(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ガス圧縮システム
(51)【国際特許分類】
F04C 23/00 20060101AFI20240621BHJP
F04C 29/02 20060101ALI20240621BHJP
F04C 29/04 20060101ALI20240621BHJP
F04C 18/16 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
F04C23/00 D
F04C29/02 351
F04C29/04 Z
F04C18/16 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576350
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 CN2022099266
(87)【国際公開番号】W WO2023273907
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110744471.3
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522478352
【氏名又は名称】アトラス コプコ (ウーシー) コンプレッサー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ワン チュンリン
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AB01
3H129AB12
3H129BB12
3H129BB32
3H129BB42
3H129BB43
3H129CC23
3H129CC43
(57)【要約】
ガス圧縮システム(100)は、第1段圧縮機ヘッド(1)及び第2段圧縮機ヘッド(2)と;オイル-ガス分離容器(4)と;第1段圧縮機ヘッド(1)と第2段圧縮機ヘッド(2)との間に配置され、段間圧縮ガスを冷却するように構成された噴霧器(9)と;を含む。噴霧器(9)は、圧縮ガスを導入するように構成されたガス入口(94)と;圧縮機オイルを導入するように構成されたオイル入口(93)と;段間圧縮ガスを冷却するオイル噴霧するように構成された少なくとも1つのオイル噴霧口(95)と;を含む。ガス圧縮システム(100)では、噴霧器(9)は、第1段圧縮機ヘッド(1)と第2段圧縮機ヘッド(2)との間で、オイルとガスの混合物を段間圧縮ガスに噴霧することができる。従って、除去ライン内に含まれるオイルとガスの特性を知的に利用することで、噴霧器の段間熱交換効果を高めることができ、それによって二段圧縮の性能が改善される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス圧縮システム(100)であって、
第1段圧縮機ヘッド(1)及び第2段圧縮機ヘッド(2)と、
前記第2段圧縮機ヘッド(2)及び前記第1段圧縮機ヘッド(1)と連通するオイル-ガス分離容器(4)と、
前記第1段圧縮機ヘッド(1)と前記第2段圧縮機ヘッド(2)との間に配置され、段間圧縮ガスを冷却するように構成された噴霧器(9)と、
を備え、前記噴霧器(9)は、
圧縮ガスを導入するように構成されたガス入口(94)と、
圧縮機オイルを導入するように構成されたオイル入口(93)と、
前記段間圧縮ガスをオイル噴霧冷却するように構成された少なくとも1つのオイル噴霧口(95)と、
を備える、ガス圧縮システム(100)。
【請求項2】
前記第1段圧縮機ヘッド(1)及び第2段圧縮機ヘッド(2)は一体部品として形成され、前記噴霧器(9)は、前記第1段圧縮機ヘッド(1)と前記第2段圧縮機ヘッド(2)との間の段間段に配置されている、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項3】
前記第1段圧縮機ヘッド(1)と前記第2段圧縮機ヘッド(2)との間に配置された段間冷却室(3)をさらに備え、前記噴霧器(9)は、前記段間冷却室(3)内に配置されている、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項4】
前記噴霧器(9)の前記オイル入口(93)は、第1のオイル戻し管路(81)を介して前記オイル-ガス分離容器(4)と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項5】
前記オイル-ガス分離容器(4)内に配置されたオイル-ガス分離カートリッジ(5)をさらに備え、前記噴霧器(9)の前記ガス入口(94)は、除去ライン(7)を介して前記オイル-ガス分離カートリッジ(5)と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項6】
前記噴霧器(9)の前記ガス入口(94)は、前記第2段圧縮機ヘッド(2)のガス排出端と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項7】
前記噴霧器(9)のガス入口(94)は、前記オイル-ガス分離容器(4)のガス出口端と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項8】
前記噴霧器(9)は、中空の内室(911)を有する内管(91)と、内管(91)にスリーブされた外管(92)とを備え、外室(921)が前記外管(92)と前記内管(91)とによって画定され、前記内室(911)は、前記外室(921)と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項9】
前記オイル入口(93)は、前記外室(921)と連通しており、前記ガス入口(94)は、前記内室(911)と連通しており、前記少なくとも1つのオイル噴霧口(95)は、前記外管(92)の外周壁に画定されかつ前記外室(921)と連通している、請求項8に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項10】
前記ガス入口(94)は、前記外管(92)の第1の端部に配置されかつ前記内管(91)の第1の端部を貫通しており、前記内管(91)の第2の端部は、前記外管(92)の中に配置されている、請求項9に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項11】
少なくとも1つのオイル通路孔(96)が、前記内管(91)の前記第2の端部の中に画定され、前記内室(911)と前記外室(921)とを連通するように構成されている、請求項10に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのオイル通路孔(96)は、複数のオイル通路孔(96)を含み、前記複数のオイル通路孔(96)は、前記内管(91)の外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている、請求項11に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項13】
前記オイル入口(93)は、前記外管(92)の外周壁上に配置されている、請求項9に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオイル噴霧口(95)は、前記外管(92)に画定されかつ前記オイル入口(93)から離間している、請求項9に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのオイル噴霧口(95)は、複数のオイル噴霧口(95)を含み、前記複数のオイル噴霧口(95)は、前記外管(92)の前記外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている、請求項14に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項16】
前記オイル-ガス分離容器(4)は、第2のオイル戻し管路(82)を介して前記第1段圧縮機ヘッド(1)と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項17】
前記オイル-ガス分離容器(4)は、第3のオイル戻し管路(83)を介して前記第2段圧縮機ヘッド(2)と連通している、請求項1に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項18】
オイル冷却器(10)及びフィルタ(11)をさらに備え、前記オイル冷却器(10)及びフィルタ(11)は、前記オイル-ガス分離容器(4)と前記第1段圧縮機ヘッド(1)との間に順々に接続されている、請求項1から17のいずれか一項に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項19】
ガス冷却器(6)をさらに備え、前記オイル-ガス分離容器(4)のガス排出端は、前記ガス冷却器(6)と連通している、請求項1から17のいずれか一項に記載のガス圧縮システム(100)。
【請求項20】
前記噴霧器(9)の前記ガス入口(94)は、前記ガス冷却器(6)のガス排出端と連通している、請求項19に記載のガス圧縮システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年07月01日出願の中国特許出願第202110744471.3号及び2022年05月04日出願のベルギー特許出願第2022/5335号の優先権を主張するものであり、これらの開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、ガス圧縮技術の分野に関し、より詳細には、空気圧縮システムに関する。
【背景技術】
【0003】
2段スクリュー式可変周波数空気圧縮機の利点は、その広範な適用分野により、ユーザによって徐々に認識されている。可変流量設計に起因して、オイル-ガス分離カートリッジから戻されるオイルを受け入れるための管路の直径は、最大オイル戻り量に基づいて設計されることが多い。場合によっては、オイル戻し管路の詰まりを防止するために、管路の直径は意図的に比較的大きく設計される。このように、オイル戻し時に、オイル-ガス分離カートリッジは、オイル-ガス分離容器内の圧縮ガス及び圧縮機ヘッドのガス入口端と一定時間、直接連通し、その結果、高温及び高圧ガスが圧縮機ヘッドのガス入口端に導入され、圧縮機ヘッドの吸入効率及び性能に悪影響を及ぼす。二段圧縮のエネルギー節約に関する利点は、主に段間冷却に起因する。現在、市販されている2段圧縮の段間冷却は、一般に、オイル注入冷却のためのオイルを戻すためにオイル-ガス分離容器を採用するように設計されている。このため、オイル噴射圧力及びオイル噴射ノズルの大きさによって引き起こされる影響により、噴射オイルの噴霧化効果が十分でなく、段間冷却が不十分となり、全体的な消費電力が増大する。従って、その設計を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、従来技術における技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。この点に関し、本開示の目的は、分離器の容器によってもたらされる高温及び高圧ガスが圧縮機ヘッドの入口端に流入するのを防止し、それによって圧縮機ヘッドの吸引効率を保証することができ、さらに段間冷却室に導入される圧縮機オイルと混合させることによって、噴霧器により噴霧される圧縮機オイルの霧化効果が改善され、これによって段間冷却効果を改善することができる、ガス圧縮システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態によるガス圧縮システムは、第1段圧縮機ヘッド及び第2段圧縮機ヘッドと;第2段圧縮機ヘッド及び第1段圧縮機ヘッドと連通するオイル-ガス分離容器と;第1段圧縮機ヘッドと第2段圧縮機ヘッドとの間に配置され、段間圧縮ガスを冷却するように構成された噴霧器とを含む。噴霧器は、圧縮ガスにアクセスするように構成されたガスイ入口と;圧縮機オイルにアクセスするように構成されたオイル入口と;段間圧縮ガスをオイル噴霧で冷却するように構成された少なくとも1つのオイル噴霧口と;を含む。
【0006】
本開示の実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル及びガスを含む混合物は、噴霧器によって、第1段圧縮機ヘッドと第2段圧縮機ヘッドとの間の段間圧縮ガスに噴霧することができる。従って、オイル-ガス分離カートリッジからの圧縮された空気含有二次戻りオイルの特性を利用することにより、段間段に噴霧されるオイルの霧化効果が改善され、これによって段間熱交換効率が促進され、システム全体の性能が改善される。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、第1段圧縮機ヘッド及び第2段圧縮機ヘッドは一体部品として形成され、噴霧器は、第1段圧縮機ヘッドと第2段圧縮機ヘッドとの間の段間段に配置されている。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムは、第1段圧縮機ヘッドと第2段圧縮機ヘッドとの間に配置された段間冷却室をさらに含み、噴霧器は、段間冷却室内に配置されている。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、噴霧器のオイル入口は、オイル-ガス分離容器に接続されている。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムは、オイル-ガス分離容器内に配置されたオイル-ガス分離カートリッジをさらに含み、噴霧器のガス入口は、管路を介してオイル-ガス分離カートリッジに接続されている。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、噴霧器のガス入口は、第2段圧縮機ヘッドのガス排出端に接続することができる。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、噴霧器のガス入口は、オイル-ガス分離容器の出口端に接続することができる。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、噴霧器は、中空の内室を有する内管と、内管にスリーブされた外管とを含み、外室は、外管と内管とによって画定され、内室は、外室に接続されている。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル入口は外室に接続され、ガス入口は内室に接続され、オイル噴霧口は外管の外周壁に画定されている。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、ガス入口は、外管の第1の端部に配置されかつ内管の第1の端部を貫通し、内管の第2の端部は、外管の中に配置されている。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システでは、内管の第2の端部は、その中に画定され、内室と外室とを連通させるように構成された少なくとも1つのオイル通路孔を有する。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、少なくとも1つのオイル通路孔は、複数のオイル通路孔を含み、複数のオイル通路孔は、内管の外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル入口は、外管の外周壁上に配置されている。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル噴霧口は、外管に画定され、オイル入口から離間している。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、少なくとも1つのオイル噴霧口は、複数のオイル噴霧口を含み、複数のオイル噴霧口は、外管の外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル-ガス分離容器は、除去ラインを介して段間に接続されている。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、オイル-ガス分離容器は、除去ラインを介して第2段圧縮機の入口に接続することができる。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムは、オイル-ガス分離容器と第1段圧縮機ヘッドとの間に順々に接続されるオイル冷却器及びフィルタをさらに含む。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムは、ガス冷却器をさらに含み、オイル-ガス分離容器のガス排出端は、ガス冷却器と連通している。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態によるガス圧縮システムでは、噴霧器のガス入口は、ガス冷却器のガス排出端からとすることができる。
【0026】
本開示の追加の態様及び利点は、以下の説明で少なくとも部分的に与えられる、又は、以下の説明から少なくとも部分的に明らかになる、又は、本開示の実施から学ぶことができる。
【0027】
本開示の上記及び/又は追加の態様及び利点は、添付の図面と併せて以下の実施形態の説明からさらに明らかになり、さらに理解することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略図である(段間冷却室が含まれる)。
【
図2】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの噴霧器の斜視図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの噴霧器の概略構造図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(段間段への直接噴霧を示す)。
【
図6】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(圧縮空気がガス冷却器のガス排出端から導入される)。
【
図7】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(圧縮空気がオイル-ガス分離容器のガス排出端から導入される)。
【
図8】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(圧縮空気がオイル-ガス分離カートリッジから導入される)。
【
図9】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(一体部品構造)。
【
図10】本開示の一実施形態によるガス圧縮システムの概略構造図である(圧縮空気が第2段圧縮機ヘッドから導入される)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施形態は、添付の図面に示されるように、その実施例を参照して以下に詳細に説明されることになるが、全体を通して、同一又は類似の要素、又は同一又は類似の機能を有する要素は、同一又は類似の参照数字で示される。図面を参照して以下に説明される実施形態は、単なる例示であり、本開示を限定するのではなく、説明することを目的としている。
【0030】
本開示の実施形態によるガス圧縮システム100は、
図1から10を参照して以下に説明される。噴霧器9は、ガス圧縮システム100の第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間に配置され、噴霧器9は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間の段間圧縮ガスに圧縮ガスを同伴した圧縮機オイルを噴霧することができ、これは段間圧縮ガスの冷却効果を向上させるのに有用であり、段間段で噴霧されるオイルの霧化効果を高め、圧縮機ヘッド間の段間段での冷却を保証し、それによって機械全体の性能を改善する。
【0031】
図5に示されるように、本開示の実施形態によるガス圧縮システム100は、第1段圧縮機ヘッド1、第2段圧縮機ヘッド2、オイル-ガス分離容器4、及び噴霧器9を含む。
【0032】
図5に示されるように、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2は、順に直列に接続される。第1段圧縮機ヘッド1は、外部のガスを吸引して圧縮するように構成された吸引ポートを備えることに留意されたい。第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2の両方は、ガスを圧縮してガスの温度及び圧力を上昇させ、それによって高圧圧縮ガスを出力するように構成されている。すなわち、本開示において、第1段圧縮機ヘッド1は低圧圧縮機ヘッドであり、第2段圧縮機ヘッド2は高圧圧縮機ヘッドである。
【0033】
図5に示されるように、オイル-ガス分離容器4は、第2段圧縮機ヘッド2及び第1段圧縮機ヘッド1と連通している。具体的には、第2段圧縮機ヘッド2のガス排出端は、オイル-ガス分離容器4のガス吸入端と連通しており、オイル-ガス分離容器4のオイル供給ポートは、第1段圧縮機ヘッド1の圧縮室及び第2段圧縮機ヘッド2の圧縮室と連通している。このように、オイル-ガス分離容器4から流出した圧縮機オイルは、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2に流入し、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2を潤滑及び冷却することができる。この部分の構成によって、第1段圧縮機ヘッド1によって圧縮され、第2段圧縮機ヘッド2によってさらに圧縮された後の外部ガスは、オイル-ガス分離容器4に入ることができることに留意されたい。オイル-ガス分離容器4は、2回の圧縮を経た圧縮ガスを大まかに分離することができる。その結果、分離された圧縮機オイルの大部分は、オイル-ガス分離容器4の底部に落ち、循環潤滑を行うために、オイル-ガス分離容器4の底部にあるオイル供給ポートを介して、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2の圧縮室に入ることができる。
【0034】
噴霧器9は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間に配置され、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間の段間圧縮ガスを冷却するように構成されている。噴霧器9は、ガス入口94とオイル入口93とを含む。ガス入口94は、圧縮ガスを噴霧器9に導入するために高圧ガスの出力端に接続されるように構成されており、オイル入口93は、圧縮機オイルを噴霧器9に導入するために圧縮機オイルの出力端に接続されるように構成されている。噴霧器9はさらに、段間圧縮ガスに向かって、ガス入口94で導入された圧縮ガスと、オイル入口93で導入された圧縮機オイルとを噴霧するように構成されたオイル噴霧口95を含み、段間圧縮ガスは、オイル噴霧によって冷却されるようになっている。従って、圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルは、段間圧縮ガスに合流し、段間圧縮ガスに噴霧効果を及ぼすことができる。オイル滴中の圧縮ガスは急速に膨張することができ、その結果、オイル滴にブラスティング(blasting)効果がもたらされる。このように、噴霧オイルの粒度が大幅に微細化され、オイル滴の総熱交換面積が拡大されるため、圧縮機のエネルギー効率を最適化してエネルギー節約を達成することができる。
【0035】
少なくとも1つのオイル噴霧口95が設けられる。例えば、1つのオイル噴霧口95、又は2又は3以上のオイル噴霧口95は、噴霧器9が異なる角度及び異なる位置から段間圧縮ガスに向けて噴霧することを可能にするために設けることができ、これは噴霧効果を最適化するのに有用である。
【0036】
本開示の一実施形態によるガス圧縮システム100では、オイル噴霧口95は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間の段間圧縮ガスに向かって配置され、圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルを段間圧縮ガスに導入するようになっており、これは段間圧縮ガスの冷却効果を向上させ、段間段で噴霧されるオイルの噴霧化効果を高め、圧縮機ヘッドの吸引効率及び性能を保証し、それによって機械全体の性能を改善するのに有用である。
【0037】
いくつかの実施形態では、
図9に示されるように、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2は一体部品として形成され、噴霧器9は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間の段間段に配置される。この場合、第1段圧縮機ヘッド1、噴霧器9、及び第2段圧縮機ヘッド2は、ガス圧縮システム100の全体構造サイズを小さくするために一体構造に統合することができ、これにより、ガス圧縮システム100の統合レベルが向上し、実際に占有される取り付けスペースが小さくなる。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図1及び
図6から9に示されるように、段間冷却室3がさらに含まれる。段間冷却室3は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間に配置される。すなわち、第1段圧縮機ヘッド1、段間冷却室3、及び第2段圧縮機ヘッド2は、順に接続され、噴霧器9は、段間冷却室3上に配置される。段間冷却室3は、第1段圧縮機ヘッド1で圧縮されたガスを冷却するように構成されている。ガスが第1段圧縮機ヘッド1によって圧縮された後、圧縮されたガスの温度が徐々に上昇する可能性があることを理解することができる。しかしながら、本開示において、ガスのこの部分は、段間冷却室3で冷却され、これは、第2段圧縮機ヘッド2の圧縮に必要な動力消費を低下させるのに有用であり、それにより、ガス圧縮システム100の全体的なエネルギー消費が低減し、圧縮コストが低減する。
【0039】
このように、ガス入口94から導入された圧縮ガスと、オイル入口93から導入された圧縮機オイルは、互いに混合された後、オイル噴霧口95から段間冷却室3に向けて噴霧され、段間冷却室3内のガスをオイル噴霧冷却する。その結果、段間冷却室3内の段間圧縮ガスに対して噴霧効果がもたらされる。オイル滴中の圧縮ガスは急激に膨張することができ、オイル滴にブラスティング効果がもたらされる。このように、噴霧オイルの粒度が微細化され、オイル滴の総熱交換面積が拡大されるため、圧縮機のエネルギー効率を最適化してエネルギー節約を達成することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、
図1及び
図6から9に示されているように、オイル噴霧器9のオイル入口93は、第1のオイル戻り管路81を介してオイル-ガス分離容器4に接続されている。
図1に示されるように、第1のオイル戻し管路81は、第1段圧縮機ヘッド1と第2段圧縮機ヘッド2との間でオイル-ガス分離容器4及びオイル噴霧器9に接続している。すなわち、第1のオイル戻し管路81は、オイル-ガス分離容器4の出口端と連通するように構成されており、オイル-ガス分離容器4の出口端から流出する圧縮機オイルが、高圧ガスと混合するために、第1のオイル戻し管路81を通って、オイル噴霧器9に入ることを可能にする。
【0041】
いくつかの実施形態では、オイル-ガス分離カートリッジ5がさらに含まれ、オイル-ガス分離容器4内に配置される。
図1、
図8、及び
図9に示されるように、噴霧器9のガス入口94は、除去ライン(scavenge line)7を介してオイル-ガス分離カートリッジ5と連通している。オイル-ガス分離容器4で大まかに分離された後の圧縮機オイルの残りの部分は、圧縮ガスと共に、さらなる分離のためにオイル-ガス分離カートリッジ5に入ることに留意されたい。このように、オイル-ガス分離カートリッジ5でさらに分離された圧縮ガスは、その後の使用のためにオイル-ガス分離カートリッジ5の出口端から排出される。加えて、
図6及び7に示されているように、オイル-ガス分離カートリッジ5の底部で分離されたオイルは、オイル噴霧器9の空気入口に接続する除去ライン7を通って戻すことができる。
【0042】
このように、オイル-ガス分離カートリッジ5によってさらに分離されたガスは、除去ライン7を通って噴霧器9のガス入口94に流れることができる。例えば、ガスのこの部分は、噴霧器9内で圧縮機オイルと混合され、次に、第1段圧縮機ヘッド1によって圧縮される圧縮ガスを冷却するために、段間冷却室3に噴霧することができる。上記の構成により、オイル-ガス分離容器4のオイル供給ポートから段間チャンバに流入する圧縮機オイルは、比較的高い圧力を有し、同様にオイル噴霧器9に入る場合に除去ライン7から流入するガスに関して、通常、除去ラインからのガス圧力はオイル-ガス分離容器4からのオイル圧力より1-3barだけ高く、これは、圧縮機オイルが内部に多くの気泡を含むようにさせ、段間冷却室3で行われる噴霧効果を高めることになることが理解できる。オイル滴中の圧縮ガスは急速に膨張し、オイル滴にブラスティング効果がもたらされる。このように、噴霧オイルの粒度が微細化され、オイル滴の総熱交換面積が拡大されるので冷却効果が高くなる。そのため、圧縮プロセスが改善され、エネルギー節約を達成することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、噴霧器9のオイル入口93は、第1のオイル戻し管路81を介してオイル-ガス分離容器4と連通しており、噴霧器9のガス入口94は、除去ライン7を介してオイル-ガス分離カートリッジ5と連通していることに留意されたい。第1のオイル戻し管路81と除去管路7は2本の別個の管路であり、第1のオイル戻し管路81の出口端及び除去管路7の出口端の両方は、噴霧器9の内部と連通している。従って、オイル-ガス分離容器4内の圧縮機オイルは、オイル-ガス分離容器4の出口端から流出した後に第1のオイル戻し管路81を通って噴霧器9に入る。同時に、オイル-ガス分離容器5の高圧ガスは、除去ライン7を通って噴霧器9に入るので、段間圧縮ガスは、圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルによって冷却され、それによって段間冷却室3の冷却効果が向上し、圧縮機のエネルギー効率が最適化され、エネルギーが節約される。
【0044】
いくつかの実施形態では、
図10に示されるように、噴霧器9のガス入口94は、第2段圧縮機ヘッド2のガス排出端と連通している。すなわち、噴霧器9のガス入口94は、噴霧器9に圧縮ガスを補充するために、第2段圧縮機ヘッド2から排出されたガスが噴霧器9のガス入口94に入るように、第2段圧縮機ヘッド2のガス排出端と連通することができる。その結果、圧縮ガスは、噴霧器9に入る圧縮機オイルのオイル滴にブラスティング効果を及ぼし、圧縮機オイルの粒度が微細化され、オイル滴の総熱交換面積が拡大される。従って、オイル滴は段間冷却室3内のガスと十分に接触することができ、これは段間冷却室3の冷却効果を改善し、それによって圧縮機のエネルギー効率が最適化され、エネルギーが節約される。
【0045】
いくつかの実施形態では、
図7に示されるように、噴霧器9のガス入口94は、オイル-ガス分離容器4のガス出口端と連通しており、オイル-ガス分離容器4から排出されたガスは、噴霧器9に圧縮ガスを補充するために噴霧器9のガス入口94に入ることができるようになっている。従って、圧縮ガスは、噴霧器9に入る圧縮機オイルのオイル滴にブラスト効果を及ぼすことができ、これは段間圧縮ガスの冷却効果を改善し、それによって圧縮機のエネルギー効率が最適化され、エネルギーが節約される。
【0046】
いくつかの実施形態では、
図2、3、及び4に示されるように、噴霧器9は、除去ライン7、第1のオイル戻し管路81、及び段間冷却室3と連通している。このように、除去ライン7内の圧縮ガス及び第1のオイル戻し管路81内の圧縮機オイルは、噴霧器9を介して段間冷却室3に入ることができる。
【0047】
噴霧器9は、オイル入口93、ガス入口94、及びオイル噴霧口95を含む。オイル入口93及びガス入口94の両方は、オイル噴霧口95と連通している。加えて、オイル入口93は第1のオイル戻り管路81と連通し、ガス入口94は除去ライン7と連通し、オイル噴霧口95は段間冷却室3にオイルを噴霧するように構成されている。
【0048】
すなわち、本開示における噴霧器9は、オイル入口93を介して第1のオイル戻し管路81と連通し、ガス入口94を介して除去ライン7と連通しており、第1のオイル戻し管路81内の圧縮機オイルと除去ライン7内の圧縮ガスとを噴霧器9内で合流させて混合することができるようになっている。このように、圧縮機オイル及び圧縮ガスは、噴霧器9のオイル噴霧口95から段間冷却室3に噴霧される前に互いに十分に混合され、これによって噴霧の噴霧化効果が高められ、段間冷却室3の熱交換効果が改善される。
【0049】
オイル入口93及びガス入口94は、噴霧器9の一端に設けることができ、オイル噴霧口95は噴霧器9の他端に設けることができ、圧縮機オイル及び圧縮ガスは、十分な混合を達成するために十分に長い距離を移動できるようになっている。オイル入口93、ガス入口94、及びオイル噴霧口95の開口形状は、実用的な要件に応じて柔軟に設計することができる。開口形状は、
図2に示されるような円形、又は矩形として設計することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図2及び4に示されるように、噴霧器9は、内管91と、内管91上にスリーブされた外管92とを含む。内管91は、内部に画定された中空の内室911を有し、外室921は、外管92と内管91によって画定される。内室911は外室921と連通している。オイル入口93は外室921と連通し、ガス入口94は内室911と連通し、オイル噴霧口95は外管92の外周壁に画定され、外室921と連通している。
【0051】
すなわち、噴霧器9は2層パイプ構造を含み、内管91の内室911は、除去ライン7内の圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルのためのフローチャンバとして形成され、外管92と内管91との間の外室921は、第1のオイル戻りパイプライン81内の圧縮機オイルのためのフローチャンバとして形成される。内室911内の圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルは、外室921に流入して第1のオイル戻し管路81内の圧縮機オイルと混合され、その混合物は、外管92の外周壁に画定されたオイル噴霧口95を介して段間冷却室3に噴霧され、それによって段間冷却室3内のガスを冷却する。
【0052】
本開示では、外管92が内管91にスリーブされる方法を策定することによって、内管91及び外管92は、圧縮機オイル用及び圧縮ガス用の別々の流れ管を設けることなく、噴霧器9の半径方向及び軸方向の空間を共有することができる。このようにして、噴霧器9の構造サイズ及び噴霧器9が占有する取り付けスペースを低減することができる。加えて、内管91及び外管92は一体部品として形成することができ、これは加工コストの低減に有用である。
【0053】
いくつかの実施形態では、内管91の第1の端部は、外管92の第1の端部に結合され、ガス入口94は、外管92の第1の端部に配置されかつ内管91の第1の端部を貫通して内室911と連通し、内管91の第2の端部は、外管92の中に配置されかつ外管92の内周壁から離間して配置される。
【0054】
図4に示されるように、内管91の上端は、外管92の上端に結合され、ガス入口94は、外管92の上端に配置されかつ内管91の上端を貫通して内室911と連通する。このように、除去ライン7内の圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルは、ガス入口94で外管92の端部を通過して内管91の内室911に入り、内管91の軸線方向に沿って下向きに流れることができる。
【0055】
内管91の下端は、外管92の中に位置し、外管92の内周壁から離間している。
図4に示されるように、内管91の下端の外周壁は、外管92の内周壁から半径方向に間隔をあけて配置され、内管91の下端の端面は、外室921の下壁面から軸方向に間隔をあけて配置される。
【0056】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのオイル通路孔96が内管91の第2の端部に画定され、内室911と外室921とを連通させるように構成されている。
図4に示されるように、オイル通路孔96は、内管91の下端に画定されている。このように、圧縮ガスに同伴されて内室911に入る圧縮機オイルは、上から下へオイル通路孔96に向かって流れ、オイル通路孔96から外室921内に半径方向外向きに噴霧することができる。従って、圧縮ガスに同伴された圧縮機オイルは、外室921内で圧縮機オイルと混合され、その後、その混合物は、オイル噴霧口95を通って段間冷却室3に噴霧することができる。本開示において、上述の上端及び下端は、図示のように上下方向を参照して説明されており、噴霧器9の実際の取り付け位置又は方向を限定することを意図していないことに留意されたい。
【0057】
いくつかの実施形態では、複数のオイル通路孔96が設けられ、オイル通路孔96は、内管91の外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている。換言すれば、1、2、又はそれ以上のオイル通路孔96を設けることができる。複数のオイル通路孔96は、内管91の下端の外周壁に画定することができ、このような複数のオイル通路孔96は、内管91内の圧縮ガス及び圧縮機オイルを同時に外室921に導入するために使用できるようになっており、これは流れ効率を高め、外室921内の圧縮機オイルとの混合を複数の位置で行うことができ、これは混合効果を改善する。
【0058】
オイルの排出効率を高めるために、複数のオイル通路孔96は、内管91に沿って軸方向に互いに離間して配置すること、内管91に沿って円周方向に互いに離間して配置すること、又は、軸方向及び円周方向に行と列の形で配置することができる。
図4に示されるように、オイル通路孔96は、円形孔として構成されている。複数の円形孔は、内管91に沿って軸方向に互いに離間して配置され、隣接する円形孔は、互いに均一な間隔で離間して配置され、オイル-ガス分離カートリッジ5からの戻りオイル中の圧縮ガスは、小さな孔を通って、圧縮機オイル中の多数の小さな気泡に分離することができるようになっている。
【0059】
いくつかの実施形態では、オイル入口93は、外管92の外周壁に配置され、外管92の外周壁から外管92の内部にオイルを供給する。
【0060】
いくつかの実施形態では、オイル入口93及びオイル噴霧口95の両方は、外管92の外周壁に配置され、互いに離間して配置されている。オイル入口93は、外管92の第1の端部の外周壁に配置され、オイル噴霧口95は、外管92の第2の端部の外周壁に配置されている。
図2及び3に示されるように、オイル入口93は、外管92の上端の外周壁に配置され、その場所で、オイル入口93は貫通し、第1のオイル戻し管路81に接続するための外管92の外周壁から外向きに半径方向に突出する継手部を形成し、これは組み立て効率を改善するのに有用である。加えて、オイル噴霧口95は、外管92の上端の外周壁に配置され、外管92の外周壁の内側と外側との連通を実現するために、外管92の上端の外周壁を貫通する貫通孔として形成され、これは外室921から段間冷却室3への圧縮機オイルの噴霧を助長する。
【0061】
図2及び4に示されるように、少なくとも1つのオイル噴霧口95が設けられ、2又は3以上のオイル噴霧口95が設けられる場合、オイル噴霧口95は、外管92の外周壁に沿って円周方向及び/又は軸方向に分散配置されている。すなわち、複数のオイル噴霧口95は、外管92の下端の外周壁に画定することができ、複数のオイル噴霧口95は、外管92から段間冷却室3に混合ガス及び圧縮機オイルを同時に噴霧することができ、これは、流れ効率を高め、外室921と段間冷却室3の内室は互いに複数の位置で連通することができ、これは噴霧効果を改善する。
【0062】
図4に示される円形形状に加えて、オイル入口93及びオイル噴霧口95は、メッシュ孔又は小さな長いスリットなど、他のタイプの開口部として設計することもできることに留意されたい。
【0063】
いくつかの実施形態では、
図1及び
図6から9に示されるように、オイル-ガス分離容器4及び第1段圧縮機ヘッド1は、第2のオイル戻し管路82を介して互いに連通しており、オイル-ガス分離容器4内の圧縮機オイルは、第1段圧縮機ヘッド1を潤滑するために第2のオイル戻し管路82を介して第1段圧縮機ヘッド1に入ることができ、それにより第1段圧縮機ヘッド1の安定した作動状態を保証するようになっている。
【0064】
いくつかの実施形態では、
図1及び
図6から9に示されるように、オイル-ガス分離容器4及び第2段圧縮機ヘッド2は、第3のオイル戻し管路83を介して互いに連通しており、オイル-ガス分離容器4内の圧縮機オイルは、第2段圧縮機ヘッド2を潤滑するために第3のオイル戻し管路83を介して第2段圧縮機ヘッド2に入ることができ、それにより第2段圧縮機ヘッド2の安定した作動状態を保証するようになっている。
【0065】
いくつかの実施形態では、ガス圧縮システム100は、オイル冷却器10及びフィルタ11をさらに含む。オイル冷却器10及びフィルタ11は、オイル-ガス分離容器4と第1段圧縮機ヘッド1との間に順々に接続されている。
【0066】
このように、オイル-ガス分離容器4内の圧縮機オイルは、オイル-ガス分離容器4の出口端から流出した後、オイル冷却器10及びフィルタ11を順々に通過することができる。従って、第1段圧縮機ヘッド1及び第2段圧縮機ヘッド2に流入する圧縮機オイルの温度を下げることができ、圧縮機オイル中の不純物を低減して圧縮機オイルの清浄度を保証することができる。オイル冷却器10及びフィルタ11の両方は、第1のオイル戻し管路81の上流端に配置されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、ガス圧縮システム100は、ガス冷却器6をさらに含む。ガス冷却器6は、最終的に分離された圧縮ガスを冷却するために、オイル-ガス分離容器4のガス排出端と連通している。
【0068】
いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、噴霧器9のガス入口94は、ガス冷却器6のガス排出端と連通しており、ガス冷却器によって冷却されたガスは、噴霧器9に入り、噴霧器9内で圧縮機オイルと混合することができるようになっている。従って、圧縮ガスは、段間段での冷却効果を最適化するために、段間段に噴霧することができる。本開示の説明では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上側」、「下側」、「前側」、「後側」、「左側」、「右側」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などによって示される向き又は位置関係は、図面に図示された向き又は位置関係に基づいており、これは、本開示を説明し、説明を簡略化するための便宜的なものに過ぎず、指示される装置又は要素が特定の向きを有する必要があること又は特定の向きで構成されて動作する必要があることを示す又は示唆するものではなく、従って、本開示の限定と理解することができないことを理解されたい。
【0069】
本開示の説明において、「第1の特徴」又は「第2の特徴」は、1又は2以上の当該特徴を含むことができる。
【0070】
本開示の説明において、「複数の」は、2又は3以上を意味する。
【0071】
本開示の説明において、第1の特徴が第2の特徴の「上に」又は「下に」あるとは、第1の特徴が第2の特徴と直接接触していること、又は第1の特徴及び第2の特徴が、第1の特徴と第2の特徴との間の付加的な特徴を介して間接的に接触していることを意味する場合がある。
【0072】
本開示の説明において、第1の特徴が第2の特徴の「上側に」あるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上に又は斜め上側にあることを意味する場合があり、又は、単に、第1の特徴の高さが第2の特徴の高さよりも高いことを意味する場合がある。
【0073】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「実施例」、「特定の実施例」、又は「いくつかの実施例」などの用語を参照した説明は、実施形態又は実施例と組み合わせて説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の模式的表現は、必ずしも同一の実施形態又は実施例を指すものではない。さらに、具体的に記載された特徴、構造、材料又は特性は、何らかの1又は2以上の実施形態又は実施例において好適な方法で組み合わせることができる。
【0074】
上記では本開示の実施形態が図示及び説明されるが、当業者は、本開示の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更、修正、置換、及び代替を行うことができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0075】
1 第1段圧縮機ヘッド
2 第2段圧縮機ヘッド
3 段間冷却室
4 オイル-ガス分離容器
5 オイル-ガス分離カートリッジ
6 ガス冷却器
7 除去ライン
81 第1のオイル戻し管路
82 第2のオイル戻し管路
83 第3のオイル戻し管路
9 噴霧器
91 内管
911 内室
92 外管
921 外室
93 オイル入口
94 ガス入口
95 オイル噴霧口
96 オイル通路孔
10 オイル冷却器
11 フィルタ
【国際調査報告】