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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】左心耳インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240621BHJP
   A61B 17/12 20060101ALI20240621BHJP
   A61F 2/04 20130101ALI20240621BHJP
【FI】
A61B17/00 500
A61B17/12
A61F2/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578970
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022034534
(87)【国際公開番号】W WO2022271832
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/213,696
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ディンジス、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ドラン、バーンズ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ペイフェール、デニス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ベグール、アンジャリ
(72)【発明者】
【氏名】チャウ、ザイナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】スミス、グラント ティール
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097BB01
4C097CC01
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE02
4C097EE06
4C097EE08
4C097EE11
4C097MM06
4C160DD03
4C160DD55
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
左心耳を閉塞するためのインプラントは、つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成される、拡張可能なフレームワークを含んでもよい。拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含む。拡張可能なフレームワークの長手方向軸線は、近位ハブから遠位ハブまで延在する。放射線不透過性マーカは、拡張した形態において近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、前記拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、前記拡張可能なフレームワークの長手方向軸線が、前記近位ハブから前記遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる放射線不透過性マーカとを含む、左心耳を閉塞するためのインプラント。
【請求項2】
前記放射線不透過性マーカは、前記拡張した形態において長手方向に配向される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記放射線不透過性マーカが、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部と、第1の横方向タブと、第2の横方向タブとを含み、前記本体部分は、前記拡張可能なフレームワークの外面に対して配置される、請求項1または2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記近位脚部および前記遠位脚部は、前記拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在する、請求項3に記載のインプラント。
【請求項5】
前記第1の横方向タブおよび前記第2の横方向タブは、前記拡張可能なフレームワークの一部の周囲に巻き付く、請求項3または4に記載のインプラント。
【請求項6】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークの内面に対して半径方向内側に配置され、固定された管状部材または平板を含む、請求項1または2に記載のインプラント。
【請求項7】
前記拡張可能なフレームワークの少なくとも一部を覆って配置された閉塞要素をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記放射線不透過性マーカが、前記閉塞要素内に少なくとも部分的に埋め込まれた扁平要素を含む、請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークの外周の周りに間隔を置いて複数の放射線不透過性マーカを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項10】
送達シースおよび前記送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されたコアワイヤと、
前記コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる、請求項1~9のいずれか一項に記載のインプラントとを含む、左心耳を閉塞するためのシステム。
【請求項11】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークとは異なる材料から形成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記放射線不透過性マーカは、前記拡張可能なフレームワークとは異なる密度を有する、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
送達シースおよび前記送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されたコアワイヤと、
前記コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる左心耳を閉塞するためのインプラントとを含み、前記インプラントは、
つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、前記拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、前記拡張可能なフレームワークの長手方向軸線が、前記近位ハブから前記遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第1の放射線不透過性マーカと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第2の放射線不透過性マーカと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第3の放射線不透過性マーカとを含み、
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、前記拡張した形態において前記左心耳の小孔に対して前記拡張可能なフレームワークを位置付けるための平面を画定する、左心耳を閉塞するためのシステム。
【請求項14】
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、各々、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部とを含み、
前記本体部分は、前記拡張可能なフレームワークの外面に対して配置され、
前記近位脚部および前記遠位脚部は、前記拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在し、
前記インプラントが前記ルーメン内に移動させられているとき、前記近位脚部は、前記送達シースに係合して、前記拡張可能なフレームワークを半径方向内側に前記送達シースから離れるように付勢する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、各々、横方向範囲および長手方向範囲を画定し、前記長手方向範囲が前記横方向範囲よりも大きく、
前記長手方向範囲は、前記拡張可能なフレームワークに対して長手方向に配向される、請求項13または14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、医療装置に関し、より詳細には、心臓の左心耳(LAA)への移植を含む経皮的医療処置における使用に適合された医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
左心耳は、心臓の左心房に付随する小さな器官である。正常な心臓機能の間、左心房が収縮して血液を左心室内に押し込むとき、左心耳が収縮して血液を左心房内に押し込む。左心耳が収縮する能力は、左心室の充填の改善を補助し、それによって、心拍出量を維持する役割を果たす。しかしながら、心房細動を患う患者では、左心耳は、適切に収縮せず、または空にならない場合があり、停滞した血液をその内部に貯留させ、左心耳内に望ましくない血栓の形成をもたらし得る。
【0003】
左心耳に形成される血栓は、この領域から遊離して血流に入る可能性がある。血管を通って移動する血栓は、最終的に、下流のより小さい血管を塞ぎ、それによって脳卒中または心臓発作に寄与し得る。臨床研究は、心房細動を有する患者における血餅の大部分が左心耳に由来することを示している。治療として、左心耳を閉鎖するように配置される医療装置が開発されている。既知の医療装置および方法の各々は、特定の利点および欠点を有する。代替的な医療装置、ならびに医療装置を製造および使用するための代替的な方法を提供することが継続的に求められている。
【発明の概要】
【0004】
一例では、左心耳を閉塞するためのインプラントは、つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成される拡張可能なフレームワークであって、拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、拡張可能なフレームワークの長手方向軸線は、近位ハブから遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、拡張した形態において、近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置付けられる放射線不透過性マーカとを備えてもよい。
【0005】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張した形態において長手方向に配向される。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部と、第1の横方向タブと、第2の横方向タブとを含む。本体部分は、拡張可能なフレームワークの外面に対して配置される。
【0006】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、近位脚部および遠位脚部は、拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在する。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第1の横方向タブおよび第2の横方向タブは、拡張可能フレームワークの一部の周囲に巻き付く。
【0007】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームワークの内面の半径方向内側に配置され、拡張可能なフレームワークの内面に対して固定された管状部材を含む。
【0008】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームワークの内面の半径方向内側に配置され、拡張可能なフレームワークの内面に対して固定された平板を含む。
【0009】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、インプラントは、拡張可能なフレームワークの少なくとも一部の上に配置された閉塞要素をさらに備えてもよい。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、閉塞要素内に少なくとも部分的に埋め込まれた扁平要素を含む。
【0010】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームワークの外周の周りに間隔を置いて複数の放射線不透過性マーカを含む。
【0011】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、左心耳を閉塞するためのシステムは、送達シースおよび送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されるコアワイヤと、コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる左心耳を閉塞するためのインプラントとを備えてもよい。インプラントは、つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、拡張可能なフレームワークの長手方向軸線は、近位ハブから遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、拡張した形態において、近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置付けられる放射線不透過性マーカとを備えてもよい。
【0012】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームワークとは異なる材料から形成される。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームワークとは異なる密度を有する。
【0013】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、放射線不透過性マーカは、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部とを含む。本体部分は、拡張可能なフレームワークの外面に対して配置される。近位脚部および遠位脚部は、拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在する。インプラントがルーメン内に移動させられているとき、近位脚部は、送達シースに係合して、拡張可能なフレームワークを半径方向内側に送達シースから離れるように付勢する。
【0014】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、左心耳を閉塞するためのシステムは、送達シースと、送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されたコアワイヤと、コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる左心耳を閉塞するためのインプラントとを備えてもよい。インプラントは、つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、拡張可能なフレームワークの長手方向軸線は、近位ハブから遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、拡張した形態において近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置付けられた第1の放射線不透過性マーカと、拡張した形態において近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置付けられた第2の放射線不透過性マーカと、拡張した形態において近位ハブと遠位ハブとの間に長手方向に位置付けられた第3の放射線不透過性マーカとを備えてもよい。第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカは、拡張した形態において左心耳の小孔に対して拡張可能なフレームワークを位置付けるための平面を画定してもよい。
【0015】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカは、各々、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部とを含む。本体部分は、拡張可能なフレームワークの外面に対して配置される。近位脚部および遠位脚部は、拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在する。インプラントがルーメン内に移動させられているとき、近位脚部は、送達シースに係合して、拡張可能なフレームワークを半径方向内側に送達シースから離れるように付勢する。
【0016】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカは、各々、第1の横方向タブおよび第2の横方向タブをさらに含む。第1の横方向タブおよび第2の横方向タブは、拡張可能なフレームワークの一部の周囲に巻き付く。
【0017】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第2の横方向タブの少なくとも一部は、第1の横方向タブに重なる。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第2の横方向タブの少なくとも一部は、第1の横方向タブよりも長手方向軸線の近くに半径方向内側に延在する。
【0018】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカは、各々、横方向範囲および長手方向範囲を画定し、長手方向範囲は、横方向範囲よりも大きい。長手方向範囲は、拡張可能なフレームワークに対して長手方向に配向される。
【0019】
いくつかの実施形態、態様、および/または例の上記の概要は、本開示の各実施形態またはすべての実装を説明することを意図していない。図面および詳細な説明は、これらの実施形態の態様をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示は、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
図1】左心耳を閉塞するための例示的なシステムの側面図である。
図2】左心耳を閉塞するための例示的なシステムの側面図である。
図3】左心耳を閉塞するためのインプラントの選択された態様を示す。
図4】左心耳を閉塞するためのインプラントの選択された態様を示す。
図5】左心耳内に配置された図3~4のインプラントを示す。
図6図3のインプラントの放射線不透過性マーカの態様を示す。
図7図6の放射線不透過性マーカの態様を示す断面図である。
図8図6の放射線不透過性マーカの態様を示す側面図である。
図9図1~2の外側シース内に移動されている図3のインプラントの選択された態様を示す。
図10図3のインプラント用の放射線不透過性マーカの代替構成を示す。
図11図3のインプラント用の放射線不透過性マーカの代替構成を示す。
図12図3のインプラント用の放射線不透過性マーカの代替構成を示す。
図13図3のインプラント用の放射線不透過性マーカの代替構成を示す。
【0021】
本開示の態様は、様々な修正形態および代替形態を受け入れるが、例が図面に示され、本明細書で説明される。しかしながら、その意図は、本開示の態様を説明される特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、その趣旨および範囲内にあるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明は、必ずしも縮尺通りではない図面を参照して読まれたく、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の要素を示す。詳細な説明および図面は、本開示を例示することを意図しているが、本開示を限定することを意図していない。当業者は、説明され、および/または示される様々な要素が、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組合せおよび構成で配置され得ることを認識するであろう。詳細な説明および図面は、本開示の例示的な実施形態を示す。しかしながら、明確さおよび理解の容易さのために、すべての特徴および/または要素が各図面に示されない場合があるが、特徴および/または要素は、別段の指定がない限り、それにかかわらず存在すると理解され得る。
【0023】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると想定される。数値の文脈における「約」という用語は、全般的に、当業者が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能または結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。「約」という用語の他の使用(例えば、数値以外の文脈における)は、別段の指定がない限り、本明細書の文脈から理解され、本明細書の文脈と一致するように、それらの通常の慣習的な定義を有すると想定され得る。
【0024】
端点による数値範囲の記載は、端点を含むその範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
様々な構成要素、特徴、および/または仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲、および/または値が開示されているが、本開示によって駆り立てられた当業者は、所望の寸法、範囲、および/または値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0025】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「または」という用語は、全般的に、内容が明らかに他のことを示さない限り、「および/または」を含む意味で使用される。理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、それらの特徴が開示された実施形態内で複数であり、または繰り返され得るとしても、単数形で説明され得ることに留意されたい。特徴の各例は、そうではないと明示的に述べられていない限り、単数の開示を含み、かつ/またはそれによって包含され得る。簡略化および明確性の目的のために、本開示のすべての要素が必ずしも各図に示されているわけではなく、または以下で詳細に説明されているわけでもない。しかしながら、以下の説明は、そうでないと明示的に述べられていない限り、1つより多く存在する構成要素のいずれかおよび/またはすべてに等しく適用され得ることが理解されるであろう。さらに、明確性のために、いくつかの要素または特徴のすべての例が各図に示されているわけではない。
【0026】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形などの相対的な用語は、全般的に、装置のユーザ/オペレータ/マニピュレータに対する様々な要素の位置決め、方向、および/または動作に関して考慮されてもよく、「近位」および「後退」は、ユーザにより近いまたはユーザに向かうことを示すか指し、「遠位」および「前進」は、ユーザからより遠いまたはユーザから離れることを示すか指す。場合によっては、「近位」および「遠位」という用語は、本開示の理解を容易にするために任意に割り当てられてもよく、そのような場合は、当業者には容易に明らかになるであろう。「上流」、「下流」、「流入」、および「流出」などの他の相対的な用語は、体管腔、血管などの管腔内、または装置内の流体流の方向を指す。「軸線方向」、「円周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」などのさらに他の相対的な用語、および/またはそれらの変形は、全般的に、開示される構造または装置の中心長手方向軸線に対する方向および/または配向を指す。
【0027】
「範囲」という用語は、問題の範囲または寸法が、述べられたまたは特定された寸法の最小測定値を意味すると理解され得る「最小」によって先行されるかまたは「最小」として特定されない限り、述べられたまたは特定された寸法の最大測定値を意味すると理解され得る。例えば、「外側範囲」は外側の寸法を意味すると理解されてもよく、「半径方向範囲」は半径方向の寸法を意味すると理解されてもよく、「長手方向範囲」は長手方向の寸法を意味すると理解されてもよい、などである。「範囲」の各例は異なっていてもよく(例えば、軸線方向、長手方向、横方向、半径方向、円周方向など)、個々の用法の文脈から当業者には明らかであろう。全般的に、「範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な限り最大の寸法と考えられてもよく、一方、「最小範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な限り最小の寸法と考えられてもよい。場合によっては、「範囲」は、全般的に、平面および/または断面内で直角に測定されてもよいが、特定の文脈から明らかになるように、限定ではないが、角度的に、半径方向に、円周方向に(例えば、弧に沿って)など、異なって測定されてもよい。
【0028】
「モノリシック(monolithic)」および「単一(unitary)」という用語は、全般的に、単一の構造またはベースユニット/要素から作製されるか、またはそれから成る、1つまたは複数の要素を指すものとする。モノリシックおよび/または単一要素は、複数の別個の構造または要素を一緒に組み立てるか、または別様に接合することによって作製される構造および/または特徴を除外するものとする。
【0029】
本明細書における「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよいことを示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または性質が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、そうでないと明確に述べられていない限り、他の実施形態に関連する特定の特徴、構造、または性質をもたらすことは、当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、以下で説明される様々な個々の要素は、特定の組合せで明示的に示されていなくても、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するために、または説明される実施形態を補完および/または強化するために、互いに組合せ可能または配置可能であると考えられる。
【0030】
明確にするために、説明および/または特許請求の範囲の全体にわたって、ある特定の識別する数値命名法(例えば、第1、第2、第3、第4など)を使用して、様々な説明および/または特許請求の範囲の特徴を命名および/または区別する場合がある。数値命名法は限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔さおよび明確さのために、以前に使用された数値命名法からの変更およびそれからの逸脱が行われ得る。すなわち、「第1の」要素として識別された特徴は、後に「第2の」要素、「第3の」要素などと称される場合があり、または完全に省略される場合があり、および/または異なる特徴が「第1の」要素と称される場合がある。各例における意味および/または名称は、当業者には明らかであろう。
【0031】
以下の図は、左心耳を閉塞するためのインプラント、左心耳を閉塞するためのシステム、ならびに/あるいはインプラントおよび/またはシステムを使用する方法の選択された構成要素および/または配置を示す。任意の所与の図において、いくつかの特徴が簡略化のために示されていない場合があり、または概略的に示されている場合があることに留意されたい。インプラントおよび/またはシステムの構成要素のうちのいくつかに関するさらなる詳細は、他の図においてより詳細に図示され得る。左心耳を閉塞する状況で説明されるが、インプラントおよび/またはシステムはまた、患者内の他の介入および/または経皮的医療処置のために使用されてもよい。同様に、経皮的配置に関して本明細書に説明される装置および方法は、適宜、他のタイプの外科的処置において使用されてもよい。例えば、いくつかの例では、装置は、非経皮的処置において使用されてもよい。本開示による装置および方法はまた、解剖学的構造内での他の使用のために適合および構成されてもよい。
【0032】
図1~2は、左心耳50(例えば、図5)を閉塞するためのシステム10の選択された構成要素および/または配置を示す。任意の所与の図において、システム10のいくつかの特徴が簡略化のために示されていない場合があり、または概略的に示されている場合があることに留意されたい。システム10の構成要素のうちのいくつかに関するさらなる詳細は、他の図においてより詳細に図示され得る。システム10は、様々な医療用インプラント(例えば、心血管医療用インプラント、閉塞性医療用インプラント、置換心臓弁インプラントなど)を、いくつかの実施形態では心臓を含むが、それに限定されない解剖学的構造内の1つ以上の位置に経皮的に送達および/または配置するために使用されてもよい。
【0033】
システム10は、近位開口部から遠位開口部まで延在するルーメン42を有する送達シース40と、ルーメン42内に摺動可能に配置されるコアワイヤ30と、左心耳50(例えば、図5)を閉塞するためのインプラント100とを含んでもよい。インプラント100は、つぶれた形態(例えば、図1)と、拡張した形態(例えば、図2)との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワーク(例えば、図3~4)を含んでもよく、インプラント100は、つぶれた形態でルーメン42内の遠位開口部近くに配置され、インプラント100がルーメン42の遠位開口部および/もしくは送達シース40の遠位に配置されるとき、ならびに/またはインプラント100が送達シース40によって拘束されていないときに、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110は、つぶれた形態と拡張された形態との間で移行するように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク110は、拡張した形態に向かって自己付勢されてもよい。
【0034】
インプラント100は、コアワイヤ30の遠位部分および/または遠位端に配置されてもよく、および/または取り外し可能に固定可能であってもよい。コアワイヤ30は、送達シース40のルーメン42内に摺動可能および/または回転可能に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤ30の近位端は、臨床医または開業医による手動操作のために、送達シース40の近位端および/またはルーメン42の近位開口部の近位に延在してもよい。いくつかの実施形態では、インプラント100は、コアワイヤ30の遠位端に取り外し可能に取り付けられ、接合され、固定され、または別様に連結されてもよい。コアワイヤ30は、インプラント100を送達シース40に対して軸線方向に平行移動させるように構成されてもよく、および/または軸線方向に平行移動させることが可能であってもよい。送達シース40および/またはコアワイヤ30は、選択されたレベルの軸線方向剛性および/または押し込み特性を有し得る一方で、患者の血管系を通るナビゲーションを可能にする選択されたレベルの可撓性も有し得る。
【0035】
システム10、コアワイヤ30、送達シース40、および/またはインプラント100などのための材料のいくつかの好適であるが非限定的な例が、以下で説明される。本明細書に開示される任意のおよび/または全ての例示的なインプラントは、上述の例示的なシステム10に従って使用されてもよく、および/または関連付けられてもよいことが企図される。
【0036】
次に図3および4を検討すると、インプラント100は、長手方向軸線102(例えば、図4)に沿ってつぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワーク110を備えてもよい。つぶれた形態では、拡張可能なフレームワーク110は、軸線方向に伸長および/または半径方向に圧縮されてもよい。拡張した形態では、拡張可能なフレームワーク110は、軸線方向に短縮され、および/または半径方向に拡張されてもよい。拡張可能なフレームワーク110は、複数のセルを画定する複数の相互連結されたストラットを備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数のセルは、複数の閉鎖セルであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のセルは、複数の開口セルであってもよい。いくつかの実施形態では、複数のセルは、様々な組合せおよび/または配置で複数の開口セルおよび複数の閉鎖セルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の相互連結されたストラットは、交点またはノードにおいて収束、接合、および/または接続してもよい。
【0037】
複数の相互連結されたストラットは、管状部材から形成および/または切り出されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の相互連結されたストラットは、単一部材から一体的に形成および/または切り出されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の相互連結されたストラットは、単一の管状部材から一体的に形成および/または切り出され、その後、拡張した形態における所望の形状に形成および/またはヒートセットされてもよい。いくつかの実施形態では、複数の相互連結されたストラットは、単一の平坦部材またはシートから一体的に形成および/または切り出され、次いで、管状構造に巻かれるか形成され、その後、拡張した形態における所望の形状に形成および/またはヒートセットされてもよい。複数の相互連結されたストラットを作製および/または形成するいくつかの例示的な手段および/または方法としては、レーザーカット、機械加工、パンチング、スタンピング、放電加工(EDM)、化学溶解などが挙げられる。他の手段および/または方法も企図される。
【0038】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク110は、柔軟であり、拡張した形態において左心耳50(例えば、図5)の側壁の形状および/または幾何学形状に実質的に適合および/または密封係合し得る。いくつかの実施形態では、インプラント100は、左心耳50の周囲組織および/または側壁によって決定されるように、最大非拘束範囲未満または最大非拘束範囲とは異なるサイズ、範囲、または形状に拡張してもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク110の様々な要素の厚さを減少させることは、拡張なフレームワーク110および/またはインプラント100の可撓性および柔軟性を増加させ、それによって、組織を拡張なフレームワーク110および/またはインプラント100に適合させるのではなく、拡張可能なフレームワーク110および/またはインプラント100が、その周囲の組織に適合することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク110および/またはインプラント100は、より強く、および/またはより柔軟でなくてもよく、したがって、拡張可能なフレームワーク110および/またはインプラント100は、左心耳50の組織を拡張可能なフレームワーク110および/またはインプラント100に適合させてもよい。他の構成も企図される。
【0039】
拡張可能なフレームワーク110は、図4に見られるように、近位ハブ112および遠位ハブ114を含んでもよい。拡張可能なフレームワーク110の長手方向軸線102は、近位ハブ112から遠位ハブ114まで延在してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、近位ハブ112および/または遠位ハブ114は、長手方向軸線102を中心とし、かつ/またはそれと同軸線であってもよい。複数の相互連結されたストラットは、近位ハブ112および/または遠位ハブ114において一緒に接合されてもよく、および/またはそれらに固定的に取り付けられてもよい。近位ハブ112は、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110をコアワイヤ30に解放可能に連結し、固定し、および/または取り付けるように構成されてもよい(例えば、図1~2)。いくつかの実施形態では、近位ハブ112は、コアワイヤ30の雄ねじ付き遠位端に回転可能および/または螺合可能に係合するように構成された雌ねじを含んでもよい。インプラント100をコアワイヤ30に解放可能に固定するための他の構成も企図される。
【0040】
図3に戻ると、いくつかの実施形態では、インプラント100は、任意選択で、拡張可能フレームワーク110および/または複数の相互連結されたストラットの少なくとも一部に連結され、その上に配置され、それを覆って配置され、その周囲に配置され、および/またはその半径方向外側に配置される閉塞要素120を含んでもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、近位ハブ112に取り付けられてもよく、および/または近位ハブ112において拡張可能なフレームワークに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、近位ハブ112から半径方向外側に延在してもよく、および/または遠位に延在してもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、複数の別個の位置で拡張可能なフレームワーク110に取り付けられ、および/または固定されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、膜、織物、メッシュ、組織要素、または別の好適な構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、多孔質でもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、非多孔質でもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、血液および/または水などの他の流体に対して透過性または不透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、血栓および/または塞栓物質が左心耳50から出て左心房58(例えば、図5)および/または患者の血流に入ることを防止するように設計、サイズ決定、および/または構成されてもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120(例えば、膜、織物、または組織要素など)は、移植後の内皮化を促進し、それによって、患者の循環系から標的部位(例えば、左心耳50など)を効果的に除外する。閉塞要素120のための材料のいくつかの好適であるが非限定的な例が、以下で説明される。
【0042】
次に図4および5を検討すると、インプラント100は、放射線不透過性マーカ130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110の外周の周りに間隔を置いて複数の放射線不透過性マーカ130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インプラント100は、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136を含んでもよい。より多くのまたはより少ない放射線不透過性マーカ130も企図される。例えば、インプラント100は、4個、5個、6個、8個、10個、12個、15個、18個などの放射線不透過性マーカを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、少なくとも、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110の外周の周りに等間隔に間隔を置いてもよい。例えば、複数の放射線不透過性マーカ130は、互いから約120度の間隔を置いてもよい。他の間隔も企図され、いくつかの実施形態では、間隔は、いくつの放射線不透過性マーカ130が存在するかに依存し得る。例えば、複数の放射線不透過性マーカ130は、約180度、約120度、約90度、約72度、約60度、約45度、約30度などの間隔を置いてもよい。いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110の外周の周りに可変的に間隔を置いてもよい。他の構成も企図される。
【0043】
図5の側面部分断面図に見られるように、インプラント100は、左心耳50内に位置付けられてもよい。左心耳50は、複雑な幾何学形状および/または不規則な表面積を有し得る。左心耳50は、患者の心臓の左心房58に付随し、左心房58と連通している。当業者であれば、図示された左心耳50は、患者ごとに異なり得る左心耳50の多くの可能な形状およびサイズのうちの1つにすぎないことを認識するであろう。当業者はまた、本明細書に開示される医療装置および方法が、必要に応じて、左心耳50の様々なサイズおよび形状に適合され得ることを認識するであろう。左心耳50は、側壁54によって画定される左心耳50の本体の深さに沿って配置される略長手方向軸線を含んでもよい。左心耳50は、左心房58への近位口開口部を形成する小孔52を含み得る。いくつかの実施形態では、小孔52および/または側壁54の横方向範囲は、本体の深さよりも小さくまたは少なくてもよく、または本体の深さは、小孔56および/または側壁54の横方向範囲よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、左心耳50は、本体の遠位部分と関連付けられた尾部様要素として形成または配置される最遠位領域を含み得る。いくつかの実施形態では、最遠位領域は、本体から離れて半径方向または横方向に突出し得る。
【0044】
放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130は、拡張した形態において近位ハブ112と遠位ハブ114との間に長手方向に位置付けられてもよい。例えば、放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130は、近位ハブ112の遠位かつ遠位ハブ114の近位に位置付けられてもよい。別の例では、長手方向軸線102に垂直に配向され、放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130を通って延在する平面が、近位ハブ112の遠位かつ遠位ハブ114の近位に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の放射線不透過性マーカ132は、拡張した形態において近位ハブ112と遠位ハブ114との間に長手方向に位置付けられてもよく、第2の放射線不透過性マーカ134は、拡張した形態において近位ハブ112と遠位ハブ114との間に長手方向に位置付けられてもよく、第3の放射線不透過性マーカ136は、拡張した形態において近位ハブ112と遠位ハブ114との間に長手方向に位置付けられてもよい。例えば、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136は、近位ハブ112の遠位かつ遠位ハブ114の近位に位置付けられてもよい。別の例では、長手方向軸線102に垂直に配向され、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および/または第3の放射線不透過性マーカ136を通って延在する平面が、近位ハブ112の遠位かつ遠位ハブ114の近位に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136は、拡張した形態において、拡張可能なフレームワーク110を左心耳50の小孔52内に、左心耳50の小孔52に、および/または左心耳50の小孔52に対して位置付けるための平面138を画定してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130は、係留を評価するためにタグ試験が実施されるとき、いくつかの背景にある解剖学的構造(例えば、肋骨など)に対する蛍光透視法(または別のタイプの画像化)下でそれらの位置を見るための基準マーカとして使用されてもよい。放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130が開始位置に位置づけられ、別の位置で終了する場合、画像化は、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110が移行したことを示す。あるいは、放射線不透過性マーカ130および/または複数の放射線不透過性マーカ130が、試験後に開始位置に定着されたままである場合、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110は、移動せず、確実に係留されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、配置補助として使用されてもよい。例えば、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110が送達シース40を出るとき、および/または拡張可能なフレームワーク110が拡張した形態に移行し始めるとき、複数の放射線不透過性マーカ130は、蛍光透視法(または別のタイプの画像化)下で互いから離れ始め、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110が開いていること、および/または配置の最終段階に近づいていることを示すことができる。いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、最初の配置中に理想的な位置が達成され得るように、配置中に医師がインプラント100を位置付けるのに役立ち得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、蛍光透視法(または別のタイプの画像化)下で圧縮のためのサイズ測定を行うために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の放射線不透過性マーカ130は、造影剤パフも使用されるとき、左心耳50の小孔52および/または側壁54に対するインプラント100の密閉を確実にするために使用されてもよい。他の構成および/または使用も企図される。
【0048】
上述のように、理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、それらの特徴が開示された実施形態内で複数または繰り返され得るとしても、単数形で説明され得る。特徴の各例は、そうではないと明示的に述べられていない限り、単数の開示を含み、かつ/またはそれによって包含され得る。簡略化および明確性の目的のために、本開示のすべての要素が必ずしも各図に示されているわけではなく、または以下で詳細に説明されているわけでもない。しかしながら、以下の説明は、そうでないと明示的に述べられていない限り、1つより多く存在する構成要素のいずれかおよび/またはすべてに等しく適用され得ることが理解されるであろう。したがって、複数の放射線不透過性マーカ130、および/または第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136などのうちのいずれか1つおよび/またはすべてが、本開示によって包含され得る。
【0049】
図6は、インプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110の外側から見たときの、放射線不透過性マーカ130(および/または複数の放射線不透過性マーカ130、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136など)の一構成を示す。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、本体部分140を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、近位脚部142および遠位脚部144を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、第1の横方向タブ146および第2の横方向タブ152を含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、本体部分140は、拡張可能なフレームワーク110の外面に対して配置および/または位置づけられてもよい。いくつかの代替実施形態では、本体部分140は、拡張可能なフレームワーク110の内面に対して配置および/または位置付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0050】
いくつかの実施形態では、本体部分140は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、本体部分140は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの半径方向に最も外側の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、本体部分140は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの最近位の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0051】
図7の断面図に見られるように、第1の横方向タブ146は、本体部分140から第1の方向に横方向に延在してもよい。第2の横方向タブ152は、本体部分140から第1の方向とは反対の第2の方向に横方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の横方向タブ146の第1の中間部分148は、本体部分140から第1の方向に延在してもよい。第1の横方向タブ146の第1の中間部分148は、長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の横方向タブ152の第2の中間部分154は、本体部分140から第2の方向に延在してもよい。第2の横方向タブ152の第2の中間部分154は、長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の横方向タブ146の第1の自由端150は、第1の横方向タブ146の第1の中間部分148から第2の方向に横方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の横方向タブ152の第2の自由端156は、第2の横方向タブ152の第2の中間部分154から第1の方向に横方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の横方向タブ146および第2の横方向タブ152は、拡張可能なフレームワーク110の一部の周囲に巻き付いてもよい。例えば、第1の横方向タブ146および第2の横方向タブ152は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの交点またはノードの周りに巻き付いてもよい。いくつかの実施形態では、第2の横方向タブ152の第2の自由端156の少なくとも一部は、第1の横方向タブ146の第1の自由端150と重なってもよい。いくつかの実施形態では、第2の横方向タブ152の少なくとも一部は、第1の横方向タブ146よりも長手方向軸線102の近くに半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の横方向タブ152の第2の自由端156は、第1の横方向タブ146の第1の自由端150よりも長手方向軸線102の近くに半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の横方向タブ146の第1の自由端150は、第2の横方向タブ152の第2の自由端156と隣接してもよい。そのような実施形態では、第1の自由端150および第2の自由端156は、長手方向軸線102から実質的に等距離であってもよい。他の構成も企図される。
【0052】
少し図6に戻ると、放射線不透過性マーカ130(および/または複数の放射線不透過性マーカ130および/または第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136など)は、横方向範囲160および長手方向範囲162を画定し得る。少なくともいくつかの実施形態では、長手方向範囲162は、横方向範囲160より大きくてもよい。長手方向範囲162は、拡張可能なフレームワーク110に対して長手方向に配向されてもよい。他の構成も企図される。
【0053】
図6および8に見られるように、近位脚部142は、本体部分140からインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の近位端に向かって長手方向に延在してもよく、ならびに/または近位脚部142は、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、および/もしくはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。遠位脚部144は、本体部分140からインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の遠位端に向かって長手方向に延在してもよく、ならびに/または遠位脚部144は、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、および/もしくはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、近位脚部142は、近位脚部142の自由端が拡張可能なフレームワーク110の内面の半径方向内側に配置されるまで、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、近位脚部142は、近位脚部142の自由端が拡張可能なフレームワーク110の内面と実質的に同一平面上に配置されるまで、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、遠位脚部144は、遠位脚部144の自由端が拡張可能なフレームワーク110の内面の半径方向内側に配置されるまで、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、遠位脚部144は、遠位脚部144の自由端が拡張可能なフレームワーク110の内面と実質的に同一平面上に配置されるまで、本体部分140から長手方向軸線102に向かって、ならびに/またはインプラント100および/もしくは拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって、半径方向内側に延在してもよい。他の構成も企図される。
【0055】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、材料の平坦なシートまたはストリップから放射線不透過性マーカ130をパンチングおよび/またはスタンピングすることによって作製され、次いで、1つ以上の好適な方法を使用して形成されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、材料の平坦なシートまたはストリップからレーザーカットされ、次いで、1つ以上の好適な方法を使用して形成されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、ダイカスト、射出成形などによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、スタンピング機または他の同様の方法においてプログレッシブダイを使用して切り出され、および形成されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110上に圧着されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110上に接着および/または溶接されてもよい。他の構成および/または方法も企図される。
【0056】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110とは異なる材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110とは異なる密度を有しされてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ130は、拡張可能なフレームワーク110よりも大きい密度を有してもよい。放射線不透過性マーカ130、複数の放射線不透過性マーカ130、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136などのための材料のいくつかの好適であるが非限定的な例を以下で説明する。
【0057】
上述したように、左心耳50を閉塞するためのシステム10は、その中に延在するルーメン42を有する送達シース40と、送達シース40のルーメン42内に摺動可能に配置されるコアワイヤ30とを含んでもよい。処置の準備をするとき、インプラント100は、送達シース40のルーメン42の中へ移動させられる必要がある。いくつかの例では、インプラント100は、インプラント100が解放前に再位置付けおよび/または除去される必要があるときなど、原位置で送達シース40のルーメン42の中に再被覆および/または移動して戻る必要がある場合がある。図9は、インプラント100が送達シース40のルーメン42内に移動されているときのシステム10および/またはインプラント100の選択された態様を示す。明確さを改善するために、インプラント100の全ての要素および/または特徴が示されているわけではない(または完全に示されていない)。
【0058】
図9に見られるように、インプラント100が送達シース40のルーメン42の中へ移動させられているとき、放射線不透過性マーカ130(および/または複数の放射線不透過性マーカ130、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136など)の近位脚部142は、送達シース40の最遠位端44に係合し、拡張可能なフレームワーク110を半径方向内側に送達シース40の内面から離れるように誘導および/または付勢するための斜面として作用してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、閉塞要素120は、放射線不透過性マーカ130(および/または複数の放射線不透過性マーカ130、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136など)および/または近位脚部142と送達シース40の最遠位端44との間に配置されてもよい。しかしながら、閉塞要素120は、放射線不透過性マーカ130(および/または複数の放射線不透過性マーカ130、第1の放射線不透過性マーカ132、第2の放射線不透過性マーカ134、および第3の放射線不透過性マーカ136など)の近位脚部142の傾斜および/または案内機能に悪影響を及ぼすことはない。
【0059】
図10は、インプラント100に関連付けられた放射線不透過性マーカ230の代替構成を示す。本開示の他の部分にしたがって、いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230は、複数の放射線不透過性マーカ230および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、第3の放射線不透過性マーカなどを含んでもよく、簡潔にするために単数形で説明される。放射線不透過性マーカ230は、拡張可能なフレームワーク110の内面の半径方向内側に配置された管状部材240を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230および/または管状部材240は、拡張可能なフレームワーク110の内面に対して固定されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230および/または管状部材240は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230および/または管状部材240は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの半径方向に最も外側の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230および/または管状部材240は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの最近位の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0060】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230および/または管状部材240は、管状部材240および/または放射線不透過性マーカ230のルーメン242を通って延在するフィラメント244を使用して、拡張可能なフレームワーク110に、および/またはそれに対して固定されてもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント244は、縫合糸、ワイヤ、または他の好適な要素であってもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント244は、固定要素246において一緒に固定および/または定着されてもよい。固定要素246は、結び目、溶接、またはフィラメント244を固定する別の手段であってもよい。他の構成も企図される。
【0061】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ230(および/または複数の放射線不透過性マーカ230および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカなど)および/または管状部材240は、横方向範囲および長手方向範囲を画定し得る。少なくともいくつかの実施形態では、長手方向範囲は、横方向範囲より大きくてもよい。長手方向範囲は、拡張可能なフレームワーク110に対して長手方向に配向されてもよい。他の構成も企図される。
【0062】
図11は、インプラント100に関連付けられた放射線不透過性マーカ330の代替構成を示す。本開示の他の部分にしたがって、いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330は、複数の放射線不透過性マーカ330および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、第3の放射線不透過性マーカなどを含んでもよく、簡潔にするために単数形で説明される。放射線不透過性マーカ330は、拡張可能なフレームワーク110の内面の半径方向内側に配置された平板340を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330および/または平板340は、拡張可能なフレームワーク110の内面に対して固定されてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330および/または平板340は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330および/または平板340は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの半径方向に最も外側の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330および/または平板340は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの最近位の交点またはノードに、および/またはそれに対して位置付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0063】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330および/または平板340は、フィラメント344を使用して拡張可能なフレームワーク110の内面に対して固定されてもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント344は、縫合糸、ワイヤ、または他の好適な要素であってもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント344は、平板340内の1つ以上の開口部を通過してもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント344は、1つ以上の固定要素346において平板340に固定および/または定着されてもよい。1つ以上の固定要素346は、結び目、溶接、またはフィラメント344を固定する別の手段であってもよい。一例では、フィラメント344は、1つ以上の固定要素346において平板340に溶接されるワイヤであってもよい。他の構成も企図される。
【0064】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ330(および/または複数の放射線不透過性マーカ330および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカなど)および/または平板340は、横方向範囲および長手方向範囲を画定し得る。少なくともいくつかの実施形態では、長手方向範囲は、横方向範囲より大きくてもよい。長手方向範囲は、拡張可能なフレームワーク110に対して長手方向に配向されてもよい。他の構成も企図される。
【0065】
図12は、インプラント100および/または閉塞要素120と関連付けられた放射線不透過性マーカ430の代替構成を示す。本開示の他の部分にしたがって、いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430は、複数の放射線不透過性マーカ430および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、第3の放射線不透過性マーカなどを含んでもよく、簡潔にするために単数形で説明される。放射線不透過性マーカ430は、拡張可能なフレームワーク110の外面の半径方向外側に配置された扁平要素440を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430および/または扁平要素440は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの交点またはノードに、および/またはそれを覆って位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430および/または扁平要素440は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの半径方向に最も外側の交点またはノードに、および/またはそれを覆って位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430および/または扁平要素440は、拡張可能なフレームワーク110の複数の相互連結されたストラットの最近位の交点またはノードに、および/またはそれを覆って位置付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0066】
本明細書に説明される他の例とは対照的に、放射線不透過性マーカ430および/または扁平要素440は、閉塞要素120に固定され、および/または固定的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430および/または扁平要素440は、閉塞要素120内に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、扁平要素440は、図13に見られるように、内側に、または閉塞要素120の外側に、部分的に露出されてもよい。いくつかの実施形態では、扁平要素440は、閉塞要素120内に完全に埋め込まれてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、閉塞要素120は、第1の層122および第2の層124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、扁平要素440の少なくとも一部は、閉塞要素120の第1の層122と第2の層124との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、閉塞要素120の第1の層122および第2の層124は、互いに固定して取り付けられてもよい。一例では、閉塞要素120の第1の層122は、閉塞要素120の第2の層124に接着されてもよい。別の例では、閉塞要素120の第1の層122は、閉塞要素120の第2の層124に溶接されてもよい。他の構成も企図される。
【0068】
いくつかの実施形態では、扁平要素440の外側接面は、閉塞要素120の内側接面に対して係合され、接着され、および/またはそれに面してもよく、扁平要素440の内側接面は、閉塞要素120から外方に面してもよく、および/またはインプラント100および/または拡張可能なフレームワーク110の内部に向かって面してもよい。他の構成も企図される。
【0069】
いくつかの実施形態では、扁平要素440は、扁平要素440の近位端におよび/またはその近くに第1のフランジ442と、扁平要素440の遠位端におよび/またはその近くに第2のフランジ444とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のフランジ442および/または第2のフランジ444は、閉塞要素120内に埋め込まれてもよく、および/または閉塞要素120の第1の層122と第2の層124との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のフランジ442の外側接面は、閉塞要素120の第1の層122に向かって面してもよく、第1のフランジ442の内側接面は、閉塞要素120の第2の層124に向かって面してもよい。いくつかの実施形態では、第2のフランジ444の外側接面は、閉塞要素120の第1の層122に向かって面してもよく、第2のフランジ444の内側接面は、閉塞要素120の第2の層124に向かって面してもよい。他の構成も企図される。
【0070】
いくつかの実施形態では、扁平要素440の第1のフランジ442は、閉塞要素120の第1の層122および/または第2の層124に固定して取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、扁平要素440の第2のフランジ444は、閉塞要素120の第1の層122および/または第2の層124に固定して取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、扁平要素440の第1のフランジ442および扁平要素440の第2のフランジ444は、閉塞要素120の第1の層122および/または第2の層124に固定して取り付けられてもよい。他の構成も企図される。
【0071】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカ430(および/または複数の放射線不透過性マーカ430および/または第1の放射線不透過性マーカ、第2の放射線不透過性マーカ、および第3の放射線不透過性マーカなど)および/または扁平要素440は、横方向範囲および長手方向範囲を画定し得る。少なくともいくつかの実施形態では、長手方向範囲は、横方向範囲より大きくてもよい。長手方向範囲は、拡張可能なフレームワーク110に対して長手方向に配向されてもよい。他の構成も企図される。
【0072】
本明細書に開示されるシステムの様々な構成要素(および/または本明細書に開示される他の要素)ならびにその様々な構成要素の様々な構成要素のために使用され得る材料は、医療装置および/またはシステムと一般的に関連付けられるものを含んでもよい。簡単にするために、以下の説明はシステムに言及する。しかしながら、この説明は、限定されないが、インプラント、送達シース、コアワイヤ、拡張可能なフレームワーク、閉塞要素など、および/またはそれらの要素もしくは構成要素などの本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、または装置に適用され得るが、これは、本明細書に説明される装置および方法を限定することを意図しない。
【0073】
いくつかの実施形態では、システムおよび/またはその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例が以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせなど、または他の好適な材料から作製されてもよい。
【0074】
好適な金属および金属合金のいくつかの例としては、444V、444L、および314LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性および/または超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金;ニッケル-クロム-モリブデン合金などの他のニッケル合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276などのUNS:N10276、他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル‐コバルト‐クロム‐モリブデン合金(例えば、MP35-N(商標)などのUNS:R44035)、ニッケル‐モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステンまたはタングステン合金など;コバルト-クロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003);白金強化ステンレス鋼;チタン;これらの組み合わせ;同等のもの;または任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0075】
本明細書で示唆されるように、市販のニッケル-チタン合金またはニチノール合金のファミリーの中には、「線形弾性」または「非超弾性」と称されるカテゴリーがあり、これは、従来の形状記憶および超弾性種と化学的に類似し得るが、別個の有用な機械的特性を示し得る。線形弾性および/または非超弾性ニチノールが、その応力/ひずみ曲線において、超弾性ニチノールが示すような実質的な「超弾性プラトー」または「フラグ領域」を示さないという点で、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、超弾性ニチノールと区別され得る。代わりに、線形弾性および/または非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみが増加するにつれて、応力は、塑性変形が始まるまで、実質的に線形、またはいくらか線形であるが必ずしも完全に線形ではない関係で、あるいは少なくとも、超弾性ニチノールで見られ得る超弾性プラトーおよび/またはフラグ領域より線形である関係で、増加し続ける。したがって、本開示の目的のために、線形弾性および/または非超弾性ニチノールはまた、「実質的に」線形弾性および/または非超弾性ニチノールと称されてもよい。
【0076】
また、場合によっては、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、実質的に弾性のままでありながら(例えば、塑性変形前に)、最大約2~5%のひずみを許容することができるが、超弾性ニチノールは、塑性変形前に最大約8%のひずみを許容することができるという点で、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは超弾性ニチノールと区別することができる。これらの材料は両方とも、塑性変形前に約0.2~0.44パーセントのひずみしか許容できないステンレス鋼(その組成に基づいて区別することもできる)などの他の線形弾性材料と区別することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、広い温度範囲にわたって示差走査熱量測定(DSC)および動的金属熱分析(DMTA)分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金において、約-60℃~約120℃の範囲で、DSCおよびDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化がなくてもよい。したがって、そのような材料の機械的曲げ特性は、全般的に、この非常に広い温度範囲にわたる温度の影響に対して不活性であり得る。いくつかの実施形態では、周囲温度または室温での線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金の機械的曲げ特性は、例えば、それらが超弾性プラトーおよび/またはフラグ領域を示さないという点で、体温での機械的特性と実質的に同じである。換言すれば、広い温度範囲にわたって、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、その線形弾性および/または非超弾性特性および/または性質を維持する。
【0078】
いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、約50~約60重量パーセントニッケルの範囲であってもよく、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、組成は、約54~約57重量パーセントニッケルの範囲である。好適なニッケル-チタン合金の一例は、日本国神奈川県所在の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。他の好適な材料としては、ULTANIUM(商標)(Neo-Metricsから入手可能)およびGUM METAL(登録商標)(Toyotaから入手可能)が挙げられる。いくつかの他の実施形態では、所望の特性を達成するために、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールが使用されてもよい。
【0079】
少なくともいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素の一部または全部はまた、放射線不透過性材料でドープされ、放射線不透過性材料から作製され、または別様に放射線不透過性材料を含んでもよい。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーンまたは別の画像化技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的明るい画像は、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素の位置および/または配向を決定する際にユーザを支援する。放射線不透過性材料のいくつかの例としては、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填材が装填されたポリマー材料などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴画像法(MRI)適合性が、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素に付与される。例えば、システムおよび/またはその構成要素もしくは部分は、画像を実質的に歪めず、実質的なアーチファクト(すなわち、画像内のギャップ)を生成しない材料で作製されてもよい。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生成する可能性があるので、好適でない場合がある。システムまたはその一部は、MRIの機械が撮像できる材料から作製されてもよい。これらの特性を示すいくつかの材料としては、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなど、およびその他が挙げられる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、ポリマーまたは他の好適な材料から作製されてもよく、またはそれを含んでもよい。好適なポリマーのいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane 85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステル系コポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタラートおよび/またはDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)またはElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS 50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、他の好適な材料、またはそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材などが挙げられる。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)と混合されてもよい。例えば、混合物は最大約6%のLCPを含有してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、構造を覆って、または構造の中に配置された織物(fabric)材料を含んでもよい。織物材料は、組織内方成長を促進するように適合されたポリマー材料または生体材料などの生体適合性材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、織物材料は、生体吸収性材料を含んでもよい。好適な織物材料のいくつかの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエチレンなどのポリオレフィン材料、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、および/またはこれらの混合もしくは組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、繊維(textile)材料を含んでもよく、および/または繊維材料から形成されてもよい。好適な繊維材料のいくつかの例としては、フラットな、成形され、撚られ、テクスチャード加工され、予備収縮され、または非収縮され得る合成糸が挙げられ得る。本開示における使用に好適な合成生体適合性糸としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然絹、およびポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、合成糸の少なくとも1つは、金属糸またはガラスもしくはセラミック糸または繊維であってもよい。有用な金属糸としては、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、またはNi-Co-Cr系合金から作製されるか、またはそれらを含有する糸が挙げられる。糸は、炭素、ガラス、またはセラミック繊維をさらに含んでもよい。望ましくは、糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から作製される。糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、またはスパンタイプであってもよい。選択される糸の種類およびデニールは、生体適合性および埋め込み可能なプロテーゼ、より具体的には、望ましい特性を有する血管構造を形成するように選択されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、好適な治療剤を含んでもよく、および/または適切な治療剤で処理されてもよい。好適な治療剤のいくつかの例としては、抗血栓剤(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);抗増殖剤(エノキサパリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞増殖を遮断することができるモノクローナル抗体、ヒルジン、およびアセチルサリチル酸など);抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、およびメサラミンなど);抗腫瘍/抗増殖/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、およびチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔剤(リドカイン、ブピバカイン、およびロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、およびダニ抗血小板ペプチドなど);血管細胞増殖促進剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体アンタゴニスト、転写活性剤、および翻訳促進剤など);血管細胞増殖阻害剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体アンタゴニスト、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子および細胞毒からなる二官能性分子、抗体および細胞毒からなる二官能性分子など);コレステロール低下剤;血管拡張剤;および内因性血管作動性機構を妨害する薬剤が挙げられる。
【0085】
本開示は、多くの点で例示的なものにすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、およびステップの配置に関して変更を行うことができる。これは、適切な範囲で、他の実施形態で使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含んでもよい。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、前記拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、前記拡張可能なフレームワークの長手方向軸線が、前記近位ハブから前記遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる放射線不透過性マーカとを含む、左心耳を閉塞するためのインプラント。
【請求項2】
前記放射線不透過性マーカは、前記拡張した形態において長手方向に配向される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記放射線不透過性マーカが、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部と、第1の横方向タブと、第2の横方向タブとを含み、前記本体部分は、前記拡張可能なフレームワークの外面に対して配置される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記近位脚部および前記遠位脚部は、前記拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在する、請求項3に記載のインプラント。
【請求項5】
前記第1の横方向タブおよび前記第2の横方向タブは、前記拡張可能なフレームワークの一部の周囲に巻き付く、請求項3に記載のインプラント。
【請求項6】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークの内面に対して半径方向内側に配置され、固定された管状部材または平板を含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項7】
前記拡張可能なフレームワークの少なくとも一部を覆って配置された閉塞要素をさらに備える、請求項1に記載のインプラント。
【請求項8】
前記放射線不透過性マーカが、前記閉塞要素内に少なくとも部分的に埋め込まれた扁平要素を含む、請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークの外周の周りに間隔を置いて複数の放射線不透過性マーカを含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項10】
送達シースおよび前記送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されたコアワイヤと、
前記コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる、請求項1~9のいずれか一項に記載のインプラントとを含む、左心耳を閉塞するためのシステム。
【請求項11】
前記放射線不透過性マーカが、前記拡張可能なフレームワークとは異なる材料から形成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記放射線不透過性マーカは、前記拡張可能なフレームワークとは異なる密度を有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
送達シースおよび前記送達シースのルーメン内に摺動可能に配置されたコアワイヤと、
前記コアワイヤの遠位端に解放可能に固定できる左心耳を閉塞するためのインプラントとを含み、前記インプラントは、
つぶれた形態と拡張した形態との間で移行するように構成された拡張可能なフレームワークであって、前記拡張可能なフレームワークは、近位ハブおよび遠位ハブを含み、前記拡張可能なフレームワークの長手方向軸線が、前記近位ハブから前記遠位ハブまで延在する、拡張可能なフレームワークと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第1の放射線不透過性マーカと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第2の放射線不透過性マーカと、
前記拡張した形態において前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に長手方向に位置づけられる第3の放射線不透過性マーカとを含み、
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、前記拡張した形態において前記左心耳の小孔に対して前記拡張可能なフレームワークを位置付けるための平面を画定する、左心耳を閉塞するためのシステム。
【請求項14】
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、各々、本体部分と、近位脚部と、遠位脚部とを含み、
前記本体部分は、前記拡張可能なフレームワークの外面に対して配置され、
前記近位脚部および前記遠位脚部は、前記拡張可能なフレームワークの内部に向かって半径方向内側に延在し、
前記インプラントが前記ルーメン内に移動させられているとき、前記近位脚部は、前記送達シースに係合して、前記拡張可能なフレームワークを半径方向内側に前記送達シースから離れるように付勢する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の放射線不透過性マーカ、前記第2の放射線不透過性マーカ、および前記第3の放射線不透過性マーカは、各々、横方向範囲および長手方向範囲を画定し、前記長手方向範囲が前記横方向範囲よりも大きく、
前記長手方向範囲は、前記拡張可能なフレームワークに対して長手方向に配向される、請求項13または14に記載のシステム。
【国際調査報告】