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特表2024-523395血流を増加させるように構成された血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリ
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  • 特表-血流を増加させるように構成された血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】血流を増加させるように構成された血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/174 20210101AFI20240621BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20240621BHJP
   A61M 60/416 20210101ALI20240621BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20240621BHJP
   A61M 60/81 20210101ALI20240621BHJP
【FI】
A61M60/174
A61M60/237
A61M60/416
A61M60/804
A61M60/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577865
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022035515
(87)【国際公開番号】W WO2023278570
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/217,575
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーベット,スコット,シー.
(72)【発明者】
【氏名】チー,ゾンウェイ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077CC03
4C077CC05
4C077DD10
4C077DD19
4C077DD21
(57)【要約】
心臓ポンプアセンブリへの血流を増加させるように構成された血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリが本明細書に開示される。心臓ポンプアセンブリは、モータハウジングと、モータハウジングに接続されたカニューレと、カニューレに接続された血液入口部とを含む。血液入口部は、遠位本体部分と、近位本体部分であって、その中に入口部導管を画定する近位本体部分と、遠位本体部分と近位本体部分との間に画定及び配置された複数のケージ開口部とを有する。入口部導管は、テーパ状部分、錐台形部分又はテーパ状部分及び錐台形部分の両方の1つを有すると共に、血液入口部における乱流を減少させ、及び心臓ポンプへの血流を増加させるように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓ポンプアセンブリであって、
モータハウジングであって、その中にインペラ及びモータを含むモータハウジングと、
前記モータハウジングに接続されたカニューレと、
前記カニューレに接続された血液入口部であって、遠位本体部分と、近位本体部分と、前記遠位本体部分と前記近位本体部分との間に画定及び配置された複数のケージ開口部とを有し、前記近位本体部分は、その中に入口部導管を画定する、血液入口部と
を含み、前記入口部導管は、前記血液入口部における乱流を減少させ、及び前記心臓ポンプアセンブリへの血流を増加させるように適合されている、テーパ状部分、錐台形部分又はテーパ状部分及び錐台形部分の両方の1つを有する、心臓ポンプアセンブリ。
【請求項2】
患者の心臓内に配置されたとき、前記心臓ポンプアセンブリを安定させるために前記血液入口部の前記遠位本体部分から延びる非外傷性先端部を更に含む、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項3】
複数の血液排出出口のそれぞれは、血液が前記心臓ポンプアセンブリから出るために前記モータハウジングに隣接して又は前記モータハウジング上に位置する、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記血液入口部の前記遠位本体部分は、前記非外傷性先端部を前記血液入口部に接続するためのコネクタを含む、請求項2に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記血液入口部の前記近位本体部分の前記入口部導管は、前記近位本体部分の第1の開放端と、前記近位本体部分の第2の開放端との間に延びる、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記入口部導管は、前記第1の開放端において、前記第2の開放端における第2の内径よりも小さい第1の内径を有する、請求項5に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項7】
前記複数のケージ開口部は、前記複数のケージ開口部のそれぞれの間に等間隔距離を有して前記血液入口部の周囲の周りで半径方向に方向付けられる、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項8】
前記複数のケージ開口部のそれぞれは、長手方向軸に平行に測定された関連する高さ、前記長手方向軸に対して横断方向に測定された幅及び面積を有する、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項9】
前記複数のケージ開口部のそれぞれは、大きさ及び形状の両方において実質的に同一である、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のケージ開口部のそれぞれは、平坦な遠位及び近位縁部と、湾曲した外縁部とを有する弓形状を有する、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項11】
前記複数のケージ開口部のそれぞれの前記遠位縁部及び前記近位縁部は、前記血液入口部の前記遠位本体部分の一部分及び前記近位本体部分の一部分によって画定される、請求項10に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項12】
前記血液入口部は、前記血液入口部の前記遠位本体部分及び近位本体部分に接続される複数の支柱を更に含む、請求項11に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のケージ開口部のそれぞれの前記外縁部は、前記複数のケージ開口部のそれぞれが前記複数の支柱によって分離されるように前記複数の支柱によって画定される、請求項12に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の支柱のそれぞれは、前記血液入口部の曲線形状の遠位本体部分及びテーパ状の近位本体部分である前記テーパ状部分への滑らかな移行を提供して、前記血液入口部が患者の体内に挿入されるときに吸収される力を減少させるために、外向きに弓形であるか又は湾曲している、請求項13に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項15】
前記血液入口部は、前記血液入口部の前記近位本体部分の外面上に画定されたカットオフ部を更に含む、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項16】
バーブは、前記血液入口部への前記カニューレの確実な接続を提供するために、前記血液入口部の前記近位本体部分の外面上に画定される、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項17】
前記血液入口部、カニューレ、モータハウジング及び非外傷性先端部は、全て接続され、及び全て互いに流体連通する、請求項2に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項18】
前記複数のケージ開口部のそれぞれは、長円形、楕円形、正方形、涙形又は円形である、請求項1に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【請求項19】
各ケージ開口部の前記遠位縁部及び前記近位縁部は、フィレット加工される、請求項11に記載の心臓ポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月1日に出願された米国仮特許出願第63/217,575号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、心臓ポンプアセンブリに関し、より具体的には、心臓ポンプアセンブリへの血流を増加させるための血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
経皮的心内心臓ポンプアセンブリなどの心臓ポンプは、心臓から動脈に血液を送るために心臓に挿入され得る。心臓内に留置されると、心臓ポンプアセンブリは、心臓の左心室から血液を引き出して血液を大動脈に排出するか、又は右心室から血液を引き出して血液を肺動脈に排出する。具体的には、血液は、心臓ポンプアセンブリの遠位端に位置する血液入口部を通して心臓ポンプアセンブリに入り、心臓ポンプアセンブリのカニューレを通して移動し、心臓ポンプアセンブリの近位端に画定される複数のアパーチャを通して排出される。しかしながら、心臓ポンプアセンブリの現在利用可能な血液入口部の設計は、血液入口部の進入口(又は入口)で大きい血流再循環を生じさせ、それにより心臓ポンプアセンブリへの血流を減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、進入口における大きい血液再循環を防止して心臓ポンプアセンブリへの血流を最大にする、心臓ポンプアセンブリで使用される血液入口部が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本明細書に記載されるのは、血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリである。心臓ポンプアセンブリは、モータハウジングと、モータハウジングに接続されたカニューレと、カニューレに接続された血液入口部とを含む。血液入口部は、遠位本体部分と、近位本体部分であって、その中に入口部導管を画定する近位本体部分と、遠位本体部分と近位本体部分との間に画定及び配置された複数のケージ開口部とを有する。入口部導管は、テーパ状部分、錐台形部分又はテーパ状部分及び錐台形部分の両方の1つを有すると共に、血液入口部における乱流を減少させ、及び心臓ポンプへの血流を増加させるように適合される。
【0006】
本発明のこれら及び他の態様は、図面及び以下の詳細な説明に鑑みてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
図1】本発明の一実施形態による心臓ポンプアセンブリの斜視図である。
図2図1の心臓ポンプアセンブリの血液入口部の側面斜視図である。
図3】線3-3に沿った図2の血液入口部の側断面図である。
図4】心臓ポンプアセンブリの例示的な先行技術の血液入口部の側断面図である。
図5図4の血液入口部の進入口(又は入口)における血流再循環を示す。
図6図2の血液入口部の進入口(又は入口)における血流再循環を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本開示の実施形態を、同様の参照番号が同様又は同一の要素を示す図面を参照して詳細に説明する。開示される実施形態は、本開示の例に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能又は構造は、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために詳細に説明しない。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定として解釈されるものではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び当業者が本開示を事実上あらゆる適切な詳細な構造に様々に用いるために教示するための代表的な基礎として解釈されるものである。
【0009】
心臓ポンプアセンブリは、大動脈を通して心臓に経皮的に挿入され得る。血液入口部は、左心室から血液を引き出して血液を大動脈に排出するために、左心室の大動脈弁を越えて配置され得る。非外傷性先端部によって心臓ポンプアセンブリを心臓壁から離隔するが、いくつかの例では、血液入口部は、心臓の壁又は僧帽弁の弁尖などの様々な心臓構造に近接して配置され得る。本明細書に記載される心臓ポンプアセンブリは、改良された血液入口部を有する心臓ポンプアセンブリを提供する。血液入口部は、以下で詳細に説明するように、血液入口部の進入口におけるブロー流抵抗及び血流再循環を防止又は低減するように構成及び設計され、それにより心臓ポンプアセンブリへの血流を増加させる。
【0010】
図1は、本技術による改良された血液入口部12を含む心臓ポンプ10アセンブリを示す。心臓ポンプアセンブリ10は、モータハウジング14と、カニューレ16と、心臓ポンプアセンブリ10を心臓の心室内で安定させるための非外傷性先端部18とを含む。心臓ポンプアセンブリ10は、様々に変化させることができる。例えば、本明細書の図1の実施形態は、モータハウジングを排除し得る。代わりに、モータは、患者の体外に配置されるように構成することができ、駆動シャフト又はケーブルを介してロータに動作的に結合することができる。
【0011】
モータハウジング14は、その内部にインペラ(図示せず)及びモータ(図示せず)を収容するように構成される。モータを使用し、インペラを回転させて、心臓から心臓ポンプアセンブリ10に血液を引き込む。具体的には、インペラの羽根の回転により、血液を心臓ポンプアセンブリ10に流入させるための吸引力をカニューレ16内に生じさせる。血液は、カニューレ16に入り、カニューレ16を通して移動し、モータハウジング14に隣接して又はモータハウジング14上に画定される複数の血液排出出口20から心臓ポンプアセンブリ10を出る。
【0012】
図1を再度参照すると、カニューレ16は、近位端22と遠位端24との間に延びる。カニューレ16の遠位端24において、カニューレ16と血液入口部12とは、接続され、互いに流体連通する。カニューレ16は、その近位端22でモータハウジング14にも接続される。血液入口部12は、非外傷性先端部18にも接続される。したがって、血液入口部12と、カニューレ16と、モータハウジング14と、非外傷性先端部18とは、全て接続され、及び全て互いに流体連通する。
【0013】
図2及び図3を参照すると、血液入口部12は、遠位端28と近位端30との間に延び、遠位本体部分32と、近位本体部分34と、遠位本体部分32と近位本体部分34との間に画定及び配置された複数のケージ開口部36とを含む。血液入口部12の遠位本体部分32は、非外傷性先端部18(図1に示される)を血液入口部12にその遠位端28で接続するためのコネクタ38を含む。
【0014】
非外傷性先端部18は、図1に示されるように、ピグテールを有する可撓性延長部として形成され得る。代わりに、非外傷性先端部18は、直線延長部又は球体として構成される。非外傷性先端部18は、非外傷性先端部18にガイドワイヤを通すためのルーメンも含み得る。非外傷性先端部18は、血液入口部12の複数のケージ開口部36と心臓の内面との間にスペースを設ける機械的なスペーサとして機能する。このスペースにより、複数のケージ開口部36が心臓の壁、心臓弁(例えば、僧帽弁)又は心臓の任意の他の解剖学的構造を吸い込むことを防止する。これにより、複数のケージ開口部36の閉塞のリスクを低下させることができ、心臓組織の損傷を低減又は防止する可能性がある。
【0015】
近位本体部分34は、その内部において、引き込まれた血液が入口部導管40を通してカニューレ16に移動するための入口部導管40を画定する。血液入口部12の近位本体部分34の入口部導管40は、近位本体部分34の第1の開放端42と、近位本体部分34の第2の開放端44との間に延びる。図3に示されるように、入口部導管40は、錐台形である。したがって、入口部導管40は、第1の開放端42において、第2の開放端44における第2の内径よりも小さい第1の内径を有する。テーパ状の入口部導管40を有する血液入口部12は、血液が心臓ポンプアセンブリ10(図1に示される)に進入する際、血液入口部12の近位本体部分34の入口における血液の流動抵抗を減少させ、それにより血流を増加させる。第1の開放端42における第1の内径及び第2の開放端44における第2の内径は、それぞれ約3.5cm及び4.1cmである。
【0016】
図2及び図3を再度参照すると、複数のケージ開口部36は、複数のケージ開口部36のそれぞれの間に等間隔距離を有して血液入口部12の周囲の周りで半径方向に方向付けられる。複数のケージ開口部36のそれぞれは、長手方向軸37に平行に測定された関連する高さ、長手方向軸37に対して横断方向に測定された幅及び面積を有する。例えば、各ケージ開口部36は、高さ、幅及び面積を有し、血液は、この面積を通して入り、血液入口部12の入口からカニューレ16(図1に示される)を通して流れ得る。一実施形態では、複数のケージ開口部36のそれぞれは、ケージ開口部36が実質的に同一でもあるように、同一の測定値(例えば、高さ、幅及び面積)を有する。
【0017】
図示の実施形態では、複数のケージ開口部36のそれぞれは、平坦な遠位縁部46及び近位縁部48と、湾曲した外縁部50とを有する形状を有する。複数のケージ開口部36は、血液がカニューレ16に入ることを可能にするための任意の適切な形状を有し得る。例えば、複数のケージ開口部36は、長円形、楕円形、正方形、涙形、円形又は任意の他の適切な形状であり得る。
【0018】
複数のケージ開口部36のいくつか、即ち心臓ポンプアセンブリ10に吸い込まれる弁尖又は解剖学的構造の他の部分により、血液がカニューレ16に進入することができる面積が減少し、それにより心臓ポンプアセンブリ10を通る血液の流量が減少する可能性がある。複数のケージ開口部36は、大きさが比較的小さいため、入口部でケージ開口部36が心臓ポンプアセンブリ10に弁尖を進入させる可能性は低く、カニューレ16の内部が血液の通過のために詰まりがない状態であることを可能にする。
【0019】
複数のケージ開口部36のそれぞれは、縁部によって画定される。具体的には、図2及び図3に示されるように、各ケージ開口部36の遠位縁部46及び近位縁部48は、遠位本体部分32の一部分及び血液入口部12の近位本体部分34の一部分によってそれぞれ画定される。更に、複数のケージ開口部36のそれぞれの外縁部50は、複数のケージ開口部36のそれぞれが複数の支柱52によって分離されるように、血液入口部12に含まれる複数の支柱52によって画定される。一実施形態では、遠位縁部46及び近位縁部48は、フィレット加工される。別の実施形態では、複数の支柱52は、フィレット加工される。更に別の実施形態では、遠位縁部46、近位縁部48及び複数の支柱52の全てがフィレット加工される。
【0020】
図2及び図3に示されるように、複数の支柱52は、血液入口部12の遠位本体部分32及び近位本体部分34に接続される。図示の実施形態では、複数の支柱52は、外向きに弓形であるか又は湾曲している。これらの弓形の又は湾曲した支柱52は、血液入口部12の曲線形状の遠位本体部分32及びテーパ状の近位本体部分34への滑らかな移行を提供して、血液入口部12が患者の体内に挿入されるときに吸収される力を減少させる。複数の支柱52は、複数のケージ開口部36に弁尖及び他の血管又は心臓組織を吸い込むことを防止するためのスクリーンとして機能することができる。
【0021】
図2を再度参照すると、血液入口部12は、血液入口部12の近位本体部分34の外面上に画定されたカットオフ部54を更に含む。カットオフ部54は、センサ(図示せず)をその上に取り付け、固定するための場所を提供する。更に、バーブ56は、厳密な接続を提供し、カニューレ16を血液入口部12に固定するために、血液入口部12の近位本体部分34の外面上に画定される。
【0022】
心臓ポンプアセンブリ10は、強度、重量、剛性などを含む、所望の用途に適した特性を有する1つ以上の材料で作られる。血液入口部12、非外傷性先端部18及びモータハウジング14にはプラスチック(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)が好ましい。
【0023】
図4は、心臓ポンプアセンブリの例示的な先行技術の血液入口部102の側断面図である。先行技術の血液入口部102は、本明細書に記載される血液入口部12の支柱52のように曲げられるのではなく、直線の複数の支柱104を有する。先行技術の血液入口部102の設計は、図5の位置106に示されるように、血液入口部102の進入口(入口)103に大きい血流再循環を生じさせる。したがって、先行技術の血液入口部102の進入口における血流は、血液入口部102から入口103への移行によって引き起こされるいくらかの乱流(参照番号106として示される)を有する。上述したように、図示の実施形態における心臓ポンプアセンブリ10の血液入口部12の設計及び構造は、先行技術の血液入口部102の進入口で発生する血流再循環を効果的に低減し、それにより血液入口部12の入口部導管40により層状の血流を提供する。具体的には、血液入口部12のテーパ状の輪郭及び錐台形の入口部導管40を有する血液入口部12の改良された設計により、血液入口部12及び入口部導管40における乱流を効果的に低減し、それにより心臓ポンプアセンブリ10への血流を増加させる。心臓ポンプアセンブリ10の血液入口部12の進入口におけるこの層流は、図6の位置58に示される。
【0024】
一態様では、本明細書に記載されるのは、モータハウジングであって、その中にインペラ及びモータを含むモータハウジングを有する心臓ポンプアセンブリである。モータハウジングに接続されたカニューレと、カニューレに接続された血液入口部であって、遠位本体部分と、近位本体部分と、遠位本体部分と近位本体部分との間に画定及び配置された複数のケージ開口部とを有し、近位本体部分は、その中に入口部導管を画定する、血液入口部とがある。入口部導管は、血液入口部における乱流を減少させ、及び心臓ポンプへの血流を増加させるように適合されている、テーパ状部分、錐台形部分又はテーパ状部分及び錐台形部分の両方の1つを有する。
【0025】
更なる態様では、心臓ポンプアセンブリは、患者の心臓内に配置されたとき、心臓ポンプアセンブリを安定させるために血液入口部の遠位本体部分から延びる非外傷性先端部を有する。更なる態様では、複数の血液排出出口は、血液が心臓ポンプアセンブリから出るためにモータハウジングに隣接するか又はモータハウジング上にあり得る。更に別の態様では、血液入口部の遠位本体部分は、非外傷性先端部を血液入口部に接続するためのコネクタを含む。上記態様のいずれにおいても、血液入口部の近位本体部分の入口部導管は、近位本体部分の第1の開放端と、近位本体部分の第2の開放端との間に延び得る。上記態様のいずれにおいても、入口部導管は、第1の開放端において、第2の開放端における第2の内径よりも小さい第1の内径を有する。上記態様のいずれにおいても、複数のケージ開口部は、複数のケージ開口部のそれぞれの間に等間隔距離を有して血液入口部の周囲の周りで半径方向に方向付けられ得る。上記態様のいずれにおいても、複数のケージ開口部のそれぞれは、長手方向軸に平行に測定された関連する高さ、長手方向軸に対して横断方向に測定された幅及び面積を有する。上記態様のいずれにおいても、複数のケージ開口部は、大きさ及び形状の両方において実質的に同一であり得る。上記態様では、複数のケージ開口部のそれぞれは、平坦な遠位及び近位縁部と、湾曲した外縁部とを有する弓形状を有し得る。
【0026】
上記態様では、複数のケージ開口部のそれぞれの遠位縁部及び近位縁部は、血液入口部の遠位本体部分の一部分及び近位本体部分の一部分によって画定され得る。更なる態様では、血液入口部は、血液入口部の遠位本体部分及び近位本体部分に接続される複数の支柱を更に含む。複数のケージ開口部のそれぞれの外縁部は、複数のケージ開口部のそれぞれが複数の支柱によって分離され得るように複数の支柱によって画定され得る。複数の支柱は、血液入口部の曲線形状の遠位本体部分及びテーパ状の近位本体部分への滑らかな移行を提供して、血液入口部が患者の体内に挿入されるときに吸収される力を減少させるために、外向きに弓形であるか又は湾曲し得る。
【0027】
上記態様のいずれにおいても、血液入口部は、血液入口部の近位本体部分の外面上に画定されたカットオフ部を更に含み得る。上記態様のいずれにおいても、バーブは、血液入口部へのカニューレの確実な接続を提供するために、血液入口部の近位本体部分の外面上に画定される。上記態様では、血液入口部と、カニューレと、モータハウジングと、非外傷性先端部とは、全て接続され得、及び全て互いに流体連通する。
【0028】
上記態様のいずれにおいても、複数のケージ開口部は、長円形、楕円形、正方形、涙形又は円形であり得る。これらの態様では、各ケージ開口部の遠位縁部及び近位縁部は、フィレット加工され得る。
【0029】
上記から及び様々な図面を参照して、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対する特定の修正形態もなされ得ることを理解するであろう。本開示のいくつかの実施形態は、図面に示されているが、本開示がそれに限定されることを意図するものではなく、本開示は、当技術分野が許容する広い範囲であること及び本明細書も同様に読まれることが意図される。したがって、上記は、限定として解釈されるべきではなく、単なる特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付する特許請求の範囲及び趣旨の範囲内の他の修正形態を想到するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】