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特表2024-523435クロスコンポーネント適応ループフィルタのための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】クロスコンポーネント適応ループフィルタのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/82 20140101AFI20240621BHJP
   H04N 19/91 20140101ALI20240621BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20240621BHJP
【FI】
H04N19/82
H04N19/91
H04N19/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578193
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 SG2022050442
(87)【国際公開番号】W WO2023277810
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/215,521
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/235,111
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/808,933
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523475516
【氏名又は名称】アリババ ダモ (ハンジョウ) テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サーヴァー,モハメド ゴラム
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ルーリン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シンウェイ
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159ME01
5C159PP16
5C159RC11
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
(57)【要約】
クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法が提供される。本方法は、CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、前記CCALFは、24タップ9×9フィルタである、方法。
【請求項2】
前記24タップ9×9フィルタは、
【数1】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、前記24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記復号された映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び前記24タップ9×9フィルタは、前記映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、CCALFを使用して映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、前記CCALFは、24タップ9×9フィルタである、方法。
【請求項7】
前記24タップ9×9フィルタは、
【数2】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、前記24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び前記24タップ9×9フィルタは、前記映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ビットストリームを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ビットストリームは、符号化された映像データに関連する第1のインデックスを含み、前記第1のインデックスは、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を識別し、前記CCALFは、24タップ9×9フィルタであり、及び前記第1のインデックスは、復号器に、前記24タップ9×9フィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングさせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記24タップ9×9フィルタは、
【数3】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、前記24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記ビットストリームは、コード化されたシンタックス要素を更に含み、前記符号化されたシンタックス要素は、前記24タップ9×9フィルタのフィルタ係数を含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1のインデックスは、Cr成分のための第1のCCALFを示し、前記ビットストリームは、Cb成分のための第2のCCALFを示す第2のインデックスを更に含み、前記第1のCCALFは、第1の24タップ9×9フィルタであり、前記第2のCCALFは、第2の24タップ9×9フィルタであり、前記第1のインデックス及び前記第2のインデックスは、前記復号器に、前記第1の24タップ9×9フィルタを使用して、前記復号された映像コンテンツの前記Cr成分をフィルタリングさせ、及び前記第2の24タップ9×9フィルタを使用して、前記復号された映像コンテンツの前記Cb成分をフィルタリングさせる、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ビットストリームは、コード化されたシンタックス要素を更に含み、前記コード化されたシンタックス要素は、前記第1の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数及び前記第2の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数を含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ビットストリーム内において、前記第1の24タップ9×9フィルタの前記フィルタ係数及び前記第2の24タップ9×9フィルタの前記フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2021年6月28日に出願された米国仮特許出願第63/215,521号、2021年8月19日に出願された米国仮特許出願第63/235,111号及び2022年6月24日に出願された米国特許出願第17/808,933号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、概して、映像処理に関し、より具体的には、映像コード化のクロスコンポーネントループ適応フィルタのための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 映像は、視覚情報を捕捉した静的ピクチャ(又は「フレーム」)の集合である。記憶メモリ及び伝送帯域幅を低減するために、映像を記憶又は伝送前に圧縮し、表示前に復元することができる。圧縮プロセスは、通常、符号化と呼ばれ、復元プロセスは、通常、復号化と呼ばれる。最も一般的には、予測、変換、量子化、エントロピーコード化及びインループフィルタリングに基づく規格化された映像コード化技術を使用する様々な映像コード化形式がある。特定の映像コード化形式を指定する高効率ビデオコーディング(HEVC/H.265)規格、多用途ビデオコーディング(VVC/H.266)規格及びAVS規格等の映像コード化規格が規格化組織によって開発されている。一層進化した映像コード化技術が映像規格に採用されるにつれて、新たな映像コード化規格のコード化効率が一層高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の概要
[0004] 本開示の実施形態は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を提供する。本方法は、CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである。
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を提供する。本方法は、CCALFを使用して映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである。
【0006】
[0006] 本開示の実施形態は、ビットストリームを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。ビットストリームは、符号化された映像データに関連する第1のインデックスを含み、第1のインデックスは、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を識別し、CCALFは、24タップ9×9フィルタであり、第1のインデックスは、復号器に、24タップ9×9フィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングさせる。
【0007】
図面の簡単な説明
[0001] 本開示の実施形態及び様々な態様を以下の詳細な説明及び添付図面に示す。図示する様々な特徴は、縮尺通り描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0002]本開示の一部の実施形態による映像シーケンスの一例の構造を示す概略図である。
図2A】[0003]本開示の実施形態と合致する、ハイブリッド映像コード化システムの例示的な符号化プロセスを示す概略図である。
図2B】[0004]本開示の実施形態と合致する、ハイブリッド映像コード化システムの別の例示的な符号化プロセスを示す概略図である。
図3A】[0005]本開示の実施形態と合致する、ハイブリッド映像コード化システムの例示的な復号プロセスを示す概略図である。
図3B】[0006]本開示の実施形態と合致する、ハイブリッド映像コード化システムの別の例示的な復号プロセスを示す概略図である。
図4】[0007]本開示の一部の実施形態による、映像を符号化又は復号するための例示的な機器のブロック図である。
図5】[0008]本開示の一部の実施形態による、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)プロセスを示す。
図6】[0009]本開示の一部の実施形態による、多用途ビデオコーディング(VVC)で使用される例示的なCCALFフィルタ形状を示す。
図7】[0010]本開示の一部の実施形態による、CCALFのための例示的方法のフローチャートを示す。
図8】[0011]本開示の一部の実施形態による、CCALFのための5つの例示的な形状を示す。
図9】[0012]本開示の一部の実施形態による、CCALFが有効化されたスライス内の各コード化ツリーブロック(CTB)の最良のCCALFフィルタ形状をシグナリングするための例示的方法のフローチャートを示す。
図10】[0013]本開示の一部の実施形態による、更新されたCCALFに関係するシンタックス要素の例示的なセマンティクスを示す。
図11】[0014]本開示の一部の実施形態による、適応パラメータセット(APS)シンタックス内でシグナリングされる例示的な適応ループフィルタ(ALF)を示す。
図12】[0015]本開示の一部の実施形態による、CCALFプロセスのための例示的な更新されたVVC仕様を示す。
図13】[0016]本開示の一部の実施形態による、CCALFに関係するセマンティクスの例示的な変更を示す。
図14】[0017]本開示の一部の実施形態による例示的なAPSシンタックステーブルを示す。
図15】[0018]本開示の一部の実施形態による、CCALFに関連するパラメータをシグナリングするための例示的方法のフローチャートを示す。
図16】[0019]本開示の一部の実施形態によるブロック分類の例示的方法の図を示す。
図17】[0020]本開示の一部の実施形態によるブロック分類のための勾配の4つの計算を示す。
図18】[0021]本開示の一部の実施形態による、1つ又は複数のCCALFクラスのためのフィルタ係数をシグナリングするためのAPSシンタックスの一例を示す。
図19】[0022]本開示の一部の実施形態による例示的なセマンティックの変更を示す。
図20】[0023]本開示の一部の実施形態による例示的な更新されたVVC仕様を示す。
図21】[0024]本開示の一部の実施形態による、クラスマージを使用してフィルタ係数をシグナリングする方法のフローチャートを示す。
図22】[0025]本開示の一部の実施形態による、クラスマージを使用してフィルタ係数をシグナリングする方法のAPSシンタックスを示す。
図23】[0026]本開示の一部の実施形態による例示的なセマンティックの変更を示す。
図24】[0027]本開示の一部の実施形態による例示的な24タップ9×9フィルタを示す。
図25】[0028]本開示の一部の実施形態による、図24に示すフィルタを使用するCCALFプロセスの例示的な更新されたVVC仕様を示す。
図26】[0029]本開示の一部の実施形態による例示的な28タップフィルタを示す。
図27】[0030]本開示の一部の実施形態による例示的な36タップフィルタを示す。
図28】[0031]本開示の一部の実施形態による例示的なAPSシンタックステーブルを示す。
図29】[0032]本開示の一部の実施形態による、各CTBの最良のフィルタをシグナリングするための例示的方法のフローチャートを示す。
図30】[0033]本開示の一部の実施形態による映像処理の例示的方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
[0034] ここで、添付図面にその例を示す例示的実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、添付図面を参照し、添付図面では、別段の定めがない限り、異なる図中の同じ番号が同じ又は同様の要素を表す。例示的実施形態についての以下の説明に記載する実装形態は、本発明に合致する全ての実装形態を表すものではない。むしろ、それらの実装形態は、添付の特許請求の範囲で列挙する、本発明に関係する態様に合致する機器及び方法の例に過ぎない。本開示の特定の態様を以下でより詳細に説明する。参照により援用する用語及び/又は定義と矛盾する場合、本明細書で示す用語及び定義が優先する。
【0010】
[0035] ITU-T Video Coding Expert Group(ITU-T VCEG)及びISO/IEC Moving Picture Expert Group(ISO/IEC MPEG)のJoint Video Experts Team(JVET)は、多用途ビデオコーディング(VVC/H.266)規格を現在開発している。VVC規格は、その前身である高効率ビデオコーディング(HEVC/H.265)規格の圧縮効率を2倍にすることを目指している。換言すれば、VVCの目標は、半分の帯域幅を用いてHEVC/H.265と同じ主観的品質を達成することである。
【0011】
[0036] 半分の帯域幅を用いてHEVC/H.265と同じ主観的品質を達成するために、JVETは、共同探索モデル(JEM)参照ソフトウェアを用いて、HEVCを超える技術を開発している。コード化技術がJEMに組み込まれたため、JEMは、HEVCよりも実質的に高いコード化性能を達成した。
【0012】
[0037] VVC規格は、最近開発されたものであり、より優れた圧縮性能をもたらすより多くのコード化技術を引き続き含んでいる。VVCは、HEVC、H.264/AVC、MPEG2、H.263等の現代的な映像圧縮規格で用いられてきた同じハイブリッド映像コード化システムに基づく。
【0013】
[0038] 映像は、視覚情報を記憶するために時系列順に構成される静的ピクチャ(又は「フレーム」)の集合である。それらのピクチャを時系列順に捕捉し、記憶するために、映像捕捉装置(例えば、カメラ)を使用することができ、かかるピクチャを時系列順に表示するために、映像再生装置(例えば、テレビ、コンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ビデオプレーヤ又は表示機能を有する任意のエンドユーザ端末)を使用することができる。更に、一部の応用では、監視、会議又は生放送等のために、映像捕捉装置が捕捉映像を映像再生装置(例えば、モニタを有するコンピュータ)にリアルタイムで伝送することができる。
【0014】
[0039] かかるアプリケーションが必要とする記憶空間及び伝送帯域幅を減らすために、映像を記憶及び伝送前に圧縮し、表示前に復元することができる。この圧縮及び復元は、プロセッサ(例えば、汎用コンピュータのプロセッサ)又は専用ハードウェアによって実行されるソフトウェアによって実装することができる。圧縮のためのモジュールを一般に「符号器」と呼び、復元のためのモジュールを一般に「復号器」と呼ぶ。符号器及び復号器は、まとめて「コーデック」と呼ぶことができる。符号器及び復号器は、様々な適切なハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせの何れかとして実装することができる。例えば、符号器及び復号器のハードウェア実装は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、書換可能ゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック又はその任意の組み合わせ等の回路を含み得る。符号器及び復号器のソフトウェア実装は、プログラムコード、コンピュータ実行可能命令、ファームウェア又はコンピュータ可読媒体内に固定される任意の適切なコンピュータによって実装されるアルゴリズム若しくはプロセスを含み得る。映像の圧縮及び復元は、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、H.26xシリーズ等の様々なアルゴリズム又は規格によって実装され得る。一部の応用では、コーデックが第1のコード化規格から映像を復元し、第2のコード化規格を使用して、復元された映像を再圧縮することができ、その場合、コーデックを「トランスコーダ」と呼ぶことができる。
【0015】
[0040] 映像符号化プロセスは、ピクチャを再構築するために使用可能な有用な情報を識別し、保つことができ、再構築に重要でない情報を無視することができる。無視された重要でない情報を完全に再構築できない場合、かかる符号化プロセスは、「非可逆」と呼ぶことができる。さもなければ、かかる符号化プロセスは、「可逆」と呼ぶことができる。殆どの符号化プロセスは、非可逆であり、これは、必要な記憶空間及び伝送帯域幅を減らすためのトレードオフである。
【0016】
[0041] 符号化されているピクチャ(「現在のピクチャ」と呼ぶ)の有用な情報は、参照ピクチャ(例えば、過去に符号化され再構築されたピクチャ)に対する変化を含む。かかる変化は、ピクセルの位置変化、光度変化又は色変化を含むことができ、そのうちの位置変化が最も重要である。オブジェクトを表すピクセル群の位置変化は、参照ピクチャと現在のピクチャとの間のオブジェクトの動きを反映し得る。
【0017】
[0042] 別のピクチャを参照することなしにコード化されるピクチャ(即ちかかるピクチャが自らの参照ピクチャである)を「Iピクチャ」と呼ぶ。ピクチャ内の一部又は全てのブロック(例えば、映像ピクチャの一部を概して指すブロック)が1つの参照ピクチャと共にイントラ予測又はインター予測を使用して予測される場合(例えば、単方向予測)、ピクチャは、「Pピクチャ」と呼ばれる。ピクチャ内の少なくとも1つのブロックが2つの参照ピクチャを用いて予測される場合(例えば、双方向予測)、ピクチャは、「Bピクチャ」と呼ばれる。
【0018】
[0043] 図1は、本開示の一部の実施形態による映像シーケンス100の一例の構造を示す。映像シーケンス100は、生中継映像又は捕捉され、アーカイブされている映像であり得る。映像100は、現実の映像、コンピュータによって生成される映像(例えば、コンピュータゲーム映像)又はその組み合わせ(例えば、拡張現実効果を有する現実の映像)であり得る。映像シーケンス100は、映像捕捉装置(例えば、カメラ)、過去に捕捉された映像を含む映像アーカイブ(例えば、記憶装置内に記憶されている映像ファイル)又は映像コンテンツプロバイダから映像を受信するための映像フィードインタフェース(例えば、映像ブロードキャストトランシーバ)から入力され得る。
【0019】
[0044] 図1に示すように、映像シーケンス100は、ピクチャ102、104、106及び108を含むタイムライン沿って時間的に配置される一連のピクチャを含み得る。ピクチャ102~106は、連続的であり、ピクチャ106とピクチャ108との間に更に多くのピクチャがある。図1では、ピクチャ102がIピクチャであり、その参照ピクチャは、ピクチャ102自体である。ピクチャ104は、Pピクチャであり、矢印によって示すように、その参照ピクチャは、ピクチャ102である。ピクチャ106は、Bピクチャであり、矢印によって示すように、その参照ピクチャは、ピクチャ104及び108である。一部の実施形態では、ピクチャ(例えば、ピクチャ104)の参照ピクチャは、そのピクチャの直前又は直後になくてもよい。例えば、ピクチャ104の参照ピクチャは、ピクチャ102に先行するピクチャであり得る。ピクチャ102~106の参照ピクチャは、例に過ぎず、本開示は、参照ピクチャの実施形態を図1に示す例として限定しないことに留意されたい。
【0020】
[0045] 典型的には、映像コーデックは、全ピクチャを一度に符号化又は復号せず、それは、かかるタスクが計算的に複雑であるためである。むしろ、映像コーデックは、ピクチャを基本セグメントに分割し、ピクチャをセグメントごとに符号化又は復号化することができる。本開示では、そのような基本セグメントを基本処理単位(「BPU」)と呼ぶ。例えば、図1の構造110は、映像シーケンス100のピクチャ(例えば、ピクチャ102~108の何れか)の構造の一例を示す。構造110では、ピクチャが4×4の基本処理単位に分けられており、その境界が破線で示されている。一部の実施形態では、基本処理単位は、一部の映像コード化規格(例えば、MPEGファミリ、H.261、H.263又はH.264/AVC)内の「マクロブロック」と呼ぶことができ、他の一部の映像コード化規格(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVC)内の「コード化ツリー単位」(「CTU」)と呼ぶことができる。128×128、64×64、32×32、16×16、4×8、16×32又はピクセルのあらゆる任意の形状及びサイズ等、基本処理単位は、ピクチャ内で可変サイズを有することができる。基本処理単位のサイズ及び形状は、コード化の効率及び基本処理単位内で保とうとする詳細度のバランスに基づいてピクチャについて選択することができる。
【0021】
[0046] 基本処理単位は、コンピュータメモリ内(例えば、映像フレームバッファ内)に記憶される様々な種類の映像データ群を含み得る論理単位であり得る。例えば、カラーピクチャの基本処理単位は、無彩色の輝度情報を表すルマ成分(Y)、色情報を表す1つ又は複数のクロマ成分(例えば、Cb及びCr)並びに関連するシンタックス要素を含むことができ、ルマ成分及びクロマ成分は、同じサイズの基本処理単位を有し得る。一部の映像コード化規格(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVC)では、ルマ成分及びクロマ成分は、「コード化ツリーブロック」(「CTB」)と呼ばれ得る。基本処理単位に対して行われるいかなる操作もそのルマ成分及びクロマ成分のそれぞれに対して繰り返し行うことができる。
【0022】
[0047] 映像のコード化には複数の操作段階があり、その例を図2A図2B及び図3A図3Bに示す。それぞれの段階について、基本処理単位のサイズは、依然として処理するのに大き過ぎる場合があり、従って本開示で「基本処理副単位」と呼ぶセグメントに更に分けることができる。一部の実施形態では、基本処理副単位は、一部の映像コード化規格(例えば、MPEGファミリ、H.261、H.263又はH.264/AVC)内の「ブロック」と呼ぶことができるか、又は他の一部の映像コード化規格(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVC)内の「コード化単位」(「CU」)と呼ぶことができる。基本処理副単位は、基本処理単位と同じであるか又はそれよりも小さいサイズを有し得る。基本処理単位と同様に、基本処理副単位もコンピュータメモリ内に(例えば、映像フレームバッファ内に)記憶される様々な種類の映像データ群(例えば、Y、Cb、Cr及び関連するシンタックス要素)を含み得る論理単位である。基本処理副単位に対して行われるいかなる操作もそのルマ成分及びクロマ成分のそれぞれに対して繰り返し行うことができる。処理の必要性に応じて、かかる分割は、更なるレベルまで行われ得ることに留意されたい。様々な段階が様々な方式を使用して基本処理単位を分割できることにも留意されたい。
【0023】
[0048] 例えば、(その一例を図2Bに示す)モード決定段階において、基本処理単位に対して何れの予測モード(例えば、イントラピクチャ予測又はインターピクチャ予測)を使用するかを符号器が決定することができ、基本処理単位は、かかる決定を下すには大き過ぎる場合がある。符号器は、基本処理単位を複数の基本処理副単位(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVCにあるCU)に分け、個々の基本処理副単位ごとに予測の種類を決定することができる。
【0024】
[0049] 別の例では、(その一例を図2A図2Bに示す)予測段階において、符号器は、基本処理副単位(例えば、CU)のレベルで予測操作を行うことができる。しかし、一部の事例では、処理するのに基本処理副単位が依然として大き過ぎる場合がある。符号器は、基本処理副単位をより小さいセグメント(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVC内で「予測ブロック」又は「PB」と呼ばれる)に更に分けることができ、そのレベルで予測操作を行うことができる。
【0025】
[0050] 別の例では、(その一例を図2A図2Bに示す)変換段階において、符号器は、残差基本処理副単位(例えば、CU)に対する変換操作を行うことができる。しかし、一部の事例では、処理するのに基本処理副単位が依然として大き過ぎる場合がある。符号器は、基本処理副単位をより小さいセグメント(例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVC内で「変換ブロック」又は「TB」と呼ばれる)に更に分けることができ、そのレベルで変換操作を行うことができる。同じ基本処理副単位の分割方式は、予測段階と変換段階とで異なり得ることに留意されたい。例えば、H.265/HEVC又はH.266/VVCでは、同じCUの予測ブロック及び変換ブロックは、異なるサイズ及び数を有し得る。
【0026】
[0051] 図1の構造110では、基本処理単位112が3×3の基本処理副単位に更に分けられており、その境界が点線で示されている。同じピクチャの異なる基本処理単位を異なる方式で基本処理副単位に分けることができる。
【0027】
[0052] 一部の実装形態では、映像の符号化及び復号に並列処理及び誤り耐性の能力を与えるために、ピクチャを処理のための領域に分けることができ、それにより、符号化又は復号プロセスは、ピクチャのある領域について、ピクチャの他の任意の領域の情報に依存しなくてもよい。換言すれば、ピクチャの各領域を独立に処理することができる。そうすることで、コーデックは、ピクチャの異なる領域を並列に処理し、従ってコード化の効率を高めることができる。更に、領域のデータが処理内で破損するか又はネットワーク伝送内で失われる場合、コーデックは、破損するか又は失われたデータに依存することなく、同じピクチャの他の領域を正しく符号化又は復号することができ、従って、誤り耐性の能力が提供される。一部の映像コード化規格では、ピクチャを異なる種類の領域に分割することができる。例えば、H.265/HEVC及びH.266/VVCは「スライス」及び「タイル」の2種類の領域を提供する。映像シーケンス100の様々なピクチャは、ピクチャを領域に分けるための様々な分割方式を有し得ることにも留意されたい。
【0028】
[0053] 例えば、図1では、構造110が3つの領域114、116及び118に分けられており、その境界が構造110内の実線として示されている。領域114は、4つの基本処理単位を含む。領域116及び118のそれぞれは、6つの基本処理単位を含む。図1の構造110の基本処理単位、基本処理副単位及び領域は、例に過ぎず、本開示は、その実施形態を限定しないことに留意されたい。
【0029】
[0054] 図2Aは、本開示の実施形態と合致する符号化プロセス200Aの一例の概略図を示す。例えば、符号化プロセス200Aは、符号器によって行われ得る。図2Aに示すように、符号器は、プロセス200Aに従って映像シーケンス202を映像ビットストリーム228に符号化することができる。図1の映像シーケンス100と同様に、映像シーケンス202は、時系列順に配置されるピクチャ(「元のピクチャ」と呼ぶ)の組を含み得る。図1の構造110と同様に、映像シーケンス202のそれぞれの元のピクチャは、符号器によって基本処理単位、基本処理副単位又は処理のための領域に分けられ得る。一部の実施形態では、符号器は、映像シーケンス202のそれぞれの元のピクチャに関する基本処理単位のレベルでプロセス200Aを実行することができる。例えば、符号器はプロセス200Aを反復的な方法で実行することができ、符号器は、プロセス200Aの1回の反復において基本処理単位を符号化することができる。一部の実施形態では、符号器は、映像シーケンス202のそれぞれの元のピクチャの領域(例えば、領域114~118)についてプロセス200Aを並列に実行することができる。
【0030】
[0055] 図2Aでは、符号器は、映像シーケンス202の元のピクチャの基本処理単位(「元のBPU」と呼ぶ)を予測段階204にフィードして、予測データ206及び予測されたBPU208を生成することができる。符号器は、元のBPUから、予測されたBPU208を減算して、残差BPU210を生成することができる。符号器は、残差BPU210を変換段階212及び量子化段階214にフィードして、量子化された変換係数216を生成することができる。符号器は、予測データ206及び量子化された変換係数216をバイナリコード化段階226にフィードして、映像ビットストリーム228を生成することができる。コンポーネント202、204、206、208、210、212、214、216、226及び228は、「順方向経路」と呼ぶことができる。プロセス200A中、符号器は、量子化段階214後、量子化された変換係数216を逆量子化段階218及び逆変換段階220にフィードして、再構築された残差BPU222を生成することができる。符号器は、再構築された残差BPU222を、予測されたBPU208に加えて、プロセス200Aの次の反復の予測段階204に使用される予測基準224を生成することができる。プロセス200Aのコンポーネント218、220、222及び224は、「再構築経路」と呼ぶことができる。再構築経路は、符号器及び復号器の両方が予測に同じ参照データを使用することを確実にするために使用され得る。
【0031】
[0056] 符号器は、プロセス200Aを反復的に実行して、(順方向経路内で)元のピクチャのそれぞれの元のBPUを符号化し、(再構築経路内で)元のピクチャの次の元のBPUを符号化するための予測された参照224を生成することができる。元のピクチャの全ての元のBPUを符号化した後、符号器は、映像シーケンス202内の次のピクチャの符号化に進むことができる。
【0032】
[0057] プロセス200Aを参照すると、符号器は、映像捕捉装置(例えば、カメラ)によって生成される映像シーケンス202を受信することができる。本明細書で使用する「受信する」という用語は、データを入力するために受信すること、入力すること、取得すること、取り出すこと、得ること、読み出すこと、アクセスすること又は任意の方法の任意のアクションを指すことができる。
【0033】
[0058] 予測段階204では、現在の反復において符号器が元のBPU及び予測基準224を受信し、予測操作を行って予測データ206及び予測されたBPU208を生成することができる。予測基準224は、プロセス200Aの前の反復の再構築経路から生成され得る。予測段階204の目的は、予測データ206を抽出することにより、情報の冗長性を減らすことであり、予測データ206は、予測データ206及び予測基準224から、予測されたBPU208として元のBPUを再構築するために使用され得る。
【0034】
[0059] 理想的には、予測されたBPU208は、元のBPUと同一であり得る。しかし、理想的でない予測及び再構築操作により、予測されたBPU208は、概して、元のBPUと僅かに異なる。そのような差を記録するために、符号器は、予測されたBPU208を生成した後、それを元のBPUから減算して、残差BPU210を生成することができる。例えば、符号器は、予測されたBPU208のピクセルの値(例えば、グレースケール値又はRGB値)を元のBPUの対応するピクセルの値から減算することができる。元のBPU及び予測されたBPU208の対応するピクセル間のかかる減算の結果、残差BPU210の各ピクセルは、残差値を有し得る。元のBPUと比較して、予測データ206及び残差BPU210は、より少ないビットを有し得るが、品質を著しく損なうことなしに元のBPUを再構築するためにそれらを使用することができる。従って、元のBPUは、圧縮される。
【0035】
[0060] 残差BPU210を更に圧縮するために、変換段階212では、符号器は、残差BPU210を2次元「基底パターン」の組に分解することにより、残差BPU210の空間的冗長性を低減することができ、各基底パターンは「変換係数」に関連する。基底パターンは、同じサイズ(例えば、残差BPU210のサイズ)を有することができる。それぞれの基底パターンは、残差BPU210の変動周波数(例えば、輝度変動周波数)成分を表すことができる。基底パターンの何れも他の任意の基底パターンの任意の組み合わせ(例えば、線形結合)から再現することができない。換言すれば、分解は、残差BPU210の変動を周波数領域内に分解することができる。かかる分解は、関数の離散フーリエ変換に類似しており、基底パターンは、離散フーリエ変換の基底関数(例えば、三角関数)に類似しており、変換係数は、基底関数に関連する係数に類似している。
【0036】
[0061] 様々な変換アルゴリズムが様々な基底パターンを使用することができる。例えば、離散コサイン変換、離散サイン変換等、変換段階212で様々な変換アルゴリズムを使用することができる。変換段階212における変換は、逆変換可能である。即ち、符号器は、変換の逆操作(「逆変換」と呼ぶ)によって残差BPU210を復元することができる。例えば、残差BPU210のピクセルを復元するために、逆変換は、基底パターンの対応するピクセルの値を、関連するそれぞれの係数で乗算し、積を加算して加重和をもたらすことであり得る。映像コード化規格では、符号器及び復号器の両方が同じ変換アルゴリズム(従って同じ基底パターン)を使用することができる。従って、符号器は、変換係数のみを記録することができ、復号器は、符号器から基底パターンを受信することなしに、変換係数から残差BPU210を再構築することができる。残差BPU210と比較して変換係数の方が少ないビットを有し得るが、それらの変換係数は、品質を著しく損なうことなしに残差BPU210を再構築するために使用され得る。従って、残差BPU210は、更に圧縮される。
【0037】
[0062] 符号器は、量子化段階214において変換係数を更に圧縮することができる。変換プロセスでは、様々な基底パターンが様々な変動周波数(例えば、輝度変動周波数)を表すことができる。人間の目は、概して、低周波変動を認識することが得意であるため、符号器は、復号時の著しい品質劣化を引き起こすことなしに高周波変動の情報を無視することができる。例えば、量子化段階214において、符号器は、各変換係数を整数値(「量子化スケール因子」と呼ぶ)で除算し、商をその最近隣整数に丸めることにより、量子化された変換係数216を生成することができる。かかる操作後、高周波基底パターンの一部の変換係数をゼロに変換することができ、低周波基底パターンの変換係数をより小さい整数に変換することができる。符号器は、ゼロ値の量子化された変換係数216を無視することができ、それにより変換係数が更に圧縮される。量子化プロセスも逆変換可能であり、量子化された変換係数216は、量子化の逆操作(「逆量子化」と呼ぶ)内で変換係数に再構築することができる。
【0038】
[0063] 符号器は、丸め操作内でかかる除算の剰余を無視するため、量子化段階214は、非可逆であり得る。典型的には、量子化段階214は、プロセス200A内で最大の情報損失に寄与し得る。情報損失が大きいほど、量子化された変換係数216が必要とし得るビットが少なくなる。情報損失の様々なレベルを得るために、符号器は、量子化パラメータの様々な値又は量子化プロセスの他の任意のパラメータを使用することができる。
【0039】
[0064] バイナリコード化段階226において、符号器は、例えば、エントロピーコード化、可変長コード化、算術コード化、ハフマンコード化、コンテキスト適応バイナリ算術コード化又は他の任意の可逆若しくは非可逆圧縮アルゴリズム等のバイナリコード化技法を使用し、予測データ206及び量子化された変換係数216を符号化することができる。一部の実施形態では、予測データ206及び量子化された変換係数216に加えて、符号器は、例えば、予測段階204で使用される予測モード、予測操作のパラメータ、変換段階212の変換の種類、量子化プロセスのパラメータ(例えば、量子化パラメータ)、符号器制御パラメータ(例えば、ビットレート制御パラメータ)等の他の情報をバイナリコード化段階226において符号化することができる。符号器は、バイナリコード化段階226の出力データを使用して映像ビットストリーム228を生成することができる。一部の実施形態では、映像ビットストリーム228をネットワーク伝送のために更にパケット化することができる。
【0040】
[0065] プロセス200Aの再構築経路を参照すると、逆量子化段階218では、符号器は、量子化された変換係数216に対して逆量子化を行って、再構築された変換係数を生成することができる。逆変換段階220では、符号器は、再構築された変換係数に基づいて、再構築された残差BPU222を生成することができる。符号器は、再構築された残差BPU222を、予測されたBPU208に加えて、プロセス200Aの次の反復内で使用される予測基準224を生成することができる。
【0041】
[0066] 映像シーケンス202を符号化するためにプロセス200Aの他のバリエーションを使用できることに留意されたい。一部の実施形態では、符号器は、プロセス200Aの段階を異なる順序で実行することができる。一部の実施形態では、プロセス200Aの1つ又は複数の段階を単一の段階に組み合わせることができる。一部の実施形態では、プロセス200Aの単一の段階を複数の段階に分けることができる。例えば、変換段階212と量子化段階214とを単一の段階に組み合わせることができる。一部の実施形態では、プロセス200Aが追加の段階を含み得る。一部の実施形態では、プロセス200Aは、図2A内の1つ又は複数の段階を省くことができる。
【0042】
[0067] 図2Bは、本開示の実施形態と合致する符号化プロセスの別の例200Bの概略図を示す。プロセス200Bは、プロセス200Aから修正され得る。例えば、プロセス200Bは、ハイブリッド映像コード化規格(例えば、H.26xシリーズ)に準拠する符号器によって使用され得る。プロセス200Aと比較して、プロセス200Bの順方向経路は、モード決定段階230を更に含み、予測段階204を空間的予測段階2042及び時間的予測段階2044に分ける。プロセス200Bの再構築経路は、ループフィルタ段階232及びバッファ234を追加で含む。
【0043】
[0068] 概して、予測技法は、空間的予測及び時間的予測の2つの種類に分類することができる。空間的予測(例えば、イントラピクチャ予測又は「イントラ予測」)は、現在のBPUを予測するために同じピクチャ内の既にコード化された1つ又は複数の隣接BPUのピクセルを使用することができる。即ち、空間的予測における予測基準224は、隣接BPUを含み得る。空間的予測は、ピクチャの固有の空間的冗長性を減らすことができる。時間的予測(例えば、インターピクチャ予測又は「インター予測」)は、現在のBPUを予測するために、既にコード化された1つ又は複数のピクチャの領域を使用することができる。即ち、時間的予測における予測基準224は、コード化されたピクチャを含み得る。時間的予測は、ピクチャの固有の時間的冗長性を減らすことができる。
【0044】
[0069] プロセス200Bを参照すると、順方向経路において、符号器は、空間的予測段階2042及び時間的予測段階2044で予測操作を行う。例えば、空間的予測段階2042では、符号器は、イントラ予測を行うことができる。符号化されているピクチャの元のBPUに関して、予測基準224は、同じピクチャ内の(順方向経路内で)符号化され、(再構築経路内で)再構築されている1つ又は複数の隣接BPUを含み得る。符号器は、隣接BPUを外挿することにより、予測されたBPU208を生成することができる。外挿技法は、例えば、線形外挿又は線形補間、多項式外挿又は多項式補間等を含み得る。一部の実施形態では、予測されたBPU208のピクセルごとに対応するピクセルの値を外挿することによって等、符号器がピクセルレベルで外挿を行うことができる。外挿に使用される隣接BPUは、垂直方向(例えば、元のBPUの上)、水平方向(例えば、元のBPUの左)、対角線方向(例えば、元のBPUの左下、右下、左上又は右上)又は使用される映像コード化規格内で規定される任意の方向等、様々な方向から元のBPUに対して位置し得る。イントラ予測では、予測データ206は、例えば、使用される隣接BPUの位置(例えば、座標)、使用される隣接BPUのサイズ、外挿のパラメータ、元のBPUに対する使用される隣接BPUの方向等を含み得る。
【0045】
[0070] 別の例では、時間的予測段階2044において、符号器は、インター予測を行うことができる。現在のピクチャの元のBPUに関して、予測基準224は、(順方向経路内で)符号化され、(再構築経路内で)再構築されている1つ又は複数のピクチャ(「参照ピクチャ」と呼ぶ)を含み得る。一部の実施形態では、参照ピクチャがBPUごとに符号化され再構築され得る。例えば、符号器は、再構築された残差BPU222を、予測されたBPU208に加えて、再構築されたBPUを生成することができる。同じピクチャの全ての再構築されたBPUが生成されると、符号器は、参照ピクチャとして、再構築されたピクチャを生成することができる。符号器は、参照ピクチャの範囲(「探索窓」と呼ぶ)内の一致領域を探すために、「動き推定」の操作を行うことができる。参照ピクチャ内の探索窓の位置は、現在のピクチャ内の元のBPUの位置に基づいて決定することができる。例えば、探索窓は、参照ピクチャ内において、現在のピクチャ内の元のBPUと同じ座標を有する位置に中心を置くことができ、所定の距離にわたって広げることができる。符号器が探索窓内で元のBPUと同様の領域を(例えば、pel再帰アルゴリズム、ブロックマッチングアルゴリズム等を使用することによって)識別すると、符号器は、その領域を一致領域として決定することができる。一致領域は、元のBPUと異なる(例えば、それよりも小さい、等しい、大きい又は異なる形状の)寸法を有し得る。参照ピクチャ及び現在のピクチャは、(例えば、図1に示すように)タイムライン内で時間的に隔てられているため、時間が経つにつれて一致領域が元のBPUの位置に「移動する」と見なすことができる。符号器は、かかる動きの方向及び距離を「動きベクトル」として記録することができる。(例えば、図1のピクチャ106のように)複数の参照ピクチャが使用される場合、符号器は、参照ピクチャごとに一致領域を探し、その関連する動きベクトルを求めることができる。一部の実施形態では、符号器は、個々の一致する参照ピクチャの一致領域のピクセル値に重みを割り当てることができる。
【0046】
[0071] 動き推定は、例えば、平行移動、回転、拡大縮小等の様々な種類の動きを識別するために使用することができる。インター予測では、予測データ206は、例えば、一致領域の位置(例えば、座標)、一致領域に関連する動きベクトル、参照ピクチャの数、参照ピクチャに関連する重み等を含み得る。
【0047】
[0072] 予測されたBPU208を生成するために、符号器は、「動き補償」の操作を行うことができる。動き補償は、予測データ206(例えば、動きベクトル)及び予測基準224に基づいて、予測されたBPU208を再構築するために使用することができる。例えば、符号器は、動きベクトルに従って参照ピクチャの一致領域を動かすことができ、その中で、符号器は、現在のピクチャの元のBPUを予測することができる。(例えば、図1のピクチャ106のように)複数の参照ピクチャが使用される場合、符号器は、個々の動きベクトルに従って参照ピクチャの一致領域を動かし、一致領域のピクセル値を平均することができる。一部の実施形態では、符号器が個々の一致する参照ピクチャの一致領域のピクセル値に重みを割り当てた場合、符号器は、動かした一致領域のピクセル値の加重和を加えることができる。
【0048】
[0073] 一部の実施形態では、インター予測は、単方向又は双方向であり得る。単方向のインター予測は、現在のピクチャに対して同じ時間的方向にある1つ又は複数の参照ピクチャを使用することができる。例えば、図1のピクチャ104は、参照ピクチャ(例えば、ピクチャ102)がピクチャ104に先行する単方向のインター予測ピクチャである。双方向のインター予測は、現在のピクチャに対して両方の時間的方向にある1つ又は複数の参照ピクチャを使用することができる。例えば、図1のピクチャ106は、参照ピクチャ(例えば、ピクチャ104及び108)がピクチャ104に対して両方の時間的方向にある双方向のインター予測ピクチャである。
【0049】
[0074] プロセス200Bの順方向経路を引き続き参照すると、空間的予測段階2042及び時間的予測段階2044後、モード決定段階230において、符号器は、プロセス200Bの現在の反復のための予測モード(例えば、イントラ予測又はインター予測の1つ)を選択することができる。例えば、符号器は、レート歪み最適化技法を実行することができ、かかる技法では、符号器は、候補予測モードのビットレート及び候補予測モード下の再構築された参照ピクチャの歪みに応じて、コスト関数の値を最小化するための予測モードを選択することができる。選択される予測モードに応じて、符号器は、対応する予測されたBPU208及び予測データ206を生成することができる。
【0050】
[0075] プロセス200Bの再構築経路において、順方向経路内でイントラ予測モードが選択されている場合、予測基準224(例えば、現在のピクチャ内で符号化され再構築されている現在のBPU)を生成した後、符号器は、後に使用するために(例えば、現在のピクチャの次のBPUを外挿するために)空間的予測段階2042に予測基準224を直接フィードすることができる。符号器は、ループフィルタ段階232に予測基準224をフィードすることができ、ループフィルタ段階232では、符号器は、予測基準224にループフィルタを適用して、予測基準224のコード化中に引き起こされる歪み(例えば、ブロッキングアーティファクト)を減らすか又はなくすことができる。例えば、デブロッキング、サンプル適応オフセット(SAO)、適応ループフィルタ(ALF)等、符号器は、ループフィルタ段階232で様々なループフィルタ技法を適用することができる。ループフィルタリングされた参照ピクチャは、後に使用するために(例えば、映像シーケンス202の将来のピクチャのためのインター予測基準ピクチャとして使用するために)、バッファ234(又は「復号されたピクチャバッファ」)内に記憶することができる。符号器は、時間的予測段階2044で使用するために、1つ又は複数の参照ピクチャをバッファ234内に記憶することができる。一部の実施形態では、符号器は、量子化された変換係数216、予測データ206及び他の情報と共にループフィルタのパラメータ(例えば、ループフィルタの強度)をバイナリコード化段階226で符号化することができる。
【0051】
[0076] 図3Aは、本開示の実施形態と合致する復号プロセス300Aの一例の概略図を示す。プロセス300Aは、図2Aの圧縮プロセス200Aに対応する復元プロセスであり得る。一部の実施形態では、プロセス300Aは、プロセス200Aの再構築経路と同様であり得る。復号器は、プロセス300Aに従って映像ビットストリーム228を映像ストリーム304に復号することができる。映像ストリーム304は、映像シーケンス202と非常に類似し得る。しかし、圧縮及び復元プロセス(例えば、図2A図2Bの量子化段階214)における情報損失により、概して、映像ストリーム304は、映像シーケンス202と同一ではない。図2A図2Bのプロセス200A及び200Bと同様に、復号器は、映像ビットストリーム228内に符号化される各ピクチャについて基本処理単位(BPU)のレベルでプロセス300Aを実行することができる。例えば、復号器は、プロセス300Aを反復的な方法で実行することができ、復号器は、プロセス300Aの1回の反復において基本処理単位を復号することができる。一部の実施形態では、復号器は、映像ビットストリーム228内に符号化される各ピクチャの領域(例えば、領域114~118)についてプロセス300Aを並列に実行することができる。
【0052】
[0077] 図3Aでは、復号器は、符号化されたピクチャの基本処理単位(「符号化されたBPU」と呼ぶ)に関連する映像ビットストリーム228の一部をバイナリ復号段階302にフィードすることができる。バイナリ復号段階302では、復号器は、その部分を予測データ206及び量子化された変換係数216に復号することができる。復号器は、量子化された変換係数216を逆量子化段階218及び逆変換段階220にフィードして、再構築された残差BPU222を生成することができる。復号器は、予測データ206を予測段階204にフィードして、予測されたBPU208を生成することができる。復号器は、再構築された残差BPU222を予測されたBPU208に加えて、予測された参照224を生成することができる。一部の実施形態では、予測された参照224がバッファ(例えば、コンピュータメモリ内の復号されたピクチャバッファ)内に記憶され得る。復号器は、プロセス300Aの次の反復内で予測操作を行うための予測基準224を予測段階204にフィードすることができる。
【0053】
[0078] 復号器は、プロセス300Aを反復的に実行して、符号化されたピクチャの各符号化されたBPUを復号し、符号化されたピクチャの次の符号化されたBPUを符号化するための予測基準224を生成することができる。符号化されたピクチャの全ての符号化されたBPUを復号した後、復号器は、表示するためにピクチャを映像ストリーム304に出力し、映像ビットストリーム228内の次の符号化されたピクチャの復号に進むことができる。
【0054】
[0079] バイナリ復号段階302では、復号器は、符号器が使用したバイナリコード化技法(例えば、エントロピーコード化、可変長コード化、算術コード化、ハフマンコード化、コンテキスト適応バイナリ算術コード化又は他の任意の可逆圧縮アルゴリズム)の逆操作を行うことができる。一部の実施形態では、予測データ206及び量子化された変換係数216に加えて、復号器は、例えば、予測モード、予測操作のパラメータ、変換の種類、量子化プロセスのパラメータ(例えば、量子化パラメータ)、符号器制御パラメータ(例えば、ビットレート制御パラメータ)等の他の情報をバイナリ復号段階302において復号することができる。一部の実施形態では、映像ビットストリーム228がネットワーク上においてパケット単位で伝送される場合、復号器は、映像ビットストリーム228をパケット化解除してから、それをバイナリ復号段階302にフィードすることができる。
【0055】
[0080] 図3Bは、本開示の実施形態と合致する復号プロセスの別の例300Bの概略図を示す。プロセス300Bは、プロセス300Aから修正され得る。例えば、プロセス300Bは、ハイブリッド映像コード化規格(例えば、H.26xシリーズ)に準拠する復号器によって使用され得る。プロセス300Aと比較して、プロセス300Bは、予測段階204を空間的予測段階2042及び時間的予測段階2044に更に分け、ループフィルタ段階232及びバッファ234を追加で含む。
【0056】
[0081] プロセス300Bでは、復号されている符号化ピクチャ(「現在のピクチャ」と呼ぶ)の符号化された基本処理単位(「現在のBPU」と呼ぶ)に関して、復号器によってバイナリ復号段階302から復号される予測データ206は、現在のBPUを符号化するためにどの予測モードが符号器によって使用されたかに応じて様々な種類のデータを含み得る。例えば、現在のBPUを符号化するためにイントラ予測が符号器によって使用された場合、予測データ206は、イントラ予測、イントラ予測操作のパラメータ等を示す予測モードインジケータ(例えば、フラグ値)を含み得る。イントラ予測操作のパラメータは、例えば、参照として使用される1つ又は複数の隣接BPUの位置(例えば、座標)、隣接BPUのサイズ、外挿のパラメータ、元のBPUに対する隣接BPUの方向等を含み得る。別の例では、現在のBPUを符号化するためにインター予測が符号器によって使用された場合、予測データ206は、インター予測、インター予測操作のパラメータ等を示す予測モードインジケータ(例えば、フラグ値)を含み得る。インター予測操作のパラメータは、例えば、現在のBPUに関連する参照ピクチャの数、参照ピクチャにそれぞれ関連する重み、それぞれの参照ピクチャ内の1つ又は複数の一致領域の位置(例えば、座標)、一致領域にそれぞれ関連する1つ又は複数の動きベクトル等を含み得る。
【0057】
[0082] 予測モードインジケータに基づき、復号器は、空間的予測段階2042で空間的予測(例えば、イントラ予測)を行うか又は時間的予測段階2044で時間的予測(例えば、インター予測)を行うかを決めることができる。かかる空間的予測又は時間的予測の実行の詳細は、図2Bに示されており、以下で繰り返さない。かかる空間的予測又は時間的予測を行った後、復号器は、予測されたBPU208を生成することができる。図3Aに記載したように、復号器は、予測されたBPU208と、再構築された残差BPU222とを加えて、予測基準224を生成することができる。
【0058】
[0083] プロセス300Bでは、復号器は、プロセス300Bの次の反復内で予測操作を行うための予測基準224を空間的予測段階2042又は時間的予測段階2044にフィードすることができる。例えば、現在のBPUが空間的予測段階2042においてイントラ予測を使用して復号される場合、予測基準224(例えば、復号された現在のBPU)を生成した後、復号器は、後に使用するために(例えば、現在のピクチャの次のBPUを外挿するために)空間的予測段階2042に予測基準224を直接フィードすることができる。現在のBPUが時間的予測段階2044においてインター予測を使用して復号される場合、予測基準224(例えば、全てのBPUが復号されている参照ピクチャ)を生成した後、復号器は、ループフィルタ段階232に予測基準224をフィードして、歪み(例えば、ブロッキングアーティファクト)を減らすか又はなくすことができる。復号器は、図2Bに記載した方法で予測基準224にループフィルタを適用することができる。ループフィルタリングされた参照ピクチャは、後に使用するために(例えば、映像ビットストリーム228の将来の符号化されたピクチャのためのインター予測基準ピクチャとして使用するために)、バッファ234(例えば、コンピュータメモリ内の復号されたピクチャバッファ)内に記憶することができる。復号器は、時間的予測段階2044で使用するために、1つ又は複数の参照ピクチャをバッファ234内に記憶することができる。一部の実施形態では、予測データは、ループフィルタのパラメータ(例えば、ループフィルタの強度)を更に含むことができる。一部の実施形態では、現在のBPUを符号化するためにインター予測が使用されたことを予測データ206の予測モードインジケータが示す場合、予測データは、ループフィルタのパラメータを含む。
【0059】
[0084] 図4は、本開示の実施形態と合致する、映像を符号化又は復号するための機器400の一例のブロック図である。図4に示すように、機器400は、プロセッサ402を含み得る。プロセッサ402が本明細書に記載の命令を実行するとき、機器400は、映像を符号化又は復号するための専用マシンになり得る。プロセッサ402は、情報を操作又は処理することができる任意の種類の回路であり得る。例えば、プロセッサ402は、任意の数の中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、ニューラル処理ユニット(「NPU」)、マイクロコントローラユニット(「MCU」)、光プロセッサ、プログラム可能論理コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、知的財産(IP)コア、プログラム可能論理アレイ(PLA)、プログラム可能アレイ論理(PAL)、汎用アレイ論理(GAL)、複合プログラム可能論理装置(CPLD)、書換可能ゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)等の任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、プロセッサ402は、単一の論理コンポーネントとしてグループ化されるプロセッサの組でもあり得る。例えば、図4に示すように、プロセッサ402は、プロセッサ402a、プロセッサ402b及びプロセッサ402nを含む複数のプロセッサを含み得る。
【0060】
[0085] 機器400は、データ(例えば、命令、コンピュータコード、中間データ等の組)を記憶するように構成されるメモリ404も含み得る。例えば、図4に示すように、記憶データは、プログラム命令(例えば、プロセス200A、200B、300A又は300B内の段階を実装するためのプログラム命令)及び処理用データ(例えば、映像シーケンス202、映像ビットストリーム228又は映像ストリーム304)を含み得る。プロセッサ402は、プログラム命令及び処理用データに(例えば、バス410を介して)アクセスし、プログラム命令を実行して、処理用データに対する演算又は操作を行うことができる。メモリ404は、高速ランダムアクセス記憶装置又は不揮発性記憶装置を含み得る。一部の実施形態では、メモリ404は、任意の数のランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティデジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード等の任意の組み合わせを含み得る。メモリ404は、単一の論理コンポーネントとしてグループ化される(図4には不図示の)メモリ群でもあり得る。
【0061】
[0086] 内蔵バス(例えば、CPUメモリバス)、外部バス(例えば、ユニバーサルシリアルバスポート、周辺機器コンポーネント相互接続エクスプレスポート)等のバス410は、機器400内のコンポーネント間でデータを転送する通信装置であり得る。
【0062】
[0087] 曖昧さを招くことなしに説明を簡単にするために、本開示では、プロセッサ402及び他のデータ処理回路をまとめて「データ処理回路」と呼ぶ。データ処理回路は、完全にハードウェアとして、又はソフトウェア、ハードウェア若しくはファームウェアの組み合わせとして実装することができる。加えて、データ処理回路は、単一の独立したモジュールであり得るか、又は機器400の他の任意のコンポーネント内に完全に若しくは部分的に組み合わされ得る。
【0063】
[0088] 機器400は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク等)との有線通信又は無線通信を提供するためのネットワークインタフェース406を更に含み得る。一部の実施形態では、ネットワークインタフェース406は、任意の数のネットワークインタフェースコントローラ(NIC)、無線周波数(RF)モジュール、トランスポンダ、トランシーバ、モデム、ルータ、ゲートウェイ、有線ネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、Bluetooth(登録商標)アダプタ、赤外線アダプタ、近距離無線通信(「NFC」)アダプタ、セルラネットワークチップ等の任意の組み合わせを含み得る。
【0064】
[0089] 一部の実施形態では、機器400は、任意選択的に、1つ又は複数の周辺装置への接続を提供するための周辺装置インタフェース408を更に含み得る。図4に示すように、周辺装置は、限定されないが、カーソル制御装置(例えば、マウス、タッチパッド又はタッチスクリーン)、キーボード、ディスプレイ(例えば、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ又は発光ダイオードディスプレイ)、映像入力装置(例えば、映像アーカイブに結合されるカメラ又は入力インタフェース)等を含み得る。
【0065】
[0090] 映像コーデック(例えば、プロセス200A、200B、300A又は300Bを実行するコーデック)は、機器400内の任意のソフトウェア又はハードウェアモジュールの任意の組み合わせとして実装できることに留意されたい。例えば、プロセス200A、200B、300A又は300Bの一部又は全ての段階は、メモリ404内にロード可能なプログラム命令等の、機器400の1つ又は複数のソフトウェアモジュールとして実装され得る。別の例では、プロセス200A、200B、300A又は300Bの一部又は全ての段階は、専用データ処理回路(例えば、FPGA、ASIC、NPU等)等の、機器400の1つ又は複数のハードウェアモジュールとして実装され得る。
【0066】
[0091] 本開示は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)に関連するパラメータをシグナリング及び導出する方法を提供する。
【0067】
[0092] VVCでは、ブロックベースのフィルタ適応を有する適応ループフィルタ(ALF)が適用される。ルマ成分では、局所勾配の方向及びアクティビティに基づいて25個のフィルタから選択される1つのフィルタが、各4×4ブロックに対して使用される。ALFに加えて、VVCでは、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)が採用されている。CCALFは、ルマALFと並列に動作するように設計される。CCALFでは、ルマサンプル値をフィルタリングし、クロマサンプルの残差補正を生成するために、線形フィルタが使用される。図5は、本開示の一部の実施形態によるクロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)プロセスを示す。図5に示すように、ルマサンプル適応オフセット(SAO)510から出力される再構築されたルマサンプル511は、ルマ(Y)ALF520、クロマ(Cb)CC-ALF530及びクロマ(Cr)CC-ALF540の入力としてそれぞれ受け取られる。クロマSAO550、560から出力される再構築されたクロマサンプル551、561は、クロマALF570の入力として受け取られる。最後に、ルマサンプルYがルマALF520後に得られる。クロマサンプルCbは、Cb CC-ALF530から出力される残差補正531とクロマALF570の出力571とを加算することによって得られる。クロマサンプルCrは、Cr CC-ALF540から出力される残差補正541とクロマALF570の出力572とを加算することによって得られる。
【0068】
[0093] 図6は、本開示の一部の実施形態による、VVCにおける例示的なCCALFフィルタ形状を示す。図6に示すように、VVCでは、8タップ六角形状フィルタ600がCCALFプロセスで使用される。
【0069】
[0094] しかし、現在のVVC設計のCCALFは、以下の理由のため、最適な圧縮性能を達成することができない。単一のフィルタ形状が全ての種類のコンテンツにとって最適とは限らない。VVCでは、フィルタ係数は、以下の集合から2のべき乗の形式の値のみを有するように制限される:{-64,-32,-16,-8,-4,-2,-1,0,1,2,4,8,16,32,64)。更に、VVCでは、全ての種類のブロックに同じフィルタ係数が適用される。しかし、隣接ピクセル間の相関は、ブロックの特性(エッジの方向、アクティビティ等)に依存する場合がある。
【0070】
[0095] CCALFフィルタの圧縮性能を改善するために、本開示は、形状適応型クロスコンポーネントフィルタリングの方法を提供する。
【0071】
[0096] VVCでは、単一のフィルタ形状(図6に示す8タップ六角形状フィルタ)がフィルタリングに使用される。しかし、隣接ピクセル間の相関は、映像コンテンツの特性に依存する場合がある。単一のフィルタ形状は、全ての種類のコンテンツにとって最適ではない。本開示では、コンテンツの特性に基づいてフィルタ形状を適応的に選択することを提案する。図7は、本開示の一部の実施形態による、CCALFのための例示的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、符号器によって(例えば、図2Aのプロセス200A又は図2Bのプロセス200Bによって)実行され得るか、又は機器(例えば、図4の機器400)の1つ又は複数のソフトウェア又はハードウェアコンポーネントによって実行され得る。例えば、プロセッサ(例えば、図4のプロセッサ402)が方法700を実行し得る。一部の実施形態では、方法700は、コンピュータ(例えば、図4の機器400)によって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体内に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。図7を参照すると、方法700は、ステップS702~S706を含み得る。
【0072】
[0097] ステップS702では、映像コンテンツの統計を収集し、解析する。例えば、ルマサンプルの勾配の方向及びアクティビティを収集する。
【0073】
[0098] ステップS704では、既定のフィルタ形状の集合から、最適なフィルタ形状及び関連するフィルタ係数を、統計に基づいて選択する。例えば、既定のフィルタ形状の集合内のフィルタ形状ごとに、フィルタリングされたクロマサンプル及び元のサンプルによって絶対差分和(即ちSAD)を計算する。最小のSADを有するフィルタ形状を最適なフィルタ形状として選択する。
【0074】
[0099] 一部の実施形態では、フィルタリングされたクロマサンプルは、以下のステップ:統計を使用してクロマサンプルを複数のクラスに分類すること、元のクロマサンプルに対する再構築されたクロマサンプルの平均二乗誤差を最小化することによって各クラスに関連するフィルタ係数を計算すること、及び関連するフィルタ係数を、再構築されたクロマサンプルに適用して、各クラスのフィルタリングされたクロマサンプルを得ることによって得ることができる。
【0075】
[0100] 一部の実施形態では、フィルタ形状の選択がコンテンツ適応型であり、即ちフィルタの形状がコンテンツに基づいて選択される。形状の選択の粒度は、シーケンスレベル、及び/又はフレームレベル、及び/又はスライスレベル、及び/又はブロックレベルであり得る。一部の実施形態では、複数の形状適応型クロスコンポーネントフィルタが提供される。図8は、本開示の一部の実施形態によるCCALFのための5つの例示的な形状適応型クロスコンポーネントフィルタを示す。提案する形状適応型クロスコンポーネントフィルタは、任意の形状/パターンと共に適用することができ、図8に記載した形状に限定されない。図8を参照すると、異なるフィルタ形状のタップ数は、同じであるか又は異なり得る。フィルタ形状4は、図6に示すフィルタ600と同じである。この例では、符号化/復号プロセスが実行される前にフィルタ形状が符号器及び復号器の両方によって予め定義され、知られていると仮定する。一部の実施形態では、各フィルタ形状は、シンタックス内の形状インデックス(例えば、filters_shape_idx)によって表され得る。形状インデックスに対応する各形状に関連するフィルタタップの数を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
[0101] ステップS706では、選択されたフィルタ形状及びフィルタ係数を示す1つ又は複数のパラメータを、例えば復号器に向けて、シグナリングする。シーケンスレベルの粒度の場合、符号器は、既定のフィルタ形状の1つを復号器に向けてシグナリングすることができる。従って、シーケンス全体に対して同じフィルタ形状がフィルタリングに使用される。フレームレベルの粒度の場合、パラメータは、フレームごとにシグナリングされる。ブロックレベルの場合、フレームを複数の重複しないブロックに分割し、ブロックごとにパラメータをシグナリングする。フレームレベル又はブロックレベルでシグナリングされるパラメータについて、以下で更に説明する。
【0078】
[0102] 一部の実施形態では、符号器は、既定のフィルタ形状の総数を復号器に向けてシグナリングすることもできる。代わりに、フィルタ形状の総数は、符号化/復号プロセスを開始する前に、符号器及び復号器の両方にとって予め定義され、知られ得る。
【0079】
[0103] 各フレーム/スライスについて、N個のフィルタ並びに関連する形状及び係数が復号器に向けてシグナリングされる。各CTBについて、(フレーム/スライス内でシグナリングされるN個のフィルタから)最良のフィルタ形状が選択され、復号器に向けてシグナリングされる。図9は、本開示の一部の実施形態による、CCALFにおけるスライス内の各CTBの最良のフィルタ形状をシグナリングするための例示的方法のフローチャートを示す。方法900は、符号器によって(例えば、図2Aのプロセス200A又は図2Bのプロセス200Bによって)実行され得るか、又は機器(例えば、図4の機器400)の1つ又は複数のソフトウェア又はハードウェアコンポーネントによって実行され得る。例えば、プロセッサ(例えば、図4のプロセッサ402)が方法900を実行し得る。一部の実施形態では、方法900は、コンピュータ(例えば、図4の機器400)によって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体内に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。図9を参照すると、本方法は、ステップS902~S906を含み得る。
【0080】
[0104] ステップS902では、フィルタの数をシグナリングする。例えば、フィルタの数は、Nである。従って、N個のフィルタが符号器及び復号器によって予期される。フィルタ形状の数も符号器及び復号器の両方によって知られる。
【0081】
[0105] ステップS904では、各フィルタを示すパラメータ(例えば、filter_shape_idx)をシグナリングし、各フィルタに関連するフィルタ係数をシグナリングする。従って、関連するフィルタ係数を有するN個のフィルタが復号器によって知られる。
【0082】
[0106] ステップS906では、フレーム/スライス内の各CTUに使用されるフィルタを示すインデックス(例えば、i)をシグナリングする。iの最大値は、N-1である。使用されるフィルタは、N個のフィルタから選択される。インデックスにより、選択されたフィルタに関連するフィルタ形状及びフィルタ係数を決定することができる。
【0083】
[0107] 一部の実施形態では、フィルタ形状が符号器/復号器の両方によって暗黙的に選択される。例えば、ブロックレベルの暗黙的なフィルタ形状の導出の場合、符号器/復号器の両方は、(フィルタリング前の)再構築されたブロックを解析することができ、再構築されたブロックの特性に基づいてフィルタ形状が暗黙的に導出される。即ち、フィルタ形状は、符号器及び復号器の両方が映像コンテンツに基づいて決定する。従って、ステップS904後、使用されるフィルタが復号器によって決定され得る。
【0084】
[0108] 提案する形状適応方法の詳細を更に説明する。以下の例では、5つのフィルタ形状(例えば、図8に示す5つのフィルタ形状)が復号プロセスの開始前に符号器及び復号器の両方で予め定義され、知られていると仮定する。Nの最大値は、20である。k番目のフィルタ形状の係数の数(例えば、noCoeff[k])も以下のように予め定義される。
noCoeff[]=[16,15,11,13,7]
【0085】
[0109] VVCでは、フィルタ係数が適応パラメータセット(APS)内でシグナリングされる。この例においても、フィルタ係数がAPS内でシグナリングされる。フィルタ係数は、APSにおいてのみシグナリングされることに限定されないことに留意されたい。代わりに又は加えて、フィルタ係数は、ピクチャヘッダ及び/又はスライスヘッダ等においてシグナリングされ得る。各フィルタについて、シグナリングされるフィルタの形状を示すために形状インデックスがAPSによってビットストリーム内でシグナリングされる。図10は、本開示の一部の実施形態による、更新されたシンタックス要素の例示的なセマンティクスを示す。図11は、本開示の一部の実施形態による例示的なALF APSシンタックスを示す。図10に示すように、シンタックス要素alf_cc_cb_filters_shape_idx[k] 1010、及びalf_cc_cr_filters_shape_idx[k] 1020の値が修正される。図11を参照すると、シンタックス要素alf_cc_cb_filters_shape_idx[k]及びalf_cc_cr_filters_shape_idx[k]は、k番目のフィルタの形状を示すためにシグナリングされる(1110、1120)。各フィルタに関連するフィルタ係数が更にシグナリングされる(1130、1140)。
【0086】
[0110] 図12は、本開示の一部の実施形態による、CCALFプロセスのための例示的な更新されたVVC仕様を示す。図9図11と合致して、図12に示すようにイタリック体の部分は、既存のVVC方法と比較したときの修正を示す。各CTBのCCALFプロセスを開始する前に、現在のCTBのフィルタ形状を表す変数CcAlfShapeが導出される(1210)。フィルタ係数及び隣接タップの位置は、変数CcAlfShapeの値に基づいて適応的に選択される(1220)。
【0087】
[0111] 本開示は、フィルタ係数値の2のべき乗の制約を除去する方法も提供する。
【0088】
[0112] VVCでは、CCALFフィルタ係数は、以下の集合から2のべき乗の形式の値に制限される:{-64,-32,-16,-8,-4,-2,-1,0,1,2,4,8,16,32,64)。本開示では、圧縮性能を改善するためにこの制約を除去することを提案する。一部の実施形態では、フィルタ係数の値は、-64~+64の任意の整数値であり得る。一部の実施形態では、フィルタ係数は、可変長コード(即ちue(v)コード化)を使用してコード化されるのに対して、VVCでは、マッピングされた係数は、固定長コードを使用してコード化される。図13は、本開示の一部の実施形態による、VVCと比較したときのセマンティクスの変更を示す。図14は、本開示の一部の実施形態による例示的なAPSシンタックステーブルを示す。図13を参照すると、フィルタ係数の値の制約が除去されている(1310)。図14を参照すると、フィルタ係数が可変長コード(即ちue(v)コード化)を使用してコード化されている(1410)。
【0089】
[0113] 本開示は、ブロックレベルのフィルタ係数適応の方法も提供する。
【0090】
[0114] VVCでは、フィルタ係数は、APSによってスライスレベルでシグナリングされる。同じフィルタ係数の集合がフレーム/スライスの全ての部分に対して最適とは限らない。一部の実施形態では、スライスが、複数の重複しないM×Nブロックに分割される。次に、各M×Nブロックは、(フィルタリング前の)再構築されたブロックの特性に基づいて既定のクラスの1つに分類される。ブロックは、フィルタリング前の再構築されたサンプルを使用して分類され、(フィルタリング前の)再構築されたサンプルは、CCALFプロセスの開始前に復号器に既に知られている。従って、ブロックのクラスを示すためにシグナリングすることは必要ない。図15は、本開示の一部の実施形態による、CCALFに関連するパラメータをシグナリングする方法1500のフローチャートを示す。方法1500は、符号器によって(例えば、図2Aのプロセス200A又は図2Bのプロセス200Bによって)実行され得るか、又は機器(例えば、図4の機器400)の1つ又は複数のソフトウェア又はハードウェアコンポーネントによって実行され得る。例えば、プロセッサ(例えば、図4のプロセッサ402)が方法1500を実行し得る。一部の実施形態では、方法1500は、コンピュータ(例えば、図4の機器400)によって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体内に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。本方法は、ステップS1502~S1506を含み得る。
【0091】
[0115] ステップS1502では、複数のクラスを予め定義する。分類方法について、以下で更に説明する。
【0092】
[0116] ステップS1504では、各フレーム/スライスについて全てのクラスの統計を収集する。
【0093】
[0117] ステップS1506では、各クラスについて最適フィルタを生成する。例えば、最適フィルタは、クラスの特性に基づいて生成することができる。
【0094】
[0118] ステップS1508では、各クラスの最適フィルタに関連するフィルタ係数をスライス/フレームレベルにおいてビットストリーム内でシグナリングする。
【0095】
[0119] 更に、ブロック分類の方法も提供する。
【0096】
[0120] 図16は、本開示の一部の実施形態によるブロック分類の方法の図を示す。図16を参照すると、画像が16個のブロックに分割される。この例では、CCALFプロセスを開始する前に、ルマ成分の各M×Nブロックを、既定のクラスの1つとして分類することができる。クラスの最大数は、予め定義され、プロセスの開始前に符号器及び復号器の両方に知られている、
【0097】
[0121] ブロック分類の一例を以下に記載する。ここで、図16に示すように、最大クラス数は15であり、分類ブロックサイズは、4×4であると仮定する。この例では、分類方法は、VVCの適応ループフィルタの分類と同様である。しかし、本開示の分類方法は限定されない。
【0098】
[0122] この例では、ルマ成分について、各4×4ブロックが15のクラスの1つに分類される。分類インデックスCは、その方向性D及びアクティビティの量子化値
【数1】
に基づいて以下のように導出される。
【数2】
【0099】
[0123] D及び
【数3】
を計算するために、1-Dラプラシアンを用いて水平、垂直及び対角2方向の勾配を最初に計算する。
【数4】
ここで、i及びjのインデックスは、4×4ブロック内の左上サンプルの座標を示し、R(i,j)は、座標(i,j)における再構築されたサンプルを示す。
【0100】
[0124] ブロック分類の複雑さを低減するために、サブサンプリングされた1-Dラプラシアン計算が適用される。図17は、本開示の一部の実施形態によるブロック分類のための勾配の4つの計算を示す。図17に示すように、全ての方向の勾配計算に対して、例えば垂直勾配1710、水平勾配1720及び2つの対角勾配1730、1740に対して同じサブサンプル位置が使用される。
【0101】
[0125] 次に、水平方向及び垂直方向の勾配のD最大値及び最小値を
【数5】
として設定する。
【0102】
[0126] 2つの対角方向の勾配の最大値及び最小値を
【数6】
として設定する。
【0103】
[0127] 方向性Dの値を導出するために、これらの値を互いに並びに2つの閾値t及びtと比較する。
ステップ1.
【数7】
の両方が真である場合にはDを0に設定する。
ステップ2.
【数8】
が成立する場合にはステップ3に続行し、さもなければステップ4に続行する。
ステップ3.
【数9】
が成立する場合にはDを2に設定し、さもなければDを1に設定する。
ステップ4.
【数10】
が成立する場合にはDを4に設定し、さもなければDを3に設定する。
【0104】
[0128] アクティビティ値Aを
【数11】
として計算する。Aは、包括的に0~2の範囲に更に量子化され、量子化された値は、
【数12】
として示す。
【0105】
[0129] 上記の分類方法は、例示的な方法に過ぎず、具体的なブロックサイズ及び分類方法は、本開示において限定されない。例えば、当技術分野で知られている任意のブロック分類方法を使用することもできる。代わりに、CCALF自体の分類を行うことなしにルマALF方法の分類方法を直接再利用することもできる。
【0106】
[0130] 本開示は、フィルタ係数をシグナリングする方法も提供する。
【0107】
[0131] 一部の実施形態では、各フレーム/スライスについて、各クラスのフィルタ係数がビットストリーム内でシグナリングされる。例えば、上記の例では、各スライスに対して、符号器は、合計15個のフィルタ(クラスごとに1つ)を生成し、それらのパラメータを復号器に向けてシグナリングすることができる。図18は、本開示の一部の実施形態による、全クラスのフィルタ係数をシグナリングするためのAPSシンタックスの一例を示す。図18に示すように、15個のクラスの15個のフィルタは、CC-Cbフィルタ1810及びCC-Crフィルタ1820の関連するフィルタ係数と共にそれぞれシグナリングされる。クラスの数は、15に限定されないことが理解され得る。図19は、本開示の一部の実施形態による、VVCと比較したときのセマンティックの変更を示す。一部の実施形態では、各ルマピクセルは、既定のクラスの1つとして分類される。図20は、本開示の一部の実施形態による、VVCと比較したときの仕様変更の詳細を示す。
【0108】
[0132] 図18に示すように、各クラスに対応する各フィルタのフィルタ係数がシグナリングされ、かかるシグナリングは、有意なオーバーヘッドシグナリングビットを生じさせる可能性がある。オーバーヘッドシグナリングビットを低減するために、フィルタ係数をシグナリングする代替的手法を提案する。一部の実施形態では、符号器は、クラスの数がコンテンツに基づいて適応的に選択されるクラスマージ方法を使用する。図21は、本開示の一部の実施形態による、クラスマージを使用してフィルタ係数をシグナリングする方法2100のフローチャートを示す。方法2100は、符号器によって(例えば、図2Aのプロセス200A又は図2Bのプロセス200Bによって)実行され得るか、又は機器(例えば、図4の機器400)の1つ又は複数のソフトウェア又はハードウェアコンポーネントによって実行され得る。例えば、プロセッサ(例えば、図4のプロセッサ402)が方法2100を実行し得る。一部の実施形態では、方法2100は、コンピュータ(例えば、図4の機器400)によって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体内に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。図21に示すように、方法2100は、ステップS2102及びS2104を含み得る。
【0109】
[0133] ステップS2102では、複数のフィルタを1つ又は複数のマージクラスにマージする。各マージクラスは、1つ又は複数のフィルタを含む。各マージクラスは、独自のインデックスを有する。例えば、複数のクラスの数は、Nであり(即ちフィルタの数は、Nであり)、マージクラスは、M個のクラス(即ちフィルタ)を含むことができ、ここで、Nは、M以上の整数である。例えば、上記で論じた例では、15個のクラスに対して15個のフィルタが生成される。マージクラスの最大数は、0~14のインデックスを有する15であり得る。一部の実施形態では、例えば、15個のフィルタが6つのマージクラスにマージされ得る。各マージクラスは、1つ又は複数のフィルタを含むことができ、それらのフィルタは、フィルタのフィルタ係数の類似度に基づいてマージされ得る。マージクラスのフィルタを処理に使用することができる。
【0110】
[0134] ステップS2104では、各マージクラスのフィルタ係数をシグナリングする。一部の実施形態では、図6に示すフィルタ600が使用され、そのフィルタ係数の数は、7である。
【0111】
[0135] マージクラスの数がクラスの数以下であるため、この方法により、フィルタ及びフィルタ係数の両方についてオーバーヘッドシグナリングのビットを減らすことができる。
【0112】
[0136] 例えば、シンタックスでは、フィルタセットは、以下のように定義することができるシンタックス要素filter_setによって表すことができる。
【0113】
【表2】
【0114】
[0137] 図22は、本開示の一部の実施形態による、クラスマージを使用してフィルタ係数をシグナリングする方法のAPSシンタックスを示す。図22を参照すると、マージクラス及び対応するフィルタがシグナリングされる(2210、2220)。図23は、本開示の一部の実施形態による、VVCと比較したときのセマンティックの変更を示す。
【0115】
[0138] 一部の実施形態では、単一形状のCCALFフィルタがスライスの全てのCTUに使用される。図24は、本開示の一部の実施形態による例示的な24タップ9×9フィルタ2400を示す。図24に示すように、フィルタ2400は、概ね十字形状を有する。具体的には、この24タップ9×9フィルタ2400は、以下のように定義される。
【数13】
ここで、C~C24は、24タップ9×9フィルタ2400に関連するフィルタ係数である。
【0116】
[0139] 図25は、本開示の一部の実施形態による、VVC仕様と比較したフィルタ2400を使用するCCALFプロセスの修正を示す。イタリック体の部分は、既存のVVC方法と比較したときの修正を示す。図25を参照すると、フィルタ係数2510の数が24に修正され、それに応じて変動和2520が修正される。
【0117】
[0140] 一部の実施形態では、更に多くのフィルタが提供される。図26及び図27は、本開示の一部の実施形態による例示的な28タップフィルタ2600及び例示的な36タップフィルタ2700をそれぞれ示す。28タップフィルタ2600又は36タップフィルタ2700が使用される場合、フィルタ係数の数及び変動和を適宜修正する必要があることが理解され得る。
【0118】
[0141] 本開示は、フィルタ係数をシグナリングする方法も提供する。VVCでは、CCALFフィルタ係数は、以下の集合から2のべき乗の形式の値のみを有するように制限される:{-64,-32,-16,-8,-4,-2,-1,0,1,2,4,8,16,32,64)。VVC仕様では、フィルタ係数のインデックスをシグナリングするために固定長コードが使用される。
【0119】
[0142] 一部の実施形態では、フィルタ係数の値は、2のべき乗に制限される。しかし、固定長コードを使用する代わりに、フィルタ係数をシグナリングするために可変長コード(より具体的には単項コーディング)が使用される。図28は、本開示の一部の実施形態による提案方法のAPSシンタックステーブルを示す。図28を参照すると、シグナリングされるフィルタ係数は、可変長(例えば、ue(v))2810でコード化される。従って、フィルタ係数がより柔軟であり得、2のべき乗の形式の値の制約が取り除かれる。
【0120】
[0143] 本開示では、CTBレベルマップドフィルタインデックスをシグナリングする方法を更に提供する。VVCでは、各フレーム/スライスについて、N個のフィルタの数及び係数がシグナリングされる。各CTBについて、符号器は、復号器に向けてシグナリングされる最良のフィルタを選択することができる。図29は、本開示の一部の実施形態による、各CTBの最良のフィルタをシグナリングするための例示的方法のフローチャートを示す。
【0121】
[0144] ステップS2902では、各フレーム/スライスについてフィルタの数をシグナリングする。例えば、フィルタの数は、Nである。従って、Nは、符号器及び復号器の両方によって知られている。フィルタ形状の数も符号器及び復号器の両方によって知られている。
【0122】
[0145] ステップS2904では、各フィルタのフィルタ係数をシグナリングする。
【0123】
[0146] ステップS2906では、スライス内の各CTBについて最良のフィルタを示すパラメータをシグナリングする。例えば、パラメータは、フィルタインデックス(例えば、filter_idc)であり得、インデックスの最大値は、N-1である。一部の実施形態では、インデックスの最大値がNであり、フィルタインデックス(例えば、filter_idc)が0に等しい場合、フィルタリングが適用されない。
【0124】
[0147] 本開示が提供する方法では、各CTBについて、フィルタインデックス(例えば、filter_idc)を直接シグナリングする代わりに、マッピングされたフィルタインデックスが復号器に向けてシグナリングされる。図30は、本開示の一部の実施形態による映像処理の例示的方法3000のフローチャートを示す。方法3000は、符号器によって(例えば、図2Aのプロセス200A又は図2Bのプロセス200Bによって)実行され得るか、又は機器(例えば、図4の機器400)の1つ又は複数のソフトウェア又はハードウェアコンポーネントによって実行され得る。例えば、プロセッサ(例えば、図4のプロセッサ402)が方法3000を実行し得る。一部の実施形態では、方法3000は、コンピュータ(例えば、図4の機器400)によって実行されるプログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体内に具体化されるコンピュータプログラム製品によって実装され得る。図30に示すように、方法3000は、ステップS3002~S3008を含み得る。
【0125】
[0148] ステップS3002では、既定のパラメータ(例えば、filter_idc_pos0)をシグナリングする。既定のパラメータ(例えば、filter_idc_pos0)の値は、0~Nの任意の値であり得、Nは、シグナリングされるフィルタの数である。
【0126】
[0149] ステップS3004では、既定のパラメータが0に等しいことに応答して、第1のフィルタインデックス(例えば、filter_idc)をシグナリングする。即ち、方法2900が実行される。
【0127】
[0150] ステップS3006では、既定のパラメータが0に等しくないことに応答して、マッピングされたフィルタインデックス(例えば、mapped_filter_idc)を第1のフィルタインデックス(例えば、filter_idc)から導出する。一部の実施形態では、既定のパラメータは、1に等しいと仮定され、符号器及び復号器の両方によって知られている。マッピングされたフィルタインデックスは、以下のステップによって導出することができる。第1のフィルタインデックスが0に等しいことに応答して、マッピングされたフィルタインデックスの値を所定のパラメータの値(例えば、1)として設定し、第1のフィルタインデックスが所定のパラメータ以下であることに応答して、マッピングされたフィルタインデックスの値を第1のフィルタインデックスの値から1を引いた値として設定し、他のケースでは、マッピングされたフィルタインデックスの値を第1のフィルタインデックスの値として設定する。例えば、擬似コードを以下のように記述することができる。
【0128】
【表3】
【0129】
[0151] ステップS3008では、mapped_filter_idcをビットストリーム内でシグナリングする。
【0130】
[0152] filter_idcは、イコールバイナライズされていないため(equal binarized)、filter_idcが0に等しくない場合、ビット数が低減される。
【0131】
[0153] 復号器側では、マッピングされたフィルタインデックスから第1のフィルタインデックスが導出される。一部の実施形態では、既定のパラメータは、1に等しいと仮定され、符号器及び復号器の両方によって知られている。第1のフィルタインデックスは、以下のステップ:マッピングされたフィルタインデックスの値が所定のパラメータの値に等しいことに応答して、第1のフィルタインデックスを0として設定し、即ち、フィルタリングは、適用されず、マッピングされたフィルタインデックスの値が所定のパラメータの値未満であることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値に1を加えた値として設定し、他の値に関して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値として設定する。例えば、擬似コードを以下のように記述することができる。
【0132】
【表4】
【0133】
[0154] 上記の擬似コードでは、filter_idc_pos0がコード化映像シーケンスに対して固定されている(1に等しい)と仮定する。一部の実施形態では、filter_idc_pos0の値は、各CTBにおいて適応的に導出することもできる。filter_idc_pos0の値を導出する1つの方法は、過去に復号された隣接CTBに基づく。例えば、上又は左のCTBのfilter_idcが非ゼロ値である場合、現在のCTBのfilter_idc_pos0を1に設定することができ、さもなければfilter_idc_pos0は0に等しい。例えば、擬似コードを以下のように記述することができる。
【0134】
【表5】
【0135】
[0155] 本開示は、フィルタインデックスのコンテキストコード化を改善する方法も提供する。VVCでは、ターゲットCTBに使用されるフィルタのインデックスを示すために2つのシンタックス要素alf_ctb_cc_cb_idc及びalf_ctb_cc_cr_idcがビットストリーム内でシグナリングされる。alf_ctb_cc_cb_idc及びalf_ctb_cc_cr_idcの両方について、最初のビンのみがコンテキストコード化され、残りのビンがバイパスコード化される。
【0136】
[0156] 一部の実施形態では、第1のビン及び第2のビンの両方がコンテキストコード化され、残りのビンがバイパスコード化される。
【0137】
[0157] 映像コード化の当業者にとって、上記の実施形態は、1つの実施形態に組み合わされ得る。
【0138】
[0158] 実施形態は、以下の条項を用いて更に説明することができる:
1.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである、方法。
2.24タップ9×9フィルタは、
【数14】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、条項1に記載の方法。
3.復号された映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び24タップ9×9フィルタは、映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、条項1又は2に記載の方法。
4.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項1~3の何れか一項に記載の方法。
5.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項1~4の何れか一項に記載の方法。
6.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第2のインデックスに基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択されること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む方法。
7.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項6に記載の方法。
8.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項6又は7に記載の方法。
9.第1のインデックスは、ビットストリーム内でシグナリングされるシンタックス要素によって示され、シンタックス要素は、コード化ツリーブロック(CTB)に関連し、方法は、シンタックス要素の第1のビン及び第2のビンをコンテキスト復号することを更に含む、条項6~8の何れか一項に記載の方法。
10.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
再構築されたブロックの特性に基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択されること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む方法。
11.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリームに基づいてN個のCCALFを決定すること、
ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定することであって、第1のフィルタは、N個のCCALFの1つであること、及び
第1のフィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む方法。
12.ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定することは、
マッピングされたフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタインデックスを決定することであって、マッピングされたフィルタインデックスの値が所定値未満であることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値に1を加えた値として設定するか、又はマッピングされたフィルタインデックスの値が所定値を上回ることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値として設定すること、及び
第1のフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタを決定すること
を更に含み、所定のパラメータは、1~Nの範囲内にある、条項11に記載の方法。
13.所定値は、1として設定される、条項12に記載の方法。
14.所定値は、ターゲットコード化ツリー(CTB)に関連し、過去に復号された隣接CTBに基づいて決定される、条項12に記載の方法。
15.第1のフィルタインデックスは、過去に復号された上のCTB又は過去に復号された左のCTBに関連し、方法は、第1のフィルタインデックスの値が非ゼロであることに応答して、所定値を1として設定することを更に含む、条項14に記載の方法。
16.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、
映像スライスに関連するビットストリームを受信すること、
映像スライスに関連する複数の再構築されたブロックをビットストリームに基づいて生成すること、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類すること、
1つ又は複数のクラスのそれぞれについてCCALF係数の集合をビットストリームに基づいて決定すること、及び
CCALF係数のそれぞれの集合を使用して、再構築されたブロックの1つ又は複数のクラスをフィルタリングすること
を含む方法。
17.複数のブロックは、ルマブロックである、条項16に記載の方法。
18.映像シーケンスの各ルマピクセルは、複数のクラスの1つに分類される、条項17に記載の方法。
19.1つ又は複数のクラスは、M個のクラスを含み、Mは、正の整数であり、複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類することは、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックをN個のクラスに分類することであって、Nは、Mよりも大きい整数であること、及び
N個のクラスを1つ又は複数のクラスにマージすること
を更に含む、条項16に記載の方法。
20.複数のクラスは、複数のクラスに関連するCCALFのフィルタ係数の類似度に基づいてマージされる、条項19に記載の方法。
21.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理を行うための機器であって、
命令を記憶するように構成されるメモリと、
1つ又は複数のプロセッサと、を含み、1つ又は複数のプロセッサは、
CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることであって、CCALFは、24タップ9×9フィルタであること
を機器に行わせるために命令を実行するように構成される、機器。
22.24タップ9×9フィルタは、
【数15】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項21に記載の機器。
23.復号された映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び24タップ9×9フィルタは、映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、条項21又は22に記載の機器。
24.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項26に記載の機器。
25.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項21~24の何れか一項に記載の機器。
26.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理を行うための機器であって、
命令を記憶するように構成されるメモリと、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第2のインデックスに基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択される、決定すること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を機器に行わせるための命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサと
を含む機器。
27.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項26に記載の機器。
28.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項26又は27に記載の機器。
29.第1のインデックスは、ビットストリーム内でシグナリングされるシンタックス要素によって示され、シンタックス要素は、コード化ツリーブロック(CTB)に関連し、1つ又は複数のプロセッサは、シンタックス要素の第1のビン及び第2のビンをコンテキスト復号することを機器に行わせるための命令を実行するように更に構成される、条項26~28の何れか一項に記載の機器。
30.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理を行うための機器であって、
命令を記憶するように構成されるメモリと、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
再構築されたブロックの特性に基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択される、決定すること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を機器に行わせるための命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサと
を含む機器。
31.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理を行うための機器であって、
命令を記憶するように構成されるメモリと、
1つ又は複数のプロセッサと、を含み、1つ又は複数のプロセッサは、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリームに基づいてN個のCCALFを決定すること、
ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定することであって、第1のフィルタは、N個のCCALFの1つであること、及び
第1のフィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を機器に行わせるために命令を実行するように構成される、機器。
32.ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定する際、1つ又は複数のプロセッサは、
マッピングされたフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタインデックスを決定することであって、マッピングされたフィルタインデックスの値が所定値未満であることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値に1を加えた値として設定するか、又はマッピングされたフィルタインデックスの値が所定値を上回ることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値として設定すること、及び
第1のフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタを決定すること
を機器に行わせるために命令を実行するように更に構成され、所定のパラメータは、1~Nの範囲内にある、条項31に記載の機器。
33.所定値は、1として設定される、条項32に記載の機器。
34.所定値は、ターゲットコード化ツリー(CTB)に関連し、過去に復号された隣接CTBに基づいて決定される、条項32に記載の機器。
35.第1のフィルタインデックスは、過去に復号された上のCTB又は過去に復号された左のCTBに関連し、1つ又は複数のプロセッサは、第1のフィルタインデックスの値が非ゼロであることに応答して、所定値を1として設定することを機器に行わせるために命令を実行するように更に構成される、条項34に記載の機器。
36.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理を行うための機器であって、
命令を記憶するように構成されるメモリと、
1つ又は複数のプロセッサと、を含み、1つ又は複数のプロセッサは、
映像スライスに関連するビットストリームを受信すること、
映像スライスに関連する複数の再構築されたブロックをビットストリームに基づいて生成すること、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類すること、
1つ又は複数のクラスのそれぞれについてCCALF係数の集合をビットストリームに基づいて決定すること、及び
CCALF係数のそれぞれの集合を使用して、再構築されたブロックの1つ又は複数のクラスをフィルタリングすること
を機器に行わせるために命令を実行するように構成される、機器。
37.複数のブロックは、ルマブロックである、条項36に記載の機器。
38.映像シーケンスの各ルマピクセルは、複数のクラスの1つに分類される、条項37に記載の機器。
39.1つ又は複数のクラスは、M個のクラスを含み、Mは、正の整数であり、複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類する際、1つ又は複数のプロセッサは、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックをN個のクラスに分類することであって、Nは、Mよりも大きい整数であること、及び
N個のクラスを1つ又は複数のクラスにマージすること
を機器に行わせるために命令を実行するように更に構成される、条項36に記載の機器。
40.複数のクラスは、複数のクラスに関連するCCALFのフィルタ係数の類似度に基づいてマージされる、条項39に記載の機器。
51.命令の組を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令の組は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を機器に開始させるために、機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり、方法は、CCALFを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである、非一時的コンピュータ可読媒体。
52.24タップ9×9フィルタは、
【数16】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、条項51に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
53.復号された映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び24タップ9×9フィルタは、映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、条項51又は52に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
54.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項51~53の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
55.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項51~54の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
56.命令の組を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令の組は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を機器に開始させるために、機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり、方法は、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第2のインデックスに基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択されること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
57.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、条項56に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
58.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、条項56又は57に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
59.第1のインデックスは、ビットストリーム内でシグナリングされるシンタックス要素によって示され、シンタックス要素は、コード化ツリーブロック(CTB)に関連し、方法は、シンタックス要素の第1のビン及び第2のビンをコンテキスト復号することを更に含む、条項56~58の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
60.命令の組を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令の組は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を機器に開始させるために、機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり、方法は、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリーム内でシグナリングされる第1のインデックスに基づいてCCALFを決定すること、
再構築されたブロックの特性に基づいて第1のフィルタ形状を決定することであって、第1のフィルタ形状は、CCALFのための既定のフィルタ形状の集合から選択されること、
第1のインデックスに基づいてCCALFのフィルタ係数を決定すること、及び
第1のフィルタ形状及びフィルタ係数を使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
61.命令の組を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令の組は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を機器に開始させるために、機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり、方法は、
ビットストリームを受信すること、
ビットストリームに基づいてN個のCCALFを決定すること、
ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定することであって、第1のフィルタは、N個のCCALFの1つであること、及び
第1のフィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングすること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
62.ビットストリームに基づいて第1のフィルタを決定することは、
マッピングされたフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタインデックスを決定することであって、マッピングされたフィルタインデックスの値が所定値未満であることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値に1を加えた値として設定するか、又はマッピングされたフィルタインデックスの値が所定値を上回ることに応答して、第1のフィルタインデックスの値を、マッピングされたフィルタインデックスの値として設定すること、及び
第1のフィルタインデックスに基づいて第1のフィルタを決定すること
を更に含み、所定のパラメータは、1~Nの範囲内にある、条項61に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
63.所定値は、1として設定される、条項62に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
64.所定値は、ターゲットコード化ツリー(CTB)に関連し、過去に復号された隣接CTBに基づいて決定される、条項62に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
65.第1のフィルタインデックスは、過去に復号された上のCTB又は過去に復号された左のCTBに関連し、方法は、第1のフィルタインデックスの値が非ゼロであることに応答して、所定値を1として設定することを更に含む、条項64に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
66.命令の組を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令の組は、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法を機器に開始させるために、機器の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能であり、方法は、
映像スライスに関連するビットストリームを受信すること、
映像スライスに関連する複数の再構築されたブロックをビットストリームに基づいて生成すること、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類すること、
1つ又は複数のクラスのそれぞれについてCCALF係数の集合をビットストリームに基づいて決定すること、及び
CCALF係数のそれぞれの集合を使用して、再構築されたブロックの1つ又は複数のクラスをフィルタリングすること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
67.複数のブロックは、ルマブロックである、条項66に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
68.映像シーケンスの各ルマピクセルは、複数のクラスの1つに分類される、条項67に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
69.1つ又は複数のクラスは、M個のクラスを含み、Mは、正の整数であり、複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックを1つ又は複数のクラスに分類することは、
複数の再構築されたブロックの特性に基づいて複数の再構築されたブロックをN個のクラスに分類することであって、Nは、Mよりも大きい整数であること、及び
N個のクラスを1つ又は複数のクラスにマージすること
を更に含む、条項66に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
70.複数のクラスは、複数のクラスに関連するCCALFのフィルタ係数の類似度に基づいてマージされる、条項69に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
71.ビットストリームを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、ビットストリームは、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)のための映像データに関連するインデックスを含み、インデックスは、フィルタ形状の集合から選択されるフィルタ形状を示す、非一時的コンピュータ可読媒体。
72.クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を使用する映像処理の方法であって、CCALFを使用して映像コンテンツをフィルタリングすることを含み、CCALFは、24タップ9×9フィルタである、方法。
73.24タップ9×9フィルタは、
【数17】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項72に記載の方法。
74.映像コンテンツは、映像スライスを含み、及び24タップ9×9フィルタは、映像スライスの全てのコード化ツリー単位(CTU)に適用される、請求項72に記載の方法。
75.フィルタ係数の値は、-64~+64の整数値である、請求項72の何れか一項に記載の方法。
76.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項72に記載の方法。
77.ビットストリームを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、ビットストリームは、符号化された映像データに関連する第1のインデックスを含み、第1のインデックスは、クロスコンポーネント適応ループフィルタ(CCALF)を識別し、CCALFは、24タップ9×9フィルタであり、及び第1のインデックスは、復号器に、24タップ9×9フィルタを使用して、復号された映像コンテンツをフィルタリングさせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
78.24タップ9×9フィルタは、
【数18】
として定義される十字形状を有し、C~C24は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数である、請求項77に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
79.ビットストリームは、コード化されたシンタックス要素を更に含み、符号化されたシンタックス要素は、24タップ9×9フィルタのフィルタ係数を含む、請求項77に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
80.フィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項79に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
81.第1のインデックスは、Cr成分のための第1のCCALFを示し、ビットストリームは、Cb成分のための第2のCCALFを示す第2のインデックスを更に含み、第1のCCALFは、第1の24タップ9×9フィルタであり、第2のCCALFは、第2の24タップ9×9フィルタであり、第1のインデックス及び第2のインデックスは、復号器に、第1の24タップ9×9フィルタを使用して、復号された映像コンテンツのCr成分をフィルタリングさせ、及び第2の24タップ9×9フィルタを使用して、復号された映像コンテンツのCb成分をフィルタリングさせる、請求項77に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
82.ビットストリームは、コード化されたシンタックス要素を更に含み、コード化されたシンタックス要素は、第1の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数及び第2の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数を含む、請求項81に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
83.ビットストリーム内において、第1の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数及び第2の24タップ9×9フィルタのフィルタ係数は、可変長コードを使用してコード化される、請求項82に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0139】
[0159] 一部の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。一部の実施形態では、媒体は、CCALFに関連するパラメータを示すインデックス、フラグ及び/又はシンタックス要素を有する映像ビットストリームの全て又は一部を記憶し得る。一部の実施形態では、媒体は、上記の方法を実行するために装置(開示した符号器及び復号器等)によって実行され得る命令を記憶することができる。非一時的媒体の一般的な形式は、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ若しくは他の任意の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記憶媒体、孔のパターンを有する任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)-EPROM若しくは他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ及びそれらのもののネットワーク化されたバージョンを含む。装置は、1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インタフェース、ネットワークインタフェース及び/又はメモリを含み得る。
【0140】
[0160] 本明細書の「第1」及び「第2」等の関係語は、あるエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するために使用されるに過ぎず、それらのエンティティ又は操作間のいかなる実際の関係又は順序も必要としないか又は含意しないことに留意されたい。更に、「含む」、「有する」、「含有する」及び「包含する」並びに他の同様の形式の用語は、意味の点で均等であることを意図し、これらの用語の何れか1つの後に続く項目がかかる項目の網羅的列挙であることを意図しないか、又は列挙する項目のみに限定されることを意図しない点で非限定的であることを意図する。
【0141】
[0161] 本明細書で使用するとき、別段の定めがない限り、「又は」という語は、実行不可能な場合を除いて、可能な全ての組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含み得ると述べた場合、別段の定めがない限り又は実行不可能でない限り、そのデータベースは、A、B、A及びBを含むことができる。第2の例として、データベースがA、B又はCを含み得ると述べた場合、別段の定めがない限り又は実行不可能でない限り、そのデータベースは、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、A及びB及びCを含むことができる。
【0142】
[0162] 上記の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア(プログラムコード)又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装できることが理解されるであろう。ソフトウェアによって実装される場合、そのソフトウェアは、上記のコンピュータ可読媒体に記憶することができる。プロセッサによって実行されるとき、ソフトウェアは、開示した方法を実行することができる。本開示に記載した計算ユニット及び他の機能ユニットは、ハードウェア若しくはソフトウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装することができる。上記のモジュール/ユニットの複数のものを1つのモジュール/ユニットとして組み合わせることができ、上記のモジュール/ユニットのそれぞれを複数のサブモジュール/サブユニットに更に分けることができることも当業者であれば理解するであろう。
【0143】
[0163] 上記の本明細書では、実装形態ごとに変わり得る多数の具体的詳細に関して実施形態を説明してきた。記載した実施形態の特定の適応形態及び修正形態がなされ得る。本明細書を検討し、本明細書で開示した本発明を実践することで他の実施形態が当業者に明らかになり得る。本明細書及び例は、専ら例として検討され、本発明の真の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって示されることを意図する。図中に示すステップの順序は、例示目的に過ぎず、特定のステップの順序に限定されることを意図しない。そのため、それらのステップは、同じ方法を実装しながら、異なる順序で実行できることを当業者であれば理解することができる。
【0144】
[0164] 図面及び本明細書で例示的実施形態を開示してきた。しかし、それらの実施形態に対する多くの改変形態及び修正形態がなされ得る。従って、特定の用語を用いたが、それらの用語は、一般的及び記述的な意味で使用されたに過ぎず、限定を目的とするものではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図12-4】
図13-1】
図13-2】
図14
図15
図16
図17
図18
図19-1】
図19-2】
図20-1】
図20-2】
図20-3】
図21
図22
図23-1】
図23-2】
図24
図25-1】
図25-2】
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】