(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】衝撃吸収体を有する薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240621BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A61M5/20 570
A61M5/315 500
A61M5/20 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577638
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 US2022033702
(87)【国際公開番号】W WO2022266272
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポーデル,カスペル
(72)【発明者】
【氏名】ラブマンド・ミュラー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー・ハンセン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】アイラーツェン,ラーシュ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH22
4C066LL22
4C066NN04
(57)【要約】
ハウジングと、薬物貯蔵容器と、プランジャと、プランジャ付勢部材と、リリーサと、衝撃吸収体とを含む、薬物送達デバイスが提供される。ハウジングは、長手方向軸線を画定し、開口部を有する。薬物貯蔵容器は、バレルと、ストッパと、送達部材とを含み、ストッパは、バレル内に移動可能に配置される。送達部材は、バレルの遠位端に配置され、送達状態の最中に開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成された挿入端を有する。プランジャは、ストッパに係合し、送達部材を通して薬物貯蔵容器から薬物を放出するために、薬物貯蔵容器の遠位端に向かって移動可能である。プランジャ付勢部材は、プランジャと結合され、プランジャを薬物貯蔵容器の遠位端に向けて付勢するように構成される。リリーサ部材は、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止する第1の位置と、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止しない第2の位置とを有する。衝撃吸収体は、衝撃力を吸収してリリーサ部材の意図しない移動を防止するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
長手方向軸線を画定し、開口部を有するハウジングと、
バレルと、ストッパと、送達部材とを含み、前記ストッパは、前記バレル内に移動可能に配置され、前記送達部材は、前記バレルの遠位端に配置され、送達状態の最中に前記開口部を通って少なくとも部分的に延びるように構成された挿入端を有する、薬物貯蔵容器と、
前記ストッパに係合し、前記送達部材を通して前記薬物貯蔵容器から薬物を放出するために、前記薬物貯蔵容器の前記遠位端に向かって移動可能なプランジャと、
前記プランジャと結合され、前記プランジャを前記薬物貯蔵容器の前記遠位端に向けて付勢するように構成されたプランジャ付勢部材と、
前記プランジャが前記送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止する第1の位置と、前記プランジャが前記送達状態に移行するのを前記リリーサ部材が防止しない第2の位置とを有する、前記リリーサ部材と、
衝撃力を吸収して前記リリーサ部材の意図しない移動を防止するように構成された衝撃吸収体と
を含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングは、互いに動作可能に結合された管状ハウジング及び後部キャップを含み、前記衝撃吸収体は、前記後部キャップを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記後部キャップは、前記管状ハウジングに対して移動可能である、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記衝撃吸収体は、前記後部キャップと前記管状ハウジングとの相対移動を許容するように構成されたスナップリングを含む、請求項2又は3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記衝撃吸収体は、前記スナップリングによって受容されるように構成された環状突条を含む、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記スナップリングは、前記衝撃力の印加時に前記後部キャップが遠位方向に移動することを許容し、前記衝撃力の消失後に近位方向に移動するように前記後部キャップを付勢するように構成された傾斜面を含む、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記傾斜面は、複数の長手方向リブによって画定される、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記後部キャップと前記管状ハウジングとの間に緩衝空隙を更に含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記緩衝空隙は、前記後部キャップと前記管状ハウジングとの間の距離を画定する、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記管状ハウジングと前記後部キャップとを動作可能に結合するように構成されたプランジャガイドを更に含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記プランジャガイドは、前記後部キャップの前記スナップリングによって受容される前記環状突条を画定し、前記プランジャガイドは、第2の環状リングによって受容されるように構成された第2の環状突条を更に画定する、請求項10に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記管状ハウジングと前記後部キャップとを動作可能に結合するように構成されたプランジャガイドを更に含み、前記プランジャガイドは、前記環状突条を画定する、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記薬物送達デバイスは、オートインジェクタである、請求項2~12のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記管状ハウジングは、略円筒形状を画定する、請求項2~13のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記管状ハウジングは、略長円又は略楕円形状などの、非円筒形状を画定する、請求項2~13のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記管状ハウジング及び前記後部キャップは、単一のモノリシック構造体によって画定され、前記衝撃吸収体は、前記管状ハウジングと前記後部キャップとを結合する可撓性又は圧縮性部分を含む、請求項2~15のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年6月17日に出願された米国仮特許出願第63/211,904号に付与された優先権が主張され、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より具体的には、薬物を患者に自動的に注入するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
露出した針に対する一般的な嫌悪感、更には健康及び安全上の問題から、使用前に針又はその他の挿入部材を隠し、注入プロセスの様々な態様を自動化する薬物送達デバイスの開発に至っている。そのようなデバイスは、例えば、従来のシリンジを介した送達を含む従来の形態の薬物送達と比較して様々な利点を提供する。
【0004】
薬物送達デバイスは、様々な自動化又は半自動化特徴部を実装するための様々な機構を組み込むことができる。そのような特徴部には、特徴部の中でも、送達前及び/又は送達後状態に針を自動的に覆うこと、針及び/又はカニューレを使用者に自動的に挿入すること、駆動機構を自動的に作動させること、薬物送達が完了したことを使用者に自動的に示すこと、薬物送達が完了した後、針を覆う位置にガードをロックすること、が含まれる。特定のそのような特徴部は、例えば、使用者による外力の印加によって作動される。そのような特徴部は、デバイスの製造、輸送、保管、及び/又はその他の取り扱い中に、薬物送達デバイスが急激な意図しない力又は動作を受けた場合に、尚早に又は不注意に作動する傾向があり得る。
【0005】
例えば、薬物送達デバイスが高所から落下して、地面などの静止面に衝突した場合、薬物送達デバイスは、かなりの衝撃力を受ける場合がある。この衝撃力は、自動化又は半自動化特徴部を尚早に作動させ、及び/又は薬物送達デバイスの構造的損傷を引き起こす可能性を有する。そのような問題の可能性は、特定の薬物を収容する薬物送達デバイスに必要とされる低温貯蔵庫から薬物送達デバイスが取り出されたばかりである場合に増加する。低温状態では、薬物送達デバイスの様々な構成要素は、比較的脆い場合があり、したがって突然の衝撃の結果として破壊又は損傷を受けやすい。
【0006】
本開示は、既存の薬物送達デバイス及びデバイスハウジング特徴部に対する有利な代替案を具体化し、本明細書で述べる課題又は必要性のうちの1つ以上に対処し得る、薬物送達デバイスについて記述する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、ハウジングと、薬物貯蔵容器と、プランジャと、プランジャ付勢部材と、リリーサと、衝撃吸収体とを含む薬物送達デバイスを提供する。ハウジングは、長手方向軸線を画定してもよく、開口部を有する。薬物貯蔵容器は、バレルと、ストッパと、送達部材とを含んでもよく、ストッパは、バレル内に移動可能に配置される。送達部材は、バレルの遠位端に配置されてもよく、送達状態の最中に開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成された挿入端を有する。プランジャは、ストッパに係合し、送達部材を通して薬物貯蔵容器から薬物を放出するために、薬物貯蔵容器の遠位端に向かって移動可能であってもよい。プランジャ付勢部材は、プランジャと結合され、プランジャを薬物貯蔵容器の遠位端に向けて付勢するように構成されてもよい。リリーサ部材は、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止する第1の位置と、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止しない第2の位置とを有してもよい。衝撃吸収体は、衝撃力を吸収してリリーサ部材の意図しない移動を防止するように構成されてもよい。
【0008】
ハウジングは、互いに動作可能に結合された管状ハウジング及び後部キャップを含み、衝撃吸収体は、後部キャップを含んでもよい。後部キャップは、管状ハウジングに対して移動可能であってもよい。
【0009】
衝撃吸収体は、後部キャップと管状ハウジングとの相対移動を許容するように構成されたスナップリングを含んでもよい。
【0010】
衝撃吸収体は、スナップリングによって受容されるように構成された環状突条を含んでもよい。スナップリングは、衝撃力の印加時に後部キャップが遠位方向に移動することを許容し、衝撃力の消失後に近位方向に移動するように後部キャップを付勢するように構成された傾斜面を含んでもよい。傾斜面は、複数の長手方向リブによって画定されてもよい。
【0011】
デバイスは、後部キャップと管状ハウジングとの間に緩衝空隙を含んでもよい。緩衝空隙は、後部キャップと管状ハウジングとの間の距離を画定してもよい。
【0012】
デバイスは、後部キャップと管状ハウジングとを動作可能に結合するように構成されたプランジャガイドを含んでもよい。プランジャガイドは、後部キャップのスナップリングによって受容される環状突条を画定してもよく、プランジャガイドは、第2の環状リングによって受容されるように構成された第2の環状突条を更に画定してもよい。
【0013】
プランジャガイドは、管状ハウジングと後部キャップとを動作可能に結合するように構成されてもよく、プランジャガイドは、環状突条を画定してもよい。
【0014】
薬物送達デバイスは、オートインジェクタであってもよいが、オートインジェクタに限定されるものではない。
【0015】
管状ハウジングは、略円筒形状を画定してもよい。管状ハウジングは、略長円又は略楕円形状などの、非円筒形状を画定してもよい。
【0016】
管状ハウジング及び後部キャップは、単一のモノリシック構造体によって画定されてもよく、衝撃吸収体は、管状ハウジングと後部キャップとを結合する可撓性又は圧縮性部分を含んでもよい。
【0017】
本開示は、以下の説明を添付図面と併せて解釈することで、より完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択した要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面におけるこうした要素の省略は、対応する記載による説明で明示的に描出されている場合を除き、例示的な実施形態のいずれかにおける特定の要素の存在又は不在を必ずしも示すものではない。更に、いずれの図面も、必ずしも正確な縮尺で示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】衝撃力を吸収するように構成された衝撃吸収体を備えた、様々な実施形態による例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図3A】デバイスが衝撃事象又はその余波を受けていない第1の位置に衝撃吸収体がある、
図1の薬物送達デバイスの一部の拡大断面図である。
【
図3B】ハウジングが衝撃事象又はその余波の間の第2の位置にある、
図1の薬物送達デバイスの一部の拡大断面図である。
【
図4A】
図1の薬物送達デバイスの一部、すなわち駆動機構の分解組立図である。
【
図4B】
図1の薬物送達デバイスの分解組立図である。
【
図5】薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得る後部キャップの断面図である。
【
図6】薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得る別の後部キャップの断面図である。
【
図7】薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得る更に別の後部キャップの断面図である。
【
図8】薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得る別の後部キャップの断面図である。
【
図9A】デバイスが衝撃事象又はその余波を受けていない第1の位置にハウジングがある、薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得るハウジング及びプランジャガイドの一部の断面図である。
【
図9B】ハウジングが衝撃事象又はその余波の間の第2の位置にある、
図9Aに示されるハウジング及びプランジャガイドの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、概して、使用者が薬物を投与するために、又は患者が使用者である場合には薬物を自己投与するために操作可能な薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、ハウジングと、薬物貯蔵容器と、プランジャと、プランジャ付勢部材と、リリーサと、衝撃吸収体とを含んでもよい。ハウジングは、長手方向軸線を画定してもよく、開口部を有する。薬物貯蔵容器は、バレルと、ストッパと、送達部材とを含んでもよく、ストッパは、バレル内に移動可能に配置される。送達部材は、バレルの遠位端に配置されてもよく、送達状態の最中に開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成された挿入端を有する。プランジャは、ストッパに係合し、送達部材を通して薬物貯蔵容器から薬物を放出するために、薬物貯蔵容器の遠位端に向かって移動可能であってもよい。プランジャ付勢部材は、プランジャと結合され、プランジャを薬物貯蔵容器の遠位端に向けて付勢するように構成されてもよい。リリーサ部材は、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止する第1の位置と、プランジャが送達状態に移行するのをリリーサ部材が防止しない第2の位置とを有してもよい。衝撃吸収体は、衝撃力を吸収してリリーサ部材の意図しない移動を防止するように構成されてもよい。
【0020】
本開示の衝撃吸収体は、外部から加えられた力によって生じる加速及び/又は減速を低減することを含む、外部から加えられた力の機械的影響の少なくとも一部を減少又は減衰させるために、キャップ又はその特定の部分がデバイスの他の構成要素(例えば、ハウジング)に対して移動することを可能にしてもよい。したがって、衝撃吸収体は、特に、例えば、薬物を放出するための駆動機構、リリーサを含む薬物送達デバイスに含まれる1つ以上の自動化又は半自動化特徴部の作動を防止しても又は妨げてもよい。加えて、本開示の衝撃吸収特徴部は、そうでなければ外部から加えられる力から生じ得る、キャップを含む薬物送達デバイスの損傷を防止しても又は妨げてもよい。例えば、衝撃吸収体は、使用者が薬物送達デバイスを低温貯蔵庫から取り出した後に薬物送達デバイスを誤って落下させた場合に、キャップ及び/又は薬物送達デバイスの他の部分に破壊又は亀裂が形成される可能性を減少させてもよい。本開示を考察する当業者には、これらの利点及び他の利点が明らかになるであろう。
【0021】
図1~
図3は、本明細書において薬剤又は薬物製品とも称され得る薬物を送達するための薬物送達デバイス10の実施形態のいくつかの図を示している。薬物は、ペプチド、ペプチボディ、又は抗体などの様々な生物学的製剤であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、流体又は液体形態であってもよいが、本開示は特定の状態に限定されない。
【0022】
薬物送達デバイス10の様々な実現形態及び構成が可能である。薬物送達デバイス10の本実施形態は、単回使用の使い捨てインジェクタとして構成される。他の実施形態では、薬物送達デバイス10は、複数回使用の再利用可能インジェクタとして構成されてもよい。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために操作可能である。図に示される例示的な薬物送達デバイスは、オートインジェクタ又はペン型インジェクタの形態をとってもよく、したがって、薬物送達の継続時間にわたって使用者の手で把持され得るが、また又は代替的に、他の薬物送達デバイス及び/又は構成に適している場合がある。
【0023】
薬物送達デバイス10に含まれる様々な構成要素の構成は、薬物送達デバイス10の動作状態に依存する場合がある。薬物送達デバイス10は、貯蔵状態、送達前状態、送達又は投薬状態、及び送達後状態を有してもよいが、より少数の又はより多数の状態も可能である。例えば、各状態は、いくつかのサブ状態又は段階を有してもよい。貯蔵状態は、送達デバイスが、貯蔵位置にある取り外し可能なキャップを含む、
図1~
図3の薬物送達デバイス10の構成に対応し得る。いくつかの実施形態では、貯蔵状態は、薬物送達デバイス10が製造施設を出たときと患者又は他の使用者が取り外し可能なキャップを取り外したときとの間の時間内に存在し得る。送達前段階は、取り外し可能なキャップが取り外された後であるが、使用者による駆動機構の作動前の薬物送達デバイス10の構成に対応し得る。これには、使用者が取り外し可能なキャップを取り外した後の、使用者が最初に薬物送達デバイス10を注入部位に対して位置決めしている間であるが、投薬が開始される前の瞬間が含まれてもよい。送達状態は、本明細書では投薬とも称される薬物送達が進行している間の薬物送達デバイス10の構成に対応し得る。送達後状態は、薬物送達の完了後及び/又はストッパが薬物貯蔵容器内の投薬終了位置に配置されたときの薬物送達デバイス10の構成に対応し得る。
【0024】
図1~
図4Bを参照すると、薬物送達デバイス10は、外部ケーシング又はハウジング12を含んでいる。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、人がインジェクタ10を片手で把持できるようなサイズ及び寸法にされてもよい。ハウジング12は、円筒形状などの略細長形状を有し、近位端と遠位端との間に長手方向軸線Aに沿って延びてもよい。開口部14(
図2)は、遠位端(
図1~
図3では底端)に形成されて、送達部材16の挿入端28がハウジング12の外部に延びることを許容してもよい。薬物貯蔵容器20を含む、薬物送達デバイス10内の構成要素を使用者が見ることを許容するために、透明又は半透明の検査窓17がハウジング12の壁に配置されてもよい。窓17を通して薬物貯蔵容器20を見ることによって、使用者が、薬物送達が進行中であること及び/又は完了したことを確認することが可能になり得る。デバイスの遠位端において、取り外し可能なキャップ19が薬物送達デバイス10の使用前に開口部14を覆っていてもよく、いくつかの実施形態では、送達部材16の挿入端28に取り付けられた取り外し可能な滅菌バリア21(例えば、剛性針シールド(RNS:rigid needle shield)、非剛性針シールド(nRNS:non-rigid needle shield)など)の取り外しを補助するように構成されたグリッパ13を含んでもよい。グリッパ13は、取り外し可能な滅菌バリア21に摩擦的に又はさもなければ機械的に係合して、使用者がハウジング12から取り外し可能なキャップ19を分離するときに、取り外し可能なキャップ19と共に取り外し可能な滅菌バリア21を引っ張る、1つ以上の内側に突出する返し部又はアームを含んでもよい。したがって、取り外し可能なキャップ19を取り外すことは、送達部材16から取り外し可能な滅菌バリア21を取り外す効果を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ハウジング12は、2つの別個の相互接続された構造体、すなわち、薬物送達デバイス10の近位端にある後端キャップ23(例えば後部カバー)と、薬物送達デバイス10の長さに沿って実質的に全体に延びて、開口部14を画定する管状ハウジング25とを含んでもよい。追加的に又は代替的に、ハウジング12は、より少数の又はより多数の構成要素、例えば、前部部分と後部部分とを有する2部品管状ハウジングを含んでもよい。管状ハウジング25は、中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよく、後端キャップ23は、開放端と閉鎖端とを有する略半球形状又は中空円筒形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、後端キャップ23及び管状ハウジング25、並びにその中に配置される任意の構成要素は、異なるサブアセンブリを画定するように一緒に組み立てられてもよい。代替実施形態では、ハウジング12は、後部キャップと管状ハウジングとを単一構成要素に一体化する単一のモノリシック構造体によってハウジング12が画定されるように、1つの部品で組み立てられてもよい。そのような1部品ハウジングの実施形態では、ハウジングは、衝撃吸収体としての役割を果たす可撓性部分又は圧縮性部分を含んでもよい。
【0026】
薬物貯蔵容器20は、ハウジング12の内部空間内に配設され、薬物を収容するように構成される。薬物貯蔵容器20は、予め充填され、例えば、製造業者によって、薬物貯蔵容器20が薬物送達デバイス10の残りの部分と組み合わせられる場所に輸送されてもよい。例えば、薬物22は、プレフィルドシリンジ又はプレフィルドシリンジを含むオートインジェクタなどとして、1つより多い使用事例で患者に配送及び/又は提供されてもよい。いずれの場合でも同じ又は類似のシリンジ構成要素を用いることによって、2つの異なる使用事例に関して、充填、ラベル貼り、包装、発送及び配送などの上記ステップの少なくともいくつかが効率化又は簡略化されてもよい。別の例として、複数の使用事例において同じシリンジ構成要素のいくつか又は全てを用いる場合、複数の使用事例のうちの少なくとも1つに関して、薬物を販売及び/又は配送するためのいくつかの規制経路が効率化及び/又は簡略化されてもよい。
【0027】
薬物貯蔵容器20は、内部ボア、すなわちリザーバ、を画定する剛性壁を含んでもよい。壁は、ガラス又はプラスチックで作製されてもよい。ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の近位端と遠位端との間で長手方向軸線Aに沿って遠位方向に移動できるように、薬物貯蔵容器20内に移動可能に配設されてもよい。ストッパ24は、ゴム又は任意の他の適切な材料で作られてもよい。ストッパ24が移動している間に薬物22がストッパ24を越えて漏れることを防止する又は妨げるように、ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の壁の内面15に摺動可能且つ密閉的に接触していてもよい。ストッパ24の遠位移動により、薬物22が薬物貯蔵容器20のリザーバから送達部材16へと放出される。薬物貯蔵容器20の近位端は、プランジャ26が薬物貯蔵容器20内に延びてストッパ24を遠位方向に押すことを可能にするために、開放していてもよい。本実施形態において、プランジャ26及びストッパ24は、最初は空隙18により互いに間隔をおいて配置される。駆動機構30が作動すると、プランジャ26は遠位方向に移動して空隙18を閉じ、ストッパ24と接触する。プランジャ26のその後の遠位移動により、ストッパ24が遠位方向に駆動され、薬物貯蔵容器20から薬物22が放出される。代替実施形態では、ストッパ24とプランジャ26は、プランジャ26の移動の開始時から一緒に移動するように、最初に、例えばねじ結合を介して、互いに接触していてもよい又は互いに結合されてもよい。ストッパ24は一旦動くと、薬物貯蔵容器20の壁の内面15の近位側に面する部分に接触するまで、遠位方向に移動し続けてもよい。ストッパ24のこの位置は、投薬終了又は送達終了位置と称されることもあり、患者への薬物22の送達が完了したとき又は実質的に完了したときに対応し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、薬物貯蔵容器20のリザーバ内に含まれる薬物22の容量は、1mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mLに等しくてもよい、又は2.5mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)2.5mLに等しくてもよい、又は3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)2mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)3mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)4mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)5mL未満であってもよい、又は約(例えば、±10%)10mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~4mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内であってもよい。
【0029】
送達部材16は、薬物貯蔵容器20のリザーバと流体連通して接続されている又は接続されるように動作可能である。送達部材16の遠位端は、送達部材16の挿入端28を画定してもよい。挿入端28は、他の尖状形状の鋭利な先端を含み、送達部材16の挿入中に挿入端28が患者の皮膚及び皮下組織を穿刺することを可能にしてもよい。送達部材16は、中空であってもよく、内部経路を有してもよい。薬物が送達部材16から流れ出て患者の中に入ることを可能にするために、1つ以上の開口部が挿入端28に形成されてもよい。
【0030】
一実施形態では、薬物貯蔵容器20はプレフィルドシリンジであってもよく、送達部材16のための固定式の中空金属針を有する。この場合、針は、薬物貯蔵容器20の壁に対して固定されており、薬物貯蔵容器20のリザーバと永久的に流体連通していてもよい。他の実施形態では、針は、ルアーロック又は他の適切な接続を介して薬物貯蔵容器20に結合されてもよい。更に他の実施形態では、薬物貯蔵容器20は針なしカートリッジであってもよく、したがって、最初に送達部材16と流体連通していなくてもよい。そのような実施形態では、送達部材16の近位端が、薬物貯蔵容器20の開口部を覆っているセプタムを貫通し、それによって薬物貯蔵容器20のリザーバと送達部材16との流体連通を確立するように、薬物送達デバイス10の動作中、薬物貯蔵容器20は、送達部材16の近位端に向かって又はその逆に移動してもよい。
【0031】
デバイスはまた、プランジャの作動中の薬物貯蔵容器20の遠位移動を防止することなどによって、ハウジング12に対して薬物貯蔵容器20を固定するように構成された容器ホルダ33を含んでもよい。容器ホルダ33は、薬物貯蔵容器20の肩部の円弧形状に実質的に一致する円弧状傾斜面33aを各々が含む、複数のフランジ33cを含んでもよい。より具体的な例として、薬物貯蔵容器20が容器ホルダ33内に挿入されると、フランジ33cは、協働して肩部を支持し、薬物貯蔵容器20の遠位方向への移動を制限する。ハウジング12は、それぞれの構成要素12、33間の相対移動を防止及び/又は制限するために、容器ホルダ33のそれぞれのフランジ33cを各々が受容する、複数のロックスロット12cを含んでもよい。その結果、完全に組み立てられると、貯蔵容器20、容器ホルダ33、及びハウジング12は全て、互いに対して実質的に又は完全に固定される。
【0032】
薬物送達デバイス10は、薬物送達デバイス10が注入を投与するために使用されていないときに送達部材16の挿入端28との接触を防止するためのガード機構を更に含んでもよい。ガード機構は、開口部14に隣接してハウジング12の遠位端に移動可能に配設されたガード部材32を含んでもよい。ガード部材32は、長手方向軸線Aを中心に概ねセンタリングされた中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよく、ハウジング12内に受容される近位端を有してもよい。ガード部材32は、ガード部材32の遠位端がハウジング12における開口部14を通って延びる伸長位置と、ガード部材32の遠位端がハウジング12における開口部14の中に完全に又は部分的に後退した後退位置との間で、ハウジング12に対して移動するように構成されてもよい。追加的に又は代替的に、ガード部材32は、後退位置から伸長位置に移動するように構成されてもよい。伸長位置から後退位置に移動するときに、ガード部材32は、近位方向に直線的に並進移動してもよく、後退位置から伸長位置に移動するときに、ガード部材32は、遠位方向に直線的に並進移動してもよい。少なくとも伸長位置では、ガード部材32は、送達部材16の挿入端28を越えて伸長し、挿入端28を取り囲んでもよい。送達前又は貯蔵状態において送達部材16がハウジング12の開口部14から突出している実施形態において、例えば、注入部位における患者の皮膚にガード部材32の遠位端を押し付けることにより、ガード部材32を伸長位置から後退位置に移動させると、送達部材16の挿入端28が患者の皮膚に挿入される結果となり得る。
【0033】
ガード機構は、ガード付勢部材35とガード延長部37とを更に含んでもよい。ガード延長部37は、ガード部材32の近位側に配置されてもよく、ガード付勢部材35は、ガード延長部37の近位側に配置されてもよい。ガード延長部37は、長手方向軸線Aを中心にセンタリングされた中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよい。更には、ガード延長部37は、ハウジング12に対して長手方向軸線Aに沿って直線方向に移動可能であってもよい。本実施形態では、ガード延長部37は、ガード部材32とは別個の構造体である。しかしながら、代替実施形態では、ガード延長部37及びガード部材32は、一部品として一体形成されて、単一のモノリシック構造体を画定してもよい。そのような代替実施形態では、ガード部材32の近位端は、ガード延長部37に対応し得る。
【0034】
ガード付勢部材35は、ガード延長部37とリリーサ部材52との間に、それらに接触して配置されてもよい。ガード付勢部材35は、ガード延長部37を遠位方向に付勢するか又は押し付け、リリーサ部材52を近位方向に付勢するか又は押し付けるように構成されてもよい。ガード付勢部材35は、最初は、送達前状態においてガード延長部37に付勢力を加え、リリーサ部材52に付勢力を加えるように、付勢された(例えば、圧縮された)状態にあってもよい。いくつかの実施形態において、ガード延長部37の遠位端は、
図2で分かるように、最初はガード部材32の近位端に接触している。その結果、ガード延長部37は、ガード付勢部材35がガード部材32を伸長位置に向けて付勢するか又は押し付けるように、ガード付勢部材35の付勢力をガード部材32に伝達する。使用者は、ガード部材32を注入部位に押し付けることにより、付勢力に打ち勝ち得る。そうすることにより、ガード部材32及びガード延長部37は、例えばガード部材32が後退位置に到達するまで、近位方向に一緒に移動する。注入が完了し、薬物送達デバイス10が注入部位から持ち上げられると、ガード付勢部材35がガード延長部37を押し付け、それによりガード延長部37とガード部材32とが一緒に遠位方向に移動してもよい。この動作により、ガード部材32を伸長位置に戻し、これには、送達部材16の挿入端28を覆う効果がある。いくつかの実施形態において、ガード付勢部材35は、圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。更に、プランジャ付勢部材50が圧縮ばねも含む実施形態において、ガード付勢部材35がプランジャ付勢部材50の周りに配設されてもよく、及び/又はプランジャ付勢部材50よりも大きい直径を有してもよい。
【0035】
薬物送達が完了し、ガード部材32が伸長位置に再配置された後、ガード部材32を伸長位置にロックして、その後の送達部材16の挿入端28への使用者の接触を防止すること、及び/又は薬物送達デバイス10の再利用を防止することが望ましい場合がある。これらの目的に従って、薬物送達デバイス10のいくつかの実施形態は、一旦ガード部材32が後退位置から伸長位置に移動したときにガード部材32を伸長位置にロックするために、ガード部材32の軸方向位置に応じて選択的に回転するように構成されたロックリング40を含んでもよい。本実施形態では、ロックリング40はセンタリングされており、長手方向軸線Aを中心に回転する。
図3に示すように、ロックリング40の近位端は、容器ホルダ33に接触してもよく、ロックリング40の遠位端は、少なくとも部分的にガード部材32内に配設されてもよい。ロックリング付勢部材51は、ロックリング40の遠位側に面する表面とガード部材32の近位側に面する表面との間に軸方向に配置されてもよい。ロックリング付勢部材51は、ロックリング40とガード部材32とを互いに離れる方向に付勢するように、最初は圧縮又は付勢状態にあってもよい。このように、ロックリング付勢部材51は、ガード部材32を伸長位置に向けて押し付ける付勢力を加えてもよく、並びにロックリング40の近位端を容器ホルダ33に対して押し付ける付勢力を加えてもよい。いくつかの実施形態では、ロックリング付勢部材51は、圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ロックリング40の回転は、ロックリング40と容器ホルダ33との間のカム構成により実現されてもよい。
【0036】
薬物送達デバイス10は、ハウジング12内に部分的に又は完全に配設された駆動機構30を更に含んでもよい。一般に、駆動機構30は、エネルギーを貯蔵し、使用者による駆動機構30の作動時点で又は作動に応答して、そのエネルギーを解放又は出力してプランジャ26を駆動して、薬物22を薬物貯蔵容器20から送達部材16を通して患者の中に放出するように構成されてもよい。本実施形態において、駆動機構30は、機械的位置エネルギーを貯蔵するように構成されるが、駆動機構30の代替実施形態は、異なる形態で、例えば駆動機構30が電気的又は化学的ポテンシャルエネルギーを貯蔵するように、構成されてもよい。一般に、駆動機構30の作動時点で、駆動機構30は、位置エネルギーをプランジャ26を動かすための運動エネルギーに変換してもよい。
【0037】
本実施形態において、駆動機構30は、プランジャ付勢部材50と、プランジャ付勢部材座面38と、リリーサ部材52と、プランジャガイド60とを含む。プランジャ付勢部材50は、最初に付勢状態に保持された圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。付勢状態では、プランジャ付勢部材50は、その軸方向長さが、自然状態又は非付勢状態にある場合よりも短くなるように圧縮されてもよい。解放されると、プランジャ付勢部材50は、その自然な軸方向長さまで伸張しようとし、その結果、付勢力を加えてプランジャ26を遠位方向に押し付けてもよい。
【0038】
プランジャ付勢部材50は、少なくとも部分的にプランジャ26内に配設されてもよく、プランジャ26の近位側に面する内面に当接する遠位端を有してもよく、及び/又はプランジャ26の内面に固定的に取り付けられてもよい。プランジャ付勢部材50がプランジャ26内に受容され得るように、プランジャ付勢部材50の外径又は他の寸法は、リング45の内径以下及び/又は中空ロッド46の内径以下であってもよい。いくつかの実施形態において、プランジャ付勢部材50の遠位端は、プランジャ26のベース47の近位側に面する内面に当接してもよい。更に、プランジャ付勢部材50の近位端は、プランジャ付勢部材座面38の遠位側に面する表面に当接してもよい。プランジャ付勢部材座面38は、プランジャ付勢部材座面38がプランジャ付勢部材50を押しのけるための静止面を提供するように、管状ハウジング25に固定的に取り付けられてもよい。このように構成されることで、プランジャ付勢部材50は、付勢状態から解放されると、プランジャ付勢部材50の遠位端がプランジャ付勢部材50の静止近位端から離れるように遠位方向に移動することにより、長さが伸張してもよい。この動きにより、プランジャ26を遠位方向に押してもよく、これにより更に、ストッパ24を遠位方向に押し、薬物22を薬物貯蔵容器20から送達部材16に、その後、患者の中に放出してもよい。
【0039】
リリーサ部材52は、中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよく、長手方向軸線Aを中心にセンタリングされてもよい。
図2に示すように、リリーサ部材52は、プランジャガイド60の遠位端とガード延長部37の近位端との間に半径方向に配置されてもよい。更に、リリーサ部材52は、ガード付勢部材35の半径方向内側に配置されてもよい。一般に、リリーサ部材52は、作動シーケンスにおいて、ガード部材32とプランジャ26とを動作可能に結合し、薬物送達の終了を示す可聴信号を生成するように構成される。そのように構成されることで、リリーサ部材52は、2つの別個の機能を果たし、したがって薬物送達デバイス10により必要とされる可動部品の数を減らすために利用される。
【0040】
リリーサ部材52は、薬物送達デバイス10の動作の段階に応じて、ハウジング12に対して回転するように、及び/又はハウジング12に対して直線的に並進移動するように構成されてもよい。プランジャ付勢部材50及び/又はガード付勢部材35により、作動に関連するリリーサ部材52の最初の回転が、動力供給されてもよい一方で、投薬終了信号の生成に関連するリリーサ部材52のその後の回転が、ガード付勢部材35によってのみ動力供給されてもよい。回転を伴わないリリーサ部材52のいかなる直線並進移動も、ガード付勢部材35によってのみ動力が供給されてもよい。いくつかの実施形態では、リリーサ部材52は、近位方向にのみ直線的に並進移動してもよいが、代替実施形態は、近位方向及び遠位方向の両方向へのリリーサ部材52の直線並進移動を許容してもよい。
【0041】
長手方向軸線Aを中心として回転するリリーサ部材52の能力は、リリーサ部材52の環状壁の外側部分とガード延長部37の内側部分との相互作用によって調節されてもよい。ガード延長部37は、ハウジング12に結合している結果として、長手方向軸線Aを中心として回転することが防止されてもよい。これには、リリーサ部材52の外側部分に含まれる当接構造体(例えば、外方に延びる突起)が、ガード延長部37の内側部分に含まれる協働する当接構造体(例えば、内方に延びる突起)に係合すると、長手方向軸線Aを中心とするリリーサ部材52の回転を防止する効果がある。リリーサ部材52が回転できない場合、リリーサ部材52の内面に形成された凹部内に受容されるプランジャ26の外方に延びる突起もまた回転できない。プランジャ26のこの突起が回転できない場合、突起は、プランジャガイド60の長手方向開口部内に摺動できない。このように突起が移動できない場合、プランジャ26も移動できない。プランジャ26が移動できない場合、プランジャ付勢部材50は、伸張して付勢を解放することができない。したがって、ガード延長部37が軸方向位置に移動するまで、リリーサ部材52はプランジャ付勢部材50を付勢状態に保持し、その状態では、リリーサ部材52の外側部分及びガード延長部37の内側部分にある協働する当接構造体が、互いに係合解除され、それによりリリーサ部材52がガード延長部37に対して回転することが許容される。
【0042】
上述したように、取り外し可能なキャップ19は、取り外し可能なキャップ19がハウジング12と結合される貯蔵位置(
図1及び
図3)と、取り外し可能なキャップ19がハウジング12から取り外されてハウジング12と結合されない取り外し位置とを有してもよい。同じく上述したように、デバイス10は、取り外し可能なキャップ19がハウジング12から取り外されると送達部材16から取り外される、取り外し可能な滅菌バリア21を含んでもよい。取り外し可能な滅菌バリア21は、送達部材16の無菌性を維持するため、及び/又は薬物貯蔵容器20に空気が入ることを防止するために、薬物貯蔵容器20と比較的ぴったりの又は比較的高摩擦の適合を有してもよい。例えば、汚染及び/又は閉塞又は蒸発した薬物の可能性を低減するために、薬物貯蔵容器及び/又は送達部材16に空気が入る可能性を防止又は低減することが望ましい場合がある。追加的に又は代替的に、不注意による針刺しの可能性を防止又は低減するために、滅菌バリア21と薬物貯蔵容器20との間に比較的ぴったりの又は比較的高摩擦の適合を有することが望ましい場合がある。これらの理由又は他の理由から、また、代替的に、取り外し可能なキャップ19とハウジング12との間に比較的ぴったりの又は比較的高摩擦の適合を有することが望ましい場合がある。滅菌バリア21及び取り外し可能なキャップ19はまた、結合タブ/スロット接続、穿孔シールなどの破断可能な接続、ねじ接続、又はそれぞれの構成要素間の比較的安全であるが取り外し可能な接続を達成する他の特徴部などの、他の適切な特徴部を介して、それぞれの構成要素(例えば、薬物貯蔵容器20及びハウジング12)と結合されてもよい。
【0043】
これらの結合力、特徴、及び/又は他の要因の結果として、一部のデバイス使用者は、取り外し可能なキャップ19を取り外すのに困難又は不快感を覚える場合がある。一例として、一部のデバイス使用者には、(長手方向軸線Aに沿った)軸方向の力だけによってキャップ19を取り外すことが困難な場合がある。換言すれば、一部のデバイス使用者には、キャップ19をハウジング12から引き抜くこと/ハウジング12から引き離すことが困難な場合がある。
図1~
図3に示されるキャップ19は、それを取り外す際に、使用者が取り外し可能なキャップ19の表面をグリップするのを助けるための複数のリブ19dを含む。
【0044】
図1~
図3に示されるデバイス10はまた、取り外し可能なキャップ19の回転運動時に、取り外し可能なキャップ19がハウジング12から離れるように付勢され、それによってキャップ19の取り外しが促進され及び/又は容易になるように、回転動作を軸方向動作に変換するためのカム特徴部を含む。例えば、ハウジング12は、ハウジングカム特徴部12aとキャップカム特徴部19cとを含む。より具体的な例として、軸方向の力/移動のみ(例えば、「まっすぐ引っ張る力」)によってハウジング12から取り外し可能なキャップ19を取り外すために、使用者は、45ニュートン以下、約40~45ニュートン、約35~40ニュートン、約30~35ニュートン、約25~30ニュートン、約20~25ニュートン、約15~20ニュートン、約10~15ニュートン、約5~10ニュートン、又は約5ニュートン未満の力を加える必要がある場合がある。
図1~
図3に示されるデバイス10では、取り外し可能なキャップ19を取り外すには、約10~15ニュートンのまっすぐ引っ張る力が必要となる。
【0045】
図1~
図3に示されるキャップカム特徴部19cは、円弧状面などの波形を画定する。より具体的な例として、図に示される取り外し可能なキャップ19は、略円筒形の本体部分19dと、キャップ19の遠位端において本体部分19dに対して略垂直である端壁19eとを含む。本体部分19dは、キャップ19の近位端において略環状の先導リム19fを画定する。先導リム19fは、波形状キャップカム特徴部19cを画定する。更に具体的な例として、図に示される先導リム19fは、2つの波形状カム面19cと、波形状カム面19cの間に延びる2つの比較的平坦な面19c’とを画定する。換言すれば、2つの波形状カム面19cと2つの比較的平坦な面19c’とが、協働して先導リム19fを画定する。代替的に、先導リム19fは、連続的な正弦波又は別の連続的な波形などの、連続的な波形を画定してもよい。本出願の目的のため、「連続的」という用語は、波形面と平坦面とが交互に現れるのではなく、波形が先導エッジの全外周にわたって続くことを意味すると解釈されるべきである。
【0046】
図1~
図2に示されるハウジングカム特徴部12aは、ハウジング12の外面25から離れて延びる円弧状の突出部などの波形を画定する。より具体的な例として、ハウジングカム特徴部12aは、「スマイル」又は「三日月」の形状に似ていなくもない形状を有する突出部である。更に具体的な例として、図に示されるハウジング12は、2つの波形状カム特徴部12aを画定する。
【0047】
取り外し可能なキャップ19が
図1~
図2に示される貯蔵位置19aにあるとき、キャップカム特徴部19cは、ハウジングカム特徴部12aに係合又は当接する。加えて、図に示されるそれぞれのカム特徴部12a、19cは、それぞれの表面12a、19cが互いを滑らかに/容易に横切って摺動するような一致する又は鏡面の形状を有する。例えば、取り外し可能なキャップ19がハウジング12に対して(時計回り又は反時計回りのいずれかで)回転されると、ハウジングカム特徴部12a、19cは、互いに対して回転し、取り外し可能なキャップ19を軸線Aに沿ってハウジング12から離れるように付勢する。換言すれば、カム特徴部12a、19cは、回転動作を軸方向動作に変換して、キャップ19を取り外すか又はその取り外しを補助する。いくつかの実施形態では、たとえ比較的小さな回転であっても、キャップ19の取り外しを促進し、及び/又は容易にし得る。
【0048】
薬物送達デバイス10の全般的な構成を説明してきたが、ここで、注入を行うために薬物送達デバイス10を使用する一般的な方法を説明する。予備的なステップとして、使用者は、プラスチック袋及び/又は段ボール箱などの任意の二次パッケージから薬物送達デバイス10を取り出してもよい。同じく、予備的なステップとして、使用者は、例えば患者の皮膚をアルコールワイプで拭くことにより、注入部位を準備してもよい。次に、使用者は、以下により詳細に説明するように、取り外し可能なキャップ19をハウジング12から引っ張って取り外してもよい。この動きの結果、グリッパ13は、取り外し可能な滅菌バリア21を薬物貯蔵容器20から引っ張って取り外してもよい。これにより、送達部材16の挿入端28を露出させてもよい。それにもかかわらず、ガード部材32は伸長位置に配置されているため、この段階において、送達部材16の挿入端28はガード部材32によって包囲されたままである。次いで、使用者は、薬物送達デバイス10を注入部位上に配置し、その後、ガード部材32の遠位端を注入部位に押し付けてもよい。使用者により加えられる力は、ガード付勢部材35の付勢力及びロックリング付勢部材51の付勢力に打ち勝つことになり、それにより、ガード部材32が伸長位置から後退位置へと近位方向に移動して開口部14の中に後退する。送達部材16は、ガード部材32の後退移動の間、ハウジング12に対して静止したままである。
【0049】
ガード部材32が伸長位置から後退位置に移動することにより、いくつかの動作が発生してもよい。送達部材16は、ガード部材32の後退している間、ハウジング12に対して静止したままであるため、送達部材16の挿入端28は、ガード部材32の遠位端にある開口部を通って延び、それにより、注入部位における患者の皮膚を穿刺して患者の皮下組織中に侵入する。加えて、ガード部材32の後退はまた、駆動機構30を作動させて、薬物22を薬物貯蔵容器20から放出させてもよい。
【0050】
ガード部材32が伸長位置から後退位置に移動すると、ガード部材32は、ガード延長部37を近位方向に押し付けてもよい。ガード延長部37の近位移動中に、リリーサ部材52の外側部分及びガード延長部37の内側部分における上述の協働する当接構造体は、もはや互いに接触しなくなるまで互いにすれ違うように摺動してもよい。それが起こると、リリーサ部材52は、長手方向軸線Aを中心に自由に回転してもよい。この段階でのリリーサ部材52の回転は、プランジャ付勢部材50が伸張し、プランジャ26上に含まれる遠位側に面するカム面を押して、プランジャガイド60上の近位側に面するカム面に沿って摺動することにより引き起こされる。結果として生じるカム作用によりプランジャ26が回転し、これによりリリーサ部材52が共に回転してもよい。
【0051】
リリーサ部材52とプランジャ26との共同回転は、プランジャ26上に含まれる遠位側に面するカム面が、プランジャガイド60上の近位側に面するカム面の端部に到達して、プランジャガイド60に形成された長手方向スロット内に移動するまで、継続してもよい。長手方向スロットは、プランジャ26の直線運動を妨げない。その結果、プランジャ26は、伸張するプランジャ付勢部材50により遠位方向に直線的に並進移動するように駆動される。結果として、プランジャ26はストッパ24に接触し(まだストッパ24に接触していない場合)、その後、ストッパ24を遠位方向に押して、薬物22を薬物貯蔵容器20から送達部材16を通して、挿入端28から出して患者の組織内に放出する。薬物送達は、ストッパ24が投薬終了位置に到達するまで継続してもよい。このとき、ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の壁の内面15の近位側に面する部分に当接してもよい。その結果、プランジャ26は遠位方向への移動を停止する。
【0052】
薬物送達が完了した後、使用者は、注入部位から薬物送達デバイス10を持ち上げてもよい。ガード付勢部材35に抵抗するものが何もないので、ガード付勢部材35は、ガード部材32を後退位置から伸長位置に押して、送達部材16の挿入端28を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、ガード部材32のこの移動がロックリング40を、その後のガード部材32の後退を防止する位置に回転させてもよい。
【0053】
例示的な薬物送達デバイスのこれら及び他の態様は、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,690号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,851号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,927号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,129号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,217号明細書、及び本出願の出願人によって本出願と同日に出願された「DRUG DELIVERY DEVICE」と題する米国仮特許出願においてより詳細に論じられており、これら各出願の内容全体が参照により組み込まれる。
【0054】
上述したように、後部キャップ23内に1つ以上の衝撃吸収特徴部を組み込むことが有利である場合がある。後部キャップがかなりの速度で地面に接触するような高所から薬物送達デバイス10を偶発的に落下させた場合、又は取り外し可能なキャップが他の方法でかなりの速度で外部物体に衝突するか又は外部物体に衝突された場合、後部キャップは、かなりの衝撃力を受ける場合がある。衝撃吸収特徴部がなければ、そのような衝撃力は、デバイス10内の他の構成要素に伝達される場合がある。そのような力は、薬物送達デバイス10に含まれる自動化又は半自動化特徴部の作動をトリガし、及び/又は薬物送達デバイス10に損傷を引き起こす可能性を有する。一例として、長手方向軸線Aが重力方向に対して平行又は実質的に平行であり、且つ後部キャップ23が概ね下方に面する状態で薬物送達デバイス10を落下させると、薬物送達デバイス10が地面に衝突することに関連する減速により、リリーサ部材52が近位方向に(後部キャップ23に向かって、
図2の上方向に)移動し、及び/又はガード部材32がハウジング内に後退する。これらの例示的な移動のいずれか又は両方は、潜在的に駆動機構30をトリガし、それにより、意図しない及び/又は尚早の注入を引き起こすことがある。追加的に又は代替的に、減速により、ロックリング40が、ガード部材32のその後の後退を防止する位置まで回転又はそうでなければ移動させる場合がある。次いで、これにより、ガード部材32が尚早にロックアウトされ、それにより、使用者が薬物送達デバイス10を使用して注入を行うことが妨げられる場合がある。
【0055】
薬物送達デバイス10を落下させた潜在的に望ましくない結果のより具体的な例として、後部キャップ23が下方に向いた状態でデバイス10を落下させた場合、デバイス10の構成要素のほとんど又は全てがおおよそ同じ速度で移動し加速するが、後部キャップ23が地面又は他の表面に衝突すると、ハウジング12は、リリーサ部材52及び/又はガード部材32などの、他の内部構成要素よりも先に又はそれよりも速く減速する。換言すれば、衝撃時に、ハウジングは、落下を突然停止して、比較的大きく減速するが、他の内部構成要素のいくつかは依然として地面に向かって移動及び/又は加速している。ハウジングの減速度と他の内部構成要素の加速度との差(「加速度Δ」)が比較的大きい結果として、衝撃時又はその直後に、リリーサ部材52及び/又はガード部材32は、ハウジング12内で近位方向に(後部キャップ23に向かって、
図2の上方向に)移動し、それにより、注入シーケンスを潜在的にトリガしてもよい。しかしながら、本明細書で説明する衝撃吸収機能は、衝撃時にハウジングが減速する速度を低下させ、それにより、一方ではハウジング12、他方ではリリーサ部材52及び/又はガード部材32などのそれぞれの構成要素間の加速度Δを低減し、尚早の又は意図しない作動の可能性を低減してもよい。
【0056】
薬物送達デバイス10を落下させた潜在的に望ましくない結果の別の例として、薬物送達デバイス10が、落下される前に低温貯蔵庫(例えば、10℃以下、5℃以下、又は0℃以下の温度)から取り出されたばかりである場合、例えば、低温での特定の材料の弾性の低下により、薬物送達デバイス10の構成要素に破壊又は亀裂が生じるリスクが存在し得る。そのような破壊又は亀裂は、薬物送達デバイス10の適切な動作を損なう場合があり、たとえそうでなくても、それらが使用者に見える場合、使用者に薬物送達デバイス10が欠陥品であると推測させ、その結果、それが必要であっても又は必要でなくても、薬物送達デバイス10を廃棄させ得る。
【0057】
上述した反力は、衝撃吸収体に加わると、運動エネルギーから熱エネルギー(例えば、熱)などのエネルギーの別の形態のエネルギーへの変換を生じさせ、衝撃の時間を引き延ばし得る。次いで、これにより、衝撃事象が、例えば、薬物を放出するための駆動機構及び/若しくはガードロック機構を含む薬物送達デバイスに含まれる自動化又は半自動化特徴部の作動を引き起こす可能性が低減されてもよく、並びに/又は、例えば、後部キャップを含む薬物送達デバイスの構成要素に対する構造的損傷の可能性が低減されてもよい。少なくともいくつかのシナリオでは、衝撃事象の間の後部キャップは、ばね及びダンパシステム並びに/又は衝撃吸収体として機能してもよい。
【0058】
ここで
図3を参照して、上述の衝撃吸収体の例示的な実施形態を説明する。デバイス10は、衝撃力を吸収してリリーサ部材52の意図しない移動を防止するように構成された衝撃吸収体61を含む。
図3に示されるデバイスでは、衝撃吸収体は、後部キャップ23と管状ハウジング25との相対移動を許容して衝撃力を吸収するなどのために互いに動作可能に結合された後部キャップ23及び管状ハウジング25を含む。より具体的な例として、衝撃吸収体61は、後部キャップ23と管状ハウジング25との相対移動を許容するように構成されたスナップリング62を含む。
図3に示されるデバイスでは、スナップリング62は、後部キャップ23の内壁部分により画定された環状リングである。スナップリングは、凹状、凸状、又は別の適切な形状であってもよいが、
図3に示されるスナップリング62は、環状突条63と動作可能に結合するなどのために略凹状である。
図3に示される環状突条63は、プランジャガイド60の外壁部分によって画定されるが、環状突条63は、管状ハウジング25、ハウジング12の別の構成要素、又は別の適切な構成要素などの他の構成要素によって画定されてもよい。スナップリング62及び環状突条63は、デバイス10がその貯蔵状態、送達前状態、送達若しくは投薬状態、又は送達後状態にあるときなどの、外部からの衝撃力が加わっていない又はその余波が感じられないときの、第1の位置61a(
図3Aに示される)を有するように構成される。この第1の位置では、後部キャップ23は、後部キャップ23が遠位方向(
図3Aの下方)に移動することを許容する緩衝空隙64によって、長手方向軸線Aに沿って、管状ハウジング25から間隔を空けて配置される。
【0059】
後部キャップ23は、略円筒状側壁23aと略凸状上壁23bとにより画定される。
図1~
図3に示される側壁23aは、衝撃吸収体の適用中に半径方向外方に撓むことを可能にするのに十分な可撓性を有する。スナップリング62の側壁23aは、外力が存在しない限り、環状突条63と相互作用して後部キャップ23を第1の位置61aに維持する第1及び第2の傾斜面62a及び62bによって更に画定される。より具体的な例として、第1の傾斜面62aは、衝撃力の印加時に後部キャップ23が遠位方向(下方)に移動することを許容し、次いで衝撃力の消失時に近位方向(上方)に移動するように後部キャップ23を付勢するように構成された遠位側に面する円錐台状面である。この移動中に、側壁23aは、ばね及び/又は緩衝材のように半径方向外方に撓む。第1の傾斜面62aの形状及び角度は、衝撃事象の間に後部キャップ23が遠位方向(
図3Aでは下方)に移動することを可能にし、次いで衝撃及びその余波の後に後部キャップ23を近位方向(
図3Aでは上方)に付勢するように構成される。より具体的な例として、デバイスが落下した又は他の形で衝撃を受けた場合に、スナップリング62が、(
図3Bに示される)第2の位置61bに付勢されてもよく、この際、第1の傾斜面62aは、衝撃力及びその余波が消失した又はなくなったときに第1の位置61aに戻るように後部キャップ23を付勢してもよい。別のより具体的な例として、後部キャップ23は、後部キャップ23を塑性変形させずに及び/又は後部キャップ23を第2の位置61bに固着させずに、後部キャップ23の移動を許容するように構成される。更により具体的な例として、後部キャップ23は、デバイス10を作動させるのに十分な衝撃の際にリリーサ部材52及び/又はガード部材32が一定距離を移動する可能性を防止又は低減するように構成されてもよい。衝撃力は、0.5~0.7メートルの高さ、約0.7~0.9メートル、約0.9~1.0メートル、約1.0~1.1メートル、約1.1~1.2メートル、約1.2~1.3メートル、約1.3~1.4メートル、約1.4~1.5メートル、約1.5~1.7メートル、約1.7~2.0メートル、又は別の適切な高さからの落下によって生じる力と同様又は同じであってもよい。別の例示的な仕様として、デバイスは、リリーサ部材52による約7~8mm、約6~9mm、約5~10mm、約4~11mm、約3~12mm、約2~15mm、又は別の適切な距離の長手方向への移動時に作動されてもよい。別の例示的な仕様として、デバイスは、ガード部材32による約10~11mm、約9~12mm、約8~13mm、約7~14mm、約6~15mm、約5~16mm、約3~18mm、又は別の適切な距離の長手方向への移動時に作動されてもよい。
【0060】
後部キャップ23は、衝撃時に移動するのに十分な可撓性を有するが、衝撃及びその余波の後に第1の位置にスプリングバックするのに十分な剛性を有する側壁23aを有するように構成されてもよい。また、第2の傾斜面62bは、組み立て中に後部キャップ23が環状突条63の上を摺動することを可能にし、次いで、組み立て後に後部キャップ23の取り外しを阻止又は防止するように構成された近位側に面する円錐台状面である。
【0061】
スナップリング62は、通常使用時に構成要素を第1の位置に保持するために、環状突条63の長手方向の高さに略等しい長手方向の高さ62cを有してもよい。第1の傾斜面62aは、緩衝空隙64の長手方向の高さに略等しい長手方向の高さ62dを有してもよい。
【0062】
後部キャップの側壁は、連続した円筒形状であってもよく、又は衝撃の際に弾性変形/撓みを許容又は促進する1つ以上の途切れ部分を有してもよい。例えば、側壁は、その遠位端に隣接して側壁に形成された1つ以上のスリットを含んでもよい。スリットは、側壁を部分的に又は完全に貫通して延びてもよく、壁の一部又は全長にわたって延びてもよい。スリットは、長手方向軸線と略平行に又は別の方向/向きに沿って延びてもよい。
【0063】
ここで
図5を参照して、後部キャップ23が、完全に且つ(デバイスに取り付けられるのではなく)単独で示されている。後部キャップ23は、上述した、側壁23aと、凸状上壁23bと、スナップリング62とを含む。後部キャップ23はまた、先の図に示された環状突条63用の硬質ストッパを提供する複数の長手方向リブ23cを含む。例えば、長手方向リブは、環状突条が長手方向リブ23cに当接する箇所を越えて後部キャップ23が遠位側に移動することを阻止又は防止する。長手方向リブはまた、後部キャップ23に強度又は剛性を与えてもよい。第1の傾斜面62aは、長手方向軸線Aに対して角度23dを形成し、角度23dは、約20度、約18~22度、約16~24度、約14~26度、約12~28度、約10~30度、約5~35度、約5~40度、約5~45度、又は別の適切な角度であってもよい。
【0064】
衝撃吸収の代替又は追加の形態として、後部キャップ23は、後部キャップ23とプランジャガイド60との相互作用により半径方向に変形可能であってもよい。一例として、
図5に示される後部キャップ23は、後部キャップ23がそれぞれのリブ23c近傍の領域内で半径方向外方に変形され得るように、3つのリブ23cを含む。その結果として、リブ23c間の領域が半径方向内方に変形されてもよい。換言すれば、
図5に示される後部キャップ23は、丸みを帯びた三角形の3「点」がリブ23cと位置合わせされた状態で、より丸みを帯びた三角形状になるように変形されてもよい。後部キャップ23が、2つ、4つ、5つ、6つ、又は任意の他の適切な数などの、異なる数のリブを有する場合、変形形状は、それに応じて対応し得る。
【0065】
ここで
図6を参照して、後部キャップ123の別の実施形態を説明する。
図6に示される後部キャップ123の様々な要素は、
図1~
図5と併せて上述した後部キャップ123の要素と、構造、構成、及び/又は機能が同様又は同一であってもよい。そのような要素には、100又はその倍数だけ増加すること除いて、
図1~
図5に使用されるものと同じ参照数字が割り当てられる。これらの要素のいくつかについては、簡潔さのために説明が簡略化又は省略されている。後部キャップ123は、上述した、側壁123aと、凸状上壁123bと、スナップリング162とを含む。後部キャップ123はまた、先の図に示されたものと同様の環状突条用の硬質ストッパを提供する複数の長手方向リブ123cを含む。例えば、長手方向リブは、環状突条が長手方向リブ123cに当接する箇所を越えて後部キャップ123が遠位側に移動することを阻止又は防止する。長手方向リブはまた、後部キャップ123に強度又は剛性を与えてもよい。第1の傾斜面162aは、長手方向軸線Aに対して角度123dを形成し、角度123dは、約10度、約8~12度、約6~14度、約4~16度、約3~18度、約3~20度、約3~25度、約3~30度、約3~35度、又は別の適切な角度であってもよい。後部キャップ123はまた、後部キャップ123が、先の図に示されたものと同様のプランジャガイドなどの、デバイスの1つ以上の構成要素に対して移動できる最大距離を画定する複数の硬質ストッパ123eなどの、少なくとも1つの硬質ストッパを含む。
【0066】
ここで
図7を参照して、後部キャップ223の別の実施形態を説明する。
図7に示される後部キャップ223の様々な要素は、上述した後部キャップの要素と、構造、構成、及び/又は機能が同様又は同一であってもよい。そのような要素には、200又はその倍数だけ増加すること除いて、
図1~
図6に使用されるものと同じ参照数字が割り当てられる。これらの要素のいくつかについては、簡潔さのために説明が簡略化又は省略されている。後部キャップ223は、上述した、側壁223aと、凸状上壁223bと、スナップリング262とを含む。後部キャップ223はまた、先の図に示されたものと同様の環状突条用の硬質ストッパを提供する複数の長手方向リブ223cを含む。例えば、長手方向リブは、環状突条が長手方向リブ223cに当接する箇所を越えて後部キャップ223が遠位側に移動するのを阻止又は防止する。長手方向リブはまた、後部キャップ223に強度又は剛性を与えてもよい。第1の傾斜面262aは、長手方向軸線Aに対して角度223dを形成し、角度223dは、約20度、約18~22度、約16~24度、約14~26度、約12~28度、約10~30度、約5~35度、約5~40度、約5~45度、又は別の適切な角度であってもよい。後部キャップ223はまた、後部キャップ223が、先の図に示されたものと同様のプランジャガイドなどの、デバイスの1つ以上の構成要素に対して移動できる最大距離を画定する複数の硬質ストッパ223eなどの、少なくとも1つの硬質ストッパを含む。後部キャップの凸状上壁223bは、
図5及び
図6の対応する上壁よりも薄い壁を画定する。より具体的な例として、凸状上壁223bの厚さは約0.5mmであり、それに対して、
図5及び
図6に示される上壁の厚さは約0.7mmである。後部キャップ223はまた、射出成形プロセスを改善するためにフローリーダー223fを含む。
【0067】
ここで
図8を参照して、後部キャップ323の別の実施形態を説明する。
図8に示される後部キャップ323の様々な要素は、上述した後部キャップの要素と、構造、構成、及び/又は機能が同様又は同一であってもよい。そのような要素には、300又はその倍数だけ増加すること除いて、
図1~
図7に使用されるものと同じ参照数字が割り当てられる。これらの要素のいくつかについては、簡潔さのために説明が簡略化又は省略されている。後部キャップ323は、上述した、側壁323aと、凸状上壁323bと、スナップリング362とを含む。後部キャップ323はまた、協働して第1の傾斜面362aを画定する複数の長手方向リブ323cを含む。より具体的な例として、複数の長手方向リブ323cは、側壁323aの内面の周囲に互いに半径方向に間隔を空けて配置され、リブ323cの各々又は多くは、複数のリブが、
図1~
図5に示されるものと同様の環状突条を受容するための経路を画定するように、長手方向軸線Aに対して同様の又は同じ角度323dを有する。角度323dは、約20度、約18~22度、約16~24度、約14~26度、約12~28度、約10~30度、約5~35度、約5~40度、約5~45度、又は別の適切な角度であってもよい。後部キャップ323はまた、後部キャップ323が、先の図に示されたものと同様のプランジャガイドなどの、デバイスの1つ以上の構成要素に対して移動できる最大距離を画定する複数の硬質ストッパ323eなどの、少なくとも1つの硬質ストッパを含む。後部キャップの凸状上壁323bは、
図5及び
図6の対応する上壁よりも薄い壁を画定する。より具体的な例として、凸状上壁323bの厚さは約0.5mmであり、それに対して、
図5及び
図6に示される上壁の厚さは約0.7mmである。
【0068】
ここで
図9A及び
図9Bを参照して、デバイス410用の衝撃吸収体461の別の実施形態を説明する。
図9A及び
図9Bに示されるデバイス410の様々な要素は、上述した後部キャップの要素と、構造、構成、及び/又は機能が同様又は同一であってもよい。そのような要素には、400又はその倍数だけ増加すること除いて、
図1~
図8に使用されるものと同じ参照数字が割り当てられる。これらの要素のいくつかについては、簡潔さのために説明が簡略化又は省略されている。デバイス410は、単一のモノリシック構造体を画定する(少なくとも後部キャップ423及び管状ハウジングセクション425を含む)近位部分を備えたハウジング412を含み、衝撃吸収体461は、管状ハウジング425と後部キャップ423とを結合する可撓性及び圧縮性部分を含む。より具体的な例として、
図9Aは、薬物送達デバイスの様々な態様による衝撃吸収体の一部として利用され得るハウジング及びプランジャガイドの一部の断面図を示す。
図9Aは、デバイス410がその貯蔵状態、送達前状態、送達若しくは投薬状態、又は送達後状態にあるときなどの、外部からの衝撃力が加わっていない又はその余波が感じられないときの、第1の位置461a(
図9Aに示される)を有する衝撃吸収体461を示す。この第1の位置では、後部キャップ423は、後部キャップ423が遠位方向(
図9Aでは下方)に移動することを許容する緩衝空隙464によって、長手方向軸線Aに沿って、プランジャホルダ460から間隔を空けて配置され、ハウジングは、デバイスが衝撃事象又はその余波を受けていない第1の位置にあり、衝撃事象又はその余波の間には第2の位置461bにある。衝撃吸収体461は、ばねと同様に作用して、衝撃の際にハウジング412が軸方向に圧縮し、その後に(例えば、第2の位置461bにおいて)弛緩状態に戻ることを許容してもよい。衝撃吸収体461における可撓性又は圧縮性部分は、熱可塑性材料、エラストマー材料、別の材料で覆われたコイルばね、又は任意の他の適切な構成で作製されてもよい。
【0069】
上述した衝撃吸収体のいずれか又は全ては、薬物製品及び/又は薬物送達デバイスに関する情報又はラベルを含むプラスチックフィルムなどの外側ラベルを有するデバイスに利用されてもよい。ラベルは、患者又はエンドユーザが衝撃吸収体を容易に見ることができないように衝撃吸収体の上に配置されてもよい。そのような場合、ラベルには、衝撃事象時に一時的又は永久的にしわがよることがある。
【0070】
取り外し可能なキャップの実施形態のいずれかに関して本明細書に開示される全ての特徴は、そのような特徴の少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0071】
理解されるように、本開示によるデバイス及び方法は、従来技術に対して1つ以上の利点を有してもよく、その利点のうちのいずれか1つ以上が、特定の実施形態において、その実施形態に含まれる本開示の特徴に従って存在してもよい。本明細書で具体的に挙げられていない他の利点についても同様に理解されてよい。
【0072】
上記説明では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー均等品を含むが、それらに限定されない薬物を更に含むことができ、又はそれらとともに使用することができる。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的均等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子及びジェネリック薬剤を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注入可能材料も包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0073】
薬物はリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は予め充填されるかのいずれかである、一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジとすることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよい、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0075】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態において、ESAは赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことにより、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0076】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などのヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも称される);例えば145c7など、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などのIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むがそれに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むがそれに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌治療用のトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/F
lt-1 mAb;及び、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0077】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、を収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよい、又はこれらとともにデバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよい又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNFαモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)(Janssen Biotech,Inc.)のバイオシミラー、又は自己免疫疾患の治療用のインフリキシマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の治療用のカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)又は血液透析を受ける慢性腎臓病(KD)の患者などの二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療用のエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、若しくは抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、若しくは補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、テゼペルマブ、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し及び/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)又はAmgevita(商標)(旧ABP501)(モノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトモノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1を包含する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiT
E(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前はAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。
【0078】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらは、例示的な実施形態に限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示される本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0079】
当業者であれば、本明細書に開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得ることと、そうした修正形態、変更形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【国際調査報告】