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特表2024-523487冷媒と水を用いたマルチコネクテッドエアコンシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】冷媒と水を用いたマルチコネクテッドエアコンシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20240621BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20240621BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20240621BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20240621BHJP
   F24F 3/00 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B27/00 P
F25B30/06 T
F25B1/00 381A
F24F5/00 L
F24F3/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579040
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022097286
(87)【国際公開番号】W WO2022267877
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110687908.4
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Qinghuayuan,Haidian District,Beijing 100084,China
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】リー シェンティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユァン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンタオ
(72)【発明者】
【氏名】リィァン チェンジーユー
(72)【発明者】
【氏名】シー ウェンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン バオロン
(57)【要約】
本願は、冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムに関し、複数の空調ユニット(100)の冷媒循環回路(101)、室外熱交換器(102)、室内熱交換器(103)を含み、第1の循環回路(200)、第2の循環回路(300)及び主熱交換器(3)をさらに含み、第1の循環回路(200)と第2の循環回路(300)は主熱交換器(3)により相互の熱交換を実現し、各前記室外熱交換器(102)及び室内熱交換器(103)内にはそれぞれ第2の媒体通路(105)がさらに設けられており、前記第1の循環回路(200)と前記第2の循環回路(300)は、各前記第2の媒体通路(105)を介して、それぞれ各室外熱交換器(102)における第1の媒体通路(104)及び/又は第1の空気熱交換通路(107)、及び各室内熱交換器(103)における第2の媒体通路(105)及び/又は第2の空気熱交換通路(106)と互いに熱交換することができる。当該システムは、自然エネルギーの効率的な利用、エネルギーの回収、除霜、各システムの間の冷熱の自由なスケジューリングを実現することができ、低負荷での運転効率を向上させ、空調システムが年間を通じて安定的かつ効率的に稼働することを確保することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の空調ユニット(100)を含み、各空調ユニット(100)は、それぞれ、冷媒循環回路(101)、少なくとも1つの室外熱交換器(102)及び少なくとも1つの室内熱交換器(103)を含み、各空調ユニット(100)における冷媒循環回路(101)は互いに独立しており、前記室外熱交換器(102)と室内熱交換器(103)内にはそれぞれ第1の媒体通路(104)が設けられており、各空調ユニット(100)における室外熱交換器(102)と室内熱交換器(103)はそれぞれ第1の媒体通路(104)を介して互いに独立している各冷媒循環回路(101)に接続され、膨張弁を設置することにより各室内熱交換器(103)における第1の媒体通路(104)の開放/閉鎖と流量調整をそれぞれ制御し、前記冷媒循環回路(101)内には、冷媒の流れを駆動するための圧縮機、及び冷媒の流動方向を切り替えるための四方切換弁が設けられる冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムであって、
第1の循環回路(200)、第2の循環回路(300)及び主熱交換器(3)をさらに含み、前記第1の循環回路(200)には第1の循環ポンプ(1.1)及び自然エネルギー収集器(2)が設けられており、前記第2の循環回路(300)には第2の循環ポンプ(1.2)が設けられており、前記第1の循環回路(200)と第2の循環回路(300)は前記主熱交換器(3)により相互の熱交換を実現し、各前記室外熱交換器(102)と室内熱交換器(103)内にはそれぞれ第2の媒体通路(105)がさらに設けられており、各前記空調ユニット(100)の室外熱交換器(102)は、それぞれ、内部の第2の媒体通路(105)を介して前記第1の循環回路(200)に並列に接続されており、前記第1の循環回路(200)が各前記第2の媒体通路(105)を介してそれぞれ各室外熱交換器(102)における第1の媒体通路(104)と互いに熱交換することができるようにさせ、各前記室外熱交換器(102)内にはそれぞれ第1の空気熱交換通路(107)がさらに設けられており、前記第1の空気熱交換通路(107)は室外熱交換器(102)における第1の媒体通路(104)及び/又は第2の媒体通路(105)と互いに熱交換し、ファンを設置することにより前記第1の空気熱交換通路(107)内の熱量を気流とともに外部に伝達させ、各前記空調ユニット(100)の室内熱交換器(103)は、それぞれ、内部の第2の媒体通路(105)を介して前記第2の循環回路(300)に並列に接続されており、前記第2の循環回路(300)が各前記第2の媒体通路(105)を介してそれぞれ各室内熱交換器(103)における第1の媒体通路(104)と互いに熱交換することができるようにさせ、バルブを設置することにより各前記室外熱交換器(102)における第2の媒体通路(105)と前記第1の循環回路(200)との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、且つバルブを設置することにより各前記室内熱交換器(103)における第2の媒体通路(105)と前記第2の循環回路(300)との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、各前記室内熱交換器(103)内にはそれぞれ第2の空気熱交換通路(106)がさらに設けられており、前記第2の空気熱交換通路(106)は室内熱交換器(103)における第1の媒体通路(104)及び/又は第2の媒体通路(105)と互いに熱交換し、ファンを設置することにより前記第2の空気熱交換通路(106)内の熱量を気流とともに室内に伝達させることを特徴とする冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項2】
第3の循環回路(400)をさらに含み、前記第3の循環回路(400)には第3の循環ポンプ(1.3)が設けられており、各前記空調ユニット(100)の室内熱交換器(103)は、それぞれ内部の第2の媒体通路(105)を介して前記第3の循環回路(400)に並列に接続されており、前記第3の循環回路(400)が各前記第2の媒体通路(105)を介してそれぞれ各室内熱交換器(103)における第1の媒体通路(104)及び/又は第2の空気熱交換通路(106)と互いに熱交換することができるようにさせ、前記第3の循環回路(400)と前記第2の循環回路(300)との間はバルブを設置することにより分離されており、且つバルブにより第3の循環回路(400)と各第2の媒体通路(105)との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御することを特徴とする
請求項1に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの熱交換装置をさらに含み、前記熱交換装置はそれぞれ前記第2の循環回路(300)及び/又は第3の循環回路(400)に並列に接続されており、バルブを設置することにより、熱交換装置と第2の循環回路(300)との間の開放と閉鎖、及び熱交換装置と第3の循環回路(400)との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御することを特徴とする
請求項2に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項4】
前記第1の循環回路(200)には第1のバイパス(201)が設けられており、前記第1のバイパス(201)は前記自然エネルギー収集器(2)の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、前記第1のバイパス(201)と自然エネルギー収集器(2)の開放と閉鎖を制御することを特徴とする
請求項1に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項5】
前記第1の循環回路(200)には第2のバイパス(202)が並列に接続されており、前記第2の循環回路(300)には第3のバイパス(301)が並列に接続されており、前記第2のバイパス(202)と第3のバイパス(301)はそれぞれ前記主熱交換器(3)の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、前記第2のバイパス(202)、第3のバイパス(301)及び主熱交換器(3)の開放と閉鎖を制御することを特徴とする
請求項1に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項6】
前記第2の循環回路(300)にはバイパスを介して自然エネルギー収集器が接続されており、前記自然エネルギー収集器はバイパスを介して前記第2の循環ポンプ(1.2)と主熱交換器(3)との間に接続されていることを特徴とする
請求項1に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項7】
前記空調ユニット(100)は熱回収機能を有するマルチコネクテッド型空調ユニットであり、それにより、前記空調ユニット(100)は、熱回収機能を実現し、内部の冷媒パイプラインにより複数の室内熱交換器の間の冷熱の相互伝達を実現することができることを特徴とする
請求項1に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項8】
前記自然エネルギー収集器は、地熱エネルギー収集装置、地下熱水熱エネルギー収集装置、太陽熱集熱装置、間接蒸発冷却装置、冷却塔、建物廃熱収集装置、産業廃熱収集装置のうちの少なくとも1つであることを特徴とする
請求項1又は6のいずれか1項に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項9】
前記第1の循環回路(200)、第2の循環回路(300)及び第3の循環回路(400)内の循環媒体は、水又は不凍液であることを特徴とする
請求項2に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【請求項10】
前記第1の循環回路(200)で使用されるブラインと前記第2の循環回路(300)又は前記第3の循環回路(400)で使用されるブラインとが同じ媒体である場合、前記主熱交換器は、前記第1の循環回路(200)と、前記第2の循環回路(300)又は前記第3の循環回路(400)とを結ぶ通路であり、これにより、前記第2の循環回路(300)又は前記第3の循環回路(400)のうちの一方は前記第1の循環回路(200)と組み合わされて第4の循環回路(500)を形成し、前記第2の循環回路(300)又は前記第3の循環回路(400)のうちの他方は第5の循環回路(600)を形成し且つ前記室外熱交換器(102)を並列に接続することを特徴とする
請求項9に記載の冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月21日に提出された、出願番号が2021106879084であり、発明の名称が「冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステム(Multi-connected Air Conditioner with Refrigerant And Water (MACRAW) system)」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本文に組み込まれる。
【0002】
本願は、空調の技術分野に関し、特に、冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
建物の運営に関わるエネルギー消費量及び温室効果ガス排出量は、社会全体の総排出量の約3分の1を占めている。その中の暖房、換気、空調及び家庭用熱水に係るエネルギー消費量の割合は、3分の2以上になっており、建物のエネルギー消費量の最も主要な構成部分となっている。そして、建物の機能及び人々の快適性への要求の向上につれて、エネルギー消費量の割合は年々増加している。従って、空調システムのエネルギー効率を向上させることは、社会の総エネルギー消費量を低減し、省エネ及び排出削減を実現するための重要な方法である。
【0004】
空調システムは主に集中型及び分散型の2つの種類に分けられている。現在、実際に多く適用されている分散型システムは、主にチラーユニットとファンコイルの複合システム、及びマルチコネクテッドエアコンシステムである。チラーユニットとファンコイルの複合システムは、循環水システムを介して各ターミナルをホストに接続し、エネルギーの長距離伝送を実現する。しかしながら、当該技術案は、冷媒と水の熱交換の一環が追加されており、システムの運転エネルギー効率が制限される。一方、マルチコネクテッドエアコンシステムは、直接膨張手段を採用しており、冷媒と空気の直接熱交換の方式により、ユニットのエネルギー効率を向上させる。当該技術案において、冷媒システムの性能は、配管の長さや高低差に大きく影響され、エネルギーの長距離伝送ができなくなり、さらに、水システムの利点を利用して自然エネルギー又は都市用水を用いフリーな冷暖房供給を実現することができない。且つ、公共施設では、一部の部屋には冷房が必要であり、同時に一部の部屋には暖房が必要であることがよくある。現在、主な熱回収解決案は、熱回収型マルチコネクテッドエアコン及び水ループヒートポンプであり、前者はシステムの規模に制限され、低負荷の場合では効率が低く、後者は水ループには冷熱の混合が深刻である問題が存在する。
【0005】
上記した問題を解決するために、出願番号が201920627088.8である中国実用新案にはマルチモード水ループマルチコネクテッド空調システムが開示されている。当該システムは、マルチコネクテッドエアコンシステムの室内熱交換器及び室外熱交換器として、3つの媒体(水、冷媒、空気)のうちのいずれか2つの直接熱交換を実現することができる3媒体熱交換器を採用する。3媒体熱交換器の水回路を接続して水ループを構成することにより、当該システムは水システムと冷媒システムの利点を組み合わせ、複数種のモードの冷暖房供給を実現することができる。例えば、室外熱交換器は空冷式又は水冷式であり、一部の室内熱交換器は冷房すると同時に他の室内熱交換器は暖房する。自然エネルギーを用いてフリーな冷暖房供給を実現し、低負荷の場合では、一部の室外熱交換器が冷風及び熱風、冷水及び熱水を同時に作製して全ての室内熱交換器に供給し、除霜する間において暖房を中断しない。
【0006】
しかしながら、当該システムは適用される時に下記のいくつかの制限及び欠陥がある。
【0007】
1、当該システムは適用される時に実際の運転中に常に発生する効率的で省エネな運転条件にカバーすることができず、そのため、多くの場合では、当該システムは、従来の空調システムと比べると、省エネや機能実現の効果が顕著ではなく、下記のいくつかのよく見られる効率的な運転条件を実現することができない。
【0008】
(1)一部の部屋に冷房が必要であり(例えば、内部領域)、これらの部屋はある時間帯では暖房が必要であり、ある時間帯では冷房が必要である可能性があり、このとき、室外機は主に空冷式暖房を主とし、一般的に除霜する必要がある。つまり、「低負荷冷房と同時に一部のユニットが暖房する時に除霜する」運転モードを実現することができない。
【0009】
(2)単一の水ループを2つのループに切り替えることができるが、室外熱交換器は水源であるが、このとき、室内機には1つの水温しかない。冷房を実現した場合、他の非稼働ユニットの暖房の需要を満たすことができず、暖房を実現した場合、部屋を冷房することができない。つまり、「低負荷冷房と低負荷暖房を同時に行う」運転モードを実現することができない。
【0010】
(3)過渡のシーズンでは、水(グランド)ソースは直接に内部領域の冷房に用いられることは一般的であるが、この場合では低負荷暖房の問題は解決できない。つまり、「自然エネルギーでフリーな冷房を行うと同時に低負荷暖房を行う」運転モードを実現することができない。
【0011】
(4)(3)を参照すると、「低負荷暖房と同時に蒸発器から冷却能力を回収してフリーな冷房を行う」モードを実現することができない。
【0012】
2、当該システムの全ての室内熱交換器は同時に同じ水ループに並列に接続されており、冷房と暖房を同時に行う必要がある場合、いずれか1つの室内熱交換器の冷房と暖房の運転条件を柔軟に切り替えることができない。
【0013】
3、全ての室内熱交換器及び室外熱交換器を1つの水ループのみで接続する場合、室内熱交換器ループと室外熱交換器ループに必要なパラメータが異なると、以下のような欠陥が発生する。
【0014】
(1)当該システムは、バルブの開閉により水ループ全体を室外熱交換器水ループと室内熱交換器水ループに分けることができるが、両者は室外熱交換器水ループのエネルギーを十分に利用するように直接熱交換することができず、つまり、自然エネルギーは室外熱交換器側のループにのみ接続され、室内熱交換器側に直接使用することはできない。
【0015】
(2)自然エネルギーは当該システムの室外側にのみ接続されているため、室内と室外の2つのループが自然エネルギーを同時に使用する需要状況を満たすことができず、つまり、複数種の複合運転モードを実現する必要がある場合、当該システムは実施及び実行することができず、実際に適用される時の実用性及び柔軟性が制限される。
【0016】
4、単一の水ループが2つの水ループに切り替えて運転する場合、2つの圧力基準点が必要となり、1つの水ループに統合された場合では圧力基準点は1つだけで済む。圧力基準点を設定して切り替える必要があるため、システム内の圧力が不安定となり、且つ、当該システムの室外熱交換器ループと室内熱交換器ループは2種類のブラインを使用することができず、例えば、2種類のブラインの不凍及び熱交換の利点を両立させるように、室外熱交換器ループは不凍液を使用し、室内熱交換器ループは水を使用する。
【0017】
5、当該システムは空気供給端末のみを採用し、冬で暖房する時に室内の熱的快適性が悪く、部屋の快適性に対する人々の要求の高まりに対応できなくなる。
【0018】
従って、当該従来技術のシステムは、年間を通じて複数種のモードでの冷暖房方式を実現することができるが、ほとんどのエネルギー使用ニーズに対して、最適で、最も省エネで、最も信頼性の高いシステムではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本願は、冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムを提供し、複数種の運転モードを有することができ、様々な運転モードにより、上記した従来技術特許の機能を実現することができるだけではなく、自然エネルギーの効率的な利用、エネルギーの回収、除霜、各システムの間の冷熱の自由なスケジューリングをさらに実現することができ、低負荷での運転効率を向上させ、空調システムが年間を通じて安定的かつ効率的に稼働することを確保することができる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願は、冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムを提供し、当該システムは、複数の空調ユニットを含み、各空調ユニットは、それぞれ、冷媒循環回路、少なくとも1つの室外熱交換器及び少なくとも1つの室内熱交換器を含み、各空調ユニットにおける冷媒循環回路は互いに独立しており、前記室外熱交換器と室内熱交換器内にはそれぞれ第1の媒体通路が設けられており、各空調ユニットにおける室外熱交換器と室内熱交換器はそれぞれ第1の媒体通路を介して互いに独立している各冷媒循環回路に接続され、膨張弁を設置することにより各室内熱交換器における第1の媒体通路の開放/閉鎖と流量調整をそれぞれ制御し、前記冷媒循環回路内には冷媒の流れを駆動するための圧縮機及び冷媒の流動方向を切り替えるための四方切換弁が設けられており、第1の循環回路、第2の循環回路及び主熱交換器をさらに含み、前記第1の循環回路には第1の循環ポンプ及び自然エネルギー収集器が設けられており、前記第2の循環回路には第2の循環ポンプが設けられており、前記第1の循環回路と第2の循環回路は前記主熱交換器により相互の熱交換を実現し、各前記室外熱交換器と室内熱交換器内にはそれぞれ第2の媒体通路がさらに設けられており、各前記空調ユニットの室外熱交換器は、それぞれ、内部の第2の媒体通路を介して前記第1の循環回路に並列に接続されており、前記第1の循環回路が各前記第2の媒体通路を介してそれぞれ各室外熱交換器における第1の媒体通路と互いに熱交換することができるようにさせ、各前記室外熱交換器内にはそれぞれ第1の空気熱交換通路が設けられており、前記第1の空気熱交換通路は室外熱交換器における第1の媒体通路及び/又は第2の媒体通路と互いに熱交換し、ファンを設置することにより前記第1の空気熱交換通路内の熱量を気流とともに外部に伝達させ、各前記空調ユニットの室内熱交換器は、それぞれ、内部の第2の媒体通路を介して前記第2の循環回路に並列に接続されており、前記第2の循環回路が各前記第2の媒体通路を介してそれぞれ各室内熱交換器における第1の媒体通路と互いに熱交換することができるようにさせ、バルブを設置することにより各前記室外熱交換器における第2の媒体通路と前記第1の循環回路との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、且つバルブを設置することにより各前記室内熱交換器における第2の媒体通路と前記第2の循環回路との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、各前記室内熱交換器内にはそれぞれ第2の空気熱交換通路がさらに設けられており、前記第2の空気熱交換通路は室内熱交換器における第1の媒体通路及び/又は第2の媒体通路と互いに熱交換し、ファンを設置することにより前記第2の空気熱交換通路内の熱量を気流とともに室内に伝達させる。
【0021】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、第3の循環回路をさらに含み、前記第3の循環回路には第3の循環ポンプが設けられており、各前記空調ユニットの室内熱交換器はそれぞれ内部の第2の媒体通路を介して前記第3の循環回路に並列に接続されており、前記第3の循環回路が各前記第2の媒体通路を介してそれぞれ各室内熱交換器における第1の媒体通路及び/又は第2の空気熱交換通路と互いに熱交換することができるようにさせ、前記第3の循環回路と前記第2の循環回路との間はバルブを設置することにより分離されており、且つバルブにより第3の循環回路と各第2の媒体通路との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御する。
【0022】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、少なくとも1つの熱交換装置をさらに含み、前記熱交換装置はそれぞれ前記第2の循環回路及び/又は第3の循環回路に並列に接続されており、バルブを設置することにより、熱交換装置と第2の循環回路との間の開放と閉鎖、及び熱交換装置と第3の循環回路との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御する。
【0023】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記第1の循環回路には第1のバイパスが設けられており、前記第1のバイパスは前記自然エネルギー収集器の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、前記第1のバイパスと自然エネルギー収集器の開放と閉鎖を制御する。
【0024】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記第1の循環回路には第2のバイパスが並列に接続されており、前記第2の循環回路には第3のバイパスが並列に接続されており、前記第2のバイパスと第3のバイパスはそれぞれ前記主熱交換器の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、前記第2のバイパス、第3のバイパス及び主熱交換器の開放と閉鎖を制御する。
【0025】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記第2の循環回路にはバイパスを介して自然エネルギー収集器が接続されており、前記自然エネルギー収集器はバイパスを介して前記第2の循環ポンプと主熱交換器との間に接続されている。
【0026】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、各前記熱交換装置は、天井式放熱器、壁式放熱器、床式放熱器、液体蓄熱器のうちの少なくとも1つである。
【0027】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記空調ユニットは熱回収機能を有するマルチコネクテッド型空調ユニットであり、それにより、前記空調ユニットは熱回収機能を実現し、内部の冷媒パイプラインにより複数の室内熱交換器の間の冷熱の相互伝達を実現することができる。
【0028】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記自然エネルギー収集器は、地熱エネルギー収集装置、地下熱水熱エネルギー収集装置、太陽熱集熱装置、間接蒸発冷却装置、冷却塔、建物廃熱収集装置、産業廃熱収集装置のうちの少なくとも1つである。
【0029】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、各前記空調ユニットは、絞り装置、オイルセパレータ、気液分離器、サブクーラー、絞り装置をさらに含み、前記室外熱交換器、圧縮機、四方切換弁、絞り装置、室内熱交換器、オイルセパレータ、気液分離器及びサブクーラーは共に前記空調ユニットの冷媒循環回路を構成する。
【0030】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記第1の循環回路、第2の循環回路及び第3の循環回路内の循環媒体は、水又は不凍液である。
【0031】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムによれば、前記第1の循環回路で使用されるブラインと前記第2の循環回路又は前記第3の循環回路で使用されるブラインとが同じ媒体である場合、前記主熱交換器は、前記第1の循環回路と、前記第2の循環回路又は前記第3の循環回路とを結ぶ通路であり、これにより、前記第2の循環回路又は前記第3の循環回路のうちの一方は前記第1の循環回路と組み合わされて第4の循環回路を形成し、前記第2の循環回路及び前記第3の循環回路のうちの他方は第5の循環回路を形成し且つ前記室外熱交換器を並列に接続する。
【発明の効果】
【0032】
本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムは、従来技術と比べると、以下のような際立った実質的な特徴及び顕著な技術的進歩を有する。
【0033】
(1)当該システムは、全ての室外熱交換器を1つのループに並列に接続した上で、全ての室内熱交換器をともに他の互いに独立している2つのループに並列に接続し、全ての室内熱交換器の出入口はいずれも2つのループで自由に切り替えて接続することができるため、2つのループの異なる運転パラメータを実現し、室内熱交換器は、異なる部屋の機能に応じて、異なる独立したループを構成するように分割することができる。
【0034】
(2)室外熱交換器が位置するループと室内熱交換器が位置するループは、それぞれ2つの独立したループを採用しており、両者は熱交換器により接続されて熱運転条件を実現する。
【0035】
(3)2つのループは、いずれも自然エネルギー又は他のエネルギー回収機器に接続されて、自然エネルギー又は回収エネルギーをより柔軟に利用し、システムエネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0036】
(4)当該システムは、2つの異なる運転パラメータを実現することができ、各システムの冷熱の自由なスケジューリングを実現し、混合によるエネルギーグレードの損失を回避することができ、且つ異なる種類のブラインを使用し、不凍と熱交換の利点を両立させることができる。
【0037】
(5)本願に係るシステムは複数種の運転モードを有することができ、様々な運転モードにより、特許出願番号が201920627088.8である中国実用新案に開示されたマルチモード水ループマルチコネクテッド空調システムの全ての機能を実現することができるだけではなく、異なるパラメータの自然エネルギーと異なるターミナルのエネルギー需要を容易にマッチングすることもでき、システムの一部の負荷ひいては極めて低い負荷での運転効率をさらに向上させ、冷房の同時供給や暖房の同時供給等の運転条件を回避し、異なるシステム需要によるエネルギーの混合を回避し、冷媒ループ及び水ループの運転パラメータに制限されることなく、室内熱交換器の冷房モード又は暖房モードに自由な切り替えることを実現することができる。
【0038】
(6)間欠的な暖房の供給の迅速な対応と熱的快適性に対する需要のバランスをとることができる。
【0039】
(7)当該システムは、自然エネルギーの効率的な利用、エネルギー回収、各システムの間の冷熱の自由なスケジューリングを実現することができ、熱量を自由にスケジューリングすることにより除霜機能を実現し、低負荷での運転効率を向上させることができ、空調システムが年間を通じて安定的かつ効率的に稼働することを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下、本願又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下に説明する図面は、本願の一部の実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
図1】本願の構造原理の概略図である。
図2】本願の実施形態の概略図である。
図3】本願に係るシステムにおける一部の室外機が水冷すると同時に一部の室外機が空冷する運転モードの動作原理及び構造の概略図である。
図4】本願に係るシステムによって実現される冷房と暖房の同時動作モードの概略図である。
図5】本願に係るシステムによって実現されるフリーな冷房/暖房動作モードの概略図である。
図6】本願に係るシステムによって実現される除霜動作モードの概略図である。
図7】本願に係るシステムによって実現される低負荷動作モードの概略図である。
図8】本願の実施形態の概略図である。
図9】本願に係るシステムによって実現される低負荷暖房+自然エネルギーによるフリーな冷房の運転モードの概略図である。
図10】本願に係るシステムによって実現される低負荷暖房+蒸発器によるフリーな冷房の動作モードの概略図である。
図11】本願に係るシステムによって実現される低負荷暖房+低負荷冷房の動作モードの概略図である。
図12】本願に係るシステムによって実現される低負荷冷房+暖房除霜の動作モードの概略図である。
図13】本願に係るシステムによって実現される間欠的な暖房機能の構造の概略図である。
図14】本願に係るシステムの間欠的な暖房モードの起動段階の概略図である。
図15】本願に係るシステムの間欠的な暖房モードの安定段階の概略図である。
図16】本願に係るシステムの別の実施形態の概略図である。
図17】本願に係るシステムにおける各空調ユニットの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本願の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、本願における図面を参照しながら、本願における技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明する実施形態は、全ての実施形態ではなく、本願の一部の実施形態に過ぎない。本願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしないうちに取得する全ての他の実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0042】
以下、図1を参照しながら本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムを説明し、図1に示すように、複数の空調ユニット100を含み、各空調ユニット100は、それぞれ、冷媒循環回路101、1つの室外熱交換器102及び複数の室内熱交換器103を含み、各空調ユニット100における冷媒循環回路101は互いに独立しており、室外熱交換器102と室内熱交換器103内にはそれぞれ第1の媒体通路104が設けられており、各空調ユニット100における室外熱交換器102と室内熱交換器103はそれぞれ第1の媒体通路104を介して互いに独立している各冷媒循環回路101に接続される。また、各室内熱交換器103における第1の媒体通路104を独立に制御するために、システムのパイプラインに膨張弁を設置することにより各室内熱交換器103における第1の媒体通路104の開放/閉鎖と流量調整をそれぞれ制御する。
【0043】
それと共に、各室外熱交換器102内にはそれぞれ第1の空気熱交換通路107がさらに形成されており、第1の空気熱交換通路107は室外熱交換器102における第1の媒体通路104及び/又は第2の媒体通路105と互いに熱交換し、ファン(図示せず)を取り付けることにより第1の空気熱交換通路107内の熱量を気流とともに外部に伝達させる。同様に、各室内熱交換器103内にはそれぞれ第2の空気熱交換通路106が形成されており、第2の空気熱交換通路106は室内熱交換器103における第1の媒体通路104又は/及び第2の媒体通路105と互いに熱交換し、ファン(図示せず)を取り付けることにより第2の空気熱交換通路106内の熱量を気流とともに室内に拡散して伝達し、即ち、第2の空気熱交換通路106を利用して第1の媒体通路104及び/又は第2の媒体通路105からの熱量を吸収し、その後、ファンにより第2の空気熱交換通路106内の気流を流動させ、第2の空気熱交換通路106内の熱量を気流とともに外部に伝達させることができ、それにより、室内熱交換器103の熱量を各部屋に伝達することができ、各部屋に対して冷房又は暖房を実施する。実際の応用において、室内熱交換器103は3媒体通路を有する3媒体熱交換器である。
【0044】
そして、冷媒循環回路101内には冷媒の流れを駆動するための圧縮機及び冷媒の流動方向を切り替えるための四方切換弁が設けられており、実際の応用において、各空調ユニット100は、絞り装置、オイルセパレータ、気液分離器、サブクーラー、絞り装置をさらに含み、室外熱交換器、圧縮機、四方切換弁、絞り装置、室内熱交換器、オイルセパレータ、気液分離器及びサブクーラーは共に前記空調ユニットの冷媒循環回路を構成する。
【0045】
それ以外、システムには、第1の循環回路200、第2の循環回路300及び主熱交換器3がさらに追加されており、第1の循環回路200には第1の循環ポンプ1.1及び自然エネルギー収集器2が設けられており、第2の循環回路300には第2の循環ポンプ1.2が設けられており、第1の循環回路200と第2の循環回路300は主熱交換器3により相互の熱交換を実現し、各室外熱交換器102と室内熱交換器103内にはそれぞれ第2の媒体通路105がさらに設けられており、各空調ユニット100の室外熱交換器102は、それぞれ、自身の内部の第2の媒体通路105を介して第1の循環回路200に並列に接続されており、それにより、第1の循環回路200が各第2の媒体通路105を介してそれぞれ各室外熱交換器102における第1の媒体通路104と互いに熱交換することができるようにさせ、また、各空調ユニット100の室内熱交換器103は、それぞれ、自身の内部の第2の媒体通路105を介して第2の循環回路300に並列に接続されており、それにより、第2の循環回路300が各第2の媒体通路105を介してそれぞれ各室内熱交換器103における第1の媒体通路104と互いに熱交換することができるようにさせる。
【0046】
各第2の媒体通路105を独立に制御するために、システムのパイプラインにおいて、複数のバルブを設置することにより、各室外熱交換器102における第2の媒体通路105と第1の循環回路200との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、且つバルブを設置することにより各室内熱交換器103における第2の媒体通路105と第2の循環回路300との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御する。
【0047】
さらに、第3の循環回路400をさらに含み、第3の循環回路400には第3の循環ポンプ1.3が設けられており、各空調ユニット100の室内熱交換器103はそれぞれ自身の内部の第2の媒体通路105を介して第3の循環回路400に並列に接続されており、それにより、第3の循環回路400が各第2の媒体通路105を介してそれぞれ各室内熱交換器103における第1の媒体通路104と互いに熱交換することができ、各室内熱交換器103における第2の空気熱交換通路106と互いに熱交換することもできるようにさせる。また、第2の循環回路300と第3の循環回路400をそれぞれ独立に制御するために、第3の循環回路400と第2の循環回路300との間は複数のバルブにより分離されており、且つバルブにより第3の循環回路400と各第2の媒体通路105との開放と閉鎖をそれぞれ制御する。
【0048】
具体的に、第2の循環回路300と第3の循環回路400はそれぞれ複数の分岐回路を追加することによって第2の媒体通路105の両端にそれぞれ接続されており、全ての分岐回路にバルブをそれぞれ設定することにより、第2の循環回路300と第3の循環回路400をそれぞれ独立に切替制御することを実現することができる。
【0049】
第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400内の循環媒体は、水又は不凍液等のブラインである。
【0050】
なお、第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400内で使用される循環媒体は同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400内で使用される循環媒体が同じである場合(例えば、いずれも不凍液である)、第2の循環回路300と第3の循環回路400とのうちの一方を第1の循環回路200と統合し、統合された後の循環回路は第4の循環回路500であり、且つ第5の循環回路600を形成するように室外熱交換器102を第2の循環回路300と第3の循環回路400とのうちの他方に並列に接続するようにしてもよく、このとき、第4の循環回路500は第2の循環回路300及び第3の循環回路400のうちの一方と第1の循環回路200の機能を統合しており、且つ構造がよりシンプルになる。
【0051】
このように、本実施形態において、一方では、全ての循環回路内の循環媒体はいずれも同じであるため、統一的な設定が容易であり、標準化された製造及びメンテナンスが容易であり、他方では、各循環回路内の循環媒体が同じである場合、主熱交換器3は複雑なパイプ繋ぎ等の操作を行う必要がなく、その代わりに2つの循環回路を接続する通路として直接設計することができるため、システムは第4の循環回路500及び第5の循環回路600の2つの循環回路に基づいて、同様の機能を実現でき、且つ元の3つの循環回路の構造と比べると、構造がよりシンプルになり、循環ポンプを1つ削減し、且つ通路型の主熱交換器3の熱交換効率がより高くなり、具体的に、通路型の主熱交換器3は通路内で流通時の熱損失のみを考慮すればよい。
【0052】
無論、上記した実施形態は本願の多くの実施形態のうちの1つに過ぎず、実際の使用過程において、ユーザのニーズに応じて、3つの循環回路の構造又は2つの循環回路の構造を採用することを決定する。
【0053】
また、第1の循環回路200には第1のバイパス201が設けられており、第1のバイパス201は自然エネルギー収集器2の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、第1のバイパス201と自然エネルギー収集器2の開放と閉鎖を制御する。第1の循環回路200には第2のバイパス202が並列に接続されており、第2の循環回路300には第3のバイパス301が並列に接続されており、第2のバイパス202と第3のバイパス301はそれぞれ主熱交換器3の両端に並列に接続されており、それぞれバルブを設置することにより、第2のバイパス202、第3のバイパス301及び主熱交換器3の開放と閉鎖を制御する。
【0054】
オプションとして、第2の循環回路300にはバイパスを介して自然エネルギー収集器が接続されており(図示せず)、自然エネルギー収集器はバイパスを介して第2の循環ポンプ1.2と主熱交換器3との間に接続されている。
【0055】
オプションとして、前記自然エネルギー収集器は、地熱エネルギー収集装置、地下熱水熱エネルギー収集装置、太陽熱集熱装置、間接蒸発冷却装置、冷却塔、建物廃熱収集装置、産業廃熱収集装置のうちの少なくとも1つである。
【0056】
オプションとして、本実施形態に係る空調ユニット100は熱回収機能を有するマルチコネクテッド型空調ユニットであり、それにより、空調ユニット100は熱回収機能を実現して内部の冷媒パイプラインにより複数の室内熱交換器の間の冷熱の相互伝達を実現することができる。
【0057】
オプションとして、本実施形態に係る第1の循環回路200と、第2の循環回路300又は第3の循環回路400とにおいて使用されるブラインが同じ媒体である場合、主熱交換器3を通路に変えて、第1の循環回路200と、第2の循環回路300又は第3の循環回路400とを1つの回路に統合することができる。
【0058】
本願に係るシステムに基づいて、複数種の運転モードを実現することができ、様々な運転モードにより、従来技術の機能を実現することができるだけではなく、自然エネルギーの効率的な利用、エネルギーの回収、除霜、各システムの間の冷熱の自由なスケジューリングをさらに実現することができ、低負荷での運転効率を向上させ、空調システムが年間を通じて安定的かつ効率的に稼働することを確保することができる。以下、システム動作モード図である図2図15、16を参照しながら様々な運転モードを具体的に説明する。
【0059】
図2及び図16、17に示すように、下記のシステム動作モード図において、図2には2つの空調ユニット100が示されており、そのうちの1つの空調ユニット100はC.6であり、最後の空調ユニット100はC.kである。本実施形態において、システムには2つの空調ユニット100があると仮定すると、各空調ユニット100はそれぞれ1つの室外熱交換器102と3つの室内熱交換器103を有し、室外熱交換器102はそれぞれ空調室外機6.5及び7.5を含み、室内熱交換器103はそれぞれ空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3を含み、空調室外機6.5及び7.5における第1の媒体通路104はそれぞれ冷媒パイプライン6.5.2及び7.5.2であり、空調室外機6.5及び7.5における第2の媒体通路105はそれぞれブラインパイプライン6.5.1及び7.5.1であり、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3における第1の媒体通路104はそれぞれ冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2、7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2であり、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3における第2の媒体通路105はそれぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1、7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1であり、その他の各バルブについての具体的な説明は以下のとおりである。
【0060】
(1)空気源動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図3に示すように、圧縮機6.1、7.1は冷媒循環回路101を運転させ、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、室外機におけるファン6.5.3及び7.5.3をオンにし、他のバルブを閉じ、このとき、室外機の冷媒パイプライン6.5.2及び7.5.2は、室外機の第1の空気熱交換通路107を介して外部の空気と熱交換することができ、それにより、空気源動作モードを実現する。
【0061】
(2)水源動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図3に示すように、圧縮機6.1、7.1をオンして冷媒循環回路101を運転させ、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、バルブ6.6、7.6、4.1、4.4を開き、他のバルブを閉じ、第1の循環ポンプ1.1をオンにして第1の循環回路200を運転させ、自然エネルギー収集器2をオンにし、各空調室外機におけるファン6.5.3及び7.5.3をオンにし、このとき、室外機冷媒パイプライン6.5.2はブラインパイプライン6.5.1と熱交換することができ、冷媒パイプライン7.5.2はブラインパイプライン7.5.1と熱交換することができ、それにより、水源動作モードを実現する。
【0062】
(3)空気源と水源の複合動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図3に示すように、圧縮機6.1、7.1をオンにして冷媒循環回路101を運転させ、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、バルブ6.6、4.1、4.4を開き、他のバルブを閉じ、第1の循環回路200内のブラインが空調室外機6.5におけるブラインパイプライン6.5.1のみを通過することを可能にし、また、空調室外機6.5におけるファン6.5.3をオフにし、空調室外機7.5におけるファン7.5.3をオンにし、このとき、空調室外機6.5の冷媒パイプライン6.5.2はブラインパイプライン6.5.1と熱交換して水源動作モードを実現することができ、また、ファン7.5.3の作用で、冷媒パイプライン7.5.2は第1の空気熱交換通路107を介して外部の空気と熱交換して空気源動作モードを実現することができ、従って、システム全体は空気源と水源の複合動作モードを実現することができる。
【0063】
(4)冷房と暖房の同時動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図4に示すように、異なる部屋で同時に冷房と暖房を行う需要が存在する場合、空調室内機6.3.2、6.3.3、7.3.2、7.3.3に暖房の需要があって、そして室内機6.3.1、7.3.1に冷房の需要があると仮定すると、このとき、膨張弁6.4.2、6.4.3、7.4.2、7.4.3を開き、膨張弁6.4.1、7.4.1を閉じ、バルブ4.2、4.3、4.5、6.6、7.6、6.7.1、6.8.1、7.7.1、7.8.1を開き、他のバルブを閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2をオンにして第1の循環回路200及び第2の循環回路300をともに運転させ、第3の循環ポンプ1.3をオフにし、圧縮機6.1、7.1をオンにし、いずれも暖房モードで運転させるように四方切換弁6.2、7.2を調整し、室内機6.3.2、6.3.3、7.3.2、7.3.3が凝縮器となり、室外機6.5、7.5が蒸発器となり、空調室内機6.3.2、6.3.3、7.3.2、7.3.3は、凝縮器として、その冷媒パイプライン6.3.2.2、6.3.3.2、7.3.2.2、7.3.3.2内の熱量がそれぞれファン6.3.2.3、6.3.3.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、ヒートポンプ暖房モードを実現し、そして、空調室外機6.5、7.5は蒸発器として、冷媒パイプライン6.5.2を介してブラインパイプライン6.5.1と熱交換し、冷媒パイプライン7.5.2はブラインパイプライン7.5.1と熱交換し、蒸発冷却能力をブラインパイプライン6.5.1及び7.5.1に伝達し、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、蒸発冷却能力は、ブラインパイプライン6.5.1、ブラインパイプライン7.5.1、第1の循環ポンプ1.1、バルブ4.2、主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ6.6、バルブ7.6、ブラインパイプライン6.5.1、ブラインパイプライン7.5.1を通過して循環回路を形成し、即ち、第1の循環回路200を介して各蒸発器からの蒸発冷却能力を収集し、その後、蒸発冷却能力を主熱交換器3において第2の循環回路300に伝達され、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た蒸発冷却能力は、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ7.7.1、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、バルブ6.8.1、バルブ7.8.1、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、蒸発冷却能力はブラインパイプライン6.3.1.1やブラインパイプライン7.3.1.1を通過する時にファン6.3.1.3、7.3.1.3の作用で第2の空気熱交換通路106における空気に伝達され、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、フリーな冷房モードを実現し、従って、システム全体は、冷房と暖房の同時動作モードを実現することができる。同様に、室内機6.3.2、6.3.3、7.3.2、7.3.3に冷房の需要があって、室内機7.3.2、7.3.3に暖房の需要がある場合、フリーな暖房モードを実現することができる。
【0064】
(5)フリーな冷房/暖房動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図5に示すように、外部の自然エネルギーのパラメータが適切である場合、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、7.4.1、7.4.2、7.4.3を閉じ、バルブ4.1、4.3、4.5、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.7.1、7.7.2、7.7.3、7.8.1、7.8.2、7.8.3を開き、他のバルブを閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2をオンにして第1の循環回路200及び第2の循環回路300をともに運転させ、第3の循環ポンプ1.3をオフにし、自然エネルギー収集器2をオンにし、圧縮機6.1、7.1をオフにし、即ち、冷媒循環回路101の運転を停止し、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、自然エネルギー収集器2の冷熱は自然エネルギー収集器2、バルブ4.1、主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ6.6、バルブ7.6、ブラインパイプライン6.5.1、ブラインパイプライン7.5.1、第1の循環ポンプ1.1、自然エネルギー収集器2を通過して循環回路を形成し(循環回路を形成するように、バルブ6.6及びバルブ7.6のうちの少なくとも1つを開く必要がある)、第1の循環回路200を利用して冷熱を収集し、その後、第1の循環回路200における冷熱は主熱交換器3において第2の循環回路300に伝達され、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷熱は、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ7.7.1、バルブ7.7.2、バルブ7.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ7.8.1、バルブ7.8.2、バルブ7.8.3、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷熱は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1を通過する時、それぞれファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3、7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、冷/熱風を形成して室内の部屋の冷房/暖房の需要を満たし、フリーな冷房/暖房モードを実現する。
【0065】
(6)除霜動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図6に示すように、空気源動作モードを採用して暖房を行い且つ一部の空調室外機に除霜する必要がある場合、空調室外機7.5に除霜する必要があり、室外機6.5に除霜する必要がなく、6つの室内機にいずれも暖房の需要があると仮定すると、このとき、圧縮機7.1を閉じ、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を閉じ、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3を開き、バルブ4.2、4.3、4.5、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.7.1、7.7.2、7.7.3、7.8.1、7.8.2、7.8.3を開き、他のバルブを閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2をオンにして第1の循環回路200及び第2の循環回路300をともに運転させ、第3の循環ポンプ1.3をオフにし、圧縮機6.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁6.2を調整し、室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3が凝縮器となり、室外機6.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、凝縮熱は冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を通過する時、一方では、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、熱量を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた熱量はブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ7.7.1、バルブ7.7.2、バルブ7.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1を通過して循環回路を形成し、熱量の一部はブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1を通過する時に、ファン7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、熱量の他の一部は主熱交換器3を通過する時、第1の循環回路200と熱交換し、熱量を第1の循環回路200に伝達し、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、この部分の熱量は主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ7.6、ブラインパイプライン7.5.1、第1の循環ポンプ1.1、バルブ4.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、熱量はブラインパイプライン7.5.1において除霜するためのものであり、除霜モードを実現する。
【0066】
(7)低負荷動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図7に示すように、複数の空調室内機に冷房/暖房の需要があって室内の負荷が比較的小さい場合、以下、低負荷モードの暖房の需要があることを例として、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3に暖房の需要があるが、各部屋の熱負荷が比較的小さいとすると仮定すると、このとき、圧縮機7.1をオフにし、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を閉じ、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3を開き、バルブ4.6、6.6、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.7.1、7.7.2、7.7.3、7.8.1、7.8.2、7.8.3を開き、他のバルブを閉じ、第2の循環ポンプ1.2をオンにし、第2の循環回路300を運転させ、第3の循環ポンプ1.3をオフにし、自然エネルギー収集器2をオンにし、圧縮機6.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁6.2を調整し、室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3が凝縮器となり、室外機6.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を通過する時、一方では、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2は、それぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、熱量を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、バルブ4.6、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ7.7.1、バルブ7.7.2、バルブ7.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ7.8.1、バルブ7.8.2、バルブ7.8.3、第2の循環ポンプ1.2を通過して循環回路を形成し、熱量は、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1を通過する時、ファン7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、低負荷モードを実現し、同様に、当該システムは、圧縮機7.1をオンにすることだけで上記した機能を実現し、低負荷モードを実現することができ、同様に、当該システムは、冷房の需要を満たし、低負荷モードを実現することもでき、低負荷モードは少量のヒートポンプユニットに負荷を集中させ、ユニットの負荷率を向上させ、ユニットのエネルギー効率の向上に寄与する。
【0067】
さらに、システムに第3の循環回路400が追加された場合、より完全的な動作モードを実現することができ、図8及び図17に示すように、下記のシステム動作モード図において、図9にはそのうちの3つの空調ユニット100が示されており、そのうちの1つの空調ユニット100はC.6であり、2つ目の空調ユニット100はC.7であり、最後の空調ユニット100はC.kである、本実施形態において、システムには3つの空調ユニット100があり、各空調ユニット100はそれぞれ1つの室外熱交換器102及び3つの室内熱交換器103を有すると仮定すると、室外熱交換器102はそれぞれ空調室外機6.5、7.5、8.5を含み、室内熱交換器103はそれぞれ空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3を含み、空調室外機6.5、7.5及び8.5における第1の媒体通路104はそれぞれ冷媒パイプライン6.5.2、7.5.2、8.5.2であり、空調室外機6.5、7.5、8.5における第2の媒体通路105はそれぞれブラインパイプライン6.5.1、7.5.1、8.5.1であり、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3における第1の媒体通路104はそれぞれ冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2、7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2、8.3.1.2、8.3.2.2、8.3.3.2であり、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3における第2の媒体通路105はそれぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1、7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1、8.3.1.1、8.3.2.1、8.3.3.1であるとすると、他の各バルブは以下のとおりであり、具体的に実現可能な動作モードは以下のとおりである。
【0068】
(8)「低負荷暖房+自然エネルギーフリーな冷房」動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図9に示すように、一部の部屋に暖房が必要であり、一部の部屋に冷房が必要であり、且つ部屋の暖房負荷が比較的小さく、自然エネルギーのパラメータが適切である場合、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3に冷房の需要があり、空調室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3に暖房の需要があることを例とする。バルブ4.1、4.3、4.5、6.6、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.9.1、7.9.2、7.9.3、7.10.1、7.10.2、7.10.3、8.9.1、8.9.2、8.9.3、8.10.1、8.10.2、8.10.3を開き、他のバルブを閉じ、圧縮機6.1、8.1をオフにし、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、8.4.1、8.4.2、8.4.3を閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2、第3の循環ポンプ1.3をオンにし、第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400をともに運転させ、自然エネルギー収集器2をオンにし、圧縮機7.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁7.2を調整し、空調室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3が凝縮器となり、室外機7.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2を通過する時、一方では、ファン7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1と熱交換し、熱量を第3の循環回路400に伝達し、第3の循環ポンプ1.3の循環作用で、ブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1において得られた熱量はブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、第3の循環ポンプ1.3、バルブ7.9.1、バルブ7.9.2、バルブ7.9.3、バルブ8.9.1、バルブ8.9.2、バルブ8.9.3、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、バルブ8.10.1、バルブ8.10.2、バルブ8.10.3、第3の循環ポンプ1.3を通過して循環回路を形成し、熱量は、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1を通過する時、ファン8.3.1.3、8.3.2.3、8.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、低負荷暖房モードを実現し、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、自然エネルギーの冷却能力は自然エネルギー収集器2、バルブ4.1、主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ6.6、ブラインパイプライン6.5.1、第1の循環ポンプ1.1、自然エネルギー収集器2を通過して循環回路を形成し(循環回路を形成するように、バルブ6.6及びバルブ8.6のうちの少なくとも1つを開く必要がある)、第1の循環回路200に冷却能力を収集させ、冷却能力は主熱交換器3を通過する時に第2の循環回路300に伝達され、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷却能力は、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷却能力はブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1を通過する時、それぞれファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達され、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、自然エネルギーでフリーな冷房モードを実現し、両方を組み合わせることで、当該システムは「低負荷暖房+自然エネルギーフリーな冷房」モードを実現することができ、一方では、低負荷暖房モードは少量のヒートポンプユニットに負荷を集中させ、ユニットの負荷率を向上させ、ユニットのエネルギー効率の向上に寄与し、他方では、自然エネルギーを利用してフリーな冷房を行うことは、ヒートポンプユニットの冷房のためのエネルギー消費量を節約することができる。
【0069】
(9)「低負荷暖房+蒸発器によるフリーな冷房」動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図10に示すように、一部の部屋に暖房が必要であり、一部の部屋に冷房が必要であり、且つ部屋の暖房負荷が比較的小さい場合、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3に冷房の需要があり、空調室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3に暖房の需要があることを例とする。バルブ4.2、4.3、4.5、7.6、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.9.1、7.9.2、7.9.3、7.10.1、7.10.2、7.10.3、8.9.1、8.9.2、8.9.3、8.10.1、8.10.2、8.10.3を開き、他のバルブを閉じ、自然エネルギー収集器2をオフにし、圧縮機6.1、8.1をオフにし、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、8.4.1、8.4.2、8.4.3を閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2、第3の循環ポンプ1.3をオンにして第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400をともに運転させ、圧縮機7.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁7.2を調整し、室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3が凝縮器となり、室外機7.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2を通過する時、一方では、ファン7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1と熱交換し、熱量を第3の循環回路400に伝達し、第3の循環ポンプ1.3の循環作用で、ブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、第3の循環ポンプ1.3、バルブ7.9.1、バルブ7.9.2、バルブ7.9.3、バルブ8.9.1、バルブ8.9.2、バルブ8.9.3、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、バルブ8.10.1、バルブ8.10.2、バルブ8.10.3、第3の循環ポンプ1.3を通過して循環回路を形成し、熱量はブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1を通過する時、ファン8.3.1.3、8.3.2.3、8.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、低負荷暖房モードを実現し、室外機7.5が蒸発器として生成した冷却能力は熱交換により冷媒パイプライン7.5.2からブラインパイプライン7.5.1に伝達され、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、冷媒パイプライン7.5.1の冷却能力は、ブラインパイプライン7.5.1、第1の循環ポンプ1.1、バルブ4.2、主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ7.6、ブラインパイプライン7.5.1を通過して循環回路を形成し、第1の循環回路200に冷却能力を収集させ、冷却能力は主熱交換器3を通過する時に第2の循環回路300に伝達され、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプラインが主熱交換器3において得た冷却能力は、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷却能力はブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1を通過する時、それぞれファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達され、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、蒸発器によるフリーな冷房モードを実現し、両方を組み合わせることで、当該システムは、「低負荷暖房+蒸発器によるフリーな冷房」モードを実現することができ、一方では、低負荷暖房モードは少量のヒートポンプユニットに負荷を集中させ、ユニットの負荷率を向上させ、ユニットのエネルギー効率の向上に寄与し、他方では、ヒートポンプユニットの暖房を行う時に蒸発器が生成した冷却能力を利用してフリーな冷房を行うことは、ヒートポンプユニットの冷房のためのエネルギー消費量を節約することができる。
【0070】
(10)「低負荷暖房+低負荷冷房」動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図11に示すように、一部の部屋に暖房が必要であり、一部の部屋に冷房が必要であり、且つ部屋の冷・熱負荷がいずれも比較的小さい場合、室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3、7.3.1に冷房の需要があり、室内機7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3に暖房の需要があることを例とする。バルブ4.6、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.7.1、7.8.1、7.9.2、7.9.3、7.10.2、7.10.3、8.9.1、8.9.2、8.9.3、8.10.1、8.10.2、8.10.3を開き、他のバルブを閉じ、自然エネルギー収集器2をオフにし、圧縮機7.1をオフにし、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、8.4.1、8.4.2、8.4.3を開き、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を閉じ、第1の循環ポンプ1.1をオフにし、第2の循環ポンプ1.2、第3の循環ポンプ1.3をオンにし、第2の循環回路300及び第3の循環回路400を共に運転させ、圧縮機6.1をオンにし、冷房モードで運転させるように四方切換弁6.2を調整し、室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3が蒸発器となり、室外機6.5が凝縮器となり、圧縮機8.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁8.2を調整し、室内機8.3.1、8.3.2、8.3.3が凝縮器となり、室外機8.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、圧縮機6.1によって製造された冷却能力は冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を通過する時、一方では、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達され、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、冷却能力を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた冷却能力は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、バルブ4.6、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ7.7.1、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、ブラインパイプライン7.3.1.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ7.8.1、第2の循環ポンプ1.2を通過して循環回路を形成し、冷却能力はブラインパイプライン7.3.1.1を通過する時、ファン7.3.1.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて熱交換し、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、低負荷冷房モードを実現し、また、ヒートポンプ循環の作用で、圧縮機8.1によって製造された熱量は冷媒パイプライン8.3.1.2、8.3.2.2、8.3.3.2を通過する時、一方では、ファン8.3.1.3、8.3.2.3、8.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン8.3.1.2、8.3.2.2、8.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン8.3.1.1、8.3.2.1、8.3.3.1と熱交換し、熱量を第3の循環回路400に伝達し、第3の循環ポンプ1.3の循環作用で、ブラインパイプライン8.3.1.1、8.3.2.1、8.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1、バルブ8.10.1、バルブ8.10.2、バルブ8.10.3、第3の循環ポンプ1.3、バルブ7.9.2、バルブ7.9.3、バルブ8.9.1、バルブ8.9.2、バルブ8.9.3、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、バルブ8.10.1、バルブ8.10.2、バルブ8.10.3、第3の循環ポンプ1.3を通過して循環回路を形成し、熱量はブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1を通過する時、ファン7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、低負荷暖房モードを実現し、両方を組み合わせることで、当該システムは、「低負荷暖房+低負荷冷房」モードを実現することができ、当該モードは少量のヒートポンプユニットに負荷を集中させ、ユニットの負荷率を向上させ、ユニットのエネルギー効率の向上に寄与する。
【0071】
(11)「低負荷冷房+暖房除霜」動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図11における「低負荷暖房+低負荷冷房」モードに基づいて、暖房モードにある圧縮機8.1が一定時間運転した後、室外機8.5に着霜する可能性が有り、このとき、バルブ4.2、4.4、6.6、8.6を開き、第1の循環ポンプ1.1をオンにし、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、空調室外機6.5が凝縮器として生成した熱量は、ブラインパイプライン6.5.1、第1の循環ポンプ1.1、バルブ4.2、バルブ4.4、バルブ6.6、バルブ8.6、ブラインパイプライン6.5.1、ブラインパイプライン8.5.1、第1の循環ポンプ1.1を通過して循環回路を形成し、熱量はブラインパイプライン8.5.1において除霜に用いられ、暖房除霜モードを実現し、図11における「低負荷暖房+低負荷冷房」モードと組み合わせることで、図12は「低負荷冷房+暖房除霜」モードを実現することができ、除霜に必要なエネルギー消費量を低減し、暖房の信頼性を向上させた。
【0072】
また、図13に示すように、部屋の間欠的な暖房機能を実現するために、本実施形態は、複数の熱交換装置をさらに含み、熱交換装置は、それぞれ第2の循環回路300及び第3の循環回路400に並列に接続されており、バルブを設置することにより熱交換装置と第2の循環回路300との間の開放と閉鎖、及び熱交換装置と第3の循環回路400との間の開放と閉鎖をそれぞれ制御し、各熱交換装置は、天井式放熱器、壁式放熱器、床式放熱器、液体蓄熱器のうちの少なくとも1つである。熱交換装置を増やすことにより、システムに以下の動作モードを実現させることができる。
【0073】
(12)「間欠的暖房」モードの起動段階の運転過程は以下のとおりである。
図14に示すように、2つの熱交換装置、2つの空調ユニット100があり、各空調ユニット100が3つの空調室内機を有すると仮定する。空調室内機6.3.1、空調室内機6.3.2、空調室内機6.3.3、熱交換装置5.1が同じ部屋(第1の部屋)に属し、空調室内機7.3.1、空調室内機7.3.2、空調室内機7.3.3、熱交換装置5.2が同じ部屋(第2の部屋)に属することを例として、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に暖房の需要がないことを例とする。圧縮機6.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁6.2を調整し、室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3が凝縮器となり、室外機6.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を通過する時、一方では、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、迅速な対応という需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、熱量を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、バルブ4.6、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ5.2.1、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、熱交換装置5.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ5.3.1、第2の循環ポンプ1.2を通過して循環回路を形成し、熱量は熱交換装置5.1を通過する時、放射により放熱して室内の部屋の暖房の需要を満たす。同様に、第2の部屋のみに暖房の需要があり、第1の部屋及び第2の部屋にいずれも暖房の需要がある場合等、圧縮機7.1のみをオンにし、又は圧縮機6.1や7.1を同時にオンすることにより、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、部屋に冷房の需要がある場合、上記の機能を実現することもでき、ここではこれ以上贅言せず、同様に、第1と第2の部屋に異なる暖房/冷房の需要がある場合、例えば、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に冷房の需要がある場合、図10図13における運転モードを参照して上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、人が室内に比較的短かい時間滞在し、放射熱交換ターミナルの温度がターゲット温度に達する前に退室する場合、放射暖房ターミナルに熱水を供給することなく、起動段階で熱風のみを生成すればよく、ここではこれ以上贅言せず、同様に、必ずしも各部屋の複数の室内機を全てオンにすることなく、そのうちの一部をオンにすることだけでも、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、各部屋は1つの放射熱交換装置(例えば、熱交換装置5.1)のみを有することに限らず、部屋が複数の熱交換装置を有する場合でも、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、間欠的な暖房モードの起動段階では、このシステムは熱風も熱水も生成することができ、熱風で室内の温度を向上させる速度が比較的速いが、熱慣性のため、熱水を放射熱交換ターミナルに導入して室内の温度を向上させる速度が比較的遅く、部屋に予め暖房が行われておらず、部屋の温度が比較的低い場合、室内の温度を素早く向上させるために、熱風を送風することを採用して温度を素早く向上させ、生成した熱水を放射暖房ターミナルに導入して室内の温度をゆっくり向上させ、両方は同時に昇温の作用を奏する。
【0074】
(12)「間欠的暖房」モードの安定段階の運転過程は以下のとおりである。
図15に示すように、2つの熱交換装置、2つの空調ユニット100があり、各空調ユニット100に3つの空調室内機があると仮定する。室内機6.3.1、室内機6.3.2、室内機6.3.3、熱交換装置5.1が同じ部屋(第1の部屋)に属し、室内機7.3.1、室内機7.3.2、室内機7.3.3、熱交換装置5.2が同じ部屋(第2の部屋)に属することを例として、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に暖房の需要があることを例とする。図12における間欠的な暖房モードの起動段階の運転に基づいて、室内の温度が必要な温度に達し又は近い場合、このとき、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3をオフにし、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を介して、それぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、熱量を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、バルブ4.6、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ5.2.1、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、熱交換装置5.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ5.3.1、第2の循環ポンプ1.2を通過して循環回路を形成し、熱量は熱交換装置5.1を通過する時、放射により放熱して室内の部屋の暖房の需要を満たす。このようなモードにより、安定段階で放射による暖房を優先的に採用して室内の快適性の要求を満たす。同様に、第2の部屋のみに暖房の需要がある場合、第1の部屋及び第2の部屋にいずれも暖房の需要がある場合等、圧縮機7.1のみをオンにし、又は圧縮機6.1や7.1を同時にオンすることにより、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、部屋に冷房の需要がある場合、上記の機能を実現することもでき、ここではこれ以上贅言せず、同様に、第1と第2の部屋に異なる暖房/冷房の需要がある場合、例えば、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に冷房の需要がある場合、図10図13における運転モードを参照して上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、各部屋は1つの放射熱交換装置(例えば、熱交換装置5.1)のみを有することに限らず、部屋が複数の熱交換装置を有する場合でも、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、間欠的な暖房モードの起動段階を経た後、熱水が導入された放射熱交換ターミナルの温度が既にターゲット温度に達し、間欠的な暖房モードの安定段階に入った場合、このとき、熱風を送風する必要がなく、放射暖房ターミナルのみで熱負荷を負担し、放射暖房に必要な温度グレードが熱風より低く、従って、熱風を送風する必要がなくなった場合、ヒートポンプユニットが供給する温度グレードを低くすることができ、ユニット効率の向上に寄与し、エネルギー消費量を低減する。
【0075】
図14の間欠的な暖房モードの起動段階及び図15の間欠的な暖房モードの安定段階の2つのモードに対して、起動段階で熱風を優先的に採用して迅速に応答し、安定に運転したら冷熱水放射による冷熱供給を主とし、安定段階モードでより低いグレードのエネルギーを採用してエネルギー消費量を低減し、従って、当該2つのモードは、熱慣性が大きいため遮断に不便であるという放射暖房の欠点を回避し、放射による冷房/暖房の間欠的な運転を実現することができる。
【0076】
図16に示すように、第1の循環回路200及び第3の循環回路400に使用されるブラインが同じ媒体である場合、主熱交換器3を通路に変えて、第1の循環回路200と第3の循環回路400とを1つの循環回路に統合することができる。当該実施形態は、同様に、図2図15における運転モードを実現することができ、本実施形態に係るシステムが上記の運転モードを実現する原理及び操作態様は上述した実施形態と類似しているので、本願はここでこれ以上贅言しない。第1の循環回路200と他の循環回路が同じブラインを使用する場合、当該態様によりパイプライン材料を節約するだけではなく、主熱交換器3での異なる媒体の熱交換によるエネルギーグレードの損失を低減することができ、エネルギーが自由にスケジューリングされる時の冷媒と水を備えるマルチコネクテッドエアコンの効率をさらに向上させる。
【0077】
上記した各運転モードから分かるように、本願に係る冷媒と水を用いたマルチモードマルチコネクテッドエアコンシステムは、従来技術と比べると、以下のような際立った実質的な特徴及び顕著な技術的進歩を有する。
【0078】
(1)当該システムは、全ての室外熱交換器を1つのループに並列に接続した上で、全ての室内熱交換器をともに他の互いに独立している2つのループに並列に接続し、全ての室内熱交換器の出入口はいずれも2つのループで自由に切り替えて接続することができるため、2つのループの異なる運転パラメータを実現し、室内熱交換器は、異なる部屋の機能に応じて、異なる独立したループを構成するように分割することができる。
【0079】
(2)室外熱交換器が位置するループと室内熱交換器が位置するループは、それぞれ2つの独立したループを採用しており、両者は熱交換器により接続されて熱運転条件を実現する。
【0080】
(3)2つのループは、いずれも自然エネルギー又は他のエネルギー回収機器に接続されて、自然エネルギー又は回収エネルギーをより柔軟に利用し、システムエネルギー効率をさらに向上させることができる。
【0081】
(4)当該システムは、2つの異なる運転パラメータを実現することができ、各システムの冷熱の自由なスケジューリングを実現し、混合によるエネルギーグレードの損失を回避することができ、且つ異なる種類のブラインを使用し、不凍と熱交換の利点を両立させることがでる。
【0082】
(5)本願に係るシステムは複数種の運転モードを有することができ、様々な運転モードにより、特許出願番号が201920627088.8である中国実用新案に開示されたマルチモード水ループマルチコネクテッド空調システムの全ての機能を実現することができるだけではなく、異なるパラメータの自然エネルギーと異なるターミナルのエネルギー需要を容易にマッチングすることもでき、システムの一部の負荷ひいては極めて低い負荷での運転効率をさらに向上させ、冷房の同時供給や暖房の同時供給等の運転条件を回避し、異なるシステム需要によるエネルギーの混合を回避し、冷媒ループ及び水ループの運転パラメータに制限されることなく、室内熱交換器の冷房モード又は暖房モードに自由な切り替えることを実現することができる。
【0083】
(6)間欠的な暖房の供給の迅速な対応と熱的快適性に対する需要のバランスをとることができる。
【0084】
(7)当該システムは、自然エネルギーの効率的な利用、エネルギー回収、各システムの間の冷熱の自由なスケジューリングを実現することができ、熱量を自由にスケジューリングすることにより除霜機能を実現し、低負荷での運転効率を向上させることができ、空調システムが年間を通じて安定的かつ効率的に稼働することを確保することができる。
【0085】
最後に説明すべきことは、上記の実施形態は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではないことである。上記の実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記の各実施形態に記載の技術案を修正し、又はその一部の技術的特徴を等価的に置き換えることができ、これらの修正又は置き換えは、対応する技術案の本質を本願の各実施形態の技術案の趣旨及び範囲から逸脱させない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本願は、2021年6月21日に提出された、出願番号が2021106879084であり、発明の名称が「冷媒と水を用いたマルチコネクテッドエアコンシステム(Multi-connected Air Conditioner with Refrigerant And Water (MACRAW) system)」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本文に組み込まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
(9)「低負荷暖房+蒸発器によるフリーな冷房」動作モードを実現する過程は以下のとおりである。
図10に示すように、一部の部屋に暖房が必要であり、一部の部屋に冷房が必要であり、且つ部屋の暖房負荷が比較的小さい場合、空調室内機6.3.1、6.3.2、6.3.3に冷房の需要があり、空調室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3、8.3.1、8.3.2、8.3.3に暖房の需要があることを例とする。バルブ4.2、4.3、4.5、7.6、6.7.1、6.7.2、6.7.3、6.8.1、6.8.2、6.8.3、7.9.1、7.9.2、7.9.3、7.10.1、7.10.2、7.10.3、8.9.1、8.9.2、8.9.3、8.10.1、8.10.2、8.10.3を開き、他のバルブを閉じ、自然エネルギー収集器2をオフにし、圧縮機6.1、8.1をオフにし、膨張弁7.4.1、7.4.2、7.4.3を開き、膨張弁6.4.1、6.4.2、6.4.3、8.4.1、8.4.2、8.4.3を閉じ、第1の循環ポンプ1.1、第2の循環ポンプ1.2、第3の循環ポンプ1.3をオンにして第1の循環回路200、第2の循環回路300及び第3の循環回路400をともに運転させ、圧縮機7.1をオンにし、暖房モードで運転させるように四方切換弁7.2を調整し、室内機7.3.1、7.3.2、7.3.3が凝縮器となり、室外機7.5が蒸発器となり、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2を通過する時、一方では、ファン7.3.1.3、7.3.2.3、7.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、他方では、冷媒パイプライン7.3.1.2、7.3.2.2、7.3.3.2はそれぞれブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1と熱交換し、熱量を第3の循環回路400に伝達し、第3の循環ポンプ1.3の循環作用で、ブラインパイプライン7.3.1.1、7.3.2.1、7.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、第3の循環ポンプ1.3、バルブ7.9.1、バルブ7.9.2、バルブ7.9.3、バルブ8.9.1、バルブ8.9.2、バルブ8.9.3、ブラインパイプライン7.3.1.1、ブラインパイプライン7.3.2.1、ブラインパイプライン7.3.3.1、ブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1、バルブ7.10.1、バルブ7.10.2、バルブ7.10.3、バルブ8.10.1、バルブ8.10.2、バルブ8.10.3、第3の循環ポンプ1.3を通過して循環回路を形成し、熱量はブラインパイプライン8.3.1.1、ブラインパイプライン8.3.2.1、ブラインパイプライン8.3.3.1を通過する時、ファン8.3.1.3、8.3.2.3、8.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達されて、熱風を形成して室内の部屋の暖房の需要を満たし、低負荷暖房モードを実現し、室外機7.5が蒸発器として生成した冷却能力は熱交換により冷媒パイプライン7.5.2からブラインパイプライン7.5.1に伝達され、第1の循環ポンプ1.1の循環作用で、ブラインパイプライン7.5.1の冷却能力は、ブラインパイプライン7.5.1、第1の循環ポンプ1.1、バルブ4.2、主熱交換器3、バルブ4.3、バルブ7.6、ブラインパイプライン7.5.1を通過して循環回路を形成し、第1の循環回路200に冷却能力を収集させ、冷却能力は主熱交換器3を通過する時に第2の循環回路300に伝達され、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプラインが主熱交換器3において得た冷却能力は、主熱交換器3、バルブ4.5、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、主熱交換器3を通過して循環回路を形成し、第2の循環回路300が主熱交換器3において得た冷却能力はブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1を通過する時、それぞれファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3の作用で、第2の空気熱交換通路106における空気に伝達され、冷風を形成して室内の部屋の冷房の需要を満たし、蒸発器によるフリーな冷房モードを実現し、両方を組み合わせることで、当該システムは、「低負荷暖房+蒸発器によるフリーな冷房」モードを実現することができ、一方では、低負荷暖房モードは少量のヒートポンプユニットに負荷を集中させ、ユニットの負荷率を向上させ、ユニットのエネルギー効率の向上に寄与し、他方では、ヒートポンプユニットの暖房を行う時に蒸発器が生成した冷却能力を利用してフリーな冷房を行うことは、ヒートポンプユニットの冷房のためのエネルギー消費量を節約することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
(13)「間欠的暖房」モードの安定段階の運転過程は以下のとおりである。
図15に示すように、2つの熱交換装置、2つの空調ユニット100があり、各空調ユニット100に3つの空調室内機があると仮定する。室内機6.3.1、室内機6.3.2、室内機6.3.3、熱交換装置5.1が同じ部屋(第1の部屋)に属し、室内機7.3.1、室内機7.3.2、室内機7.3.3、熱交換装置5.2が同じ部屋(第2の部屋)に属することを例として、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に暖房の需要があることを例とする。図12における間欠的な暖房モードの起動段階の運転に基づいて、室内の温度が必要な温度に達し又は近い場合、このとき、ファン6.3.1.3、6.3.2.3、6.3.3.3をオフにし、ヒートポンプ循環の作用で、製造された熱量は、冷媒パイプライン6.3.1.2、6.3.2.2、6.3.3.2を介して、それぞれブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1と熱交換し、熱量を第2の循環回路300に伝達し、第2の循環ポンプ1.2の循環作用で、ブラインパイプライン6.3.1.1、6.3.2.1、6.3.3.1において得られた熱量は、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、第2の循環ポンプ1.2、バルブ4.6、バルブ6.7.1、バルブ6.7.2、バルブ6.7.3、バルブ5.2.1、ブラインパイプライン6.3.1.1、ブラインパイプライン6.3.2.1、ブラインパイプライン6.3.3.1、熱交換装置5.1、バルブ6.8.1、バルブ6.8.2、バルブ6.8.3、バルブ5.3.1、第2の循環ポンプ1.2を通過して循環回路を形成し、熱量は熱交換装置5.1を通過する時、放射により放熱して室内の部屋の暖房の需要を満たす。このようなモードにより、安定段階で放射による暖房を優先的に採用して室内の快適性の要求を満たす。同様に、第2の部屋のみに暖房の需要がある場合、第1の部屋及び第2の部屋にいずれも暖房の需要がある場合等、圧縮機7.1のみをオンにし、又は圧縮機6.1や7.1を同時にオンすることにより、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、部屋に冷房の需要がある場合、上記の機能を実現することもでき、ここではこれ以上贅言せず、同様に、第1と第2の部屋に異なる暖房/冷房の需要がある場合、例えば、第1の部屋に暖房の需要があり、第2の部屋に冷房の需要がある場合、図10図13における運転モードを参照して上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、同様に、各部屋は1つの放射熱交換装置(例えば、熱交換装置5.1)のみを有することに限らず、部屋が複数の熱交換装置を有する場合でも、上記の機能を実現することができ、ここではこれ以上贅言せず、間欠的な暖房モードの起動段階を経た後、熱水が導入された放射熱交換ターミナルの温度が既にターゲット温度に達し、間欠的な暖房モードの安定段階に入った場合、このとき、熱風を送風する必要がなく、放射暖房ターミナルのみで熱負荷を負担し、放射暖房に必要な温度グレードが熱風より低く、従って、熱風を送風する必要がなくなった場合、ヒートポンプユニットが供給する温度グレードを低くすることができ、ユニット効率の向上に寄与し、エネルギー消費量を低減する。
【国際調査報告】