(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】導管を封鎖するための封止システムの一部としての使用に供される要素及びシーラント
(51)【国際特許分類】
F16L 5/04 20060101AFI20240621BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20240621BHJP
A62C 3/16 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F16L5/04
E04B1/94 F
E04B1/94 L
A62C3/16 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576347
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 NL2022050324
(87)【国際公開番号】W WO2022260523
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523464727
【氏名又は名称】ベーレ・エンジニアリング・ベスローテン・フエンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ベーレ,ヨハネス・アルフレッド
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001DE03
2E001FA34
2E001HE01
2E001HF12
(57)【要約】
複数の要素であって、それらの各要素が、要素を用いて導管内に支持構造を作ることによって及び随意的には当該支持構造にあてがってシーラントを設けることによって導管を封止するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される、複数の要素。各要素は主として耐火性ゴムを備える弾性材料である。要素のうちの1つ又はそれ以上、好適には要素のそれぞれは、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈する。好適には、随意的シーラントもその様な色を呈する。なおいっそう好適には、随意的シーラントは同じ色を呈する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素であって、それらの各要素が、前記要素を用いて導管内に支持構造を作ることによって及び随意的には当該支持構造にあてがってシーラントを設けることによって前記導管を封止するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される、複数の要素において、各要素は主として耐火性ゴムを備える弾性材料であり、前記要素のうちの少なくとも1つ、好適には前記要素のそれぞれは、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈し、好適には前記随意的シーラントもその様な色を呈し、よりいっそう好適には、前記随意的シーラントは同じ色を呈する、複数の要素。
【請求項2】
請求項1に記載の複数の要素において、
前記色はパステル色である、複数の要素。
【請求項3】
請求項2及び/又は3に記載の複数の要素において、
前記色はグリーン色である、複数の要素。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載の複数の要素において、
前記色はグリーンパステル色である、複数の要素。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の複数の要素において、
前記要素のうちの少なくとも1つ、好適には各要素は、長手方向の要素である、複数の要素。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素はフランジ無しである、複数の要素。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は中空コアを有する管状要素であり、又は、幾つかの要素が一体で中空コアを有する1つの管状要素を形成し得る、複数の要素。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は円筒状である、複数の要素。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は押出物から形成される、複数の要素。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は射出成形によって形成される、複数の要素。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は圧縮成形によって形成される、複数の要素。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素は、8~40ミリメートルの範囲、好適には10~32ミリメートルの範囲の内径を有する、複数の要素。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の複数の要素において、
各管状要素は、16~50ミリメートルの範囲、好適には20~40ミリメートルの範囲の外径を有する、複数の要素。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の複数の要素において、
各管状要素は、約3~7ミリメートル、好適には4~6ミリメートルの厚さのあるマントル壁を有する、複数の要素。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の複数の要素において、
前記ゴムは、70~79ショアAの範囲、好適には72~77ショアAの範囲の硬度を有する、複数の要素。
【請求項16】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の複数の要素において、
各要素、好適には全ての要素は、発泡体を備えている、複数の要素。
【請求項17】
請求項16に記載の複数の要素において、
前記発泡体はセルを備え、そのうちの好適には60%より多くが独立セルである、複数の要素。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか一項に記載の複数の要素において、
前記ゴムはシリコーンゴムである、複数の要素。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか一項に記載の複数の要素において、
前記ゴムはセラミック化可能なゴムである、複数の要素。
【請求項20】
耐火性シーラントであって、ゴム要素を使用して導管内に支持構造を設けることによって及び当該支持構造にあてがって前記シーラントを設けることによって前記導管を封鎖するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される耐火性シーラントにおいて、前記シーラントは、室温にて及び加硫前及び加硫後にヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈するゴムへと加硫される、耐火性シーラント。
【請求項21】
請求項20に記載のシーラントにおいて、
前記色はパステル色である、シーラント。
【請求項22】
請求項20及び/又は21に記載のシーラントにおいて、
前記色はグリーン色である、シーラント。
【請求項23】
請求項20、21、又は22に記載のシーラントにおいて、
前記色はグリーンパステル色である、シーラント。
【請求項24】
請求項20乃至23の何れか一項に記載のシーラントにおいて、
前記シーラントは加硫後にシリコーンゴムを備える、シーラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の要素であって、それらの各要素が導管を封鎖するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される複数の要素、ならびにシーラントに関する。
【背景技術】
【0002】
構造物が区画を形成するための板状部分を有することはよくある。その様な板状部分を通って導管が延び、その導管を通って2つの区画の一方から他方へ管及びケーブルが延びていることもある。導管には、通常、導管内の残部空間を埋めて導管を封鎖するために封止システムが適用されている。
【0003】
その様な導管は、船舶及び/又は油田掘削施設の様な他のオフショア用途にオンボードで存在していることが多い。これらの導管は、管又はケーブルペネトレーション又はトランジットシステムと呼ばれることが多い。その様な構造物では、これらのペネトレーションは、区画の分離部に「脆弱箇所」を持ち込むことを伴うことから歓迎されない必需品と見なされている。
【0004】
例えば、配水及び廃水システム、空調システム、油圧及び空気圧制御、スプリンクラなどのための管類のみならず、ガス又は石油の輸送用の管類も、その様な構造物全体を通って延びている必要がある。ケーブル類は、例えば電気ケーブルのこともあるが、更には光ファイバーケーブル又は通信目的の他のケーブルのこともあるだろう。
【0005】
上記は導管を有し且つ2つの区画を分ける構造物要素を引き合いに出しているが、構造物要素が区画を周囲の環境から分離していることもあり得る。したがって、構造物要素の一方の側が大気条件に曝露されていることもあり得る。
【0006】
その様な導管類は、構造物の機械的強度という点ではそれほどではないが望ましからざることに物理現象が導管を通って運ばれる可能性及びそれに伴って構造物全体を通って運ばれる可能性という点でより弱い脆弱箇所を形成する。
【0007】
これらの物理現象の1つが火災の場合であり、火の制御及び消火を可能にさせるためのみならず火災場所に近い諸区画内の人々が火災の更なる拡大前に火から安全な距離に到達するための時間を提供するためにも、火を1つの区域のみになるべく長く閉じ込めることが必要である。煙や火が1つの区画から別の区画へ導管を通過してゆくのを防ぐために、導管には、通常、導管が火災による熱に曝されたときに少なくとも或る程度の時間に亘って導管を閉じる封止システムが設けられている。
【0008】
その様な封止システムは、例えば同一出願人の国際公開第2008/104237Al号及び国際公開第2019/048691Al号から公知である。これらの実施例では、システムは、(単数又は複数の)管及び/又は(単数又は複数の)ケーブルが既に通って延びている導管に挿入して導管内の残部空間を充填するようにそれらケーブル及び/又は管の周りに非同軸様式に設置することのできるゴム要素を備えている。こうして、これらの要素は一体に導管内で管及び/又はケーブルを取り囲む。導管の中へ十分な要素が挿入され導管内にクランプインされた場合、それら要素は一体で安定した支持構造を形成することができる。
【0009】
支持構造にあてがって、したがってそれら要素にあてがって、導管を封止するためのシーラントが適用されることもある。シーラントは両端に適用されるのが通例であり、というのも往々にして火がどちらの側から導管に迫ってくるかは事前にわからないからである。両側のシーラントは、導管内にトラップされた空気が、導管を通しての熱の輸送に抗する障壁の形成に寄与するという利点ももたらす。但し、推奨されるわけではないが、随意的には導管の片側のみにシーラントを適用することも実施可能である。
【0010】
一部の封止システムは、当初は、シーラント無しの使用向けに設計され、シーラント無しの使用を意図している。その場合、クランプインされたゴム要素によって形成されるところのクランプイン型支持構造が導管の封止を提供するものと想定されている。これは、ゴム要素が、経時的に応力緩和が起こり始める点まで押圧されなければ十分に機能を発揮することができる。
【0011】
しかしながら、市場には、いわゆる(圧縮)押圧ユニットによってゴム要素が機械的に圧力下に置かれ圧力下に引き留められるシステムがある。ゴムが著しく変形し、応力緩和が起こり始めると、これらの封止システムは、圧縮ユニットを用いてより多くの圧力を印加することによる頻繁な要素の一体的締め直しを要する。本質的に、導管断面はますます狭くなってゆく。或る時点にて、それ以上の締め直しはもはや役に立たなくなる。封止完全性は復元され得ない。その段階の最後には、封止システム全体が交換されるか、又はシーラントを含む封止システムが導管の一端に但し好適には両端に適用されるかのどちらかになる。欧州特許第16777617.8号は、その様な状況に関連した更なる開示を提供している。
【0012】
国際公開第2008/104237Al号と国際公開第2019/048691A1号の両方では、要素及び/又はシーラントの色がブラックとコントラストを成すのが望ましいと記載されており、そうすれば導管の一方の側が近隣火災に曝された後に封止システムの迅速識別が可能になるからである。それは、更に、火災中に、熱的曝露の観点から、曝露の重大性を評価すること及び何が起こっているかについての理解を得ることを可能にするだろう。国際公開第2008/104237Al号と国際公開第2019/048691Al号はどちらも、部分的に黒く焦げた区画及び完全に燃え尽きた区画内でも容易にトレースできることからテラコッタの様なレッドブラウンへのいっそうの選好を表明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2008/104237Al号
【特許文献2】国際公開第2019/048691Al号
【特許文献3】欧州特許第16777617.8号
【特許文献4】欧州特許第2116280A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これらの利点はおしなべて価値を有するが、近隣火災に曝露されてしまった封止システムの検分より前に色の利点も経験されるようにその様な封止システムの色を更に最適化する必要性がある。
【0015】
開示の目的は上述の必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の1つの態様によれば、複数の要素であって、それらの各要素が、要素を用いて導管内に支持構造を作ることによって及び随意的には当該支持構造にあてがってシーラントを設けることによって導管を封止するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される、複数の要素が提供されており、各要素は主としてゴムを備える弾性材料であり、要素のうちの少なくとも1つ、好適には要素のそれぞれは、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈する。好適には、シーラントもその様な色を呈する。なおいっそう好適には、シーラントは、要素の色と同じ色を呈する。
【0017】
近隣火災への曝露後の封止システムの要素の検分より前に、封止システムの要素は少なくとも3つのはっきりと区別できる時間的期間を経てきている。まず、取り付けの期間がある。その後、近隣火災への曝露無しの使用の期間がある。次いで、火災を含む不幸な展開の場合には、近隣火災への曝露の期間がある。
【0018】
封止システムは、正しい技量を有し且つ十分な配慮を払う正しい精神性を有する作業員によって取り付けられる必要がある。しかしながら、予算の規制された環境では普通に起こっていることとして、仕事を成し遂げるのに或る程度の時間的プレッシャもあるだろう。これは非常に決定的な期間であり、封止システムがどれほど優れていようとも、誤った取り付けはその性能を損なう可能性がある。作業員の心の状態及び/又は身体の状態にゆとりがある場合、作業員は自身の技量を最適に適用し、取り付け中に間違いを犯さないように配慮を実践する可能性がより高いだろう。
【0019】
封止システムが取り付けられ、近隣火災に曝されていない間は、取り付けられた封止システムの諸特性は理想的に維持される。その段階では、色が、視認でき、その存在を合図し、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又は鎮静化心理学的効果を有するなら、色は、更に封止システムの近傍での作業が封止システムの存在についての知識を持って実施される可能性をより高めもするという利点を有する。作業員は、取り付けられた封止システムが近くにあることを、そして自分のどんな活動も封止システムの当面の及び長期的な完全性に悪影響を与えてはならないことを承知して、冷静に自分の仕事を遂行するはずである。
【0020】
近隣火災への曝露が起こっている時間的期間については、2つの異なる区域を考察する必要がある。一方の区域は曝露側と呼ばれる火災に最も近い側にあり、他方側は非曝露側と呼ばれる火災からより遠く離れた側にある。封止システムの要素の色は、ヒトが耐えることのできないはずの温度にて曝露側で変化し始めるだろう。経時的に、近隣火災への曝露が起き続けてゆけば、要素の全長さの色が、曝露側から非曝露側まで導管全体を通して変化することになるだろう。
【0021】
視認できる場合、これは、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又は沈静化心理学的効果を有するように選定された元の色が非曝露側でもはや見られなくなってしまう程度まで合図効果を有する。それは火災が継続していて、封止システムが変化してしまったという合図になる。そのことは好都合であり、というのも、封止システムの非曝露側のヒトは警報され、例えば消火するとか又は安全な位置への経路を探して熱く極めて危険な区域から脱出しようとするとか、適切な行動を取るべく活力を与えられるはずだからである。
【0022】
好都合にも、色は、こうして、封止システムが火災曝露時にその任務を果たそうとするのを確約するために封止システムの取り付けと封止システムの性能についての利点を有するような色であり、封止システムの耐用寿命の最も重要な部分全体を通して封止システムの要素の色からヒトが意識的又は半意識的に有用な支援を経験するような色であるとしてもよい。
【0023】
或る実施形態では、色はパステル色である。
【0024】
パステル色は、いたわり、優しさ、及び思いやりに関係していると考えられており、ゆえに、封止システムの要素が然るべく扱われる見込みが高まる。注目すべきこととして、封止システムの適用は、誤った適用及び意地の悪い故意の誤設置に敏感である。封止システムを適用するときの優しいアプローチは無配慮無制御な力の印加より良いとされ、というのもそれは高い応力集中を招きかねないからである。ひいては、これは応力緩和とクリープ現象の原因となりかねず、それらはどちらも経時的に封止システムの品質を損なうことになるだろう。封止システムの一部であるところの要素を、応力発生箇所又は脆弱スポットを検知することに敏感な心と指使いを持ちつつ封止システムへのいたわりの態度で以って取り付けることが、封止システムを最適に取り付けるために役立つ。
【0025】
好都合にも、パステル色はカラフルなティント(tint)をホワイトで薄く色づけした結果である。結果として、パステル色はより多くの光を反射し、必然的に、すべての波長の光の吸収度が下がるので、光が材料の諸特性に影響を与える可能性が低くなり、要素のゴムの品質の少なくとも幾らかの耐用寿命が延びる。
【0026】
同時に、パステル色をした要素は、要素が経験し得る後半の時間的期間中に、他の目的に使用され得る色をなおも有している。
【0027】
近隣火災に曝露されると、パステル色は他の非ホワイト色よりも熱をよく反射する可能性がある。
【0028】
或る実施形態では、色はグリーン色である。
【0029】
グリーンという色は、バランスと調和に関係することが知覚されている。それはヒトへのリラックス効果を有すると確信されている。この色は、応力の不均一分布が回避されるべきであって代わりにバランスと調和が追求される必要のある封止システムの取り付け工程に特に適しているようである。作業員の心構えを取り付けのための非常に適した条件に至らす可能性の高い色をした要素を有することは、封止部が適切に取り付けられる公算及び封止部が意図通りに然るべく機能する公算に寄与する。
【0030】
近隣火災への曝露までの要素の耐用寿命全体を通して、グリーン色は、不可欠な封止システムが存在していること及び封止システムを損傷しないように幾分かの注意を払う必要があることの強い合図を提供する。同時に、グリーン色は信号的に過度に強くなく、例えば、導管を通して別のケーブルを導き、次いで導管を封止し直すことが禁じられているという合図として受け取られる可能性は低い。
【0031】
近隣火災に曝露された場合、グリーンは、それがグリーンであり続ける限り、火災は要素がなおもグリーンである導管の側へ入り込むことを成し遂げていないという合図になる。
【0032】
或る実施形態では、色はパステルグリーン色である。
【0033】
パステルグリーンは、平静の感覚を促進するのに役立ち、また感情のバランスを取るのに役立つと考えられており、つまり、パステルグリーンの優しい外観はそれを特に鎮静的なシェード(shade)にする。これは、作業員を、鎮静的でバランスの取れたやり方で封止システムを取り付けるのに極めて適した精神状態に至らす可能性がなおいっそう高い。
【0034】
更にまた、パステルグリーンは、封止システムの耐用寿命を通して、アンバランスな感情を引き起こす可能性の低い色であり、したがって「安全」色であるように見える。
【0035】
パステルグリーン色は、その反射能に因り、近隣火災の場合にそれ自体を熱せられることから或る程度まで保護する。何れにせよ、パステルグリーン色は、反射能に関して言えば、すべてではないにしても他の殆どのグリーン色より優れているだろう。
【0036】
或る実施形態では、各要素は長手方向の要素である。その様な要素は、導管の軸方向に平行且つ導管を通って延びる任意のケーブル及び/又は管の軸方向に平行な向きでの導管内設置を可能にする。その様な様式で導管内に要素の多くクランプインされたとき、クランプインされた支持構造を導管から取り外せるまでに動揺させるために打ち勝つ必要のある摩擦力は極めて高い。
【0037】
或る実施形態では、各要素はフランジ無しである。これにより、フランジが導管の外側リムに当接し、然るに要素を導管内に更に奥へ一杯まで挿入するのを妨害するということがなくなるので、導管内への要素の完全挿入が可能になる。要素を導管の中へ一杯まで且つ導管の少なくとも一方の端では導管のリムより奥まで挿入できるようにするサイズに要素を製造する又は細断することによって、シーラントをクランプインされた要素にあてがって適用し、導管のリムと面一にさせることができる。そうすると、シーラントは導管によって機械的に或る程度まで保護されるし、シーラントは導管の内側壁に接着し、ゆえに導管の端を封鎖することができる。
【0038】
或る実施形態では、各要素は中空コアを有する管状要素であるか又は幾つかの要素が一体で中空コアを有する1つの管状要素を形成できるようになっている。これらの要素は、導管の少なくとも一端を封止するためのシーラントと組み合わせて適用されるのが理想的である。シーラントは、積み重ねられた要素によって形成される開口部の中へ押し込むことができ、然るに支持構造上への十分な「掴み」と支持構造へ接着するためのより多くの表面積を有する。
【0039】
或る実施形態では、各要素は形状が円筒状である。これは、容易設置を可能にするのみならず、クランプインされた要素の積重体から選択的に引き抜くことも可能にする。これは、例えば導管に追加のケーブルを引き通して再度封止する場合に役立ち、最初に封止システム全体を取り外す必要がなくなる。
【0040】
或る実施形態では、各要素は押出物から形成される。これは、急な依頼時における要素の迅速かつ費用効果の高い製造を可能にし、要素を、災害、事故、大惨事などによって生じ得る突然のニーズに応えるのに非常に適したものにする。
【0041】
或る実施形態では、各要素は射出成形によって形成される。これは、比較的高速に製造可能な、合理的サイズの要素を可能にする。
【0042】
或る実施形態では、各要素は圧縮成形によって形成される。これは、極めて大型の要素を作るのを可能にする。
【0043】
或る実施形態では、各管状要素は、8~40ミリメートルの範囲、好適には10~32ミリメートルの範囲の内径を有する。
【0044】
或る実施形態では、各管状要素は、16~50ミリメートルの範囲、好適には20~40ミリメートルの範囲の外径を有する。
【0045】
或る実施形態では、各管状要素は、約3~7ミリメートル、好適には4~6ミリメートルの厚さをしたマントル壁を有する。
【0046】
或る実施形態では、ゴムは、70~79ショアAの範囲、好適には72~77ショアAの範囲の硬度を有する。
【0047】
或る実施形態では、1つの要素、好適には各要素は、発泡体不含であり、その結果、ゴムは発泡剤を組み入れることなく提供され得る。
【0048】
別の実施形態では、1つの要素、好適には各要素は、発泡体を備え又は発泡体から作られている。要素は、熱の移動に対する非常に優れた障壁として機能することができる。発泡体は極めて優れた熱絶縁特性を有する。
【0049】
或る実施形態では、発泡体はセルを備え、セルのうち好適には60%より多くが独立セルである。これは、更に、個々の要素の熱障壁機能を改善する。
【0050】
或る実施形態では、ゴムはシリコーンゴムである。好都合にも、その様なゴムは「ミルキーホワイト」と記述され得る色で入手可能なその純粋な形態にあり、顔料を高レベルバッチで混ぜ入れることができる。これは、色の特性の優良活用又は既定された色の連想の活用を可能にする。
【0051】
或る実施形態では、ゴムは、セラミック化可能なゴムである。知られている様に、セラミック化可能なゴムは、大量の鉱物充填材を有するポリマーをベースとし得る。セラミック化可能なゴム、即ち、火への曝露下にセラミックへ変わるゴムは、耐火性電気ケーブルの製造に使用されてきた。鉱物充填材を充填された比較的薄いマントルは、なおも、室温で十分な可撓性をほぼ維持できる。その様な薄い層は、概ね、押し出され、次いで加硫され得る。ゴムの薄い層は、ケーブルのコアつまり多くの場合銅製の電気伝導性ケーブルによって、その押し出された形状に保たれる。意外にも、機械的力を吸収する必要のある封止システムの要素、したがって機械的力を分散させることのできる十分な厚さ及び/又は形状を有する必要のある封止システムの要素もまたセラミック化可能なゴムとすることができる。
【0052】
本開示の別の態様によれば、難燃性シーラントが、ゴム要素を使用して導管内に支持構造を設けることによって且つ支持構造にあてがってシーラントを設けることによって導管を封鎖するための耐火性封止システムの一部としての使用に供されるように提供されており、シーラントは、室温にて及び加硫前及び加硫後にヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの沈静化心理学的効果を有する色を呈するゴムへと加硫される。
【0053】
封止システムの要素について以上に概説された利点と同様に、近隣火災への曝露後の封止システムのシーラントの潜在的残留部の検分より前に、封止システムのシーラントは少なくとも3つのはっきり区別できる時間的期間を経てきている。まず、取り付けの期間がある。その後、近隣火災への曝露無しの使用の期間がある。次いで、火災を含む不幸な展開の場合には、近隣火災への曝露の期間がある。
【0054】
封止システムは、正しい技量を有し且つ十分な配慮を払う正しい精神性を有する作業員によって取り付けられる必要がある。しかしながら、予算の規制された環境では普通に起こっていることとして、仕事を成し遂げるのに或る程度の時間的プレッシャもあるだろう。これは非常に決定的な期間であり、封止システムがどれほど優れていようとも、誤った取り付けはその性能を損なう可能性がある。作業員の心の状態及び/又は身体の状態にゆとりがある場合、作業員は自身の技量を最適に適用し、取り付け中に間違いを犯さないように配慮を実践する可能性がより高いだろう。
【0055】
封止システムが取り付けられ、近隣火災に曝されていない間は、取り付けられた封止システムの諸特性は理想的に維持される。その段階では、色が、視認でき、その存在を合図し、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又は鎮静化心理学的効果を有するなら、色は、更に封止システムの近傍での作業が封止システムの存在についての知識を持って実施される可能性をより高めもするという利点を有する。作業員は、取り付けられた封止システムが近くにあることを、そして自分のどんな活動も封止システムの当面の及び長期的な完全性に悪影響を与えてはならないことを承知して、冷静に自分の仕事を遂行するはずである。
【0056】
近隣火災への曝露が起こっている時間的期間については、2つの異なる区域を考察する必要がある。一方の区域は曝露側と呼ばれる火災に最も近い側にあり、他方側は非曝露側と呼ばれる火災からより遠く離れた側にある。封止システムのシーラントの色は、ヒトが耐えることのできないはずの温度にて曝露側で変化し始めるだろう。経時的に、近隣火災への曝露が起き続けてゆけば、非曝露側に適用されたシーラントの色が変化してゆくことになるだろう。
【0057】
視認できる場合、これは、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又は沈静化心理学的効果を有するように選定された元の色が非曝露側でもはや見られなくなってしまう程度まで合図効果を有する。それは火災が継続していて、封止システムが変化してしまったという合図になる。そのことは利点であり、というのも、封止システムの非曝露側のヒトは警報され、例えば消火するとか又は安全な位置への経路を探して熱く極めて危険な区域から脱出しようとするとか、適切な行動を取るべく活力を与えられるはずだからである。
【0058】
好都合にも、色は、こうして、封止システムが火災曝露時にその任務を果たそうとするのを確約するために封止システムの取り付けと封止システムの性能についての利点を有するような色であり、封止システムの耐用寿命の最も重要な部分全体を通して、封止システムのシーラントの色からヒトが意識的又は半意識的に有用な支援を経験するような色であるとしてもよい。
【0059】
或る実施形態では、色はパステル色である。
【0060】
パステル色は、いたわり、優しさ、及び思いやりに関係していると考えられており、ゆえに、封止システムの要素が然るべく扱われる見込みが高まる。注目すべきこととして、封止システムの適用は、誤った適用及び意地の悪い故意の誤設置に敏感である。封止システムを適用するときの優しいアプローチは無配慮無制御な力の印加よりも良いとされる。シーラントは、高い精度と均一性で、しかも被覆域の欠損無しに適用される必要がある。
【0061】
好都合にも、パステル色はカラフルなティントをホワイトで薄く色づけした結果である。結果として、パステル色はより多くの光を反射し、必然的に、すべての波長の光の吸収度が下がるので、光が材料の諸特性に影響を与える可能性が低くなり、要素のゴムの品質の少なくとも幾らかの耐用寿命が延びる。
【0062】
同時に、パステル色をした要素は、要素が経験し得る後半の時間的期間中に、他の目的に使用され得る色をなおも有している。
【0063】
近隣火災に曝露されると、パステル色は他の非ホワイト色よりも熱をよく反射する可能性がある。
【0064】
或る実施形態では、色はグリーン色である。
【0065】
グリーンという色は、バランスと調和に関係することが知覚されている。それはヒトへのリラックス効果を有すると確信されている。この色は、バランスと調和が追求される必要のあるシーラントの取り付け工程に特に適しているようである。作業員の心構えを適用のための非常に適した条件に至らす可能性の高い色をしたシーラントを有することは、封止部が適切に適用される公算及び封止部が意図通りに然るべく機能する公算に寄与する。
【0066】
近隣火災への曝露までの要素の耐用寿命全体を通して、グリーン色は、不可欠な封止システムが存在していること及び封止システムを損傷しないように幾分かの注意を払う必要があることの強い合図を提供する。同時に、グリーン色は信号的に過度に強くなく、例えば、導管を通して別のケーブルを導き、次いで導管を封止し直すことが禁じられているという合図として受け取られる可能性は低い。
【0067】
近隣火災に曝露された場合、グリーンは、それがグリーンであり続ける限り、火災は要素がなおもグリーンである導管の側へ入り込むことを成し遂げていないという合図になる。
【0068】
或る実施形態では、色はパステルグリーン色である。
【0069】
パステルグリーンは、平静の感覚を促進するのに役立ち、また感情のバランスを取るのに役立つと考えられており、つまりパステルグリーンの優しい外観は、それを特に鎮静的なシェードにする。これは、作業員を、鎮静的でバランスの取れたやり方で封止システムを取り付けるのに極めて適した精神状態に至らす可能性がなおいっそう高い。特に、シーラントの適用工程の終わりの段階では、シーラントが封止システムの要素によって形成された支持構造にあてがって、また場合によっては部分的に中へ入れて、しっかり押圧されていることを確約するために、作業員はたびたび手や指を使う必要があるだろう。
【0070】
更にまた、パステルグリーンは、封止システムの耐用寿命を通して、アンバランスな感情を引き起こす可能性の低い色であり、したがって「安全」色であるように見える。
【0071】
パステルグリーン色は、その反射能に因り、近隣火災の場合にそれ自体を熱せられることから或る程度まで保護する。何れにせよ、パステルグリーン色は、反射能に関して言えば、すべてではないにしても他の殆どのグリーン色より優れているだろう。
【0072】
本開示をより深く理解できるようにするため、また本開示がどのように実行に移されるかを示すために、これより添付図面を単に一例として参照してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】板状の構造物要素であって、それを通って延びる導管と、それぞれが導管を封止するための封止システムの一部としての使用に供される複数の要素と、を有し、複数の要素は本開示によるものである、板状構造物要素を示す(より多くの視界を提供するために部分的に切り取られている)。
【
図2】本開示による複数の要素の或る実施例の中の1つの要素を示す。
【
図3】本開示による複数の要素を有する別の導管の前面図を示す。
【
図4】
図3の導管を斜視図に示しており、半分だけが本開示による複数の要素を充填されている。
【
図5】別の板状の構造物要素であって、それを通って延びる別の導管と、それぞれが導管を封止するための封止システムの一部としての使用に供される別の複数の要素と、を有し、複数の要素は本開示によるものである、別の板状構造物要素を示す(より多くの視界を提供するために部分的に切り取られている)。
【
図6】
図5と同じ構造物要素であって、複数の要素にあてがって設けるための随意的なシーラントが提供されている構造物要素を示す。
【
図7】板状の構造物要素であって、それを通って延びる導管と、その中に設置された本開示による複数の要素と、複数の要素にあてがって設けられたシーラントの層と、を有する構造物要素を断面図に示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図面及び図面の説明では、同様の部分は同様の参照符号を有する。
【0075】
図1は、区画Iと区画IIの間の仕切りとして機能する板状構造物要素1を示す。区画Iから区画IIの中へ構造物要素1を通って管2が延びている。そのために、導管3が、管2が導管3を通って延びることができるように位置決めされている。導管3の外側壁は、板状構造物要素の開口部のリムにあてがって溶接されてもよいが、板状構造物要素にあてがってボルト固定されてもよい。導管3と板状構造物要素1の間の幾分かの潜在的ギャップを封止するように導管を取り付けることは、当業者にとって課題ではなく、日常的な活動であり、本開示の焦点ではない。
【0076】
導管3内には、複数の要素(この実施では2つ)が見えており、各要素は、複数の要素5を使用して導管3内に支持構造を設けることによって導管3を封止するための封止システム4の一部としての使用に供されている。
図1の実施例は2つの要素5を示している。各要素5は、主としてゴムを備える弾性材料である。好適には、要素5の少なくとも1つ、なおいっそう好適には各要素5は、
図2にその一実施例が示されている長手方向の要素である。好適には、図示の様に、各要素5はフランジ無しである。
図2に示されている長手方向の要素は、内側リブ6、外側リブ7、遠位端17、及び近位端18を有する封止部の一方の半部である。半部プラグ5は、理想的にはもう片方の半部プラグと共に、導管内の導管内側壁と管2の間に形成される環状空間の中へ挿入されることができる。挿入時には、まず遠位端17を差し込み、近位端18に圧力を印加しながらプラグ部分を一杯まで挿入する。
【0077】
要素5の少なくとも1つ、好適には、要素5のそれぞれは、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈する。
【0078】
この説明の中で更に図面に焦点を当てる前に、図面には容易に表示されないがなおも本開示の一部である特徴をどのように得ることができるかについての解説を提供しておきたい。
【0079】
ヒトへの鎮静化生理学的効果を有する色がその様な特徴であることは最も妥当である。ヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色もおそらくその様な特徴である。
【0080】
長い間科学的に証明されてこなかったとはいえ、色が生理学的効果を生み、また心理学的効果を生むことは何世紀にも亘って知られている。生理学的効果は身体に変化を生じさせるのに対し心理学的効果は心に変化を生じさせる。
【0081】
ヒトの色覚を支える生理学的メカニズムは100年近くに亘って理解されているが、色の非視覚的効果については別のメカニズムがあることが発見され或る程度解ってきたのはほんのここ数十年のことである。耳が或る特定の周波数内の音をヒトが感知できるようにし且つそれに加えて平衡感覚をヒトに提供している様に、眼も複数の機能を果たすことが今では知られている。
【0082】
眼の後部の網膜にある錐体として知られる光感受性細胞は、主に視覚野として知られる脳の領域へ電気化学信号を送り、そこで我々が見る視像が形成される。しかしながら、一部の網膜神経節細胞は、主として、視像の形成には何らの役割も担っていない視床下部と呼ばれる脳の中枢領域へ信号を送ることによって光に応えることが今では知られている。
【0083】
視床下部は、体温、睡眠、空腹、及び24時間サイクルに関する他のリズムを含め、身体の自律調整の多くの態様を制御する様々なホルモンの分泌を司る脳の重要部分である。
【0084】
網膜細胞は、ヒトの眼と視床下部の間の経路を形成している。網膜細胞は、可視スペクトルの短波長、即ちブルーとグリーンに選択的に感受性がある。
【0085】
したがって、ブルーやグリーンの様な色が、幾つか例を挙げるなら心拍数、覚醒度、及び気分に影響を与え得る確立された生理学的メカニズムがあるのは明白である。
【0086】
心理学的効果は心的に感知される。以前の経験及び/又は学習した振る舞いは、人々が色にどう反応するかを或る程度決定づけるかもしれない。但し、幾つかの経験は普遍的であるので、反応も普遍的である傾向がある。色と我々の感情の連関は、感情と色覚がどちらもヒトの脳の右半球で起こるプロセスであるという事実に由来し得る。
【0087】
何れかの理論に縛られることを望むわけではなく、一般論として、本質的に威嚇的でないとされる色は、身体的に静穏性であり、同時に感情の高揚を現出させ得るものと確信されている。
【0088】
複数の要素のそれぞれの色はグリーン色であってもよい。
【0089】
グリーンは、自然を最も連想させる色である。人々はグリーンへの曝露をリラックスやリフレッシュとして経験する傾向がある。グリーンは、静穏的で安らかな色である。
【0090】
色彩心理学では、グリーンは平静の感覚を促進するのに役立ち、また感情のバランスをとるのに役立つと考えられている。実際、グリーンは鎮静化効果を有し、職務に集中するのに役立つことを示唆する多くの観察がある。
【0091】
複数の要素5のそれぞれの色はパステル色であってもよい。
【0092】
パステル色は「色にホワイトを加える」ことによって得ることができる。それは色の反射能を高めるのみならず、パステル色は、とりわけ静穏的であり、ゆえにヒトを鎮静化するのに適している。
【0093】
複数の要素の各々の色は、グリーンパステル色であってもよい。パステルグリーンの優しい外観はそれをとりわけ鎮静的なシェードにする。パステルグリーンの和らいだ外観は、それを目に優しく、大量使用に適したものにする。それは、更に、リラクゼーションを促進し、健康及びフレッシュさを連想させる。
【0094】
パステル又はパステル色は淡色系に属し、HSV色空間で記述すると、高い明度と低乃至中度の彩度を有する。
【0095】
色は、再現性を照合するために、また、他の色の使用に基づいて色を作るためのガイダンスとして、定量化可能であるのが理想的である。
【0096】
以下に、パステル色を記述するのに非常に適したHSV色空間と呼ばれるものへの入門として幾つかの色モデルを論じる。
【0097】
RGB(レッド、グリーン、ブルー)の色モデルは、色を混合及び作成する場合の最もよく知られたやり方である。市販のプリンタは、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、キー)を使用していることがある。グラフィックソフトウェアは、HSV(色相(hue)、彩度(saturation)、明度(value))を使用する傾向がある。これらはすべて、我々が目にするスペクトルを作成するのに色が組み合わさるやり方を説明するスキームである。
【0098】
原色を使用するRGB及びCMYKとは異なり、HSVはヒトが色を知覚するやり方に近い。それは、色相、彩度、明度という3成分を有する。この色空間は、色(色相又はティント)をその色のシェード(彩度又はグレー量)とその色の明るさの値の観点で記述する。Adobe Photoshopにある様な一部のカラーピッカーは、明度「value」を「brightness」という用語に置き換えた頭字語HSBを使用しているが、HSVとHSBは同じ色モデルを指す。
【0099】
HSV色ホイールは、円錐又は円柱として見られることもあるが、常にこれら3成分を備える。
【0100】
色相はモデルの色部分であり、0度から360度の数で表現される。
・レッドは0~60度の間に収まる。
・イエローは61~120度の間に収まる。
・グリーンは121~180度の間に収まる。
・シアンは181~240度の間に収まる。
・ブルーは241~300度の間に収まる。
・マゼンタは301~360度の間に収まる。
【0101】
彩度は、特定の色中のグレーの量を0%から100%で記述する。この成分を0に向かって減らしてゆくことがより多くのグレーを投入し、フェード効果を現出させる。時として、彩度は単に0~1の範囲として見られることもあり、その場合、0がグレーで1が原色である。
【0102】
明度(value又はbrightness)は彩度と連携して機能し、色の明るさ又は強度を0%から100%で記述するものであり、0は完全にブラックであり、100は最も明るく、最も多くの色を露呈する。
【0103】
HSVは人と色がどのように関係しているかをRGB色モデルよりもよく表すので、設計者は塗料又はインクの色を選択するときにHSV色モデルを使用する。
【0104】
HSV色ホイールも高品質グラフィックスに寄与する。それのRGB及びCMYK同類に比べるとあまり知られていないが、HSVアプローチは多くのハイエンド画像編集ソフトウェアプログラムで利用可能である。
【0105】
HSV色を選択するには、まず利用可能な色相のうち1つをピックし、次いでシェードと明るさの値を調節することから始める。
【0106】
パステル色は、RGBコードの変換であるHEXコードで表されることもある。変換表はインターネット上で広く利用可能である。
【0107】
パステルグリーンはHEXコードでは#77dd77と称される。
【0108】
RGB色空間(レッド、グリーン、ブルーの3色光で作られる)では、HEXコード#77dd77は、レッド46.7%、グリーン86.7%、ブルー46.7%で作られている。CMYK色スペース(プロセス色又は4色としても知られ、カラー印刷で使用される)では、HEXコード#77dd77は、シアン46%、マゼンタ0%、イエロー46%、ブラック13%で作られている。パステルグリーンは、色相角度120度、彩度60%、明るさ66.7%を有する。
【0109】
次の表は、パステルグリーンを表現する幾つかの追加のやり方を示している。
【表1】
【0110】
グリーンという色をコードで表す他のやり方は以下の通りである。
【表2】
【0111】
この開示の文脈では、「パステルグリーン」は、スプリンググリーン、ミディアムスプリンググリーン、ライトグリーン、及びペールグリーンと称されるグリーン色を包含する。本開示の文脈では、更に、以下の色コードがパステルグリーンという用語によって包含されると考えられ、即ち、#91dd77 rgb(145,221,119)、#88dd77 rgb(136,221,119)、#80dd77 rgb(128,221,119)、#77dd80 rgb(119,221,128)、#77dd88 rgb(119,221,136)、#77dd91 rgb(119,221,145)がそうである。
【0112】
次に
図3を参照して、
図3は、導管フレーム3とも呼ばれる別のタイプの導管3の前面図を示している。別のタイプの複数の要素5が導管3内に設置され、圧縮ユニット11が、むしろ導管フレーム3とされる導管3の高いところに配置されている。圧縮ユニット11の目的は以下に解説する。
図4は、
図3の導管フレーム3を斜視図に示しており、半分だけが要素5を充填されていて、圧縮ユニットは無い。これらのタイプの要素5を内部に備えるこのタイプの導管フレーム3は、しばしばマルチケーブルトランジット又は略してMCTと呼ばれる。本質的に、要素5は、図示の様に、封止システム4の複数のセットを備えている。各封止システム4は、
図3及び
図4に示されている様に、要素5を2つ備えている。これら2つの要素5は、一体で、1本のケーブル(図示せず)を通して延ばすのに適するブロック状封止システム4を形成する。上部ブロック状封止システムは、2本のケーブルが囲まれるのを許容する。2つの要素5に基づくブロック状封止システム4は、形状が矩形である。図示されている様に各ブロック状封止システム4は、ケーブルが各封止システム4の位置辺りで導管フレーム3を通って設置されようとするときに除去されることになるゴムコア8を備えている。それぞれの封止システム4の2つの要素5は、ケーブルの周りに設置され、一体でブロック状封止システム4を形成することになる。各要素5には、除去されるゴムコア8の直径よりわずかに厚い直径を有するケーブルも同じく2つの半部によって封止式に囲まれ得ることを確約するために、除去することのできる剥ぎ取り可能な層9が設けられているので、それぞれのブロック状封止システム4の寸法及び形状から逸脱するには及ばない。同じ寸法を有するブロック状封止システム4が一列に並べられ、次いで、一体に導管3内にぴったりと嵌め込まれる。
図4から明白な様に、要素5は、導管フレーム3を通って延び得るケーブルの方向と一致する方向に延びている。
【0113】
封止システム4の列の一番上には、以下に解説する目的のためにステープレート10が設置されてもよい。ステープレート10の上に封止システム4の別の列が設置されてもよい。この列は異なる寸法のブロック状封止システム4を含むこともでき、それでいてなお当該列内の複数のブロック状封止システムが導管内にぴったり嵌るようになっている。その列の上に、別のステープレートが設置されてもよい。導管3は、この様式で、圧縮ユニット11(導管内に予め設けられていない場合)を嵌め込めるレベルまで充填されていってもよい。圧縮ユニットは、積み重ねられた封止システムへ下向きに圧力を印加するために締め付けることのできるねじ7を有する。その様な圧縮ユニットの機能の仕方は本開示の範囲を越えている。ステープレート10は、圧縮ユニット11からの「圧縮」を分配しようとするものである。
【0114】
その様なMCTもまたこうしてフランジ無しの要素を提供される。複数の要素5は一体で中空コアを有する1つの管状要素を形成することができる。各要素5は、断面が要素の1つの方向に変化していないという意味で円筒状である。
【0115】
各要素5は、複数の要素5を用いて導管内に支持構造を設けることによって導管3を封止するための封止システム4の一部としての使用に供されるものであり、各要素5は、主としてゴムを備える弾性材料である。要素5のうちの少なくとも1つ、好適には要素5のそれぞれは、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈する。色は、パステル色、グリーン色、グリーンパステル色とすることができる。
【0116】
圧縮が経時的に応力緩和及び/又はクリープ現象を引き起こし、その結果ケーブルの被覆の寸法に変化が生じることを考えて明らかな理由から、
図3に示されているMCTの封止完全性は時間の経過と共に劣化する傾向があり、漏れ始める可能性がある。
【0117】
そこで、
図3及び
図4に示されている様に、及び/又は、参照によって本明細書に援用される欧州特許出願第16777617.8号に解説されている様に、シーラントが封止システム4にあてがって適用されてもよい。
【0118】
更に、シーラントは、要素5のために選定された色に近い色を呈していてもよく、シーラントは要素5が呈する色と同じ色を呈しているのが好適である。
【0119】
図5は、別の板状構造物要素1(より多くの視界を提供するために部分的に切り取られた)を示しており、当該板状構造物要素1は、その中を通って延びる別の導管3と、それぞれが封止システム4の一部としての使用に供される別の複数の要素5と、を有している。ここでの要素5は、何れも参照によって本明細書に援用される国際公開第2008/104237Al号及び国際公開第2019/048691Al号に示されたスリーブの様である。より詳細には、要素のうちの少なくとも1つ、好適には各要素5は、長手方向の要素である。各要素5は、好適には、フランジ無しである。各要素5は、好適には、中空コアを有する管状要素5であり、又は、その場合、複数の要素5が一体で中空コアを有する1つの管状要素(図示せず)を形成することができる。各要素5は、好適には、円筒状である。各要素5は、押出物から形成されていてもよく、射出成形によって形成されていてもよく、又は圧縮成形によって形成されていてもよい。
【0120】
好適には、各要素5は、8~40ミリメートルの範囲、好適には10~32ミリメートルの範囲の内径を有する。更に、各管状要素5は、16~50ミリメートルの範囲、好適には20~40ミリメートルの範囲の外径を有する。各管状要素5は、更に、約3~7ミリメートル、好適には4~6ミリメートルの厚さのあるマントル壁を有していてもよい。管状要素5は、ケーブルの周りに管状要素を設置できるように長手方向のスリットを有していてもよい。或る特定の範囲内の直径を有するケーブルに対し1つのタイプのスリットが適応できるように、スリットの縁同士は互いに重なり合ってもよい。ユニットへと一体に結着された複数の要素5を有するのが好都合ではあるが、要素5の殆どが別々の個々の要素であってもよい。欧州特許第2116280A1号は、更に、スリーブと呼ばれるその様な要素5の開示を提供している。
【0121】
ゴムは、70~79ショアAの範囲、好適には72~77ショアAの範囲の硬度を有していてもよい。これは、適切な(鉱物)添加物を用いた日常的実験によって実現することができる。
【0122】
図6は、
図5と同じ板状構造物要素1を、導管3内に一体でクランプイン型支持構造を形成するように設置された複数の要素5にあてがって設けるために提供された追加の随意的なシーラント12と共に示している。図示の様に、シーラントは、技術的によく知られているカートリッジ13を介して設けられてもよい。
【0123】
要素5のそれぞれ、好適には全ては、室温にて、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する色を呈する。シーラント12が設けられる場合、シーラントもまたその様な色を呈しているのが好適であり、要素5が呈する色と同じ色を呈しているのがなおいっそう好適である。
【0124】
導管3の一端のみにシーラント12が適用されていれば導管3は封鎖されていると見なすことができるだろうが、シーラントは導管3の両端に適用されるのが理想的である。
【0125】
色は、好適には、パステル色及び/又はグリーン色である。これは要素に適用され、シーラントが設けられる場合にはシーラントにも適用されるのが好適である。
【0126】
図7は、板状構造物要素1を断面で示しており、板状構造物要素1からは導管3が延びている。導管3を通って管2が延びている。導管3の内側壁16と管2との内側には複数のゴム要素5が設置されている。導管3には、複数の要素5にあてがってシーラント12の層が設けられている。この実施例では、シーラント12は、図示の様にFと記された位置にて板状構造物要素1と面一である。しかしながら、現実には、どちらの端部14、15から封止された導管3に火が迫ってくるかは未知であるので、導管3の両端にてシーラント12が複数の要素5にあてがって設けられるのが理想的である。
【0127】
図1、
図5、
図6、及び
図7に示されている導管3を通って管2が延びていることが示されているが、複数の管が導管を通って延びていることもあり得る。更に、管の代わりに、実際にはもっとよくある事例としてケーブルがその様な導管3を通って延びていることもあり得る。
【0128】
本開示の各要素5のゴムは、好適には、ミルキーホワイト色で入手可能なシリコーンゴムである。顔料を高レベルのバッチで適切に添加することによって、グリーンのシリコーンゴムを得ることができる。
【0129】
難燃性鉱物の殆どはホワイト粉末の形態で入手可能であるため、これらの粉末を高レベルのバッチで混合することで、グリーンパステル色を有するシリコーンゴムがもたらされる。これはゴムの光反射能を高める。
【0130】
顔料の高バッチレベル混合に因りシリコーンゴムが純粋にグリーンをしていて、鉱物添加物の混合後にもパステルグリーン色を帯びていなくても、酸素の存在下にひとたびシリコーンゴムの加熱が起これば、ゆくゆくはミルキーホワイト色中の超微細SiO2粉末がゴムの表面に形成され、その結果、最終的にパステルグリーン色が形成される。これは反射能を高める。したがって、グリーンのシリコーンゴムは、相対的に低い温度では、主にそれがグリーンであることに基づくヒトへの効果を有している。例えば近隣火災に因り、ゴムが加熱されると、ゴムはパステルグリーン色を帯び、最終的には光の反射により優れたソフトホワイトへと変わってゆく。
【0131】
セラミック化可能なゴムが、シリコーンゴムをベースに開発されるのみならずより一般的な有機ポリマーをベースに開発されてもよく、その様なセラミック化は、少なくとも部分的に難燃性に関与する。セラミック化を促進するための大量の添加剤が使用されたならば、ポリエチレン及びポリ(ビニル-アセテート)ベースの及び不飽和ポリエステルベースの火災障壁複合材料ではセラミック化が起こることが知られている。更に、セラミック化可能なスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)(EVA)、EVA/PDMSベースの複合材料も作られ得る。
【0132】
セラミック化可能なシリコーンゴムベースの複合材料は、最近では、火災時の銅コア保護のための被覆材料としてケーブル業界では広く一般的に使用されている。その様なカバーは、押し出され、所望の押し出し形状になったら加硫される。空気中の水分が、架橋として知られるネットワーク構造を形成するための座を提供するために使用される。一成分系に特有なのは、架橋構造への硬化が外部浮遊物質(水分)によって開始されることであり、これは得られる硬化の程度がシリコーンの断面厚さに依存することを意味する。硬化時間は厚さと共に増加するので、数ミリメートルの厚さが限界であると考えられる。
【0133】
開示は、以上に示され論じられたものに限定されない。ゴム及び難燃性封止システムでの要素の使用が引き合いに出されているが、要素は、オンショア構造物及び/又はオフショア構造物、例えばトンネルなど、でのギャップシールとして適用されてもよい。導管の封止は、導管が、導管を通って延びる1本又はそれ以上の管を有しているときに行われるが、導管が、導管を通って延びる1本又はそれ以上のケーブルを有しているときにも行われることができる。
【0134】
封止システムの目的は、実際のところ、火災の拡がりを阻止することであるとされるが、追加的又は代替的には、水の浸入の拡がり及び/又は水圧、爆発、振動、(再)沈下などに起因する力学的に起こる負荷の拡がりを阻止することであるとしてもよい。
【0135】
以下の番号の付された項は更なる開示を提供する。
【0136】
項1.複数の要素であって、それらの各要素が、複数の要素を使用して導管内に支持構造を設けることによって及び随意的には当該支持構造にあてがってシーラントを設けることによって導管を封止するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される、複数の要素において、各要素は主として耐火性ゴムを備える弾性材料であり、要素のうちの少なくとも1つ、好適には要素のそれぞれは、室温にて、グリーン色を呈し、好適にはシーラントもその様な色を呈し、よりいっそう好適には、シーラントは同じ色を呈する、複数の要素。
【0137】
項2.項1に記載の複数の要素において、色はパステル色である、複数の要素。
【0138】
項3.項1及び/又は3に記載の複数の要素において、色はヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの鎮静化心理学的効果を有する、複数の要素。
【0139】
項4.項1、2、又は3に記載の複数の要素において、色はグリーンパステル色である、複数の要素。
【0140】
項5.項1乃至4の何れか一項に記載の複数の要素において、要素のうちの少なくとも1つ、好適には各要素は、長手方向の要素である、複数の要素。
【0141】
項6.項1乃至5の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素はフランジ無しである、複数の要素。
【0142】
項7.項1乃至6の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は中空コアを有する管状要素であり、又は、幾つかの要素が一体で中空コアを有する1つの管状要素を形成し得る、複数の要素。
【0143】
項8.項1乃至7の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は円筒状である、複数の要素。
【0144】
項9.項1乃至8の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は押出物から形成される、複数の要素。
【0145】
項10.項1乃至9の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は射出成形によって形成される、複数の要素。
【0146】
項11.項1乃至10の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は圧縮成形によって形成される、複数の要素。
【0147】
項12.項1乃至11の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素は、8~40ミリメートルの範囲、好適には10~32ミリメートルの範囲の内径を有する、複数の要素。
【0148】
項13.項1乃至12の何れか一項に記載の複数の要素において、各管状要素は、16~50ミリメートルの範囲、好適には20~40ミリメートルの範囲の外径を有する、複数の要素。
【0149】
項14.項1乃至13の何れか一項に記載の複数の要素において、各管状要素は、約3~7ミリメートル、好適には4~6ミリメートルの厚さのあるマントル壁を有する、複数の要素。
【0150】
項15.項1乃至14の何れか一項に記載の複数の要素において、ゴムは、70~79ショアAの範囲、好適には72~77ショアAの範囲の硬度を有する、複数の要素。
【0151】
項16.項1乃至9の何れか一項に記載の複数の要素において、各要素、好適には全ての要素は、発泡体を備えている、複数の要素。
【0152】
項17.項16に記載の複数の要素において、発泡体はセルを備え、そのうちの好適には60%より多くが独立セルである、複数の要素。
【0153】
項18.項1乃至17の何れか一項に記載の複数の要素において、ゴムはシリコーンゴムである、複数の要素。
【0154】
項19.項1乃至18の何れか一項に記載の複数の要素において、ゴムはセラミック化可能なゴムである、複数の要素。
【0155】
項20.耐火性シーラントであって、ゴム要素を使用して導管内に支持構造を設けることによって及び当該支持構造にあてがってシーラントを設けることによって導管を封鎖するための耐火性封止システムの一部としての使用に供される耐火性シーラントにおいて、シーラントは、室温にて及び加硫後にグリーン色を呈するゴムへと加硫される、耐火性シーラント。
【0156】
項21.項20に記載のシーラントにおいて、色はパステル色である、シーラント。
【0157】
項22.項20及び/又は21に記載のシーラントにおいて、色は、ヒトへの鎮静化生理学的効果及び/又はヒトへの沈静化心理学的効果を有する、シーラント。
【0158】
項23.項20、21、又は22に記載のシーラントにおいて、色はグリーンパステル色である、シーラント。
【0159】
項24.項20乃至23の何れか一項に記載のシーラントにおいて、シーラントは加硫後にシリコーンゴムを備える、シーラント。
【符号の説明】
【0160】
I、II 区画
1 板状構造物要素
2 管
3 導管
4 ブロック状封止システム
5 複数の要素
6a 内側リブ
6b 外側リブ
7 ねじ
8 ゴムコア
9 剥ぎ取り可能な層
10 ステープレート
11 圧縮ユニット
12 シーラント
13 カートリッジ
16 内側壁
17 遠位端
18 近位端
F 面一位置
【国際調査報告】