(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】反射された音響信号を使用したサンプルコンテナおよびその中の流体サンプルの音響特性の決定
(51)【国際特許分類】
G01N 29/04 20060101AFI20240621BHJP
G01N 29/02 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G01N29/04
G01N29/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578964
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022040768
(87)【国際公開番号】W WO2023027943
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507301040
【氏名又は名称】ラブサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エスピン, ジェイ. ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA01
2G047AA05
2G047BA03
2G047BC01
2G047BC02
2G047BC03
2G047BC18
2G047DB12
2G047GB25
2G047GF18
(57)【要約】
本願は、超音波音信号を使用して、液体サンプルを第1のコンテナから第2のコンテナに輸送し、かつ超音波音信号を使用して、液体および第1のコンテナの両方の特性を測定することが可能である、液体輸送システムに関する。本システムは、変換器を使用して、複数の音信号を伝送し、サンプルおよびコンテナの底壁から反射される複数の信号を受信し、液体および/またはコンテナ特性を測定する。複数の伝送された音信号は、第1のコンテナから複数の変換器位置にある間に生じ、本システムは、液体および/またはコンテナの種々の表面上に収束する、信号を識別し、それらの位置に対応する、反射信号を使用して、サンプルおよびコンテナ特性を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、複数の放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、対応する複数の反射信号を受信するように構成され、前記複数の放出信号は、第1の放出信号と、第2の放出信号とを備え、前記複数の反射信号は、第1の反射信号と、第2の反射信号とを備え、前記複数の放出信号および前記複数の反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記コンテナ底壁に対して第1の寸法に沿って、前記変換器を複数の変換器位置に移動させるように構成され、前記複数の変換器位置は、第1の変換器位置と、第2の変換器位置とを備え、前記第1の寸法は、垂直寸法を備える、コントローラと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記複数の反射信号と関連付けられるデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備え、
前記変換器は、前記変換器が前記第1の変換器位置にあるとき、前記第1の放出信号を放出するように構成され、
前記変換器は、前記変換器が前記第2の変換器位置にあるとき、前記第2の放出信号を放出するように構成される、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの特性は、前記コンテナ内の液体の深度、前記コンテナ内の液体の音響インピーダンス、前記液体を通した前記放出信号の音速、または前記コンテナ内の液体の音響減衰のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサはさらに、前記コンテナの音響インピーダンス、前記コンテナ底壁の厚さ、前記コンテナ底壁を通した前記放出信号の縦音速、前記コンテナの音響減衰、または前記コンテナ底壁を通した前記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンテナは、第1のウェルと、第2のウェルと、第3のウェルとを備え、
前記システムはさらに、前記ウェルのそれぞれに対し、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、
前記コントローラはさらに、第2の寸法に沿って、前記第1のウェルの下から前記第2のウェルの下に、前記変換器を移動させるように構成され、前記コントローラはさらに、第3の寸法に沿って、前記第2のウェルの下から前記第3のウェルの下に、前記変換器を移動させるように構成され、前記第2の寸法および前記第3の寸法は、XおよびY水平寸法を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテナはさらに、それぞれ、前記第1のウェル、前記第2のウェル、および前記第3のウェル内に含有される第1の液体と、第2の液体と、第3の液体とを備え、前記システムはさらに、前記ウェルのそれぞれに対し、前記少なくとも1つの特性を測定するとき、前記液体のそれぞれに対し、少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ウェルのそれぞれに対する前記少なくとも1つの特性は、各ウェルに対し、前記液体の個別の音響インピーダンス、前記液体の個別の音響減衰、または前記液体を通した前記放出信号の個別の音速のうちの少なくとも1つを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、各ウェルに対し、前記ウェルの前記コンテナ底壁の個別の音響インピーダンス、前記ウェルの前記コンテナ底壁の個別の厚さ、前記ウェルの前記コンテナ底壁の個別の音響減衰、前記個別のウェルの前記コンテナ底壁の前記放出信号の縦音速、または前記個別のウェルの前記コンテナ底壁の前記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムはさらに、基準物体を備え、
前記変換器はさらに、少なくとも1つの放出信号を前記基準物体に向かって放出し、少なくとも1つの反射信号を前記基準物体から受信するように構成され、
前記プロセッサはさらに、部分的に、前記基準物体に向かっての前記少なくとも1つの放出信号および前記基準物体からの前記少なくとも1つの反射信号に対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記基準物体に向かっての前記少なくとも1つの放出信号は、前記基準物体に向かっての複数の放出信号を備え、
前記基準物体からの前記少なくとも1つの反射信号は、前記基準物体からの複数の反射信号を備え、それぞれが、前記基準物体に向かっての個別の放出信号に対応し、
前記変換器はさらに、前記コンテナ底壁から離れるように離間される対応する複数の位置において、前記複数の放出信号を前記基準物体に向かって放出し、前記複数の反射信号を前記基準物体から受信するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記基準物体に向かっての前記少なくとも1つの放出信号および前記コンテナに向かっての前記複数の放出信号のそれぞれは、同一波長、持続時間、およびエネルギーレベルを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムはさらに、
前記変換器と前記コンテナ底壁との間の結合液体と、
前記結合液体の温度を測定するように構成される温度センサと
を備え、
前記プロセッサはさらに、部分的に、前記結合液体の温度に対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
音響レンズをさらに備え、前記音響レンズは、前記音響レンズが、前記複数の放出信号のそれぞれに対し、焦点を画定するように、前記変換器と固定距離および位置に維持され、
前記複数の放出信号のそれぞれは、個別の収束点に収束し、
前記コンテナ底壁および前記液体はさらに、少なくとも、第1の表面と、第2の表面とを備え、
前記プロセッサはさらに、前記第1の放出信号の収束点が前記コンテナ底壁および前記液体の第1の表面と整合されることを認識するように構成され、
前記プロセッサはさらに、第2の放出信号の収束点が前記コンテナ底壁および前記液体の第2の表面と整合されることを認識するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号を前記コンテナの底壁に向かって放出し、反射信号を前記コンテナ底壁および前記液体から受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記放出信号ならびに前記反射信号の第1のピーク、第2のピーク、および第3のピークのそれぞれに対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、前記反射信号は、複数のエコーを備え、前記プロセッサはさらに、前記第1、第2、および第3のピークのそれぞれが前記複数のエコーの異なるエコーに対応することを認識するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項14】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークが、前記コンテナ底壁の底部表面からのエコーに対応し、前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の上部表面から反射する縦波からのエコーに対応し、前記第3のピークが、前記コンテナ底壁の上部表面から反射する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、前記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンテナの少なくとも1つの特性は、音響インピーダンス、音響減衰、底壁厚、前記放出信号の縦音速、または前記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、前記反射信号の第4のピークにさらに対応するデータを処理し、前記第4のピークが、前記液体の自由表面からのエコーに対応することを認識することによって、前記液体の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記液体の少なくとも1つの特性は、前記放出信号の音速、音響インピーダンス、音響減衰、または深度のうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナまたは前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、反射信号を前記コンテナおよび前記液体から受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備え、前記反射信号は、複数のエコーを備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記放出信号ならびに前記反射信号の第1のピークおよび第2のピークに対応するデータを処理することによって、前記第1のピークが、前記コンテナ底壁の表面に衝突する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、かつ前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の表面に衝突する縦波からのエコーに対応することを認識することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークおよび前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の同一部分からのエコーに対応することを認識するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークおよび前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の異なる表面からのエコーに対応することを認識するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、反射信号を前記コンテナ底壁および前記液体から受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記反射信号の第1のピークおよび第2のピークを識別するように構成され、前記第1のピークは、第1のエコーに対応し、前記第2のピークは、第2のエコーに対応し、前記プロセッサはさらに、
部分的に、前記第1のピークと前記第2のピークとの間の遅延に基づくが、前記第1および第2のピークの振幅に基づかずに、前記少なくとも1つの特性の第1のものを測定することと、
部分的に、前記第1のピークと前記第2のピークとの間の振幅における差異に基づくが、前記第1のピークと第2のピークとの間の遅延に基づかずに、前記少なくとも1つの特性の第2のものを測定することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項22】
アイテムの少なくとも1つの特性を測定するためのシステムであって、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、複数の放出信号を前記アイテムに向かって放出し、対応する複数の反射信号を前記アイテムから受信するように構成され、前記複数の放出信号は、第1の放出信号と、第2の放出信号とを備え、前記複数の反射信号は、第1の反射信号と、第2の反射信号とを備える、変換器と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記アイテムに対して、第1の寸法に沿って、前記変換器を複数の変換器位置に移動させるように構成され、前記複数の変換器位置は、第1の変換器位置と、第2の変換器位置とを備え、前記第1の寸法は、垂直寸法を備える、コントローラと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記複数の反射信号と関連付けられるデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備え、
前記変換器は、前記変換器が前記第1の変換器位置にあるとき、前記第1の放出信号を放出するように構成され、
前記変換器は、前記変換器が前記第2の変換器位置にあるとき、前記第2の放出信号を放出するように構成される、システム。
【請求項23】
アイテムの少なくとも1つの特性を測定するためのシステムであって、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号を前記アイテムに向かって放出し、反射信号を前記アイテムから受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備え、前記反射信号は、複数のエコーを備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記放出信号ならびに前記反射信号の第1のピーク、第2のピーク、および第3のピークのそれぞれに対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、前記プロセッサはさらに、前記第1、第2、および第3のピークのそれぞれが、異なるエコーに対応することを認識するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項24】
コンテナの少なくとも1つの特性または前記コンテナ内の液体の少なくとも1つの特性を決定する方法であって、前記方法は、
測定システムによって、前記液体を保持する前記コンテナを受容するステップであって、前記測定システムは、変換器を含む、ステップと、
前記変換器によって、コンテナ底壁から複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップと、
前記システムによって、前記受信される信号の差異に基づいて、前記液体の少なくとも1つの特性または前記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項25】
コンテナの少なくとも1つの特性を決定する方法であって、前記方法は、
測定システムによって、前記コンテナを受容するステップであって、前記測定システムは、変換器を有する、ステップと、
前記変換器によって、コンテナ底壁から複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップと、
前記システムによって、前記受信される信号の差異に基づいて、前記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を計算するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
概して、本願は、音響液滴射出システムにおいて使用するための多空洞型マイクロプレートおよびその中に含有される液体の材料特性を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
音響液滴射出(ADE)は、音響エネルギーを使用して、任意の物理的接触を伴わずに、液体を移動させる、技術である。ADE技術のいくつかの実施例は、米国特許第10,156,499号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。音響エネルギー(例えば、超音波パルスの形態における)が、変換器からある体積の液体(以降、「サンプル」)に向かって放出される。いくつかの実施例では、ビームは、サンプルの上側表面上に収束し、音響エネルギーが、サンプルの一部に伝達され、それによって、本部分をサンプルの残りから離れるように上向きに移動させる(例えば、液滴として)。
【0003】
これらの実施例では、サンプルは、コンテナ内に含有され、変換器は、コンテナの真下に位置付けられる。したがって、音響放射は、サンプルの上側表面に到達する前に、少なくともコンテナの底壁および液体を通して通過しなければならない。伝送される音響放射は、変換器に向かって戻るように反射される。反射された放射の性質(例えば、エネルギーの伝送経路および減衰)が、測定または推測され、それを通して進行される、媒体のある特性を決定することができる。ADEの精度は、これらの媒体の特性を考慮することによって、改良されることができる。
【0004】
コンテナに関して、密度、音響エネルギーが伝搬する速さ(以降、「音速」)、コンテナの底壁の厚さ、および音響エネルギーが減衰する程度等の性質を把握することが有用であり得る。サンプルに関して、密度、音速、サンプルの深度、および音響エネルギーが減衰する程度等の性質を把握することが有用であり得る。サンプルの特性の知識もまた、有益であり得、そのような特性は、サンプルの深度および体積を含むことができる。加えて、サンプルの密度およびエネルギー減衰性質を決定することもまた、例えば、サンプルの特性を照合するために有益であり得る。例えば、そのような照合は、反射された音響放射の予期および測定された値を比較することによって、改良されることができる。
【0005】
コンテナの一実施例は、96-または384-ウェルプレート(例えば、384-PPマイクロプレート)等のマイクロプレート内のウェルである。コンテナの他の実施例は、管、フラスコ、およびビーカを含む。マイクロプレートの実施例に関して、各ウェル(例えば、各ウェルの基部)の特性は、例えば、製造の変動に起因して、単一マイクロプレート上でも相互から変動する。そのような変動は、コンテナの底壁の厚さおよび一貫性におけるものであり得る。変動は、ウェル毎またはプレート毎に生じ得る。
【0006】
そのようなコンテナ特性は、ADEを実施する前に、ある程度まで決定されることができる。例えば、所与のコンテナを作製するために使用される材料のある性質が、事前に把握される場合、コンテナの特性は、推測されることができる。しかしながら、マイクロプレートの場合、材料は、バッチ毎またはプレート毎に、一貫性において変動し得る。加えて、コンテナの厚さも、プロセスの非一貫性または公差に起因して、変動し得る(例えば、プレート毎またはウェル毎に)。1つのそのようなプロセスは、射出成型である。若干の変動さえ、ADE精度または正確度に影響を及ぼし得る。実施例として、射出成型の場合、複数の金型または金型空洞が、使用され得る(例えば、製造レートを増加させるために)。これらは、変動し得、そのような相違をコンテナ一貫性がADEに実質的に影響を及ぼさないであろう程度まで低減させることは、困難または非効率的である。加えて、製造プロセスにおける非一貫性は、異なるプレート間の非一貫性につながり得る。例えば、液体プラスチックの射出レート、冷却レート、組成を厳密に制御することは、不可能、非実践的、または高価であり得る。
【0007】
一貫性を改良するための別の方法は、それらが形成された後、コンテナを点検し、品質制御に合格しないものを排除することである。これは、時間、金銭、および労働等のリソースを要求し、かつ材料を無駄にし、エネルギーを消費し、出力を減少させ得る。
【0008】
ADE結果を改良するための異なるアプローチは、製造後、マイクロプレート等のコンテナを特性評価することである(例えば、プレート毎またはバッチ毎ベースで)。例えば、各コンテナは、サンプルを追加する前に、別個に査定され、特定の特性を決定することができる。コンテナは、ADEシステムが、アッセイを実施するとき、所定の特性を読み出し得るように、識別子でタグ付けされることができる。次いで、各コンテナは、RFID、光学走査等の技法を使用して、または米国特許第10,592,793号および10,766,027号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、「音響バーコード」を使用することによって、識別されることができる。別のオプションとして、所与のコンテナに関する特性は、手動で打ち込まれることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術のある実施形態は、コンテナ内の液体サンプルの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能である、システムに関する。本システムは、信号(例えば、音響信号)をコンテナの底壁に向かって放出し、サンプルおよびコンテナから反射される対応する信号(例えば、音響反射)を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。本システムはまた、垂直方向に、コンテナに向かって、変換器アセンブリを移動させ、コンテナから離れるように離間される、種々の位置において、信号が放出されることを可能にするためのコントローラを含む。プロセッサが、種々の反射信号を使用して、サンプルおよびコンテナの特性を決定する。変換器アセンブリは、音響レンズを用いて、放出信号を焦点に集束させる。放出信号は、収束点に収束する。
【0010】
プロセッサは、当該サンプルおよびコンテナ特性を計算するために、信号収束点とサンプルおよびコンテナの種々の表面の相互作用を使用する。プロセッサは、サンプルを通し放出された信号の深度、音響インピーダンス、および音速のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、サンプルの特性を計算してもよい。プロセッサはまた、壁厚、音響インピーダンス、放出信号の縦音速、および放出信号の剪断音速のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、コンテナの特性を計算してもよい。
【0011】
例証目的のために、いくつかの実施例では、コンテナは、ウェル内に対応する2つまたはそれを上回るサンプルを伴う、2つまたはそれを上回るウェルを有してもよい。コントローラは、変換器アセンブリが、順次、3つまたはそれを上回るウェルの真下に移動するように、変換器アセンブリを水平に移動させることが可能であり得る。いくつかの実施例では、コントローラは、2つの寸法に沿って水平に(例えば、水平XY-面に沿って、XおよびY方向に)、変換器アセンブリを移動させることが可能であり得る。例えば、コンテナは、変換器アセンブリが、全てのウェルにアクセスするために、XおよびY方向の両方において移動する必要があり得るように配列される、3つまたはそれを上回るウェルを含んでもよい。本システムは、後続ウェルに移動する前に、変換器アセンブリが下に移動される、対応するウェルに関して、サンプルおよびコンテナ特性を計算することが可能であり得る。変換器アセンブリはまた、コンテナ内のサンプルからの液滴を第2のコンテナに音響的に輸送するために使用されてもよい。サンプル液滴の輸送は、本システムが所与のウェルおよびサンプルの対応する特性を決定した後に生じ、本システムが変換器アセンブリを後続ウェルに移動させることに先立って、生じてもよい。
【0012】
本システムは、基準物体を含んでもよく、これは、コンテナのウェルおよび/または液体を特性評価するステップの一部として使用されてもよい。基準物体は、変換器が、少なくとも1つの信号を基準物体に向かって放出し、反射信号を基準物体から受信することが可能であるように、配置されてもよい。本システムは、基準物体の少なくとも1つの特性を決定することが可能であり得る。本システムは、基準物体に向かって移動しながら、複数の信号を基準物体に向かって放出し、複数の反射信号をそこから受信してもよい。基準物体に向かっての放出信号およびコンテナの底壁に向かっての放出信号は、同一波長、持続時間、およびエネルギーレベルを有してもよい。
【0013】
本システムは、変換器アセンブリとコンテナとの間の結合液体とともに、結合液体の温度を測定するための温度センサおよび対応するプロセッサを有してもよい。
【0014】
変換器アセンブリは、変換器から固定距離および位置に維持される、音響レンズを含んでもよい。音響レンズは、複数の放出信号のそれぞれに対し、焦点を画定してもよい。放出信号はそれぞれ、収束点に収束し得る。本システムは、収束点がコンテナまたは液体の表面の第1の表面上にあることを認識し得る。本システムは、収束点がコンテナまたは液体の第2の表面上にあることを認識し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、本システムは、コンテナの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能であってもよい。本システムは、信号をコンテナの底壁に向かって放出し、コンテナから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。本システムはまた、垂直方向に、コンテナの底壁に向かって、変換器アセンブリを移動させ、コンテナ底壁から種々の高さにおいて、信号が放出されることを可能にするためのコントローラを含む。プロセッサは、種々の反射信号を使用して、コンテナ底壁の特性を決定する。変換器アセンブリは、音響レンズを用いて、放出信号を焦点に集束させる。放出信号は、収束点に収束する。
【0016】
プロセッサは、当該コンテナ特性を計算するために、収束点とコンテナ底壁の種々の表面の相互作用を使用する。プロセッサは、壁厚、音響インピーダンス、放出信号の縦音速、および放出信号の剪断音速を含む、コンテナ底壁の特性を計算してもよい。
【0017】
コンテナは、3つまたはそれを上回るウェルを有してもよい。コントローラは、変換器アセンブリが、順次、3つまたはそれを上回るウェルの真下に移動するように、変換器アセンブリを水平に移動させることが可能であり得る。本システムは、後続ウェルに移動する前に、変換器アセンブリが下に移動される、対応するウェルに関するコンテナ底壁特性を計算することが可能であり得る。
【0018】
本システムは、基準物体を含んでもよく、その中で変換器は、少なくとも1つの基準信号をそれに向かって放出し、反射信号を受信することが可能である。本システムは、基準物体の少なくとも1つの特性を決定することが可能であり得る。本システムは、基準物体に向かって移動しながら、複数の信号を基準物体に向かって放出し、複数の反射信号を基準物体から受信してもよい。基準物体に向かった放出信号およびコンテナ底壁に向かった放出信号は、同一波長、持続時間、およびエネルギーレベルを有してもよい。
【0019】
本システムは、変換器アセンブリとコンテナ底壁との間の結合液体とともに、結合液体の温度を測定するための温度センサおよび対応するプロセッサを有してもよい。
【0020】
変換器アセンブリは、変換器から固定距離および位置に維持される、音響レンズを含んでもよい。音響レンズは、複数の放出信号のそれぞれに対し、焦点を画定してもよい。各放出信号は、収束点に収束し得る。本システムは、収束点がコンテナまたは液体の表面の第1の表面上にあることを認識し得る。本システムは、収束点がコンテナまたは液体の第2の表面上にあることを認識し得る。
【0021】
本技術のいくつかの実施形態は、サンプルを保持するコンテナの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能である、システムに関する。本システムは、信号をコンテナの底壁に向かって放出し、コンテナから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。本システムはまた、反射信号の第1、第2、および第3のピークを識別することによって、コンテナの少なくとも1つの特性を測定することが可能である、プロセッサを含む。反射信号は、複数のエコーを含み、プロセッサは、3つのピークのそれぞれが複数のエコーの異なるエコーに対応することを認識する。検出された特性は、コンテナの音響インピーダンス、底壁厚、縦音速、または剪断音速を含んでもよい。
【0022】
プロセッサはさらに、第1のピークをコンテナの底部からのエコーに対応するものとして、第2のピークをコンテナの底部の上部表面から反射する縦波からのエコーに対応するものとして、および第3のピークをコンテナの底部の上部表面から反射する剪断波からのエコーに対応するものとして識別するように構成される。
【0023】
本システムは、液体の自由表面のエコーに対応する、反射信号の第4のピークを測定してもよい。本システムは、放出信号の音速、音響インピーダンス、または液体の深度を測定してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本技術は、コンテナ内の液体サンプルの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能である、システムに関し得る。本システムは、信号をコンテナの底壁に向かって放出し、サンプルおよびコンテナから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。反射信号は、複数のエコーを含む。プロセッサは、反射信号の第1のピークおよび第2のピークに基づいて、少なくとも1つの特性を測定することが可能である。プロセッサはさらに、ピークのうちの1つが、コンテナの表面から反射される剪断波からのエコーに対応する一方、別のピークが、コンテナ表面から反射される縦波からのエコーに対応することを認識することが可能である。本システムは、第1のピークおよび第2のピークが、同一コンテナ表面から反射されるエコーに対応することを認識し得る。本システムは、第1のピークおよび第2のピークが、異なるコンテナ表面から反射されるエコーに対応することを認識し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、本技術は、コンテナ内の液体サンプルの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能である、システムに関し得る。本システムは、信号をコンテナの底壁に向かって放出し、サンプルおよびコンテナから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。反射信号は、複数のエコーを含む。プロセッサは、エコーの時間における遅延に基づくが、エコーの振幅に基づかずに、少なくとも1つの特性を測定する一方、エコーの振幅に基づくが、エコーの時間に基づかずに、第2の特性を測定することが可能である。
【0026】
いくつかの実施形態では、本技術は、アイテムの少なくとも1つの特性を測定することが可能である、システムに関し得る。本システムは、第1および第2の信号をアイテムの基部に向かって放出し、アイテムから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。本システムはまた、アイテムに対して、垂直方向に沿って、変換器アセンブリを移動させるためのコントローラを含む。本システムは、アイテムの特性を測定するためのプロセッサを含む。本システムは、アイテムからある垂直距離において、第1の信号を、アイテムから異なる垂直距離において、第2の信号を放出する。放出信号は、音響信号であってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、本技術は、アイテムの少なくとも1つの特性を音響的に測定することが可能である、システムに関し得る。本システムは、信号をアイテムの基部に向かって放出し、アイテムから反射される対応する信号を受信することが可能である、変換器アセンブリを含む。本システムは、反射信号の第1、第2、および第3のピークに対応する、データを処理し、第1、第2、および第3のピークが、異なるエコーに対応することを認識することによって、アイテムの少なくとも1つの特性を測定することが可能である、プロセッサを有する。
【0028】
いくつかの実施形態は、コンテナ内の液体の特性を決定するための方法を含む。本方法は、変換器を有する、測定システムによって、コンテナを受容するステップを含む。本方法はまた、変換器によって、コンテナから複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップを含む。本方法はまた、受信される信号間の差異に基づいて、液体またはコンテナの物理的特性を計算するステップを含む。
【0029】
いくつかの実施形態は、コンテナの特性を決定するための方法を含む。本方法は、変換器を有する、測定システムによって、コンテナを受容するステップを含む。本方法は、変換器によって、プレートから複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップを含む。本方法は、受信される信号間の差異に基づいて、液体またはコンテナの物理的特性を計算するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、個別の複数のサンプルを保持する複数のコンテナを含む、コンテナプレートと、受けプレートとの断面図と、変換器アセンブリと、電子回路網のブロック図とを含む、ADEシステムの表現を示す。
【0031】
【
図2】
図2は、変換器アセンブリのブロック図を示す。
【0032】
【
図3】
図3は、ADEを複数のサンプル上で実施するときの、コンテナプレートに対する変換器アセンブリの移動の表現を示す。
【0033】
【
図4】
図4は、複数のコンテナを伴う、コンテナプレートの上面図を示す。
【0034】
【
図5】
図5は、コンテナプレート内の複数のコンテナの上面図と、ADEを各コンテナ上で順次実施するためのシーケンスを図示する、フローとを示す。
【0035】
【
図6】
図6は、ある実施形態による、単一コンテナおよびサンプルに対する、変換器アセンブリの垂直移動と、z-軸に沿った放出される音響放射の表現を経時的に示す。
【0036】
【
図7】
図7は、ある実施形態による、基準物体に対する、変換器アセンブリの垂直移動と、z-軸に沿った放出される音響放射の表現を経時的に示す。
【0037】
【
図8】
図8は、コンテナおよびサンプルから反射される音響信号のグラフである。
【0038】
【
図9】
図9は、基準物体から反射される音響信号のグラフである。
【0039】
【
図10】
図10は、コンテナの底壁下側表面に関するBB-掃引曲線と、基準物体の底部表面に関する基準-掃引曲線とである。
【0040】
【
図11】
図11は、コンテナ底壁の底壁下側表面に関する掃引BB曲線と、コンテナ底壁の上側表面に関するTBL-掃引曲線およびTBS-掃引曲線と、液体サンプルの自由表面に関するSR掃引曲線とを示す。
【0041】
【
図12A】
図12Aは、基準物体の底部表面上に集束される、音響ビームの幾何学的表現を示す。
【0042】
【
図12B】
図12B-12Eは、ある実施形態による、掃引の間、コンテナおよびサンプルの異なる場所に集束される、音響ビームの幾何学的表現を示す。
【
図12C】
図12B-12Eは、ある実施形態による、掃引の間、コンテナおよびサンプルの異なる場所に集束される、音響ビームの幾何学的表現を示す。
【
図12D】
図12B-12Eは、ある実施形態による、掃引の間、コンテナおよびサンプルの異なる場所に集束される、音響ビームの幾何学的表現を示す。
【
図12E】
図12B-12Eは、ある実施形態による、掃引の間、コンテナおよびサンプルの異なる場所に集束される、音響ビームの幾何学的表現を示す。
【0043】
本願のある技法の前述の説明は、添付の図面と併せて熟読することによって、より深く理解されるであろう。例証目的のために、ある技法が、図面に示される。しかしながら、請求項は、添付の図面に示される配列および器具類に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
図1は、個別の複数のサンプル101を保持する、複数のコンテナ122(例えば、マイクロプレートのウェル)を含む、コンテナプレート120(例えば、マイクロプレート)と、サンプル101から射出された液体102を受容する、複数の受けウェルを含む、受けプレート130との断面図と、電子機器140のブロック図とを含む、例示的ADEシステム100を描写する。ADEシステム100はさらに、変換器アセンブリ110と、結合液体160と、X/Y/Zモータ150と、温度センサ(図示せず)とを含む。
図2はさらに、変換器112と、音響レンズ113とを含む、変換器アセンブリ110を示す。ADEシステム100は、コンテナ122およびサンプル101の両方の特性を決定し、かつ液体を射出させることができる。サンプル101は、特定のコンテナ122内に保持される、着目液体である。本開示は、マイクロプレートのウェルである、コンテナに焦点を当てるが、本明細書に説明される技法は、管、フラスコ、およびビーカ等の他のコンテナ、およびその中に含有される任意のサンプルを特性評価するために使用されることができる。
【0045】
射出液体102をサンプル101から射出させるために、変換器112は、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)を発生させ、これは、次いで、音響レンズ113によって、ビーム170に集束される。図中では、ビーム170は、2つの寸法に示されるが、これは、3次元であることを理解されたい。さらに、
図1-7におけるビーム170は、完璧な三角形として示されるが、実践では、ビーム170は、例えば、
図12C-12Eに描写されるように、異なる形状を有することができる。厳密には、三角形ビーム170は、収束点と一致する、焦点を有する。
図1、3、6、および7における全てのビーム170は、問題を簡略化し、議論をより明白にするために、三角形である。しかしながら、これらの図におけるビームのうちのいくつかは、実践では、三角形ではないことが、明白となるであろう。
【0046】
ADEの文脈では、用語「焦点」は、音響レンズと関連付けられる、焦点を指し、また、そこで音響波が収束する点(すなわち、収束点)を指すために使用されることができる。多くの場合、本使用は、有用であって、明確性を提供し得る。しかしながら、本明細書に開示されるある技法は、焦点および収束点の概念を区別する。したがって、これらの概念は、別々に説明される。
【0047】
図1では、ビーム170は、サンプル101の上側表面上に集束される。最初に、ビーム170は、結合液体160、コンテナ122の底壁124、次いで、サンプル101の深度を通して通過し、サンプル101の自由表面103に到達する。
【0048】
電子回路網140は、プロセッサ143と、モータコントローラ142と、信号伝送回路網144と、信号受信回路網145と、温度センサ回路網141とを含む。説明目的のために、別個の構成要素として示されるが、電子機器140の部分は、組み合わせられる、または統合されてもよい。さらに、いくつかの構成要素は、複数の異なるサブ構成要素を含んでもよい。例えば、プロセッサ143は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0049】
プロセッサ143は、信号伝送回路網144に、アナログ電気信号を発生させ、これは、変換器112に通信される。変換器112は、次いで、対応する音響信号が放出されるように、アナログ信号(振幅および周波数)に応答して、振動する。変換器アセンブリ110はまた、音響信号(例えば、放出される音響信号に応答してコンテナまたはコンテナ内の液体から反射される音響信号)を受信し、同調して振動してもよい。これは、アナログ電気信号を発生させ得、これは、次いで、信号受信回路網145に通信される。反射された音響信号内の情報は、プロセッサ143によって分析されるであろう。
【0050】
プロセッサ143はまた、モータコントローラ142と通信し、変換器アセンブリ110の場所を制御することができる。モータコントローラ142は、X/Y/Zモータ150のうちの1つまたはそれを上回るものを制御し、コンテナプレート120に対して、変換器アセンブリ110を移動させる。示されるように、X/Y/Zモータ150は、(直接または間接的に)変換器アセンブリ110に結合されるが、これらまたは他のモータは、変換器アセンブリ110、コンテナプレート120、および/または受けプレート130間の相対的移動を制御するために、(直接または間接的に)コンテナプレート120および/または受けプレート130に結合されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、ADEシステム100は、結合液体160中、コンテナプレート120と受けプレート130との間の領域内、または他の場所に位置し得る、温度センサ(図示せず)を含んでもよい。温度センサ回路網141は、信号(例えば、電気または無線)をセンサから受信し、(例えば、結合液体160、コンテナ122、サンプル101、空気温度の)温度が測定され得るように、プロセッサ143と通信する。
【0052】
いくつかの実施例では、変換器アセンブリ110は、円筒形形状を有することができる。いくつかの実施例では、単一変換器112を使用して、音響信号の伝送および受信の両方を行う代わりに、変換器アセンブリ110は、例えば、米国特許第10,787,670号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるように、別個の送信機および受信機変換器を含んでもよい。1つの技法によると、受信変換器は、伝送変換器および音響レンズを実質的に囲繞することができる。
【0053】
図3は、ADEを複数のサンプル101上で実施するときの、コンテナプレート120に対する変換器アセンブリ110の移動の表現を示す。変換器アセンブリ110は、x-軸に沿って、コンテナからコンテナ122に移動される。変換器アセンブリ110はまた、
図5に関してさらに説明されるように、y-軸に沿って、付加的コンテナ122(図示せず)に移動することができる。各コンテナ122に対し、変換器アセンブリ110は、コンテナ122の真下に中心合わせされる。次いで、本明細書に説明されるように、コンテナ122および/またはサンプル101を特性評価するために、変換器アセンブリ110は、z-軸に沿って、垂直に移動し、コンテナ122の真下の異なるz-位置において、音響信号のシーケンスを放出する。本プロセスは、時として、本明細書には、「掃引」とも称される。特性評価に続いて、変換器アセンブリ110は、z-軸に沿って位置付けられ、後続ビーム170をサンプル101の自由表面103上に集束させ、射出液体102を射出させることができる。いくつかの実施形態では、特性評価および射出は、交互様式において、コンテナ毎ベースで実施されることができる(例えば、第1のコンテナ122および/またはサンプル101を特性評価し、次いで、プロセスを第2のコンテナ122およびサンプル101上で繰り返す前に、液滴102を射出させる)。代替として、複数のコンテナ122が、液体射出位相が実施される前に、特性評価されることができる。
【0054】
図3は、5つの異なるコンテナ122上で実施される、5つの掃引310を図示する。本開示は、液滴102の射出に焦点を当てるが、いったんコンテナ122が、特性評価されると、本開示はまた、他の作用も想定する。例えば、液滴102をコンテナ122から射出させるのではなく、システム100は、液滴102を射出させるために要求される閾値量を下回る、サブ射出音響信号を使用して、所定の量だけ、コンテナ122内のサンプル101を擾乱させるために使用されてもよい。
【0055】
図4は、複数のコンテナ122を有する、コンテナプレート120の上面図を示す。示されるコンテナプレート120は、384-ウェルマイクロプレート(例えば、384-PPとして指定される、ポリプロピレンマイクロプレート)である。
図5は、複数のコンテナウェル122の上面図と、
図3に関して説明されるように、特性評価および/またはADEを各コンテナウェル122およびその中のサンプル101上で実施するための例示的パターン(蛇行パターン)とである。本実施例では、モータ150が、xおよびy-軸に沿って、変換器アセンブリ110を移動させ、それを種々のコンテナウェル122の下に位置付けるであろう。任意の他の好適なパターンも、使用されてもよい(例えば、ラスタパターン)。
【0056】
図6は、時間T
1からT
5までの、1つのコンテナ122およびサンプル101の掃引の間の変換器アセンブリ110の移動を示す。変換器アセンブリ110から放出される、各音響エネルギービーム170は、収束点171を有する。音響レンズ113は、ビーム170を焦点に集束させる。収束点171は、下記にさらに解説されるであろうように、ビーム170がそれを通して進行する、媒体の特性に応じて、焦点と一致する場合とそうではない場合がある。焦点と異なる、収束点171の実施例は、
図12C-12Eに描写される(焦点は、172と称される)。
【0057】
収束点171は、変換器アセンブリ110とともに、z-軸に沿って移動する。掃引の間、変換器アセンブリ110は、所与のコンテナ122の真下に中心合わせされながら、z-軸に沿って移動する。本実施例では、変換器アセンブリ110は、5つのz-位置(H
1、H
2、H
3、H
4、およびH
5)において、対応する時間(T
1、T
2、T
3、T
4、およびT
5)に、ビーム170を放出する。変換器アセンブリ110はまた、各伝送されるビーム170に応答して、反射された音響エネルギーを受信する。変換器アセンブリ110は、伝送および受信の間、同一z-位置にある場合とそうではない場合がある(およびADEシステム100は、受信される反射信号を処理するとき、これを数学的に考慮し得る)。
図6は、結合液体160を示さないが、
図1および3に示されるように、これは、変換器アセンブリ110とコンテナ122との間に介在される。
【0058】
図6は、続く詳細な議論の概要を提供する。時間T
1では、変換器アセンブリ110は、ビーム170の収束点171がコンテナ底壁124の下側表面121の下方にあるように、z-位置H
1に位置付けられる。時間T
2では、変換器アセンブリ110は、収束点171がコンテナ底壁124の下側表面121と整合するように、z-位置H
2に位置付けられる。時間T
3では、変換器アセンブリ110は、縦波の収束点171がコンテナ底壁124の上側表面123にあるように、z-位置H
3に位置付けられる。時間T
4では、変換器アセンブリ110は、剪断波の収束点171がコンテナ底壁124の上側表面123にあるように、z-位置H
4に位置付けられる。剪断波および縦波の有意性はさらに、下記に説明されるであろう。時間T
5では、変換器アセンブリ110は、収束点171がサンプル101の自由表面103にあるように、z-位置H
5に位置付けられる。
図6は、z-軸に沿って、5つのz-位置を示すが、掃引は、変換器アセンブリ110の任意の好適な数のz-位置において実施されてもよい。いくつかの実施例では、変換器アセンブリ110のz-位置は、各伝送間の規定された距離だけ、徐々に増加してもよい。他の実施例では、システム100は、変換器アセンブリ110に関する着目z-位置を予測し、予測される着目z-位置の下方および上方の範囲内でインクリメント伝送を実施し、それらの予測される範囲外にあるとき、伝送を省略してもよい。
【0059】
図7は、
図6に類似するが、コンテナ122の代わりに、変換器アセンブリ110は、掃引の間、基準物体180の真下にある。いくつかの実施形態では、基準物体は、平坦プレートであってもよい。基準物体180は、下記にさらに説明されるように、基準測定を行うために使用される。基準物体180は、金属(例えば、ステンレス鋼)、ガラス状炭素、または溶融石英等の剛性材料を含んでもよい。基準物体180の材料性質は、ADEシステム100に既知であることができる。基準物体180は、底部表面181を有する。
【0060】
時間TR
1では、変換器アセンブリ110は、収束点171が基準物体180の底部表面181の下方にあるように、z-位置HR
1に位置付けられる。時間TR
2では、変換器アセンブリ110は、収束点171が基準物体180の底部表面181と整合するように、z-位置HR
2に位置付けられる。時間TR
3では、変換器アセンブリ110は、収束点171が底部表面181の上方にあるように、z-位置HR
3に位置付けられる。
図7は、z-軸に沿って、3つのz-位置を示すが、掃引は、変換器アセンブリ110の異なる数のz-位置において実施されてもよい。
【0061】
図6および7に示される掃引における各ステップは、ビーム170の形態における音響エネルギー放出を描写する。各放出は、音響信号を含み、その中でエネルギーは、経時的に変動する(「放出信号」)。エネルギーの周波数および/または振幅は、所与の放出信号の持続時間にわたって変動し得る。掃引の間に使用される、放出信号は、液滴をサンプル101から射出させない。しかしながら、掃引の間に使用される、放出信号は、その中で液滴102がサンプル101から射出される、位相の間に使用される、放出信号内のものと類似または同じ周波数を有し得る。例えば、掃引の間の各放出信号は、同一の一定周波数を使用し得る。選択された周波数は、米国特許第10,156,499号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、サンプル101のタイプおよび意図される輸送体積に依存し得る。液体射出を防止または限定するために、掃引の間の放出信号は、液滴102を射出させるために使用されるものより短く、より低い振幅(より少ないエネルギー)を有し得る。
【0062】
放出されるエネルギーの一部は、反射された音響信号(「反射信号」)の形態において、変換器112に戻るように反射される。概して、音響エネルギーは、異なる媒体間の界面において反射される。コンテナ122およびサンプル101に向かって放出される音響エネルギーの場合(
図6参照)、これらの界面は、(1)結合液体160とコンテナ底壁124の下側表面121、(2)コンテナ底壁124の上側表面123とサンプル101、および(3)サンプル103の上部と上方の空気とにある。便宜上、第1の界面は、底壁下側表面121と称されるであろう。第2の界面は、底壁上側表面123と称されるであろう。第3の界面は、サンプル103の自由表面と称されるであろう。
【0063】
図8は、単一放出信号に応答して受信される、単一反射信号802を図示する、グラフ800である。x-軸は、放出信号が放出された後の時間を示し、y-軸は、反射信号802の強度(y-軸標識内の「振幅」と称される)を示す。y-軸は、電圧(V)の観点から、任意の所与の時間における反射信号802の振幅を示す。これは、変換器112の電気端子を横断した電圧(または変換器112の端子において測定された電圧に対応する、電圧)である。反射信号802は、エンベロープ804を画定し得る。描写されるように、エンベロープ804は、反射信号802の極値の輪郭を描く。
【0064】
エンベロープ804は、媒体界面からの4つの異なる反射または「エコー」に対応する、4つの明確に異なるピークを有する。ピーク806は、底壁下側表面からのエコー(
図6における付番された121)に対応し、本明細書では、BBと称され、これは、「底部の底部」飛行時間の略語である。ピーク808および810は両方とも、底壁上側表面からのエコー(
図6における付番された123)に対応する。2つのエコーに関する理由は、底壁下側表面121から底壁上側表面に伝送される放出信号が、2つのタイプの波、すなわち、縦および剪断を含むためである。ピーク808は、底壁上側表面123からの縦波のエコーに対応し、本明細書では、TBL(縦波エコーの「底部の上部」飛行時間の略語)と称される。ピーク810は、変換器アセンブリ110に向かって戻るような縦波として反射される、底壁上側表面123からの剪断波のエコーに対応し、TBS(剪断波エコーの「底部の上部」飛行時間の略語)と称される。明確にするために、TBS信号は、剪断および縦部分の両方を有する。異なる時間において生じる、同一界面からの2つの別個のエコーTBLおよびTBSをもたらす、物理学はさらに、下記に議論されるであろう。ピーク812が、サンプル101の自由表面103からのエコーに対応し、本明細書では、SR(「表面反射」の略語)と称される。掃引の間の各反射信号802は、同一BB、TBL、TBS、およびSRピークを有し得る。しかしながら、ピークに関する時間および振幅は、変換器アセンブリ110のz-位置に基づいて、変動するであろう。
【0065】
図9は、
図8に類似するが、基準物体180から反射された反射信号902のグラフ900である(
図7参照)。反射信号902は、エンベロープ904を画定し得る。エンベロープ904内のピーク906は、基準物体180の底部表面181からのエコーに対応する。
【0066】
図10は、2つの異なる曲線、すなわち、それぞれ、ピーク1012および1052を有する、それぞれ、BB-掃引曲線1010および基準掃引曲線1050を示す、グラフ1000である。曲線1010、1050は、2つの異なる掃引から発生されたものであり、曲線1010は、1つの掃引1010から発生され、曲線1050は、異なる掃引から発生された。ピーク1012は、本明細書では、BB-掃引曲線ピーク1012と称され、事実上、底壁下側表面121のz-位置を示す。ピーク1052は、基準-掃引曲線ピーク1052と称され、事実上、基準物体180の底部表面181のz-位置を示す。
【0067】
BB-掃引曲線1010は、単一掃引からのデータから発生される。その中で変換器が5つのz-位置を有する、
図6に示される掃引と異なり、曲線1010を発生させるために使用される、掃引は、異なるz-位置におけるより多くの伝送を含んだ。各z-位置において、信号が、変換器112によって放出され、反射される。グラフ1000のx-軸は、TOF(飛行時間)を示し、これは、変換器112と底壁下側表面121との間の距離を示す。より具体的には、TOFは、放出信号と反射信号との間の時間を示し、これは、次いで、距離を決定するために使用されることができる。y-軸は、BBピーク806の振幅を示す。BB-掃引曲線ピーク1012は、次いで、底壁下側表面121のz-位置を示す。より具体的には、BB-掃引曲線ピーク1012は、
図6に示されるように、時間T
2における、収束点171が底壁下側表面121と整合するときの、変換器112と底壁下側表面121との間の距離を示す。
【0068】
基準掃引1050は、基準掃引曲線1050が基準物体180の底部表面181からの反射から生じることを除き、BB掃引曲線1010と同様に発生される(
図9におけるBBピーク906参照)。基準-掃引曲線ピーク1052は、次いで、
図7に示されるように、時間TR
2における、収束点171が整合されるときの、変換器112と基準プレートの底部表面181との間の距離を示す。その中で変換器が3つのz-位置を有する、
図7に示される掃引と異なり、曲線1050を発生させるために使用される、掃引は、異なるz-位置におけるより多くの伝送を含んだ。
【0069】
図11はまた、
図10のBB掃引曲線1010、および3つの他の掃引曲線、すなわち、TBL-掃引曲線1120、TBS-掃引曲線1130、およびSR-掃引曲線1140を示す。これらの曲線はそれぞれ、同一掃引から、または別個または複数の掃引から発生されることができる。
図10と同様に、グラフ1100は、TOFを示す、x-軸を有し、これは、事実上、距離を示す。y-軸はまた、それが反射信号の強度を示すという点で、
図10のものに類似する。
【0070】
曲線1120、1130、および1140は、BB掃引曲線1010に類似する。それぞれ、その独自のピーク、すなわち、TBL-掃引曲線ピーク1122、TBS-掃引曲線ピーク1132、およびSR-掃引曲線ピーク1142を有する。TBL-掃引曲線ピーク1122およびTBS-掃引曲線ピーク132は両方とも、TBL-掃引曲線ピーク1112が、縦波に関する、変換器112と底壁上側表面123との間の飛行時間に対応する一方、TBS-掃引曲線ピーク1132が、剪断波に関する、変換器112と底壁上側表面123との間の飛行時間に対応することを除き、z-軸に沿って、変換器112とコンテナ122の底壁上側表面123との間の距離を示す。SR-掃引曲線ピーク1142は、z-軸に沿って、変換器112とサンプル101の自由表面103との間の距離を示す。
【0071】
これらのピーク1122、1132、1142はそれぞれ、収束点171が材料界面と整合するときの、変換器112のz-位置を示す。TBL-掃引曲線ピーク1122は
図6に描写されるように、時間T
3における、縦波の収束点171がコンテナ122の底壁上側表面123と整合するときを示す。TBS-掃引曲線ピーク1132は、
図6に描写されるように、時間T
4における、剪断波の収束点171がコンテナ122の底壁上側表面123と整合するときを示す。SR-掃引曲線ピーク1142は、
図6に描写されるように、時間T
5における、縦波の収束点171がサンプル101の自由表面103と整合するときを示す。
【0072】
図10および11における曲線は全て、掃引において、
図6および7に示されるものより多くの放出を使用して発生された。放出毎の変換器112のz-位置間の間隔は、同じであり得る、または変動し得る。いくつかの実施形態では、システム100は、有用ではない反射信号データをもたらし得る、z-位置において、変換器112が信号を放出することを防止し得る。そのようなz-位置は、収束点171および媒体界面が整合するであろうことが期待できない、位置であり得る。
【0073】
図12A-12Eは、基準のために使用される掃引(
図12A)と、コンテナ122およびサンプル101の特性を決定するために使用される掃引(
図12B-12E)との間に生じる、幾何学形状を図示する。これらの図は、続く数学的方程式において使用されるであろう、変数を定義する。
【0074】
図12Aは、変換器アセンブリ110から放出され、基準物体180の底部表面181上に集束される、音響ビーム170の幾何学的表現を示す。変換器アセンブリ110は、収束点171が基準物体180の底部表面181と整合する、z-位置を有する(また、HR
2において、
図7にも示される)。その基部におけるビーム170の直径および半径は、それぞれ、D
refおよびR
refとして標識される。変換器アセンブリ110の上部表面は、基準物体180の底部表面181から距離L
refに位置する。ビーム170の角度(ビーム角)は、θ
1として示される(その逆数は、θ
°
1として示される)。音響エネルギーが変換器アセンブリ110と底部表面181との間で往復して進行するための時間は、BB
refによって表されるような飛行時間である(
図10の基準-掃引曲線ピーク1052によって示される)。
【0075】
図12B-12Eは、
図6に示されるシーケンスに類似する、コンテナ122上で実施される、変換器アセンブリ110の1つの掃引の異なる段階を図示する。
図12Bでは、音響ビーム170の収束点171は、底壁下側表面121と整合する。
図12Cおよび12Dの両方では、音響ビーム170の収束点171は、底壁上側表面123と整合する。
図12Eでは、音響ビーム170の収束点171は、サンプル101の自由表面103と整合する。
【0076】
図12B(
図12Aに類似する)では、音響ビーム170は、θ
1のビーム角度を有し、収束点171を底壁下側表面121に有する。
図12Bは、
図6のz-位置H
2および
図10のBB-掃引曲線ピーク1012に対応する反射信号に対応する。音響エネルギーが変換器アセンブリ110と底壁下側表面121との間で往復して進行するための時間は、BB
bによって表されるような飛行時間である。
【0077】
図12Cおよび12Dは、その両方とも、ビーム170からの波形がコンテナ底壁124の上側表面123における収束点171に収束する、位置を示すという点で、類似する。
図12Cは、
図6のH
4におけるz-位置に位置する変換器アセンブリおよび
図11のTBL-掃引曲線ピーク1122に対応する反射信号に対応する。
図12Dは、
図6のH
3におけるz-位置に位置する変換器アセンブリおよび
図11のTBS-掃引曲線ピーク1132に対応する反射信号に対応する。下記に解説されるように、
図12Cおよび12Dにおけるz-位置は、若干、異なる。焦点172は、収束点171と異なる。本差異は、ビーム170がコンテナ底壁124に交差する結果である。焦点172は、D
refおよびθ
1によって画定される。
図12C-12Eでは、収束点171と焦点172との間のz-位置における差異は、
図12Eの場合では、いったん音響エネルギーがコンテナ底壁124の厚さおよびサンプル101を通して進行し始めると変化する、ビーム角に起因する。ビーム角が変化しないと、収束点171は、点鎖波線によって示されるように、焦点172と一致するであろう。
【0078】
一般に、音響波のビーム角度は、2つの異なる媒体間の界面において変化する。
図12Cおよび12Dの場合では、それらの異なる媒体は、コンテナ底壁124およびコンテナ122の下方の結合液体160である。
【0079】
図12Cおよび12Dは、コンテナ122の底壁を通した異なるタイプの音響波伝送を表す。
図12Cは、コンテナ底壁124を通した縦波伝送を描写する。すなわち、ビーム170が、コンテナ底壁124に進入すると、ビーム170からの音響エネルギーの第1の部分が、コンテナ122の底壁の材料を通して、縦波として伝送され、これは、
図12Cに描写される。音響エネルギーの別の部分は、コンテナ底壁124を通して、剪断波として伝送され、
図12Dは、本剪断波伝送を描写する。縦および剪断波は、異なるように挙動する。例えば、縦波は、剪断波より高速である。速さにおける差異のため、コンテナ122の内側のビーム角は、異なる、すなわち、
図12Cにおけるビーム角θ
2(縦波)は、
図12Dに示されるビーム角θ
3(剪断波)を上回る。ビーム角における本差異は、変換器アセンブリ110のz-位置が、若干、異なり、
図6のz-位置H
3およびH
4の若干の差異に対応する、底壁上側表面123における収束を可能にすることを余儀なくする。
図12Cおよび12Dは、正確な縮尺で図示されない。例えば、いくつかの実施形態では、
図12Cと12Dとの間の変換器のz-位置の5%変化のみが存在する(例えば、D
bbsは、D
bblより5%大きくあり得る)。
【0080】
図12Cおよび12Dはまた、音響エネルギーが複数の表面間で進行するための時間を示す。
図12Cに関して、音響エネルギーが変換器アセンブリ110と底壁下側表面121および底壁上側表面123との間で往復して進行するための時間は、それぞれ、BB
lおよびTBL
lによって表される。TBL-掃引曲線ピーク1122に対応する、反射信号(
図8に類似する)は、BB
lおよびTBL
lに関する飛行時間値を提供する。同様に、
図12Dに関して、音響エネルギーが変換器アセンブリ110と底壁下側表面121および底壁上側表面123との間で往復して進行するための時間は、それぞれ、BB
sおよびTBS
sによって表される。TBS-掃引曲線ピーク1132に対応する、反射信号は、BB
sおよびTBS
sに関する飛行時間値を提供する。
【0081】
図12Eは、縦波のビーム170を描写する。
図12Eは、
図6のz-位置H
4および
図11のSR-掃引曲線ピーク1142に対応する。
図12Cと同様に、焦点172は、底壁上側表面123の上方に位置し、また、サンプル自由表面103の上方に位置し得る。12Cと同様に、ビーム角は、結合液体160中のθ
1からコンテナ122内のθ
2に変化する。ビーム170が、底壁上側表面123を越えて、サンプル液体101中に持続するにつれて、ビーム角は、再び、θ
4に変化する。再び、本変化は、異なる媒体、この場合、コンテナ底壁124とサンプル101との間の別の界面に起因する。
【0082】
図12Eに関して、音響エネルギーが変換器アセンブリ110と底壁下側表面121および底壁上側表面123との間で往復して進行するための時間は、それぞれ、BB
fおよびTBL
fによって表される。音響エネルギーが変換器アセンブリ110とサンプル自由表面103との間で往復して進行するための時間は、SR
fによって表される。SR-掃引曲線ピーク1142に対応する、反射信号は、BB
f、TBL
f、およびSR
fに関する時間値を提供する。
【0083】
図12A-12Eは、いくつかの付加的幾何学的関係を図示する。これらは、それぞれ、位置H
4、H
3、およびH
5における、変換器アセンブリ110と底壁下側表面121との間の距離である、D
bbl(
図12C参照)、D
bbs(
図12D参照)、およびD
bbf(
図12E参照)、コンテナ底壁124の厚さである、T
p(
図12C-12E参照)、底壁下側表面121と焦点172との間の垂直距離である、L
pl(
図12C参照)、L
ps(
図12D参照)、およびL
SR(
図12E参照)、収束点171が底壁上側表面123にあるときの、底壁下側表面121におけるビーム170の半径である、R
l(
図12C参照)およびR
s(
図12D参照)、収束点171がサンプル自由表面103にあるときの、底壁上側表面123におけるビーム170の半径である、R
f(
図12E参照)である。
【0084】
図12C-12Eはまた、音が本システムの付加的部分間で往復して進行するためにかかる時間を図示する。これらの時間は、信号が、底壁上側表面123から反射後、コンテナ底部表面121に進入し、そこから退出するまでの、それを通して通過するための遷移時間である、t
pl(
図12Cおよび12E参照)およびt
ps(
図12D参照)と、信号が、自由表面103から反射後、底壁上側表面123に進入し、そこから退出するまでの時間である、t
f(
図2E参照)とを含む。
【0085】
下記にさらに説明されるであろうように、
図12A-12Eに示される前述の幾何学形状および原理は、サンプルのある特性を決定するための
図8-11に示される反射信号の測定とともに、
図6および7において図示される方法との組み合わせにおいて使用されることができる。
【0086】
プロセッサ143は、下記に説明される技法を使用して、サンプル101およびコンテナ122の1つまたはそれを上回る特性を決定するために、システム100の動作を制御し、上記に議論されるようなデータを受信することができる。サンプル101の特性は、音速vf(すなわち、音がサンプル101を通して進行する、速さ)、サンプル101の深度Tf、および音響インピーダンスZfを含む。コンテナ底壁124の特性は、縦音速vpl、剪断音速vps、コンテナ底壁の厚さTp、および音響インピーダンスZpを含む。
【0087】
加えて、本システムは、温度センサ回路網141によって温度センサにおいて測定される結合液体160の温度と、結合液体160のタイプに基づく、既知の性質とに基づいて、結合液体160に関する音速vwを決定することができる。同様に、本システムは、温度センサ回路網141による温度センサにおけるコンテナ122の上方の空気の温度と、空気の既知の性質とに基づいて、空気の密度ρaと、空気の音速vaとを決定することができる。
コンテナ内の縦音速およびコンテナ底壁の厚さ
【0088】
コンテナ122内の縦音速v
plおよびその厚さT
pは、同時に決定されることができる。最初に、距離L
refが、(1)変換器アセンブリ110と基準物体底部表面181との間の結合液体160を通して往復して進行する、音の飛行時間BB
ref(
図12A参照)と、(2)結合液体160中の音速である、v
wとに基づいて、決定されることができる。結合液体中の音速v
wは、その温度と、他の既知の特性とに基づいて、決定されることができる。いったんこれらの値が、決定されると、L
refが、方程式1に示されるように、解かれることができる。
【数1】
【0089】
次に、θ
1(したがって、その逆数θ
1°)が、(1)L
refと、(2)R
ref(変換器アセンブリ110から放出されるビーム170の形状に基づいて、既知である)と、角度補正項φとに基づいて、計算されることができる。角度補正項φは、
図2Aに示されるように、音響レンズ113の上部表面における変換器アセンブリ110のD
refと直径との間の差異を考慮する。φは、事前に決定されることができる。次いで、θ
1が、方程式2に示されるように、解かれることができる。
【数2】
【0090】
次に、コンテナ底壁厚T
pおよびコンテナ122内の縦音速v
plが、
図12Aおよび12Cの関係に基づいて、計算される。コンテナ底壁厚T
pは、底壁下側表面121と底壁上側表面123との間の垂直距離である。縦音速v
plは、縦音波がコンテナ122の底壁を通して進行する、速さである。後続計算のために、システムプロセッサ143はまた、スネルの法則に基づいて、付加的方程式を使用する。
【数3】
【0091】
概して、スネルの法則は、1つの媒体を通した波の速さおよび入射角を第2の媒体内の波の速さおよび結果として生じる屈折の角度に関連させる。したがって、スネルの法則は、伝送角度θ
2において、コンテナ122を通して通過する、偏向される信号と比較して、底壁下側表面121に至るまでの対応するビーム角θ
1において、それが結合液体160を通して通過するにつれて伝送される信号170を関連させる。
図12Cに示されるように、伝送角度θ
2は、ビーム角θ
1より大きい。これは、コンテナウェル縦音速v
plが結合液体音速v
wを上回る結果である。
【0092】
次に、コンテナ縦音速v
plが、解かれる。最初に、遷移時間t
plが、測定された底部の上部飛行時間TBL
lと底部の底部飛行時間BB
lとの間の差異に基づいて、計算される(
図12C参照)。コンテナ底壁厚T
pは、未知の値のままである。しかしながら、コンテナ縦音速v
plが、方程式4に示されるように、解かれる。
【数4】
【0093】
次に、コンテナ縦ビーム半径R
lが、解かれる。最初に、コンテナ底部距離D
bblが、結合液体160の音速v
wと、底部の底部飛行時間BB
lと、方程式1とに基づいて、決定されることができる。次に、L
plが、L
refとD
bblとの間の差異として解かれる(
図12C参照)。次いで、R
lが、方程式5に示されるように、θ
1と、R
lと、L
plとの間の関係に基づいて、解かれることができる(
図12C参照)。
【数5】
【0094】
Sin θ
2もまた、解かれることができる。θ
2と、R
lと、T
pとの間の空間関係(
図12C参照)は、方程式6をもたらす。
【数6】
【0095】
最後に、T
pが、解かれることができる。本時点で、v
pl、sin θ
2、θ
1、R
lが、解かれている。加えて、φおよびv
wが、既知である。方程式3からのスネルの法則を適用し、既知の値および変数を代入することによって、コンテナの底壁の厚さT
pに関して数値的に解かれ得る、方程式7がもたらされる。
【数7】
【0096】
コンテナ縦音速vplが、本時点で数値的に解かれ得る。Tpおよびtplが、方程式4に適用され、vplの値を計算することができる。
コンテナ内の剪断音速およびコンテナ底壁の厚さ
【0097】
コンテナ122内の剪断音速v
psおよびコンテナ底壁厚T
pもまた、
図12Aおよび12Dの関係に基づいて、決定されることができる。
【0098】
最初に、コンテナ剪断音速v
psが、解かれる。最初に、遷移時間t
psが、剪断波エコーの測定された底部の上部飛行時間TBS
sと底部の底部飛行時間BB
sとの間の差異に基づいて、計算される(
図12D参照)。
図12Dでは、音響ビームの剪断波成分が、コンテナ底壁を通して伝搬し、コンテナ底壁の上部からコンテナ底壁の底部に向かって縦波の反射をもたらす。遷移時間t
psは、コンテナ底壁内の本進入、伝搬、および反射に関する総時間に対応する。明確にするために、
図12Dの遷移時間T
psは、一方向剪断信号と、一方向縦信号とから成る。剪断音速v
psは、方程式4において与えられるような遷移時間t
pslと縦時間遅延t
plの両方の関数である。コンテナ底壁厚T
pは、方程式7において事前に計算されている場合でも、未知の値として取り扱われる。コンテナ剪断音速v
psが、方程式8に示されるように、解かれる。
【数8】
【0099】
スネルの法則が、
図12Dに適用され、方程式9となる。
【数9】
【0100】
コンテナ剪断ビーム半径R
sが、解かれることができる。最初に、剪断コンテナ底部距離D
bbsが、結合液体160の音速v
wと、底部の底部飛行時間BB
sと、方程式1とに基づいて、決定されることができる。次に、L
psが、L
refとD
bbsとの間の差異として解かれる(
図12D参照)。次いで、R
sが、方程式10に示されるように、θ
1と、R
sと、L
psとの間の関係に基づいて、解かれることができる(
図12D参照)。
【数10】
【0101】
Sin θ
3もまた、解かれることができる。θ
3と、R
sと、T
pとの間の空間関係(
図12D参照)は、方程式11をもたらす。
【数11】
【0102】
最後に、T
pが、2度目として、解かれることができる。本時点で、v
ps、sin θ
3、角度θ
1、R
sが、解かれている。また、φおよびv
wが、依然として、既知である。方程式9からのスネルの法則を適用し、既知の値および変数を代入することによって、コンテナの底壁の厚さT
pに関して数値的に解かれ得る、方程式12がもたらされる。
【数12】
【0103】
方程式7および12を解くことからのTpに関する値は、それらが両方ともコンテナ底壁124の厚さTpを測定するため、等しいはずである。しかしながら、方程式4におけるvplの計算は、TBL-掃引曲線ピーク1122のために選択された具体的反射信号に対応する、TBLlおよびBBlのために使用される値に対して敏感である。同様に、方程式8におけるvpsの計算も、TBS-掃引曲線ピーク1132のために選択された具体的反射信号に対応する、TBSsおよびBBsのために使用される値に対して敏感である。vplに基づいて、かつvpsに基づいて、両方のTpを別個に計算することによって、反復プロセスが、両方の方程式のセットに関するTpの最近似値をもたらす、個別のTBL-掃引曲線ピーク1122およびTBS-掃引曲線ピーク1132に関する具体的反射信号およびその対応する飛行時間値を決定するために使用されることができる。
液体中の音速およびサンプルの深度
【0104】
コンテナ122に関する計算が完了すると、サンプル101の音速v
fおよびサンプル101の深度T
fが、決定されることができる。SR
fとTBL
fとの間の差異は、液体遷移時間t
fを提供する。T
fは、変数として使用される。
図12EにおけるT
fとt
fとの間の関係は、以下の方程式13を提供する。
【数13】
【0105】
T
fおよびθ
4はさらに、事前に計算された値を用いて、決定されることができる。具体的には、T
p、θ
1、およびθ
2である。加えて、L
SRが、以前と同様に、D
bbfおよびv
wに基づいて、計算されることができる。同様に、v
fが、スネルの法則を使用することによって、計算されることができる。v
w、v
pl、θ
1、およびθ
2は全て、計算されているため、T
fおよびv
fが、
図12Eの関係の適用を使用して、数値的に計算され、方程式14および15をもたらすことができる。
【数14】
【数15】
【0106】
これらの計算は、上記に説明されるように、具体的測定された値および対応する計算を識別するが、当業者は、類似または同等測定点に基づいて、他の類似計算、または
図12A-Eに示されるように、掃引の間に本システムによって確立される幾何学形状および対応する反射信号に基づいて、方程式を認識するであろう。
コンテナおよびサンプルの音響インピーダンス
【0107】
コンテナ底壁124およびサンプル101の音響インピーダンスが、計算される。
図10の基準-掃引曲線ピーク1052およびBB-掃引曲線ピーク1012および
図11のTBL-掃引曲線ピーク1122およびSR-掃引曲線ピーク1142が、コンテナ底壁124およびサンプル101の両方に関する対応するインピーダンス値を計算するために使用される。圧力反射係数Rが、第1の界面の音響インピーダンスZ
1と第2の界面の音響インピーダンスZ
2を関連させ、音波は、第1の界面と第2の界面との間の界面で反射する。圧力反射係数Rは、方程式16として関連され得る。
【数16】
【0108】
圧力伝送係数Tが、音波が第1の界面と第2の界面との間の界面を通して通過するときの、第1の界面の音響インピーダンスZ
1と第2の界面の音響インピーダンスZ
2を関連させる。圧力反射係数Tは、方程式17として関連され得る。
【数17】
【0109】
既知の密度ρと、既知の音速vとを伴う、材料の音響インピーダンスは、方程式18に基づく。
【数18】
【0110】
結合液体160のインピーダンスZwは、再び、温度センサ回路網141を使用して、結合液体160の温度を決定し、既知の結合液体160に関する、結合液体密度ρwと、結合液体音速vwとを決定する。同様に、システムプロセッサ143は、温度センサ回路網141によって検出された対応する温度と、対応する空気密度ρaおよび空気音速vaとを使用して、サンプル101の上方の空気空間のインピーダンスZaを計算する。加えて、システムプロセッサ143はまた、既知の材料から作製される基準物体に基づいて、基準物体180のインピーダンスZrefに対応する、値を記憶している。
【0111】
初期音圧力p
0が、計算される。REFは、
図10の基準-掃引曲線ピーク1052の振幅に由来する。Z
ref、Z
a、REF、および方程式16を使用することによって、
図12Aの結合液体160と基準物体との間の界面が、方程式19として表され得る。
【数19】
【0112】
初期音圧力p
0が、方程式20として解かれる。
【数20】
【0113】
次に、コンテナインピーダンスZ
pが、解かれる。Z
wおよびp
0は、同一のままである。
図11のBB-掃引曲線ピーク1012の振幅は、p
BBを提供する。また、
図12Bは、物理的関係を提供する。Z
pは、方程式21を用いて、数値的に解かれることができる。
【数21】
【0114】
同様に、サンプルインピーダンスZ
fが、計算される。Z
p、Z
w、およびp
0は、上記と同一のままである。
図11のTBL-掃引曲線ピーク1122の振幅は、p
TBを提供する。
図12Cは、物理的関係を提供する。Z
fは、方程式22を用いて、数値的に解かれることができる。
【数22】
【0115】
コンテナ壁インピーダンスZ
pおよびサンプルインピーダンスZ
fの値はさらに、精緻化されることができる。また、Z
f、Z
p、Z
w、Z
a、およびp
0とともに、表面反射振幅p
SRを使用することによって、
図11のSR-掃引曲線ピーク1142の振幅は、p
TBを提供する。信号経路は、
図12Eによって表される。結果として生じる方程式は、以下となる。
【数23】
【0116】
方程式21-23を使用することによって、コンテナ壁インピーダンスZpおよびサンプルインピーダンスZfに関する値は、底部の底部振幅pBB、底部の上部振幅pTB、および表面反射振幅pSRに最良に相関する、値を識別するように反復的に調節されることができる。
コンテナおよびサンプルの音響減衰
【0117】
音響減衰は、媒体を通して伝搬するにつれた、音のエネルギー損失の測定値である。音響減衰は、所与の媒体の性質である。本明細書に説明される技法を使用して、コンテナ122の材料の音響減衰(またはより単純に、コンテナ122減衰)を測定することが可能であり得る。特に、
図12A-12Eと関連して説明される、付加的掃引または掃引のセットが、サンプル101を伴わずに、実施されてもよい。換言すると、掃引は、サンプル101を伴ってと、サンプル101を伴わずにの両方で実施される。(サンプル101の有無別の)掃引の順序は、問題とはなり得ない。さらに、付加的掃引データは、サンプル自由表面反射812(
図8)、SR-掃引曲線1140(
図11)、およびSR-掃引曲線ピーク1142(
図11)を伴わずに、
図8、9、10、および11に示されるものに類似し得る。さらに、掃引データは、サンプル101が存在しないとき、異なり得るが、特に、タイミングに関する一般的原理は、類似のままであり得る。
【0118】
コンテナ122減衰を決定するために、コンテナ122は、測定が行われる前に、空であり得る、すなわち、コンテナ122は、サンプル101を保持しない。Z
f、Z
p、Z
w、Z
a、T
p、およびp
0を決定するための方法は、上記に説明されるものと同一のままであり得る。サンプル101の存在を伴わない、
図11のTBL-掃引曲線ピーク1122の振幅は、p
TB, emptyを提供する。TBL-掃引曲線ピーク112の振幅は、サンプル101を伴わずに測定するとき、より高くあり得る。
図12Cは、幾何学的配列および関係を図示するが、述べられたように、サンプル101は、コンテナ122減衰を決定するとき、存在し得ない。この場合、コンテナ122減衰α
pは、方程式24を使用して、解かれることができる(方程式22から適合される)。
【数24】
【0119】
いったんα
pが、決定されると、サンプル101の音響減衰が、Z
f、Z
p、Z
w、Z
a、T
p、およびp
0とともに、p
SRを使用することによって、決定され得る。
図11のSR-掃引曲線ピーク1142の振幅は、p
SRを提供する。信号経路が、
図12Eによって表される。結果として生じる方程式(方程式23から適合される)は、以下となる。
【数25】
【0120】
方程式20-22および24-25(またはその他)において使用されるように、底部の底部振幅pBB、底部の上部振幅pTB、および表面反射振幅pSRに関する値は、測定器具類を較正するように調節されてもよい。本明細書に開示される技法の他の側面も同様に、システム100の一部(例えば、変換器アセンブリ110、電子機器140、および/またはモータ150)等の所与の測定システムに関して較正されてもよい。これは、それぞれ、本明細書に説明される技法に関連するような既知の性質を有する、1つまたはそれを上回るコンテナおよびサンプルを用いて、測定を実施することによって実施されてもよい。コンテナおよびサンプルの性質は、既知であるため、測定された特性もまた、システム100が理想的である場合、既知である。理解されるように、本システムは、仮にあるとしても、理想的であることは、稀である。予測される測定は、実際の測定と比較されてもよい。これは、較正情報、すなわち、システム100の一部(例えば、変換器アセンブリ110、電子機器140、および/またはモータ150)を較正するために十分な情報を提供し得る。いったんシステム100の一部(例えば、変換器アセンブリ110、電子機器140、および/またはモータ150)が、較正されると、さらなる調節は、必要とされ得ない。理想的システムでは、pBB、pTB、および/またはpSRの実験的に決定された値をさらに調節することは必要ではあり得ない。しかしながら、電子機器140および/または変換器アセンブリ110(変換器112および音響レンズ113を含む)における可能性として考えられる非線形性、例えば、変換器の焦点における平面波からの任意の逸脱に起因して、付加的調節を実施することが有用であり得る。したがって、前述のピーク値(または理解されるであろうような他の値)は、機器挙動、性能の変動、または理論値からの逸脱を考慮するように調節されてもよい。較正情報が、システム100の動作を調節し、および/または測定プロセスの間に発生されるデータの処理を調節するために使用されてもよい。較正は、議論されるように、システム100の所与の部品に関して、1回のみ実施されてもよい、またはシステム100の部品が経年するにつれて、または異なる環境に移動される際、周期的に、または随時、実施されてもよい。
【0121】
いったんサンプル101およびコンテナ122の特性のいくつかまたは全てが、決定されると、これらは、本システムによって、ADEに関するパラメータを決定し、より精密かつ正確な液滴射出をもたらすために使用されることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るニューラルネットワークを採用する、機械学習モデルが、本明細書に開示される概念に基づいて、ADEに関するパラメータを決定するために使用されてもよい。例えば、掃引からの反射の波形と関連付けられる、データが、機械学習モデルを訓練するために使用されてもよく(教師付き学習、教師なし学習等を使用して訓練されてもよい)、本訓練されたモデルは、ADEパラメータを決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される関係のうちの1つまたはそれを上回るものが、機械学習モデル(例えば、方程式4、8、および13のうちの1つまたはそれを上回るもの)のための制約として入力されてもよい。
【0123】
本明細書に説明される技法の多くは、理解されるであろうように、種々のコンピュータ実装動作を実施するための命令またはコンピュータコードをその上に有する、非一過性コンピュータ可読媒体(非一過性プロセッサ可読媒体とも称され得る)を伴う、コンピュータストレージ製品上に、またはそれと併せて実装されてもよい。媒体は、1つまたはそれを上回る明確に異なる媒体を含むことができる。コードは、プロセッサ143等の1つまたはそれを上回るプロセッサ上で実行されてもよい。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体は一過性伝搬信号を含まないという意味において、非一過性である(例えば、空間またはケーブル等の伝送媒体上で情報を搬送する、伝搬電磁波)。媒体およびコンピュータコード(コードとも称され得る)は、具体的目的または複数の目的のために設計および構築されたものであり得る。非一過性コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、磁気記憶媒体、例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ、光学記憶媒体、例えば、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィックデバイス、磁気光学記憶媒体、例えば、光ディスク、搬送波信号処理モジュール、および特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読取専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等のプログラムコードを記憶および実行するように特別に構成される、ハードウェアデバイスを含む。本明細書に説明される他の実施形態は、コンピュータプログラム製品に関し、これは、例えば、本明細書で議論される命令および/またはコンピュータコードを含むことができる。
【0124】
本明細書に説明されるいくつかの実施形態および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア(例えば、プロセッサ143)、またはそれらの組み合わせによって実施されることができる。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、VisualBasicTM、および/または他のオブジェクト指向、手続型、または他のプログラミング言語および開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)において表されることができる。コンピュータコードの実施例は、限定ではないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生産されるような機械命令、ウェブサービスを生産するために使用される、コード、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行される、より高レベルの命令を含有する、ファイルを含む。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、Fortran等)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlang等)、論理プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(登録商標)、C++等)、インタプリタ型言語(Javaスクリプト、Typescript、Perl)、または他の好適なプログラミング言語および/または開発ツールを使用して実装されてもよい。コンピュータコードの付加的実施例は、限定ではないが、制御信号、暗号化されたコード、および圧縮されたコードを含む。
【0125】
本願に開示される新規技法の範囲から逸脱することなく、種々の変更が、行われてもよく、均等物が、代用されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。加えて、多くの修正が、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を新規技法の教示に適合させるために行われてもよい。したがって、新規技法は、開示される特定の技法に限定されず、それらは、添付の請求項の範囲内である、全ての技法を含むであろうことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、複数の放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、対応する複数の反射信号を受信するように構成され、前記複数の放出信号は、第1の放出信号と、第2の放出信号とを備え、前記複数の反射信号は、第1の反射信号と、第2の反射信号とを備え、前記複数の放出信号および前記複数の反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記コンテナ底壁に対して第1の寸法に沿って、前記変換器を複数の変換器位置に移動させるように構成され、前記複数の変換器位置は、第1の変換器位置と、第2の変換器位置とを備え、前記第1の寸法は、垂直寸法を備える、コントローラと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記複数の反射信号と関連付けられるデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備え、
前記変換器は、前記変換器が前記第1の変換器位置にあるとき、前記第1の放出信号を放出するように構成され、
前記変換器は、前記変換器が前記第2の変換器位置にあるとき、前記第2の放出信号を放出するように構成される、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの特性は、前記コンテナ内の液体の深度、前記コンテナ内の液体の音響インピーダンス、
前記コンテナ内の前記液体を通した前記放出信号の音速、または前記コンテナ内の液体の音響減衰のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサはさらに、前記コンテナの音響インピーダンス、前記コンテナ底壁の厚さ、前記コンテナ底壁を通した前記放出信号の縦音速、前記コンテナの音響減衰、または前記コンテナ底壁を通した前記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンテナは、第1のウェルと、第2のウェルと、第3のウェルとを備え、
前記システムはさらに、前記
第1のウェル
、前記第2のウェル、および前記第3のウェルのそれぞれに対し、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、
前記コントローラはさらに、第2の寸法に沿って、前記第1のウェルの下から前記第2のウェルの下に、前記変換器を移動させるように構成され、前記コントローラはさらに、第3の寸法に沿って、前記第2のウェルの下から前記第3のウェルの下に、前記変換器を移動させるように構成され、前記第2の寸法および前記第3の寸法は、
それぞれ、XおよびY水平寸法を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテナは
、それぞれ、前記第1のウェル、前記第2のウェル、および前記第3のウェル内
に第1の液体と、第2の液体と、第3の液体とを
含有するように構成され、前記システムはさらに、前記
第1のウェル
、前記第2のウェル、および前記第3のウェルのそれぞれに対し、
それぞれ、前記少なくとも1つの特性を測定するとき、前記
第1の液体
、前記第2の液体、および前記第3の液体のそれぞれに対し、少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの特性は、各ウェルに対し、前記
含有される液体の個別の音響インピーダンス、前記
含有される液体の個別の音響減衰、または前記
含有される液体を通した前記放出信号の個別の音速のうちの少なくとも1つを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに、各ウェル
の前記コンテナ底壁に対し
、音響インピーダンス
、厚さ
、音響減衰
、前記コンテナ底壁
を通した前記放出信号の縦音速、また
は前記コンテナ底壁
を通した前記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムはさらに、
前記変換器と前記コンテナ底壁との間の結合液体と、
前記結合液体の温度を測定するように構成される温度センサと
を備え、
前記プロセッサはさらに、部分的に、前記結合液体の温度に対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または前記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号を前記コンテナの底壁に向かって放出し、反射信号を前記コンテナ底壁および前記液体から受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記放出信号ならびに前記反射信号の第1のピーク、第2のピーク、および第3のピークのそれぞれに対応するデータを処理することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、前記反射信号は、複数のエコーを備え、前記プロセッサはさらに、前記第1、第2、および第3のピークのそれぞれが
、前記複数のエコーの異なる
ものに対応
し、前記コンテナの特定の領域に対応することを認識するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項10】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークが、前記コンテナ底壁の底部表面からのエコーに対応し、前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の上部表面から反射する縦波からのエコーに対応し、前記第3のピークが、前記コンテナ底壁の上部表面から反射する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、前記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンテナの少なくとも1つの特性は、音響インピーダンス、音響減衰、底壁厚、
前記コンテナを通る前記放出信号の縦音速、または
前記コンテナを通る放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサはさらに、前記反射信号の第4のピークにさらに対応するデータを処理し、前記第4のピークが、前記液体の自由表面からのエコーに対応することを認識することによって、前記液体の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項
9に記載のシステム。
【請求項13】
前記液体の少なくとも1つの特性は、
前記液体を通した前記放出信号の音速、
前記液体の音響インピーダンス、
前記液体の音響減衰、または
前記コンテナ内の前記液体の深度のうちの少なくとも1つを備える、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、前記少なくとも1つの特性は、コンテナまたは前記コンテナ内
に含有される液体の特性のうちの少なくとも1つ
の特性を備え、前記システムは、
変換器であって、前記変換器は、放出信号を
前記コンテナのコンテナ底壁に向かって放出し、反射信号を前記コンテナおよび前記液体から受信するように構成され、前記放出信号および前記反射信号は、音響信号を備え、前記反射信号は、複数のエコーを備える、変換器と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、部分的に、前記放出信号ならびに前記反射信号の第1のピークおよび第2のピークに対応するデータを処理することによって、前記第1のピークが、前記コンテナ底壁の表面に衝突する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、かつ前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の表面に衝突する縦波からのエコーに対応することを認識することによって、前記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項15】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークおよび前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の同一
場所からのエコーに対応することを認識するように構成される、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、前記第1のピークおよび前記第2のピークが、前記コンテナ底壁の異なる表面からのエコーに対応することを認識するように構成される、請求項
14に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは
、部分的に、前記第1のピークと前記第2のピークとの間の遅延に基づくが、前記第1および第2のピークの振幅に基づかずに、前記少なくとも1つの特性
を測定する
ようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、部分的に、前記第1のピークと前記第2のピークとの間の振幅における差異に基づくが、前記第1のピークと第2のピークとの間の遅延に基づかずに、前記少なくとも1つの特性
を測定する
ようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの特性は、前記コンテナの少なくとも1つの特性を含み、前記コンテナの少なくとも1つの特性は、前記コンテナの音響インピーダンス、前記コンテナの音響減衰、前記コンテナの底壁厚、前記コンテナを通る前記放出信号の縦音速、または前記コンテナを通る放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサはさらに、前記反射信号の付加的ピークにさらに対応するデータを処理し、前記付加的ピークが、前記液体の自由表面からのエコーに対応することを認識することによって、前記液体の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
いくつかの実施形態は、コンテナの特性を決定するための方法を含む。本方法は、変換器を有する、測定システムによって、コンテナを受容するステップを含む。本方法は、変換器によって、プレートから複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップを含む。本方法は、受信される信号間の差異に基づいて、液体またはコンテナの物理的特性を計算するステップを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、上記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または上記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、複数の放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、対応する複数の反射信号を受信するように構成され、上記複数の放出信号は、第1の放出信号と、第2の放出信号とを備え、上記複数の反射信号は、第1の反射信号と、第2の反射信号とを備え、上記複数の放出信号および上記複数の反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
コントローラであって、上記コントローラは、上記コンテナ底壁に対して第1の寸法に沿って、上記変換器を複数の変換器位置に移動させるように構成され、上記複数の変換器位置は、第1の変換器位置と、第2の変換器位置とを備え、上記第1の寸法は、垂直寸法を備える、コントローラと、
プロセッサであって、上記プロセッサは、部分的に、上記複数の反射信号と関連付けられるデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備え、
上記変換器は、上記変換器が上記第1の変換器位置にあるとき、上記第1の放出信号を放出するように構成され、
上記変換器は、上記変換器が上記第2の変換器位置にあるとき、上記第2の放出信号を放出するように構成される、システム。
(項目2)
上記少なくとも1つの特性は、上記コンテナ内の液体の深度、上記コンテナ内の液体の音響インピーダンス、上記液体を通した上記放出信号の音速、または上記コンテナ内の液体の音響減衰のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記プロセッサはさらに、上記コンテナの音響インピーダンス、上記コンテナ底壁の厚さ、上記コンテナ底壁を通した上記放出信号の縦音速、上記コンテナの音響減衰、または上記コンテナ底壁を通した上記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目4)
上記コンテナは、第1のウェルと、第2のウェルと、第3のウェルとを備え、
上記システムはさらに、上記ウェルのそれぞれに対し、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、
上記コントローラはさらに、第2の寸法に沿って、上記第1のウェルの下から上記第2のウェルの下に、上記変換器を移動させるように構成され、上記コントローラはさらに、第3の寸法に沿って、上記第2のウェルの下から上記第3のウェルの下に、上記変換器を移動させるように構成され、上記第2の寸法および上記第3の寸法は、XおよびY水平寸法を備える、
項目1に記載のシステム。
(項目5)
上記コンテナはさらに、それぞれ、上記第1のウェル、上記第2のウェル、および上記第3のウェル内に含有される第1の液体と、第2の液体と、第3の液体とを備え、上記システムはさらに、上記ウェルのそれぞれに対し、上記少なくとも1つの特性を測定するとき、上記液体のそれぞれに対し、少なくとも1つの特性を測定するように構成される、項目4に記載のシステム。
(項目6)
上記ウェルのそれぞれに対する上記少なくとも1つの特性は、各ウェルに対し、上記液体の個別の音響インピーダンス、上記液体の個別の音響減衰、または上記液体を通した上記放出信号の個別の音速のうちの少なくとも1つを備える、項目5に記載のシステム。
(項目7)
上記プロセッサはさらに、各ウェルに対し、上記ウェルの上記コンテナ底壁の個別の音響インピーダンス、上記ウェルの上記コンテナ底壁の個別の厚さ、上記ウェルの上記コンテナ底壁の個別の音響減衰、上記個別のウェルの上記コンテナ底壁の上記放出信号の縦音速、または上記個別のウェルの上記コンテナ底壁の上記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記システムはさらに、基準物体を備え、
上記変換器はさらに、少なくとも1つの放出信号を上記基準物体に向かって放出し、少なくとも1つの反射信号を上記基準物体から受信するように構成され、
上記プロセッサはさらに、部分的に、上記基準物体に向かっての上記少なくとも1つの放出信号および上記基準物体からの上記少なくとも1つの反射信号に対応するデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、
項目1に記載のシステム。
(項目9)
上記基準物体に向かっての上記少なくとも1つの放出信号は、上記基準物体に向かっての複数の放出信号を備え、
上記基準物体からの上記少なくとも1つの反射信号は、上記基準物体からの複数の反射信号を備え、それぞれが、上記基準物体に向かっての個別の放出信号に対応し、
上記変換器はさらに、上記コンテナ底壁から離れるように離間される対応する複数の位置において、上記複数の放出信号を上記基準物体に向かって放出し、上記複数の反射信号を上記基準物体から受信するように構成される、
項目8に記載のシステム。
(項目10)
上記基準物体に向かっての上記少なくとも1つの放出信号および上記コンテナに向かっての上記複数の放出信号のそれぞれは、同一波長、持続時間、およびエネルギーレベルを備える、項目8に記載のシステム。
(項目11)
上記システムはさらに、
上記変換器と上記コンテナ底壁との間の結合液体と、
上記結合液体の温度を測定するように構成される温度センサと
を備え、
上記プロセッサはさらに、部分的に、上記結合液体の温度に対応するデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、
項目1に記載のシステム。
(項目12)
音響レンズをさらに備え、上記音響レンズは、上記音響レンズが、上記複数の放出信号のそれぞれに対し、焦点を画定するように、上記変換器と固定距離および位置に維持され、
上記複数の放出信号のそれぞれは、個別の収束点に収束し、
上記コンテナ底壁および上記液体はさらに、少なくとも、第1の表面と、第2の表面とを備え、
上記プロセッサはさらに、上記第1の放出信号の収束点が上記コンテナ底壁および上記液体の第1の表面と整合されることを認識するように構成され、
上記プロセッサはさらに、第2の放出信号の収束点が上記コンテナ底壁および上記液体の第2の表面と整合されることを認識するように構成される、
項目1に記載のシステム。
(項目13)
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、上記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または上記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、放出信号を上記コンテナの底壁に向かって放出し、反射信号を上記コンテナ底壁および上記液体から受信するように構成され、上記放出信号および上記反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
プロセッサであって、上記プロセッサは、部分的に、上記放出信号ならびに上記反射信号の第1のピーク、第2のピーク、および第3のピークのそれぞれに対応するデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、上記反射信号は、複数のエコーを備え、上記プロセッサはさらに、上記第1、第2、および第3のピークのそれぞれが上記複数のエコーの異なるエコーに対応することを認識するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
(項目14)
上記プロセッサはさらに、上記第1のピークが、上記コンテナ底壁の底部表面からのエコーに対応し、上記第2のピークが、上記コンテナ底壁の上部表面から反射する縦波からのエコーに対応し、上記第3のピークが、上記コンテナ底壁の上部表面から反射する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、上記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目15)
上記コンテナの少なくとも1つの特性は、音響インピーダンス、音響減衰、底壁厚、上記放出信号の縦音速、または上記放出信号の剪断音速のうちの少なくとも1つを備える、項目13に記載のシステム。
(項目16)
上記プロセッサはさらに、上記反射信号の第4のピークにさらに対応するデータを処理し、上記第4のピークが、上記液体の自由表面からのエコーに対応することを認識することによって、上記液体の少なくとも1つの特性を測定するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目17)
上記液体の少なくとも1つの特性は、上記放出信号の音速、音響インピーダンス、音響減衰、または深度のうちの少なくとも1つを備える、項目16に記載のシステム。
(項目18)
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、上記少なくとも1つの特性は、コンテナまたは上記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、反射信号を上記コンテナおよび上記液体から受信するように構成され、上記放出信号および上記反射信号は、音響信号を備え、上記反射信号は、複数のエコーを備える、変換器と、
プロセッサであって、上記プロセッサは、部分的に、上記放出信号ならびに上記反射信号の第1のピークおよび第2のピークに対応するデータを処理することによって、上記第1のピークが、上記コンテナ底壁の表面に衝突する剪断波からのエコーに対応することを認識することによって、かつ上記第2のピークが、上記コンテナ底壁の表面に衝突する縦波からのエコーに対応することを認識することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
(項目19)
上記プロセッサはさらに、上記第1のピークおよび上記第2のピークが、上記コンテナ底壁の同一部分からのエコーに対応することを認識するように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目20)
上記プロセッサはさらに、上記第1のピークおよび上記第2のピークが、上記コンテナ底壁の異なる表面からのエコーに対応することを認識するように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目21)
少なくとも1つの特性を音響的に測定するためのシステムであって、上記少なくとも1つの特性は、コンテナの特性または上記コンテナ内の液体の特性のうちの少なくとも1つを備え、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、放出信号をコンテナ底壁に向かって放出し、反射信号を上記コンテナ底壁および上記液体から受信するように構成され、上記放出信号および上記反射信号は、音響信号を備える、変換器と、
プロセッサであって、上記プロセッサは、上記反射信号の第1のピークおよび第2のピークを識別するように構成され、上記第1のピークは、第1のエコーに対応し、上記第2のピークは、第2のエコーに対応し、上記プロセッサはさらに、
部分的に、上記第1のピークと上記第2のピークとの間の遅延に基づくが、上記第1および第2のピークの振幅に基づかずに、上記少なくとも1つの特性の第1のものを測定することと、
部分的に、上記第1のピークと上記第2のピークとの間の振幅における差異に基づくが、上記第1のピークと第2のピークとの間の遅延に基づかずに、上記少なくとも1つの特性の第2のものを測定することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
(項目22)
アイテムの少なくとも1つの特性を測定するためのシステムであって、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、複数の放出信号を上記アイテムに向かって放出し、対応する複数の反射信号を上記アイテムから受信するように構成され、上記複数の放出信号は、第1の放出信号と、第2の放出信号とを備え、上記複数の反射信号は、第1の反射信号と、第2の反射信号とを備える、変換器と、
コントローラであって、上記コントローラは、上記アイテムに対して、第1の寸法に沿って、上記変換器を複数の変換器位置に移動させるように構成され、上記複数の変換器位置は、第1の変換器位置と、第2の変換器位置とを備え、上記第1の寸法は、垂直寸法を備える、コントローラと、
プロセッサであって、上記プロセッサは、部分的に、上記複数の反射信号と関連付けられるデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成される、プロセッサと
を備え、
上記変換器は、上記変換器が上記第1の変換器位置にあるとき、上記第1の放出信号を放出するように構成され、
上記変換器は、上記変換器が上記第2の変換器位置にあるとき、上記第2の放出信号を放出するように構成される、システム。
(項目23)
アイテムの少なくとも1つの特性を測定するためのシステムであって、上記システムは、
変換器であって、上記変換器は、放出信号を上記アイテムに向かって放出し、反射信号を上記アイテムから受信するように構成され、上記放出信号および上記反射信号は、音響信号を備え、上記反射信号は、複数のエコーを備える、変換器と、
プロセッサであって、上記プロセッサは、部分的に、上記放出信号ならびに上記反射信号の第1のピーク、第2のピーク、および第3のピークのそれぞれに対応するデータを処理することによって、上記少なくとも1つの特性を測定するように構成され、上記プロセッサはさらに、上記第1、第2、および第3のピークのそれぞれが、異なるエコーに対応することを認識するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
(項目24)
コンテナの少なくとも1つの特性または上記コンテナ内の液体の少なくとも1つの特性を決定する方法であって、上記方法は、
測定システムによって、上記液体を保持する上記コンテナを受容するステップであって、上記測定システムは、変換器を含む、ステップと、
上記変換器によって、コンテナ底壁から複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップと、
上記システムによって、上記受信される信号の差異に基づいて、上記液体の少なくとも1つの特性または上記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を計算するステップと
を含む、方法。
(項目25)
コンテナの少なくとも1つの特性を決定する方法であって、上記方法は、
測定システムによって、上記コンテナを受容するステップであって、上記測定システムは、変換器を有する、ステップと、
上記変換器によって、コンテナ底壁から複数の距離において、複数の音響信号を伝送および受信するステップと、
上記システムによって、上記受信される信号の差異に基づいて、上記コンテナ底壁の少なくとも1つの特性を計算するステップと
を含む、方法。
【国際調査報告】