(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】熱間圧延H形鋼及びその生産方法
(51)【国際特許分類】
B21B 1/088 20060101AFI20240621BHJP
B21B 27/02 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B21B1/088 Z
B21B27/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577417
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2022096619
(87)【国際公開番号】W WO2022262580
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202110671604.9
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515050091
【氏名又は名称】▲馬▼鞍山▲鋼▼▲鉄▼股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏 ▲モン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 輝
(72)【発明者】
【氏名】汪 杰
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ 軍
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲チー▼
(72)【発明者】
【氏名】彭 林
(72)【発明者】
【氏名】何 軍委
(72)【発明者】
【氏名】沈 千成
(72)【発明者】
【氏名】丁 朝暉
(72)【発明者】
【氏名】彦 井成
(72)【発明者】
【氏名】呉 保橋
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲メイ▼庄
【テーマコード(参考)】
4E002
4E016
【Fターム(参考)】
4E002BA04
4E002CA17
4E002CA18
4E016AA07
4E016BA08
(57)【要約】
本発明は、ウェブと、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含み、第1フランジ板と第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値は0よりも大きい熱間圧延H形鋼であって、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第1フランジ板の面積S1との比率は1以下であり、または、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第2フランジ板の面積S2との比率は1以下である熱間圧延H形鋼を開示している。本発明の熱間圧延H形鋼は、多種の仕様の両側のフランジの厚さが等しくないという生産要求を満たすことができると同時に、圧延過程中にサイドベンドが発生するのを回避することもでき、圧延過程中の両側のフランジの金属の1秒あたりの流量の差を一定の範囲内に制御することにより、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼を安定して生産する。本発明はさらに、熱間圧延H形鋼の生産方法を開示している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブと、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含み、第1フランジ板と第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値は0よりも大きい熱間圧延H形鋼であって、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第1フランジ板の面積S1との比率は1以下であり、または、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第2フランジ板の面積S2との比率は1以下である、
ことを特徴とする熱間圧延H形鋼。
【請求項2】
前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値の範囲は2mm~40mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項3】
前記ウェブの高さHの値の範囲は100mm~1250mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項4】
前記第1フランジ板の幅B1の値及び前記第2フランジ板の幅B2の値の範囲は39mm~500mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項5】
前記第1フランジ板の厚さT1の値及び前記第2フランジ板の厚さT1の値の範囲は7mm~150mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項6】
前記第1フランジ板の幅B1と第1フランジ板の厚さT1との比率は1.70以上である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項7】
前記第2フランジ板の幅B2と第2フランジ板の厚さT2との比率は1.70以上である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項8】
前記ウェブの厚さTwの値は、前記第1フランジ板のT1及び第2フランジ板の厚さT2のうちの最小値以下である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項9】
転炉製錬と、アルゴンガス吹き込み精錬と、異形ビレット連続鋳造と、ビレット加熱と、分塊圧延と、ユニバーサル圧延とのステップを含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼の生産方法であって、前記分塊圧延ステップにおいて、第1分塊穴型の面積は、前記第1フランジ板の厚さT1*第1フランジ板の幅B1*総圧縮比であり、第2分塊穴型の面積は、前記第2フランジ板の厚さT1*第2フランジ板の幅B1*総圧縮比である、
ことを特徴とする熱間圧延H形鋼の生産方法。
【請求項10】
前記ユニバーサル圧延ステップにおいて、圧延材の2つのフランジ板は、H形鋼完成品のT1/T2の値またはT2/T1の値と等しい、
ことを特徴とする請求項9に記載の熱間圧延H形鋼の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はH形鋼という技術的分野に属し、具体的に言えば、本発明は熱間圧延H形鋼及びその生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、熱間圧延H形鋼はいずれも、ユニバーサル圧延の方式で生産され、圧延材はユニバーサル圧延の段階で「H」形に二重対称圧延(高さ方向及び幅方向)が行われる。上下の水平ロールはウェブを厚さ方向に圧延圧縮し、両側の竪ロールはそれぞれ、両側のフランジを厚さ方向に圧延圧縮する。圧延過程における両側のフランジの厚さまたは幅を制御しないと、両側のフランジの金属の1秒あたりの流量に差異が発生し、両側の圧延延伸の異なりを引き起こすことになり、圧延材は必然としてサイドベンドが発生し、ある程度まで累積すると、後のパスの噛み込みに影響を与える。両側のフランジの金属の1秒あたりの流量の差異が大き過ぎると、重大なサイドベンドは圧延事故を引き起こす。従って、量産された熱間圧延H形鋼製品について、その外形はいずれも、両側のフランジが同じ幅で同じ厚さの外形である。しかしながら、異なる構造において、確かに、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼に対する実際の要求はある。
【0003】
公開番号CN103557426Aの特許文献は、フランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼を開示し、このようなH形鋼は、両側のフランジの厚さ差が8mm未満である分塊穴型設計を採用し、それに、ユニバーサル圧延の時に、フランジに対する両側の竪ロールの圧下量の差を4mm~9mmに制御し、両側のフランジの厚さの比が0.7~0.9、かつフランジの厚さとウェブの厚さとの差が2mm~4mmである熱間圧延H形鋼を生産することができる。当該特許は、熱間圧延H形鋼の両側のフランジの厚さの比率、フランジとウェブとの厚さ差に対して厳しい限定があり、サイズが範囲を超えると、圧延過程中に重大なサイドベンドが発生し、または、明らかなフランジ表面波やウェブ表面波の欠陥が発生して実際の使用に影響を与えることになる。また、当該方法は、H450*150シリーズの仕様のみを生産することができ、より大きい仕様、またはより小さい仕様に対して、フランジとウェブとの面積比が当該仕様の面積比と異なるため、当該方法は適用されることができない。
【0004】
現在、従来技術にまだ開示されていない方法は、多種の仕様の、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼を生産することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する技術的課題の1つを解決することを意図したものである。このため、本発明は、熱間圧延H形鋼を提供し、多種の仕様の両側のフランジの厚さが等しくないという生産要求を満たすと同時に、圧延過程中にサイドベンドが発生するのを回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明が採用する技術案は、ウェブと、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含み、第1フランジ板と第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値は0よりも大きい熱間圧延H形鋼であって、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第1フランジ板の面積S1との比率は1以下であり、または、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第2フランジ板の面積S2との比率は1以下である熱間圧延H形鋼である。
【0007】
前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値の範囲は2mm~40mmである。
【0008】
前記ウェブの高さHの値の範囲は100mm~1250mmである。
【0009】
前記第1フランジ板の幅B1の値及び前記第2フランジ板の幅B2の値の範囲は39mm~500mmである。
【0010】
前記第1フランジ板の厚さT1の値及び前記第2フランジ板の厚さT1の値の範囲は7mm~150mmである。
【0011】
前記第1フランジ板の幅B1と第1フランジ板の厚さT1との比率は1.70以上である。
【0012】
前記第2フランジ板の幅B2と第2フランジ板の厚さT2との比率は1.70以上である。
【0013】
前記ウェブの厚さTwの値は、前記第1フランジ板のT1及び第2フランジ板の厚さT2のうちの最小値以下である。
【0014】
本発明はさらに、転炉製錬と、アルゴンガス吹き込み精錬と、異形ビレット連続鋳造と、ビレット加熱と、分塊圧延と、ユニバーサル圧延とのステップを含む熱間圧延H形鋼の生産方法であって、前記分塊圧延ステップにおいて、第1分塊穴型の面積は、前記第1フランジ板の厚さT1*第1フランジ板の幅B1*総圧縮比であり、第2分塊穴型の面積は、前記第2フランジ板の厚さT1*第2フランジ板の幅B1*総圧縮比である熱間圧延H形鋼の生産方法を提供する。
【0015】
前記ユニバーサル圧延ステップにおいて、圧延材の2つのフランジ板は、H形鋼完成品のT1/T2の値またはT2/T1の値と等しい。
【0016】
本発明の熱間圧延H形鋼は、多種の仕様の両側のフランジの厚さが等しくないという生産要求を満たすことができると同時に、圧延過程中にサイドベンドが発生するのを回避することもでき、圧延過程中の両側のフランジの金属の1秒あたりの流量の差を一定の範囲内に制御することにより、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼を安定して生産する。生産された熱間圧延H形鋼の製品仕様のカバー範囲が広く、広い適用要求を満たすことができ、それに、分塊穴型及びエッジャ圧延機穴型を補正する必要があるだけであり、即ち、一般的な熱間圧延H形鋼の生産工程を採用するとともに、既存のユニバーサル圧延機で竪ロールのプロトコル調整により安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の熱間圧延H形鋼の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、実施例に対する記載により、本発明の具体的な実施形態をさらに詳しく説明し、目的は、当業者が本発明の発明構想、技術案をより完全に、正確に、深く理解するように役立ち、その実施に寄与することである。
【0019】
以下の実施形態において、記載された「第1」及び「第2」は、構造および/または機能の絶対的な区分関係を表すものではなく、前後の実行順序を表すものでもなく、記載を便利にさせるためだけのものである、ことに注意すべきである。
【0020】
図1に示すように、本発明は、ウェブ3と、第1フランジ板1と、第2フランジ板2とを含む熱間圧延H形鋼を提供する。第1フランジ板1と第2フランジ板2との厚さ値の差である|T1-T2|の値は0よりも大きく、第1フランジ板1と第2フランジ板2との面積の差である|S1-S2|と、第1フランジ板1の面積S1との比率は1以下であり、または、第1フランジ板1と第2フランジ板2との面積の差である|S1-S2|と、第2フランジ板2の面積S2との比率は1以下である。第1フランジ板1の面積S1=T1*B1であり、第2フランジ板2の面積S2=T2*B2である。
【0021】
具体的に言えば、
図1に示すように、ウェブ3は第1フランジ板1と第2フランジ板2との間に位置し、ウェブ3は第1フランジ板1及び第2フランジ板2に固定接続され、第1フランジ板1の幅方向は、第2フランジ板2の幅方向と平行であり、かつウェブ3の厚さ方向と平行であり、第1フランジ板1の厚さ方向は、第2フランジ板2の厚さ方向と平行であり、かつウェブ3の高さ方向と平行であり、第1フランジ板1の厚さ方向は、第1フランジ板1の幅方向と垂直であり、第2フランジ板2の厚さ方向は、第2フランジ板2の幅方向と垂直である。第1フランジ板1の外側面と第2フランジ板2の外側面との間の距離はウェブ3の高さHであり、第1フランジ板1の幅はB1であり、第2フランジ板2の幅はB2であり、第1フランジ板1の厚さはT1であり、第2フランジ板2の厚さはT2であり、ウェブ3の厚さはTwであり、第1フランジ板1、第2フランジ板2、及びウェブ3は、熱間圧延により一体式構造とする。
【0022】
圧延過程中に両側のフランジの金属の1秒あたりの流量が異なるため、熱間圧延H形鋼にサイドベンドが発生し、大き過ぎるサイドベンドは、後続のパスの圧延噛み込みに影響を与え、ひいては絞りが発生して正常な生産に影響を与えるが、微小なサイドベンドは許容されるものである。
【0023】
本発明の考え方は以下の通りである。即ち、熱間圧延H形鋼の完成品仕様の設計を行う場合、適用な要求に応じて、両側のフランジの厚さ及び幅を協働して変化し、両側のフランジの面積の差を一定の範囲内に制御するように確保する。
圧延材の両側のフランジのサイズを制御することに基づいて穴型及びプロトコルを設計し、圧延過程中の両側のフランジの金属の1秒あたりの流量の差を一定の範囲内に制御することにより、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼を安定して生産する。
【0024】
本実施例では、第1フランジ板1と第2フランジ板2との厚さ値の差である|T1-T2|の値の範囲は2mm~40mmである。
【0025】
本実施例では、ウェブ3の高さHの値の範囲は100mm~1250mmである。
【0026】
本実施例では、第1フランジ板1の幅B1の値及び第2フランジ板2の幅B2の値の範囲は39mm~500mmである。
【0027】
本実施例では、第1フランジ板1の厚さT1の値及び第2フランジ板2の厚さT1の値の範囲は7mm~150mmである。
【0028】
本実施例では、第1フランジ板1の幅B1と第1フランジ板1の厚さT1との比率B1/T1は1.70以上である。第2フランジ板2の幅B2と第2フランジ板2の厚さT2との比率B2/T2は1.70以上である。
【0029】
本実施例では、ウェブ3の厚さTwの値は、第1フランジ板1のT1及び第2フランジ板2の厚さT2のうちの最小値以下である。
【0030】
本実施例では、熱間圧延H形鋼の各サイズの設定根拠は以下の通りである。
【0031】
ウェブの高さHの値が100mmよりも低いと、フランジの厚さが一般的に小さく、面積が等しいという原則に応じて、両側のフランジの厚さの調整スペースが限られているため、両側のフランジの厚さが等しくない熱間圧延H形鋼と、両側の厚さが等しい製品とは、断面性能という点で明らかな差異がなく、反ってフランジのサイズの調整を行う必要がなく、下限を100mmに設定する。ウェブの高さHの値が1250mmよりも高いと、ユニバーサル圧延のため、一定量の高さ方向の圧縮を行う必要があり、超高型のビレットを採用する必要があるが、現在の連続鋳造装置及び技術レベルでは実現できず、上限を1250mmに設定する。
【0032】
フランジ板の幅B1の値またはB2の値が39mmよりも低いと、当該仕様は、実用価値がなく、下限を39mmに設定する。フランジ板の幅B1の値またはB2の値が500mmよりも高いと、超広型のビレットを採用する必要があるが、現在の連続鋳造装置及び技術レベルでは実現できず、上限を500mmに設定する。
【0033】
フランジ板の厚さT1の値またはT2の値が7mmよりも低いと、ウェブはより薄くなり、引張抵抗適用の能力が低下し、ウェブは、圧延後に波浪欠陥が発生しやすく、下限を7mmに設定する。フランジ板の厚さT1の値またはT2の値が150mmよりも高いと、一定の圧縮比を確保するために、超厚型のビレットを採用する必要があるが、現在の連続鋳造装置及び技術レベルでは実現できず、上限を150mmに設定する。
【0034】
両側のフランジ板の厚さ差である|T1-T2|の値が2mmよりも低いと、両側のフランジ板は断面性能の差異が小さく、適用性能が、両側の厚さが等しい熱間圧延H形鋼とほぼ同じであり、経済性の観点から考慮すると、フランジ板のサイズ調整を行う必要がなく、下限を2mmに設定する。両側のフランジ板の厚さ差である|T1-T2|の値が40mmよりも高いと、圧延過程中のユニバーサル圧延段階の両側の竪ロールの圧下量の差が大きくなり、圧延機の安定性に影響を与え、それに、両側のフランジ板の幅の差異が大きくなり、ユニバーサル穴型及びエッジャ圧延機穴型の補正量が著しく大きくなり、経済性に影響を与え、上限を40mmに設定する。
【0035】
両側のフランジ板の面積の差と片側のフランジ板の面積との比である|T1*B1-T2*B2|/T1*B1の値または|T1*B1-T2*B2|/T2*B2の値が1.00%よりも高いと、両側のフランジの金属の1秒あたりの流量の差が一定の制限を超えるため、圧延材は、正常な圧延噛み込みが許容するのを超えるサイドベンドを形成することになり、表面の品質に影響を与え、ひいては生産に影響を与え、下限を1.00%に設定する。
【0036】
同側のフランジ板の幅とフランジ板の厚さとの比であるB1/T1の値またはB2/T2の値が1.70よりも低いと、ユニバーサル圧延過程中に、フランジの変形エリアが竪ロールに接触する側に集中し、厚い側のフランジの変形浸透が制限されるから、当該側のフランジ板の最終的な機械的特性が急激に低下し、製品の実用に影響を与え、下限を1.70に設定する。
【0037】
ウェブの厚さTwの値がT1の値またはT2の値よりも大きいと、ユニバーサル圧延の場合、ウェブ、フランジ板が変形して調和できないことが発生し、圧延噛み込みがスムーズではないことが発生しやすく、さらに表面の品質に影響を与え、また、実用に必要な仕様はいずれも、ウェブの厚さがフランジ板の厚さ以下である、ウェブの厚さTwの値がT1及びT2のうちの最小値以下であるように設定する。
【0038】
本発明はさらに、転炉製錬と、アルゴンガス吹き込み精錬と、異形ビレット連続鋳造と、ビレット加熱と、分塊圧延と、ユニバーサル圧延と、空冷とのステップを含む熱間圧延H形鋼の生産方法を提供する。分塊圧延ステップにおいて、分塊圧延機の第1分塊穴型の面積は、H形鋼完成品の第1フランジ板1の厚さT1*第1フランジ板1の幅B1*総圧縮比であり、分塊圧延機の第2分塊穴型の面積は、H形鋼完成品の第2フランジ板2の厚さT1*第2フランジ板2の幅B1*総圧縮比である。圧延材はH形構造であり、圧延材は、ウェブと、2つのフランジ板とを含み、ウェブは2つのフランジ板の間に位置し、ウェブは2つのフランジ板に固定接続される。圧延過程中、異形ビレットで圧延し、分塊穴型の両側のフランジのサイズは、完成品サイズの両側のフランジの面積に基づいて設計され、圧延材の2つのフランジ板はそれぞれ、第1分塊穴型、第2分塊穴型に入る。
【0039】
分塊穴型の両側のフランジのサイズ設計が上記方法を採用しないと、穴型の両側のフランジの面積が異なり、分塊圧延の1パス後にサイドベンドが発生し、次のパスでは穴型に正対して噛み込むことができず、フランジの内側金属に対する圧延ロールのロール作用のため、両側のフランジの金属のウェブに流入する金属量が異なり、伸線または折り畳みという欠陥が発生する。また、両側のフランジの断面積を大きくするから、両側のフランジの金属流量の差異が大きくなり、サイドベンド量がある程度まで快速に累積すると、安定生産に影響を与える。
【0040】
本発明の熱間圧延H形鋼の生産方法はさらに、溶銑予備処理と、炉外精錬と、真空精錬とのステップを含んでもよい。溶銑予備処理ステップは、転炉製錬ステップの前に設けられ、炉外精錬ステップは、アルゴンガス吹き込み精錬ステップと真空精錬ステップとの間に設けられ、真空精錬ステップは、炉外精錬ステップと異形ビレット連続鋳造ステップとの間に設けられる。溶銑予備処理、炉外精錬、及び真空精錬というステップは、異なる完成品機械的特性及び使用性能の要求に応じて選択されることができ、残りのステップは、熱間圧延H形鋼の生産方法が必ず採用するステップである。
【0041】
ユニバーサル圧延ステップにおいて、使用するエッジャ圧延機は、完成品の両側のフランジの高さに応じて穴型を設定して圧延の全過程に参加すべきであり、両側のフランジの高さ値が安定することを確保する。それに、ユニバーサル圧延ステップにおいて、圧延材の2つのフランジ板は、H形鋼完成品のT1/T2の値またはT2/T1の値と等しく、具体的な数値について、圧延材のフランジと完成品との対応関係に応じて選択され、残りのプロトコル設計について、既に開示された方法に応じて行わればよい。
【0042】
ユニバーサル圧延段階のエッジャ圧延機があるパスに関与しなく圧延に関与しなく、または穴型を補正しないと、当該パスの圧延材の両側のフランジの高さ差が変化し、フランジの厚さを設定するプロトコルに応じて圧延すると、両側のフランジの金属量の1秒あたりの流量の差が限定値を超え、圧延材のサイドベンドを引き起こし、フランジが厚いほど、問題が深刻になる。
【0043】
ユニバーサル圧延段階の各パスの圧延材のフランジ両側のフランジ厚さの設定が、上記方法を採用しないと、上記の原理と同じように、圧延材の両側の金属の1秒あたりの流量に大き過ぎる偏差が発生し、圧延材のサイドベンドを引き起こす。
【実施例】
【0044】
実施例1
表1に示すように、ウェブの高さHは102mmであり、第1フランジ板1の幅B1は50mmであり、第2フランジ板2の幅B2は39mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は7mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は9mmであり、ウェブの厚さTwは5mmであり、|T1-T2|=2mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.29である。
【0045】
実施例2
表1に示すように、ウェブの高さHは104mmであり、第1フランジ板1の幅B1は50mmであり、第2フランジ板2の幅B2は32mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は7mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は11mmであり、ウェブの厚さTwは5mmであり、|T1-T2|=2.91mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.57である。
【0046】
実施例3
表1に示すように、ウェブの高さHは106mmであり、第1フランジ板1の幅B1は50mmであり、第2フランジ板2の幅B2は27mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は7mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は13mmであり、ウェブの厚さTwは5mmであり、|T1-T2|=2.08mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.29である。
【0047】
実施例4
表1に示すように、ウェブの高さHは605mmであり、第1フランジ板1の幅B1は200mmであり、第2フランジ板2の幅B2は155mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は17mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は22mmであり、ウェブの厚さTwは11mmであり、|T1-T2|=7.05mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.29である。
【0048】
実施例5
表1に示すように、ウェブの高さHは610mmであり、第1フランジ板1の幅B1は200mmであり、第2フランジ板2の幅B2は126mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は17mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は27mmであり、ウェブの厚さTwは11mmであり、|T1-T2|=4.67mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.06である。
【0049】
実施例6
表1に示すように、ウェブの高さHは615mmであり、第1フランジ板1の幅B1は200mmであり、第2フランジ板2の幅B2は106mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は17mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は32mmであり、ウェブの厚さTwは11mmであり、|T1-T2|=3.31mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.24である。
【0050】
実施例7
表1に示すように、ウェブの高さHは805mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は252mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は26mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は31mmであり、ウェブの厚さTwは14mmであり、|T1-T2|=8.13mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.15である。
【0051】
実施例8
表1に示すように、ウェブの高さHは810mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は217mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は26mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は36mmであり、ウェブの厚さTwは14mmであり、|T1-T2|=6.03mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.15である。
【0052】
実施例9
表1に示すように、ウェブの高さHは815mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は190mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は26mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は41mmであり、ウェブの厚さTwは14mmであり、|T1-T2|=4.63mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.13である。
【0053】
実施例10
表1に示すように、ウェブの高さHは1005mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は263mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は36mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は41mmであり、ウェブの厚さTwは19mmであり、|T1-T2|=6.41mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.16である。
【0054】
実施例11
表1に示すように、ウェブの高さHは1010mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は235mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は36mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は46mmであり、ウェブの厚さTwは19mmであり、|T1-T2|=5.11mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.09である。
【0055】
実施例12
表1に示すように、ウェブの高さHは1015mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は212mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は36mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は51mmであり、ウェブの厚さTwは19mmであり、|T1-T2|=4.16mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.11である。
【0056】
実施例13
表1に示すように、ウェブの高さHは1215mmであり、第1フランジ板1の幅B1は422mmであり、第2フランジ板2の幅B2は397mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は80mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は85mmであり、ウェブの厚さTwは40mmであり、|T1-T2|=4.67mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.04である。
【0057】
実施例14
表1に示すように、ウェブの高さHは1225mmであり、第1フランジ板1の幅B1は422mmであり、第2フランジ板2の幅B2は355mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は80mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は95mmであり、ウェブの厚さTwは40mmであり、|T1-T2|=3.74mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.10である。
【0058】
実施例15
表1に示すように、ウェブの高さHは1235mmであり、第1フランジ板1の幅B1は422mmであり、第2フランジ板2の幅B2は321mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は80mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は105mmであり、ウェブの厚さTwは40mmであり、|T1-T2|=3.06mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.16である。
【0059】
実施例16
表1に示すように、ウェブの高さHは102mmであり、第1フランジ板1の幅B1は100mmであり、第2フランジ板2の幅B2は80mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は8mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は10mmであり、ウェブの厚さTwは6mmであり、|T1-T2|=8.00mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2は0である。
【0060】
実施例17
表1に示すように、ウェブの高さHは105mmであり、第1フランジ板1の幅B1は100mmであり、第2フランジ板2の幅B2は62mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は8mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は13mmであり、ウェブの厚さTwは6mmであり、|T1-T2|=4.77mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.75である。
【0061】
実施例18
表1に示すように、ウェブの高さHは111mmであり、第1フランジ板1の幅B1は100mmであり、第2フランジ板2の幅B2は42mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は8mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は19mmであり、ウェブの厚さTwは6mmであり、|T1-T2|=2.21mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.25である。
【0062】
実施例19
表1に示すように、ウェブの高さHは305mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は225mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は15mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は20mmであり、ウェブの厚さTwは10mmであり、|T1-T2|=11.25mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2は0である。
【0063】
実施例20
表1に示すように、ウェブの高さHは310mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は180mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は15mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は25mmであり、ウェブの厚さTwは10mmであり、|T1-T2|=7.20mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2は0である。
【0064】
実施例21
表1に示すように、ウェブの高さHは315mmであり、第1フランジ板1の幅B1は300mmであり、第2フランジ板2の幅B2は150mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は15mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は30mmであり、ウェブの厚さTwは30mmであり、|T1-T2|=5.00mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2は0である。
【0065】
実施例22
表1に示すように、ウェブの高さHは521mmであり、第1フランジ板1の幅B1は500mmであり、第2フランジ板2の幅B2は432mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は32mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は37mmであり、ウェブの厚さTwは20mmであり、|T1-T2|=11.68mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.10である。
【0066】
実施例23
表1に示すように、ウェブの高さHは526mmであり、第1フランジ板1の幅B1は500mmであり、第2フランジ板2の幅B2は381mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は32mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は42mmであり、ウェブの厚さTwは20mmであり、|T1-T2|=9.07mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.01である。
【0067】
実施例24
表1に示すように、ウェブの高さHは531mmであり、第1フランジ板1の幅B1は500mmであり、第2フランジ板2の幅B2は340mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は32mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は47mmであり、ウェブの厚さTwは20mmであり、|T1-T2|=7.23mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.03である。
【0068】
実施例25
表1に示すように、ウェブの高さHは575mmであり、第1フランジ板1の幅B1は374mmであり、第2フランジ板2の幅B2は343mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は110mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は120mmであり、ウェブの厚さTwは70mmであり、|T1-T2|=2.86mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.05である。
【0069】
実施例26
表1に示すように、ウェブの高さHは585mmであり、第1フランジ板1の幅B1は374mmであり、第2フランジ板2の幅B2は316mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は110mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は130mmであり、ウェブの厚さTwは70mmであり、|T1-T2|=2.43mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.15である。
【0070】
実施例27
表1に示すように、ウェブの高さHは605mmであり、第1フランジ板1の幅B1は374mmであり、第2フランジ板2の幅B2は274mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は110mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は150mmであり、ウェブの厚さTwは70mmであり、|T1-T2|=1.83mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.10である。
【0071】
実施例28
表1に示すように、ウェブの高さHは983mmであり、第1フランジ板1の幅B1は470mmであり、第2フランジ板2の幅B2は422mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は88mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は98mmであり、ウェブの厚さTwは50mmであり、|T1-T2|=4.31mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.01である。
【0072】
実施例29
表1に示すように、ウェブの高さHは993mmであり、第1フランジ板1の幅B1は470mmであり、第2フランジ板2の幅B2は382mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は88mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は108mmであり、ウェブの厚さTwは50mmであり、|T1-T2|=3.54mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.25である。
【0073】
実施例30
表1に示すように、ウェブの高さHは1003mmであり、第1フランジ板1の幅B1は470mmであり、第2フランジ板2の幅B2は350mmであり、第1フランジ板1の厚さT1は88mmであり、第2フランジ板2の厚さT2は118mmであり、ウェブの厚さTwは50mmであり、|T1-T2|=2.97mmであり、|T1*B1-T2*B2|/T1*B1及び|T1*B1-T2*B2|/T2*B2という両者のうちの最大値は0.15である。
【0074】
【0075】
以上、図面を結合して本発明を例示的に記載する。明らかに、本発明の具体的な実現は上記方式に制限されない。本発明の方法構想及び技術案で行われる各種の非実質的な改善、または改善されず、本発明の上記構想及び技術案を直接に他の状況に適用することであれば、いずれも本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0076】
1・・・第1フランジ板
2・・・第2フランジ板
3・・・ウェブ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブと、第1フランジ板と、第2フランジ板とを含み、第1フランジ板と第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値は0よりも大きい熱間圧延H形鋼であって、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第1フランジ板の面積S1との比率は1以下であり、または、前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との面積の差である|S1-S2|と、第2フランジ板の面積S2との比率は1以下である、
ことを特徴とする熱間圧延H形鋼。
【請求項2】
前記第1フランジ板と前記第2フランジ板との厚さ値の差である|T1-T2|の値の範囲は2mm~40mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項3】
前記ウェブの高さHの値の範囲は100mm~1250mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項4】
前記第1フランジ板の幅B1の値及び前記第2フランジ板の幅B2の値の範囲は39mm~500mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項5】
前記第1フランジ板の厚さT1の値及び前記第2フランジ板の厚さT1の値の範囲は7mm~150mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項6】
前記第1フランジ板の幅B1と第1フランジ板の厚さT1との比率は1.70以上である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項7】
前記第2フランジ板の幅B2と第2フランジ板の厚さT2との比率は1.70以上である、
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項8】
前記ウェブの厚さTwの値は、前記第1フランジ板のT1及び第2フランジ板の厚さT2のうちの最小値以下である、
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼。
【請求項9】
転炉製錬と、アルゴンガス吹き込み精錬と、異形ビレット連続鋳造と、ビレット加熱と、分塊圧延と、ユニバーサル圧延とのステップを含む、請求項1~
5のいずれか1つに記載の熱間圧延H形鋼の生産方法であって、前記分塊圧延ステップにおいて、第1分塊穴型の面積は、前記第1フランジ板の厚さT1*第1フランジ板の幅B1*総圧縮比であり、第2分塊穴型の面積は、前記第2フランジ板の厚さT1*第2フランジ板の幅B1*総圧縮比である、
ことを特徴とする熱間圧延H形鋼の生産方法。
【請求項10】
前記ユニバーサル圧延ステップにおいて、圧延材の2つのフランジ板は、H形鋼完成品のT1/T2の値またはT2/T1の値と等しい、
ことを特徴とする請求項9に記載の熱間圧延H形鋼の生産方法。
【国際調査報告】