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特表2024-523289蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/14 20060101AFI20240621BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20240621BHJP
【FI】
F04B9/14 B
B05B11/00 103H
B05B11/00 103L
B05B11/00 103E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577145
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2021132053
(87)【国際公開番号】W WO2022257363
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110654457.4
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523466330
【氏名又は名称】中山矢創包装科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHONGSHAN SHINNOV PACKAGING TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1st Floor No. 3, Longtang 2nd Road, Tanzhou Town Zhongshan, Guangdong 528400, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石 志強
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075AA09
3H075BB03
3H075BB22
3H075CC26
3H075CC36
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA05
3H075DA09
3H075DB13
3H075DB40
(57)【要約】
蓄圧式噴霧ポンプであって、簡単で且つ小型の構造、低コストで連続噴霧を実現できるとともに、良好な安全性能を有する。主柱とシリンダ体とを含み、主柱の内部には、軸方向に沿って延びる流体通路が形成されており、シリンダ体は、作動液を収容する。逆止弁機構と、貯蔵チャンバーと、上部弾性機構とをさらに含み、貯蔵チャンバーは、逆止弁機構と上部弾性機構との間に形成され、逆止弁機構は、主柱を押圧する時にのみ開き、且つ作動液がシリンダ体から貯蔵チャンバーへ流入することのみを許容するように構成され、上部弾性機構は、主柱に対して初期位置と最大圧縮位置との間で変位可能であり、主柱を押圧する時に最大圧縮位置に向かって変位して貯蔵チャンバーと流体通路とを流体連通させ、主柱を解放する時に初期位置に向かって変位するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に軸方向に沿って延びる流体通路(41)が形成されている主柱(4)と、作動液を収容するとともに、前記主柱(4)が挿入されているシリンダ体(3)とを含む蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)であって、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)との間に配置される逆止弁機構と、貯蔵チャンバー(M)と、上部弾性機構とをさらに含み、
前記貯蔵チャンバー(M)は、前記逆止弁機構と前記上部弾性機構との間に形成され、
前記逆止弁機構は、前記主柱(4)を押圧する時にのみ開き、且つ前記作動液が前記シリンダ体(3)から前記貯蔵チャンバー(M)へ流入することのみを許容するように構成され、
前記上部弾性機構は、前記主柱(4)に対して初期位置と最大圧縮位置との間で変位可能であり、前記主柱(4)を押圧する時に前記最大圧縮位置に向かって変位して前記貯蔵チャンバー(M)と前記流体通路(41)とを流体連通させ、前記主柱(4)を解放する時に前記初期位置に向かって変位するように構成される、ことを特徴とする蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項2】
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで配置され、且つ前記主柱(4)に固定され、前記軸方向に沿って前記第二のピストン(7A)を貫通する貫通穴(10)が形成されている第二のピストン(7A)と、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)とを接続し、又は前記軸方向に沿って前記第二のピストン(7A)と前記シリンダ体(3)とを接続する第二の弾性体(8A)と、
前記貫通穴(10)を覆うように構成される弾性セパレータ(9)と、を含み、
前記主柱(4)を押圧することにより、前記弾性セパレータ(9)が変形して前記貫通穴(10)を開く、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1)。
【請求項3】
前記第二のピストン(7A)には、周方向に等間隔に複数の前記貫通穴(10)が形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1)。
【請求項4】
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで配置される環状の第二のピストン(7B)と、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)とを接続する第二のバネ(8B)とを含み、
前記第二のピストン(7B)の内面には、前記軸方向に沿って延びる溝(11)が形成されており、
前記第二のピストン(7B)の前記貯蔵チャンバー(M)から離れる端には、径方向内側に突出する環状フランジ(7B5)が形成されており、前記環状フランジ(7B5)は、前記主柱(4)の外面に前記主柱(4)の径方向に隙間なく密着しており、
前記主柱(4)を押圧することにより、前記環状フランジ(7B5)が前記主柱(4)の外面から離間し、前記シリンダ体(3)と前記貯蔵チャンバー(M)とが前記溝(11)を介して流体連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P2)。
【請求項5】
前記第二のピストン(7B)の内面には、周方向に沿って等間隔に複数の前記溝(11)が形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P2)。
【請求項6】
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで配置される環状の第二のピストン(7C)と、
前記主柱(4)の前記第二のピストン(7C)に近い端部に固着され、前記第二のピストン(7C)に前記軸方向に隙間なく密着している副柱(12)と、
前記軸方向に沿って前記副柱(12)と前記シリンダ体(3)とを接続する第二のバネ(8C)とを含み、
前記第二のピストン(7C)の内面には、前記軸方向に沿って延びる溝(11)が形成されており、
前記主柱(4)を押圧することにより、前記第二のピストン(7C)が前記副柱(12)から離間し、前記シリンダ体(3)と前記貯蔵チャンバー(M)とが前記溝(11)を介して流体連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P3)。
【請求項7】
前記第二のピストンの内面には、周方向に沿って等間隔に複数の前記溝が形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P3)。
【請求項8】
前記主柱(4)の側壁には、前記流体通路(41)に連通する細穴(43)が形成されており、
前記上部弾性機構が前記初期位置に位置する時、前記細穴(43)は、前記上部弾性機構によって閉鎖され、
前記主柱(4)を押圧することにより、前記細穴(43)が開放して前記貯蔵チャンバー(M)と前記流体通路(41)とを流体連通させる、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項9】
複数の前記細穴(43)は、周方向に沿って等間隔に前記主柱(4)の側壁に形成される、ことを特徴とする請求項8に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項10】
前記第二のピストン(7A、7B、7C)の前記上部弾性機構に近い面には、ストッパ部(7B4)が形成されており、前記ストッパ部(7B4)は、前記上部弾性機構を受けて前記上部弾性機構を前記初期位置に位置させるように構成される、ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項11】
前記上部弾性機構は、
前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)との間に配置され、前記第二のピストン(7A、7B、7C)と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで対向する第一のピストン(5)と、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記第一のピストン(5)とを接続する第一の弾性体(6)とを含む、ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項12】
前記上部弾性機構は、
前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)との間に配置され、前記第二のピストン(7A、7B、7C)と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで対向する第一のピストン(5)と、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記第一のピストン(5)とを接続する第一の弾性体(6)とを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項13】
前記上部弾性機構は、
前記主柱(4)と前記シリンダ体(3)との間に配置され、前記第二のピストン(7A、7B、7C)と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバー(M)を挟んで対向する第一のピストン(5)と、
前記軸方向に沿って前記主柱(4)と前記第一のピストン(5)とを接続する第一の弾性体(6)とを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)。
【請求項14】
蓄圧式噴霧装置(A)であって、
請求項1から13のいずれか1項に記載の蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)と、
前記蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)と協働して前記軸方向に沿って前記蓄圧式噴霧ポンプ(P1、P2、P3)の前記主柱(4)を付勢する押圧式噴霧ヘッド(1)とを含む、ことを特徴とする蓄圧式噴霧装置(A)。
【請求項15】
前記主柱(4)が挿入されている前記シリンダ体(3)を内部に収納するように構成されるカバー部品(C)をさらに含む、ことを特徴とする請求項14に記載の蓄圧式噴霧装置(A)。
【請求項16】
前記カバー部品(C)は、内壁にネジ(C1)が形成されているネジ山キャップである、ことを特徴とする請求項15に記載の蓄圧式噴霧装置(A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、押圧式噴霧ポンプは、日常生活で広く使用されており、特に日用化学品、スキンケア、化粧品及び医薬品などの製品に広く応用されている。
【0003】
しかしながら、現在市場で使用される噴霧装置は、押圧するたびに噴霧する不連続な噴霧のものが多い。そのため、複数回の噴霧が必要である場合に、その操作が煩雑になる。なお、噴霧の開始と終了の度に、霧化効果の悪い噴霧滴がノズルから滴下するため、頻繁に押圧する場合に、製品の無駄につながる。
【0004】
そのために、現在二つの連続噴霧技術が提案されている。一つは、傲発噴霧グループ(AFA Dispensing Group)が研究開発した、連続噴霧を実現できるFlairR技術(例えば、国際開示WO2012-061764A1)であり、もう一つは、エアゾール(ガス噴射剤)を採用して連続噴霧の効果を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許文献1:国際開示WO2012-061764A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、FlairR技術を採用する場合に、噴霧ポンプの内部構造は、複雑になり、その体積も膨大になり、それによってこの噴霧ポンプの生産コストが高くなり、高価になる。
【0007】
一方、エアゾールによって連続噴霧を実現する場合に、このエアゾールが一般的にガス噴射剤として有機のアルカンガスを含むため、この技術を採用する噴霧装置は、安全性に問題があり、且つ生産製造コストも高くなる。
【0008】
本発明は、上記技術問題を解決するためになされたものであり、簡単で且つ小型の構造、低コストで連続噴霧を実現できるとともに、良好な安全性能を有する蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様の蓄圧式噴霧ポンプは、主柱とシリンダ体とを含み、前記主柱の内部には、軸方向に沿って延びる流体通路が形成されており、前記シリンダ体は、作動液を収容するとともに、前記主柱が挿入されており、この蓄圧式噴霧ポンプは、
前記軸方向に沿って前記主柱と前記シリンダ体との間に配置される逆止弁機構と、貯蔵チャンバーと、上部弾性機構とをさらに含み、
前記貯蔵チャンバーは、前記逆止弁機構と前記上部弾性機構との間に形成され、
前記逆止弁機構は、前記主柱を押圧する時にのみ開き、且つ前記作動液が前記シリンダ体から前記貯蔵チャンバーへ流入することのみを許容するように構成され、
前記上部弾性機構は、前記主柱に対して初期位置と最大圧縮位置との間で変位可能であり、前記主柱を押圧する時に前記最大圧縮位置に向かって変位して前記貯蔵チャンバーと前記流体通路とを流体連通させ、前記主柱を解放する時に前記初期位置に向かって変位するように構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第一の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第二の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバーを挟んで配置され、且つ前記主柱に固定され、前記軸方向に沿って前記第二のピストンを貫通する貫通穴が形成されている第二のピストンと、
前記軸方向に沿って前記主柱と前記シリンダ体とを接続し、又は前記軸方向に沿って前記第二のピストンと前記シリンダ体とを接続する第二の弾性体と、
前記貫通穴を覆うように構成される弾性セパレータと、を含み、
前記主柱を押圧することにより、前記弾性セパレータが変形して前記貫通穴を開く。
【0011】
本発明の第二の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第三の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、前記第二のピストンには、周方向に等間隔に複数の前記貫通穴が形成されている。
【0012】
本発明の第一の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第四の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバーを挟んで配置される環状の第二のピストンと、
前記軸方向に沿って前記主柱と前記シリンダ体とを接続する第二のバネとを含み、
前記第二のピストンの内面には、前記軸方向に沿って延びる溝が形成されており、
前記第二のピストンの前記貯蔵チャンバーから離れる端には、径方向内側に突出する環状フランジが形成されており、前記環状フランジは、前記主柱の外面に前記主柱の径方向に隙間なく密着しており、
前記主柱を押圧することにより、前記環状フランジが前記主柱の外面から離間し、前記シリンダ体と前記貯蔵チャンバーとが前記溝を介して流体連通する。
【0013】
本発明の第四の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第五の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、前記第二のピストンの内面には、周方向に沿って等間隔に複数の前記溝が形成されている。
【0014】
本発明の第一の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第六の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、
前記逆止弁機構は、
前記上部弾性機構と前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバーを挟んで配置される環状の第二のピストンと、
前記主柱の前記第二のピストンに近い端部に固着され、前記第二のピストンに前記軸方向に隙間なく密着している副柱と、
前記軸方向に沿って前記副柱と前記シリンダ体とを接続する第二のバネとを含み、
前記第二のピストンの内面には、前記軸方向に沿って延びる溝が形成されており、
前記主柱を押圧することにより、前記第二のピストンが前記副柱から離間し、前記シリンダ体と前記貯蔵チャンバーとが前記溝を介して流体連通する。
【0015】
本発明の第六の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第七の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、前記第二のピストンの内面には、周方向に沿って等間隔に複数の前記溝が形成されている。
【0016】
本発明の第一の態様から第七の態様のいずれか一つの態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第八の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、
前記主柱の側壁には、前記流体通路に連通する細穴が形成されており、
前記上部弾性機構が前記初期位置に位置する時、前記細穴は、前記上部弾性機構によって閉鎖され、
前記主柱を押圧することにより、前記細穴が開放して前記貯蔵チャンバーと前記流体通路とを流体連通させる。
【0017】
本発明の第八の態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第九の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、複数の前記細穴は、周方向に沿って等間隔に前記主柱の側壁に形成される。
【0018】
本発明の第二の態様から第七の態様のいずれか一つの態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第十の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、前記第二のピストンの前記上部弾性機構に近い面には、ストッパ部が形成されており、前記ストッパ部は、前記上部弾性機構を受けて前記上部弾性機構を前記初期位置に位置させるように構成される。
【0019】
本発明の第二の態様から第八の態様のいずれか一つの態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプに基づいて、本発明の第十一の態様から第十三の態様の蓄圧式噴霧ポンプにおいて、好ましくは、
前記上部弾性機構は、
前記主柱と前記シリンダ体との間に配置され、前記第二のピストンと前記軸方向に沿って前記貯蔵チャンバーを挟んで対向する第一のピストンと、
前記軸方向に沿って前記主柱と前記第一のピストンとを接続する第一の弾性体とを含む。
【0020】
本発明の第十四の態様は、蓄圧式噴霧装置に関し、
第一の態様から第十三の態様のいずれか一つの態様に記載の蓄圧式噴霧ポンプと、
前記蓄圧式噴霧ポンプと協働して前記軸方向に沿って前記蓄圧式噴霧ポンプの前記主柱を付勢する押圧式噴霧ヘッドとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第十四の態様に記載の蓄圧式噴霧装置に基づいて、本発明の第十五の態様の蓄圧式噴霧装置において、好ましくは、前記主柱が挿入されている前記シリンダ体を内部に収納するように構成されるカバー部品をさらに含む。
【0022】
本発明の第十五の態様に記載の蓄圧式噴霧装置に基づいて、本発明の第十六の態様の蓄圧式噴霧装置において、好ましくは、前記カバー部品は、内壁にネジが形成されているネジ山キャップである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、蓄圧式噴霧ポンプ及びこの蓄圧式噴霧ポンプを含む蓄圧式噴霧装置を提供することができ、簡単で且つ小型の構造、低コストで連続的で途切れのない噴霧を実現できるとともに、良好な安全性能を有する。なお、本発明は、連続的で途切れのない噴霧を実現できるため、作動液を対象物に均一に噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを含む蓄圧式噴霧装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す斜視図である。
図3】本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図であり、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプの内部構造を示している。
図4A】本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを構成する第二のピストンを示す斜視図である。
図4B図4Aの第二のピストンを示す断面図である。
図5A】本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを構成する弾性セパレータを示す斜視図である。
図5B図4Aの弾性セパレータを示す断面図である。
図6】押圧状態にある本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
図7】解放状態にある本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
図8】本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図であり、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプの内部構造を示している。
図9A】本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを構成する第二のピストンを示す斜視図である。
図9B図9Aの第二のピストンを示す断面図である。
図10】押圧状態にある本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
図11】解放状態にある本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
図12】本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図であり、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプの内部構造を示している。
図13A】本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを構成する第二のピストンを示す斜視図である。
図13B図13Aの第二のピストンを示す断面図である。
図14A】本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを構成する副柱を示す断面図である。
図14B図14Aの副柱を示す断面図である。
図15】押圧状態にある本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
図16】解放状態にある本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の各実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧ポンプの構造を詳細に説明する。
【0026】
-第一の実施の形態-
図1は、本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1を含む蓄圧式噴霧装置Aを示す斜視図である。図1に示すように、蓄圧式噴霧装置Aは、押圧式噴霧ヘッド1と、カバー部品Cと、蓄圧式噴霧ポンプP1と、吸出管2とを含む。押圧式噴霧ヘッド1は、市販の通常の噴霧ヘッドを採用することができ、ユーザは、手動でこの押圧式噴霧ヘッド1を押圧して噴霧することができる。この押圧式噴霧ヘッド1は、カバー部品C内に嵌合され、カバー部品Cは、蓄圧式噴霧装置Aをボトル本体(図示せず)に固定するための部品である。本実施の形態では、カバー部品Cは、内壁面にネジC1が形成されているネジ山キャップであり、ボトルの口に形成されるネジと協働することにより、蓄圧式噴霧装置Aを使用すべきボトル本体に接続する。なお、カバー部品Cは、後述の蓄圧式噴霧ポンプP1がその内部に配置されるために用いられる。また、蓄圧式噴霧ポンプP1の下方端部には、吸出管2が接続されており、この吸出管2は、作動液(噴霧用液)をボトル内から蓄圧式噴霧ポンプP1の後述シリンダ体3に供給するために用いられる。
【0027】
図2は、本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1を示す斜視図であり、図3は、本発明の第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1を含む蓄圧式噴霧装置Aを示す断面図である。図2図3に示すように、蓄圧式噴霧ポンプP1は、シリンダ体3と主柱4とを含む。シリンダ体3は、上端と下端が開口する筒状部品であり、大径部31と、小径部32と、入液部33とを有し、大径部31には、後述の主柱4の一部、後述の逆止弁機構の一部及び後述の上部弾性機構が収納されており、小径部32には、後述の逆止弁機構の別の部分及び鋼球Bが収納されており、入液部33には、上記吸出管2が挿入されている。なお、図3に示すように、シリンダ体3は、嵌合の方式でカバー部品Cに固定される。主柱4は、上端が開口し、且つ下端が閉鎖する細筒状部品であり、図3に示すように、その内部には、ガス又は作動液が流れるための流体通路41が形成されている。なお、主柱4の、この主柱4の軸方向に沿う略中間部位に、全周に亘って環状のフランジ部42が形成されており、このフランジ部42は、本実施の形態の上部弾性機構を構成する後述第一のバネ6を固定するために用いられる。また、主柱4の軸方向における下端部付近に近い部位には、径方向に沿ってこの主柱4の側壁を貫通する細穴43が形成されており、後述貯蔵チャンバーM内に入って貯蔵される空気又は作動液は、この細穴43を介して流体通路41に入り、流体通路41から押圧式噴霧ヘッド1を介して高速で外部に噴出される。
【0028】
蓄圧式噴霧効果を実現するために、蓄圧式噴霧ポンプP1は、逆止弁式蓄圧ユニットを構成する第一の逆止弁機構と上部弾性機構とをさらに含む。
【0029】
具体的には、本実施の形態では、図3に示すように、上部弾性機構は、第一のピストン5と第一の弾性部材の一例としての第一のバネ6とを含む。第一のピストン5は、シリンダ体3と主柱4との間に配置される環状部品であり、その内面は、主柱4の外側面に径方向に隙間なく密着しており、その外面は、シリンダ体3の内壁面に径方向に隙間なく密着している。つまり、空気又は作動液は、第一のピストン5の下方から上方への流れがほとんどできず、第一のピストン5の下方から下方への流れもほとんどできない。第一のバネ6は、軸方向に沿って配置され、一端は、フランジ部42に接続され、他端は、第一のピストン5に接続される。上記方式により、第一のピストン5と第一のバネ6とは、本実施の形態の上部弾性機構を構成する。
【0030】
他方では、同様に図3に示すように、第一の逆止弁機構は、第二のピストン7Aと、第二のバネ8Aと、弾性セパレータ9とを含む。
【0031】
第二のピストン7Aについて、図4Aは、第二のピストン7Aを示す斜視図であり、図4Bは、第二のピストン7Aを示す断面図である。図3、4Aと4Bに示すように、第二のピストン7Aは、シリンダ体3と主柱4との間に配置される略環状の部品であり、中空の本体部7A1と、上方フランジ部7A2と、側方フランジ部7A3とを有し、上方フランジ部7A2は、本体部7A1の上端に形成され、且つ径方向外側に突出し、側方フランジ部7A3は、上方フランジ部7A2の径方向外縁に形成され、且つ軸方向に沿って下へ延びる。第二のピストン7Aがシリンダ体3と主柱4との間に配置される状態では、本体部7A1の内周面は、主柱4の外側面に径方向に隙間なく密着しており、側方フランジ部7A3は、シリンダ体3の内壁面に径方向に隙間なく密着している。なお、図4Aと4Bに示すように、第二のピストン7Aには、軸方向に沿って上方フランジ部7A2を貫通する複数(ここでは四つ)の貫通穴10が形成されており、この貫通穴10は、シリンダ体3の小径部32と後述の貯蔵チャンバーMとを流体連通させるために用いられる。そして、貫通穴10の穴径は、細穴43の穴径よりもかなり大きい。
【0032】
第二のバネ8Aは、軸方向に沿って配置され、一端は、主柱2の端部に接続され、他端は、シリンダ体3の端部に接続される。
【0033】
また、弾性セパレータ9について、図5Aは、弾性セパレータ9を示す斜視図であり、図5Bは、弾性セパレータ9を示す断面図である。図5Aと5Bに示すように、弾性セパレータ9は、中空の略円盤状部品であり、図3に示すようにシリンダ体3と主柱4との間に配置され、且つ第二のピストン7Aの上方に隣接して配置され、中空の柱状部91と環状板部92とを有し、この環状板部92は、柱状部91の外周面全体に沿って形成されるとともに、径方向に柱状部91から離れるにつれて下へ傾斜する形状に形成される。環状板部92は、弾性薄板から構成され、柱状部91に対して軸方向に弾性変形可能である。なお、図3に示すように、弾性セパレータ9がシリンダ体3と主柱4との間に配置される場合に、柱状部91は、第二のピストン7A(正確には、本体部7A1)の上面に支持され、環状板部92は、上方から貫通穴10を覆う。
【0034】
上記方式により、第二のピストン7A、第二のバネ8A及び弾性セパレータ9は、本実施の形態の第一の逆止弁機構を構成する。
【0035】
なお、図3に示すように、本実施の形態の逆止弁式蓄圧ユニットを構成する上部弾性機構と逆止弁機構とがシリンダ体3と主柱4との間に配置される場合に、シリンダ体3と主柱4との間には、容積可変の貯蔵チャンバーMが形成されている。具体的には、空気又は作動液の貯蔵チャンバーMへの流入に伴い、貯蔵チャンバーMの容積が大きくなるが、空気又は作動液の貯蔵チャンバーMからの流出に伴い、貯蔵チャンバーMの容積が小さくなる。この点について、後述で詳細に説明する。
【0036】
次に、上記構造に基づいて、図3図6図7を参照すると、本実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1及び蓄圧式噴霧装置Aの作動原理を詳細に説明する。
【0037】
図3は、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプP1を示す断面図である。初期状態では、第一のピストン5は、弾性セパレータ9の柱状部91に接触して細穴43を閉鎖して、貯蔵チャンバーMと主柱4の流体通路41とを連通させない状態にする。
【0038】
本実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1及び蓄圧式噴霧装置Aを初めて使用する場合に、貯蔵チャンバーM及びシリンダ体3における第二のピストン7Aの下方に近い空間(以下、下方チャンバーLMと呼ぶ)内には、空気が存在する可能性がある。まず、押圧式噴霧ヘッド1を押圧することにより、押圧式噴霧ヘッド1に接続される主柱2及び主柱2に接続される第二のピストン7Aを、第二のバネ8Aを克服して軸方向に沿って下へ移動させる。この時、鋼球Bが小径部32と入液部33との接続口を閉鎖するため、下方チャンバーLM内の空気を下方から排出することができない。
【0039】
これと同時に、下方チャンバーLM内の空気が圧縮されて、この下方チャンバーLM内の圧力が貯蔵チャンバーM内の圧力よりも大きくなるため、図6に示すように、圧力差の作用で、弾性セパレータ9の環状板部92は、上へ変形して貫通穴10を開放させ、下方チャンバーLM内の空気は、貯蔵チャンバーMに流入する。そして、空気の流入に伴い、第一のピストン5は、第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動し、元々第一のピストン5の側面によって閉鎖された細穴43が開放されて、貯蔵チャンバーMと主柱4内の流体通路41とを流体連通させ、貯蔵チャンバーM内に位置する空気は、細穴43を介して流体通路に流入する。しかし、貫通穴10の穴径が細穴43の穴径よりもかなり大きいため、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する空気量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する空気量よりも大きく、押圧過程全体から見ると、貯蔵チャンバーMの容積は、大きくなり、第一のピストン5は、持続的に第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動する。
【0040】
上部弾性機構が最大圧縮位置に変位する(例えば、第一のバネ6の圧縮変形が最大弾性圧縮位置に到着するか、又は押圧式噴霧ヘッド1の下端がカバー部品Cに当接する)まで押圧式噴霧ヘッド1を押圧すると、押圧式噴霧ヘッド1が解放される。この時、第二のバネ8Aの回復力の作用で、主柱2と第二のピストン7Aとは、軸方向に沿って上へ移動する。そして、貯蔵チャンバーM内の圧力が下方チャンバーLM内の圧力よりも大きいため、弾性セパレータ9の環状板部92は、初期状態に回復して貫通穴10を閉鎖する。つまり、蓄圧式噴霧装置Aは、図6の押圧状態から図7の解放状態に転移する。これと同時に、第一のバネ6の回復力の作用で、第一のピストン5が弾性セパレータ9の柱状部91に当接する初期位置に移動して細穴43を閉鎖するまで、第一のピストン5は、下へ移動して貯蔵チャンバーM内の空気を付勢して、細穴43を介して空気を流体通路41により速く流入させる。それによって、蓄圧式噴霧装置Aは、図7の解放状態から図3の初期状態に回復する。一方では、解放中に、入液部33内の圧力が下方チャンバーLM内の圧力よりも大きいため、鋼球Bが上へ突き上げられ、空気又は作動液は、持続的に入液部33から下方チャンバーLMに流入する。それによって、下方チャンバーLM内には、作動液が収納されている。
【0041】
前述のように押圧式噴霧ヘッド1の押圧と解放を繰り返すことにより、下方チャンバーLM内には、作動液が充填される。
【0042】
次に、押圧式噴霧ヘッド1を押圧することにより、押圧式噴霧ヘッド1に接続される主柱2及び主柱2に接続される第二のピストン7Aを、第二のバネ8Aを克服して軸方向に沿って下へ移動させる。この時、鋼球Bが小径部32と入液部33との接続口を閉鎖するため、下方チャンバーLM内の作動液を下方から排出することができない。
【0043】
この時、作動液がほとんど圧縮できないという性質を有するため、下方チャンバーLM内の作動液が押し出されると、この下方チャンバーLM内の液体圧力が貯蔵チャンバーM内の圧力よりも大きいため、図6に示すように、圧力差の作用で、弾性セパレータ9の環状板部92は、上へ変形して貫通穴10を開放させ、下方チャンバーLM内の作動液は、貯蔵チャンバーMに流入する。そして、作動液の流入に伴い、第一のピストン5は、第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動し、元々第一のピストン5の側面によって閉鎖された細穴43が開放されて、貯蔵チャンバーMと主柱4内の流体通路41とを流体連通させ、貯蔵チャンバーM内に位置する作動液は、細穴43を介して流体通路に流入する。しかし、貫通穴10の穴径が細穴43の穴径よりもかなり大きいため、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きく、押圧過程全体から見ると、貯蔵チャンバーMの容積は、大きくなり、第一のピストン5は、持続的に第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動する。
【0044】
これと同時に、作動液の非圧縮性により、鋼球Bは、常に閉じた状態にあり、入液口33内の作動液は、下方チャンバーLM内に流入することができない。
【0045】
上部弾性機構が最大圧縮位置に変位する(例えば、第一のバネ6の圧縮変形が最大弾性圧縮位置に到着するか、又は押圧式噴霧ヘッド1の下端がカバー部品Cに当接する)まで押圧式噴霧ヘッド1を押圧すると、押圧式噴霧ヘッド1が解放される。この時、第二のバネ8Aの回復力の作用で、主柱2と第二のピストン7Aとは、軸方向に沿って上へ移動することによって、下方チャンバーLM内の圧力が負圧に形成される。そのため、弾性セパレータ9の環状板部92は、初期状態に回復して貫通穴10を閉鎖する。つまり、蓄圧式噴霧装置Aは、図6の押圧状態から図7の解放状態に転移する。これと同時に、第一のバネ6の回復力の作用で、第一のピストン5が弾性セパレータ9の柱状部91に当接する初期位置に移動して細穴43を閉鎖するまで、第一のピストン5は、下へ移動して貯蔵チャンバーM内の作動液を付勢して、細穴43を介して作動液を流体通路41により速く流入させる。それによって、蓄圧式噴霧装置Aは、図7の解放状態から図3の初期状態に回復する。他方では、下方チャンバーLM内の圧力が負圧に形成されるため、鋼球Bが上へ突き上げられ、作動液は、持続的に入液部33から下方チャンバーLMに流入する。それによって、下方チャンバーLM内には、常に作動液が充填される。
【0046】
なお、上述したように、貫通穴10の穴径は、細穴43の穴径よりもかなり大きく、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きいため、一回又は複数回の押圧、解放により、作動液は、貯蔵チャンバーMから細穴43及び流体通路41を介して持続的に外部に噴出することができる。即ち、上記構造に基づいて、一回又は複数回の押圧、解放により、持続的な噴霧の効果を実現することができる。
【0047】
-第一の実施の形態の技術的効果-
従来の噴霧装置との相違点は、本実施の形態では、シリンダ体3と、主柱4と、逆止弁式蓄圧ユニットとを含む蓄圧式噴霧ポンプP1を採用することである。逆止弁式蓄圧ユニットは、第一の逆止弁機構と上部弾性機構とを含み、ここで、上部弾性機構は、第一のピストン5と第一のバネ6とを含み、第一の逆止弁機構は、貫通穴10を有する第二のピストン7Aと、第二のバネ8Aと、貫通穴10を開閉するための弾性セパレータ9とを含む。
【0048】
押圧式噴霧ヘッド1を押圧することにより、弾性セパレータ9の環状板部92は、上へ変形し、貫通穴10が開放されて、シリンダ体3の下方チャンバーLM内の作動液は、第一のピストン5と第二のピストン7Aとの間の貯蔵チャンバーM内に流入することができる。これと同時に、第一のピストン5は、貯蔵チャンバーMに流入する作動液の圧力作用で上へ移動し、貯蔵チャンバーMの容積は、絶えず大きくなる。次に、押圧式噴霧ヘッド1を解放することにより、弾性セパレータ9の環状板部9は、初期状態に回復し、貫通穴10が閉じられる。そして、第一のピストン5は、圧縮状態にある第一のバネ6の作用で下へ移動し、第二のピストン7Aは、圧縮状態にある第二のバネ8Aの作用で上へ移動することによって、作動液に圧力が加えられて、作動液は、主柱4の側壁に形成される細穴43を介して流体通路41に流入し、さらに流体通路41から持続的に外部に噴出することができる。このように、押圧式噴霧ヘッド1の押圧と解放を繰り返すことにより、ますます多くの作動液が貯蔵チャンバーM内に貯蔵されるようになり、それによって噴霧の時間を延長し、持続的な噴霧の効果を実現することができる。
【0049】
つまり、従来の技術における複雑な構造を有する蓄圧式噴霧技術に比べて、本実施の形態では、構造が簡単な第一の逆止弁機構を採用し、この第一の逆止弁機構の特性により、噴霧ヘッドの押圧と解放を繰り返すことにより、持続的な噴霧の効果を容易に実現することができる。
【0050】
なお、従来の非蓄圧式噴霧技術に比べて、作動液をより均一に対象物に噴霧することができる。具体的には、例えば窓のガラスを清掃する時、非蓄圧式噴霧装置を採用すれば、このガラスの異なる位置にそれぞれ噴霧する必要があり、その結果、押圧力などの要素の変化により、各位置の噴霧量が異なり、不均一になる可能性がある。これに対して、本発明の蓄圧式噴霧技術を採用することにより、噴霧装置を移動させるだけで、作動液をガラス全体に覆わせることができる。そして、この噴霧過程が押圧力の影響を受けないため、定速で噴霧装置を移動させることさえ保証すれば、作動液を均一にガラス全体に噴霧させることができる。
【0051】
-第二の実施の形態-
次に、図8、9Aと9Bを参照すると、本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP2の構造について説明する。注意すべきこととして、本実施の形態と第一の実施の形態の相違点は、第二の逆止弁機構の構造にあり、それ以外は、第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1の構造と同じである。そのため、ここで、本実施の形態の第二の逆止弁機構の構造のみについて説明し、他の部分の説明を省略する。
【0052】
図8は、本発明の第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP2を示す断面図である。図8に示すように、本実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP2は、シリンダ体3と、主柱4と、逆止弁式蓄圧ユニットを構成する第二の逆止弁機構と、上部弾性機構とを含む。第一の実施の形態の第一の逆止弁機構との相違点は、第二の逆止弁機構が、第二のピストン7Bと第二のバネ8Bとを含むことである。
【0053】
第二のピストン7Bについて、図9Aは、第二のピストン7Bを示す斜視図であり、図9Bは、第二のピストン7Bを示す断面図である。図8、9Aと9Bに示すように、第二のピストン7Bは、シリンダ体3と主柱4との間に配置される略環状の部品であり、第二のピストン7Bは、主柱4から離間して設置され、中空の本体部7B1と、上方フランジ部7B2と、側方フランジ部7B3と、複数(ここでは四つ)のストッパ部7B4とを有する。上方フランジ部7B2は、本体部7B1の上端に形成され、且つ径方向外側に突出し、側方フランジ部7B3は、上方フランジ部7B2の径方向外縁に形成され、且つ軸方向に沿って下へ延び、複数のストッパ部7B4は、軸方向に沿って上へ突出して上方フランジ部7B2の上面に形成される。なお、図9Aと9Bに示すように、本体部7B1の下端部には、径方向内側に突出する環状フランジ7B5が形成されており、この環状フランジ7B5は、主柱2の外側面に密着するために用いられ、これは後述する。そして、本体部7B1の内面には、軸方向に沿って延びる複数の溝11が形成されており、前記複数の溝11は、空気又は作動液をこれらの溝を介して貯蔵チャンバーMに流入させるために用いられる。第二のピストン7Bがシリンダ体3と主柱4との間に配置される状態では、本体部7B1の環状フランジ7B5は、主柱4の外側面に径方向に隙間なく密着して貯蔵チャンバーMと下方チャンバーLMとの間の流体連通を遮断し、側方フランジ部7B3は、シリンダ体3の内壁面に径方向に隙間なく密着している。
【0054】
第二のバネ8Bについて、図8に示すように、第二のバネ8Bは、軸方向に沿って配置され、一端は、主柱2の端部に接続され、他端は、シリンダ体3の端部に接続される。
【0055】
そして、上記構造に基づいて、図8、10と11を参照すると、本実施の形態の第二の逆止弁機構の作動原理について説明する。ここで、説明の繰り返しを回避するために、作動液の状況のみについて説明する。
【0056】
図8は、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプP2を示す断面図である。初期状態では、第一のピストン5は、第二のピストン7Bのストッパ部7B4に接触して細穴43を閉鎖して、貯蔵チャンバーMと主柱4の流体通路41とを連通させない状態にする。
【0057】
まず、押圧式噴霧ヘッド1を押圧することにより、押圧式噴霧ヘッド1に接続される主柱2を、第二のバネ8Bを克服して軸方向に沿って下へ移動させる。この時、鋼球Bが小径部32と入液部33との接続口を閉鎖するため、下方チャンバーLM内の作動液を下方から排出することができない。
【0058】
この時、これと同時に、主柱2が第二のピストン7Bに対して下へ移動するため、元々互いに密着した第二のピストン7Bの環状フランジ7B5は、主柱2の外側面から離間することによって、第二のピストン7Bと主柱4との間に隙間が発生する。これにより、下方チャンバーLM内の作動液は、この隙間を通って第二のピストン7Bの内面に形成される複数の溝11に沿って貯蔵チャンバーMに流入する。そして、作動液の流入に伴い、第一のピストン5は、第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動し、元々第一のピストン5の側面によって閉鎖された細穴43が開放されて、貯蔵チャンバーMと主柱4内の流体通路41とを流体連通させ、貯蔵チャンバーM内に位置する作動液は、細穴43を介して流体通路に流入する。しかし、貫通穴10の穴径が細穴43の穴径よりもかなり大きいため、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きく、押圧過程全体から見ると、貯蔵チャンバーMの容積は、大きくなり、第一のピストン5は、持続的に第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動する。
【0059】
これと同時に、作動液の非圧縮性により、鋼球Bは、常に閉じた状態にあり、入液口33内の作動液は、下方チャンバーLM内に流入することができない。
【0060】
上部弾性機構が最大圧縮位置に変位する(例えば、第一のバネ6の圧縮変形が最大弾性圧縮位置に到着するか、又は押圧式噴霧ヘッド1の下端がカバー部品Cに当接する)まで押圧式噴霧ヘッド1を押圧すると、押圧式噴霧ヘッド1が解放される。この時、第二のバネ8Bの作用で、主柱4は、軸方向に沿って上へ移動し、第二のピストン7Bの環状フランジ7B5は、主柱4の外側面に隙間なく再密着し、両者間の隙間がなくなり、下方チャンバーLM内の作動液は、貯蔵チャンバーMに流入することができない。つまり、蓄圧式噴霧装置Aは、図10の押圧状態から図11の解放状態に転移する。これと同時に、第一のバネ6の回復力の作用で、第一のピストン5が第二のピストン7Bのストッパ部7B4に当接する初期位置に移動して細穴43を閉鎖するまで、第一のピストン5は、下へ移動して貯蔵チャンバーM内の作動液を付勢して、細穴43を介して作動液を流体通路41により速く流入させる。それによって、蓄圧式噴霧ポンプP2は、図11の解放状態から図8の初期状態に回復する。他方では、主柱4と第二のピストン7Bとの間の隙間がなくなるため、下方チャンバーLM内の圧力が負圧に形成され、鋼球Bが上へ突き上げられ、作動液は、持続的に入液部33から下方チャンバーLMに流入する。それによって、下方チャンバーLM内には、常に作動液が充填される。
【0061】
なお、上述したように、貫通穴10の穴径は、細穴43の穴径よりもかなり大きく、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きいため、一回又は複数回の押圧、解放により、作動液は、貯蔵チャンバーMから細穴43及び流体通路41を介して持続的に外部に噴出することができる。即ち、上記構造に基づいて、一回又は複数回の押圧、解放により、持続的な噴霧の効果を実現することができる。
【0062】
-第二の実施の形態の技術的効果-
本実施の形態では、別の構造が簡単な逆止弁機構を採用しており、第一の実施の形態と同じ技術的効果を実現することもできる。
【0063】
-第三の実施の形態-
次に、図12、13A、13Bと14を参照すると、本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP3の構造について説明する。注意すべきこととして、本実施の形態と第一の実施の形態及び第二の実施の形態との相違点は、第三の逆止弁機構の構造にあり、それ以外は、第一の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP1及び第二の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP2の構造と同じである。そのため、ここで、本実施の形態の第三の逆止弁機構の構造のみについて説明し、他の部分の説明を省略する。
【0064】
図12は、本発明の第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP3を示す断面図である。図12に示すように、本実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプP3は、シリンダ体3と、主柱4と、逆止弁式蓄圧ユニットを構成する第三の逆止弁機構と、上部弾性機構とを含む。第一の実施の形態の第一の逆止弁機構及び第二の実施の形態の第二の逆止弁機構との相違点は、第三の逆止弁機構が、第二のピストン7Cと、第二のバネ8Cと、副柱12とを含むことである。
【0065】
第二のピストン7Cについて、図13Aは、第二のピストン7Cを示す斜視図であり、図13Bは、第二のピストン7Cを示す断面図である。図12、13Aと13Bに示すように、第二のピストン7Cは、シリンダ体3と主柱4との間に配置される略環状の部品であり、第二のピストン7Bは、主柱4から離間して設置され、中空の本体部7C1と、上方フランジ部7C2と、側方フランジ部7C3とを有する。上方フランジ部7C2は、本体部7C1の上端に形成され、且つ径方向外側に突出し、側方フランジ部7C3は、上方フランジ部7C2の径方向外縁に形成され、且つ軸方向に沿って下へ延びる。なお、図13Aと13Bに示すように、本体部7C1の内面には、軸方向に沿って延びる複数の溝11が形成されており、前記複数の溝11は、空気又は作動液をこれらの溝を介して貯蔵チャンバーMに流入させるために用いられる。第二のピストン7Cがシリンダ体3と主柱4との間に配置される状態では、本体部7B1の下端部は、後述の副柱12に軸方向に隙間なく密着して貯蔵チャンバーMと下方チャンバーLMとの間の流体連通を遮断し、側方フランジ部7C3は、シリンダ体3の内壁面に径方向に隙間なく密着している。
【0066】
第二のバネ8Cについて、図12に示すように、第二のバネ8Cは、軸方向に沿って配置され、一端は、後述の副柱12に接続され、他端は、シリンダ体3の端部に接続される。
【0067】
副柱12について、図14Aは、副柱12を示す斜視図であり、図14Bは、副柱12を示す断面図である。図14Aと14Bに示すように、副柱12は、軸方向嵌挿部12Aと径方向フランジ部12Bとを有する。軸方向嵌挿部12Aは、図12に示す軸方向に沿って主柱2の端部に形成されるノッチ内に嵌挿される部分であり、径方向フランジ部12Bは、第二のピストン7Cの本体部7C1の下端部に軸方向に隙間なく密着するための部分である。
【0068】
そして、上記構造に基づいて、図12、15と16を参照すると、本実施の形態の第三の逆止弁機構の作動原理について説明する。ここで、説明の繰り返しを回避するために、作動液の状況のみについて説明する。
【0069】
図12は、初期状態にある蓄圧式噴霧ポンプP3を示す断面図である。初期状態では、第一のピストン5は、第二のピストン7Cの上方フランジ部7C2に接触して細穴43を閉鎖して、貯蔵チャンバーMと主柱4の流体通路41とを連通させない状態にする。なお、副柱12は、主柱4のノッチ内に嵌挿される方式で主柱4に固定される。
【0070】
まず、押圧式噴霧ヘッド1を押圧することにより、押圧式噴霧ヘッド1に接続される主柱2及び主柱2に固定される副柱12を、第二のバネ8Cを克服して軸方向に沿って下へ移動させる。この時、鋼球Bが小径部32と入液部33との接続口を閉鎖するため、下方チャンバーLM内の作動液を下方から排出することができない。
【0071】
この時、これと同時に、主柱2と副柱12が第二のピストン7Cに対して下へ移動するため、元々互いに密着した第二のピストン7Cの本体部7C1の下端部は、副柱12の径方向フランジ部12Bから離間することによって、第二のピストン7Cと副柱12との間に隙間が発生する。これにより、下方チャンバーLM内の作動液は、この隙間を通って第二のピストン7Bの内面に形成される複数の溝11に沿って貯蔵チャンバーMに流入する。そして、作動液の流入に伴い、第一のピストン5は、第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動し、元々第一のピストン5の側面によって閉鎖された細穴43が開放されて、貯蔵チャンバーMと主柱4内の流体通路41とを流体連通させ、貯蔵チャンバーM内に位置する作動液は、細穴43を介して流体通路に流入する。しかし、貫通穴10の穴径が細穴43の穴径よりもかなり大きいため、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きく、押圧過程全体から見ると、貯蔵チャンバーMの容積は、大きくなり、第一のピストン5は、持続的に第一のバネ6を克服して軸方向に沿って上へ移動する。
【0072】
これと同時に、作動液の非圧縮性により、鋼球Bは、常に閉じた状態にあり、入液口33内の作動液は、下方チャンバーLM内に流入することができない。
【0073】
上部弾性機構が最大圧縮位置に変位する(例えば、第一のバネ6の圧縮変形が最大弾性圧縮位置に到着するか、又は押圧式噴霧ヘッド1の下端がカバー部品Cに当接する)まで押圧式噴霧ヘッド1を押圧すると、押圧式噴霧ヘッド1が解放される。この時、第二のバネ8Cの作用で、主柱4と副柱12とは、軸方向に沿って上へ移動し、第二のピストン7Cの本体部7C1の下端部は、副柱12の径方向フランジ部12Bに隙間なく再密着し、両者間の隙間がなくなり、下方チャンバーLM内の作動液は、貯蔵チャンバーMに流入することができない。つまり、蓄圧式噴霧装置Aは、図15の押圧状態から図16の解放状態に転移する。これと同時に、第一のバネ6の回復力の作用で、第一のピストン5は、第一のピストン5が第二のピストン7Bのストッパ部7B4に当接する初期位置に移動して細穴43を閉鎖するまで、下へ移動して貯蔵チャンバーM内の作動液を付勢して、細穴43を介して作動液を流体通路41により速く流入させる。それによって、蓄圧式噴霧ポンプP3は、図16の解放状態から図12の初期状態に回復する。他方では、主柱4と第二のピストン7Bとの間の隙間がなくなるため、下方チャンバーLM内の圧力が負圧に形成され、鋼球Bが上へ突き上げられ、作動液は、持続的に入液部33から下方チャンバーLMに流入する。それによって、下方チャンバーLM内には、常に作動液が充填される。
【0074】
なお、上述したように、貫通穴10の穴径は、細穴43の穴径よりもかなり大きく、単位時間当たりに下方チャンバーLMから貯蔵チャンバーMに流入する作動液量は、単位時間当たりに貯蔵チャンバーMから流体通路41に流入する作動液量よりも大きいため、一回又は複数回の押圧、解放により、作動液は、貯蔵チャンバーMから細穴43及び流体通路41を介して持続的に外部に噴出することができる。即ち、上記構造に基づいて、一回又は複数回の押圧、解放により、持続的な噴霧の効果を実現することができる。
【0075】
-第三の実施の形態の技術的効果-
本実施の形態では、また別の構造が簡単な逆止弁機構を採用しており、第一の実施の形態及び第二の実施の形態と同じ技術的効果を実現することもできる。
【0076】
-他の実施の形態-
以上、本発明の第一の実施の形態から第三の実施の形態の蓄圧式噴霧ポンプ及び蓄圧式噴霧装置について説明し、しかし、本発明の構造は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態に基づいてさらに改良することもできる。
【0077】
例えば、上記第一の実施の形態では、好ましくは、第二のピストンの周方向に等間隔に複数の貫通穴が形成されている。それによって、下方チャンバーLM内の空気又は作動液を貯蔵チャンバーMにより均一に流入させ、第二のピストン及び弾性セパレータの環状板部が均一に力を受けることを保持し、弾性セパレータの斜めの保持を回避することができる。
【0078】
例えば、上記第二の実施の形態と第三の実施の形態では、好ましくは、第二のピストンの内面には、周方向に沿って等間隔に複数の前記溝が形成されている。それによって、下方チャンバーLM内の空気又は作動液を貯蔵チャンバーMにより均一に流入させ、第二のピストンが均一に力を受けることを保持することができる。
【0079】
例えば、上記第一の実施の形態から第三の実施の形態では、好ましくは、主柱4の側壁の全周方向に等間隔に複数の細穴が形成されている。それによって、貯蔵チャンバーM内の空気又は作動液を主柱4の全周方向に沿って流体通路41に均一に流入させることができ、噴霧の効果をさらに高めることができる。
【0080】
なお、本発明は、その範囲内で、各実施の形態を自由に組み合わせ、又は各実施の形態を適切に変形し、省略することができる。
【符号の説明】
【0081】
A 蓄圧式噴霧装置
P1、P2、P3 蓄圧式噴霧ポンプ
1 押圧式噴霧ヘッド
2 吸出管
C カバー部品
C1 ネジ
3 シリンダ体
31 大径部
32 小径部
33 入液部
B 鋼球
4 主柱
41 流体通路
42 フランジ部
43 細穴
5 第一のピストン
6 第一のバネ
7A、7B、7C 第二のピストン
8A、8B、8C 第二のバネ
9 弾性セパレータ
91 柱状部
92 環状板部
10 貫通穴
7A1、7B1、7C1 本体部
7A2、7B2、7C2 上方フランジ部
7A3、7B3、7C3 側方フランジ部
7B4 ストッパ部
7B5 環状フランジ
11 溝
12 副柱
12A 軸方向嵌挿部
12B 径方向フランジ部
M 貯蔵チャンバー
LM 下方チャンバー
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
【国際調査報告】