特表 2024-523427 動力生成、送達、増幅、および／または蓄積、のためのシステムおよび方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-06-28

(54)【発明の名称】動力生成、送達、増幅、および／または蓄積、のためのシステムおよび方法

(51)【国際特許分類】

   F16H 49/00 20060101AFI20240621BHJP

   H02K 7/116 20060101ALI20240621BHJP

   H02K 7/02 20060101ALI20240621BHJP

   H02K 7/09 20060101ALI20240621BHJP

   F16H 33/02 20060101ALI20240621BHJP

   F16C 32/04 20060101ALI20240621BHJP

【ＦＩ】

F16H49/00 A

H02K7/116

H02K7/02

H02K7/09

F16H33/02 A

F16C32/04 Z

【審査請求】未請求

【予備審査請求】有

(21)【出願番号】P 2023578082

(86)(22)【出願日】2022-06-16

(85)【翻訳文提出日】2024-01-17

(86)【国際出願番号】 AU2022050601

(87)【国際公開番号】W WO2022261714

(87)【国際公開日】2022-12-22

(31)【優先権主張番号】2021901797

(32)【優先日】2021-06-16

(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU

(31)【優先権主張番号】2022901379

(32)【優先日】2022-05-23

(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】523474151

【氏名又は名称】グリーン ラブ アイピー ノミニー プロプライエタリー リミテッド

【氏名又は名称原語表記】ＧＲＥＥＮ ＬＡＢ ＩＰ ＮＯＭＩＮＥＥ ＰＴＹ ＬＴＤ

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(74)【代理人】

【識別番号】100142907

【弁理士】

【氏名又は名称】本田 淳

(72)【発明者】

【氏名】フレンチ、イオン

(72)【発明者】

【氏名】エドモンズ、グレン

(72)【発明者】

【氏名】フレンチ、アンドリュー

【テーマコード（参考）】

3J102

5H607

【Ｆターム（参考）】

3J102AA01

3J102BA03

3J102BA18

3J102DA02

3J102DA07

3J102DA08

3J102DA13

3J102DA28

3J102GA13

5H607BB01

5H607BB02

5H607BB07

5H607EE26

5H607EE33

5H607GG17

5H607GG19

(57)【要約】

機械１０１は、摩擦損失を最小にするように磁石５によって浮上される垂直回転可能シャフト４ｂを備えている。磁石５は、機械１０１の機械本体７および／またはシャフト４ｂ上に配置されており、それによって回転可能シャフト４ｂが重力に逆らって浮き上がるように反発力を発揮する。機械１０１は、追加的または代替的に、磁気軸受６、可変慣性フライホイール２４、磁気ギア２９、および／または磁気クラッチ１９、を組み込むことができる。磁気ギア２９は、矢印形磁石２８を組み込んでもよい。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

回転可能シャフトを備えている機械であって、前記回転可能シャフトは回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されており、
前記機械は１対の磁石を備えており、
前記１対の磁石は、両者間に反発力を及ぼすことで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、互いに協働するように適合されている、
機械。

【請求項2】

前記１対の磁石のうちの少なくとも一方は、永久磁石および／または電磁石である、
請求項１に記載の機械。

【請求項3】

前記１対の磁石は、環状のリング状磁石である、
請求項１または２に記載の機械。

【請求項4】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト上に配置された回転可能質量を備えている、
請求項１～３のいずれか１項に記載の機械。

【請求項5】

前記回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールを備えている、
請求項４に記載の機械。

【請求項6】

前記回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項４または５に記載の機械。

【請求項7】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転すると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または引力を介して回転される前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項６に記載の機械。

【請求項8】

前記回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えているがこれらに限定されない駆動機構によって回転される、
請求項１～７のいずれか１項に記載の機械。

【請求項9】

前記機械はさらに、磁気ギアを備えている、
請求項１～８のいずれか１項に記載の機械。

【請求項10】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト内で回転するように適合された、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールを備えている、
請求項１～９のいずれか１項に記載の機械。

【請求項11】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフトを実質的に垂直な位置に整列させるように適合された磁気軸受を備えており、
前記磁気軸受は、
上部磁気軸受部分と、
前記上部磁気軸受部分に対して反発力を及ぼすことで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、前記上部磁気軸受部分とで協働するように適合された下部磁気軸受部分と、
を備えている、請求項１～１０のいずれか１項に記載の機械。

【請求項12】

前記上部磁気軸受部分は、前記回転可能シャフトに関連している、
請求項１１に記載の機械。

【請求項13】

前記下部磁気軸受部分は、機械本体のシャフト孔に関連している、
請求項１１または１２に記載の機械。

【請求項14】

前記上部磁気軸受部分は、凸状、円錐状、またはそのような湾曲形状、であり、
前記下部磁気軸受部分は、凹状、半球状キャビティ、円錐状キャビティ、または他の相補的な湾曲形状、などの相補的な形状である、
請求項１１～１３のいずれか１項に記載の機械。

【請求項15】

回転可能シャフトを支持するように構成された磁気軸受アセンブリであって、前記回転可能シャフトは機械本体のシャフト孔内で実質的に垂直に配置されており、前記磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分と、
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分と、
を備えており、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とが両者間に反発力を及ぼすように磁化されていることで、前記回転可能シャフトは前記機械本体内で浮上する、
磁気軸受アセンブリ。

【請求項16】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とは、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記シャフト孔内で回転可能に釣り合うように、相補的な環状／リング形状である、
請求項１５に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項17】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状であり、かつ
前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの他方は、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている、
請求項１５または１６に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項18】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている、
請求項１５～１７のいずれか１項に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項19】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、機械シャフト孔の回転可能シャフト内に埋め込まれるか、前記回転可能シャフトとで一体的に形成されるか、または前記回転可能シャフトに取り付けられるか、のいずれかである、
請求項１５～１８のいずれか１項に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項20】

回転可能シャフトを備えている機械であって、前記回転可能シャフトは実質的に垂直に配置されているとともに機械本体のシャフト孔とで回転するように適合されており、
前記機械は磁気軸受アセンブリを備えており、前記磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分と、および
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分と、
を備えており、使用時、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とが両者間に反発力を及ぼしていることで、前記回転可能シャフトは前記機械本体内で浮上する、
機械。

【請求項21】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とは、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記シャフト孔内で回転可能に釣り合うように、相補的な環状／リング形状である、
請求項２０に記載の機械。

【請求項22】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状であり、かつ
前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの他方は、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている、
請求項２０または２１に記載の機械。

【請求項23】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている、
請求項２０～２２のいずれか１項に記載の機械。

【請求項24】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト上で前記磁気軸受アセンブリに対して上方に配置された回転可能質量を備えている、
請求項２０～２３のいずれか１項に記載の機械。

【請求項25】

前記回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールとして具現化されている、
請求項２４に記載の機械。

【請求項26】

前記回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項２４または２５に記載の機械。

【請求項27】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転されるときに前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
フライホイールが回転するときに、２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または吸引によって回転させられる前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項２６に記載の機械。

【請求項28】

前記回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えているがこれらに限定されない駆動機構によって回転される、
請求項２０～２７のいずれか１項に記載の機械。

【請求項29】

前記機械はさらに、磁気ギアを備えている、
請求項２０～２８のいずれか１項に記載の機械。

【請求項30】

第１シャフトの回転から第２シャフトの回転を誘導するように適合された磁気クラッチ装置であって、前記磁気クラッチ装置は、
前記磁気クラッチ装置を前記第１シャフトの端部に接続するように適合された第１インタフェースであって、前記第１シャフトの前記端部には第１磁石が磁気的に埋め込まれている、前記第１インタフェースと、および
前記磁気クラッチ装置を前記第２シャフトの端部に接続するための第２インタフェースであって、前記第２シャフトの前記端部には第２磁石が埋め込まれている、前記第２インタフェースと、
を備えている、磁気クラッチ装置。

【請求項31】

前記磁気クラッチ装置はさらに混合物を備えており、前記混合物は、
鉄粉などの磁性粒子材料と、
オイルのような液体部分と、
を備えている、
請求項３０に記載の磁気クラッチ装置。

【請求項32】

前記磁気クラッチ装置はさらに、
前記磁性粒子材料と前記液体部分とが前記混合物中でランダムに配置されている非同期状態と、および
前記磁性粒子材料と前記液体部分とが前記混合物中で磁気的に整列している同期状態と、
を備えている、
請求項３１に記載の磁気クラッチ装置。

【請求項33】

前記第１磁石および前記第２磁石の各々は、永久磁石または電磁石である、
請求項３０～３２のいずれか１項に記載の磁気クラッチ装置。

【請求項34】

回転軸線の周りに回転されるように適合された流体充填フライホイールであって、
前記流体充填フライホイールは実質的に湾曲形状のホイール本体を有しており、前記ホイール本体は、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えており、
前記流体充填フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
前記流体充填フライホイールが回転していないとともに前記流体材料が実質的に前記下部領域に位置している静止状態と、
前記流体充填フライホイールが回転を開始しているとともに前記流体材料が前記下部領域と前記上部領域との中間に位置している過渡状態と、
前記流体充填フライホイールが回転しているとともに前記流体材料が実質的に前記上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている、
流体充填フライホイール。

【請求項35】

前記流体充填フライホイールは、実質的にナイロイド形状、逆放物線形状、またはその他の湾曲形状、である、
請求項３４に記載の流体充填フライホイール。

【請求項36】

前記流体材料は、
砂のような小固体粒子材料と、
半固体と、
水、油、水銀、などの薄いまたは濃い流体と、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項３４または３５に記載の流体充填フライホイール。

【請求項37】

前記流体充填フライホイールは、駆動機構によって回転させられる回転可能シャフトに取り付けられている、
請求項３４～３６のいずれか１項に記載の流体充填フライホイール。

【請求項38】

前記駆動機構は、モータ、発電機、風力タービン、磁気カップリング装置、またはその他の駆動機構、を備えている、
請求項３７に記載の流体充填フライホイール。

【請求項39】

前記磁気カップリング装置は、回転する１次駆動シャフトに取り付けられた１つまたは複数の１次磁気手段の回転から回転するように適合された１つまたは複数の磁気手段を備えている、
請求項３８に記載の流体充填フライホイール。

【請求項40】

前記流体充填フライホイールは、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項３４～３９のいずれか１項に記載の流体充填フライホイール。

【請求項41】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転すると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、
前記流体充填フライホイールに埋め込まれた磁石の反発または吸引によって回転する２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項４０に記載の流体充填フライホイール。

【請求項42】

前記流体充填フライホイールの重量流体は、前記流体充填フライホイールの上部または下部から前記重量流体を圧送および吸引することによって調整可能にされている、
請求項３４～４１のいずれか１項に記載の流体充填フライホイール。

【請求項43】

トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムであって、前記システムは回転可能シャフトを備えており、前記回転可能シャフトは回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されており、前記システムは、
前記回転可能シャフトを実質的に垂直に配置するように適合された１対の磁気軸受であって、前記１対の磁気軸受は、
上部磁気軸受と、
前記上部磁気軸受に反発力を与えることで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、前記上部磁気軸受とで協働するように適合された下部磁気軸受と、
を備えている、前記１対の磁気軸受と、
前記回転可能シャフトの回転から第２シャフトの回転を誘導するように適合された磁気クラッチ装置であって、前記磁気クラッチ装置は、
前記磁気クラッチ装置を前記回転可能シャフトの端部に接続するように適合された第１インタフェースであって、前記回転可能シャフトの前記端部には第１磁石が磁気的に埋め込まれている、前記第１インタフェースと、および
前記磁気クラッチ装置を前記第２シャフトの端部に接続するように適合された第２インタフェースであって、前記第２シャフトの前記端部には第２磁石が埋め込まれている、前記第２インタフェースと、
を備えている、前記磁気クラッチ装置と、および
前記回転可能シャフトに取り付けられているとともに実質的に前記１対の磁気軸受に対して上方に配置された流体充填フライホイールであって、前記流体充填フライホイールは実質的に湾曲形状のホイール本体を有しており、前記流体充填フライホイールは、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、および
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えており、
前記流体充填フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
前記流体充填フライホイールが回転していないとともに前記流体材料が実質的に前記下部領域に位置している静止状態と、
前記流体充填フライホイールが回転を開始しているとともに前記流体材料が前記下部領域と前記上部領域との中間に位置している過渡状態と、
前記流体充填フライホイールが回転しているとともに前記流体材料が実質的に前記上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている、前記流体充填フライホイールと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
システム。

【請求項44】

トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムであって、前記システムは回転可能シャフトを備えており、前記回転可能シャフトは回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されており、前記システムは、
前記回転可能シャフトに取り付けられた回転可能質量であって、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである前記回転可能質量と、
１つまたは複数の２次回転可能シャフトと、および
１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトの各々に取り付けられた１つまたは複数の２次回転可能質量であって、１つまたは複数の前記２次回転可能質量の各々は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである、１つまたは複数の前記２次回転可能質量と、
を備えており、
前記回転可能質量は、前記回転可能質量に埋め込まれた永久磁石および／または電磁石と、１つまたは複数の前記２次回転可能質量と、の反発を介して、１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトの回転を引き起こす、
システム。

【請求項45】

前記回転可能質量および／または１つまたは複数の前記２次回転可能質量は、
前記回転可能シャフトまたは１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトの各々の１つに取り付けられた太陽ギア形フライホイールと、
初段２次シャフトの各々の１つに取り付けられた１つまたは複数の遊星ギア形フライホイールと、および
前記回転可能シャフトまたは１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトの各々の１つに取り付けられた遊星リングギア形フライホイールと、
を備えている、請求項４４に記載のシステム。

【請求項46】

前記太陽ギア形フライホイールは、前記太陽ギア形フライホイールの外周部から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、または前記外周部に位置する、１つまたは複数の第１磁石を備えている、
請求項４５に記載のシステム。

【請求項47】

前記遊星ギア形フライホイールは、前記遊星ギア形フライホイールの外周部から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、または前記外周部に位置する、１つまたは複数の第２磁石を備えている、
請求項４５または４６に記載のシステム。

【請求項48】

前記遊星リングギア形フライホイールは、前記遊星リングギア形フライホイールの内周部から突出するか、前記内周部の近傍に位置するか、または前記内周部に位置する、１つまたは複数の第３磁石を備えている、
請求項４５～４７のいずれか１項に記載のシステム。

【請求項49】

１つまたは複数の前記第１磁石、１つまたは複数の前記第２磁石、１つまたは複数の前記第３磁石、の各々は、１つまたは複数の磁気垂直面を備えている矢印形角柱の形態である、
請求項４６および４７に従属する場合の、請求項４８に記載のシステム。

【請求項50】

前記磁気垂直面同士が互いに相互作用することで、前記遊星リングギア形フライホイールと前記太陽ギア形フライホイールとが１つまたは複数の前記遊星ギア形フライホイールの回転を引き起こすことを許容することによって、前記初段２次シャフトの回転を引き起こす、
請求項４９に記載のシステム。

【請求項51】

前記遊星リングギア形フライホイールは、前記遊星リングギア形フライホイールの外周部から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、または前記外周部に位置する、１つまたは複数の第４磁石を備えている、
請求項４５～５０のいずれか１項に記載のシステム。

【請求項52】

前記遊星リングギア形フライホイールの１つまたは複数の前記第４磁石は、別の遊星リングギア形フライホイールの１つまたは複数の前記第４磁石に相互作用することで、または前記回転可能質量に埋め込まれた永久磁石および／または電磁石に相互作用することで、前記２次回転可能シャフトの回転を引き起こす、
請求項５１に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、動力（パワー）生成、送達、増幅、および蓄積、のためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、磁気誘導回転を介して機械内のエネルギーを１次シャフトから２次シャフトに伝達するための、磁気浮上フライホイールを用いてエネルギーを増幅するための、および／または磁気誘導回転を介して増幅された誘導エネルギーを用いて機械を駆動するための、装置、システム、および方法、に関する。本発明はさらに、磁気軸受アセンブリを組み込んだ機械で使用するための磁気軸受アセンブリに、機械に組み込むことができる磁気クラッチ装置に、および機械に組み込むことができる流体充填フライホイールに、関する。これらの各々は、別々にまたは組み合わせて使用することができる。

【背景技術】

【0002】

本明細書において公知の先行技術に言及することは、反対の表示がない限り、本出願の優先日において本発明が関連する技術分野の当業者によってそのような先行技術が一般に知られていることを認めることにはならない。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】国際公開第２００６／１０５６１７号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

従来の機械は、そこに組み込まれたギア装置、カップリング、または軸受、の配置によって、摩擦や熱損失等による大きなエネルギー損失を経験している。近年、このような損失を最小限に抑えるべく、機械に磁石を組み込む試みがなされているが、ほとんど成功していない。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明は、これらの前述の問題の欠点の少なくともいくつかを克服しようとするものである。
１つの広い態様において、本発明は、回転可能シャフトを備えている機械に関している。回転可能シャフトは、回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されている。前記機械は１対の磁石を備えている。１対の磁石は、両者間に反発力（斥力）を及ぼすことで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上（浮遊、浮揚、レビテート）させるように、互いに協働するように適合されている。

【0006】

例示的な実施形態では、前記磁石同士のうちの少なくとも一方は、永久磁石および／または電磁石である。
好ましくは、前記１対の磁石は、環状リング形状の磁石である。

【0007】

好ましくは、機械はさらに、回転可能シャフト上に配置された回転可能質量を備えている。
好ましくは、回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである。

【0008】

好ましくは、回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている。
好ましくは、エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転されるときに前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または引力を介して回転される前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている。

【0009】

好ましくは、回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えているがこれらに限定されない駆動機構によって回転される。
好ましくは、機械はさらに、磁気ギアを備えている。

【0010】

好ましくは、機械はさらに、前記回転可能シャフト内で回転するように適合された、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールを備えている。

【0011】

好ましくは、１対の磁石は、磁気軸受として具現化されている。磁気軸受は、実質的に垂直な位置で回転可能シャフトを整列させるように適合されている。磁気軸受は、
上部磁気軸受部分と、
前記上部磁気軸受部分に対して反発力を及ぼすことで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、前記上部磁気軸受部分とで協働するように適合された下部磁気軸受部分と、
を備えている。

【0012】

好ましくは、上部磁気軸受部分は、回転可能シャフトに関連付けられる。
好ましくは、下部磁気軸受部分は、機械本体のシャフト孔に関連付けられる。
好ましくは、上部磁気軸受は、凸状、円錐状、またはそのような湾曲形状、である。下部磁気軸受は、凹状、半球状キャビティ、円錐状キャビティ、または他の相補的湾曲形状、のような相補的形状である。

【0013】

さらなる広範な態様において、本発明は、機械本体のシャフト孔内で実質的に垂直に配置された回転可能シャフトを支持するように構成された磁気軸受アセンブリに関している。前記磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分と、および
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分と、
を備えている。ここで、前記軸受部分同士は、前記回転可能シャフトが前記機械本体内で浮上するように、両者間に反発力を及ぼすように磁化される。

【0014】

好ましくは、前記磁気軸受部分同士は、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記孔内で回転可能にバランスされるように、相補的な環状／リング形状である。
好ましくは、前記軸受部分同士のうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状である。前記軸受部分同士のうちの他方は、軸受同士の隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている。

【0015】

好ましくは、前記磁気軸受部分同士の各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている。
好ましくは、各磁気軸受部分は、機械シャフト孔の回転可能シャフト内に埋め込まれるか、前記回転可能シャフトとで一体的に形成されるか、または前記回転可能シャフトに取り付けられる（嵌め込まれる）。

【0016】

さらなる広範な態様において、本発明は、回転可能シャフトを備えている機械に関している。回転可能シャフトは、実質的に垂直に配置されているとともに、機械本体のシャフト孔とで回転するように適合されている。前記機械は磁気軸受アセンブリを備えている。磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分と、および
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分と、
を備えている。ここで、使用中、前記磁気軸受部分が両者間に反発力を及ぼしていることで、前記回転可能シャフトは前記機械本体内で浮上する。

【0017】

好ましくは、前記磁気軸受部分同士は、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記シャフト孔内で回転可能にバランスされる（釣り合う）ように、相補的な環状／リングの形状である。

【0018】

好ましくは、
前記軸受部分同士のうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状であり、そして
前記軸受部分同士のうちの他方は、軸受部分同士の隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている。

【0019】

好ましくは、前記磁気軸受部分同士の各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている。
好ましくは、機械はさらに、前記回転可能シャフト上で前記磁気軸受アセンブリに対して上方に配置された回転可能質量を備えている。

【0020】

好ましくは、前記回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールとして具現化される。
好ましくは、前記回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている。

【0021】

好ましくは、前記エネルギーハーベスティング（採取）装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転すると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
フライホイールが回転するときに、２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または引力を介して回転される前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている。

【0022】

好ましくは、前記回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えている（含んでいる）がこれらに限定されない駆動機構によって回転される。

【0023】

好ましくは、機械はさらに、磁気ギアを備えている。
さらなる広範な態様において、本発明は、第１シャフトの回転から第２シャフトの回転を誘導するように適合された磁気クラッチ装置に関している。磁気クラッチ装置は、
磁気クラッチ装置を第１シャフトの端部に接続するように適合された第１インタフェースであって、第１シャフトの端部には第１磁石が磁気的に埋め込まれている、第１インタフェースと、および
磁気クラッチ装置を第２シャフトの端部に接続するように適合された第２インタフェースであって、第２シャフトの端部には第２磁石が埋め込まれている、第２インタフェースと、
を備えている。

【0024】

好ましくは、磁気クラッチ装置はさらに混合物を備えており、前記混合物は、
鉄粉のような磁性粒子材料と、および
油などの液体部分と、
を備えている。

【0025】

好ましくは、磁気クラッチ装置はさらに、
磁性粒子材料および液体部分が混合物中にランダムに配置される非同期状態と、および
磁性粒子材料と液体部分が混合物中で磁気的に整列している同期状態と、
を備えている。

【0026】

例示的な実施形態では、第１磁石および第２磁石の各々は、永久磁石または電磁石である。
さらなる広範な態様において、本発明は、回転軸線を中心に回転されるように適合された流体充填フライホイールに関している。フライホイールは実質的に湾曲形状（湾曲した形状、カーブした形状、曲線形状）のホイール本体を有している。ホイール本体は、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、および
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えている。

【0027】

前記フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
フライホイールが回転していないとともに流体材料が実質的に下部領域に位置している静止状態と、
フライホイールが回転を開始しているとともに流体材料が下部領域と上部領域との中間に位置している過渡状態と、
フライホイールが回転しているとともに流体材料が実質的に上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている。

【0028】

好ましくは、フライホイールは、実質的にナイロイド形状、逆放物線形状、または他の湾曲形状、である。
好ましくは、流体材料は、
砂のような小さな固体粒子材料と、
半固体と、
水、油、または水銀、のような薄いまたは濃い流体と、
のいずれか１つまたは組合せを備えている。

【0029】

好ましくは、流体が充填されたフライホイールは、駆動機構によって回転させられる回転可能シャフトに取り付けられる。
好ましくは、駆動機構は、モータ、発電機、風力タービン、磁気カップリング装置、または任意の他の駆動機構、を備えている。

【0030】

好ましくは、磁気カップリング装置は、１つまたは複数の磁気手段を備えて構成されている。１つまたは複数の磁気手段は、回転する１次（プライマリ）駆動シャフトに取り付けられた１つまたは複数の１次（プライマリ）磁気手段の回転から、回転するように適合されている。

【0031】

好ましくは、流体充填フライホイールは、エネルギーハーベスティング装置である。
好ましくは、エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転されると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
流体充填フライホイールに埋め込まれた磁石の反発または引力を介して回転される２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている。

【0032】

好ましくは、流体充填フライホイールの重量流体（錘流体、ウェート流体）は、流体充填フライホイールの上部または下部から重量流体を圧送（ポンピング）および吸引することによって調整可能にされている。

【0033】

さらなる広範な態様において、本発明は、トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムに関している。このシステムは回転可能シャフトを備えている。回転可能シャフトは、回転するように適合されているとともに、実質的に垂直に配置されている。このシステムは、
前記回転可能シャフトを実質的に垂直に配置するように適合された１対の磁気軸受であって、１対の磁気軸受は、
上部磁気軸受と、
前記上部磁気軸受に反発力を与えることで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、前記上部磁気軸受とで協働するように適合された下部磁気軸受と、
を備えている、１対の磁気軸受と、
前記回転可能シャフトの回転から第２シャフトの回転を誘導するように適合された磁気クラッチ装置であって、前記磁気クラッチ装置は、
前記磁気クラッチ装置を回転可能シャフトの端部に接続するように適合された第１インタフェースであって、前記回転可能シャフトの端部には第１磁石が磁気的に埋め込まれている、第１インタフェースと、および
前記磁気クラッチ装置を第２シャフトの端部に接続するように適合された第２インタフェースであって、第２シャフトの端部には第２磁石が埋め込まれている、第２インタフェースと、
を備えている、磁気クラッチ装置と、および
回転可能シャフトに取り付けられている流体充填フライホイールであって、流体充填フライホイールは実質的に１対の磁気軸受に対して上方に配置されており、流体充填フライホイールは実質的に湾曲形状のホイール本体を有しており、流体充填フライホイールは、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、および
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えており、
前記流体充填フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
流体充填フライホイールが回転していないとともに流体材料が実質的に下部領域に位置している静止（ステーショナリ）状態と、
流体充填フライホイールが回転を開始しているとともに流体材料が下部領域と上部領域との中間に位置している過渡状態と、
流体充填フライホイールが回転しているとともに流体材料が実質的に上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている、流体充填フライホイールと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、システムである。

【0034】

さらなる広範な態様において、本発明は、トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムに関している。このシステムは回転可能シャフトを備えている。回転可能シャフトは、回転するように適合されているとともに、実質的に垂直に配置されている。このシステムは、
回転可能シャフトに取り付けられた回転可能質量であって、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである回転可能質量と、
１つまたは複数の２次回転可能シャフトと、および
１つまたは複数の２次回転可能シャフトの各々に取り付けられた１つまたは複数の２次回転可能質量であって、１つまたは複数の２次回転可能質量の各々は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである、１つまたは複数の２次回転可能質量と、
を備えている。ここで、回転可能質量は、回転可能質量に埋め込まれた永久磁石および／または電磁石と、１つまたは複数の２次回転可能質量と、の反発を介して、１つまたは複数の２次回転可能シャフトの回転を引き起こす。

【0035】

好ましくは、太陽ギア形フライホイールは、太陽ギア形フライホイールの外周部（径方向外方周縁部）から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、または前記外周部に位置する、１つまたは複数の第１磁石を備えている。

【0036】

好ましくは、遊星ギア形フライホイールは、遊星ギア形フライホイールの外周部から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、前記外周部に位置する、１つまたは複数の第２磁石を備えている。

【0037】

好ましくは、遊星リングギア形フライホイールは、遊星リングギア形フライホイールの内周部（径方向内方周縁部）から突出するか、前記内周部の近傍に位置するか、または前記内周部に位置する、１つまたは複数の第３磁石を備えている。

【0038】

好ましくは、１つまたは複数の第１磁石と、１つまたは複数の第２磁石と、１つまたは複数の第３磁石と、の各々は、１つまたは複数の磁気垂直面を備えている矢印形角柱（アローシェイププリズム）の形態である。

【0039】

好ましくは、磁気垂直面同士が互いに相互作用することで、遊星リングギア形フライホイールと太陽ギア形フライホイールとが１つまたは複数の遊星ギア形フライホイールの回転を引き起こすことを許容することによって、初段２次シャフトの回転を引き起こす。

【0040】

好ましくは、遊星リングギア形フライホイールは、遊星リングギア形フライホイールの外周部から突出するか、前記外周部の近傍に位置するか、または前記外周部に位置する、１つまたは複数の第４磁石を備えている。

【0041】

好ましくは、遊星リングギア形フライホイールの１つまたは複数の第４磁石は、別の遊星リングギア形フライホイールの１つまたは複数の第４磁石に相互作用することで、または回転可能質量に埋め込まれた永久磁石および／または電磁石に相互作用することで、２次回転可能シャフトの回転を引き起こす。

【0042】

本発明の実施形態を、さらなる特徴、実施形態、および利点、を取り得る図面を参照してさらに詳細に説明する。

【図面の簡単な説明】

【0043】

【図1】本発明の実施形態の側面図であり、モータで発生したエネルギーを蓄積、増幅、および使用、するための装置およびシステムを示す図。

【図2】本発明のさらなる実施形態の側面図であり、モータで発生したエネルギーを蓄積および増幅するための装置およびシステムを示す図。

【図3】図２の装置のセクションＡのクローズアップ図。

【図4】図２の装置のセクションＢのクローズアップ図。

【図5】１次（プライマリ）フライホイールおよび初段２次（ファーストステージセカンダリ）フライホイールの磁石の形状（成形）および配置の例示的な実施形態を示す、図３の装置の上部分の上面図。

【図6】図５の１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの透視図。

【図7】本発明のさらなる実施形態を示す図であり、図３のモータで生成されたエネルギーを蓄積、増幅、および使用、ための装置およびシステムを示す図。

【図8】本発明のさらなる実施形態の側面図であり、２つの風力タービンから生成されたエネルギーを蓄積、増幅、および使用、ための装置およびシステムを示す図。

【図9】図８の装置の上面図であり、１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの、磁石の形状および配置の例示的な実施形態を示す図。

【図10】図９の１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの透視図。

【図11】１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの磁石の形状および配置のさらなる例示的な実施形態を示す、図８の装置の上部分の上面図。

【図12】図１１の１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの透視図。

【図13】本発明のさらなる実施形態の側面図であり、機械のシャフトを浮上させるための装置を、より具体的には磁気軸受装置を、示す図。

【図14】図１３の装置をゴースト形態で示す側面図。

【図15】図１３の装置のセクションＤ１を示す断面図。

【図16】図１３の装置のセクションＤ２を示す断面図。

【図17】本発明のさらなる実施形態の側面図であり、第１シャフトから第２シャフトへ回転を誘導するための装置を示す、より具体的には磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置を示す、図。

【図18】図１７の装置の例示的な実施形態のセクションＥ１の第１位置を示す側面図であり、第１シャフトは装置から離れて配置されている図。

【図19】図１７の装置の例示的な実施形態のセクションＥ１の第２位置の側面図であり、第１シャフトは装置に接触して位置している図。

【図20】図１７の装置のさらなる例示的な実施形態のセクションＥ１の第１位置の側面図。ここで、第１シャフトは装置に接触して配置されており、第２シャフトは非通電である図。

【図21】図１７の装置のさらなる例示的な実施形態のセクションＥ１の第２位置の側面図。第１シャフトが装置に接触して配置されており、第２シャフトは通電されている図。

【図22】フライホイールを示す、本発明のさらなる実施形態の側面図。

【図23】図２２の装置の第１位置を示す側面図。シャフトが静止しているとき、フライホイールウェイト材（重量材）は装置の第１位置に位置している図。

【図24】図２２の装置の第１位置の側面図。シャフトが回転しているとき、フライホイールウェイト材は装置の第２位置に位置している図。

【図25】図５および図６の１次フライホイールおよび初段２次フライホイールの変更版である、１次ギア形フライホイールおよび初段２次ギア形フライホイールの磁石の形状および配置を示す例示的な実施形態の上面図。

【図26】本発明のさらなる実施形態の側面図であり、モータで生成されたエネルギーを蓄積、増幅、使用、するための装置およびシステムを示している図。さらに図２５の１次ギア形フライホイールおよび初段２次ギア形フライホイールの磁石の形状および配置の例示的な実施形態を示す。ならびに１次遊星リングギア複合（組合せ）フライホイールの磁石の形状および配置を示す図。

【図27】本発明のさらなる実施形態の上面図。モータで、風力タービンで、または水力発電機で、生成されたエネルギーを蓄積、増幅、使用、するための装置およびシステムを示している図。図２６の１次遊星リングギア複合フライホイールが、１次駆動シャフトの回転から磁気誘導されることで回転する様子を示す図。

【図28】図２５～図２７に示される実施形態で使用される、矢印形状の磁石を詳細に示す透視図。

【発明を実施するための形態】

【0044】

図面全体を通して、明示的に別段の指示がある場合を除き、同様の特徴を識別するべく同様の部材番号が使用される。
図１では、動力（パワー）貯蔵・増幅装置（１００）の第１実施形態が示されている。動力貯蔵・増幅装置（１００）は、３つの構成部分（５０、５１、５２）を備えて構成されている。第１構成部分５０は、モータ２または他の駆動機構、１次（プライマリ）駆動シャフト４ａ、および少なくとも１つの１次（プライマリ）磁気ギア１ａ、を備えて構成されている。モータ２は１次駆動シャフト４ａに接続されているとともに、１次駆動シャフト４ａを回転させる。１次磁気ギア１ａは、１次駆動シャフト４ａに取り付けられているとともに、１次駆動シャフト４ａが回転しているときに回転する。

【0045】

第２構成部分５１は、初段２次（ファーストステージセカンダリ）駆動シャフト４ｂと、少なくとも１つの初段２次磁性ギア１ｂと、を備えている。第２構成部分５１は、重い（ヘビー）フライホイールとして具現化することができ、その動作については後述する。

【0046】

２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）および／または磁気軸受（６ａ、６ｂ）は、シャフトを支持／ベース構造７に相互連結してもよい。軸受（６ａ、６ｂ）は、図１に示すように、支持／ベース構造７の内部に埋め込まれて、回転摩擦を最小限に抑えた実質的に直立した位置で、初段２次駆動シャフト４ｂを受け入れおよび整列させることができる。

【0047】

初段２次駆動シャフト４ｂは、１次駆動シャフト４ａからのエネルギーを利用するように構成されている。１次駆動シャフト４ａから初段２次駆動シャフト４ｂへのエネルギーの伝達は、１次磁気ギア１ａと初段２次磁気ギア１ｂとの磁気相互作用を介して促進される。言い換えれば、１次駆動シャフト４ａが回転すると、１次磁気ギア１ａと初段２次磁気ギア１ｂとの吸引力と反発力との相互作用を介して、初段２次駆動シャフト４ｂが回転させられる。

【0048】

初段２次駆動シャフト４ｂには、上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂともが取り付けられている。上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂは、典型的には初段２次駆動シャフト４ｂの下半分に配置されているが、初段２次駆動シャフト４ｂの上半分に配置されていてもよい。より具体的には、下部磁気リング５ｂは、下部軸受６ｂおよび支持／ベース構造７に対して上方にかつこれらに隣接して配置されているとともに、上部磁気リング５ａに対して反対方向に分極されている。よって、上部磁気リング５ａは下部磁気リング５ｂから反発するので、初段２次駆動シャフト４ｂに沿って浮上する。この実施形態では、上部磁気リング５ａは、２つの追加２次磁気ギア１ｃも浮上させるので、その結果、追加２次磁気ギア１ｃは、初段２次駆動シャフト４ｂに対して実質的に無重力になる。回転エネルギーおよび／または速度要件が低減された追加２次磁性ギア１ｃの回転は、従って、初段２次駆動シャフト４ｂの回転慣性およびエネルギー貯蔵を増加させる。

【0049】

追加２次磁気ギア１ｃが重いフライホイールである例示的な実施形態では、重いフライホイールは、回転慣性を利用することで、重いフライホイールに蓄積されたエネルギーで、発電機をあるいは即時にまたは将来的に他の装置を、駆動することができる。図１では、重いフライホイールが初段２次駆動シャフト４ｂに接続されているが、重いフライホイールは、初段２次駆動シャフト４ｂに隣接して接続されてもよい。

【0050】

装置１００の第３構成部分５２は、次段２次駆動シャフト４ｃと、１つの（または任意の数の）次段２次磁気ギア１ｄと、オルタネータ／発電機／バッテリ／器具（３）と、を備えている。同様に、次段２次駆動シャフト４ｃは、初段２次駆動シャフト４ｂからエネルギーを収穫（ハーベスト）するように構成されている。初段２次駆動シャフト４ｂから次段２次駆動シャフト４ｃへのエネルギーの伝達は、２つの追加２次磁気ギア１ｃと、次段２次磁気ギア１ｄと、の磁気的相互作用を介して促進される。換言すれば、初段２次駆動シャフト４ｂが回転させられると、２つの追加２次磁気ギア１ｃと、次段２次磁気ギア１ｄと、の吸引力と反発力（斥力）との相互作用を介して、次段２次駆動シャフト４ｃは回転させられる。

【0051】

次いで、次段２次駆動シャフト４ｃの回転エネルギーは、オルタネータ／発電機３を駆動するべく、そして当該回転エネルギーで電力（動力）を生成するべく、使用することができる。

【0052】

図２において、動力貯蔵および増幅装置（１０１）の第２実施形態が示されているとともに、２つの構成部分（６０および６１）と、さらなる任意の構成部分（６２）と、を備えて構成されている。第１構成部分６０は、モータ２または他の任意のエネルギーまたは駆動力、電圧源９、１次駆動シャフト４ａ、および１つの（または任意の数の）１次フライホイール１０ａ、を備えている。モータ２は、１次駆動シャフト４ａに接続されているとともに、モータ２が動作しているときに１次駆動シャフト４ａを回転させる。１次フライホイール１０ａは、１次駆動シャフト４ａに取り付けられているとともに、１次駆動シャフト４ａが回転しているときに回転する。

【0053】

装置１０１の第２構成部分６１は、初段２次駆動シャフト４ｂ、２つの（または任意の数の）初段２次フライホイール１０ｂ、１つの（または任意の数の）追加回転可能質量８、２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）、支持／ベース構造７、および２つの軸受６ａ、６ｂ、を備えて構成されている。軸受６ａ、６ｂは、支持／ベース構造７の内部に埋め込まれているとともに、図２に示すように、回転摩擦を最小限に抑えて実質的に直立した位置に２次駆動シャフト４ｂを受け入れおよび整列させるように適合されている。あるいは、下部軸受６ｂおよび２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）は、図１３～図１６に示すように、また以下に説明するように、磁気軸受２２に置き換えてもよい。

【0054】

初段２次駆動シャフト４ｂは、１次駆動シャフト４ａからエネルギーを利用するように構成されている。１次駆動シャフト４ａから初段２次駆動シャフト４ｂへのエネルギーの伝達は、１次フライホイール１０ａおよび初段２次フライホイール１０ｂの磁気的相互作用を介して促進される。換言すれば、初段２次駆動シャフト４ｂは、１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとの吸引力および反発力の相互作用を介して、１次駆動シャフト４ａが回転させられるときに回転させられる。

【0055】

図３では、複数の磁石２１が１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとに埋め込まれている。図示のように、１次フライホイール１０ａの磁石２１は、初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１とは反対に配置されている。すなわち１次フライホイール１０ａの磁石２１のＳ極は、下方の初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１のＳ極に隣接している。１次フライホイール１０ａの磁石２１のＮ極は、上方の初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１のＮ極に隣接している。磁石２１は、永久磁石および／または電磁石のいずれかの形態とすることができる。

【0056】

図３は、１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとの磁気構成を示すが、この構成はフライホイールに限定されず、他のタイプの磁気ギア（１ａ、１ｂ）にも組み込むことができることは、当業者には明らかであろう。

【0057】

図５および図６は、ダイヤモンド形状（菱形）の磁石２１を有している１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとの例示的な実施形態を示している。当業者であれば、特許文献１を見れば、長方形や円形の形状の磁石を備えている、様々な形状や構成も駆動伝達のために可能にされていることが分かるであろう。

【0058】

図５および図６に見られるように、１次駆動シャフト４ａが時計回り方向１４に回転させられると、１次フライホイール１０ａの磁石２１は、初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１に対して反発および引き合うので、その結果、初段２次駆動シャフト４ｂは反時計回り方向１５に回転させられる。あるいは、当業者であれば、１次駆動シャフト４ａが反時計回り方向１４に回転しているとともに、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転することで、逆の回転も適用されることを理解するであろう。

【0059】

図２に戻って参照すると、初段２次駆動シャフト４ｂはまた、上部磁気リング５ａおよび下部磁気リング５ｂを備えてもよい。この場合、上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂは、典型的には、初段２次駆動シャフト４ｂの下半分に配置されるが、代替的にまたは追加的に、初段２次駆動シャフト４ｂの上半分に配置されてもよい。より具体的には、下部磁気リング５ｂは、下部軸受６ｂおよび支持／ベース構造７に対して上方かつ隣接して配置されているとともに、上部磁気リング５ａに対して反対方向に分極されている。したがって、図４に見られるように、上部磁気リング５ａは、下部磁気リング５ｂから反発されているので、初段２次駆動シャフト４ｂに沿って浮上する。この実施形態では、上部磁気リング５ａは、追加回転可能質量８（他の機械部品を含んでもよい）も浮上させるので、その結果、追加回転可能質量８は、初段２次駆動シャフト４ｂに対して無重力になる。回転エネルギーおよび／または速度要件が低減された追加回転可能質量８の回転は、従って、初段２次駆動シャフト４ｂの回転慣性およびエネルギー蓄積を増加させる。

【0060】

追加回転可能質量８が１つまたは複数の重いフライホイールである例示的な実施形態では、重いフライホイールは、回転慣性を使用することで、重いフライホイールに蓄積されたエネルギーによって発電機または他の装置を、直ちにまたは将来的に駆動することができる。図２は、フライホイール（８）が初段２次駆動シャフト４ｂに接続されていることを示しているが、フライホイール（８）は、初段２次駆動シャフト４ｂに隣接して接続されていてもよい。

【0061】

図２の点線で示す、装置１０１の更なるオプションの構成部分６２は、コイル１１とエネルギー蓄積装置１２と、を備えて構成されている。コイル１１は、磁場を有している追加回転可能質量８が回転しているときに、コイル１１に電流が誘導されるように、初段２次駆動シャフト４ｂの追加回転可能質量８の周りに巻かれている。誘導された電流は、コイル１１に電気的接続済みのエネルギー蓄積装置１２に蓄積される。

【0062】

図７では、動力貯蔵・増幅装置（１０２）の第３実施形態が示されている。動力貯蔵・増幅装置（１０２）は、３つの構成部分（７０、７１、７２）を備えて構成されている。図７には全体が示されていないが、第１構成部分７０は、モータ２または他の任意のエネルギーまたは駆動力、電圧源９、１次駆動シャフト４ａ、および１つの（または任意の数の）１次フライホイール１０ａ、を備えている。モータ２は、１次駆動シャフト４ａに接続されているとともに、モータ２が動作しているときに１次駆動シャフト４ａを回転させる。１次フライホイール１０ａは、１次駆動シャフト４ａに取り付けられているとともに、１次駆動シャフト４ａが回転しているときに回転する。

【0063】

図７の第２構成部分７１は、１つの（または任意の数の）初段２次駆動シャフト４ｂ、２つの（または任意の数の）初段２次フライホイール１０ｂ、３つの追加２次フライホイール１０ｃ、追加回転可能質量８、２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）、支持／ベース構造７、および２つの軸受（６ａ、６ｂ）、を備えて構成される。軸受（６ａ、６ｂ）は、支持／ベース構造７の内部に埋め込まれているとともに、図７に示すように、回転摩擦を最小限に抑えて実質的に直立した位置に２次駆動シャフト４ｂを受け入れおよび整列させるように適合されている。代替的または追加的に、図１３～図１６に示すように、下部軸受６ｂおよび２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）は、取り外しされたり、および／または磁気軸受２２に置き換えたり、することができる。

【0064】

初段２次駆動シャフト４ｂは、１次駆動シャフト４ａからエネルギーを利用するように構成されている。１次駆動シャフト４ａから初段２次駆動シャフト４ｂへのエネルギーの伝達は、１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとの磁気的相互作用を介して促進される。換言すれば、図３、図５、図６、および本明細書で既に説明したそれらの説明から分かるように、１次フライホイール１０ａと初段２次フライホイール１ｂとの吸引力および反発力の相互作用を介して１次駆動シャフト４ａが回転させられると、初段２次駆動シャフト４ｂが回転させられる。

【0065】

初段２次駆動シャフト４ｂには、上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂも取り付けられている。上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂは、典型的には初段２次駆動シャフト４ｂの下半分に配置されているが、初段２次駆動シャフト４ｂの上半分に配置されていてもよい。より具体的には、下部磁気リング５ｂは、下部軸受６ｂおよび支持／ベース構造７に対して上方かつ隣接して配置されているとともに、上部磁気リング５ａに対して反対方向に分極されている。よって、図４に見られるように、上部磁気リング５ａは、下部磁気リング５ｂから反発されているとともに、初段２次駆動シャフト４ｂに沿って浮上する。この実施形態では、上部磁気リング５ａは、上部磁気リング５ａの上方にある、追加回転可能質量８および追加２次フライホイール１０ｃを含むあらゆる機械構成部品も浮上させるので、その結果、追加回転可能質量８および追加２次フライホイール１０ｃを含む機械構成部品はすべて、初段２次駆動シャフト４ｂに対して無重力になる。減少した回転エネルギーおよび／または速度要件を有している追加回転可能質量８および追加２次フライホイール１０ｃの回転は、したがって、初段２次駆動シャフト４ｂの回転慣性およびエネルギー貯蔵を増加させる。

【0066】

追加回転可能質量８および追加２次フライホイールがすべて重いフライホイールである例示的な実施形態では、重いフライホイールは、回転慣性を使用することで、重いフライホイールに蓄積されたエネルギーによって発電機または他の装置を、直ちにまたは将来的に駆動することができる。図７は、フライホイール（８）が初段２次駆動シャフト４ｂに接続されていることを示しているが、フライホイールは初段２次駆動シャフト４ｂに隣接して接続されていてもよい。

【0067】

装置１０２の第３構成部分７２は、図７の右側に示されているとともに、次段２次駆動シャフト４ｃ、２つの（または任意の数の）次段２次フライホイール１０ｄ、を備えて構成されている。これらの次段２次フライホイール１０ｄは、オルタネータ／発電機／バッテリ／装置（３）に動力を供給または駆動するべく使用することができる。同様に、次段２次駆動シャフト４ｃは、初段２次駆動シャフト４ｂからエネルギーを収穫するように構成されてもよい。初段２次駆動シャフト４ｂから次段２次駆動シャフト４ｃへのエネルギーの伝達は、３つの追加２次フライホイール１０ｃと複数の次段２次フライホイール１０ｄとの磁気的相互作用を介して促進される。換言すれば、次段２次駆動シャフト４ｃは、３つの追加２次フライホイール１０ｃと２つの次段２次フライホイール１０ｄとの引力および斥力の相互作用を介して、初段２次駆動シャフト４ｂが回転させられるときに、図３、図５、図６、およびそれらの説明で既に上述された動作とで同様の動作によって回転させられる。

【0068】

次いで、次段２次駆動シャフト４ｃの回転エネルギーは、オルタネータ、発電機、および／または他の機械（３）、を駆動するべく使用されるか、または生成された電力（動力）をバッテリに蓄えるべく使用される。スイッチ２６は、必要なときにのみ次段２次駆動シャフト４ｃの回転エネルギーを使用するべく、任意で含まれてもよい。

【0069】

図８では、動力貯蔵・増幅装置（１０４）の第４実施形態が示されている。動力貯蔵・増幅装置（１０４）は、３つの構成部分（８０、８１、８２）を備えて構成されている。図８の第１構成部分８０は、２つの（または任意の数の）風力タービン１６または任意の他のエネルギーもしくは駆動力、２つの１次駆動シャフト４ａ、および２つの（または任意の数の）１次フライホイール１０ａ、を備えて構成される。各風力タービン１６は、各々の１次駆動シャフト４ａに接続されている。風力タービン１６が外部の風を介して回転させられると、各風力タービン１６は各々の１次駆動シャフト４ａを回転させる。各々の１次フライホイール１０ａは、１次駆動シャフト４ａに別々に取り付けられているとともに、各々の１次駆動シャフト４ａが回転しているときに各々回転する。

【0070】

１次駆動シャフト４ａは、風力タービン１６の下に取り付けられるか、または風力タービン１６または他の駆動手段の下方で地下に収容される、こともできる。
装置１０４の第２構成部分８１は、初段２次駆動シャフト４ｂと、１つの（または任意の数の）初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂと、磁気カップリング装置１９と、フライホイール１８と、２つのリング磁石（５ａ、５ｂ）と、ハウジング１７と、支持／ベース構造７と、支持／ベース構造７の内部に埋め込まれた軸受６と、を備えている。

【0071】

初段２次駆動シャフト４ｂは、１次駆動シャフト４ａからのエネルギーを利用するように構成されてもよい。１次駆動シャフト４ａから初段２次駆動シャフト４ｂへのエネルギーの伝達は、１次フライホイール１０ａと初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂとの磁気的相互作用を介して促進される。換言すれば、初段２次駆動シャフト４ｂは、１次フライホイール１０ａと初段２次磁気ギア／フライホイール１０ｂとの吸引力および反発力の相互作用を介して、１次駆動シャフト４ａが回転させられるときに回転させられる。

【0072】

図９および図１０は、図８の装置１０３の磁気インタフェース部分、ここではセクションＣと呼ぶ、の例示的な実施形態を示す。図９および図１０において、複数の磁石２１は、１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂに埋め込まれている。磁石２１は、永久磁石および／または電磁石のいずれかの形態とすることができる。ダイヤモンド形状の磁石２１を有している、１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの例示的な実施形態が示されている。さらに、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂは円柱形状であってもよく、磁石２１は初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの曲面の周囲に配置されうる。当業者であれば、特許文献１を見れば、長円形や円形の磁石を含めた様々な形状や構成も、駆動伝達のために可能にされていることが分かるであろう。

【0073】

図９および図１０に見られるように、左の１次駆動シャフト４ａが時計回り方向２０に回転されているとともに、右の１次駆動シャフト４ａが反時計回り方向２０に回転されているとき、１次フライホイール１０ａの磁石２１は、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの磁石２１に対して反発したり引き合ったりする。その結果、初段２次駆動シャフト４ｂを反時計回り方向１５に回転させるが、磁石２１の位置によっては時計回り方向１５に回転することもある。初段２次駆動シャフト４ｂについて反時計回り方向１５が生じると仮定すると、当業者であれば、左右の１次駆動シャフト４ａは各々反対方向の回転が適用されることで反時計回り方向２０と時計回り方向２０とに回転するとともに、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転することも理解するであろう。

【0074】

図１１および図１２は、セクションＣの更なる代替的な実施形態例を示している。図１１および図１２において、１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの各々は、磁石２１が埋め込まれた上部１ａ′／１０ａ′、１ｂ′／１０ｂ′および下部１ａ′′／１０ａ′′、１ｂ′′／１０ｂ′′を備えて構成されている。磁石２１は、永久磁石および／または電磁石のいずれかの形態とすることができる。菱形の磁石２１を有している、１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの例示的な実施形態が示されている。当業者であれば、特許文献１を見れば、長円形や円形の磁石を含む様々な形状や構成も、駆動伝達のために可能にされていることを理解するであろう。１次および初段２次磁気ギア／フライホイール１ａ／１０ａ、１ｂ／１０ｂの上部１ａ′／１０ａ′、１ｂ′／１０ｂ′は円錐台形状であるとともに、磁石２１はそれらの駆動シャフト（４ａ、４ｂ）に対して上昇／傾斜した位置に配置されている。一方、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの下部１ｂ′′／１０ｂ′′は円柱形状である。

【0075】

図１１および図１２に見られるように、左の１次駆動シャフト４ａが時計回り方向２０に回転されているとともに、右の１次駆動シャフト４ａが反時計回り方向２０に回転されると、１次フライホイール１０ａの磁石２１は、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの磁石２１に対して反発および引き合うことで、上部１ａ′／１０ａ′、１ｂ′／１０ｂ′同士の磁場と、下部１ａ′′／１０ａ′′、１ｂ′′／１０ｂ′′同士の磁場と、が別々に相互作用する。その結果、初段２次駆動シャフト４ｂを反時計回り方向１５に回転させる。しかし、磁石２１の位置によっては、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転することもある。反時計回り方向１５が初段２次駆動シャフト４ｂに生じると仮定すると、当業者であれば、左右の１次駆動シャフト４ａに逆の回転が適用されることで各々反時計回り方向と時計回り方向２０に回転するとともに、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転することも理解するであろう。

【0076】

図１１および図１２は、円錐形状の上部１ａ′／１０ａ′、１ｂ′／１０ｂ′と、平坦または円柱形状の下部（底部）１ａ′／１０ａ′、１ｂ′／１０ｂ′と、を有している１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁性ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの実施形態を示す。１次フライホイール１０ａおよび初段２次磁性ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂが円錐形状のみでありうることも当業者には明らかであろう。

【0077】

また、セクションＣの磁気相互作用は、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂを取り外しても機能しうるとともに、代わりに磁石２１が初段２次駆動シャフト４ｂに埋め込まれうることも、当業者には明らかであろう。当業者であれば、１次磁気ギア／フライホイール１ａ／１０ａの代わりに、磁石２１が風力タービン１６に埋め込まれていてもよいことも理解できるであろう。

【0078】

図８に戻ると、初段２次駆動シャフト４ｂには、上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂとが取り付けられることもある。この場合、上部磁気リング５ａと下部磁気リング５ｂは、典型的には、初段２次駆動シャフト４ｂの下半分に配置されるが、初段２次駆動シャフト４ｂの上半分に配置されることもある。より具体的には、下部磁気リング５ｂは、軸受６および支持／ベース構造７に対して上方かつ隣接して配置されてもよく、上部磁気リング５ａに対して逆極性である。よって、上部磁気リング５ａは、下部磁気リング５ｂから反発されているとともに、初段２次駆動シャフト４ｂおよびハウジング１７に沿って浮上する。この実施形態では、上部磁気リング５ａは、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂも浮上させるので、その結果、初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂおよびハウジング１７は、初段２次駆動シャフト４ｂに対して無重力になる。１対の磁気リング（５ａ、５ｂ）の斥力によって浮上させられる初段２次磁気ギア／フライホイール１ｂ／１０ｂの回転は、したがって、初段２次駆動シャフト４ｂの回転慣性およびエネルギー貯蔵量を増大させる。

【0079】

代替的な例示的実施形態では、磁気リング（５ａ、５ｂ）および軸受／下部軸受（６、６ｂ）は、セクションＤとしてグループ化されている。磁気リング（５ａ、５ｂ）および軸受／下部軸受（６、６ｂ）は、初段２次駆動シャフト４ｂの回転を実質的に摩擦のないものにすることを求めて、磁気軸受２２に加えてまたは磁気軸受２２に置き換えて、使用することができる。

【0080】

図１３～図１６に示すように、磁気軸受２２は、上部（頂部）磁石２２ａと下部（底部）磁石２２ｂと、を備えて構成されている。磁気軸受２２の下部磁石２２ｂは、機械の支持／ベース／本体構造（７）の内部に配置されているとともに、磁気軸受２２の上部磁石２２ａに対して反対に配置されている。すなわち下部磁石２２ｂのＮ極は、上部磁石２２ａのＮ極に隣接していることで、上部磁石２２ａを下部磁石２２ｂから離すように反発させる。これによって駆動シャフト４ｂが浮上する。上部磁石２２ａおよび下部磁石２２ｂは、永久磁石および／または電磁石のいずれかの形態とすることができる。

【0081】

いくつかの例示的な実施形態では、磁気軸受２２を締めたり緩めたりすることが望まれる場合がある。そのため、調整機構を設けることができる。例えば、シャフト上のネジ付きバーまたはネジ山を使用することで、ネジ付きバー／シャフトの片側または両側に設けられたボルト同士を締めたり緩めたりすることによって、磁気軸受構成要素同士を一緒にしたり緩めたりすることができる。

【0082】

初段２次駆動シャフト４ｂが磁気軸受２２とで共に使用されるように図示されているが、他のシャフト４も磁気軸受２２とで共に使用され得ることが当業者には明らかであろう。代替的な例示的実施形態では、下部（底部）磁石２２ｂはシャフト４上に取り付けられず（嵌め込まれず）、および／または、上部磁石２２ａの形状は、凸状、円錐状、または同様の湾曲形状、であってもよい。下部磁石２２ｂは、シャフト４の互換性および実質的な垂直方向の整列を確実にするべく、凹状、半球状空洞、円錐状空洞、または他の相補的な湾曲形状等、の相補的（補完的）な形状であってもよい。

【0083】

図８に戻ると、図８の下部に示されている装置１００の第３構成部分８２は、次段２次駆動シャフト４ｃ、磁気カップリング装置１９、およびオルタネータ／発電機３、を備えて構成されている。同様に、次段２次駆動シャフト４ｃは、初段２次駆動シャフト４ｂからエネルギーを収穫（ハーベスティング）するように構成されている。初段２次駆動シャフト４ｂから次段２次駆動シャフト４ｃへのエネルギーの伝達は、第２構成部分８１および第３構成部分８２の磁気カップリング装置１９を介して促進される。つまり、初段２次駆動シャフト４ｂと次段２次駆動シャフト４ｃと（の２つの追加２次磁気ギア１ｃ）に接続された磁気カップリング装置１９の吸引力および反発力の相互作用を介することで、初段２次駆動シャフト４ｂが回転させられるときに次段２次駆動シャフト４ｃは回転させられる。カップリング装置１９には、必要なときだけ初段２次駆動シャフト４ｂから次段２次駆動シャフト４ｃにエネルギーを伝達するためのスイッチ２６を、任意に接続することもできる。

【0084】

第４実施形態では、第２構成部分８１においてフライホイール１８とハウジング１７（４）が開示されているが、当業者には、フライホイール１８を使用せずに、次段２次駆動シャフト４ｃを磁気カップリング装置１９に直接接続してもよいことが明らかであろう。また、ハウジング１７（４）は、本発明の第２および第３実施形態に示されるように、追加回転可能質量８および／または１つまたは複数の追加的な初段２次フライホイール／磁気ギア１０ｃ／１ｃによって置き換えられ得、これらもまた回転エネルギーを次段駆動シャフト４ｃに誘導および／または伝達し得ることが当業者には明らかであろう。

【0085】

代替実施形態では、図１７～図２１に示すように、セクションＥとしてグループ化されたフライホイール１８および磁気カップリング（結合）装置（１９）を、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９に加えてまたは磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の代わりに、使用することも可能にされている。セクション（断面）Ｅ１に示すように、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９は、鉄粉２３ａまたは他の任意の磁性粒子材料と、油または他の同様の流体であってもよい液体部分２３ｂと、の混合物２３を備えている。図１８および図１９において、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の一実施形態が示されている。この磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９は、初段２次駆動シャフト４ｂおよび次段２次駆動シャフト４ｃの各々の端部に取り付けられる２つの永久磁石を備えて構成されている。

【0086】

図１８では、第１位置が示されている。第１位置では、初段２次駆動シャフト４ｂは、方向１５に回転しているが、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９から離れた位置に配置されている、一方、次段２次駆動シャフト４ｃは、静止している（ステーショナリにいる）とともに、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９に接触している。磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９が、回転する初段２次駆動シャフト４ｂに接触させられると、鉄粉２３ａは、磁石の作用を受けることで、図１９に示す第２位置に示されるように、液体部分２３ｂ内の磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の中心に向かって、混合物２３内の秩序ある位置に移動し始める。鉄粉２３ａは磁界を強めるので、次段２次駆動シャフト４ｃを初段２次駆動シャフト４ｂとで同じ方向１５′に回転させる。鉄粉２３ａがゆっくりと最終形態に移行するにつれて、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９は、次段２次駆動シャフト４ｃにソフトスタートを提供する。

【0087】

図２０および図２１には、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の一実施形態が示されている。磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９は、初段２次駆動シャフト４ｂの各々の端部に取り付けられた永久磁石と、次段２次駆動シャフト４ｃの各々の端部に取り付けられた電磁石と、を備えて構成されている。

【0088】

図２０では、第１位置が示されている。第１位置では、初段２次駆動シャフト４ｂは、方向１５に回転しているとともに、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９に接触している。一方、同じく磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９に接触している次段２次駆動シャフト４ｃは、電磁石がオンになっていないので静止している。次段２次駆動シャフト４ｃの電磁石がオンになると、鉄粉２３ａは混合物２３内で、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の中心に向かって、整然とした位置に移動し始める。液体部分２３ｂは、図２１の第２位置に示すように、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９の外方領域に移動する。最終形態では、鉄粉２３ａ同士は互いに連結しているとともに、次段２次駆動シャフト４ｃを初段２次駆動シャフト４ｂとで同じ方向１５′に回転させる。鉄粉２３ａがゆっくりと最終形態に移行するにつれて、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９はゆっくりと強化されるとともに、次段２次駆動シャフト４ｃにソフトスタートを提供する。当業者には、永久磁石および／または電磁石のすべての異なる組合せが、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９とともに使用され得ることが明らかであるはずである。

【0089】

磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９には、初段２次駆動シャフト４ｂおよび次段２次駆動シャフト４ｃが使用されているが、磁気カップリングおよび磁気クラッチ装置１９には他のシャフト４も使用できることは当業者に明らかであろう。

【0090】

図２２～図２４は、本明細書では代替フライホイール２４と呼ばれる、低慣性モーメント始動フライホイールを示している。代替フライホイール２４は、図１、図２、図７、および図８、の機械（１００、１０１、１０２、１０３）を含むあらゆる機械に使用できるように設計されている。図２２において、代替フライホイール２４は、湾曲形状（湾曲した形状、カーブした形状、曲線形状）、例えばナイロイド形状または逆放物線形状である。代替フライホイール２４は、半径が最小である下部（底部）領域２４ａと、半径が最大である上部領域２４ｂと、を有していることが示されている。代替フライホイール２４は、代替フライホイール２４のケーシング内を動き回ることができるように、小さな固体微粒子材料、半固体、および水、油、および／または水銀のような厚いまたは薄い流体、で構成することができる材料（２５）を備えている。

【0091】

図２３では、セクションＦ１の側面図が示されているとともに、ここでは、フライホイール材料（フライホイールウェイト材）２５は、初段２次駆動シャフト４ｂが静止しているときに、代替フライホイール２４の下部（底部）領域２４ａに位置している。初段２次駆動シャフト４ｂが回転し始めると、フライホイール材料２５は、図２４に示すように、代替フライホイール２４の上部（頂部）領域２４ｂに達するまで、代替フライホイール２４の上部領域２４ｂに向かって上方に移動し始める。

【0092】

始動前、フライホイール材料２５は、フライホイールケーシング内の低い位置にあるとともに、回転軸線／シャフトに近い位置にある。始動時には、フライホイールは低い慣性モーメントを有している。フライホイール材料２５が、上部（頂部）領域２４ｂに向かって移動するとともに、初段２次駆動シャフト４ｂまたは軸線から離れるにつれて、慣性モーメントは徐々に増大する。この過程（処理）中、低重心が達成される。

【0093】

フライホイール材料２５は、代替フライホイール２４をフライホイール材料２５で充填または空にすることによって、調整することができる。一実施例では、この調整は初段２次駆動シャフト４ｂの上部または下部を通して達成することができる。この調整によって、代替フライホイール２４からフライホイール材料２５を圧送および吸引することによって、作動中に代替フライホイール２４の重量を変化させることができる。

【0094】

初段２次駆動シャフト４ｂが代替フライホイール２４に使用されているが、他のシャフト４も代替フライホイール２４に使用できることは当業者には明らかであろう。
図示されていないが、本発明は、空気摩擦を効果的／実質的に除去するとともに、本発明の意図された動作を外力が妨害するのを防止するべく、真空格納容器内に収容することも可能にされている。さらなる実施形態では、本発明はジャイロスコープ内に収容することも可能にされている。さらなる実施形態において、本発明は、本発明の意図された動作に外力が干渉するのを防ぐべく、地下に配置することも可能にされている。

【0095】

さらなる実施形態では、１次駆動シャフトは、モータの代わりに電気パルスシステムによって動力を供給されることもできる。さらなる実施形態では、使用されるモータは、必要に応じて、フライホイール／磁気ギアの速度を維持するべく、パルスでまたは短時間で、オン／オフすることもできる。

【0096】

いくつかの実施形態では、磁気浮上フライホイールまたは力増幅を伴う他の回転質量を使用することで誘導済み未使用エネルギーを増幅するべく、および磁気誘導回転を介して増幅された誘導済み未使用エネルギーで１つまたは複数の発電機または他の機械を駆動するべく、１次シャフトの未使用エネルギーを磁気誘導回転を介して２次シャフトに利用するように装置を使用することができる。

【0097】

本発明に従って製造される機械は、回転するように適合されている回転可能シャフトを組み込むことができる。回転可能シャフトは、実質的に垂直に配置される。この回転可能シャフトは、本明細書で前述したような１対の磁気軸受、磁気クラッチ装置、および／または流体充填フライホイール、といった特徴のいずれか１つまたは組合せを備えていることができることが理解されよう。

【0098】

第１～第４実施形態の装置（１００、１０１、１０２、１０３）およびシステムは、１次フライホイールおよび初段２次フライホイールを配置することでギア配置を形成するように、さらに変更できることが当業者には理解されよう。

【0099】

図２５に示すように、１次フライホイール（２９ａ）および初段２次フライホイール（２９ｂ）は、フライホイール（２９ａ、２９ｂ）の外周縁（径方向外方周縁）から突出する１つまたは複数の磁石２８を各々備えている、１次ギア形フライホイール２９ａおよび初段２次ギア形フライホイール２９ｂになるように変更されている。磁石２８は矢印形状であってもよい。各磁石２８は、磁石２８の自由端において同じ磁気極性を有していてもよい。これによって、１次駆動シャフト４ａが時計回り方向１４に回転すると、１次ギア形フライホイール２９ａの矢印形磁石（２８）が、初段２次ギア形フライホイール２９ｂの磁石２１に対して反発する。その結果、初段２次駆動シャフト４ｂは反時計回り方向１５に回転する。駆動シャフト（４ａ、４ｂ）の安定した回転をもたらすために、磁石２８同士が引き合うような配置も、フライホイール（２９ａ、２９ｂ）に実施され得る。あるいは、当業者であれば、１次駆動シャフト４ａが反時計回り方向１４に回転しているとともに、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転することで、逆の回転も適用されることを理解するであろう。磁石２８が、隣接する磁石２８に接触しても移動が妨げられないように、磁石２８の「矢印型」の性質も、磁石２８同士の接触や相互作用を補助する可能性がある。過負荷時に磁石２８同士がぶつかるのを防ぐためのプレートや保護ハウジングを使用することもできる。

【0100】

さらに、図２６は、モータ２で発生したエネルギーを蓄積および増幅するための、システムおよび装置のさらなる実施形態を示している。フライホイール（２９ａ、２９ｂ、２９ｃ）は磁気遊星ギアボックス配置に配置されている。図２５とで同様に、１つまたは複数の矢印形磁石（２８）は、現在各々太陽ギアおよび遊星ギアとして機能する１次ギア形フライホイール２９ａおよび初段２次ギア形フライホイール２９ｂの外周縁から突出することができる。矢印形磁石（２８）同士の自由端は、同じ磁極を有しているので互いに反発する。その結果、１次ギア形フライホイール２９ａが時計回り方向１４に回転させられると、４つの初段２次ギア形フライホイール２９ｂが反時計回り方向１５に回転させられる。遊星ギアはいくつあってもよい。

【0101】

対照的に、１次遊星リングギア複合（組合せ、コンバイン）フライホイール２９ｃは、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの内周縁（径方向内方周縁）から内方に突出する１つまたは複数の磁石２８を備えている。代替実施形態では、１つまたは複数の磁石２８は、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃから外方に突出していてもよい。磁石２８は矢印形状であってもよい。１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、例えば図１～図４および図７のリング磁石（５ａ、５ｂ）を介して、または例えば図１３～図１６の磁気軸受２２を介して、１次駆動シャフト４ａに沿って取り付けられているとともに浮上させられる。しかし１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、１次駆動シャフト４ａが回転しているときには、逆方向３０に回転するように構成されている。

【0102】

１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、反発力（斥力）を介して初段２次ギア形フライホイール２９ｂを正しい位置に固定することで、１次ギア形フライホイール２９ａに相互作用するように、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの１つまたは複数の磁石２８同士の自由端に同じ磁気極性を有していることもできる。駆動シャフト（４ａ、４ｂ）の安定した回転をもたらすべく、磁石２８同士が引き合う配置も、フライホイール（２９ａ、２９ｂ、２９ｃ）に実施され得る。１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃはさらに、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが時計回り方向３０に回転しているときに、磁気反発または引力によって、初段２次ギア形フライホイール２９ｂが時計回り方向１５に回転するように誘導するのを容易にするように適合されている。従って、装置１０４およびシステムのこの磁気遊星ギアボックス配置から、初段２次駆動シャフト４ｂの速度を増加させることが実現できる。

【0103】

図２６および図２７には、４つの初段２次ギア形フライホイール２９ｂが開示されている。しかし当業者には、任意の数の初段２次ギア形フライホイール２９ｂおよび１次ギア形フライホイール２９ａが、さらに１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの異なる内部形状が、明らかであろう。

【0104】

この実施形態では、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが逆方向に回転している。しかし当業者であれば、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが１次ギア形フライホイール２９ａとで同じ方向に回転する他の変形例、すなわち初段２次ギア形フライホイール２９ｂと１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃとの間に、次段２次ギア形フライホイールをさらに備えている装置またはシステムが存在することを理解するであろう。

【0105】

あるいは、当業者であれば、１次駆動シャフト４ａが反時計回り方向１４に回転するとともに、初段２次駆動シャフト４ｂが時計回り方向１５に回転する、といった逆の回転も適用されることを理解するであろう。

【0106】

他の代替的な例示的実施形態では、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの外方からの磁気手段によって、斥力（反発力）もしくは引力によって、または電子的もしくは他のパルス方式によって、駆動することもできる。代替の実施形態例では、さらに遊星ギアボックスを追加することで、より大きなギアボックスを、または自動ギアボックスまたはギアトレインを、形成することができる。

【0107】

特に、本発明の他の実施形態はさらに、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの外周縁から突出する１つまたは複数の磁石を備えていることを開示することができる。遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、回転エネルギーを他の遊星ギアボックス配置に伝達してもよい。他の遊星ギアボックス配置は、別の遊星リングギア複合フライホイールの内方に配置された遊星ギアおよび太陽ギア（各々、初段２次ギア形フライホイール２９ｂおよび１次ギア形フライホイール２９ａとで同様であってもよい）を有しているかまたは有しない別の遊星リングギア複合フライホイールであってもよい。または遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、回転エネルギーを他の駆動シャフトに、または追加リングギア複合フライホイールに伝達してもよい。追加リングギア複合フライホイールは、遊星リングギア複合フライホイール２９ｃと、他の追加リングギア複合フライホイールと、を同心的に取り囲む。いくつかの追加リングギア複合フライホイールは、遊星ギアおよび／または太陽ギアを有している。

【0108】

他の例示的な実施形態では、遊星ギアの有無にかかわらず、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、外方リムから駆動する小型モータを備えただけのフライホイールであってもよい。この結果、システムの厚さが薄くなるので、システムをスーツケースや車の床下に収めることができる。このようなシステムは、フライホイールすなわち追加回転可能質量８を持たない。システムの全重量は、浮上させた１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃによるものであるので、システムを非常に薄いサイズにする。

【0109】

図２６および図２７の実施形態は、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが浮上しているとともに、他の太陽ギアフライホイール（２９ａ）および遊星ギアフライホイール（２９ｂ）が固定されるように説明されてきた。しかし、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃが１次駆動シャフト４ａに固定されるとともに、他の太陽ギアフライホイール（２９ａ）および遊星ギアフライホイール（２９ｂ）が各々の駆動シャフト（４ａ、４ｂ）に沿って浮上させられるように、逆のことも可能にされうることは当業者には明らかであろう。

【0110】

さらに、図２５～図２８の磁石２８は、同じ目的を達成するべく他の形状で形成することもできる。さらに、磁石は、永久磁石または電磁石であることも可能にされている。
代替実施形態によれば、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、１次駆動シャフト４ａに取り付けられない。しかし１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃは、例えば図１～図４および図７のリング磁石（５ａ、５ｂ）を介して、または例えば図１３～図１６の磁気軸受２２を介して、１次駆動シャフト４ａに沿って浮上させられる可能性がある。この例示的な実施形態では、１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃはさらに、初段２次ギア形フライホイール２９ｂが時計回り方向１５に回転するときに、磁気反発または引力によって、時計回り方向３０に回転するように適合されている。

【0111】

図２７は、本発明のさらなる実施形態の上面図である。図２７は、モータ、風力タービン、または水力発電機、で生成されたエネルギーを蓄積、増幅、および使用、するための装置およびシステムを示している。装置１０５は、１次フライホイール１０ａを備えている。この１次フライホイール１０ａは、モータ、風力タービン、または水力発電機、によって回転させられる１次駆動シャフト４ａの回転とともに回転するように適合されている。１次フライホイール１０ａは、１次フライホイール１０ａの外周縁の近傍または外周縁に配置された１つまたは複数の磁石２１を備えている。この磁石２１は、矢印形磁石（２８）であってもよい。一態様では、１次フライホイール１０ａは、図２６および図２７のシステムおよび装置１０４全体を備えていることができる。磁石２１、２８は、遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの外周縁に配置される。

【0112】

さらに、初段２次フライホイール１０ｂとして機能する複数のリングギア複合フライホイールは、１次フライホイール１０ａの周囲に配置されてもよい。初段２次フライホイール１０ｂは各々、初段２次フライホイール１０ｂの外周縁の近傍にまたは外周縁に配置された磁石２１、２８を有している。磁石２１、２８はより具体的に、初段２次フライホイール１０ｂの各々内に配置された遊星リングギア複合フライホイールの外周縁に配置される。

【0113】

１次駆動シャフト４ａが回転させられると、１次フライホイール１０ａが回転させられる（１４、３０）。１次フライホイール１０ａの磁石２１、２８は、初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１、２８に対して反発することで、その結果、初段２次フライホイール１０ｂを時計回り方向に回転させる（１５、３１）。最終的に、初段２次フライホイール１０ｂに連結された初段２次駆動シャフト４ｂを回転させる。磁石２８同士が引き合うことで駆動シャフト（４ａ、４ｂ）の安定した回転を引き起こすような配置も、フライホイール（１０ａ、１０ｂ）に実施することができる。あるいは、１次フライホイール１０ａが時計回り方向１４、３０に回転しているとともに、初段２次フライホイール１０ｂが反時計回り方向１５、３１に回転することで、逆の回転も適用されることを当業者は理解するであろう。いくつかの形態では、磁石２１、２８が、隣接する磁石２１、２８に接触しても動きが妨げられないように、磁石２１、２８の「矢印型」の性質が磁石２１、２８同士の接触または相互作用を補助することもある。

【0114】

いくつかの形態では、図５および図６の１次フライホイール１０ａおよび初段２次フライホイール１０ｂの磁石２１の形状および配置を利用するように、初段２次フライホイール１０ｂを部分的に、１次フライホイール１０ａに対して上方または下方に配置することができる。

【0115】

図２７の実施形態は、１次駆動シャフトの回転出力を逓倍するべく使用することができる。これは、エネルギー伝達、増幅、出力、および／または蓄積、の調整を可能にするべく、異なるサイズのギアを備えている初段２次フライホイールの各々を有していることによって、異なるレベルの温度または湿度を提供するように、発電機、水ポンプ、ならびにエアコン、などの用途に使用することができる。

【0116】

第１例として、図２７の実施形態は、または本明細書で開示される他の実施形態は、建物を望ましい温度レベルにするべく、建物の異なる階同士／部分同士に様々な量の温風／冷風を供給する必要性のある、建物の空調システムに使用できることである。

【0117】

別の例として、図２７の実施形態は、または本明細書に開示される他の実施形態は、作物の最大収量を達成するべく、および／または土壌の健康レベルを維持するべく、異なる圃場に様々な量の水を供給する必要性のある、灌漑システムに使用することができる。

【0118】

図２８は、図２５～図２７による矢印形磁石（２８）の透視図である。図示のように、１つまたは複数の磁石２８は、矢印形状の角柱（プリズム）であってよい。磁石２８は、それら角柱の自由端に磁気垂直面（磁性鉛直面）２８′を形成するように下方に延びている。磁気垂直面２８′同士は、１次駆動シャフト４ａおよびモータ２によって１次ギア形フライホイール２９ａが回転させられるときに、初段２次ギア形フライホイール２９ｂおよび１次遊星リングギア複合フライホイール２９ｃの回転を引き起こすように、互いに相互作用することができる。

【0119】

本明細書に開示されているように、本発明は、理想的な機械を作ろうとする際に、または理想的な機械に近づけようとする際に、別個にまたは組み合わせて含めることができる様々な装置を組み込んでいる。本明細書に記載された様々な実施形態は、多くの異なるタイプの機械において、別々にまたは組み合わせて使用され得ることが理解されよう。

【0120】

「備えている」という単語が使用される場合、「備えている」は、「オープン」な意味、すなわち、「含んでいる」という意味で理解される。すなわち「閉じた」意味には、つまり「ノミからなる」という意味には、限定されない。対応する単語「備える」、「備えられている」、「備え」が出現する場合、対応する意味に帰属する。

【0121】

本発明の特定の実施形態を説明したが、本発明は、その本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得ることは当業者には明らかであろう。したがって本実施形態および実施例は、あらゆる点で例示的なものであるのであり、制限的なものではないと考えられている。当業者にとって自明であろうすべての改変は、したがって包含されることが意図される。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【手続補正書】

【提出日】2023-06-01

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

機械本体と回転可能シャフトとを備えている機械であって、前記回転可能シャフトは前記機械本体のシャフト孔内で実質的に中心に配置されている回転軸線の周りに回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されており、
前記機械は１対の磁石と磁気軸受とを備えており、
前記１対の磁石は、両者間に反発力を及ぼすことで前記回転可能シャフトの少なくとも一部を浮上させるように、互いに協働するように適合されており、
前記磁気軸受は、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連している下部磁気軸受部分であって、実質的に上方および内方に向かう形状である下部磁気軸受表面を備えている前記下部磁気軸受部分と、
前記回転可能シャフトに関連している上部磁気軸受部分であって、前記下部磁気軸受表面に対する相補的な形状である上部磁気軸受表面を備えている前記上部磁気軸受部分と、
を備えており、前記下部磁気軸受部分と前記上部磁気軸受部分とは、回転軸線に沿って実質的に垂直に両者間に反発力を及ぼすことで前記機械本体の前記シャフト孔内において前記回転可能シャフトを支持および浮上させるように構成されている、
機械。

【請求項2】

前記１対の磁石のうちの少なくとも一方は、永久磁石および／または電磁石である、
請求項１に記載の機械。

【請求項3】

前記１対の磁石は、環状のリング状磁石である、
請求項１または２に記載の機械。

【請求項4】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト上に配置された回転可能質量を備えている、
請求項１～３のいずれか１項に記載の機械。

【請求項5】

前記回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールを備えている、
請求項４に記載の機械。

【請求項6】

前記回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項４または５に記載の機械。

【請求項7】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転すると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または引力を介して回転される前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項６に記載の機械。

【請求項8】

前記回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えているがこれらに限定されない駆動機構によって回転される、
請求項１～７のいずれか１項に記載の機械。

【請求項9】

前記機械はさらに、磁気ギアを備えている、
請求項１～８のいずれか１項に記載の機械。

【請求項10】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト内で回転するように適合された、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールを備えている、
請求項１～９のいずれか１項に記載の機械。

【請求項11】

前記上部磁気軸受部分は、凸状、円錐状、またはそのような湾曲形状、であり、
前記下部磁気軸受部分は、凹状、半球状キャビティ、円錐状キャビティ、または他の相補的な湾曲形状、などの相補的な形状である、
請求項１～１０のいずれか１項に記載の機械。

【請求項12】

回転可能シャフトを備えている磁気軸受アセンブリであって、前記回転可能シャフトは実質的に垂直に配置されており、前記回転可能シャフトは機械本体のシャフト孔内で実質的に中心に配置されている回転軸線の周りに回転するように構成されており、前記磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分であって、実質的に上方および内方に向かう形状である第１磁気軸受表面を備えている前記第１磁気軸受部分と、
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分であって、前記第１磁気軸受表面に対する相補的な形状である第２磁気軸受表面を備えている前記第２磁気軸受部分と、
を備えており、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とが回転軸線に沿って実質的に垂直に両者間に反発力を及ぼすことで、前記回転可能シャフトを前記機械本体の前記シャフト孔内で支持および浮上させるように構成されている、
磁気軸受アセンブリ。

【請求項13】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とは、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記シャフト孔内で回転可能に釣り合うように、相補的な環状／リング形状である、
請求項１２に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項14】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状であり、かつ
前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの他方は、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている、
請求項１２または１３に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項15】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている、
請求項１２～１４のいずれか１項に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項16】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、機械シャフト孔の回転可能シャフト内に埋め込まれるか、前記回転可能シャフトとで一体的に形成されるか、または前記回転可能シャフトに取り付けられるか、のいずれかである、
請求項１２～１５のいずれか１項に記載の磁気軸受アセンブリ。

【請求項17】

機械本体と回転可能シャフトとを備えている機械であって、前記回転可能シャフトは実質的に垂直に配置されているとともに、前記回転可能シャフトは前記機械本体のシャフト孔内で実質的に中心に配置されている回転軸線の周りに回転するように構成されており、
前記機械は磁気軸受アセンブリを備えており、前記磁気軸受アセンブリは、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連する第１磁気軸受部分であって、実質的に上方および内方に向かう形状である第１磁気軸受表面を備えている前記第１磁気軸受部分と、および
前記回転可能シャフトに関連する第２磁気軸受部分であって、前記第１磁気軸受表面に対する相補的な形状である第２磁気軸受表面を備えている前記第２磁気軸受部分と、
を備えており、使用時、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とが回転軸線に沿って実質的に垂直に両者間に反発力を及ぼしていることで、前記回転可能シャフトを前記機械本体の前記シャフト孔内で支持および浮上させるように構成されている、
機械。

【請求項18】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とは、前記回転可能シャフトが前記機械本体の前記シャフト孔内で回転可能に釣り合うように、相補的な環状／リング形状である、
請求項１７に記載の機械。

【請求項19】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの一方が有している一端は、直線状または非直線状のテーパ端部、収束形状または発散形状の端部、凸状または凹状の端部、円錐状または半球状の端部、または他の形状の端部、のいずれかを備えている形状であり、かつ
前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分とのうちの他方は、前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との隣接する表面同士が互いに補完し合うように、適合する形状に形成されている、
請求項１７または１８に記載の機械。

【請求項20】

前記第１磁気軸受部分と前記第２磁気軸受部分との各々は、永久磁石および／または電磁石を備えている、
請求項１７～１９のいずれか１項に記載の機械。

【請求項21】

前記機械はさらに、前記回転可能シャフト上で前記磁気軸受アセンブリに対して上方に配置された回転可能質量を備えている、
請求項１７～２０のいずれか１項に記載の機械。

【請求項22】

前記回転可能質量は、永久磁石および／または電磁石が埋め込まれた１つまたは複数のフライホイールとして具現化されている、
請求項２１に記載の機械。

【請求項23】

前記回転可能質量は、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項２１または２２に記載の機械。

【請求項24】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転されるときに前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、および
フライホイールが回転するときに、２次回転可能シャフト中に埋め込まれた磁石の反発または吸引によって回転させられる前記２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項２３に記載の機械。

【請求項25】

前記回転可能シャフトは、モータ、発電機、風力タービン、または磁気カップリング装置、を備えているがこれらに限定されない駆動機構によって回転される、
請求項１７～２４のいずれか１項に記載の機械。

【請求項26】

前記機械はさらに、磁気ギアを備えている、
請求項１７～２５のいずれか１項に記載の機械。

【請求項27】

第１シャフトの回転によって第２シャフトの回転を誘導するように構成された磁気クラッチ装置であって、前記磁気クラッチ装置は、
第１インタフェースと第２インタフェースとを備えているカップリングハウジングであって、前記カップリングハウジングの内部に磁化可能流体材料を備えている前記カップリングハウジングと、
前記第１シャフトの端部を前記カップリングハウジングに作動的に接続するように適合されている前記第１インタフェースと、
前記第２シャフトの端部を前記カップリングハウジングに作動的に接続するように適合されている前記第２インタフェースと、
を備えており、前記磁気クラッチ装置は、
前記第１シャフトが前記カップリングハウジングに作動的に非接続されているとともに、前記カップリングハウジング内で前記磁化可能流体材料はランダムに配置されている非同期状態と、または
前記カップリングハウジング内で前記磁化可能流体材料が磁気的に整列して配置されることで前記カップリングハウジング内の磁界を強化することによって、前記第１シャフトに同期して前記第２シャフトの前記端部を磁気的に係合および回転させるように、前記第１シャフトが前記カップリングハウジングに作動的におよび磁気的に接続されている、同期状態と、
のうちのいずれかを採用するように構成されている、
磁気クラッチ装置。

【請求項28】

前記磁化可能流体材料は、
鉄粉などの磁性粒子材料と、
オイルのような液体部分と、
のうちのいずれか１つを備えている、
請求項２７に記載の磁気クラッチ装置。

【請求項29】

前記第１シャフトおよび前記第２シャフトの各々の端部は、永久磁石または電磁石であるように構成されている、
請求項２７または２８に記載の磁気クラッチ装置。

【請求項30】

回転軸線の周りに回転されるように適合された流体充填フライホイールであって、
前記流体充填フライホイールは実質的に湾曲形状のホイール本体を有しており、前記湾曲形状は、実質的にナイロイド形状であり、前記ホイール本体は、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えており、
前記流体充填フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
前記流体充填フライホイールが回転していないとともに前記流体材料が実質的に前記下部領域に位置している静止状態と、
前記流体充填フライホイールが回転を開始しているとともに前記流体材料が前記下部領域と前記上部領域との中間に位置している過渡状態と、
前記流体充填フライホイールが回転しているとともに前記流体材料が実質的に前記上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている、
流体充填フライホイール。

【請求項31】

前記流体材料は、
砂のような小固体粒子材料と、
半固体と、
水、油、水銀、などの薄いまたは濃い流体と、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項３０に記載の流体充填フライホイール。

【請求項32】

前記流体充填フライホイールは、駆動機構によって回転させられる回転可能シャフトに取り付けられている、
請求項３０または３１に記載の流体充填フライホイール。

【請求項33】

前記駆動機構は、モータ、発電機、風力タービン、磁気カップリング装置、またはその他の駆動機構、を備えている、
請求項３２に記載の流体充填フライホイール。

【請求項34】

前記磁気カップリング装置は、回転する１次駆動シャフトに取り付けられた１つまたは複数の１次磁気手段の回転から回転するように適合された１つまたは複数の磁気手段を備えている、
請求項３３に記載の流体充填フライホイール。

【請求項35】

前記流体充填フライホイールは、エネルギーハーベスティング装置を備えている、
請求項３０～３４のいずれか１項に記載の流体充填フライホイール。

【請求項36】

前記エネルギーハーベスティング装置は、
電気コイル装置であって、前記電気コイル装置が回転すると前記電気コイル装置を介して電流が流れるように誘導される、前記電気コイル装置と、
前記流体充填フライホイールに埋め込まれた磁石の反発または吸引によって回転する２次回転可能シャフトと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
請求項３５に記載の流体充填フライホイール。

【請求項37】

前記流体充填フライホイールの重量は、前記流体充填フライホイールの上部または下部から前記流体材料を圧送および吸引することによって調整可能にされている、
請求項３０～３６のいずれか１項に記載の流体充填フライホイール。

【請求項38】

トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムであって、前記システムは機械本体と回転可能シャフトとを備えており、前記回転可能シャフトは前記機械本体のシャフト孔内で実質的に中心に配置されている回転軸線の周りに回転するように適合されているとともに実質的に垂直に配置されており、前記システムは、
１対の磁気軸受であって、前記１対の磁気軸受は、
前記機械本体の前記シャフト孔に関連している下部磁気軸受であって、実質的に上方および内方に向かう形状である下部磁気軸受表面を備えている前記下部磁気軸受と、
前記回転可能シャフトに関連している上部磁気軸受であって、前記下部磁気軸受表面に対する相補的な形状である上部磁気軸受表面を備えている前記上部磁気軸受と、
を備えており、前記下部磁気軸受と前記上部磁気軸受とは、回転軸線に沿って実質的に垂直に両者間に反発力を及ぼすことで前記機械本体の前記シャフト孔内において前記回転可能シャフトを支持および浮上させるように構成されている、前記１対の磁気軸受と、
前記回転可能シャフトの回転によって第２シャフトの回転を誘導するように構成された磁気クラッチ装置であって、前記磁気クラッチ装置は、
第１インタフェースと第２インタフェースとを備えているカップリングハウジングであって、前記カップリングハウジングの内部に磁化可能流体材料を備えている前記カップリングハウジングと、
前記回転可能シャフトの端部を前記カップリングハウジングに作動的に接続するように適合されている前記第１インタフェースと、
前記第２シャフトの端部を前記カップリングハウジングに作動的に接続するように適合されている前記第２インタフェースと、
を備えており、前記磁気クラッチ装置は、
前記回転可能シャフトが前記カップリングハウジングに作動的に非接続されているとともに、前記カップリングハウジング内で前記磁化可能流体材料はランダムに配置されている非同期状態と、または
前記カップリングハウジング内で前記磁化可能流体材料が磁気的に整列して配置されることで前記カップリングハウジング内の磁界を強化することによって、前記回転可能シャフトに同期して前記第２シャフトの前記端部を磁気的に係合および回転させるように、前記回転可能シャフトが前記カップリングハウジングに作動的におよび磁気的に接続されている、同期状態と、
のうちのいずれかを採用するように構成されている、前記磁気クラッチ装置と、および
前記回転可能シャフトに取り付けられているとともに実質的に前記１対の磁気軸受に対して上方に配置された流体充填フライホイールであって、前記流体充填フライホイールは実質的に湾曲形状のホイール本体を有しており、前記湾曲形状は、実質的にナイロイド形状であり、前記流体充填フライホイールは、
第１半径を有している上部領域と、
前記第１半径よりも小さい第２半径を有している下部領域と、および
前記ホイール本体内の流体材料と、
を備えており、
前記流体充填フライホイールの回転に際して前記流体材料は、
前記流体充填フライホイールが回転していないとともに前記流体材料が実質的に前記下部領域に位置している静止状態と、
前記流体充填フライホイールが回転を開始しているとともに前記流体材料が前記下部領域と前記上部領域との中間に位置している過渡状態と、
前記流体充填フライホイールが回転しているとともに前記流体材料が実質的に前記上部領域に位置している回転状態と、
の間を移動するように適合されている、前記流体充填フライホイールと、
のいずれか１つまたは組合せを備えている、
システム。

【請求項39】

トルク増幅、動力生成、送達、および／または蓄積、のためのシステムであって、前記システムは、
実質的に垂直に配置されている１次回転可能駆動シャフトであって、前記１次回転可能駆動シャフトは、太陽ギア形フライホイールを定義するように前記１次回転可能駆動シャフトに取り付けられた１次回転可能質量を備えており、前記１次回転可能質量は永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである、前記１次回転可能駆動シャフトと、
１つまたは複数の２次回転可能シャフトであって、前記各２次回転可能シャフトは前記各２次回転可能シャフトに取り付けられた２次回転可能質量を備えており、前記各２次回転可能質量は遊星ギア形フライホイールを定義しており、前記各２次回転可能質量は永久磁石および／または電磁石が埋め込まれたフライホイールである、１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトと、
前記太陽ギア形フライホイールと前記遊星ギア形フライホイールとの各々を取り囲むとともにこれら周りに回転するように作動的に構成された遊星リングギアフライホイールであって、前記遊星リングギアフライホイールには永久磁石および／または電磁石が埋め込まれている、前記遊星リングギアフライホイールと、
を備えており、
前記永久磁石および／または前記電磁石の各々は、１つまたは複数の磁気垂直面を備えている矢印形角柱の形態であり、
前記１次回転可能駆動シャフトの回転は、前記１次回転可能質量と前記２次回転可能質量とに埋め込まれた前記永久磁石および／または前記電磁石の前記矢印形角柱の前記磁気垂直面同士の相互作用を介して、１つまたは複数の前記２次回転可能シャフトの回転と前記遊星リングギアフライホイールの回転とを引き起こす、
システム。

【請求項40】

前記太陽ギア形フライホイールと、前記遊星ギア形フライホイールと、前記遊星リングギアフライホイールと、の各々は各フライホイールの内周部または外周部から突出するか、前記内周部または前記外周部の近傍に位置するか、または前記内周部または前記外周部に位置する、１つまたは複数の磁石を備えている、
請求項３９に記載のシステム。

【国際調査報告】