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特表2024-523426風力ブレードを製造するための方法及び上記方法で製造された風力ブレード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】風力ブレードを製造するための方法及び上記方法で製造された風力ブレード
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/00 20160101AFI20240621BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F03D13/00
F03D1/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578081
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2022056231
(87)【国際公開番号】W WO2023281407
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021000017771
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523474128
【氏名又は名称】ブレードワークス・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ・デットーレ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178BB75
3H178CC04
3H178DD67Z
(57)【要約】
風力タービンのブレードを製造するための方法であって、ブレード(1)は、所与の軸線(A)に沿って延在し、少なくとも2つの方向、特に材料の繊維に従って配置された単繊維を含む複合材料で作られ、方法は、
材料の繊維の複数のシート(101)を第1の金型(100)に敷設するステップと、
予め敷設された繊維材料の複数のシート(101)の上に、好ましくは剛性の第2の金型(102)を敷設するステップと、
繊維材料のシート(101)を第2の金型(102)上に敷設するステップと、
第1の金型(100)と第3の金型(130)との間に少なくとも1つの閉鎖容積(200)を形成するために、第1の金型(100)上に第3の金型(130)を敷設するステップであって、その内部に敷設された繊維の複数のシート(101)及び第2の金型(102)が収容される、ステップと、
を含み、
方法は、樹脂を含む流体材料、好ましくは液体を注入して繊維材料の複数のシート(101)に含浸させるステップと、
このように形成されたブレード(1)の外側から第1の金型(100)及び第3の金型(130)を取り外すステップと、ブレード(100)のキャビティを介してブレード(1)の内側から第2の金型(102)を取り外すステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンの風力ブレードを製造するための方法であって、
前記ブレード(1)は、所与の軸線(A)に沿って前記ブレード(1)の根元部(2)から先端部(3)まで延在し、前記ブレードは、少なくとも2つの方向に従って配置された単繊維を含む複合材料を含み、特に前記複合材料は、材料の繊維を含み、
前記方法は、
-好ましくは外側の第1の金型(100)に、材料、好ましくはガラス及び/または炭素の繊維の複数のシート(101)を敷設するステップであって、特に、前記第1の金型(100)は、中央部(100a)及び2つの側部(100b,100c)を含み、好ましくは、前記ステップは、繊維シート(101)の中央部(101a)が敷設され、繊維シート(101)の側部(101b,101c)が敷設されるように、複数の前記シート(101)の一部を前記第1の金型(100)の前記中央部(100a)に敷設し、複数の前記シート(101)のさらなる部分を前記第1の金型(100)の前記側部(100b,100c)に敷設するステップを含む、ステップと、
-事前に敷設された繊維材料の複数の前記シート(101)の一部に第2の剛性金型(102)を敷設するステップであって、特に、前記第2の金型(102)は、前のステップで敷設された複数の前記繊維シート(101)の前記中央部(101a)上及び前記金型(100)の前記中央部(100a)に敷設され、特に、前記第2の金型(102)の外面(102a)は剛性である、ステップと、
-特に前記第2の金型(102)上で繊維の前記シート(101)の前記側部(101b,101c)を折り畳むことによって、前記第2の金型(102)上に繊維材料、好ましくはガラス及び/または炭素のシート(101)、及び/または前記第1の金型(100)上に敷設され、前記第1の金型(100)の寸法を超える繊維の前記シート(101)の側部(101b,101c)を敷設するステップと、
-前記第1の金型(100)と第3の金型(130)との間に、繊維の複数の敷設された前記シート(101)及び前記第2の金型(102)が収容される少なくとも1つの閉鎖容積(200)を形成するために、好ましくは外側の前記第3の金型(130)を前記第1の金型(100)に敷設するステップであって、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記少なくとも1つは、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記少なくとも1つの外側を前記閉鎖容積(200)に接続するチャネル(300)を備え、それにより樹脂を含む流体材料、好ましくは液体を前記閉鎖容積(200)に注入することができ、特に、前記第3の金型(130)は、中央部(100a)及び2つの側部(100b,100c)を備え、特に、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に少なくとも前記閉鎖容積(200)を形成するために、前記第3の金型(130)の前記側部(100b,100c)を前記第1の金型(100)の前記側部(100b,100c)に敷設する、ステップと、
を含み、
前記方法は、
-樹脂を含む前記流体材料、好ましくは液体を注入して、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記閉鎖容積(200)内に収容された繊維材料、好ましくはガラスまたは炭素の複数の前記シート(101)を含浸させて前記ブレード(1)を形成するステップと、
-好ましくは、注入された前記流体を硬化させるステップと、
-このように形成された前記ブレード(1)の外側から前記第1の金型(100)及び前記第3の金型(130)を取り外し、前記ブレード(1)のキャビティ(5)を通って前記ブレード(100)の内側から前記第2の金型(102)を取り外すステップと、を含み、
-好ましくは、前記ブレード(1)は、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記閉鎖容積(200)の内側の単一部品で作られる、方法。
【請求項2】
前記流体注入ステップが、前記ブレード部品(1)の、特にすべての前記ブレード部品(1)の、互いに対する接着を決定し、好ましくは、すべての前記ブレード部品(1)の、互いに対する前記接着は、様々な前記部品の接着を決定する樹脂を含む前記流体注入ステップ中にのみ起こり、好ましくは、前記ブレード部品(1)の、互いに対する他の結合ステップは起こらない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入ステップが、製造された前記ブレード(1)それぞれに対して単回である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記金型のうちの少なくとも1つを加熱するステップ、好ましくは前記第1の金型(100)、前記第3の金型(130)、及び前記第2の金型(102)のうちの1以上を加熱するステップを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記流体材料が、室温で注入され、及び/または予熱される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の金型(100)、前記第2の金型(102)、及び前記第3の金型(130)の少なくとも1つが、前記金型用の加熱システムを備え、
前記加熱システムは、好ましくは、前記金型の本体に埋め込まれ、前記金型を所望の温度に加熱するように構成された加熱要素を備え、特に、前記本体に埋め込まれた前記加熱要素は、10度~100度の間の温度を有する流体が通過するように構成されたダクトと、電流が通過し、ジュール効果によって加熱されるように構成された導電体と、からなるグループから選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレード構造(1)の剛性を高めるために、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料、コア材料、好ましくは炭素繊維で作られた予め作製された要素、引抜きされた要素を含むコア要素(15)、後部要素(13)、及び/または後壁(40)のうちの1以上を繊維材料の前記シート(101)の間に敷設するステップであって、特に、前記注入ステップ中の前記要素のうちの1以上は、前記複合材料に埋め込まれ、特に、材料の前記繊維シート(101)及び前記樹脂を含む前記流体材料によってすべての側面が覆われる、ステップを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1及び第3の金型(100,130)の間の、好ましくは気密封止された前記閉鎖容積(200)が、導管(400)及びチャネル(300)を介して外部と連通しており、前記チャネル(300)を介して樹脂を含む前記流体材料が注入されて前記材料の前記繊維に含浸され、
前記第1の金型及び前記第3の金型(100,130)の少なくとも一方は、前記側部(100b,100c,130b,130c)の少なくとも1つに沿って作られた複数の前記チャネル(300)を備え、
前記チャネル(300)は、前記導管(400)と連通し、前記導管(400)によって供給され、
前記方法は、前記導管(400)及び前記チャネル(300)を介して樹脂を含む前記流体材料を前記材料繊維に含浸させるステップを含み、
好ましくは、前記導管(400)の数に対する前記チャネル(300)の数の比率は、10から100の範囲内、好ましくは20、30、40、50、60のk値に等しく、
好ましくは、前記内側金型(102)の外面(102a)に沿って、さらなる導管によって供給される複数のさらなるチャネルが形成され、
好ましくは、前記外側金型(100,130)は、前記内側金型(102)の前記さらなる導管が前記外側金型(100,130)の外側の前記閉鎖容積(200)から通過する密閉通路を備え、
好ましくは、前記方法は、好ましくは真空シールバッグを使用せずに、前記液体材料を前記さらなるチャネル及び前記さらなる導管を通して材料の前記繊維シート(101)に注入するステップを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
所定のスタック順序に従って、複数の前記繊維シート(101)の材料の前記シートそれぞれを前記第1、第2、及び第3の金型(100,130,102)の少なくとも1つに敷設するステップを含み、
コンピュータプロセッサが、前記金型(100,130,102)それぞれの前記スタック順序及び/または形状及びサイズ、並びに/あるいは製造される前記ブレードそれぞれのコア要素(15)、コア材料、予め作製された要素、引抜きされた要素、後部要素(13)、及び/または後壁(40)のうちの1以上の形状及びサイズを画定するように構成される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ブレード(1)が前記キャビティ(5)を備え、
前記根元部(3)が前記キャビティ(5)の開口部を備え、前記根元部(3)の前記開口部は、特定の直径及び/または特定の最小サイズを有し、前記第2の金型(102)それぞれは、前記ブレード(1)の前記根元部(2)に形成された前記開口部の前記直径及び/または最小寸法よりも小さい、前記第2の金型(102)それぞれの長さに対して特に垂直な最大横方向寸法を含み、特に、前記根元部(2)を通る前記開口部は、前記ブレード(1)の前記内側を前記ブレード(1)の前記外側に接続し、前記方法は、前記ブレード(1)が形成された後に、前記ブレード(1)の前記キャビティを通して前記第2の金型(102)を抽出するステップを含み、好ましくは、前記第2の金型(102)の数は、1よりも多い、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ブレードキャビティ(1)の前記開口部に位置する前記ブレード(1)の前記根元部(2)の中空表面に沿って、前記軸線(A)に対して半径方向の孔及び前記軸線(A)に平行な孔を穿孔するステップであって、好ましくは、前記半径方向孔は、前記ブレード(1)の前記根元部と風力タービンのハブとの間に締結具を収容するように構成される、ステップを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に前記閉鎖容積(200)を形成するために、好ましくはネオプレン及び/またはブチルゴムを含む封止要素を含む封止要素を前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に敷設するステップ、特に、前記第1の金型(100)の前記側部(100a,100c)と前記第3の金型(130)の前記側部(130a,130c)との間に配置されるように前記封止要素を敷設するステップであって、特に、前記第1の金型(100)の前記側部(100a,100c)と一方側で接触し、前記第3の金型(130)の前記側部(130a,130c)と他方側で接触し、前記介在封止要素を有する前記側部(100b,130b,100c,130c)は、前記第1の金型と前記第3の金型(100,130)との間の前記閉鎖容積(200)内の気密シールを保証する閉鎖部を画定する、ステップを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
真空シールバッグを使用せずに前記閉鎖容積(200)内に真空を生成するステップを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
特に、前記第2の金型(102)の外面(102)に圧力が加えられたときに、前記第2の金型(102)の容積及び/または形状、好ましくは外側が変化しないように、前記第2の金型(102)が剛性であり、
特に、好ましくは2バール未満、特に1バールから2バール、特に1.01バールから2バールの範囲の圧力が前記第2の金型(102)の前記外面に加えられると、横断面は、特に前記圧力が作用する方向に、好ましくは5mm未満、特に2mm未満、好ましくは1mm未満、特に0.5mm未満の最大移動を有し、特に、前記第2の金型(102)は弾性的に変形可能ではない、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法によって製造された風力タービン用の風力ブレード。
【請求項16】
先端部(3)及び根元部(2)を備え、前記根元部(2)から前記先端部(3)まで軸線(A)に沿って延在する、風力タービン用の風力ブレードであって、
前記ブレード(1)は、複合材料で作られた単一の構造を含み、前記複合材料は、複数の繊維(101)の材料と、樹脂を含む硬化した流体材料とを含み、
前記硬化した流体材料は、単一の一体の本体を画定するように前記単一の構造を作るように、単回注入ステップで複数の前記材料繊維に注入されている、風力ブレード。
【請求項17】
前記要素、すなわち、1以上のコア要素(15)、1以上のコア材料、1以上の予め作製された要素、引抜きされた要素、後部要素(13)、後壁(40)、及び1以上のウェブ(6)のうちの1以上を備え、
前記要素のうちの前記1以上は、前記複合材料に埋め込まれ、その中に埋め込まれ、特に、前記要素のうちの前記1以上は、少なくとも1つの繊維シート及び樹脂を含む前記硬化した流体材料によってすべての側面が囲まれており、
好ましくは、前記要素のうちの前記1以上は多孔質材料であり、樹脂を含む前記硬化した流体材料で含浸されている、請求項16に記載の風力ブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年7月6日に出願されたイタリア特許出願第102021000017771号に関連し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、風力ブレードを製造するための方法及び上記方法で製造された風力ブレードに関する。
【背景技術】
【0003】
風力タービンのブレードは、一般に、ブレードをハブに接続するための根元部と、根元部に接続された支持フレームと、ブレードの翼プロファイルを画定し、支持フレームによって支持される筐体と、を備える。
【0004】
風力タービンのブレードは、非常に長いものになり、動作中に風による大きな応力下に置かれる。応力は、筐体から、応力に抵抗するように構成された支持フレームに伝達される。
【0005】
特許文献1及び特許文献2に示されているように、支持フレームは、基本的に、断面が長方形の形状を有する管状スパーを備える。より詳細には、管状スパーは、互いに対向し、筐体に接続されるように設計された2つの平行なスラブと、互いに対向する2つの平行なウェブと、を備える。使用時に、スラブは筐体と直接接触しているか、場合によっては、スラブ自体が筐体及びブレードプロファイルの一部を形成し、曲げモーメントの応力を受け、ウェブは主にせん断応力を受ける。
【0006】
特に、例えば特許文献3~特許文献5からの既知の製造技術は、2つのスラブ及び2つのウェブを金型成形することと、管状スパーを作成するために、主に接着によってスラブ及びウェブを互いに接続することと、を含む。
【0007】
別の製造方法は、2つのU字形要素を金型成形し、特許文献6に示されているように、接着によって2つのU字形要素を接合することを含む。
【0008】
従来技術に見られるように、ブレードは、多数のステップを使用して多数の構成要素と共に製造され、そのうちのいくつかは互いに接着され、例えばスパーのスラブは筐体に接着される。これは、複雑なプロセス、長い製造時間、及びいくつかの内部構成要素を破壊する危険性、または様々な構成要素を互いに接着するためのステップの不完全な保持を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0136355号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0068065号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/153341号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2009/153342号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2009/153343号パンフレット
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0214122号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、従来技術の欠点を低減する風力タービンのブレードを製造する方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、単純で安価なプロセスでブレードを得るが、同時に負荷に耐えるブレードを得る風力タービンのブレードを製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、添付の請求項のうちの1つに記載の風力タービンのブレードを製造するための方法が提供される。
【0013】
本発明のおかげで、ブレード製造プロセスは、ブレードの構造的重量の低減及び/または上記ブレードの応力に対するより大きな耐性と共に、上記ブレードを製造するための時間及びコストを低減する。
【0014】
さらに、従来技術と比較して、ブレード製造プロセス中に生成される廃棄物が低減される。
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、その非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に従って製造されたブレードの側面図である。
図2図1のブレードの、明確にするために部品を取り除いた断面図である。
図3図1のブレードを製造するための方法の1つのステップの簡略図である。
図4図1のブレードを製造するための方法の別のステップの簡略図である。
図5図1のブレードを製造するための方法の別のステップの簡略図である。
図6図1のブレードを製造するための金型の上方からの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、参照番号1は、全体として、風力タービンのブレードを示す。
【0018】
ブレード1は、所与の軸線Aに沿って延在し、少なくとも2つの方向に配置された単繊維(複数)を含む複合材料で作られる。
【0019】
加えて、ブレード1は、ブレードの一方の根元部2から先端部3まで延在し、特に、軸線Aに沿って延在する。
【0020】
ブレード1の根元部2は、使用時に、風力プラント(図示せず)のハブ、特に風力タービン(図示せず)のハブに接続される。
【0021】
図2を参照すると、ブレード1は、内部に、2つのウェブ6を備える中空構造5からなる。
【0022】
代替的な実施形態では、中空構造5内にウェブ6は存在せず、本発明の説明を通して、それらは任意選択的であると見なされるべきである。
【0023】
1つの代替実施形態では、ブレード1は、1つ以上の任意の数のウェブ、非限定的な例として、1つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つのウェブを備える。
【0024】
図2を参照すると、中空構造5は、3つのキャビティ、すなわち、ブレード1の前縁90に面する1つのキャビティ10と、1つの主キャビティ11と、ブレード1の出口縁91に面する1つのキャビティ12とを備え、主キャビティ11は、キャビティ10とキャビティ12との間に配置される。
【0025】
加えて、ブレード1は、ブレード1の出口縁91に隣接する後部領域9に配置され、内部に低密度発泡体を含む後部要素13を備える。特に、低密度発泡体の層は、10kg/mから100kg/m、特に30kg/m、40kg/m、50kg/mの範囲の密度を有するポリウレタン材料を含む。
【0026】
加えて、ブレード1の構造は、特に繊維及び樹脂を含む複合材料の層を有し、この層は、ブレード1の外面20からブレード1の内面21まで延在する。特に、繊維は、少なくとも2つの入射方向、特に互いに垂直な方向に配置された単繊維(複数)を含む。
【0027】
より詳細には、複合材料の層は単一であり、接着された部品はないが、単一の一体部品として作られるという意味で、単一のステップで作られる。
【0028】
本発明の好ましいが非限定的な実施形態では、ブレード1のいくつかの領域において、構造は、外面20と内面21との間の複合材料に埋め込まれ、複合材料構造と共に単一の全体を形成する1以上のコア要素15を備える。言い換えれば、上記コア要素15は、複合材料構造内に埋め込まれて一体化される。
【0029】
好ましいが非限定的な実施形態では、コア要素15は、ブレード1の前縁90を含み、好ましくはキャビティ10の周りに少なくとも部分的に位置するブレード1の前部80、及び/またはブレードの出口縁91を含み、好ましくは別のキャビティ12の周りに少なくとも部分的に位置するブレード1の後部81に、少なくとも一部分にわたって分布し埋め込まれる。
【0030】
通常、コア要素15は、特に40kg/mから300kg/mの範囲の密度、特に60kg/mまたは80kg/mを有するPVCもしくはPETもしくはバルサ材料または他のコア材料を含む。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、前部80と後部81との間に配置されたブレード1の中央部82において、ブレード1の構造は、繊維シート及び樹脂を含む、好ましくはコア要素15のない複合材料のみからなる。結果として、ブレード1の中央部82の構造は、好ましくは専ら繊維シート及び樹脂を含む材料の途切れのない連続構造を画定する。言い換えれば、ブレード1のいくつかの領域、特にブレード1の中央部82のいくつかの領域では、ブレード1の構造は、ブレード1の外面20から内面21まで延びる繊維シート及び樹脂を含む単一層からなり、したがって、特にキャビティ5の、ブレード1の外面20の一部とブレード1の内面21の両方を画定する。
【0032】
加えて、ブレード1の部分、例えば前部80の少なくとも一部及び後部81の少なくとも一部において、コア要素15が存在し、これらのコア要素15は一体化され、複合材料によって完全に包囲される。特に、それらは複合材料の内部に組み込まれ、樹脂及び繊維によって包囲されて、特に接着剤を使用せずに単一の一体構造を形成する。
【0033】
加えて、1以上のウェブ6が存在するブレード1の実施形態では、少なくとも1つのウェブ6は、特にブレードの中央部82と一体の単一の構造、特に単一の連続構造を、特に材料の中断部または不連続部なしに形成する。
【0034】
言い換えれば、1以上のウェブ6は、ブレード1の部分、特にブレード1の中央部82と単一の一体構造を構成し、好ましくは接着されていない単一部品から形成される。
【0035】
より詳細には、少なくとも1つのウェブ6は、繊維シート及び樹脂を含み、単一の構造を形成するように繊維シート及び樹脂に埋め込まれたコア要素15を含んでもよい。
【0036】
ウェブ6は、ブレード1の構造の残りの部分と共に、特にブレード1の中央部82と共に製造される。結果として、それらは、好ましくは従来技術のように接着剤及び互いに接着された部品を使用せずに、単一の一体構造を構成する。
【0037】
特に、ブレード1の構造、特に内面21の一部に沿った構造、及び少なくとも1つのウェブ6は、材料の連続性がある角度50を形成する。より詳細には、角度50において、特に内面21に沿って、ウェブ6及びブレード1の構造を一緒に保持するための接着剤は存在しない。
【0038】
加えて、後部要素13は、ブレード1の後部81の間に、特に内面21に沿って配置され、ブレード1の構造に一体化される。特に、後部要素13は、互いに対向するブレード31の2つの内面21に配置されて接続されている。後部要素13は、ブレード1の後部81、特にブレード1の出口縁91において、互いに対向するブレード1の内面21に沿って固定される。
【0039】
加えて、後部要素13は、以下に詳細に示されるように、注入された樹脂を使用して、注入プロセス中に、互いに対向するブレード1の内面21に沿って、単一の一体部品になるように固定される。
【0040】
言い換えれば、要素13は、ブレード1の表面に沿って接着されず、ブレード1の注入プロセス中、特に樹脂を含む材料の注入中にブレード1の表面と一体化される。これらは、構造全体により大きな堅牢性を与える。
【0041】
本発明の好ましいが非限定的な一実施形態では、ブレード1は、後部要素13と接触する後壁40を備え、言い換えれば、この実施形態では、後部要素13は、ブレード1の後部81に、特に内面21に沿って配置され、後壁40と接触し、ブレード1の構造に一体化される。後壁40は、好ましくは接着剤を使用せずに、注入プロセス中に注入された樹脂を介して、特に互いに対向する内面21の部分に沿って、要素13及びブレード1の構造に固定される。
【0042】
より詳細には、外面20を画定するブレード1の構造は、繊維材料のシート及び樹脂を含む単一構造であり、樹脂によって一緒に保持され、好ましくは互いに接着された部品のない一体構造を画定する。これは、一般に、ブレード1により大きな強度を与え、ブレード1をより軽くする。加えて、製造プロセスが簡素化され、廃棄物が少なくなる。
【0043】
より詳細には、繊維シート、コア要素15、後部要素13、好ましくは後壁40、好ましくはブレード1の部分80、81、及び82は、樹脂によって一緒に保持された単一構造を形成し、これは、好ましくは一緒に接着された部品なしの一体構造を画定する。これは、一般に、ブレード1により大きな強度を与え、ブレード1をより軽くする。加えて、製造プロセスが簡素化され、廃棄物が少なくなる。特に、ブレード1の内部構造及び後壁40、または後壁40がない場合には後部要素13は、材料の連続性がある角度50を形成する。より詳細には、角度50において、後壁40をブレード1の内部構造と共に保持するための接着剤は存在しない。
【0044】
より詳細には、少なくとも1つのウェブ6及び/または後壁40は、従来技術のように、特に角度50に沿って、互いに対向するブレード1の内面21に接着されていないが、ブレード1の部分の複合材料の層と共に作られ、単一の構造を画定する。言い換えれば、少なくとも1つのウェブ6及び/または後壁40並びにブレード1の部分は、好ましくは不連続部及び/または中断部及び/または接着された要素なしに単一構造を構成する。言い換えれば、少なくとも1つのウェブ6及び/または後壁40並びにブレード1の部分は、材料または別の種類の中断部または不連続部を有しない連続した単一構造を構成し、その結果、不連続点を有しないためより強くなる。ウェブ6及び/または後壁40とブレード1の部分との間のこの単一構造は、以下に示す製造方法に基づいて実行される樹脂材料の単回注入のおかげで可能になる。特に、角度50に沿ったブレード1は、材料の不連続部のない連続構造を有する。
【0045】
少なくとも1つのウェブ6を有する実施形態では、少なくとも1つのウェブ6、コア要素15、後部要素13、好ましくはブレード1の部分80、81、及び82の1以上、好ましくは後壁40が、樹脂によって一緒に保持された単一構造を形成し、部品が一緒に接着されない一体構造を画定する。これは、一般に、ブレードにより大きな強度を与え、ブレード1をより軽くする。加えて、製造プロセスが簡素化され、廃棄物が少なくなる。
【0046】
ブレード1は、以下に説明する方法で単回注入を使用して作製される。
【0047】
特に、繊維シート、及び存在する場合にはコア要素15、後部要素13、及び後壁40は、一緒に保持され、単回注入によって樹脂で含浸され、その結果、好ましくは耐荷重特徴を有するブレード1の単一の一体構造を画定する。上述したように、ブレード1の単一の一体構造は、1以上のウェブ6を備えてもよい。説明したブレード1の部分80、81、及び82は、ブレード1の単一の一体構造の一部であり、したがって実際には単一の構造を構成する。言い換えれば、「部分」という用語は、別個の及び/または分離された部分を示すのではなく、同じ単一の一体構造の異なる領域のみを示す。
【0048】
ブレード1は、後述するブレード1の製造方法を用いて製造される。
【0049】
この方法は、2つの外側金型100及び130の使用を含み、その一方が図6に概略的に示されている。
【0050】
2つの外側金型100及び130は、本方法を複数回実施するために再使用されることができる。
【0051】
特に、2つの外側金型100及び130は、特に以下に示すブレードの製造方法を複数回実施することによって、複数のブレードを連続して製造するために再使用されることができる。
【0052】
特に、2つの外側金型100及び130は、複数回再使用されることができ、特に使い捨てである。
【0053】
特に、2つの外側金型100及び130の各々は、中央部100a/130aと、2つの側部100b/130b及び100c/130cとを含む。加えて、第1の金型100または第3の金型130の少なくとも一方、好ましくは金型100及び130の両方は、側部100b及び100c(130b及び130c)の少なくとも一方に沿って、好ましくは側部100b及び100c(130b及び130c)の両方に沿って作られた複数のチャネル300を含む。
【0054】
この実施形態の好ましいバージョンでは、チャネル300は、側部100b及び/または100c及び/または130b及び/または130c全体に沿って作られる。
【0055】
好ましい実施形態では、チャネル300は、金型100/130の側部100b/100c/130b/130cの少なくとも1つに沿って一列に、好ましくは櫛状に配置され、所与の間隔値だけ互いに離間している。所与の間隔値は、20mm~500mmの範囲である。
【0056】
特に、チャネル300は、横断方向、好ましくは軸線Aに対して半径方向に沿って側部100b/100c/130b/130cの表面に沿って作られる。金型100/130の同じ側部100b/100c/130b/130cに沿って配置されたチャネル300はすべて互いに接続されている。加えて、それらは、チャネル300を金型100/130の外側に接続し、チャネル300を供給する導管400に接続される。特に、チャネル300の数及び導管400の数は、比率kで接続される。特に、チャネル300の数と導管400の数との間の比率kは、10から100の範囲、好ましくは20、30、40、50、60である。
【0057】
言い換えれば、金型100/130内には、好ましくは、20/30/40/50/60個のチャネル300ごとに導管400がある。言い換えれば、各導管400は、10個から100個の範囲に含まれるいくつかの、特に20個、30個、40個、50個、60個のチャネル300に供給する。
【0058】
言い換えれば、複数のチャネル300は、チャネル300のグループに一緒にグループ化され、チャネル300の各グループは、導管400によって直接供給される。チャネル300の各グループは、10から100のいくつかの、好ましくは20個、30個、40個、50個、60個のチャネルを含む。金型100/130の同じ側部100b/100c/130b/130cに沿って作られたチャネル300のグループは、互いに連通している。結果として、金型の同じ側部に沿って作られたすべてのチャネル300は互いに連通し、好ましくは、同じグループのチャネル300のチャネル300は、チャネル300の上記グループに接続された対応する導管400から優先ルートを通って供給されるように構成される。より詳細には、チャネル300の2つの異なるグループを連通させる接続は、チャネル300のグループ内の接続と比較して、流体に対するより大きな抵抗、好ましくは圧力降下を含む。
【0059】
加えて、金型100,130の少なくとも一方は、出口孔500と、出口導管501と、フィルタ502と、ポンプ503とを備える。
【0060】
特に、出口孔500は、金型100,130の任意の点に作られ、出口導管501を介してフィルタ502に接続される。加えて、フィルタ502の下流には、フィルタ502に接続された側を吸引するように構成されたポンプ503が接続されている。
【0061】
言い換えれば、出口孔500は、接続導管501を介してポンプ503に接続され、フィルタ502は、出口孔500とポンプ503との間の接続導管501に沿って位置決めされる。ポンプ503は、出口孔500から吸引するように出口孔500に接続されている。
【0062】
特に、本発明の非限定的な一実施形態では、ただ1つの出口孔500がある。特に、互いに接続された複数のチャネル300のおかげで、一実施形態では、空気を吸引するためのただ1つの出口孔500で十分である。
【0063】
フィルタ502は、気体状態の流体の通過を可能にし、液体状態の流体の通過を阻止するように構成される。このようにして、空気または気体状態の他の流体のみが吸い上げられ、樹脂も液体状態の他の流体も吸い上げられない。
【0064】
以下に示されるように、金型100及び130は密閉されており、それぞれの側部100b及び130b並びに100c及び130cに沿って接触して、金型100及び130の内側に閉鎖容積200を形成する。詳細に示されるように、チャネル300及び導管400は、ブレード1の複合材料を作製するために材料シート101を含浸させる、樹脂及び硬化触媒を含む流体材料、好ましくは液体の閉鎖容積200の内側の金型100及び130の外側からの通過を可能にする機能を有する。
【0065】
特に、好ましくはネオプレン及び/またはブチルゴムを含む封止要素140が、第1の金型100と第3の金型130との間に配置され、第1の金型100と第3の金型130との間に上記閉鎖容積200を形成する。特に、封止要素は、第1の金型100の側部100a,100cと第3の金型130の側部130a,130cとの間に配置される。特に、それは、一方の側では第1の金型100の側部100a,100cと接触し、他方の側では第3の金型130の側部130a,130cと接触する。
【0066】
封止要素140が間に配置された側部100b,130b,100c,130cは、特に高真空下で、第1の金型100と第3の金型130との間の閉鎖容積200内の気密シールを確保する閉鎖部を画定する。
【0067】
加えて、本方法は、使用時に閉鎖容積200内に収容される1以上の内側金型102を使用する。
【0068】
外側金型100,130のような内側金型102は、複数回再使用されることができる。言い換えれば、内側金型102は、複数のブレードを連続して製造するために再使用されることができ、好ましくは、内側金型102は、以下に示すブレード製造方法を複数回実施するために再使用されることができる。内側金型102は、好ましくは使い捨てではない。
【0069】
一実施形態では、内側金型102の外面102aに沿って、複数の追加の導管によって供給される追加のチャネルのグループにグループ化された複数の追加のチャネル(添付の図面には示されていない)があり、特に、追加のチャネルの各グループは、対応する追加の導管によって直接供給される。特に、追加のチャネルの各グループは、10から100の範囲のいくつか、特に20/30/40/50/60個の追加のチャネルを含む。言い換えれば、追加のチャネルの数と追加の導管の数との間の比率は、10から100の範囲の値、特に20/30/40/50/60である。同じ内側金型102上に作製されたすべての追加のチャネルは、好ましくは互いに接続される。
【0070】
好ましい一実施形態では、追加のチャネルは、追加の所与の間隔値だけ離間して配置される。追加の所与の間隔値は、20mm~700mmの範囲である。
【0071】
外側金型100及び130は、内側金型102の追加の導管が閉鎖容積200から外側金型100及び130の外側に通過する密閉通路(取り付けられた図には示されていない)を備える。
【0072】
以下に示すように、追加のチャネル及び導管は、好ましくは閉鎖容積内に樹脂及び固定剤を含む流体材料を注入し、繊維材料のシートを含浸させてブレード1の構造の複合材料を作成するように機能する。
【0073】
図3図4及び図5を参照すると、ブレード1の製造方法は、以下のステップを含む:
a)好ましくは外側及び下側の第1の金型を画定する第1の金型100を提供するステップであって、特に、第1の金型は、中央部100aと、2つの側部100b及び100cとを備える、ステップ;
b)材料、好ましくはガラスまたは炭素の繊維の複数のシート101を第1の、好ましくは外側の金型100上に配置するステップ、特に、繊維シートの中央部101aが配置され、繊維シートの側部101b及び101cが配置されるように、複数の繊維シート101を金型100の中央部100aに沿って、かつ側部100b及び100cに沿って配置するステップであって、特に、複数のシート101は、上下や隣に配置され、特に、材料シートの第1の層が金型100上に配置され、材料シートの各々は互いに部分的に重なり合い、続いて材料シートの複数の層が敷設され、好ましくは配置中に、各シートはそのシートの一部について次のシートに重なり、好ましくは各シートが隣接するシートに部分的に重なり、特に、材料シートの層の配置は、隣接するシート間及び重なり合うシート間に明確な不連続性が存在しないように実行され、加えて、上述したように、いくつかのシートの一部は、好ましくは、中央金型100a上に配置され、側部100bまたは100c上に配置され、それにより繊維シートの中央部100aが配置され、繊維シートの側部101b及び101cが配置されるようにし、その結果、これらのシートを連続する金型に巻き付けてブレード1の側部80及び81を少なくとも部分的に形成することができる、ステップ;
b-2)本発明の任意選択の一実施形態では、ブレード1及び/またはコア材料の構造の剛性を高めるために、好ましくは炭素繊維及び/またはガラス製であり、繊維材料のシートの間に組み込まれる1以上の予め作製された要素及び/または引抜きされた要素を、ステップb)の間に繊維材料のシート101の間に配置するステップであって、特に、予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/またはコア材料は、複数のシート101の中央部101aに沿って配置され、本発明の好ましいが非限定的な一実施形態では、予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/またはコア材料は、ブレード1の部分80及び81に沿って排他的に配置され、ウェブ6を形成する、ステップ;
b-3)本発明の任意選択の一実施形態では、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料を含む1以上のコア要素15、または特に50kg/mから300kg/mの範囲の密度、特に60kg/mまたは80kg/mまたは100kg/mまたは120kg/mを有する他のコア材料を、ステップb)の間に材料の繊維シート101の間に配置するステップであって、特に、コア要素15は、ブレード1の側部80及び81に沿って配置される、ステップ;
c)ステップb)の間に以前に敷設された繊維材料の複数のシート101の上に第2の剛性金型102(図4)を配置するステップであって、特に、第2の金型102は、金型100の中央部100aに対応する複数のシートの中央部101aの上方に配置される、ステップ;
c-2)本発明の任意選択の一実施形態では、ステップc)の間に、第2の金型102のうちの少なくとも2つの間に間隙120が存在し、続いて、繊維材料の複数のシート101が間隙120の内側の第2の金型102のうちの少なくとも2つの間に配置されて少なくとも1つのウェブ6を形成するように、第2の金型102のうちの少なくとも2つが位置決めされ、特に、第2の金型120のうちの少なくとも2つは、第2の金型102のうちの上記少なくとも2つの間に上記表面102aの少なくとも一部分に沿って少なくとも1つの間隙120を形成するように、上記表面102aの少なくとも一部分について互いに対向するそれぞれの表面102aに沿って互いに接触しないように位置決めされ、この実施形態のさらに好ましい形態では、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料、または特に50kg/mから300kg/mの範囲の密度、特に60kg/mもしくは80kg/mもしくは100kg/mもしくは120kg/mを有する他のコア材料を含む、1以上のコア要素15が間隙120内に配置される;
c-3)本発明の任意選択の一形態では、ステップc-2)の形態の代替として、ステップc)の前に、第2の金型102の少なくとも2つは、金型100の上方に位置決めされる前に、繊維材料の複数のシート101によって巻き付けられ、このようにして、第2の金型102は、上記表面102aの少なくとも一部分に沿って第2の金型102のうちの上記少なくとも2つの間に少なくとも1つの間隙120を形成するように、上記表面102の少なくとも一部分について互いに対向するそれぞれの表面102aに沿って、それらの間に離間して、特にそれらの間に直接接触せずに位置決めされ、本発明の好ましいが非限定的な実施形態では、間隙120は、繊維材料のシート101でさらに充填されて、少なくとも1つのウェブ6を形成し、このステップc-3)の好ましいが非限定的な実施形態では、この実施形態のさらに好ましい形態において、再度ステップc)の前に、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料、または特に50kg/mから300kg/mの範囲の密度、特に60kg/mもしくは80kg/mもしくは100kg/mもしくは120kg/mを有する他のコア材料を含む、1以上のコア要素15が間隙120に配置され、特に、間隙120へのコア要素15の配置は、間隙120への材料シートの配置の前に、またはこれと同時に行われる;
c-4)本発明の任意選択の一形態では、ステップc)の間、後部要素13はまた、ステップb)の間に予め敷設された繊維材料の複数のシート101の上及び金型100の上に敷設され、この実施形態では、後部要素13に隣接する第2の金型102は、それと接触して配置されておらず、繊維シート、好ましくはコア要素で充填されて後壁40を形成する追加の間隙がある;
d)金型100の側部100b及び100cに予め配置された複数の繊維シート101の側部101b及び101cを折り畳み、それらを金型102の上に配置するステップ;
d-2)本発明の任意選択の一実施形態では、ステップd)の間に、繊維材料、好ましくはガラスまたは炭素の追加の複数のシート101を第2の金型120上に、好ましくは金型102上に配置された複数のシートの側部101b及び101c上に配置するステップであって、より詳細には、複数のシート101は、上下や隣に配置され、特に、材料シートの層が第2の金型120上に配置され、各材料シートは部分的に互いに重なり、側部101b及び101cは第2の金型120上に敷設され、材料シートの複数の層が続いて敷設され、それらの配置中、各シートは、それ自体のシートの一部について隣接するシートに重なり、より詳細には、材料のシート101の層の配置は、隣接するシート101間及び重なり合うシート101間に明確な不連続部がないように実行され、加えて、上記のように、中央金型120上に置かれたいくつかのシート101の一部は、第2の金型102の周りに巻き付けられた繊維シートの側部101bまたは101c上に配置され、ブレード1の側部80及び81を少なくとも部分的に形成し、連続した強化された構造を有するようにする、ステップ;

d-3)本発明の任意選択の一実施形態では、ステップd)及び/またはd-2)の間に繊維材料のシートの間に、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料、または特に50kg/mから300kg/mの範囲の密度、特に60kg/mもしくは80kg/mもしくは100kg/mもしくは120kg/mを有する他のコア材料を含む1以上のコア要素15を配置するステップであって、特に、コア要素は、ブレード1の側部80及び81に沿って配置される、ステップ;
d-4)本発明の任意選択の一実施形態では、ステップd)及び/またはd-2)及び/またはd-3)の間に繊維材料のシートの間に、ブレード1及び/またはコア材料の構造の剛性を高めるために好ましくは炭素繊維及び/またはガラス製であり、繊維材料のシートの間に組み込まれる1以上の予め作製された要素及び/または引抜きされた要素を配置するステップであって、特に、本発明の好ましいが非限定的な一実施形態では、予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/またはコア材料は、複数のシート101の中央部101aに沿って配置され、予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/またはコア材料は、ブレードの部分80及び81に沿って排他的に配置され、ウェブ6を形成する、ステップ;
e)第1の金型100とその内部に材料の複数のシート100が敷設された第3の金型130と第2の金型102との間に少なくとも1つの閉鎖容積200を形成するために、第3の金型130、好ましくは外側の金型を第1の金型100上に配置するステップであって、任意選択の実施形態では、コア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6が収容され、特に、第3の金型130は、中央部130aと、2つの側部130b及び130cとを備え、特に、ステップe)の間、第3の金型130は、第1の金型100の側部100b及び100cが第3の金型130の側部130b及び130cと完全に接触し、第1の金型100の中央部100aと第3の金型130の中央部130aとの間に閉鎖容積200が形成されるように、第1の金型100と重なり、特に、一方の金型100及び他方の金型130は、それぞれの部分100b及び130b並びに100c及び130cに沿ってそれらの間で気密に閉鎖される。このようにして、閉鎖容積200は、金型100及び130の外側に向かって気密に閉鎖され、それらは、外側に対して閉じた金型アセンブリを画定し、結果として、閉じた金型アセンブリは、金型102及び繊維101、任意選択の実施形態では、コア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6の内側を囲む、ステップ;
f)任意選択の実施形態では、ブレード1の前縁を下方に位置決めするように、閉じた金型アセンブリを回転させるステップであって、特に、部分100b及び130bが下方に回転し、部分100c及び130cが上方を向くように、金型アセンブリが回転される、ステップ;
g)任意選択の実施形態では、特に、第1の金型100及び/または第3の金型130のチャネルを介して、閉じた金型アセンブリに真空を適用するステップであって、好ましくは真空シールバッグを使用する必要なしに真空が生成される、ステップ;
h)第1の金型100と第3の金型130との間に配置された繊維材料、好ましくはガラスまたは炭素の複数のシート101を含浸させるために、金型アセンブリの内部、特に第1の金型100と第3の金型130との間に、好ましくは金型100及び130の少なくとも一方、好ましくは両方のチャネル300及び導管400を介して、任意選択の一実施形態では、内側金型102の少なくとも一方、好ましくはすべての内側金型の追加のチャネル及び追加の導管を介して、樹脂及び硬化触媒を含む流体材料、好ましくは液体を注入するステップであって、ステップf)を含む好ましい実施形態では、流体材料は、金型アセンブリの下部から、特に部分130b及び100bに注入され、特に一実施形態では、流体材料はエポキシ樹脂である、ステップ;
i)樹脂及び繊維材料の複数のシートを含む流体材料、並びに好ましい任意選択の実施形態では、コア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6を含む複合材料の単一の構造を形成するように流体材料が硬化するのを待つステップであって、このようにして、ブレードが形成される、ステップ;
i-2)本発明の任意選択の一実施形態では、例えば、金型アセンブリ及び/または内側金型102を加熱することによって、または金型アセンブリ及び/または内側金型102を冷却することによって、金型アセンブリに以前に注入された樹脂を含む流体材料の温度に熱的に作用し;
l)金型100及び130を取り外すステップ;
m)ブレード1の内側から、特にブレード1の根元部から金型102を取り外すステップであって、より詳細には、金型102は、所与の直径及び/または所与の最小寸法を有する開口部を有するブレードの根元部2を通ってブレード1のキャビティから取り外され、より詳細には、各金型102は、ブレード1の根元部2に形成された開口部の直径及び/または最小寸法よりも小さい、各金型の長さに対して横断する、特に垂直な最大寸法を含み、特に、根元部2を通る開口部は、ブレード1の内側をブレード1の外側と連通させ、好ましい実施形態では、2つ以上の金型102があり、言い換えれば、ブレード1は、キャビティと、軸線Aを横断する、特に垂直な所与の直径または最小寸法を有するブレード1の根元部2の開口部とを備え、根元部2の開口部の直径または最小寸法は、直径の最大寸法、及び/または長さに対して垂直方向及び/または横断方向の寸法、及び/または各内側金型103の最大断面の最大寸法よりも大きく、このステップでは、次いで、ブレード1が形成された後に、ブレード1のキャビティ2を通る内側金型の抽出が行われる、ステップ;


n)本発明の任意選択の形態では、軸線Aに半径方向の孔と、ブレード1のキャビティの開口部に位置するブレード1の根元部2の円周面に沿って軸線Aに平行な孔と、を穿孔するステップであって、これらの半径方向孔は、ブレード1の根元部と風力タービンのハブとの間に締結具を収容するように構成される、ステップ。
【0074】
本発明の任意選択の形態では、製造方法は、金型100、102、及び/または130の少なくとも1つを加熱するステップ、特に外側金型100及び/または130の1以上を加熱するステップを含む。
【0075】
特に、ブレード1は、第1の金型100と第3の金型130との間の閉鎖容積200内の単一部品で作られる。
【0076】
特に、第2の金型102は、特に上記第2の金型102の外面102に印加圧力を受けたときに、上記第2の金型102の容積及び/または好ましくは外側の形状が変化しないように、剛性である。
【0077】
本発明の好ましいが非限定的な実施形態では、第2の金型102は、第2の金型102の外面に圧力が加えられたときに、第2の金型102の横断面が、特に圧力が作用する方向に、好ましくは5mm未満、特に2mm未満、好ましくは1mm未満、特に0.5mm未満の最大運動を有するように剛性である。好ましくは、上記印加圧力は、2バール未満、好ましくは1バール~2バール、特に1.01バール~2バールの範囲であり、特に1.5バール、1.8バール、または1.9バールに等しい。
【0078】
特に、第2の金型102は、弾性的に変形可能ではなく、及び/または好ましくは膨張できない。
【0079】
第2の剛性金型102のおかげで、特に第1の金型100及び第3の金型130によって加えられる圧力を受けたときに、その容積及び/または形状の不変性が保証される。
【0080】
技術的効果は、変形可能な金型による変動がないため、ブレード1及びブレード1の内側部分の厚さをより正確に設計できることである。言い換えれば、ブレード1は、設計通りに正確に製造され、プロセスが繰り返されてもよい。例えば、剛性の第2の金型102のおかげで、ブレード1の内角50は、鋭く丸みを帯びていなくてもよく、製造される様々なブレード1間の変動性は、特にブレードが単一部品で作られる他のプロセスと比較して、従来技術よりも小さい。したがって、製造プロセス及び/または最終結果は、従来技術よりも良好に制御され、繰り返されることができ、製造されたブレード1は、従来技術と比較して設計により近い。
【0081】
特に、説明したプロセスのおかげで、剛性の第2の金型102を使用して、ブレード1の内部空間及び/または内角50の正確な形状を設計及び製造することが可能であり、これは、剛性の第2の金型102が、製造プロセスにおける内部空間及び再現性を制御することを可能にするためである。これは、生成されるブレード1の力に対するシール及び抵抗に影響を及ぼし、特に、このプロセスのおかげで、内角50は、設計仕様に応じて、丸みを帯びた形状と鋭い形状の両方で設計及び製造されることができる。
【0082】
特に、ブレード製造ステップは、第1の金型100と第3の金型130との間に上記閉鎖容積200を形成するために、好ましくはネオプレン及び/またはブチルゴムを含む封止要素140を第1の金型100と第3の金型130との間に配置するステップを含み、特に、封止要素は、第1の金型100の側部100a,100cと第3の金型130の側部130a,130cとの間に配置されるように配置され、特に、それは、一方の側では第1の金型100の側部100a,100cと接触し、他方の側では第3の金型130の側部130a,130cと接触する。
【0083】
本発明の任意選択の一実施形態では、金型100、102、及び/または130の少なくとも1つ、特に金型100及び/または130の少なくとも1つは、金型100及び/または130の内面に沿って、言い換えれば、繊維シートと接触する表面に沿って作られた複数のチャネルを含む。このようにして、少なくとも1つの金型100及び/または130の外側から内側に向かって注入される流体材料は、閉鎖容積200の内側に均一に分配される。
【0084】
ステップh)で注入される流体材料は、樹脂、例えば、エポキシ樹脂及び/またはポリエステル及び/またはビニルエステル及び/または熱可塑性物質を含むが、これらに限定されない。
【0085】
ステップh)の間、本発明の好ましいが非限定的な一実施形態では、流体材料は室温で注入される。
【0086】
ステップh)の間、本発明の好ましいが非限定的な一実施形態では、注入された流体材料は、注入される前に加熱または冷却される。
【0087】
任意選択の一実施形態では、本方法は、樹脂を含む材料を固定するために、好ましくは流体材料の注入ステップであるステップh)の前、またはステップh)の後、ステップi)の間に、金型100、金型102、金型130のうちの少なくとも1つ、好ましくは金型100または金型130の少なくとも一方を、摂氏10度~100度に加熱するステップを含む。
【0088】
特に、金型100、金型102、及び金型130のうちの少なくとも1つ、好ましくは金型100または金型130のいずれかが、上記金型用の加熱システムを備え、好ましくは、金型本体に埋め込まれ、金型を所望の温度に加熱するように構成された加熱要素を備え、特に、本体に埋め込まれた加熱要素は、10~100度の間の温度を有する流体が通過するように構成されたダクトと、電流が通過し、ジュール効果によって加熱されるように構成された導電体と、のいずれかから選択される。
【0089】
本発明の好ましい一実施形態では、a)~n)の方法のステップは、実施され得ない任意のステップを除いて、アルファベット順及びそれらが示された順序で実施される。任意のステップが実施されるとき、それらはアルファベット順に実施される。
【0090】
したがって、ブレード1は、樹脂を含む流体材料の単回注入によって製造される。言い換えれば、ブレード1は、単回の注入で製造され、特に、ブレード1は、専ら樹脂を含む流体を介して、かつ専ら実施された単回注入のおかげで一緒に保持される。
【0091】
特に、ブレード1及びその製造は、樹脂を含む流体材料の注入後のブレードの部品の接着ステップを含まない。
【0092】
特に、これは、樹脂を含む流体材料の単回かつ唯一の注入ステップの後にブレード1の部品を接着するステップを含まない。加えて、好ましい実施形態では、ブレード及びその製造は、ブレードの部品を接着するステップも、樹脂の注入に先行するステップも、樹脂の注入後のステップも含まず、特に、プロセスは樹脂の単回注入を含む。
【0093】
言い換えれば、単回である流体注入ステップが、それらの間のブレード1の部品、特にブレード1のすべての部品、特に複数の繊維シート101、並びに任意選択の実施形態では、コア要素15、コア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6の接着を決定し、好ましくは、ブレード1のすべての部分の接着は、様々な部品の接着を決定する樹脂を含む流体の上記注入ステップ中にのみ生じる。
【0094】
プロセス全体は、完全に閉じた剛性の金型アセンブリで実行され、複数のブレードを作成するために再使用されることができる。このようにして、従来技術のように真空シールバッグは必要とされず、プロセス中の廃棄物が少なくなり、廃棄物及び使い捨て要素の生成も少なくなる。
【0095】
好ましいが非限定的な一実施形態では、金型アセンブリは、樹脂と、例えばガラス及び/または炭素などの繊維材料のシートとを含む複合材料で作られ、特に、一実施形態では、金型アセンブリはガラス繊維で作られる。
【0096】
特に、繊維シートは、ガラス及び/または炭素繊維を含む。
【0097】
これらの繊維シートは、従来技術と比較して等しい重量で、力に対してより高い抵抗を確保するように、または従来技術と比較してより小さい重量で、力に対して等しい抵抗を確保するように、ブレードのプロファイルの周りに360°巻き付けられる。言い換えれば、好ましい実施形態では、繊維シートは、1つの部分に重なるように注意して、上下や隣に様々な層に配置され、互いに隣接して配置された繊維シートの一部を有する。このようにして、繊維シートの端部と別の端部との間に明確な不連続性はなく、繊維シートの配置に連続性があり、構造自体の抵抗がより大きい。
【0098】
この方法のおかげで、従来技術のように繊維シートを含む複合材料に組み込まれ、上下に接着されないブレード1の内部に挿入され組み込まれることができるウェブの数に制限はない。
【0099】
言い換えれば、ウェブは、繊維シートと樹脂との間の複合材料の内部に組み込まれ、構造の一体部分となり、その結果、常に繊維シートの少なくとも1つの層によって、及びウェブのすべての側に樹脂を含む流体材料によって覆われる。
【0100】
同様に、コア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6は、ブレード1の内側に一体化され、ブレード1自体と常に一体であり、繊維材料シート及び樹脂を含む複合材料の構造に組み込まれ、従来技術のようにブレードの表面に沿って接着されず、ブレード自体と一体化され、ブレード自体と単一の本体を画定する。
【0101】
結果として、コア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/またはウェブ6は、常に、ガラス繊維または炭素と樹脂との複合材料の少なくとも1つの層によってすべての側面が覆われる。
【0102】
加えて、このようにして製造されたブレードは、断面図において、単一の連続繊維材料で作られた1以上の閉断面を有し、特に、この繊維は不連続ではなく、切断もされていない。
【0103】
本発明の好ましいステップでは、シートの寸法、金型100,102,130の少なくとも1つに繊維シートをスタックする順序、各金型100,102,130の形状及びサイズ、並びに/またはコア要素15及び/またはコア材料及び/または予め作製された要素及び/または引抜きされた要素及び/または後部要素13及び/または後壁40及び/または製造されるウェブ6の形状及びサイズを含む特徴の少なくとも1以上が、電子計算機を使用して画定される。
【0104】
加えて、ブレード製造プロセス全体が最初にシミュレーションされ、電子計算機によってチェックされる。
【0105】
本発明のおかげで、ウェブは、複合材料の構造に一体化され、特に、ガラス繊維及び/または炭素の複合構造の内側部分及び外側部分の内側に一体化される。
【0106】
最後に、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された方法及びその変形に対して修正を加えることができることは明らかである。
【符号の説明】
【0107】
1 ブレード、2 根元部、3 先端部、5 中空構造、6 ウェブ、9 後部領域、10 キャビティ、11 主キャビティ、12 キャビティ、13 後部要素、15 コア要素、20 外面、21 内面、40 後壁、50 角度、80 前部、81 後部、82 中央部、90 前縁、91 出口縁、100 第1の金型、100a 側部、100b 側部、100c 側部、101 シート、101a 中央部、101b 側部、101c 側部、102 第2の金型、102a 表面、120 間隙、130 第3の金型、130a 側部、130b 側部、130c 側部、140 封止要素、200 閉鎖容積、300 チャネル、400 導管、500 出口孔、501 出口導管、502 フィルタ、503 ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンの風力ブレードを製造するための方法であって、
前記ブレード(1)は、所与の軸線(A)に沿って前記ブレード(1)の根元部(2)から先端部(3)まで延在し、前記ブレードは、少なくとも2つの方向に従って配置された単繊維を含む複合材料を含み、特に前記複合材料は、材料の繊維を含み、
前記方法は、
-好ましくは外側の第1の金型(100)に、材料、好ましくはガラス及び/または炭素の繊維の複数のシート(101)を敷設するステップであって、特に、前記第1の金型(100)は、中央部(100a)及び2つの側部(100b,100c)を含み、好ましくは、前記ステップは、繊維シート(101)の中央部(101a)が敷設され、繊維シート(101)の側部(101b,101c)が敷設されるように、複数の前記シート(101)の一部を前記第1の金型(100)の前記中央部(100a)に敷設し、複数の前記シート(101)のさらなる部分を前記第1の金型(100)の前記側部(100b,100c)に敷設するステップを含む、ステップと、
-事前に敷設された繊維材料の複数の前記シート(101)の一部に第2の剛性金型(102)を敷設するステップであって、特に、前記第2の金型(102)は、前のステップで敷設された複数の前記繊維シート(101)の前記中央部(101a)上及び前記金型(100)の前記中央部(100a)に敷設され、特に、前記第2の金型(102)の外面(102a)は剛性である、ステップと、
-特に前記第2の金型(102)上で繊維の前記シート(101)の前記側部(101b,101c)を折り畳むことによって、前記第2の金型(102)上に繊維材料、好ましくはガラス及び/または炭素のシート(101)、及び/または前記第1の金型(100)上に敷設され、前記第1の金型(100)の寸法を超える繊維の前記シート(101)の側部(101b,101c)を敷設するステップと、
-前記第1の金型(100)と第3の金型(130)との間に、繊維の複数の敷設された前記シート(101)及び前記第2の金型(102)が収容される少なくとも1つの閉鎖容積(200)を形成するために、好ましくは外側の前記第3の金型(130)を前記第1の金型(100)に敷設するステップであって、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記少なくとも1つは、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記少なくとも1つの外側を前記閉鎖容積(200)に接続するチャネル(300)を備え、それにより樹脂を含む流体材料、好ましくは液体を前記閉鎖容積(200)に注入することができ、特に、前記第3の金型(130)は、中央部(100a)及び2つの側部(100b,100c)を備え、特に、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に少なくとも前記閉鎖容積(200)を形成するために、前記第3の金型(130)の前記側部(100b,100c)を前記第1の金型(100)の前記側部(100b,100c)に敷設する、ステップと、
を含み、
前記方法は、
-樹脂を含む前記流体材料、好ましくは液体を注入して、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記閉鎖容積(200)内に収容された繊維材料、好ましくはガラスまたは炭素の複数の前記シート(101)を含浸させて前記ブレード(1)を形成するステップと、
-好ましくは、注入された前記流体を硬化させるステップと、
-このように形成された前記ブレード(1)の外側から前記第1の金型(100)及び前記第3の金型(130)を取り外し、前記ブレード(1)のキャビティ(5)を通って前記ブレード(100)の内側から前記第2の金型(102)を取り外すステップと、を含み、
-好ましくは、前記ブレード(1)は、前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間の前記閉鎖容積(200)の内側の単一部品で作られる、方法。
【請求項2】
前記流体注入ステップが、前記ブレード部品(1)の、特にすべての前記ブレード部品(1)の、互いに対する接着を決定し、好ましくは、すべての前記ブレード部品(1)の、互いに対する前記接着は、様々な前記部品の接着を決定する樹脂を含む前記流体注入ステップ中にのみ起こり、好ましくは、前記ブレード部品(1)の、互いに対する他の結合ステップは起こらない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入ステップが、製造された前記ブレード(1)それぞれに対して単回である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金型のうちの少なくとも1つを加熱するステップ、好ましくは前記第1の金型(100)、前記第3の金型(130)、及び前記第2の金型(102)のうちの1以上を加熱するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流体材料が、室温で注入され、及び/または予熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の金型(100)、前記第2の金型(102)、及び前記第3の金型(130)の少なくとも1つが、前記金型用の加熱システムを備え、
前記加熱システムは、好ましくは、前記金型の本体に埋め込まれ、前記金型を所望の温度に加熱するように構成された加熱要素を備え、特に、前記本体に埋め込まれた前記加熱要素は、10度~100度の間の温度を有する流体が通過するように構成されたダクトと、電流が通過し、ジュール効果によって加熱されるように構成された導電体と、からなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレード構造(1)の剛性を高めるために、好ましくはPVCもしくはPETもしくはバルサ材料、コア材料、好ましくは炭素繊維で作られた予め作製された要素、引抜きされた要素を含むコア要素(15)、後部要素(13)、及び/または後壁(40)のうちの1以上を繊維材料の前記シート(101)の間に敷設するステップであって、特に、前記注入ステップ中の前記要素のうちの1以上は、前記複合材料に埋め込まれ、特に、材料の前記繊維シート(101)及び前記樹脂を含む前記流体材料によってすべての側面が覆われる、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1及び第3の金型(100,130)の間の、好ましくは気密封止された前記閉鎖容積(200)が、導管(400)及びチャネル(300)を介して外部と連通しており、前記チャネル(300)を介して樹脂を含む前記流体材料が注入されて前記材料の前記繊維に含浸され、
前記第1の金型及び前記第3の金型(100,130)の少なくとも一方は、前記側部(100b,100c,130b,130c)の少なくとも1つに沿って作られた複数の前記チャネル(300)を備え、
前記チャネル(300)は、前記導管(400)と連通し、前記導管(400)によって供給され、
前記方法は、前記導管(400)及び前記チャネル(300)を介して樹脂を含む前記流体材料を前記材料繊維に含浸させるステップを含み、
好ましくは、前記導管(400)の数に対する前記チャネル(300)の数の比率は、10から100の範囲内、好ましくは20、30、40、50、60のk値に等しく、
好ましくは、前記内側金型(102)の外面(102a)に沿って、さらなる導管によって供給される複数のさらなるチャネルが形成され、
好ましくは、前記外側金型(100,130)は、前記内側金型(102)の前記さらなる導管が前記外側金型(100,130)の外側の前記閉鎖容積(200)から通過する密閉通路を備え、
好ましくは、前記方法は、好ましくは真空シールバッグを使用せずに、前記液体材料を前記さらなるチャネル及び前記さらなる導管を通して材料の前記繊維シート(101)に注入するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
所定のスタック順序に従って、複数の前記繊維シート(101)の材料の前記シートそれぞれを前記第1、第2、及び第3の金型(100,130,102)の少なくとも1つに敷設するステップを含み、
コンピュータプロセッサが、前記金型(100,130,102)それぞれの前記スタック順序及び/または形状及びサイズ、並びに/あるいは製造される前記ブレードそれぞれのコア要素(15)、コア材料、予め作製された要素、引抜きされた要素、後部要素(13)、及び/または後壁(40)のうちの1以上の形状及びサイズを画定するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ブレード(1)が前記キャビティ(5)を備え、
前記根元部(3)が前記キャビティ(5)の開口部を備え、前記根元部(3)の前記開口部は、特定の直径及び/または特定の最小サイズを有し、前記第2の金型(102)それぞれは、前記ブレード(1)の前記根元部(2)に形成された前記開口部の前記直径及び/または最小寸法よりも小さい、前記第2の金型(102)それぞれの長さに対して特に垂直な最大横方向寸法を含み、特に、前記根元部(2)を通る前記開口部は、前記ブレード(1)の前記内側を前記ブレード(1)の前記外側に接続し、前記方法は、前記ブレード(1)が形成された後に、前記ブレード(1)の前記キャビティを通して前記第2の金型(102)を抽出するステップを含み、好ましくは、前記第2の金型(102)の数は、1よりも多い、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ブレードキャビティ(1)の前記開口部に位置する前記ブレード(1)の前記根元部(2)の中空表面に沿って、前記軸線(A)に対して半径方向の孔及び前記軸線(A)に平行な孔を穿孔するステップであって、好ましくは、前記半径方向孔は、前記ブレード(1)の前記根元部と風力タービンのハブとの間に締結具を収容するように構成される、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に前記閉鎖容積(200)を形成するために、好ましくはネオプレン及び/またはブチルゴムを含む封止要素を含む封止要素を前記第1の金型(100)と前記第3の金型(130)との間に敷設するステップ、特に、前記第1の金型(100)の前記側部(100a,100c)と前記第3の金型(130)の前記側部(130a,130c)との間に配置されるように前記封止要素を敷設するステップであって、特に、前記第1の金型(100)の前記側部(100a,100c)と一方側で接触し、前記第3の金型(130)の前記側部(130a,130c)と他方側で接触し、前記介在封止要素を有する前記側部(100b,130b,100c,130c)は、前記第1の金型と前記第3の金型(100,130)との間の前記閉鎖容積(200)内の気密シールを保証する閉鎖部を画定する、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
真空シールバッグを使用せずに前記閉鎖容積(200)内に真空を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
特に、前記第2の金型(102)の外面(102)に圧力が加えられたときに、前記第2の金型(102)の容積及び/または形状、好ましくは外側が変化しないように、前記第2の金型(102)が剛性であり、
特に、好ましくは2バール未満、特に1バールから2バール、特に1.01バールから2バールの範囲の圧力が前記第2の金型(102)の前記外面に加えられると、横断面は、特に前記圧力が作用する方向に、好ましくは5mm未満、特に2mm未満、好ましくは1mm未満、特に0.5mm未満の最大移動を有し、特に、前記第2の金型(102)は弾性的に変形可能ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法によって製造された風力タービン用の風力ブレード。
【請求項16】
先端部(3)及び根元部(2)を備え、前記根元部(2)から前記先端部(3)まで軸線(A)に沿って延在する、風力タービン用の風力ブレードであって、
前記ブレード(1)は、複合材料で作られた単一の構造を含み、前記複合材料は、複数の繊維(101)の材料と、樹脂を含む硬化した流体材料とを含み、
前記硬化した流体材料は、単一の一体の本体を画定するように前記単一の構造を作るように、単回注入ステップで複数の前記材料繊維に注入されている、風力ブレード。
【請求項17】
前記要素、すなわち、1以上のコア要素(15)、1以上のコア材料、1以上の予め作製された要素、引抜きされた要素、後部要素(13)、後壁(40)、及び1以上のウェブ(6)のうちの1以上を備え、
前記要素のうちの前記1以上は、前記複合材料に埋め込まれ、その中に埋め込まれ、特に、前記要素のうちの前記1以上は、少なくとも1つの繊維シート及び樹脂を含む前記硬化した流体材料によってすべての側面が囲まれており、
好ましくは、前記要素のうちの前記1以上は多孔質材料であり、樹脂を含む前記硬化した流体材料で含浸されている、請求項16に記載の風力ブレード。
【国際調査報告】