(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】感熱記録材料
(51)【国際特許分類】
B41M 5/124 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B41M5/124 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577195
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 DE2022100449
(87)【国際公開番号】W WO2022262908
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021115909.1
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522327876
【氏名又は名称】コーラー イノベーション アンド テクノロジー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストーリング,ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ブラシュ,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ホーフェラー,ドミニク
(57)【要約】
本発明は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層およびカラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
前記支持材が、前記カラー層が付着された面で20秒より大きい、好ましくは30秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とし、Bekk平滑度はDIN 53107(2016)に従って決定される、感熱記録材料。
【請求項2】
前記カラー層が、前記感熱層が付着された面で100秒より大きい、好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1に記載の感熱記録材料。
【請求項3】
前記感熱層が、前記カラー層がない面で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の感熱記録材料。
【請求項4】
前記ウェブ様支持材に付着された各層がその上面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有し、前記上面が各々の場合に前記ウェブ様支持材がない面であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項5】
前記カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料を、ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項6】
前記感熱層が-55℃~130℃のガラス転移温度、250℃より低い融解温度、および/または0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項7】
前記感熱層が40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料、好ましくは脂肪酸および/または脂肪酸アミドを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項8】
絶縁層が前記ウェブ様支持材と前記カラー層との間に存在し、前記絶縁層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項9】
前記カラー層が同時にカラー層および絶縁層を構成し、同時に絶縁層である前記カラー層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項10】
同時にカラー層および絶縁層も構成する前記絶縁層または前記カラー層が少なくとも1つの断熱材、好ましくは焼成カオリンまたは中空球顔料、特に、好ましくは40℃~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有するスチレンアクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の感熱記録材料。
【請求項11】
デンプンを含む層が前記ウェブ様支持材の直接少なくとも1つの面上、好ましくは直接前記ウェブ様支持材の両面上に存在し、前記デンプンを含む層が好ましくは20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項12】
保護層が前記感熱層上に存在し、前記保護層が好ましくは200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項13】
前記保護層が少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項12に記載の感熱記録材料。
【請求項14】
接着剤層が前記ウェブ様支持材の前記カラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項15】
前記接着剤層が少なくとも1つの感圧接着剤を含むことを特徴とする、請求項14に記載の感熱記録材料。
【請求項16】
シリコーン処理された剥離層が、前記感熱層上に存在し、好ましくは400秒より大きい、前記シリコーン処理された剥離層が、特に好ましくは800秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項17】
前記シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサンを含むことを特徴とする、請求項16に記載の感熱記録材料。
【請求項18】
前記感熱記録材料が、2~14%の残留水分を有することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項19】
前記感熱記録材料が、35~60%の表面白色度を有することを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項20】
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%であることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項21】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
前記感熱記録材料が、2~14%、好ましくは3~8%の残留水分を有することを特徴とする、感熱記録材料。
【請求項22】
前記感熱記録材料が、35~60%の表面白色度を有することを特徴とする、請求項21に記載の感熱記録材料。
【請求項23】
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%であることを特徴とする、請求項19または20に記載の感熱記録材料。
【請求項24】
前記支持材が、前記カラー層が付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、さらに特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から23のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項25】
前記カラー層が、前記感熱層が付着された面で100秒より大きい、好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項26】
前記感熱層が、前記カラー層がない面で100秒より大きい、好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項27】
前記ウェブ様支持材に付着された各層が、その上面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有し、前記上面が各々の場合に前記ウェブ様支持材がない面であることを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項28】
前記カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料を、ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする、請求項21から27のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項29】
前記感熱層が、-55℃~130℃のガラス転移温度、250℃より低い融解温度、および/または0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する、少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする、請求項21から28のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項30】
前記感熱層が40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料、好ましくは脂肪酸および/または脂肪酸アミドを含むことを特徴とする、請求項21から29のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項31】
絶縁層が前記ウェブ様支持材と前記カラー層との間に存在し、前記絶縁層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から30のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項32】
前記カラー層が同時にカラー層および絶縁層も構成し、同時に絶縁層でもある前記カラー層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から31のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項33】
同時にカラー層および絶縁層も構成する前記絶縁層または前記カラー層が少なくとも1つの断熱材、好ましくは焼成カオリンまたは中空球顔料、特に、好ましくは40℃~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有するスチレンアクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項31または32に記載の感熱記録材料。
【請求項34】
デンプンを含む層が直接前記ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上に、好ましくは直接前記ウェブ様支持材の両面上に存在し、前記デンプンを含む層が好ましくは20秒より大きい、好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から33のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項35】
保護層が前記感熱層上に存在し、前記保護層が好ましくは200秒より大きい、好ましくは400秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から34のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項36】
前記保護層が少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項35に記載の感熱記録材料。
【請求項37】
接着剤層が前記ウェブ様支持材の前記カラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする、請求項21から36のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項38】
前記接着剤層が少なくとも1つの感圧接着剤を含むことを特徴とする、請求項37に記載の感熱記録材料。
【請求項39】
シリコーン処理された剥離層が前記感熱層上に存在し、前記シリコーン処理された剥離層が、好ましくは400秒より大きい、好ましくは800秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項21から38のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項40】
前記シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサンを含むことを特徴とする、請求項39に記載の感熱記録材料。
【請求項41】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用により半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
前記感熱層が10~90重量%、好ましくは20~60重量%の0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する散乱粒子、特にポリマー粒子、10~80重量%の40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する感熱性材料、ならびに1~30重量%のバインダーを含むことを特徴とする、感熱記録材料。
【請求項42】
前記散乱粒子、特に前記ポリマー粒子が結晶質、半結晶質および/または非晶質であり、閉鎖中空体粒子、開放中空体粒子および/または中実体粒子から選択され、その各々が規則的または不規則的形状であることを特徴とする、請求項41に記載の感熱記録材料。
【請求項43】
前記感熱性材料が脂肪酸および/または脂肪酸アミドを含むことを特徴とする、請求項41または42に記載の感熱記録材料。
【請求項44】
前記バインダーが水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含むことを特徴とする、請求項41から43のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項45】
前記ポリマー粒子が0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有することを特徴とする、請求項41から44のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項46】
前記感熱記録材料が、2~14%の残留水分を有することを特徴とする、請求項41から45のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項47】
前記感熱記録材料が、35~60%の表面白色度を有することを特徴とする、請求項41から46のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項48】
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%であることを特徴とする、請求項41から47のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項49】
前記支持材が、前記カラー層が付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、さらに特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から48のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項50】
前記カラー層が、前記感熱層が付着された面で100秒より大きい、好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から49のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項51】
前記感熱層が、前記カラー層がない面で100秒より大きい、好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から50のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項52】
前記ウェブ様支持材に付着された各層がその上面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有し、前記上面が各々の場合に前記ウェブ様支持材がない面であることを特徴とする、請求項41から51のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項53】
前記カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする、請求項41から52のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項54】
絶縁層が前記ウェブ様支持材と前記カラー層との間に存在し、前記絶縁層が好ましくは50秒より大きい、好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から53のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項55】
前記カラー層が同時にカラー層および絶縁層も構成し、同時に絶縁層でもある前記カラー層が好ましくは50秒より大きい、好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から54のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項56】
同時にカラー層および絶縁層も構成する前記絶縁層または前記カラー層が、少なくとも1つの断熱材、好ましくは焼成カオリンまたは中空球顔料、特に、好ましくは40℃~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有するスチレンアクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項54または55に記載の感熱記録材料。
【請求項57】
デンプンを含む層が直接前記ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上に、好ましくは直接前記ウェブ様支持材の両面上に存在し、前記デンプンを含む層が20秒より大きい、好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から56のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項58】
保護層が前記感熱層の上に存在し、前記保護層が200秒より大きい、好ましくは400秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から57のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項59】
前記保護層が少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項58に記載の感熱記録材料。
【請求項60】
接着剤層が前記ウェブ様支持材の前記カラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする、請求項41から59のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項61】
前記接着剤層が少なくとも1つの感圧接着剤を含むことを特徴とする、請求項60に記載の感熱記録材料。
【請求項62】
シリコーン処理された剥離層が前記感熱層上に存在し、前記シリコーン処理された剥離層が、400秒より大きい、好ましくは800秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項41から61のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項63】
前記シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサンを含むことを特徴とする、請求項62に記載の感熱記録材料。
【請求項64】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上の絶縁層、
前記絶縁層上のカラー層および
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料。
【請求項65】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上の、同時にカラー層および絶縁層である層、ならびに
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料。
【請求項66】
同時にカラー層および絶縁層も構成する前記絶縁層または前記カラー層が少なくとも1つの断熱材、好ましくは焼成カオリンまたは中空体顔料、特に、好ましくは40℃~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有するスチレンアクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項64または65に記載の感熱記録材料。
【請求項67】
同時にカラー層および絶縁層でもある絶縁層またはカラー層が50秒より大きい、好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から66のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項68】
前記感熱記録材料が、2~14%の残留水分を有することを特徴とする、請求項64から67のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項69】
前記感熱記録材料が、35~60%の表面白色度を有することを特徴とする、請求項64から68のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項70】
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%であることを特徴とする、請求項64から69のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項71】
前記支持材が、前記カラー層が付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から70のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項72】
前記カラー層が、前記感熱層が付着された面で100秒より大きい、好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から71のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項73】
前記感熱層が、前記カラー層がない面で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から72のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項74】
前記ウェブ様支持材に付着された各層がその上面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有し、前記上面が各々の場合に前記ウェブ様支持材がない面であることを特徴とする、請求項64から73のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項75】
前記カラー層または同時にカラーおよび絶縁層でもある層が少なくとも1つの顔料および/または染料ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする、請求項64から74のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項76】
前記感熱層が-55℃~130℃のガラス転移温度、250℃より低い融解温度、および/または0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする、請求項64から75のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項77】
前記感熱層が40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料、好ましくは脂肪酸および/または脂肪酸アミドを含むことを特徴とする、請求項64から76のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項78】
デンプンを含む層が直接前記ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上、好ましくは直接前記ウェブ様支持材の両面上に存在し、前記デンプンを含む層が好ましくは20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から77のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項79】
保護層が前記感熱層の上に存在し、前記保護層が好ましくは200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から78のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項80】
前記保護層が少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項79に記載の感熱記録材料。
【請求項81】
接着剤層が前記ウェブ様支持材の前記カラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする、請求項64から80のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項82】
前記接着剤層が少なくとも1つの感圧接着剤を含むことを特徴とする、請求項81に記載の感熱記録材料。
【請求項83】
シリコーン処理された剥離層が前記感熱層の上に存在し、前記シリコーン処理された剥離層が、好ましくは400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項64から82のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項84】
前記シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサンを含むことを特徴とする、請求項83に記載の感熱記録材料。
【請求項85】
ウェブ様支持材、
前記ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
前記カラー層が少なくとも部分的に覆われるような前記カラー層上の感熱層を含み、
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にある前記カラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
前記感熱層が散乱粒子、特に散乱粒子としての感熱性材料、特にバイオポリマー、変性バイオポリマー、脂肪、天然ワックス、半合成ワックスおよび/または合成ワックスの群から選択される感熱性材料を含有するかまたはそれからなり、半合成ワックスが好ましいことを特徴とする、感熱記録材料。
【請求項86】
前記散乱粒子、特に前記感熱性材料がアミドワックス、ステアリン酸アミドワックス、パルミチン酸アミドアミドワックスまたはこれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項85に記載の感熱記録材料。
【請求項87】
前記散乱粒子、特に前記感熱性材料が前記感熱層の総重量に対して5~100重量%、好ましくは40~100重量%、および特に好ましくは40~95重量%の量で前記感熱層中に存在することを特徴とする、請求項85または86に記載の感熱記録材料。
【請求項88】
前記散乱粒子、特に前記感熱性材料が30~250℃の範囲、好ましくは40~200℃の範囲の融解温度を有することを特徴とする、請求項85から87のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項89】
前記感熱層が少なくとも1つのバインダーおよび/または少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項85から88のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項90】
前記感熱層が不可避量を除いてポリマー粒子、特に0.1~2μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子を含まないことを特徴とする、請求項85から89のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項91】
前記感熱記録材料が、2~14%の残留水分を有することを特徴とする、請求項85から90のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項92】
前記感熱記録材料が、35~60%の表面白色度を有することを特徴とする、請求項85から91のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項93】
前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と前記感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%であることを特徴とする、請求項85から92のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項94】
前記支持材が、前記カラー層が付着された面で20秒より大きい、好ましくは30秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から93のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項95】
前記カラー層が、前記感熱層が付着された面で100秒より大きい、好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から94のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項96】
前記感熱層が、前記カラー層がない面で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から95のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項97】
前記ウェブ様支持材に付着された各層がその上面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有し、前記上面が各々の場合に前記ウェブ様支持材がない面であることを特徴とする、請求項85から96のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項98】
前記カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする、請求項85から97のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項99】
絶縁層が前記ウェブ様支持材と前記カラー層との間に存在し、前記絶縁層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から98のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項100】
前記カラー層が同時にカラー層および絶縁層も構成し、同時に絶縁層でもある前記カラー層が好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から99のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項101】
同時にカラー層および絶縁層も構成する前記絶縁層または前記カラー層が少なくとも1つの断熱材、好ましくは焼成カオリンまたは中空球顔料を含み、特に、好ましくは40℃~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有するスチレンアクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、請求項99または100に記載の感熱記録材料。
【請求項102】
デンプンを含む層が直接前記ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上、好ましくは直接前記ウェブ様支持材の両面上に存在し、前記デンプンを含む層が好ましくは20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から101のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項103】
保護層が前記感熱層の上に存在し、前記保護層が好ましくは200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から102のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項104】
前記保護層が少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする、請求項103に記載の感熱記録材料。
【請求項105】
接着剤層が前記ウェブ様支持材の前記カラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする、請求項85から104のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項106】
前記接着剤層が少なくとも1つの感圧接着剤を含むことを特徴とする、請求項105に記載の感熱記録材料。
【請求項107】
シリコーン処理された剥離層が前記感熱層の上に存在し、前記シリコーン処理された剥離層が、好ましくは400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とする、請求項85から106のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
【請求項108】
前記シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサンを含むことを特徴とする、請求項107に記載の感熱記録材料。
【請求項109】
レシートロール、接着剤ラベル(ロール)またはチケット(ロール)としての請求項1から108のいずれか一項に記載の感熱記録材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感熱記録材料、特に感熱直接印刷用の感熱記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録材料は原理上公知であり、特に感熱直接印刷用の2つの異なるタイプの感熱記録材料は以下のように基本的に区別することができる:
【0003】
タイプ1:印刷画像がカラー層内で、例えば発色剤(例えばロイコ染料)と顕色剤(例えばビスフェノールAまたはフェノールフリーの代替物)の局部的な熱誘発された化学反応により生成する感熱記録材料。通常、カラー層はさらに、発色剤と顕色剤の呈色反応が可能になるように熱の作用で融解する感熱性の溶解物質(溶剤)(例えば長鎖脂肪族アルコール、アミド、エステルまたはカルボン酸)を含有する。また、カラー層は感熱性の増感剤を含有し得る。
【0004】
タイプ2:印刷画像が、例えば感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用に起因して半透明になることによって下にあるカラー層が目に見えるようになる感熱性のカバー層により生じる感熱記録材料。この技術は先行技術で異なって記載または解釈されており、かかる感熱記録材料は感熱直接印刷用に最適化されたカバー層の部分的に異なる組成、多孔性および材料により得られ、以下でより詳細に説明される。
【0005】
原則として、以下が当てはまる:
【0006】
1.カバー層は下にあるカラー層をできる限り十分に覆うべきである。これは、実質的に、光散乱(散乱粒子)および光吸収により達成される。
【0007】
2.カバー層は、人間の目および/または機械(スキャナー)により読み取ることができる印刷画像を生成するために下にあるカラー層に対してできる限り高いコントラスト(例えば白/黒または青/黄)を有するべきである。
【0008】
3.カバー層は、特に慣用の感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用に起因して半透明になるような十分な熱感度を有するべきである。慣用の感熱直接プリンターでは、タイプ1およびタイプ2の記録材料を使用することが可能であるべきであり、プリンター設定、特にプリントヘッド温度およびプリンタースピードが同等であるべきである。
【0009】
本発明は上記したタイプ2の感熱記録材料に関する。
【0010】
GB997289は支持材、カラー層および感熱性カバー層を含む感熱直接印刷用の記録材料について初めて記載しており、感熱性カバー層が感熱直接プリンターによる熱の局部的な作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見え、こうして印刷画像が生成される。
【0011】
US6043193には、親水性バインダーに分散した中空の球状ビーズを含む、支持体およびそれに付けられた不透明な記録層を含む感熱記録材料が記載されており、前記ビーズは0.2μm~1.5μmの平均直径および40%~90%のボイドボリュームを有する。
【0012】
US6133342は染料および不透明なポリマー材料を含む感熱記録材料を記載しており、ポリマー材料は熱に曝露されたときその不透明度が実質的に不可逆的に変化して、染料がよりよく目に見えるようにする。
【0013】
WO2015/119964A1は押し出された外側の層、押し出された内側の顔料層、および外側の層と内側の顔料層との間に挟まれて押し出された画像レンダリング層を含む印刷用の配向多層フィルムであって、画像レンダリング層は複数の空隙が分散した崩壊可能な層構造を有する空隙層を含み、多層フィルムを配向することにより複数の空隙が形成され、押し出された画像レンダリング層および崩壊可能な層構造はその下の顔料層を覆い隠すために実質的に不透明な崩壊していない状態である、印刷用の配向多層フィルムを開示している。
【0014】
US2010/245524Aは不透明なポリマーと共に感熱性基材を含む感熱記録材料を記載しており、これは加熱および加圧に対して感受性であり、所定の温度に加熱され、所定の圧力にかけられたとき、不透明なポリマーを透明にさせ、結果として不透明なポリマーが透明になり、所定の熱および圧力を適用する前には不透明なポリマーにより覆い隠されており、その後目に見えるようになるように基材に対して配置されている色材を含んでいる。
【0015】
US2011/172094Aは以下を含む記録材料を開示している:
a)染料が含侵した表面を有するかまたは顔料もしくは染料を含有するコーティングで被覆された支持体、および、その上に配置された、
b)コア-シェル構造を有し、乾燥しているとき可視光を散乱するために中空であるポリマー粒子を含む層であって、前記粒子はTg(ガラス転移温度)が40℃~130℃である内側の第1のポリマーシェルおよびTgが-55℃~50℃である外側の第2のポリマーシェルを有し、外側のポリマーシェルのTgは内側のポリマーシェルより低い、層。
【0016】
US2011/251060Aは染料および可撓性支持基材からなる感熱記録材料であって、さらに感熱層からなり、感熱層はバインダー、複数の有機中空球顔料およびサーマル溶剤を含み、感熱層は染料上に配置されている、感熱記録材料を記載している。感熱層はバリヤー層および保護層を備えていてもよい。
【0017】
WO2012/145456A1は慣用の感熱直接印刷に最適化された感熱記録材料であって:
a)少なくとも1つの着色した表面を含むシート様構造の形態の支持体、および、その上に配置された、
b)コア-ケーシング構造を有するポリマー粒子を含む層であって、
粒子は40℃~130℃の計算されたTgを持つ外側の第1のポリマーケーシングを有し、粒子は乾燥しているとき少なくとも1つのボイド、およびポリマー粒子の重量に対して1重量%~90重量%の45℃~200℃の融点を有する不透明度低減剤を含み、前記着色した表面はその上に分散した以下の層の表面よりも明らかに目立つのに十分な色密度を有し、前記不透明度低減剤は芳香族シュウ酸エステル、芳香族エチレングリコールエーテル、1,2-ジフェニルオキシエタン、ジベンジルオキサレート、テレフタル酸ジベンジル、ベンジルビフェニル、ベンジル-2-ナフチルエーテル、ビフェニルスルホン、m-テルフェニル、安息香酸p-ベンジルオキシベンジル、安息香酸シクロヘキサンジメタノール、p-トルエンスルホンアミド、o-トルエンスルホンアミド、2,6-ジイソプロピルナフタレン、4,4-ジイソプロピルビフェニル、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドまたはエチレン-ビス-ステアリン酸アミドである、層を含む感熱記録材料を記載している。
【0018】
WO2013/152287A1はベータ核形成したプロピレンベースの不透明なポリマーを含む第1の層および暗色顔料を含む第2の層を含む2層の一軸延伸フィルムを有する感熱記録材料を記載している。
【0019】
US2015/049152Aは着色した固体支持基材上に配置された感熱層を含む感熱記録材料であって、感熱層は各々中心、表面、その中心においてその表面での屈折率と異なる屈折率、および連続した屈折率勾配を有する単相の散乱ポリマー粒子を含み、感熱層はさらに、熱変形可能な粒子およびバインダーを含む、感熱記録材料を記載している。
【0020】
EP2993054A1は、少なくとも1つの第1のプライおよび少なくとも部分的に第1のプライを覆う第2のプライを有し、第1のプライが少なくとも第2のプライに面する集中着色を有し、第2のプライが融解して局部的に閉じ込められた熱処理によりスクリプトを形成することができる中空体顔料を有し、第2のプライが中空体顔料に加えて1つまたは複数の脂肪酸および1つまたは複数の感熱性増感剤も含むことを特徴とするウェブ様の感熱記録材料を記載している。
【0021】
EP2993055A1は、少なくとも1つの第1のプライおよび少なくとも部分的に第1のプライを覆う第2のプライを有し、第1のプライが少なくとも第2のプライに面する集中着色を有し、第2のプライが融解して局部的に閉じ込められた熱処理によりスクリプトを形成することができる中空体顔料を有するウェブ様の感熱記録材料であって、記録材料が少なくとも部分的に第2のプライを覆う少なくとも1つの保護層を有することを特徴とする、感熱記録材料を記載している。
【0022】
物理的過程に関して、印刷画像を創り出す2つの異なる方法は以下のように区別される:
【0023】
1.感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用に起因して、融解することができる中空体顔料を含む感熱性カバー層を半透明にすることによって印刷画像が創り出される。
【0024】
2.感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用に起因して、軟化または溶解することができる中空体顔料を含む感熱性カバー層を半透明に作製することによって印刷画像が創り出される。
【0025】
この文書によると、次の特性値を有する容認できる灰色の記録材料を得ることができる:UV成分ありまたはなしでそれぞれ56%または52%の白色度;光学密度(印刷されていない)0.33ODU、光学密度(印刷されている)1.22ODU;およびコントラスト0.89ODU(サーマルヘッド300dpi、16mJ/mm2)。
【0026】
関連の分割出願EP3517309A1は特に、スクリプトを形成するように処理することができる中空体顔料および少なくとも1つの脂肪酸、すなわちステアリン酸および/またはパルミチン酸またはステアリン酸アミドおよび/またはメチルステアリン酸アミドを含むカバー層の特徴を記載している。
【0027】
US2017/337851Aは:
リリース-ライナー母材層、
任意選択の接着剤層、
ラベル基層、
ラベル基層上に配置された断熱層(熱的に絶縁する層)、
断熱層(熱的に絶縁する層)上に配置された、少なくとも1つの色を含むインク層、
印刷されたインク層上に配置されたカバー層、ならびに
カバー層上に配置されたトップコート層
を含む記録材料であって、
カバー層が、このカバー層を第1の状態で不透明であり、第2の状態で透明であるようにさせる光散乱粒子を含有するアクリルベースの組成物を含み、熱および圧力の少なくとも1つがプリントヘッドからかけられ、カバー層を第1の状態から第2の状態へ遷移させることによりインク層の少なくとも1つの色がカバー層を通して目に見えるようになる、記録材料を開示している。
【0028】
WO2019/183471A1には、基材を含む記録媒体であって、基材は、ある融点を有し第1の固体光散乱層を含む第1の散乱粒子に関与し、第1の光散乱層は複数の第2の固体散乱粒子に可能な限り近接し、第2の固体散乱粒子は第2の固体散乱粒子の第1の融点より低い融点を有し、第1の光散乱層は多孔性であり、固体の融解中第2の散乱粒子、第1の固体散乱粒子は記録媒体間の空間を満たすように配置されている、記録媒体が開示されている。
【0029】
WO2019/219391A1は少なくとも1つの面が黒色または着色された支持基材および支持基材の少なくとも1つの黒色または着色面上の熱応答性の層を含む感熱記録材料を記載しており、熱応答性の層は少なくとも1つのセルロースエステルのナノ粒子を含む。
【0030】
WO2021/055719A1は不透明材料の層、不透明材料の層の第1の面上に配置された色材を含む感熱または感圧性の記録材料であって、不透明材料の層は色材を覆っており、不透明な状態の不透明材料は複数の不規則および/または凸凹形状の不透明なポリマー粒子を含んでいてそれらの間に空隙を画定し、異なる形状および/または異なる大きさを有し、さらに不透明材料は十分な温度および/または十分な圧力がかかった際に不透明な状態から透明な状態に変化して不透明材料の下の色材を曝露するように構成される、記録材料を記載している。
【0031】
WO2021/062230A1には、基材、基材により支持され、第1の融点を有する第1の散乱粒子を含有する第1の光散乱層、および第1の光散乱層に近接した複数の第2の散乱粒子を含む記録媒体であって、第2の散乱粒子は第1の融点より低い第2の融点を有し、第1の光散乱層は多孔性であり、第2の散乱粒子は融解した際に第1の散乱粒子間の空間を満たすように配置され、第1の散乱粒子は穴の開いた粒子を含む、記録媒体が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
これら公知の感熱記録材料はすべて、特にその機能性、持続可能性および経済的生産に関して改良が必要である。特に、改良された機能特性および/または改良された環境特性を有する、特には、特に経済的な、すなわち作製するのに簡単で安価な感熱記録材料を提供することが望ましい。
【0033】
本発明はこのニーズに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0034】
驚くべきことに、これらの目的は請求項1に記載の感熱記録材料、請求項21に記載の感熱記録材料、請求項41に記載の感熱記録材料、請求項64に記載の感熱記録材料、請求項65に記載の感熱記録材料および/または請求項85に記載の感熱記録材料によって対処された。
【0035】
これらの感熱記録材料はすべて、特にその機能性、その環境特性(持続可能性)および/またはその経済的生産(簡単で安価)に関してかなり改良されている。
【0036】
本主題の総合的な理解を提供するために非常に多くの具体的な詳細も以下に説明する。しかしながら、当業者には明らかなように、主題はこれらの具体的な詳細なしに実現し改変することができる。
【0037】
1つの実施形態のすべての特徴は、さまざまな実施形態の特徴が不適合でなければ別の実施形態の特徴と組み合わせられる。
【0038】
また、本明細書でさまざまな要素を記載するために用語「第1の」、「第2の」等が使用され得るが、これらの要素はこれらの用語により限定されると意図されていないとも理解される。これらの用語は単に1つの要素を別の要素と区別するために使用されるだけである。例えば、第1のものまたはステップは第2のものまたはステップということができ、同様に、第2のものまたはステップは第1のものまたはステップということができよう。第1のものまたはステップおよび第2のものまたはステップは両方のものまたはステップであるがそれらは同じものまたはステップとは考えられない。
【0039】
本開示の記載で使用される専門用語は特定の実施形態のみを記載するのに役立ち、主題を限定するとは解されない。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形態「1つ(a)」、「1つ(one)」および「the」は、文脈が明白に他を指示しない限り、複数形態を包含すると理解されたい。これは逆にも当てはまり、すなわち複数形態は単数形態も包含する。また、本明細書で使用される場合、用語「および/または」は関連するリストの要素の1つまたは複数のすべての可能な組合せを意味し包含するとも理解される。さらに用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、特定された特徴、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を規定するが1つもしくは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、成分および/もしくはこれらの群の存在または付加を排除しないと理解される。
【0040】
本明細書および特許請求の範囲において、用語「含む(includes)」、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」はまた「からなる(consisting of)」も意味し得、すなわち1もしくは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、成分および/もしくは群の存在または付加が排除される。
【0041】
したがって、本明細書および特許請求の範囲において、用語「含む(including)」は「もっぱら」も意味することができる。
【0042】
本明細書において述べられているBekk平滑度はDIN 53107(2016)に従って決定される。
【0043】
第1の態様では、本発明は
ウェブ様支持材、
ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
カラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層
を含み、
感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
支持材が、カラー層が付着された面で20秒より大きいBekk平滑度を有することを特徴とし、Bekk平滑度はDIN 53107(2016)に従って決定される、感熱記録材料に関する。
【0044】
かかる感熱記録材料は高い動的感度の利点を有する。
【0045】
既に滑らかなウェブ様支持材を提示し、この平滑度を個々のコーティングにわたって維持することが有利である。より滑らかな基材が下から上に作り上げられればそれだけ最終の平滑度、したがって最終製品の感度がより良好になる。
【0046】
好ましくは、支持材はカラー層が付着された面で30秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0047】
カラー層は好ましくは感熱層が付着された面で50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、さらに特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0048】
感熱層は好ましくはカラー層が設置されない面で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0049】
好ましくは、支持材はカラー層が付着された面で20~400秒、特に好ましくは30~300秒、さらに特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。50~150秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0050】
カラー層は好ましくは感熱層が付着された面で50~400秒、特に好ましくは100~250秒、さらに特に好ましくは150~250秒のBekk平滑度を有する。
【0051】
感熱層は好ましくはカラー層がない面で100~1000秒、特に好ましくは250~800秒のBekk平滑度を有する。
【0052】
ウェブ様支持材に付着された各々の層はその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有するのが好ましい。
【0053】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各々の層はその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で下にある層と比較して少なくとも5%(増加率)のBekk平滑度を有する。
【0054】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各々の層はその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で、下にある層と比較して少なくとも5秒(絶対的増加)のBekk平滑度を有する。
【0055】
ウェブ様支持材は、原則として限定されない。好ましい実施形態では、ウェブ様支持材は紙、合成紙および/またはプラスチックフィルムを含む。支持材は好ましくは30~100g/m2、特に40~80g/m2の面密度を有する。
【0056】
本発明による感熱記録材料のウェブ様支持材は好ましくは少なくとも1つの黒色または着色面を含み、これはカラー層を付着させることにより達成される。用語「着色面」はその面が白色または黒色以外の色を有することを意味すると理解される。言い換えると、感熱記録材料は白色でないように着色した少なくとも1つの面を含む。また、少なくとも1つの黒色または着色面が黒色と組み合わせていくつかの異なる色も有する実施形態も可能である。
【0057】
ウェブ様支持材の1つの面上の少なくとも1つのカラー層は好ましくは、カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする。
【0058】
顔料および/または染料はさまざまな有機および無機の顔料、染料および/またはカーボンブラックを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0059】
顔料、染料および/またはカーボンブラックは好ましくは各々カラー層の総固形分に対して2~50重量%、特に好ましくは10~35重量%の量でカラー層中に存在する。
【0060】
カーボンブラックは通常、品質および用途に応じて80%~99.5%程度の炭素からなる黒色の粉末状固体であると理解され、例えば、炭化水素の不完全燃焼および/または熱分解により得ることができる。
【0061】
好ましいバインダーは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーである。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0062】
バインダーは好ましくはカラー層の総固形分に対して2~40、特に好ましくは10~30の量でカラー層中に存在する。
【0063】
カラー層は好ましくは1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0064】
カラー層は好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0065】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0066】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層がコア/ケーシング構造を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とし、散乱粒子、特にポリマー粒子は(i)40℃~80℃のガラス転移温度を持つ外側のシェルを有する散乱粒子、特にポリマー粒子ならびに(ii)40℃~130℃のガラス転移温度を持つ内側のシェルおよび-55℃~50℃のガラス転移温度を持つ外側のシェルを有し、外側のシェルのガラス転移温度が好ましくは内側のシェルのものより低い散乱粒子、特にポリマー粒子からなる群から選択される。
【0067】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0068】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0069】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有し、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0070】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層がコア/ケーシング構造を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とし、この散乱粒子、特にポリマー粒子は(i)40℃~80℃のガラス転移温度を持つ外側シェルを有する散乱粒子、特にポリマー粒子ならびに(ii)40℃~130℃のガラス転移温度を持つ内側シェルおよび-55℃~50℃のガラス転移温度を持つ外側シェルを有し、外側シェルのガラス転移温度は好ましくは内側シェルのものより低く、また0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を持つ散乱粒子、特にポリマー粒子からなる群から選択される。
【0071】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度を有し、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0072】
250℃より低いガラス転移温度または融解温度は有利であることが見出された。250℃より上の温度では、温度-時間ウィンドウがプリンター仕様外にあるので感熱直接印刷が可能ではない。
【0073】
0.1~2.5μmの範囲の平均粒径は、このサイズの粒子が可視光を散乱させ、したがってカラー層が最大限可能な範囲まで覆われるので有利である。
【0074】
平均粒径はBeckman Coulterデバイス(レーザー回折、Fraunhofer法)を使用して決定することができる。
【0075】
散乱粒子、特にポリマー粒子は好ましくは結晶質、半結晶質および/または非晶質である。
【0076】
上述のガラス転移温度は半結晶質または非晶質の散乱粒子、特にポリマー粒子に関する。融解温度は結晶質の散乱粒子、特にポリマー粒子に関し、または散乱粒子、特にポリマー粒子の結晶質部分に関する。
【0077】
散乱粒子、好ましくはポリマー粒子の一次性質は光の可視範囲における光散乱である。二次性質は温度感度である。
【0078】
ポリマー粒子は好ましくは熱可塑性ポリマーを含む。
【0079】
ポリマー粒子は好ましくはアクリロニトリル、スチレン、ブタジエン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸エチル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、ベータ-メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メトキシスチレン、N-アクリリルグリシンアミドおよび/またはN-メタクリリルグリシンアミドおよび/またはそれらの誘導体を含む群から選択される1つまたは複数のモノマーの重合の結果得られるポリマーを含む。
【0080】
別の実施形態では、ポリマー粒子はさまざまなエチレン性不飽和のモノマーを使用して重合し得る。非イオン性のモノエチレン性不飽和モノマーの例はスチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のさまざまな(C1~C20)-アルキルまたは(C3~C20)-アルケニルエステル、例えばアクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチルおよび(メタ)アクリル酸ステアリルを含む。典型的には、MMA、EA、BAのようなアクリル酸エステルおよびスチレンがポリマー粒子のシェルの重合および形成に好ましいモノマーである。米国特許出願2003-0176535A1に記載されているように、ジビニルベンゼン、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のような二官能性のビニルモノマーを共重合して架橋した外側のケーシングを形成することもできる。
【0081】
別の実施形態では、ポリマー粒子は好ましくは(メタ)アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸スチレン、スチレン(メタ)アクリレートコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステルまたはこれらの少なくとも2種の混合物も含む。
【0082】
ポリマー粒子の強度および耐久性はポリマー鎖の架橋により影響を受け得る。
【0083】
散乱粒子、特にポリマー粒子は閉鎖ポリマー粒子、開放ポリマー粒子および/または中実体粒子の形態であり得、その各々が規則的または不規則な形状であり得る。
【0084】
閉鎖中空体粒子の例は中空球状のポリマー粒子、またはコア/ケーシング構造のポリマー粒子を含む。
【0085】
中空球状のポリマー粒子またはコア/ケーシング構造のポリマー粒子の例はRopaque HP-1055、Ropaque OP-96およびRopaque TH-1000である。
【0086】
特に、いわゆる「カップ形」ポリマー粒子がポリマー粒子の例として述べることができる。ケーシングに関して、これらは閉鎖ポリマー粒子、特に閉鎖した中空球状のポリマー粒子と同じ材料を有する。気体、通常空気の内側コアが有機の、通常熱可塑性の成分で形成されたケーシングにより完全に内包されている古典的な中空体顔料と対照的に、「カップ形」ポリマー粒子は閉鎖したケーシングを持たず、単に可能な最大限まで閉鎖されたシェルまたは「カップ」の形態で内側のコアを取り囲むだけである。
【0087】
開放ポリマー粒子のさらなる例として、WO2021/062230A1に記載されている格子ケージ形状のポリマー粒子を述べることができる。
【0088】
中実体粒子の例はポリエチレン、ポリスチレンおよびセルロースエステルである。
【0089】
上述の散乱粒子、特にポリマー粒子は規則的または不規則形状であり得る。
【0090】
代替的な実施形態では、ポリマー粒子は球状の中実体粒子、好ましくは不規則形状、および/または球状の中空体粒子であり、好ましくは両方とも小滴の形態である。これらは好ましくはポリスチレン、例えばTrinseo LLC.のPlastic Pigment 756A、およびTrinseo LLC.のPlastic Pigment 772HS、ポリエチレン、例えば三井化学株式会社のChemipear 10 W401、球状中空体粒子(HSP)/球状中空体顔料、例えばThe Dow Chemical Co.のRopaque TH-500EF、変性ポリスチレン粒子、例えばBASF Corp.のJoncryl 633、1,2-ジフェノキシエタン(DPE)、エチレングリコールm-トリルエーテル(EGTE)および/またはジフェニルスルホン(DPS)を含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。これらのポリマー粒子は好ましくは0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.45μm、0.75μmまたは1.0μmの平均粒径を有する。
【0091】
散乱粒子、特にポリマー粒子は好ましくは感熱層の固形分に対して20重量%~60重量%、好ましくは30重量%~50重量%の量で感熱層中に存在する。
【0092】
好ましくは、感熱層は、40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲の融解温度、および/または40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0093】
好ましくは、感熱層は、0.2~4.0μm、好ましくは0.5~2.0μmの平均粒径を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0094】
感熱性材料はまた好ましくは、例えば光を吸収および/または散乱もすることにより、感熱層の不透明度(被覆力)に寄与する。感熱性材料は感熱直接プリンターのサーマルプリントヘッドによる熱への局部的な曝露に起因して速やかに局部的に融解し、その結果ポリマー粒子の局部的な「軟化」を引き起こし、したがって局部的な被覆力の低下(不透明度低下)を起こして、カバー層が半透明になり、下にあるカラー層が目に見えるようになると考えられる。
【0095】
感熱性材料はまた増感剤またはサーマル溶剤とよぶこともできる。
【0096】
好ましくは、感熱性材料はステアリン酸、ベヘン酸またはパルミチン酸のような1つまたは複数の脂肪酸、ステアラミド、ベヘナミドまたはパルミタミドのような1つまたは複数の脂肪酸アミド、N,N’-エチレン-ビス-ステアリン酸アミドまたはN,N’-エチレン-ビス-オレイン酸アミドのようなエチレンビス脂肪酸アミド、N-(ヒドロキシメチル)ステアラミド、N-ヒドロキシメチルパルミタミド、ヒドロキシエチルステアラミドのような1つまたは複数の脂肪酸アルカノールアミド、特にヒドロキシメチル化脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスまたはモンタンワックスのような1つまたは複数のワックス、ジメチルテレフタレート、テレフタル酸ジベンジル、4-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ-(4-メチルベンジル)オキサレート、ジ-(4-クロロベンジル)オキサレートまたはジ-(4-ベンジル)オキサレートのような1つまたは複数のカルボン酸エステル、4-アセチルビフェニルのようなケトン、1,2-ジフェノキシ-エタン、1,2-ジ-(3-メチルフェノキシ)エタン、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼンまたは1,4-ジエトキシナフタレンのような1つまたは複数の芳香族エーテル、ビフェニルスルホンのような1つまたは複数の芳香族スルホン、および/または2-、3-、4-トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリドまたはN-ベンジル-4-トルエンスルホンアミドのような芳香族スルホンアミド、または4-ベンジルビフェニルのような1つまたは複数の芳香族炭化水素、または以上の化合物の組合せを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0097】
ステアラミドは有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0098】
感熱性材料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約10~約80重量%の量で、特に好ましくは約25~約60重量%の量で感熱層中に存在する。
【0099】
任意選択で、潤滑剤または剥離剤も感熱層中に存在することができる。かかる潤滑剤または剥離剤は、特に感熱層上に保護層も他の層もない場合に存在する。
【0100】
これらの作用剤は好ましくは脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウム、もしくはまたベヘン酸塩、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミドのような脂肪酸アミド、ステアリン酸メチロールアミドのような脂肪酸アルカノールアミド、異なる融点のパラフィンワックス、異なる分子量のエステルワックス、エチレンワックス、異なる硬度のプロピレンワックスの形態の合成ワックス、ならびに/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスもしくはモンタンワックスである。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0101】
ステアリン酸亜鉛は有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0102】
潤滑剤または剥離剤は好ましくは感熱層の総固形分に対して約1~約10重量%の量、特に好ましくは約3~約6重量%の量で感熱層中に存在する。
【0103】
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つのバインダーが感熱層中に存在する。これは好ましくは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーにより構成される。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0104】
部分的にけん化または半けん化されたポリビニルアルコールは有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0105】
バインダーは好ましくは感熱層の総固形分に対して1~30重量%、好ましくは5~20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0106】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で感熱層中に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0107】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0108】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は食品適合性の理由から特に好ましい。
【0109】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは、既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋が可能である。
【0110】
架橋剤は好ましくはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0重量%の量、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0111】
別の好ましい実施形態では、感熱層は顔料を含有する。これらの顔料は好ましくはカラー層の顔料と異なる。これらの使用は、とりわけ、感熱印刷過程でそれらの表面に生成した化学融解物を固定することができるという利点がある。顔料はまた感熱層の表面白色度および不透明度ならびに慣用の印刷用インクとのその印刷適性を調節するのに使用することもできる。
【0112】
特に適切な顔料は合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えばAerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトであるが、またスチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーのような有機顔料もある。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0113】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムおよび焼成シリカが好ましい。それは、これらが、感熱記録材料の市販の印刷用インクによるその後の印刷適性に関して感熱記録材料の特に有利な適用性を可能にするからである。
【0114】
顔料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約2~約50重量%の量、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0115】
感熱層はさらにカーボンブラック成分および/または染料/着色顔料を含み得る。
【0116】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を調節するために、蛍光増白剤を感熱発色層に組み込むことができる。これらは好ましくはスチルベンである。
【0117】
感熱層はさらに無機の油吸収性白色顔料を含有し得る。
【0118】
これら無機の油吸収性白色顔料の例は天然または焼成カオリン、シリカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、特にベーマイト、およびこれらの混合物を含む。
【0119】
無機の油吸収性白色顔料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約2~約50重量%の量、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0120】
ある種のコーティング特性を改良するために、個々の場合にさらなる構成成分、特に増粘剤および/または界面活性剤のようなレオロジー助剤を本発明による感熱記録材料の構成成分に加えるのが好ましい。
【0121】
さらなる構成成分は各々好ましくは当業者に公知の普通の量で存在する。
【0122】
感熱層は好ましくは1~8g/m2、特に2~6g/m2の面密度を有する。
【0123】
感熱層は好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0124】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、ウェブ様支持材とカラー層との間に絶縁層が存在することを特徴とする。
【0125】
代替的な実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、カラー層が同時にカラー層および絶縁層も構成することを特徴とする。
【0126】
かかる同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は感熱記録材料を通る熱伝導の低下を引き起こす。これにより感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用がより効率的になり、より高いサーマルプリンタースピードが可能になる。カバー層は導入された熱の量に起因してより速やかに半透明になり、こうして感度が改良される。
【0127】
これはより少ない染料が必要とされ、結果として特に古紙サイクルにおける物質循環の改良されたリサイクル可能性(より容易な脱インク性、染料および支持材成分の分離)が得られることを意味する。
【0128】
同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、さらに特に好ましくは100~250秒のBekk平滑度を有する。
【0129】
同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は好ましくは断熱材を含む。
【0130】
好ましくは、絶縁層または同時に絶縁層でもあるカラー層を含む感熱記録材料は絶縁層または同時に絶縁層でもあるカラー層を含まない感熱記録材料より低い熱伝導率を有する。
【0131】
断熱材は好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリンおよびこれらの混合物を含む。
【0132】
断熱材はまた中空球顔料、特にスチレンアクリレートコポリマーを含む中空球顔料も含み得る。
【0133】
これらの中空球顔料は好ましくは40~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有する。
【0134】
断熱材は好ましくは絶縁層の総固形分に対して約20~約80重量%の量、特に好ましくは約40~約60重量%の量で絶縁層中に存在する。
【0135】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層において、断熱材は好ましくは同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層の総固形分に対して約30~約70重量%の量、特に好ましくは約40~約60重量%の量でその中に存在する。
【0136】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で絶縁層および/またはカラー層中に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0137】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0138】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は食品適合性の理由から特に好ましい。
【0139】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは、既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋することを可能にする。
【0140】
架橋剤は好ましくは絶縁層またはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0重量%の量、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0141】
絶縁層は好ましくは1~5g/m2、特に2~4g/m2の面密度を有する。
【0142】
絶縁層は好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0143】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は好ましくは1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0144】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は好ましくは1~12μm、特に4~8μmの厚さを有する。
【0145】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、デンプンを含む層(デンプンコーティング)および/またはその変性物(変性デンプン)が直接ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上、好ましくは直接ウェブ様支持材の両面上に存在することを特徴とする。
【0146】
デンプンコーティングは好ましくは0.1~3、特に好ましくは0.2~1.5g/m2の量で付着される。
【0147】
ウェブ様支持材のカラー層が存在する面上のデンプンコーティングは、ウェブ様支持材をシールし、したがってカラー層の接着を改良し、カラー層のウェブ様支持材内への侵入を低減または防止する利点を有する。
【0148】
ウェブ様支持材のカラー層をもたない面上のデンプンコーティングは、カラー層がウェブ様支持材から滲出するのを低減または防止する利点を有する。
【0149】
デンプンを含む層は好ましくは20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きい、さらに特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。
【0150】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、保護層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0151】
保護層は好ましくは200秒より大きい、好ましくは400秒より大きい、さらに特に好ましくは400秒~1500秒のBekk平滑度を有する。400~1300秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0152】
これは感熱層のカラー層がない面上に存在する。
【0153】
この保護層は好ましくは少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0154】
適切なバインダーは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、例えばアセトアセチル、ジアセトン、カルボキシ-、シラノール-変性ポリビニルアルコール、またはスチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0155】
適切な無機顔料は合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えばAerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトを含むが、スチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーのような有機顔料も含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0156】
適切な有機顔料はスチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0157】
バインダーは好ましくは保護層の総固形分に対して約40~約90重量%の量、特に好ましくは約50~約80重量%の量で保護層中に存在する。
【0158】
顔料は好ましくは保護層の総固形分に対して約5~約40重量%の量、特に好ましくは約10~約30重量%の量で保護層中に存在する。
【0159】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で保護層中に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0160】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0161】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は食品適合性の理由から特に好ましい。
【0162】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋することができる。
【0163】
架橋剤は好ましくはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0の量、特に好ましくは約0.05~約15.0の量で存在する。
【0164】
架橋剤は好ましくは保護層の総固形分に対して約0.01~約25.0重量%の量、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0165】
保護層はさらに好ましくは少なくとも1つの潤滑剤または少なくとも1つの剥離剤を含む。
【0166】
これらの物質は好ましくは脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウム、もしくはベヘン酸塩、例えば脂肪酸アミドの形態の合成ワックス、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、異なる融点のパラフィンワックス、異なる分子量のエステルワックス、エチレンワックス、異なる硬度のプロピレンワックスならびに/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスもしくはモンタンワックスでもある。
【0167】
潤滑剤または剥離剤は好ましくは保護層の総固形分に対して約1~約30重量%の量、特に好ましくは約2~約20重量%の量で保護層中に存在する。
【0168】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を調節するために、蛍光増白剤、好ましくはスチルベンを保護層に組み込むことができる。
【0169】
保護層は好ましくは0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0170】
保護層は好ましくは0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0171】
保護層の使用は記録材料が外的影響に対してより良好に保護されるという利点を有する。
【0172】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、接着剤層がウェブ様支持材のカラー層が設置されない面上に存在することを特徴とする。
【0173】
デンプンコーティングは存在する場合、ウェブ様支持材と接着剤層との間にある。
【0174】
接着剤層は好ましくは少なくとも1つの接着剤、好ましくは熱で活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0175】
特に好ましくは、接着剤、好ましくは熱で活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤はゴム-および/またはアクリレートベースの接着剤である。
【0176】
接着剤層は好ましくは1~40g/m2、特に12~25g/m2の面密度を有する。
【0177】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0178】
用語「シリコーン処理された剥離層」および「シリコーン処理された層」は「シリコーンの層で覆うこと」という意味で同意語として理解されたい。好ましくは、これらの層は不可避の痕跡または(例えばシリコーン化用流体のUV硬化用の)補助剤を除いてシリコーンからなるかまたは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%、さらに特に好ましくはシリコーンのみを含む。
【0179】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きい、さらに特に好ましくは800~2000秒のBekk平滑度を有する。
【0180】
特に上に規定したような保護層が感熱層上に存在するならば、シリコーン処理された剥離層は好ましくはこの保護層上に設置される。
【0181】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは拡散層がシリコーン処理された層と下にある層、好ましくは感熱層との間に形成されることを特徴とする。この拡散層は好ましくは、シリコーン処理された剥離層の少なくとも一部を下にある層の上部領域中に地域的に拡散させることにより形成され、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは6~45重量%、特に7~40重量%のシリコーン処理された剥離層が下にある層の上部領域中に拡散する。かかる拡散層は例えば、EP3221153A1に記載されている。
【0182】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、上記した接着剤層も存在する場合に存在する。
【0183】
感熱層上のシリコーン処理された剥離層およびカラー層が設置されてない面上のウェブ様支持材上の接着剤層の存在は、その感熱記録材料を「ライナーレス」感熱記録材料として使用することができるという利点を有する。
【0184】
用語「ライナーレス」は、本発明による(自己接着性の)感熱記録材料が支持材にアプライされないがそれ自身に巻き取られることを意味する。これは、生産コストをさらに低減することができ、ロール当たりより多くのランニングメートルを実現することができ、ライナーの廃棄のための廃棄努力が必要なく、特定の装填空間容量当たりより多くのラベルを輸送することができるという利点を有する。
【0185】
シリコーン処理された剥離層が存在するならば、少なくとも1つの小板状顔料が感熱層中に、またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層中に含有されるのが好ましい。
【0186】
少なくとも1つの小板状顔料は好ましくはカオリン、Al(OH)3および/またはタルクからなる群から選択される。カオリンの使用が特に好ましい。コーティングカオリンの使用が非常に特に好ましい。かかるコーティングカオリンは商品名Kaolin ASP 109(BASF、ドイツ)で入手可能である。
【0187】
これらの小板状顔料、特にカオリンの使用は、感熱層またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層を極めて容易にシリコーン処理することができるという特定の利点を有する。
【0188】
小板状顔料は直径対厚さの比が約7~40対1の間、好ましくは約15~30対1の間である顔料を意味すると理解される。
【0189】
小板状顔料の粒径は好ましくは粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%が約<2μmの粒径を有するように設定される(セディグラフ)。水溶液中の小板状顔料のpH値は好ましくは6~8である。
【0190】
少なくとも1つの小板状顔料は感熱発色層中またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層中に、好ましくはそれぞれの層の総固形分に対して約5~約60重量%の量、特に好ましくは約15~約55重量%の量で存在する。
【0191】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサン、特にアクリルポリ(オルガノ)シロキサンを含むことを特徴とする。
【0192】
さらなる実施形態では、シリコーン処理された剥離層は少なくとも2種のシロキサンの混合物を含む。少なくとも2種のアクリル-ポリ(オルガノ)シロキサンの混合物が好ましい。
【0193】
極めて特に好ましいシロキサンの例は商標TEGO(登録商標)RC902およびTEGO(登録商標)RC711(Evonik、ドイツ)で入手可能なシロキサンである。
【0194】
別の実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が、好ましくは少なくとも1つのシリコーンアクリレートの縮合により形成された少なくとも1つのポリシリコーンアクリレートを含有することを特徴とする。
【0195】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは水を含まない。またシリコーン処理された剥離層がPt触媒を含有しないことも好ましい。
【0196】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは開始剤、特に好ましくは光開始剤を含有する。これはシリコーンのラジカル硬化に役立つ。
【0197】
本発明ではTEGO(登録商標)光開始剤A18(Evonik製、ドイツ)が極めて特に好ましい。
【0198】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは艶消し剤および/または接着添加剤のようなさらなる添加剤を含有し得る。
【0199】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0200】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0201】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは感熱記録材料が2~14%、好ましくは2~12%、さらに特に好ましくは3~10%の残留水分を有することを特徴とする。3~8%の残留水分が最も好ましい。
【0202】
残留水分は実施例に関連して記載するようにして決定することができる。
【0203】
感熱層の不透明度は散乱粒子、特にポリマー粒子自身ばかりでなく、散乱粒子、特にポリマー粒子間に閉じ込められた空気(開放気孔率)によっても生じると考えられる。これらの「細孔」内への水分の侵入は空気に取って代わり、不透明度を低減する。この結果好ましくないより灰色の材料が生じ得る。
【0204】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材は好ましくは35~60%、特に45~50%の表面白色度を有することを特徴とする。
【0205】
規定された範囲の残留水分は、印刷後、より良好な可読性などの有利な付着関連特性を持つ、高い相対的印刷コントラストを持つという利点を有する。
【0206】
表面白色度(紙の白色度)はISO 2470-2(2008)に従ってElrepho 3000分光光度計で決定することができる。
【0207】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが40~80%、特に50~70%であることを特徴とする。
【0208】
このコントラストはバックグラウンドおよびスクリプト間の光学密度の差をとることにより計算することができる。光学密度(o.D.)の測定は、例えば密度計によって行なわれる。
【0209】
上述の層はすべて単層または多層であることができる。
【0210】
本発明による感熱記録材料は公知の生産方法により得ることができる。
【0211】
本発明はまた上記した感熱記録材料のための生産方法にも関する。
【0212】
個々の層の出発材料を含む(水性)懸濁液を連続的にウェブ様支持材に塗布する方法により本発明による感熱記録材料を得るのが好ましく、その(水性)塗布懸濁液は8~50重量%、好ましくは10~40重量%の固形分を有し、カーテンコーティングプロセスにより少なくとも200m/分のコーティング設備の作動速度で塗布される。
【0213】
この方法はウェブ様支持材にわたる均一な塗布のため経済的な観点から特に有利である。
【0214】
固形分の値が約8重量%を下回ると、穏やかな乾燥により短い時間で大量の水を除去しなければならず、コーティング速度に対して有害な影響を有するので、経済的効率が低下する。他方、60重量%の値を上回ると、この場合も機械は極めて速やかに作動しなければならないので、コーティングプロセスおよび塗布されたフィルムの乾燥中のコーティングカーテン材料の安定性を確保するための技術的努力が増大するだけである。
【0215】
カーテンコーティングプロセスにおいて、コーティング分散液の、自由落下するカーテンが形成される。薄いフィルム(カーテン)のコーティング分散液が自由落下により基材上に「注がれて」コーティング分散液を基材に塗布する。文書DE10196052T1は、複数のコーティング分散液フィルムからなるカーテンを基材に塗布することにより多層の記録層が実現される、情報記録材料の作製におけるカーテンコーティングプロセスの使用が開示されている。
【0216】
本発明による方法の、「ダブルカーテン」を使用する実施形態も考えられる。これは、2つの連続した層がすぐに引き続いて塗布されることを意味する。ここで、塗布はすぐに引き続いて行なわれるので、次の層が塗布される前に第1の塗布された層はまだ乾燥していない。このように2つの層は好ましくは「ウェットオンウェット」で塗布される。
【0217】
カーテンコーティングプロセスに関するすべての定義は同様にダブルカーテンコーティングプロセスに当てはまる。
【0218】
ダブルカーテンコーティングプロセスを用いたウェットオンウェット塗布の利点は、2つの層がより強い結合を有し、特にその間に接着促進剤を配置しないで済むことが可能なことである。
【0219】
本発明による方法の好ましい実施形態では、水性の脱気した塗布懸濁液は約100~約1000mPasの粘度を有する(Brookfield、100rpm、20℃)。粘度が約100mPasの値を下回るかまたは約1000mPasの値を上回ると、コーティングユニットでのコーティング媒体の不十分な走行性を導く。水性の脱気した塗布懸濁液の粘度は特に好ましくは約200~約500mPasである。ダブルカーテンプロセスにおける連続したコーティング媒体の粘度は下から上へ減少するべきである。誤って設定されたコーティングの場合、「湿潤欠陥」の発生と同様にカーテンが接する点でヒールの形成の可能性が増大する。
【0220】
好ましい実施形態では、水性コーティング懸濁液の表面張力はプロセスを最適化するために約25~約70mN/m、好ましくは約35~約60mN/m(以下に記載するように気泡圧力張力計(ASTM D 3825-90)に対する標準に従って測定)に設定することができる。コーティングプロセス全体にわたるより良好な調節は、コーティング材料の動的表面張力を決定し、適当な界面活性剤を選択することにより標的化された様式で調節し、界面活性剤の所要量を決定することにより得られる。
【0221】
動的表面張力はバブルプレッシャーテンシオメーターを用いて測定される。毛細管を介して液体中に形成された気泡の最大の内圧が測定される。球状気泡の内圧p(Laplace圧力)はYoung-Laplace式に従って曲率の半径rおよび表面張力σに依存する:
【0222】
【0223】
気泡が毛細管の先端で液体中に創り出されると、曲率は最初増大し、次に再び減少し、圧力最大になる。最大の曲率、したがって最大の圧力は、曲率の半径が毛細管半径に等しいときに起こる。
【0224】
バブルプレッシャー測定中の圧力曲線、圧力最大の位置:
【0225】
毛細管の半径は公知の表面張力の液体、通常水を用いて行なわれる基準の測定で決定される。そして半径が知れたら、表面張力は圧力最大pmaxから計算することができる。毛細管は液体中に浸漬されるので、浸漬深さおよび液体の密度から生じる静水圧p0は測定された圧力から差し引かなければならない(これは最新の測定機器の場合自動的に行われる)。この結果バブルプレッシャー法に対する次式が得られる:
【0226】
【0227】
測定された値は一定の表面時期、気泡形成の始まりから圧力最大の発生までの時間における表面張力に対応する。気泡が生成する速度を変化させることにより、表面時期に対する表面張力の依存性を記録することができ、結果として表面張力が経時的にプロットされた曲線が得られる。
【0228】
この依存性は界面活性剤の使用に対して重要な役割を果たす。その理由は、界面活性剤の時には低い拡散速度および吸着速度に起因して多くのプロセスで界面張力の平衡値は達成されないからである。
【0229】
個々の層はオンラインまたは別々のコーティングプロセスにおいてオフラインで形成することができる。
【0230】
特に、上に詳細に記載した層が確実に上に述べたBekk平滑度を有するように、以下の方法ステップが行われるのが好ましい。
【0231】
ウェブ様支持材は好ましくは第1のシリンダーで平滑化される。このプロセス技術により生成するこの片面または両面の高い平滑度は既にウェブ様支持材に利点を付与する。下流のカレンダーによる、好ましくは第1のコーターの前の追加のカレンダー掛けは平滑度をさらに改良することができ、および/または良好なプロファイリングに役立つ。
【0232】
上に規定したようなデンプンコーティングが付着されるならば、これは好ましくはカラー層がブレードコーターによって付着される前にフィルムプレスにより行なわれる。
【0233】
裏面上の厚さは特に、コーティング色がブレードコーターにより滲出するのを防ぐために有利である。
【0234】
またカラー層を直接フィルムプレスで付着させることも可能であろう。しかしながら、ブレードコーターと比較して平滑度進展に関して不利であろう。ブレードコーターの使用は最終製品の重要な動的感度に対する良好なベース平滑度を材料に与える。最終平滑度と動的感度との間にはある相関がある。
【0235】
また、カラー層をフィルムプレスで、またはカーテンコーターで付着させることも考えられよう。その場合平滑度の利点は除かれるが、カレンダー、特にフィルムプレスで補うこともできよう。しかしながら、これは中空球が使用されない場合にのみ意味がある。これらはフィルムプレスによって壊されるからである。
【0236】
存在する場合絶縁層は類似的に付着される。
【0237】
シリコーン処理された層も存在する場合、類似的に付着される。
【0238】
同じことが存在する場合の保護層に当てはまる。存在する場合、保護層は代わりに印刷され得る。化学線によって硬化することができる保護コーティングは加工処理に、そしてその技術特性に関して特に適している。用語「化学線」はUVまたは電離放射線、例えば電子ビームを意味すると理解される。
【0239】
感熱層は好ましくは上記したようにカーテンコーティングにより付着される。
【0240】
ウェブ様支持材、特に紙が1つの面で被覆されるならば、次いで、生じるカールは平らにされるべきである。
【0241】
これは好ましくはLASダンプニングシステム(LAS Liquid Applicator System)で行なわれる。この目的で、水のフィルムがより少なく被覆された面に付けられ、その後乾燥される。このようにして、いわゆる平面性が再び得られる。水フィルムを付けると、表面は少し劣化する。
【0242】
表面を保護する好ましい変形はスチーム式加湿器であろう。ここで、スチームは塗布される水の代わりに吹き付けられる。表面はこのプロセス中損傷されない。これは最高の表面品質が達成されなければならない用途に極めて適している。
【0243】
別の選択肢は水の霧が適用されるスプレーダンプナーであろう。
【0244】
上述の層はすべて単層または多層であることができる。
【0245】
本発明はさらに上記した方法により得ることができる感熱記録材料に関する。
【0246】
本発明はまた、上記した感熱記録材料の、販売レシートロールとしての、接着剤ラベル(ロール)としての、また冷蔵および急速冷凍セクターにおける、ならびにチケット(ロール)としての使用にも関する。これらは特に機能面および/または裏面(色付き、着色、黒色/灰色)を有し、前もって印刷され得る。これらのロールは好ましくは典型的な幅および長さで入手可能である。
【0247】
第2の態様では、本発明は、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および
カラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、
感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
感熱記録材料が、2~14%、好ましくは2~12%、および特に好ましくは3~10%の残留水分を有することを特徴とする、感熱記録材料に関する。3~8%の残留水分が最も好ましい。
【0248】
規定された範囲の残留水分は、印刷後、より良好な可読性などの有利な付着関連特性を持つ、高い相対的印刷コントラストを持つという利点を有する。
【0249】
残留水分は実施例に関連して記載するようにして決定することができる。
【0250】
感熱層の不透明度は散乱粒子、特にポリマー粒子だけでなく、散乱粒子、特にポリマー粒子間に閉じ込められた空気(開放気孔率)によっても生じると仮定される。これらの「細孔」への水分の侵入は空気に取って代わり、不透明度を低減する。この結果、好ましくないより灰色の材料を生じ得る。
【0251】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは35~60%、特に45~50%の表面白色度を有することを特徴とする。
【0252】
表面白色度(紙の白色度)はISO2470-2(2008)に従ってElrepho 3000分光光度計で決定することができる。
【0253】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが40~80%、特に50~70%であることを特徴とする。
【0254】
このコントラストはバックグラウンドとスクリプトとの光学密度の差をとることにより計算することができる。光学密度(o.D.)の測定は例えば密度計を用いて行なわれる。
【0255】
好ましくは、支持材はカラー層が付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、さらに特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0256】
カラー層は好ましくは感熱層が付着された面で50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、さらに特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0257】
感熱層は好ましくはカラー層が設置されてない面で100秒より大きい、特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0258】
好ましくは、支持材はカラー層が付着された面で20~400秒、特に好ましくは30~300秒、さらに特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。50~150秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0259】
カラー層は好ましくは感熱層が付着された面で50~400秒、特に好ましくは100~250秒、さらに特に好ましくは150~250秒のBekk平滑度を有する。
【0260】
かかる感熱記録材料は高い動的感度の利点を有する。
【0261】
既に滑らかなウェブ様支持材を呈しており、この平滑度を個々のコーティングにわたって維持するのが有利である。より滑らかな基材が下から上に作り上げられればそれだけ、最終の平滑度、したがって最終製品の感度はより良好になる。
【0262】
ウェブ様支持材に付着された各々の層がその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で、下にある層と少なくとも同じ大きさであるかまたはそれより大きいBekk平滑度を有するのが好ましい。
【0263】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各々の層がその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で、下にある層と比較して少なくとも5%(増加率)のBekk平滑度を有する。
【0264】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各々の層がその上面で、すなわちウェブ様支持材がない面で、下にある層と比較して少なくとも5%(絶対的増加)のBekk平滑度を有する。
【0265】
ウェブ様支持材は原則として限定されない。好ましい実施形態では、ウェブ様支持材は紙、合成紙および/またはプラスチックフィルムを含む。支持材は好ましくは30~100g/m2、特に40~80g/m2の面密度を有する。
【0266】
本発明による感熱記録材料のウェブ様支持材は好ましくは少なくとも1つの黒色または着色面を含み、これはカラー層を付着させるにより達成される。用語「着色面」はその面が白色または黒色以外の色を有することを意味すると理解される。言い換えると、感熱記録材料は白色でないように着色された少なくとも1つの面を含む。また、少なくとも1つの黒色または着色面が、黒色と組み合わせていくつかの異なる色を有する実施形態も可能である。
【0267】
ウェブ様支持材の1つの面上の少なくとも1つのカラー層は好ましくはカラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料ならびに好ましくはバインダーも含むことを特徴とする。
【0268】
顔料および/または染料はさまざまな有機および無機の顔料、染料および/またはカーボンブラックを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0269】
顔料、染料および/またはカーボンブラックは好ましくは各々、カラー層の総固形分に対して2~50重量%、特に好ましくは10~35重量%の量でカラー層中に存在する。
【0270】
好ましいバインダーは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーである。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0271】
バインダーは好ましくはカラー層の総固形分に対して2~40重量%、特に好ましくは10~30重量%の量でカラー層中に存在する。
【0272】
カラー層は好ましくは1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0273】
カラー層は好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0274】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層が-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0275】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層がコア/ケーシング構造を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とし、散乱粒子、特にポリマー粒子は(i)ガラス転移温度が40℃~80℃の外側のポリマーシェルを有する散乱粒子、特にポリマー粒子ならびに(ii)ガラス転移温度が40℃~130℃の内側シェルおよびガラス転移温度が-55℃~50℃の外側シェルを有し、外側シェルのガラス転移温度が好ましくは内側シェルのものより低い散乱粒子、特にポリマー粒子からなる群から選択される。
【0276】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0277】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層が0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0278】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層が-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有し、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0279】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層がコア/ケーシング構造を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とし、散乱粒子、特にポリマー粒子は(i)40℃~80℃のガラス転移温度を有する外側シェルを有する散乱粒子、特にポリマー粒子ならびに(ii)ガラス転移温度が40℃~130℃の内側シェルおよびガラス転移温度が-55℃~50℃の外側シェルを有し、外側シェルのガラス転移温度が好ましくは内側シェルのものより低く、平均粒径が0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲である散乱粒子、特にポリマー粒子からなる群から選択される。
【0280】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は感熱層が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度を有し、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0281】
250℃より低いガラス転移温度または融解温度は有利であることが見出された。250℃より上の温度では温度-時間ウィンドウがプリンター仕様外にあるので感熱直接印刷が可能ではない。
【0282】
0.1~2.5μmの範囲の平均粒径は、このサイズの粒子が可視光を散乱させ、したがってカラー層が最大限可能な範囲まで覆われるので、有利ある。
【0283】
平均粒径はBeckman Coulterデバイス(レーザー回折、Fraunhofer法)を使用して決定することができる。
【0284】
散乱粒子、特にポリマー粒子は好ましくは結晶質、半結晶質および/または非晶質である。
【0285】
上述のガラス転移温度は半結晶質または非晶質の散乱粒子、特にポリマー粒子に関連する。融解温度は結晶質の散乱粒子、特にポリマー粒子に、または散乱粒子、特にポリマー粒子の結晶質部分に関連する。
【0286】
散乱粒子、好ましくはポリマー粒子の一次性質は可視範囲の光における光散乱である。二次性質は温度感度である。
【0287】
ポリマー粒子は好ましくは熱可塑性のポリマーを含む。
【0288】
ポリマー粒子は好ましくはアクリロニトリル、スチレン、ブタジエン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸エチル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、ベータ-メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メトキシスチレン、N-アクリリルグリシンアミドおよび/またはN-メタクリリルグリシンアミドおよび/またはこれらの誘導体を含む群から選択される1つまたは複数のモノマーの重合の結果得られるポリマーを含む。
【0289】
別の実施形態では、ポリマー粒子はさまざまなエチレン性不飽和モノマーを使用して重合し得る。非イオン性のモノエチレン性不飽和モノマーの例はスチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のさまざまな(C1~C20)-アルキルまたは(C3~C20)-アルケニルエステル、例えばアクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチルおよび(メタ)アクリル酸ステアリルを含む。典型的には、MMA、EA、BAおよびスチレンのようなアクリル酸エステルがポリマー粒子のシェルの重合および形成のために好ましいモノマーである。また米国特許出願2003-0176535A1に記載されているようにジビニルベンゼン、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのような二官能性のビニルモノマーを共重合して架橋した外側のケーシングを形成することもできる。
【0290】
別の実施形態では、ポリマー粒子は好ましくは(メタ)アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸スチレン、スチレン(メタ)アクリレートコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステルまたこれらの少なくとも2種の混合物を含む。
【0291】
ポリマー粒子の強度および耐久性はポリマー鎖の架橋により影響され得る。
【0292】
ポリマー粒子は閉鎖ポリマー粒子、開放ポリマー粒子および/または中実体粒子の形態であり得、その各々が規則的または不規則形状であり得る。
【0293】
閉鎖中空体粒子の例は中空球状のポリマー粒子、またはコア/ケーシング構造のポリマー粒子を含む。
【0294】
中空球状のポリマー粒子またはコア/ケーシング構造のポリマー粒子の例はRopaque HP-1055、Ropaque OP-96およびRopaque TH-1000である。
【0295】
特に、いわゆる「カップ形」ポリマー粒子は開放ポリマー粒子の例として述べることができる。ケーシングに関して、これらは閉鎖ポリマー粒子、特に閉鎖した中空球状のポリマー粒子と同じ材料を有する。気体、通常空気の内側のコアが有機の、通常熱可塑性の成分で形成されたケーシングにより完全に内包されている古典的な中空体顔料と対照的に、「カップ形」顔料は閉鎖ケーシングをもたず、可能な最大限まで閉鎖されたシェルまたは「カップ」の形態で内側のコアを取り囲むのみである。
【0296】
開放ポリマー粒子のさらなる例として、WO2021/062230A1に記載されている格子ケージ形状のポリマー粒子を述べることができる。
【0297】
中実体粒子の例はポリエチレン、ポリスチレンおよびセルロースエステルである。
【0298】
上述の散乱粒子、特にポリマー粒子は規則的または不規則形状であることができる。
【0299】
代替的な実施形態では、ポリマー粒子は球状の中実体粒子、好ましくは不規則形状、および/または球状の中空体粒子であり、いずれも好ましくは小滴の形態である。これらは好ましくはポリスチレン、例えばTrinseo LLC.のPlastic Pigment 756A、およびTrinseo LLC.のPlastic Pigment 772HS、ポリエチレン、例えば三井化学株式会社のChemipear 10 W401、球状の中空体粒子(HSP)/球状の中空体顔料、例えばThe Dow Chemical Co.のRopaque TH-500EF、変性ポリスチレン粒子、例えばBASF Corp.のJoncryl 633、1,2-ジフェノキシエタン(DPE、ジフェノキシエタンという名称でも知られている)、エチレングリコールm-トリルエーテル(EGTE)および/またはジフェニルスルホン(DPS)を含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。これらのポリマー粒子は好ましくは0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.45μm、0.75μmまたは1.0μmの平均粒径を有する。
【0300】
散乱粒子、特にポリマー粒子は好ましくは感熱層の固形分に対して20重量%~60重量%、好ましくは30重量%~50重量%の量で感熱層中に存在する。
【0301】
好ましくは、感熱層は40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲の融解温度、および/または40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0302】
好ましくは、感熱層は0.2~4.0μm、好ましくは0.5~2.0μmの平均粒径を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0303】
感熱性材料はまた好ましくは、例えば光を吸収および/または散乱もすることにより感熱層の不透明度(被覆力)に寄与する。感熱性材料は感熱直接プリンターのサーマルプリントヘッドによる熱の局部的な曝露に起因して局部的に速やかに融解し、結果としてポリマー粒子の局部的な「軟化」を引き起こし、したがって被覆力の局部的な低下(不透明度低下)を引き起こして、カバー層が半透明になり、下にあるカラー層が目に見えるようになると仮定される。
【0304】
感熱性材料は増感剤またはサーマル溶剤と呼ぶこともできる。
【0305】
好ましくは、感熱性材料はステアリン酸、ベヘン酸またはパルミチン酸のような1つまたは複数の脂肪酸、ステアラミド、ベヘナミドまたはパルミタミドのような1つまたは複数の脂肪酸アミド、N,N‘-エチレン-ビス-ステアリン酸アミドまたはN,N‘-エチレン-ビス-オレイン酸アミドのようなエチレンビス脂肪酸アミド、N-(ヒドロキシメチル)ステアラミド、N-ヒドロキシメチルパルミタミド、ヒドロキシエチルステアラミドのような1つまたは複数の脂肪酸アルカノールアミド、特にヒドロキシメチル化脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスまたはモンタンワックスのような1つまたは複数のワックス、ジメチルテレフフタレート、テレフタル酸ジベンジル、4-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ-(4-メチルベンジル)オキサレート、ジ-(4-クロロベンジル)オキサレートまたはジ-(4-ベンジル)オキサレートのような1つまたは複数のカルボン酸エステル、4-アセチルビフェニルのようなケトン、1,2-ジフェノキシ-エタン、1,2-ジ-(3-メチルフェノキシ)エタン、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼンまたは1,4-ジエトキシナフタレンのような1つまたは複数の芳香族エーテル、ジフェニルスルホンのような1つまたの芳香族スルホン、および/または2-、3-、4-トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリドまたはN-ベンジル-4-トルエンスルホンアミドのような芳香族スルホンアミド、または4-ベンジルビフェニルのような1つまたは複数の芳香族炭化水素、または以上の化合物の組合せを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0306】
ステアラミドは有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0307】
感熱性材料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約10~約80重量%の量、特に好ましくは約25~約60重量%の量で感熱層中に存在する。
【0308】
任意選択で、潤滑剤または剥離剤も感熱層内に存在することができる。かかる潤滑剤または剥離剤は特に感熱層上に保護層も他の層もない場合に存在する。
【0309】
これらの作用剤は好ましくはステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウムのような脂肪酸金属塩、もしくはまたベヘン酸塩、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミドのような脂肪酸アミドの形態の合成ワックス、ステアリン酸メチロールアミドのような脂肪酸アルカノールアミド、異なる融点のパラフィンワックス、異なる分子量のエステルワックス、エチレンワックス、異なる硬度のプロピレンワックスならびに/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスもしくはモンタンワックスである。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0310】
ステアリン酸亜鉛が有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0311】
潤滑剤または剥離剤は好ましくは感熱層の総固形分に対して約1~約10重量%の量、特に好ましくは約3~約6重量%の量で感熱層中に存在する。
【0312】
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つのバインダーが感熱層中に存在する。これは好ましくは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーにより構成される。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0313】
部分的にけん化または半けん化されたポリビニルアルコールは有利な価格性能比を有するので好ましい。
【0314】
バインダーは好ましくは感熱層の総固形分に対して1~30重量%、好ましくは5~20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0315】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で感熱層中に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下におけるコーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0316】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0317】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は食品適合性の理由から特に好ましい。
【0318】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋することができる。
【0319】
架橋剤は好ましくはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0重量%の量、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0320】
別の好ましい実施形態では、感熱層は顔料を含有する。これらの顔料は好ましくはカラー層の顔料と異なる。これらの使用は、中でも、感熱印刷過程でそれらの表面に生成した化学融解物を固定することができるという利点を有する。顔料はまた感熱層の表面白色度および不透明度ならびに慣用の印刷用インクによるその印刷適性を調節するのに使用することもできる。
【0321】
特に適切な顔料は合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えばAerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトであるが、スチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーのような有機顔料でもある。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0322】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムおよび焼成シリカが好ましい。それは、これらが、感熱記録材料の市販の印刷用インクによるその後の印刷適性に関して感熱記録材料の特に有利な適用性を可能にするからである。
【0323】
顔料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約2~約50重量%の量、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0324】
感熱層はさらにカーボンブラック成分および/または染料/着色顔料を含み得る。
【0325】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を調節するために、蛍光増白剤を感熱発色層に組み込むことができる。これらは好ましくはスチルベンである。
【0326】
感熱層はさらに無機の油吸収性白色顔料を含有し得る。
【0327】
これら無機の油吸収性白色顔料の例は天然または焼成カオリン、シリカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、特にベーマイト、および/またはこれらの混合物を含む。
【0328】
無機の油吸収性白色顔料は好ましくは感熱層の総固形分に対して約2~約50重量%の量、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0329】
ある種のコーティング特性を改良するために、個々の場合に増粘剤および/または界面活性剤のようなさらなる構成成分、特にレオロジー助剤を本発明による感熱記録材料の構成成分に加えるのが好ましい。
【0330】
さらなる構成成分は各々好ましくは当業者に公知の普通の量で存在する。
【0331】
感熱層は好ましくは1~8g/m2、特に2~6g/m2の面密度を有する。
【0332】
感熱層は好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0333】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、絶縁層がウェブ様支持材とカラー層との間に存在することを特徴とする。
【0334】
代替的な実施形態では、感熱記録材料は好ましくはカラー層が同時にカラー層および絶縁層も構成することを特徴とする。
【0335】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるかかる絶縁層またはカラー層は感熱記録材料を通る熱伝導の低下を起こす。これにより、感熱直接プリンターによる局部的な熱の作用をより効率的にし、より高いサーマルプリンタースピードが可能になる。カバー層は導入される熱の量に起因してより速やかに半透明になり、したがって感度が改良される。
【0336】
これは、より少ない染料が必要とされ、結果として物質循環、特に古紙サイクルにおける改良されたリサイクル可能性(より容易な脱インク性、染料および支持材成分の分離)が得られることを意味する。
【0337】
同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、極めて好ましくは100~250秒のBekk平滑度を有する。
【0338】
同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は好ましくは断熱材を含む。
【0339】
好ましくは、絶縁層または同時に絶縁層でもあるカラー層を含む感熱記録材料は絶縁層または同時に絶縁層でもあるカラー層を含まない感熱記録材料より低い熱伝導率を有する。
【0340】
断熱材は好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリンおよびこれらの混合物を含む。
【0341】
断熱材はまた中空球顔料、特にスチレンアクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含み得る。
【0342】
これらの中空球顔料は好ましくは40~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有する。
【0343】
断熱材は好ましくは絶縁層の総固形分に対して約20~約80重量%の量、特に好ましくは約40~約60重量%の量で絶縁層中に存在する。
【0344】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層において、断熱材は好ましくは同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層の総固形分に対して約30~約70重量%の量、特に好ましくは約40~約60重量%の量でその中に存在する。
【0345】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で絶縁層および/またはカラー層内に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0346】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0347】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は特に食品適合性の理由から好ましい。
【0348】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋することができる。
【0349】
架橋剤は好ましくは絶縁層またはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0重量%の量、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0350】
絶縁層は好ましくは1~10g/m2、特に2~8g/m2の面密度を有する。
【0351】
絶縁層は好ましくは2~8μm、特に4~6μmの厚さを有する。
【0352】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は好ましくは1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0353】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は好ましくは1~10μm、特に4~8μmの厚さを有する。
【0354】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくはデンプン(デンプンコーティング)および/またはその変性物(変性デンプン)を含む層が直接ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上、好ましくは直接ウェブ様支持材の両面上に存在することを特徴とする。
【0355】
デンプンコーティングは好ましくは0.1~3、特に好ましくは0.2~1.5g/m2の量で付着される。
【0356】
ウェブ様支持材のカラー層が存在する面上のデンプンコーティングはウェブ様支持材をシールし、したがってカラー層の接着を改良し、カラー層のウェブ様支持材中への侵入を低減または防止するという利点を有する。
【0357】
ウェブ様支持材のカラー層がない面上のデンプンコーティングはカラー層がウェブ様支持材を通って滲出するのを低減または防止するという利点を有する。
【0358】
デンプンを含む層は好ましくは20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きい、さらに特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。
【0359】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは保護層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0360】
保護層は好ましくは200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きい、さらに特に好ましくは400~1500秒のBekk平滑度を有する。400~1300秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0361】
これは、感熱層のカラー層がない面上に存在する。
【0362】
この保護層は好ましくは少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0363】
適切なバインダーは水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、例えばアセトアセチル、ジアセトン、カルボキシ-、シラノール-変性ポリビニルアルコール、またはスチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド-(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0364】
適切な無機顔料は合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えばAerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトを含むが、有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーも含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0365】
適切な有機顔料はスチレン/アクリレートコポリマー壁を持つ中空顔料または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを含む。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0366】
バインダーは好ましくは保護層の総固形分に対して約40~約90重量%の量、特に好ましくは約50~約80重量%の量で保護層中に存在する。
【0367】
顔料は好ましくは保護層の総固形分に対して約5~約40重量%の量、特に好ましくは約10~約30重量%の量で保護層中に存在する。
【0368】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは架橋形態で保護層中に存在し、バインダーの最適な架橋度は架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下におけるコーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0369】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー等であり得る。これらは単独で、または任意の混合物で使用することができる。
【0370】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は特に食品適合性の理由から好ましい。
【0371】
特別に変性されたポリビニルアルコールまたはアクリレートのような自己架橋性バインダーは既にバインダーポリマー中に作り上げられている反応性の架橋可能な基のおかげでいかなる架橋剤もなしに架橋することができる。
【0372】
架橋剤は好ましくはカラー層の総固形分に対して約0.01~約25.0の量、特に好ましくは約0.05~約15.0の量で存在する。
【0373】
保護層はさらに好ましくは少なくとも1つの潤滑剤または少なくとも1つの剥離剤を含む。
【0374】
これらの作用剤は好ましくはステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウムのような脂肪酸金属塩、またはベヘン酸塩、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミドのような脂肪酸アミド、ステアリン酸メチロールアミドのような脂肪酸アルカノールアミドの形態の合成ワックス、異なる融点のパラフィンワックス、異なる分子量のエステルワックス、エチレンワックス、異なる硬度のプロピレンワックスおよび/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスまたはモンタンワックスである。
【0375】
潤滑剤または剥離剤は好ましくは保護層の総固形分に対して約1~約30重量%の量、特に好ましくは約2~約20重量%の量で保護層内に存在する。
【0376】
保護層は好ましくは0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0377】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を調節するために、蛍光増白剤、好ましくはスチルベンを保護層内に組み込むことができる。
【0378】
保護層は好ましくは0.5~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0379】
保護層の使用は記録材料が外的影響に対してより良好に保護されるという利点を有する。
【0380】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは接着剤層がウェブ様支持材のカラー層が設置されてない面上に存在することを特徴とする。
【0381】
デンプンコーティングは、存在する場合、ウェブ様支持材と接着剤層との間にある。
【0382】
接着剤層は好ましくは少なくとも1つの接着剤、好ましくは熱で活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0383】
特に好ましくは、接着剤、好ましくは熱で活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤はゴム-および/またはアクリレートベースの接着剤である。
【0384】
接着剤層は好ましくは10~40g/m2、特に12~25g/m2の面密度を有する。
【0385】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0386】
用語「シリコーン処理された剥離層」および「シリコーン処理された層」は「シリコーンの層で覆う」という意味で同意語として理解されたい。好ましくは、これらの層は不可避の痕跡または(例えばシリコーン化用流体のUV硬化用の)補助剤を除いてシリコーンからなるかまたは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%、さらに特に好ましくはシリコーンのみを含む。
【0387】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きい、さらに特に好ましくは800~2000秒Bekk平滑度を有する。
【0388】
特に上に規定したような保護層が感熱層上に存在する場合、シリコーン処理された剥離層は好ましくはこの保護層上に設置される。
【0389】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは拡散層がシリコーン処理された層と下にある層、好ましくは感熱層との間に形成されていることを特徴とする。この拡散層は好ましくは地域的に、少なくともシリコーン処理された剥離層の部分を下にある層の上部領域内に拡散することにより形成され、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは6~45重量%、特に7~40重量%のシリコーン処理された剥離層が下にある層の上部領域中に拡散する。かかる拡散層は例えばEP3221153A1に記載されている。
【0390】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは上記した接着剤層も存在する場合に存在する。
【0391】
感熱層上のシリコーン処理された剥離層およびウェブ様支持材のカラー層が設置されない面上の接着剤層の存在は、感熱記録材料を「ライナーレス」感熱記録材料として使用することができるという利点を有する。
【0392】
用語「ライナーレス」は本発明による(自己接着性の)感熱記録材料が支持材にアプライされないがそれ自身に巻き取られることを意味する。これは、生産コストをさらに低減することができ、ロール当たりより多くのランニングメートルを実現することができ、ライナーの廃棄のための廃棄努力が必要なく、特定の装填空間容量当たりより多くのラベルを輸送することができるという利点を有する。
【0393】
シリコーン処理された剥離層が存在するならば、少なくとも1つの小板状顔料が感熱層中に、またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層中に含有されるのが好ましい。
【0394】
少なくとも1つの小板状顔料は好ましくはカオリン、Al(OH)3および/またはタルクからなる群から選択される。カオリンの使用が特に好ましい。コーティングカオリンの使用が非常に特に好ましい。かかるコーティングカオリンは商品名Kaolin ASP 109(BASF、ドイツ)で入手可能である。
【0395】
これらの小板状顔料、特にカオリンの使用は、感熱層またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層を極めて容易にシリコーン処理することができるという特定の利点を有する。
【0396】
小板状顔料は直径対厚さの比が約7~40対1の間、好ましくは約15~30対1の間である顔料を意味すると理解される。
【0397】
小板状顔料の粒径は好ましくは粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%が約<2μmの粒径を有するように設定される(セディグラフ)。水溶液中の小板状顔料のpH値は好ましくは6~8である。
【0398】
少なくとも1つの小板状顔料は感熱発色層中またはシリコーン処理された剥離層の直下にある層中に、好ましくはそれぞれの層の総固形分に対して約5~約60重量%の量、特に好ましくは約15~約55重量%の量で存在する。
【0399】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサン、特にアクリルポリ(オルガノ)シロキサンを含むことを特徴とする。
【0400】
さらなる実施形態では、シリコーン処理された剥離層は少なくとも2種のシロキサンの混合物を含む。少なくとも2種のアクリル-ポリ(オルガノ)シロキサンの混合物が好ましい。
【0401】
極めて特に好ましいシロキサンの例は商標TEGO(登録商標)RC902およびTEGO(登録商標)RC711(Evonik、ドイツ)で入手可能なシロキサンである。
【0402】
別の実施形態では、感熱記録材料は好ましくはシリコーン処理された剥離層が、好ましくは少なくとも1つのシリコーンアクリレートの縮合により形成された少なくとも1つのポリシリコーンアクリレートを含有することを特徴とする。
【0403】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは水を含まない。またシリコーン処理された剥離層がPt触媒を含有しないことも好ましい。
【0404】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは開始剤、特に好ましくは光開始剤を含有する。これはシリコーンのラジカル硬化に役立つ。
【0405】
本発明ではTEGO(登録商標)光開始剤A18(Evonik製、ドイツ)が極めて特に好ましい。
【0406】
シリコーン処理された剥離層は好ましく艶消し剤および/または接着添加剤のようなさらなる添加剤を含有し得る。
【0407】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0408】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0409】
上述の層はすべて単層または多層であることができる。
【0410】
第2の態様による本発明の感熱記録材料は第1の態様に関連して記載した生産方法により得ることができる。
【0411】
本発明はさらに上記した方法により得ることができる感熱記録材料に関する。
【0412】
本発明はまた、上記した感熱記録材料の、販売レシートロールとしての、接着剤ラベル(ロール)としての、また冷蔵および急速冷凍セクターにおける、ならびにチケット(ロール)としての使用にも関する。これらは特に機能面および/または裏面(色付き、着色、黒色/灰色)を有し、前もって印刷され得る。これらのロールは好ましくは典型的な幅および長さで入手可能である。
【0413】
第3の態様では、本発明は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および、カラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、
感熱層が局部的な熱の作用により半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
感熱層が、10~90重量%、好ましくは20~60重量%、特に30重量%~50重量%の、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する散乱粒子、特にポリマー粒子、10~80重量%、好ましくは25~60重量%の40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する感熱性材料、ならびに1~30重量%、好ましくは5~20重量%のバインダーを含むことを特徴とする、感熱記録材料に関する。
【0414】
そのような感熱記録材料は、その機能性、その環境特性(持続可能性)、および/またはその経済的な生成(簡単で安価である)に関して特に区別され、特にこれら3つの性質の有利な組合せにより区別される。
【0415】
特に好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に、-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0416】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が、少なくとも1つの散乱粒子、特に、コア/ケーシング構造を有するポリマー粒子を含むことを特徴とし、この散乱粒子、特にポリマー粒子は、(i)散乱粒子、特に、ガラス転移温度が40℃~80℃である外側シェルを有するポリマー粒子と、(ii)散乱粒子、特に、ガラス転移温度が40℃~130℃である内側シェル及びガラス転移温度が-55℃~50℃である外側シェルを有し、この外側シェルのガラス転移温度が好ましくは内側シェルの場合より低い、ポリマー粒子からなる群から選択される。
【0417】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が、少なくとも1つの散乱粒子、特に、融解温度が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃であるポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0418】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が、少なくとも1つの散乱粒子、特に、-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有し、且つ0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0419】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に、コア/ケーシング構造を有するポリマー粒子を含むことを特徴とし、この散乱粒子、特にポリマー粒子は、(i)散乱粒子、特に、ガラス転移温度が40℃~80℃である外側シェルを有するポリマー粒子と、(ii)散乱粒子、特に、ガラス転移温度が40℃~130℃である内側シェル及びガラス転移温度が-55℃~50℃である外側シェルを有し、外側シェルのガラス転移温度が好ましくは内側シェルの場合より低く、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子からなる群から選択される。
【0420】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が、少なくとも1つの散乱粒子、特に、250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度を有し、且つ0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0421】
250℃より低いガラス転移温度または融解温度は有利であることが見出された。250℃より上の温度では、温度-時間ウィンドウがプリンター仕様外にあるので感熱直接印刷が可能ではない。
【0422】
0.1~2.5μmの範囲の平均粒径は、このサイズの粒子が可視光を散乱させ、したがってカラー層が最大限可能な範囲まで覆われるので、有利である。
【0423】
平均粒径は、Beckman Coulterデバイス(レーザー回折、Fraunhofer法)を使用して決定することができる。
【0424】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、好ましくは結晶質、半結晶質、および/または非晶質である。
【0425】
上述のガラス転移温度は、半結晶質または非晶質散乱粒子、特にポリマー粒子を指す。融解温度は、結晶質散乱粒子、特にポリマー粒子を指し、又は散乱粒子、特にポリマー粒子の結晶質部分を指す。
【0426】
ポリマー粒子は、好ましくは閉鎖中空体粒子、特に中空球ポリマー粒子、開放中空体粒子、特に格子ケージ形状ポリマー粒子、および/または中実体粒子、特に不規則に成形されたポリマー粒子である。
【0427】
散乱粒子、好ましくはポリマー粒子の主な性質は、可視光範囲の光散乱である。二次的な性質は、感熱性である。
【0428】
ポリマー粒子は好ましくは、熱可塑性ポリマーを含む。
【0429】
ポリマー粒子は、好ましくは、アクリロニトリル、スチレン、ブタジエン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸エチル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、ベータ-メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メトキシスチレン、N-アクリリルグリシンアミド、および/またはN-メタクリリルグリシンアミド、及び/又はこれらの誘導体を含む群から選択される1つ又は複数のモノマーの重合から得られるポリマーを含む。
【0430】
別の実施形態では、ポリマー粒子は、様々なエチレン系不飽和モノマーを使用して重合されてもよい。非イオン性モノエチレン系不飽和モノマーの例には、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の様々な(C1~C20)-アルキルまたは(C3~C20)-アルケニルエステルであって、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリルを含むものが含まれる。典型的には、MMA、EA、BA、及びスチレンなどのアクリル酸エステルは、ポリマー粒子のシェルの重合および形成に好ましいモノマーである。二官能性ビニルモノマー、例えばジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及び同様のものは、米国特許出願第2003-0176535(A1)号に記載されるように、架橋外側ケーシングを形成するように、共重合することもできる。
【0431】
別の実施形態では、ポリマー粒子は、好ましくは(メタ)アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンアクリレート、スチレン(メタ)アクリレートコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、またはこれら少なくとも2種の混合物も含む。
【0432】
ポリマー粒子の強度および耐久性は、ポリマー鎖の架橋による影響を受ける可能性がある。
【0433】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、閉鎖散乱粒子、特にポリマー粒子、特に中空体粒子、開放散乱粒子、特にポリマー粒子、および/または中実体粒子の形をとってもよく、そのそれぞれは、規則的にまたは不規則に成形することができる。
【0434】
閉鎖中空体粒子の例は、中空球ポリマー粒子、又はコア/ケーシング構造を持つポリマー粒子を含む。
【0435】
中空球ポリマー粒子、またはコア/ケーシング構造を持つポリマー粒子の例は、Ropaque HP-1055、Ropaque OP-96、およびRopaque TH-1000である。
【0436】
特に、いわゆる「カップ形」ポリマー粒子は、開放ポリマー粒子の例と述べることができる。ケーシングに関して、これらは閉鎖ポリマー粒子、特に閉鎖中空球ポリマー粒子と同じ材料を有する。気体、通常は空気の内側コアが、有機の、通常は熱可塑性成分で形成されたケーシングによって完全に内包されている古典的な中空体顔料とは対照的に、「カップ形」顔料は、閉鎖ケーシングを持たず、単に可能な最大限まで閉鎖されたシェルまたは「カップ」の形で内側コアを取り囲むだけである。
【0437】
開放ポリマー粒子のさらなる例として、WO 2021/062230 A1に記載される格子ケージ形ポリマー粒子を挙げることができる。
【0438】
中実体粒子の例は、ポリエチレン、ポリスチレン、およびセルロースエステルである。
【0439】
上述の散乱粒子、特にポリマー粒子は、規則的にまたは不規則に成形することができる。
【0440】
代替の実施形態では、ポリマー粒子は、球状中実体粒子、好ましくは不規則に成形された、および/または球状中空体粒子であって、共に好ましくは液滴の形をとるものである。これらは好ましくは、ポリスチレン、例えばTrinseo LLC.製のPlastic Pigment 756AおよびTrinseo LLC.製のPlastic Pigment 772HS、ポリエチレン、例えば三井化学社製のChemipear 10 W401球状中空体粒子(HSP)/球状中空体顔料、例えばThe Dow Chemical Co.製のRopaque TH-500EF、変性ポリスチレン粒子、例えばBASF Corp.製のJoncryl 633、1,2-ジフェノキシエタン(DPE)、エチレングリコールm-トリルエーテル(EGTE)、および/またはジフェニルスルホン(DPS)を含む。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。これらのポリマー粒子は、好ましくは、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.45μm、0.75μm、または1.0μmの平均粒径を有する。
【0441】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、好ましくは、感熱層の固形分含量に対して20重量%~60重量%、好ましくは30重量%~50重量%の量で、感熱層内に存在する。
【0442】
前述のように、感熱層は、40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲の融解温度、および/または40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0443】
好ましくは、感熱層は、0.2~4.0μm、好ましくは0.5~2.0μmの平均粒径を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0444】
感熱性材料は、好ましくは、例えば光の吸収および/または散乱にもよる、感熱層の不透明度(カバー力)にも寄与する。感熱性材料は、感熱直接プリンターの感熱印刷ヘッドによる熱への局部曝露に起因して、局部的に素早く融解することが想定され、その結果、ポリマー粒子の局部「軟化」がもたらされ、したがってカバー力の局部低減(不透明度の低減)がもたらされ、カバー層は半透明になり且つ下にあるカラー層が目に見えるようになる。
【0445】
感熱性材料は、増感剤又は感熱溶媒と呼ぶこともできる。
【0446】
好ましくは、感熱性材料は、1つ又は複数の脂肪酸、例えばステアリン酸、ベヘン酸、またはパルミチン酸、1つまたは複数の脂肪酸アミド、例えばステアラミド、ベヘナミド、またはパルミタミド、エチレン-ビス-脂肪酸アミド、例えばN,N’-エチレン-ビス-ステアリン酸アミドまたはN,N’-エチレン-ビス-オレイン酸アミド、1つまたは複数の脂肪酸アルカノールアミド、特にヒドロキシメチル化脂肪酸アミド、例えばN-(ヒドロキシメチル)ステアラミド、N-ヒドロキシメチルパルミタミド、ヒドロキシエチルステアラミド、1つまたは複数のワックス、例えばポリエチレンワックス、カンデリラワックス、カルナウバワックス、またはモンタンワックス、1つ又は複数のカルボン酸エステル、例えばジメチルテレフタレート、テレフタル酸ジベンジル、4-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ-(4-メチルベンジル)オキサレート、ジ-(4-クロロベンジル)オキサレート、またはジ-(4-ベンジル)オキサレート、ケトン、例えば4-アセチルビフェニル、1つまたは複数の芳香族エーテル、例えば1,2-ジフェノキシ-エタン、1,2-ジ-(3-メチルフェノキシ)エタン、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、または1,4-ジエトキシナフタレン、1つまたは複数の芳香族スルホン、例えばジフェニルスルホン、および/または芳香族スルホンアミド、例えば2-,3-,4-トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、またはN-ベンジル-4-トルエンスルホンアミド、または1つもしくは複数の芳香族炭化水素、例えば4-ベンジルビフェニル、または上記化合物の組合せを含む。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0447】
ステアラミドは、好ましい価格-性能比を有するので、好ましい。
【0448】
感熱性材料は、好ましくは、感熱層の全固形分含量に対して約10~約80重量%の量で、特に好ましくは約25~約60重量%の量で、感熱層中に存在する。
【0449】
既に述べたように、少なくとも1つのバインダーは、感熱層内に存在する。これは好ましくは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーによって構成される。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0450】
部分的にけん化されたまたは半けん化されたポリビニルアルコールは、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0451】
バインダーは、好ましくは、感熱層中に、感熱層の全固形分含量に対して1~30重量%、好ましくは5~20重量%の量で存在する。
【0452】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは、好ましくは感熱層内に架橋形態で存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0453】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩又はエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋薬剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ホウ酸またはその塩、ポリアミド、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、及びその他であってもよい。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0454】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0455】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマー中に既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0456】
架橋剤は、好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0の量で存在する。
【0457】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱記録材料が2~14%、好ましくは2~12%、非常に特に好ましくは3~10%の残留水分を有することを特徴とする。3~8%の残留水分が最も好ましい。
【0458】
規定された範囲の残留水分は、印刷後、より良好な可読性などの有利な付着関連特性を持つ、高い相対印刷コントラストがあるという利点がある。
【0459】
残留水分は、実施例と合わせて記述されるように決定することができる。
【0460】
感熱層の不透明度は、散乱粒子、特にポリマー粒子によって発生するだけでなく、散乱粒子、特にポリマー粒子間(開放多孔度)に捕捉された空気によっても発生すると想定される。これらの「細孔」への水分の浸入は、空気と交換され、不透明度を低減させる。この結果、好ましくない、よりグレーな材料がもたらされる可能性がある。
【0461】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、感熱記録材料が35~60%、特に45~50%の表面白色度を有することを特徴とする。
【0462】
表面白色度(紙の白色度)は、Elrepho 3000分光光度計で、ISO 2470-2(2008)に従い決定することができる。
【0463】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%、特に50~70%であることを特徴とする。
【0464】
このコントラストは、バックグラウンドの光学密度とスクリプトとの間の差を得ることによって計算することができる。光学密度(o.D.)の測定は、例えば密度計を用いて行われる。
【0465】
好ましくは、支持材は、カラー層が表面に付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、非常に特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0466】
カラー層は、好ましくは、感熱層が付着された面で50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、非常に特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0467】
感熱層は、好ましくは、カラー層が設置されていない面上で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0468】
好ましくは、支持材は、カラー層が付着された面で20~400秒、特に好ましくは30~300秒、非常に特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。50~150秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0469】
カラー層は、好ましくは、感熱層が付着された面で50~400秒、特に好ましくは100~250秒、非常に特に好ましくは100~250秒のBekk平滑度を有する。
【0470】
そのような感熱記録材料には、高い動的感度の利点がある。
【0471】
滑らかなウェブ様支持材が既に存在し、且つこの平滑度を個々のコーティング上で維持することが、有利である。基材が、より滑らかに下方から構築されるにつれ、最終平滑度はより良好になり、したがって最終生成物の感度が良好になる。
【0472】
ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面が、即ちウェブ用支持材が存在しない面が、下にある層の場合と少なくとも同程度に大きいまたはより大きいBekk平滑度を有することが好ましい。
【0473】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面が、即ちウェブ様支持材が存在しない面が、下にある層と比較して少なくとも5%(パーセンテージの増加)のBekk平滑度を有する。
【0474】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面が、即ちウェブ様支持材が存在しない面が、下にある層と比較して少なくとも5秒(絶対的な増加)のBekk平滑度を有する。
【0475】
必要に応じて、潤滑剤または剥離剤も感熱層に存在することができる。そのような潤滑剤または剥離剤は、特に保護層がないまたはその他の層が感熱層上にない場合に存在する。
【0476】
これらの薬剤は、好ましくは脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸カルシウム、または同様にベヘン酸塩、合成ワックス、例えば脂肪酸アミド、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミドの形をとるもの、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、種々の融点のパラフィンワックス、種々の分子量のエステルワックス、エチレンワックス、種々の硬度のプロピレンワックス、および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスまたはモンタンワックスである。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0477】
ステアリン酸亜鉛は、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0478】
潤滑剤または剥離材は、好ましくは、感熱層の全固形分含量に対して約1~約10重量%の量で、特に好ましくは約3~6重量%の量で、感熱層中に存在する。
【0479】
別の好ましい実施形態では、感熱層は顔料を含有する。これらの顔料は、好ましくは、カラー層の顔料とは異なる。これらの使用は、とりわけ、感熱印刷プロセスで生成された化学溶融物をそれらの表面に固定することができるという利点を有する。顔料は、感熱層の表面白色度および不透明度ならびにその従来に印刷インキでの印刷可能性を制御するのに使用することもできる。
【0480】
特に適切な顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然の炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトであるが、有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料でもある。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0481】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および焼成シリカは、それらの市販の印刷インキによる後続の印刷可能性に関して、感熱記録材料の特に有利な付着特性を可能にするので好ましい。
【0482】
顔料は、好ましくは、感熱層の全固形分含量に対して約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0483】
感熱層はさらに、カーボンブラック成分および/または染料/カラー顔料を含んでいてもよい。
【0484】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤を感熱カラー形成層に組み込むことができる。これらは好ましくは、スチルベンである。
【0485】
感熱層はさらに、無機油吸収白色顔料を含有していてもよい。
【0486】
これらの無機油吸収白色顔料の例は、天然または焼成カオリン、シリカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、特にベーマイト、および/またはこれらの混合物を含む。
【0487】
無機油吸収白色顔料は、好ましくは、感熱層の全固形分含量に対して約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層中に存在する。
【0488】
ある特定のコーティング特性を改善するために、個々の場合に、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、本発明による感熱記録材料の構成成分に付加することが好ましい。
【0489】
さらなる構成成分は、それぞれ好ましくは、当業者の公知の慣習的な量で存在する。
【0490】
感熱層は、好ましくは1~8g/m2、特に2~6g/m2の面密度を有する。
【0491】
感熱層は、好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0492】
ウェブ様支持材は、原則として限定されない。好ましい実施形態では、ウェブ様支持材は、紙、合成紙、および/またはプラスチックフィルムを含む。支持材は、好ましくは30~100g/m2、特に40~80g/m2の面密度を有する。
【0493】
本発明による感熱記録材料のウェブ様支持材は、好ましくは、カラー層を付着させることによって達成される少なくとも1つの黒色またはカラー面を含む。「カラー面」という用語は、その面が白または黒意外の色を有する意味すると理解される。言い換えれば、感熱記録材料は、白にならないように着色された少なくとも1つの面を含む。黒色とも組み合わせて、少なくとも1つの黒またはカラー面がいくつかの異なるカラーを有する実施形態も可能である。
【0494】
ウェブ様支持材上の1つの面上の少なくとも1つのカラー層は、好ましくは、カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料を、および好ましくはバインダーも含むことを特徴とする。
【0495】
顔料および/または染料は、様々な有機および無機顔料、染料、および/またはカーボンブラックを含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0496】
顔料、染料、および/またはカーボンブラックは、好ましくはそれぞれ、カラー層の全固形分含量に対して2~50重量%、特に好ましくは10~35重量%の量でカラー層に存在する。
【0497】
好ましいバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーである。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0498】
バインダーは、好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して2~40重量%、特に好ましくは10~30重量%の量でカラー層に存在する。
【0499】
カラー層は好ましくは、1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0500】
カラー層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0501】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、ウェブ様支持材とカラー層との間に絶縁層が存在することを特徴とする。
【0502】
代替の実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、カラー層および絶縁層も同時に構成するカラー層を特徴とする。
【0503】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるそのような絶縁層またはカラー層は、感熱記録材料を通した熱伝導の低減を引き起こす。これは感熱直接プリンターを用いて、より効率的に熱を局部的に作用させ、より高い感熱プリンター速度を可能にする。カバー層は、導入される熱の量に起因して、より素早く半透明になり、したがって感度が改善される。
【0504】
これは少ない染料しか必要としないことを意味し、その結果、改善されたリサイクル可能性が材料のサイクルに、特に古紙サイクルにもたらされる(より容易な脱インキ性、染料および支持材成分の分離)。
【0505】
同時にカラー層および絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は、好ましくは50秒より大きい、特に100秒より大きい、非常に特に好ましくは100秒~250秒のBekk平滑度を有する。
【0506】
同時にカラー層であり絶縁層でもある絶縁層またはカラー層は、好ましくは、断熱材を含む。
【0507】
好ましくは、同時に絶縁層でもある絶縁層またはカラー層を含む感熱記録材料は、同時に絶縁層でもある絶縁層またはカラー層を含まない感熱記録材料より低い熱伝導度を有する。
【0508】
断熱材は、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物を含む。
【0509】
断熱材は、中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含んでいてもよい。
【0510】
これらの中空球顔料は、好ましくは、40~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有する。
【0511】
断熱材は、好ましくは、絶縁層の全固形分含量に対して約20~約80重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で絶縁層内に存在する。
【0512】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層では、断熱材は、好ましくはそこに、同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層の全固形分含量に対して約30~約70重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で存在する。
【0513】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは、絶縁層および/またはカラー層内に架橋形態で存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0514】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、およびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0515】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0516】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全く用いずに架橋を可能にする。
【0517】
架橋剤は、好ましくは、絶縁またはカラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0518】
絶縁層は、好ましくは、1~5g/m2、特に2~4g/m2の面密度を有する。
【0519】
絶縁層は、好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0520】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは、1~12g/m2、特に4~8g/m2の面密度を有する。
【0521】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは、2~10μm、特に4~8μmの厚さを有する。
【0522】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、デンプンを含む層(デンプンコーティング)およびその変性物(加工デンプン)を含む層が、ウェブ様支持材の少なくとも1つの面上に直接、好ましくはウェブ様支持材の両面上に直接存在することを特徴とする。
【0523】
デンプンコーティングは、好ましくは、0.1~3、特に好ましくは0.2~1.5g/m2の量で付着される。
【0524】
表面にカラー層が存在するウェブ様支持材の面上のデンプンコーティングには、ウェブ様支持材を封止する利点があり、したがってカラー層の接着が改善され、ウェブ様支持材へのカラー層の侵入を低減させまたは防止する。
【0525】
カラー層を持たないウェブ様支持材の面上のデンプンコーティングには、カラー層がウェブ様支持材を通して流出するのを低減させまたは防止する利点がある。
【0526】
デンプンを含む層は好ましくは、20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きい、非常に特に好ましくは50秒~200秒のBekk平滑度を有する。
【0527】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは保護層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0528】
保護層は好ましくは、200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きい、非常に特に好ましくは400~1500秒のBekk平滑度を有する。400~1300秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0529】
これは表面にカラー層が存在しない感熱層の面上に存在する。
【0530】
この保護層は、好ましくは少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料を、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0531】
適切なバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、例えばアセトアセチル、ジアセトン、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、またはスチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0532】
適切な無機顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトを含むが、有機顔料、例えば中空顔料であってスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つものを含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0533】
適切な有機顔料は、スチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料を含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0534】
バインダーは、好ましくは、保護層の全固形分含量に対して約40~約90重量%の量で、特に好ましくは約50~約80重量%の量で保護層中に存在する。
【0535】
顔料は、好ましくは、保護層の全固形分含量に対して約5~約40重量%の量で、特に好ましくは約10~約30重量%の量で保護層に存在する。
【0536】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは、保護層中に架橋形態で存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0537】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋薬剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、およびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0538】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0539】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0540】
架橋剤は、好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0の量で存在する。
【0541】
保護層は、さらに好ましくは少なくとも1つの潤滑剤または少なくとも1つの剥離剤を含む。
【0542】
これらの薬剤は、好ましくは脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウム、またはベヘン酸塩、合成ワックス、例えば脂肪酸アミドの形をとるもの、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、種々の融点のパラフィンワックス、種々の分子量のエステルワックス、エチレンワックス、種々の硬度のプロピレンワックス、および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックス、またはモンタンワックスでもある。
【0543】
潤滑剤または剥離剤は、好ましくは、保護層の全固形分含量に対して約1~約30重量%の量で、特に好ましくは約2~約20重量%の量で保護層に存在する。
【0544】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤、好ましくはスチルベンを保護層に組み込むことができる。
【0545】
保護層は、好ましくは、0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0546】
保護層は、好ましくは、0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0547】
保護層の使用には、記録材料が外部の影響に対してさらに良好に保護されるという利点がある。
【0548】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、接着層が、カラー層が表面に設置されていないウェブ様支持材上に存在することを特徴とする。
【0549】
デンプンコーティングが存在する場合、ウェブ様支持材と接着層との間にある。
【0550】
接着層は、好ましくは、少なくとも1つの接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0551】
特に好ましくは、接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤は、ゴムおよび/またはアクリレートベースのものである。
【0552】
接着層は、好ましくは、10~40g/m2、特に12~25g/m2の面密度を有する。
【0553】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくはシリコーン処理された剥離層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0554】
「シリコーン処理された剥離層」および「シリコーン処理された層」という用語は、「シリコーンの層で覆われること」という意味で同義に理解されるものとする。好ましくは、これらの層は、シリコーンからなりまたは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%、非常に特に好ましくは回避できない微量のまたは補助剤(例えば、シリコーン処理された流体のUV硬化用)以外のシリコーンのみを含む。
【0555】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは、400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きい、非常に特に好ましくは800~2000秒のBekk平滑度を有する。
【0556】
保護層、特に上記にて定義された保護層が感熱層上に存在する場合、シリコーン処理された剥離層は、好ましくはこの保護層上に設置される。
【0557】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、シリコーン処理された層と下にある層、好ましくは感熱層との間に拡散層が形成されることを特徴とする。この拡散層は、好ましくは、シリコーン処理された剥離層の少なくとも一部を下にある層の上部領域内に面的に拡散することによって形成され、好ましくはシリコーン処理された剥離層の5~50重量%、特に好ましくは6~45重量%、特に7~40重量%が、下にある層の上部領域内に拡散する。そのような拡散層は、例えばEP 3 221 153 A1に記載されている。
【0558】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは、上述の接着層も存在するときに存在する。
【0559】
感熱層上のシリコーン処理された剥離層およびウェブ様支持材上の接着層であって、カラー層が設置されていない面上にあるものには、感熱記録材料を「ライナーレス」感熱記録材料として使用できるという利点がある。
【0560】
「ライナーレス」という用語は、本発明による(自己接着)感熱記録材料が支持材に付着されず、それ自体に巻き込まれることを意味する。これには生産コストをさらに削減でき、ロール当たりさらに多くのランニングメートルを達成することができ、ライナーの廃棄に関する廃棄努力が不要であり、特定の投入空間体積当たりさらなるラベルを輸送できるという利点がある。
【0561】
シリコーン処理された剥離層が存在する場合、少なくとも1つの小板形状顔料が、感熱層内に、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層内に含有されることが好ましい。
【0562】
少なくとも1つの小板形状顔料は、好ましくは、カオリン、Al(OH)3、および/またはタルクからなる群から選択される。カオリンの使用が特に好ましい。コーティングのカオリンの使用が非常に特に好ましい。そのようなコーティングカオリンは、Kaolin ASP 109(BASF、ドイツ)という商標名で入手可能である。
【0563】
これらの小板形状顔料、特にカオリンの使用は、感熱層、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層を、非常に容易にシリコーン処理できる点が、特に有利である。
【0564】
小板形状顔料は、直径と厚さとの比が約7~約40対1、好ましくは約15~30対1である顔料を意味することが理解される。
【0565】
小板形状顔料の粒径は、好ましくは、粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%が約<2μmの粒径を有するように設定される(セディグラフ)。水性溶液中の小板形状顔料のpH値は、好ましくは6~8である。
【0566】
少なくとも1つの小板形状顔料は、感熱カラー形成層内に、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層内に、それぞれの層の全固形分含量に対して好ましくは約5~約60重量%の量で、特に好ましくは約15~約55重量%の量で存在する。
【0567】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、シリコーン処理された剥離層が、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサン、特にアクリルポリ(オルガノ)シロキサンを含むことを特徴とする。
【0568】
さらなる実施形態では、シリコーン処理された剥離層は、少なくとも2種のシロキサンの混合物を含む。少なくとも2種のアクリル系ポリ(オルガノ)シロキサンの混合物が好ましい。
【0569】
非常に特に好ましいシロキサンの例は、商標名TEGO(登録商標)RC902およびTEGO(登録商標)RC711(Evonik、ドイツ)で入手可能なシロキサンである。
【0570】
別の実施形態では、感熱記録材料が好ましくは、シリコーン処理された剥離層が、少なくとも1つのシリコーンアクリレートの縮合によって好ましくは形成される少なくとも1つのポリシリコーンアクリレートを含有することを特徴とする。
【0571】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは水を含まない。シリコーン処理された剥離層は、Pt触媒を含有しないことも好ましい。
【0572】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは開始剤を、特に好ましくは光開始剤を含有する。これはシリコーンのラジカル硬化に役立つ。
【0573】
本明細書では、TEGO(登録商標)光開始剤A18(Evonik製、ドイツ)が非常に特に好ましい。
【0574】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくはさらなる添加剤、例えばマット剤および/または接着添加剤を含有していてもよい。
【0575】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは0.3~5.0g/m2の、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0576】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは0.5~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0577】
上述の層の全ては、単層または多層にすることができる。
【0578】
第3の態様による本発明による感熱記録材料は、第1の態様と併せて記述される生成法によって得ることができる。
【0579】
本発明はさらに、上述の方法によって得ることが可能な感熱記録材料に関する。
【0580】
本発明は、売上げレシートロールとして、接着ラベル(ロール)として、また冷蔵および急速冷凍分野において、およびチケット(ロール)としての、上述の感熱記録材料の使用にも関する。これらは特に、機能面および/または裏面(色、着色、黒/灰色による)を有し、予備印刷することができる。これらのロールは、好ましくは典型的な幅および長さで入手可能である。
【0581】
第4の態様では、本発明は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上の絶縁層、絶縁層上のカラー層、およびカラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料に関する。
【0582】
第5の態様では、本発明は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上の、同時にカラー層であり絶縁層でもある層、およびカラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料に関する。
【0583】
以下の定義および好ましい実施形態の全ては、本発明の第4および第5の態様に類似して適用される。
【0584】
そのような絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層であり絶縁層でもあるものであり、感熱記録材料を通して熱伝導の低減を引き起こす。これは感熱直接印刷を用いた局部的な熱の作用をさらに効率的にし、より高いサーマルプリンター速度を可能にする。カバー層は、導入される熱の量に起因して、より素早く半透明になり、したがって感受性が改善される。
【0585】
これは少ない染料しか必要ではないことを意味し、その結果、材料サイクルにおける、特に古紙サイクルにおいて、リサイクル可能性が改善される(より容易な脱インキ性、染料および支持材構成要素の分離)。
【0586】
好ましくは、絶縁層または同時に絶縁層であるカラー層を含む感熱記録材料は、絶縁層または同時に絶縁層であるカラー層を含まない感熱記録材料より低い伝熱性を有する。
【0587】
絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層であり絶縁層でもあり、好ましくは断熱材を含む。
【0588】
断熱材は、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物を含む。
【0589】
断熱材は、中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含んでいてもよい。
【0590】
これらの中空球顔料は、好ましくは40~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有する。
【0591】
断熱材は、好ましくは絶縁層内に、絶縁層の全固形分含量に対して約20~約80重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で存在する。
【0592】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層では、その内部に断熱材が、同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層の全固形分含量に対し、好ましくは約30~約70重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で存在する。
【0593】
絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層であり絶縁層でもあり、好ましくは50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、非常に特に好ましくは100~250秒である、Bekk平滑度を有する。
【0594】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは、架橋形態で絶縁層および/またはカラー層に存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0595】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、およびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0596】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0597】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、既にバインダーポリマーに構築される反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0598】
架橋剤は、好ましくは、絶縁またはカラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0599】
絶縁層は、好ましくは1~5g/m2、特に2~4g/m2の面密度を有する。
【0600】
絶縁層は、好ましくは1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0601】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは、1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0602】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは、1~12μm、特に4~8μmの厚さを有する。
【0603】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、感熱記録材料が2~14%、特に好ましくは2~12%、非常に特に好ましくは3~10%の残留水分を有することを特徴とする。3~8%の残留水分が最も好ましい。
【0604】
指定範囲の残留水分には、印刷後、より良好な可読性などの、有利な付着関連特性を持つ高い相対印刷コントラストがあるという利点がある。
【0605】
残留水分は、実施例と併せて記述されるように決定することができる。
【0606】
感熱層の不透明度は、散乱粒子、特にポリマー粒子によって発生するだけでなく、散乱粒子、特にポリマー粒子間(開放多孔度)に捕捉された空気によっても発生することが想定される。これらの「細孔」内の水分の浸入は、空気と置き換わり、不透明度を低減させる。これは好ましくないさらに灰色の材料をもたらす可能性がある。
【0607】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは感熱記録材料が35~60%の、特に45~50%の表面白色度を有することを特徴とする。
【0608】
表面白色度(紙の白色度)は、Elrepho 3000分光光度計でISO 2470-2(2008)に従い決定することができる。
【0609】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが40~80%、特に50~70%であることを特徴とする。
【0610】
このコントラストは、バックグラウンド光学密度とスクリプトとの差をとることによって計算することができる。光学密度(o.D.)の測定は、例えば密度計を用いて行われる。
【0611】
好ましくは、支持材は、カラー層が付着された面で、20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、非常に特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0612】
カラー層は好ましくは、感熱層が付着された面で50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、非常に特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0613】
感熱層は好ましくは、カラー層が設置されていない面上で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0614】
好ましくは、支持材は、カラー層が付着された面で20~400秒の、特に好ましくは50~300秒の、非常に特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。50~150秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0615】
カラー層は好ましくは、感熱層が付着された面で50~400秒の、特に好ましくは100~250秒の、非常に特に好ましくは150~250秒のBekk平滑度を有する。
【0616】
感熱層は好ましくは、カラー層が存在しない面上で100~1000秒の、特に好ましくは250~800秒のBekk平滑度を有する。
【0617】
Bekk平滑度は、DIN 53107(2016)に従いそれぞれの場合で決定される。
【0618】
そのような感熱記録材料は、高い動的感度の利点を有する。
【0619】
滑らかなウェブ様支持材が既に存在しかつこの平滑度を個々のコーティング全体にわたって維持することが、有利である。基材がより滑らかに下から構築されるにつれ、最終的な平滑度、したがって最終生成物の感度はより良好になる。
【0620】
ウェブ様支持材料に付着された各層は、その上面で、即ちウェブ様支持材が存在しない面で、下にある層の場合と少なくとも同程度のまたはより大きいBekk平滑度を有することが好ましい。
【0621】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面で、即ちウェブ様支持材が存在しない面上で、下にある層と比較して少なくとも5%(パーセンテージの増加)のBekk平滑度を有する。
【0622】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面で、即ちウェブ様支持材が存在しない面上で、下にある層と比較して少なくとも5%(絶対的増加)のBekk平滑度を有する。
【0623】
ウェブ様支持材は、原則として限定されない。好ましい実施形態では、ウェブ様支持材は、紙、合成紙、および/またはプラスチックフィルムを含む。支持材は好ましくは、30~100g/m2、特に40~80g/m2の面密度を有する。
【0624】
本発明による感熱記録材料のウェブ様支持材は、好ましくは、少なくとも1つの黒色またはカラー層を付着することによって達成されるまたは着色面を含む。「カラー面」という用語は、白または黒以外のカラーを有する面を意味すると理解される。言い換えれば、感熱記録材料は、白色ではないように着色された少なくとも1つの面を含む。少なくとも1つ黒色またはカラー面がいくつかの異なるカラーを、黒色と組み合わせても有する実施形態も可能である。
【0625】
ウェブ様支持材の1つの面上の少なくとも1つのカラー層は、好ましくは、カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料を含み、好ましくはバインダーを含むことを特徴とする。
【0626】
顔料および/または染料は、様々な有機および無機顔料、染料、および/またはカーボンブラックを含む。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0627】
顔料、染料、および/またはカーボンブラックは、好ましくはカラー層にそれぞれ、カラー層の全固形分含量に対して2~50重量%、特に好ましくは10~35重量%の量で存在する。
【0628】
好ましいバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的または完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーである。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0629】
バインダーは、好ましくは、カラー層内に、カラー層の全固形分含量に対して2~40重量%、特に好ましくは10~30重量%の量で存在する。
【0630】
カラー層は好ましくは、1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0631】
カラー層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0632】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0633】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特にコア/ケーシング構造を有するポリマー粒子を含むことを特徴とし、この散乱粒子、特にポリマー粒子は、(i)散乱粒子、特にガラス転移温度が40℃~80℃である外側シェルを有するポリマー粒子と、(ii)散乱粒子、特にガラス転移温度が40℃~130℃の内側シェルおよびガラス転移温度が-55℃~50℃の外側シェルを有するポリマー粒子からなる群から選択され、外側シェルのガラス転移温度は好ましくは、内側シェルの場合より低い。
【0634】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に融解温度が250℃より低い、好ましくは0℃~250℃であるポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0635】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0636】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特に-55~130℃、好ましくは40~80℃のガラス転移温度を有する、および0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有するポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0637】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が少なくとも1つの散乱粒子、特にコア/ケーシング構造を有するポリマー粒子を含むことを特徴とし、この散乱粒子、特にポリマー粒子は、(i)散乱粒子、特にガラス転移温度が40℃~80℃である外側シェルを有するポリマー粒子と、(ii)散乱粒子、特にガラス転移温度が40℃~130℃である内側シェルおよびガラス転移温度が-55℃~50℃である外側シェルを有するポリマー粒子とからなる群から選択され、外側シェルのガラス転移温度は好ましくは内側シェルの場合より低く、その平均粒径は0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲である。
【0638】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、感熱層が、250℃より低い、好ましくは0℃~250℃の融解温度および、0.1~2.5μm、好ましくは0.2~0.8μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つの散乱粒子、特にポリマー粒子を含むことを特徴とする。
【0639】
250℃より低いガラス転移温度または融解温度は有利であることが見出された。250℃の温度より上の温度では、温度-時間ウィンドウがプリンター仕様外にあるので感熱直接印刷が可能ではない。
【0640】
0.1~2.5μmの範囲の平均粒径は、このサイズの粒子が可視光を散乱させ、したがってカラー層が最大限可能な範囲まで覆われるので、有利である。
【0641】
平均粒径は、Beckman Coulterデバイス(レーザー回折、Fraunhofer法)を使用して決定することができる。
【0642】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、好ましくは結晶質、半結晶質、および/または非晶質である。
【0643】
上述のガラス転移温度は、半結晶質または非晶質散乱粒子、特にポリマー粒子を指す。融解温度は、結晶質散乱粒子、特にポリマー粒子を指し、または散乱粒子、特にポリマー粒子の結晶質部分を指す。
【0644】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、好ましくは閉鎖中空体粒子、特に中空球ポリマー粒子、開放中空体粒子、特に格子ケージ形状ポリマー粒子、および/または中実体粒子、特に不規則形状ポリマー粒子である。
【0645】
散乱粒子、好ましくはポリマー粒子の一次特性は、可視光範囲での光散乱である。二次特性は、感熱性である。
【0646】
ポリマー粒子は、好ましくは熱可塑性ポリマーを含む。
【0647】
ポリマー粒子は、好ましくは、アクリロニトリル、スチレン、ブタジエン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸エチル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、ベータ-メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メトキシスチレン、N-アクリリルグリシンアミド、および/またはN-メタクリリルグリシンアミド、および/またはこれらの誘導体を含む群から選択される1つまたは複数のモノマーの重合から得られるポリマーを含む。
【0648】
別の実施形態では、ポリマー粒子は、様々なエチレン系不飽和モノマーを使用して重合されてもよい。非イオン性モノエチレン系不飽和モノマーの例には、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の様々な(C1~C20)-アルキルまたは(C3~C20)-アルケニルエステルであって、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、および(メタ)アクリル酸ステアリルが含まれる。典型的には、MMA、EA、BA、およびスチレンなどのアクリル酸エステルは、ポリマー粒子のシェルの重合および形成のための好ましいモノマーである。二官能性ビニルモノマー、例えばジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジメタクリル酸1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメタクリル酸トルメチロールプロパン、および同様のものは、米国特許出願第2003-0176535 A1号に記載されるように、共重合して架橋外側ケーシングを形成することもできる。
【0649】
別の実施形態では、ポリマー粒子は好ましくは、(メタ)アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸スチレン、(メタ)アクリル酸スチレンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、またはこれらの少なくとも2種の混合物も含む。
【0650】
ポリマー粒子の強度および耐久性は、ポリマー鎖の架橋によって影響を受ける可能性がある。
【0651】
散乱粒子、特にポリマー粒子は、閉鎖ポリマー粒子、開放ポリマー粒子、および/または中実体粒子の形をとってもよく、そのそれぞれは形状が規則的または不規則であってもよい。
【0652】
閉鎖中空体粒子の例には、中空球ポリマー粒子、またはコア/ケーシング構造を持つポリマー粒子が含まれる。
【0653】
中空球ポリマー粒子またはコア/ケーシング構造を持つポリマー粒子の例は、Ropaque HP-1055、Ropaque OP-96、およびRopaque TH-1000である。
【0654】
特にいわゆる「カップ形」ポリマー粒子は、開放ポリマー粒子の例と述べることができる。ケーシングに関して、これらは閉鎖ポリマー粒子、特に閉鎖した中空球状のポリマー粒子と同じ材料を有する。気体、通常は空気の内側コアが、有機の、通常は熱可塑性構成要素で形成されるケーシングによって完全に内包されている古典的な中空体顔料とは対照的に、「カップ形」顔料は閉鎖ケーシングを持たず、単に可能な最大限まで閉鎖されたシェルまたは「カップ」の形で内側コアを取り囲むだけである。
【0655】
開放ポリマー粒子のさらなる実施例として、WO 2021/062230 A1に記載される格子ケージ形状ポリマー粒子を挙げることができる。
【0656】
中実体粒子の例は、ポリエチレン、ポリスチレン、およびセルロースエステルである。
【0657】
上述のポリマー粒子は、規則的にまたは不規則に成形することができる。
【0658】
代替の実施形態では、ポリマー粒子は、球状中実体粒子、好ましくは不規則に成形された、および/または球状中空体粒子であって、共に好ましくは液滴の形をとるものである。これらは好ましくはポリスチレン、例えばTrinseo LLC.製のPlastic Pigment 756A、およびTrinseo LLC.製のPlastic Pigment 772HS、ポリエチレン、例えば三井化学製のChemipear 10 W401、球状中空体粒子(HSP)/球状中空体顔料、例えばThe Dow Chemical Co.製のRopaque TH-500EF、変性ポリスチレン粒子、例えばBASF Corp.製のJoncryl 633、1,2-ジフェノキシエタン(DPE)、エチレングリコールm-トリルエーテル(EGTE)および/またはジフェニルスルホン(DPS)を含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。これらのポリマー粒子は、好ましくは0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.45μm、0.75μm、または1.0μmの平均粒径を有する。
【0659】
ポリマー粒子は、好ましくは感熱層内に、感熱層の固形分含量に対して20重量%~60重量%、好ましくは30重量%~50重量%の量で存在する。
【0660】
好ましくは感熱層は、40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲の融解温度、および/または40~200℃、好ましくは80~140℃の範囲のガラス転移温度を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0661】
好ましくは、感熱層は、0.2~4.0μm、好ましくは0.5~2.0μmの平均粒径を有する少なくとも1つの感熱性材料を含む。
【0662】
感熱性材料は、好ましくは、例えば吸収および/または散乱光にもよる感熱層の不透明度(カバー力)にも寄与する。感熱性材料は、感熱直接プリンターの感熱印刷ヘッドにより加熱するための局部曝露に起因して、局部的に素早く溶融することが想定され、その結果、ポリマー粒子の局部「軟化」がもたらされ、したがってカバー力の局部低減(不透明度の低減)がもたらされ、したがってカバー層は半透明になり、下にあるカラー層が目に見えるようになる。
【0663】
感熱性材料は、増感剤または感熱溶媒と呼ぶこともできる。
【0664】
好ましくは、感熱性材料は、1つまたは複数の脂肪酸、例えばステアリン酸、ベヘン酸、またはパルミチン酸、1つまたは複数の脂肪酸アミド、例えばステアラミド、ベヘンアミド、またはパルミチタミド、エチレン-ビス-脂肪酸アミド、例えばN,N’-エチレン-ビス-ステアリン酸アミド、またはN,N’-エチレン-ビス-オレイン酸アミド、1つまたは複数の脂肪酸アルカノールアミド、特にヒドロキシメチル化脂肪酸アミド、例えばN-(ヒドロキシメチル)ステアラミド、N-ヒドロキシメチルパルミタミド、ヒドロキシエチルステアラミド、1つまたは複数のワックス、例えばポリエチレンワックス、カンデリラワックス、カルナウバワックス、またはモンタンワックス、1つまたは複数のカルボン酸エステル、例えばジメチルテレフタレート、テレフタル酸ジベンジル、4-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ(4-メチルベンジル)オキサレート、ジ(4-クロロベンジル)オキサレート、またはジ-(4-ベンジル)オキサレート、ケトン、例えば4-アセチルビフェニル、1つまたは複数の芳香族エステル、例えば1,2-ジフェノキシ-エタン、1,2-ジ-(3-メチルフェノキシ)エタン、2-ベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、または1,4-ジエトキシナフタレン、1つまたは複数の芳香族スルホン、例えばジフェニルスルホン、および/または芳香族スルホンアミド、例えば2-,3-,4-トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、またはN-ベンジル-4-トルエンスルホンアミド、あるいは1つまたは複数の芳香族炭化水素、例えば4-ベンジルビフェニル、または上記化合物の組合せを含む。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0665】
ステアラミドは、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0666】
感熱性材料は、好ましくは感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して約10~約80重量%の量で、特に好ましくは約25~約60重量%の量で存在する。
【0667】
必要に応じて、潤滑剤または剥離剤は、感熱層内に存在することもできる。そのような潤滑剤または剥離剤は、特に保護層またはその他の層が感熱層上にない場合に存在する。
【0668】
これらの薬剤は、好ましくは脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウム、またはベヘン酸塩、合成ワックス、例えば脂肪酸アミドの形をとるもの、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、種々の融点のパラフィンワックス、種々の分子量のエステルワックス、エチレンワックス、種々の硬度のプロピレンワックス、および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックス、またはモンタンワックスである。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0669】
ステアリン酸亜鉛は、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0670】
潤滑剤または剥離剤は、好ましくは感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して約1~約10重量%の量で、特に好ましくは約3~約6重量%の量で存在する。
【0671】
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つのバインダーが感熱層内に存在する。これは好ましくは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン-タジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーにより構成される。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0672】
部分的にけん化されたまたは半けん化されたポリビニルアルコールは、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0673】
バインダーは、好ましくは感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して1~30重量%、好ましくは5~20重量%の量で存在する。
【0674】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは、感熱層内に架橋形態で存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0675】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋薬剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジト(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマーなどであってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0676】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0677】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を有効にする。
【0678】
架橋剤は、好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0679】
別の好ましい実施形態では、感熱層は顔料を含有する。これらの顔料は、好ましくはカラー層の顔料とは異なる。これらの使用には、とりわけ、その表面に感熱印刷プロセスで生成された化学溶融物を固定することができるという利点がある。顔料は、感熱層の表面白色度および不透明度とその従来に印刷インキでの印刷可能性を制御するのに使用することもできる。
【0680】
特に適切な顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイト、しかし有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料でもある。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0681】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および焼成シリカは、その市販の印刷インキによる後続の印刷可能性に関し、感熱記録材料の特に有利な付着特性を有効にするので、好ましい。
【0682】
顔料は、好ましくは、感熱層の全固形分含量に対し、約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で感熱層内に存在する。
【0683】
感熱層はさらに、カーボンブラック成分および/または染料/カラー顔料を含んでいてもよい。
【0684】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤を感熱カラー形成層に組み込むことができる。これらは好ましくはスチルベンである。
【0685】
感熱層はさらに、無機油吸収白色顔料を含有していてもよい。
【0686】
これらの無機油吸収白色顔料の例には、天然または焼成カオリン、シリカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、特にベーマイト、および/またはこれらの混合物が含まれる。
【0687】
無機油吸収白色顔料は、好ましくは感熱層中に、感熱層の全固形分含量に対して約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で存在する。
【0688】
ある特定の性質を改善するために、個々の場合に、構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、本発明による感熱記録材料の構成成分にさらに添加することが好ましい。
【0689】
さらなる構成成分は、それぞれ好ましくは、当業者に公知の慣習的な量で存在する。
【0690】
感熱層は好ましくは、1~8g/m2、特に2~6g/m2の面密度を有する。
【0691】
感熱層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0692】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、デンプン(デンプンコーティング)および/またはその変性物(加工デンプン)を含む層が、ウェブ様支持材の少なくとも片面に直接、好ましくはウェブ様支持材の両面に直接存在することを特徴とする。
【0693】
デンプンコーティングは、好ましくは0.1~3、特に好ましくは0.2~1.5g/m2の量で付着される。
【0694】
カラー層が表面に存在するウェブ様支持材の面のデンプンコーティングは、ウェブ様支持材を封止し、したがってカラー層の接着を改善し、ウェブ様支持材へのカラー層の侵入を低減させまたは防止するという利点を有する。
【0695】
カラー層を持たないウェブ様支持材の面のデンプンコーティングは、ウェブ様支持材を経たカラー層の流出を低減させまたは防止するという利点を有する。
【0696】
デンプンを含む層は、好ましく20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きい、非常に特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。
【0697】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは保護層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0698】
保護層は好ましくは、200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きい、非常に特に好ましくは400~1500秒のBekk平滑度を有する。400~1300秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0699】
これはカラー層が表面にない感熱層の面上に存在する。
【0700】
この保護層は、好ましくは少なくとも1つのバインダーと、少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0701】
適切なバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、例えばアセトアセチル、ジアセトン、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、またはスチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含む。これらは、単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0702】
適切な無機顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイト、有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを含む中空顔料も含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0703】
適切な有機顔料は、スチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料を含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0704】
バインダーは、好ましくは保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約40~約90重量%の量で、特に好ましくは約50~約80重量%の量で存在する。
【0705】
顔料は好ましくは、保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約5~約40重量%の量で、特に好ましくは約10~約30重量%の量で存在する。
【0706】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは、好ましくは架橋形態で保護層内に存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0707】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマーなどであってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0708】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0709】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性ある架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0710】
架橋剤は、好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0711】
保護層は、さらに好ましくは、少なくとも1つの潤滑剤または少なくとも1つの剥離剤を含む。
【0712】
これらの薬剤は、好ましくは、脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウム、またはベヘン酸塩、合成ワックス、例えば脂肪酸アミドの形をとるもの、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、種々の融点のパラフィンワックス、種々の分子量のエステルワックス、エチレンワックス、種々の硬度のプロピレンワックス、および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスまたはモンタンワックスである。
【0713】
潤滑剤または剥離剤は、好ましくは保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約1~約30重量%の量で、特に好ましくは約2~約20重量%の量で存在する。
【0714】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤、好ましくはスチルベンを、保護層に組み込むことができる。
【0715】
保護層は好ましくは、0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0716】
保護層は好ましくは、0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0717】
保護層の使用には、記録材料が外部の影響に対してより良好に保護されるという利点がある。
【0718】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは接着層がウェブ様支持材のカラー層が設置されていない面上に存在することを特徴とする。
【0719】
デンプンコーティングが存在する場合、それはウェブ様支持材と接着層との間にある。
【0720】
接着層は好ましくは、少なくとも1つの接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0721】
特に好ましくは、接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤は、ゴム-および/またはアクリレートベースの接着剤である。
【0722】
接着層は好ましくは、10~40g/m2、特に12~25g/m2の面密度を有する。
【0723】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくはシリコーン処理された剥離層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0724】
「シリコーン処理された剥離層」および「シリコーン処理された層」という用語は、「シリコーンの層で覆われた」という意味で同義に理解されよう。好ましくは、これらの層は、シリコーンからなり、または少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%、非常に特に好ましくは回避できない微量のまたは補助剤以外のシリコーンのみ(例えば、シリコーン処理された流体のUV硬化に関して)を含む。
【0725】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きい、非常に特に好ましくは800~2000秒のBekk平滑度を有する。
【0726】
特に上記で定義された保護層が感熱層上に存在する場合、シリコーン処理された剥離層は、好ましくはこの保護層上に位置付けられる。
【0727】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは拡散層がシリコーン処理された層と下にある層、好ましくは感熱層との間に形成されることを特徴とする。この拡散層は、好ましくは、シリコーン処理された剥離層の少なくとも部分を下にある層の上部領域内に面的に拡散させることによって形成され、好ましくはシリコーン処理された剥離層の5~50重量%、特に好ましくは6~45重量%、特に7~40重量%が下にある層の上部領域内に拡散する。そのような拡散層は、例えばEP 3 221 153 A1に記載されている。
【0728】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは、上述の接着層も存在するときに存在する。
【0729】
感熱層上のシリコーン処理された剥離層の存在およびカラー層が位置付けられていない面でのウェブ様支持材上の接着層の存在は、感熱記録材料が「ライナーレス」感熱記録材料として使用できるという利点を有する。
【0730】
「ライナーレス」という用語は、本発明による(自己接着)感熱記録材料が支持材に付着されずにそれ自体に巻かれることを意味する。これには生産コストをさらに削減することができ、ロール当たりさらに多くのランニングメートルを達成することができ、ライナーの廃棄に関する廃棄努力が不要であり、特定の投入空間体積当たりさらなるラベルを輸送できるという利点がある。
【0731】
シリコーン処理された剥離層が存在する場合、少なくとも1つの小板形状顔料が、感熱層内に、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層内に含有されることが好ましい。
【0732】
少なくとも1つの小板形状顔料は、好ましくは、カオリン、Al(OH)3、および/またはタルクからなる群から選択される。カオリンの使用が特に好ましい。コーティングのカオリンの使用が非常に特に好ましい。そのようなコーティングカオリンは、Kaolin ASP 109(BASF、ドイツ)という商標名で入手可能である。
【0733】
これらの小板形状顔料、特にカオリンの使用は、感熱層、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層を、非常に容易にシリコーン処理できる点が、特に有利である。
【0734】
小板形状顔料は、直径と厚さとの比が約7~約40対1、好ましくは約15~30対1である顔料を意味することが理解される。
【0735】
小板形状顔料の粒径は、好ましくは、粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%が約<2μmの粒径を有するように設定される(セディグラフ)。水性溶液中の小板形状顔料のpH値は、好ましくは6~8である。
【0736】
少なくとも1つの小板形状顔料は、感熱カラー形成層内に、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層内に、それぞれの層の全固形分含量に対して好ましくは約5~約60重量%の量で、特に好ましくは約15~約55重量%の量で存在する。
【0737】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は、好ましくは、シリコーン処理された剥離層が、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサン、特にアクリルポリ(オルガノ)シロキサンを含むことを特徴とする。
【0738】
さらなる実施形態では、シリコーン処理された剥離層は、少なくとも2種のシロキサンの混合物を含む。少なくとも2種のアクリル系ポリ(オルガノ)シロキサンの混合物が好ましい。
【0739】
非常に特に好ましいシロキサンの例は、商標名TEGO(登録商標)RC902およびTEGO(登録商標)RC711(Evonik、ドイツ)で入手可能なシロキサンである。
【0740】
別の実施形態では、感熱記録材料が好ましくは、シリコーン処理された剥離層が、少なくとも1つのシリコーンアクリレートの縮合によって好ましくは形成される少なくとも1つのポリシリコーンアクリレートを含有することを特徴とする。
【0741】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは水を含まない。シリコーン処理された剥離層は、Pt触媒を含有しないことも好ましい。
【0742】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは開始剤を、特に好ましくは光開始剤を含有する。これはシリコーンのラジカル硬化に役立つ。
【0743】
本明細書では、TEGO(登録商標)光開始剤A18(Evonik製、ドイツ)が非常に特に好ましい。
【0744】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくはさらなる添加剤、例えばマット剤および/または接着添加剤を含有していてもよい。
【0745】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは0.1~5.0g/m2の、好ましくは0.3~5.0g/m2の、特に1.0~3.0g/m2または0.2~2.0g/m2の面密度を有する。
【0746】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは0.1~6.0μm、好ましくは0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μm、または0.2~1.5μmの厚さを有する。
【0747】
その疎水特性に起因して、シリコーン処理された剥離層の付着は、アルコールまたは水などの親水性薬剤に対する、感熱記録材料の改善された抵抗特性をもたらす。したがってシリコーン処理された剥離層は、保護層として適切である。
【0748】
上述の層の全ては、単層または多層にすることができる。
【0749】
第4および第5の態様による、本発明による感熱記録材料は、第1の態様と併せて記述された生成方法により得ることができる。
【0750】
本発明はさらに、上述の方法により得ることが可能な感熱記録材料に関する。
【0751】
本発明は、売上げレシートロールとして、接着ラベル(ロール)として、また冷蔵および急速冷凍分野において、およびチケット(ロール)としての、上述の感熱記録材料の使用にも関する。これらは特に、機能面および/または裏面(色、着色、黒/灰色による)を有し、予備印刷することができる。これらのロールは、好ましくは典型的な幅および長さで入手可能である。
【0752】
第6の態様では、本発明は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層、およびカラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている感熱記録材料であって、感熱層が、バイオポリマー、変性バイオポリマー、脂肪、天然ワックス、半合成ワックス、および/または合成ワックスの群から選択される散乱粒子、特に感熱性材料(散乱粒子として)、特に散乱粒子、特に感熱性材料(散乱粒子として)を含有するかまたはそれからなることを特徴とする、感熱記録材料に関する。
【0753】
そのような感熱記録材料は、持続可能な原材料物質が使用される点で、特に区別される。
【0754】
バイオポリマーの適切な例には、天然バイオポリマー、例えばタンパク質、ペプチド、核酸、α-多糖、β-多糖、脂質、ポリヒドロキシアルカヌエート、クチン、スルベリン、および/またはリグニンが含まれる。
【0755】
いわゆるテクニカルバイオポリマー、例えば天然のポリマー、バイオベースのポリマー、および分解性の、石油ベースのポリマーを使用することも可能である。
【0756】
天然ポリマーの例には、再生繊維、例えばビスコースおよびセロファン、およびセルロイド、ならびに熱可塑性デンプンが含まれる。
【0757】
バイオベースのポリマーの例には、ポリラクチド、ポリヒドロキシブチレート、リグニンベースの熱可塑性樹脂、および/またはエポキシアクリレートであって油、特にアマニ油およびパーム油をベースとするものが含まれる。
【0758】
分解性の石油ベースのポリマーの例には、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンスクシネート、ポリカプロラクトン、および/またはポリグリコリドが含まれる。
【0759】
これらは単独でまたは混合物として使用することができる。
【0760】
変性バイオポリマーの適切な例には、セルロースおよび/またはリグニンのエステルが含まれる。これらは単独でまたは混合物として使用することができる。
【0761】
脂肪の適切な例には、例えば、飽和および/または不飽和脂肪酸、例えば酪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ラウロレイン酸、ミルストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、および/またはアラキドン酸をベースとする脂肪が含まれる。
【0762】
天然ワックスの適切な例には、例えば、カルナウバワックス、カンデリラワックス、および/またはモンタンワックスが含まれる。
【0763】
合成ワックスの適切な例には、例えば、(ヒドロ)カーボンワックス、ポリオレフィンワックス、HD-PEワックス、PEワックス、EVAワックス、ポリエステルワックス、ポリエチレングリコールワックス、PTFEワックス、フッ素ワックス、Fischer-Tropschワックス、合成脂肪酸エステル、および/または再構成ワックスが含まれる。これらは単独でまたは混合物として使用することができる。
【0764】
半合成ワックスの適切な例には、例えばステアリン酸アミドワックス、および/またはパルミチン酸アミドワックスが含まれる。これらは単独でまたは混合物として使用することができる。
【0765】
動物性ワックス、植物性ワックス、ミネラルワックス、および/またはマイクロワックスの群からのワックスの使用も考えられる。
【0766】
半合成ワックスの使用は、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0767】
バイオポリマー、変性バイオポリマー、脂肪、天然ワックス、半合成ワックス、および合成ワックスは、単独でまたは混合物として使用することができる。
【0768】
一実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、散乱粒子、好ましくは感熱性材料が、アミドワックス、ステアリン酸アミドワックス、パルミチン酸アミドワックス、またはこれらの組合せから選択されることを特徴とする。
【0769】
そのようなアミドワックスは、好ましい価格-性能比を有するので使用される。
【0770】
一実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、散乱粒子、好ましくは感熱性材料が、感熱層内に、感熱層の全重量に対して5~100重量%、好ましくは40~100重量%、特に好ましくは40~95重量%の量で存在することを特徴とする。
【0771】
一実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、散乱粒子、好ましくは感熱性材料が、30~250℃の範囲、好ましくは40~200℃の範囲の融解温度を有することを特徴とする。
【0772】
250℃より低い融解温度は有利であることが見出され;250℃より上の温度では、、温度-時間ウィンドウがプリンターの仕様外にあるので感熱直接印刷が可能ではない。
【0773】
一実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、散乱粒子、好ましくは感熱性材料が、少なくとも1つのバインダーおよび/または少なくとも1つの顔料を含むことを特徴とする。
【0774】
このバインダーは、好ましくは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーによって構成される。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0775】
部分的にけん化されたまたは半けん化されたポリビニルアルコールは、好ましい価格-性能比を有するので好ましい。
【0776】
バインダーは好ましくは、感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して1~30重量%、好ましくは5~20重量%の量で存在する。
【0777】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは感熱層中に架橋形態で存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0778】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋薬剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマーおよびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0779】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は特に、食品適合性の理由で好ましい。
【0780】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0781】
架橋剤は、カラー層の全固形分含量に対して好ましくは約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0782】
別の好ましい実施形態では、感熱層は顔料を含有する。これらの顔料は、好ましくはカラー層の顔料とは異なる。これらの使用には、とりわけ、それらの表面に感熱印刷プロセスで生成された化学溶融物を固定できるという利点がある。顔料は、感熱層の表面白色度および不透明度ならびに従来の印刷インキによるその印刷可能性を制御するのに使用することもできる。
【0783】
特に適切な顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイト、また有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料でもある。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0784】
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および焼成シリカも、それらの市販の印刷インキによる後続の印刷可能性に関して、感熱記録材料に特に有利な付着特性を可能にするので好ましい。
【0785】
顔料は好ましくは、感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で存在する。
【0786】
感熱層はさらに、カーボンブラック成分および/または染料/カラー顔料を含んでいてもよい。
【0787】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤を感熱カラー形成層に組み込むことができる。これらは好ましくはスチルベンである。
【0788】
感熱層はさらに、無機油吸収白色顔料を含有していてもよい。
【0789】
これらの無機油吸収白色顔料の例には、天然または焼成カオリン、シリカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、特にベーマイト、および/またはこれらの混合物が含まれる。
【0790】
無機油吸収白色顔料は、好ましくは感熱層内に、感熱層の全固形分含量に対して約2~約50重量%の量で、特に好ましくは約5~約20重量%の量で存在する。
【0791】
ある特定のコーティング特性を改善するために、個々の場合にさらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、本発明による感熱記録材料の構成成分に付加することが好ましい。
【0792】
さらなる構成成分は、それぞれ好ましくは、当業者に公知の慣習的な量で存在する。
【0793】
感熱層は好ましくは、1~8g/m2、特に2~6g/m2の面密度を有する。
【0794】
感熱層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0795】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱記録材料が2~14%、好ましくは2~12%、非常に特に好ましくは3~8%の残留水分を有することを特徴とする。5~8%の残留水分が最も好ましい。
【0796】
指定された範囲の残留水分には、印刷後、より良好な可読性などの有利な付着関連特性によって高い相対印刷コントラストがあるという利点がある。
【0797】
残留水分は、実施例と併せて記述されるように決定することができる。
【0798】
感熱層内の不透明度は、散乱粒子、特にポリマー粒子によって発生するだけでなく、散乱粒子、特にポリマー粒子間(開放多孔度)に捕捉された空気によっても発生すると想定される。これらの「細孔」内の水分の侵入は、空気と置き換わり、不透明度を低減させる。これは好ましくないさらに灰色の材料をもたらす可能性がある。
【0799】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱記録材料が35~60%、特に45~50%の表面白色度を有することを特徴とする。
【0800】
表面白色度(紙の白色度)は、Elrepho 3000分光光度計でISO2470-2(2008)により決定することができる。
【0801】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になった位置と感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明にならなかった位置とのコントラストが、40~80%、特に50~70%であることを特徴とする。
【0802】
このコントラストは、バックグラウンドおよびスクリプトの光学密度間の差をとることによって、計算することができる。光学密度(o.D.)の測定は、例えば密度計を用いて行われる。
【0803】
好ましくは支持材は、カラー層が付着された面で20秒より大きい、特に好ましくは30秒より大きい、非常に特に好ましくは50秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0804】
カラー層は好ましくは、感熱層が付着された面で、50秒より大きい、特に好ましくは100秒より大きい、非常に特に好ましくは150秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0805】
感熱層は好ましくは、カラー層が位置付けられていない面上で100秒より大きい、特に好ましくは250秒より大きいBekk平滑度を有する。
【0806】
好ましくは支持材は、カラー層が付着された面で20~400秒、特に好ましくは50~300秒、非常に特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。50~150のBekk平滑度が最も好ましい。
【0807】
カラー層は好ましくは、感熱層が付着された面で50~400秒、特に好ましくは100~250秒、非常に特に好ましくは150~250秒のBekk平滑度を有する。
【0808】
感熱層は好ましくは、カラー層が存在しない面上で100~1000秒、特に好ましくは250~800秒のBekk平滑度を有する。Bekk平滑度は、それぞれの場合にDIN 53107(2016)により決定される。
【0809】
そのような感熱記録材料には、高い動的感度の利点がある。
【0810】
滑らかなウェブ様支持材が既に存在することおよびこの滑らかさを個々のコーティング全体にわたって維持することは、有利である。基材がより滑らかに下から構築されるにつれ、最終平滑度はより良好になり、したがって最終生成物の感度がより良好になる。
【0811】
ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面に、即ちウェブ様支持材が存在しない面上で、下にある場合と少なくとも同様に大きいまたはそれより大きいBekk平滑度を有することが好ましい。
【0812】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面で、即ちウェブ様支持材が存在しない面上で、下にある層と比較して少なくとも5%(パーセンテージの増加)のBekk平滑度を有する。
【0813】
好ましくは、ウェブ様支持材に付着された各層は、その上面で、即ちウェブ様支持材が存在しない面上で、下にある層と比較して少なくとも5%(絶対的増加)のBekk平滑度を有する。
【0814】
ウェブ様支持材は、原則として限定されない。好ましい実施形態では、ウェブ様支持材は、紙、合成紙、および/またはプラスチックフィルムを含む。支持材は好ましくは、30~100g/m2、特に40~80g/m2の面密度を有する。
【0815】
本発明による感熱記録材料のウェブ様支持材は、好ましくは、カラー層を付着することによって達成された少なくとも1つの黒色またはカラー面を含む。「カラー面」という用語は、その面が白または黒以外の色を有することを意味することが理解される。言い換えれば、感熱記録材料は、白ではないように着色された少なくとも1つの面を含む。少なくとも1つの黒またはカラー面が、黒色とも組み合わせていくつかの異なる色を有する実施形態も可能である。
【0816】
ウェブ様支持材の片面の少なくとも1つのカラー層は、好ましくは、カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料を含み、好ましくはバインダーも含むことを特徴とする。
【0817】
顔料および/または染料は、様々な有機および無機顔料、染料、および/またはカーボンブラックを含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0818】
顔料、染料、および/またはカーボンブラックは好ましくは、それぞれカラー層内に、カラー層の全固形分含量に対して2~50重量%、特に好ましくは10~35重量%の量で存在する。
【0819】
好ましいバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルおよび/またはアクリロニトリ-ブタジエンコポリマーである。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0820】
バインダーは好ましくは、カラー層に、カラー層の全固形分含量に対して2~40重量%、特に好ましくは10~30重量%の量で存在する。
【0821】
カラー層は好ましくは、1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0822】
カラー層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0823】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、絶縁層がウェブ様支持材とカラー層との間に存在することを特徴とする。
【0824】
代替の実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、カラー層が同時にカラー層と絶縁層も構成することを特徴とする。
【0825】
そのような絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層および絶縁層でもあり、感熱記録材料を通した熱伝導の低減を引き起こす。これは感熱直接プリンターを用いた局部的な熱の作用を、より効率的にし、より高い感熱プリンター速度を可能にする。カバー層は、導入される熱の量に起因して、より素早く半透明になり、したがって感度が改善される。
【0826】
これは少ない染料しか必要としないことを意味し、その結果、改善されたリサイクル可能性が、材料サイクルに、特に古紙サイクルにもたらされる(より容易な脱インキ可能性、染料および支持材成分の分離)。
【0827】
絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層であり絶縁層でもあり、好ましくは50秒より大きい、好ましくは100秒より大きい、非常に好ましくは100~250秒のBekk平滑度を有する。
【0828】
絶縁層またはカラー層は、同時にカラー層であり絶縁層でもあり、好ましくは断熱材を含む。
【0829】
好ましくは、絶縁層またはカラー層であって同時に絶縁層でもある層を含む感熱記録材料は、絶縁層またはカラー層であって同時に絶縁層でもある層を含まない感熱記録材料より低い熱伝導度を有する。
【0830】
断熱材は好ましくは、カオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびその混合物を含む。
【0831】
断熱材は、中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含んでいてもよい。
【0832】
これらの中空球顔料は、好ましくは、40~80℃のガラス転移温度および/または0.1~2.5μmの平均粒径を有する。
【0833】
断熱材は好ましくは、絶縁層に、絶縁層の全固形分含量に対して約20~約80重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で存在する。
【0834】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層において、断熱材は好ましくは、同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層の全固形分含量に対し、その内部に約30~約70重量%の量で、特に好ましくは約40~約60重量%の量で存在する。
【0835】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは好ましくは、架橋形態で絶縁層および/またはカラー層内に存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0836】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸二水和物(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、およびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0837】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0838】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0839】
架橋剤は好ましくは、絶縁またはカラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0重量%の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0重量%の量で存在する。
【0840】
絶縁層は好ましくは、1~5g/m2、特に2~4g/m2の面密度を有する。
【0841】
絶縁層は好ましくは、1~10μm、特に2~8μmの厚さを有する。
【0842】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは1~10g/m2、特に3~8g/m2の面密度を有する。
【0843】
同時にカラー層であり絶縁層でもあるカラー層は、好ましくは、1~12μm、特に4~8μmの厚さを有する。
【0844】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、デンプン(デンプンコーティング)および/またはその変性物(加工デンプン)を含む層が、ウェブ様支持材の少なくとも片面に直接、好ましくはウェブ様支持材の両面に直接存在することを特徴とする。
【0845】
デンプンコーティングは、好ましくは0.1~3の、特に好ましくは0.2~1.5g/m2の量で付着される。
【0846】
カラー層が存在するウェブ様支持材の面上のデンプンコーティングには、ウェブ様支持材を封止するという利点があり、したがってカラー層の接着が改善されかつウェブ様支持材へのカラー層の侵入が低減または防止される。
【0847】
カラー層を持たないウェブ様支持材の面上のデンプンコーティングには、ウェブ様支持材を通してカラー層が流出するのを低減しまたは防止するという利点がある。
【0848】
デンプンを含む層は、好ましくは、20秒より大きい、特に好ましくは50秒より大きい、非常に特に好ましくは50~200秒のBekk平滑度を有する。
【0849】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、保護層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0850】
保護層は好ましくは、200秒より大きい、特に好ましくは400秒より大きい、非常に特に好ましくは400~1500秒のBekk平滑度を有する。400~1300秒のBekk平滑度が最も好ましい。
【0851】
これはカラー層が存在しない感熱層の面に存在する。
【0852】
この保護層は好ましくは、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0853】
適切なバインダーは、水溶性デンプン、デンプン誘導体、デンプンベースのEcoSphere型バイオラテックス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、部分的にまたは完全にけん化されたポリビニルアルコール、化学変性ポリビニルアルコール、例えばアセトアセチル、ジアセトン、カルボキシ-、シラノール変性ポリビニルアルコール、またはスチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、アクリルアミド(メタ)アクリレートコポリマー、アクリルアミド-アクリレート-メタクリレートターポリマー、ポリアクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および/またはアクリロニトリルブタジエンコポリマーを含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0854】
適切な無機顔料は、合成および天然の両方に由来する無機顔料、好ましくはクレイ、沈降または天然炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、沈降およびヒュームドシリカ(例えば、Aerodisp型)、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトを含むが、有機顔料、例えばスチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーを持つ中空顔料も含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0855】
適切な有機顔料は、スチレン/アクリレートコポリマー壁または尿素/ホルムアルデヒド縮合ポリマーの中空顔料を含む。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0856】
バインダーは好ましくは、保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約40~約90重量%の量で、特に好ましくは約50~約80重量%の量で存在する。
【0857】
顔料は好ましくは、保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約5~約40重量%の量で、特に好ましくは約10~約30重量%の量で存在する。
【0858】
感熱記録材料の特定の付着関連性能特性を達成するために、バインダーは、好ましくは架橋形態で保護層内に存在し、バインダーの最適な架橋度は、架橋剤(crosslinking agent)(架橋剤(crosslinker))の存在下、コーティングプロセスの乾燥ステップで達成される。
【0859】
架橋剤は、場合によりホウ酸塩(ホウ砂)と混合した多価のアルデヒド、例えばグリオキサール、ジアルデヒドデンプン、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸の塩またはエステル、炭酸ジルコニウムアンモニウムをベースとする架橋剤、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)、アジピン酸ジヒドラジド(AHD)、ホウ酸またはその塩、ポリアミン、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒドオリゴマー、環状尿素、メチロール尿素、メラミンホルムアルデヒドオリゴマー、およびその他であってもよい。これらは単独でまたは任意の混合物で使用することができる。
【0860】
炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)は、食品適合性の理由で特に好ましい。
【0861】
自己架橋バインダー、例えば特に変性ポリビニルアルコールまたはアクリレートは、バインダーポリマーに既に構築された反応性の架橋可能な基のおかげで、いかなる架橋剤も全くない状態で架橋を可能にする。
【0862】
架橋剤は好ましくは、カラー層の全固形分含量に対して約0.01~約25.0の量で、特に好ましくは約0.05~約15.0の量で存在する。
【0863】
保護層は、さらに好ましくは、少なくとも1つの潤滑剤または少なくとも1つの剥離剤を含む。
【0864】
これらの薬剤は好ましくは、脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウム、またはベヘン酸塩、合成ワックス、例えば脂肪酸アミドの形をとるもの、例えばステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、例えばステアリン酸メチロールアミド、種々の融点のパラフィンワックス、種々の分子量のエステルワックス、エチレンワックス、種々の硬度のプロピレンワックス、および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックス、またはモンタンワックスでもある。
【0865】
潤滑剤または剥離剤は好ましくは、保護層内に、保護層の全固形分含量に対して約1~約30重量%の量で、特に好ましくは約2~約20重量%の量で存在する。
【0866】
本発明による感熱記録材料の表面白色度を制御するため、蛍光増白剤、好ましくはスチルベンを、保護層に組み込むことができる。
【0867】
保護層は好ましくは、0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0868】
保護層は好ましくは、0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0869】
保護層の使用には、記録材料が、外部の影響に対してさらに良好に保護されるという利点がある。
【0870】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、接着層がウェブ様支持材上で、カラー層が位置付けられていない面に存在することを特徴とする。
【0871】
デンプンコーティングが存在する場合、それはウェブ様支持材と接着層との間にある。
【0872】
接着層は好ましくは、少なくとも1つの接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0873】
特に好ましくは、接着剤、好ましくは熱活性化可能な接着剤、特に感圧接着剤は、ゴムおよび/またはアクリレートベースの接着剤である。
【0874】
接着層は好ましくは、10~40g/m2、特に12~25g/m2の面密度を有する。
【0875】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、シリコーン処理された剥離層が感熱層上に存在することを特徴とする。
【0876】
「シリコーン処理された剥離層」および「シリコーン処理された層」という用語は、「シリコーンの層で覆われること」という意味で同義で理解されよう。好ましくは、これらの層はシリコーンからなり、または少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%、非常に特に好ましくは回避できない微量のまたは補助剤(例えば、シリコーン処理された流体のUV硬化用)を除いてシリコーンのみを含む。
【0877】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、400秒より大きい、特に好ましくは800秒より大きい、非常に特に好ましくは800~2000秒のBekk平滑度を有する。
【0878】
特に上記にて定義された保護層が感熱層上に存在する場合、シリコーン処理された剥離層は好ましくは、この保護層上に位置付けられる。
【0879】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、シリコーン処理された層と下にある層、好ましくは感熱層との間に拡散層が形成されることを特徴とする。この拡散層は好ましくは、シリコーン処理された剥離層の少なくとも部分を下にある層の上部領域内に空間的に拡散させることによって形成され、シリコーン処理された剥離層の好ましくは5~50重量%、特に好ましくは6~45重量%、特に7~40重量%が、下にある層の上部領域内に拡散する。そのような拡散層は、例えばEP 3 221 153 A1に記載されている。
【0880】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、上述の接着層も存在するときに存在する。
【0881】
感熱層上のシリコーン処理された剥離層およびウェブ様支持材上の接着層の、カラー層が位置付けられていない面上での存在には、感熱記録材料を「ライナーレス」感熱記録材料として使用できるという利点がある。
【0882】
「ライナーレス」という用語は、本発明による(自己接着)感熱記録材料が、支持材に付着されずにそれ自体に巻かれることを意味する。これには生産コストをさらに削減することができ、ロール当たりさらに多くのランニングメートルを達成することができ、ライナーの廃棄に関する廃棄努力を必要とせず、特定の投入空間体積当たりさらに多くのラベルを輸送できるという利点がある。
【0883】
シリコーン処理された剥離層が存在する場合、少なくとも1つの小板形状顔料が感熱層内にまたはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層内に含有されることが好ましい。
【0884】
少なくとも1つの小板形状顔料は、好ましくはカオリン、Al(OH)3、および/またはタルクからなる群から選択される。カオリンの使用が特に好ましい。コーティングカオリンの使用が非常に特に好ましい。そのようなコーティングカオリンは、商標名Kaolin ASP 109(BASF、ドイツ)の下で入手可能である。
【0885】
これらの小板形状顔料、特にカオリンの使用には、感熱層、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層を、非常に容易にシリコーン処理することができるという特別な利点がある。
【0886】
小板形状顔料は、直径と厚さとの比が約7~40対1の間、好ましくは約15~30対1の間の顔料を意味することが理解される。
【0887】
小板形状顔料の粒径は、好ましくは、粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%が約<2μmの粒径を有するように設定される(セディグラフ)。水性溶液中の小板形状顔料のpH値は、好ましくは6~8である。
【0888】
少なくとも1つの小板形状顔料は、感熱カラー形成層に、またはシリコーン処理された剥離層の下に直接ある層に、それぞれの層の全固形分含量に対して好ましくは約5~約60重量%の量で、特に好ましくは約15~約55重量%の量で存在する。
【0889】
さらに好ましい実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、シリコーン処理された剥離層が少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサン、特にアクリルポリ(オルガノ)シロキサンを含むことを特徴とする。
【0890】
さらなる実施形態では、シリコーン処理された剥離層は、少なくとも2種のシロキサンの混合物を含む。少なくとも2種のアクリルポリ(オルガノ)シロキサンの混合物が好ましい。
【0891】
非常に特に好ましいシロキサンの例は、商標名TEGO(登録商標)RC902およびTEGO(登録商標)RC711(Evonik、ドイツ)の下で入手可能なシロキサンである。
【0892】
別の実施形態では、感熱記録材料は好ましくは、シリコーン処理された剥離層が、少なくとも1つのシリコーンアクリレートの縮合によって好ましくは形成されたた少なくとも1つのポリシリコーンアクリレートを含有することを特徴とする。
【0893】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは水を含まない。シリコーン処理された剥離層は、Pt触媒を含有しないことも好ましい。
【0894】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは、開始剤、特に好ましくは光開始剤を含有する。これはシリコーンのラジカル硬化に役立つ。
【0895】
本明細書では、TEGO(登録商標)光開始剤A18(Evonik製、ドイツ)が非常に特に好ましい。
【0896】
シリコーン処理された剥離層は、好ましくは、さらなる添加剤、例えばマット剤および/または接着添加剤を含有していてもよい。
【0897】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、0.3~5.0g/m2、特に1.0~3.0g/m2の面密度を有する。
【0898】
シリコーン処理された剥離層は好ましくは、0.3~6.0μm、特に0.5~2.0μmの厚さを有する。
【0899】
上述の層の全ては、単層または多層にすることができる。
【0900】
第6の態様による、本発明による感熱記録材料は、第1の態様と併せて記述される生成方法によって得ることができる。
【0901】
本発明はさらに、上述の方法によって得ることが可能な感熱記録材料に関する。
【0902】
本発明は、売上げレシートロールとして、接着ラベル(ロール)として、また冷蔵および急速冷凍分野において、およびチケット(ロール)としての、上述の感熱記録材料の使用にも関する。これらは特に、機能面および/または裏面(色、着色、黒/灰色による)を有し、予備印刷することができる。これらのロールは、好ましくは典型的な幅および長さで入手可能である。
【0903】
下記において、態様1~6による本発明の特に好ましい実施形態を、さらに詳細に説明する。
【0904】
特に好ましい第1の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料を含む。
【0905】
この第1の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0906】
この第1の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料を、および好ましくはバインダーを含む。
【0907】
この第1の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0908】
特に好ましい第2の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料を含む。
【0909】
この第2の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0910】
この第2の実施形態では、絶縁層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0911】
この第2の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0912】
この第2の実施形態では、感熱層は、上述の実施形態を含む。
【0913】
特に好ましい第3の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層であって同時に絶縁層である層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料を含む。
【0914】
この第3の実施形態では、ウェブ様支持材が紙を含む。
【0915】
この第3の実施形態では、同時に絶縁層であるカラー層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0916】
この第3の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0917】
特に好ましい第4の実施形態は、その両面がデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料を含む。
【0918】
第4の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0919】
この第4の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0920】
この第4の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0921】
特に好ましい第5の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0922】
この第5の実施形態では、ウェブ様支持材料は紙を含む。
【0923】
この第5の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0924】
この第5の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0925】
この第5の実施形態では、保護層は、少なくとも1つのバインダー、および少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0926】
特に好ましい第6の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0927】
この第6の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0928】
この第6の実施形態では、絶縁層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0929】
この第6の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0930】
この第6の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0931】
この第6の実施形態では、保護層は好ましくは、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0932】
特に好ましい第7の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着された、同時に絶縁層であるカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0933】
この第7の実施形態では、ウェブ様支持材が紙を含む。
【0934】
この第7の実施形態では、同時に絶縁層であるカラー層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0935】
この第7の実施形態では、感熱層が上述の実施形態を含む。
【0936】
この第7の実施形態では、保護層は好ましくは、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0937】
特に好ましい第8の実施形態は、その両面にデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層上に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0938】
この第8の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0939】
この第8の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0940】
この第8の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0941】
この第8の実施形態では、保護層は好ましくは、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0942】
特に好ましい第9の実施形態は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面にある接着層および他方の面に付着されたカラー層、カラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0943】
この第9の実施形態では、接着層は、接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0944】
この第9の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0945】
この第9の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0946】
この第9の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0947】
この第9の実施形態では、シリコーン処理された層は、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサンを含む。
【0948】
特に好ましい第10の実施形態は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面にある接着層および他方の面に付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0949】
この第10の実施形態では、接着層は、接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0950】
この第10の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0951】
この第10の実施形態では、絶縁層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0952】
この第10の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0953】
この第10の実施形態では、感熱層は、上述の実施形態を含む。
【0954】
この第10の実施形態では、シリコーン処理された層は、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサンを含む。
【0955】
特に好ましい第11の実施形態は、ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面にある接着層および他方の面に付着された、同時に絶縁層であるカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0956】
この第11の実施形態では、接着層は、接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0957】
この第11の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0958】
この第11の実施形態では、同時に絶縁層であるカラー層は、断熱材、好ましくはカオリン、特に好ましくは焼成カオリン、およびこれらの混合物、または中空球顔料、特にスチレン-アクリレートコポリマーを含む中空球顔料を含む。
【0959】
この第11の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0960】
この第11の実施形態では、シリコーン処理された層が少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサンを含む。
【0961】
特に好ましい第12の実施形態は、両面にデンプンコーティングがあるウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面にある接着剤および他方の面に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0962】
この第12の実施形態では、接着層は、接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0963】
この第12の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0964】
この第12の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0965】
この第12の実施形態では、感熱層が上述の実施形態を含む。
【0966】
この第12の実施形態では、シリコーン処理された層が、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサンを含む。
【0967】
特に好ましい第13の実施形態は、両面にデンプンコーティングがあるウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面にある接着層および他方の面に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されておりかつシリコーン処理された層が前記保護層に付着されている、感熱記録材料を含む。
【0968】
この第13の実施形態では、接着層は、接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤、特に感圧接着剤を含む。
【0969】
この第13の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0970】
この第13の実施形態では、カラー層は、少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0971】
この第13の実施形態では、感熱層は上述の実施形態を含む。
【0972】
この第13の実施形態では、保護層は好ましくは、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの顔料、特に好ましくは無機顔料を含む。
【0973】
この第13の実施形態では、シリコーン処理された層は、少なくとも1つのシロキサン、好ましくはポリ(オルガノ)シロキサンを含む。
【0974】
特に好ましい第14の実施形態は、ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、感熱層のみがワックスを含んでいる、感熱記録材料を含む。
【0975】
この第14の実施形態では、ウェブ様支持材は紙を含む。
【0976】
この第14の実施形態では、カラー層が少なくとも1つの顔料および/または染料、および好ましくはバインダーも含む。
【0977】
感熱層に関する上述の好ましい実施形態1から13で述べられる実施形態は、特に下記の実施形態を含む:
【0978】
感熱層は、ガラス転移温度が-55°~130℃、好ましくは40°~80℃である少なくとも1つのポリマー粒子を含む。
【0979】
感熱層は、コア/ケーシング構造を有する少なくとも1つのポリマー粒子を含み、ポリマー粒子は、(i)ガラス転移温度が40℃~800℃である外側ポリマーシェルを有するポリマー粒子、および(ii)ガラス転移温度が40℃~130℃である内側ポリマーシェルおよびガラス転移温度が-55℃~50℃である外側ポリマーシェルを有し、外側ポリマーシェルのガラス転移温度が好ましくは内側ポリマーシェルの場合より低いものであるポリマー粒子からなる群から選択される。
【0980】
感熱層は、250℃より低い、好ましくは0°~250℃の融解温度を有する少なくとも1つのポリマー粒子を含む。
【0981】
感熱層は、0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも1つのポリマー粒子を含む。
【0982】
さらに好ましい実施形態BAでは、態様1から6の下、上述の本発明による任意の感熱記録材料の感熱層、特に請求項41または請求項85に記載の本発明による下記の感熱記録材料の1つ、即ち:
請求項41によれば、
ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層および、カラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、
感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
感熱層が、10~90重量%の0.1~2.5μmの範囲の平均粒径を有する散乱粒子、特にポリマー粒子、10~80重量%の40~200℃の範囲の融解温度および/または40~200℃の範囲のガラス転移温度を有する感熱性材料、ならびに1~30重量%のバインダーを含むことを特徴とする、感熱記録材料;
請求項85によれば、
ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の1つの面上のカラー層、およびカラー層が少なくとも部分的に覆われるようなカラー層上の感熱層を含み、
感熱層が局部的な熱の作用に起因して半透明になり、その結果下にあるカラー層が目に見えるようになるよう設計されている、感熱記録材料であって、
感熱層が散乱粒子、特に散乱粒子としての感熱性材料、特にバイオポリマー、変性バイオポリマー、脂肪、天然ワックス、半合成ワックス、および/または合成ワックスの群から選択される感熱性材料を含有するかまたはそれからなり、半合成ワックスが好ましいことを特徴とする、感熱記録材料;
は、下記の特徴の少なくとも1つまたは任意の組合せを含む:
- 散乱粒子は好ましくは、下記の特徴の少なくとも1つを含む:
a) 散乱粒子は、60℃~180℃の範囲の融点を有するワックス、特にアミドワックスである;
b) 散乱粒子は脂肪酸、特にステアリン酸および/またはパルミチン酸である;
c) 散乱粒子はポリブチレンスクシネート(PBS)である;
d) 散乱粒子はポリブチレンスクシネート(PBSA)である;
e) 散乱粒子は、感熱層の乾燥質量に対してa)10~<40重量%またはb)40~78重量%、特に44~73重量%の範囲の総量で存在し、さらに好ましくは50~67重量%の範囲の総量で存在し、またはc)>78~90重量%の総量で存在する;
- バインダーは少なくとも1つのポリマーバインダーを含む;
- 感熱層は、少なくとも1つの無機顔料を追加の散乱粒子として含む;
- 感熱層は、実質的に(カラー)現像剤またはロイコ化合物を含まない;
- 好ましくは散乱粒子および追加の散乱粒子の平均粒径が0.1~2.5μmの範囲にある;
- 好ましくは、粒径または粒径分布は、可視光範囲の光を散乱させるのに適しており、したがって使用される材料および成分の光吸収に加え、感熱層による、下にあるカラー層の被覆に寄与する。したがって好ましくは、散乱粒子の平均粒径D(4,3)は0.1~2.5μmの範囲にあり、または散乱粒子の粒径D50は好ましくは0.1~2.5μm、好ましくは0.8~2.0μm、さらに好ましくは1.0~1.8μmの範囲、さらに好ましくは1.2~1.6μmの範囲にある;
- 散乱粒子としてのワックス、特にアミドワックスと、無機顔料との間の量の比は、好ましくは2:8~9:1、好ましくは2.5:7.5~7.5:2.5、さらに好ましくは0.3:0.7~0.7:0.3の範囲の値を有する。高いワックス含量には、動的感度および光学密度(OD773)に対して有益な効果があるが、一部の実施例では、好ましくは6.5:3.5の比で最適に達することができる;
- バインダーは好ましくは、感熱層の乾燥質量に対して1~30重量%、好ましくは2~20重量%、さらに好ましくは4~16.5重量%の範囲の総量で存在する;
- 無機顔料は好ましくは、感熱層の乾燥質量に対して18~50重量%、好ましくは22~45重量%の範囲、特に好ましくは25~39重量%の範囲の総量で存在する;
- アミドワックスは好ましくは、飽和脂肪酸のモノアミドであり、その脂肪酸残基は、14~20個の範囲、好ましくは16~18個の範囲の炭素原子の総数を有し、特に好ましくはアミドワックスはステアラミド(ステアリン酸アミド、オクタデカン酸アミド)である;
- 感熱層の単位面積当たりの乾燥質量は、特に2g/m2~15g/m2の範囲、好ましくは2.5g/m2~12g/m2の範囲、特に好ましくは3g/m2~10g/m2の範囲にある;
- 無機顔料は好ましくは、焼成カオリン、天然カオリン、カオリナイト、ケイ酸マグネシウム水和物、二酸化ケイ素、ベントナイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、特にケイ酸カルシウム水和物、硫酸アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびベーマイトからなる群から選択される;
- 無機顔料は好ましくは、0.2~2.0μm、好ましくは0.8~2.0μm、さらに好ましくは1.0~1.8μmの範囲、さらに好ましくは1.2~1.6μmの範囲の粒径d50を有する;
- 1つまたは複数のポリマーバインダーは好ましくは、デンプン、加工デンプン、ポリビニルアルコール、および/または変性ポリビニルアルコールからなる群から選択される;
- 好ましくは、散乱粒子は脂肪酸であり、特にステアリン酸および/またはパルミチン酸であり、これはおそらくは極性バインダーと、特にポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールと水素結合を形成し、これには意外にも、得られる感熱記録材料の印刷コントラストおよび光学密度に良い影響がある。
【0983】
本発明による感熱記録材料、特に好ましい実施形態BAによるものは、好ましくは、少なくとも1.10±2%、好ましくは少なくとも1.15±2%、特に好ましくは1.20±2%、さらにより好ましくは1.25±2%の光学密度(OD773)を、好ましくは7g/m2未満、好ましくは6g/m2未満、特に好ましくは5g/m2未満、さらにより好ましくは4g/m2未満の感熱層の面密度で有する。これらの良好な、および非常に良好なものから優れた光学密度(OD773)は、特に、前述の特徴および本発明による測定値から、個々にまたは組み合わせて得られる。
【0984】
感熱層を含む、本発明による感熱記録材料は、好ましくは売上げレシート(ロール)、接着ラベル(ロール)、チケット(ロール)、温度インジケーター、証券用紙、入場券、バウチャー、自己接着ラベル、チケット、TITOチケット(チケットイン、チケットアウト)、航空機、列車、船舶、またはバスチケット、駐車券、ラベル、賭け票、現金レシート、銀行取引証明書、医療および/またはテクニカルチャート紙、ファックス用紙、または証券用紙として使用することができる。
【0985】
下記の実施例を用いて、この好ましい実施形態BAを、その範囲を限定することなくさらに詳細に説明する。
【0986】
抄紙機で、面密度が41、42、および58g/m2である、漂白され粉砕された硬材および軟材パルプのペーパーウェブを、通常の量で通常の添加剤を添加しかつ20秒より大きい少なくとも片面のBekk平滑度を持つウェブ様支持材として生成した。
【0987】
その後、染料/カラー顔料としてカーボンブラックを使用する従来のコーティング機で、実施例1から5によるカラー層を、支持材(ペーパーウェブ)の平滑面に付着させ、従来通り乾燥し平滑化し、したがって>100秒のカラー層のBekk平滑度が得られるようにした。
【0988】
感熱層の生成では、2種の懸濁液-ワックス懸濁液および顔料懸濁液-を生成し、次いで下記の表で与えられた比で混合して、必要とされるコーティング組成物を得た。コーティング組成物を、ここではEP 3957489 A1に記載される解決策にしたがって調製した。これから外れると、ワックスおよび顔料の両方は、散乱粒子としておよび追加の散乱粒子として適した粒径分布で存在した。
【0989】
懸濁液の構成成分を、以下の表に示す:
顔料分散体の組成:
構成成分 量[o-乾燥,%] 量[a-乾燥,g]
水 - 53.5
ケイ酸カルシウム水和物 85 117.1
ポリビニルアルコール 15 79.4
合計 100 250.0
ワックス分散体の組成:
構成成分 量[o-乾燥,%] 量[a-乾燥,g]
水 - 0.3
ステアリン酸アミド 85 170.3
ポリビニルアルコール 15 79.4
合計 100 250.0
コーティング組成物の組成:
実施例: 顔料懸濁液の量の占有率/ワックス懸濁液の量の占有率
実施例BA1 70%/30%
実施例BA2 50%/50%
実施例BA3 40%/60%
実施例BA4 30%/70%
【0990】
ケイ酸カルシウム水和物(顔料)とステアリン酸アミド(散乱粒子)との固定比が4:6および3:7である例BA5で、コーティング組成物のポリビニルアルコール(バインダー)割合は、4%~30%の範囲で様々であった。
【0991】
従来のコーティング機を使用して、これらのコーティング組成物を、ローラーブレードコーターを用いてカラー層に付着させて、面密度が3、3.5、4、5、6、および7g/m2の感熱層を生成し、付着しかつ平滑化させた後に従来通り乾燥して、>100秒のBekk平滑度を得た。
【0992】
比較の目的で標準的なコーティングデバイスを使用して、これらのコーティング組成物を、標準的なカーテンコーティングプロセスを用いてカラー層に付着させて、面密度が2、3、3.5、4、5、6、および7g/m2の感熱層を生成し、付着および平滑化後に従来通り乾燥させて、>100秒のBekk平滑度を得、ローラーブレードコーターを用いたコーティングの場合と実質的に同じ結果が達成可能であった。
【0993】
乾燥操作、特に担体材料および層の全て、特に感熱記録層の操作は、感熱記録材料の残留水分が2%~14%の範囲にあるように行った。
【0994】
次いでこれらの値を、章「1)動的カラー密度」および「2)相対印刷コントラスト」の下、事前に記述されたように決定した。さらに動的感度を、章「1)動的色密度」(単位がmJ/mm
2のエネルギー入力に対する光学密度o.d.またはOD)で記述された方法で測定し、この感熱記録材料(細片6cm幅)を、GeBE PrinterLab GPT-10000試験プリンター(会社:GeBH Elektronik und Feinwerktechnik GmbH、ドイツ)を使用して、京セラ印刷バー305dpiで印加電圧24Vで、エネルギー入力を0~16mJ/mm
2の範囲で漸増させながら、感熱印刷し測定した。さらに光学密度(OD773)を、7.73mJ/mm
2のエネルギー入力に関して決定した。理解のため、
図14および対応する記述も参照されたい。
【0995】
特に、実施例BA3からBA5(バインダー含量は20%またはそれより多く)は、7.73mJ/mm2(光学密度、OD773)のエネルギー入力で少なくとも1.15 ODUの優れた光学密度(OD773)を示し、および>7.73mJ/mm2のエネルギー入力で>1.15ODUを示し、さらに、既に経済的で得に環境に優しい3g/m2およびそれより上の感熱層の面密度であった。
【0996】
本発明による感熱性記録材料は、感熱印刷後に少なくとも1.15の光学密度(OD773)を有し、通常の印刷パラメーター(印刷速度、印刷ヘッドの温度、エネルギー入力)を使用する市販の感熱プリンターで使用することができ、同時に、達成されることになる印刷画像の必須要件(印刷画像の可読性またはバーコードの可読性)全てを満たすことができる。
【0997】
さらなる実施例は、a)実施例6または12のような支持材とカラー層との間の絶縁層で、およびb)実施例1から5および7から11のような、同時にカラー層であり絶縁層でもある層で生成し、厳密には実施例BA1からBA5によるこれらの感熱層と共に生成した。
【0998】
このように得られた感熱記録材料は、既に報告されたものと比較して、動的感度においてさらに僅かに改善された結果を示し、エネルギー入力7.73mJ/mm2(光学密度、OD773)では、少なくとも1.20 ODUの優れた光学密度(OD773)、およびエネルギー入力>7.73mJ/mm2では>1.20 ODUであった。
【0999】
さらなる実施例では、使用されるケイ酸カルシウム水和物の量は、炭酸カルシウムによって部分的にまたは完全に置き換わった。このように得られた感熱記録材料は、動的感度において、また相対印刷コントラストおよび光学密度(OD773)においても比較的良好な結果も示した。
【1000】
さらなる実施例では、使用されたステアリン酸アミドの量は、部分的にまたは完全に、ポリブチレンスクシネート(PBS)またはポリブチレンスクシネートアジペート(PBSA)によって、またはPBSおよびPBSAの混合物によって置き換えられた。このように得られた感熱記録材料は、動的感度においてならびに光学密度(OD773)および相対印刷コントラストにおいても、比較的良好な結果も示した。
【1001】
さらなる実施例では、抄紙機において、面密度が41および58g/m2である漂白され粉砕された硬材および軟材パルプのペーパーウェブを、通常の添加剤を通常の量で添加することによりウェブ様支持材として生成し、通常の正面および裏面コーティング(片面または両面にコーティングされたペーパーウェブ)を、特に通常のデンプンベースのプレコート(デンプン層)を設け、少なくとも片面のBekk平滑度が20秒より大きい状態で生成した。これらの正面および裏面コーティングは、さらなる層、例えば絶縁層またはカラー層の付着および接着、または接着層もしくは印刷層の反対側では、例えば広告または情報目的(例えば、「このレシートは環境に優しいです」。)で通常のカラー印刷法による感熱記録材料の裏面印刷としての印刷層を改善する。
【1002】
さらなる実施例では、これらの感熱層には、a)保護層、b)シリコーン処理された剥離層、またはc)保護層およびシリコーン処理された層が、保護層上に設けられる。さらなる実施例では、シリコーン処理された剥離層がこのように設けられた感熱記録材料には、その裏面に接着層が設けられ、さらに処理され市販のロールに巻かれて、例えば食品に直接接触して使用される接着ラベルに用いられ、当然ながら全ての材料、原材料の物質、およびプロセスは、スーパーマーケットの果物および野菜、チーズ、魚、肉、またはソーセージ部門における感熱プリンター接着ラベルとして、事前に相応に証明され承認されることを前提とする。
【1003】
本発明による対策および特徴を考慮することにより、例えばEP 3957489 A1からの公知のコーティング組成物もさらに改善することができ、したがって同様に改善された感熱記録材料を、必要とされる光学密度(最終黒度>1.15およびOD773)および相対印刷コントラストに加えて得ることができ、外部の影響に対して優れた性質も示すことを、さらに示すことができる。したがって本発明による感熱記録材料は、一部の実用的な実施例BAによる、特にBA3からBA5による(測定方法に関して、貯蔵寿命の章を参照)、印刷されていないおよび印刷されていない感熱記録材料の優れた貯蔵寿命も、極端な条件下であっても、例えば夏の暑さでおよび車内に数時間置かれた(Tmax 60℃)感熱プリンターを用いて印刷された駐車券としても示され、この駐車券の印刷画像は非常に容易に読み易いままであり続ける。
【1004】
下記の図では、本発明による例示的な感熱記録材料に関する種々の層構造が概略的に示される。個々の層の組成物は、各層ごとに上述のように定義されると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【1005】
【
図1】ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料。
【1006】
【
図2】ウェブ様支持材、そこに付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料。
【1007】
【
図3】ウェブ様支持材、そこに付着された、同時に絶縁層であるカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料。
【1008】
【
図4】両面にデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有する、感熱記録材料。
【1009】
【
図5】ウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1010】
【
図6】ウェブ様支持材、そこに付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1011】
【
図7】ウェブ様支持材、そこに付着された、同時に絶縁層であるカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1012】
【
図8】両面にデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、そこに付着されたカラー層、およびカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1013】
【
図9】ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面の接着層および他方の面に付着されたカラー層、ならびにカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1014】
【
図10】ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面の接着層および他方の面に付着された絶縁層、絶縁層に付着されたカラー層、ならびにカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1015】
【
図11】ウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面の接着層および他方の面に付着されたカラー層であって同時に絶縁層であるカラー層、ならびにカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1016】
【
図12】両面にデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面の接着層および他方の面に付着されたカラー層、ならびにカラー層上の感熱層を有し、シリコーン処理された層が感熱層に付着されている、感熱記録材料。
【1017】
【
図13】両面にデンプンコーティングを有するウェブ様支持材、ウェブ様支持材の下面の接着層および他方の面に付着されたカラー層、ならびにカラー層上の感熱層を有し、保護層が感熱層に付着されておりかつシリコーン処理された層が前記保護層に付着されている、感熱記録材料。
【1018】
【
図14】感熱記録材料の動的感度の測定であり、支持材は種々のBekk平滑度を有するものである。種々の原紙を有する3種の記録材料の、励起エネルギーEに基づく動的感度(光学密度(ODU))が図示されている:A: 非カレンダー処理、平滑度210Bekk[秒]、B: カレンダー処理、ライン圧力0.5bar、平滑度490Bekk[秒]、C: カレンダー処理、ライン圧力2×10bar、平滑度1276Bekk[秒]。
【発明を実施するための形態】
【1019】
本発明を、いくつかの非限定的な実施例を参照しつつ、以下にさらに詳細に説明する。
【1020】
本発明による感熱記録材料を、表1から6による組成で調製した。
【1021】
全ての実施例で、41または58g/m2の面密度を持つ硬材および軟材パルプで作製された紙基材を、支持材として使用する。
【1022】
全ての言及される密度は、特定の乾燥した層を指す。
【1023】
それぞれの層の配合物の乾燥含量(TG)は、下記のように水を添加することによって調節される:絶縁層(30%)、カラー層(26%)、感熱層(20%)、および保護層(10%)。
【1024】
使用される原料物質は、下記の乾燥含量を持つ分散体としてまたは溶液として用いられる:Ropaque HP-1055(21%)、スチレンブタジエンラテックス(48%)、カーボンブラック(45%)、Ropaque OP-96(30%)、メタホウ酸ナトリウム四水和物(2%)、ステアリン酸アミドワックス(22%)、酸化ケイ素(28%)、ステアリン酸亜鉛(35%)、ポリビニルアルコール(高粘度)(10%)、焼成カオリン(45%)、沈降炭酸カルシウム(58%)、炭酸ジルコニウムアンモニウム(9%)、ポリビニルアルコール(低粘度)(7%)、およびカオリン(75%)。
【1025】
言及される量[重量%]は、炉内乾燥状態(o-乾燥)に関する。
【実施例1】
【1026】
実用的な実施例1において、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターによって同時に、ペーパーコーティング機で900m/分の速度で紙基材に付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、乾燥プロセスを通常の手法で実施する。
【1027】
【1028】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例2】
【1029】
実用的な実施例2では、デンプンプレコート(0.5g/m2)が、抄紙機上で、800m/分の速度でのフィルムプレスによって紙基材の表および裏に付着される。デンプンコーティングされた紙基材には、ブレードコーターによってカラー層が、およびカーテンコーターによって感熱層が、ペーパーコーティング機上で900m/分の速度で付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の、感熱層の表面白色度または紙の白色度などの本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、通常の手法で乾燥プロセスを実施する。
【1030】
【1031】
ある特定のコーティング関連の性質を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で、添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例3】
【1032】
実用的な実施例3では、デンプンプレコート(0.5g/m2)が、抄紙機上で800m/分の速度でのフィルムプレスにより、紙基材の表および裏面に付着される。デンプンコーティングされた紙基材上に、カラー層が、ペーパーコーティング機上、600m/分の速度でブレートコーターにより付着される。感熱層および保護層を、1つずつ連続して、および/または二重カーテンコーターで同時に、ペーパーコーティング機上でカラー層が設けられた、デンプンコーティングされた紙基材に、900m/分の速度で付着させる。各付着後に、乾燥プロセスを、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、通常の手法で実施する。
【1033】
【1034】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成要素は、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加する。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例4】
【1035】
実用的な実施例4では、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターで同時に紙基材に、900m/分の速度で、ペーパーコーティング機上で付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、乾燥プロセスを通常の手法で実施する。
【1036】
【1037】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤が、個々の層に添加される。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計で100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例5】
【1038】
実用的な実施例5では、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティング機上で900m/分の速度で、紙基材に付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で乾燥プロセスを実施する。
【1039】
【1040】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分を、問題の層の重量%が合計で100重量%になるような量で添加する。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例6】
【1041】
実用的な実施例6では、絶縁層(絶縁材層)が、抄紙機上、800m/分の速度で、フィルムプレスによって紙基材に付着される。絶縁層(絶縁材層)が設けられた紙基材上に、カラー層および感熱層が1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターによって同時に、ペーパーコーティング機上で900m/分の速度で付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度および紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、乾燥プロセスを通常の手法で実施する。
【1042】
【1043】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を個々の層に添加する。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【1044】
絶縁/カラー層内の、散乱粒子/ポリマー粒子(例えば、スチレン-アクリレートコポリマー)および無機顔料(例えば、焼成カオリン)の任意の混合物の使用は、カラー層上の感熱層の高い固定度に起因して感熱記録材料の改善されたバーコード可読性に関し、特別な利点を提供することが示された。
【1045】
散乱粒子/ポリマー粒子と無機顔料との間の混合比は、炉内乾燥(o-乾燥)において言及される量[重量%]に対し、好ましくは8:1~1:8の範囲、特に好ましくは4:1~1:4の範囲にある。
【1046】
下記の実施例(実施例7から12)を用い、これらの実施形態を、それらの範囲を限定することなくさらに詳細に説明する。
【実施例7】
【1047】
実用的な実施例7では、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターで同時に、ペーパーコーティング機上、900m/分の速度で紙基材に付着される。各付着後に、乾燥プロセスは、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で実施される。
【1048】
【1049】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を個々の層に添加する。さらなる構成成分を、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加する。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例8】
【1050】
実用的な実施例8では、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティン機上、900m/分の速度で紙基材に付着される。各付着後、乾燥プロセスは、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で実施される。
【1051】
【1052】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤は、個々の層に添加される。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計で100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例9】
【1053】
実用的な実施例9では、カラー層および感熱層は、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティング機上、900m/分の速度で紙基材に付着される。各付着後、乾燥プロセスを、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で実施する。
【1054】
【1055】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計で100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例10】
【1056】
実用的な実施例10では、カラー層および感熱層が、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティング機上、900m/分の速度で紙基材に付着される。各付着後、乾燥プロセスは、コーティンブされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で実施される。
【1057】
【1058】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分を、問題の層の重量%が合計で100重量%になるような量で、添加する。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例11】
【1059】
実用的な実施例11では、カラー層および感熱層を、1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティング機上、900m/分の速度で紙基材に付着させる。各付着後、乾燥プロセスを、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく通常の手法で実施する。
【1060】
【1061】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分は、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加される。対応する量は、当業者に公知である。
【実施例12】
【1062】
実用的な実施例12では、絶縁層は、抄紙機上、800m/分の速度でのフィルムプレスによって紙基材に付着される。絶縁層が設けられた紙基材上に、カラー層および感熱層が1つずつ連続しておよび/または二重カーテンコーターにより同時に、ペーパーコーティング機上、900m/分の速度で付着される。各付着後に、コーティングされた紙基材の感熱層の表面白色度または紙の白色度など、本発明による感熱記録材料の性質に悪影響を及ぼすことなく、乾燥プロセスを通常の手法で実施する。
【1063】
【1064】
ある特定のコーティング関連特性を改善するために、さらなる構成成分、特にレオロジー助剤、例えば増粘剤および/または界面活性剤を、個々の層に添加する。さらなる構成成分を、問題の層の重量%が合計して100重量%になるような量で添加する。対応する量は、当業者に公知である。
【1065】
このように得られた感熱記録材料を、以下に記述するように評価した:
【1066】
1) 動的カラー密度:
感熱記録材料(細片6cm幅)を、GeBE PrinterLab GPT-10000試験プリンター(会社名:GeBE Elektronik und Feinwerktechnik GmbH、ドイツ)を使用して、京セラ印刷バー305dpiで、印加電圧24V、および最大パルス幅0.8msで、碁盤の目状に、予備試験により決定されたエネルギー漸増なしに感熱印刷し、このパルス幅は1.20±0.05の光学密度を達成するように選択されている。印刷パターンの1つの正方形の面積は、80×80ドットに相当する。印刷されたおよび印刷されていない領域の画像密度(光学密度、o.D.)を、X-Rite製のSpectroEye密度計で測定し、それによりo.D.値の測定の不確実性は≦2%と推定される。(方程式2)により計算された%値の散乱は、≦±2パーセンテージポイントである。
【1067】
2) 相対印刷コントラスト:
相対コントラストは、方程式(2)(s=黒色面積、w=白色面積)に従い、感熱印刷領域(oDs)または機械的に処理された領域(摩擦感度試験)の光学密度(oDs)、および非印刷領域の光学密度(oDw)の値を使用して計算した:
【1068】
【1069】
3) 印刷画像の耐性試験
a) 可塑剤の耐性(omniフィルム):
可塑剤含有ラップフィルム(20~25%のアジピン酸ジオクチルを含有するPVCフィルム)を、方法(1)に従い印刷された感熱記録材料の2つの細片に接触させて置き、皺および空気の包含を回避してロール状に巻き、16時間貯蔵した。1つの細片は室温(20~22℃)で貯蔵し、2つめは40℃で貯蔵した。フィルムを剥がした後、印刷されたおよび印刷されていない領域の画像密度(o.D.)を測定し、可塑剤の作用の前に、対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。
【1070】
b) 接着剤に対する耐性:
感熱記録材料の2つの細片を、方法(1)に従い印刷した。透明なTesa自己接着テープ(tesafilm(登録商標)クリスタルクリア、#57315)および別に、一片のTesa包装テープ(#04204)を、皺および空気の包含を回避した状態で、それぞれ1つの細片に接着した。室温(20~22℃)で貯蔵した後、印刷されたおよび印刷されていない領域の画像密度(o.D.)-特定の接着テープを通した-を7日後に測定し、新たにラミネートした試料の対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。
【1071】
c) 疎水性/親水性剤に対する耐性:
方法(1)により印刷された感熱記録材料の各細片上に、それぞれ1滴の/指先のヒマワリ油(Nestle-Thomy 100%純度のヒマワリ油)、ラード(LARU GmbH Schweineschmalz)、ハンドクリーム(ラノリンハンドクリーム)、汗(DIN EN ISO 105-E04に従い生成された)、ミルク(3.5%脂肪)、エタノール(水中に40%)、および水(水道水)を、印刷されたおよび印刷されていない領域に付着させた。30分の曝露時間後、市販のキッチンタオルに短時間接触させることにより薬剤を除去し、紙を室温(20~22℃)で貯蔵した。特定の貯蔵期間(表1参照)後、印刷されたおよび印刷されていない領域の画像密度(o.D.)を測定し、薬剤の作用前に対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。
【1072】
【1073】
本発明により印刷された/印刷されていない感熱記録材料の貯蔵寿命
方法(1)により感熱記録材料の細片を印刷し測定し(o.D.、貯蔵前の画像密度)、感熱記録材料の印刷されていない細片と一緒に、2枚のガラス板の間、60℃、圧力1350N/m2、相対湿度50%、および光がない状態で、4週間の貯蔵に供した。
【1074】
貯蔵および室温まで温度調節した後、印刷していない細片を(1)に従い印刷し(=書込み性能のまま);印刷されたおよび印刷されていない面積を測定し、貯蔵前の印刷された細片の対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。印刷された細片の印刷されたおよび印刷されていない面積も測定し(=画像永続性のまま)、貯蔵前に対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。
【1075】
【1076】
感熱記録材料を自己接着ラベルとして備える。
接着剤の層を、A4シートの裏面に付着させる。
a) 接着剤分散体を、スクイージーを使用して、表面の感熱層(感熱記録材料)を持つA4紙の裏面に付着させ、ホットエアガンを使用して最高70℃で乾燥させる。さらなる処理中の接着層を保護するため、シリコーン処理された剥離層を、空気の包含および皺を回避して接着層上にラミネートする。
【1077】
b) 2枚の剥離紙の間の薄い接着層からなる「接着ライナーサンドイッチ」の存在下、2枚のライナー紙の一方を除去した後、接着層(粘着面)を、空気の包含および皺を回避してA4感熱紙の裏面にラミネートする。
【1078】
ラベルの生成中、接着層が最初に付着され次いで感熱記録層が、接着層を持つ反対側の面に付着させるか否かは無関係である。
【1079】
自己接着ラベルを生成するため、除去可能なアクリレートベースの接着剤(R5000N、会社名:Avery Fasson)を、市販の接着剤として使用した。
【1080】
自己接着ラベルを形成するのにこのように仕上げられた感熱記録材料を、以下に示されるように(表4)試験し/評価した。
【1081】
感熱ラベルの接着剤移行試験
感熱記録材料の細片を、方法(1)に従い印刷し測定し(o.D.、貯蔵前の画像密度)、感熱記録材料の印刷されていない細片と一緒に、2枚のガラス板の間で60℃、圧力1350N/m2、相対湿度50%、および光が存在しない状態で4週間の貯蔵に供した。
【1082】
貯蔵し室温に温度調節した後、印刷されていない細片を(1)に従い印刷し(=書込み性能のまま);印刷されたおよび印刷されていない面積を測定し、貯蔵前に印刷された細片の対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。印刷された細片の印刷されたおよび印刷されていない面積も測定し(=画像永続性のまま)、貯蔵前の対応する画像密度値に関して設定して、式(方程式2)に従い相対印刷コントラストを決定した。
【1083】
【1084】
【1085】
摩擦感度試験を、下部回転および上部軸変位可能支持ディスクであって、3.5kgの釣合い重りによって荷重がかけられかつ共に56.5mmの丸いディスクの形で試験されることになる感熱記録材料用に降伏支持体を備えたものからなる、材料試験機(会社名:Karl Schroder KG、Weinheim)で実施した。機械的荷重は、60秒間にわたって加えた。このように処理された感熱記録材料の摩擦感度を、方程式2に従い相対印刷コントラストを決定することによって評価した。
【1086】
【1087】
実施例0は、使用される配合物の構成成分および量に関して実施例2に該当するが、面密度は37g/m2である。
【1088】
上述の実施例3は、配合物の構成成分および使用される量に関して上述の実施例3(表3)に該当するが、異なるペーパーコーティング機の動作(異なる付着方法)から進行する。
【1089】
平滑度測定は、DIN 53107(2016)に従い行った。
【1090】
厚さ測定は、DIN-EN DIN 534(2011)に従い行った。
【1091】
残留水分(紙の水分)を決定する前に、感熱記録材料を1週間、室温でおよび相対空気湿度30%で貯蔵した。
【1092】
残留水分(紙の水分)を、室温でおよび相対空気湿度30%でアルミニウムシェル(70mm)を使用するPrecisa XM60水分決定測定ユニットの助けを借りて決定した。「標準」は、加熱速度として選択され、最大温度は120℃に設定された。アルミニウムシェルを風袋計量した後、これに対応する紙の試料の0.5~0.7gの紙の試料を設けた。このために、試料を成形しカットして、加熱素子に触れることなくアルミニウムシェル内に配置できるようにした。自動開始モードでは、残留水分の決定は、試料チャンバーが一旦閉じると自動的に開始し;完了したら、残留水分値を読むことができる。
【1093】
【1094】
実施例0は、配合物の構成成分および使用される量に関して実施例2に相当するが、面密度は37g/m2であった。
【1095】
上述の実施例3は、配合物の構成成分および使用される量に関し、上述の実施例3(表3)に相当するが、異なるペーパーコーティング機の動作(異なる付着方法)から進行する。
RF=残留水分、PW=紙の白色度
【1096】
さらに、感熱記録材料の動的感度が決定され、この支持材料は異なる手法でカレンダー処理されたものであり、したがって異なるBekk平滑度を示した。
【1097】
結果を
図14に示すが、励起Eに応じた動的感度(光学密度(ODU))を示している。
【1098】
下記を測定した:
A: カレンダー処理されていない支持材≧平滑度210Bekk[秒]
B: ライン圧力0.5barでカレンダー処理された支持材、平滑度490Bekk[秒]
C: カレンダー処理された支持材、ライン圧力2×10bar、平滑度1276Bekk[秒]
【1099】
動的感度は、Bekk平滑度の増大と共に上昇することがわかる。
【国際調査報告】