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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】溶解可能な組成物を含むパウチ製品
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20240621BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20240621BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/28
A24B15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577656
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2022055555
(87)【国際公開番号】W WO2022264066
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/211,191
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディ,アンソニー・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】オーデン,ロス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ランプ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ザワトツキ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB21
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC05
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC22
(57)【要約】
空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ及び空洞内に位置する口腔使用のために構成された組成物を含むパウチ製品が提供される。本組成物は、少なくとも部分的に口腔で溶解可能であり、組成物の総重量に対して少なくとも約45重量%の量の1種以上の溶解可能な充填剤;組成物の総重量に対して最大で約25重量%の量の保湿剤;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ及び空洞内に位置する口腔使用のために構成された組成物を含むパウチ製品であって、組成物が、少なくとも部分的に溶解可能であり、組成物が、
組成物の総重量に対して少なくとも約45重量%の量の1種以上の溶解可能な充填剤、
組成物の総重量に対して最大で約25重量%の量の湿潤剤、及び
少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方
を含む、パウチ製品。
【請求項2】
組成物が、重量基準で、少なくとも約50%が口腔で溶解可能である、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項3】
重量基準で組成物の約95%~約100%が口腔で溶解可能である、請求項1又は2に記載のパウチ製品。
【請求項4】
1種以上の溶解可能な充填剤が、糖、糖アルコール、可溶性デンプン、可溶性繊維及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項5】
1種以上の溶解可能な充填剤が、糖アルコールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項6】
糖アルコールがイソマルトである、請求項5に記載のパウチ製品。
【請求項7】
1種以上の溶解可能な充填剤が、マルトデキストリンをさらに含む、請求項5又は6に記載のパウチ製品。
【請求項8】
湿潤剤が、組成物の総重量に対して、約15~約20重量%の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項9】
湿潤剤が、グリセリン、プロピレングリコール又はこれらの混合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項10】
組成物が、少なくとも1種の甘味剤をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項11】
組成物が、粒状形態、顆粒化形態、又は1種以上のペレット若しくは錠剤の形態である、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項12】
1種以上の溶解可能な充填剤が、糖アルコール及びマルトデキストリンを含み、任意選択的に、組成物が、組成物の最大で約40重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む、請求項11に記載のパウチ製品。
【請求項13】
組成物が、ビーズの形態であり、組成物が、組成物の総重量に対して約67重量%~約78重量%の量の糖アルコール、及び組成物の総重量に対して約16重量%~約20重量%の量のグリセリンを含む、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項14】
糖アルコールがイソマルトである、請求項13に記載のパウチ製品。
【請求項15】
組成物が、組成物の最大で約5重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む、請求項13又は14に記載のパウチ製品。
【請求項16】
ビーズの少なくとも一部が、脂質、ワックス、セルロース誘導体、結合剤及びこれらの組合せからなる群から選択される放出改変剤によりコーティングされている、請求項13~15のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項17】
異なる溶解速度を有するビーズの混合物を含む、請求項13~16のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項18】
ビーズとの物理的混合物の形態の微結晶性セルロースをさらに含む、請求項13~17のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項19】
少なくとも1種の活性成分が、ボタニカル材料、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、抗酸化剤、カンナビノイド、カンナビメティクス、テルペン、医薬剤及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項20】
少なくとも1種の活性成分がニコチン成分を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項21】
ニコチン成分が樹脂結合ニコチンを含む、請求項20に記載のパウチ製品。
【請求項22】
組成物が、1種以上の有機酸、1種以上の有機酸のアルカリ金属塩又はこれらの両方をさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項23】
1種以上の有機酸又はこのアルカリ金属塩が、組成物の総重量に対して、約0.1~約10%又は約0.1~約0.5%の重量基準の量で組成物中に存在する、請求項22に記載のパウチ製品。
【請求項24】
1種以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸又はこれらの組合せである、請求項22又は23に記載のパウチ製品。
【請求項25】
有機酸、有機酸のアルカリ金属塩又はこれらの両方のうちの少なくとも一部が、ニコチン成分の少なくとも一部とイオン対の形態で結合している、請求項22~24のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項26】
外側水透過性パウチが生分解性である、請求項1~25のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項27】
外側水透過性パウチが溶解可能である、請求項1~26のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒトへの使用を目的とする組成物を含有するパウチ製品に関する。本製品は、口腔使用のために構成され、及び使用中に、フレーバー及び/又は活性成分などの物質を送達する。このような製品はタバコ又はタバコ由来の製品を含んでもよいし、又はタバコを含まない代替品であってもよい。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」の形態で楽しむことができる。特に人気のある無煙タバコ製品は、いくつかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に挿入することにより利用される。このような無煙タバコ製品に対する従来のフォーマットとして、湿潤型嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコが挙げられ、これらは通常、粒状、顆粒状、又は刻みタバコでほぼ全体が形成され、使用者により分割される、又は個々の部分、例えば、使い捨てパウチ若しくは小袋に入れて使用者に提供される。無煙製品の他の従来の形態として、圧縮形態又は凝集形態、例えば、プラグ、錠剤、又はペレットが挙げられる。代替の製品フォーマット、例えば、タバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物などもまた公知である。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Schwartzの米国特許第1,376,586号;Pittmanらの米国特許第4,513,756号;Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,528,993号;Storyらの米国特許第4,624,269号;Tibbettsの米国特許第4,991,599号;Townsendの米国特許第4,987,907号;Sprinkle、IIIらの米国特許第5,092,352号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;Williamsの米国特許第6,668,839号;Williamsの米国特許第6,834,654号;Atchleyらの米国特許第6,953,040号;Atchleyらの米国特許第7,032,601号;及びAtchleyらの米国特許第7,694,686号;Williamsの米国特許公開第2004/0020503号;Quinterらの米国特許公開第2005/0115580号;Stricklandらの米国特許公開第2006/0191548号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0062549号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0186941号;Stricklandらの米国特許公開第2007/0186942号;Dubeらの米国特許公開第2008/0029110号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0029116号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Neilsenらの米国特許公開第2008/0209586号;Essenらの米国特許公開第2009/0065013号;及びAtchleyの米国特許公開第2010/0282267号、並びにArnarpらのWO2004/095959に記載の無煙タバコ配合物、成分及び加工方法の種類を参照されたい。
【0003】
タバコ材料を様々な結合剤及び充填剤と組み合わせる無煙タバコ製品の構成が最近提案されており、ロゼンジ剤、パステル剤、ゲル剤、押出し形態などを含む例示的製品フォーマットなどが挙げられる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Engstromらの米国特許出願公開第2008/0196730号;Crawfordらの米国特許出願公開第2008/0305216号;Kumarらの米国特許出願公開第2009/0293889号;Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号;Muaらの米国特許出願公開第2011/0139164号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0037175号;Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138073号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138074号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074855号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074856号;Muaらの米国特許出願公開第2013/0152953号;Jacksonらの米国特許出願公開第2013/0274296号;Moldoveanuらの米国特許出願公開第2015/0068545号;Marshallらの米国特許出願公開第2015/0101627号;及びLampeらの米国特許出願公開第2015/0230515号に記載されている製品の種類を参照されたい。類似のフォーマットであり、タバコを含まない口腔用製品もまた提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第1376586号明細書
【特許文献2】米国特許第4513756号明細書
【特許文献3】米国特許第4528993号明細書
【特許文献4】米国特許第4624269号明細書
【特許文献5】米国特許第4991599号明細書
【特許文献6】米国特許第4987907号明細書
【特許文献7】米国特許第5092352号明細書
【特許文献8】米国特許第5387416号明細書
【特許文献9】米国特許第6668839号明細書
【特許文献10】米国特許第6834654号明細書
【特許文献11】米国特許第6953040号明細書
【特許文献12】米国特許第7032601号明細書
【特許文献13】米国特許第7694686号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消費者の感覚経験を増強する口腔用製品用の製品フォーマットを開発することが当分野において継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、概して、空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ及び空洞内に位置する口腔使用のために構成された組成物を含むパウチ製品であって、組成物が、少なくとも部分的に溶解可能であり、組成物が、組成物の総重量に対して少なくとも約45重量%の量の1種以上の溶解可能な充填剤;組成物の総重量に対して最大で約25重量%の量の湿潤剤;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方を含む、パウチ製品を提供する。
【0007】
一部の実施形態において、本組成物は、重量基準で、少なくとも約50%が口腔で溶解可能である。一部の実施形態において、重量基準で組成物の約95%~約100%が、口腔で溶解可能である。
【0008】
一部の実施形態において、1種以上の溶解可能な充填剤は、糖、糖アルコール、可溶性デンプン、可溶性繊維及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態において、1種以上の溶解可能な充填剤は、糖アルコールを含む。一部の実施形態において、糖アルコールは、イソマルトである。一部の実施形態において、1種以上の溶解可能な充填剤は、マルトデキストリンをさらに含む。
【0009】
一部の実施形態において、湿潤剤は、組成物の総重量に対して、約15~約20重量%の量で存在する。一部の実施形態において、湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール又はこれらの混合物である。
【0010】
一部の実施形態において、本組成物は、少なくとも1種の甘味剤をさらに含む。
【0011】
一部の実施形態において、本組成物は、粒状形態、顆粒化形態、又は1種以上のペレット若しくは錠剤の形態である。
【0012】
一部の実施形態において、1種以上の溶解可能な充填剤は、糖アルコール及びマルトデキストリンを含み、任意選択的に、本組成物は、該組成物の最大で約40重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む。
【0013】
一部の実施形態において、本組成物は、ビーズの形態であり、組成物は、組成物の総重量に対して約67重量%~約78重量%の量の糖アルコール、及び組成物の総重量に対して約16重量%~約20重量%の量のグリセリンを含む。
【0014】
一部の実施形態において、糖アルコールは、イソマルトである。
【0015】
一部の実施形態において、本組成物は、組成物の最大で約5重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む。
【0016】
一部の実施形態において、ビーズの少なくとも一部は、脂質、ワックス、セルロース誘導体、結合剤及びこれらの組合せからなる群から選択される放出改変剤によりコーティングされている。
【0017】
一部の実施形態において、本パウチ製品は、異なる溶解速度を有するビーズの混合物を含む。
【0018】
一部の実施形態において、本パウチ製品は、ビーズとの物理的混合物の形態の微結晶性セルロースをさらに含む。
【0019】
一部の実施形態において、少なくとも1種の活性成分は、ボタニカル材料、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、抗酸化剤、カンナビノイド、カンナビメティクス、テルペン、医薬剤及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態において、少なくとも1種の活性成分は、ニコチン成分を含む。一部の実施形態において、ニコチン成分は、樹脂結合ニコチンを含む。一部の実施形態において、ニコチン成分は、樹脂結合ニコチンである。
【0020】
一部の実施形態において、本組成物は、1種以上の有機酸、1種以上の有機酸のアルカリ金属塩又はこれらの両方をさらに含む。
【0021】
一部の実施形態において、1種以上の有機酸又はこのアルカリ金属塩は、組成物の総重量に対して、約0.1~約10%又は約0.1~約0.5%の重量基準の量で組成物中に存在する。
【0022】
一部の実施形態において、1種以上の有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、1種以上の有機酸は、安息香酸を含む。一部の実施形態において、有機酸、有機酸のアルカリ金属塩又はこれらの両方のうちの少なくとも一部は、ニコチン成分の少なくとも一部とイオン対の形態で結合している。
【0023】
一部の実施形態において、外側水透過性パウチは生分解性である。一部の実施形態において、外側水透過性パウチは溶解可能である。
【0024】
本開示は、以下の実施形態を制限なしに含む。
【0025】
実施形態1:空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ及び空洞内に位置する口腔使用のために構成された組成物を含むパウチ製品であって、組成物が、少なくとも部分的に溶解可能であり、組成物が、組成物の総重量に対して少なくとも約45重量%の量の1種以上の溶解可能な充填剤;組成物の総重量に対して最大で約25重量%の量の湿潤剤;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方を含む、パウチ製品。
【0026】
実施形態2:組成物が、重量基準で、少なくとも約50%が口腔で溶解可能である、実施形態1のパウチ製品。
【0027】
実施形態3:重量基準で組成物の約95%~約100%が口腔で溶解可能である、実施形態1又は2のパウチ製品。
【0028】
実施形態4:1種以上の溶解可能な充填剤が、糖、糖アルコール、可溶性デンプン、可溶性繊維及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つのパウチ製品。
【0029】
実施形態5:1種以上の溶解可能な充填剤が、糖アルコールを含む、請求項1~4のいずれか1つに記載のパウチ製品。
【0030】
実施形態6:糖アルコールがイソマルトである、実施形態5のパウチ製品。
【0031】
実施形態7:1種以上の溶解可能な充填剤が、マルトデキストリンをさらに含む、実施形態5又は6のパウチ製品。
【0032】
実施形態8:湿潤剤が、組成物の総重量に対して、約15~約20重量%の量で存在する、実施形態1~7のいずれか1つのパウチ製品。
【0033】
実施形態9:湿潤剤が、グリセリン、プロピレングリコール又はこれらの混合物である、実施形態1~8のいずれか1つのパウチ製品。
【0034】
実施形態10:組成物が、少なくとも1種の甘味剤をさらに含む、実施形態1~9のいずれか1つのパウチ製品。
【0035】
実施形態11:組成物が、粒状形態、顆粒化形態、又は1種以上のペレット若しくは錠剤の形態である、実施形態1のパウチ製品。
【0036】
実施形態12:1種以上の溶解可能な充填剤が、糖アルコール及びマルトデキストリンを含み、任意選択的に、本組成物が、該組成物の最大で約40重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む、実施形態11のパウチ製品。
【0037】
実施形態13:組成物が、ビーズの形態であり組成物の総重量に対して、少なくとも45%以上、例えば約67重量%~約78重量%の量の糖アルコール、及び組成物の総重量に対して、少なくとも10%以上、例えば約16重量%~約20重量%の量のグリセリンを含む、実施形態1のパウチ製品。
【0038】
実施形態14:糖アルコールがイソマルトである、実施形態13のパウチ製品。
【0039】
実施形態15:組成物が、組成物の最大で約5重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む、実施形態13又は14のパウチ製品。
【0040】
実施形態16:ビーズの少なくとも一部が、脂質、ワックス、セルロース誘導体、結合剤及びこれらの組合せからなる群から選択される放出改変剤によりコーティングされている、実施形態13~15のいずれか1つのパウチ製品。
【0041】
実施形態17:異なる溶解速度を有するビーズの混合物を含む、実施形態13~16のいずれか1つのパウチ製品。
【0042】
実施形態18:ビーズとの物理的混合物の形態の微結晶性セルロースをさらに含む、実施形態13~17のいずれか1つのパウチ製品。
【0043】
実施形態19:少なくとも1種の活性成分が、ボタニカル材料、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、抗酸化剤、カンナビノイド、カンナビメティクス、テルペン、医薬剤及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~18のいずれか1つのパウチ製品。
【0044】
実施形態20:少なくとも1種の活性成分がニコチン成分を含む、実施形態1~19のいずれか1つのパウチ製品。
【0045】
実施形態21:ニコチン成分が樹脂結合ニコチンを含む、実施形態20のパウチ製品。
【0046】
実施形態22:組成物が、1種以上の有機酸、1種以上の有機酸のアルカリ金属塩又はこれらの両方をさらに含む、実施形態1~21のいずれか1つのパウチ製品。
【0047】
実施形態23:1種以上の有機酸又はこのアルカリ金属塩が、組成物の総重量に対して、約0.1~約10%又は約0.1~約0.5%の重量基準の量で組成物中に存在する、実施形態23のパウチ製品。
【0048】
実施形態24:1種以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸又はこれらの組合せを含む、実施形態22又は23のパウチ製品。
【0049】
実施形態25:1種以上の有機酸が安息香酸を含む、実施形態22~24のいずれか1つのパウチ製品。
【0050】
実施形態26:外側水透過性パウチが生分解性である、実施形態1~25のいずれか1つのパウチ製品。
【0051】
実施形態27:外側水透過性パウチが溶解可能である、実施形態1~26のいずれか1つのパウチ製品。
【0052】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図と一緒に以下の詳細な説明を読むことで明らかとなり、図は以下に簡単に説明されている。本発明には、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの任意の組合せ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの特徴又は要素の組合せが、このような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられているかどうかに関わらず、含まれている。本開示は、全体的に読み取るように意図されているので、特に文脈が明確に他を指示しない限り、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて結合可能なことが意図されていると見なされるべきである。
【0053】
前述の一般的な項目において本開示の態様をこうして記載してきたが、ここからは添付の図について言及する。ただし、添付の図は必ずしもスケール通りに描かれているとは限らない。図は例示的のみであり、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本開示の組成物により少なくとも一部が充填されたパウチを含む、本開示の例示的実施形態によるパウチ製品の斜視図である。
図2】本開示の組成物により少なくとも一部が充填されたパウチを示す、製品の長さに沿って切り取った、本開示の例示的実施形態によるパウチ製品の斜視図である。
図3】本開示の組成物により少なくとも一部が充填されたパウチを示す、製品の長さに沿って切り取った、本開示の例示的実施形態によるパウチ製品の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示は、外側水透過性パウチに封入されている、口腔使用のために構成された組成物を提供する。本組成物は、少なくとも部分的に溶解可能であり、組成物の総重量に対して、例えば少なくとも約45重量%の量の溶解可能な充填剤;組成物の総重量に対して、例えば最大で約25重量%の量の湿潤剤;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方を含む。本開示は、これより、この例示的実施形態を参照して、本明細書のこれ以降にさらに完全に記載される。これらの例示的実施形態は、本開示が十分かつ完全となるように記載され、本開示の範囲を当業者に完全に伝達するものである。実際に、本開示は、多数の異なる形態で具現化され得、本明細書において説明されている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満足するよう提供されている。
【0056】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0057】
本明細書全体を通して使用される「約」という用語は、わずかなばらつきを説明及び考慮するために使用されている。例えば、用語「約」とは、±10%以下、例えば±5%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.2%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下を指すことができる。数値はすべて、本明細書において、明示的に示されているか否かに関わらず、用語「約」によって修飾される。用語「約」によって修飾される値は、当然ながら、指定の値を含む。例えば、「約5.0」は、5.0を含まなければならない。
【0058】
「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」と言う場合、乾燥成分(すなわち、水を除く全成分)を基準にした重量を指す。「湿潤重量」という言及は、水を含めた組成物の重量を指す。特に示さない限り、組成物の「重量パーセント」と言う場合、組成物の全湿潤重量(すなわち、水を含む)を反映する。
【0059】
組成物
ある特定の実施形態において、本明細書に記載されている溶解可能な組成物は、組成物の総重量に対して、少なくとも約45重量%の量の溶解可能な充填剤;組成物の総重量に対して最大で約25重量%の量の湿潤剤;及び少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又は少なくとも1種の活性成分と少なくとも1種の着香剤の両方を含む。一部の実施形態において、本組成物は、甘味剤、1種以上の有機酸及び様々な他の添加剤をさらに含んでもよい。組成物内の様々な構成成分の相対量は、異なってもよく、通常、所望の感覚性及び性能特徴を口腔用製品にもたらすように選択される。本組成物の例示的な個々の構成成分は、本明細書の以下に記載されている。
【0060】
充填剤
本明細書に記載されている組成物は、少なくとも1種以上の充填剤を含む。このような充填剤は、複数の機能、例えば、ある特定の感覚刺激特性、例えば、テキスチャー及び口当たりを増強する、製品の粘着性又は圧縮性を増強することなどを満たすことができる。一般的に、充填剤は多孔質粒状材料であり、セルロースベースである。例えば、適切な充填剤は、任意の非タバコ植物材料又はその誘導体であり、このような供給源由来のセルロース材料を含む。セルロース系非タバコ植物材料の例として、穀物(例えば、トウモロコシ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、ソバなど)、テンサイ(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なFIBREX(登録商標)ブランドフィラー)、ふすま繊維及びこれらの混合物が挙げられる。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的例として、デンプン(例えば、ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ由来のもの)、天然セルロース及び修飾セルロース系材料が挙げられる。潜在的充填剤成分の追加例として、マルトデキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。充填剤の組合せもまた使用することができる。
【0061】
一部の実施形態において、充填剤はデンプンを含む。用語「デンプン」とは、本明細書において使用される場合、任意の供給源からの純粋なデンプン、加工デンプン、又はデンプン誘導体を指すことができる。デンプンは通常、ほとんどすべての緑色植物において、及び様々な種類の植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、新芽、果実、穀粒及び茎)において顆粒状の形態で存在する。デンプンは、組成並びに顆粒の形状及びサイズが異なってもよい。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは異なる化学的及び物理的な特徴を有する。特定のデンプンは、特定の感覚刺激特性を製品に付与するデンプン材料の能力に基づき、製品内への包含に対して選択され得る。様々な供給源由来のデンプンが使用され得る。例えば、デンプンの主要な供給源として、穀物(例えば、米、小麦及びトウモロコシ)及び根菜類(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプンの供給源の他の例として、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、オオムギ、マメ(例えば、ソラマメ、レンズマメ、ヤエナリ、エンドウマメ、ひよこマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、コロカシア、カタクリ、クズ、マランガ、雑穀、カラスムギ、オカ、ポリネシアンアロールート、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロイモ、タバコ、シログワイ及びヤムが挙げられる。
【0062】
ある特定のデンプンは加工デンプンである。加工デンプンは、1種以上の構造的変化が施され、多くの場合、その高い熱特性を変化させるように設計されている。一部のデンプンは遺伝子組換えにより開発され、「加工」デンプンと見なされている。他のデンプンが得られ、続いて、変性される。例えば、加工デンプンは、化学反応、例えば、エステル化、エーテル化、酸化、酸触媒作用若しくは塩基の存在下での酸化による脱重合(低粘調化)、漂白、グリコシル基転移及び脱重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、酵素処理、アセチル化、ヒドロキシプロピル化並びに/又は部分加水分解が施されたデンプンとすることができる。他のデンプンは加熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスにより修飾される。ある特定の加工デンプンとして、リン酸化デンプン、グリセロール架橋デンプン、トリメタリン酸ナトリウムによりエステル化したリン酸架橋デンプン、リン酸化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸によりエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。
【0063】
一部の実施形態において、充填剤は、セルロース材料を含む。一部の実施形態において、セルロース系材料は、微結晶性セルロース(「mcc」)である。MCCは合成であっても、半合成であってもよく、又は全面的に天然セルロースから得ることもできる。MCCは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。一部の実施形態において、製品は、mccを含む。本明細書に記載されている製品中に存在するmccの量は、所望の特性により異なり得る。
【0064】
一部の実施形態において、充填剤は、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む)を含み、これはセルロース構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアリール基により置き換えられたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。適切なセルロースエーテルには、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;DuPont製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;DuPont製のMethocel A4M、K4M及びE15などのメチルセルロース;並びにAqualon Co.製のCMC 7HF、CMC 7LF及びCMC 7H4Fなどのカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。一部の実施形態において、少なくとも1種の充填剤は、1種以上のセルロースエーテル(例えば、単一セルロースエーテル、又は例えば、2種若しくは3種などの数種のセルロースエーテルからなる組合せ物)である。一部の実施形態において、充填剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択される、セルロースエーテルである。一部の実施形態において、少なくとも1種の充填剤は、カルボキシメチルセルロースである。
【0065】
他の適切な充填剤は、ガム、例えば天然ガムを含む。本明細書において使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用である天然起源の多糖材料を指す。植物由来の代表的な天然ガムは、通常ある程度水溶性であるが、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組合せが挙げられる。
【0066】
一部の実施形態において、充填剤は、1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは部分的又は完全に水素化された形態を有する、単糖又は二糖由来のポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びこれらの組合せ(例えば、水素化デンプン加水分解物)が挙げられる。一部の実施形態において、充填剤は、エリスリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、充填剤は、マンニトール及びマルトデキストリンの組合せ物である。一部の実施形態において、充填剤はイソマルトを含む。イソマルトは、2種の二糖の等モル混合物であり、各々は、以下の2種の糖からなる:グルコース及びマンニトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-マンニトール);及びグルコース及びソルビトール(α-D-グルコピラノシド-1,6-ソルビトール)。一部の実施形態において、充填剤は、グルコース及びデンプン由来の多糖の混合物を含む。グルコース及びデンプン由来の多糖のこのような適切な混合物の1つは、JRS PHARMA LP(USA、2981 Route22、Patterson、NY 12563-2359)から入手可能なEMDEX(登録商標)である。一部の実施形態において、充填剤はEMDEX(登録商標)を含む。
【0067】
一部の実施形態において、充填剤は、溶解可能である。「溶解可能な」とは、充填剤が水溶性であることを意味し、こうして、溶解可能な充填剤が、組成物の使用者の口内に存在する唾液に実質的に又は完全に可溶性となる。「完全に可溶性の」とは、溶解可能な充填剤を含む製品の使用の通常の期間の後に、溶解可能な充填剤の残留物が使用者の口内に固体形態で残らないことを意味する。一部の実施形態において、溶解可能な充填剤は、イヌリン又はトウモロコシ繊維などの可溶性繊維を含む。一部の実施形態において、溶解可能な充填剤は、可溶性デンプンを含む。一部の実施形態において、可溶性デンプンは、マルトデキストリンである。一部の実施形態において、溶解可能な充填剤は、糖を含む。一部の実施形態において、溶解可能な充填剤は、糖アルコールを含む。一部の実施形態において、溶解可能な充填剤は、イソマルトとマルトデキストリンの組合せ物である。
【0068】
溶解可能な充填剤の量は異なり得るが、通常、組成物の総重量に対して、重量基準で、組成物の約45%より多く、約95%までである。組成物内の溶解可能な充填剤の典型的な範囲は、各組成物の総重量の約45~約95重量%、例えば、約45、約50、約55、約60又は約65から約70、約75、約80、約85、約90又は約95重量%までとすることができる。組成物が、1種より多い溶解可能な充填剤を含む実施形態において、溶解可能な充填剤の明記されている重量基準は、組成物の総重量に対して、溶解可能な充填剤の組合せ物の総重量を反映することが理解されたい。
【0069】
一部の実施形態において、本組成物は、溶解可能ではない充填剤、又は部分的にしか溶解可能ではない充填剤をさらに含む。存在してもよい非溶解可能な又は部分的に溶解可能な充填剤の量は、異なってもよいが、通常、組成物の約40重量%未満、例えば、組成物の総重量に対して約1~約40重量%、約1~約20重量%又は約1~約5重量%である。一部の実施形態において、非溶解可能な充填剤は、微結晶性セルロースである。一部の実施形態において、本組成物は、組成物の総重量に対して、最大で約5重量%の量の微結晶性セルロースをさらに含む。一部の実施形態において、本組成物は、組成物の総重量に対して、最大で約40重量%の量、例えば、約1~約40重量%の微結晶性セルロースをさらに含む。理論に制約されることを望むことなく、微結晶性セルロースなどの部分的に溶解可能な又は非溶解可能な充填剤を含ませると、着香剤又は活性成分を運ぶのに有利となり得、このような製品全体の一層均一な分布を実現することができると考えられる。
【0070】
湿潤剤
ある特定の実施形態において、1種以上の湿潤剤が、組成物において利用され得る。湿潤剤の例として、これらに限定されないが、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。湿潤剤は、含まれる場合、通常、組成物に所望の水分特質をもたらすのに十分な量で提供される。さらに、ある場合において、湿潤剤は、鋳型に流し入れるため、製品を押出成形するため、及び/又はビーズを形成するため、組成物に望ましい流動特徴を付与することができる。ある場合において、湿潤剤は、粒子の実施形態(例えば、散剤)が、空気を浮遊するほこりを形成すること、又はパウチの加熱封入中に乾ききることを防止する一助となり得る。ある場合において、湿潤剤は、押出成形、球形化、回転及びこれらの組合せによるビーズの形成の一助となることがある。一部の実施形態において、湿潤剤は、プロピレングリコールである。一部の実施形態において、湿潤剤はグリセリンである。
【0071】
湿潤剤は、存在する場合、通常、組成物の総重量に対して、組成物の重量の約25%以下(例えば、約0.1~約25重量%)、例えば、約0.1%~約1重量%、約1重量%~約5重量%、約5~約15重量%又は約15~約20重量%を構成する。
【0072】
結合剤
結合剤(又は結合剤の組合せ)は、ある特定の実施形態において、所望の物理的特質及び物理的完全性を組成物にもたらすのに十分な量で利用することができ、結合剤はまた、多くの場合、増粘剤又はゲル化剤として機能する。典型的な結合剤は有機物でも無機物でも、又はこれらの組合せであってもよい。代表的な結合剤として、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプンベースの結合剤、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなど及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、結合剤は、ペクチン若しくはカラギーナン、又はこれらの組合せを含む。
【0073】
組成物中において利用される結合剤の量は、結合剤及び所望の組成物の特性に基づいて異なり得るが、通常、約25重量%までであり、ある特定の実施形態は、組成物の総重量に対して、約0.5~約20重量%又は約1~約10重量%などの少なくとも約0.1重量%の結合剤含有量を特徴とする。
【0074】
一実施形態において、結合剤は、セルロース誘導体を含む。ある特定の実施形態において、セルロース誘導体は、セルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む)であり、これはセルロース構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル、ヒドロキシアルキル又はアリール基で置き換えられたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。一実施形態において、セルロース誘導体はメチルセルロース、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース及びCMCのうちの1種以上である。一部の実施形態において、セルロース誘導体はHPCである。一実施形態において、セルロース誘導体は、HPCとHPMCとの組合せ物である。一部の実施形態において、本組成物は、組成物の約1~約5重量%、例えば、約1重量%、約2重量%又は約3%から約4重量%又は約5重量%までのHPCを含む。
【0075】
ある特定の実施形態において、結合剤には、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸アンモニウム)が挙げられる。アルギン酸塩結合剤は、存在する場合、組成物の総重量に対して、約1重量%までの量で、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4又は約0.5重量%から、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9又は約1重量%までの量で、通常、存在する。
【0076】
ある特定の実施形態において、結合剤として、弾性ポリマーが挙げられる。弾性ポリマーは、ポリ酢酸ビニル又はブタジエン-スチレンなどのチューイングガムの製造に使用される物質を含むことができる。
【0077】
ある特定の実施形態において、結合剤はガム、例えば、天然ガムを含む。本明細書において使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用である天然起源の多糖物質を指す。植物由来の代表的な天然ガムは、通常ある程度水溶性であるが、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態において、結合剤は、アラビアガムを含む。天然ガム結合剤物質は、存在する場合、組成物の総重量に対して、約25重量%まで、例えば、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%又は約5重量%から、約10重量%、約15重量%、約20重量%又は約25重量%までの量で、通常、存在する。
【0078】
一部の実施形態において、本組成物は、例えば、組成物を含むビーズ、錠剤又は粒状粒子の表面にコーティングされる結合剤を含む。理論に制約されることを望むことなく、このようなコーティング剤は、組成物内の構成成分又は組成物それ自体の溶解速度を改変することができる。コーティング剤に適切な結合剤には、以下に限定されないが、セルロース誘導体及びポリマー物質が含まれる。
【0079】
活性成分
一部の実施形態において、本明細書において開示されている組成物は、1種以上の活性成分を含む。本明細書で使用される場合、「活性成分」とは、以下のカテゴリーのいずれかに属する1種以上の物質を指す:API(医薬品活性成分)、食品添加物、天然薬剤及びヒトに対して作用を有し得る天然由来物質。例示的活性成分として、1種以上の体内の生物学的機能に影響を及ぼすことが公知の任意の成分、例えば、疾患の診断、治癒、軽減、治療、若しくは予防において、薬理学的活性又は他の直接的作用をもたらす、又はヒトの身体の構造又は任意の機能に影響を与える成分(例えば、中枢神経系に刺激作用をもたらす、活発化作用、解熱作用若しくは鎮痛作用、又は身体に有用な他の作用を有する)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は、一般的に栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる種類であってもよい。これらの種類の添加剤は、1種以上の有利な生物学的作用(例えば、健康促進、疾患予防、又は他の薬理作用)を提供するが、薬物として分類されても、規制されてもいない天然由来の供給源(例えば、ボタニカル材料)から通常入手可能な物質を包含するように当技術分野で定義される場合もある。
【0080】
活性成分の非限定例には、ボタニカル成分(例えば、ヘンプ、ラベンダー、ペパーミント、ユーカリ、ルイボス、フェンネル、クローブ、カモミール、バジル、ローズマリー、クローブ、カンキツ、ショウガ、アサ、ニンジン、マカ及びハーブ茶)、刺激剤(例えば、カフェイン又はガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン)、ビタミン(例えば、B6、B12及びC)、抗酸化剤、ニコチン成分、医薬品成分(例えば、栄養補給食品及び薬用成分)、カンナビノイド(例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はカンナビジオール(CBD))及び/又はメラトニンのカテゴリーに収まるものが挙げられる。これらのカテゴリーのそれぞれがさらに以下の本明細書に記載されている。活性成分の特定の選択は、特定製品の所望のフレーバー、テキスチャー及び所望の特徴に応じて異なる。
【0081】
さらに、活性成分の上記のタイプのいずれも、以下に限定されないが、カフェイン、ビタミンA及び鉄(Fe)を含む、これらの活性物質の化学分解を回避するため、又は強い味覚を低減するために、組成物中、最終製品中、又はこれらの両方に封入されてもよい。さらに、これらの封入された活性物質は、これらの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティーを増大させるために、組成物内の賦形剤と対を形成しなければならないこともある。これらの賦形剤の非限定的例として、ベータ-カロテン、リコピン、ビタミンD、ビタミンE、コエンザイムQ10、ビタミンK及びクルクミンが挙げられる。
【0082】
存在する活性成分の特定のパーセンテージは、特定の製品の所望の特徴に応じて異なる。通常、活性成分又はこれらの組合せは、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001重量%~約20重量%の範囲の総濃度で存在する。一部の実施形態において、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.5%w/w~約10重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%又は約1重量%から、約20重量%まで、例えば、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%又は約20重量%までの濃度で存在する。特定の活性成分のさらに適切な範囲は、本明細書の以下に提示されている。
【0083】
ボタニカル
一部の実施形態では、活性成分はボタニカル成分を含む。本明細書で使用される場合、「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」という用語は、任意の植物材料又は菌類由来の材料(その天然形態での植物材料を含む)及び天然植物材料由来の植物材料、例えば、植物材料又は処理した植物材料からの抽出物又は分離物(例えば、材料の物理的及び/又は化学的性質を改変することが可能な加熱処理、発酵、漂白、又は他の処理プロセスに供された植物材料)を指す。本開示の目的のため、「ボタニカル」には、これらに限定されないが、「薬草材料」が含まれ、この薬草材料とは、持続性の木質組織を生み出さず、多くの場合、これらの薬用特性又は感覚特性(例えば、茶又はハーブ茶)に対して評価されている種子生成植物を指す。「非タバコ」としてのボタニカル材料についての言及は、タバコ材料を除外することを意図する(すなわち、いかなるニコチアナ属種も含まない)。
【0084】
存在する場合、ボタニカルは通常、組成物の総重量に対して、約0.01%w/w~約10重量%、例えば、約0.01%w/w、約0.05重量%、約0.1重量%、又は約0.5重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までの濃度である。
【0085】
本開示に有用なボタニカル材料として、制限なしで、これらの混合物を含めた、本明細書に記載の化合物及び供給源のいずれかを挙げることができる。この種類のある特定のボタニカル材料は、時には栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる。ある特定のボタニカルは、ボタニカル材料又はボタニカル抽出物として、従来の薬草薬における使用が見出され、本明細書でさらに記載されている。植物又は植物由来の材料の非限定的例として、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、チャイフー、カモミール、サクラの花、クロロフィル、シナモン、カンキツ、クローブ、ココア、ノムシタケ属(cordyceps)、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラータ(Dorstenia odorata)、エッセンシャルオイル、ユーカリ、フェンネル、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、大麻、ホップ、ジャスミン、カエンフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)(ウコン)、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、甘草、ルテイン、マカ、マッチャ、ナルドスタキス・チネンシス(Nardostachys chinensis)、ビオラ・オドラータ(Viola odorata)の油ベースの抽出物、ペパーミント、ケルセチン、リスベラトロール、リゾマ・ガストロジアエ(Rhizoma gastrodiae)、ロディオラ(Rhodiola)、ルイボス(rooibos)、ローズエッセンシャルオイル、ローズマリー、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、チョウセンゴミシ、スカルキャップ、スペアミント抽出物、スパイクナード、テルペン、ハーブ茶、ターメリック、トゥルネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、クワ及びイェルバマテが挙げられる。一部の実施形態において、ボタニカル材料は封入された形態で存在する。
【0086】
刺激剤
一部の実施形態では、活性成分は1種以上の刺激剤を含む。本明細書で使用される場合、「刺激剤」という用語は、中枢神経系及び/又は身体の活性を増加させる、例えば、集中、認知、活力、気分、警戒などを増強する材料を指す。刺激剤の非限定的例として、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)はカフェインと構造的に関係しているプリンアルカロイドであり、刺激作用、鎮痛作用及び抗炎症作用を有する。存在する刺激剤は天然のものでも、自然に由来するものでも、又は完全に合成のものであってもよい。例えば、ある特定のボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えば、カフェイン又は関連アルカロイドの存在により刺激作用を有することができ、したがって「天然の」刺激剤である。「自然に由来する」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)は、その天然(例えば、ボタニカル)マトリックスの外側が精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)からの抽出及び精製により得ることができる。「完全に合成による」とは、刺激剤が化学合成により得られることを意味する。一部の実施形態では、活性成分はカフェインを含む。一部の実施形態では、カフェインは封入された形態で存在する。封入されたカフェインの1つの例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なVitashure(登録商標)である。一部の実施形態において、活性成分は、テアクリンを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェインとテアクリンの組合せを含む。
【0087】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン、及びこれらの組合せ)は通常、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、又は約0.9%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までの濃度である。
【0088】
アミノ酸
一部の実施形態では、活性成分はアミノ酸を含む。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、アミン(-NH)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SOH)官能基を、側鎖(R基)と共に含有する有機化合物を指す。これは、各アミノ酸に特異的である。アミノ酸はタンパク質原性であっても、非タンパク質原性であってもよい。「タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に見出される20種の天然由来アミノ酸のうちの1種であることを意味する。タンパク質原性アミノ酸として、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。「非タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に自然に見出されないか、細胞機構により直接生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)ことを意味する。非タンパク質原性アミノ酸の非限定的例として、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びβ-アラニンが挙げられる。
【0089】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組合せ(例えば、タウリン、テアニン、及びこれらの組合せ)は通常、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、又は約0.9%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%までの濃度である。
【0090】
一部の実施形態において、アミノ酸は、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン又はこれらの組合せである。一部の実施形態において、アミノ酸はタウリンである。一部の実施形態において、活性成分は、タウリンとカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、タウリン、カフェイン及びガラナの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、タウリン、マカ及びノムシタケ属(cordyceps)の組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン及びカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン及びカフェインの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン及びGABAの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン、GABA及びレモンバームの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェイン、タウリン及びビタミンCの組合せを含む。一部の実施形態において、活性成分は、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。一部の実施形態において、活性成分は、タウリンを含む。
【0091】
ビタミン及びミネラル
一部の実施形態では、活性成分はビタミン又はビタミンの組合せを含む。本明細書で使用される場合、「ビタミン」という用語は、哺乳動物における代謝の適正な機能に必要とされる主要な微量栄養素である有機分子(又は関連する分子のセット)を指す。ヒトの代謝には13種のビタミンが必要とされ、これらは以下の通りである:ビタミンA(all-trans-レチノール、all-trans-レチニル-エステル、並びにall-trans-β-カロテン及び他のプロビタミンAカロチノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又はフォレート)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)及びビタミンK(キノン)。一部の実施形態では、活性成分はビタミンCを含む。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンC、カフェイン及びタウリンの組合せである。一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンB6及びB12のうちの1種以上を含む。一部の実施形態において、活性成分は、テアニン、並びにビタミンB6及びB12のうちの1種以上を含む。
【0092】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組合せ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はこれらの組合せ)は、通常、組成物の総重量に対して、約0.01%w/w~約1重量%、例えば、約0.01w/w%、約0.02w/w%、約0.03w/w%、約0.04w/w%、約0.05w/w%、約0.06w/w%、約0.07w/w%、約0.08w/w%、約0.09w/w%、又は約0.1w/w%から、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%又は約1重量%までの濃度である。
【0093】
一部の実施形態において、活性成分は、ビタミンAを含む。一部の実施形態において、ビタミンAは封入されている。一部の実施形態において、ビタミンは、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はこれらの組合せである。
【0094】
一部の実施形態において、活性成分は、ミネラルを含む。本明細書において使用される場合、「ミネラル」という用語は、哺乳動物における様々な系の適正な機能に必要とされる必須微量栄養素である無機分子(又は、関連する分子のセット)を指す。ミネラルの非限定例には、鉄、亜鉛、銅、セレン、クロム、コバルト、マンガン、カルシウム、リン、硫黄、マグネシウムなどが含まれる。一部の実施形態において、活性成分は鉄を含む。適切な鉄源には、以下に限定されないが、第一鉄の塩、例えば、硫酸第一鉄及びグルコン酸第一鉄が含まれる。一部の実施形態において、鉄は封入されている。
【0095】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている活性成分は、口腔用製品の加工中又は保管時に、分解(例えば、酸化的、光分解、熱的、蒸発)を受けやすいことがある。このような実施形態において、活性成分(例えば、カフェイン、ビタミンA及び鉄(Fe))は、封入される、又はマトリックスが特に充填剤、結合剤などにより改変されて、活性成分に安定性の増強をもたらすことができる。例えば、結合剤、例えば、機能性セルロース(例えば、セルロースエーテル、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む)を使用して、このような活性物の分解に対する安定性を増強することができる。さらに、封入した活性物は、その溶解度及び/又は生体利用率を増大するため、組成物中に賦形剤と一対になる必要があることがある。適切な賦形剤の非限定例には、ベータ-カロテン、リコペン、ビタミンD、ビタミンE、補酵素Q10、ビタミンK及びクルクミンが含まれる。
【0096】
他の実施形態において、活性成分の重量基準での所望の濃度をもたらすため、活性成分の最初の量が増量されて、分解が徐々に起こる喪失分を補ってもよい。したがって、本明細書において開示されている量よりも多い初期量が、本開示によって企図される。
【0097】
抗酸化剤
一部の実施形態において、活性成分は1種以上の抗酸化剤を含む。本明細書で使用される場合、「抗酸化剤」という用語は、フリーラジカル反応を終結させることによって、酸化を防止又は抑制する物質を指し、一部の種類の細胞損傷を遅延又は防止することができる。抗酸化剤は天然由来でも、又は合成でもよい。天然由来の抗酸化剤として、食物及びボタニカル材料に見出されるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的例として、ある特定のボタニカル材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0098】
抗酸化性特徴を伴うボタニカル材料の例として、制限なしで、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトーシード、アンズ油、バジル、ビーバーム、野生型ベルガモット、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、カラマスルート、イヌハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、チャガマッシュルーム、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモの皮、ブドウ種、ニンジン、イチョウ、セイヨウオトギリ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、イブニングプリムローズ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカスの花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、甘草、ハナハッカ、オオアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、ビート根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、赤色クローバ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリーセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、スリッペリーエルムバーク、ソルガムふすま高タンニン、ソルガム種子高タンニン、スマックふすま、ヒレハリソウの葉及び根、ゴジベリー、ゴツコーラ、タイム、ターメリック、ウバウルシ、バレリアン、野生型ヤムの根、ウィンターグリーン、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパ・モニエラ、アシュワガンダ、ヤマブシタケ及びシリバム・マリアナム(silybum marianum)が挙げられる。このようなボタニカル材料は新鮮なまま又は乾燥させた形態、エッセンシャルオイルで提供されてもよいし、又は抽出物の形態であってもよい。ボタニカル材料(並びにこれらの抽出物)は、多くの場合、抗酸化作用をもたらすことが公知の様々なクラスの化合物、例えば、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール(phytoesterols)、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロチノイドを含む。ボタニカル抽出物又は油に見出される化合物の例として、アスコルビン酸、ピーナッツ内果皮、リスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、コエンザイムQ、カルニチン、ケルセチン、ケンフェロールなどが挙げられる。例えば、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005)216~220頁を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0099】
他の適切な抗酸化剤の非限定的例として、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、没食子酸エピガロカテコール、エリソルビン酸、エリトルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレソルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA又はB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、リスベラトロール、オレウロペイン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、抗酸化剤はビタミンE又はこの誘導体、フラボノイド、ポリフェノール、カロチノイド又はこれらの組合せである。
【0100】
抗酸化剤は、存在する場合、通常、組成物の総重量に対して、約0.001%w/w~約10重量%、例えば、約0.001%w/w、約0.005%w/w、約0.01%w/w、約0.05%w/w、約0.1%w/w、又は約0.5%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%までの濃度である。
【0101】
ニコチン成分
ある特定の実施形態において、活性成分は、ニコチン成分を含む。一部の実施形態において、活性成分は、ニコチン成分である(すなわち、ニコチンが、唯一の活性成分である。)。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の経口吸収をもたらすための、任意の適切な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。
【0102】
ニコチン源は、様々であってもよく、天然物であってもよく、又は合成物であってもよい。最も好ましくは、ニコチンは天然物であり、ニコチアナ属種(例えば、タバコ)から抽出物として得られる。ニコチンは、エナンチオマー形態S(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、又はS(-)-ニコチンとR(+)-ニコチンの混合物を有することができる。最も好ましくは、ニコチンはS(-)-ニコチンの形態(例えば、実質的にはすべてS(-)-ニコチンである形態)又は主に若しくは大部分S(-)-ニコチン(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチンと約5重量部のR(+)-ニコチンで構成される混合物)で構成されるラセミ混合物である。最も好ましくは、ニコチンは、実質的に純粋な形態で又は本質的に純粋な形態で利用される。利用される極めて好ましいニコチンは、重量基準で、約95パーセントより大きい、より好ましくは約98パーセントより大きい、最も好ましくはより大きい約99パーセントより大きい純度を有する。
【0103】
通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。一部の実施形態において、ニコチン成分とは、遊離塩基形態のニコチンのことであり、これは、例えば、微結晶性セルロース材料に簡単に吸着されて、微結晶性セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる。例えば、遊離塩基形態のニコチンに関するHanssonの米国特許出願第2004/0191322号を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
一部の実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部分は塩の形態で利用することができる。ニコチン塩は、Coxらの米国特許第2,033,909号及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12巻:43~54頁(1983年)に記載の種類の成分及び技術を使用して提供することができる。これは、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、ニコチンの塩は、例えば、Pfaltz and Bauer、Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals、Inc.などの供給源から入手可能である。通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、ジヒドロクロリド、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及び塩化亜鉛ニコチンからなる群から選択される。一部の実施形態において、ニコチン成分は、酒石酸水素ニコチンである。一部の実施形態において、ニコチン成分は、安息香酸ニコチンを含む、又は安息香酸ニコチンである。
【0105】
一部の実施形態において、ニコチンの少なくとも一部分はニコチンの樹脂複合体の形態であることができ、ニコチンは、イオン交換樹脂に結合している、例えば、ニコチンポラクリレックスであり、これは、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551などのポリメタクリル酸にニコチンを結合させたものである。例えば、Lichtneckertらの米国特許第3,901,248号を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。別の例は、ニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体、例えば、Carbopol974Pのものである。一部の実施形態において、ニコチンは、ニコチンポリアクリル複合体の形態で存在することができる。一部の実施形態において、本組成物は、ニコチンポラクリレックスを含む。
【0106】
一部の実施形態において、本組成物中に存在する唯一のニコチンは、樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)の形態で加えられるものである。一部の実施形態において、本組成物は、樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)を含み、遊離塩基のニコチン、ニコチン塩、イオン対を形成したニコチン又はこれらの組合せをさらに含む。一部の実施形態において、本組成物中に存在するニコチンの少なくとも一部は、本明細書の以下においてさらに記載されているイオン対として存在する。
【0107】
通常、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、混合物中に、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約10%の範囲である。一部の実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算すると、混合物の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、又は約0.9w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%又は約10重量%までの濃度で存在する。一部の実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約3重量%、例えば、約0.1重量%~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%又は約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。
【0108】
存在するニコチンの総量は、ニコチンの遊離塩基、ニコチン塩、イオン対形成したニコチン及び樹脂結合ニコチン(例えば、ニコチンポラクリレックス)のいずれかの様々な組合せ物などの、1種超のニコチン源によってもたらされてもよい。
【0109】
他の実施形態において、本開示の製品又は組成物は、任意のニコチン成分を完全に含まない、又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書において開示されているいずれの実施形態も、いかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含まなくてもよい。)。「実質的に含まない」とは、例えば、ボタニカル材料中に自然に存在し得る微量を超えて、いかなるニコチンも意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算された0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満のニコチン、又はさらに0重量%未満のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0110】
カンナビノイド
一部の実施形態では、活性成分は1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される場合、「カンナビノイド」という用語は、脳内の神経伝達物質放出を変化させる、細胞内のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に作用するクラスの多様な天然又は合成化学化合物を指す。カンナビノイドは、特定の特性、例えば、血液脳関門を簡単に横断する能力などを示す環式の分子である。カンナビノイドは、植物、例えばアサなどからの天然由来(植物性カンナビノイド)であっても、動物由来(内在性カンナビノイド)であっても、又は人為的に製造されたもの(合成カンナビノイド)であってもよい。アサ種は、少なくとも85種の異なる植物性カンナビノイドを発現し、これらはカンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、及び他のカンナビノイド、例えば、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、トラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むサブクラスに分割することができる。
【0111】
一部の実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、トラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)である。一部の実施形態において、カンナビノイドは少なくともカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態において、カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)である。一部の実施形態において、CBDは合成CBDである。とりわけ、CBDはlogP値約6.5を有し、これによって水性環境内(例えば、唾液)で不溶性となる。
【0112】
一部の実施形態において、カンナビノイド(例えば、CBD)は、分離物の形態で口腔用製品に添加される。分離物とは、植物、例えば、アサからの抽出物であり、目的の活性物質(この場合カンナビノイド、例えば、CBD)は、高度の純度で、例えば、95%より大きい、96%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、又は99%の周辺の純度で存在する。
【0113】
一部の実施形態において、カンナビノイドは、高度の純度でのCBDの分離物であり、口腔用製品中のいずれか他のカンナビノイドの量は、口腔用製品の約1重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.5重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.1重量%以下、例えば、口腔用製品の約0.01重量%以下である。
【0114】
開示された口腔用製品内に存在し得るカンナビノイドの選択及びその特定のパーセンテージは、口腔用製品の所望のフレーバー、テキスチャー、及び他の特徴に応じて変動することになる。
【0115】
一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、組成物中に、口腔用製品の少なくとも約0.001重量%、例えば、口腔用製品の約0.001重量%~約2重量%の範囲の濃度で存在する。一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、組成物中に、組成物の総重量に対して、約0.1重量%~約1.5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態において、カンナビノイド(CBDなど)は、口腔用組成物の総重量に対して、約0.4濃度%~約1.5重量%の濃度で存在する。
【0116】
代替的に、又はカンナビノイドに加え、活性成分は、カンナビノイドと同様にエンドカンナビノイド系に対する生物学的作用を有する、アサ以外の植物由来のクラスの化合物であるカンナビメティクスを含んでもよい。例として、ヤンゴニン、アルファ-アミリン又はベータ-アミリン(テルペンとしても分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。このような化合物は、カンナビノイドに関して本明細書において明記したものと同量及び同じ比で使用され得る。
【0117】
テルペン
本開示における使用に適した活性成分はまたテルペンとして分類され得、このうちの多くは生物学的作用、例えば、沈静作用を伴う。テルペンは、一般式(Cを有すると考えられ、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含む。テルペンは非環式、単環式又は二環式の構造であることができる。一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビメティクスと組み合わせて使用された場合、アントラージュ効果を提供する。例として、ベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン及びゲルマクレンが挙げられ、これらは個々に又は組み合わせて使用することができる。
【0118】
一部の実施形態では、テルペンは、植物性カンナビノイド生成植物、例えば、カンナビス・サティヴァ種、例えば、大麻の株の植物から誘導可能なテルペンである。この点で適切なテルペンとして、いわゆる「C10テルペン」(10個の炭素原子を含むようなテルペン)、及びいわゆる「C15テルペン」(15個の炭素原子を含むようなテルペン)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は1種より多くのテルペンを含む。例えば、活性成分は、本明細書で定義された、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種又はそれよりも多くのテルペンを含むことができる。一部の実施形態では、テルペンは、ピネン(アルファ及びベータ)、ゲラニオール、リナロール、リモネン、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン、ゲルマクレン及びこれらの混合物から選択される。
【0119】
医薬品成分
医薬品成分は、治療用、予防用又は診断用の使用に適応した任意の公知の薬剤であることができる。これらは、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、無機化合物、並びに治療活性、予防活性若しくは診断活性を有する核酸配列を含むことができる。医薬品成分の非限定例には、鎮痛薬及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)が含まれる。
【0120】
漂白した活性成分
一部の実施形態において、本組成物は、本明細書において開示されている活性成分を含み、活性成分は、漂白されていることを特徴とする。このような漂白された活性成分は、口腔用製品の使用中に歯の変色を例えば予防することが望ましいことがある、又はその結果、本製品の使用後に使用者の口内に留まる残留物のいずれも目視可能ではなく、残留物に接触することがある衣類などの繊維材料への染みを引き起こす可能性は低い。「漂白された」活性成分とは、活性成分(例えば、ボタニカル材料又はその誘導体)を意味し、これは、その天然状態で、色が付いており、色を軽減又は排除するために処理されている。「色」とは、赤色、青色、黄色(原色)、又は原色の組合せに由来する茶色、オレンジ色、緑色、紫色などの名称による色の分類により説明されるヒトの視覚を特徴付けるものを意味する。色のこのような感覚は、物体から反射される光の波長により、この物体に関連する可視スペクトルにおける電磁放射線によるヒトの眼中の錐体細胞の刺激から導かれる。この反射は、例えば、電磁スペクトル全体の吸収スペクトル及び発光スペクトルなどの、物体の物理特性によって支配される。
【0121】
電磁スペクトルの可視範囲の光を反射する、その中の天然化学化合物のために、ある特定の活性成分は、活性成分(例えば、それぞれ、緑色及び茶色の原因になる、ある特定のボタニカル材料中のクロロフィル又は顔料分解生成物)に色を付与する。このような化学化合物又はその一部は、活性成分の色の原因になる、化学的に改変されていることがあり、又は様々な処理によって除去されることがある。一部の実施形態において、処理は、天然化合物の重量に対し、電磁スペクトルの可視範囲の波長の極大透過率を有する活性成分中に存在する化学物質の少なくとも70%を取り除くのに有効である。例えば、このような処理は、活性成分の可視色の原因となる天然化合物の70%、80%、90%、95%、99%、又は100%さえも取り除くのに有効なことがある。
【0122】
一部の実施形態において、漂白のための処理(すなわち、活性成分に由来する有色化学化合物の改変又は除去)には、抽出、化学的漂白、又はこれらの組合せが挙げられる。特に適切な抽出方法の1つは、超臨界二酸化炭素(CO)抽出である。タバコを含めた例えばボタニカル材料の化学漂白方法は、公知であり、非限定例として、過酸化水素、オゾン又は他の酸化剤による処理を含む。例えば、漂白した活性成分(例えば、漂白したボタニカル材料又はタバコ材料)は、様々な漂白剤又は酸化剤を使用する様々な白化方法によって生成され得る。例示的酸化剤として、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びこれらの組合せが挙げられる。酸化触媒が使用され得る。例示的酸化触媒は二酸化チタン、二酸化マンガン及びこれらの組合せである。
【0123】
漂白タバコに公知の漂白方法は、本活性成分に適用されてもよい。漂白剤を用いてタバコを処理するためのプロセスは、例えば、すべて本明細書に参照により組み込まれている、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号;Oelenheinzの米国特許第1,086,306号;Dellingの米国特許第1,437,095号;Rosenhochの米国特許第1,757,477号;Hawkinsonの米国特許第2,122,421号;Baierの米国特許第2,148,147号;Baierの米国特許第2,170,107号;Baierの米国特許第2,274,649号;Pratsらの米国特許第2,770,239号;Rosenの米国特許第3,612,065号;Rosenの米国特許第3,851,653号;Rosenの米国特許第3,889,689号;Minamiの米国特許第3,943,940号;Rosenの米国特許第3,943,945号;Rainerの米国特許第4,143,666号;Campbellの米国特許第4,194,514号;Rainerらの米国特許第4,366,823号、米国特許第4,366,824号及び米国特許第4,388,933号;Schmekelらの米国特許第4,641,667号;Bergerの米国特許第5,713,376号;Byrd Jr.らの米国特許第9,339,058号;Beesonらの米国特許第9,420,825号;並びにByrd Jr.らの米国特許第9,950,858号;並びにBjorkholmらの米国特許出願公開第2012/0067361号;Crooksの米国特許出願公開第2016/0073686号;Bjorkholmの米国特許出願公開第2017/0020183号;及びBjorkholmの米国特許出願公開第2017/0112183号、並びにGiolvasのPCT公開出願第WO1996/031255号及びBjorkholmのPCT公開出願第WO2018/083114号において論じられている。
【0124】
一部の実施形態において、漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISO白色度を有することができる。一部の実施形態において、漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO白色度を有することができる。ISO白色度は、ISO3688:1999又はISO2470-1:2016に従い測定することができる。
【0125】
一部の実施形態において、漂白された活性剤は、未処理活性剤と比較して、明色化した色を特徴とすることができる(例えば、「白色化」)。白色の色は多くの場合国際照明委員会(International Commission on Illumination(CIE))の色度図を参照して定義される。漂白された活性剤、又は漂白された活性剤を含む組成物若しくは製品は、ある特定の実施形態において、色度図において、未処理活性剤、又は未処理活性剤を含む組成物若しくは製品よりも純粋な白色により近いことを特徴とすることができる。
【0126】
漂白された活性成分、組成物、及びこのような成分を含むパウチ製品の白度値は、対照製品と比較した、例えば、携帯式色彩色差計を用いて、国際照明員会(CIE)モデルに準拠して決定することができる(参照により本明細書に組み込まれている、「Precise Color Communication;Color Control from Perception to Instrumentation」、Konica Minolta、2007;http://konicaminolta.com/instruments/about/networkを参照されたい。)。白色からの変色は、式WI=3.388Z-3Y(式中、Y及びZは、CIE三刺激値であり、携帯式計測器により測定される。)を使用し、ASTM法のE313に準拠して、E313白度指数によって評価され得る。
【0127】
香味剤
一部の実施形態において、本組成物は香味剤を含む。本明細書で使用される場合、「香味剤」又は「着香剤」は、口腔用製品に伴う感覚特性を改変することが可能な任意の風味豊かな又は香りの良い物質である。香味剤で修正することができる感覚特性の例として、味覚、口当たり、湿り気、冷却/加熱及び/又は香料/芳香が挙げられる。香味剤は天然又は合成であってよく、これによりもたらされるフレーバーの性質は、制限なしで、フレッシュ、スイート、ハーバル、菓子類、フローラル、フルーティー、又はスパイシーと記載することができる。特定の種類のフレーバーとして、これらに限定されないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、桃、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚剤、テルペン及びこれらの任意の組合せが挙げられる。Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)もまた参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。香味剤としてまた、湿潤剤、冷却剤又は平滑化剤であると考えられる構成成分、例えば、ユーカリを挙げることができる。これらのフレーバーは純粋(すなわち、単独で)又は複合体で提供されてもよいし、濃縮物又はフレーバーパッケージ(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン;ライム、パイナップル、など)として利用されてもよい。構成成分の代表的な種類はまた、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Whiteらの米国特許第5,387,416号;Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号;及びQuinterらPCT出願WO05/041699号に記載されている。
【0128】
ある場合において、香味剤はスプレー乾燥形態又は液体形態で提供されてもよい。一部の実施形態において、液状着香剤は、多孔質粒状担体、例えば微結晶性セルロース中又はその表面に配置されており(すなわち、吸着又は吸収されている)、これは次に、他の組成物の成分と一緒にされる。乾燥形態で(例えば、微結晶性セルロース中又はその表面に)存在する着香剤を使用する実施形態は、一層均一な製品を提供するのに有利となり得る。
【0129】
組成物において利用される香味剤の量は異なってもよいが、通常、約10重量パーセントまでであり、ある特定の実施形態は、組成物の総重量に対して、少なくとも約0.1重量%、例えば、約0.5~約10重量パーセント、約1~約5重量パーセント又は約2~約4重量パーセントの香味剤含有量であることを特徴とする。
【0130】
味覚改質剤
本明細書において開示されている組成物の感覚刺激特性を改善するため、本組成物は、例えば、本明細書に記載されている組成物の香味をマスクする、改変する、遮断する又は改善する働きをすることができる、1種以上の味覚改質化剤(「味覚改質剤」)を含んでもよい。このような味覚改質剤の非限定例には、鎮痛性又は麻酔性ハーブ、スパイス及びフレーバーを含み、これらは、清涼感(例えば、メントール、ユーカリ、ミント)、温まり(例えば、シナモン)又は疼痛(例えば、カプサイシン)の感覚を生じる。ある特定の味覚改質剤は、1種超の重なる分類に収まる。
【0131】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、苦味、甘味、塩味又は酸味のうちの1つ以上を改変する。一部の実施形態において、味覚改質剤は、疼痛受容体を標的とする。一部の実施形態において、組成物は、苦味を有する活性成分、及びこの苦味の感覚をマスク又は遮断する味覚改質剤を含む。一部の実施形態において、味覚改質剤は、例えば、別の構成成分(例えば、活性成分)の苦味をマスクするための、使用者の口腔内における疼痛受容体(例えば、バニロイド受容体)を標的とする物質である。一部の実施形態において、味覚改質剤はカプサイシンである。
【0132】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、本明細書の上において、アミノ酸に関して言及された、アミノ酸であるガンマ-アミノ酪酸(GABA)である。マウスにおける検討により、GABAは、シナプスの阻害に加え、味蕾において機能を果たし得ることが示唆される。例えば、Dvoryanchikovら、J Neurosci.2011年4月13日;31(15):5782~91頁を参照されたい。理論に制約されることを望むことなく、GABAは、苦味などのある特定の味覚の知覚を抑制することがある。一部の実施形態において、本組成物は、カフェイン及びGABAを含む。
【0133】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、アデノシン一リン酸(AMP)である。AMPは、苦味という食物のフレーバーを遮断することができる、又は甘味を増強することができる天然ヌクレオチド物質である。AMPは、苦いフレーバーを直接改変しないが、関連する受容体を遮断することによって、「苦味」というヒト知覚を改変することがある。
【0134】
一部の実施形態において、味覚改質剤は、ラクチゾールである。ラクチゾールは、甘味受容体のアンタゴニストである。甘味受容体の一時的な遮断により、例えば、旨味が際立つことがある。
【0135】
存在する場合、味覚改質剤の代表的な量は、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、又は約1.0重量%以上であるが、通常、組成物の総重量の約10重量%未満(例えば、組成物の総重量の約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は約0.5重量%から、約1重量%、約5重量%又は約10重量%まで)を構成する。
【0136】

一部の実施形態において、組成物は、通常、所望の官能属性を組成物に提供するのに十分な量で利用される塩(例えば、アルカリ金属塩)を含む。適切な塩の非限定的例として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、穀粉塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。一部の実施形態において、塩は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム又はこれらの組合せである。
【0137】
塩の代表的な量は、存在する場合、約0.5重量%以上、約1,0重量%以上、又は約1.5重量%以上であるが、通常、組成物の総重量の約10重量%以下、又は約7.5重量%以下、又は約5重量%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。
【0138】
甘味剤
本開示による組成物の感覚特性を改善するため、1種以上の甘味剤が添加されてもよい。甘味剤は、天然若しくは人工の形態、又は天然甘味剤と人工甘味剤の組合せとして、任意の甘味剤又は甘味剤の組合せであることができる。天然甘味剤の例として、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、イソマルツロース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ステビア、蜂蜜などが挙げられる。人工甘味剤の例として、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどが挙げられる。一部の実施形態において、甘味剤は、1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは部分的又は完全に水素化された形態を有する、単糖又は二糖由来のポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びこれらの組合せ(例えば、水素化デンプン加水分解物)が挙げられる。一部の実施形態において、甘味剤は、キシリトール、スクラロース又はこれらの組合せである。
【0139】
甘味剤又は甘味剤の組合せ物は、存在する場合、組成物の重量基準で、約0.1~約20%又はそれ超、例えば、組成物の総重量に対して、約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%又は約10~約20重量%を構成することができる。一部の実施形態において、甘味剤の組合せ物は、組成物の約1重量%~約3重量%の濃度で存在する。
【0140】

組成物の含水量は、パウチ製品の消費者による使用前に、所望の特性によって異なってもよい。通常、本組成物は、約15重量%未満の水であり、一般に、組成物の総重量に対して、約0.01~約10重量%、例えば、約0.01~約1、約1~約10又は約1~約5重量%の水である。
【0141】
イオン対形成
一部の実施形態において、本明細書において開示されている組成物は、塩基性アミンを含む。「塩基性アミン」とは、少なくとも1つの塩基性アミン官能基を含む分子を意味する。塩基性アミンの例には、以下に限定されないが、アルカロイドが含まれる。「塩基性アミン官能基」とは、電子の孤立電子対を有する窒素原子を含有する基を意味する。塩基性アミン官能基は、前記窒素原子への1つ以上の共有結合を介して、分子に結合している、又は分子内に組み込まれている。塩基性アミンは、一級、二級又は三級アミンであってもよく、窒素が、炭素原子への共有結合を1つ、2つ又は3つ有することを意味する。窒素原子上の孤立電子対のため、このようなアミンは、「塩基性」と称され、孤立電子対が水素結合に利用可能であることを意味する。塩基性アミンの塩基性(すなわち、窒素原子上の電子密度であり、したがって、水素結合の窒素原子への利用可能性及び強度)は、隣接原子の性質、分子の立体的な嵩高さなどによって影響を受け得る。
【0142】
一般に、塩基性アミンは、本明細書の上に記載されている通り、組成物中に存在する、又は組成物中の活性成分として存在する。一部の実施形態において、塩基性アミンは、カフェインである。一部の実施形態において、塩基性アミンは、ニコチン又はニコチン成分であり、各々は本明細書の上に記載されている通りである。一般に、塩基性アミン(例えば、ニコチン)は、組成物から放出され、口腔粘膜を介して吸収され、これによって、血流に入り、ここで、全身に循環される。
【0143】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、有機酸、このアルカリ金属塩、又はこれらの組合せ物を含み、各々は、本明細書の以下にさらに記載されている通りである。一部の実施形態において、塩基性アミンの少なくとも一部分は、有機酸又はこのアルカリ金属塩の少なくとも一部分と結合している。複数の変数(有機酸の濃度、pH、性質など)に応じて、組成物中に存在する塩基性アミンは、対を形成したイオン、溶液で(すなわち、完全に溶媒和して)、遊離塩基として、カチオンとして、塩として、又は任意のこれらの組合せを含めた複数の形態で存在することができる。一部の実施形態において、塩基性アミンと有機酸又はこのアルカリ金属塩の少なくとも一部分との間の結合は、塩基性アミンと有機酸の共役塩基との間のイオン対の形態である。
【0144】
イオン対形成とは、イオン対と呼ばれるはっきりと異なる化学種を形成するための比較的濃縮された溶液中の反対に荷電したイオンの部分的な結合について記載している。結合の強度(すなわち、イオン対形成)は、正イオンと負イオンとの間(すなわち、プロトン化された塩基性アミンと、有機酸の共役塩基)の引力の静電力に依存する。「共役塩基」とは、対応する酸の脱プロトン化から生成される塩基を意味する(例えば、安息香酸イオンは安息香酸の共役塩基)。平均して、これらイオン対のある特定の集団は、いかなる時点にも存在するが、イオン対の形成及び解離は連続的である。本明細書で開示されている組成物において、及び/又は前記組成物の口腔での使用の際に(例えば、唾液との接触の際に)、塩基性アミン及び有機酸の共役塩基は、イオン対の形態で少なくとも部分的に存在する。理論に制約されることを望むことなく、このようなイオン対形成は、塩基性アミンの化学分解を最小化する、及び/又は塩基性アミン(例えば、ニコチン)の口腔での利用の可能性を増強することができると考えられている。
【0145】
当業者は、消費者による使用前と使用中の両方において、開示組成物におけるイオン対形成の程度は、例えば、pH、組成物中に存在する有機酸の性質、塩基性アミンの濃度(例えば、ニコチン)、有機酸又は有機酸の共役塩基の濃度、組成物の含水量などに基づいて異なり得ることを認識している。当業者はまた、イオン対形成が前述の変数により影響される平衡過程であることを認識する。したがって、イオン対形成の範囲の定量化は困難であるか、又は計算又は直接的観察では不可能である。しかし、イオン対形成の存在は、代用の測定、例えばオクタノールと水との間の分配、又は例えばニコチンプラス有機酸及び/又はそれらの共役塩基の水溶液の膜透過により実証されることがある。特に、塩基性アミン-有機酸のイオン対のオクタノールへの分布に有利なオクタノール-水分配は、口腔粘膜を介して、組成物中に存在する塩基性アミンの良好な吸収を予測する。
【0146】
有機酸
本明細書の上に記載されている通り、一部の実施形態において、組成物は、有機酸を含む。本明細書で使用される場合、「有機酸」という用語は、酸の特性により特徴付けられる有機(すなわち、炭素ベースの)化合物を指す。通常、有機酸は比較的弱酸(すなわち、これらは水の存在下で完全に分離しない)、例えば、カルボン酸(-COH)又はスルホン酸(-SOOH)である。本明細書で使用される場合、有機酸についての言及は、意図的に添加された有機酸を意味する。これに関連して、有機酸は、別の組成物の成分の構成成分として単に本来存在する有機酸(例えば、組成物成分、例えば、タバコ材料中に本来存在し得る少量の有機酸)とは対照的に、特定の組成物成分として意図的に添加することができる。
【0147】
適切な有機酸は通常ある範囲の親油性を有する(すなわち、水と有機の溶解度との適当な平衡を付与する両極性を有する)。親油性は、logP、親油性相と水相、普通それぞれオクタノールと水との間の分子の分配係数の点から好都合に測定される。通常、logPで示される適切な有機酸の親油性は、約1.4~約4.5(水中よりもオクタノール中でより溶解性がある。)の間で変動する。一部の実施形態では、有機酸は、約1.5~約4.0、例えば、約1.5、約2.0、約2.5、又は約3.0から、約3.5、約4.0、約4.5、又は約5.0までのlogP値を有する。特に適切な有機酸は、約1.7~約4、例えば、約2.0、約2.5、又は約3.0から、約3.5、又は約4.0までのlogP値を有する。特定の実施形態では、有機酸は約2.5~約3.5のlogP値を有する。一部の実施形態では、本明細書で以下にさらに記載されているように、この範囲の外側の有機酸もまた、様々な目的に対して及び様々な量で利用することができる。例えば、一部の実施形態では、有機酸は、約4.5より大きい、例えば、約4.5~約8.0のlogP値を有することができる。特に、ある特定の溶媒又は可溶化剤の存在(例えば、組成物中のグリセリン又はプロピレングリコールの包含)は親油性の範囲(すなわち、4.5より高いlogPの値、例えば、約4.5~約8.0)を延ばすことができる。
【0148】
理論に制約されることを望むことなく、中程度に親油性の有機酸(例えば、約1.4~約4.5のlogP)は、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)とイオン対を生成し、これは、イオン対の良好なオクタノール-水分配をもたらし、こうして、水よりもオクタノールに活性成分(例えば、ニコチン)を分配する極性があると考えられる。オクタノールへのこのような分配は、活性成分の有利な口腔利用可能性を予測する。一部の実施形態において、有機酸は、約1.4~約4.5、例えば、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4又は約4.5のlogP値を有する。一部の実施形態において、有機酸は、約2.5~約3.5のlogP値を有する。
【0149】
一部の実施形態では、有機酸はカルボン酸又はスルホン酸である。カルボン酸又はスルホン酸官能基は、例えば、1~20個の炭素原子(C~C20)を有する任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基に結合していてもよい。一部の実施形態では、有機酸はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールカルボキシル又はスルホン酸である。
【0150】
本明細書で使用される場合,「アルキル」は、任意の直鎖又は分枝鎖炭化水素を指す。アルキル基は飽和していてもよく(すなわち、すべてのsp炭素原子を有する)、又は不飽和であってもよい(すなわち、少なくとも1つの不飽和部位を有する)。本明細書で使用される場合、「不飽和の」という用語は、アルキル基内の1つ以上の位置における炭素-炭素、sp二重結合の存在を指す。不飽和のアルキル基は、単価不飽和又は多価不飽和であってもよい。代表的な直鎖アルキル基として、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルが挙げられる。分枝鎖アルキル基として、これらに限定されないが、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、及び2-メチルブチルが挙げられる。代表的な不飽和アルキル基として、これらに限定されないが、エチレン又はビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニルなどが挙げられる。アルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0151】
「シクロアルキル」は本明細書で使用される場合、炭素環式基を指し、この炭素環式基は単環式であっても、又は二環式であってよい。シクロアルキル基として、単環式として3~7個の炭素原子を有する環又は二環式として7~12個の炭素原子を有する環が挙げられる。単環式シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよく、1つ以上の不飽和部位を含むことができる(例えば、シクロペンテニル又はシクロヘキセニル)。
【0152】
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例として、これらに限定されないが、フェニル及びナフチルが挙げられる。アリール基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0153】
「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、芳香族又は非芳香族環系をそれぞれ指し、この中で1個以上の環原子はヘテロ原子、例えば窒素、酸素、及び硫黄である。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は、20個までの炭素原子並びにN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、3~7環員を有する単環式(例えば、2~6個の炭素原子及びN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)又は7~10環員を有する二環式(例えば、4~9個の炭素原子及びN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]系であってもよい。ヘテロアリール基の例は、例として、ただしこれらに限定されないが、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、及びイサチノイルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例は、例として、ただしこれらに限定されないが、ジヒドロピリジル(dihydroypyridyl)、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、及びモルホリニルが挙げられる。ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル基は非置換であっても、又は置換されていてもよい。
【0154】
「置換されている」は、本明細書で使用される場合及び上記アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルのいずれかに適用される場合、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して置換基で置き換えられていることを意味する。典型的置換基として、これらに限定されないが、-Cl、Br、F、アルキル、-OH、-OCH、NH、-NHCH、-N(CH、-CN、-NC(=O)CH、-C(=O)-、-C(=O)NH、及び-C(=O)N(CHが挙げられる。基が「任意選択的に置換されている」と記載されている場合は常に、その基は、それぞれの場合に対して独立して選択される上記置換基のうちの1個以上で置換されていることができる。一部の実施形態では、置換基は1個以上のメチル基又は1個以上のヒドロキシル基であってもよい。
【0155】
一部の実施形態では、有機酸はアルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
【0156】
一部の実施形態では、有機酸はアルキルスルホン酸である。アルキルスルホン酸の非限定的例として、プロパンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、及びオクタンスルホン酸が挙げられる。
【0157】
一部の実施形態では、アルキルカルボキシル又はスルホン酸は1つ以上のヒドロキシル基で置換されている。非限定的例として、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸、及び乳酸が挙げられる。
【0158】
一部の実施形態では、有機酸として、1つより多くのカルボン酸基又は1つより多くのスルホン酸基(例えば、2、3、又はそれよりも多くカルボン酸基)を含むことができる。非限定的例として、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、及びグルタル酸が挙げられる。複数のカルボン酸を含有する(例えば、2~4つのカルボン酸基)有機酸において、カルボン酸基の1つ以上がエステル化していてもよい。非限定的例として、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はクエン酸ジメチルシトレートなどが挙げられる。
【0159】
一部の実施形態では、有機酸は1つより多くのカルボン酸基及び1つ以上のヒドロキシル基を含むことができる。このような酸の非限定的例として、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0160】
一部の実施形態では、有機酸はアリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的例として、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。
【0161】
ある特定の実施形態で有用となり得る有機酸のさらなる非限定的例として、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、アルファ-メチル酪酸、樟脳酸(+)、カンファー-10-スルホン酸(+)、ケイヒ酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-二スルホン酸、エタンスルホン酸、フロ酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、レブリン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-二スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パモ酸、フェニル酢酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、セバシン酸酸性、ステアリン酸、及びウンデシレン酸が挙げられる。
【0162】
適切な酸の例として、これらに限定されないが、表1の有機酸のリストが挙げられる。
【0163】
【表1】
【0164】
一部の実施形態では、有機酸は二酸又はポリ酸のモノエステル、例えば、コハク酸モノオクチル、フマル酸モノオクチルなどである。例えば、一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸又はポリカルボン酸のモノエステルである。一部の実施形態では、ジカルボン酸はマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では、ジカルボン酸はコハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では,ジカルボン酸はコハク酸、グルタル酸、又はこれらの組合せである。
【0165】
一部の実施形態では、ジカルボン酸のアルコール形成モノエステルは親油性アルコールである。適切な親油性アルコールの例として、これらに限定されないが、オクタノール、メントール、及びトコフェロールが挙げられる。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のオクチルモノエステル、例えば、コハク酸モノオクチル、フマル酸モノオクチルなどである。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のモノメンチルエステルである。ある特定のメンチルエステルは、組成物を含む製品の使用時にこれらが冷却感覚をもたらすことができるため、本明細書に記載されている口腔用組成物中あるのが望ましいこともある。一部の実施形態では、有機酸はコハク酸モノメンチル、フマル酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では、有機酸はジカルボン酸のモノトコフェリルエステルである。ある特定のトコフェリルエステルは、これらが抗酸化剤作用をもたらすことができるため、本明細書に記載されている口腔用組成物中にあるのが望ましいこともある。一部の実施形態では、有機酸はコハク酸トコフェリル、フマル酸トコフェリル、グルタル酸トコフェリル、又はこれらの組合せである。
【0166】
一部の実施形態では、有機酸は1つ以上のカルボン酸を有するカロチノイド誘導体である。カロチノイドはテトラテルペンであり、これらは8個のイソプレン分子から生成され、40個の炭素原子を含有することを意味する。したがって、これらは普通長い不飽和の脂肪族鎖の存在により親油性であり、色は一般的に黄色、オレンジ色、又は赤色である。ある特定のカロチノイド誘導体は、イオン対形成と、組成物中の着色剤としての役目の両方をもたらすことにより、口腔用組成物において有利となり得る。一部の実施形態では、有機酸は、2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16Z,18E)-20-メトキシ-4,8,13,17-テトラメチル-20-オキソイコサ-2,4,6,8,10,12,14,16,18-ノナエン酸(ビキシン)又はその異性体である。ビキシンは、アチョーテ木(ビクサ・オレラナ(Bixa orellana))からのアナトーシードに見出されるアポカロテノイドであり、赤みを帯びたオレンジ色をアナトーに提供する天然由来の顔料である。ビキシンは脂肪及びアルコールに溶解性があるが、水には不溶性であり、単離した場合、化学的に不安定であり、異性化を介して二重結合異性体、trans-ビキシン(β-ビキシン)へと変換され、以下の構造を有する:
【0167】
【化1】
【0168】
一部の実施形態では、有機酸は、(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16E,18E)-4,8,13,17-テトラメチルイコサ-2,4,6,8,10,12,14,16,18-ノナエン二酸(ノルビキシン)であり、ビキシンの水溶性加水分解生成物であり、以下の構造を有する:
【0169】
【化2】
【0170】
有機酸の選択は、mlogP値に対する考慮に加えて又はこれを考慮せずに、追加の特性にさらに依存し得る。例えば、有機酸は、ヒトによる消費に対して安全と認識され、許容される香味、臭気、揮発性、安定性などを有する有機酸であるべきである。適当な有機酸の判定は当業者の認識範囲内である。
【0171】
一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、又はオクタン酸である。一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、オクタン酸、又はデカン酸である。一部の実施形態では、有機酸はオクタン酸である。一部の実施形態において、有機酸は、安息香酸である。
【0172】
一部の実施形態では、1種より多くの有機酸が存在してもよい。例えば、組成物は、2種,又は3種、又は4種、又はそれよりも多く有機酸を含むことができる。したがって、本明細書での「有機酸」という言及は、2種又はそれよりも多くの有機酸の混合物を想定している。複数の有機酸の相対量は変動し得る。例えば、組成物は、等量の2種、又は3種、又はそれよりも多くの有機酸を含むことができ、又は異なる相対量を含むこともできる。このように、他の有機酸と組み合わせた場合、組合せに対して所望の平均logP範囲をもたらすように、所望の範囲の外側のlogP値を有するある特定の有機酸(例えば、クエン酸又はミリスチン酸)を含めることも可能である。一部の実施形態では、目的に対して所望の範囲の外側のlogP値を有する組成物中に、例えば、これらに限定されないが、望ましい官能特性、安定性を香味成分として提供する有機酸を含むことが望ましいこともある。さらに、ある特定の親油性有機酸は、唯一の有機酸(例えば、ニコチンと比べて等モル又はより大きな量の)としてのこれらの存在を妨げる有害な香味及び又は芳香特徴を有する。理論に制約されることを望むことなく、異なる有機酸の組合せは、組成物中の任意の単一有機酸の濃度を、感覚性の観点から好ましくないと判明した閾値よりも低いまま保ちながら、所望のイオン対形成を提供することができると考えられる。例えば、一部の実施形態において、有機酸は、例えば、約0.2モル当量のオクタン酸又はその塩、及び0.2モル当量のデカン酸又はその塩と一緒にされた、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対して、約1~約5モル当量又はそれより多くの安息香酸を含むことができる。
【0173】
一部の実施形態では、有機酸は、安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、及びオクタン酸からなる群から選択されるいずれか2種の有機酸の組合せである。一部の実施形態では、有機酸は安息香酸、オクタン酸、及びデカン酸、又は安息香酸及びオクタン酸の組合せである。一部の実施形態では、組成物は、安息香酸、トルイル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸、及びオクタン酸のうちの1種以上に加えてクエン酸を含む。
【0174】
一部の実施形態では、組成物は有機酸のアルカリ金属塩を含む。例えば、有機酸の少なくとも一部分はアルカリ金属塩の形態で組成物中に存在し得る。適切なアルカリ金属として、リチウム、ナトリウム及びカリウムが挙げられる。一部の実施形態において、アルカリ金属は、ナトリウム又はカリウムである。一部の実施形態では、アルカリ金属はナトリウムである。一部の実施形態では、組成物は有機酸及び有機酸のナトリウム塩を含む。
【0175】
一部の実施形態では、組成物は、安息香酸及び安息香酸ナトリウム、オクタン酸及びオクタン酸ナトリウム、デカン酸及びデカン酸ナトリウム、又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、本組成物は、安息香酸及び安息香酸ナトリウムを含む。一部の実施形態において、本組成物は、安息香酸ナトリウムを含む。一部の実施形態において、有機酸のナトリウム塩に対する有機酸の比は、約0.1~約10、例えば、約0.1、約0.25、約0.3、約0.5、約0.75又は約1から、約2、約5又は約10までである。例えば、一部の実施形態では、有機酸とそのナトリウム塩の両方が組成物の他の構成成分に添加され、有機酸は、ナトリウム塩を超える量で、ナトリウム塩と等モルの量で、又はナトリウム塩の一部分として添加される。当業者は、相対量は、組成物の所望のpH、並びに所望のイオン強度により決定されることを認識している。例えば、有機酸は組成物の所望のpHレベルをもたらす量で添加されてもよく、その一方でアルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩は所望の範囲のイオン対形成をもたらす量で添加される。組成物中に存在するアルカリ金属塩又は共役塩基形態に対する、組成物中に存在する有機酸(すなわち、プロトン化形態)の量は、組成物のpH及び有機酸のpKaにより、並びに組成物に最初に添加された実際の相対的な量により変動することを当業者は理解している。塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対する、組成物中に存在する有機酸又はこのアルカリ金属塩の量は異なり得る。一般に、有機酸(又はこの共役塩基)の濃度が向上するにつれて、有機酸とイオン対を形成する、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)の割合が増大する。これによって、通常、logP(分配係数のlog10)によって測定される、イオン対の形態である塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)の、水に対するオクタノールへの分配が増大する。一部の実施形態において、本組成物は、アミン含有活性成分を遊離塩基として計算される、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)に対して、約0.05、約0.1、約1、約1.5、約2又は約5から、約10、約15又は約20モル当量までの有機酸、このアルカリ金属塩又はこれらの組合せ物を含む。
【0176】
一部の実施形態では、組成物は、遊離塩基ニコチンベースで、ニコチンに対して、約2~約10、又は約2~約5モル当量の有機酸、そのアルカリ金属塩、又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態において、有機酸、そのアルカリ金属塩又はこれらの組合せ物は、約1、約2、約3、約4又は約5から、約6、約7、約8、約9又は約10までとなる、塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)とのモル比で存在する。1種より多い有機酸、このアルカリ金属塩又はこれらのどちらも存在する実施形態において、このようなモル比は、存在する有機酸の総量に反映することを理解すべきである。
【0177】
ある特定の実施形態において、有機酸の含有は、約3.0~約9.5、例えば、約3.0~約9.0又は約3.0~約8.5又は約3.0~約8.0又は約3.5~約7.5又は約4.5~約7.0又は約5.5~約7.0又は約4.0~約5.5又は約7.0~約9.5のpHを組成物にもたらすのに十分である。一部の実施形態において、有機酸の含有は、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5又は約9.0のpHを組成物にもたらすのに十分である。一部の実施形態では、有機酸の包含は、約4.5~約6.5、例えば、約4.5、約5.0、又は約5.5から、約6.0、又は約6.5までの組成物pHをもたらすのに十分である。一部の実施形態では、有機酸は、約5.5~約6.5、例えば,約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、又は約6.0から、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、又は約6.5までの組成物のpHをもたらすのに十分な量で提供される。他の実施形態では、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、など)を添加して、組成物のpHを所望の値に調節する。とりわけ、アルカリpHの値(例えば、約7.5~約9など)において、ニコチンは、遊離塩基形態で大部分が存在(したがって、オクタノールへの高い分配を示す。)する一方、酸性のpHの値(例えば、約6.5~約4)において、ニコチンは、プロトン化形態で大部分、存在する(したがって、一層低いオクタノールへの分配を示す。)。一部の実施形態において、炭素塩又は炭酸水素塩などの緩衝液を加えて、所望のpHの値を調節及び/又は維持する。他の適切な緩衝液は、本明細書の下にさらに記載されている。
【0178】
一部の実施形態では、有機酸は、遊離酸として、純粋な形態(すなわち、天然の固体又は液体形態)又は溶液、例えば、水中溶液として、他の組成物構成成分に添加される。一部の実施形態では、有機酸のアルカリ金属塩は、純粋な形態又は溶液、例えば、水中溶液として、他の組成物構成成分に添加される。一部の実施形態において、有機酸及び塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)は組成物へ添加する前に結合して塩を形成するか又は塩が組成物内で形成され、組成物中にそのまま存在する。他の実施形態において、有機酸及び塩基性アミン含有活性成分(例えば、ニコチン)は、組成物中に個々の構成成分として存在し、水分(消費者の口内の唾液)に接触するとイオン対を形成する。
【0179】
一部の実施形態において、組成物は、有機酸又はその塩の少なくとも1種以上の溶解度を増大させるため、溶解増強剤をさらに含む。適切な溶解増強剤には、以下に限定されないが、本明細書に記載されている湿潤剤、例えばグリセリン又はプロピレングリコールを含む。
【0180】
緩衝剤
ある特定の実施形態において、本開示の組成物は、pH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。使用することができるpH調整剤及び緩衝剤の例として、これらに限定されないが、金属水酸化物(例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)及び他のアルカリ金属緩衝液、例えば、金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)、又は金属炭酸水素塩、例えば、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。適切な緩衝液の非限定的例として、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩又はこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態において、緩衝剤は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態において、緩衝剤は、炭酸ナトリウムである。
【0181】
緩衝剤は、存在する場合、組成物の重量に対して、通常、約5重量%未満、例えば、組成物の総重量に対して、例えば、約0.1重量%~約5重量%、例えば、約0.1重量%~約1重量%又は約0.1重量%~約0.5重量%の量で存在する。
【0182】
着色剤
着色剤は、望ましい物理的特質を組成物にもたらすのに十分な量で使用され得る。着色剤の例として、様々な染料及び顔料、例えば、カラメル着色剤及び二酸化チタンが挙げられる。組成物において利用される着色剤の量は異なってもよいが、存在する場合、組成物の総重量に対して、通常、約3重量%まで、例えば、約0.1重量%、約0.5重量%又は約1重量%から、約3重量%までである。
【0183】
タバコ材料
一部の実施形態において、組成物は、タバコ材料を含んでもよい。タバコ材料は、種、種類及び形態が異なってもよい。一般的に、タバコ材料は、ニコチアナ属種の収穫された植物から得る。例示的ニコチアナ属種として、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスチカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレントシ(N.arentsii)、N.エクセルシオール(N.excelsior)、N.フォルゲティアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノーザ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.カワカミ(N.kawakamii)、N.ナイチアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、N.オトホラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントサ(N.tomentosa)、N.トメントシホルミス(N.tomentosiformis)、N.アンドゥラタ(N.undulata)、N.xサンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカーナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリチナ(N.maritina)、N.メガロシホン(N.megalosiphon)、N.オシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストクトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテヌアタ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)及びN.スペガジニ(N.spegazzinii)が挙げられる。ニコチアナ属種の様々な代表的な他の種類の植物が、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Goodspeed、The Genus Nicotiana、(Chonica Botanica)(1954年);Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号、Lawsonらの米国特許第7,025,066号;Lawrence,Jr.の米国特許第7,798,153号及びMarshallらの米国特許第8,186,360号に記載されている。様々な種類のタバコ、栽培の実施及び収穫の実施の説明が、参照により本明細書に組み込まれる、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。
【0184】
適切なタバコ材料を得ることができるニコチアナ属種は、遺伝的改変又は交配育種技術を使用して誘導することができる(例えば、タバコ植物は、遺伝子操作又は異種交配して、構成成分、特徴又は特質の生成を増加又は低減することができる)。例えば、Fitzmauriceらの米国特許第5,539,093号;Wahabらの米国特許第5,668,295号;Fitzmauriceらの米国特許第5,705,624号;Weiglの米国特許第5,844,119号;Dominguezらの米国特許第6,730,832号;Liuらの米国特許第7,173,170号;Colliverらの米国特許第7,208,659号及びBenningらの米国特許第7,230,160号;Conklingらの米国特許出願公開第2006/0236434号;並びにNielsenらのPCT WO2008/103935に記載の植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;及びDominguezらの米国特許第6,730,832号に記載の種類のタバコも参照されたい。
【0185】
一部の実施形態では、ニコチアナ属種は、その中に存在する様々な化合物の含有量に対して選択することができる。例えば、植物は、単離を希望する1種以上の化合物を比較的多量に生成するような植物であることに基づき選択することができる。ある特定の実施形態では、ニコチアナ属種の植物(例えば、ガルパオコムンタバコ)は、これらの葉面化合物が豊富なことから特別に栽培されている。タバコ植物は、温室、生育チャンバー、又は屋外のフィールドで栽培することができ、又は水耕栽培することができる。
【0186】
ニコチアナ属種の植物の様々な部分又は一部分が、本明細書で開示されている組成物内に含まれていてもよい。例えば、実質的には植物のすべて(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま利用することができる。代わりに、植物の様々な部分又は小片は、収穫する、又は収穫後のさらなる使用のために分離することもできる。例えば、花、葉、茎、幹、根、種子及び様々なこれらの組合せは、さらなる使用又は処理のために単離することができる。一部の実施形態では、タバコ材料はタバコ葉(葉身)を含む。本明細書で開示されている組成物は、加工したタバコ部分若しくは小片、本質的に天然葉身及び/又は茎の形態で乾燥加工し、熟成させたタバコ、タバコ抽出物、抽出タバコパルプ(例えば、水を溶媒として使用)、又は前述の混合物(例えば、抽出タバコパルプを顆粒化し、乾燥加工して、熟成させた天然のタバコ葉身と合わせた混合物)を挙げることができる。
【0187】
ある特定の実施形態では、タバコ材料は、葉身及び茎からなる群から選択される固形タバコ材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコ葉身、又はタバコ葉身と茎の混合物(このうち少なくとも一部分は煤煙処理している)が挙げられる。混合物内のタバコの一部分は加工した形態、例えば、加工タバコ茎(例えば、切断圧延茎、切断圧延拡張茎又は切断パフ茎)、又は体積膨張タバコ(例えば、パフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))を有してもよい。例えば、すべてが参照により組み込まれているde la Burdeらの米国特許第4,340,073号;Guyらの米国特許第5,259,403号;並びにPoindexterらの米国特許第5,908,032号;及びPoindexterらの米国特許第7,556,047号に記載のタバコ膨張加工を参照されたい。加えて、混合物は任意選択的に発酵性であるタバコを組み込んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる、AtchleyらのPCT WO2005/063060に記載のタバコ加工技術の種類を参照されたい。
【0188】
タバコ材料は通常、粒状と記載することができる形態(すなわち、細断、製粉、顆粒化、又は粉末形態)で使用されている。タバコ材料が微細に分割された又は粉末形態のタイプで提供される方式は異なり得る。好ましくは、植物部分又は小片は、製粉、ミリングなどに対する装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化されて粒状形態となる。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量%未満又は約重量%未満である場合、製粉又はミリングすることができる。最も好ましくは、タバコ材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの間の平均粒径を有する部分又は小片の形態で利用される。ある場合には、タバコ粒子は、必要とされる粒径範囲を得るため、スクリーンメッシュの通過サイズにすることができる。所望する場合、空気分級装置を使用して、所望のサイズ、又はサイズ範囲の、小さなサイズのタバコ粒子を確実に収集することができる。所望する場合、顆粒化タバコの異なるサイズの小片を一緒に混合することができる。
【0189】
タバコが微細に分割された又は粉末タイプの形態で提供される方式は異なってもよい。好ましくは、タバコ部分又は小片は、製粉、ミリングなどのための装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化され、粉末タイプの形態にする。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量%未満~約5重量%未満である場合、製粉又はミリングすることができる。例えば、タバコ植物又はその一部分は、個々の部分又は小片へと分離することができる(例えば、葉は茎から除去することができ、並びに/又は茎及び葉は幹から除去することができる)。収穫された植物又は個々の部分又は小片は、部分又は小片へとさらに細分することができる(例えば、葉は、細断、切断、粉末化、微粉化、ミリング、又は製粉して、小片又は部分にすることができ、これら小片又は部分は充填剤タイプ小片、顆粒、粒状又は微細な粉末であることを特徴とし得る)。植物、又はその部分は、外部の力又は圧力に供することができる(例えば、圧縮又はロール処理により)。このような加工条件を実行する場合、植物若しくはその一部分はその天然含水量に近似する含水量(例えば、収穫直後のその含水量)、水分を植物若しくはその一部分に添加することにより達成される含水量、又は植物若しくはその一部分の乾燥から得られる含水量を有することができる。例えば、粉末化、微粉化、製粉又はミリングした植物の小片又はその一部分は、約25重量%未満、多くの場合約20%未満、及び頻繁には約15重量%未満の含水量を有することができる。
【0190】
口腔用製品の調製のため、ニコチアナ属種の収穫された植物を乾燥加工化プロセスに供することが通常である。本明細書において開示されている製品内への包含用の混合物内に配合されるタバコ材料は、適切に乾燥加工したもの、及び/又は熟成したものである。様々な種類のタバコに対する様々な種類の乾燥加工プロセスの説明が、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。熱風乾燥したタバコを乾燥加工するための技術及び条件の例が、参照により本明細書に組み込まれる、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.、20巻、467~475頁(2003年)及びPeeleの米国特許第6,895,974号に記載されている。タバコを空気乾燥加工するための代表的な技術及び条件が、参照により本明細書に組み込まれる、Grovesらの米国特許第7,650,892号;Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、305~320頁(2005年)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、321~330頁(2005年)に記載されている。ある特定の種類のタバコは、代替の種類の乾燥加工プロセス、例えば、直火煙乾燥又は日光乾燥に供することもできる。
【0191】
ある特定の実施形態では、利用することができるタバコ材料として、熱風乾燥した又はバージニア(例えば、K326)、バーレー種、日光乾燥したもの(例えば、インディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ、これにはカテリニ、プレリップ、コモティニ、クサンティ及びヤンボルタバコが含まれる)、メリーランド、ダーク、ダークファイアード、ダーク空気乾燥(例えば、マドール、パサンダ、クバーノ、ジャティン及びベズキタバコ)、ライト空気乾燥(例えば、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコ)、インディアン空気乾燥、レッドロシアン及びルスチカタバコ、並びに様々な他の稀な又は専門タバコ及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが挙げられる。
【0192】
タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態を有することができる。例えば、タバコ材料は、熱風乾燥、バーレー種(例えば、マラウイバーレー種タバコ)及びオリエンタルタバコの部分又は小片の混合物を含むことができる(例えば、タバコ葉身、又はタバコ葉身とタバコ茎の混合物で構成される、又はこれら由来のタバコ)。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量基準で、約30~約70部のバーレー種タバコ(例えば、葉身、又は葉身及び茎)、及び約30~約70部の熱風乾燥タバコ(例えば、茎、葉身、又は葉身及び茎)を組み込むことができる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量基準で、約75部の熱風乾燥タバコ、約15部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約25部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約10部のバーレー種タバコ、及び約25部のオリエンタルタバコを組み込んでいる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量基準で、約20~約30部のオリエンタルタバコ及び約70~約80部の熱風乾燥タバコを組み込んでいる。
【0193】
本開示において使用されているタバコ材料は、例えば、発酵、漂白などに供することができる。所望する場合、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌、又はさもなければ制御された加熱処理に供することもできる。このような処理プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許第8,061,362号に詳述されている。ある特定の実施形態では、タバコ材料は、水で、及びタバコ材料の加熱時にアクリルアミドを形成するアスパラギンの反応を阻害することが可能な添加剤(例えば、リシン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価のカチオンを組み込んでいる組成物、アスパラギナーゼ、ある特定の非還元性糖類、ある特定の還元剤、フェノール系化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有するある特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然の植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)、並びにこれらの組合せからなる群から選択される添加剤)で処理することができる。例えば、すべて参照により本明細書に組み込まれる、Chenらの米国特許公開第8,434,496号、米国特許公開第8,944,072号及び米国特許公開第8,991,403号に記載されているタイプの処理プロセスを参照されたい。ある特定の実施形態では、このタイプの処理は、以前に記述されたプロセスにおいて元のタバコ材料を加熱に供する場合有用である。
【0194】
様々な実施形態では、タバコ材料は、処理して、タバコ材料の溶解性構成成分をそれから抽出することができる。「タバコ抽出物」は本明細書で使用される場合、抽出プロセスでタバコ材料と接触させる溶媒により、固形のタバコパルプから抽出されるタバコ材料の単離した構成成分を指す。タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固形材料を得ることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640に記載されている抽出プロセスを参照されたい。タバコの構成成分を抽出するための他の例示的技術は、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号;Osborne,Jr.らの米国特許第4,150,677号;Reidの米国特許第4,267,847号;Wildmanらの米国特許第4,289,147号;Brummerらの米国特許第4,351,346号;Brummerらの米国特許第4,359,059号;Mullerの米国特許第4,506,682号;Keritsisの米国特許第4,589,428号;Sogaらの米国特許第4,605,016号;Pouloseらの米国特許第4,716,911号;Niven,Jr.らの米国特許第4,727,889号;Bernasekらの米国特許第4,887,618号;Clappらの米国特許第4,941,484号;Faggらの米国特許第4,967,771号;Robertsらの米国特許第4,986,286号;Faggらの米国特許第5,005,593号;Grubbsらの米国特許第5,018,540号;Whiteらの米国特許第5,060,669号;Faggの米国特許第5,065,775号;Whiteらの米国特許第5,074,319号;Whiteらの米国特許第5,099,862号;Whiteらの米国特許第5,121,757号;Faggの米国特許第5,131,414号;Munozらの米国特許第5,131,415号;Faggの米国特許第5,148,819号;Kramerの米国特許第5,197,494号;Smithらの米国特許第5,230,354号;Faggの米国特許第5,234,008号;Smithの米国特許第5,243,999号;Raymondらの米国特許第5,301,694号;Gonzalez-Parraらの米国特許第5,318,050号;Teagueの米国特許第5,343,879号;Newtonの米国特許第5,360,022号;Clappらの米国特許第5,435,325号;Brinkleyらの米国特許第5,445,169号;Lauterbachの米国特許第6,131,584号;Kierulffらの米国特許第6,298,859号;Muaらの米国特許第6,772,767号;及びThompsonの米国特許第7,337,782号に記載されている。
【0195】
一部の実施形態では、タバコ材料の種類は、最初に目視により他のタバコ材料よりも色がある程度薄いものが選択される(例えば、白色化又は漂白されている)。ある特定の実施形態において、タバコパルプは、脱色活性成分に関して当分野において公知の手段及び上記の手段のいずれかに準拠して白色化され得る。
【0196】
タバコ材料に対する典型的な包含範囲は、タバコ材料の性質及び種類、並びに最終組成物に対して意図する作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、組成物の総重量に対して、約30重量%まで(又は、約20重量%まで、又は約10重量%まで、又は約5重量%まで)(例えば、約0.1~約15重量%)である。一部の実施形態において、本開示の製品は、タバコ材料を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(活性成分としての精製ニコチン以外)。例えば、ある特定の実施形態は、1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満のタバコ材料、又は0.01重量%のタバコ材料、又は0重量%のタバコ材料を有することを特徴とすることができる。
【0197】
オーラルケア添加剤
一部の実施形態において、組成物は、オーラルケア成分(又は、このような成分の混合物)を含む。オーラルケア成分は、虫歯又は歯の喪失を阻止する、歯茎の疾患を阻止する、口腔内疼痛を緩和する、歯を白くする、又は他に、歯の汚れの阻止、唾液刺激の誘導、口臭を阻止する、息の清涼感を出すなどの能力をもたらす。例えば、有効量の成分、例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛(例えば、Discus Dental製のZYTEX(登録商標)として市販されている配合物の成分)が、組成物に配合され得る。本発明の組成物中に所望の有効量で配合され得る成分の他の例は、Takahashiら、Oral Microbiology and Immunology、19(1)、頁61~64(2004);Thistleの米国特許第6,083,527号;及びJakubowskiの米国特許出願公開第2006/0210488号及びCumminsらの同第2006/02228308号に記載されているオーラルケア組成物のタイプに配合されているものを含むことができる。タバコ含有配合物の他の例示的な成分は、RoquetteによるMALTISORB(登録商標)として、及びNatraRxによってDENTIZYME(登録商標)として上市されている配合物に含まれるものを含む。オーラルケア添加剤の代表的な量は、存在する場合、組成物の全乾燥重量の少なくとも約1%、多くの場合、少なくとも約3%、及び頻繁には少なくとも約5%である。組成物中のオーラルケア添加剤の量は、通常、組成物の全乾燥重量の、約30%を超えず、多くの場合、約25%を超えず、頻繁には、約20%を超えない。
【0198】
加工助剤
例えば、成分の流動性又は圧縮を増強するため、顆粒化又は混合などの製品の成分の、又は錠剤化などの製品自体の下流での加工にとって必要な場合、加工助剤(例えば、流動助剤)を製品成分に含ませることもできる。例示的な加工助剤には、微結晶性セルロース、シリカ、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバ(canauba)ワックス及びこれらの組合せが含まれる。一部の実施形態において、加工助剤は、流動助剤又は滑沢剤である。一部の実施形態において、流動助剤又は滑沢剤は、シリカ、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム又はこれらの組合せである。
【0199】
加工助剤の代表的な量は、存在する場合、組成物の総重量の、少なくとも約0.5パーセント又は少なくとも約1パーセントを構成することができる。好ましくは、組成物内の加工助剤の量は、組成物の総重量の、約5パーセントを超えず、多くの場合、約3パーセントを超えない。
【0200】
他の添加剤
他の添加剤が、開示組成物中に含まれ得る。例えば、組成物は、他の材料又は成分を用いて、加工、ブレンド、製剤化、組合せ及び/又は混合され得る。添加剤は人工のものであってもよいし、又は薬草若しくは生物源から得られるもの若しくはこれら由来のものでもよい。さらなる種類の添加剤の例として、増粘剤若しくはゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、保存剤(例えば、ソルビン酸カリウムなど)、水溶性の高い組成物に対しては比較的水溶性であるために選択される亜鉛塩若しくはマグネシウム塩(例えば、グルコン酸マグネシウム又はグルコン酸亜鉛)又は水溶性の低い組成物に対しては比較的不水溶性であるために選択される亜鉛塩若しくはマグネシウム塩(例えば、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛)、又はこれらの組合せが挙げられる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許第9,237,769号、Holton,Jr.らの米国特許第7,861,728号、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号及びHolton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号に記載されているような、代表的な構成成分、構成成分の組合せ、それら構成成分の相対量、並びにこれら構成成分を利用するための方式及び方法を参照されたい。このような追加の添加剤に対する典型的な包含範囲は、添加剤の性質及び機能並びに最終組成物に対して意図された作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、組成物の総重量に対して、約10重量%までである(例えば、約0.1~約5重量%)。
【0201】
上述の添加剤は一緒に(例えば、添加剤配合物として)又は別々に利用され得る(例えば、個々の添加剤成分は、最終組成物の調製に関与している異なる段階において添加され得る。)。さらに、上述の種類の添加剤は、最終製品又は組成物で提供される場合、封入されていてもよい。例示的封入添加剤は、例えば、本明細書に以前に参照により組み込む、AtchleyのWO2010/132444に記載されている。
【0202】
粒状
一部の実施形態において、組成物のいずれか1種以上の構成成分、又は全体としての組成物は、粒状材料として、又は粒状形態であるものとして記載され得る。本明細書において使用される場合、「粒状」という用語は複数の個々の粒子の形態の材料を指し、このうちの一部は複数の粒子の凝集の形態であることができ、粒子は、2:1未満、例えば、1.5:1未満、例えば、約1:1未満の平均長の幅に対する比を有する。様々な実施形態において、粒状材料の粒子は実質的に球状又は顆粒状であると記載され得る。
【0203】
粒状材料の粒径はふるい分折によって測定されてもよい。当業者であれば容易に認識しているように、ふるい分折(他にはグラデーション試験としても公知である)は、粒状材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。通常、ふるい分折は入れ子になったふるいのカラムを含み、ふるいは好ましくはワイヤ製網布の形態のスクリーンを含む。予め秤量した試料は、カラム内の上側又は上端のふるいに導入されてもよく、この上側又は上端に最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズ(すなわちふるいの最も大きな細孔直径)がある。カラム内でより下にある各ふるいは、上部のふるいよりも、スクリーン開口又はメッシュサイズが次第に小さくなる。通常、ふるいのカラムの底部にはレシーバー部分があり、このレシーバー部分で、カラム内の底部又は1番下のふるいのスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズ(これは、スクリーン開口又はメッシュサイズが最も小さい。)よりも小さな粒径を有するあらゆる粒子を収集する。
【0204】
一部の実施形態において、ふるいのカラムは、機械的撹拌器の上又は中に配置され得る。撹拌器は、カラム内のふるいのそれぞれの振動を起こす。機械的撹拌器は、予め決定された期間の間稼働させることにより、すべての粒子が確実に正しいふるいに収集されるようにすることができる。一部の実施形態において、ふるいのカラムは、0.5分間~10分間、例えば、1分間~10分間、例えば、1分間~5分間、例えば、およそ3分間の期間の間、撹拌される。カラム内のふるいの撹拌が完了したら、各ふるい上に収集された材料を秤量する。次いで、各ふるい上の各試料の重量を総重量で割って、各ふるい上に保持された質量のパーセンテージを得る。当業者であれば、ふるい分折に対して使用されるカラム内の各ふるいに対するスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズは、分析する試料の粒度又は公知の最大/最小粒径に基づき選択されてもよいことを容易に認識している。一部の実施形態において、ふるいのカラムはふるい分折に使用することができ、カラムは2~20個のふるい、例えば、5~15個のふるいを含む。一部の実施形態において、ふるいのカラムは、ふるい分折に使用され得、カラムは10個のふるいを含む。一部の実施形態において、ふるい分折に対して使用されるふるいの最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズは、2000μm、例えば、1500μm、例えば、1000μm又は例えば500μmであってもよい。
【0205】
一部の実施形態において、粒状形態であると特徴付けられる、本明細書において言及されるいずれの物質(例えば、充填剤、活性成分及び組成物全体)も、ふるい分析によって測定される、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する粒子を少なくとも50重量%を有することができる。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも60重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも70重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも80重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも90重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば、約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも95重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも99重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料のほぼ100重量%の粒子が、約2000μm以下、例えば、約1500μm以下、例えば約700μm以下の粒径を有する。
【0206】
一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約0.01μm~約2000μm、例えば約0.05μm~約1500μm、例えば約0.1μm~約750μmの粒径を有する。一部の実施形態において、ふるい分折によって測定した場合、本明細書において参照されたいずれの粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約700μm~約2000μm、例えば、約700μm~約1500μmの粒径を有する。
【0207】
口腔使用のために構成
口腔使用のために構成された組成物を含むパウチ製品が、本明細書において提供される。「口腔使用のために構成された」という用語は、本明細書において使用される場合、使用中、使用者の口内唾液により組成物の1種以上の構成成分(例えば、香味剤及び/又は活性成分)が使用者の口の中に運ばれるような形態で、組成物が提供されることを意味する。ある特定の実施形態において、本組成物は、構成成分を、使用者の口内粘膜、使用者の消化系、又はこれらの両方を介して使用者に送達するように構成されており、ある場合において、前記構成成分は、製品が使用された際に口内粘膜を介して吸収され得る、又は消化管を介して吸収され得る活性成分(例えば、刺激剤、ビタミン、味覚改質剤又はこれらの組合せを含むが、これに限定されない。)である。
【0208】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている口腔使用のために構成された組成物は、水分透過性容器(例えば、水透過性パウチ)内に配置された本開示の組成物を含む。水透過性パウチフォーマットにおけるこのような組成物は、通常、組成物を含有するパウチの1つをヒト対象/使用者の口内に配置することにより使用される。一般的に、パウチは、湿潤型嗅ぎタバコ製品が一般的に使用されるのと同じ方式で、使用者の口腔内のどこか、例えば唇の下に配置される。好ましくは、パウチは咀嚼又は嚥下されない。次いで、唾液への曝露により、その中の組成物の構成成分のいくつか(例えば、香味剤及び/又は活性成分)が、例えば、水透過性パウチを通り抜け、使用者に香味及び満足度をもたらす。約5分間~約60分間、通常、約10分間~約30分間の使用/楽しんだ後、相当量の組成物が放出されて、ヒト対象の口腔粘膜を介して吸収され、パウチは廃棄のためにヒト対象の口から除去され得る。
【0209】
本開示の組成物は、少なくとも部分的に溶解可能である。本明細書において使用する場合、用語「溶解する」、「溶解すること」及び「溶解可能な」は、口腔内の水分と相互作用して、溶液に入り、こうして、製品の段階的な消費を引き起こす、水可溶性構成成分を有する組成物を指す。様々な実施形態において、本組成物は、一定期間にわたり、口腔内において少なくとも部分的に溶解する、若しくは完全に溶解するようになされ得る、又は構成され得る。一部の実施形態において、溶解可能な組成物は、これが完全に溶解するまで又は完全に溶解するまでの所与の時間、使用者の口内において持続することが可能である。溶解速度は、約1分間以内から約60分間まで、幅広い範囲にわたり異なり得る。例えば、高速放出組成物は、通常、約2分以内、多くの場合、約1分以内(例えば、約50秒以内、約40秒以内、約30秒以内又は約20秒以内)に所望の構成成分(例えば、活性成分、フレーバーなど)を溶解及び/又は放出する。一部の実施形態において、溶解速度は、より段階的であり、例えば、約60分間以内、例えば約45分間、約30分間又は約15分間の期間にわたり、所望の構成成分(例えば、活性成分、フレーバーなど)を溶解及び/又は放出する。溶解速度は、パウチ内に存在する組成物のサイズ、密度及び表面積、並びにパウチ内に存在する重量基準の組成物の量などの因子に応じて異なり得る。さらに、溶解速度及び溶解の程度は、組成物内に存在する充填剤の選択及び他の構成成分の溶解度に応じて異なり得る。溶解は、任意の手段によって、例えば、溶融、機械的破壊(例えば、咀嚼)、酵素的分解若しくは他の化学物質分解によって、又は組成物の構成成分間の相互作用の破壊によって起こり得る。
【0210】
ある特定の実施形態において、本組成物は、唾液可溶性物質だけを含み、こうして、本組成物は、口腔内に置いて完全に溶解する。他の実施形態において、本組成物は、不溶性構成成分をさらに含み、こうして、組成物の一部が溶解しない状態のままとなる。一部の実施形態において、組成物の少なくとも約1重量%が、約60分以内、例えば、約45分間、約30分間又は約15分間の一定期間の後、口腔内に溶解する。一部の実施形態において、重量基準で組成物の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約100%が、約60分以内、例えば、約45分間、約30分間又は約15分間の一定期間の後、口腔内において溶解する。特定の実施形態において、組成物の少なくとも約95重量%、例えば約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、又は100重量%さえも、約60分間以内、例えば約45分間、約30分間又は約15分間の一定期間の後、口腔内において溶解する。
【0211】
本明細書に記載されている口腔使用のために構成された組成物は、ペレット、錠剤、顆粒剤、ビーズ及び散剤を含めた、様々な形態をとることができ、これらのいずれも、パウチ内に入れられていてもよい。本明細書において開示されている組成物は、丸剤、錠剤、球体、ビーズ、卵形、横長型(obloid)などを含めた、様々な形状に形成され得る。組成物の断面形状は異なってもよく、例の断面形状は、丸、正方形、長円形、矩形などを含む。このような形状は、装置、例えば、移動式ベルト、ニップ、押出成形器、造粒装置、圧縮装置などを使用する様々な方法において形成され得る。
【0212】
一部の実施形態において、本組成物は、パウチ内に封入された粒状形態(例えば、粉末又は顆粒)にあり、約10分未満に、例えば、約5~約10分間に実質的に溶解する。
【0213】
一部の実施形態において、本組成物は、パウチ内に封入されたビーズ形態(例えば、ほぼ球体のビーズ)にあり、約30分未満に、例えば約10~約15分間に実質的に溶解する。特定の実施形態において、ビーズは、約15分以内に、実質的(すなわち、95%超)に溶解可能となるよう構成される。溶解の速度は、ビーズのサイズ及び利用される特定の充填剤に基づいて異なり得る。ビーズのサイズは、異なり得るが、一般に、約10~約25メッシュ(約700~約2000μm)である。ビーズ状の実施形態は、溶解可能な充填剤、例えばイソマルトとして、大きな相対量の糖アルコールを一般に含む。一部の実施形態において、ビーズ状組成物は、最大で約25重量%、例えば約16~約20重量%の量の湿潤剤、例えばグリセリン又はプロピレングリコールを含む。
【0214】
一部の実施形態において、ビーズ形態の組成物は、放出改変剤を含む任意選択の外側コーティングを含むことができる。このような放出改変剤のコーティング剤は、組成物からの構成成分(例えば、着香剤、活性成分、甘味剤、溶解可能な充填剤など)の遅延放出及び/又は持続放出を実現することができる。コーティングは、通常、フィルム形成性ポリマー、例えば、セルロース系材料、任意選択の可塑剤、及び任意選択の着香剤、着色剤、塩、甘味剤又は本明細書において記載されているタイプの他の添加剤を含む。コーティング用組成物は、通常、性質が水性であり、当分野において公知の任意のコーティング技法、例えばパンコーティングを使用して施用され得る。例となるフィルム形成性ポリマーは、セルロース系材料を含む。例となる可塑剤には、モノステアリン酸グリセリル及びクエン酸トリエチルの水溶液又はエマルションが含まれる。追加の可能性のあるコーティング剤には、食物グレードのシェラック、脂質、ワックス及びこれらの組合せが含まれる。一部の実施形態において、ビーズの少なくとも一部は、脂質、セルロース誘導体、結合剤及びこれらの組合せからなる群から選択される放出改変剤によりコーティングされている。
【0215】
適切な脂質の非限定例には、天然(例えば、植物又は動物ベース)起源又は合成(例えば、石油に由来)起源の油及びワックスが挙げられる。適切な脂質は、水素化、部分水素化され得る、又は水素化され得ない。一部の実施形態において、脂質は、食物グレードの油、例えば、植物油(例えば、アサイー油、アーモンドオイル、アマランサス油、アプリコット油、リンゴ種子油、アルガン油、アボカド油、ババス油、ブナナッツ油、ベン油、ゴーヤ油、ブラック種子油、カシス種子油、ルリジサ種子油、ボルネオ獣脂ナッツ油、ヒョウタン油、ブラジルナッツオイル、水牛油、バターナッツスカッシュ種子油、ケープ栗油、キャノーラ油、イナゴマメカシュー油、カカオ脂、ザルガイ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、コチューン油、コリアンダー種子油、綿実油、ナツメヤシ種子油、ディカ油、エグス種子油、月見草油、偽亜麻仁油、アマニ油、グレープ種子油、グレープフルーツ種子油、ヘーゼルナッツ油、大麻油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラレマンティア油、レモン油、亜麻仁油、マカダミア油、マフラ油、マルラ油、メドフォーム種子油、モンゴンゴナッツ油、マスタード油、ニジェール種子油、ナツメグバター、オクラ種子油、オリーブ油、オレンジ油、パーム油、パームステアリン、パパイヤ種子油、ピーナッツ油、ペカン油、エゴマ油、柿の実油、ペキ油、ピリナッツ油、パインナッツ油、ピスタチオ油、ザクロ種子油、ポピー種子油、プラカシ油、プルーンカーネル油、カボチャ種子油、キヌア油、ラムティル油、ナタネ油、コメヌカ油、ロイル油、サシャインチ油、ベニバナ油、サポテ油、セジェ油、ゴマ油、シアバター、ダイズ油、ヒマワリ油、タラミラ油、チャ種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、タバコ種子油、トマト種子油、クルミ油、メロン種子油、小麦胚芽油及びこれらの組合せ)、動物性油、牛の脂肪(例えば、バッファローの脂肪、羊の脂肪、ヤギの脂肪、豚の脂肪、ラード、ラクダの脂肪、獣脂、液体マーガリン、魚油、魚肝油、鯨油、アザラシ油及びこれらの組合せ)、及び鉱物油である。一部の実施形態において、脂質は、ワックス、例えば、ビーワックス、カルナウバワックス又はパラフィンワックスである。
【0216】
適切なセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。
【0217】
適切な結合剤の非限定例として、ポビドン、アルギネート、デンプンベースの結合剤、ペクチン、ガム、カラギーナン、プルラン、ゼインなど及びこれらの組合せが挙げられる。
【0218】
一部の実施形態において、ビーズ形態の組成物は、シェラック、カルナウバワックス、パラフィンワックス、ビーワックス、パーム油、ヒマワリ油又はこれらの組合せを含む、任意選択の外側コーティングを含む。
【0219】
一部の実施形態において、コーティング及び非コーティングビーズの混合物が、パウチ内に入れられる。一部の実施形態において、異なる溶解速度を有するビーズの混合物が、パウチ内に入れられる。例えば、ビーズが、唾液と接触すると、異なる速度で溶解する異なる組成物(例えば、量の異なる充填剤、又は様々なタイプの充填剤を有する)から形成されてもよい。一部の実施形態において、パウチは、ビーズ形態の本明細書において開示されている組成物を含み、ビーズとの物理的混合物として、微結晶性セルロースをさらに含む。一部の実施形態において、フレーバー、活性成分又はこれらの両方が、微結晶性セルロース中又はその表面に存在する。一部の実施形態において、微結晶性セルロースは、その表面に配置された(すなわち、微結晶性セルロース内若しくは表面に吸着又は吸収されている。)液状着香剤を含む。一部の実施形態において、微結晶性セルロースは、その表面に配置された(すなわち、微結晶性セルロース内若しくは表面に吸着又は吸収されている。)乾燥液状着香剤を含む。微結晶性セルロース中又はその表面に存在する着香剤を使用する実施形態は、一層均一な製品を提供するのに有利となり得る。
【0220】
一部の実施形態において、本組成物は、パウチ内に封入された、1個以上の圧縮ペレット又は成形ペレット(例えば、1個以上の錠剤)の形態であり、組成物は、約30分未満に、例えば約20~約30分間で実質的に溶解する。一部の実施形態において、組成物及びその中の個々の構成成分(例えば、着香剤、活性成分など)の溶解速度を増大させるため、パウチ内の圧縮ペレット又は成形ペレットには、使用者の口内に置く前に、又は置かれた際に、機械力、例えば、破壊、粉砕又はパウチ入り組成物のかみ砕きが施される。一部の実施形態において、単一圧縮錠剤又はペレットが、パウチ内に入れられる。一部の実施形態において、複数の圧縮錠剤又はペレットが、パウチ内に入れられる。
【0221】
本開示のある特定の実施形態は、図1を参照して記載されており、これらの記載された実施形態は、外側パウチを有し、かつ本明細書に記載されている組成物を含有する、スヌースタイプの製品を含む。このような実施形態は、単なる例として提示される。このようなパケット又はパウチの組成物/構造体、例えば図1に例示されている実施形態の容器パウチ102は、本明細書の上に記載されている通り異なり得る。図1を参照すると、パウチ製品100の実施形態が示されている。パウチ製品100は、本明細書に記載されている組成物を含む物質104を含有する、パウチ102の形態で水分透過性容器を含む。図2を参照すると、錠剤形態の本明細書に記載されている組成物105を含有する、パウチ102の形態の水分透過性容器を含む、パウチ製品100の実施形態が示されている。図3を参照すると、粉末、顆粒、多重ペレット、錠剤又はビーズとして本明細書に記載されている組成物106を含有する、パウチ102の形態の水分透過性容器を含む、パウチ製品100の実施形態が示されている。
【0222】
本明細書に記載されているパウチは、3つの寸法:長さ、幅及び厚さを有する。当業者は、このような寸法は、パウチ全体の意図されるサイズ及び体積、並びにパウチ内の所望の物質の量に応じて異なり得ることを認識している。各パウチ内に含有される物質の量は異なってもよい。一部の実施形態において、各パウチ内の組成物の重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約2グラム、約100mg~約1.5グラム又は約200~約700mgである。一部のより小さな実施形態において、各パウチ内の組成物の重量は、約100mg~約300mgとすることができる。より大きな実施形態に対して、各パウチ内の物質の重量は、約300mg~約700mgとすることができる。
【0223】
所望の場合、他の構成成分が各パウチ内に入れることができる。例えば、香味づけた水分散性又は水溶性材料の少なくとも1枚の香味づけたストリップ、小片又はシート(例えば、息爽快化食用フィルムタイプの材料)は、少なくとも1つのカプセルと共に又はなしで、各パウチ内に配置することができる。このようなストリップ又はシートは折り畳む又はクランプルすることによって、パウチ内に容易に組み込むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるScottらの米国特許第6,887,307号及びLeungらの米国特許第6,923,981号;並びにEFSA Journal(2004)85、1~32頁に記載されている材料及び技術の種類を参照されたい。一部の実施形態において、パウチの内容物は、本明細書の上に記載されている微結晶性セルロースをさらに含む。
【0224】
パウチのタイプは異なってもよい。無煙タバコ製品の製造に使用される種類の適切なパウチは、商標名CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf及びTreAnkrareという商標名で入手可能である。本組成物は、ある方法で、及び製品の慣用的なスヌースタイプの製造に使用される構成成分のタイプを使用して、パウチに入れられて、包装されてもよい。パウチは、ティーバッグの構成に使用されているメッシュ様タイプの材料と性質が類似すると考え得るタイプの液体透過性容器を提供する。組成物の構成成分は、パウチから使用者の口内に容易に拡散する。
【0225】
パウチの適切なタイプの非限定性には、例えば、Kjerstadの米国特許第5,167,244号、及びSebastianらの同第8,931,493号、並びにSebastianらへの米国特許出願公開第2016/0000140号;Sebastianらへの同第2016/0073689号;Chapmanらへの同第2016/0157515号;及びSebastianらへの同第2016/0192703号に説明されており、それらの各々が参照により本明細書に組み込まれている。パウチは、個々のパウチとして提供され得る、又は複数のパウチ(例えば、2個、4個、5個、10個、12個、15個、20個、25個又は30個のパウチ)が、繋げられ得、又は一緒に連結され得(例えば、端同士の様式で)、こうして、単一パッチ又は個々の一部が、使用するために、1つずつ繋がった鎖又はパウチのマトリックスからの容易に取り出すことができる。
【0226】
本開示のパウチは、フリース材料、例えば、繊維不織ウェブから形成することができる。本明細書において使用される場合、「繊維」という用語は、繊維製品の基本的要素と定義される。繊維は、多くの場合、ロープ様又は糸様要素の形態である。本明細書において使用される場合、「繊維」という用語は、繊維、フィラメント、連続フィラメント、ステープル繊維などを含むことを意図する。「多成分繊維」という用語は、物理性質又は化学的性質が異なる2種以上の構成成分を含む繊維を指し、複合繊維を含む。具体的に、「多成分繊維」という用語は、ドメインが分散している、ランダム又は非構造化されている傾向にあるブレンドとは対照的な、繊維内の別個の構造化されたドメインに存在する2種以上のポリマーから調製した短繊維及び連続繊維を含む。
【0227】
「フリース材料」は、本明細書で使用される場合、本明細書において以下により詳細に記載されているような様々な種類の繊維から形成することができ、従来のフリース織物又は他の従来のパウチ材料を形成することが可能である。例えば、フリース材料は、織布又は不織布の形態で提供され得る。適切なタイプのフリース材料は、例えば、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらの米国特許第8,931,493号;並びにSebastianらの米国特許出願公開第2015/0128978号、Sebastianらの米国特許出願公開第2016/0000140号及びSebastianらの米国特許出願公開第2016/0073689号に記載されている。
【0228】
「不織布」という用語は、繊維が規定されていない又はランダムな方向性で整列している繊維材料、ウェブ、マット、バット、又はシートに関連して本明細書において使用されている。不織布繊維は未結繊維又はフィラメントとして最初に提示されている。不織布の製造において重要なステップは、様々な繊維又はフィラメントを一緒に結合することを含む。繊維又はフィラメントを結合する方式は異なってもよく、本明細書において以下により詳細に論じられているように、最終生成物の所望の特徴に部分的に基づき選択される熱的、機械的及び化学的技術を含む。
【0229】
一部の実施形態において、パウチは、生分解性であってもよく、又は溶解可能であってもよい。一部の実施形態において、使用後、全組成物、及びある特定の実施形態において、組成物をもともと収納していた全パウチ材料が溶解され、使用者により口腔用に摂取可能であることによって、使用者の口から除去すべきパウチ製品は何も残らない。例となる溶解可能なパウチは、材料からこのような方法において製造されてもよく、こうして、使用者によって使用されている間、パウチは、分散又は溶解の制御を受ける。このようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、ミシン目付き紙、透過性布地などの形態を有してもよい。例えば、ライスペーパー又はミシン目付きライスペーパーのメッシュ様形態から製造されたパウチ材料は、使用者の口内に溶解することができる。その結果、パウチ及び組成物はそれぞれ、使用の通常の条件の間、使用者の口内において完全な分散を受けることができ、こうして、パウチと組成物のどちらも、使用者によって摂取され得る。様々な実施形態において、パウチ材料は、正常な使用の条件下で(すなわち、使用者の口内の唾液と接触した際)、パウチ材料が完全に溶解するように、溶解可能であり得る(すなわち、口腔内に服用可能である。)ことができる。好ましくは、パウチ材料は、パウチ内の著しい量の組成物の可溶性成分(例えば、活性成分及び/又は着香剤)がパウチ材料を介して使用者の口へと浸透した後に溶解する。例えば、パウチ材料は、パウチ材料が、実質的にすべての水溶性成分の放出を可能にする程、十分な期間の間、組成物を一緒に保持するような速度で溶解するように構成することができる。
【0230】
本明細書に記載されている通り、パウチ材料内の組成物は、少なくとも部分的に溶解可能である。このような実施形態において、パウチ材料は、組成物が溶解する速度と類似の速度で溶解するように構成することができる。ある特定の実施形態において、パウチ材料は、約5分間以上、約15分間以上、約30分間以上又は約1時間以上で少なくとも部分的に溶解する、又は完全に溶解するようになされ得る、又は構成され得る。ある特定の実施形態において、パウチ材料は、30分間以上、45分間以上又は1時間以上で少なくとも部分的に溶解する、又は完全に溶解するようになされ得る、又は構成され得る。一部の実施形態において、パウチ材料は、約30秒~約30分間、約1分間~約25分間、約5分間~約20分間又は約5分間~約15分間の時間で少なくとも部分的に溶解する、又は完全に溶解するようになされ得る、又は構成され得る。理論によって限定されることなく、溶解可能な又は生分解性のパウチ材料を含むパウチ製品は、環境上の利点をもたらすことができる。
【0231】
様々な実施形態において、溶解可能なパウチ材料として、以下に限定されないが、紡糸された又は不織布アルギン酸繊維、グルテン繊維、アルギネート由来のミシン目付ミニフラットシート、カラギーナン及び他のポリマー結合剤、並びにこれらの組合せを挙げることができる。理論により限定されることなく、パウチ材料の溶解速度は、例えば、アルギネート又はペクチンとのカルシウム塩との架橋技術を使用することによって制御され得る。パウチ材料の他の例は、水分散性フィルム形成材料(例えば、結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルランなど)、及び摩砕セルロース誘導体(例えば、微粒径の木材パルプ)などの材料と組み合わせた材料を使用して製造されてもよい。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解可能であるが、通常な使用の条件下、著しい量の組成物の内容物が、パウチがその物理的完全性を失う時点より前に、パウチ材料を介して透過するように設計及び製造され得る。所望する場合、香味成分、崩壊助剤及び他の所望の構成成分を、パウチ材料内に組み込む、又はパウチ材料に適用することができる。
【0232】
ある特定の実施形態において、溶解可能なパウチ材料は、親水性ポリマーを用いたエレクトロスピニングプロセス(例えば、溶液ベースのエレクトロスピニング)を使用して形成された速溶性繊維を含むことができる。例えば、その全体が本明細書に参照により組み込まれている、Asawahame、Chawalineeら、Formation of Orally Fast Dissolving Fibers Containing Propolis by Electrospinning Technique、Chiang Mai J.Sci.、2015、42(2)、469~480頁において開示された技術及び繊維を参照されたい。
【0233】
一部の実施形態において、フリース材料内の繊維は、これらに限定されないが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート及びこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含むことができる。一部の実施形態において、フリース材料内の繊維は、ウール、コットン、セルロース系材料から作製された繊維、例えば、再生セルロース、酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、タンパク質繊維などからなる群から選択することができる。参照により本明細書に組み込まれている、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0083438号に記載されている繊維の種類も参照されたい。様々な実施形態において、パウチ材料は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート及びこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含むことができる。このようなポリマーを含むパウチは、生分解性として記載され得る。
【0234】
再生セルロース繊維は特に有利となり得るが、これは通常、木材から非セルロース系化合物を抽出し、抽出した木材を苛性ソーダと接触させ、これに続いて二硫化炭素、次いで水酸化ナトリウムと接触させて、粘性の溶液を得ることにより調製される。続いて溶液をスピナレットヘッドに通して押し出し、再生繊維の粘性の糸を作り出す。再生セルロースの調製のための例示的方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Leoniの米国特許第4,237,274号、Baldiniらの米国特許第4,268,666号;Baldiniらの米国特許第4,252,766号;Ishidaらの米国特許第4,388,256号;Yokogiらの米国特許第4,535,028号;Laityの米国特許第5,441,689号;Vosらの米国特許第5,997,790号;及びSumnichtの米国特許第8,177,938号に提供されている。再生セルロースが作製される方式は限定されず、例えば、レーヨンプロセスとTENCELプロセスの両方を含むことができる。Lenzing(オーストリア)、Cordenka(ドイツ)、Aditya Birla(インド)及びDaicel(日本)を含む、再生セルロースの様々な製造元が公知である。
【0235】
本開示による不織ウェブに使用されている繊維の形態は異なってもよく、これらに限定されないが、円形、長方形、正方形、楕円形、三角形及び多葉形を含む任意の種類の断面を有する繊維を含むことができる。ある特定の実施形態において、繊維は1つ以上の空隙空間を有することができ、空隙空間は、例えば、円形、長方形、正方形、楕円形、三角形、又は多葉形の断面を有することができる。以前に記述されたように、繊維は、単一成分(すなわち、繊維全体にわたり組成が均一)又は、これらに限定されないが、シース/コア構造を有する繊維及び海島型構造を有する繊維、並びに並列型を有する繊維、セグメント化パイ、セグメント化クロス、セグメント化リボン、又は先端部を有する多葉形の断面を含む多成分繊維の種類から選択することができる。
【0236】
不織ウェブ中に存在する繊維の物理的パラメーターは異なってもよい。例えば、不織ウェブに使用される繊維は異なるサイズ(例えば、長さ、フィラメント当たりのデニール(dpf))及び捲縮特徴を有することができる。一部の実施形態において、不織ウェブに使用される繊維は、ナノ繊維、サブミクロン繊維及び/又はミクロンサイズの繊維であってよい。ある特定の実施形態において、本明細書において有用な不織ウェブの繊維は、約1.5dpf~約2.0dpf、又は約1.6dpf~約1.90dpfと測定することができる。様々な実施形態において、各繊維は、1cm当たり約4~10捲縮、又は1cm当たり約5~8捲縮と測定することができる。一部の実施形態において、各繊維は連続フィラメント繊維であることができる。ある特定の実施形態において、各繊維は短繊維であることができる。各繊維長は、例えば、約35mm~約60mm、又は約38mm~約55mmと測定することができる。不織ウェブ中の繊維の好ましいブレンド及び方向性を確実にするために、不織ウェブ中のすべての繊維が類似の繊維サイズ及び捲縮特質を有することが有利となり得る。
【0237】
繊維ウェブは異なる厚さ、多孔性及び他のパラメーターを有することができる。不織ウェブは、不織ウェブから形成されるパウチ製品の繊維方向性及び多孔性によって、外側水透過性パウチ内に封入される口腔用使用に適応した組成物を保持し、しかも消費者が組成物のフレーバーを楽しめるように形成することができる。例えば、一部の実施形態において、繊維ウェブは、約20gsm~約35gsm、又は約25gsm~約30gsmの坪量を有することができる。好ましい実施形態において、繊維ウェブは約28gsmの坪量を有することができる。織物の坪量は、例えば、ASTM D3776/D3776M-09a(2013)(布の単位面積質量(重量)に対する標準試験法(Standard Test Methods for Mass Per Unit Area(Weight)of Fabric))を使用して測定することができる。様々な実施形態において、繊維ウェブは約0.1mm~約0.15mm(例えば、約0.11mm)の厚さを有することができる。繊維ウェブは、約70%~約80%、例えば、約78%の伸長率を有することができる。一部の実施形態において、繊維ウェブは約4lbs.~約8lbs.、例えば、約5.5lbs.のピークロードを有することができる。繊維製品織物の伸長率及び破断強度は、例えば、ASTMD5034-09(2013)(織物の強度と伸びの標準試験法(Standard Test Method for Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(グラブ試験)))を使用して、測定することができる。様々な実施形態において、繊維ウェブは、約35~約40、例えば、約37の引張強度指数(Tensile Energy Absorption(TEA))を有することができる。ある特定の実施形態において、繊維ウェブは、約10,000ml/分/cmより大きい多孔性を有することができる。TEAは、例えば、試料の1側面領域当たりかけられる引張荷重下で、試料を破損するための作用力として測定することができる。繊維織物の多孔性、又は通気性は、例えば、ASTM D737-04(2012)(繊維布の通気性に関する標準試験法(Standard Testmethod for Air Permeability of Textile Fabrics))を使用して測定することができる。
【0238】
本明細書に記載されているパウチ製品の様々な実施形態において、外側水透過性パウチは、上記の不織ウェブから作製される。一部の実施形態において、パウチは不織ウェブの単層から構築される。様々な実施形態において、パウチ材料は、2種以上の不織布層から作られる多層複合材を含み、各層は口腔用に摂取可能である。各不織布層は、以下に論じたプロセスにより形成することができる。多層構造において、第1の層は比較的親水性であることができ、第2の層は比較的疎水性であることができる(互いに比較して)。一部の実施形態において、外側水透過性パウチは、外側親水性層、及び口腔用使用するようになされている組成物と接触することができる内側疎水性層を含むことができる。したがって、疎水性層は、パウチ製品の貯蔵中、組成物中のフレーバーが水分損失により失われないように、口腔用使用するようになされている組成物中に任意の水分を保持することができる。しかし、疎水性層中のキャピラリーは、使用時にフレーバーが口腔内に放出されるよう、使用者の口へ水分を逃がすことができる。このように、パウチ材料は、エンド使用者が製品を楽しむことに著しい妥協を課すことなく、貯蔵安定性を増強することができる。2つの層は、当技術分野において公知の任意の手段を使用して、例えば、接着剤又はスティッチングを使用して2つの層を一緒に結合することにより、多層複合材の不織布材料を形成することができる。織物材料の疎水性は、当分野において公知の通り、例えば、液体の液滴と、織物材料の表面との間の接触角を測定することによって評価することができる。
【0239】
ある特定の実施形態において、パウチ材料は、香味成分(例えば、本明細書において指摘された香味成分のいずれか)を含むことができ、この香味成分は、任意の従来の方式で、例えば、コーティング、プリンティングなどにより不織布層に適用することができる。本明細書において記載されているパウチ製品の一部の実施形態において、外側パウチ材料内のフレーバーは、口腔使用のために構成された内部の組成物に含有されているフレーバーと異なるものとすることができる。例えば、ある特定の実施形態において、パウチ材料は、第1の香味成分を有することができ、パウチ材料が溶解した後、より多くの水分がパウチ材料内の組成物に到達することができ、組成物内の香味成分が増強され得る。このように、本製品は、複数の、異なる感覚体験をもたらすように設計されることができ、第1の感覚体験において、外側パウチ材料中のフレーバーが使用者の口の中へ移動し、その後の時間に通常生じる第2の感覚体験において、内部組成物のフレーバーが使用者の口の中に移動する。
【0240】
一部の実施形態において、ヒートシール可能な結合剤コーティング又は結合剤材料(例えば、コーティング又は他の添加剤)は、フリース材料を形成する前、その間、又はその後に繊維に添加することができる。本明細書で使用される場合、「ヒートシール可能な結合剤コーティング」とは、基材(例えば、不織ウェブ又はフリース材料)に適用されるコーティング材料、例えば、アクリルポリマー組成物を指し、これらは加熱により個々のパウチの継ぎ目の密閉が可能である。一部の実施形態において、結合剤材料は、繊維ウェブを積層する前又はその間(すなわち、繊維ウェブが結合されてフリース材料を形成する前)にウェブ繊維に添加することができる。ある特定の実施形態において、結合剤材料は、フリース材料が形成された後でそれに添加することができる。様々な実施形態において、結合剤材料は液体コーティングの形態である。ある特定の実施形態において、結合粉末はフリース材料に塗布することができる。例えば、粉末化ポリエチレンは結合剤材料として使用することができる。液体又は粉末コーティングは、例えば、クロス積層、空気積層において、又は処理後に、繊維層の間に塗布することができる。オーブン内の短時間の曝露は結合剤材料を溶融及び融合するのに十分である。
【0241】
本明細書に記載されているパウチ製品は、任意の適切な内側包装材料及び/又は外側容器内にパッケージされ得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Hensonらの米国特許第7,014,039号;Kutschらの米国特許第7,537,110号;Kutschらの米国特許第7,584,843号;Gelardiらの米国特許第8,397,945号、ThiellierらのD592,956;PatelらのD594,154;及びBaileyらのD625,178;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Clarkらの米国特許公開第2009/0014343号;Bjorkholmの米国特許公開第2009/0014450号;Bellamahらの米国特許公開第2009/0250360号;Gelardiらの米国特許公開第2009/0266837号;Gelardiの米国特許公開第2009/0223989号;Thiellierの米国特許公開第2009/0230003号;Gelardiの米国特許公開第2010/0084424号;並びにBaileyらの米国特許公開第2010/0133140号;Baileyらの米国特許公開第2010/0264157号;及びBaileyらの米国特許公開第2011/0168712号に記載されている無煙タイプ製品に対する様々な種類の容器も参照されたい。
【0242】
本明細書に記載されている口腔使用のために構成されている組成物は、記載されているパウチ内に配置されたと一般に記載されているが、本開示の製品は、このようなパウチの実施形態に限定されない。したがって、開示されている組成物のいずれの実施形態も、パウチの非存在下において使用されてもよい。例えば、本明細書に記載されている、口腔使用のために構成された組成物は、単に、例えば、粉末、顆粒、ビーズ、錠剤、ペレットなどとして、口腔に直接、施用されてもよい。
【0243】
組成物の調製
本開示の組成物は、例えば、乾燥成分、例えば、充填剤、活性成分、塩、緩衝剤、香味剤などを乾式ブレンドし、乾燥混合物を任意の液体成分、例えば湿潤剤と一緒にし、次いで、パウチ内の組成物を置き換えることによって一般に調製されてもよい。
【0244】
組成物の様々な構成成分が一緒にされる方法が異なることができる。よって、組成物の全部と、例えば、粉末化組成物構成成分との全体的な混合物は、比較的均一な性質であることができる。上述の構成成分は、液体又は乾燥固体形態であってもよく、組成物の任意の残留構成成分との混合前の前処理ステップにおいて混和することもできるし、又は単にすべての他の液体又は乾燥成分と一緒に混合することもできる。ある特定の実施形態において、液状着香剤は、多孔質粒状担体、例えば微結晶性セルロースと一緒にし、乾燥着香剤混合物を形成する。次に、この乾燥着香剤を組成物の他の構成成分(例えば、溶解可能な充填剤、活性成分など)と一緒にされてもよい。このように着香剤を導入すると、一層均一な製品の実現、及び他の方法で液状着香剤を他の乾燥物質と一緒にして生じ得る凝集の回避に有益となり得る。このような凝集は、製品の均一性を低減し、さらなる加工、例えば静置時間及びミリングを必要とするので、望ましいものではない。他の実施形態において、着香剤は、例えば、噴霧乾燥粉末として、乾燥形態の他の構成成分に添加される。
【0245】
組成物の様々な構成成分は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は装置を使用して、一緒に接触させる、組み合わせる、又は混合されることができる。組成物成分を密接に接触させる任意の混合方法、例えば、インペラ又は他の撹拌可能な構造を特徴とする混合装置が使用され得る。混合装置の例として、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体スプレー装置、コニカル型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day、Inc.から入手可能なミキサー、例えば、FKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000、Plough Share型ミキサーシリンダー、Hobartミキサーなどが挙げられる。また、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号に記載されている方法論の種類を参照されたい。組成物を配合するための方式及び方法は、当業者には明らかである。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号、Ridgwayらの米国特許第4,725,440号及びBolderらの米国特許第6,077,524号に記載されている方法の種類を参照されたい。
【0246】
一部の実施形態において、本組成物(例えば、乾燥混合物)は、パウチに封入される前に、圧縮される、又はそうでない場合、処理される。一部の実施形態において、本組成物は、慣用的な打錠技法を使用して圧縮されてもよい。圧縮ペレット又は錠剤は、ペレット、錠剤などの形態の関連配合物構成成分のいずれかを含む、乾式ブレンドを圧縮することによって生成され得る。例となる圧縮装置、例えば圧縮プレス器が、Vector Corporation製のColton2216及びColton2247として、及びFette Compacting製の1200i、2200i、3200、2090、3090及び4090として利用可能である。外側コーティング層を圧縮ペレット化製品に施すための装置は、Thomas Engineering製のCompuLab24、CompuLab36、Accela-Cota48及びAccela-Cota60として利用可能である。
【0247】
一部の実施形態において、圧縮後に、本組成物を所定の形態の圧縮形状にある。組成物の断面形状は異なってもよく、例となる断面形状は、円形、正方形、長方形、矩形などを含む。ある特定の実施形態において、本組成物は、圧縮又は成形したペレットの形態であり、ペレットは、従来の丸剤又は錠剤形状を含めた、様々な形状のいずれかを有することができる。正確な形状及びサイズは、所望の用途に依存する。
【0248】
一部の実施形態において、圧縮の前、又はその代替として、乾燥混合物は顆粒化されて、複数の顆粒を形成する。顆粒化とは、例えば、粉末形態の個々の構成成分の粒子が接着するようになされて、顆粒と称される、大きく均一で複数の粒子実体を形成する、過程のことである。顆粒化は、製品がミリングされた非タバコボタニカル材料、ボタニカル抽出物又はある特定の着香剤を含む実施形態において、特に適切である。ミリングしたボタニカル材料及び抽出物、並びにある特定の着香剤は、これらの含水量及び/又は含油量が多いために、一緒に付着する傾向を有し、顆粒化の非存在下において非均一製品をもたらす恐れのある凝集塊を形成する。このような凝集は、適正な流動性の達成に困難さをもたらす恐れがあり、圧縮された(例えば、錠剤化)実施形態において特に望ましくないので、加工中、やはり望ましくない。顆粒化のための任意の適切な手段が利用されてもよい。例えば、顆粒化は、高せん断、低せん断、流動床、ロータ又は溶融顆粒化下で、造粒器において行われ得る。
【0249】
乾燥混合物は、液状結合剤又は結合剤溶液と混合(例えば、結合剤溶液を造粒器に噴霧することによる)し、顆粒化して、所望の粒径、例えば約100~約200ミクロンにすることができる。当分野において理解される通り、結合剤溶液は、乾燥粉末顆粒化混合物のより大きな顆粒への凝集を促す。顆粒化過程に使用される結合剤溶液は、適切な結合剤又は結合剤の組合せ物を含有する水性溶液又はアルコールベースの溶液のいずれかとすることができる。一部の実施形態において、結合剤は、本明細書の上に記載されているセルロースエーテルを含む。一部の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテルとポリビニルピロリドンとの組合せ物(combiniation)を含む。一部の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンの分子量は異なってもよく、文字「K」と後に続く数を参照することによって一般に指定される。例えば、一部の実施形態において、ポリビニルピロリドンは、K29/32又はK30であり、ポリビニルピロリドンが、それぞれ、平均分子量29,000~32,000又は30,000を有することを意味する。
【0250】
結合剤溶液は、通常、約3~約20パーセント(w/w)の固形成分含有量を有しており、適切な溶媒には、水及びエタノールが含まれる。顆粒化工程に使用される結合剤溶液の性質は、水性とすることができる。一部の実施形態において、結合剤溶液は、少なくとも1種の活性成分、少なくとも1種の着香剤又はこれらの組合せを含む。結合剤溶液、乾燥混合物又はこれらのどちらも、本明細書において議論されている添加剤のいずれか、例えば、塩、緩衝剤、非タバコボタニカル材料、甘味剤、加工助剤などを含めた他の添加剤を含有することができる。このような添加剤は、顆粒化前又はその後に添加されてもよい。
【0251】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、押出成形及び球形化、小球化、噴霧顆粒化、ブリケット化及び/又はローラ圧縮を含めた、様々な方法を使用して、ビーズ形態に調製され得る。通常、構成成分(例えば、溶解可能な充填剤、活性成分及び/又は着香剤及び湿潤剤)の混合物は、本明細書の上に記載されている通りに顆粒化されて、凝集物を形成する。理論に制約されることを望むことなく、組成物の最大で約20重量%の量の湿潤剤、例えばグリセリンを利用することは、組成物に所望の特性をもたらすこと、及び加工を容易にすることの両方に有利であると考えられる。通常、次に、凝集物は押出成形される。押出成形は、押出成形器、例えば、ネジ、シーブ、バスケット、ロール及びラム式押出成形器を使用して行われ、凝集物を適切なサイズにされた穴付きスクリーンに通して押出成形することができる。任意の適切な押出成形物の形状が、使用されてもよい。一部の実施形態において、凝集物は、ロッドに押出成形される。次に、押出成形物は、適切な時間(例えば、10分間)、適切な回転速度(例えば、1200RPM)において、スフェロナイザー(例えば、Caleva Process Solutions Ltd.又はLCI Corporationから入手可能なスフェロナイザー(マルメライザー)など)において加工される。例えば、球形化は、押出成形物の粒子を丸めるスピンニングフリクションプレートを使用して行われ得る。球形化の後に、組成物(composiiton)は、様々なサイズにされたビーズの形態で得られる。様々なサイズにされたビーズは、一連のスクリーンに通して加工されて、所望のサイズの範囲、例えば、直径が約700~約2000μmをもたらすことができる。
【0252】
ビーズ又は圧縮ペレット又は錠剤の形態の組成物は、任意選択の外側コーティングを含むことができ、このコーティングは、組成物の貯蔵安定性を改善する、並びに摩損度及び粉付けを低減することにより包装プロセスを改善する一助となり得る。したがって、一部の実施形態において、本方法は、ビーズ形態又は圧縮形態の組成物をコーティングするステップをさらに含む。コーティングは、通常、フィルム形成性ポリマー、例えば、セルロース系材料、任意選択の可塑剤、及び任意選択の着香剤、着色剤、塩、甘味剤又は本明細書において記載されているタイプの他の添加剤を含む。コーティング用組成物は、通常、性質が水性であり、当分野において公知の任意のペレット又は錠剤コーティング技法、例えばパンコーティングを使用して施用され得る。例となるフィルム形成性ポリマーには、セルロース系材料、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。例となる可塑剤には、モノステアリン酸グリセリル及びクエン酸トリエチルの水溶液又はエマルションが含まれる。追加の潜在的なコーティング剤には、食物グレードのシェラック、ワックス、例えばカルナウバ(carnuaba)ワックス、パラフィンワックス及びビーワックス、油、例えば、パーム油及びヒマワリ油、並びにこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、ビーズ、又は圧縮ペレット若しくは錠剤の形態の組成物は、本明細書の上に記載されている放出改変コーティングを含むことができる。
【0253】
パウチ製品を作製する方法
様々な製造装置(apparati)及び方法が、本明細書に記載されているパウチ製品を作製するために使用され得る。例えば、その全体が以前に参照により組み込まれているNovak、IIIらの米国公開第2012/0055493号は、無煙タバコ製品の製造における使用のために、管状に形成されるパウチ材料を提供するための装置及びプロセスに関する。パウチ材料の連続供給を供給するための装置を組み込む類似の装置(例えば、パウチ材料から連続的管状部材を形成するために、パウチ材料を連続的管形成単位に供給するように適合されているパウチ加工単位)を使用して、本明細書に記載されているパウチ製品を作り出すことができる。このようなパウチ材料の連続的管を形成するための代表的装置は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Boldriniらの米国特許出願公開第2010/0101588号に開示されている。装置は、連続的管状部材が細分され、密閉されて別個のパウチ部分になった場合、各パウチ部分が口腔用使用に適応した組成物の充填材料を含むように、パウチ材料を連続的管状部材に供給するための装置をさらに含む。充填剤材料を供給するための代表的な装置は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyの米国特許出願公開第2010/0018539号において開示されている。ある場合において、装置は連続的管状部材を個々のパウチ部分に細分するための細分単位を含んでもよく、個々のパウチ部分へと細分された際に各パウチ部分の末端の少なくとも1つを密閉するための密閉単位を含んでもよい。他の場合において、連続的管状部材は密閉単位により密閉されて、個々のパウチ部分となってもよく、よって、個々のパウチ部分が密閉された場合、直列に配置されたパウチ部分の密閉された末端の間で連続的管状部材を細分単位で細分することにより、連続的管状部材が別個の個々のパウチ部分へと細分されてもよい。さらに他の場合において、連続的管状部材の個々のパウチ部分の密閉(閉鎖)は、閉鎖及び分割単位を使用して、その細分化と実質的に同時に生じてもよい。低融点結合剤材料が使用される本開示のある特定の実施形態において、パウチ製品の継ぎ目の密閉に必要とされる温度は、従来の結合剤材料に伴う従来のプロセスに必要とされる温度より低くてもよいことが指摘されている。
【0254】
一部の実施形態において、本組成物は、粒状材料の形態(例えば、乾燥粉末として)のパウチ材料に導入される。乾燥粉末の実施形態において、乾燥粉末組成物のパウチ化は、空気浮遊細粉、ヒートシールナイフ上の粉末の溶融、及びパウチ上の焦げ跡などの欠点を伴うことが見出されている。本開示によれば、組成物の総重量に対して最大で約5重量%の量の湿潤剤、例えばプロピレングリコールを導入すると、粉付け、及びこのような粉付けに伴う問題を低減又は止めることができることが見出された。さらに、本開示によれば、ビーズ、又は圧縮ペレット若しくは錠剤の形態の組成物を導入することにより、このような問題がやはり回避されることが見出された。したがって、一部の実施形態において、本組成物は、ビーズの形態のパウチ材料に導入される。一部の実施形態において、本組成物は、1つ以上の圧縮錠剤又はペレットの形態のパウチ材料に導入される。
【0255】
前述の説明に提示された教示の利益を有する、本発明が付随する本発明の多くの変化形及び他の実施形態が、当業者により考案される。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるわけではなく、変化形及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図することを理解されたい。特定の用語が本明細書で利用されているが、これらは一般的及び説明的な観点のみで使用され、制限目的のためではない。
【実施例
【0256】
本発明の態様を、以下の実施例によって一層完全に例示し、この実施例は、本発明のある特定の態様を例示するために記載され、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0257】
実施例1.パウチ製品-ビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表2に提示されている配合物から調製した。実際の成分及び百分率は、最終製品の所望の特性に応じて異なり得る。
【0258】
液状フレーバーを微結晶性セルロースに吸収させて、一様になるまで混合した。次に、この吸収された着香剤を他の構成成分に加えた。これらの物質を混合し、次に、1.5mmのダイにより押出成形した。押出成形した物質をマルメライザーにおいて球形化し、形成したビーズを分級化して、約25~10メッシュ、例えば、約14メッシュサイズのサイズ範囲を有するビーズ混合物を得た。ビーズ状組成物(約500mg)を、ビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースパウチに封入した。
【0259】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。
【0260】
【表2】
【0261】
実施例2.パウチ製品-ビーズ状組成物
実施例1のビーズ状物質(500mg)並びにリヨセル、PHA及びPLAを含むフリースを使用して、本開示の実施形態によるパウチ製品を調製した。
【0262】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。
【0263】
実施例3.パウチ製品-ビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表3に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を実施例1にあるように混合し、1.5mmのダイにより押出成形した。押出成形した物質をマルメライザーにおいて球形化し、形成したビーズを分級化して、約25~10メッシュ、例えば、約14メッシュサイズのサイズ範囲を有するビーズ混合物を得た。ビーズ状組成物(約500mg)を、ビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースパウチに封入した。
【0264】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。
【0265】
【表3】
【0266】
実施例4.パウチ製品-ビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表4に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を実施例1にあるように混合し、1.5mmのダイにより押出成形した。押出成形した物質をマルメライザーにおいて球形化し、形成したビーズを分級化して、約25~10メッシュ、例えば、約14メッシュサイズのサイズ範囲を有するビーズ混合物を得た。ビーズ状組成物(約500mg)を、ビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースパウチに封入した。
【0267】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。
【0268】
【表4】
【0269】
実施例5.パウチ製品-ビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表5に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を実施例1にあるように混合し、次に、1.5mmのダイにより押出成形した。押出成形した物質をマルメライザーにおいて球形化し、形成したビーズを分級化して、約25~10メッシュ、例えば、約14メッシュサイズのサイズ範囲を有するビーズ混合物を得た。ビーズ状組成物(約500mg)を、ビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースパウチに封入した。
【0270】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。
【0271】
【表5】
【0272】
実施例6.パウチ製品-コーティングされたビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、実施例5のビーズ状物質を使用して調製した。融解したパーム油(4.8重量%)をビーズ状物質に加え、手で混合してビーズ状物質をコーティングした。コーティングした物質を使用して、約500mgのビーズ状物質並びにビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースを含むパウチ口腔用製品を形成した。
【0273】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの段階的放出及び内部含有物の溶解をもたらすことが見出された。内容物の溶解後、パウチの厚さが低下し、製品完成を示した。コーティング材料を用いて作製したパウチは、実施例5のビーズを用いて作製したパウチ材料に比べると、ニコチン放出が遅延したことが見出された。
【0274】
実施例7.パウチ製品-粉末組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表6に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、組成物を形成した。約500mgの組成物をフリースパウチに封入し、パウチ製品を形成した。使用時において、パウチ内物質を溶解し、フリースが後に残った。
【0275】
【表6】
【0276】
実施例8.パウチ製品-粉末組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表7に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、組成物を形成した。約500mgの組成物をフリースパウチに封入し、パウチ製品を形成した。使用時において、パウチ内物質を溶解し、フリースが後に残った。
【0277】
【表7】
【0278】
実施例9.パウチ製品-粉末組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表8に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、組成物を形成した。約500mgの組成物をフリースパウチに封入し、パウチ製品を形成した。使用時において、パウチ内物質を溶解し、フリースが後に残った。
【0279】
【表8】
【0280】
実施例10.パウチ製品-粉末組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表9に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、組成物を形成した。約500mgの組成物をフリースパウチに封入し、パウチ製品を形成した。使用時において、パウチ内物質を溶解し、フリースが後に残った。
【0281】
【表9】
【0282】
実施例11.パウチ製品-粉末組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表10に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、組成物を形成した。約500mgの組成物をフリースパウチに封入し、パウチ製品を形成した。使用時において、パウチ内物質を溶解し、フリースが後に残った。
【0283】
【表10】
【0284】
実施例12.パウチ製品-エラストマー構成成分を含むビーズ状組成物
本開示の実施形態によるパウチ製品は、表11に提示されている配合物を使用して調製した。これらの物質を混合し、次に、1.5mmのダイにより押出成形した。押出成形した物質をマルメライザーにおいて球形化し、形成したビーズを分級化して、約25~10メッシュ、例えば、約14メッシュサイズのサイズ範囲を有するビーズ混合物を得た。ビーズ状組成物(約400mg)を、ビスコース及びアクリレート結合剤とのビスコースポリエステルブレンドを含むフリースパウチに封入した。
【0285】
パウチ口腔用製品は、ニコチンの放出及び内部含有物の部分溶解(ほぼ50重量%以上)をもたらすことが見出された。このパウチは、チューイングガム様特性を示した。
【0286】
【表11】
図1
図2
図3
【国際調査報告】