の第1の端部は、第1の端部をアンカに固着させる前に、鼻気道の中に粘膜下で導入される。
【0223】
対象の鼻組織の形状を改変するための他の方法は、送達デバイスの遠位端を対象の鼻気道の中に挿入するステップと、成形要素の第1の端部を遠位端から鼻気道の中に展開するステップと、成形要素の第1の端部を鼻気道に隣接する第1の場所における組織に固着させるステップと、成形要素が鼻気道から延在するように、送達デバイスを除去するステップとを含んでもよい。成形要素の第2の端部に結合される針が、次いで、鼻気道の中に挿入され、成形要素が、操作され、組織の形状を改変してもよい。第2の端部を鼻気道に隣接する第2の場所において固着させるステップは、組織の改変された形状を一時的に維持し得る。
【0224】
いくつかの方法では、鼻組織の成形は、エネルギー送達要素を装備する、成形要素または張力要素を使用して遂行されてもよい。例えば、張力要素がエネルギーを鼻組織に送達することを可能にする、1つまたはそれを上回る恒久的または一時的電極、加熱要素、または他のエネルギー送達機構が、成形要素とともに含まれてもよい。エネルギー送達機構は、熱、電気電流、または任意の好適な形態のエネルギーの印加によって、鼻組織の再成形またはリモデリングを増強させるために使用されてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、エネルギーが印加された後、除去されてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、張力要素とともに埋め込まれてもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、生体吸収性または生分解性であってもよい。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、直接、張力要素に取り付けられる。いくつかの変形例では、エネルギー送達機構は、張力要素に隣接して据え付けられる。
【0225】
流体もまた、流体送達機構を使用して、成形要素の設置前、間、または後に送達されてもよい。流体は、療法的または生理学的効果を提供してもよい。例えば、流体は、療法剤または凍結療法の目的のための低温ガスもしくは液体を含んでもよい。
【0226】
他の例示的方法
図1に示されるように、鼻組織(100)の形状を改変するための例示的方法は、少なくとも1つの架張または他の成形要素(200)を鼻組織に隣接する鼻気道の中に展開するステップと、鼻組織が改変された形状を少なくとも一時的に維持するように、張力要素(200)を固着させるステップとを含む。張力要素はまた、ブレース、縫合糸、移植片、バットレス、インプラント、または支持要素としても知られ得る。本方法は、平行または非平行方式に配列される、1つの張力要素または複数の張力要素を利用してもよい。いくつかの変形例では、張力要素を固着させるステップは、鼻組織が改変された形状を少なくとも一時的に維持することを可能にするように構成される、鼻組織への力の印加を可能にし得る。いくつかの変形例では、力は、張力であってもよい。いくつかの変形例では、張力要素を固着させるステップは、張力要素の一部を標的鼻組織を通してまたは別の鼻組織を通して固定するステップを伴ってもよい。いくつかの変形例では、それを通して張力要素が固着される、組織は、軟骨、骨、任意の半剛性組織、またはそれらの任意の組み合わせである。本方法は、1回の適用において、鼻組織の形状を最終状態に調節するように構成されてもよい、または力または形状への調節が経時的に行われることを可能にする、調節可能張力要素とともに構成されてもよい。本方法はまた、可変時点において展開される張力要素を利用して、順次、鼻組織の形状を改変するように構成されてもよい。
【0227】
いくつかの変形例では、本方法は、架張デバイスの展開の前または間に、外力を印加し、鼻組織の形状を改変するステップを伴ってもよい。いくつかの変形例では、外力の印加は、鼻鏡、スプレッダ、縫合糸パッサ、鉗子、または鼻組織を操作するために好適な他のツールまたはデバイス等の力印加要素を用いて遂行されてもよい。いくつかの変形例では、力は、経粘膜的または経表皮的に印加されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、張力要素の初期展開後、但し、張力要素を最終的に固着させる前に、外力を印加し、鼻組織の形状を改変するステップを伴ってもよい。いくつかの変形例では、本方法は、張力要素の展開前または後に、外力を印加し、鼻組織の形状を改変するステップを伴ってもよい。
【0228】
いくつかの変形例では、本方法は、医療診療所またはオフィスにおいて使用するために好適であるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、耳鼻咽喉科診療所またはオフィスにおいて使用するために好適であるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、外科センターまたは設定において使用するために好適であるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、鎮痛剤の使用を含むように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、麻酔剤の使用を含むように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、副木としても知られ得る、支持要素の使用を含むように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、器具、バルーン、または粘膜上昇の他の方法を用いて、標的組織から離れるように鼻粘膜を上昇させるステップを含むように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、スコープまたは可視化の他の手段の使用を含むように構成されてもよい。本明細書に説明される方法は、鼻気道閉塞の治療、湾曲された鼻中隔の治療、鼻中隔の直線化、肥厚化された、変形された、または脱臼された鼻中隔の治療、鼻中隔破砕の修復、鼻中隔の形状の改変、鼻中隔棘または鼻骨棘の治療、鼻の内部または外部形状の形状の改変、鼻中隔以外の鼻軟骨の構造変形の治療または改変、内部鼻弁圧潰の治療、または鼻甲介肥大の治療のうちの1つまたはそれを上回るもののために構成および/または適合されてもよい。本方法はまた、睡眠時無呼吸、鼻鼾のために構成および/または適合されてもよい、または鼻組織または組織の任意の組み合わせの任意の他の好適な改変のために構成されてもよい。
【0229】
いくつかの変形例では、鼻組織の形状を改変するための方法はまた、送達デバイスを鼻気道の中に挿入するステップと、少なくとも1つの張力要素(200)を展開するステップと、張力要素を固着させるステップと、鼻組織が改変された形状を少なくとも一時的に維持するように、デバイスを除去するステップとを含んでもよい。例えば、送達デバイスは、鼻気道の中に挿入される、鼻粘膜の真下に挿入される、または張力要素の設置または展開を促進するために好適な任意の他の構成に位置付けられてもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスのいくつかまたは全ては、使い捨てであってもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスのいくつかまたは全ては、再使用可能であってもよく、滅菌のために好適であるように構成されてもよい。
【0230】
図2に示されるように、鼻組織の形状を改変するための方法は、鼻中隔軟骨(102)の形状を調節するために具体的に最適化されてもよい。本方法は、限定ではないが、「C形状」湾曲、「S形状」湾曲、中隔軟骨の亜脱臼、矢状湾曲、冠状湾曲、骨変形、軟骨性変形、骨化した軟骨、骨または軟骨の転位、肥厚化または肥大化された軟骨または骨、軟骨または骨棘、骨または軟骨への外傷によって引き起こされる湾曲、もしくは任意の他の形態の中隔湾曲症またはそれらの組み合わせを含む、任意の種類、分類、または場所の湾曲された中隔の形状を調節するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、前後中隔湾曲症の矯正のために使用される。いくつかの変形例では、本方法は、後中隔軟骨の形状を改変するために使用される。いくつかの変形例では、本方法は、「L-ストラット」を伴う外鼻変形の矯正のために使用されるが、加えて、または代替として、任意の好適な用途、臨床、機能的、審美的、またはその他のために使用されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、軟骨にまたはそれを通して固着されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、骨または任意の他の好適な鼻組織にまたはそれを通して固着されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、湾曲部の凸面側上に設置されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、湾曲部の凹面側上に設置されてもよい。本方法が鼻中隔軟骨の形状を改変するために構成される、いくつかの変形例では、本方法は、縫合糸または返し付き縫合糸を鼻中隔を通して通過させるステップと、中隔が直線化されるまで、縫合糸を緊締するステップと、過剰縫合糸を裁断するステップとを用いて、湾曲された鼻中隔の矯正として構成されてもよい。いくつかの変形例では、湾曲された中隔の形状を調節するために構成される、方法は、4~40ニュートンの力を提供するように具体的に最適化されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、12~25ニュートンの力を提供するようにさらに最適化されてもよい。
【0231】
図3に示されるように、鼻組織の形状を改変するための方法は、鼻中隔軟骨(102)以外の鼻組織の形状を調節するために具体的に最適化されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、外側鼻軟骨(104)、大または小鼻翼軟骨(106)、鼻翼線維脂肪組織(108)、鼻骨(140)、鼻甲介(150)、または任意の他の好適な鼻組織の形状を調節するように構成されてもよい。
【0232】
図4に示されるように、いくつかの変形例では、本方法は、縫合糸または複数の縫合糸を張力要素(200)として使用するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、張力要素は、随意に、返し付き縫合糸または複数の縫合糸として構成されてもよい。縫合糸は、任意の直径、サイズ、形状、長さ、または幅であってもよい。いくつかの変形例では、縫合糸は、鼻組織の形状を十分に改変するためのパターンに配列されてもよい。本方法は、任意の数の縫合糸通過またはパターンのために構成されてもよい。縫合糸は、鼻組織を通した縫合糸の遊走または転移を防止するように設計される、固着要素(210)を含んでもよい。構成は、一連の少なくとも1つの垂直または水平マットレス状縫合を含んでもよい。いくつかの変形例では、縫合糸は、粘膜下、経粘膜的、または経表皮的に設置および固着されてもよい。いくつかの変形例では、縫合糸は、縫合糸の少なくとも1つの端部に取り付けられる、針(240)を介して導入されてもよい。本方法は、直線、曲線、平坦、または別様に成形される、針または複数の針を使用するように構成されてもよい。本方法は、縫合糸に取付可能またはそこから取外可能である、針または複数の針を使用するように構成されてもよい。本方法は、縫合糸を設置および架張し、鼻組織の形状を改変するために、器具、ツール、または縫合糸材料のキットまたはパッケージ化されたセットを利用するように構成されてもよい。
【0233】
図5に示されるように、いくつかの変形例では、本方法は、複数の領域内の鼻組織の形状を改変するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、標的鼻組織の複数の領域に作用するように構成される、単一張力要素(200)を利用するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、1つを上回る張力要素を利用して、標的鼻組織の複数の領域に作用するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、複数の鼻組織の形状を改変するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、本方法は、複数の領域内の複数の鼻組織の形状を改変するように構成されてもよい。
【0234】
送達デバイス
本明細書に説明される張力要素は、種々の送達デバイスを使用して送達されてもよい。送達デバイスは、非外傷性方式において、種々の組織にアクセスするように構成されてもよく、その挿入(薄型)構成における組織を通した張力要素の通過を補助してもよい。一般に、送達デバイスは、近位端と、遠位端と、非外傷性先端とを備える、カニューレを含んでもよい。カニューレはさらに、近位端から非外傷性先端を通して延在し、その中に張力要素が格納され得る、管腔を含んでもよい。張力要素は、本明細書で上記に記載されるように、張力要素への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成される、遠位アンカを含んでもよい。いくつかの変形例では、送達デバイスは、張力要素の張力レベルを機械的に、電子的に、または視覚的に示す、構成要素を含んでもよい。他の変形例では、張力レベル測定構成要素は、張力要素自体上に提供されてもよい。
【0235】
張力要素およびアンカ送達要素は、送達デバイス内に事前に装填される、または手技の直前に送達デバイスの中に装填されてもよい。ハンドルが、カニューレ近位端に結合され、アクチュエータが、ハンドル上に配置される。1つの変形例では、アクチュエータは、ハンドルを中心として同心状に配置されてもよい。別の変形例では、アクチュエータは、ハンドルに対して前進および後退され得る、一対のタブを備えてもよい。アクチュエータは、アンカ送達要素およびそこに結合される張力要素に結合され、張力要素およびアンカ送達要素をカニューレの管腔から前進させてもよい。
【0236】
いくつかの変形例では、送達デバイスのカニューレは、アクリル、ポリカーボネート、テレフタル酸ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレンから成る群から選択される、透明プラスチック等の透明材料から作製される。他の変形例では、カニューレは、ステンレス鋼または他の好適な金属から作製されてもよい。カニューレはまた、種々の断面形状を有してもよい。例えば、カニューレの断面形状は、円形、非円形、半円形、または卵形であってもよい。非円形カニューレ断面形状は、カニューレを軟骨または他の組織の平面に対して配向することを補助し得る。カニューレ長は、約50mm~約70mmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。例えば、カニューレの長さは、約50mm、約55mm、約60mm、約65mm、または約70mmであってもよい。いくつかの変形例では、カニューレ長に沿った1つまたはそれを上回る部分は、可撓性または可鍛性であってもよい。他の変形例では、1つまたはそれを上回るマーカが、カニューレに沿って提供され、カニューレの遠位端を可視化し、および/または鼻腔または組織の中に挿入されるカニューレの長さを判定することに役立ってもよい。光要素もまた、送達デバイス内に含まれ、可視化に役立ってもよい。いくつかの変形例では、光要素は、カニューレ管腔またはカニューレ管腔内に同心状に配置される第2の管腔もしくは送達デバイスハンドル内に提供される管腔内を摺動するように構成される、光ワイヤであってもよい。
【0237】
カニューレのいくつかの変形例は、カニューレから外に前進されるにつれて、アンカ送達要素を偏向または角度付ける、内部偏向器をカニューレ遠位端内に含んでもよい。内部偏向器は、カニューレの縦軸に対して約30度~約70度で角度付けられる、カニューレ遠位端内の平坦剛性表面であってもよい。他の変形例では、カニューレ遠位先端は、カニューレの縦軸に対して約30度~約70度の角度を有するように予成形されてもよい。
【0238】
管腔と流体連通する、1つまたはそれを上回るポートが、管腔から組織の中への張力要素の送達のために、カニューレ内に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るポートは、カニューレ上の任意の好適な場所、例えば、カニューレの遠位先端またはカニューレの遠位側壁に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るポートはまた、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、1つまたはそれを上回るポートは、円形、半円形、または卵形であってもよい。ポートが、カニューレの遠位先端に提供されるとき、ポートは、ある長さおよび深度を有してもよい。ポートの長さは、約3.0mm~約6.0mmに及んでもよい。例えば、ポート長は、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、または約6.0mmであってもよい。ポートの深度は、約1.0mm~約2.0mmに及んでもよい。例えば、ポート深度は、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、または約2.0mmであってもよい。いくつかの変形例では、ポートは、カニューレ外径の約30%~約70%である、深度を有してもよい。ポートはまた、側面から視認されると、曲線部分と、平坦部分とを有してもよい。
【0239】
送達デバイスはまた、グリップを備える、ハンドルを含んでもよい。ハンドル長は、約13cm~約25cmに及んでもよく、その中の全ての値および下位範囲を含む。グリップは、ユーザのハンドル保持を向上させるための複数の隆起を含んでもよい。ハンドルおよびグリップは、同一材料または異なる材料から作製されてもよい。例えば、ハンドルおよびグリップは、限定ではないが、ナイロン、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルイミド、Delrin、アクリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリエステル、スチレンアクリロニトリル、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の材料から作製されてもよい。加えて、ポートを標的組織内の係留の場所に対して配向するための1つまたはそれを上回る指向性インジケータもまた、提供されてもよい。
【0240】
図64Aに示されるように、例示的送達デバイスは、近位端(43)と、遠位端(44)と、非外傷性先端(45)とを備える、カニューレ(42)を含んでもよい。カニューレ(42)はさらに、近位端(43)から非外傷性先端(45)を通して延在し、その中に張力要素(47)が格納され得る、管腔(46)を含んでもよい。張力要素(47)は、上記に記載されるように、張力要素への力の印加に応じて、枢動点において、挿入構成から展開構成に旋回するように構成される、遠位アンカ(48)を含んでもよい。カニューレ管腔(46)内では、張力要素(47)が、組織を穿刺または穿通する際に使用するための切断先端とともに、アンカ送達要素(49)に結合されてもよい。ハンドル(50)が、カニューレ近位端(43)に結合され、アクチュエータ(51)が、ハンドル(50)を中心として同心状に配置されてもよい。アクチュエータ(51)は、張力要素(47)をカニューレ(42)の遠位ポート(52)から展開するように前進されてもよい。
図65におけるさらなる詳細に示されるように、アクチュエータ(51)は、矢印Uの方向に前進され、張力要素(47)およびアンカ送達要素(49)をカニューレ遠位ポート(52)から前進させてもよい。張力要素のアンカ送達要素(49)からの係脱および遠位アンカ(58)の展開後、アクチュエータ(51)は、矢印Dの方向に後退され、送達デバイスは、抜去され、張力要素(47)の全長を展開してもよい。
図64Eの断面図に示されるように、アクチュエータ(51)は、ねじ(66)を介して、アンカ送達要素(49)に結合されてもよい。
図64Aに戻って参照すると、指向性ラインインジケータ(53)が、ハンドル(50)上に提供され、遠位ポートと着目組織を整合させることに役立ち得る。把持向上隆起(54)は、ユーザのハンドル(50)保持を向上させ得る。ハンドルの肥厚化された部分であり得る、転動防止特徴(55)は、張力要素(47)の送達の間、送達デバイスを定常化させることに役立ち得る。
図64Bに示されるように、カニューレ(42)の遠位ポート(52)は、卵形形状を有してもよい。
図64Cに提供される拡大図では、非外傷性先端(45)は、丸みを帯びた部分(63)を有してもよい。丸みを帯びた部分(63)は、約1.19mmの曲率半径を有してもよい。加えて、ポート(52)は、長さ(L)と、深度(D)とを有してもよい。ポート長は、上記に記載されるように、約3.0mm~約6.0mmに及び、ポート深度は、約1.0mm~約2.0mmに及んでもよい。ポートはまた、
図64Dの側面図に示されるように、曲線部分(64)と、平坦部分(65)とを有してもよい。カニューレ先端の本構成は、種々の組織に非外傷的にアクセスすることを補助し得る。
【0241】
別の変形例では、
図66に示されるように、ハンドル(59)は、
図64Aに提供されるハンドルに類似する、複数の把持向上隆起(60)と、指向性インジケータ(61)とを含んでもよい。しかしながら、ハンドルを中心として同心状に配置される代わりに、アクチュエータは、2つのタブ(62)を備える。組織に向かったタブの前進は、張力要素を送達デバイスから展開させる得る一方、タブ(62)の後退は、アンカ送達要素を張力要素から抜去および結合解除し得る。
【0242】
前述の説明は、解説の目的のために、具体的専門用語を使用して、本発明の完全な理解を提供している。しかしながら、具体的詳細は、本発明を実践するために要求されないことが当業者に明白であろう。したがって、本発明の具体的実施形態の前述の説明は、例証および説明目的のために提示される。それらは、包括的であること、または本発明を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。明らかに、多くの修正および変形例が、上記の教示に照らして可能性として考えられる。実施形態は、本発明の原理およびその実践的用途を解説するために選定および説明されており、それらは、それによって、当業者が、検討される特定の使用に好適であるような種々の修正を伴って、本発明および種々の実施形態を利用することを可能にする。
【国際調査報告】