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▶ アニナ カリナリー アート リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】食品ラミナと使用
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20240621BHJP
【FI】
A23L19/00 A
A23L19/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578692
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 IL2022050688
(87)【国際公開番号】W WO2023275866
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/215,588
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523448886
【氏名又は名称】アニナ カリナリー アート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Anina Culinary Art Ltd.
【住所又は居所原語表記】25 Hahagane Street,Rishon Lezion 7570675 Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ、 メイデン
(72)【発明者】
【氏名】ブランツ、 エスター
(72)【発明者】
【氏名】シャフリア、 アイデン
(72)【発明者】
【氏名】ナタン、 アネト
(72)【発明者】
【氏名】ロツナー、 ドリット
【テーマコード(参考)】
4B016
【Fターム(参考)】
4B016LC02
4B016LE03
4B016LG01
4B016LG05
4B016LK02
4B016LP03
4B016LP13
(57)【要約】
本開示はラミナおよびその使用に関し、前記ラミナは、少なくとも90%w/wの乾燥し、共に接着された野菜から作製され、このラミナは、貯蔵中は崩壊に耐え、調理されたときには崩壊を可能にする。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも90%w/wで乾燥野菜を含むラミナであって、前記乾燥野菜は所望の形状にスライス、切断、または粉砕され、前記ラミナは0.5~4mmの厚さ、5~35%の範囲の含水量、および0.2~0.6の水分活性(aw)を有し、該ラミナは、貯蔵中は崩壊に耐え、かつ調理時には、制御されて崩壊して、食べられる状態の野菜とすることができるように構成される、ラミナ。
【請求項2】
前記乾燥野菜がスライスされた野菜を含み、前記スライスでは、隣接する2つのスライスが少なくとも部分的に重なるように共に接着される、請求項1に記載のラミナ。
【請求項3】
野菜同士を接着するための天然の食用接着剤をさらに含む、請求項1または2に記載のラミナ。
【請求項4】
前記天然の接着剤が前記野菜の天然成分であってもよく、および/または前記野菜に添加されてもよい、請求項3に記載のラミナ。
【請求項5】
前記接着剤が、前記野菜スライスの前記重なり合う表面の少なくとも一部を覆う、請求項3または4のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項6】
前記接着剤が植物ロジンを含む、請求項3~5のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項7】
前記接着剤が、天然粘液および/または植物ガムを含む、請求項3~6のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項8】
前記接着剤が、天然デンプン、繊維、糖類、タンパク質、またはそれらの任意の組合せをさらに含む、請求項3~7のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項9】
前記接着剤により、室温で少なくとも1週間の崩壊に耐えるように構成されている、請求項3~8のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項10】
前記ラミナが油または添加脂肪を含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項11】
前記ラミナが、0.05~0.5Mpaの強度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項12】
前記ラミナが、5~25%の範囲の含水量を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項13】
前記ラミナが40oC以下の水中に少なくとも20分間浸漬された場合に、崩壊に耐えるように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項14】
前記ラミナが80oCを超える水中に少なくとも3分間浸漬された場合に、崩壊に耐えるように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項15】
前記ラミナが、0.5~2mmの厚さを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項16】
前記ラミナが、第1の成形可能な構築物では10~35%の範囲の含水量を有し、第2の成形不可能な最終的な構築物では5~15%の含水量を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項17】
前記ラミナが、その成形不可能な最終的な構築物において、0.3~0.5の水分活性(aw)を有する、請求項16に記載のラミナ。
【請求項18】
少なくとも95%w/wの乾燥野菜を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項19】
人工成分および合成化学物質を含まない、請求項1~18のいずれか一項に記載のラミナ。
【請求項20】
半調理食品のカプセルであって:
断片へとスライス、切断、または粉砕された少なくとも90% w/wの乾燥野菜を含み、0.5~4mmの厚さおよび0.05~0.5Mpaの強度を有する外側に配設された封入用ラミナ、および
本質的に調理されていない乾燥食品を含むコア、を含み、
前記半調理食品のカプセルのラミナは、5~15%の範囲の含水量および0.2~0.5の水分活性(aw)を有し、前記ラミナは貯蔵中および室温の水中に浸漬された場合であっても崩壊に耐え、調理時には、制御されて崩壊して、食べられる状態の野菜スライスとすることができ、それによって本質的に調理されていない乾燥食品について、調製された時間での調理を容易にするように構成される、半調理食品のカプセル。
【請求項21】
前記外側に配設された封入用ラミナが第1のラミナおよび第2のラミナを含み、前記第1のラミナの縁部および前記第2のラミナの縁部が互いに接着され、それによって、前記本質的に調理されていない乾燥食品を封入する、閉鎖カプセルを生成する、請求項20に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項22】
前記第1のラミナと前記第2のラミナとは、同一か、または異なる、請求項21に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項23】
少なくとも前記第1のラミナが、ボウル形状に成形される、請求項21または22に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項24】
前記ラミナが、前記野菜片を互いに接着する天然の食用接着剤をさらに含む、請求項20~23のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項25】
前記接着剤の量およびタイプが、前記本質的に調理されていない乾燥食品を調理するために必要とされる時間に基づいて決定される、請求項24に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項26】
前記接着剤が植物ロジンを含む、請求項24または25に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項27】
前記接着剤が、天然粘液および/または植物多糖または植物糖タンパク質を含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項28】
前記接着剤が、天然デンプンをさらに含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項29】
0.3~0.4の水分活性(aw)を有する、請求項20~28のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項30】
前記ラミナが、少なくとも95%w/wの乾燥野菜を含む、請求項20~29のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項31】
室温で少なくとも3ヶ月の貯蔵寿命を有する、請求項20~30のいずれか一項に記載の半調理食品のカプセル。
【請求項32】
人工成分および合成化学物質を含まない、請求項20~31のいずれか一項に記載の半調理食品。
【請求項33】
隣接する2つのスライスが少なくとも部分的に重なり合うように、予め乾燥された野菜を互いに接着する工程を含む野菜ラミナの製造方法であって、前記野菜が、所望の形状にスライス、切断、または粉砕された野菜を含み、それによって、0.5~3mmの厚さ、0.05~0.5Mpaの強度、5~35%の範囲の含水量、および0.2~0.8の水分活性(aw)を有するラミナを得る、野菜ラミナの製造方法。
【請求項34】
前記接着工程が、天然の食用接着剤を少なくとも前記野菜スライスの一部に塗布する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
半調理食品を製造する方法であって:
a.野菜ラミナを製造する工程であって、予め乾燥させた野菜を互いに接着する工程と、前記野菜はスライス、切断、または粉砕された断片を含み、それによって、0.5~3mmの厚さ、0.05~0.5Mpaの強度、5~35%の範囲の含水量、および0.2~0.8の水分活性(aw)を有するラミナを得る工程とを備える、ラミナの製造工程; および
b.外側のラミナ層と、内側の本質的に調理されていない乾燥食品とを含むカプセルの製造工程であって、
i)少なくとも1つの前記ラミナを所望の形態に成形する工程と;
ii)成形された前記ラミナの2つの層の間に前記本質的に調理されていない乾燥食品を配置する工程と;
iii)ラミナを閉じて、前記食品を包むカプセルとする閉鎖工程とを備えるカプセルの製造工程;を含み、
ここで、前記カプセルは、貯蔵中は崩壊に耐え、かつ調理時には、制御されて崩壊する、半調理食品の製造方法。
【請求項36】
前記接着する工程が、前記野菜片の少なくとも一部に天然の食用接着剤を塗布する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記カプセルの製造工程が、第1のラミナおよび第2のラミナを得る工程を含み、前記工程が少なくとも前記第1のラミナをボウル様形状に成形する工程を含み;前記本質的に調理されていない乾燥食品を配置する工程が、前記第1のボウル様形状のラミナを前記本質的に調理されていない乾燥食品で充填する工程を含み;前記閉鎖工程が、前記第1のボウル形状のラミナを前記第2の平坦またはボウル形状のラミナで覆う工程と、前記第1および第2の平坦またはボウル形状のラミナの縁部を互いに固着する工程とを含む、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記固着工程が、機械的プレスを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも90%w/wの乾燥果実を含むラミナであって、前記果実は、所望の形状にスライス、切断、または粉砕され、前記ラミナは0.5~4mmの厚さを有し、前記ラミナは貯蔵中に崩壊に耐え、かつ水和されたときに前記ラミナが制御されて崩壊して、食べられる状態の果実とすることができるように構成される、ラミナ。
【請求項40】
0.5~4mmの厚さおよび0.05~0.5Mpaの強度を有する外側に配設された果実の封入用ラミナであって、スライス、切断、粉砕またはマッシュされた乾燥果実を少なくとも90% w/w含む、前記ラミナと;
ナッツ、種子、シリアル、乾燥果実またはそれらの任意の組合せを含むコアと;を含む朝食用カプセルであって、
前記朝食用カプセルの前記ラミナは5~15%の範囲の含水量および0.2~0.5の水分活性(aw)を有し、前記ラミナは貯蔵中に崩壊に耐え、かつ水和されたときには崩壊するように構成される、朝食用カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、食品ラミナ(food lamina)、特に野菜または果実で作られた食品ラミナに関する。前記食品ラミナは、貯蔵中にその一体性を維持することができ、その一方で、調理される際には、制御されて崩壊(disintegration)して、食べられる状態の(edible)食品とすることができる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、野菜ラミナに関する。具体的には、食物の包装/封入に使用するための植物ラミナ、ならびにそのようなラミナを製造する方法である。
【0003】
食品を、ラミナ(薄材)で作られたラップ、バッグ、パウチなどに詰めることはよく知られている。しかしながら、これらのラミナは典型的には合成品であるため、ポリマー廃棄物の量が増加するという生態学的問題の一部を構成している。
【0004】
世界の食品廃棄物量は、全生産食品の3分の1~2分の1である。低所得国ではほとんどの損失は生産中に発生するが、先進国では一人当たり年間約100キログラム(220ポンド)の食料が消費段階で浪費される。食品廃棄物は、農業が気候変動やその他の環境問題に与える影響の大部分を占めている。食糧農業機関は、2014年に食品廃棄物による食品ロスは、世界の経済・環境・社会コストの年間2兆6000億ドルであると推定し、これは世界の温室効果ガス排出量の8%を占めている。さらに、適切に取り扱われない、または適切に再生利用されない場合、すなわち、堆肥化によって、食品廃棄物は多くの負の環境影響を有し得る。例えば、有機物の嫌気性消化からの埋立地ガスは温室効果ガスであるメタンの主要な供給源であり、食品廃棄物中の再生されていないリンは、さらなるリン酸塩の採掘につながる。
【0005】
即席食品とは、通常、それを食べる前にほとんど調理を必要としない予備調理された食品を指す。これは、多くの場合、脱水され、調製するために水の添加のみを必要とする食品を含む。インスタント食品というアイデアの裏にあるマーケティング・コンセプトは、速いペースで移動する社会の人々がもはや伝統的な方法で料理を調理する時間を持たず、それでもなお栄養価が高く、味が良い食事を望んでいるということである。インスタント食品として表示される便利な食品は、この必要性を満たすことを試みる一方で、嗜好性を十分満足させるため、消費者はレシピおよび調理を必要とする食品よりもそれらを選択するだろう。しかし、市販の食品(ready-made food)は、防腐剤、添加物、および他の潜在的に有害な材料、着色剤などを用いているとの世評を有しているため、これは、食料品を買うときに消費者の心にネガティブなイメージを与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、栄養および他の目的のために役立ち得る新しい健康的な食品材料(food substrate)を提供することによって、天然の健康的な調理済み食品(prepared food)の範囲(特にインスタントミール(即席食品)を含む)を拡大する必要がある。これらの新しい健康的に被覆された食品材料が広く受け入れられるために非常に重要なのは、香味があり、魅力的であることを確実にすることである。そのような製品は自然で本質的に健康的であり、全体的な外観を必要とし、消費者に受け入れられ、需要を強くもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のいくつかの態様によれば、所望の形態にスライス、切断、および/または粉砕された少なくとも約90% w/wの乾燥野菜を含むラミナが提供され、前記ラミナは約0.5~4mmの厚さ、0.05~0.5Mpaの強度、約5%~35%の範囲の含水量、および約0.2~0.6の水分活性(aw)を有する。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、野菜を共に接着する天然の食用接着剤をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、有利には、接着剤により、貯蔵中のラミナは崩壊に耐えるとともに、調理または他の方法で調製される際にはラミナが制御された状態で崩壊し、食べられる状態の(edible)食品とするように構成され、それによって、食品を封入するため(encapsulation)に有用である。
【0010】
有利にはラミナに使用される野菜が食品廃棄野菜、すなわち、廃棄されるか、または廃棄されることが意図されるが、依然として食用である野菜であってもよい。いくつかの実施形態によれば、そのようなラミナは、包装用途のために特に有利であり得る。
【0011】
他の態様によれば、外側に配設されたラミナとコアとを含む半調理食品(ready to cook meal)が提供される。外側に配設された封入用ラミナは、約0.5~4mmの厚さ、および0.05~0.5Mpaの強度を有している。また、前記ラミナは、少なくとも約90% w/wのスライスされた乾燥野菜を含み、隣接する2つのスライス(薄片)が少なくとも部分的に重なり合うように接着されている。前記コアは、本質的に調理されていない乾燥食品を含んでいる。半調理食品は、約5%~35%の範囲の含水量および約0.2~0.5の水分活性(aw)を有する。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、複数の野菜を接着する天然の食用接着剤をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、貯蔵中、および室温の水に浸漬された場合でさえ、崩壊に耐えるように構成され、一方で、調理または他の方法で調製された場合、ラミナは制御された状態で崩壊し、食べられる状態の野菜スライスとすることができる。
【0013】
有利には、制御された崩壊によって、本質的に調理されていない、封入された乾燥食品について、調整された時間での調理を容易に(facilitate)してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも約90% w/wの乾燥野菜を含むラミナが提供され、この野菜は、所望の形態にスライスされ、切断され、または粉砕される。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.5~4mmの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、0.05~0.5Mpaの強度を有する。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約5%~35%の範囲の含水量を有する。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.2~0.6の水分活性(aw)を有する。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、貯蔵中は崩壊に耐え、調理時には制御された崩壊により、食べられる状態の野菜とすることができるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、乾燥野菜はスライスされた野菜を含み、この場合、接着剤は隣接する2つのスライスが少なくとも部分的に重なるように、野菜スライスを互いに接着する。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、野菜スライスの重なり合う表面の少なくとも一部を覆う。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、野菜を共に接着する天然の食用接着剤をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、約40oC以下の水中に少なくとも約20分間浸漬されたときに、ラミナは崩壊に耐えるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、約80oCを超える水中に少なくとも約3分間浸漬されたときに、ラミナは崩壊に耐えるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は植物ロジンを含む。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然粘液および/または植物ガムを含む。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然デンプン、繊維、糖類、タンパク質またはそれらの任意の組合せをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.5~2mmの厚さを有する。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、第1の成形可能な構築物(configuration)において約10%~35%の範囲の含水量、および第2の成形不可能な最終的な構築物において約5%~20%または5%~15%または2%~12%の含水量を有する。各可能性は、別個の実施形態である。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、その成形不可能な最終的な構築物において、約0.3~0.5の水分活性(aw)を有する。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、少なくとも95% w/wの乾燥野菜を含む。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、室温で少なくとも1週間、崩壊に耐えるように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、人工成分および合成化学物質を含まない。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、油または添加脂肪(added fat)を含まない。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、0.05~0.5Mpaの強度を有する。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、5~25%の範囲の含水量を有する。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、ラミナの少なくとも1つの表面は、コーティングで被覆される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、1つ以上の本質的に調理されていない乾燥食品成分を封入するように構成される。いくつかの実施形態によれば、接着剤の量および種類は、本質的に調理されていない乾燥食品を調理するのに必要な時間に基づいて決定される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、外側に配設された封入用ラミナと、本質的に調理されていない乾燥食品を含むコアと、を含む半調理食品が提供される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.5~4mmの厚さを有する。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、少なくとも90% w/wの野菜と、野菜を共に接着する天然の食用接着剤とを含む。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、野菜は乾燥される。いくつかの実施形態によれば、野菜は、5~35%の含水量を維持するために半乾燥される。あるいは、野菜を完全に乾燥させ(5%未満の含水量、2%未満または1%未満の含水量)、その後、野菜を5~35%の含水量に再水和(水分補給)させる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、野菜はスライスされる。いくつかの実施形態によれば、接着剤は隣接する2つのスライスが少なくとも部分的に重なるように、隣接する野菜を互いに接着するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品のカプセルのラミナは、約5~15%、約5~12%、または約5~10%の範囲の含水量を有する。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、約0.2~0.5の水分活性(aw)を有する。いくつかの実施形態によれば、カプセルは、貯蔵中および室温水中に浸漬されたときに崩壊に耐えるように、および調理時には、制御された崩壊により食用野菜スライスとすることができるように構成され、それによって、本質的に調理されていない乾燥食品について調整された時間での調理を容易にする。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは第1の成形可能な構築物では約10~35%の範囲の含水量を有し、第2の成形不可能な最終的な構築物では約5~20%の含水量を有する。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、接着剤の量および種類は、本質的に調理されていない乾燥食品を調理するのに必要な時間に基づいて決定される。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、外側に配設された封入用ラミナは第1のラミナおよび第2のラミナを含み、前記第1のラミナの縁部および前記第2のラミナの縁部は、互いに接着され、それによって、予備調理された(pre-cooked)乾燥料理を封入する閉鎖カプセルを生成する。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、第1のラミナおよび第2のラミナは、同じであるかまたは異なる。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は植物ロジンを含む。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然粘液および/または植物ガムを含む。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然デンプンをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、約0.3~0.4の水分活性(aw)を有する。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、外側に配設された封入用ラミナは、少なくとも約95% w/w乾燥野菜を含む。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、室温で少なくとも約3ヶ月の貯蔵寿命を有する。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、人工成分および合成化学物質を含まない。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、隣接する2つのスライスが少なくとも部分的に重なるように、予め乾燥させた野菜を互いに接着させ、それによって、約0.5~3mm、約5~35%の範囲の含水量、および約0.2~0.8の水分活性(aw)を有するラミナを得る工程を備える野菜ラミナを製造する方法であって、ここで、ラミナは、貯蔵中は崩壊に耐え、調理時には、制御された状態で崩壊し、食べられる状態の野菜スライスとすることができるように構成される、野菜ラミナを製造する方法が提供される。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、野菜は、所望の形状または形態にスライスされ、切断され、または粉砕された野菜である。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、野菜は、天然の食用接着剤を使用して接着される。いくつかの実施形態によれば、天然接着剤は、植物の天然成分であってもよい。追加的または代替的に、天然接着剤は野菜に加えられてもよい(例えば、その上に塗布されてもよい)。いくつかの実施形態によれば、野菜はスライスされ、接着工程は、少なくとも野菜スライスの一部に接着剤を塗布する工程を含む。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品を製造するための方法が提供され、この方法は、予め乾燥された野菜を互いに接着させて野菜のラミナを製造する工程と、外側に配設されたラミナ層および内側に配設された本質的に調理されていない乾燥食品を含むカプセルを製造する工程と、を含み、それによって、貯蔵中は崩壊に耐えることができるとともに、調理されたときには制御された状態で崩壊し、食べられる状態の野菜スライスとすることができる半調理食品のカプセルを得ることができる。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、ラミナの製造は、約0.5~3mmの厚さを有するラミナをもたらす。いくつかの実施形態によれば、ラミナを製造する工程により、約5~20%の範囲の含水量を有するラミナが得られる。いくつかの実施形態によれば、ラミナの製造は、約0.2~0.8の水分活性(aw)を有するラミナをもたらす。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、ラミナを製造する工程により、0.05~0.5Mpaの強度を有するラミナが得られる。いくつかの実施形態によれば、野菜を所望の形態/断片(form/pieces)に、スライス、細断、切断、または粉砕する前工程をさらに含む。各可能性は、別個の実施形態である。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、野菜は予備調理(例えば、蒸し、漂白など)されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、野菜片を接着する工程は、野菜片の少なくとも一部に接着剤を塗布する工程と、接着剤が塗布された、隣接する2つの野菜片の部分が少なくとも部分的に重なるように野菜片を配置する工程とを含む。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、カプセルの製造は、少なくとも1つのラミナを所望の形態に成形する工程と、成形されたラミナの2つの層の間に食品を配置する工程と、ラミナを閉鎖して(閉じて)食品を封入してカプセルにする工程とを含む。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、接着する工程は、接着剤を野菜スライスの少なくとも一部に塗布する工程を含む。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、カプセルを製造する工程は第1のラミナおよび第2のラミナを得る工程を含み、成形する工程は少なくとも第1のラミナをボウル状の形状のラミナに成形する工程を含む。いくつかの実施形態によれば、本質的に調理されていない食品を2層の間に配置する工程は、本質的に調理されていない乾燥食品を第1のボウル状のラミナに充填する工程を含む。いくつかの実施形態によれば、閉鎖する工程は、第1のボウル形状のラミナを第2の平坦またはボウル形状のラミナで覆う工程と、第1および第2のボウル形状のラミナの縁部を互いに固着する工程とを含む。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、前記固着は、機械的押圧を含む。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも80% w/w、少なくとも90% w/w、少なくとも95% w/w、または少なくとも99% w/wの乾燥果実を含み、所望の形状にスライスされ、切断され、または粉砕されたラミナが提供され、前記ラミナは0.5~4mmの厚さを有し、前記ラミナは、貯蔵中は崩壊に耐え、水和時には、ラミナの制御された崩壊により食べられる状態の果実とすることができるように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、油または添加脂肪を含まない。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、果実を共に接着する天然の食用接着剤を含むラミナが提供される。いくつかの実施形態によれば、0.5~4mmの厚さおよび0.05~0.5Mpaの強度を有する外側に配設された封入用果実ラミナを含み、前記ラミナは少なくとも90% w/wのスライス、切断、粉砕、またはマッシュされた乾燥果実を含む、ラミナと;堅果、種子、穀物、乾燥果実、またはそれらの任意の組合せを含むコアと;を含む朝食カプセルが提供され、前記朝食カプセルのラミナが5~15%の範囲の含水量および0.2~0.5の水分活性(aw)を有し、前記ラミナが、貯蔵中の崩壊に耐え、水和された場合にその崩壊を可能にするように構成される。
【0062】
本開示の特定の実施形態は、上記の利点のいくつか、全て、またはいずれも含み得る。1つ以上の技術的利点は、本明細書に含まれる図面、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるのであろう。さらに、特定の利点が上に列挙されたが、様々な実施形態は列挙された利点のすべてまたはいくつかを含んでもよいし、または全く含まなくてもよい。
【0063】
上述の例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態は、図面を参照することによって、および以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明は以下の例示的な図面を参照して、特定の実施例および実施形態に関連して説明され、その結果、本発明はより完全に理解され得る。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、ラミナ形成に適した断片にスライスされたズッキーニの例示的な画像である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、ラミナ形成に適した断片にスライスされたカボチャの例示的な画像である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、ラミナ調製の説明図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、最終的なラミナ(ラミナ完成品)の例示的な画像である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、様々なタイプの切断、a)細断キャベツ、b)破砕トマト、c)スライスされたカボチャ、d)スライスされたカボチャ、e)スライスされたナス、f)スライスされたズッキーニおよびカボチャを使用して、異なる野菜から形成されたラミナの例示的な画像である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、ボウル形状に成形されたラミナの例示的な画像である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、ボウルに食品(ここではレンズ豆料理)が詰められた図4Aのラミナの例示的な画像である。
図4C図4Cは、いくつかの実施形態による、ボウル形状に成形され、その縁部(矢印によって示される)上に本明細書に含まれる接着剤を用いる、ラミナの例示的な画像である。
図4D図4Dは、図4Bの、詰められた状態のボウルが図4Cのボウル形状の薄板によって閉じられ、それによって、半調理食品のようなカプセルを形成する、半調理食品の完成品の例示的な画像である。
図4E図4Eは、2つの成形されたラミナを用いて封入する方法の例示的な図である。
図4F図4Fは、ただ1つの成形されたラミナを用いて封入する方法の例示的な図である。
図5A図5Aは、細断された野菜と切断された野菜との組み合わせを含むラミナを使用して形成された別の半調理カプセルの例示的な画像である。
図5B図5Bは様々な形状を有し、異なるラミナを使用して形成された追加の半調理カプセルの例示的な画像である。a)スライスされたズッキーニおよびカボチャ、b)スライスされたナスおよびラディッシュ(radish)、c)スライスされたトマトおよびデーツ、d)スライスされたビート(beet)ルートおよび細断されたパセリ、e)細断されたキャベツおよびスライスされたニンジン。
図6図6は、接着剤の供給源に応じた、ラミナ分解時間の代表的なヒストグラムである。
図7図7は、接着剤に添加される繊維の量に応じた、本明細書に開示されるラミナの分解時間を示す代表的なグラフである。
図8A図8Aは、適用された圧力に耐える能力について試験され、LioydデバイスモデルTA1を使用してプローブによって測定された、代表的な3Dカプセル形状のラミナを、前(完成された全体のラミナ;左)および後(穴を有する亀裂ラミナ;右)に示す例示的な画像である。直径11.15mm、接触面積97.64のプローブを60mm/分の速度でラミナに向かって移動させた。3Nの予荷重応力および15mmの高さ限界を設定した。
図8B図8Bは、Aのプローブによって加えられた圧力に耐えるそれらの最大強度/最大能力について試験された後の、穴を有するいくつかの異なる亀裂が入った3Dカプセル形状のラミナを示す例示的な画像である。トマト、ナス、ビート、パンプキン、およびラディッシュをベースとする3Dカプセル形状のラミナの写真が提示される。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の説明では、本開示の様々な態様が説明される。説明の目的のために、本開示の異なる態様の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細が記載される。しかし、本明細書に特定の詳細を提示することなく、本開示を実施することができることも当業者には明らかであろう。さらに、本開示を曖昧にしないために、周知の特徴は省略または簡略化されてもよい。
【0066】
便宜上、本明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語をここにまとめる。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0067】
本明細書では、本開示のいくつかの態様によれば、少なくとも約80% w/w、好ましくは少なくとも約90% w/w、少なくとも約95% w/w、または少なくとも約98% w/wの乾燥果実または乾燥野菜から作製されたラミナが提供される。各可能性は、別個の実施形態である。
【0068】
本明細書で使用するとき、用語「ラミナ」は、質量及び密度を有する二次元平面閉鎖表面を指す。いくつかの実施形態によれば、ラミナという用語は、「シート」という用語で置換されてもよい。
【0069】
本明細書で使用するとき、用語「野菜」は通常、食用部分のために栽培される草本植物(例えば、キャベツ、豆、又はジャガイモ)を指す。総称して、この用語はいくつかの花(例えば、ブロッコリー)、味のある実(例えば、トマトおよびクーゼット)、茎、葉および根を含む、全ての食用植物物質を指す。
【0070】
本明細書で使用するとき、用語「果実」は、開花後に子房から形成される開花植物の種子を有する構造を指す。いくつかの実施形態によれば、この用語は、より狭くは甘く、多肉質またはパルプ状のいずれかで成熟した子房を指す。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、果実/野菜は、スライスされ、切断され、粉砕され、および/または細かく刻まれて、所望の形態になり得る。いくつかの実施形態によれば、ラミナは乾燥野菜の断片(例えば、スライス)を重ね合わせることによって形成されてもよく、その場合、接着剤は、野菜断片を互いに接着する。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、野菜片の少なくとも一部を覆ってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、単一の種類の果物/野菜、例えばサツマイモから作製されてもよい。いくつかの実施形態によれば、ラミナは異なる果実/野菜、例えば、ナスおよびカボチャから作製されてもよい。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、少なくとも約2種、少なくとも約3種、または少なくとも約4種の異なる種類の野菜を含むことができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、果実/野菜はスライス/切断されるか、または他の方法で、好ましくは果実/野菜の種類が認識可能なままであるように、断片に変えられ得る。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、果物/野菜は、食品廃棄物または食品損失の果物/野菜としての果物/野菜であってもよい。本明細書で使用される場合、食品廃棄物および食品損失という用語は(例えば、「化粧品」の理由で)廃棄されているか、または廃棄されることが意図されているが、依然として食用(好ましくはヒトグレードで)の任意の果物/野菜を指し得る。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、ラミナ中の果実/野菜の少なくともいくつかは、別個の形態(例えば、野菜スライス)を有し得る。追加的または代替的に、ラミナ中の野菜の少なくとも一部はピューレ(例えば、フルーツピューレ)状に細かく刻むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.2~6mm、または約0.3~5mm、約0.4~5.5mm、約0.5~4mm、約0.6~3mm、約0.5mm~2mm、または0.2~6mmの範囲内の任意の他の範囲の厚さを有する可能性がある。各可能性は、別個の実施形態である。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約2~40%、約5~35%、約10~35%、約5~30%、約10~30%、約15~30%、または約2~40%の範囲内の任意の他のパーセンテージの含水量を有し得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、第1の成形可能な構築物において、約2~40%、約5~35%、約10~35%、約5~30%、約10~30%、約15~30%、または2~40%の範囲内の任意の他のパーセンテージの含水量、および第2の成形不可能な最終的な構築物において、約2~18%、約5~15%、約5~10%、または2~18%の範囲内の任意の他のパーセンテージの含水量を有し得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0079】
本明細書で使用するとき、用語「成形可能な構築物」は、所望の形状を形成するようにラミナを曲げる、ねじる、又は他の方法で操作することが可能な構築物を指す。
【0080】
本明細書で使用するとき、用語「成形不可能な構築物」は、ラミナを成形することもはや不可能であるラミナの最終的な構築物を指す。この構成では、ラミナを室温で少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、または少なくとも3ヶ月間貯蔵するのに適している。各可能性は、別個の実施形態である。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、「成形不可能な構築物」は、その再水和によって逆転されてもよい。これは、製造中の貯蔵目的に特に有利であり得る。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、約0.2~0.6または約0.3~0.5または約0.4~0.6の水分活性(a w)を有し得る。各可能性は、別個の実施形態である。本明細書で使用するとき、「水分活性(a w)」という語は、水溶液中の水の蒸気分圧を水の基準蒸気分圧で割ったものを指すことができる。食品科学の分野では、標準状態は、ほとんどの場合、同じ温度での純水の蒸気分圧として定義される。この特定の定義を使用すると、純粋な蒸留水は、正確に1の水分活性を有する。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、野菜は、天然の食用接着剤を使用して接着される。いくつかの実施形態によれば、天然接着剤は、植物の天然成分であってもよい。追加的または代替的に、天然接着剤は野菜に添加または加えられてもよい(例えば、その上に塗布されてもよい)。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、貯蔵中、ラミナは崩壊に耐えるように、および調理または他の方法で調製されたときに、ラミナは制御された状態で崩壊し、食べられる状態の野菜とすることができるように構成される。
【0085】
本明細書で使用するとき、用語「崩壊(disintegration)」は、果物/野菜が、スライス及び/又は断片へ分離すること、及び/又は果物/野菜の柔らく細かく刻まれた形態の形成を指し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤により、温度40oC以下、温度50oC以下、または温度60oC以下の水中に少なくとも温度20分間浸漬されたときに、ラミナは崩壊に耐えるように構成される。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、接着剤により、室温で少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、または少なくとも約6ヶ月間、崩壊に耐えるように構成される。各可能性は、別個の実施形態である。
【0086】
本明細書で使用するとき、用語「調理された」は、摂取のために食物を調製するために熱を使用する技術を表し得る。調理技術は様々であり得、焼き、ロースト、フライ、グリル、バーベキュー、スモーク、ボイル、蒸し、及び蒸し煮(ブレゼ)を含む。いくつかの実施形態によれば、加熱調理は、ラミナを所定の時間の間、沸騰水にさらすための浸漬を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、調理は水の存在下で、所定の時間(例えば、少なくとも約2分、少なくとも約5分、少なくとも約7分、好ましくは約10分以下、または約20分以下)、ラミナを電子レンジで加工する工程を含んでもよく、または電子レンジ加工であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、調理指示書と共に供給される。非限定的な例として、半調理食品は箱に詰められてもよく、調理指示書は箱に印刷されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、調理技術/指示は、半調理カプセルを電子レンジで煮沸/加熱することを含む。いくつかの実施形態によれば、カプセルは、ボウルに入れられ、約240mlの水に浸漬され、被覆されて電子レンジで約8分または9分間加熱調理される。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、調理技術/指示は、半調理カプセルをポットで煮沸することを含む。いくつかの実施形態によれば、半調理カプセルはポットに入れられ、約240mlの水に浸漬され、沸騰後に火炎を小さくし、カプセルを小さな火炎で5分間調理し続ける。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、約80oCを超える水中に少なくとも約3分間、または少なくとも約5分間、典型的には約10分間以下で浸漬された場合に、ラミナは崩壊に耐えるように構成されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は植物ロジンを含むか、または植物ロジンである。本明細書で使用される場合、「植物ロジン(plant resin)」という用語は、植物から得られる/抽出される固体または高粘性物質を指し得る。植物ロジンの非限定的な例としては、アンバー(amber)、ギリアド(Gilead)のバーム、バルサム、カナダバルサム、ボスウェリア(Boswellia)、プロチウムコパール(Protium copal)およびヒメナエ・クアーバリル(Hymenaea coubaril)の木からのコパール(copal)、フタバガキ科の木からのダンマーガム、ドラゴンの木(ドラカエナ種)からのドラゴンの血(dragon's blood)、エレミ(elemi)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)からの乳香、フェルラ・グンモサ(Ferula gummosa)からのガルバナム、グアイヤカム(Guaiacum)属のリグナム・バイタ(lignum vitae)の木からのガムグアイヤカム(gum guaiacum)、アガテス・アウストラリス(Agathis australis)の木からのカウリガム、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)からのハシシ(カンナビスロジン)、地中海沿岸のシストゥス(cistus)種からのラブダナム、マスティック・ツリーであるピスタシア・レンティスカス(Pistacia lentiscus)からのマスティック(植物ロジン)、コミホラ(Commiphora)の潅木からのミルラ、マルタの国の樹木であるテトラクリニス・アーティキュラ(Tetraclinis articulata)からのサンダラックロジン、スタイラックス(様々なスタイラックス種からのベンゾインロジン)、オーストラリアの草からのスピニフェクスロジン、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、植物ロジンは、天然粘液および/または植物ガムであってもよい。非限定的な例として、粘液は、オクラ、チア(chia)、サブレス(sabres)、アマニ(フラックスシード)、フェヌグリーク、ズッキーニ、アロエベラ、カクタス、ケルプ、リコリス根、マーシュマロウ、オオバコ種子外皮、またはそれらの任意の組合せに由来する粘液であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、植物ロジンは、天然粘液および/または植物ガムであってもよい。非限定的な例として、粘液は、オクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、ズッキーニ、またはそれらの任意の組合せに由来する粘液であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、粘液は、単離された粘液であり得る。いくつかの実施形態によれば、粘液は、植物の抽出物/ペースト中の成分であってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、ロジンは植物以外の起源から得られる天然に存在するロジン、例えば、昆虫由来のロジンであってもよいが、これに限定されない。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然デンプン、繊維、糖類、タンパク質、またはそれらの任意の組合せなどの追加の成分をさらに含む。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、追加の成分は、ラミナの崩壊時間を調整するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、追加の成分は、安定剤および/または天然保存剤として機能するように構成されてもよい。
【0097】
非限定的な例として、接着剤は、フルクトオリゴ糖(FOS)繊維をさらに含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「FOS繊維」は、短鎖フルクトース分子から作製される小食物繊維(small dietary fiber)を指し得る。FOS繊維は、典型的には低カロリー値を有する。いくつかの実施形態によれば、FOS繊維は、ブルーアガベ植物、ならびにバナナ、タマネギ、チコリー根、ニンニク、アスパラガス、ジカマ(jicama)、およびリークなどの果物および野菜、コムギおよびオオムギなどの穀物およびシリアル、エルサレム・アーティチョーク、ヤーコン(yacon)、またはそれらの任意の組合せから取り出すことができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0098】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は追加成分(例えば、FOS)を約1~60% w/w、約5~50% w/w、約10~50%、約10~40%、または1~60%以内の任意の他の範囲で含み得る。
【0099】
追加的または代替的に、接着剤は米デンプン、ジャガイモデンプン、クズデンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、またはこれらの任意の組み合わせなどのデンプンをさらに含んでもよいが、これらに限定されない。各可能性は、別個の実施形態である。
【0100】
追加的または代替的に、接着剤は、滲出物ガム(exudate gum)をさらに含んでもよい。ガムは水と結合し、低濃度でゲルを形成する能力を有する複合炭水化物分子である。炭水化物はしばしば、その構造においてタンパク質およびミネラルと会合している。滲出物ガムは、典型的には損傷時の保護機構として樹皮によって分泌される植物ガムである。滲出物ガムは、高粘度、接着性、安定化効果、乳化作用および界面活性特性を特徴とする。滲出物ガムとしてはアカシアガム(アラビアガムとも呼ばれる)、カラヤガム、ガティガム、トラガントガム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。各可能性は、別個の実施形態である。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約0.1秒-1のせん断力で、少なくとも約10cPの粘性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約0.1秒-1のせん断力で、約5~100cPの粘性を有することができる。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約100秒-1のせん断力で、少なくとも約0.5~5cPの粘性を有し得る。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは人工成分および合成化学物質、例えば、限定されるものではないが、ポリマー(例えば、エチルセルロース、PVA、メチルセルロース)を本質的に含まない。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、クリーンラベル製品である。本明細書で使用するとき、用語「クリーンラベル」は、消費者が家庭で使用することができる健康的な成分として認識して考える成分を使用する製品を意味してもよく、好ましくは可能な限り少なく前記成分を使用する製品を指すことができる。一般的には、認識しやすい成分を含み、人工成分や合成化学物質を含まない食品を表し、食品メーカーとの「信頼」に結びついている。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、添加された甘味料を含まない。本明細書で使用するとき、用語「添加される甘味料」とは、ラミナの味を甘くするために添加される糖類又は合成代替物を表し得る。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、1つ以上の本質的に調理されていない乾燥食品成分を封入する(カプセル化する)ように構成される。いくつかの実施形態によれば、接着剤の量およびタイプは、本質的に調理されていない乾燥食品を調理するのに必要な時間に基づいて決定されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、食品または他の成分を包装するために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、食用包装として使用されてもよい。本明細書で使用するとき、用語「食用包装」は、それ自体が食用である一方で、物品、例えば食品の包装を意図した包装を指すことができる。いくつかの実施形態によれば、ラミナは、非食用であってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、ラミナの表面の少なくとも1つは、コーティング材料で被覆されてもよい。いくつかの実施形態によれば、コーティングは、天然コーティング、例えばゼラチン、シェルラック、エチルセルロース、メチルセルロース、PVA、天然ワックス、またはそれらの任意の組合せであってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、コーティングは、吸水を防止するように構成されたコーティングであってもよい。いくつかの実施形態によれば、コーティングは、ラミナの引張強度/可撓性を増加させるように構成されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、(本質的に本明細書に記載されるように)外側に配設された封入用ラミナと、本質的に調理されていない乾燥食品を含むコアと、を含む半調理食品が提供され、前記ラミナは、少なくとも90% w/wの乾燥野菜と、前記野菜を共に接着するように構成される天然食用接着剤とで形成される。
【0108】
本明細書で使用される場合、用語「半調理食品(ready to cook meal)」、「調理可能な食品(ready meal)」は、ヒトの消費に適するように、水中で調理されることのみが必要な食品を指し得る。
【0109】
本明細書で使用するとき、用語「本質的に調理されていない食品」は調理されていない形態の食品(例えば、クスクス)、又は予め調理され、続いて脱水されているが、消費の準備のために追加の調理を依然として必要とする食品を表し得る。
【0110】
本明細書で使用される場合、食品に関して「乾燥」という用語は、約12%未満、約10%未満、約8%未満、約5%未満、または約2%未満の水を含む食品を指す。各可能性は、別個の実施形態である。
【0111】
いくつかの実施形態によれば、食品は、米、キノア、クスクス、パスタ、レンズ豆、ソバ、ブルグル、または任意の他の適切な穀物もしくは種子、またはそれらの組合せを含んでもよく、好ましくは味付けされていてもよい。いくつかの実施形態によれば、食品は、調理されたときにすぐに食べられる食事に混合される上述の食品のいずれかを含む料理であってもよい。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、食品は、塩および/または香辛料を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、食品は、添加された糖類を含まなくてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、調製(調理)の前に、半調理食品は、およそ5~20%、または10~15%の範囲の含水量を有する。
【0114】
いくつかの実施形態によれば、調製(調理)の前に、半調理食品は、約0.2~0.5または約0.2~0.4の水分活性(aw)を有する。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、接着剤により、半調理食品の貯蔵中において、封入用ラミナは、崩壊に耐えるように構成される。驚くべきことに、封入用ラミナは、室温の水に浸漬された場合にも崩壊に耐えるように構成される。
【0116】
有利には、調理されたときに、ラミナは制御された状態で崩壊し、食べられる状態の野菜スライスとすることができ、それによって、本質的に調理されていない乾燥食品が時間を調整して調理されることを容易にしてもよい。いくつかの実施形態によれば、接着剤の量および/または種類は、特定の本質的に調理されていない乾燥食品の調理に必要な時間に基づいて決定されてもよい。非限定的な例として、より少ない量の接着剤および/またはより弱い接着剤、例えば、チア由来粘液は、ブルグルの場合など、食品のより長い調理が必要とされる場合に利用され得る。別の非限定的な例として、食品のより短い調理時間が必要とされる場合(例えば、食品がインスタント米またはインスタントクスクスなどのインスタント(事前調理済み)食品である場合)、より多量の接着剤および/またはより強力な接着剤、例えばズッキーニまたはアマニ由来粘液が利用され得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤の量および/または種類は、封入された食品の種類にかかわらず、すべての半調理食品が同じ必要な調理時間(例えば、5~10分)を有するようなものであってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態によれば、外側に配設された封入用ラミナは、第1のラミナ(シート)および第2のラミナ(シート)を含んでもよく、第1のラミナの縁部および第2のラミナの縁部は互いに接着され、それによって、本明細書でさらに詳述されるように、本質的に調理されていない乾燥食品を封入する閉鎖カプセルを生成する。
【0118】
本明細書で使用するとき、用語「縁部」は、時にはラミナの外側の湾曲した又は円形の縁部又は境界を指す。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、第1のラミナおよび第2のラミナは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。異なるラミナの非限定的な例としては、異なる果実/野菜から作製されたラミナが挙げられる。異なるラミナの他の非限定的な例としては、同じ種類の果実/野菜から作製されるが、異なる形状で切断されている、および/または異なって配置されているラミナが挙げられる。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、室温で少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、または少なくとも6ヶ月の貯蔵寿命を有する。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品全体は任意の合成/人工成分、すなわち、天然源ではなく化学源から作製された成分を含まなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、クリーンラベル製品である。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品は、添加された甘味料を含まなくてもよい。本明細書で使用するとき、用語「添加された甘味料」は、半調理食品の味を甘くするために添加される糖類又は合成代替物を指し得る。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、果実/野菜ラミナを製造するための方法が提供され、前記方法は、a)果実/野菜を乾燥させる工程、または既に乾燥した果実/野菜を得る工程、b)本明細書に本質的に記載される食用接着剤を使用して、乾燥した野菜を互いに接着させることによってラミナを構築する工程、および任意選択でc)ラミナを所望の形状に成形する工程を含む。
【0124】
次に、工程a)をより詳細に説明する。しかしながら、説明される工程のうちの少なくともいくつかは、省略され、調整され、および/またはそれらの順序が変更され得ることが明らかである。非限定的な例として、いくつかの実施形態によれば、野菜の乾燥(工程a)は、ラミナの構築(building)(工程b)の前に行われてもよい。あるいは、ラミナの構築(工程b)が野菜の乾燥(工程a)の前に実施されてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、乾燥固定の前に、果実/野菜を前処理してもよい。いくつかの実施形態によれば、前処理は、以下の工程:i)果物/野菜を洗浄する工程、およびii)果物/野菜を消毒する工程のうちの1つまたは複数を含み得る。任意選択的に、この段階で、果実/野菜は、さらなる処理の前に約4oCで保存されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、野菜の少なくとも一部は、調理前処理を受けてもよい。
【0127】
調理前処理/プロトコールの非限定的な例は、以下の工程のうちの1つ以上を含むことができる:
1.水中での漂白:
i 例えば、約5~10分間、煮沸した水に野菜のスライス(薄片)を加える。
ii 氷水の低濃度のレモンジュース中で室温へ冷却する。
2.蒸気による漂白:
i トレイ上に野菜のスライスを配置して、例えば全体(ネット)で約5~10分間、蒸気が導入される。
3.調理
i 沸騰水で3~10分間調理する。
4.洗浄
i 新鮮な冷水で洗う(例えば、約10~30分間)。任意に、新しい水を5分間のサイクルで野菜に導入してもよい。
【0128】
水中での漂白に適した野菜の非限定的な例としては、ビート(beet)、サツマイモ、およびジャガイモなどの根類が挙げられ得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0129】
蒸気による漂白に適した野菜の非限定的な例としては、ビート、サツマイモ、ジャガイモなどの根類、およびキャベツなどの葉野菜などが挙げられ得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0130】
調理に適した野菜の非限定的な例としては、ビート、ジャガイモおよびサツマイモのような根類が挙げられ得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0131】
洗浄に適した野菜の非限定的な例としては、ジャガイモおよびサツマイモのような高含量のデンプンを有する野菜が挙げられ得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0132】
次いで、果物/野菜は、iii)果物/野菜を断片/スライス/ピューレとするように、切断、スライス、粉砕、細かく刻まれ、または他の方法で断片化する工程を受けることができる。好ましくは、得られるスライス/断片の厚さは約3~5mmであり、8mm以下である。いくつかの実施形態によれば、切断は、産業界で知られている工業用の果実/野菜スライサーを使用して行われてもよい。スライスされた野菜(ここではズッキーニおよびカボチャ)の非限定的な例を図1Aおよび図1Bに示す。
【0133】
切断に続いて、果実/野菜を、(iv)果実/野菜の天然色を保存するように構成された溶液(例えば、レモン抽出物および/またはアセロラなどであるが、これらに限定されない天然抗酸化剤を含む水)に浸漬してもよい。
【0134】
次にv)果物/野菜を乾燥させる。いくつかの実施形態によれば、乾燥は、凍結乾燥を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、果実/野菜は、約40~100oC、約40~80oC、または約50~75oCで、好適な期間、風乾されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、風乾は、温度変動または温度勾配の適用を含んでいてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、果実/野菜は、10~35%の含水量が維持されるように半乾燥されてもよい。あるいは、果実/野菜が実質的に全ての水分(含水量5%未満、2%未満、または1%未満)を除去するために乾燥され得、その後、果実/野菜はその成形を可能にするために、含水量10~35%に再水和される。
【0136】
次に、工程b)をより詳細に説明する。しかしながら、説明される工程のうちの少なくともいくつかは、省略され、調整され、および/またはそれらの順序が変更され得ることが明らかである。
【0137】
いくつかの実施形態によれば、ラミネートの調製は、i)果物/野菜の平坦化工程、およびii)連続シートが得られるような果物/野菜の配置工程を含み得る。いくつかの実施形態によれば、配置工程は、図2に例示的に示されるように、各スライスが隣接するスライスと少なくとも部分的に重なるように果実/野菜スライスを配置する工程を含み得る。いくつかの実施形態によれば、配置工程は、細断および/または細かく刻まれた果実/野菜を本質的に均一なシートに分散させる工程を含み得る。いくつかの実施形態によれば、果物/野菜の配置工程は、ラミナの完全性を確実にするように、食用接着剤を添加する工程をさらに含む。
【0138】
図3Aは、異なる種類の野菜(ここではズッキーニおよびカボチャ)から作製された、ここでは円形のラミナの例示的な画像を示す。図3Bは、異なるタイプの野菜で作られたラミナ(a~f)の追加の例示的な画像を示す。
【0139】
ラミナの形状は長方形、円形、楕円形、または任意の他の所望の形状、好ましくはラミネート(laminate)を所望の構成に成形するのに適した形状であってもよいことが理解される。
【0140】
本明細書に記載のラミナの1つの適切な用途は、食品の封入のためであり、前記食品は、本質的に本明細書に記載するように、集合して半調理食品を形成するのものである。
【0141】
次に、半調理食品を製造するための処理について、さらに詳細に説明する。しかしながら、この点に関して説明される工程の少なくともいくつかは、省略され、調整され、および/またはそれらの順序が変更され得ることが明らかである。
【0142】
いくつかの実施形態によれば、半調理食品を調製するための第1の工程は、本明細書に開示される果実/野菜のラミナを、食品の封入を可能にする所望の形状に成形(成型)することである。そのような形状の非限定的な例は、図4Aに描かれたボウル形状である。
【0143】
次に、図4Bに示すように、食品をボウルに配置することができる。本明細書に開示される接着剤は次いで、別のボウル形状の薄片(図4C)の縁部に加えられてもよく、図4Dに示されるように、2つのボウルは、最終的なカプセル様の半調理食品を形成するために固着され得る。
【0144】
2つの成形されたラミナを用いた封入についての本明細書における上記の詳細な方法は、図4Eに示されている。
【0145】
さらに、別の実施形態によれば、封入の方法は、1つの成形されたラミナのみを用いて実施されてもよい。これは、図4Fに示されており、カプセルの丸い底部(すなわち、ボウル形状)を形成するために使用される第1のラミナがボウル形状の型の上に配置され;次いで、そのボウル形状の形態を受容するために押し下げられ;本質的に調理されていない乾燥食品がボウル内に配置され;次いで、本明細書に開示される接着剤が縁部に添加され得、一方、第2のシートが、第1のラミナの新しく形成された丸い底部の上方に平らに配置され、閉鎖されたカプセル様の半調理食品を受容する。いくつかの実施形態によれば、少なくとも第1のラミナは、ボウル形状に成形される。
【0146】
使用される果物/野菜の種類および/またはそれらの切断を変えることによって、異なる半調理食品を得ることができると理解される。非限定的な例として、図5Aは、スライスされ、および細断された野菜の組み合わせからラミナが形成される半調理食品を示す。
【0147】
他の非限定的な例が図5Bに示されており、様々な形状を有し、野菜(a~e)の様々な組み合わせから形成された半調理食品を示している。
【0148】
いくつかの実施形態によれば、植物ロジンと、天然デンプン、繊維、糖類、タンパク質、またはそれらの任意の組合せから選択される1つまたは複数の追加の成分とを含む食品グレードの接着剤組成物が提供される。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、植物ロジンは、アンバー、ギリアドのバーム、バルサム、カナダバルサム、ボスウェリア、プロチウムコパールおよびヒメナエ・クアーバリルの木からのコパール、フタバガキ科の木からのダンマーガム、ドラゴンの木(ドラカエナ種)からのドラゴンの血(dragon's blood)、エレミ、ボスウェリア・サクラからの乳香、フェルラ・グンモサからのガルバナム、グアイヤカム属のリグナム・バイタの木からのガムグアイヤカム、アガテス・アウストラリの木からのカウリガム、カンナビス・インディカからのハシシ(カンナビスロジン)、地中海沿岸のシストゥス種からのラブダナム、マスティック・ツリーであるピスタシア・レンティスカスからのマスティック(植物ロジン)、コミホラの潅木からのミルラ、マルタの国の樹木であるテトラクリニス・アーティキュラ(Tetraclinis articulata)からのサンダラックロジン、スタイラックス(様々なスタイラックス種からのベンゾインロジン)、オーストラリアの草からのスピニフェクスロジン、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0150】
好ましくは、植物ロジンが天然粘液および/または植物ガムであり得る。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、粘液は、単離された粘液であり得る。いくつかの実施形態によれば、粘液は、植物の抽出物/ペースト中の成分であってもよい。
【0152】
非限定的な例として、粘液は、オクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、ズッキーニ、アロエベラ、カクタス、ケルプ、リコリス根、マーシュマロウ、オオバコ種子外皮、またはそれらの任意の組合せに由来する粘液であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。好ましくは、粘液がオクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、ズッキーニ、またはそれらの任意の組合せに由来する粘液であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの特定の実施形態によれば、植物ロジンは、ズッキーニ/マロウ、カボチャおよびキュウリを含む、ウリ科植物に由来する粘液を含む。いくつかの特定の実施形態によれば、植物ロジンは、ククルビタ・ペポ種由来の植物に由来する粘液を含む。いくつかの特定の実施形態によれば、植物ロジンは、ズッキーニ(クーゼットおよびペポカボチャとも呼ばれる)に由来する粘液を含む。
【0153】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、実施例2で提供されるプロトコールに従って測定した場合、約5分以上、約7分以上、約10分以上、または約12分以上の分解時間(breaking time)を有する可能性がある。各可能性は、別個の実施形態である。
【0154】
いくつかの実施形態によれば、追加の成分はラミナの崩壊の時間を調節する(例えば、延長または短縮する)ように構成され得る。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、追加の成分は、安定剤および/または天然保存剤として機能するように構成されてもよい。
【0156】
非限定的な例として、繊維は、フルクトオリゴ糖(FOS)繊維であり得る。いくつかの実施形態によれば、FOS繊維は、ブルーアガベ植物、ならびにバナナ、タマネギ、チコリー根、ニンニク、アスパラガス、ジカマ(jicama)、およびリークなどの果物および野菜、コムギおよびオオムギなどの穀物およびシリアル、エルサレム・アーティチョーク、ヤーコン(yacon)、またはそれらの任意の組合せから取り出すことができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は追加成分(例えば、FOS)を約1~60% w/w、約5~50% w/w、約10~50%、約10~40%、または1~60%以内の任意の他の範囲で含み得る。
【0158】
いくつかの実施形態によれば、デンプンは、米デンプン、ジャガイモデンプン、クズデンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、またはそれらの任意の組合せであってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0159】
追加的または代替的に、接着剤は、滲出物ガムをさらに含んでもよい。滲出物ガムとしてはアカシアガム(アラビアガムとも呼ばれる)、カラヤガム、ガティガム、トラガントガム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。各可能性は、別個の実施形態である。
【0160】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、0.1秒-1のせん断力で、少なくとも10cPの粘性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約0.1秒-1のせん断力で、約5~100cPの粘性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約100秒-1のせん断力で、少なくとも約0.5~5cPの粘性を有し得る。
【0161】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、人工成分および合成化学物質を含まなくてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態によれば、食品成分(食用材料)を接着するための、または食品産業で使用される非食用材料(例えば、包装)を接着するための接着剤組成物の使用が提供され、接着剤は、ウリ科植物由来の粘液を含む。いくつかの特定の実施形態によれば、植物ロジンは、ククルビタ・ペポ種由来の植物に由来する粘液を含む。いくつかの特定の実施形態によれば、植物ロジンは、ズッキーニに由来する粘液を含む。
【0163】
いくつかの実施形態によれば、粘液は、ズッキーニから単離された粘液であり得る。いくつかの実施形態によれば、粘液は、ズッキーニ抽出物/ペースト中の成分であってもよい。
【0164】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、実施例2で提供されるプロトコールに従って測定した場合、約5分以上、約7分以上、約10分以上、または約12分以上の分解時間を有する可能性がある。各可能性は、別個の実施形態である。
【0165】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、天然デンプン、繊維、糖類、タンパク質、またはそれらの任意の組合せから選択される1つまたは複数の追加の成分をさらに含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態によれば、追加の成分は、ラミナの崩壊時間を調整するように構成されてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態によれば、追加の成分は、安定剤および/または天然保存剤として機能するように構成されてもよい。
【0168】
非限定的な例として、繊維は、フルクトオリゴ糖(FOS)繊維であり得る。いくつかの実施形態によれば、FOS繊維は、ブルーアガベ植物、ならびにバナナ、タマネギ、チコリー根、ニンニク、アスパラガス、ジカマ(jicama)、およびリークなどの果物および野菜、コムギおよびオオムギなどの穀物およびシリアル、エルサレム・アーティチョーク、ヤーコン(yacon)、またはそれらの任意の組合せから取り出すことができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0169】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は追加成分(例えば、FOS)を約1~60% w/w、約5~50% w/w、約10%w/w~50%w/w、約10%w/w~40%、w/wまたは1%w/w~60%w/w以内の任意の他の範囲で含み得る。
【0170】
いくつかの実施形態によれば、デンプンは、米デンプン、ジャガイモデンプン、クズデンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、またはそれらの任意の組合せであってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0171】
追加的または代替的に、接着剤は、滲出物ガムをさらに含んでもよい。滲出物ガムとしてはアカシアガム(アラビアガムとも呼ばれる)、カラヤガム、ガティガム、トラガントガム、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。各可能性は、別個の実施形態である。
【0172】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約0.1秒-1のせん断力で、少なくとも約10cPの粘性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約0.1秒-1のせん断力で、約5~100cPの粘性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、約100秒-1のせん断力で、少なくとも約0.5~5cPの粘性を有し得る。
【0173】
いくつかの実施形態によれば、接着剤は、人工成分および合成化学物質を含まなくてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態によれば、3Dカプセル状の形状に成形されたラミナを割るのに必要な最大圧力は、少なくとも約0.05MPa、少なくとも約0.1MPa、少なくとも約0.15MPa、少なくとも約0.2MPa、少なくとも約0.3MPa、少なくとも約0.4MPa、少なくとも約0.5MPa、少なくとも約0.6MPaである。各可能性は、別個の実施形態である。
【0175】
いくつかの実施形態によれば、3Dカプセル状の形状に成形されたラミナを割るのに必要な最大圧力は、約0.05Mpa~約0.50 Mpa、約0.05Mpa~約0.2 Mpa、約0.1Mpa~約0.4 Mpa、約0.1Mpa~約0.3 Mpa、約0.1Mpa~約0.2 Mpaの範囲である。各可能性は、別個の実施形態である。
【0176】
いくつかの実施形態によれば、スイートスナックバー(sweet snack bar)またはスイート朝食品(sweet breakfast meal)は、果実をベースとするラミナから調製される。
【0177】
いくつかの実施形態によれば、スイート朝食品またはスイートスナックバーのラミナは、少なくとも60%の果実、少なくとも70%の果実、好ましくは少なくとも80%の果実、少なくとも90%の果実、少なくとも95%の果実または少なくとも99%の果実を含み得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0178】
いくつかの実施形態によれば、果実ラミナは、1~2mmの厚さを有する果実のスライスから調製される。追加的にまたは代替的に、果実ラミナは、果皮から調製される。いくつかの実施形態によれば、ラミナの厚さは、果実または果皮の種類に依存し得る。果皮の非限定的な例は、マッシュおよび断片で作られたバナナの皮である。
【0179】
いくつかの実施形態によれば、果実ラミナおよび/または果皮は、油または添加脂肪を含まない。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、果実ラミナは、異なるタイプの果実から調製される。ラミナを調製するために使用される果実の非限定的な例としては、樹木果実(例えば、リンゴ、モモ、プラム)、熱帯/亜熱帯果実(例えば、バナナ、パイナップル、パパイヤ、マンゴー、グアバ)および地上果実(例えば、スイカ、メロン)が挙げられる。
【0181】
いくつかの実施形態によれば、果実は、ラミナが作製される前に乾燥される。いくつかの実施形態によれば、果実は、5~20%の含水量が維持されるように半乾燥されてもよい。あるいは、果実は、実質的に全ての水分(5%未満、2%未満または1%未満の含水量)を除去するために乾燥され得、その後、果実/野菜はその成形を可能にするために、5~20%の含水量となるまで再水和される。
【0182】
いくつかの実施形態によれば、ラミナは、次いで、成形され、充填され、密封される。
【0183】
果実ラミナを充填するために使用される製品の非限定的な例としては、ナッツ、種子、オート麦または膨化米のようなシリアル、焙煎または天然の、脱水果実、蜂蜜、およびメープルが挙げられる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0184】
いくつかの実施形態によれば、果実製品は、塩および/または香辛料を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、果実製品は、添加された糖類を含まなくてもよい。
【0185】
いくつかの実施形態によれば、果実製品はスナックバーであってもよい。いくつかの実施形態によれば、果実製品は食べるための準備ができており、さらなる調理/調製は必要とされない。
【0186】
いくつかの実施形態によれば、果実製品は朝食である。いくつかの実施形態によれば、半調理朝食品の食事の前に、水、乳、代用乳、ジュース、または任意の他の液体を添加することによって、ラミナを再水和することができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0187】
いくつかの実施形態によれば、朝食品のラミナは、野菜をさらに含んでもよい。
【0188】
いくつかの実施形態によれば、朝食用ラミナは、40%未満の野菜、30%未満の野菜、20%未満の野菜、10%未満の野菜、5%未満の野菜を含み得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0189】
いくつかの実施形態によれば、朝食用ラミナは、約5~30%の野菜と約70~95%の果実、約10~25%の野菜と約75~90%の果実、約15~20%の野菜と約80~85%の果実を含んでもよい。
【0190】
いくつかの実施形態によれば、接着剤組成物は、オクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、ズッキーニ、アロエベラ、カクタス、ケルプ、リコリス根、マーシュマロウ、オオバコ種子外皮、またはそれらの任意の組合せに由来する第2の粘液を含んでもよい。各可能性は、別個の実施形態である。好ましくは、粘液がオクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、ズッキーニ、またはそれらの任意の組合せに由来する粘液であってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0191】
本明細書で使用するとき、用語「本質的に」は、記載された量からの±1%、±2%、又は±5%の偏差を指すことができる。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、「本質的に含まない」という用語は、記載された材料が完全に存在しないか、または1%未満、0.5%未満、または0.1%未満などの残留量で存在するかのいずれかであることを指し得る。各可能性は、別個の実施形態である。
【0192】
本明細書で使用するとき、用語「含みまたは構成され(comprising)」は用語「含み(including)」、「含有し(containing)」、又は「によって特徴付けられ(characterized by)」と同義であり、包括的又は非限定的であり、すなわち、追加の記載されていない要素を除外するものではない。いくつかの実施形態によれば、「含む」という用語は、特許請求の範囲に特定されていない任意の素子、工程、または成分を除外する「のみからなる」という用語、または特許請求の範囲の範囲を特許請求の範囲に記載された発明の特定の材料または工程「および基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を与えないもの」に限定する「から本質的になる」という用語と置き換えることができる。
【0193】
本明細書で使用される場合、用語「約」および「およそ」は量、持続時間などの測定可能な値を指す場合、指定された値から±20%、またはいくつかの例では±10%、またはいくつかの例では±5%、またはいくつかの例では±1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示された方法を実施するのに適切である。
【0194】
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態の例を実証するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は本発明者らが本発明の実施において十分に機能することを見出したアプローチを表し、したがって、本発明の実施のための好ましい態様の例を構成すると考えることができることを、当業者は理解すべきである。しかしながら、当業者は本開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、類似のまたは同様の結果を依然として得ることを理解すべきである。
【実施例
【0195】
[実施例1-ラミナの分解時間の制御]
本明細書に開示されるラミナの重要な因子は、その分解までの時間を制御する能力である。これは、例えば、本明細書に開示される半調理食品のカプセルに含まれる乾燥食品を所望の調理時間で調理するために重要である。
【0196】
したがって、異なるロジンを、以下のプロトコールを用いて、本明細書に開示されるラミナの分解時間に対するそれらの影響について試験した:
【0197】
本明細書に記載されるように調製されたラミナは、ここでは、オクラ、チア、サブレス、アマニ、フェヌグリーク、またはズッキーニに由来する粘液から作製された所定量の接着剤を使用して共に接着された、4枚のスライスのズッキーニから作製されたラミナである。ラミナは、1Lの沸騰水を含むポットに入れられる(時間0)。少なくとも2枚のスライスがラミナから剥離するまでの時間を記録する。
【0198】
接着剤の供給源に応じて変化するラミナの分解時間の代表的なヒストグラムを示す図6から分かるように、異なる供給源に由来する粘液を使用すると、分解時間が変化し、したがって、有利にはラミナの調理時間を制御することが可能になる。これは、例えば、本明細書に開示される半調理食品のためにラミナを利用するときに重要であり得る。例えば、比較的長い調理時間を必要とする乾燥食品がラミナによって封入される場合、より短い分解時間が所望され得、したがって、オクラまたはチア粘液に基づく接着剤が選択され得る。反対に、比較的短い調理時間を必要とする乾燥食品がラミナによって封入される場合、より長い分解時間が望ましい場合があり、したがって、アマニまたはズッキーニに基づく接着剤が好ましい場合がある。
【0199】
[実施例2-ラミナの分解時間の調整]
ラミナの分解時間の制御性をさらに高めるために、接着剤への繊維の添加の影響を評価した。
【0200】
増加する濃度のFOSを接着剤に添加した点で変更する以外、実施例1に記載したものと同じプロトコールを用いた。
【0201】
本明細書に開示されるラミナの破断時間を示す代表的なグラフである図7から分かるように、接着剤に添加される繊維の量に応じて、接着剤に繊維を添加することは用量依存的に破断時間の減少をもたらし、それによって、異なる量のFOSを接着剤に添加することが、ラミナの破断時間をさらに制御するために使用され得ることを実証する。
【0202】
[実施例3-ラミナの化学的および物理的特性]
ラミナの化学的および物理的特性を、水を吸収する傾向(すなわち、水分)、水分活性(aW)、圧力に耐える能力(すなわち、強度)、およびそのテクスチャーを含む特定の特性に従って評価した。
【0203】
10種類の野菜を、野菜の種類ごとに開発されたプロトコールに従って丸い断片にスライスした。次いで、通常の手順で野菜を乾燥させ、そして野菜のスライスを特定のパターンで共に組み立てて、ラミナを作成した。水分およびaW評価のためにラミナ試料を使用し、一方、他のラミナ試料を移動させ、強度/圧力およびテクスチャー分析のために封入した。
【0204】
[水分と水分活性(aW)]
ラミナおよびカプセルの、吸水(すなわち、水分)およびそれらの水分活性(aW)傾向を特徴付けるために、ラミナサンプルおよびカプセルサンプルを真空包装し、水分バランスおよびaWの測定のために外部研究室に送った。評価は、ラミナを乾燥させる前(成形可能なラミナ/湿潤)および乾燥させた後(乾燥したラミナ)、ならびに乾燥したカプセルに対して行われた。水分バランスおよびaWの結果を表1~3にまとめる。
【0205】
ラミナの水分バランスの結果を、以下の表1にまとめる。
【0206】
以下の表1に示される結果は、ラミナが第1の成形可能な構築物(すなわち、湿潤/成形されたラミナ)において15~35%の範囲の含水量、および第2の成形不可能な最終的な構築物(すなわち、乾燥態)において5~20%の含水量を有することを示す。
【0207】
【表1】
【0208】
ラミナのaWの結果を以下の表2にまとめる。結果は、ラミナが0.2~0.6の範囲の水分活性を有することを示す。
【0209】
【表2】
【0210】
カプセルの水分バランスおよびaWの結果を表3にまとめる。カプセルの水分バランスが7~10の範囲にあり、そのaWが0.2~0.4の範囲にあることを示す。
【0211】
【表3】
【0212】
次に、カプセルについて強度/圧力およびテクスチャー分析を行った。
【0213】
[強度]
異なる種類の野菜に基づくそれぞれのラミナについて、プローブによって加えられた圧力に耐える3Dラミナ(カプセル形状)の能力を試験することによって、それらの強度/抵抗について評価した。最大圧力はLioydデバイスモデルTA1を使用して測定し、NEXYGEN PLUSソフトウェアを使用して分析した。図8Aは、各カプセルをサンプルテーブルの中央に配置し、直径11.15mm、接触面積97.64のプローブを60mm/分の速度でラミナに向かって移動させたことを示す。3Nの予圧応力および15mmの高さ限界を設定した。カプセル形状はラミナを静止した状態で(still)保持するためのものに過ぎないので、カプセルが割れる前に加えられる圧力は、成形されたラミネートを分解するために加えられることが必要とされる実際の最大圧力である。結果を図8Bに示し、表4にまとめる。図中の結果は、トマト、ナス、ビート、パンプキン、およびラディッシュの3Dカプセル形状のラミナが、試験後に、穴を有する、亀裂により開いた状態になるまでの、Lioyd装置のプローブによって加えられた圧力に耐えるそれらの最大強度/最大能力を示す。結果は、異なる野菜がカプセルの3D形状に対して異なる抵抗値を有することを示す。表によれば、成形されたラミナが亀裂し、穴をあけるのに必要な平均最大圧力は0.07Mpa~0.36Mpaの範囲である。ここで、ラディッシュの3Dカプセルが最も強く抵抗し、ナス、パンプキン、トマト、およびズッキーニはそれらの抵抗が比較的中程度であり、ビートが最も弱い。
【0214】
【表4】
【0215】
[実施例4-果実からのラミナ]
スイートスナックバーまたはスイート朝食は、果実をベースとするラミナから調製される。
【0216】
ラミナは果実に応じて1~2mmの厚さを有する果実のスライスをベースとして、または果実の皮、例えば、マッシュおよび断片から形成されるバナナ皮から調製され、油または添加脂肪を含まない。
【0217】
異なる種類の果実、例えば、樹木果実(例えば、リンゴ、西洋ナシ)、熱帯/亜熱帯果実(例えば、バナナ、パイナップル、パッションフルーツ、ココナッツ)および地上果実(例えば、スイカ、メロン)が使用される。ラミナを作る前に果実を乾燥させる。次に、果実のラミナを成形し、例えば、ナッツ、種子、オート麦または膨化米のようなシリアル、焙煎または天然の、脱水果実、蜂蜜、メープル、および/または塩で充填する。最後に、成形され、充填された果実ラミナを密封する。
【0218】
(スイートスナックバー)
スイートスナックバーは上記のように、果実ラミナから調製される。ユーザは、スナックバーの果実製品を食べる前には、付加的な工程を必要としない。
【0219】
(スイート朝食品)
スイート朝食品は上記のように、果実ラミナから調製される。任意に、野菜が、その調製中にラミナに添加される。半調理のスイート朝食品を食べる前に、ユーザは、水、ミルク、代用乳、ジュース、または調理の有無にかかわらず任意の他の液体を加えることによって、ラミナを再水和する。
【0220】
いくつかの例示的な態様および実施形態を上述したが、当業者はそれらの特定の修正、追加、およびサブコンビネーションを認識するのであろう。したがって、以下の特許請求の範囲は、それらの真の精神および範囲内にあるようなすべての修正、追加、およびサブコンビネーションを含むものと解釈されることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
【国際調査報告】