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特表2024-523335動物の鎮静用装備品を制御するためのシステム、装備品およびその方法
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  • 特表-動物の鎮静用装備品を制御するためのシステム、装備品およびその方法 図1
  • 特表-動物の鎮静用装備品を制御するためのシステム、装備品およびその方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】動物の鎮静用装備品を制御するためのシステム、装備品およびその方法
(51)【国際特許分類】
   A61D 7/00 20060101AFI20240621BHJP
   A01K 15/02 20060101ALI20240621BHJP
   A01K 13/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61D7/00 D
A01K15/02 Z
A01K13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577503
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 FR2022000056
(87)【国際公開番号】W WO2022263730
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】2106393
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522452329
【氏名又は名称】エービー7 サンテ
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】カルメ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】グェン,ダヴィド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルベール,アルノー
(57)【要約】
【課題】動物の状態をより良く検出し、その行動を分析し、リアルタイムで動物を最もうまく鎮静するシステムを提供する。
【解決手段】噴霧メカニズムを含む活性作用物質を噴霧するデバイスと、動物またはその環境に関する測定値を獲得する少なくとも1つのセンサとを含む動物用装備品を制御するためのシステムにおいて、少なくとも1つのセンサによって獲得された初期データを受信する受信用ユニット、それぞれ予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズムの活動化回数および各々の活動化の持続時間をコード化する制御法則に各々対応する複数のモード(MP1、MP2、MP3、MS)から1つの動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)を選択することによって、受信したデータに応じて噴霧メカニズムのための制御法則を決定する決定ユニット、決定された制御法則を噴霧メカニズムに送信する能力を有する送信用ユニットを含むシステムに関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用装備品(10)を制御するためのシステム(12)において、装備品(10)が、
- 活性成分タンク(18)および、制御可能な噴霧メカニズム(22)を伴う噴霧化本体(20)を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイス(14)と、
- 少なくとも1つのセンサのセット(16)であって、装備品(10)を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセット(16)と、
を含んでおり、
前記制御システム(12)が、
- データを受信できる受信用ユニット(30)であって、受信用ユニット(30)によって受信される前記データが、少なくとも1つのセンサのセット(16)によって獲得された第1のデータを含んでいる受信用ユニット(30)と、
- 決定された制御法則(32)を得るために、受信したデータに応じて噴霧メカニズム(22)の制御法則を決定することのできる決定ユニット(32)であって、複数の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)の中から1つの動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)を選択することによって制御法則を決定することができ、各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)が、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズム(22)の活動化回数および各々の活動化の持続時間についてコード化する制御法則であり、活動化回数および各々の活動化の持続時間が各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)に特定的である決定ユニット(32)と、
- 動作モード(MP1、MP2、MP3)が、例えば3以上の主動作モード(MP1、MP2、MP3)および少なくとも1つの二次的動作モード(MS)を含み、主動作モード(MP1、MP2、MP3)は、予め決定された持続時間が活動化持続時間の100倍よりも大きい動作モードであり、二次的動作モード(MS)は、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間の5倍よりも小さい動作モードであり、
- 決定された制御法則を前記噴霧メカニズム(22)に送ることのできる送信用ユニット(34)と、
を含んでいる、システム。
【請求項2】
前記センサのセット(16)が、加速度計またはジャイロスコープのうちの少なくとも1つを含む運動測定ユニット(26)を含み、第1のデータが、動物の運動の特性を含み、特性が、動物の運動の振幅、動物の運動の頻度、動物が移動する距離、動物の運動の方向、または動物の運動の持続時間の中から選択される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記センサのセット(16)が、マイクロホン(28)を含み、第1のデータが、マイクロホン(28)によって記録されるサウンドの特性を含み、特性が、サウンドの音強度、サウンドの可聴周波数またはサウンドの持続時間の中から選択される、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記決定ユニット(32)が、第1のデータに関する基準が満たされているか否かを決定でき、かつ前記基準が満たされている場合には二次的動作モード(MS)を選択することができる、請求項1から3のいずれか一つに記載の制御システム。
【請求項5】
前記決定ユニット(32)が、計数持続時間中に二次的動作モード(MS)の選択回数を計数することができ、決定ユニット(32)が、計数された選択回数に応じて1つの主動作モード(MP1、MP2、MP3)から別の動作モード(MP1、MP2、MP3)へと切替える、請求項1から4のいずれか一つに記載の制御システム。
【請求項6】
前記主動作モード(MP1、MP2、MP3)と結び付けられた各々の予め決定された持続時間と計数持続時間が、同一である、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記受信用ユニット(30)により受信されるデータが、第2のデータを含み、第2のデータが、動物に関する情報であり、決定ユニット(32)が、第2のデータに応じて、選択された主動作モード(MP1、MP2、MP3)に制御法則を初期化することができる、請求項1から6のいずれか一つに記載の制御システム。
【請求項8】
前記受信用ユニット(30)によって受信されるデータが、ボタンの手動式活動化に関する第3のデータ項目を含み、このとき決定ユニット(32)が、第3のデータ項目に応じて二次的動作モード(MS)を選択する、請求項1から7のいずれか一つに記載の制御システム。
【請求項9】
- 活性成分タンク(18)および、制御可能な噴霧メカニズム(22)を伴う噴霧化本体(20)を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイス(14)と、
- 少なくとも1つのセンサのセット(16)であって、装備品(10)を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセット(16)と、
- 請求項1から8のいずれか一つに記載の制御システム(12)と、
を含む、動物用装備品(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用装備品を制御するためのシステムに関する。
本発明は、また、このような制御システムを含む装備品および装備品の制御方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の動物と同様に、犬は、特に危険または未知の状況に直面したときにストレスを感じ、これは自然な反応である。
犬のストレスは、犬に特定的な行動をとらせる原動力となり、脅威に直面するのに役立ち得る。
【0003】
しかしながら、ストレスが高すぎる場合、それは、清潔さの喪失、不適切な犬吠、または器物損壊などの行動障害を急速に誘発し得る。
【0004】
したがって、犬の不安を良い方向に向かわせるか、または犬を静めることによって、犬を鎮静できることが望ましい。
【0005】
実際には、犬は、過流涎、震え、瞳孔拡張または消化系障害を含めたさまざまな兆候を通して、そのストレスを示す。
これらの症候は、一方ではストレスが正常なものであり得ること、そして他方ではこれらの症候が比較的一般的なものであって誰もいないとき(飼い主が仕事に出かけてしまったとき)に出現し得ることから、識別が困難である。
【0006】
したがって、犬の飼い主にとっては、自分の犬が鎮静を必要としていることを認識するのが困難である。
【0007】
類似の問題は、他の家畜についても存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、動物の状態をより良く検出し、その行動を分析し、リアルタイムで動物を最もうまく鎮静する方法を決定することができる動物用装備品を制御するためのシステムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的で、本明細書は、動物用装備品を制御するためのシステムにおいて、装備品が、
- 活性成分タンクおよび、制御可能な噴霧メカニズムを伴う噴霧化本体を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイスと、
- 少なくとも1つのセンサのセットであって、装備品を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセットと、
を含んでおり、
前記制御システムが、
- データを受信できる受信用ユニットであって、該受信用ユニットによって受信される前記データが、少なくとも1つのセンサのセットによって獲得された第1のデータを含んでいる受信用ユニットと、
- 決定された制御法則を得るために、受信したデータに応じて噴霧メカニズムの制御法則を決定することのできる決定ユニットであって、複数の動作モードの中から1つの動作モードを選択することによって制御法則を決定することができ、各々の動作モードが、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズムの活動化回数および各々の活動化の持続時間についてコード化する制御法則であり、活動化回数および各々の活動化の持続時間が各々の動作モードに特定的である決定ユニットと、
- 決定された制御法則を噴霧メカニズムに送ることのできる送信用ユニットと、
を含んでいる、システムについて記述している。
【0010】
活性材料の標的を絞った噴霧のための自動化されたデバイスについて記述している国際公開第2020/074796号と比較して、このような制御システムは、自律式でかつ適応性あるシステムである。
【0011】
実際、該制御システムは、少なくとも1つのセンサを用いて噴霧メカニズムの動作モードひいては薬量を動物の行動に合わせて調整することを可能にする。
【0012】
該制御システムは、こうして、動物の薬量をうまく適応させることを保証する目的で、動物に対し実施される測定に応じて噴霧メカニズムの動作モードの切替えをひき起こす能力を有する。
【0013】
換言すると、該制御システムは、リアルタイムで動物を最もうまく鎮静する方法を決定し、処置を適用するために噴霧用デバイスを制御する能力を有する。
【0014】
デジタル制御される化学物質を分散させるためのデバイスについて記述する米国特許出願公開第2020/108408号明細書と比較して、該制御システムは、持続時間および周期性の観点から見て好適な動作モードを提案しているのであり、化学物質の適用と該化学物質の非適用の間の選択を提案しているのではないという意味合いにおいて、適応性を備えたものである。
【0015】
さらに、該制御システムは、長期的処置および短期的処置の両方を得るためのシステムである。
【0016】
特定の実施形態によると、該制御システムは、単独でまたは技術的に可能な全ての組合せにしたがって考慮された、以下の特徴のうちの単数または複数のものを有する。
- センサのセットは、加速度計またはジャイロスコープのうちの少なくとも1つを含む運動測定ユニットを含み、第1のデータは、動物の運動の特性を含み、特性は、動物の運動の振幅、動物の運動の頻度、動物が移動する距離、動物の運動の方向、または動物の運動の持続時間の中から選択される。
- センサのセットは、マイクロホンを含み、第1のデータは、マイクロホンによって記録されるサウンドの特性を含み、特性は、サウンドの音強度、サウンドの可聴周波数またはサウンドの持続時間の中から選択される。
- 動作モードは、例えば3以上の主動作モードおよび少なくとも1つの二次的動作モードを含み、主動作モードは、予め決定された持続時間が活動化持続時間の100倍よりも大きい動作モードであり、二次的動作モードは、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間の5倍よりも小さい動作モードである。
- 決定ユニットは、第1のデータに関する基準が満たされているか否かを決定でき、かつ前記基準が満たされている場合には二次的動作モードを選択することができる。
- 決定ユニットは、計数持続時間中に二次的動作モードの選択回数を計数することができ、決定ユニットは、計数された選択回数に応じて1つの主動作モードから別の動作モードへと切替える。
- 主動作モードと結び付けられた各々の予め決定された持続時間と計数持続時間は、同一である。
- 受信用ユニットにより受信されるデータは、第2のデータを含み、第2のデータは、動物に関する情報であり、決定ユニットは、第2のデータに応じて、選択された主動作モードに制御法則を初期化することができる。
- 受信用ユニットによって受信されるデータは、ボタンの手動式活動化に関する第3のデータ項目を含み、このとき決定ユニットは、第3のデータ項目に応じて二次的動作モードを選択する。
【0017】
本明細書は、また、
- 活性成分タンクおよび、制御可能な噴霧メカニズムを伴う噴霧化本体を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイスと、
- 少なくとも1つのセンサのセットであって、装備品を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセットと、
- 上述の制御システムと、
を含む、動物用装備品にも関する。
【0018】
本明細書は、また、
- 活性成分タンクおよび、制御可能な噴霧メカニズムを伴う噴霧化本体を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイスと、
- 少なくとも1つのセンサのセットであって、装備品を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセットと、
を含む動物用装備品を制御するための方法において、制御システムによって行われ、および以下の、
- データを受信するステップであって、受信されたデータが、第1のデータを含み、該第1のデータが少なくとも1つのセンサのセットによって獲得されたデータであるステップと、
- 決定された制御法則を得るために、受信したデータに応じて噴霧メカニズムの制御法則を決定するステップであって、複数の動作モードの中からの1つの動作モードの選択を含み、各々の動作モードが、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズムの活動化回数および各々の活動化の持続時間についてコード化する制御法則であり、活動化回数および各々の活動化の持続時間が各々の動作モードに特定的であるステップと、
- 決定された制御法則を噴霧メカニズムに送るステップと、
を含む方法にも関する。
【0019】
本明細書において、「~することができる」なる表現は、互換的に、「~に好適である」、「~に適応されている」、または「~するように構成されている」ことを意味する。
【0020】
本発明の特徴および利点は、単に非限定的な例として記された以下の説明を、添付図面を参照しながら読んだ時点で明白になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】動物の装備品および制御システムの概略図である。
図2】制御システムにより実装された制御方法のフローチャートの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
動物用装備品10および制御システム12は、図1に示されている。
【0023】
装備品10は、動物の身体の一部に装着されるように意図された要素である。
【0024】
記載されている例において、装備品10は首輪、すなわち動物の首の周りに装着されるように意図された要素である。
【0025】
代替的には、ハーネス、ベルトまたはブレスレットもまた、装備品とみなすことができる。
【0026】
動物は、ペット、特に猫または犬である。
【0027】
装備品10は、噴霧用デバイス14およびセンサのセット16を含む。
【0028】
噴霧用デバイス14は、活性成分を噴霧するためのデバイスである。
【0029】
噴霧用デバイス14は、活性成分の液滴の雲を噴霧することができる。
噴霧される液滴は、比較的細かく、典型的には、1マイクロメートル(μm)~20μm、好ましくは1μm~10μmのサイズを有する。
【0030】
噴霧用デバイス14は、動物の特定の部域、詳細には鼻鋤骨器官(ヤコブソン器官と呼ばれることがさらに多い)の上に局在化された形で活性成分を噴霧することを可能にする。
【0031】
噴霧用デバイス14は、また、対象の動きとは独立して多方向に使用され得る。
したがって、該噴霧用デバイス14は、噴霧用デバイス14の配向およびそれに課せられる動きの如何に関わらず、活性成分を効果的に噴霧する能力を有する。
【0032】
このために、噴霧用デバイス14は、活性成分タンク18と、制御可能な噴霧メカニズム22を伴う噴霧化本体20とを含む。
【0033】
活性成分タンク18は、充填可能で再利用可能なカートリッジまたは使用後に使い捨てのカートリッジであってよい。
【0034】
記載されている例によると、タンク18は、交換可能なカートリッジ内に含まれている。
【0035】
これにより、詰め替え可能な噴霧用デバイス14、すなわちタンク18が空になった時点で使用後に再充填できるデバイスを得ることが可能となる。
【0036】
代替的には、タンク18は、タンク18の表面上に直接一体化された充填用バルブを含む。
【0037】
噴霧化本体20は、液体活性成分を液滴の雲へと噴霧化することができる。
【0038】
このために、噴霧化本体20は、噴霧メカニズム22を含めた多数の要素を含む。
【0039】
噴霧メカニズム22は、制御可能である。
【0040】
このことは、すなわち、制御法則が噴霧メカニズム22の活動化を可能にすることを意味している。
したがって、制御法則は、活性成分の噴霧を遠隔制御および/または始動させることを可能にする。
【0041】
記載されている例によると、制御法則が噴霧メカニズム22による活性成分の噴霧を始動させる場合、噴霧メカニズムは、噴霧の持続時間のみに左右される一定量の液体を送出し、流量は噴霧メカニズム22によって固定されている。
したがって、射出される液体の体積は、XとX[補完要]の間であり得る。
【0042】
圧電型噴霧メカニズムが、こうして制御され得る噴霧メカニズム22の一例である。
【0043】
圧電型噴霧メカニズムは、活性成分と接触状態にある圧電ディスクを含むメカニズムであり、前記ディスクは噴霧化を可能にする周波数で振動する。
【0044】
有利には、噴霧化本体20は、活性成分を所望の部域内で適切に噴霧できるようにするため、圧電型噴霧メカニズム22の配向システム24を備えている。
【0045】
活性成分は、圧電型デバイスと接触することができるように液体組成物中に調合された物質であり、このデバイスの振動周波数が液体の噴霧化そして雲またはミストの形態での物質の分散を可能にする。
【0046】
活性成分を含有する液体組成物は、水性、アルコール性、水アルコール性または油性タイプのものであるかまたはエマルジョンの形態をしており、その性質は活性成分に適応させられることになる。
【0047】
特定の実施形態によると、組成物は、溶媒を含まず専ら純粋な活性成分で構成されている。
【0048】
別の実施形態によると、活性成分は、少なくとも1つの溶媒を用いて組成物中に希釈される。
使用可能な溶媒の例としては、詳細には、芳香族または脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族または脂肪族アルコール、エステル、エーテルおよびケトン、または水が含まれる。
より好ましくは、使用可能な溶媒は、植物油または動物油のようなトリグリセリド、またはエタノールのようなアルコール溶媒である。
【0049】
調合アジュバント、例えば安定剤、界面活性剤、共力剤、抗菌剤などを添加することも可能である。
【0050】
活性成分は、液体組成物の0.01%~100%、好ましくは0.1%~50%、さらに一層優先的には0.5%~30%を占める。
【0051】
ここで、活性成分は、抗ストレス剤または鎮静剤である。
【0052】
一例として、抗ストレス剤または鎮静剤は、大麻油などの植物油またはセイヨウカノコソウ、イヌハッカ、マツ、マンダリン、ダイダイ、バーベナ、ラビンツァラ、カモミール、ラベンダー、マジョウール、イランイラン、ローズマリー、ユーカリ、ミントの精油などの精油、または無THCカンナビジオール(CBD)油タイプのテトラヒドロカンナビノール(THC)を含まないカンナビノイド油、またはそれらの混合物である。
抗ストレス剤または鎮静剤は、非排他的に猫または犬鎮静フェロモンなどの鎮静フェロモンタイプの化合物または混合物であってもよい。
【0053】
図1に描かれている例によると、センサのセット16は、運動測定ユニット26およびマイクロホン28である2つのセンサを含む。
【0054】
運動測定ユニット26は、動物の運動の少なくとも1つの特性を獲得する能力を有するユニットである。
【0055】
運動測定ユニット26は、動物の行動、典型的には不安行動を分析するために前記運動の特性を得ることを可能にする。
【0056】
一例として、運動測定ユニット26は、ここでは、加速度計およびジャイロスコープを含むが、これら2つのうちの一方のみを含むか、または、動物の動き、または、動物の行動に関連する他のパラメータの記録を可能にする他のセンサを含むことができると考えられる。
【0057】
実際、運動測定ユニット26は、動物の運動の振幅、動物の運動の周波数、動物が走行した距離、動物の運動の方向、または動物の運動の持続時間の中から選択された特性を獲得することができる。
【0058】
マイクロホンは、サウンドセンサである。
また、記載されている例において、マイクロホン28は、その環境に関する特性を測定することができ、この特性は、サウンドの音強度、サウンドの可聴周波数またはサウンドの持続時間の中から選択される。
【0059】
制御システム12は、装備品10、詳細には噴霧メカニズム22を制御することができる。
【0060】
制御システム12は、装備品10の一部である。
この意味合いにおいて、制御システム12は装備品用の制御システム12である。
【0061】
制御システム12は、受信ユニット30、決定ユニット32、送信用ユニット34およびヒューマンマシンインタフェース36を含む。
【0062】
受信用ユニット30は、データを受信することができる。
【0063】
記載されている例によると、受信用ユニット30により受信されるデータは、センサのセット16からのデータを含む。
【0064】
決定ユニット32は、受信したデータに応じて噴霧メカニズム22の制御法則を決定することができる。
【0065】
こうして、決定ユニット32は、決定された制御法則を得る。
【0066】
送信用ユニット34は、噴霧メカニズム22に対して決定された制御法則を送信することができる。
【0067】
ヒューマンマシンインタフェース36は、ユーザ、詳細には動物の飼い主が制御システム12と対話できるようにする。
【0068】
ヒューマンマシンインタフェース36は、例えば、ユーザが情報または指令を入力することと、ユーザに情報を提供することの両方を可能にするタッチスクリーンである。
このようなヒューマンマシンインタフェース36は、こうして、入力デバイスと出力デバイスの機能を組合わせている。
【0069】
一変形形態においては、別個の入力デバイスおよび出力デバイスが使用される。
【0070】
一例として、入力デバイスはキーボードである。
一変形形態において、入力デバイスは、ポインティング周辺機器(例えばマウス、タッチパッドおよびグラフィクスタブレット)、音声認識デバイス、オキュロメータまたは触覚デバイスである。
【0071】
同様にして、出力デバイスは、出力の視覚的表現を可能にする表示スクリーンであってよい。
他の実施形態において、出力デバイスは、プリンタ、拡張および/または仮想表示ユニット、出力をサウンドの形で表現するための拡声器または別のサウンド発生デバイス、振動および/または匂いを生成するユニットまたは電気信号を生成するように適応されたユニットである。
【0072】
図1の事例では、制御システム12は、物理的に2つの部分で実装され、第1の部分は、受信用ユニット30、決定ユニット32および送信用ユニット34をまとめ、第2の部分はヒューマンマシンインタフェース36に対応している。
【0073】
ここでは、第1の部分は、装備品10内に埋込まれた電子回路であり、一方第2の部分は端末40である。
【0074】
記載されている実施形態において、第1の部分はコンピュータ38である。
【0075】
コンピュータ38は、コンピュータ38のレジスタおよび/またはメモリ内の電子的または物理的数量で表わされたデータを操作および/またはレジスタメモリまたは他のタイプの表示デバイス、伝送デバイスまたは記憶デバイス内の物理的データに対応する他の類似のデータへと変換するように設計された電子回路である。
【0076】
具体的な例として、コンピュータ38は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ(例えば中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラおよびデジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(ASIC)、インサイチュ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)およびプログラマブル論理アレイ(PLA)、状態機械、論理ゲートおよび個別的ハードウェア構成要素を含む。
【0077】
コンピュータ38は、センサのセット16のセンサ各々に対し電気的に接続されている。
【0078】
一変形形態においては、バスまたは入出力インタフェースによりセンサと通信可能にすることが構想できる。
【0079】
記載されている例において、端末40はスマートホンである。
【0080】
スマートホンは、通信ネットワークを介してコンピュータ38と通信状態にあるアプリケーションを実装することができる。
【0081】
アプリケーションは、一般に外部ソースからダウンロードされたプログラム命令セットである。
【0082】
例えば、プログラム命令の形態は、ソースコード形態、コンピュータ実行可能形態またはソースコードとコンピュータ実行可能形態の間の任意の中間形態、例えばインタプリタ、アセンブラ、コンパイラ、リンカー、またはローカライザを介したソースコードの変換の結果としてもたらされる形態である。
代替的には、プログラム命令は、マイクロコード、ファームウェア命令、状態定義データ、集積回路構成データ(例えばVHDL)またはオブジェクトコードである。
【0083】
変形形態として、他の物理的実装が可能である。
【0084】
例えば、コンピュータ38は、装備品10から遠隔のものであり得る。
このような場合、コンピュータ38は、有線システムによるかまたはアンテナを使用して、センサのセット16からデータを受信する。
【0085】
コンピュータ38およびヒューマンマシンインタフェース36をリモートコントロールなどの単一システムの形態で作製することを考慮することも可能である。
【0086】
コンピュータ38は、端末40のコンピュータの一部であることもまた企図可能であると思われる。
このような場合、一例として、アプリケーションまたは他の任意のコンピュータプログラムが、全てのユニットのアクションを行なうことができると思われる。
【0087】
このような実施形態は、単一のコンピュータ上で全面的にまたは部分的に行なわれる実行に対応するが、異なる機能の実行が複数のコンピュータの間に分散されたシステムによって(詳細にはクラウドコンピューティングの使用を介して)行なわれることもまた可能である。
【0088】
ここで、制御システム12の動作について、装備品10を制御する方法の例示的動作のフローチャートを示す図2を参照して説明する。
【0089】
記載されている例において、制御システム12は、複数の動作モードにしたがって噴霧用デバイス14を制御することができる。
【0090】
定義上、動作モードとは、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズム22の活動化回数および各々の活動化の持続時間をコード化する制御法則である。
【0091】
活動化回数は、予め決定された持続時間の間に噴霧メカニズム22が始動させられる回数である。
【0092】
活動化持続時間は、噴霧メカニズム22の活動化の開始と噴霧メカニズム22の活動化の終了の間に経過する時間的間隔である。
【0093】
これらのさまざまなパラメータは、動物に対する活性成分の投与薬量に対応する。
【0094】
活動化回数および各々の活動化の持続時間は、各々の動作モードに特定的である。
【0095】
換言すると、各々の動作モードは特定の薬量に対応する。
【0096】
動作モードは、主動作モードMP1、MP2およびMP3および少なくとも1つの二次的動作モードMSを含む。
【0097】
記載されている例は、決して限定的でないこと、そして主動作モードの数は、二次的動作モード数と全く同様に任意の数であり得ることがここで想起される。
【0098】
主動作モードMP1、MP2またはMP3は、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間よりもはるかに大きい、例えば1回の活動化の持続時間の10倍~200倍、好ましくは1回の活動化の持続時間の100倍より大きい動作モードである。
【0099】
したがって主動作モードMP1、MP2またはMP3は、バックグラウンド処理に対応する。
【0100】
例えば、予め決定された持続時間は、およそ1日であり、一方活動化の持続時間は、1分未満である。
【0101】
二次的動作モードMSは、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間の5倍未満である動作モードである。
【0102】
記載されている例において、予め決定された持続時間は、1回の活動化の持続時間に等しく、したがって、2回の持続時間はおよそ1分未満である。
【0103】
したがって、二次的動作モードMSは、1回限りの処置に対応する。
【0104】
記載されている例によると、非限定的に、主動作モードMP1、MP2およびMP3の数は3である。
【0105】
第1の主動作モードMP1は、1に等しい活動化回数に対応し、予め決定された持続時間は1日であり、活動化の持続時間は20秒である。
【0106】
したがって、第1の主動作モードMP1は、あまりストレスを受けていない動物に好適な処置(低処置)に対応する。
【0107】
第2の主動作モードMP2は、2に等しい活動化回数に対応し、予め決定された持続時間は1日であり、活動化持続時間は30秒である。
【0108】
したがって、第2の主動作モードMP2は、適度のストレスを受けている動物に好適な処置(中処置)に対応する。
【0109】
第3の主動作モードMP3は、3に等しい活動化の回数に対応し、予め決定された持続時間は1日であり、活動化持続時間は45秒である。
【0110】
したがって、第3の主動作モードMP3は、重度のストレスを受けている動物に好適な処置に対応する(高処置)。
【0111】
活動化回数、予め決定された持続時間および活動化持続時間についてのこれらの異なる値に関して、いくつかの考察を行なうことができる。
【0112】
したがって、各々の主動作モードMP1、MP2およびMP3は、特定の活動化回数に対応し、隣接する活動化の回数の差異は、1以上、ここでは1に等しい。
【0113】
各々の主動作モードMP1、MP2およびMP3は、特定の活動化持続時間に対応し、2つの隣接する活動化持続時間の間の比率は130%~170%である。
【0114】
当然のことながら、以上で説明したことは非限定的である。
【0115】
例えば、主動作モードMP1、MP2およびMP3の各々の活動化持続時間は異なるものであり得ると考えられる。
【0116】
典型的には、第1の主動作モードMP1の活動化持続時間は1秒~20秒であり、第2の主動作モードMP2の活動化持続時間は10秒~40秒であり、第2の主動作モードMP2の活動化持続時間は15秒~1分であり、活動化回数は1~5回、予め決定された持続時間は1日~3日である。
【0117】
二次的動作モードMSの数は、図2の事例において1に等しい。
【0118】
記載されている例によると、二次的動作モードMSは、1に等しい活動化回数および40秒の活動化持続時間に対応する。
【0119】
この特定の事例において、活動化持続時間および予め決定された持続時間は、同一である。
【0120】
以上に記した通り、どの動作モードが適切であるかを決定するのは決定ユニット32である。
【0121】
これを行なうために、決定ユニット32を2つのサブユニットのセットとして見ることができ、第1のサブユニットは予め決定された持続時間のための噴霧メカニズムの活動化回数を決定し、第2のサブユニットは各々の活動化の持続時間を決定する。
【0122】
これら2つのサブユニットの各々は、考慮対象のサブユニットが計算する数量の値を決定するために、セット16により与えられた値を使用する。
【0123】
記載されている例によると、決定ユニット32は、さまざまな動作モード間で切換えるための基準を使用する。
【0124】
切換え基準は、受信したデータに左右される。
【0125】
決定ユニット32は、受信したデータに関する基準が満たされているか否かを決定し、前記基準が満たされている場合、動作モードを選択する。
【0126】
より具体的には、決定ユニット32は、満たされた基準が2つのモード間の遷移に対応する場合、現在の動作モードから別の動作モードへと切換える。
【0127】
この意味合いにおいて、基準は、切換え基準として解釈され得る。
ここで、図2の切換え基準セットについて詳述する。
【0128】
第1に、主動作モードMP1、MP2またはMP3から二次的動作モードMSへと切換えることが可能である。
【0129】
これは、第1の基準C1に対応する。
【0130】
第1の基準C1は、動物が、動物の鎮静が適切である事象に関連するストレスを受けていることの決定に対応する。
【0131】
このようなストレスの発生を決定するために、センサからのデータが使用される。
【0132】
特定の例として、第1の基準C1は、少なくとも1つの下位基準が満たされている場合に満たされる。
【0133】
下位基準SCの各々は、ストレスまたは不安に関連付けされ得る症候に対応する。
【0134】
第1の下位基準SC1は、動物の動きの振幅および周波数に応じて検出可能である無制御の流涎の存在である。
【0135】
第2の下位基準SC2は、動物の動きの振幅および周波数に応じて検出可能である震えの存在である。
【0136】
第3の下位基準SC3は、動物の動きの振幅および周波数を分析することによって検出可能なパンティングの存在である。
【0137】
第4の下位基準SC4は、動物が走行した距離、動物の動きの振幅および周波数を分析することによる、検出可能な行ったり来たりの行動である。
【0138】
第5の下位基準SC5は、例えば予め決定された閾値より低い休止時間対活動時間比率での、対応する多動性の存在である。
【0139】
第6の下位基準SC6は、動物の動きの振幅および周波数を検討することによって検出可能である器物損壊に対応する。
【0140】
第7の下位基準SC7は、予め決定された音強度を超える動物による鳴き声および/または悲鳴(特に猫の鳴き声または犬の吠え声)の存在である。
【0141】
これらの下位基準SC1~SC7のいくつかを排除した組合せを含めて、これらの下位基準の任意の線形組合せを企図することができる。
【0142】
また、検出すべき他の症候に応じて他の下位基準を追加することも構想可能である。
【0143】
上述の下位基準が、症候の存在を検出するために異なる試験を使用することもまた企図可能である。
【0144】
環境関連の下位基準もまた考慮することができる。
例えば、マイクロホン28が消防車のサイレン音を検出した場合、第1の基準C1を評価する上でこれを考慮に入れることが可能であると思われる。
【0145】
いずれの場合においても、第1の基準C1の順守には、1回限りの処置の適用が望ましい動物にとってストレスの多い事象の検出が関与する。
【0146】
二次的動作モードMSから主動作モードMP1、MP2またはMP3への切換えは、第2の基準C2および第3の基準C3によって管理される。
【0147】
第2の基準C2は、二次的動作モードMSへの切換えの前に、動作モードが第1の主動作モードMP1であった場合に使用される。
【0148】
第2の基準C2は、計数持続時間中における二次的動作モードMSの選択回数の計数に左右される。
【0149】
一例として、二次的動作モードMSの選択回数が1日にわたり3に等しい場合、第2の基準C2は満たされたものとみなされる。
【0150】
第2の基準C2が満たされない場合、決定ユニット32は、第1の主動作モードMP1に切換えるべきであることを決定する。
【0151】
一方で、第2の基準C2が満たされた場合、決定ユニット32は、第2の主動作モードMP2に切換えるべきであることを決定する。
【0152】
記載されている例によると、主動作モードMP1、MP2、またはMP3と結び付けられた各々の予め決定された持続時間と計数持続時間は同一であり、例えば1日に等しい。
【0153】
第3の基準C3は、二次的動作モードMSへの切換えの前に、動作モードが第1の主動作モードMP2であった場合に使用される。
【0154】
したがって、第3の基準C3が満たされていない場合、決定ユニット32は、第2の主動作モードMP2に切換えるべきであることを決定し、また逆に、第3の基準C3が満たされている場合、決定ユニット32は、第3の主動作モードMP3に切換えるべきであることを決定する。
【0155】
この例において、第2の基準C2と第3の基準C3は、同一である。
【0156】
しかしながら、異なる基準を企図してよく、特に、第3の基準C3の選択回数は、第3の基準C3が重度処置に対応する主動作モードMP3への切換えを導くかぎりにおいて、第2の基準C2の選択回数よりも厳密に大きいものであることが企図され得る。
【0157】
2つの主動作モードMP1、MP2またはMP3の間の切換えは、第4の基準C4および第5の基準C5によって管理される。
【0158】
この場合、第4の基準C4は、第2の主動作モードMP2から第1の主動作モードMP1への切換えを可能にし、一方第5の基準C5は、第3の主動作モードMP3から第2の主動作モードMP2への切換えを可能にする。
【0159】
この場合、2つの基準C4とC5は、同一である。
【0160】
第4および第5の基準C4およびC5は、また、計数持続時間中、二次的動作モードMSの選択回数によって左右される。
【0161】
この場合、二次的動作モードMSの選択回数が1日にわたりゼロである場合、さほど重要でない処置に対応する動作モードへの切換えが存在する。
【0162】
二次的動作モードMSの選択の閾値は、場合に応じて変動し得るが、如何なる場合でも、第2および第3の基準C2およびC3に使用される対応する閾値より低いものである。
【0163】
また、第1の主動作モードMP1から第3の主動作モードMP3へ、およびその逆に切換えることは禁止されているという点を指摘することができる。
【0164】
初期化時点で、制御デバイスは、第2のデータに応じて制御法則を主動作モードMP1、MP2またはMP3に初期化する。
【0165】
第2のデータは、動物に関する情報である。
【0166】
例えば、ユーザに対し質問表が提供され、ユーザは端末40でそれに記入する。
主動作モードMP1、MP2またはMP3は、これらの質問に対する回答にしたがって選択される。
【0167】
質問は、症候の存在、生活習性または最近の潜在的にトラウマとなり得る事象の存在に関係し得る。
【0168】
例えば、動物が消化不良を繰り返し発生させているか、または症候に起因して頻繁に鳴き声を上げるかが問われる可能性がある。
【0169】
生活習性に関しては、動物が多くの場合、単独であるか否か、動物の食餌のタイプをユーザが表示することができることになる。
【0170】
最近のトラウマになり得る事象については、自由記入欄を考慮してもよく、最近引越したか否かをユーザに尋ねてもよい。
【0171】
また、動物にとっての適切な動作モードをより良く決定するため、動物の品種または年令を求めることも企図され得ると思われる。
【0172】
このような制御システム12は、動物の行動に適応された制御法則を生成することを可能にする。
【0173】
実際、動物が装備品10を装着した直後に連続的に動物の状態が検出されることから、制御システム12は動物の状態をより良く検出することを可能にする。
【0174】
その上、制御システム12は、リアルタイムで動物を最もうまく鎮静する方法を決定し、処置を適用するために噴霧用デバイスを制御する能力を有する。
【0175】
他の実施形態でも同様の利点がある。
【0176】
詳細には、センサのセット16は、異なるものであってよい。
【0177】
最初に、望ましい場合、動物の状態を決定するためには単一のセンサで十分であり得ることが理解され得る。
一例として、センサのセット16は、加速度計に限定され得ると考えられる。
【0178】
さらに、他のセンサを代替的にかまたは付加的に使用することが可能である。
【0179】
例えば、周波数計、血圧計、グローバルポジショニングシステム(GPS)、または体温センサを企図することができる。
【0180】
これらのさまざまなセンサは、装備品10を装着している動物またはその環境に関する測定値を獲得する能力を共有する。
【0181】
別の例によると、受信用ユニット30によって受信されるデータは、ボタンの手動による活動化に関する第3のデータの項目を含み、このとき、制御法則ユニットは、第3のデータの項目に応じて二次的動作モードMSを選択する。
【0182】
ボタンは、タッチスクリーンの一部域または物理的ボタンであり得る。
【0183】
こうして、ユーザは、適切と考えた場合に処置を適応させることができる。
【0184】
代替的にまたは付加的に、決定ユニット32は、上述のものとは異なる制御法則にしたがって動作することができる。
詳細には、互いに基準Ckによって結び付けられた主MPiおよび二次的MSjの動作モードのあらゆる組合せを企図することが可能であり、ここでi、jおよびkは、同一であることが推定される理由を有さない1以上の整数である。
【0185】
特定の実施形態によると、決定ユニット32は、制御法則を学習することができる。
【0186】
決定ユニット32は、特に、主MPiおよび二次的MSj動作モードの特性、それらの回数ならびに基準Ckを含み得る。
【0187】
このために、決定ユニット32は、機械学習技術を実装する。
【0188】
例として、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト技法、サポートベクターマシン(SVM)技法、またはベイジアン技法を企図することができる。
【0189】
決定ユニット32は、例えば、犬の行動の一時的分析を行ない、および/または二次的動作モードMSへの切換えの間の共通点を識別することができると思われる。
【0190】
例えば、1日の一定の時刻が、二次的動作モードMSへの切換えが表示される高リスクの瞬間であり得る。
【0191】
典型的には、ペットの飼い主の毎日の出勤は、概して公知の時間的間隔で発生し、予防策として二次的動作モードMSへの切換えが表示され得る事象である。
【0192】
制御システム12は、また、他のアクションの実施を制御することもできる。
【0193】
例えば、装備品10は、メッセージを拡散することのできる拡声器の使用を含むことができると考えられる。
【0194】
このような場合、制御システム12は、ストレスが生じた場合に動物に対して予め録音されたメッセージを拡散するよう拡声器に指令を与えることができる。
予め録音されたメッセージは、例えばペットの気持ちを落ち着かせる飼い主からの言葉の数々のセットであると考えられる。
【0195】
さらには、予め録音された単数または複数のメッセージで動物を鎮めることができない場合、動物に話しかけるといったようなアクションを行なうように飼い主に警告を送ることも企図可能であると思われる。
【0196】
各々の実施形態において、制御システム12は、動物の状態をより良く検出し、その行動を分析し、リアルタイムで動物を最もうまく鎮静する方法を決定することを可能にする。
【0197】
したがって、制御システム12、少なくとも1つのセンサのセット16および噴霧用デバイス14の使用により、装備品10はストレスを受けている動物を鎮静するかまたは動物の不安を処置するための方法を実行する能力を有するものとなることから、装備品10をインテリジェントなものにする制御システム12が記述された。
【0198】
本発明は、動物用装備品10を制御するためのシステム12において、
装備品10が、
- 活性成分タンク18および、制御可能な噴霧メカニズム22を伴う噴霧化本体20を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイス14と、
- 少なくとも1つのセンサのセット16であって、装備品10を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセット16と、
を含んでおり、
前記制御システム12が、
- データを受信できる受信用ユニット30であって、該受信用ユニット30によって受信される前記データが、少なくとも1つのセンサのセット16によって獲得された第1のデータを含んでいる受信用ユニット30と、
- 決定された制御法則32を得るために、受信したデータに応じて噴霧メカニズム22の制御法則を決定することのできる決定ユニット32であって、複数の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)の中から1つの動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)を選択することによって制御法則を決定することができ、各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)が、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズム22の活動化回数および各々の活動化の持続時間についてコード化する制御法則であり、活動化回数および各々の活動化の持続時間が各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)に特定的である決定ユニット32と、
- 動作モード(MP1、MP2、MP3)が、例えば3以上の主動作モード(MP1、MP2、MP3)および少なくとも1つの二次的動作モード(MS)を含み、主動作モード(MP1、MP2、MP3)は、予め決定された持続時間が活動化持続時間の100倍よりも大きい動作モードであり、二次的動作モード(MS)は、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間の5倍よりも小さい動作モードであり、
- 決定された制御法則を噴霧メカニズム22に送ることのできる送信用ユニット34と、
を含んでいる、システム12に関する。
【0199】
本発明は、また、
- 活性成分タンク18および、制御可能な噴霧メカニズム22を伴う噴霧化本体20を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイス14と、
- 少なくとも1つのセンサのセット16であって、装備品10を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセット16と、
- 上述の通りの制御システム12と、
を含む、動物用装備品10にも関する。
【0200】
最後に本明細書は、
- 活性成分タンク18および、制御可能な噴霧メカニズム22を伴う噴霧化本体20を含む、活性成分を噴霧するための充電式デバイス14と、
- 少なくとも1つのセンサのセット16であって、装備品10を担持する動物またはその環境に関する測定値を獲得することのできる少なくとも1つのセンサのセット16と、
を含む動物用装備品10を制御するための方法において、
制御方法が、制御システム12によって行われ、かつ、
- データを受信するステップであって、受信されたデータが、第1のデータを含み、該第1のデータが少なくとも1つのセンサのセット16によって獲得されたデータであるステップと、
- 決定された制御法則を得るために、受信したデータに応じて噴霧メカニズム22の制御法則を決定するステップであって、複数の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)の中からの1つの動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)の選択を含み、各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)が、予め決定された持続時間の間の噴霧メカニズム22の活動化回数および各々の活動化の持続時間についてコード化する制御法則であり、活動化回数および各々の活動化の持続時間が各々の動作モード(MP1、MP2、MP3、MS)に特定的であるステップと、
- 動作モード(MP1、MP2、MP3)が、例えば3以上の主動作モード(MP1、MP2、MP3)および少なくとも1つの二次的動作モード(MS)を含み、主動作モード(MP1、MP2、MP3)は、予め決定された持続時間が活動化持続時間の100倍よりも大きい動作モードであり、二次的動作モード(MS)は、予め決定された持続時間が1回の活動化の持続時間の5倍よりも小さい動作モードであるステップと、
- 決定された制御法則を噴霧メカニズム22に送るステップと、
を含む方法を記述している。
【符号の説明】
【0201】
10 動物用装備品
12 制御システム
14 噴霧用デバイス
16 センサのセット
18 活性成分タンク
20 噴霧化本体
22 噴霧メカニズム
24 配向システム
26 運動測定ユニット
28 マイクロホン
30 受信ユニット
32 決定ユニット
34 送信用ユニット
36 ヒューマンマシンインタフェース
38 コンピュータ
40 端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0202】
【特許文献1】国際公開第2020/074796号
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/108408号明細書
図1
図2
【国際調査報告】