(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】手術器具ガイドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 90/00 20160101AFI20240621BHJP
A61B 17/34 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61B90/00
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577227
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 US2022034332
(87)【国際公開番号】W WO2022271691
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506243057
【氏名又は名称】エルエスアイ ソルーションズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サウアー, ジュード エス.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
4C160FF56
4C160MM53
(57)【要約】
手術器具ガイドアセンブリは主ガイド部を含む。主ガイド部は、長手軸に沿って延びるシャフト部と、前記長手軸に沿って延びるボデイ部とを含む。シャフト部の基端は、ボデイ部の先端に配置される。主ガイド部はさらに、第1、第2ルーメンを含む。これら第1、第2ルーメンは、それぞれ基端(ボデイ部の基端に位置する)から先端(シャフト部の先端に位置する)まで、前記長手軸に沿って延びる。シール部が主ガイド部のボデイ部の基端に結合される。シール部は、シール部のシール壁に形成された第1、第2ポートを含む。シール部は、第1位置から第2位置へと選択的に変位可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ガイド部とシール部とを備え、
前記主ガイド部が、長手軸に沿って延びるシャフト部と、前記長手軸に沿って延びるボデイ部と、第1ルーメンと第2ルーメンとを含み、
前記シャフト部の基端はボデイ部の先端またはその近傍に配置され、
前記第1ルーメンは、前記ボデイ部の基端またはその近傍から前記シャフト部の先端またはその近傍まで前記長手軸に沿って延び、
前記第2ルーメンは、前記ボデイ部の基端またはその近傍から前記シャフト部の先端またはその近傍まで前記長手軸に沿って延び、
前記シール部は、前記主ガイド部の前記ボデイ部の基端に結合され、シール壁に形成された第1ポートと第2ポートを有し、
前記シール部は、第1位置から第2位置へと選択的に変位可能であり、
(a)前記第1位置では、前記第1ポートは前記第1ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、前記第2ポートは前記第2ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、これにより、前記第1ポートは第1手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合され、前記第2ポートは第2手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合され、
(b)前記第2位置では、前記第1ポートは前記第1ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、これにより前記第1ポートは前記第1手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合され、前記第2ルーメンの基端は前記第2ポートから離れ、これにより前記第2ルーメンの基端は前記シール部の前記シール壁の内面の一部より閉塞される、
手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項2】
前記シール部は、前記主ガイド部の前記ボデイ部の基端に回転可能に結合され、前記シール部は、前記長手軸と同軸または平行なシール軸の周りで回転する、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項3】
前記シール部は、前記主ガイド部の前記ボデイ部の基端に取り外し可能に結合される、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項4】
前記シャフト部の外面の断面形状は、前記長手軸と平行に見たときに非円形である、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項5】
前記シャフト部の外面の断面形状は、前記シャフト部の前記第1端またはその近傍の第1点から、前記シャフト部の第2端またはその近傍の第2点まで均一である、請求項4に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項6】
前記シャフト部の外面の断面形状は、前記長手軸と交差する第1平面に関して対称であり、前記長手軸と交差しかつ前記第1平面と垂直な第2平面に関して非対称である、請求項4に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項7】
前記シャフト部の外面の断面形状が実質的に洋ナシ形である、請求項6に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項8】
前記シャフト部の前記先端またはその近傍に配置された先端チップをさらに備え、前記先端チップは、前記長手軸と垂直に見たときにカーブが付けられた断面形状を有する、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項9】
前記第1ルーメンの少なくとも一部の断面形状が、前記第2ルーメンの少なくとも一部の断面形状と異なる、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項10】
第1点における前記第1ルーメンの断面形状が、第2点における前記第1ルーメンの断面形状と異なる、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項11】
前記主ガイド部は、前記ボデイ部の基端またはその近傍に配置された接合部をさらに備え、前記接合部は1つ以上の係合フィーチャを含み、この結合フィーチャは、前記シール部の1つ以上の対応する係合フィーチャと係合し、これにより前記シール部を前記ボデイ部の基端に結合する、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項12】
前記接合部の前記1つ以上の係合フィーチャが第1突出部を含み、前記シール部の前記1つ以上の係合フィーチャが第1チャネル部を含み、前記第1チャネル部が前記接合部の前記第1突出部の全部または一部を受け入れるように適合された、請求項11に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項13】
前記接合部の前記1つ以上の係合フィーチャが第2突出部を含み、前記シール部の前記1つ以上の係合フィーチャが第2チャネル部を含み、前記第2チャネル部が前記接合部の前記第2突出部の全部または一部を受け入れるように適合された、請求項12に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項14】
前記主ガイド部は、前記ボデイ部の第1部分から突出する第1流通突起と、前記ボデイ部の第2部分から突出する第2流通突起とをさらに備え、前記第1流通突起は第1流通内面によって画成された第1通路を有し、前記第1通路は前記第1ルーメンと連通しており、前記第2流通突起は第2流通内面によって画成された第2通路を有し、前記第2通路は前記第2ルーメンと連通している、請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項15】
前記第1流通突起は、前記長手軸と垂直な第1流通軸に沿って延び、前記第2流通突起は、前記長手軸と垂直な第2流通軸に沿って延びる、請求項14に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項16】
前記第1流通軸は、前記第2流通軸と平行であるか、または同一直線上にある、請求項15に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項17】
前記第2ポートが前記第2手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるとき、前記第2手術器具の外面と前記シャフト部の内面の少なくとも一部との間にギャップが画成され、前記ギャップが前記第2流通突起の前記第2通路と連通する、請求項14に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項18】
閉塞具をさらに備え、前記閉塞具は、閉塞具長手軸に沿って延びる第1挿入部と、前記閉塞具長手軸に沿って延びる第2挿入部と、前記閉塞具長手軸に沿って延びるハンドル部と、を有し、
前記第1挿入部の基端は前記ハンドル部の先端またはその近傍に配置され、前記第2挿入部の基端は、前記ハンドル部の先端またはその近傍に配置され、
前記第1挿入部は、前記第1ルーメン内に取り外し可能に受け入れられるように適合され、これにより、前記第1挿入部の基端が前記第1ルーメンの基端またはその近傍に位置し、前記第1挿入部の先端が前記第1ルーメンの先端と前記シャフト部の先端を越えて突出するようになっており、
前記第2挿入部は、前記第2ルーメン内に取り外し可能に受け入れられるように適合され、これにより、前記第2挿入部の基端が前記第2ルーメンの基端またはその近傍に位置し、前記第2挿入部の先端が前記第2ルーメンの先端と前記シャフト部の先端を越えて突出するようになっている。請求項1に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項19】
前記第1挿入部の先端はカーブが付けられた第1先導面を有し、前記第2挿入部の先はカーブが付けられた第2先導面を有する、請求項18に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【請求項20】
前記閉塞具の前記第1挿入部が前記閉塞具の前記ハンドル部と一体的に形成され、前記閉塞具の前記第2挿入部が前記閉塞具の前記ハンドル部と一体的に形成されている、請求項18に記載の手術器具ガイドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用装置に関し、より具体的には、手術器具ガイドアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの医療処置に関しては、既存の体内通路を通じて所望の治療領域にアクセスすることにより、開腹手術を回避することができる。このような低侵襲処置では、外科医は複数の手術器具を体内通路に挿入し、各手術器具の先端を、体内通路を介して所望の治療領域まで前進させる必要がある。
【0003】
例えば、経尿道処置では、前立腺、膀胱、または尿道自体に対する処置を行うために、複数の器具を患者の尿道に通して前進させる。特別な例として、尿道狭窄修復処置では、可撓性ファイバースコープ(すなわち、内視鏡)を、尿道を通して前進させて、その先端を所望の治療領域の近くに配置させ、それによって外科医が治療中に所望の治療領域をリモートモニターで観察できるようにする必要がある。通常、シャフトの直径は約 3 mm (0.118インチ) である。可撓性ファイバースコープが所定の位置にある間、外科医は、追加の細長い手術器具(切断器具等)の先端を、尿道を通して前進させ、尿道の狭窄部分を切除する位置に配置することができる。尿道を通って前進する切除器具のシャフトの直径は、約5mm(0.197インチ)である。追加の手術器具を尿道に挿入して、治療領域に洗浄液を供給したり、切除された尿道の部分を除去したりすることもできる。
【0004】
これらの器具の尿道への挿入を簡素化し、挿入および除去中に手術器具の先端によって引き起こされる尿道への損傷を最小限に抑えるために、最初にシースを尿道に挿入し、このシースの先端を所望の治療領域に隣接して配置する。可撓性ファイバースコープの先端は、シースの先端、またはシースの先端に隣接するまで、シース内を前進させることができる。次いで、切除装置の先端を、シースを通して前進させ、狭窄を構成する尿道の部分を切除するように位置決めすることができる。洗浄流体を供給して尿道の一部を除去するための追加の手術器具も、シースを用いて尿道に挿入することができる。しかしながら、必要な手術器具を収容するには、シースの直径を比較的大きくする必要があり、したがって、患者の尿道を損傷したり刺激したりする可能性がある。さらに、典型的なシースは一定の断面形状を有する円筒形であり、処置中に単一の円筒形シースを通して細長い手術器具を前進させるには、手術器具のシャフトをシースの基端に入れるときに大きく曲げる必要があり、手術器具のシャフトを損傷する可能性がある。さらに、手術器具は、挿入または除去中にシース内で接触する可能性があり、それによって敏感な器具が損傷する可能性がある。さらに、治療領域の流体がシースを通って移動し、シースの基端から出て、床または手術室にこぼれる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
手術器具ガイドアセンブリは、主ガイド部を備えている。前記主ガイド部は、長手軸に沿って延びるシャフト部と、前記長手軸に沿って延びるボデイ部と、を含む。前記シャフト部の基端はボデイ部の先端またはその近傍に配置されている。主ガイド部はさらに、第1ルーメンと第2ルーメンとを含む。前記第1ルーメンは、前記ボデイ部の基端またはその近傍から前記シャフト部の先端またはその近傍まで前記長手軸に沿って延び、前記第2ルーメンは、前記ボデイ部の基端またはその近傍から前記シャフト部の先端またはその近傍まで前記長手軸に沿って延びる。手術器具ガイドアッセンブリは、さらにシール部を備えている。前記シール部は、前記主ガイド部の前記ボデイ部に結合され、シール壁に形成された第1ポートと第2ポートを有する。前記シール部は、第1位置から第2位置へと選択的に変位可能である。前記第1位置では、前記第1ポートは前記第1ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、前記第2ポートは前記第2ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、これにより、前記第1ポートは第1手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合され、前記第2ポートは第2手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合される。前記第2位置では、前記第1ポートは前記第1ルーメンの基端と少なくとも部分的に位置合わせされ、これにより前記第1ポートは前記第1手術器具の一部を取り外し可能に受け入れるように適合され、前記第2ルーメンの基端は前記第2ポートから離れ、これにより前記第2ルーメンの基端は前記シール部の前記シール壁の内面の一部より閉塞される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】手術器具ガイドアセンブリの一実施形態の斜視図であり、シール部材が第1位置にある。
【0007】
【0008】
【
図2A】
図1Aの手術器具ガイドアセンブリの実施形態の斜視図であり、シール部材が第2位置にある。
【0009】
【
図2B】
図2Aの手術器具ガイドアセンブリの実施形態の背面図である。
【0010】
【
図3】シール部材が第1位置にある手術器具ガイドアセンブリの第1分解斜視図である。
【0011】
【
図4】手術器具ガイドアセンブリの第2分解斜視図である。
【0012】
【
図5A】手術器具ガイドアセンブリの主ガイド部の側面図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【
図6A】
図5Bにおける切断線6A-6Aに沿った、主ガイド部の断面図である。
【0016】
【
図6B】
図6Aの主ガイド部の断面図におけるボデイ部の詳細図である。
【0017】
【
図7A】
図5Aにおける切断線7A-7Aに沿った、主ガイド部の断面図である。
【0018】
【
図7B】
図5Aにおける切断線7B-7Bに沿った、手術器具ガイドアセンブリの断面図である。
【0019】
【
図8A】手術器具ガイドアセンブリの閉塞具の斜視図である。
【0020】
【0021】
【0022】
【
図8D】主ガイド部に挿入された
図8Aの閉塞具を含む手術器具ガイドアセンブリの側面図である。
【0023】
【
図9A】手術器具ガイドアセンブリのシール部材を正面側から見た斜視図である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【
図10A】第1位置にあるシール部材と、主ガイド部の第1ルーメン内に配置された第1手術器具と、主ガイド部の第2ルーメン内に配置された第2手術器具を有する手術器具ガイドアセンブリを示す側面図である。
【0029】
【
図10B】
図10Aにおける切断線10B-10Bに沿った手術器具ガイドアセンブリの断面図である。
【0030】
【
図11A】主ガイド部の一実施形態の斜視図である。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【
図16A】主ガイド部のアウターシャフト部の側面図である。
【0038】
【0039】
【
図17A】主ガイド部の先端チップの実施形態の斜視図である。
【
図17B】同先端チップを異なる方向から見た斜視図である。
【0040】
【
図18】
図12の主ガイド部の断面図におけるボデイ部の詳細図である。
【0041】
【
図19A】手術器具ガイドアセンブリの閉塞具の一実施形態の斜視図である。
【0042】
【0043】
【
図20A】主ガイド部のボデイ部の一実施形態の正面図である。
【発明の詳細な説明】
【0044】
図5Aに示すように、手術器具ガイドアセンブリ10は主ガイド部11を含む。この主ガイド部11は、長手軸14に沿って延びるシャフト部12と、長手軸14に沿って延びるボデイ部16とを含む。シャフト部12の基端18は、ボデイ部16の先端20またはその近傍に位置している。
図6Aの断面図を参照すると、主ガイド部11は、第1ルーメン(第1管腔;第1口腔)22を含む。この第1ルーメン22は、基端24から先端28まで長手軸14に沿って延びる。第1ルーメン22の基端24は、ボデイ部16の基端26またはその近傍に位置する。第1ルーメン22の先端28は、シャフト部12の先端30またはその近傍に位置する。さらに、主ガイド部11は、第2ルーメン(第1管腔;第1口腔)32を含む。この第2ルーメン32は、基端34から先端36まで長手軸14に沿って延びる。第2ルーメン32の基端34は、ボデイ部16の基端26またはその近傍に位置し、第2ルーメン32の先端36は、シャフト12の先端30又はその近傍に位置する。
図1Aを参照すると、手術器具ガイドアセンブリ10は、主ガイド部11のボデイ部16の基端26に結合する、または結合するように適合されたシール部38をさらに含む。
図1Bに示すように、シール部38は、シール部38のシール壁44に形成された第1ポート40および第2ポート42を含む。シール部38は、第1位置46(
図1Bに示す)から第2位置48(
図2Bに示す)へと選択的に変位可能である。
【0045】
図1A、
図1Bに示す手術器具ガイドアセンブリ10のシール部38の第1位置46では、第1ポート40が第1ルーメン22の基端24(
図6Aに示す)と少なくとも部分的に位置合わせされ、第2ポート42が第2ルーメン32の基端34(
図6Aに示す)と少なくとも部分的に位置合わせされる。第1ポート40は細長い第1手術器具220(
図10Aに示す)の一部を取り外し可能に受け入れ、第2ポート42は細長い第2手術器具224(
図10Aに示す)の一部を取り外し可能に受け入れるようになっている。
図2Bに示す手術器具ガイドアセンブリ10のシール部38の第2位置48では、第1ポート40は、第1ルーメン22の基端24(
図6Aに示す)と少なくとも部分的に位置合わせされ、第1ポート40は細長い第1手術器具220(
図10Aに示す)の一部を取り外し可能に受け入れる。しかし、第2ルーメン32の基端34(
図6Aに示す)は、第2ポート42から離れており、第2ルーメン32の基端34は、シール部38のシール壁44の内面50(
図9Cに示す)の一部によって塞がれている(妨げられている)。
【0046】
このように構成された手術器具ガイドアセンブリ10により、外科医は、第1手術器具220および第2手術器具224を、損傷することなく、容易に挿入し引き抜くことができる。さらに、手術器具ガイドアセンブリ10により、外科医は、第2手術器具224を第2ルーメン32から引き抜きながら、第1手術器具220を第1ルーメン22内の所定位置に維持することができる。第2手術器具224が引き抜かれると、シール部38は第1位置46から第2位置48に容易に変位(例えば、回転)し、シール部38のシール壁44の内面50の一部によって、患者の体内からの流体が第2ルーメン32の基端34から出るのを防ぐことができる(
図9Cに示す)。手術器具ガイドアセンブリ10の追加の機能および態様については、以下でより詳細に説明する。
【0047】
手術器具ガイドアセンブリ10をより詳細に説明する。
図5A、
図5B、
図5Cは、それぞれ、主ガイド部11の側面図、正面図、背面図を示す。
図5Aを参照すると、主ガイド部11は、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延び、シャフト部12を含む。シャフト部12は、基端18から先端30(基端18の反対側にある)まで長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延びる。シャフト部12は、外面52を含むか、または外面52によって画成(または少なくとも部分的に画成)される。この外面52は、シャフト部12の基端18又はその近傍の点から、シャフト部12の先端30又はその近傍の点まで、長手軸14に沿って延びている。外面52は、長手軸14に沿って見たとき、または長手軸14に平行に見たときに、1つ以上の断面形状または形状の組み合わせを有している。ある実施形態では、外面52の断面形状は、
図7Bに示すシャフト12の断面図に示すように、シャフト部12の全長にわたって均一または同一である。すなわち、外面52の断面形状は、シャフト部12の基端18又はその近傍の第1点からシャフト部12の先端30又はその近傍の第2点まで、均一または同一(または実質的に均一または同一)である。他の実施形態では、外面52の断面形状は、シャフト部12の1つ以上の部分の長さにわたって均一または同一であってもよい。例えば、外面52の断面形状は、シャフト部12の基端18から長手方向に離れた第1点から、シャフト部12の先端30又はその近傍の第2点(またはシャフト部12の先端30から長手方向に離れた第2点)まで、均一または同一であってもよい。さらなる例として、外面52の断面形状は、シャフト部12の基端18またはその近傍の第1点から、シャフト部12の先端30から長手方向に離れた第2点まで、均一または同一であってもよい。
【0048】
外面52は、長手軸14に沿って見たとき、または長手軸14と平行に見たときに、適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。ある実施形態では、外面52の断面形状は、シャフト部12の全長または一部に沿って非円形である。
図7Bに示される実施形態等では、外面52の断面形状は、長手軸14を通る(または長手軸14と交差する)第1平面54(例えば、垂直面)に関して、対称または実質的に対称である。外面52の断面形状は、長手軸14を通る(または長手事項14と交差する)とともに第1平面54と直交する第2平面56(例えば、水平面)に関して、非対称または実質的に非対称である。例えば、
図7Bに示すように、外面52の断面形状は、洋ナシ形または実質的に洋ナシ形である。この特定の断面形状により、26未満のフレンチサイズになる。このような断面形状により、シャフト部12の全断面積を最小限にしながら、第1手術器具220を第1ルーメン22内に挿入し、第1手術器具220よりも大径の第2手術器具224を第2ルーメン32内に挿入することができる。シャフト部12の断面積のこの最小化により、手術中のシャフト部12の挿入に関連する体内通路への損傷を、減少させるか最小限に抑えることができる。
【0049】
他の実施形態では、外面52の断面形状は、第1平面54と第2平面56の両方に関して対称または実質的に対称であってもよい。例えば、外面52の断面は、円形または実質的に円形であってもよく、あるいは断面が楕円形であってもよい。さらなる実施形態では、外面52の断面形状は、第1平面54と第2平面56の両方に関して非対称または実質的に非対称であってもよい。
【0050】
図1A、
図2A、
図3、
図4、
図5A、
図5Bに示すように、主ガイド部11はボデイ部16も含む。ボデイ部16は、基端26からこの基端26の反対側の先端20まで
長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14沿って延びる(
図5Aに示す)。シャフト部12の基端18は、ボデイ部16の先端20またはその近傍に配置される。したがって、主ガイド部11は、ボデイ部16の基端26からシャフト部12の先端30ま長手軸14に沿って延びる。ボデイ部16はベース部58を含む。このベース部58は、基端59からボデイ部16の先端20まで延びている。この基端59は、ボデイ部16の基端26から長手方向に離れている。ベース部58の少なくとも一部は、長手軸14に沿って延びる外面60を含むかまたはこの外面60によって画成されている(又は少なくとも部分的に画成されている)。
【0051】
図5Aを参照すると、ベース部58の外面60は、長手軸14に沿って見たとき、または長手軸14に平行に見たときに、1つ以上の断面形状または形状の組み合わせを有している。ある実施形態では、外面60の少なくとも一部に沿った断面形状は非円形であってもよく、
図7Aに示すように、シャフト部12の形状にほぼ対応する形状であってもよい。しかし、外面60の断面形状は、シャフト部12の外面52の断面形状から外側にオフセットしている(すなわち、長手軸14と直交する方向に長手軸14から離れるように径方向にオフセットしている)。これにより、長手軸14に沿って見たときに、ベース部58の外面60の断面形状がシャフト部12の外面52の断面形状を取り囲んでいる。
図5Aに示されるように、ベース部58は、外面60から外側に突出する複数の把持突起62を含む。複数の把持突起62は、手術中に外科医がボデイ部16を把持するのを容易にする。
【0052】
図3、
図4、
図5A、
図5Cに示すように、ボデイ部16はまた、ボデイ部16の基端26又はその近傍に配置された接合部64を含んでいる。ある実施形態では、
図5Aに示されるように、接合部64は、ベース部58の基端59からボデイ部16の基端26まで延びている。接合部64は1つ以上の係合フィーチャ66を含んでおり、この係合フィーチャ66がシール部38の1つ以上の対応する係合フィーチャ68(
図9Cに示す)と係合することにより、シール部38をボデイ部16の基端26に結合する。
【0053】
図6Bに示されるように、接合部64の1つ以上の係合フィーチャ66は、第1張出部分72の外面71から半径方向(すなわち、長手軸14に垂直)または実質的に半径方向に突出した第1突出部70を含む(
図4、
図5A、
図5C参照)。 第1張出部分72の外面71は、ベース部58の基端59から長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14に沿って、近位方向に延びている。第1張出部分72の外面71は、長手軸14に沿って見たときに任意の適切な断面形状を有する。この断面形状は、第1ルーメン22の断面形状にほぼ対応する(
図4および
図7B参照)。
【0054】
図6Bを参照すると、第1突出部70は、頂面74を含むか、またはこの頂面74によって部分的に画成される。頂面74は、基端76から先端78まで長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14に沿って延びている。
図5Cに示すように、頂面74は、長手軸14に沿って見たときに湾曲しているか、または実質的に湾曲していている。ある実施形態では、頂面74は、円の一部分の断面形状を有しており、円の中心点は、長手軸14を通って延びる第1平面54上又は第1平面54に沿って配置されている。ある実施形態では、頂面74(および第1突出部70全体)は、第1平面54に関して対称である。ある実施形態では、円の部分は、シール部38の回転軸(例えば、
図9Dに示シール軸156)と同軸である。
図6Bに示すように長手軸14と垂直に見ると、頂面74の断面形状は、直線または実質的に直線であり、長手軸14と平行または実質的に平行に延びている。
【0055】
図6Bを参照すると、第1突出部70はまた、横断面80を含むか又はこの横断面80によって部分的に画成される。この横断面80は、頂面74の先端78と第1張出部分72の外面71との間に延在する。横断面80は、平面または実質的に平面であり、長手軸14に対して直交または実質的に直交して延在する。したがって、長手軸14と直交する断面で見たときに、横断面80と第1張出部分72の外面71は協働して肩部81を形成する。第1突出部70は、第2横断面82を含むか又はこの第2横断面82によって部分的に画成されている。この第2横断面82は、頂面74の基端76から延在する。第2横断面82は、接合部64の基端面とも呼ばれる。第2横断面82は、平面または実質的に平面であり、長手軸14に対して直交または実質的に直交する方向に延在する。
【0056】
図5Cを参照すると、第1突出部70はさらに、第1側面84と第2側面86をさらに含むか又はこれら側面84,86によって部分的に画成されている。これら側面84,85は、頂面74の両側端から第1張出部分72の外面71まで延在する. 第1側面84と第2側面86は、それぞれ平面であり、長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14沿って延在している。第1側面84と第2側面86の各々は、第1平面54に対して傾斜していており、長手軸14に沿って見たときに、第1側面84と第2側面86の各々は、第1平面54と鋭角をなしている。ある実施形態では、第1側面84と第2側面86は、長手軸14に沿って見たときに、第1平面54に関して対称である。
【0057】
図5Aおよび
図5Cに示すように、接合部64の1以上の係合フィーチャ66は、第2突出部88を含んでいる。
図6Bを参照すると、第2突出部88は、第2張出部分92の外面90から半径方向(長手軸14に直交する方向)に又は実質的に半径方向に突出している。第2張出部分92の外面90は、ベース部58の基端59から長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14に沿って、さらに近位方向に延びている。第2張出部分92の外面90は、長手軸14に沿って見たとき、適切な断面形状を有しており、この断面形状は、
図4、
図7Bに示すように第2ルーメン32の断面形状にほぼ対応している。ある実施形態では、
図5Cに示すように、第2突出部88は、第2平面56または第2平面56と平行な平面に関して、第1突出部70と非対称であってもよい。
【0058】
再び
図6Bを参照すると、第2突出部88は、頂面94を含むか、または頂面94によって部分的に画成される。この頂面94は、基端96から先端98まで長手軸14に沿って又は実質的に長手軸14に沿って延びる。
図5Cに示すように長手軸14に沿って見たとき、頂面94は湾曲または実質的に湾曲している。ある実施形態では、頂面74は、円の一部分(円弧)の断面形状を有しており、円の中心点は、長手軸14を通る第1平面54上に、または第1平面54に沿って配置されている。ある実施形態では、頂面94(および第2突出部88全体)は、第1平面54に関して対称である。ある実施形態では、円の一部分は、シール部38の回転軸(すなわち、
図9Dに示されるシール軸156)と同軸である。
図6Bに示すように、長手軸14と垂直に見たとき、頂面94の断面形状は、直線または実質的に直線であり、長手軸14と平行または実質的に平行に延びる。
【0059】
引き続いて
図6Bを参照すると、第2突出部88はまた、横断面100を含むか、または横断面100によって部分的に画成される。この横断面100は、頂面94の先端98と第2張出部分92の外面90との間に延在する。横断面100は、平面または実質的に平面であり、長手軸14に対して直交するまたは実質的に直交する方向に延在する。したがって、長手軸14と垂直な断面で見たときに、横断面100と第2張出部分92の外面90は、協働して肩部102を形成する。
【0060】
第2突出部88はまた、第2横断面82を含むか、または第2横断面82によって部分的に画成される。この第2横断面82は頂面94の基端96から延在する。
図5Cを参照すると、第2突出部88はさらに、第1側面104と第2側面106を含むか、これら側面104,106によって部分的に画成される。これら側面104,106は、頂面94の両側端から第2張出部分92の外面90まで延在する. 第1側面104と第2側面106のそれぞれは、平面であり、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延びる。第1側面104と第2側面106のそれぞれは、第1平面54に対して傾斜している。長手軸14に沿って見たとき、第1側面104と第2側面106のそれぞれは、第1平面54と鋭角をなしている。ある実施形態では、第1側面104と第2側面106は、長手軸14に沿って見たとき、第1平面54に関して対称である。
【0061】
図6Aを参照すると、主ガイド部11は第1ルーメン22を含んでいる、第1ルーメン22は、基端24(ボデイ部16の基端26またはその近傍に位置する)から先端28(シャフト部12の先端またはその近傍に位置する)まで、長手軸14に沿ってまたは実質的長手軸14に沿って延びる。このように構成されているため、第1ルーメン22の基端24は開いており、第1ルーメン22の先端28も開いている。第1ルーメン22は、シャフト部12の1つ以上の内面及び/又はボデイ部16の1つ以上の内面によって画成される。一実施形態では、第1ルーメン22の第1部分108は、シャフト部12の第1内面110によって画成される。第1部分108は、シャフト部12の基端18からシャフト部12の先端30までシャフト部12の全長にわたって延びる。第1ルーメン22の第1部分108を画成するシャフト部12の第1内面110は、長手軸14に沿って見たときに、適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。例えば、シャフト部12の第1内面110は、シャフト部12の基端18からシャフト部12の先端30まで一定の断面形状を有している。
図7Bに示すように、第1ルーメン22の第1部分108を画成するシャフト部12の第1内面110の断面形状は、非円形であってもよい。より具体的には、第1ルーメン22の第1部分108を画成するシャフト部12の第1内面110の断面形状は、三角形または略三角形であってもよく、三角形の角は丸くまたは丸みを帯びていてもよい。
【0062】
さらに、
図6Aに示されるように、第1ルーメン22の第2部分112は、ボデイ部16の第1内面114によって画成される。第1ルーメン22の第2部分112は、ボデイ部16の先端20からボデイ部16の基端26までボデイ部16の全長にわたって延びる。第1ルーメン22の第2部分を画成するボデイ部16の第1内面114は、長手軸14に沿って見たときに、適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。例えば、
図6Bに示すように、第1内面114は、ボデイ部16の基端26から第1遷移点116まで一定の断面形状を有している。この第1遷移点116はボデイ部16の先端20より基端側にある(
図6A参照)。第1内面114のガイド領域118は、第1遷移点116と第2遷移点120との間で、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延びる(
図6A参照)。この第2遷移点120は、第1遷移点116より先端側にあり、ボデイ16の先端20より基端側に位置している。長手軸14に沿って見たとき、ボデイ部16の第1内面114の断面形状(第1ルーメン22の断面形状に対応する)は、ガイド領域118において均一または一定ではない。ある実施形態では、ボデイ部16の第1内面114の断面形状は、ガイド領域118において、第1遷移点116から第2遷移点120まで徐々に変化する(例えば、狭くなる)。すなわち、
図6Bに示されるように、長手軸14と直交する断面で見ると、頂部121は、直線または実質的に直線であって、第1遷移点116から第2遷移点120まで傾斜している。このような断面で見たとき、第1遷移点116と長手軸14との間の第1距離D1は、第2遷移点120と長手軸14との間の第2距離D2より大きい。
【0063】
長手軸14に沿って見たとき、第2遷移点120での第1内面114の断面形状は、シャフト部12の第1内面110の断面形状と同一または実質的に同一である。そして、ボデイ部16の第1内面114の断面形状は、第2遷移点120からボデイ部16の先端20まで一定または均一である。第2遷移点120からボデイ部16の先端20までのボデイ部16の第1内面114の断面形状は、シャフト部12の基端18からシャフト部12の先端30までのシャフト部12の第1内面110の断面形状と、同一または実質的に同一である。
【0064】
上述のように構成されているので、ガイド領域118は、第1ルーメン22の基端24に挿入される手術器具(
図10Aに示す第1手術器具220等)の先端に接触する漸進的な傾斜面を提供する。第1手術器具220の先端218が前進して第1ルーメン22の第2部分112に入ると、第1手術器具220の先端218は、第1ルーメン22の先端側のより狭い部分(第2遷移点120より先の部分)に導かれる。上記のような漸進的な移行により、第1手術器具220のシャフトの曲げ半径が最小限に抑えられ、より大きな曲げによって生じる可能性のある手術器具への損傷が防止される。このような大きな曲げは、第1手術器具220の先端218が、第1ルーメン22の第1部分108の断面形状を有するルーメンに直接挿入する場合に、特に、長手軸14と平行でない方向から前進させる際に生じるであろう。
【0065】
図5Aに示されるように、主ガイド部11は、ボデイ部16の第1部分124から突出する第1流通突起122を含む。
図6Bを参照すると、第1流通突起122は、ボデイ部16またはその近傍の第1端127から第1端127の反対側の第2端129まで、第1流通軸125に沿って延在する。第1流通軸125は長手軸14に対して平行でなく、ある実施形態では、長手軸14および第1流通軸125の両方に対して垂直に見たとき、第1流通軸125は長手軸14に対して直交または実質的に直交している。
【0066】
第1流通突起122は、第1流通内面128によって画成された第1通路126を有する。第1通路126は、第1流通突起122の第1端127又はその近傍の点から、第1流通突起122の第2端129まで延びる。第1流通突起122の第2端129は開いており、第1通路126は第1ルーメン22と連通している。その結果、第1流通突起122の第2端129で第1通路126に入る流体の全部または一部は、第1流通軸125に沿って第1流通突起122の第1端127に向かって流れ、第1ルーメン22に入る。あるいは、第1ルーメン22から第1流通突起122の第1端127に入る流体の全部または一部は、第1流通軸125に沿って第1流通突起122の開口した第2端129に向かって流れる。第1通路126と第1ルーメン22との交差部が、ボデイ部16の第1内面114の第2遷移点120とガイド領域118より先端側に位置する。
【0067】
第1流通突起122の第2端129は、1以上の取付フィーチャ131(例えば、ルアー型フィッテング)を含む。この取付フィーチャ131は、第1流通突起129の第2端129に、導管、ホース、または当技術分野で知られている他の流体源(図示せず)が結合できるように構成されている。第1流路126は、第1流通軸125に沿って見たときに、任意の断面形状または断面形状の組み合わせを有している。例えば、第1通路126は、第1流通軸125に沿って見たときに、円形または実質的に円形の断面形状を有している。他の実施形態では、第1流路126は、第1流通軸125に沿って見たときに、楕円形の断面形状を有している。
【0068】
図6Aに示すように、主ガイド部11はまた、第2ルーメン32を含んでいる。この第2ルーメン32は、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って、基端34(ボデイ部16の基端26またはその近傍に位置する)から、先端36(シャフト部12の先端30またはその近傍に位置する)まで延びている。このように構成されているため、第2ルーメン32の基端34は開いており、第2ルーメン32の先端36も開いている。第2ルーメン32は、シャフト部12の1つ以上の内面及び/又はボデイ部16の1つ以上の内面によって画成される。一実施形態では、
図6Aに示すように、第2ルーメン32の第1部分132は、シャフト部12の第2内面133によって画成される。第2ルーメン32の第1部分132は、シャフト部12の基端18からシャフト部12の先端30までシャフト部12の全長にわたって延びている。第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133は、長手軸14に沿って見たときに、適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。例えば、シャフト部12の第2内面133は、シャフト部12の基端18からシャフト部12の先端30まで一定の断面形状を有している。
図7Bに示すように、第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133の断面形状は、非円形であってもよい。より具体的には、第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133の断面形状は、正方形または角が丸められた実質的な正方形であってもよい。あるいは、第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133の断面形状は、円形または楕円形であってもよい。ある実施形態では、第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133の断面形状は、第1ルーメン22の第1部分108を画成するシャフト部の第1内面110の断面形状、及び/又は第1ルーメン22の第2部分112を画成するボデイ部16の第1内面114の断面形状と異なっている。
【0069】
さらに、第2ルーメン32の第2部分134は、
図6Aに示すように、ボデイ部16の第2内面136によって画成される。第2ルーメン32の第2部分134は、ボデイ部16の先端20からボデイ部16の基端26まで、ボデイ部16の全長にわたって延びる。 第2ルーメン32の第2部分134を画成するボデイ部16の第2内面136は、長手軸14に沿って見たときに、任意の適切な断面形状または形状の組み合わせを有している。例えば、
図7Aに示すように、第2内面136は、ボデイ部16の基端26からボデイ部16の先端20まで一定の断面形状を有しており、その断面形状は、シャフト部12の第2内面133の内面133と同一である。したがって、第2ルーメン32の断面形状は、第2ルーメン32の基端34から第2ルーメン32の先端36まで一定または均一である。しかし、ある実施形態では、第1ルーメン22に関連して説明したガイド領域118と類似または同一のガイド領域が、第2ルーメン32の第2部分134の1つまたは複数の領域にわたって延在してもよい。
【0070】
第1ルーメン22および第2ルーメン32は、主ガイド部11内において互いに対して任意の適切な位置に配置される。例えば、
図7Bに示すように、第1ルーメン22は、第2平面56の第1側(例えば頂部側または上側)にあり、第2ルーメン32は、第2平面56の第2側(例えば、底部側または下側)にある。このように構成されているため、薄壁135(隔壁としても知られる)は、ボデイ部16の基端26からシャフト部12の先端30まで延びている。薄壁135は、シャフト部12の第1内面110、シャフト部12の第2内面133、ボデイ部16の第1内面114、およびボデイ部16の第2内面136のそれぞれの一部によって、少なくとも部分的に画成される。特に、薄壁135の上面は、シャフト部12の第1内面110とボデイ部16の第1内面114のそれぞれの一部によって少なくとも部分的に画成され、薄肉壁135の下面は、シャフト部12の第2内面133とボデイ部16の第2内面136のそれぞれの一部によって画成される。薄壁135は、ボデイ部16の基端26からシャフト部12の先端30までの全長にわたって均一または同一の形状および厚さを有している。しかしながら、ある実施形態では、薄壁135の形状または厚さは、ボデイ部16の基端26とシャフト部12の先端30との間で変化してもよい。
【0071】
図5Aに示すように、主ガイド部11は、ボデイ部16の第2部分138から突出する第2流通突起130を含む。
図6Bを参照すると、第2流通突起130は、第1端142(ボデイ部16またはボデイ部16の近傍に位置する)から第1端142の反対側の第2端144まで、第2流通軸140に沿って延在する。第2流通軸140は、長手軸14に対して非平行であり、ある実施形態では、第2流通軸140は、長手軸14および第2流れの両方に対して垂直に見たときに、長手軸14に対して垂直または実質的に垂直である。第2流通軸140は、第1流通突起122の第1流通軸125と平行、同軸、またはアライメントしていてもよい。
【0072】
ある実施形態では、第2流通突起130は、第1流通突起122と同一または実質的に同一である。すなわち、第2流通突起130は、第2流通内面148によって画成された第2通路146を有する。第2通路146は、第2流通突起130の第1端142またはその近傍の点から第2流通突起130の第2端144まで延びる。第2流通突起130の第2端144は開いており、第2通路146は第2ルーメン32と連通している。その結果、第2流通突起130の第2端144で第2通路146に入る流体の全部または一部は、第2流通軸140に沿って第2流通突起130の第1端142に向かって流れ、第2ルーメン32に入ることができる。あるいは、第2ルーメン32から第2流通突起130の第1端142に入る流体の全部または一部は、第2流通軸140に沿って第2流通突起130の開放された第2端144に向かって流れるように構成される。第2流通突起130の第2端144は、第1流通突起122に関連して説明した取付フィーチャ131と同じ1つ以上の取付フィーチャ(例えば、ルアータイプのフィッッテイング)を含む。第2流路146は、第2流通軸140に沿って見たときに、任意の形状または断面形状の組み合わせを有する。例えば、第2通路146は、第1流通突起122の第1通路126の断面形状と同一または実質的に同一の断面形状を有している。
【0073】
図1A、
図2A、
図3、
図5A、
図8D、
図10Aに示すように、主ガイド部11は、シャフト部12の先端30またはその近傍に配置された先端チップ150を含む。
図5Aに示すように、先端チップ150は、シャフト部12の患者の体内通路への挿入を容易にするような、なだらかなカーブ付け(contoured)、丸み、または流線形の形状または断面形状を有している。例えば、先端チップ150は、
図6Aに示すように上側リップ部分152を画成する外側エッジ151を含んでいる。この上側リップ部分152は、長手軸14と垂直な断面で見たときに、シャフト部12の先端30の上端153から第1の最大長手方向距離だけ延びている。外側エッジ151は、シャフト部12の先端30の下端154に向かって延びるにつれて湾曲し、基端方向に後退する。先端チップ150は、第1ルーメン22の先端28および第2ルーメン32の先端36を開放し、実質的に障害物とならないような形状および寸法である。
【0074】
主ガイド部11のシャフト部12とボデイ部16は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを用いて、任意の適切な手段によって製造される。例えば、主ガイド部11は、シャフト部12とボデイ部16が単一の一体部品となるように、単一のストック材料から一体的に形成される。このような実施形態では、ボデイ部16の第1流通突起122、ボデイ部16の第2流通突起130、およびボデイ部16の接合部64はすべて、単一の部品としてボデイ部16と一体的に形成される。先端チップ150は、シャフト部12と単一の部品として一体的に形成され、これにより、シャフト部12とボデイ部16が一体的に形成された単一の一体化部品の一部となる。ストック材料は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼)プラスチックなどの任意の適切な材料である。他の実施形態では、シャフト部12とボデイ部16は、またはシャフト部12の一部及び/又はボデイ部16の一部は、複数の別個の部品として形成または製造され、互いに結合または固定することによりシャフト部12とボデイ部16が組み立てられる。シャフト部12及び/又はボデイ部16の別部品のそれぞれの全部または一部に、任意の適切な材料を使用することができる。
【0075】
図1A、
図1B、
図2A、
図2B、
図3、
図4を参照すると、手術器具ガイドアセンブリ10は、主ガイド部11のボデイ部16の基端24に結合された、または結合されるように適合されたシール部38をさらに含む。シール部38は、第1位置46(
図1A、
図1Bに示す)から第2位置48(
図2A図2Bに示す)まで選択的に変位可能であり得る。
図9Aの斜視図と
図9Bの正面図を参照すると、シール部38は、シール部38のシール壁44に形成された第1ポート40と第2ポート42を含む。シール壁44は、 任意の適切な形状または形状の組み合わせを有する。例えば、シール壁44は
図9Dの側断面図に示すように、平坦または実質的に平坦である。
【0076】
第1ポート40は、シール壁44の第1部分に形成された穴または開口である。第1ポート40は、任意の適切な形状またはサイズを有している。シール部38が第1位置46にあるとき、またはある実施形態では、第1位置46と第2位置48の両方にあるときに、第1ポート40は、細長い第1手術器具220(
図10Aに示す)の一部を取り外し可能に受け入れるように構成されている。
図9Bに示すように、第1ポート40は、シール軸156(
図9Dに示す)に沿って見たときに円形または実質的に円形である。シール軸156は、シール部38がボデイ部16に結合されたときに長手軸14と平行または同一直線上となるように構成される。ある実施形態では、第1ポート40を画成する周縁は、ほぼ円形であるが、波形、正弦波、鋸歯状、または不規則なエッジ形状を有してもよい。第1ポート40の直径は、第1ポート40が第1ルーメン22の開放基端24の全部または一部と等しいかそれより大きい(あるいは外側にオフセットされている)。これにより、第1手術器具220の先端218(
図10Aを参照)を、第1ポート40を通して第1ルーメン22の基端24内に挿入することができる。
【0077】
図1Bに示されるように、第1ポート40は、第1ルーメン22の基端24と位置合わせ、または実質的に位置合わせ、または少なくとも部分的に位置合わせされる。特に、長手軸14(またはシール軸156)に沿って見たとき、ボデイ部16の接合部64のどの部分も、第1ポート42を画成する周縁内に直接配置(または周縁内に突出)することができず、第1ルーメン22の基端24へのアクセスを少なくとも部分的に遮断または妨害しない。
【0078】
ここで
図9Dを参照すると、シール軸156は、第1ポート40の軸とアライメントまたは実質的にアライメントされており、これにより、シール部38がシール軸156の周りで第1位置46と第2位置48との間で回転する際、第1ポート40は、第1ルーメン22の開いた基端24に対して位置を変えない。しかしながら、シール部38は、第1ポート42を通って第1ルーメン22内に延びる第1手術器具220の長手軸の周りに回転することができ、したがって、回転軸はシール軸156からオフセットしている。
【0079】
再び
図9Bを参照すると、第2ポート42は、シール壁44の第2部分に形成された穴または開口である。第2ポート42は任意の適切な形状またはサイズを有している。第2ポート42は、シール部38が第1位置46にあるとき、細長い第2手術器具224(
図10Aに示す)の一部を取り外し可能に受け入れるように構成されている。第2ポート42は、シール軸156(
図9Dに示す)に沿って見たときに円形または実質的に円形である。第2ポート42の直径は、第2ポート42が第2ルーメン32の開いた基端34の全部または一部と等しいか大きなサイズを有する(またはこの基端34から外側にオフセットする)ように構成されている。これにより、シール部48が第2位置48にあるとき、第2手術器具224の先端222を、第2ポート42を通って第2ルーメンの基端34内に挿入することができる。ある実施形態では、第2ポート42を画成する周縁は、ほぼ円形であってもよいが、波形、正弦波、鋸歯状、または不規則なエッジ形状を有してもよい。
【0080】
シール部38は、任意の適切な方法で主ガイド部11のボデイ部16の基端24に結合される。例えば、
図1A、
図1B、
図2A、
図2Bに示すように、シール部38は、ボデイ部16の基端24に回転可能に結合される。シール部38は、第1位置46(
図1A、
図1Bに示される)と第2位置48(
図2A、
図2Bに示される)との間でシール軸156を中心に回転することができる。
【0081】
第2位置48では、
図1Bに示すように、第2ポート42は、第2ルーメン32の基端34とアライメントされ、または実質的にアライメントされ、または少なくとも部分的にアライメントされる。特に、長手軸14(またはシール軸156)に沿って見たとき、ボデイ部16の接合部64のどの部分も、少なくとも第2ポート42を画成する周縁内に直接配置(または周縁内に突出)されず、第2ルーメン32の基端34へのアクセスを部分的に遮断または妨害しない。
【0082】
シール部38の背面図および斜視図をそれぞれ示す
図9Cと
図9Eを参照すると、シール部38は、主ガイド部16の接合部64の1つ以上の係合フィーチャ66(
図5A、
図5Cに示す)と係合する1つ以上の係合フィーチャ68を含む。係合フィーチャ66は、シール部38をボデイ部の基端26に結合するために、ボデイ部16の基端26またはその近傍に配置されている。
図9C、
図9Dに示す一実施形態では、シール部38の1つ以上の係合フィーチャ68は、ボデイ部16の接合部64の第1突出部70(
図5A、
図5Cに示す)の全部または一部を受け入れるように適合された第1チャネル部158を含む。すなわち、
図9Dを参照すると、第1チャネル部158は、シール壁44の内面50の一部からシール軸156に平行に延びる壁部分159を含む。リッジ部分160が、壁部分159の端部から内側に(すなわち、シール軸156に向かって)突出し、これによりアンダーカットを形成する。このアンダーカットは、第1突出部70(
図6Bを参照)の横断面80に係合または隣接するように構成され。第1突出部70を第1チャネル部158の一部内に維持する。このように配置すると、リッジ部162の少なくとも一部は、横断面80と第1延長部72の外面71とによって形成される肩部81(
図6Bに示す)内に、または肩部81と対向して配置されることになり、第1突出部70を第1チャネル部158の一部内に維持することができる。
【0083】
壁部分159とリッジ部分160は、接合部64の第1突出部70の全部または一部がシール部38の第1チャネル部158内に配置された状態で、シール部38が第1位置46と第2位置48との間で回転できるような形状および寸法を有している。
図9Cに示すように、リッジ部分160の縁162は円弧を形成しており、前縁162と壁部分159の内面164との間の距離(シール軸156に沿って見たときの距離)は、縁1622の長さに沿って一定または実質的に一定である。さらに、壁部分159の内面164は円筒の一部の形状を有しており、この内面164は第1突出部70の頂面74の形状に対応している(
図5Cに示す)。これにより、接合部64の第1突出部70の全部または一部がシール部38の第1チャネル部158内に配置された状態で、シール部38が第1位置46と第2位置48との間で回転するときに、第1突出部70の頂面74が内面164に係合し、または当接し、または非常に近接する。
【0084】
図9Cから
図9Eに示すように、シール部38の1つ以上の係合フィーチャ68は、第2チャネル部166を含んでいる。この第2チャネル部166は、ボデイ部16の接合部64の第2突出部88(
図5Cに示す)の全部または一部を受け入れるように構成されている。すなわち、
図9Dに示すように、第2チャネル部166は、シール壁44の内面50の一部からシール軸156に平行に延びる壁部分168を含んでいる。リッジ部分170が壁部分168の端部から内側に(すなわち、シール軸156に向かって)突出し、アンダーカットを形成している、このアンダーカットは、第2突出部88の横断面100(
図6Bに示す)に係合または当接し、これにより第2突出部88を第2チャネル部166の一部内に維持する。このように配置すると、リッジ部分170の少なくとも一部は、横断面100および第2延長部92の外面90によって形成される肩部102(
図6Bに示す)内にまたは肩部102に対峙して配置されることになり、第2突出部88を第2チャネル部166の一部内に維持する。
【0085】
壁部分168とリッジ部分170は、接合部64の第2突出部88の全部または一部がシール部38の第2チャネル部166内に配置された状態で、シール部38が第1位置46と第2位置48との間で回転できるような形状および寸法を有している。
図9Cに示すように、リッジ部分170の縁172は円弧形状を有し、シール軸156に沿って見たときの縁172と壁部分168の内面174との間の距離は、縁172の長さに沿って一定または実質的に一定である。さらに、壁部分168の内面174は、円筒の一部の形状を有しており、内面174は、第2突出部88の頂面94(
図5C、
図6B参照)の形状に対応するように構成されている。これにより、接合部64の第2突出部88がシール部38の第2チャネル部166内に配置された状態で、シール部38が第1位置46と第2位置48との間で回転する際に、第2突出部88の頂面94が内面174に係合し、または当接し、または内面174と非常に接近する。
【0086】
図9Cに示すように、第2チャネル部166はまた第1縁部分176と第2縁部分178を含んでいる。これら第1縁部分176と第2縁部分178は、第2突出部88の一部と接触し、これによりシール部38を第1位置46と第2位置48に位置決めしてシール部38が第1位置46および第2位置48を超えてさらに回転するのを防止する。特に、第1縁部分176は、シール部材38を第1位置に配置させるために第2位置48から第1位置46へと回転させるときに、第2突出部88の第1側面104(
図5Cに示す)の一部と接する。
図1Aに示されるように、第1位置46に配置されるとき、突起180などのシール部材38の1つ以上の指標は、凹部182などのボデイ部16の1つ以上の指標と位置合わせされている。同様に、
図9Cを参照すると、第2縁部分178は、シール部材38を第2位置48に配置するためにシール部材38を第1位置46から第2位置48に回転させるときに、第2突出部88の第2側面106(
図5Cに示す)の一部と接する。第2位置48に配置されるとき、
図2Aに示すように、突起180などのシール部材38の1つ以上の指標は、凹部182などのボデイ部16の1つ以上の指標と、位置合わせされていない(またはオフセットされている)。
【0087】
図9C~
図9Eに示すように、追加のフィーチャをシール部材38に配置して、シール部材38に構造的剛性を与え、例えば、望ましくないまたは過剰な変形を生じさせることなくシール部材38を掴んで回転できるようにしてもよい。例えば、
図9Eに示すように、1以上のリブ184が、シール壁44の周縁187からシール軸156に沿って、またはシール軸156にほぼ沿って延びている。1以上のリブ184は、
図9Cに示すように、周部187全周に延在してもよいし、周部187の1以上の部分に延在してもよい。1以上のリブ184は、周縁187から(またはシール壁44の内面50から)均一な距離で延在してもよく、または周縁187からの距離が変化してもよい。ある実施形態では、第1チャネル部158及び/又は第2チャネル部166の全部または一部は、1以上のリブ184の一部と一体化するか、組み込まれるか、または交差してもよい。
【0088】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、シール部38が第2位置48にあるとき、シール部38の第2ポート42は、第2ルーメン32の基端34(
図6Aに図示)と位置合わせされていない。シール部材38の第2位置48では、第2ポート42は、第2ルーメン32の基端34(
図6Aに示す)との位置合わせまたは実質的に位置合わせされた位置から離れるように回転されており、第2ルーメンの基端34は、シール部38のシール壁44の内面50の部分185(
図9Cに示す)と位置合わせされる。このような位置では、
図2Bに概略的に示すように、第2ルーメン32の基端34は、シール部38のシール壁44の内面50の部分185によって部分的または完全に塞がれる。
【0089】
この塞がれた位置では、接合部64の1以上の係合フィーチャ66の第2横断面82(
図6Bに示す)は、シール部38のシール壁44の内面50の部分185(
図9Cに図示)と接するか、または非常に接近した位置にある。これにより、内面50の部分185は、第2ルーメン32の基端34をシールまたは実質的にシールするように作用する。し
たがって、手術中に、第2ルーメン32の先端36(
図6Aに示す)から入った流体が、シール壁44の内面50の部分185により、第2ルーメン32の基端34から流出するのを防止され、または実質的に防止される。この時、シール壁44の内面50の部分185が接合部64の1つ以上の係合フィーチャ66の第2横断面82と封止係合する。付け加えると、シール部38が第2位置48にあるとき、第2ルーメン32の基端34(
図6Aに示す)は、シール壁44の内面50の部分185によって塞がれ、手術器具の先端が第2ルーメン32の基端34に挿入または進入するのを、シール壁44の一部によって禁じられる。
【0090】
シール部38は、任意の適切な数の構成部品から作られ、または製造される。ある実施形態では、シール部38は単一の一体部品として作製される。例えば、シール部38は、プラスチックまたはエラストマー材料から作製され、またはプラスチックまたはエラストマー材料を含むことができる。シール部38は射出成形で製造することができる。シール部38は、弾性または半弾性材料を用いて作製することができ、または弾性または半弾性材料を含むことができる。これにより、ボデイ部16の基端26またはその近傍に配置された接合部64への取り付け(または取り外し)が可能になる。特に、このような弾性または半弾性材料は、接合部64の第1突出部70が第1チャネル部158に受け入れられるときに、リッジ部分160などの第1チャネル部158の1つ以上の部分が撓むかまたは変形することを可能する。これにより、シール部38を接合部64の1つ以上の係合フィーチャ66に固定することができる。同様に、弾性または半弾性材料は、接合部64の第2突出部88が第2チャネル部166内に受け入れられるときに、リッジ部分170などの第2チャネル部166の1つ以上の部分が撓むかまたは変形することを可能にする。これにより、シール部38を接合部64の1つ以上の係合フィーチャ66に固定することができる。当業者であれば、このような弾性材料または半弾性材料から作られるか、またはそれらを含むシール部38は、シール部38を長手軸14に沿って引っ張ることによって接合部64から取り外すことができることを認識するであろう。ある実施形態では、接合部64から引き離しながらシール部38を捩ることにより、接合部64の第1突出部70及び/又は第2突出部88が、シール部38の第1チャネル部158のリッジ部160と第2チャネル部166のリッジ部170の一部を変形させ、それによって係合を解除される。
【0091】
当業者であれば、シール部38がボデイ部16の基端26に取り外し可能に結合されるように、任意の適切な方法でシール部38をボデイ部16の接合部64から外すことができることを認識するであろう。例えば、シール部38が剛性材料から作られる実施形態では、シール部38に1つ以上のフィーチャ(図示されていない鍵穴フィーチャなど)を形成して、シール部38をボデイ部16の接合部64に結合したり、取り外したりすることができる。
【0092】
ある実施形態では、シール部38は、手術器具ガイドアセンブリ10の使い捨て構成要素となるように設計することができる。すなわち、シール部38は、手順に従ってボデイ部16の接合部64から取り外した後に廃棄してもよい。一実施形態では、手術器具ガイドアセンブリ10が出荷または販売のために箱または容器に梱包されるときに、1つ以上のシール部38を主ガイド部11に付けてもよい。1つ以上のシール部38のそれぞれは、密封されたプラスチック袋などの包装体に入れる。あるいは、2つ以上のシール部38を包装体内に収容してもよい。他の任意の適切な包装体を用いてもよい。
【0093】
手術器具ガイドアセンブリ10はまた、閉塞具(オブチュレータ;obturator)186を含むことができる。閉塞具186の斜視図、側面図、正面図が。それぞれ
図8A、
図8B、
図8Cに示されている。
図8Bを参照すると、閉塞具186は、先端190から基端192まで閉塞具の長手軸188に沿ってまたは平行延びる第1挿入部189を含む。さらに閉塞具186は、先端196から基端198まで閉塞具の長手軸188に沿って、または平行に延びる第2挿入部194を含む。閉塞具186は、先端202から基端204まで閉塞具の長手軸188に沿ってまたは平行に延びるハンドル部200をさらに含む。第1挿入部189および第2挿入部194はそれぞれ、ハンドル部200の先端202から閉塞具の長手軸188に沿ってまたは平行に延び、第1挿入部189の基端192は、閉塞具の長手軸188と直交する方向において、第2挿入部194の基端198と位置合わせされている。
【0094】
引き続いて
図8Bを参照すると、第1挿入部189は閉塞具の長手軸188に沿って見たとき、第1挿入部外面193を含む。この第1挿入部外面193は、任意の適切な断面形状またはその組み合わせを有する。例えば、第1挿入部189は、第1挿入部189の基端192から先端190またはその近傍の点まで一定の断面形状を有している。
図8Cの正面図に示すように、第1挿入部189の断面形状は、第1ルーメン22の第1部分108を画成するシャフト部12の第1内面110(
図7Bに示す)の断面形状に対応するか、ほぼ対応している。このように構成されているため、第1挿入部189は、第1ルーメン22内に受け入れられ、
図8Dに示すように、第1挿入部189の先端190が第1ルーメン22の先端28およびシャフト部12の先端30から先方に突出するまで、第1ルーメン22内を前進することができる。
【0095】
再び
図8Bを参照すると、第2挿入部194は第2挿入部外面206を含む。この第2挿入部外面206は、閉塞具長手軸188に沿って見たときに、任意の適切な断面形状またはその組み合わせを有する。例えば、第2挿入部194は、第2挿入部194の基端198から先端196またはその近傍の点まで一定の断面形状を有している。
図8Cに示すように、第2挿入部194の断面形状は、第2ルーメン32の第1部分132を画成するシャフト部12の第2内面133(
図7Bに示す)の断面形状に対応するかほぼ対応する。このように構成されているため、第2挿入部194は、第2ルーメン32内に受け入れられ、
図8Dに示すように、第2挿入部194の先端196が第2ルーメン32の先端36およびシャフト部12の先端30から先方に突出するまで、第2ルーメン32内を前進することができる。第1挿入部189を主ガイド部11の第1ルーメン22に挿入し易くし、第2挿入部194を主ガイド部11の第2ルーメン32に挿入し易くするために、第1挿入部189と第2挿入部194を、閉塞具の長手軸188と垂直な方向に、第1ルーメン22と第2ルーメン32を分離する主ガイド部11の薄壁135(
図7Bを参照)の厚さにほぼ対応する距離だけ、分離している。
【0096】
図8Bおよび
図8Dに示すように、第1挿入部189の先端190は、なだらかなカーブを付けられるか(contoured)、丸められた第1先導面212を有する。同様に、第2挿入部194の先端196は、カーブを付けられるか丸められた第2先導面214を有する。第1先導面212と第2先導面214は協働して、閉塞具186の滑らかにカーブを付けられた、及び/又はほぼ半球状の先導部分216を提供することができる。
【0097】
ハンドル部200は、第1挿入部189と第2挿入部194を連結する任意の構造または構造の組み合わせを含む。使用者はハンドル部200を掴んで第1挿入部189を第1ルーメン22内に挿入し、第2挿入部194を第2ルーメン32内に挿入する。
図8Bに示す実施形態では、ハンドル部200は、第1挿入部189の基端192と一体的に形成される(または結合される)第1部材206を有する。ハンドル部200は、第2挿入部194の基端198と一体的に形成される(または結合される)第2部材208を有する。
第1部材206と第2部材208は、閉塞具の長手軸188に対して垂直または実質的に垂直な方向に第1部材206と第2部材208との間で延在する延在部分210によって結合されている。延在部分210は、第1部材206と第2部材208の一方または両方と一体的に形成されてもよく、または第1部材206および第2部材208の一方または両方に結合されてもよい。第1部材206と第2部材208のそれぞれは、手でハンドル部200を握り易くする複数の隆起部212を含んでいる。複数の隆起部212は、第1部材206および第2部材208のそれぞれに一体的に形成されている。
【0098】
ハンドル部200と第1挿入部189と第2挿入部194はすべて、一体的に形成された単一の一体部品であってもよい。ストック材料は、例えば金属(例えばステンレス鋼)またはプラスチックなどの任意の適切な材料であってよい。しかしながら、ある実施形態では、ハンドル部200、第1挿入部189、および第2挿入部194のいずれかの全部または一部は、1つ以上の構成要素から作製されるか、1つ以上の構成要素を含んでいてもよく、任意の適切な方法で結合される。任意の適切な材料を各構成要素の全部または一部に使用することができる。
【0099】
閉塞具186には、手術器具ガイドアセンブリ10が出荷または販売のために容器に梱包されるときに、主ガイド部11と一緒に梱包され、また、1つ以上のシール部38がオプションで含まれてもよい。閉塞具186は、第1挿入部189が主ガイド部11の第1ルーメン22内に配置され、第2挿入部194が主ガイド部11の第2ルーメン32内に配置された状態で出荷または梱包される。あるいは、閉塞具186は、第1挿入部189と第2挿入部194をそれぞれ第1ルーメン22、第2ルーメン32の外側に配置した状態で出荷または梱包される。他の任意の適切な梱包構成を用いてもよい。
【0100】
閉塞具186を使用するために、外科医(または他の使用者)は、まず、シール部38が主ガイド部11のボデイ部16の基端24に結合されていないことを確認する。次いで、外科医は、ハンドル部200によって閉塞具186を掴み、閉塞具186の長手軸188を、主ガイド部11のボデイ部16およびシャフト部12の長手軸14とアライメントしまたはほぼアライメントする。次に、外科医は、閉塞具186の第1挿入部189の先端190を主ガイド部11の第1ルーメン22の基端24(
図6Aに示す)に挿入し、同時に閉塞具186の第2挿入部194の先端196を主ガイド部11の第2ルーメン32の基端34に挿入する。外科医は、閉塞具186の第1挿入部189の先端190が第1ルーメン22の先端28とシャフト部12の先端30から先方に突出するまで(
図8Dに示す)、閉塞具186の第1挿入部189を第1ルーメン22内で前進させ、第2挿入部194を第2ルーメン32内で前進させる。この時点で、閉塞具186の第2挿入部194の先端196は、第2ルーメン32の先端36とシャフト部12の先端30から先方に突出する。閉塞具186は、延在部分210の先端がボデイ部16の接合部64の一部に当接したとき、さらなる先方への前進を妨げられる。延在部分210が当たる部位は、第2横断面82において第1ルーメン22の基端24と第2ルーメン32の基端34との間に延在する部位(
図5Cに示す)であり、この第2横断面82の部位は薄壁135(
図7Bに示す)に対応する。
【0101】
上述したように閉塞具186を主ガイド部11に挿入した状態で、シャフト部12の先端30を患者の体内通路に挿入し、シャフト部12の先端30を所望の治療領域へと体内通路を前進させる。この挿入中、第1挿入部189の先端190のカーブを付けられた第1先導面212と、第2挿入部189の先端196のカーブを付けられた第2先導面214は、シャフト部12から延びるカーブを付けられた先端チップ10と協働し、体内通路内への前進を円滑にし、前進中に接触する可能性のある組織への損傷を最小限に抑えるかまたは排除する。
【0102】
患者の所望の治療領域で、上記挿入工程を逆にすることによって閉塞具185を主ガイド部11から取り外し、前述したようにシール部38を主ガイド部のボデイ部16の基端26に結合する。治療領域から第2ルーメン32の基端34に流れる内部流体の量を排除または減少させるために、シール部38を
図2A、
図2Bに示す第2位置48に移動させる。
【0103】
次に、内視鏡などの第1手術器具220の先端218をシール部38の第1ポート40に挿入し、第1手術器具220の先端218が第1ルーメン22の先端28とシャフト部12の先端30から先方に突出するまで、第1手術器具220の先端218を第1ルーメン22内で前進させる。第1手術器具220の先端218は、第1手術器具220の先端218が所望の位置に来るまで、前進し続ける。
【0104】
次いで、外科医は、シール部を、
図1A、
図1Bに示す第1位置46へと回転させ、次いで、第2手術器具224の先端222をシール部38の第2ポート42に挿入する。第2手術器具224の先端222は、
図10Aに示すように第2手術器具224の先端222が第2ルーメン32の先端36とシャフト部12の先端30から先方に突出するまで、第2ルーメン32内を前進する。第2手術器具224の先端222は、第2手術器具224の先端222が所望の位置に来るまで、前進し続ける。第2手術器具224は第2ルーメン32内に挿入可能な任意の所望の手術器具とすることができる。例えばLSI Solutions,Inc.(www.lsisolutions.com)製のTi-KNOT(登録商標)装置などである。
【0105】
ある実施形態では、第2手術器具224(または第1手術器具220)は焼灼(アブレーション)装置であってもよく、手術器具ガイドアセンブリ10、300は、例えば、肥大型閉塞性心筋症の手術に用いられる焼灼装置を挿入するためのカニューレとして使用してもよい。このような手術において、または同様の手術において使用するために、主ガイド部11、311の全部または一部は、超音波検査または放射線検査による誘導を容易するコーティング(または取り付け/挿入されたデバイス)を有してもよい。例えば、主ガイド部11、311の全部または一部がエコー源性コーティングを有している。ある実施形態では、主ガイド部11、311のシャフト部12の先端30の全部または一部がエコー源性コーティングなどのコーティング(または取り付け/挿入されたデバイス)を有している。例えば、ガイド部分11のシャフト部12の先端チップ150の全部または一部(
図5Aを参照)は、エコー源性コーティングなどのコーティング(または取り付け/挿入されたデバイス)を有している。さらなる例では、主ガイド部311の先端チップ350の全部または一部(
図11A、
図13に示す)は、エコー源性コーティングなどのコーティング(または取り付け/挿入されたデバイス)を有している。
【0106】
その後、外科医は、第2ルーメン32から第2手術器具224を除去したいと望む。この場合、第2手術器具224を、第2手術器具224の先端222が第2ルーメン32の基端34から出るまで、第2ルーメン32を通して後退させる。次いで、シール部材38を第1位置46から第2位置48まで回転させて、流体が第2ルーメン32の基端34から流出するのを防ぐ。次に、必要に応じて、前述の工程を繰り返すことによって、第2手術器具224を再挿入する。あるいは、前述した第2手術器具224の挿入と同じ方法で、異なる手術器具を第2ルーメン32の基端34に挿入することもできる。
【0107】
第1ポート40は、第1手術器具220が第1ルーメン22内に配置されるように、第1手術器具220を取り外し可能に受け入れるが、
図10Bの断面図に示すように、第1手術器具220の外面226と、シャフト部12の第1内面110の全部(または1つ以上の部分)との間に、1つ以上の第1ギャップ228が第1ルーメン22内に形成されている(存在し、または画成されている)。図示しないが、当業者であれば、第1手術器具220の外面226とボデイ部16の第1内面114の全部(または1つ以上の部分)との間にも、1つ以上の第1ギャップ228が形成される(または存在する)ことを認識するであろう。
【0108】
図6Bを参照すると、灌注流体(例えば、生理食塩水)などの流体供給源(図示せず)は、第1流通突起122(
図6Bに示す)の第2端129で取付フィーチャ131に結合され、流体が第1通路126に導入され、第1流通軸125に沿って第1流通突起122の第1端127に向かって流れ、第1ルーメン22に流入する。流体は、第1ルーメン22に入ると、第1ルーメン22に形成された1つ以上の第1ギャップ228を通って、第1ルーメン22の先端28に向かって流れ、シャフト部12の先端30(
図6Aに示す)で第1ルーメン22の先端28から吐出する。それによって患者の所望の治療領域に流体を提供する。
【0109】
ある実施形態では、シール部材38の第1ポート40は、第1手術器具220の外面226の断面形状を受け入れるような形状と寸法を有している。特に、シール部材38の第1ポート40は、第1手術器具220が第1ルーメン22内に配置された時に。シール部材38の第1ポート40を画成する周縁と第1手術器具220の外面226との間の隙間または漏れ経路を最小化または排除するような形状および寸法である。シール部材38の第1ポート40を画成する周縁と第1手術器具220の外面226との間の隙間または漏れ経路が最小化または排除されると、前述したようにして第1流通突起122の第1通路126に導入された流体は、シール部材38の第1ポート40を画成する周縁と第1手術器具220の外面226との間に隙間または漏れ経路が無いため、第1ルーメン22の基端24に向かって流れてシール部材38の第1ポート40から流出するのを禁じられる(または実質的に禁じられる)。ある実施形態では、異なるサイズまたは形状の第1ポート40を有する異なるシール部材38が、特定の形状および寸法を有する手術器具のために特に製造または提供される。
【0110】
再び
図10Bを参照する。この図は、第2手術器具224が第2ルーメン32内に配置されるように、第2手術器具224を取り外し可能に受け入れる第2ポート42が示されている。第2ルーメン32内には、第2手術器具224の外面230とシャフト部12の第2内面133の全部(または1つ以上の部分)との間に、1つ以上の第2ギャップ232が形成されている(存在しまたは画成されている)。図示されていないが、当業者であれば、第2手術器具224の外面230とボデイ部16の第2内面136の全部(または1つ以上の部分)との間にも、1つ以上の第2ギャップ232が形成される(または存在する)ことを認識するであろう。
【0111】
図6A、
図6Bを参照すると、前述したように患者の所望の治療領域に供給された流体の全部または一部が第2ルーメン32の先端36に入り、第2ルーメン32の基端34に向かって、第2ルーメン32に形成された1つ以上の第2ギャップ232を流れる。流体が第2流通突起130の第2通路146またはその近傍に来た時、流体の一部は第2通路146に入り、第2流通突起130の第2端144に向かって流れ、第2通路146から吐出し、第2流通突起130の第2端144に固定されたホースまたは他の導管に入る。ある実施形態では、患者の所望の治療領域に供給された流体の除去を容易にするために、第2流通突起130の第2端144をバキュームしてもよい。
【0112】
ある実施形態では、シール部材38の第2ポート42は、第2手術器具224の外面230の断面形状を受け入れるような形状および寸法である。特に、シール部材38の第2ポート42は、第2手術器具224が第2ルーメン32内に配置された時に、シール部材38の第2ポート42を画成する周縁と第2手術器具224の外面230との間の隙間または漏れ経路を最小化または排除するような形状および寸法である。シール部材38の第2ポート42を画成する周縁と第2手術器具224の外面230との間の隙間または漏れ経路が最小化または排除されると、前述のように第2ルーメン32の先端36に導入された流体は、シール部材38の第2ポート42を画成する周縁と第2手術器具224の外面230との間に隙間または漏れ経路が無いため、第2ルーメン32の基端34に向かって流れてシール部材38の第2ポート44から流出するのを禁じられる(または実質的に禁じられる)。ある実施形態では、異なるサイズまたは形状の第2ポート42を有する異なるシール部材38が、特定の形状および寸法を有する手術器具のために特に製造または提供される。
【0113】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、第1流通突起122の第2端129から、第1ルーメン22の先端28またはその近傍に位置する患者の所望の治療領域に流体を供給するための「供給経路」が提供される。さらに、この流体の全部または一部を患者の所望の治療領域から第2流通突起130の第2端144まで除去するために、「戻り経路」が提供される。重要なことは、「供給経路」および「戻り経路」は両方とも、第1ルーメン22内に配置された第1手術器具220及び/又は第2ルーメン32内に配置された第2手術器具224とともに動作可能であることである。有利なことに、患者の所望の治療領域への流体のそのような「供給経路」および「戻り経路」を提供するための追加のホースは必要ないので、手術を実行するために必要なすべての器具の全体の断面積を縮小できる。さらに、「供給経路」および「戻り経路」のためのホースまたは導管の取り付けは、第1流通突起122の第2端129および第2流通突起130の第2端144のアクセス可能な配置によって簡素化される。また、「供給経路」及び「戻り経路」は、第1手術器具220及び/又は第2手術器具224が第1ルーメン22又は第2ルーメン32の対応するルーメンに配置されているか否かに拘わらず、それぞれ動作可能である。第2手術器具224が第2ルーメン32内に配置されていない状況では、シール部38が第2位置48(
図2Bに示す)に配置され、流体が第2ルーメン32の基端34から流出するのを防ぐことができる。
【0114】
「供給経路」を第1ルーメン22に関連するものとして説明し、「戻り経路」を第2ルーメン34に関連するものとして説明したが、当業者であれば、「供給経路」を第2ルーメン24と関連付け、「戻り経路」を第1ルーメン22と関連付けることができることを理解するであろう。あるいは、2つの「供給経路」を第1ルーメン22と第2ルーメン34の両方に関連付けることもでき、あるいは2つの「戻り経路」を第1ルーメン22と第2ルーメン34の両方に関連付けることもできる。さらに、「供給経路」は、対応する「戻り経路」なしに、第1ルーメン22および第2ルーメン34のいずれかと関連付けることもできる。 同様に、「戻り経路」は、対応する「供給経路」なしに、第1ルーメン22および第2ルーメン34のいずれかと関連付けることもできる。 ”
【0115】
手術後、シール部材38は廃棄され、主ガイド部11(および選択的に閉塞具186)は、将来の手術で使用するために洗浄および消毒される。主ガイド部11および閉塞具186は、医療グレードの材料から作製することができ、当技術分野で知られている任意の方法によって洗浄、消毒、及び/又は殺菌することができる。
【0116】
当業者であれば、手術器具ガイドアセンブリ10は、主ガイド部11のボデイ部16の基端26に固定されるシール部材38なしで、使用される場合があることを認識するであろう。このような実施形態では、第1手術器具220の先端218は、主ガイド部11の第1ルーメン22の基端24に直接挿入され、第2手術器具224の先端222は、主ガイド部11の第2ルーメン32の基端34に挿入される。直接挿入される。実際、手術器具ガイドアセンブリ10のある実施形態では、主ガイド部11のボデイ部の基端26またはその近傍に配置される接合部64は省略してもよく、ボデイ部16のベース部58は、ボデイ部16の先端20からボデイ部16の基端26まで延びていてもよい。
【0117】
手術器具ガイドアセンブリ12の閉塞具186は、シャフト部12の先端30を患者の体内通路内に前進させるものとして説明したが、閉塞具186は、すべての手術で使用されるわけではなく、当業者であれば、手術器具ガイドアセンブリ10の前述の機能が、閉塞具186が手術に使用したか否かに依存しないことを認識するであろう。
【0118】
図11A、
図11B、
図13、
図15は、それぞれ、手術器具ガイドアセンブリ300の主ガイド部311のさらなる実施形態の斜視図、背面図、側面図、分解図を示す。この主イド部311は、
図1~
図7Bに示す手術器具ガイドアセンブリ10の主ガイド部11と実質的に同様であり、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。しかしながら、主ガイド部311の実施形態は、
図1~
図7Bの手術器具ガイドアセンブリ10の主ガイド部11のような一体の単一部品ではなく、使い捨ての複数部品アセンブリとして提供される。具体的には、主ガイド部311は、ボデイ部316(ハブグリップとも呼ばれる)はシャフト部312に結合される。シャフト部312は、ボデイ部316とは別個の構成要素として、及び/又は別のプロセスで製造される。
【0119】
図12の断面図を参照しながら、手術器具ガイドアセンブリ300をより詳細に説明する。主ガイド部311は、長手軸14に沿って、または実質的に長手軸14に沿って延び、シャフト部312を含む。シャフト部312は、基端318から基端318の反対側の先端330まで、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延びる。シャフト部312は、
図14A、
図14Bの断面図に示すように、インナーシャフト部313を含み。このインナーシャフト部313はアウターシャフト部314の内部に少なくとも部分的に配置されている。再び
図12を参照すると、インナーシャフト部313は、長手軸14に沿って、または実質的に長手軸14に沿って、基端317から基端317の反対側の先端319まで延びている。インナーシャフト部313の基端317は、シャフト部312の基端318またはその近傍に配置され、インナーシャフト部313の先端319は、シャフト部312の先端330またはその近傍に配置される。しかしながら、ある実施形態(図示せず)では、インナーシャフト部313の基端317は、シャフト部312の基端318より先方に配置され、及び/又は、インナーシャフト部313の先端319は、シャフト部312の先端330より基端側(近位側)に配置される。
【0120】
引き続いて
図12を参照すると、インナーシャフト部313は、外面327と1つ以上の内面315を有し、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315は、第1ルーメン22の全部または一部を画成する。特に、第1ルーメン22の第1部分108の全部または一部は、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315の全部または一部によって画成され、第1部分108は、シャフト部312の基端318からシャフト部12の先端330までシャフト部312の全長にわたって延びている。インナーシャフト部313の1つ以上の内面315は、長手軸14に沿って見たときに、任意の適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。例えば、インナーシャフト部313は円筒チューブであり、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315は、シャフト部312の基端318からシャフト部312の先端330まで一定の断面形状を有している。
図14Aの断面図に示すように、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315の断面形状は円形である。しかしながら、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315の断面形状の全部または一部は、非円形であってもよい。
【0121】
インナーシャフト部313の基端317は、ボデイ部16の基端26またはその近傍に配置される。したがって、第1ルーメン22の第1部分108は、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315により完全にまたは実質的に完全に画成される。このようにして、第1ルーメン22の先端28は、インナーシャフト部313の先端319またはその近傍に配置され、第1ルーメン22の基端24は、インナーシャフト部313の基端317にまたはその近傍に配置される。しかしながら、ある実施形態(図示せず)では、インナーシャフト部313の基端317は、ボデイ部16の基端26より先端側に配置され、したがって、第1ルーメン22の第1部分108は、インナーシャフト部313の基端317からインナーシャフト部313の先端319まで延びてもよい。このような実施形態では、第1ルーメン22の第2部分112は、ボデイ部316の第1内面114によって画成することができ、ボデイ部316の基端26からインナーシャフト部313の基端317(またはシャフト部312の基端318)まで、ボデイ部36の長さの一部に沿って延びる。ある実施形態(図示せず)では、ガイド領域118(
図6Aおよび
図6Bを参照)が、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315の一部によって形成される。
【0122】
再び
図12を参照すると、シャフト部312は、基端323から基端323の反対側の先端325まで、長手軸14に沿ってまたは実質的に長手軸14に沿って延びるアウターシャフト部314を含む。インナーシャフト部313の基端317は、アウターシャフト部314の基端323より基端側(近位側)に配置され、インナーシャフト部313の先端319は、外側シャフトの先端325の先方に配置される。しかしながら、インナーシャフト部313の基端317は、アウターシャフト部314の基端323またはその近傍に配置してもよく、及び/又はインナーシャフト部313の先端319は、アウターシャフト部314の先端325またはその近傍に配置してもよい。ある実施形態(図示せず)では、インナーシャフト部313の基端317は、アウターシャフト部314の基端323がシャフト部312の基端318に対応するように、アウターシャフト部314の基端323より先方に配置してもよい。及び/又はインナーシャフト部313の先端319は、アウターシャフト部314の先端325がシャフト部312の先端330に対応するように、アウターシャフト部314の先端325より近位側(手元側)配置してもよい。
【0123】
図12に示すように、アウターシャフト部314は、外面331と1つ以上の内面333を有する。アウターシャフト部314の1つ以上の内面333は、第2ルーメン32の全部または一部を画成する。特に、アウターシャフト部314の1つ以上の内面333の全部または一部は、インナーシャフト部313の外面327の全部または一部と協働して、第2ルーメン32の第1部分132の全部または一部を画成することができる。
【0124】
アウターシャフト部314の1つまたは複数の内面333は、長手軸14に沿って見たときに、任意の適切な断面形状または形状の組み合わせを有する。例えば、アウターシャフト部314の1つまたは複数の内面333は、アウターシャフト部314の基端323からアウターシャフト部314の先端325まで一定の断面形状を有している。
図14A、
図16A、
図16Bの断面図に示すように、アウターシャフト部314の1つ以上の内面333の断面形状は非円形であり、アウターシャフト部314の1つ以上の内面333は、アウターシャフト部314の外面331の断面形状と等しいが僅かに内側にオフセットされる。アウターシャフト部314の外面331の形状は、
図7Bに示される主ガイド部11のシャフト部12の外面52の形状と同一または実質的に同一であってもよい。
図14Aに示す実施形態では、アウターシャフト部314の外面331は、第1半径を有する円のセグメントである第1セグメント331a(すなわち、上部セグメント)と、第1半径よりも大きい第2半径(例えば、第1セグメント331aより5%から80%大きい)を有する円のセグメントである第2セグメント331bを含む。アウターシャフト部314の外面331はまた、第3横セグメント331cを含んでいる。この第3横セグメント331cは、外面331の第1サイドで第1セグメント331aと第2セグメント331bのそれぞれに接する(正接する;tangent)、または実質的に接する。アウターシャフト部314の外面331はまた、第4横セグメント331dを含む。この第4横セグメントは、外面331の第2サイドにおいて、第1セグメント331aと第2セグメント331bのそれぞれに接する。このように構成すると、アウターシャフト部314の外面331の断面形状は、フレンチサイズ(French size)26または26未満となる。前に説明したように、このような断面形状はシャフト部312の断面積を最小限に抑え、その結果、手術にシャフト部312の挿入に関連する体内通路への損傷を減少させることができる。
【0125】
再び
図12を参照すると、アウターシャフト部314の基端323は、ボデイ部316の基端26より先方に配置される。第2ルーメン32の第1部分132は、アウターシャフト部314の基端323からアウターシャフト部314の先端325まで延びる。第2ルーメン32の第1部分132は、アウターシャフト部314の1つまたは複数の内面333と、インナーシャフト部313の外面327の一部によって完全にまたは実質的に完全に画成される。このようにして、第2ルーメン32の先端32は、アウターシャフト部314の先端325またはその近傍に配置される。このような実施形態では、第2ルーメン32の第2部分134は、ボデイ部316の第2内面136によって画成され、この第2内面136は、ボデイ部316の基端26からアウターシャフト部314の基端323まで(またはシャフト部312の基端318まで)、ボデイ部316の長さの一部に沿って延びる。
図18に示すように、ボデイ部316は、アウターシャフト部314の基端323を受け入れるための1つ以上の凹部336を含む。これにより、アウターシャフト部314の基端323は、1つ以上の凹部336を超えて長手方向に変位するのを防止される。
【0126】
ボデイ部316は、任意の適切な方法でシャフト部312に結合される。一実施形態では、ボデイ部316は、シャフト部312の基端318がボデイ部316に対して所望の位置に位置決めされた後に組み立てられる2つ以上の構成要素のアセンブリである。別の実施形態では、ボデイ部316は単一の一体部品であり、シャフト部312の基端318がボデイ部316の先端20に挿入される。このような実施形態では、1つ以上の開口がシャフト部312に形成される(インナーシャフト部313とアウターシャフト部314の一方または両方に形成される)。1つ以上の開口のそれぞれは、ボデイ部316内に形成された隆起フィーチャまたは突起などを受け入れるか、またはそれらと相互作用し、シャフト部312をボデイ部316に固定、または解放可能に固定する。
【0127】
例えば、
図18に示すように、アウターシャフト部314は、1つ以上の基端側ロック開口337を有してもよい。この開口337は、アウターシャフト部314が適切に位置決めされたときに、ボデイ部316に形成された対応する突出フィーチャ339と位置合わせしてこれを受け入れ、アウターシャフト部314をボデイ部316に固定する。ボデイ部316に形成された突出フィーチャ339は、長手軸14に対して垂直に、第2ルーメン32に向かって、またはその中に突出する。突出フィーチャ339のそれぞれは、第2通路146が第2ルーメン32に入る第2流通突起130の第1端142に、またはその周囲に、またはその近傍に配置される。1つ以上の突出フィーチャ339は、片持ち梁であり、アウターシャフト部314がボデイ部316に結合されるときに(すなわち、外側シャフトの基端323がボデイ部316の先端20に挿入されるときに)、長手軸14から離れる方向に変形する。
【0128】
さらに、
図15に示すように、アウターシャフト部314は第1上部開口334を有し、この第1上部開口334は、インナーシャフト部313がアウターシャフト部314内に配置されるときに、インナーシャフト部313の第1上部開口335と位置合わせされる。
図18を参照すると、環状リッジ336は、第1通路126が第1ルーメン22に入る第1流通突起122の第1端127の周囲またはその付近に突出する。したがって、インナーシャフト部313およびアウターシャフト部314がボデイ部316内に適切に位置決めされると、環状リッジ336がインナーシャフト部313の第1上部開口335の周囲にシールを形成する。これにより、インナーシャフト部313、アウターシャフト部314、及び/又はボデイ部316の間の隙間に流体が漏れるのを防止できる。
【0129】
図11Aおよび
図13に示すように、主ガイド部311は、シャフト部12の先端30またはその近傍に配置される先端チップ350を含んでいる。この先端チップ350は、
図5Aに示す実施形態の主ガイド部11の先端チップ150と同一または実質的に同一であってもよい。しかしながら、
図5Aに示すようにシャフト部12の先端30に一体に形成する代わりに、
図13に示すように主ガイド部311の先端チップ350は、別個の構成要素または部品として、シャフト部312の先端330に固定してもよい。先端チップ350の様々な図が
図17A~
図17Eに提供されている。
【0130】
図13を参照すると、先端チップ350は、長手軸14に対して垂直の断面で見たとき(
図12参照)、上側リップ部分352を画成する外側エッジ351を含む。この上側リップ部分352は、シャフト部312の先端330の上端353から第1最大長手方向距離だけ延びる。外側エッジ351は、シャフト部312の先端330の下端354に向かって延びるにつれて、湾曲して基端側に後退する。先端チップ350は、第1ルーメン22の先端28および第2ルーメン32の先端36を開放し、実質的に障害物とならないような形状および寸法である。
【0131】
図17Aに示すように、先端チップ350は、基端側開口355を有している。この基端側開口355は、シャフト部312の先端330を受け入れて先端チップ350をシャフト部312の先端330に固定するように構成されている。より具体的には、インナーシャフト部313の先端319は、インナーシャフト凹部356内に受け入れられる。このインナーシャフト凹部は、インナーシャフト部313の先端319におけるインナーシャフト部313の外面327の形状に対応するが、わずかにオフセットした形状を有する。インナーシャフト凹部356は、先端チップ部350の長手方向の長さにわたって延び、インナーシャフト凹部356の基端と先端の両方が開いている。このように構成されているので、
図12に示すように、インナーシャフト部313の先端319は、インナーシャフト凹部356内にきつく嵌合し、これにより、インナーシャフト部313を先端チップ350に対して固定するとともに、先端チップ350とインナーシャフト部313との間において第1ルーメン22を通る流体の漏れを防止できる。したがって、インナーシャフト凹部356を画成する表面の全部または一部は、第1ルーメン22の第1部分108の一部を構成する。
【0132】
さらに、アウターシャフト部314の先端325は基端側開口355内に受け入れられる。この基端側開口355は、アウターシャフト部314の外面331の形状に対応するが、わずかにオフセットした形状を有する。このように構成すると、
図12に示すように、アウターシャフト部314の先端325は、基端側開口部355内にきつく嵌合し、これにより、アウターシャフト部314を先端チップ350に対して固定するとともに、先端チップ350とアウターシャフト部314との間において、第2ルーメン32を通る流体の漏れを防止できる。
【0133】
図17Bに示されるように、先端チップ350はまた先端側開口357を有している。この先端側開口357は、先端チップ350の長手方向の長さにわたって延びており、基端と先端の両方が開いている。先端開口部357は、任意の適切な形状を有し、アウターシャフト部314の外面331の下部に対応する断面形状を有している。先端開口部357を画成する表面の全部または一部は、第2ルーメン32の第1部分132の一部を構成する。
【0134】
先端チップ350は、任意の適切な方法でシャフト部312に結合される。ある実施形態では、先端チップ部350は単一の一体部品であり、シャフト部312の先端330が先端チップ部350内に挿入される。このような実施形態では、1つ以上の開口がシャフト部312にわたって配置され(すなわち、インナーシャフト部313およびアウターシャフト部314の一方または両方に配置され)、1つ以上の開口のそれぞれは、先端チップ350に形成された隆起フィーチャまたは突起などのフィーチャを受け入れるか、またはそれらと相互作用し、これによりシャフト部312を先端チップ350に固定し、または解放可能に固定する。
【0135】
例えば、
図16Aに示すように、アウターシャフト部314は、1つ以上の先端側ロック開口359を有している。この先端側ロック開口359は、アウターシャフト部314が先端チップ350に適切に取り付けられたときに、先端チップ350に形成された対応する突出フィーチャ361(
図12に示す)を位置合わせして受け入れる。先端チップ350に形成された突出フィーチャ361は、長手軸14に対して垂直に、かつ第2ルーメン32に向かってその中に突出する。シャフト部312の先端330が先端チップ350の基端側開口355に挿入されているときに、アウターシャフト部314の部分が突出フィーチャ361と接触してこれを変形させ、これにより、先端チップ部350をシャフト部312の先端330に組み付けたときに、シャフト部312の先端330が突出フィーチャ361を越える。
【0136】
インナーシャフト部313とアウターシャフト部314は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから作製される。例えば、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314は、金属またはプラスチック材料から作製される単一の一体部品であってもよい。例えば、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314は金属材料からなる押出成形品であってもよい。しかしながら、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314は、射出成形されたプラスチック部品であってもよい。
【0137】
さらに、ボデイ部316および先端チップ350は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから作製される。例えば、先端チップ350は、ポリプロピレンなどのプラスチック材料から作られた単一の成形部品であってもよい。ボデイ部316は、ポリプロピレンから作られた単一の成形部品であってもよいし、ポリプロピレンなどのプラスチック材料から作られた2つ以上の部品のアセンブリであってもよい。
【0138】
さらに、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314は、ボデイ部316とともにインサート成形してもよい。すなわち、インナーシャフト部313及び/及びアウターシャフト部314の一部を、ボデイ部316を形成する金型のキャビティ内に配置した状態で、ボデイ部316を製造するための成形工程を実行する。さらに、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314は、先端チップ350の一部内にインサート成形してもよい。すなわち、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部の一部が、先端チップ350を形成する金型のキャビティ内に配置された状態で、成形工程を実行する。この工程において、アウターシャフト部314(及び/又はインナーシャフト部313)の一部または全部は、複数の曲げプロセスで形成される。さらに、先端チップ部350は、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314と一体的に形成されてもよく、あるいは、ボデイ部316は、インナーシャフト部313及び/又はアウターシャフト部314と一体的に形成されてもよい。
【0139】
手術器具ガイドアセンブリ300はまた、閉塞具386を含むことができる。閉塞具386の実施形態の斜視図および背面図がそれぞれ
図19Aおよび
図19Bに提供される。閉塞具386は、
図8Aおよび
図8Bに示される手術器具ガイドアセンブリ10の閉塞具186と同一または実質的に同一であり、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。閉塞具386は、それぞれハンドル部388から長手方向に延びる第1挿入部389および第2挿入部394を含む。第1挿入部389は、任意の適切な断面形状または形状の組み合わせを有する第1挿入部外面393を含む。第1挿入部389の断面形状は、インナーシャフト部313の1つ以上の内面315の断面形状に対応またはほぼ対応する。この内面315は第1ルーメン22(
図14Aに示す)の全部または一部を画成する。このように構成されているので、
図8Dの実施形態と同様に、第1挿入部389は、第1ルーメン22内に受け入れられ、第1挿入部389の先端390が第1ルーメン22の先端28とシャフト部312の先端330から先方に突出するまで、第1ルーメン22内を通って前進することができる。
【0140】
さらに、第2挿入部394は、任意の適切な断面形状または形状の組み合わせを有する第2挿入部外面395を含む。第2挿入部389の断面形状は、アウターシャフト部314の1つ以上の内面333及び/又はインナーシャフト部313の外面327(これら面は協働して
図14に示すように第2ルーメン32の全部または一部を画成する)の断面形状に対応または実質的に対応する。このように構成されているため、
図8Dの実施形態と同様に、第2挿入部394は、第2ルーメン32内に受け入れられ、第2挿入部394の先端396が第2ルーメン32の先端36とシャフト部312の先端330から先方に突出するまで、第2ルーメン32を通って前進することができる。
【0141】
図19Aおよび
図19Bに示すように、第1挿入部389の先端390は、滑らかにカーブを付けるか丸められた第1先導面397を有する。同様に、第2挿入部394の先端396は、カーブを付けるか丸められた第2先導面398を有する。第1先導面397および第2先導面398は協働して、閉塞具386の滑らかなカーブを付けられた、及び/又は略半球状の先導部分399を提供することができる。
【0142】
閉塞具386は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから作製する。例えば、閉塞具386は、ポリプロピレンなどのプラスチック材料から作られた単一の成形部品であってもよい。しかしながら、閉塞具386は、プラスチック材料及び/又は金属材料から作られた2つ以上の部品のアセンブリであってもよい。
【0143】
前述のように、インナーシャフト部313、アウターシャフト部314、ボデイ部316、及び/又は先端チップ350は、別個の部品としてエンドユーザー(外科医など)に提供してもよく、エンドユーザーは、手術で使用するために主ガイド部311を組み立てる前に、すべての構成部品を滅菌する。
【0144】
他の実施形態では、インナーシャフト部313、アウターシャフト部314、ボデイ部316、および先端チップ350は、主ガイド部311の完全に組み立てられた実施形態としてエンドユーザーに提供され得る。この実施形態では、主ガイド部311は、包装プロセスの前に滅菌される。ある実施形態では、任意の適切な滅菌プロセスを使用することができる。例えば、エチレンオキサイドガス等のガスにより滅菌を行なう。滅菌は、構成部品のそれぞれに対して個別に実行してもよいし、部分的にまたは完全に組み立てられた主ガイド部分311に対して実行してもよい。主ガイド部311が部分的または完全に組み立てられた状態で滅菌される実施形態では、滅菌ガスがアクセスできないポケットがアセンブリ内に存在する可能性がある。手順中にアセンブリの滅菌されていない部分が露出すると、感染が生じる可能性がある。一例として、滅菌ガスは、アウターシャフト部314の外面331とボデイ部16の対応する内面との間の空間に浸透することができない場合がある。そこで、
図20A~
図20Dに示すように、ボデイ部316に1つ以上のチャネル340を形成する。このようなチャネル340により、滅菌ガスが本来シールされる領域にアクセスできるようになる。任意の数のチャネルを任意の適切な領域で使用することができ、チャネルは、半円形のチャネルまたは円形の開口など、任意の適切な形状または形状の組み合わせを有する。
【0145】
手術器具ホルダーの様々な利点については上で論じた。ここで議論される実施形態は、本明細書において例として説明された。前述の詳細な開示は、例としてのみ提示することを意図しており、限定するものではないことが当業者には明らかであろう。本明細書では明示的に述べていないが、様々な変更、改良、修正が行われるであろうし、それらは当業者に意図されている。これらの変更、改良、および修正は、本明細書によって示唆されることが意図されており、特許請求の範囲に記載された発明の精神および範囲内にある。ここに含まれる図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。さらに、処理要素またはシーケンスの列挙された順序、あるいは数字、文字、またはその他の指定の使用は、特許請求の範囲で指定される場合を除き、特許請求の範囲を任意の順序に限定することを意図したものではない。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
【国際調査報告】