(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法
(51)【国際特許分類】
C02F 11/14 20190101AFI20240621BHJP
C02F 11/122 20190101ALI20240621BHJP
C02F 11/125 20190101ALI20240621BHJP
C02F 11/127 20190101ALI20240621BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240621BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20240621BHJP
【FI】
C02F11/14
C02F11/122 ZAB
C02F11/125
C02F11/127
G06T7/00 350B
G06V10/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023577475
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2022055973
(87)【国際公開番号】W WO2022263020
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397062685
【氏名又は名称】アンドリッツ アクツイエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】タンツァー・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュピールマン・クリストフ
【テーマコード(参考)】
4D059
5L096
【Fターム(参考)】
4D059AA00
4D059BE16
4D059BE26
4D059BE38
4D059BE54
4D059CB06
4D059CB27
4D059EA20
4D059EB11
5L096BA08
5L096CA17
5L096FA46
5L096JA22
5L096KA04
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法に関し、前記汚泥が脱水され、且つ、脱水された前記汚泥、及び/または、脱水された液体の画像が、カメラシステムによって作成される。本発明は、これら画像が、コンピューターで実行される計算モデルによって評価され、この計算モデルが、前もって、学習データセットによって学習させられ、この計算モデルが、前記画像を部分画像に細分化し、等級分けし、且つ、従って、汚泥の脱水を評価することによって特徴付けられている。最適な脱水は、改善された環境保護的、および、経済的な効率において達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法であって、
前記汚泥に、前記凝集剤が添加され、且つ、この汚泥が、引き続いて、脱水装置(1)、例えば脱水スクリューコンベヤ、デカンタ、スクリーン脱水装置、等内において、少なくとも部分的に脱水され、
脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された液体の画像(2)が、カメラシステムによって作成される方法において、
脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の前記画像(2)が、画像分析のための、コンピューターで実行される計算モデルによって評価され、この計算モデルが、前もって、学習データセットによって学習させられ、この学習データセットが、一方では、脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の学習画像(2)、並びに、個々の前記学習画像(2)から細分化によって形成された前記学習部分画像(3)、および、個々の前記学習部分画像(3)の等級分けを含み、
前記計算モデルが、個々の前記画像(2)を部分画像(3)に細分化し、個々の前記画像(2)の前記部分画像(3)を等級分けし、
前記部分画像(3)が、脱水された前記汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、または、亀裂に対する、もしくは、脱水された前記液体の気泡または泡沫形成に対する、帰納的推理を許容する大きさを有しており、
前記計算モデルが、脱水された前記汚泥の前記部分画像(3)を、脱水された前記汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂に従って等級分けし、且つ、
前記等級分けを基礎として、前記汚泥の脱水を評価し、
前記汚泥の脱水の前記評価を基礎として、前記凝集剤の前記添加の制御が行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記計算モデルは、前記汚泥から脱水された前記液体の前記部分画像(3)を、この液体内において閉じ込められた気泡、もしくは、この液体に上で形成された泡沫に従って等級分けすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算モデルは、前記部分画像(3)を、色彩特性、特に色彩値、色彩飽和度、もしくは、明るさの値に従って等級分けすることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記部分画像(3)の前記等級分けは、少なくとも2つの等級を含み、
第1の等級が、少なすぎる脱水もしくは凝集剤添加を、および、第2の等級が、多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記部分画像(3)の等級分けは、少なくとも1つの更に別の第3の等級を含み、この第3の等級が、十分な脱水もしくは凝集剤添加を表すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像(2)の前記部分画像(3)の等級の頻度の分布は、前記汚泥の前記脱水の評価のために使用されることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
更に別の等級は、無効な部分画像(3)を検出することを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記学習データセットの作成のために、所望された脱水もしくは凝集剤添加が設定され、且つ、そのように脱水された前記汚泥、及び/または、脱水された前記液体の学習画像(2)が、十分な脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記学習データセットの作成のために、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加が設定され、且つ、そのように脱水された前記汚泥、及び/または、脱水された前記液体の学習画像(2)が、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
脱水された前記汚泥及び/または脱水された前記液体の前記画像(2)は、1つの領域内において作成され、この領域が、
境界面(4)、特に、例えばこのスクリーンの縁部領域内におけるまたはスクリーン(6)に対して作用する障壁(5)の後ろの下流側における、その上に汚泥が導かれているスクリーンの自由なスクリーン面を、もしくは、
脱水スクリューコンベヤもしくは搬送スクリューコンベヤの自由な面を、もしくは、
前記汚泥もしくは脱水された前記液体との直接的な接触状態にある壁部を、
含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
カメラシステムと、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法を実施するために適合されている手段とを備える、汚泥のための脱水装置(1)。
【請求項12】
前記カメラシステムが、デジタルカメラと照明手段とを備えており、
このデジタルカメラに、1つの光学的な軸線が割り当てられており、且つ、前記照明手段が、この光学的な軸線の方向における照明のために構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
コンピュータープログラムプロダクトであって、
このコンピュータープログラムプロダクトが命令を備え、これら命令が、請求項11または12に記載の前記装置が、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法のステップを実施することを生じさせることを特徴とする前記コンピュータープログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法に関し、
前記汚泥に、前記凝集剤が添加され、且つ、この汚泥が、引き続いて、脱水装置、例えば脱水スクリューコンベヤ、デカンタ、スクリーン脱水装置、等内において、少なくとも部分的に脱水され、脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された液体の画像が、カメラシステムによって作成される。
本発明は、カメラシステムを備える、汚泥のための脱水装置、並びに、コンピュータープログラムプロダクトにも関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥は、液体内において分散された固形物質を意味し、その際、この固形物質が、典型的に微細に分散し、且つ、極めて微粒子状であり、且つ、この液体の量が、固形物質の量に対して比較的に少ない。
技術的なプロセスは、しばしば、この汚泥を更に脱水すること、および、これに伴って、固形物質含有量を増大することを目標とする。通常、この目的のために、汚泥に凝集剤、典型的にポリマーが添加され、且つ、その後、更なる脱水が行われる。凝集剤は、凝集を生起し、即ち、微粒子状の固形物質がより大きな凝集体へと凝集され、その際、これら凝集体からの液体の分離が、有利には可能である。
最適な凝集のために必要とされる凝集剤の量は、汚泥の多くのパラメータ、-従って、例えば、固形物質の微粒子サイズ分布、および、特にこの固形物質の特質(即ち、鉱物性の、繊維状の、または、生物学的な特質かどうか)-に依存する。
凝集剤の最適な量よりも少ない量が添加された場合、より少しだけの凝集が達成され、即ち、微粒子状の、凝集されていない固形物質が液体内において残留し、このことは、最適に可能な脱水よりも少ない脱水を誘起する。逆の、最適な量を超過する凝集剤の添加の場合において、それに反して、最適に可能な脱水よりもより高い脱水は達成されない。場合によっては、このことから、そのうえ更に、脱水の低下が結果として生じる。
更に悪いことに、達成可能な脱水、および、これに伴って、汚泥の乾燥含有量が、不変に与えられた目標値ではなく、むしろ、それ自体が、汚泥のパラメータに強度に依存する、という事情が出てくる。汚泥の乾燥含有量に従う制御は、それ故に困難である。
従来技術において、凝集剤の配量は、しばしば、操作要員によって、感覚に従い、且つ、これに伴って、主観的に行われ、その際、確実な作動ガイドの趣旨において、過剰配量の傾向が存在する。一般的に、凝集剤の使用はコストの高い。能率的な使用は、従って、望ましく、その際、同様に環境保護的な理由からも、凝集剤の過剰配量は回避されるべきである。
【0003】
従って、特許文献1は、例えば、スクリーンの上での汚泥の脱水のための方法を開示している。この方法に相応して、汚泥は、必然的に1つのスクリーンの上に導かれ、このスクリーンが、洗浄ノズルによって、走入領域の手前で洗浄されるべきであり、その際、汚泥の流動挙動、および、自由なスクリーン表面が、制御領域内において光学的に検出されるべきである。この方法は、これに伴って、1つのスクリーン、1つのスクリーンコンディショニング装置の存在、並びに、自由なスクリーン表面の検査、および、これに伴って、固有の汚泥から切り離された量(Groessen)の検出を必要とする。
【0004】
特許文献2は、凝集剤添加の制御によっての脱水のための方法およびシステムを開示しており、その際、沈積タンク内において凝集された汚泥から、画像が、写真撮影装置によって検出される。汚泥特性の分析、および、凝集剤添加の配量の決定のために、これら画像は、前もって記憶された基準画像と比較される。
【0005】
特許文献3は、汚泥の脱水のための装置および方法を記載しており、その際、ろ過の後、脱水された汚泥画像が、ビデオカメラによって記録される。これら画像は、有利な脱水を表すものである画像と、脱水された汚泥の湿度の程度を評価するために比較される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第3134354 B号明細書
【特許文献2】韓国公開特許第20130033148 A公報
【特許文献3】米国特許出願公開第5380440 A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法であり、その際、この制御が、現実に即した判断基準に従い、汚泥の評価によって行われ、且つ、可能な限り大きな、環境保護的な、および、経済的な効率を許容する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このことは、本発明に従い、
脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の前記画像が、画像分析のための、コンピューターで実行される計算モデルによって評価され、この計算モデルが、前もって、学習データセットによって学習させられ、この学習データセットが、一方では、脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の学習画像、並びに、個々の前記学習画像から細分化によって形成された前記学習部分画像、および、個々の前記学習部分画像の等級分けを含み、
前記計算モデルが、個々の前記画像を部分画像に細分化し、個々の前記画像の前記部分画像を等級分けし、且つ、
前記等級分けを基礎として、前記汚泥の脱水を評価し、
前記汚泥の脱水の前記評価を基礎として、前記凝集剤の前記添加の制御が行われる、
ことによって達成される。
本発明に従い、脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の画像は、カメラシステムによって作成され、且つ、これら画像が、画像分析のためのコンピューターで実行される計算モデルによって、例えば、通常の産業用PC上で実施される人口ニューラルネットワークによって評価される。その際、評価のために、個々の画像が、少なくとも部分画像に細分化され、その際、計算モデルによって、個々の部分画像の等級分けが行われることは重要である。
これに伴って、1つの画像の個々の部分画像の等級分けを基礎として、汚泥の脱水は評価される。特にこの画像それ自体は、例えば学習画像との画像の比較によって等級分けされない。
部分画像への画像の細分化に関して、部分画像が可能な限り小さな大きさを有しているべきであることは実施されるべきであり、その際、これら部分画像の大きさは、少なくとも、前記部分画像が、更に、脱水された前記汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、または、亀裂に対する、もしくは、脱水された前記液体の気泡または泡沫形成に対する、帰納的推理を許容する程に、大きく選択されているべきである。部分画像の個々の画素を基礎としての評価は、従って可能ではない。何故ならば、そのようなどんな種類の帰納的推理も、例えばテクスチャーに対して可能ではないからである。
学習画像を基礎としての最適な細分化が識別される場合、特に有利である。この目的のために、先ず第一に、特徴的な表面テクスチャー、粒度、レリーフ、および、亀裂、もしくは、気泡および泡沫形成を有する、学習画像が識別される。その後、これら学習画像の細分化が益々増大され、且つ、従って、これら部分画像の大きさが減少され、その際、増大する細分化は、部分画像が、未だに特徴的なテクスチャー、粒度、亀裂、等、もしくは、これらの一部が認識可能である間は、その間ずっと追求される。
最適な細分化のこの識別は、例えば、計算モデルの学習者によって行われ、且つ、特に能率的である。計算モデルによる、学習の範囲内における最適な細分化の識別自体は、同様に考慮可能であり、その際、このことは、それに反して、大きな、計算の手間暇もしくは資源経費を意味する。予想外に、部分画像の評価および等級分けは、そのことが個々の画像を基礎として可能であるよりも、遥かに少ない計算の手間暇、および、使用されるコンピューター設備に対する遥かに少ない要求において、より良好な情報力を許容する。
更に別の利点は、学習データセットの生成において与えられる。従って、少しの学習画像だけで十分である。何故ならば、細分化によって、学習画像から、何倍もの学習部分画像が与えられるからである。
特に、学習部分画像の等級分けは能率的に行われ得る。何故ならば、学習画像が、それ自体、1つの等級に割り当てられ、その際、細分化によって得られた学習部分画像が、学習画像のこの等級を基本的に受け継ぐからである。有利には、部分画像への画像の細分化は、学習部分画像への学習画像の細分化と類似して行われる。例えば、脱水された前記汚泥、もしくは、この汚泥から脱水された前記液体に対する、カメラシステムの配置、もしくは、選択された透視に関して、同様に有利には、画像の作成は、学習画像に生成と類似して行われる。
【発明の効果】
【0009】
この方法の本発明に従う構成において、計算モデルは、脱水された汚泥の部分画像を、この脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂に従って等級分けする。本発明に従い、計算モデルは、前もって、学習データセットによって学習させられ、その際、学習画像が、学習部分画像に細分化され、且つ、この計算モデルが、等級分けされた学習部分画像によって学習させられる。
学習部分画像への学習画像の細分化は、学習部分画像が可能な限り小さな大きさを有し、その際、この学習部分画像の大きさが、少なくとも、部分画像が、脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を描写する程に、大きく選択されているように行われる。計算モデルの完結した学習の後、脱水された汚泥の画像は、画像分析のための、コンピューターで実行される計算モデルによって評価され、その際、この計算モデルが、個々の画像を、部分画像へと細分化、等級分けし、且つ、従って、汚泥の脱水を評価する。
付加的または選択的に、汚泥から脱水された液体の画像が作成される場合、前記計算モデルは、この画像から作成された前記部分画像を、この液体内において閉じ込められた気泡、もしくは、この液体に上で形成された泡沫に従って評価し、且つ、これら部分画像を相応して等級分けする。
他方また、細分化によって形成された部分画像は、十分な大きさを有する必要がある。有利には、補助的に、前記部分画像の評価は、色彩特性、特に色彩値、色彩飽和度、もしくは、明るさの値に従って行われる。
【0010】
この方法の、更に有利な構成において、コンピューターで実行される計算モデルは、減少された部分画像を等級分けし、その際、この計算モデルが、減少された学習部分画像によって学習させられる。その際、部分画像の減少のもとで、複数の画素の画素情報の平均化もしくは統合が理解されるべきである。減少された部分画像は、これに伴って、これら部分画像のモザイク形態を具現する。
予想外に、部分画像の減少にもかかわらず、更に、脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、または、亀裂に対する、もしくは、脱水された液体気泡または泡沫形成に対する、帰納的推理は許容され、且つ、従って、必要な等級分けが、更に低減された計算の手間暇もしくは資源経費において許容されることは確認された。
【0011】
この方法の有利な構成は、
前記部分画像の前記等級分けは、少なくとも2つの等級を含み、
第1の等級が、少なすぎる脱水もしくは凝集剤添加を、および、第2の等級が、多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すことにある。
等級分けされた部分画像を基礎として、汚泥の脱水は評価される。2つの等級へのこの等級分け-即ち、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加-は、二段階の制御のコンセプトに相応する。従って、最適な脱水もしくは凝集剤添加の状態は達成され得、制御コンセプトに相応して、この制御が、但し、決して止まることはない。
選択的に、部分画像の等級分けは、少なくとも3つの等級内において行われる。従って、それぞれに1つの等級は、十分な、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表す。このことは、三段階の制御のコンセプトに相応し、その際、最適な脱水もしくは凝集剤添加の範囲内において、汚泥に対する凝集剤の添加量の変化は行われず、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加の際に、それに反して、汚泥に対する凝集剤の添加量が増大もしくは減少される。この制御は、相応して、より均等に行われる。
有利には、説明された構成において、汚泥の脱水の評価のために、前記画像の前記部分画像の等級の頻度の分布は使用される。従って、例えば、凝集剤の添加の制御は、最も頻繁の等級に相応して行われ得る。有利には、例えば、2つの等級、例えば少なすぎるもしくは多すぎる脱水のための等級の頻度の比率が形成され、その際、次いで、脱水の評価が、そのように形成された比率に相応して行われる。
目標値としての、最適な脱水もしくは凝集剤添加のための「最適な比率」の設定によって、従って、制御は、この「最適な比率」を調節することを探求する。この「最適な比率」は、例えば、最適な脱水を表すように等級分けされている、学習画像もしくは学習部分画像による計算モデルの学習から周知されている。
有利には、部分画像の検出のための更に別の等級が導入され、その際、この等級に、無効な部分画像が割り当てられる。その際、部分画像は、無効として見なされ、従って、これら部分画像上に、脱水された汚泥、及び/または、汚泥から脱水された液体が表示されていない。部分画像が、例えば、主として、脱水装置の要素、例えば、脱水スクリューコンベヤまたは搬送スクリューコンベヤのスクリューコンベヤ、または、スクリーン脱水装置のスクリーンを表示していることは可能である。
これら部分画像は、従って、脱水のため、もしくは、凝集剤の添加のための情報を許容せず、無効として、更に別の評価から除外され、且つ、脱水の評価に影響しない。
【0012】
この方法の有利な構成において、前記学習データセットの作成は、脱水装置の作動状態における、所望された脱水もしくは凝集剤添加の調節を含み、その際、そのように脱水された汚泥、及び/または、脱水された液体の部分画像が、十分な脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされる。
同様に、有利には、作動状態における、所望された脱水もしくは凝集剤添加の調節の後、凝集剤添加は減少され、且つ、少なすぎる脱水もしくは凝集剤添加が設定され、もしくは、凝集剤添加が増大され、且つ、多すぎる脱水もしくは凝集剤添加が設定され、その際、相応する学習画像が、その場合に、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされる。
例えば、脱水装置の1つの作動点において、凝集剤の添加が、弁位置によって決定されており、且つ、45%の弁位置の場合に、十分な脱水もしくは凝集剤添加が与えられる。40%への、凝集剤添加を決定する弁位置の減少、もしくは、50%へのこの弁位置の増大により、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加は調節される。最適な、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加の際の、そのように作成された学習画像は、学習部分画像への細分化、および、相応する等級分けの後、計算モデルの学習のために使用される。
学習データセットの作成のための、この説明された方法は、この方法の効率によって特徴付けられている。何故ならば、短時間に、学習画像が、最適な、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加の等級のために、作成、および、等級分けされ得るからである。例えば他の様式の汚泥が脱水されるべきであるという理由で、必要な場合に、極めて迅速に、新しい学習データセットが作成され得、且つ、コンピューターで実行される計算モデルが相応して学習させられ得る。
【0013】
この方法の、更に別の有利な構成において、
脱水された前記汚泥及び/または脱水された前記液体の前記画像は、1つの領域内において作成され、この領域が、
脱水装置の境界面、特に、例えばこのスクリーンの縁部領域内におけるまたはスクリーンに対して作用する障壁の後ろの下流側における、その上に汚泥が導かれているスクリーンの自由なスクリーン面を、もしくは、
脱水スクリューコンベヤもしくは搬送スクリューコンベヤの自由な面を、もしくは、
前記汚泥もしくは脱水された前記液体との直接的な接触状態にある壁部を含む。
予想外に、境界面を含む領域内において、最適に脱水された汚泥が、特に、特徴的な表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を形成することは確認された。凝集剤の少なすぎる添加は、平滑な、光を反射する立体構造を誘起し、他方、凝集剤の多すぎる添加が、粗い、艶消しのテクスチャーを誘起する。脱水された液体に関して、境界面を含む領域内において、脱水もしくは凝集剤の添加に依存しての特徴的な濁り、泡沫形成、および、堆積が観察され得る。
【0014】
本発明は、同様に、カメラシステムと、本発明に従う方法を実施するために適合されている手段とを備える、汚泥のための脱水装置にも関している。
有利には、前記カメラシステムが、デジタルカメラと少なくとも1つの照明手段とを備えており、その際、このデジタルカメラに、1つの光学的な軸線が割り当てられており、且つ、前記照明手段が、この光学的な軸線の方向における照明のために構成されている。
その場合に、カメラシステムが遮蔽部を備えていることは可能であり、その際、この遮蔽部が、カメラもしくはデジタルカメラと、脱水された汚泥もしくは脱水された液体との間に配置されている。
カメラは、その際、照明手段によって囲繞されており、これら照明手段が、同様に、遮蔽部と、脱水された汚泥もしくは脱水された液体との間に配置されている。遮蔽部は、カメラもしくは照明手段を、汚染または凝縮物形成から保護することを許容する。模範的に、少なくとも1つの照明手段は、光学的な軸線の方向における均一の照明を許容し、このことによって、周囲の光の障害要因が低減もしくは除去される。
【0015】
本発明は、更に、コンピュータープログラムプロダクトに関し、このコンピュータープログラムプロダクトが命令を備え、これら命令が、本発明に従う前記装置が、本発明に従う方法を実施することを生じさせる。
【0016】
本発明は、ここで、図面に基づいて例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】脱水装置内における、脱水された汚泥の画像もしくは下位画像の図である。
【
図2a】脱水装置内における、種々の脱水された汚泥の図である。
【
図2b】脱水装置内における、種々の脱水された汚泥の図である。
【
図3a】脱水装置内における、種々の脱水された汚泥の更に別の例示の図である。
【
図3b】脱水装置内における、種々の脱水された汚泥の更に別の例示の図である。
【
図3c】脱水装置内における、種々の脱水された汚泥の更に別の例示の図である。
【
図4】脱水された汚泥と、形成された境界面4とを有する、脱水装置内における1つの領域の図である。
【
図5a】更に別の脱水装置内における、脱水された汚泥の画像もしくは下位画像の図である。
【
図5b】更に別の脱水装置内における、脱水された汚泥の画像もしくは下位画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、脱水装置内における、脱水された汚泥の、画像2、もしくは、下位画像(部分画像)3を示している。その際、汚泥は、凝集剤の添加のもとで、スクリーン脱水装置として形成された脱水装置内において脱水され、且つ、カメラシステムによって、脱水された汚泥の画像が作成される。
図1は、その際、下位画像3に対する画像2の比率を明瞭に示しており、その際、
図1内において、2つの画像2が表されている。それぞれの画像2は、コンピューターで実行される計算モデルによって、下位画像3に細分化され、その際、
図1内において、その都度の下位画像3が、正方形として、それぞれの画像2内において表されている。
一般的に、部分画像3は、可能な限り小さな大きさを有するべきであり、その際、部分画像3の大きさが、少なくとも、これら部分画像3が、脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を描写する程に、大きく選択されているべきである。学習させられた計算モデルは、結果として部分画像を等級分けし、このことは、
図1内において、異なって着色された部分画像3、もしくは、正方形によって示唆されている。その際、部分画像3の等級の頻度の分布は、汚泥の脱水の評価のために使用され得る。
【0019】
図2aと2bとは、脱水装置内における、異なって脱水された汚泥を示しており、その際、
図2aが少なすぎる脱水もしくは凝集剤添加を、および、
図2bが多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表している。
図2a内において表された少なすぎる凝集剤の添加は、平滑な、光を反射する立体構造を誘起し、他方、
図2a内において表された多すぎる凝集剤の添加が、粗い、艶消しのテクスチャーを誘起する。学習させられた計算モデルは、下位画像3を等級分けし、且つ、従って、汚泥の脱水の評価を許容する。
予想外に、脱水された汚泥の、脱水装置の境界面4、特にその上に汚泥が導かれているスクリーン6の自由なスクリーン面を含む画像は、
例えば、スクリーン6の縁部領域内において、または、スクリーン6に対して作用する、汚泥との直接的な接触状態にある障壁5の後ろの下流側(Nachlauf)において、特に特徴的な表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を有している。
これら画像の評価は、従って有利であり、且つ、より高い程度に情報豊富(aussagekraeftig)である。
図2aおよび2b内において、良好に障壁5が認識可能であり、これら障壁が、スクリーン6に対して作用する。障壁5の後ろの下流側において、境界面4もしくはスクリーン6は露出され、その際、脱水された汚泥が、境界面4の周囲環境内において、特に特徴的な表面テクスチャーを形成している。
【0020】
図3a、3b、および、3cは、脱水装置内において、種々に脱水された汚泥の更に別の例示を示しており、その際、
図3aが、少なすぎる、
図3bが最適な、および、
図3cが多すぎる、脱水もしくは凝集剤添加を描写している。
凝集剤の少なすぎる添加でもっての
図3aは、平滑な、光を反射する立体構造を誘起しており、その際、特徴的な表面テクスチャー、粒度、もしくは、レリーフは、与えられていない。凝集剤の最適な添加でもっての
図3bは、特徴的な表面テクスチャー、粒度、もしくは、レリーフを誘起し、この表面テクスチャー、粒度、もしくは、レリーフが、この例示において最適な脱水を伴う。凝集剤の多すぎる添加でもっての
図3cは、更により粗い、艶消しのテクスチャーを誘起し、このことは、凝集剤の適量以上の配量を認識可能である。
一般的に、部分画像3は、可能な限り小さな大きさを有するべきであり、その際、部分画像3の大きさが、少なくとも、これら部分画像3が、脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を描写する程に、大きく選択されているべきである。画像もしくは学習画像の細分化は、下位画像もしくは学習下位画像が、可能な限り小さな大きさを有しており、その際、学習部分画像の大きさが、少なくとも、部分画像が、脱水された汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を描写する程に、大きく選択されているように行われる。
当業者に対するこの指導は、良好に、
図3a、3b、および、3cでもって理解され得る。
図3aが、特徴的なテクスチャーを表していないので、細分化が適切に選択されたかどうかの評価は、この
図3aを基礎として行われ得ない。
図3bと
図3cとは、それに反して、極めて特徴的なテクスチャー、粒度、もしくは、レリーフを示している。下位画像の大きさは、可能な限り小さく選択され、その際、下位画像上で、必然的に、特徴的なテクスチャー、粒度、レリーフ、もしくは、亀裂が、認識可能である。
更に、脱水装置の境界面4、特にそのスクリーンの上で汚泥が導かれている該スクリーン6の自由なスクリーン面を含む、脱水された汚泥の画像が、例えば、スクリーン6に対して作用する、汚泥との直接的な接触状態にある障壁5の後ろの下流側において、特に特徴的な表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂を有していることは、説明され得る。
図3a、3b、および、3c内において、障壁5が認識可能であり、これら障壁は、スクリーン6に対して作用し、その際、境界面4もしくはこのスクリーン6が露出される。
【0021】
図4は、脱水装置1の1つの領域を、脱水された汚泥および形成された境界面と共に示している。その場合に、脱水された汚泥は、1つのスクリーン6の上で導かれており、その際、障壁5がこのスクリーン6に対して作用し、このことは、汚泥内において、障壁5の後ろの下流側における、特徴的な表面テクスチャーの形成を誘起する。
境界面4を含む画像2は、従って、特に有利な、もしくは、情報の豊富な、部分画像3の評価を許容する。
【0022】
図5は、脱水された汚泥の画像2を示しており、もしくは、
図5bが、脱水された汚泥の、画像2と下位画像3とを示している。脱水された汚泥は、その際、輸送コンベヤによって輸送される。
図5a内において、白色の枠は、カメラシステムによって検出された画像2を示唆している。
図5bは、計算モデルによって下位画像3に細分化された画像2を示しており、その際、これら下位画像3が、学習させられた計算モデルによって等級分けされ、且つ、それぞれに、下位画像3の割り当てられた等級が、下位画像3もしくは正方形3の着色によって示唆されている。
有利には、この等級分けは、汚泥の脱水の評価に影響しない無効な部分画像3の検出のための1つの等級を含んでいる。その際、部分画像3は無効と見なされ、従って、これら部分画像上で、脱水された汚泥が表されているのではなく、むしろ、脱水装置の要素が検出されている。
図5aもしくは5b内において、例えば、画像2内において、脱水された汚泥以外に、明確に、搬送スクリューコンベヤが認識され得る。
【0023】
本発明は、多数の利点を提供する。
本発明は、汚泥に対する凝集剤の添加の、効果的且つ客観的な制御を許容し、その際、最適な脱水が、極めて少しの凝集剤挿入でもって達成され、このことは、環境保護性、並びに、経済性に関連している。
本発明に従う方法は、計算モデルの迅速且つ容易な学習を許容し、このことによって、この方法が、極めて異なった汚泥の脱水に対して、使用可能である。特に、下位画像内における画像の細分化、その際、これら下位画像の評価は、コンピューターで実行される計算モデルによって行われる。
このことは、一方では、比較可能に少ない学習画像でもって、計算モデルを学習することを許容する。他方では、部分画像の評価は、改善された情報力(Aussagekraft)において、-個別画像を基礎とした評価との比較において-より迅速に、且つ、より少なく、計算集約的に行われる。
画像が、脱水された汚泥、もしくは、脱水された液体と並んで、同様に境界面も含んでいる領域内において作成される限りは、相応する下位画像の評価が、更に向上された情報力を示す。
【符号の説明】
【0024】
1 脱水装置
2 画像
3 部分画像
4 境界面
5 障壁
6 スクリーン
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための方法であって、
前記汚泥に、前記凝集剤が添加され、且つ、この汚泥が、引き続いて、脱水装置(1)、例えば脱水スクリューコンベヤ、デカンタ、スクリーン脱水装置、等内において、少なくとも部分的に脱水され、
脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された液体の、画像(2)が、カメラシステムによって作成
され、
前記画像(2)が、画像分析のための、コンピューターで実行される計算モデルによって評価され、
この計算モデルが、前もって、学習データセットによって学習させられ
、および、この学習データセットが
、脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された前記液体の学習画像(2
)を含む、
前記方法において、
前記画像分析のためのコンピューターで実行される前記計算モデルが、人口ニューラルネットワークとして形成されており、
前記学習データセットが、更に、個々の前記学習画像(2)から細分化によって形成された前記学習部分画像(3)、および、個々の前記学習部分画像(3)の等級分けを含み、
前記学習画像(2)の前記細分化のために、前記学習部分画像(3)の大きさが減少され、
前記学習部分画像(3)の前記大きさが、少なくとも、
前記部分画像(3)が、脱水された前記汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、または、亀裂に対する、もしくは、脱水された前記液体の気泡または泡沫形成に対する、帰納的推理を許容する程に大きく選択され、
前記学習部分画像への前記学習画像の前記細分化に類似して、前記計算モデルが、個々の前記画像(2)を部分画像(3)に細分化し、個々の前記画像(2)の前記部分画像(3)を等級分けし
、
前記計算モデルが、脱水された前記汚泥の前記部分画像(3)を、脱水された前記汚泥の表面テクスチャー、特に粒度、レリーフ、もしくは、亀裂に従って等級分けし、且つ
、
前記部分画像(3)の前記等級分けを基礎として、前記汚泥の脱水を評価し
、且つ、
前記汚泥の脱水の前記評価を基礎として、前記凝集剤の前記添加の制御が行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記計算モデルは、前記汚泥から脱水された前記液体の前記部分画像(3)を、この液体内において閉じ込められた気泡、もしくは、この液体に上で形成された泡沫に従って等級分けすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算モデルは、前記部分画像(3)を、色彩特性、特に色彩値、色彩飽和度、もしくは、明るさの値に従って等級分けすることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記部分画像(3)の前記等級分けは、少なくとも2つの等級を含み、
第1の等級が、少なすぎる脱水もしくは凝集剤添加を、および、第2の等級が、多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記部分画像(3)の等級分けは、少なくとも1つの更に別の第3の等級を含み、この第3の等級が、十分な脱水もしくは凝集剤添加を表すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像(2)の前記部分画像(3)の等級の頻度の分布は、前記汚泥の前記脱水の評価のために使用されることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
更に別の等級は、無効な部分画像(3)を検出することを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記学習データセットの作成のために、所望された脱水もしくは凝集剤添加が設定され、且つ、そのように脱水された前記汚泥、及び/または、脱水された前記液体の学習画像(2)が、十分な脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記学習データセットの作成のために、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加が設定され、且つ、そのように脱水された前記汚泥、及び/または、脱水された前記液体の学習画像(2)が、少なすぎるもしくは多すぎる脱水もしくは凝集剤添加を表すように、等級分けされることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
脱水された前記汚泥及び/または脱水された前記液体の前記画像(2)は、1つの領域内において作成され、この領域が、
境界面(4)、特に、例えばこのスクリーンの縁部領域内におけるまたはスクリーン(6)に対して作用する障壁(5)の後ろの下流側における、その上に汚泥が導かれているスクリーンの自由なスクリーン面を、もしくは、
脱水スクリューコンベヤもしくは搬送スクリューコンベヤの自由な面を、もしくは、
前記汚泥もしくは脱水された前記液体との直接的な接触状態にある壁部を、
含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一つに記載の方法を実施するための、汚泥のための脱水装置(1)、例えば、脱水スクリューコンベヤ、デカンタ、スクリーン脱水装置、等において、
前記脱水装置(1)が、
脱水された前記汚泥、及び/または、この汚泥から脱水された液体の画像の作成のための、カメラシステムと、
前記汚泥に対する凝集剤の添加の制御のための手段と、および、
請求項1から10のいずれか一つに記載の方法に相応する、前記画像分析のための前記計算モデルの実施のために構成されたコンピューターと、
を備えることを特徴とする脱水装置(1)。
【請求項12】
前記カメラシステムが、デジタルカメラと照明手段とを備えており、
このデジタルカメラに、1つの光学的な軸線が割り当てられており、且つ、前記照明手段が、この光学的な軸線の方向における照明のために構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
コンピュータープログラムプロダクトであって、
このコンピュータープログラムプロダクトが命令を備え、これら命令が、請求項11または12に記載の前記装置が、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法のステップを実施することを生じさせることを特徴とする前記コンピュータープログラムプロダクト。
【国際調査報告】