(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】圧縮清掃物品を製造するための組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/06 20060101AFI20240621BHJP
C11D 7/04 20060101ALI20240621BHJP
C11D 7/08 20060101ALI20240621BHJP
C11D 7/14 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C11D17/06
C11D7/04
C11D7/08
C11D7/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579089
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2022056079
(87)【国際公開番号】W WO2023275802
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ザン,チュンジー
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ダグラス エム.
(72)【発明者】
【氏名】レング,シウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ギュネス,セダト
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003BA01
4H003DA06
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA20
4H003EA25
4H003EB08
4H003ED02
4H003FA20
4H003FA28
(57)【要約】
本発明は、結合剤と、ガス発生剤と、酸と、少なくとも約0.1%の水と、を含む清掃組成物である。清掃物品は、少なくとも約10のエージング後ショアA硬度、最大約100のエージング後ショアD硬度、及び約1分~約60分の溶解時間を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃物品であって、
結合剤と、
ガス発生剤と、
酸と、
少なくとも約0.1%の水と、を含み、
前記清掃物品が、少なくとも約10のエージング後ショアA硬度、最大約100のエージング後ショアD硬度、及び約1分~約60分の溶解時間を有する、清掃物品。
【請求項2】
キレート剤、界面活性剤、親水剤、滑沢剤、離型剤、酸化剤、芳香剤、及び固化防止剤のうちの1つを更に含む、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項3】
前記清掃物品が固化防止剤を含む場合、前記固化防止剤が疎水性である、請求項2に記載の清掃物品。
【請求項4】
前記結合剤が、無機結合剤である、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項5】
前記無機結合剤が、前記水と反応する、請求項4に記載の清掃物品。
【請求項6】
前記結合剤が、硫酸カルシウム半水和物、ケイ酸塩、無水硫酸カルシウム、メタケイ酸塩、又はセメントのうちの1つである、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項7】
前記清掃物品が、少なくとも約30のエージング後ショアA硬度を有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項8】
前記清掃物品が、少なくとも約50のエージング後ショアA硬度を有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項9】
前記清掃物品が、約5分~約40分の溶解時間を有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項10】
前記清掃物品が、約10分~約30分の溶解時間を有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項11】
前記清掃物品が、水に溶解したときに約0~約6のpHを有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項12】
前記清掃物品が、機械的な力を用いて又は用いずに使用されるときに清掃効率性を有する、請求項1に記載の清掃物品。
【請求項13】
固体清掃組成物であって、
水と反応して硬化し、硬化構造を形成する無機結合剤と、
ガス発生剤と、
酸と、
水含有液体と、を含む、固体清掃組成物
【請求項14】
前記無機結合剤が、硫酸カルシウム半水和物、ケイ酸塩、無水硫酸カルシウム、メタケイ酸塩、又はセメントのうちの1つである、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項15】
前記固体清掃組成物が、少なくとも約10のエージング後ショアA硬度を有する、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項16】
前記固体清掃組成物が、最大約100のエージング後ショアD硬度を有する、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項17】
前記固体清掃組成物が、約1分~約60分の溶解時間を有する、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項18】
前記固体清掃組成物が、水に溶解したときに約0~約6のpHを有する、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項19】
前記固体清掃組成物が、機械的な力を用いて又は用いずに使用されるときに清掃効率性を有する、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【請求項20】
キレート剤、界面活性剤、親水剤、滑沢剤、離型剤、酸化剤、芳香剤、及び固化防止剤のうちの1つを更に含む、請求項13に記載の固体清掃組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、清掃組成物の分野に関する。特に、本発明は、トイレ用清掃組成物である。
【背景技術】
【0002】
トイレの清掃は、不快であるが必要な作業である。トイレを清掃する現在の方法は、一般的に、便器内に洗浄剤を適用し、次いで、便器を手持ち式道具で擦ることを伴う。手持ち式道具は、一般に、便器の内面を洗い流してデブリ及び汚れを除去するために使用することができる剛毛又は清掃ヘッドを含む。便器を手で清掃する必要があるため、トイレを清掃する人はトイレのすぐ近くにいなければならず、ほとんどの人が魅力を感じない状態である。
【0003】
便器を清掃しながら便器からの距離をより大きくする試みにおいて、便器を手で擦る必要なしにデブリ及び汚れを清掃するために便器に落とすことができる様々な製品が開発されてきた。しかしながら、これらの製品のほとんどは、微生物汚れを死滅させるために、それらの不快できつい臭気及び問題のある環境プロファイルを有する漂白剤又は他の刺激の強い化学物質を含む。他の製品は、漂白剤を含まないが、便器を十分に清掃しない。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、本発明は、結合剤と、ガス発生剤と、酸と、少なくとも約0.1%の水と、を含む清掃組成物である。清掃物品は、少なくとも約10のエージング後ショアA硬度、最大約100のエージング後ショアD硬度、及び約1分~約60分の溶解時間を有する。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、水と反応して硬化する無機結合剤と、ガス発生剤と、酸と、水含有液体と、を含む固体清掃組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、圧縮清掃物品を製造するために使用できる組成物である。この組成物は、水に溶解した後に、泡立ち、発泡性、及び酸性を提供する。更に、組成物は、低温で固体物品に圧縮することができる。この組成物は、室温及び高温の両方で良好な安定性を有する。一実施形態では、組成物は、界面活性剤、芳香剤、研磨剤、ミネラル、及び着色剤などの他の材料とともに使用して、広範囲の清掃物品の作製を可能にすることができる。更に、本発明の組成物は、環境に優しく、ヒト及び環境に対して無害である。組成物は水に完全に溶解可能であり、清掃後に残る残留物は最小限である。この組成物の重要な特徴は、製品開発ニーズによって必要とされる酸化力、酸性度又は泡立ちを特に高めることができるように調整することができる。この組成物は、室温で圧力下で清掃物品に成形することができる。清掃物品は、水の存在下で徐々に溶解することができ、効果的な清掃を可能にする泡立ち、発泡性、酸性、及び研磨特性を提供する。一実施形態では、組成物は、便器から硬水汚れなどの汚れを清掃及び/又は除去するために使用される。
【0007】
組成物は、一般に、結合剤と、ガス発生剤と、酸と、水含有液体と、を含む。一実施形態では、組成物は、約1重量%~約50重量%の結合剤と、約10重量%~約50重量%のガス発生剤と、約15重量%~約70重量%の酸と、約0.1重量%~約20重量%の水含有液体と、を含む。特に、固体状態組成物は、約5重量%~約30重量%の結合剤と、約20重量%~約30重量%のガス発生剤と、約15重量%~約45重量%の酸と、約1重量%~約5重量%の水含有液体と、を含む。
【0008】
結合剤は、組成物の成分を一緒に維持するように機能する。結合剤は、機械的完全性を保持し、組成物が水と接触するまで組成物に硬度を提供するのに十分に強くなければならず、水と接触すると組成物は溶解することができる。結合剤は、水含有液体の存在下で、共有結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、又は他の二次相互作用を形成して、組成物の成分を化学的又は物理的に一緒に保持することができる。結合剤は、無機若しくは有機、又は両方の組み合わせであり得る。結合剤は、結合プロセスの間、化学的に反応性であっても非反応性であってもよい。
【0009】
一実施形態では、結合剤は、水と反応して組成物を硬化させる無機結合剤である。硬化するとは、結合剤が水と反応して新たな水和形態を形成するか、又は結合剤が水の存在下で縮合及び架橋することを意味する。硬化した結合剤は、組成物に構造的支持を提供し、水によって引き起こされる劣化に対して組成物を耐性にする。硬化プロセス中に、結合剤は他の成分と水素結合を形成することができ、組成物の構造的完全性を改善する。非反応性結合剤と比較して、水と反応性である無機結合剤の使用は、組成物が同じ量の力の下で室温で圧縮された後の組成物の硬度及び機械的完全性を大幅に改善することができる。圧縮物品を形成した後、反応性無機結合剤を含有する組成物は、例えば、便器内の水と接触したときに、形成された形状の膨潤を最小限に抑えながら、擦り洗い及び清掃のための十分な硬度、機械的完全性、及び耐久性を維持することができる。反応性無機結合剤の強力な結合能力は、水中又は湿潤環境で使用される場合に圧縮物品の耐久性を可能にする。湿潤状態の圧縮物品の耐久性は、好適な機械、例えば、Taber Linear Abraser 又はTaber Rotary Platform Abrasion Tester (North Tonawanda, NY)上で、湿潤状態で特定の適用重量(0.5kg、1.0kg、2.0kg、5kg、10kg)下で、圧縮物品が選択された経路長(5cm、10cm、20cm)及び速度で直線的に前後に移動することができるサイクル数、又は円形経路上の選択されたサイクル数及び速度によって定量化することができる。湿潤状態とは、圧縮物品が水中に浸漬され、次いで取り出されるか、又は試験中に水中に浸漬されたままであることを意味する。水中又は湿潤環境での圧縮物品の使用をシミュレートするために、円筒形状(直径4cm、高さ0.25cm、0.38cm、0.50cm又は0.56cm)を有する圧縮物品を最初に水中に浸漬して圧縮物品への水の完全な浸透を可能にし、硬質表面に押し付け、次いで手で保持して約20cmの経路長で前後に移動させる。圧縮物品は、湿潤状態で使用されるとき、十分な「湿潤硬度」、すなわち、十分な機械的完全性、及び耐久性を示すと考えられる。圧縮物品は、手で加えられた力で硬質表面に対して擦られたときに泡立ち及び発泡し、シミュレートされた清掃プロセス中に徐々に質量を失う。
【0010】
非反応性結合剤を含有する圧縮物品は、水中で使用されると、短時間、例えば約2分以内にその硬度及び機械的完全性を失うか、又は膨潤する。組成物の硬度は、例えば、ASTM D 2240-00に記載されている以下の手順に従って、ショア硬度A又はDのデュロメータを組成物の表面上に圧縮することによって測定することができる。エージング後硬度は、空気中、室温で2週間エージングした圧縮組成物について測定した硬度である。特に好適な反応性無機結合剤の例としては、硫酸カルシウム半水和物、無水硫酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸リチウム、ケイ酸リチウム、セメント、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な反応性無機結合剤の例としては、限定されるものではないが、Chicago,ILにあるUSGから入手可能なDURABOND 20、DURABOND 45、及びDURABOND 90などの硫酸カルシウム半水和物に基づく配合結合剤組成物が挙げられる。
【0011】
特に好適な有機結合剤の例としては、糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、及び液体グルコースなど)、有機酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、プロパン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、及びクエン酸ナトリウムなど)、ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、アラビアゴムキトサン、アルギン酸、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリレートポリマー、ポリウレタン、スチレンブタジエンゴム、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ビニルポリマーなど)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
水又は水含有液体は、結合剤との反応体として機能し、組成物中の他の成分が反応するための媒体として役立ち、並びに添加剤の担体として役立つ。反応性無機結合剤は、水含有液体中の水と反応して硬化し、組成物に硬度及び機械的完全性を与えることができる。水含有液体中の水はまた、酸及びガス発生剤が反応してより多くの水を生成するための媒体として機能することができ、これは組成物中に水素結合を作り出して硬度及び機械的完全性を改善する。水含有液体は、結合剤と反応するのに十分な含水量を有する。一実施形態では、水含有液体は、少なくとも約0.1%、特に少なくとも約1重量%の含水量を有する。好適な水含有液体の例としては、水、無機化合物の水溶液、ポリマーの水溶液、ポリマーの水性分散液、有機分子の水性分散液、液体有機化合物、液状水と有機化合物との混合物、有機化合物の水溶液、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な液体の例としては、脱イオン水、塩化カルシウムの水溶液、酢酸カルシウムの水溶液、酢酸ナトリウムの水溶液、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩の水溶液、ポリビニルアルコールの水溶液、ポリビニルピロリドンの水溶液、ポリエチレングリコールの水溶液、ポリエチレンイミンの水溶液、ポリスチレンスルホン酸の水溶液、ポリエステルの水溶液、ポリウレタンの水性分散液、ポリ酢酸ビニルの水性分散液、スチレンブタジエンゴムの水性分散液、ポリアクリレートの水性分散液、ポリアミドの水性分散液、ポリオレフィンの水性分散液、ロジン及びその誘導体の水性分散液、水と酢酸の混合物、水と乳酸の混合物、グリコール酸の水溶液、及びグルコン酸の水溶液、芳香剤の水性分散液、顔料の水性分散液、染料の水溶液、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
ガス発生剤は、泡/気泡を作り出すための発泡剤として機能する。泡及び/又は気泡を生成することによって、組成物は追加の表面積に達することができる。好適なガス発生剤の例としては、二酸化炭素発生剤及び酸素発生剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な二酸化炭素発生剤の例としては、アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属及び他のカチオンの重炭酸塩;アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属及び他のカチオンの炭酸塩;並びにアンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属及び他のカチオンの過炭酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な二酸化炭素発生剤の例としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、及び重炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
好適な酸素発生剤の例としては、過酸化水素;過炭酸ナトリウム/TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)から生成される過酢酸;アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属、及び他のカチオンの過炭酸塩;アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属、及び他のカチオンの塩化物及び過酸化物塩;アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属、及び他のカチオンのスーパーオキシド塩;アンモニウム、アルキル(モノ-、ジ-、又はトリ-)アンモニウム、又は遷移金属のものを含む、I族金属、II族金属、及び他のカチオンの過酸化塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
酸は、発泡剤及び洗浄剤の両方として機能する。酸は、任意の固体形態の有機酸又は無機酸であり得る。好適な酸の例としては、重硫酸ナトリウム、スルファミン酸、グリコール酸、マレイン酸、安息香酸、及びコハク酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
様々な機能を果たすために、他の添加剤を組成物中に含めることができる。例としては、キレート剤、界面活性剤、酸化剤、殺生物剤、抗菌剤、固化防止剤、親水剤、分散剤、共結合剤、充填剤/強靭化剤、軟化剤、研磨粒子、乾燥剤、離型剤、滑沢剤、崩壊剤、洗浄剤、カップリング剤、光開始剤、熱開始剤、粘度調整剤、接着促進剤、研削助剤、湿潤剤、分散剤、光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、染料、顔料、及び芳香剤が挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な添加剤としては、圧縮及び圧縮物品の形成前の組成物の安定性を改善するのに役立つ成分が挙げられる。例としては、固化防止剤、分散剤、及び共結合剤が挙げられる。圧縮物品の離型を助けるのに特に適した添加剤としては、離型剤及び滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
キレート剤が組成物中に含まれる場合、キレート剤は主に、水中に溶解した金属イオン又は汚れとしてトイレ表面に沈殿した金属イオンとの錯体形成剤として機能する。それはまた、洗浄並びに発泡を促進する。適切なキレート剤の例としては、クエン酸及びそのナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びそのナトリウム塩、エチレングリコール四酢酸(EGTA)及びそのナトリウム塩、並びにマレイン酸及びそのナトリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
界面活性剤が組成物中に含まれる場合、界面活性剤は洗浄剤及び発泡剤として使用される。好適な界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性界面活性剤、オリゴマー及びポリマー界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアニオン性界面活性剤の例としては、アルキル及びアルキルエーテルスルフェート、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリールスルホネート、第一級又は第二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、酸性タウレート、アルキルスルホアセテート、酸性イセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。追加の好適なアニオン性界面活性剤としては、米国特許出願第61/120,765号に開示されているもの、及びMcCutcheon′s Detergents and Emulsifiers,North American Edition(1992),Allured Publishing Corp.に開示されている界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン化アルキルフェノール、ポリオキシエチレン化アルコール、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルカン酸のグリセリルエステル、アルカン酸のポリグリセリルエステル、アルカン酸のプロピレングリコールエステル、アルカン酸のソルビトールエステル、アルカン酸のポリオキシエチレン化ソルビトールエステル、アルカン酸のポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン化アルカン酸、アルカノールアミド、N-アルキルピロリドン、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、アルキルアミンオキシド、及びポリオキシエチレン化シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なカチオン性界面活性剤の例としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウムクロリド、PEG-2オレイルアンモニウムクロリドを含むがこれらに限定されない「第四級アンモニウム」の物質のクラスから選択されるもの、及びこれらの塩(塩化物がハロゲン(例えば、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、又はアルキル硫酸塩によって置き換えられている)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な双性イオン性及び両性界面活性剤の例としては、アミンオキシド、ベタイン(カルボン酸/第四級アンモニウム又はカルボン酸/ホスホニウム)、スルホベタイン、又はカルボキシベタイン、スルタイン(スルホン酸/第四級アンモニウム又はスルホン酸/ホスホニウム)、アミノ酸誘導体、イミダゾリン誘導体、レシチン、及びリン脂質が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリマー界面活性剤の例としては、エチレンオキシドと脂肪族アルキル残基とのブロックコポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、疎水変性ポリアクリレート、疎水変性セルロース、シリコーンポリエーテル、シリコーンコポリオールエステル、ジ第四級ポリジメチルシロキサン、及び共変性アミノ/ポリエーテルシリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
組成物が酸化剤を含む場合、酸化剤は有機汚れを酸化し、細菌を除去するように機能する。好適な酸化剤の例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過酸化カルバミド、ポリビニルピロリドンと過酸化水素との錯体、過ホウ酸ナトリウム、過酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な市販の酸化剤の例としては、Wilmington,DEに所在するDupontから入手可能なOxoneが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、固体状態組成物が酸化剤を含む場合、固体状態組成物は、最大約15重量%の酸化剤、特に最大約5重量%の酸化剤を含む。
【0020】
組成物は、任意選択で、細菌を除去するための殺生物剤を含んでもよい。好適な殺生物剤の例としては、塩化ベンザルコニウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ベンゾイソチアゾリノンクロルヘキシジンクロルヘキシジン、第四級アンモニウム誘導体、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、組成物が殺生物剤を含む場合、固体状態組成物は、最大約5重量%の殺生物剤、特に最大約2重量%の殺生物剤を含む。
【0021】
組成物は酸性pHを有し、水溶液中のプロトンによってエッチングされる便器などの表面を清掃するのに好都合にする。更に、硬水汚れ及び水垢は酸性条件下で溶解することができる。塩基性pHは、便器上に硬水汚れ及び有機物の堆積物を形成するのに有利である。したがって、組成物が酸性pHを有することが望ましい。一実施形態では、組成物は、水に溶解したとき、約0~約6、特に約1~約5、特に約2~約5のpHを有する。
【0022】
その低いpHに部分的に起因して、組成物は、硬水汚れ及び水垢などの様々なデブリ及び汚れを効果的に除去することができる。実際には、組成物は、意図された表面を清掃するのに必要な反応を開始するために、十分な量の水又は水と極性溶媒との混合物と接触しなければならない。組成物が水に曝されると、組成物は溶解し、発泡し始める。水は、反応が起こる媒体として機能する。酸及びガス発生剤は反応して二酸化炭素を放出し、二酸化炭素は界面活性剤の水溶液を通って表面に上昇し、溶液中に気泡を生成し、表面に泡層を形成する。発泡により、組成物は、便器の内面の下側などの到達困難な表面に接触することができる。一実施形態では、少なくとも約0.1cm、少なくとも約0.5cm、少なくとも約0.75cm、少なくとも約1cm、少なくとも約1.25cm、少なくとも約1.5cm、少なくとも約1.75cm、少なくとも約2cm、及び少なくとも約3cmの泡高を有するのに十分な量の発泡体が生成される。
【0023】
組成物は2つの重要な特徴:すなわち、清掃効力及び室温下で様々な形状に成形される能力を有する。清掃効力には、清掃される表面から硬水汚れ、水垢及び有機汚れを除去するための泡立ち、発泡性、酸性度及び研磨特性が含まれる。一実施形態では、組成物を水に添加することができ、清掃効力は、機械的な力を使用せずに静的である。一実施形態では、組成物は、表面上のスクラバーとして使用することができ、清掃効力は、静電気清掃効力と機械的な力によるスクラビングとが複雑に絡み合った状態である。芳香、色、酸化力、及び抗菌特性を含む組成物の更なる特徴は、広範囲の清掃製品の創出を可能にするために組成物の基本配合物に組み込むことができる。一実施形態では、組成物は、硬水汚れの少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%を除去することができる。一実施形態では、固体形態組成物は、水垢の少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%を除去することができる。
【0024】
凝縮した固体形態に成形された後、組成物は、硬質表面上で使用されるのに十分な機械的完全性、硬度、靭性、及び耐久性を提供する。一実施形態では、固体状態組成物は、清掃を提供するために、例えば便器に落とすことができる錠剤又はポッドの形態である。一実施形態では、組成物を清掃ヘッドに成形し、手持ち式道具とともに使用することができる。これにより、清掃道具として機能するとともに清掃に必要な化学物質を提供する溶解可能なヘッドが提供される。したがって、固体状態組成物は、錠剤として使用されること、及び/又はハンドル上で使用されることの二重機能性を有する。固体状態組成物はまた、最初に、機械的な力で清掃するためにハンドル上で使用され、次いで、静的清掃のために水中に放出され得る。
【0025】
組成物は、水と接触したときに直ちに溶解又は分解しないような特定の硬度及び耐久性を有していなければならず、表面と接触して清掃するのに十分な時間にわたって固体状態の形態のままでなければならない。一実施形態では、組成物は、少なくとも約30、具体的には少なくとも約30、より具体的には少なくとも約50~約100、更により具体的には少なくとも約80のエージング後ショアA硬度を有する。一実施形態では、固体状態組成物は、約10~約100、特に約20~約70のエージング後ショアD硬度を有する。組成物が固体状態の形態のままである時間の量は、溶解時間として測定することができ、これは、5グラムの固体状態組成物を周囲条件の空気中で2週間エージングした後、撹拌せずに195グラムの水に浸漬した場合に、5グラムの固体状態組成物が崩壊及び溶解するのにかかる時間として定義される。固体状態組成物は、清掃される表面を擦るのに最適な溶解時間を有する。一実施形態では、固体状態組成物は、約1分~約60分、特に約5分~約40分、特に約10分~約30分の溶解時間を有する。
【0026】
本発明の固体状態組成物を製造するために、成分を一緒に混合する。芳香剤が存在する場合、組成物は、固化防止剤を含まなければならない。一実施形態では、固化防止剤は疎水性である。好適な固化防止剤の例としては、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、粘土、及びコーンスターチが挙げられるが、これらに限定されない。固化防止剤及び芳香剤を最初に混合し、次いで任意の界面活性剤と混合して予備混合物を形成し、その後、予備混合物を残りの成分の混合物と混合する。組成物の最終混合物をキャビティ又は型に添加し、そこで機械的な力を加えて混合物を圧縮物品に圧縮する。圧縮物品は、本発明の意図される範囲から逸脱することなく、任意の形状をとることができる。圧縮物品は、キャビティ又は型から取り出された後、空気中又は周囲条件の密閉環境中でエージングされて、時間とともに硬化される。一実施形態では、得られた固体状態組成物を圧縮して錠剤を形成する。一実施形態において、固体状態組成物は、水溶性ポリマーフィルムによって包まれて、ポッドを形成する。
【実施例】
【0027】
別段の記載がない限り、又は文脈から容易に明らかでない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、重量基準である。
【0028】
【0029】
試験方法
錠剤硬度-ショア硬度
ショア硬度は、材料が押込みに対して有する抵抗の尺度である。高い値ほど、押込みに対するより大きな抵抗を示し、したがって、より硬い材料を示す。低い数ほど、より低い抵抗及びより柔らかい材料を示す。手持ち式デュロメータを使用して、ASTM D2240-00試験プロトコルに従って、実施例錠剤のタイプA及びタイプDショア硬度(Rex Gauge, Buffalo Grove, ILによるモデル3000)を測定した。以下に別段の記載がない限り、試験した実施例の錠剤は、直径約4cm、厚さ0.63cm、密度約1.5g/cm3であった。以下に別段の記載がない限り、表中の値は、単一の錠剤について得られた少なくとも3回の測定の平均である。
【0030】
錠剤特性-溶解時間、pH、泡立ち、残留物:
試験の前に、試験される錠剤を周囲条件の空気中で2週間エージングした。5gの錠剤片を錠剤から破断した。約195gの水を1リットルのガラスビーカーに加え、錠剤片を水中に滴下した。錠剤片がビーカー内で撹拌せずに最大量まで溶解する時間を記録した。溶解が完了した後、pH試験紙を用いてpHを測定した。泡立ち(泡高)及び水中に残っている残留物を視覚的に評価した。
【0031】
調製例
調製例1(PEx1):炭酸ナトリウムベースの粉末配合物の調製
2.7gの過硫酸ナトリウム、23.6gの重硫酸ナトリウム、26.1gの炭酸ナトリウム、42.1gのクエン酸、1.3gのSIPERNAT 50S及び0.007gのDuasyn Ink Blue SLKをガラスバイアルに添加し、続いて手で回転させた。2.5gのLATHANOL LAL、1.5gのSTEPANOL WA-100 NF/USP及び0.30gのSZ 41894 Citrusを別のガラスバイアルに添加し、続いて手で回転させ、次いで均一な混合物が得られるまでスパチュラで更に混合した。2つの別々の混合物を合わせた後、手で回転させ、スパチュラで混合した。得られた粉末混合物は自由流動性であった。
【0032】
【0033】
実施例
実施例1(Ex1T錠剤)
40.0gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、1.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を、錠剤プレス(Hydraulic Unit Model#3912、Carver Inc.Wabash,IN)のテフロン金型の円筒形キャビティに添加した。キャビティの直径は4.0cmであり、キャビティの充填高さは5.0cmであった。プランジャーに加えられた重量は2500ポンドであり、1284psiの圧力が加えられた。圧力を解放する前に、混合物を1284psiで1分間金型内に滞留させた。錠剤(Ex1T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。乾燥状態でエージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。エージングした錠剤を水に浸して湿潤状態にし、硬い表面に押し付け、次に手で持って約20cmの経路長で前後に動かした。湿潤錠剤は、良好な硬度、機械的完全性及び耐久性を示した。手で力を加えて硬質表面に対して擦ると泡立ち、発泡した。
【0034】
【0035】
実施例2(Ex2T錠剤)
40.0gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex2T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。エージングした錠剤を水に浸して湿潤状態にし、硬い表面に押し付け、次に手で持って約20cmの経路長で前後に動かした。湿潤錠剤は、良好な硬度、機械的完全性及び耐久性を示した。手で力を加えて硬質表面に対して擦ると泡立ち、発泡した。
【0036】
【0037】
実施例3(Ex3T錠剤)
40.0gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.6gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex3T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。エージングした錠剤を水に浸して湿潤状態にし、硬い表面に押し付け、次に手で持って約20cmの経路長で前後に動かした。湿潤錠剤は、良好な硬度、機械的完全性及び耐久性を示した。手で力を加えて硬質表面に対して擦ると泡立ち、発泡した。
【0038】
【0039】
実施例4(Ex4T錠剤)
40.0gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45及び1.0gのPOLYOX WSR 205を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex4T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。
【0040】
【0041】
実施例5(Ex5T錠剤)
40.0gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45及び1.0gのポリ(アクリル酸)(Mv約1,250,000)を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex5T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。
【0042】
【0043】
実施例6(Ex6T錠剤)
40gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、3.65gのSOKALAN CP10を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex6T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して手で擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。エージングした錠剤を水に浸して湿潤状態にし、硬い表面に押し付け、次に手で持って約20cmの経路長で前後に動かした。湿潤錠剤は、良好な硬度、機械的完全性及び耐久性を示した。手で力を加えて硬質表面に対して擦ると泡立ち、発泡した。
【0044】
【0045】
実施例7(Ex7T錠剤)
40gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gのDURABOND 45を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、4.0gのSOKALAN CP10Sを添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(Ex7T)をキャビティから取り出し、検査した。錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤は、良好な強度及び完全性を有することが再び観察された。エージングした錠剤を手で保持し、硬質表面に対して擦り、手持ち式道具として使用するためのその完全性を評価した。錠剤は、効果的な清掃のために典型的に使用される力の下で十分に保持された。
【0046】
【0047】
ショアA及びショアD硬度測定を、上記の錠剤硬度試験方法に従って、1日間エージングした後の実施例ExT4~ExT7錠剤について行った。結果を表9にまとめる。
【0048】
【0049】
実施例8~15(Ex8T~Ex15T錠剤)
種々の量の硫酸カルシウム半水和物及びSOKALAN CP10を含有する組成物を、表10に示す配合物に従って調製した。各実施例配合物について、LATHANOL LAL及びSTEPANOL WA-100 NF/USPを最初に一緒に混合し、次いでSIPERNAT 50Sを混合物に添加した。この後、クエン酸、重硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム半水和物及び軽石を混合物に順次添加した。各成分を添加した後、得られた混合物を約30秒~60秒間、手動で、又はスパチュラ若しくは機械的ブレンダーを用いて混合した。最後に、SOKALAN CP10を粉末混合物に添加し、最終混合物を均一かつ易流動性になるまで更に混合した。
【0050】
各組成物の錠剤を調製するために、30.0gの最終混合物を、上記ExT1について記載したように、錠剤プレスの円筒形金型に添加した。プランジャーに加えられた重量は2500ポンドであり、1284psiの圧力が加えられた。圧力を解放する前に、混合物を1284psiで1分間金型内に滞留させた。錠剤をキャビティから取り出し、検査した。Ex8T~Ex15Tの錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。
【0051】
【0052】
ショアD硬度測定を、上記の錠剤硬度試験方法に従って、24時間エージングした後の実施例ExT8~ExT15の錠剤について行った。結果を表11にまとめる。
【0053】
【0054】
追加のショアD硬度測定を、上記の錠剤硬度試験方法に従って実施例Ex12T~Ex15Tの錠剤について実施し、4日、7日及び14日後の追加のエージングを含めた。結果を表12にまとめる。各値は、1つの錠剤についての4つのデータポイントの平均である。
【0055】
【0056】
実施例16~23(Ex16T~23Tの錠剤)
実施例16~23の組成物を表13に示す配合物に従って調製し、実施例8~15について上述した手順を使用して各組成物について錠剤を形成した。Ex16T~Ex23Tの錠剤は、良好な初期強度及び完全性を有することが観察された。
【0057】
【0058】
ショアD硬度測定を、上記の錠剤硬度試験方法に従って、24時間エージングした後の実施例ExT16~ExT23の錠剤について実施した。結果を表14にまとめる。N/Aは、硬度値が測定されなかったことを意味する。
【0059】
【0060】
いくつかの実施例錠剤の更なる特性を、上記の錠剤特性試験方法に記載されるように研究した。結果を表15にまとめる。
【0061】
【0062】
比較例
比較例CEx1(CEx1T)
40gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gの炭酸カルシウムを添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(CEx1T)をキャビティから取り出し、検査した。手で穏やかな力を加えることによって錠剤を破壊した。検査後、破壊された錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。手で穏やかな力を加えることによって錠剤を再び破壊した。
【0063】
【0064】
比較例CEx2(CEx2T)
40gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて5.0gの硫酸カルシウム二水和物を添加した。得られた混合物を手で回転させた後、2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(CEx2T)をキャビティから取り出し、検査した。手で穏やかな力を加えることによって錠剤を破壊した。検査後、破壊された錠剤を、フームフード内で室温にて周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。手で穏やかな力を加えることによって錠剤を再び破壊した。
【0065】
【0066】
比較例3T(CEx3T)
40gの調製PEx1混合物をガラスジャーに添加し、続いて2.0gのDI水を添加した。次いでスパチュラを使用して、混合物が均一な固体混合物になるまで混合物を撹拌した。15.0gの混合物を錠剤プレスの円筒形金型に添加し、上記ExT1について記載したのと同じ条件下で錠剤を調製した。錠剤(CEx3T)をキャビティから取り出し、検査した。初期強度が低く、型から取り出す際に錠剤の一部が割れた。検査後、新鮮な錠剤を周囲条件で空気中に保存し、続いて24時間後に第2の検査を行った。錠剤強度はエージング後に改善した。エージングした錠剤を、手で保持した硬質表面に対して擦り、手持ち道具としての完全性を評価し、擦り試験中に破損した。
【0067】
【0068】
本発明について、好ましい実施形態を参照しながら記述してきたが、当業者なら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細において変更が行われ得ることを、認識するであろう。
【国際調査報告】